JP7081962B2 - シボ織物 - Google Patents

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本発明は、ばらつきの小さい安定したシボとストレッチ性とソフトな風合いとを有するシボ織物およびその製造方法に関する。
従来、デシン、パレス、チリメンに代表される緯撚織物やオリエンタルクレープに代表される経撚織物、さらにはジョーゼットに代表される経緯撚織物は、経糸および/または緯糸に強撚糸を用い、染色加工工程でシボを発現させることによって製造されている(例えば特許文献1)。また、近年、着用快適性の点でストレッチ性を付与させた織物が多数提案されている(例えば特許文献2、特許文献3)。
しかしながら、撚り係数を大きくすると、シボの形状が織物の中心部と耳際部でシボが異なる、いわゆる中希の問題が発生したり風合いが固くなるという問題があった。
特開平11-93037号公報 特開平11-93031号公報 特開2005-89928号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ばらつきの小さい安定したシボとストレッチ性とソフトな風合いとを有するシボ織物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、シボ織物を構成する撚糸糸条などを巧みに工夫することによって、ばらつきの小さい安定したシボとストレッチ性とソフトな風合いとを有するシボ織物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「シボ織物であって、複合繊維と非複合繊維とを含む撚糸糸条を経糸および/または緯糸に配し、かつ該撚糸糸条を配した方向の伸張率が5%以上であるシボ織物であり、非複合繊維のヤング率Aが複合繊維のヤング率Bよりも小さく、AとBとの合計が8000N/mm 以下であり、前記非複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレート単独成分からなる繊維であることを特徴とするシボ織物。」が提供される。
その際、非複合繊維の総繊度が複合繊維の総繊度の2倍以上であることが好ましい。また、前記複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレートを1成分とする複合繊維であることが好ましい。その際、前記複合繊維がポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとからなる複合繊維であることが好ましい。また、前記複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリトリメチレンテレフタレート以外のポリマーとからなる複合繊維であることが好ましい。また、織物のカバーファクターCFが1000~3500の範囲内にあることが好ましい。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpはタテ糸総繊度(dtex)、MWpはタテ糸織密度(本/2.54cm)、DWfはヨコ糸総繊度(dtex)、MWfはヨコ糸織密度(本/2.54cm)である。]
本発明によれば、ばらつきの小さい安定したシボとストレッチ性とソフトな風合いとを有するシボ織物およびその製造方法が得られる。
本発明のシボ織物の図面代用写真である。
以下に本発明を実施するための形態を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
まず、本発明において、撚糸糸条は複合繊維と非複合繊維(単独成分からなる繊維)とを含む。その際、非複合繊維のヤング率Aが複合繊維のヤング率Bよりも小さいことが好ましい。また、AとBとの合計が8000N/mm以下(より好ましくは1000~5000N/mm)であることが好ましい。また、非複合繊維の総繊度が複合繊維の総繊度の2倍以上(より好ましくは2.5倍以上、特に好ましくは2.9~8倍)であることが好ましい。非複合繊維の総繊度が複合繊維の総繊度の2倍より小さいと、シボの凹凸形状にばらつきが大きくなるおそれがある。
前記複合繊維と非複合繊維において、繊維種類は特に限定されないが、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が好ましい。
ポリトリメチレンテレフタレート系繊維とは、ポリトリメチレンテレフタレートを構成成分とする繊維である。ここで、ポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。したがって、かかるポリトリメチレンテレフタレートには、第3成分として、他の酸成分および/またはグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらには好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下の範囲で含有されていてもよい。ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはその機能的誘導体と、トリメチレングリコールまたはその誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることによって合成される。この合成過程において、適当な1種または2種以上の第3成分を添加した共重合ポリエステルであってもよい。
添加する第3成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸など)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸など)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸など)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなど)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジオールなど)、芳香族ジオキシ化合物(ハイドロキノンビスフェノールAなど)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ペンゼンなど)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、脂肪族オキシカルボン酸(ω-オキシカプロン酸など)、芳香族オキシカルボン酸(P-オキシ安息香酸など)が挙げられる。また、1個または3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸などまたはグリセリンなど)も、重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
さらに、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維には、二酸化チタンなどの艶消剤、リン酸などの安定剤、ヒドロキシペンソフェノン誘導体などの紫外線吸収剤、タルクなどの結晶化核剤、アエロジルなどの易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体などの抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤などが含有されていてもよい。
前記非複合繊維は、上記のポリトリメチレンテレフタレート成分単独で形成されていることが好ましい。一方、前記複合繊維は、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとからなる複合繊維、第3成分を共重合していないポリトリメチレンテレフタレートと第3成分を共重合したポリトリメチレンテレフタレートとからなる複合繊維や、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステルやなる複合繊維など、ポリトリメチレンテレフタレートを1成分とする芯鞘型やサイドバイサイド型などの複合繊維であってもよい。
ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の紡糸は、例えば通常の紡糸装置または通常の複合紡糸装置を用いて、1500m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2~3.5倍程度で延伸する方法、紡糸一延伸工程を直結した直延法、巻取り速度5,000m/分以上の高速紡糸法(スピンドローまたはスピンテイクアップ法)のいずれでもよい。また、繊維の形態は特に限定されず。長繊維(マルチフィラメント糸条)でもよいし、短繊維でもよいが、優れたシポ立ち性を得るうえで長繊維が好ましい。さらには、インターレースやタスランなどの空気加工糸や通常の仮撚加工糸であってもよい。
前記複合繊維と非複合繊維において、繊維の繊度は特に限定されないが、布帛強度や風合いの点や、総繊度で33~500dtex、単繊維繊度で0.3~6dtexの範囲が適当である。また、単糸の横断面形状も特に限定されるものではなく。通常の丸型だけでなく、扁平、三角、Y型、丁型、U型などの異型、多葉型。中空型など不定形でもよい。
本発明のシポ織物は例えば、以下の方法により製造することができる。まず、複合繊維と非複合繊維とを用いて撚糸糸条を得る。その際、複合繊維の熱収縮率Aが非複合繊維の熱収縮率Bよりも大きいことが好ましい。また、複合繊維の湿熱収縮率が8%以上(より好ましくは8~12%)、かつ乾熱収縮率が10%以上(より好ましくは10~15%)であることが好ましい。
また、複合繊維と非複合繊維とを引きそろえて撚糸を施す際、撚係数αで7500以下(好ましくは5000~7000、特に好ましくは6000~6500の範囲)で撚糸を施すことが好ましい。該撚係数αが7500より大きいと、シポは発現するものの、シボ感が低下し、平坦かつ表情の乏しい生地となるおそれがあり、また、シボの凹凸形状にばらつきが大きくなるおそれがある。さらには、風合いが硬くなり、ストレッチ性も損なわれるおそれがある。なお、撚係数αは、下記によって表されるものである。
α=T×D1/2
ただし、Tは糸条の撚数(T/m)、Dは糸条の総繊度(dtex)である。
次いで、前記撚糸糸条を、必要に応じて他の繊維と交絡混繊、交撚、複合仮撚などで複合した後、織物を製織する。その際、他の糸条は複合糸条の重量対比30重量%以下であることが好ましい。
また、撚糸糸条を織物の経糸および/または緯糸に配する際、適宜、撚り係数の異なる糸条を配列してもよく、無地かストライプなどの希望する織物外観に応じて適宜選定すればよい。例えば、1本交互~6本交互(1:1~6:6)や1本:2本交互、1本:3本交互、1本:4本交互など、さらには希望するシポ立てや撚りバランスを考盧して撚り方向の異なる糸条、すなわちS撚糸(S)とZ撚糸(Z)を適宜組み合わせて、S-Z、S-S-Z-Z、S-Z-Z-Sなどの配列でもよい。
織物の組織としては、平、綾、朱子またはこれらの変化組織などが挙げられる。なかでも平組織が好ましい。
次いで、該織物にリラックス処理を施す。かかるリラックス処理の条件としては80~95゜Cの熱水中で0.2~2時間の処理時間であることが好ましい。該リラックス処理によりシボが発現すると同時に、図1に模式的に示すように織物中において撚糸糸条がランダムに屈曲し、優れたストレッチ性が発現する。このような屈曲構造が発現するメカニズムについては、非複合繊維のヤング率が小さく屈曲しやすく、複合繊維の熱収縮率が大きく、非複合繊維の繊度が複合繊維と比較して大きいことに起因すると考えている。織物にリラックス処理を行った際、繊度の大きい非複合繊維が芯、繊度の小さい複合繊維が鞘となる構造をとり、鞘である熱収縮率が大きい複合繊維が、芯であるヤング率の低い非複合繊維を大きく屈曲させることが考えられる。その後のプレセット条件としては、リラックス上がりに対して1.4倍以内(好ましくは1.0~1.1倍)の巾だしでプレセットする必要がある。該巾だしが1.4倍よりも大きいと、リラックス処理により発現した撚糸糸条の屈曲構造が引き伸ばされ、リラックス処理前の織物構造にもどってしまいストレンチ性が損なわれるため好ましくない。かかるプレセット処理の温度は、好ましくは140~180℃、より好ましくは150~170℃、時間は、好ましくは10秒~5分、より好ましくは30秒~1分である。
なお、前記リラックス処理、プレセット処理と同時に、またはこれらの処理に続いてアルカリ減量(5~40%)、染色を施してもよい。また、ファイナルセットを行う場合は、リラックス上がりに対して1.4倍以内(好ましくは1.0~1.1倍)の巾だしで温度は140~180℃(より好ましくは150~170℃)、時間は10秒~5分(より好ましくは30秒~1分)で行うことが好ましい。
さらには、常法の吸水加工、撥水加工、起毛加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤などの機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。特に、(シリコン系の)樹脂加工が施された場合は、糸条どうしの摩擦抵抗が小さくなりストレッチ性を向上させることができる。
かくして得られたシボ織物において、織物のカバーファクターCFとしては、風合いや表面外観の点で1000~3500の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、1400~2800である。カバーファクターが1000未満では、経糸と緯糸がスリップしやすくなり、―方、3500を超えると、風合いが硬くなってしまうおそれがある。なお、カパーファクターCFは、下記によって表されるものである。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp十(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
かかるシボ織物は、前記の構成を有するので、ばらつきの小さい安定したシボとストレッチ性とソフトな風合いとを有する。
ここで、該撚糸糸条を配した方向の伸張率が5%以上(好ましくは10%以上、特に好ましくは15~40%以上)の伸長率を有するものである。なお、伸張率は、L 1096-1998 6.14.1B法(定荷重法)により測定したものである。伸張率が5%未満では、ストレッチ性が十分でないため着用した際の快適性が損なわれるおそれがある。なお、伸張率を5%以上になすには、撚係数とCFとを前記の範囲内で適宜選定すればよい。
かかるシボ織物は、衣料(例えば、ブラウス、和装、スポーツウエアー、ユニフォーム、白衣、作業着、介護医療用衣服など)や鞄などとして好適に使用される。
次に、本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<ストレッチ性>
JIS L1096-1998 6.14.1B法(定荷重法)により伸張率(%)を測定した。
[実施例1]
第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸167dtex/36本と、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維マルチフィラメント糸56dtex/36本とを引きそろえ、撚数450T/m(撚係数α=6,364)の撚糸を施した撚糸糸条を平組織織物の経糸および緯糸に用いて製織した後、リラックス処理(120゜C、20分)、プレセット処理(160゜C、45秒)、染色加工、樹脂加工(シリコーン系、-方社製のAN1700)、ファイナルセット(160゜C、45秒)を施しシボ織物を得た。
得られたシボ織物において、図1に示すように、糸条がランダムに屈曲しており、良好なシボを有し、かつ、織物の耳際と中央部の生地表面の凹凸柄に差異が生じないものとなった。また、生地の厚さは、830μmであった。また、経/緯方向の伸張率は15%/20%となり、大変優れたものであった。なお、生機巾、リラックス上り巾、プレセット上り巾は、以下のとおりであった。生機巾=180cm、リラックス上り巾=120cm、プレセット上り巾=124cm。
ヤング率はポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸167dtex/36本が1652N/mm、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維マルチフィラメント糸56dtex/36本が2464N/mmであり、ヤング率の合計は4116N/mmであった。また、ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸の湿熱収縮率は7.2%、乾熱収縮率は11.6%、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維マルチフィラメント糸の湿熱収縮率は9.3%、乾熱収縮率は12.3%であった。
[実施例2]
実施例1と同じポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸84dtex/36本を2本引き揃え、それとポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維マルチフィラメント糸56dtexとを引きそろえ、撚数450T/m(撚係数α=6364)の撚糸を施した以外は実施例1と同様に実施した。
得られたシボ織物において、糸条がランダムに屈曲しており、良好なシボを有し、かつ、織物の耳際と中央部の生地表面の凹凸柄に差異が生じないものとなった。生地の厚みは、1190μmであった。また、経/緯方向の伸張率は12%/14%となり優れたものであった。なお、生機巾、リラックス上り巾、プレセット上り巾は、以下のとおりであった。生機巾=140cm、リラックス上り巾=110cm、プレセット上り巾=112cm。
ヤング率はポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸が1585N/mmであり、ポリトリメチレンテレフタレート複合繊維マルチフィラメント延伸糸にくらべ十分に小さく、ヤング率の合計は5634N/mmであった。
[実施例3]
実施例1と同じポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸84dtex/36本と、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維マルチフィラメント糸22dtex/4本とを引きそろえ、撚数700T/m(撚係数α=6,822)の撚糸を施した以外は実施例1と同様に実施した。
得られたシボ織物において、糸条がランダムに屈曲しており、良好なシボを有し、かつ、織物の耳際と中央部の生地表面の凹凸柄に差異が生じないものとなった。生地の厚みは、810μmであった。また、経/緯方向の伸張率は12%/14%となり、優れたものであった。なお、生機巾、リラックス上り巾、プレセット上り巾は、以下のとおりであった。生機巾=140cm、リラックス上り巾=110cm、プレセット上り巾=112cm。
[比較例1]
実施例1において、第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸167dtex/36本の代わりに、通常のポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸167dtex/36本を用い、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維マルチフィラメント糸56dtex/36本の代わりに、通常のポリエチレンテレフテレートとポリエチレンテレフテレートからなる複合繊維マルチフィラメント延伸糸56dtex/36本を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
その結果、シボは発現せず、また経/緯方向の伸張率は2%/3%となりストレッチ性は不十分なものであった。生地の厚みは、341μmであった。なお、生機巾、リラックス上り巾、プレセット上り巾は、以下のとおりであった。生機巾=140cm、リラックス上り巾=119cm、プレセット上り巾=118cm。
通常のポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸のヤング率は7437N/mmであり、通常のポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸のヤング率は7393N/mmでありヤング率が大きすぎ、シボが発生しないものであった。
[比較例2]
実施例1において、第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸167dtex/36本の代わりに、カチオン染料可染ポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸167dtex/36本を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
その結果、シボは発現せず、また経/緯方向の伸張率は2%/3%となりストレッチ性は不十分なものであった。また、風合いは固いものとなった。請求項4で定義した生地の厚みは、440μmであった。なお、生機巾、リラックス上り巾、プレセット上り巾は、以下のとおりであった。生機巾=140cm、リラックス上り巾=119cm、プレセット上り巾=118cm。
カチオン染料可染ポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸のヤング率は、4627N/mmであり、ヤング率が大きすぎ、シボが発生しないものであった。
[比較例3]
実施例1において、第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸167dtex/36本の代わりに、ポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸167dtex/36本を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
その結果、シボは発現せず、また経/緯方向の伸張率は2%/3%となりストレッチ性は不十分なものであった。生地の厚みは、450μmであった。なお、生機巾、リラックス上り巾、プレセット上り巾は、以下のとおりであった。生機巾=140cm、リラックス上り巾=119cm、プレセット上り巾=118cm。
ポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸のヤング率は、4049N/mmであり、ヤング率が大きすぎ、シボが発生しないものであった。
本発明によれば、ばらつきの小さい安定したシボとストレッチ性とソフトな風合いとを有するシボ織物およびその製造方法が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (6)

  1. シボ織物であって、複合繊維と非複合繊維とを含む撚糸糸条を経糸および/または緯糸に配し、かつ該撚糸糸条を配した方向の伸張率が5%以上であるシボ織物であり、
    非複合繊維のヤング率Aが複合繊維のヤング率Bよりも小さく、AとBとの合計が8000N/mm 以下であり、前記非複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレート単独成分からなる繊維であることを特徴とするシボ織物。
  2. 非複合繊維の総繊度が複合繊維の総繊度の2倍以上である、請求項1に記載のシボ織物。
  3. 前記複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレートを1成分とする複合繊維である、請求項1または請求項2に記載のシボ織物。
  4. 前記複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとからなる複合繊維である、請求項3に記載のシボ織物。
  5. 前記複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリトリメチレンテレフタレート以外のポリマーとからなる複合繊維である、請求項3に記載のシボ織物。
  6. 織物のカバーファクターCFが1000~3500の範囲内にある、請求項1~5のいずれかに記載のシボ織物。
    CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
    [DWpはタテ糸総繊度(dtex)、MWpはタテ糸織密度(本/2.54cm)、DWfはヨコ糸総繊度(dtex)、MWfはヨコ糸織密度(本/2.54cm)である。]
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