JP7122448B2 - サーマルプリントヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、サーマルプリントヘッドに関する。
図18は、従来のサーマルプリントヘッドの一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示されたサーマルプリントヘッド101は、基板1上にガラス層2が形成され、ガラス層2上に電極層3および抵抗体層4が形成されている。電極層3を介して抵抗体層4に対する部分的な通電を行うことにより、印字に必要な熱が発生する。電極層3および抵抗体層4は、保護層5によって覆われている。保護層5は、例えばガラスからなり、電極層3および抵抗体層4を保護している。
近年、印刷速度の高速化が進められている。また、印刷用紙の多様化にともない、比較的硬質な物質を含有する印刷用紙が用いられる場合がある。これらは、保護層5の傷つきを助長する要因となる。保護層5には、耐摩耗性が要求される。
特開平7-186429号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、耐摩耗性に優れた保護層を備えたサーマルプリントヘッドを提供することをその課題とする。
本発明によって提供されるサーマルプリントヘッドは、一方の面である主面を有する基板と、前記基板の主面側に形成された抵抗体層と、前記抵抗体層に通電するための電極層と、前記抵抗体層の少なくとも一部を覆う保護層とを備えており、前記保護層は、炭素を主成分とする低密度層と、炭素を主成分とし、前記低密度層より密度の高い高密度層とを備え、前記高密度層が前記低密度層より外側に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護層は、前記低密度層と前記高密度層とを交互に、少なくとも2つずつ備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の前記低密度層は、外側のものほど厚さが厚い。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護層は、前記低密度層と前記高密度層との間に配置され、炭素を主成分とし、密度が前記低密度層と前記高密度層との間である中密度層をさらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護層は、それぞれ密度の異なる前記中密度層を複数、密度が高い方を外側にして備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護層は、前記低密度層の内側に、さらに前記高密度層を備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高密度層の少なくとも1つは導電性を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護層は、導電性を有する導電層を、さらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記低密度層と前記高密度層との境界領域では、前記低密度層側から前記高密度層側に向かうにつれて密度が漸増している。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記低密度層および前記高密度層は、同じ材料により形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記低密度層および前記高密度層は、テトラヘデラル・アモルファスカーボンにより形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高密度層の厚さは、前記低密度層の厚さより薄い。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高密度層の厚さは、5~50[nm]である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記低密度層の厚さは、200~2000[nm]である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記サーマルプリントヘッドは、前記保護層の内側に配置される第2保護層をさらに備えており、前記保護層は、前記第2保護層と接する下地層をさらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記電極層は、副走査方向に延び、主走査方向に互いに離間して配置される複数の第1帯状部、および、複数の前記第1帯状部と接続し、前記主走査方向に延びる連結部を有する共通電極と、前記副走査方向に延びる第2帯状部をそれぞれ有し、前記基板の前記主走査方向に互いに離間して配置される複数の個別電極とを備えており、前記抵抗体層は、前記主走査方向に延びる帯状であり、前記第1帯状部および前記第2帯状部は、前記主走査方向において交互に、前記抵抗体層に交差するように配置されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護層の外面の、前記基板の厚さ方向視において前記抵抗体層に重なる部分には、前記主走査方向に直交する方向の溝が形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護層は、金属または金属化合物からなる金属層をさらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記金属層は、窒化金属により形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記金属層は、CrNにより形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記金属層は、前記保護層の最も外側に配置されている。
本発明によれば、保護層が炭素を主成分とする低密度層と高密度層とを備えている。そして、低密度層より外側に、より密度が高い高密度層が配置されている。当該高密度層は、低密度層より硬度が高く、摩擦係数が低い。したがって、保護層は耐摩耗性に優れている。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す平面図である。 図1のサーマルプリントヘッドを示す要部平面図である。 図2のIII-III線に沿う断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。 図4のV-V線に沿う断面図である。 第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの変形例を示す要部拡大断面図である。 第1実施形態に係るサーマルプリントヘッドの他の変形例を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドにおける成膜処理装置の一例を示す図である。 保護層の実際の断面写真である。 保護層の実際の断面写真である。 耐摩耗加速試験の試験結果を示しており、試験前後の表面の状態を撮像した写真である。 耐摩耗加速試験の試験結果を示しており、試験前後の断面プロファイルを示す図である。 第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。 第3実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。 第4実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。 第5実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。 第6実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。 従来のサーマルプリントヘッドの一例を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1~図5は、本発明の第1実施形態に係るサーマルプリントヘッド101を示している。図1は、サーマルプリントヘッド101を示す平面図である。図2は、サーマルプリントヘッド101を示す要部平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿う断面図である。図4は、サーマルプリントヘッド101を示す要部拡大断面図である。図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。これらの図において、サーマルプリントヘッド101の長手方向(主走査方向)をx方向とし、短手方向(副走査方向)をy方向とし、厚さ方向をz方向として説明する。以下の図においても同様である。なお、理解の便宜上、図1および図2においては、保護層5を省略している。
サーマルプリントヘッド101は、基板1、ガラス層2、電極層3、抵抗体層4、保護層5,6、および駆動IC71を備えている。サーマルプリントヘッド101は、たとえばバーコードシートやレシートを作成するために感熱紙に対する印刷を施すプリンタに組み込まれるものである。
基板1は、たとえばAl23などのセラミックからなり、たとえばその厚さが0.6~1.0[mm]程度とされている。図1に示すように、基板1は、x方向に長く延びる長矩形状とされている。基板1は、z方向において互いに反対側を向く主面11および裏面12を有している。主面11に、ガラス層2、電極層3、抵抗体層4、保護層5,6が形成される。基板1の裏面12には、たとえばAlなどの金属からなる放熱板を設けてもよい。
ガラス層2は、基板1の主面11上の全面に形成されており、たとえば非晶質ガラスなどのガラス材料からなる。ガラス層2は、ガラスペーストを厚膜印刷したのちに、これを焼成することにより形成されている。ガラス層2は、基板1の主面11の凹凸をなくして電極層3を積層しやすくし、また、抵抗体層4で発生した熱を蓄熱するために設けられている。なお、抵抗体層4のうちの発熱する部分である発熱部41を印刷対象である感熱紙などにより押し当てやすくするために、ガラス層2の抵抗体層4が形成される部分に、yz平面の断面形状が円弧状となる部分グレースを形成するようにしてもよい。
電極層3は、抵抗体層4に通電するための経路を構成するためのものであり、基板1の主面11のガラス層2上に形成されている。電極層3は、たとえば添加元素としてロジウム、バナジウム、ビスマス、シリコンなどが添加されたレジネートAuからなる。電極層3は、レジネートAuのペーストを厚膜印刷したのちに、これを焼成することにより形成されている。なお、電極層3は、スパッタリングなどの薄膜形成技術によって形成するようにしてもよい。また、電極層3は、複数のAu層を積層させることによって構成してもよい。電極層3の厚さは特に限定されないが、たとえば0.6~1.2[μm]程度である。電極層3は、基板1の主面11以外の部分に形成された部位を有していてもよい。電極層3は、共通電極31および複数の個別電極35を備えている。
共通電極31は、複数の帯状部32、連結部33、および迂回部34を備えている。図2および図3に示すように、連結部33は、基板1のy方向下流側の端部寄りに配置されており、x方向に延びる帯状である。なお、連結部33の基板1とは反対側の面には、連結部33の抵抗による発熱を抑制するために、連結部33(電極層3)より抵抗率が小さい素材(たとえばAg)によって、x方向に延びる帯状の補助電極層が形成されていてもよい。帯状部32は、連結部33からy方向上流側に延びており、x方向に等ピッチで複数配列されている。当該「帯状部32」が、本発明の「第1帯状部」に相当する。迂回部34は、連結部33のx方向の一端からy方向に延びている。
個別電極35は、抵抗体層4に対して部分的に通電するためのものであり、共通電極31に対して逆極性となる部位である。個別電極35は、x方向に等ピッチで複数配列されており、各々が帯状部36およびボンディング部37を有している。帯状部36は、y方向に延びた帯状部分であり、隣り合う2つの帯状部32の間に位置している。つまり、帯状部36と帯状部32とは、x方向において交互に配置されている。当該「帯状部36」が、本発明の「第2帯状部」に相当する。ボンディング部37は、帯状部36のy方向上流側端部に設けられている。
抵抗体層4は、電極層3を構成する材料よりも抵抗率が大きい、たとえば酸化ルテニウムなどからなり、基板1の主面11のガラス層2上で、x方向に延びる帯状に形成されている。抵抗体層4は、酸化ルテニウムなどのペーストを厚膜印刷したのちに、これを焼成することにより形成されている。なお、抵抗体層4は、スパッタリングなどの薄膜形成技術によって形成するようにしてもよい。抵抗体層4の厚さは特に限定されないが、厚膜印刷の場合たとえば6[μm]程度であり、スパッタリングの場合たとえば0.05~0.2[μm]程度である。抵抗体層4は、複数の帯状部32および複数の帯状部36の上側に、複数の帯状部32と複数の帯状部36とにそれぞれ交差するように形成されている。抵抗体層4のうち各帯状部32と各帯状部36とに挟まれた部位が、発熱部41となっている。発熱部41は、電極層3によって部分的に通電されることにより発熱する部位であり、この発熱によって印字ドットが形成される。
保護層5,6は、抵抗体層4および電極層3を保護するためのものである。保護層5は、たとえば非晶質ガラスからなる。この非晶質ガラスの軟化点は、たとえば700℃程度である。図3に示すように、保護層5は、y方向において、基板1の下流側端縁手前(たとえば端縁より0.1~0.5[mm]手前)から個別電極35のボンディング部37の手前にわたる領域に形成されており、少なくとも複数の発熱部41を覆っており、本実施形態においては、電極層3の大部分を覆っている。保護層5は、ガラスペーストを厚膜印刷したのちに、これを焼成することによって形成される。そして、保護層5は、基板1の厚さ方向視において(z方向下流側から見て)抵抗体層4に重なる部分の、基板1の主面11からの高さが所望の寸法になるように、また、保護層6との密着性を高めるために、表面が研削される。これにより、保護層5の抵抗体層4に重なる部分のz方向下流側の面には、y方向に平行な(x方向に直交する)溝5aが多数形成される(図5参照)。保護層5の厚さは特に限定されないが、たとえば6~8[μm]程度である。なお、保護層5は、y方向において、基板1の下流側端縁まで形成されていてもよい。「保護層5」が本発明の「第2保護層」に相当し、「保護層6」が本発明の「保護層」に相当する。
図4および図5に示すように、保護層6は、保護層5の外側(z方向下流側)に形成されており、下地層61、低密度層62および高密度層63を備えている。本実施形態においては、内側から外側に向かって順に、下地層61、低密度層62、高密度層63、低密度層62、および高密度層63が積層されている。なお、本実施形態において、保護層6は保護層5を覆うようにして形成されているが、これに限られず、z方向下流側から見て少なくとも複数の発熱部41を覆っていればよい。下地層61は、保護層5と低密度層62との密着性を増すために設けられており、例えばSiN系の材料によって形成されたシリコンナイトライドである。なお、下地層61は、設けなくてもよい。
低密度層62および高密度層63は、テトラヘデラル・アモルファスカーボン(ta-C)によって形成されている。ta-Cは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)よりダイヤモンド含有量が高く、45~85%程度である(DLCは25%程度)。また、DLCの密度が2.2[g/cm3]程度であるのに対して、ta-Cの密度は、2.5~
3.3[g/cm3]程度である。つまり、ta-Cは、ダイヤモンド含有量を高め、密
度を高めた炭素系材料である。ta-Cは、ダイヤモンド含有量が高いので、硬度(35~80[GPa]程度)および耐熱温度(窒素雰囲気中で600~800℃程度)が高く、摩擦係数(0.08~0.1程度)が小さい。
低密度層62は、高密度層63と比べると密度が低く2.5~3.0[g/cm3]程
度であり、昇華温度が350℃(窒素雰囲気中)程度で、ヴィカース硬度が2000[Hv]程度である。低密度層62の厚さは、200~2000[nm]程度である。本実施形態では、低密度層62の厚さを、より外側(z方向下流側)のものほど厚くなるように形成している。なお、各低密度層62の厚さは、いずれも同等の厚さとしてもよいし、外側のものほど薄くなるようにしてもよい。ただし、外側のものほど厚くなるようにするのが望ましい。高密度層63は、低密度層62と比べると密度が高く3.1~3.3[g/cm3]程度であり、昇華温度が800℃(窒素雰囲気中)程度で、ヴィカース硬度が8
000[Hv]程度である。高密度層63の厚さは、5~50[nm]程度である。保護層6の最も外側には、高密度層63が配置されている。
なお、低密度層62および高密度層63の密度、昇華温度およびヴィカース硬度は限定されない。また、低密度層62および高密度層63は、ta-Cに限定されず、DLCであってもよい。ただし、DLCは昇華温度が低くグラファイト化しやすいので、少なくとも高密度層63は、ta-Cとするのが望ましい。また、低密度層62および高密度層63の厚さも限定されない。高密度層63は内部応力が高くなるので、厚く形成するのが難しい。本実施形態では、低密度層62を厚く形成し、さらに、低密度層62および高密度層63をそれぞれ2層ずつ交互に積層することで、保護層6の厚さを所望の厚さに形成している。高密度層63をより厚く形成した場合は、低密度層62をより薄く形成してもよい。
本実施形態では、低密度層62および高密度層63をそれぞれ2層ずつ交互に積層している場合について説明しているが、積層数は限定されない。例えば、図6に示すように、低密度層62および高密度層63をそれぞれ1層ずつ積層してもよいし、図7に示すように、低密度層62および高密度層63をそれぞれ4層ずつ積層してもよい。
低密度層62および高密度層63は、図8に示す成膜処理装置9によって形成される。当該成膜処理装置9は、イオンビーム蒸着法により成膜を行う。当該成膜処理装置9は、まず、電源91によるアーク放電によって、プラズマ生成部92で炭素プラズマを生成する。そして、電磁気的空間フィルタ93によってプラズマ炭素イオン99を抽出し、真空チャンバ95内に配置された成膜対象物Wにta-C膜を成膜する。本実施形態では、成膜対象物Wとして、ガラス層2、電極層3、抵抗体層4、保護層5および下地層61が形成された基板1を真空チャンバ95内に配置して、下地層61の外側に、ta-C膜である低密度層62および高密度層63を形成する。成膜処理装置9は、成膜対象物Wに印加するバイアス電圧を変化させることで、プラズマ炭素イオン99のエネルギーレベルを変化させ、ta-C膜の密度を変化させることができる。本実施形態では、バイアス電圧を2つの電圧で切り替えて、密度の低い低密度層62と密度の高い高密度層63とを、交互に形成している。バイアス電圧の切り替えは連続的に行われるので、低密度層62と高密度層63との境界領域では、低密度層62側から高密度層63側に向かうにつれて密度が漸増する。なお、低密度層62および高密度層63の成膜方法は限定されない。他の方式によって、低密度層62および高密度層63を形成するようにしてもよい。
図5に示すように、保護層5の抵抗体層4に重なる部分のz方向下流側の面には溝5aが形成されているので、保護層5に積層された保護層6の最も外側の高密度層63の外面(z方向下流側の面)に、溝6aが形成される。溝6aは、抵抗体層4に重なる部分に、y方向に平行に、すなわち、主走査方向(x方向)に直交するように、多数形成される。当該溝6aは、図11(a),(b)の左側の各写真に表れている。
図9および図10は、保護層6の実際の断面写真であり、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry;EDX)を用いた透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)によって撮像したものである。当該撮像は、低密度層62および高密度層63をそれぞれ4層ずつ交互に積層した保護層6(図7参照)について行ったものである。図9(a)は、図7の太線で囲んだ領域Aの部分を拡大した写真である。図9(b)は、図9(a)の上方をさらに拡大した写真であり、図9(c)は、図9(a)の下方をさらに拡大した写真である。図10(a)は、図9(b)の太線で囲んだ領域Bの部分を拡大した写真であり、図10(b)は、図9(b)の太線で囲んだ領域Cの部分を拡大した写真である。
図9および図10に表れているように、低密度層62と高密度層63とが交互に積層されていることが確認できる。低密度層62の厚さは約269~410[nm]であり、高密度層63の厚さは約5~6[nm]であった。図9に示すように、低密度層62は、外側(z方向下流側)に配置されたものの厚さが、内側(z方向上流側)に配置されたものより厚くなっている。なお、外側の2つの低密度層62の厚さは逆転しているが、誤差の範囲である。また、図9(c)に表れているように、保護層5の外側の面は凹凸が大きいが、下地層61の外側の面は凹凸が滑らかになっている。これにより、保護層6の外側の面が滑らかになる。また、図10に表れているように、低密度層62と高密度層63との境界領域には、低密度層62および高密度層63とは異なる層が積層されている。当該層は、低密度層62側から高密度層63側に向かうにつれて密度が漸増して形成された層である。
駆動IC71は、複数の個別電極35を選択的に通電させることにより、複数の発熱部41のいずれかを任意に発熱させる機能を果たす。図1および図3に示すように、本実施形態においては、複数の駆動IC71が、ガラス層2上に配置されている。本実施形態においては、駆動IC71とガラス層2との間に、電極層3の一部および支持ガラス層27が介在している(図3参照)。図2に示すように、駆動IC71には、複数のパッド72が形成されている。複数のパッド72は、複数のワイヤ73を介して複数の個別電極35のボンディング部37、または、ガラス層2に形成された電極層3の一部であるパッドに接続されている。図1に示すように、駆動IC71は、封止樹脂82によっておおわれている。封止樹脂82は、たとえば黒色の絶縁性軟質樹脂からなる。なお、図2および図3においては、理解の便宜上封止樹脂82を省略している。
また、図1に示すように、基板1には、コネクタ83が設けられている。コネクタ83は、サーマルプリントヘッド101をたとえばプリンタに組み込む際に、このプリンタ側のコネクタと接続される。
次に、サーマルプリントヘッド101の作用について説明する。
本実施形態によれば、保護層5の外側(z方向下流側)に保護層6が形成されている。保護層6は、低密度層62および高密度層63を備えている。低密度層62および高密度層63は、テトラヘデラル・アモルファスカーボン(ta-C)によって形成されている。ta-Cは、硬度が高く、摩擦係数が小さい。したがって、サーマルプリントヘッド101の保護層6は、傷つきにくく、耐摩耗性に優れている。また、低密度層62より密度が高く、より耐摩耗性に優れた高密度層63が、低密度層62より外側に配置されている。したがって、サーマルプリントヘッド101の保護層6は、より耐摩耗性に優れている。
図11および図12は、サーマルプリントヘッド101の耐摩耗加速試験の試験結果を示す図である。本試験では、(a)低密度層62および高密度層63をそれぞれ2層ずつ交互に積層した場合(図4参照)、(b)低密度層62および高密度層63をそれぞれ1層ずつ積層した場合(図6参照)、および、(c)保護層6に代えてSiCを積層した場合で、耐摩耗加速試験を行った。各場合とも、ラッピング紙#8000を2.0[km]走行させて、摩耗量を確認した。
図11は、左側が試験前の表面の状態を撮像した写真であり、右側が試験後(2.0[km]走行させた後)の表面の状態を撮像した写真である。(a)2層ずつ交互に積層した場合、および、(b)1層ずつ積層した場合とも、試験後には表面が摩耗して、溝6aが見えなくなっている。また、(c)SiCを積層した場合も、同様に、試験後には表面が摩耗して、溝が見えなくなっている。
図12は、試験前後の断面プロファイルを示しており、Dが試験前の断面プロファイルであり、Eが試験後の断面プロファイルである。紙送りの方向は、各図において左から右への方向である。(a)2層ずつ交互に積層した場合、最大0.74[μm]摩耗した。図示しないが、1.0[km]走行時点では、最大0.39[μm]摩耗した。(b)1層ずつ積層した場合、最大0.51[μm]摩耗した。図示しないが、1.0[km]走行時点では、最大0.31[μm]摩耗した。(c)SiCを積層した場合、最大2.88[μm]摩耗した。図示しないが、1.0[km]走行時点では、最大1.34[μm]摩耗した。試験後の摩耗量は、(a)の場合は(c)の場合の4分の1程度であり、(b)の場合は(c)の場合の5分の1以下であった。
以上のように、(a)2層ずつ交互に積層した場合、および、(b)1層ずつ積層した場合とも、(c)SiCを積層した場合と比べて、摩耗量が圧倒的に小さい。(a)の場合と(b)の場合との差は誤差の範囲であり、摩耗量は積層数に関係ないと考えられる。本試験結果から、保護層6の耐摩耗性が、SiCを積層した保護層と比べて、非常に優れていることが明らかである。
また、本実施形態によれば、保護層6は、高密度層63より厚く形成することができる低密度層62を備えているので、厚く形成することができる。さらに、低密度層62および高密度層63をそれぞれ2層ずつ交互に積層しているので、保護層6の厚さをより厚くすることができる。サーマルプリントヘッド101の保護層6の厚さは、図6および図7に示す変形例のように低密度層62の厚さおよび積層数を調整することで、所望の厚さにすることができる。
低密度層62および高密度層63は、どちらもta-Cによって形成されており、密度が異なるだけである。したがって、低密度層62および高密度層63の形成は、同じ工程で行うことができる。図8に示す成膜処理装置9で形成する場合は、成膜対象物Wに印加するバイアス電圧を切り替えるだけで、低密度層62と高密度層63とを切り替えて形成することができる。したがって、途中で材料や工程を切り替える必要がない。よって、保護層6の形成工程が短時間で済む。
また、本実施形態によれば、保護層6の最も外側の高密度層63の外面(z方向下流側の面)の、抵抗体層4に重なる部分に、主走査方向(x方向)に直交する多数の溝6aが形成されている(図11(a),(b)の左側の写真参照)。これにより、感熱記録紙が摩擦により保護層6の外面に貼り付くことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、低密度層62と高密度層63との境界領域では、低密度層62側から高密度層63側に向かうにつれて密度が漸増している。当該境界領域では硬度が漸増するので、内部応力も漸増する。したがって、低密度層62と高密度層63との内部応力の差が緩和され、内部応力差による歪みを軽減することができる。
図13~図17は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図13は、本発明の第2実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。図13に示すサーマルプリントヘッド102は、保護層6の構成が、第1実施形態に係るサーマルプリントヘッド101(図1~5参照)と異なっている。第2実施形態に係る保護層6は、低密度層62および高密度層63をそれぞれ1層ずつ備えており、低密度層62と高密度層63との間に、第1中密度層64および第2中密度層65を備えている。第1中密度層64は、第2中密度層65より内側(低密度層62側)に配置されている。したがって、保護層6は、内側から外側に向かって、低密度層62、第1中密度層64、第2中密度層65、高密度層63の順で積層されている。
第1中密度層64および第2中密度層65は、低密度層62および高密度層63と同様に、ta-Cによって形成されている。第1中密度層64および第2中密度層65の密度は、低密度層62の密度より高く、高密度層63の密度より低い。また、第1中密度層64の密度は、第2中密度層65の密度より低い。つまり、保護層6は、内側から外側に向かって、密度が高くなるように積層されている。また、第1中密度層64および第2中密度層65の特性は、低密度層62と高密度層63との間の特性を示す。また、第1中密度層64および第2中密度層65の厚さは、低密度層62より厚く、高密度層63の密度より薄い。また、第1中密度層64の厚さは、第2中密度層65より厚い。つまり、保護層6は、各層の厚さが、内側から外側に向かって薄くなるように積層されている。
本実施形態においても、低密度層62、高密度層63、第1中密度層64、および第2中密度層65がいずれもta-Cによって形成され、高密度層63が低密度層62、第1中密度層64、および第2中密度層65より外側に形成されているので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態によると、低密度層62と高密度層63との間に、これらの間の硬度の第1中密度層64および第2中密度層65が配置されている。したがって、隣り合う層との内部応力の差が緩和され、内部応力差による歪みを軽減することができる。
なお、本実施形態においては、低密度層62と高密度層63との間に、2つの第1中密度層64および第2中密度層65を備える場合について説明したが、これに限られない。低密度層62と高密度層63との間に配置される層は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
図14は、本発明の第3実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。図14に示すサーマルプリントヘッド103は、保護層6の構成が、第1実施形態に係るサーマルプリントヘッド101(図1~5参照)と異なっている。第3実施形態に係る保護層6は、低密度層62と下地層61との間にさらに高密度層63を備えている。
本実施形態においても、高密度層63が低密度層62より外側に形成されているので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図15は、本発明の第4実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。図15に示すサーマルプリントヘッド104は、保護層6の構成が、第1実施形態に係るサーマルプリントヘッド101(図1~5参照)と異なっている。第4実施形態に係る保護層6は、最も外側に、高密度層63に代えて導電性高密度層63’を備えている。
導電性高密度層63’は、高密度層63に導電性を付加したものであり、成膜時に、例えばNi,Ti,Al,Nなどをドーピングすることで形成される。導電性高密度層63’は、例えば共通電極31に電気的に接続されている。
本実施形態においても、高密度層63と同様の特性を有する導電性高密度層63’が低密度層62より外側に形成されているので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態においては、導電性高密度層63’が導電性を有するので、保護層6の外面と感熱記録紙との摩擦により発生した静電気を効率よく逃がすことができる。これにより、静電気によって感熱記録紙が保護層6の外面に貼り付くことや、紙カス(感熱記録紙の一部が剥離した微細なカス)が付着することを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、保護層6の最も外側の層を導電性高密度層63’とした場合について説明したが、これに限られない。その他の高密度層63を導電性高密度層63’としてもよい。例えば、図4に示すサーマルプリントヘッド101において、2つの低密度層62で挟まれた高密度層63を導電性高密度層63’としてもよい。また、図14に示すサーマルプリントヘッド103において、最も内側の高密度層63を導電性高密度層63’としてもよい。また、低密度層62のいずれかを導電性を付加したものとしてもよい。また、低密度層62および高密度層63の他に、導電性を有する導電層を追加するようにしてもよい。これらの場合でも、第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
図16は、本発明の第5実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。図16に示すサーマルプリントヘッド105は、保護層6の構成が、第1実施形態に係るサーマルプリントヘッド101(図1~5参照)と異なっている。第5実施形態に係る保護層6は、最も外側の高密度層63のさらに外側に、金属層66を備えている。
金属層66は、たとえばCrNからなり、最も外側の高密度層63のさらに外側に形成されている。金属層66は、たとえばスパッタリングなどの薄膜形成技術によって形成されている。金属層66の厚さは特に限定されないが、たとえば0.2~1.0[μm]程度である。本実施形態では、金属層66は、最も外側の高密度層63の全面を覆うように形成されている。なお、金属層66は、例えば共通電極31に電気的に接続していてもよい。
本実施形態においても、保護層6が低密度層62および高密度層63を備え、高密度層63が低密度層62より外側に形成されているので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態においては、最も外側の高密度層63のさらに外側に、金属層66が形成されている。金属層66は離型性が高いので、保護層6の外面に、感熱記録紙の紙カスが付着することを抑制することができる。さらに、金属層66を共通電極31に電気的に接続した場合、保護層6の外面と感熱記録紙との摩擦により発生した静電気を効率よく逃がすことができる。これにより、静電気によって紙カスが保護層6の外面に付着することを抑制することができる。
なお、本実施形態では、金属層66が最も外側の高密度層63の全面を覆うように形成されているが、これに限られない。紙カスは、保護層6のうち抵抗体層4によってz方向側に突出した部分の下流側直近の領域に付着しやすいので、金属層66は、少なくとも当該領域に形成されていればよい。たとえば、当該突出した部分には形成されていなくてもよい。当該突出した部分に形成された金属層66が、感熱記録紙との摩擦で削られて、高密度層63が露出したとしても、突出した部分の下流側直近の領域の金属層66は残っているので、紙カスの付着を抑制するという効果は低減しない。
また、本実施形態では、金属層66がCrNからなる場合について説明したが、金属層66の材質は限定されない。たとえば、TiN,TiC,TiCaN,ZnNなどの離形性の高い金属化合物であってもよく、高密度層63より紙カスが付着しにくくなる金属または金属化合物であればよい。なお、発明者の実験によると、金属層66を窒化金属とした場合に紙カスの付着をより抑制でき、CrNとした場合が最も紙カスの付着を抑制できたので、金属層66はCrNとするのが望ましい。
なお、最も外側の高密度層63と金属層66との境界領域に、ta-CとCrNとが混在した混在層が積層されていてもよい。金属層66の形成工程においてCrNをスパッタリングした場合、最も外側の高密度層63の外側の領域にCrNが混じって、境界領域に混在層が形成される場合がある。本発明は、このように形成された混在層が積層される場合も含んでいる。
図17は、本発明の第6実施形態に係るサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。図17に示すサーマルプリントヘッド106は、保護層6の構成が、第5実施形態に係るサーマルプリントヘッド105(図16参照)と異なっている。第6実施形態に係る保護層6は、最も外側の高密度層63の外側に加えて、外側の低密度層62と内側の高密度層63との間にも、金属層66を備えている。つまり、サーマルプリントヘッド106の保護層6は、内側から外側に向かって、低密度層62、高密度層63、金属層66、低密度層62、高密度層63、金属層66の順で積層されている。
低密度層62と高密度層63との間に形成される金属層66は、最も外側の高密度層63のさらに外側に形成される金属層66と同様である。すなわち、たとえばCrNからなり、たとえばスパッタリングなどの薄膜形成技術によって形成され、たとえば0.2~1.0[μm]程度の厚さとされる。保護層6は、図8に示す成膜処理装置9によるイオンビーム蒸着法によって、低密度層62および高密度層63が形成され、スパッタリングなどの薄膜形成技術によって、金属層66が形成され、これらが2回繰り返されることで形成される。なお、低密度層62と高密度層63との間に形成される金属層66は、例えば共通電極31に電気的に接続していてもよい。
本実施形態においても、保護層6が低密度層62および高密度層63を備え、高密度層63が低密度層62より外側に形成されているので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、本実施形態においては、最も外側の高密度層63のさらに外側に金属層66が形成されているので、保護層6の外面に、感熱記録紙の紙カスが付着することを抑制することができる。さらに、低密度層62と高密度層63との間に金属層66が形成されるので、保護層6の厚さをより厚くすることができる。また、当該金属層66は、外側に、耐摩耗性に優れた高密度層63および低密度層62が形成されているので、摩耗しにくい。当該金属層66を共通電極31に電気的に接続した場合、保護層6の外面と感熱記録紙との摩擦により発生した静電気を効率よく逃がすことができる。これにより、静電気によって紙カスが保護層6の外面に付着することを抑制することができる。この場合、外側の金属層66が離型性を発揮し、内側の金属層66が静電気の帯電を抑制する機能を発揮することで、紙カスの付着をより抑制できる。
なお、内側の金属層66の配置は、上記したものに限られない。たとえば、外側の高密度層63と外側の低密度層62との間や、内側の高密度層63と内側の低密度層62との間に、金属層66を形成するようにしてもよい。また、最も外側の高密度層63の外側の金属層66を設けず、低密度層62と高密度層63との間にだけ金属層66を設けるようにしてもよい。つまり、保護層6を、内側から外側に向かって、低密度層62、高密度層63、金属層66、低密度層62、高密度層63の順で積層したものとしてもよい。この場合でも、金属層66を共通電極31に電気的に接続した場合、静電気を効率よく逃がすことができるので、紙カスが保護層6の外面に付着することを抑制することができる。
上記第1ないし第6実施形態においては、本発明に係る保護層6を、いわゆる厚膜タイプのサーマルプリントヘッドに用いた場合について説明したが、これに限られない。本発明に係る保護層6は、いわゆる薄膜タイプのサーマルプリントヘッドにも用いることができる。また、基板1やガラス層2の形状にも関係なく、あらゆるタイプのサーマルプリントヘッドにも用いることができる。
本発明に係るサーマルプリントヘッドは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るサーマルプリントヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
101~106:サーマルプリントヘッド
1 :基板
11 :主面
12 :裏面
2 :ガラス層
27 :支持ガラス層
3 :電極層
31 :共通電極
32 :帯状部(第1帯状部)
33 :連結部
34 :迂回部
35 :個別電極
36 :帯状部(第1帯状部)
37 :ボンディング部
4 :抵抗体層
41 :発熱部
5 :保護層(第2保護層)
5a :溝
6 :保護層
61 :下地層
62 :低密度層
63 :高密度層
63' :導電性高密度層
64 :第1中密度層
65 :第2中密度層
66 :金属層
6a :溝
71 :駆動IC
72 :パッド
73 :ワイヤ
82 :封止樹脂
83 :コネクタ
9 :成膜処理装置
91 :電源
92 :プラズマ生成部
93 :電磁気的空間フィルタ
95 :真空チャンバ
99 :プラズマ炭素イオン
W :成膜対象物

Claims (12)

  1. 一方の面である主面を有する基板と、
    前記基板の主面側に形成された抵抗体層と、
    前記抵抗体層に通電するための電極層と、
    前記抵抗体層の少なくとも一部を覆う保護層と、
    を備えており、
    前記保護層は、炭素を主成分とする低密度層と、炭素を主成分とし、前記低密度層より密度の高い高密度層と、を備え、
    前記高密度層は、第1の高密度層と、前記第1の高密度層より外側に位置する第2の高密度層と、を含み、
    前記低密度層は、前記第1の高密度層より前記基板側に位置する第1の低密度層と、前記第1の高密度層と前記第2の高密度層との間に位置し、前記第1の低密度層より厚い第2の低密度層と、を含み、
    前記低密度層および前記高密度層はどちらも、密度が2.5g/cm 3 以上であるテトラヘデラル・アモルファスカーボンにより形成されている、
    サーマルプリントヘッド。
  2. 前記低密度層と前記高密度層との境界領域では、前記低密度層側から前記高密度層側に向かうにつれて密度が漸増している、
    請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 前記高密度層の厚さは、前記低密度層の厚さより薄い、
    請求項1または2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 前記高密度層の厚さは、5~50[nm]である、
    請求項1ないしのいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  5. 前記低密度層の厚さは、200~2000[nm]である、
    請求項1ないしのいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  6. 前記保護層の内側に配置される第2保護層をさらに備えており、
    前記保護層は、前記第2保護層と接する下地層をさらに備えている、
    請求項1ないしのいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  7. 前記電極層は、
    副走査方向に延び、主走査方向に互いに離間して配置される複数の第1帯状部、および、複数の前記第1帯状部と接続し、前記主走査方向に延びる連結部を有する共通電極と、
    前記副走査方向に延びる第2帯状部をそれぞれ有し、前記基板の前記主走査方向に互いに離間して配置される複数の個別電極と、
    を備えており、
    前記抵抗体層は、
    前記主走査方向に延びる帯状であり、
    前記第1帯状部および前記第2帯状部は、前記主走査方向において交互に、前記抵抗体層に交差するように配置されている、
    請求項1ないしのいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  8. 前記保護層の外面の、前記基板の厚さ方向視において前記抵抗体層に重なる部分には、前記主走査方向に直交する方向の溝が形成されている、
    請求項に記載のサーマルプリントヘッド。
  9. 前記保護層は、金属または金属化合物からなる金属層をさらに備えている、
    請求項1ないしのいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
  10. 前記金属層は、窒化金属により形成されている、
    請求項に記載のサーマルプリントヘッド。
  11. 前記金属層は、CrNにより形成されている、
    請求項10に記載のサーマルプリントヘッド。
  12. 前記金属層は、前記保護層の最も外側に配置されている、
    請求項ないし11のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
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