JP7211036B2 - 車両電子制御装置及び診断システム - Google Patents
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Description
例えば、DTCのうち、道路運送車両法の保安基準を満たさない不具合を示す所定のDTCを特定DTCとして定め、この特定DTCが検査ツール(即ちスキャンツール)で読み出されると、車検を不合格にすることが考えられる。つまり、特定DTCが車両電子制御装置に記憶されている場合には、車検を不合格にすることが考えられる。
第1の診断部は、車両の特定の構成(即ち診断対象)に関する異常を検出するための診断の内容を規定する第1の診断規則に基づいて、車両の特定の構成の異常の診断を行う。
例えば、検査ツールを用いて車両電子制御装置から特定DTCを選択して取得することによって、車両の状態の判定を確実に行うことができるので、車検の合格、不合格の判断を確実に行うことが可能となる。
この診断システムは、上述した車両電子制御装置と、車両電子制御装置に接続されて、車両電子制御装置との通信を行う検査ツール(7)と、を備えている。さらに、車両電子制御装置は装置側コネクタ(25)を備えるとともに、検査ツールはツール側コネクタ(41)を備えている。
c)本開示のさらに他の態様は、車両電子制御装置と検査ツールとを備えた診断システム(13)である。
そして、この診断システムは、検査ツール側から車両電子制御装置側に送信される、第1の故障コードおよび/または第2の故障コードの出力を指示する制御信号に基づいて、車両電子制御装置側から検査ツール側に、第1の故障コードおよび/または第2の故障コードを出力するにように構成されている。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
まず、本第1実施形態の診断システムを備えた全体のシステム(即ち車検システム)について説明する。
まず、車両3の異常を示す故障コードであるDTCのうち、道路運送車両法の保安基準を満たさない不具合を示す所定のDTCを特定DTCとして定めている。なお、特定DTCが、例えば第2の故障コードに該当する。
なお、特定DTCやそのバージョン等の情報、即ち特定DTCに関する情報である特定DTC情報が、特定DTC管理機構の管理サーバ9に保管されている。そして、車検時等には、検査ツール7から管理サーバ9にアクセスし、特定DTC情報を取得して更新した上で、検査ツール7にて車両3に特定DTCが発生していないかを検査する。
例えば、図2Aに示すように、所定のセンサの出力電圧を考えた場合、法規DTCの異常判定の基準(例えばOBD法規閾値)が、特定DTCの異常判定の基準(例えば保安基準閾値)より低い場合(即ち判定基準が厳しい場合)が考えられる。この場合には、法規DTCを特定DTCとして採用しても、支障がないように思われる。なお、ここでは、出力電圧が閾値より高い場合を異常と判定している。
次に、本第1実施形態の診断システム13等の各構成について詳細に説明する。
<車両電子制御装置>
図4に示すように、車両ECU5は、車両演算処理部21を構成するマイコンを中心とする電子制御装置であり、車両の走行中等に、車載の各種のセンサ、アクチュエータなどに何らかの異常が発生したことを検出するOBD機能を有している。
第1の診断部27は、異常を検出する対象である特定の構成について、診断の内容を規定する第1の診断規則に基づいて、前記特定の構成の異常の診断を行う。なお、特定の構成とは、車載の各種のセンサ、アクチュエータなどのように、異常を検出する対象(検査対象)のことである。
例えば、図5に示すように、例えばあるセンサの異常を示すDTCとして、例えば「P1234」が規定されている場合には、第1の診断部27にて異常が検出されたときでも第2の診断部29にて異常が検出されたときでも、該当するDTCは「P1234」となる。
なお、第1の故障コードか第2の故障コードかを区別する方法としては、前記識別子による方法以外に、例えば、第1の故障コードのみを記憶する第1記憶領域と、第2の故障コードのみを記憶する第2記憶領域を設定する方法などが挙げられる。この場合には、取得したい故障コードに対応した記憶領域を検索することによって、所望の種類の故障コードを取得することができる。
図6に示すように、検査ツール7は、各種の表示を行うディスプレイ33と、検査ツール7の動作を制御するツール電子制御装置(即ちツールECU)35と、作業者のマニュアルでの操作が可能な操作部37と、管理サーバ9との通信を行うツール通信部39と、ケーブル11の他端のコネクタ12(図1参照)が接続されるツールコネクタ41と、を備えている。
前記ツール演算処理部43は、図示しないが、CPU、ROM、RAM等から構成されている。このツール演算処理部43では、例えば、管理サーバ9に対して、特定DTC情報の送信を要求して取得したり、車両ECU5に対して、特定DTCや法規DTCの送信を要求して取得する等の制御を行う。
まず、車検システム1に行われる処理について、その概略を説明する。
図7に示すように、例えば車検の際に、検査ツール7から車両ECU5に対して、(A)特定DTCおよび/または法規DTCの読み出し要求を行う。
例えば、特定DTCおよび/または法規DTCがある場合には、その検査結果を、例えばディスプレイ33に表示し、ツール記憶部45に記憶する。
<車両ECUにおける処理(1)>
この処理(1)は、車両ECU5において、通常に実施される処理である。
ステップ110では、OBD法規閾値による診断を行う。つまり、法規DTCの異常判定の基準(例えばOBD法規閾値)を用いて、法規DTCに対応する異常診断を実施する。つまり、法規DTCに該当する異常を検出するための検査を行う。
この処理(2)は、検査ツール7から車両ECU5に対して、DTCの読み出し要求があった場合に実施される処理である。
上記第1実施形態では、以下の効果を得ることができる。
(1a)本第1実施形態では、法規DTCの一部を特定DTCとして採用している。また、第1の診断規則(例えばOBD法規閾値)に基づいて車両3の異常を診断する第1の診断部27を備えている。そして、第1の診断部27によって、センサやアクチュエータ等の特定の構成(即ち検査対象)の異常が検出された場合には、法規DTCに対応する異常を示す第1の故障コード(即ち法規DTC)を記憶する。
前記第1実施形態において、車両3が車両に対応し、車両電子制御装置5が車両電子制御装置に対応し、検査ツール7が検査ツールに対応し、診断システム13が診断システムに対応し、車両記憶部23が記憶部に対応し、第1の診断部27が第1の診断部に対応し、第2の診断部29が第2の診断部に対応している。
本第2実施形態は、基本的には第1実施形態と同様であるので、主に相違点について以下に説明する。なお、相違点以外は第1実施形態と同様である。また、第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付す。
<車両ECUにおける処理>
この処理は、検査ツール7から車両ECU5に対して、異常診断の要求及びDTCの読み出し要求があった場合に実施される処理である。
ステップ320では、ツール要求に含まれる信号に基づいて、判定閾値を切り替える。つまり、特定DTCに関する異常診断及び特定DTCの読み出しが指示されている場合には、異常判定の閾値として、保安基準にて規定される閾値(即ち保安基準閾値)を設定する。一方、法規DTCに関する異常診断及び法規DTCの読み出しが指示されている場合には、OBD法規にて規定される規定される閾値(即ちOBD法規閾値)を設定する。
つまり、特定DTCを検出するための異常診断が指示されている場合には、異常判定の閾値として、保安基準にて規定される閾値(即ち保安基準閾値)を設定する。一方、法規DTCを検出するための異常診断が指示されている場合には、OBD法規にて規定される規定される閾値(即ちOBD法規閾値)を設定する。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
Claims (6)
- 車両(3)に搭載された車両電子制御装置(5)であって、
前記車両の特定の構成に関する異常を検出するための診断の内容を規定する第1の診断規則に基づいて、前記特定の構成の前記異常の診断を行って、前記異常を検出した場合に前記第1の診断規則による前記異常が検出されたことを確定するように構成されている第1の診断部(27)と、
前記特定の構成に関する前記異常を検出するための診断の内容を規定する、前記第1の診断規則とは異なる第2の診断規則に基づいて、前記特定の構成の前記異常の診断を行って、前記異常を検出した場合に前記第2の診断規則による前記異常が検出されたことを確定するように構成されている第2の診断部(29)と、
前記第1の診断部によって前記特定の構成の前記異常が検出された場合には、当該異常が検出されて確定されたものであることを示す第1の故障コードを記憶し、前記第2の診断部によって前記特定の構成の前記異常が検出された場合には、当該異常が検出されて確定されものであることを示す第2の故障コードを記憶するように構成されている記憶部(23)と、
を備え、
検査ツールからの要求に応じて、前記第1の診断部による診断と、前記第2の診断部による診断と、を切り替えることができるように構成されている、
車両電子制御装置。 - 請求項1に記載の車両電子制御装置であって、
前記第1の診断規則と前記第2の診断規則とは、それぞれ、前記特定の構成に関する前記異常を検出するための異常診断ロジック、および/または、前記異常か否かの判定に用いる閾値である、
車両電子制御装置。 - 請求項1または2に記載の車両電子制御装置であって、
前記第2の故障コードは、道路運送車両法によって規定される保安基準に適合するか否かの判定に用いられる故障コードであり、
前記第1の故障コードは、前記道路運送車両法とは異なる法規によって規定される基準に適合するか否かの判定に用いられる故障コードである、
車両電子制御装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両電子制御装置であって、
前記第1の故障コードと前記第2の故障コードとは、付与されている識別子によって区別されている構成、前記第1の故障コードと前記第2の故障コードとが記憶されている領域が異なることによって区別されている構成、前記第1の故障コードと前記第2の故障コードとの各コード自体が異なることによって区別されている構成、のうちいずれか1種の構成を有する、
車両電子制御装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両電子制御装置と、
前記車両電子制御装置に接続されて、前記車両電子制御装置との通信を行う検査ツールと、
を備えており、
前記車両電子制御装置は装置側コネクタを備えるとともに、前記検査ツールはツール側コネクタを備え、
前記装置側コネクタと前記ツール側コネクタとの接続状態に応じて、前記車両電子制御装置側から前記検査ツール側に、前記第1の故障コードおよび/または前記第2の故障コードを出力するように構成されている、
診断システム。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両電子制御装置と、
前記車両電子制御装置との通信を行う検査ツールと、
を備えており、
前記検査ツール側から前記車両電子制御装置側に送信される、前記第1の故障コードおよび/または前記第2の故障コードの出力を指示する制御信号に基づいて、前記車両電子制御装置側から前記検査ツール側に、前記第1の故障コードおよび/または前記第2の故障コードを出力するにように構成されている、
診断システム。
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