JP7122207B2 - 樹脂粒子分散体の製造方法、樹脂粒子分散体及び油性インクジェットインク - Google Patents

樹脂粒子分散体の製造方法、樹脂粒子分散体及び油性インクジェットインク Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、樹脂粒子分散体の製造方法、樹脂粒子分散体、及び油性インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
色材を樹脂で包含して着色樹脂粒子の形態とすることで、インクの性能を向上させることが検討されている。
特許文献1には、α値5~60の化合物が側鎖として付加され、かつ、溶剤に混和性の櫛形ポリウレタン化合物によって表面処理されたカプセル型顔料を用いた油性インクジェットインクを用いて、ノズルプレートに対するインクのはじき性を向上させることができることが記載されている。
特開2011-57812号公報
ノズルプレートに対する撥インク性が低下すると、インクがノズルプレートに付着しやすくなる。その結果、ノズルプレートに付着したインクが記録媒体に垂れて印刷物を汚したり、ノズルプレートに付着したインクがインクの吐出を妨げて、飛行曲りや不吐出の原因となる場合がある。
本発明の実施形態は、ノズルプレートに対する撥液性が良好な樹脂粒子分散体の製造方法、ノズルプレートに対する撥液性が良好な樹脂粒子分散体及び油性インクジェットインクを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によれば、非水系溶剤及び塩基性分散剤を含む連続相と、水、酸性水分散性樹脂及び水溶性アミン化合物を含む分散相とを含む油中水型エマルションを作製する工程と、前記油中水型エマルションから前記水及び前記水溶性アミン化合物を除去する工程とを含む、樹脂粒子分散体の製造方法であって、前記樹脂粒子分散体中の前記水溶性アミン化合物の量が、前記樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下である、樹脂粒子分散体の製造方法が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、樹脂粒子、塩基性分散剤、及び非水系溶剤を含む樹脂粒子分散体であって、前記樹脂粒子は、酸性ウレタンウレア樹脂を含み、前記樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量が、前記樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下である、樹脂粒子分散体が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、上記の樹脂粒子分散体を含む、油性インクジェットインクであって、前記油性インクジェットインク中の前記水溶性アミン化合物の量が、前記油性インクジェットインク全量に対して100μg/g以下である、油性インクジェットインクが提供される。
本発明の実施形態によれば、ノズルプレートに対する撥液性が良好な樹脂粒子分散体の製造方法、及び、ノズルプレートに対する撥液性が良好な樹脂粒子分散体及び油性インクジェットインクを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳しく説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されることはなく、様々な修正や変更を加えてもよいことはいうまでもない。
<樹脂粒子分散体の製造方法>
本発明の実施形態の樹脂粒子分散体の製造方法は、非水系溶剤及び塩基性分散剤を含む連続相と、水、酸性水分散性樹脂及び水溶性アミン化合物を含む分散相とを含む油中水型エマルションを作製する工程(以下、「工程1」という場合もある。)と、油中水型エマルションから水及び水溶性アミン化合物を除去する工程(以下、「工程2」という場合もある。)とを含み、樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量が、樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下である、樹脂粒子分散体の製造方法である。
この樹脂粒子分散体の製造方法により、ノズルプレートに対する撥液性に優れた樹脂粒子分散体を製造することができる。
樹脂粒子分散体の製造方法は、一般に、化学的手法を用いた方法、及び、物理化学的手法を用いた方法に大別される。例えば、化学的手法としては、界面重縮合法、界面反応法(in situ重合法)、液中硬化皮膜法(オリフィス法)などが挙げられる。物理化学的手法としては、液中乾燥法(水中乾燥法、油中乾燥法)、コアセルベーション法、融解分散冷却法などが挙げられる。
本実施形態の樹脂粒子分散体の製造方法は、油中水型エマルションの油中乾燥法を用いたものである。
非水系溶剤及び塩基性分散剤を含む連続相と、水、酸性水分散性樹脂及び水溶性アミン化合物を含む分散相とを含む油中水型エマルションを作製する工程(「工程1」)について説明する。
分散相は、酸性水分散性樹脂を含むことができる。
酸性水分散性樹脂は、水中で、粒子表面がマイナスに帯電し、負電荷を帯びた樹脂粒子を形成することができ、水に溶解することなく粒子状に分散して水中油(O/W)型エマルションを形成できるものである。酸性水分散性樹脂は、自己分散型樹脂のように、樹脂が酸性の官能基を有するものでもよいし、樹脂粒子表面が酸性の分散剤を付着させる等の表面処理されたものでもよい。酸性の官能基は、代表的にはカルボキシ基、スルホ基等であり、酸性の分散剤は、陰イオン界面活性剤等である。酸性水分散性樹脂は、その酸性の官能基等の少なくとも一部が中和されて中和塩を形成することで、水に、より安定に分散することができる。
樹脂粒子分散体の製造において、酸性水分散性樹脂は、水などの液体に予め分散された分散体(水中油(O/W)型の樹脂エマルション)の形態としたものを用いることが好ましい。
水分散体を用いた場合、水分散体に含まれる水は、工程2で除去される。
酸性水分散性樹脂としては、例えば、酸性水分散性ウレタン樹脂、酸性水分散性ポリエステル樹脂、酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂、酸性水分散性ウレタン(メタ)アクリル樹脂、酸性水分散性(メタ)アクリルシリコーン樹脂、酸性水分散性塩化ビニル樹脂、酸性水分散性スチレン(メタ)アクリル樹脂などが挙げられる。
これらの酸性水分散性樹脂は、上記の通り、樹脂が酸性の官能基を有するものでもよく、水中油(O/W)型樹脂エマルション中で粒子状に分散している樹脂が酸性の分散剤等で表面処理されたものでもよい。
ノズルプレートに対する撥液性及び貯蔵安定性の観点から、酸性水分散性樹脂としては、酸性水分散性ウレタン樹脂、酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂が好ましく、酸性水分散性ウレタン樹脂がより好ましい。
ウレタン樹脂は、ウレタン基を有する。一般にウレタン樹脂のウレタン基は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応により得ることができるが、酸性水分散性ウレタン樹脂は、貯蔵安定性の観点から、ポリイソシアネートとして脂肪族ポリイソシアネートを用いたものが好ましい。
酸性水分散性ウレタン樹脂としては、ウレタン基のほかに、ウレア基をさらに有する酸性水分散性ウレタンウレア樹脂も好ましい。
酸性水分散性ウレタン樹脂の例には、酸性水分散性ウレタン(メタ)アクリル樹脂も含まれるが、これは、酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂の例にも含まれる。
(メタ)アクリルは、メタクリル、アクリル、またはこれらの組み合わせを含むことを意味し、(メタ)アクリル樹脂は、メタクリル単位を含む樹脂、アクリル単位を含む樹脂、またはこれらの単位をともに含む樹脂を意味する。
酸性水分散性樹脂は、樹脂粒子分散体の非水系溶剤への溶解性が、23℃において樹脂粒子分散体の非水系溶剤100gに対して溶解できる酸性水分散性樹脂の量として、1g以下であることが好ましい。樹脂粒子分散体を油性インクジェットインクに用いた場合、酸性水分散性樹脂の非水系溶剤への溶解性が低くなると、記録媒体内部に非水系溶剤が浸透する際に、樹脂粒子が非水系溶剤から離脱して記録媒体表面に存在しやすくなる傾向があり、裏抜け低減、及び画像濃度が得られやすい傾向がある。さらに、非水系溶剤中に酸性水分散性樹脂が溶けにくいことで、インクの低粘度化にも寄与し得る。
酸性水分散性樹脂の重量平均分子量は、樹脂の種類によっても異なるが、例えば、5,000~200,000が好ましく、10,000~150,000がより好ましい。例えば、酸性水分散性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、5,000~50,000が好ましく、10,000~30,000がより好ましい。酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、10,000~200,000が好ましく、30,000~150,000がより好ましい。
水分散性樹脂の重量平均分子量は、GPC法で標準ポリスチレン換算で求めた値である。以下で述べる樹脂等における重量平均分子量についても同様である。
酸性水分散性ウレタン樹脂の水分散体の市販品としては、三洋化成工業株式会社製「ユーコートUWS-145」(商品名)、ダイセル・オルネクス株式会社製「DAOTAN TW-6493」(商品名)、「DAOTAN TW-6490」(商品名)等、酸性水分散性ウレタン(メタ)アクリル樹脂の水分散体の市販品としては、ダイセル・オルネクス株式会社製「DAOTAN VTW-1262」(商品名)等が挙げられる。「ユーコートUWS-145」、「DAOTAN TW-6493」、「DAOTAN TW-6490」、「DAOTAN VTW-1262」のウレタン樹脂は、ウレア基を有するウレタンウレア樹脂である。酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂の水分散体の市販品の例としては、ジャパンコーティングレジン株式会社製「モビニール6750」(商品名)等が挙げられる。
酸性水分散性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸性水分散性樹脂の量は、適宜調整できる。酸性水分散性樹脂の量(固形分量)は、樹脂粒子分散体全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。一方、酸性水分散性樹脂の量は、樹脂粒子分散体全量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。酸性水分散性樹脂の量は、例えば、樹脂粒子分散体全量に対して、0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましく、1~15質量%がさらに好ましく、2~10質量%がさらに好ましく、2~5質量%がさらに好ましい。
酸性水分散性樹脂の量は、分散相全量に対して、0.1~40質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましく、1~20質量%がさらに好ましい。酸性水分散性樹脂の量は、油中水型エマルション全量に対して、0.1~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましく、1~10質量%がさらに好ましい。
分散相は、水溶性アミン化合物を含むことができる。
水溶性アミン化合物は、酸性水分散性樹脂を中和して、水に、より安定して分散させることができる。
一方、本発明者らの検討により、水溶性アミン化合物は、樹脂粒子分散体のノズルプレートに対する撥液性や樹脂粒子分散体の貯蔵安定性を低下させ得ることが判明した。この理由として、特定の理論に拘束されないが、下記のように考えられる。水溶性アミン化合物は、電離度が比較的低い傾向があるため、塩ではなく弱塩基として残りやすい傾向がある。樹脂粒子分散体中に弱塩基として存在する水溶性アミン化合物がノズルプレートの表面に吸着すると、ノズルプレートと樹脂粒子分散体との親和性が高くなり、濡れやすくなり、これにより、ノズルプレートに対する撥液性を低下させ得る。また、樹脂粒子分散体中に水溶性アミン化合物が残存すると、後述する塩基性分散剤が酸性水分散性樹脂に吸着しにくくなる傾向があり、これにより、樹脂粒子分散体の貯蔵安定性が低下し得る。
このため、油中水型エマルションを作製した後、後述する油中水型エマルションから水及び水溶性アミン化合物を除去する工程(「工程2」)において詳述するように、油中水型エマルションから水溶性アミン化合物を除去することが好ましい。また、後述するように、得られた樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量が、樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下であることが好ましい。
水溶性アミン化合物は、例えば、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物のいずれであってもよいが、後述する工程2における除去しやすさの観点から、第3級アミン化合物がより好ましい。
第1級アミン化合物としては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。
第2級アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン等が挙げられる。
第3級アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン等に例示される炭素数1~4のアルキル基を有するトリアルキルアミン等のトリアルキルアミン;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;N-アルキルモルホリン等に例示されるN-置換モルホリン化合物等のモルホリン化合物等の複素環式アミン等を用いることができる。
水溶性アミン化合物の沸点は、後述する工程2における除去しやすさの観点から、連続相に含まれる非水系溶剤の沸点よりも低いことが好ましい。
水溶性アミン化合物の沸点は、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、150℃より低いことがさらに好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、脱イオン水等を使用することができる。
油中水型エマルションにおいて、水の量は、分散相全量に対して、40~90質量%が好ましく、50~80質量%がより好ましい。水の量は、油中水型エマルション全量に対して、1~50質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましく、10~40質量%がさらに好ましい。
分散相は、色材をさらに含むことが好ましい。
分散相は、色材として、顔料、染料、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料、及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。
アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料の平均粒子径としては、吐出安定性と貯蔵安定性の観点から、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下である。
顔料は、樹脂粒子分散体全量に対し、通常0.01~20質量%であってよく、画像濃度と樹脂粒子分散体粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましい。
顔料は、水に分散させた水分散体の形態で好ましく用いることができる。
顔料としては、顔料表面に、カルボキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基、スルホ基等の水に対する可溶化基等を結合させ、顔料自体が水中に分散するようにした自己分散顔料を使用してもよい。例えば、自己分散顔料の水分散体を好ましく用いることができる。
または、顔料を、例えば、後述する水溶性非イオン性分散剤等の顔料分散剤を用いて水中に分散させることも好ましい。
染料としては、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができる。染料としては、水に溶解または分散する染料を用いることが好ましい。裏抜けの低減の観点から、樹脂粒子分散体に含まれる非水系溶剤には溶解しにくいか又は溶解しないものが好ましい。
染料としては、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち水溶性の染料および還元等により水溶性になった水溶性染料を好ましく用いることができる。また、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、ニトロ系等の分散染料も好ましく用いることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料は、樹脂粒子分散体全量に対し、通常0.01~20質量%であり、画像濃度と樹脂粒子分散体粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、5~10質量%であることがより好ましい。
分散相が色材を含む場合、色材の量は、分散相全量に対して、1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。色材の量は、油中水型エマルション全量に対して、1~30質量%が好ましく、2~20質量%がより好ましい。
色材は、樹脂粒子分散体全量に対し、通常0.01~20質量%であってよく、1~15質量%であることが好ましい。
分散相は、顔料分散剤をさらに含んでよい。好ましくは、分散相が顔料及び顔料分散剤をさらに含んでよい。顔料分散剤としては、例えば、水溶性塩基性(カチオン性)分散剤、水溶性酸性(アニオン性)分散剤、水溶性非イオン性分散剤等が挙げられる。酸性水分散性樹脂の凝集を防ぐ観点から、水溶性非イオン性分散剤が好ましい。
水溶性非イオン性分散剤は、親水基がイオン解離性をもたない分散剤である。水溶性非イオン性分散剤としては、例えば、分子内の主要な結合の仕方により、エステル型水溶性非イオン性分散剤、エーテル型水溶性非イオン性分散剤、エステル・エーテル型水溶性非イオン性分散剤が挙げられる。
エステル型水溶性非イオン性分散剤は、例えば、グリセリン、ソルビトール、しょ糖などの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した構造をもち、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびしょ糖脂肪酸エステルなどがある。
エーテル型水溶性非イオン性分散剤は、例えば、高級アルコール、アルキルフェノール、アリールフェノール、アリールアルキルフェノールなど水酸基をもつ原料に、主として酸化エチレンを付加させてつくることができ、例えば、ポリグリコールエーテル(例えば、アリールポリグリコールエーテル、アルキルポリグリコールエーテル)が挙げられる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールアルキルフェニルエーテルなどがある。
エステル・エーテル型水溶性非イオン性分散剤は、例えば、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコールと脂肪酸とからなるエステルに酸化エチレンを付加したものである。分子中にエステル結合とエーテル結合の両方を有している。例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエーテルエステルが挙げられる。
また、水溶性非イオン性分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸重合体、ポリシロキサン共重合体等を用いることもできる。
これらの水溶性非イオン性分散剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性非イオン性分散剤としては、脂肪酸ポリエチレングリコールエーテルエステル、ポリグリコールエーテル(例えば、アリールポリグリコールエーテル)等がより好ましい。
水溶性非イオン性分散剤の市販品としては、例えば、日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース27000」(商品名);Borchers製「borchiGenDFN(アリルアルキルビフェニルポリグリコールエーテル)」(商品名);ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK-193」(商品名);竹本油脂株式会社製「パイオニオンD-6115(アリールフェニルエーテル)」、「タケサーフD-6108-W(ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル)」、「パイオニオンD-6512(ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル)」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料分散剤の量は、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1~5で配合することができ、好ましくは0.1~1である。また、顔料分散剤は、樹脂粒子分散体全量に対し、例えば、0.01~10質量%で配合することができ、好ましくは0.01~5質量%である。
顔料分散剤の量は、分散相全量に対して、0.1~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。顔料分散剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
水溶性非イオン性分散剤が含まれるとき、水溶性非イオン性分散剤は、顔料分散剤全量に対して、50~100質量%が好ましく、70~100質量%がより好ましい。
分散相は、必要に応じて、添加剤等の他の成分をさらに含んでよい。
連続相は、塩基性分散剤を含むことができる。
塩基性分散剤は、塩基性基を有する。
塩基性分散剤は、塩基性分散剤を非水系溶剤に溶解させるときに、塩基性分散剤の濃度が高くなるほど酸化還元電位(ORP値)が低くなるものであることが好ましい。例えば、塩基性分散剤を溶解可能な溶媒に塩基性乳化剤を溶解させる際に、塩基性分散剤を0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、塩基性分散剤を5.0質量%溶解させたときのORP値が低い値を示すものであることが好ましい。
また、塩基性分散剤をドデカンに5.0質量%溶解させたときのORP値は、0mV以下であることが好ましい。
塩基性分散剤は、塩基性基とともに、スルホ基、カルボキシ基等の酸性基を含んでもよい。塩基性分散剤に塩基性基とともに酸性基が含まれる場合は、このORP値が低くなる傾向を示す範囲内であることが好ましい。
塩基性基としては、アミノ基、アミド基、イミノ基、ピロリドン基、モルホリノ基、ピリジル基、ニトリル基等が挙げられる。例えば、アミノ基の例としては、非置換アミノ基、及び、モノ又はジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基等)等の置換アミノ基が挙げられ、例えば、アルキル基等の置換基が、さらに水酸基、アリール基等の置換基等で置換されていてもよい。アミド基の例としても同様に非置換アミド基、及びモノ又はジアルキルアミド基(例えば、ジメチルアミド基等)等の置換アミド基が挙げられ、例えば、アルキル基等の置換基が、さらに水酸基、アリール基等の置換基等で置換されていてもよい。中でもアミノ基、イミノ基、アミド基、モルホリノ基であることが好ましい。
また、塩基性分散剤の塩基性基としては、例えば、ウレタン結合等を有する窒素含有の官能基を挙げることができる。また、ウレタン結合等の窒素含有の構成単位が塩基性分散剤に導入されていてもよい。
塩基性分散剤は、塩基性基を1種のみ、または2種以上含んでよい。
塩基性分散剤としては、例えば、変性ポリウレタン、塩基性基含有ポリ(メタ)アクリレート、塩基性基含有ポリエステル、ポリエステルアミン、第4級アンモニウム塩、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、脂肪酸アミン塩、ポリエステルポリアミン、ポリエステルポリイミン、ポリアルキロールアミノアマイドとその塩、ポリエーテルポリアミン、ビニルピロリドン系共重合体から選択される塩基性分散剤等を挙げることができる。塩基性分散剤としては、高分子分散剤が好ましく、特に、ポリエステルポリアミン、ポリエステルポリイミン、ポリアルキロールアミノアマイドとその塩、ポリエーテルポリアミン、ビニルピロリドン系共重合体等が好ましい。
塩基性高分子分散剤としては、例えば、主鎖の末端に塩基性基を有する直鎖状または分岐状の分散剤、塩基性基を有し、側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(以下、「櫛形構造を有する塩基性分散剤」又は「塩基性櫛形分散剤」という場合もある)、及び塩基性(メタ)アクリル樹脂である塩基性分散剤(以下、「塩基性(メタ)アクリル系分散剤」という場合がある。)等も挙げられる。
塩基性基を有し、側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(塩基性櫛形分散剤)の側鎖は、例えば、ポリエステル部を含むことが好ましい。塩基性櫛形分散剤の側鎖のポリエステル部としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸、または、ヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含まないカルボン酸との混合物から誘導される構造、カルボニル-C3~C6-アルキレンオキシ基を単位とする重合体等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ基を含まないカルボン酸との混合物から誘導される構造の例として、12-ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物から誘導されるカルボニル-C17-アルキレンオキシ基等が挙げられる。
ポリエステル部の重合度はとくに限定されず、例えば、2~80程度であってよい。塩基性櫛形分散剤は、ポリエステル部を含む側鎖を複数有することが好ましい。
塩基性櫛形分散剤は、塩基性基を、例えば、主鎖骨格中に、ポリアミン骨格等の形態で含んでもよく、及び/又は、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を含んでもよい。
塩基性櫛形分散剤が、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を含むとき、塩基性櫛形分散剤は、塩基性基を1個以上有すればよいが、2個以上有することが好ましい。また、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基の種類は、とくに限定されず、例えば、上述の塩基性基を用いることができるが、なかでもアミノ基、アミド基、モルホリノ基が好ましく、アミノ基がより好ましい。
塩基性櫛形分散剤の例として、例えば、ポリアミン骨格を含む主鎖を有し、かつ、ポリエステル部を含む側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(以下、「塩基性櫛形分散剤a」という場合がある。)、及び、主鎖に直接又は連結基を介して連結した塩基性基を有し、ポリエステル部を含む側鎖を複数有するポリマーである塩基性分散剤(以下、「塩基性櫛形分散剤b」という場合がある。)等が挙げられる。
塩基性櫛形分散剤aにおいて、主鎖のポリアミン骨格としては、例えば、ポリアルキレンイミン骨格が挙げられる。
塩基性櫛形分散剤aの例として、主鎖が、ポリアルキレンイミン等のポリアミン骨格を含み、グラフト鎖がポリエステル鎖を含むグラフトポリマーが挙げられる。主鎖である、ポリアミン骨格を含むポリマーの重量平均分子量はとくに限定されないが、60万以下であることが好ましい。
塩基性櫛形分散剤aは、ポリアミン骨格を有するが、これ以外の塩基性基をさらに有してもよく、例えば、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性を有してもよい。
塩基性櫛形分散剤bは、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を1個以上有すればよいが、2個以上有することが好ましい。また、塩基性基の種類は、とくに限定されず、例えば、上述の塩基性基を用いることができるが、なかでもアミノ基、アミド基、モルホリノ基が好ましく、アミノ基がより好ましい。塩基性櫛形分散剤bは、塩基性基を1種のみ又は2種以上が含んでよい。
塩基性櫛形分散剤bの例としては、例えば、主鎖に直接又は連結基を介して結合した塩基性基を有する単位(以下、「単位Xa」という場合がある。)とポリエステル部を含む側鎖を有する単位(以下、「単位Xb」という場合がある。)とを含む共重合体が挙げられる。
単位Xaとしては、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基と塩基性基とを含むモノマーに由来する単位等が挙げられる。単位Xaは、例えば、エポキシ基を有するモノマーにアミン化合物を付加したモノマーに由来する単位、エポキシ基を有するモノマーに由来する単位にアミン化合物を付加することで得られた単位等であってもよい。単位Xbとしては、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基とポリエステル部とを含むモノマーに由来する単位等が挙げられる。
単位Xaは、重合体全体に対して、例えば、1~50質量%が好ましく、2~40質量%がより好ましく、2~30質量%がさらに好ましい。単位Xbは、重合体全体に対し、例えば10~95質量%が好ましく、20~90質量%がより好ましく、40~85質量%がさらに好ましい。ここで、重合体全体は、塩基性櫛形分散剤bを構成する全単位を基準とする。
塩基性櫛形分散剤bの重量平均分子量は、5,000~50,000が好ましく、10,000~30,000がより好ましい。
塩基性(メタ)アクリル樹脂である分散剤(塩基性(メタ)アクリル系分散剤)は、塩基性基を含み、β-ジカルボニル基及び/又はアルキル基をさらに有することがより好ましく、塩基性基、β-ジカルボニル基、及びアルキル基を有することがさらに好ましい。
塩基性(メタ)アクリル系分散剤として、例えば、塩基性基を有する単位、β-ジカルボニル基を有する単位、及びアルキル基を有する単位を含む塩基性(メタ)アクリル系分散剤等が挙げられる。
塩基性(メタ)アクリル系分散剤において、塩基性基はとくに限定されず、例えば、上述の塩基性基を用いることができるが、なかでもアミノ基、アミド基、モルホリノ基が好ましく、アミノ基がより好ましい。塩基性(メタ)アクリル系分散剤は、塩基性基を1種のみ又は2種以上が含んでよい。塩基性基は主鎖に直接又は連結基を介して結合していることが好ましい。
アルキル基としては、炭素数8~22のアルキル基が好ましく、炭素数12~22のアルキル基がより好ましく、具体的には、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
β-ジカルボニル基としては、アセトアセチル基、プロピオンアセチル基等のβ-ジケトン基、アセトアセトキシ基、プロピオンアセトキシ基等のβ-ケト酸エステル基が挙げられる。
塩基性分散剤は、連続相に含まれる非水系溶剤に溶解することが好ましく、具体的には、1気圧20℃において塩基性分散剤と連続相に含まれる非水系溶剤とを同容量で混合した場合に、二相に分かれることなく均一に溶解することが好ましい。
塩基性分散剤として、市販されているものとしては、例えば、
日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース11200、13940、17000、18000、19000、24000、32000、38500、39000、71000、22000、28000」(いずれも商品名);
ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK109」(商品名);
花王株式会社製「アセタミン24、86」(いずれも商品名);
クローダジャパン株式会社製「Hypermer KD-3、KD11」(いずれも商品名);
味の素ファインテクノ株式会社製「アジスパーPB-821」(商品名);
ISP社製「ANTARON V-216、V-220」(いずれも商品名)等を挙げることができる。
塩基性分散剤は、1種のみ、または2種以上を組み合わせて用いてよい。
塩基性分散剤の量は、適宜調整できる。塩基性分散剤の量は、樹脂粒子分散体全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。一方、塩基性分散剤の量は、樹脂粒子分散体全量に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。塩基性分散剤の量は、樹脂粒子分散体全量に対して、例えば、0.1~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、2~10質量%がさらに好ましい。
塩基性分散剤の量は、連続相全量に対して、0.1~10質量%が好ましく、0.2~10質量%がより好ましい。塩基性分散剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り、2種以上を組み合わせて使用することもできる。なお、本実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN-10、カクタスノルマルパラフィンN-11、カクタスノルマルパラフィンN-12、カクタスノルマルパラフィンN-13、カクタスノルマルパラフィンN-14、カクタスノルマルパラフィンN-15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN-16、テクリーンN-20、テクリーンN-22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP-40、モレスコホワイトP-60、モレスコホワイトP-70、モレスコホワイトP-80、モレスコホワイトP-100、モレスコホワイトP-120、モレスコホワイトP-150、モレスコホワイトP-200、モレスコホワイトP-260、モレスコホワイトP-350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2-オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16~30の脂肪酸エステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12~20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14~20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
非水系溶剤の量は、連続相全量に対して、70~99質量%が好ましく、80~99質量%がより好ましい。非水系溶剤の量は、油中水型エマルション全量に対して、30~80質量%が好ましく、40~70質量%がより好ましい。
連続相は、必要に応じて、添加剤等の他の成分をさらに含んでよい。
工程1において、油中水型エマルションは、例えば、上記の分散相と連続相とを混合、乳化させることにより製造することができる。
連続相と分散相は、あらかじめ別々に調製することが好ましい。次いで、連続相に分散相を添加し、乳化処理することが好ましい。乳化処理は、例えば、連続相に分散相を添加しながら、超音波ホモジナイザー等を用いて行ってもよく、また、例えば、連続相に分散相を添加後に行ってもよい。
工程1において、油中水型エマルションは、水及び水溶性アミン化合物を除去する前の状態の質量比として、油中水型エマルション全体に対して、分散相20~50質量%及び連続相80~50質量%であることが好ましい。
油中水型エマルションから水及び水溶性アミン化合物を除去する工程(工程2)について説明する。
工程2において、油中水型エマルションの分散相の水及び水溶性アミン化合物が除去される。これにより、分散相成分から水及び水溶性アミン化合物が除去された樹脂粒子を得ることができる。
水溶性アミン化合物が除去されることで、ノズルプレートに対する撥液性を向上させることができる。また、塩基性分散剤が酸性水分散性樹脂に吸着しやすくなり、樹脂粒子分散体の貯蔵安定性を向上させることができる。
水及び水溶性アミン化合物を除去する方法としては、例えば、減圧、加熱、液体に気体を吹き込みバブリングすることで蒸発を促進する方法、又は、それらの組み合わせ等が挙げられる。減圧及び/または加熱の条件としては、水及び水溶性アミン化合物が除去されるが、連続相の非水系溶剤は残るような条件を採用することができる。減圧には、例えばエバポレータ等を用いることができる。
例えば、減圧、加熱等の条件は、水溶性アミン化合物の種類等によって適宜選択することができる。
減圧条件としては、例えば、0.1~150hPaが好ましく、10~100hPaがより好ましい。
加熱温度は、水を揮発させて除去することが可能な温度以上であって、かつ、水溶性アミン化合物を揮発させて除去することが可能な温度以上であって、非水系溶剤の沸点以下であることが好ましい。
加熱温度としては、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、60℃より高いことがさらに好ましく、70℃以上がさらに好ましい。一方、加熱温度は、100℃以下が好ましく、90℃以下が好ましい。加熱温度は、例えば、30℃~100℃が好ましく、40℃~100℃がより好ましく、60℃~100℃がさらに好ましく、60℃超~100℃がさらに好ましく、70℃~90℃がさらに好ましい。
工程2では、油中水型エマルション中の水は、除去前の量に対して80質量%以上除去されることが好ましく、90質量%以上除去されることがより好ましく、95質量%以上除去されることがさらに好ましく、99質量%以上除去されることがさらに好ましい。
工程2では、例えば、除去前の水の量に対する除去後の水の量が20質量%以下まで水を除去することが好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
工程2では、油中水型エマルション中の水溶性アミン化合物は、除去前の量に対して80質量%以上除去されることが好ましく、90質量%以上除去されることがより好ましく、95質量%以上除去されることがさらに好ましく、98.5質量%以上除去されることがさらに好ましい。
上記の製造方法によって製造される樹脂粒子分散体について説明する。
上記各成分に加えて、樹脂粒子分散体には、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。これらの添加剤は、例えば、工程1において、分散相及び/または連続相に加えてよく、また、例えば、工程2の後に加えてもよい。
樹脂粒子分散体中の水の量は、樹脂粒子分散体全量に対して1質量%以下が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。
樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量は、ノズルプレートに対する撥液性の向上の観点から、樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下が好ましく、50μg/g以下がより好ましい。一方、樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量は、樹脂粒子分散体全量に対して0.01μg/g以上であってよい。例えば、樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量は、樹脂粒子分散体全量に対して0.01μg/g~100μg/gが好ましく、0.05μg/g~50μg/gがより好ましい。
樹脂粒子分散体、及び後述する油性インクジェットインク中の水溶性アミン化合物の量は、GC-MSを用い、ヘッドスペース法によって測定することができる。
樹脂粒子分散体中の樹脂粒子の平均粒子径は、50~300nmが好ましく、80~200nmがより好ましい。樹脂粒子分散体中の樹脂粒子の量は、樹脂粒子分散体全量に対する分散相成分の固形分の量として、1~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。樹脂粒子の平均粒子径は、動的散乱方式による体積基準の平均粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB-500」等を用いて測定することができる。
<樹脂粒子分散体>
本発明の1つの実施形態の樹脂粒子分散体は、樹脂粒子、塩基性分散剤、及び非水系溶剤を含み、樹脂粒子は、酸性ウレタンウレア樹脂を含み、樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量が、樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下である。
以下、この樹脂粒子分散体について説明する。
塩基性分散剤、非水系溶剤、水溶性アミン化合物については、例えば、上記の樹脂粒子分散体の製造方法において使用するものをそれぞれ用いることができ、上記の樹脂粒子分散体の製造方法における説明を適用することができる。樹脂粒子分散体中の塩基性分散剤、非水系溶剤、水溶性アミン化合物、樹脂粒子の好ましい量、及び、樹脂粒子の好ましい平均粒子径についても、上述の樹脂粒子分散体の製造方法と同様である。また、樹脂粒子分散体中の水の量の好ましい範囲についても、上述の樹脂粒子分散体の製造方法と同様である。
酸性ウレタンウレア樹脂は、ウレタン基及びウレア基を有する。酸性ウレタンウレア樹脂は、貯蔵安定性の観点から、ポリイソシアネートとして脂肪族ポリイソシアネートを用いたものが好ましい。酸性ウレタンウレア樹脂としては、例えば、ウレタン基とウレア基を有する酸性ウレタン(メタ)アクリル樹脂を用いてもよい。酸性ウレタンウレア樹脂の好ましい重量平均分子量、樹脂粒子分散体中の好ましい量については、上述の樹脂粒子分散体の製造方法における酸性水分散性樹脂と同様である。酸性ウレタンウレア樹脂としては、カルボキシ基、スルホ基等の酸性の官能基を有するウレタンウレア樹脂が好ましい。
例えば、油中水(W/O)型エマルションの油中乾燥法を用いた方法で樹脂粒子分散体を製造する場合は、酸性水分散性ウレタンウレア樹脂を用いることが好ましい。酸性水分散性ウレタンウレア樹脂は、自己分散型樹脂のように、樹脂が酸性の官能基を有するものでもよいし、樹脂粒子表面が酸性の分散剤を付着させる等の表面処理されたものでもよい。樹脂粒子分散体中の樹脂粒子に含まれる酸性ウレタンウレア樹脂は、これらのいずれを用いて得られたものでもよい。酸性の官能基は、代表的にはカルボキシ基、スルホ基等であり、酸性の分散剤は、陰イオン界面活性剤等である。酸性水分散性ウレタンウレア樹脂は、樹脂粒子分散体の製造において、例えば水などの液体に予め分散された分散体(水中油(O/W)型の樹脂エマルション)の形態で加えることが望ましい。水分散体を用いた場合、水分散体に含まれる水は、樹脂粒子分散体の製造工程で除去されることが好ましい。酸性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体の市販品としては、上述の樹脂粒子分散体の製造方法の説明において挙げたものが挙げられる。樹脂粒子分散体中の酸性ウレタンウレア樹脂の量の好ましい範囲は、上述の樹脂粒子分散体の製造方法における酸性水分散性樹脂と同様である。
樹脂粒子は色材をさらに含むことが好ましい。色材としては、顔料、染料、またはこれらの組み合わせを含むことができる。色材の樹脂粒子分散体中の好ましい量は、上述の樹脂粒子分散体の製造方法と同様である。
顔料としては、とくに限定されないが、油中水(W/O)型エマルションの油中乾燥法を用いた方法で樹脂粒子分散体を製造する場合は、上述の樹脂粒子分散体の製造方法において使用することができるものとして挙げた顔料を使用することが好ましく、上記の樹脂粒子分散体の製造方法における説明を適用することができる。
同様に、染料は特に限定されないが、上述の樹脂粒子分散体の製造方法において使用することができるものとして挙げた染料を使用することが好ましく、上記の樹脂粒子分散体の製造方法における説明を適用することができる。
樹脂粒子は、顔料分散剤をさらに含んでよい。樹脂粒子は、色材として顔料を含み、顔料分散剤をさらに含むことが好ましい。顔料分散剤としては、上述の樹脂粒子分散体の製造方法において用いることができる顔料分散剤を用いることができ、上述の樹脂粒子分散体の製造方法における説明を適用することができる。樹脂粒子分散体中の顔料分散剤の量の好ましい範囲も、上述の樹脂粒子分散体の製造方法における顔料分散剤と同様である。
また、本実施形態の樹脂粒子分散体には、上記の樹脂粒子分散体の製造方法において樹脂粒子分散体に含ませることができるものとして説明された成分を適宜選択して含ませてもよく、それらについても、上記の樹脂粒子分散体の製造方法における説明を適用することができる。
本実施形態の樹脂粒子分散体は、例えば、上記の樹脂粒子分散体の製造方法で製造することができ、その場合には、樹脂粒子分散体を製造する際、酸性ウレタンウレア樹脂については、水分散性酸性ウレタンウレア樹脂を用いることができる。
<油性インクジェットインク>
上記実施形態の樹脂粒子分散体の製造方法で製造された樹脂粒子分散体、及び、上記実施形態の樹脂粒子分散体は、油性インクジェットインクとして好ましく用いることができる。一実施形態の油性インクジェットインクは、上記樹脂粒子分散体の製造方法で製造された樹脂粒子分散体、または、上記実施形態の樹脂粒子分散体を含む。油性インクジェットインクとして用いる場合、樹脂粒子分散体をそのまま用いることも可能であり、また、必要に応じて、例えば、添加剤を含ませてもよく、上記の非水系溶剤で希釈してもよい。油性インクジェットインクとして用いるとき、樹脂粒子分散体の樹脂粒子は色材を含むことが好ましい。油性インクジェット中の水溶性アミン化合物の量は、ノズルプレートに対する撥液性の向上の観点から、油性インクジェットインク全量に対して100μg/g以下が好ましく、50μg/g以下がより好ましい。一方、油性インクジェットインク中の水溶性アミン化合物の量は、油性インクジェットインク全量に対して0.01μg/g以上であってよい。例えば、油性インクジェットインク中の水溶性アミン化合物の量は、油性インクジェットインク全量に対して0.01μg/g~100μg/gが好ましく、0.05μg/g~50μg/gがより好ましい。
油性インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5~30mPa・sであることが好ましく、5~15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、一層好ましい。
油性インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
本実施形態において、記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm~数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の実施例及び比較例を通して、特に説明のない限り、共通する成分は同一のもので
ある。特に説明のない限り、「%」は「質量%」を示す。
<インクの材料>
実施例及び比較例のインクの材料を下記に示す。
酸性ウレタン1~4及び酸性アクリル1は、下記で詳述するように、酸性水分散性樹脂の水分散体であり、中和剤として、下記の水溶性アミン化合物を含有する。
非水系溶剤の沸点又は沸点範囲を表1及び2に示す。
カーボンブラック:MOGAL L(キャボットスペシャリティーケミカルズ製)(粉体)
フタロシアニンブルー:リオノールBGFJ(東洋インキ株式会社製)(粉体)
顔料分散剤:ソルスパース27000(日本ルーブリゾール株式会社製)(水溶性非イオン性分散剤、有効成分100%)
酸性ウレタン1: ユーコートUWS-145(三洋化成工業株式会社製)(酸性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、トリエチルアミン(沸点90℃)含有、有効成分35%)
酸性ウレタン2:DAOTAN TW-6493(ダイセル・オルネクス株式会社製)(酸性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、トリエチルアミン(沸点90℃)含有、有効成分35%)
酸性ウレタン3:DAOTAN TW-6490(ダイセル・オルネクス株式会社製)(酸性水分散性ウレタンウレア樹脂の水分散体、トリエチルアミン(沸点90℃)含有、有効成分35%)
酸性ウレタン4:DAOTAN VTW-1262(ダイセル・オルネクス株式会社製)(酸性水分散性ウレタンウレア(メタ)アクリル樹脂の水分散体、2-ジメチルアミノエタノール(沸点121℃)含有、有効成分35%)
酸性アクリル1:モビニール6750(ジャパンコーティングレジン株式会社製)(酸性水分散性(メタ)アクリル樹脂の水分散体、2-ジメチルアミノエタノール(沸点121℃)含有、有効成分50%)
塩基性分散剤1:HYPERMER KD11(CRODA製)(塩基性櫛形分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒は高沸点パラフィン油)
塩基性分散剤2:ソルスパース13940(日本ルーブリゾール株式会社製)(塩基性櫛形分散剤の溶液、有効成分40%、溶媒は石油系溶剤)
脂肪酸エステル系溶剤1:オレイン酸メチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)(沸点351℃)
脂肪酸エステル系溶剤2:ミリスチン酸イソプロピル(富士フイルム和光純薬株式会社製)(沸点328℃)
石油系炭化水素溶剤1:エクソールD110(エクソンモービル社製)(沸点範囲245℃~271℃)
石油系炭化水素溶剤2:エクソールD130(エクソンモービル社製)(沸点範囲280℃~302℃)
<インクの製造>
実施例1~6並びに比較例1及び2のインクを下記のように製造した。
表1に示す配合量で、非水系溶剤及び塩基性分散剤を混合し連続相を調製した。次に、表1に示す配合量で、色材、顔料分散剤及び精製水を混合し、ビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、ダイノーミル Multi LAB)にて分散し、得られた分散液組成物に、表1に示す樹脂エマルションを表1に示す配合量で添加した後、マグネティックスターラーで撹拌した。これを分散相とした。
連続相をマグネティックスターラーで攪拌した状態で、この連続相に、上記のように予め混合しておいた分散相を滴下しながら、氷冷下、超音波ホモジナイザー「Ultrasonic processor VC―750」(ソニックス社製)を10分間照射し、油中水(W/O)型エマルションを得た。
得られたエマルションを、表2に記載のエバポレータ脱気条件で、エバポレータで減圧及び加熱しながら、分散相中の水と樹脂エマルションに含まれていた揮発分を除去して、樹脂粒子分散体を得た。水の除去率は、ほぼ100質量%であった。この樹脂粒子分散体をそのままインクとして用いた。
実施例1~6並びに比較例1及び2のインクの揮発分除去(脱溶媒)後の組成を表2に示す。
<水溶性アミン化合物の量の測定>
得られたインクについて、GC-MSを用い、ヘッドスペース法によって水溶性アミン化合物の定性及び定量を行った。これにより、インク全量に対するインク中の水溶性アミン化合物の量を求め、その値を表4~6に示す。
測定装置および測定条件は下記の通りである。
(1)GC-MS装置:株式会社島津製作所製「GCMS-QP2010」
カラム:株式会社島津ジーエルシー製「Rtx-624」(内径0.32mm、膜厚1.8μm、カラム長30m)
昇温条件:40℃(6分ホールド)、10℃/分で230℃まで昇温、230℃で25分ホールド
(2)ヘッドスペースサンプラー:株式会社パーキンエルマージャパン製「Turbo Matrix HS40」
オーブン温度:90℃
トランスファーライン温度:200℃
ニードル温度:120℃
保持時間:60分
加圧時間:2分
注入時間:0.1分
キャリアガス圧力:200kPa(Heガス)
<評価方法>
以下の評価方法に従って評価を行った。結果を表3に示す。
(1)インク貯蔵安定性
まず、インク作製直後のインクの粘度を測定した。
次に、インクを密閉容器に入れて、70℃で4週間放置した。その後、インクをサンプリングし、インク粘度を測定した。
インク粘度は23℃における粘度であり、レオメーターAR-G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、コーン角度2°、直径40mmで測定した。
作製直後のインク粘度及び4週間放置後のインク粘度から、次式により粘度変化率を求め、以下の基準で貯蔵安定性を評価した。
粘度変化率(%)=[(4週間放置後のインク粘度×100)/(作製直後の粘度)]-100(%)
(評価基準)
A:粘度変化率が±5%未満
B:粘度変化率が±5%以上
(2)ノズルプレートに対する撥液性
インクを30mlのガラス容器に入れ、インクジェットプリンター「オルフィスGD9630」(商品名:理想科学工業株式会社製)に使用されるインクジェットヘッドのノズルプレートの一辺をピンセットでつまみ、反対側の一辺から2cmをインクに浸漬させて、60℃の環境で1週間放置した。その後、23℃の環境において、ノズルプレートを素早く引き上げ、ノズルプレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間tを測定した。
同じノズルプレートを用いて同じ操作を10回繰り返し、それぞれの時間tを測定した。その平均値を算出し、撥インク時間とした。撥インク時間から、ノズルプレートに対する撥液性を以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:撥インク時間が6秒未満
B:撥インク時間が6秒以上10秒未満
C:撥インク時間が10秒以上
Figure 0007122207000001
Figure 0007122207000002
Figure 0007122207000003
表3に示すように、各実施例のインクは、ノズルプレートに対する撥液性に優れていた。また、酸性水分散性樹脂として酸性水分散性ウレタン樹脂が用いられた実施例1~5では、インク貯蔵安定性において、より優れた結果が示されていた。

Claims (7)

  1. 非水系溶剤及び塩基性分散剤を含む連続相と、水、酸性水分散性樹脂及び水溶性アミン化合物を含む分散相とを含む油中水型エマルションを作製する工程と、
    前記油中水型エマルションから前記水及び前記水溶性アミン化合物を除去する工程とを含む樹脂粒子分散体の製造方法であって、
    前記樹脂粒子分散体中の前記水溶性アミン化合物の量が、前記樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下である、樹脂粒子分散体の製造方法。
  2. 前記水溶性アミン化合物の沸点は、前記非水系溶剤の沸点よりも低い、請求項1に記載の樹脂粒子分散体の製造方法。
  3. 前記酸性水分散性樹脂が、酸性水分散性ウレタンウレア樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂粒子分散体の製造方法。
  4. 前記分散相が色材をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂粒子分散体の製造方法。
  5. 樹脂粒子、塩基性分散剤、及び非水系溶剤を含む樹脂粒子分散体であって、
    前記樹脂粒子は、酸性ウレタンウレア樹脂を含み、
    前記樹脂粒子分散体中の水溶性アミン化合物の量が、前記樹脂粒子分散体全量に対して100μg/g以下である、樹脂粒子分散体。
  6. 前記樹脂粒子が、色材をさらに含む、請求項5に記載の樹脂粒子分散体。
  7. 請求項6に記載の樹脂粒子分散体を含む、油性インクジェットインクであって、前記油性インクジェットインク中の前記水溶性アミン化合物の量が、前記油性インクジェットインク全量に対して100μg/g以下である、油性インクジェットインク。
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