JP7081462B2 - 車両電子制御装置及び診断システム - Google Patents
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Description
例えば、DTCのうち、道路運送車両法の保安基準を満たさない不具合を示す所定のDTCを特定DTCとして定め、この特定DTCが検査ツールで読み出されると、車検を不合格にすることが考えられる。つまり、特定DTCが車両電子制御装置に記憶されている場合には、車検を不合格にすることが考えられる。
特定DTCやそのバージョン等の情報(即ち特定DTC情報)は、特定DTC管理機構の管理サーバに保管される。そして、車検時には、検査ツールから予め管理サーバにアクセスして特定DTC情報を取得して更新した上で、検査ツールにて車両に特定DTCが発生していないかを検査する。
記憶部は、車両の異常を示す故障コードであるDTCを記憶する。
処理部は、判定の結果に応じた処理を行う。
例えば、特定DTC情報が古い場合には、例えば、検査ツールに対して、最新の特定DTC情報への更新を要求する等の対応が可能となる。
車両電子制御装置は、車両に搭載され、その車両の異常を示す故障コードであるDTCを記憶する。
取得部は、検査ツールから特定DTCの読み出し要求があった場合に、検査ツールから第1の時期情報を取得するとともに、読み出し要求の時期を示す第2の時期情報を取得する。
処理部は、判定の結果に応じた処理を行う。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
まず、本第1実施形態の診断システムを備えた全体のシステム(即ち車検システム)について説明する。
まず、車両3の異常を示す故障コードであるDTCのうち、道路運送車両法の保安基準を満たさない不具合を示す所定のDTCを特定DTCとして定めている。そして、この特定DTCが車両ECU5から検査ツール7で読み出されると、車検を不合格とする。
詳しくは、特定DTCやそのバージョン等の情報、即ち特定DTCに関する情報である特定DTC情報は、特定DTC管理機構の管理サーバ9に保管されている。そして、車検時等には、検査ツール7から管理サーバ9にアクセスし、特定DTC情報を取得して更新した上で、検査ツール7にて車両3に特定DTCが発生していないかを検査する。
次に、本第1実施形態の診断システム13等の各構成について詳細に説明する。
<車両電子制御装置>
図2に示すように、車両ECU5は、車両演算処理部21を構成するマイコンを中心とする電子制御装置であり、車両3の走行中等に、車載の各種のセンサ、アクチュエータなどに何らかの異常が発生したことを検出するOBD機能を有している。
車両取得部27は、検査ツール7から、DTCのうち車両の状態の判定に用いる特定の故障コード(即ち特定DTC)の読み出し要求があった場合には、検査ツール7から、特定DTCを含む特定DTC情報を管理サーバ9から最後に受信した時期を示す第1の時期情報(例えば第1のタイムスタンプ)を取得する。それとともに、図示しないタイマによる時間情報に基づいて、読み出し要求の時期を示す第2の時期情報(例えば第2のタイムスタンプ)を取得する。
なお、第1の時期情報や第2の時期情報としては、時刻そのものを示す前記第1のタイムスタンプや第2のスタンプが挙げられる。また、第1の時期情報としては、特定DTC情報を更新した更新時期の情報、即ち更新時期を示す第1のタイムスタンプ、および/または、更新時期を特定できる特定DTC情報のバージョン情報等の固有情報が挙げられる。
(1)例えば、経過時間が判定時間以上の場合には、検査ツール7に対して、特定DTC情報の更新を要求する。
(2)経過時間が判定時間未満の場合には、検査ツール7に対して、特定DTC、または、特定DTCを含むDTC(例えば全てのDTC)を送信する。
なお、車両ECU5は、送信情報と送信時期情報とについては、例えば検査ツール7のような外部からの要求によって読み出し可能なように構成されている。
図3に示すように、検査ツール7は、各種の表示を行うディスプレイ33と、検査ツール7の動作を制御するツール電子制御装置(即ちツールECU)35と、作業者のマニュアルでの操作が可能な操作部37と、管理サーバ9との通信を行うツール通信部39と、ケーブル11の他端のコネクタ12(図1参照)が接続されるツールコネクタ41と、を備えている。
前記ツール演算処理部43は、図示しないが、CPU、ROM、RAM等から構成されている。このツール演算処理部43では、例えば、管理サーバ9に対して、特定DTC情報の送信を要求して取得したり、車両ECU5に対して、特定DTCの送信を要求して取得する等の制御を行う。
なお、前記車両ECU5とツールECU35との各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、車両記憶部23及びツール記憶部45が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、車両ECU5とツールECU35とは、それぞれ1個のマイクロコンピュータで構成されてもよいし、複数のマイクロコンピュータで構成されてもよい。
まず、車検システム1に行われる処理について、その概略を説明する。
図4に示すように、例えば車検の際に、検査ツール7から車両ECU5に対して、(A)特定DTCの読み出し要求と、(B)特定DTC情報を管理サーバ9から最後に受信した第1の時期情報の送信と、を行う。
一方、前記経過時間が判定時間未満の場合には、特定DTC情報が最新のものであるとみなして、車両ECU5から検査ツール7に対して、例えば、(D)特定DTCを含む全DTCを送信する処理を行う。
<検査ツールにおける処理>
(a)管理サーバ9に対する検査ツール7の処理
検査ツール7において、図5に示すように、ステップ100では、操作部37による操作によって、管理サーバ9に対して、特定DTC情報の更新要求を行う。なお、図5では、ステップをSと記載する。以下、各図において同様である。
続くステップ120では、更新された特定DTC情報と、その特定DTC情報を受信した時期を示す第1の時期情報(即ち第1のタイムスタンプ)とを、ツール記憶部45に記憶し、一旦本処理を終了する。
検査ツール7において、図6に示すように、ステップ200では、車両ECU5に対して、特定DTCの取得要求を行う。
続くステップ220では、車両ECU5から特定DTC情報の更新要求があるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ230に進み、一方否定判断されるとステップ240に進む。
なお、ここでは、車両ECU5は、特定DTCの取得要求がなされた場合に、後述する特定DTCを送信するための判定条件(即ちS330の判定時間未満の条件)が満たされたときには、特定DTCを含む全てDTCを送信するが、特定DTCのみを送信するようにしてもよい。例えば特定DTCの取得要求を行う際に、「特定DTCのみ」や「特定DTCを含む全DTC」のように、どのようなDTCを送信するかを指定してもよい。
続くステップ260では、検査結果を報知する。例えば、特定DTCがある場合には、その特定DTCやその定義をディスプレイ33に表示したり、音声等で報知する。さらには、車検が不合格であることを報知してもよい。
<車両電子制御装置における処理>
車両ECU5において、図7に示すように、ステップ300では、検査ツール7から、特定DTCの読み出し要求があるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ310に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
続くステップ320では、自身のタイマから、現在時刻である第2の時期情報である第2のタイムスタンプを取得する。
上記第1実施形態では、以下の効果を得ることができる。
(1a)本第1実施形態では、スタンドアローン型の検査ツール7から特定DTCの読み出し要求があった場合に、第1の時期情報と第2の時期情報とを取得し、両時期情報が示す経過時間が、所定の判定時間以上か否かを判定する。
その結果、作業者によって、最新の特定DTC情報への更新が実施された場合には、最新の特定DTC情報に基づいて、車両3の状態の判定を確実に行うことができる。よって、車検の合格、不合格の判断を確実に行うことが可能となる。
つまり、否定応答や無応答の場合には、最新の特定DTC情報への更新要求と同様とみなして、最新の特定DTC情報への更新を実施することができる。
前記第1実施形態において、車両3が車両に対応し、車両電子制御装置5が車両電子制御装置に対応し、検査ツール7が検査ツールに対応し、診断システム13が診断システムに対応し、車両記憶部23が記憶部に対応し、車両取得部27が取得部に対応し、車両判定部29が判定部に対応し、車両処理部31が処理部に対応している。
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態の第1実施形態との相違点について以下に説明する。なお、相違点以外は第1実施形態と同様である。また、第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付す。
ここで、特定DTC関連情報とは、検査ツール7に対して過去に応答したDTCの情報(即ち送信情報)と、そのときのタイムスタンプ(即ち送信時期情報)である。また、OBD検査の正当性とは、特定DTCを用いた検査の正当性のことである。つまり、特定DTCを用いた車検の正当性のことである。
<検査ツールの処理>
検査ツール7において、図8に示すように、ステップ400では、車両ECU5に対して、車両記憶部23に記憶されている特定DTC関連情報を要求する。
続くステップ420では、OBD検査の正当性を検証し、一旦本処理を行う。
車両ECU5において、図9に示すように、ステップ500では、検査ツール7から、特定DTC関連情報の要求があるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ510に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
[2-2.効果]
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1a)、(1b)に加え、検査ツール7を用いて実施した車検が適切であったか否かを、後日検証することができるという利点がある。
本第3実施形態は、基本的には第1実施形態と同様であるので、主に相違点について以下に説明する。なお、相違点以外は第1実施形態と同様である。また、第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付す。
検査ツール7は、第1実施形態のようなツール通信部を備えておらず、ケーブル53と接続されるコネクタ55を備えている。なお、ケーブル53は、パソコン51と検査ツール7とを有線にて接続するものであるが、無線にて接続するようにしてもよい。
なお、パソコン51に代えて、例えばスマートフォン等のインターネットに接続可能な端末を採用することもできる。つまり、外部の通信装置としては、スマートフォン等の通信端末を採用できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
Claims (8)
- 車両(3)に搭載された車両電子制御装置(5)であって、
前記車両の異常を示す故障コードであるDTCを記憶するように構成された記憶部(23)と、
検査ツール(7)から、前記DTCのうち前記車両の状態の判定に用いる特定の故障コードである特定DTCの読み出し要求があった場合に、前記検査ツールから、前記特定DTCを含む特定DTC情報を管理サーバ(9)から最後に受信した時期を示す第1の時期情報を取得するとともに、前記読み出し要求の時期を示す第2の時期情報を取得するように構成された取得部(27)と、
前記第1の時期情報と前記第2の時期情報とが示す時期を比較し、両時期情報が示す時期の時間間隔である経過時間が、所定の判定時間以上か否かを判定するように構成された判定部(29)と、
前記判定の結果に応じた処理を行う処理部(31)と、
を備えた、車両電子制御装置。 - 請求項1に記載の車両電子制御装置であって、
前記経過時間が前記判定時間以上の場合には、前記検査ツールに対して、前記特定DTC情報の更新を要求するように構成された、
車両電子制御装置。 - 請求項1に記載の車両電子制御装置であって、
前記経過時間が前記判定時間以上の場合には、前記読み出し要求を拒否する否定応答を送信、又は、無応答とするように構成された、
車両電子制御装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両電子制御装置であって、
前記経過時間が前記判定時間未満の場合には、前記検査ツールに対して、前記特定DTC、または、前記特定DTCを含む前記DTCを送信するように構成された、
車両電子制御装置。 - 請求項4に記載の車両電子制御装置であって、
前記送信した情報を示す送信情報と、前記送信した情報の送信時期を示す送信時期情報と、を記憶するように構成された、
車両電子制御装置。 - 請求項5に記載の車両電子制御装置であって、
前記送信情報と前記送信時期情報とが、外部からの要求によって読み出し可能なように構成された、
車両電子制御装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の車両電子制御装置であって、
前記第1の時期情報として、前記特定DTC情報を更新した更新時期の情報、および/または、前記更新時期を特定できる固有情報を用いる、
車両電子制御装置。 - 車両に搭載され、該車両の異常を示す故障コードであるDTCを記憶するように構成された、車両電子制御装置と、
前記DTCのうち前記車両の状態の判定に用いる特定の故障コードである特定DTCを含む特定DTC情報を管理サーバから受信して記憶し、且つ、前記管理サーバから前記特定DTC情報を最後に受信した時期を示す第1の時期情報を記憶するように構成された、検査ツールと、
を備えており、
前記車両電子制御装置は、
前記検査ツールから前記特定DTCの読み出し要求があった場合に、前記検査ツールから前記第1の時期情報を取得するとともに、前記読み出し要求の時期を示す第2の時期情報を取得するように構成された取得部と、
前記第1の時期情報と前記第2の時期情報とが示す時期を比較し、両時期情報が示す時期の時間間隔である経過時間が、所定の判定時間以上か否かを判定するように構成された判定部と、
前記判定の結果に応じた処理を行う処理部と、
を備えた、診断システム。
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