JP7021622B2 - サブフレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明はサブフレーム構造に関し、自動車等の車両の車体構造の技術分野に属する。
一般に車体前部構造としては、車両の前後方向に延びて車体前部を支える左右一対のフロントサイドフレームが設けられ、該フロントサイドフレームの下方に、パワートレインを支持するためのサブフレームが配設されたものが知られている。
特許文献1に開示された車体前部構造は、フロントサイドフレームの下方に配置される左右辺部、および該左右辺部の前端を車幅方向に連結する前辺部を有して、平面視で後方に開放してU字状に形成されたサブフレームと、前述の左右の側辺部から立ち上がって、フロントサイドフレームの下面に接続されたタワー部材と、該タワー部材の上下方向の中間の位置から前方に延びて車両の前突時にフロントサイドフレームと協働して変形し衝撃を吸収する一対のエクステンションフレームとを備えたサブフレーム構造を採用している。
特許文献1のサブフレームは、その側辺部に締結固定されたマウント支持部材を介してパワートレインを支持する機能を有している。さらに、サブフレームに備えたタワー部材は、車体前方からエクステンションフレームを経由して入力される荷重を、エクステンションフレームの左右辺部と、上側のフロントサイドフレームとの夫々に分岐して伝達するように構成している。すなわち、タワー部材は、車体前方からの入力荷重を確実に受け止めることで、パワートレインの後退を防ぎつつエクステンションフレームによる衝撃吸収を促す機能を有している。
このように特許文献1のサブフレーム構造は、上述した構成によりパワートレインのマウント支持機能と、車体前方からの衝撃荷重入力時の衝撃吸収機能との両立を図っている。
ところで、サブフレームを含めた車体前部構造には、車両重量低減、部品点数削減を図りたいという要求がある。
そのために、特許文献1のサブフレーム構造においては、サブフレームからフロントサイドフレームにかけて上下方向に延びる頑強なタワー部材を備えずに構成することが有効であると考えられる。
しかしながら単純にタワー部材を備えずに構成した場合には、例えば、エクステンションフレームを経由して入力される上記入力荷重を車体側のフロントサイドフレームへ伝達するロードパスが形成されなくなる。
そうすると、車体前方からの衝撃荷重入力時の上記入力荷重に対して、パワートレインの後退を防ぎつつエクステンションフレームによる衝撃吸収を促す機能を、サブフレームが独立して担うことになる。
このように、サブフレームに入力される衝撃荷重を該サブフレームが独立して受け止める構成を採用した場合には、サブフレームが、それまで担っていたパワートレインのマウント支持機能と、車体前方からの衝撃荷重入力時の衝撃吸収機能とのうち特に後者についての負担が大きくなることから、両機能を両立するには工夫を要する。
ところで、パワートレインがPTマウントを介してサブフレームに支持される車両において、PTマウントで吸収しきれないパワートレインの振動の一部は、サブフレームを経由して車体に伝播する。
そこで、従来の一般的な振動対策としては、パワートレインの振動をPTマウントで減衰させることに加えて、マウント支持部からサブフレームを経由して車体に至る経路上でも、前述の振動を減衰させる対策が採用されている。具体的には、例えば、マウント支持部からサブフレームを経由して車体に至る振動伝達経路を長く設けたり、サブフレームと車体との間にラバーブッシュ等の減衰部材を追加したりすることで、車体に対するパワートレインの振動の伝達の抑制が図られている。
なお、特許文献1のサブフレーム構造においても上述の思想にしたがって、マウント支持部からサブフレームの前部およびタワー部材を経由して車体に至る振動伝達経路と、マウント支持部からサブフレームの後部を経由して車体に至る振動伝達経路とが、いずれも長く設けられている。
特開2015-58856号公報
しかしながら、従来のようにマウント支持部からサブフレームを経由して車体に至る振動伝達経路が長く形成されたり、PTマウント以外の減衰部材が当該経路内に介在されたりする場合、当該経路内での振動の減衰の態様によっては、PTマウントが狙い通りの減衰性能を発揮し難くなることを本願発明者は見出した。したがって、マウント支持部を有するサブフレーム構造では、パワートレインの振動を効果的に低減する上で改善の余地がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、車両重量低減、部品点数削減を図りながら、サブフレームのPTマウント機能と、車体前方からの衝撃荷重入力時の衝撃吸収機能との両立を図りつつ、パワートレインの振動をより効果的に低減させるサブフレーム構造の提供を目的とする。
まず、請求項1に記載の発明は、
車両の車体構造体に対して下方に配設されるサブフレームと、
該サブフレームから前方に延びて車体前方からの衝撃荷重を吸収するエクステンションフレームとを備えたサブフレーム構造であって、
前記サブフレームは、車体前後方向に延びる本体部と、マウントを介してパワートレインを支持するマウント支持部とを有し、
前記本体部は、前記マウント支持部を介して前記車体構造体に固定されていることを特徴とする。
なお、ここでいう「車体構造体」とは、車両の車体の骨格を構成する部分を指すものとする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記マウント支持部と、前記車体構造体とは、減衰要素を介さずに剛結合されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または前記請求項2に記載の発明において、
前記マウント支持部には、前記マウントを、パワートレイン側に備えたブラケットとの接続を許容しつつ下方から内部に収容する収容部と、該収容部近傍から上方へ延びる車体取付部と、前記収容部と前記車体取付部との間に配設されてこれらの間を補強する補強部とが設けられたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、
前記補強部は、前記車体取付部と、前記収容部における該車体取付部よりも下方部位との間において、これらを繋ぐリブであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3または前記請求項4に記載の発明において、
底面視で前記収容部に対して前記車体取付部が隣接して配設されたことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から前記請求項5のいずれか1項に記載の発明において、
前記本体部と、前記マウント支持部とは別体であり、
前記本体部に、該本体部から車体幅方向の内側に延びるクロスメンバが連結され、
前記マウント支持部は、前記本体部と前記クロスメンバとに固定されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項1または前記請求項2に記載の発明において、
前記サブフレームは左右一対設けられ、
前記各サブフレームは、サスペンションリンクを支持するリンク支持部と、該リンク支持部よりも車体後方側において前記本体部を前記車体構造体に固定させる後側車体取付部と、前記リンク支持部よりも車体前方側において前記本体部を前記車体構造体に固定させる第2の車体取付部とを更に備え、
前記サスペンションリンクは、前記リンク支持部から前方に延びる構成とされ、
前記サスペンションリンクの回動軸は、前記後側車体取付部と前記第2の車体取付部との間を結ぶ線分と交差するように設けられたことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発明において、
前記車体構造体は、前記エクステンションフレームおよび前記本体部の上方において車体前後方向に延びるフロントサイドフレームを含み、
前記サブフレームは、前記フロントサイドフレームに固定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、サブフレームの本体部がマウント支持部を介して車体構造体に固定されているため、マウントで吸収しきれないパワートレインの振動がマウント支持部から本体部を経由することなく車体に伝達される。すなわち、マウント支持部から車体に至る振動伝達経路を、従来のようにマウント支持部からサブフレームの本体部を経由して車体に至る経路に比べて短く形成することができる。そのため、マウント支持部から車体に至る経路全体が剛体に近い振動特性を示すことができ、これにより、マウントが所望の減衰性能を発揮することで、パワートレインの振動を効果的に低減することができる。
すなわち、図30に模式的に示すように、パワートレインの振動は、主としてマウントのラバー(以下、マウントラバーともいう)とマウント支持部とを介してサブフレームひいては車体に入力されることになる。この系において、車体に入力される振動は、マウントラバーのばね定数と、車体とマウント支持部との間のばね定数および減衰要素とに依存する。
マウントラバーのばね定数は、パワートレインから車体に入力される振動を低減するように特性を最適化することが可能である。しかしながら、このようにマウントラバーのばね定数を最適化したとしても、車体とマウント支持部との間のばね定数や減衰要素によっては、その特性通りに機能しない恐れがある。
しかしながら、請求項1に記載の発明によれば、マウント支持部から車体に至る経路全体が剛体に近い振動特性を示すことができることから、車体とマウント支持部との間のばね定数を向上できるとともに減衰要素が極力排除され、マウントが所望の減衰性能を発揮することで、パワートレインの振動を効果的に低減することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、マウント支持部と、車体構造体とは、ラバーブッシュ等の減衰要素を介することなく剛結合されているので、マウント支持部から車体に至る振動伝達経路における振動特性をより剛体に近づけることができる。そのため、マウント支持部からサブフレームを経由して車体に至る振動伝達経路にマウント以外の減衰要素を追加する従来の対策とは全く異なり、マウントに所望の減衰性能を確実に発揮させることができ、これにより、パワートレインの振動をより効果的に低減することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、PTマウントの支持剛性を高めることができるとともに、パワートレインの振動伝達経路である収容部から車体取付部までの間を、上記補強部によってその剛性を高めることで、収容部から車体取付部のばね定数が大きくなり、マウントに所望の減衰性能を発揮させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、収容部の上壁部に入力されたパワートレインの振動のうち、該上壁部よりも下方へ伝達した振動を再度上方へ伝達する伝達経路を、上下方向に延びるリブによって構成することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、上記補強部および上記車体取付部によって、パワートレインからPTマウントに入力される振動に対して、収容部の周囲を補強することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、マウント支持部がサブフレームの本体部だけでなく、本体部から車体幅方向に内側に延びるクロスメンバにも固定されているので、マウント支持部を車体幅方向に広い領域で支持できる。これにより、本体部とマウント支持部とが別体である場合において、マウント支持部が、車体幅方向内側へ倒れるような変位が抑制される。
また、請求項7に記載の発明によれば、サブフレームの車体への取付部は、後側車体取付部および第2の車体取付部を含む車体前後方向の2箇所に設けられているので、サブフレームの支持剛性が高められている。
また、サブフレームには、リンク支持部が設けられており、サスペンションリンクは、リンク支持部から前方に延びる構成とされているので、サスペンションリンクからは、前後方向の荷重が支持部に入力される。
サスペンションリンクの回動軸は、後側車体取付部と第2の車体取付部との間を結ぶ線分と交差するように設けられているので、例えば、サブフレームのリンク支持部に車体前後方向の荷重が入力される場合において、入力荷重を効率よく車体で受けることができる。その結果、サブフレーム自体の剛性を上げることによる重量の増加や構造の大型化が回避される。
また、請求項8に記載の発明によれば、車体前方側から入力される荷重は、フロントサイドフレームから車体後方側へ伝達する経路と、前述のエクステンションフレームからサブフレームの本体部を経由して車体へ伝達する経路とで協働して受けることができる。そして、これら2つの経路で衝撃荷重を確実に吸収することによって、車室内側への影響を抑制することができる。
第1実施形態のサブフレーム構造体を備えた車体前部の斜視図。 第1実施形態のサブフレーム構造体を備えた車体前部の側面図。 第1実施形態のサブフレーム構造体を備えた車体前部の平面図。 車幅方向内側かつ後方斜め上方から視たサブフレームおよびその周辺の斜視図。 車幅方向外側かつ前方斜め上方から視たサブフレームの斜視図。 サブフレームと第2前側クロスメンバの一部とを下側から視た分解斜視図。 PTマウントおよび保持部材を分解したサブフレームを車幅方向外側から視た側面図。 サブフレームの底面図。 サブフレームを車幅方向内側から視た側面図(a)、図8中のQ2-Q2線断面図(b)。 サブフレームの正面図(a)、背面図(b)。 保持部材を備えたサブフレームの要部拡大底面図(a)、車幅方向外側から視た要部拡大側面図(b)。 図3中のQ1-Q1線拡大断面図。 第2実施形態のサブフレーム構造体を示す斜視図である。 第2実施形態のサブフレーム構造体を示す側面図である。 第2実施形態のサブフレーム構造体を示す平面図である。 第2実施形態のサブフレームを示す斜視図である。 第2実施形態のサブフレームを示す底面図である。 第2実施形態のサブフレームを示す側面図である。 第2実施形態のサブフレームを示す正面図である。 第2実施形態のサブフレームを示す一部破断平面図である。 第3実施形態に係るサブフレーム構造体を備えた車体前部の斜視図である。 第3実施形態に係るサブフレーム構造体を備えた車体前部の側面図である。 第3実施形態に係るサスペンションサブフレーム構造の平面図である。 図23におけるサブフレーム、エクステンションフレーム、および、第2クロスメンバの接合部の拡大図である。 図24における(a)A-A断面図、(b)B-B断面図、(c)C-C断面図、および(d)D-D断面図である。 サブフレーム、エクステンションフレーム、第2クロスメンバ、および前側ブラケットの接合部の拡大した底面図である。 パワートレインマウントおよびその周辺部を拡大して示す斜視図である。 図23におけるE-E断面図である。 パワートレインマウントの車載状態における底面図である。 本発明のサブフレーム構造を備えた車両のパワートレインからパワートレインマウントを介して車体へ入力されるの振動伝達経路を模式的に示した説明図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係るサブフレーム構造を実施形態毎に詳述する。
[第1実施形態]
図1~図12を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るサブフレーム構造体10を説明する。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両右方を示し、矢印Lは車両左方を示し、矢印Uは車両上方を示し、矢印OUTは車幅方向外側を示し、矢印INは車幅方向内側を示すものとする。
図1~図3は、第1実施形態のサブフレーム構造体10を備えた前部車体構造を示す。まず、本実施形態のサブフレーム構造体10の前提構造として前部車体構造について主に図1~図3を用いて説明する。
図1および図2に示すように、エンジンルームE(図3参照)の左右両側部には、車体前後方向に延びる強度部材としてのフレーム部材で形成されたフロントサイドフレーム1が設けられている。フロントサイドフレーム1は、車両の車体構造体の一部を構成している。これら左右一対のフロントサイドフレーム1の後部には、車幅方向に延びるダッシュクロス5が接続されている。
この実施形態では駆動方式をフロントエンジンリア駆動(FR)としており、図3に示すように、フロントサイドフレーム1間のエンジンルームEには、縦置き配置タイプのエンジン3と、その後部に連結されるトランスミッション4とを備えたパワートレイン2が配置されている。
図1、図2に示すように、各フロントサイドフレーム1は、ダッシュクロス5から前方に直線状に延びる前側直線部1aと、ダッシュクロス5から車体後方に向かって後下がりの傾斜部1bと、傾斜部1bの下端からさらに後方に直線状に延びて、図示しないフロアフレームに連接される後側直線部1cとが設けられている。各フロントサイドフレーム1は、図2に示すように、後側直線部1cが前側直線部1aよりも低く形成されている。
図1、図2に示すように、各フロントサイドフレーム1の前端にはセットプレート6および取付けプレート7を介して、衝突時の衝撃を吸収する筒状体等からなる左右一対のメインクラッシュカン8が設けられている。左右一対のメインクラッシュカン8の前端面には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント9が取り付けられている。
各フロントサイドフレーム1の下方には、サスペンション装置のロアアーム100を支持するサブフレーム構造体10が配置されている。
図1~図3に示すように、サブフレーム構造体10は、主に左右一対のサスペンションサブフレーム20(以下、単に「サブフレーム20」ともいう)と、左右一対のエクステンションフレーム12と、第1、第2の前側クロスメンバ13、14(図1、図3参照)と、後側クロスメンバ15(同図参照)とを備えている。
サブフレーム構造体10の前部には、該サブフレーム構造体10の前端において車幅方向に延びる第1前側クロスメンバ13の左右両端部から夫々サブクラッシュカン19が前方に延びている。このサブクラッシュカン19は、図3に示すように、それぞれセットプレート18および取付けプレート17を介して第1前側クロスメンバ13の左右両端部に接続されている。サブクラッシュカン19よりも前方部にはサブバンパビーム11を設けている。このサブバンパビーム11は、車両と歩行者との衝突時に、歩行者の脚を払って当該歩行者をボンネット上に傾倒させ、2次衝突を防止する所謂足払い部材である。
図2に示すように、サブフレーム20は、車両前後方向に沿って延在するとともに、フロントサイドフレーム1に対して、その前側直線部1aの車両前後方向における中間位置から傾斜部1bにかけての下方に配置されており、図3に示すように、該サブフレーム20は、その前端がエンジン3の前端よりも前方に配置されている。なお、サブフレーム20の詳細については後述する。
エクステンションフレーム12は、サブフレーム20の前端部から前方に直線状に延びる前突荷重吸収部材としてのフレーム部材であり、図2に示すように、フロントサイドフレーム1の前側直線部1aの前部の下方に配設されている。
図3に示すように、第1前側クロスメンバ13は、左右一対のエクステンションフレーム12の前端部を車幅方向に橋渡しするように直線状に延びている。
車幅方向に延びる第1前側クロスメンバ13の左右両端部は、左右夫々においてエクステンションフレーム12の前端部とサブクラッシュカン19の後端部との夫々に接続部材16を介して接続されている。
接続部材16は、図2に示すように、その下部がエクステンションフレーム12に接続されており、該接続箇所から上方に延在したタワー形状に形成されている。さらに接続部材16は、中空箱型形状に形成されており、その車幅方向外側部分の上面部をマウントブッシュを介してフロントサイドフレーム1の下面に対して不図示の締結部材によって取り付けており、前側車体取付部71を構成している。
接続部材16の縦壁状の前面には、サブクラッシュカン19の後端に備えた取付けプレート17の後面を突き合わせた状態で接合するセットプレート18が取り付けられており、サブクラッシュカン19は、取付けプレート17およびセットプレート18を介して接続部材16に接続される。
また後述するが、車両前後方向に延びるサブフレーム20の車幅方向の外側寄りの部分であって、車両前後方向の中間および後端の各部位にも、フロントサイドフレーム1の下面に不図示の締結部材によって取り付ける車体取付部(中間車体取付部72、後側車体取付部73)が夫々設けられている(図1~図3参照)。
このようにサブフレーム構造体10は、中間車体取付部72および後側車体取付部73と、上述した前側車体取付部71との3箇所によって、フロントサイドフレーム1に取り付けられている。
すなわち、サブフレーム構造体10の特にサブフレーム20については、車両前後方向の中間部(中間車体取付部72)と後部(後側車体取付部73)との2箇所によってフロントサイドフレーム1に取り付ける構成を採用しており、該サブフレーム20の前部においてはフロントサイドフレーム1の下面に取り付ける車体取付部を設けない構成としている(図2参照)。
サブフレーム構造体10のサブフレーム20は、上述した車体取付部72、73を備えることに加えて、ロアアーム100の支持機能と後述するパワートレイン2の支持機能とを備えている。
ここで図3に示すように、ロアアーム100は、不図示のサスペンション装置の下部に備えたサスペンションアームであって、車幅方向に略平行延びる前側アーム部101と、前側アーム部101の車幅方向の中間部から車幅方向内側かつ後方へ略水平に延びる後側アーム部102とを有して平面視略L字形状に形成されている。そして、前後各アーム部101、102の車幅方向の車幅方向内端には、サブフレーム20の前側に連結する前側連結部101a、同じく後側に連結する後側連結部102aが形成されている(図1~図3参照)。
以下、サブフレーム構造体10についてサブフレーム20を中心に図1~図12を用いて説明する。なお、左右一対のサブフレーム構造体10は、左右対称形状であるため、以下、特に示す場合を除いて左側の構成に基づいて説明する。
図3、図4に示すように、サスペンションサブフレーム構造体10のサブフレーム20の本体部20Aは、エクステンションフレーム12および第2前側クロスメンバ14が接続される前方部21と、後側クロスメンバ15が接続される後方部61と、これら前方部21と後方部61との間を繋ぐ中間部31とを有しており、全体として車体前後方向に延びるように形成されている。サブフレーム20は、アルミダイキャスト等の鋳造により一体成形された一部材から成るアルミブロックである。ただし、サブフレーム20は、例えば鉄など、アルミニウム以外の金属で構成されてもよい。
図5、図6に示すように、前方部21は、その車幅方向外側かつ前部に、エクステンションフレーム12(図1~図4参照)の後部が差し込まれる差込み部22が前端から後方へ向けて凹状に形成している。そして図1~図4に示すように、エクステンションフレーム12は、その後部が差込み部22に差し込まれることでサブフレーム20に対して一体に接続している。
図4~図6、図8に示すように、前方部21の前部には、後方部よりも車幅方向内縁が車幅方向内側に延出され、第2前側クロスメンバ14の車幅方向外端部を嵌め込んで接続するガイド凹部23が設けられている。
ガイド凹部23は、第2前側クロスメンバ14を嵌め込み可能に上壁部23aと、上壁部23aの前後両端から下方へ延びる一対のガイド側壁部23b、23cと、上壁部23aの車幅方向外端から下方に延びる車幅方向外壁部23dとで、第2前側クロスメンバ14の車幅方向外端部の形状に対応して下方かつ車幅方向内方へ開口する凹形状に形成している(特に図6参照)。
そして図4、図6に示すように、第2前側クロスメンバ14は、その車幅方向外端部がガイド凹部23に嵌め込まれた状態で各壁部23a~23cに対して溶接等により一体に接合されている。これにより、第2前側クロスメンバ14は、左右一対のサブフレーム20の前部の間に、これらを車幅方向に橋渡しするように直線状に延びている(図3参照)。
特に前後一対のガイド側壁部23b、23cは、第2前側クロスメンバ14に対して前後各側から隣接して車幅方向に延び、第2前側クロスメンバ14をその前後各側からガイドする前側ガイドリブ、後側ガイドリブとして夫々形成している。これにより、第2前側クロスメンバ14は、これら前後一対のガイド側壁部23b、23cにガイドされた状態で前方部21に接合される。
図3~図8に示すように、前方部21の車幅方向外側には、ロアアーム100の前側アーム部101の車幅方向内端に備えた前側連結部101a(図3、図4参照)を揺動自在に支持する前側支持部24が形成されている。
具体的には図5~図8に示すように、前側支持部24は、前方部21の車幅方向外側において車両前後方向に間隔を隔てて車幅方向外側へフランジ状に突出形成した前後一対の取付部241、242によって形成されており、前後一対の取付部241、242は、夫々ボルト締結穴241a、242a(図8参照)が上下方向に貫通形成されている。
一方、図3、図4に示すように、ロアアーム100の前側連結部101aは、該前側連結部101aに埋設された弾性ブッシュ25に挿通された車両前後方向に平行に延びる軸部材26を備えている。この軸部材26は、その軸方向における弾性ブッシュ25に対して両側が、ボルト頭部を支持可能に平坦なフランジ状に形成されており、夫々前後各側の取付部241、242の上面に設置され、ボルト締結穴241a、242aにてボルト等によって締結固定されている。
これにより、軸部材26は、前後一対の取付部241、242間を跨ぐように車両前後方向に延びており、前側連結部101aに埋設された弾性ブッシュ25は、この軸部材26によって揺動可能に軸支されている。
なお、エクステンションフレーム12は、上述したように、サブフレーム20の前面において車幅方向の中間位置に対して外側寄りに形成した上記の差込み部22(図5、図6参照)に接続することで、ロアアーム100の前側連結部101aを締結する締結部を有する等して高い剛性を有する前側支持部24に対して車幅方向の少なくとも一部がオーバーラップする構成としている。これにより、車両前突時にサブフレーム20によて、エクステンションフレーム12の衝撃吸収機能を高める構成としている。
図4、図6に示すように、サブフレーム20の車両前後方向の少なくとも前方部21には、車両前後方向に延びるベース部分に対して車幅方向内側へ張り出す前側張出し部27が一体に形成されている。
この前側張出し部27は、走行中にサブフレーム構造体10のサブフレーム20に対してロアアーム100から車幅方向の力(横力)の入力に伴って、該サブフレーム20に対する第2前側クロスメンバ14の相対変位を抑制する変位抑制手段として構成されたものである。
詳述すると、サブフレーム構造体10のサブフレーム20には、車両走行中に前輪からロアアーム100を介して車幅方向の力(横力)が入力されることによって、左右一対のサブフレーム20には、車幅方向の相互間の間隔が狭まるような荷重(図3中の矢印F1参照)が作用するおそれがある。
これに伴って、第2前側クロスメンバ14に対して、その車幅方向の中央部が前方に膨出変形するような荷重が左右一対のサブフレーム20から入力されることが懸念される(図3中の仮想線で示した第2前側クロスメンバ14参照)。
ところで本実施形態においては、前突時の衝撃荷重に対してエクステンションフレーム12をその後端側まで潰し切きることを優先して、サブフレーム構造体10のサブフレーム20の前部には上述したように、車体取付部(71、72、73)を設けない構成を採用している(図2、図3参照)。特にこのような構成の場合、サブフレーム20の前部に車体取付部を設ける構成に比して該サブフレーム20の前部の剛性が低下しがちであるため、上述したように車両走行中に、ロアアーム100から加わる車幅方向の力に対するサブフレーム20の剛性を確保することがより困難になるおそれがある。
そこで本実施形態においては、上述したように、サブフレーム20の少なくとも前方部21に前側張出し部27を設けたものである。
この前側張出し部27は、図4、図6、図8に示すように、第2前側クロスメンバ14を嵌め込んだ状態で接合するガイド凹部23と、該ガイド凹部23の後方で該ガイド凹部23を補強する補強張出し部271とで一体に形成されている。
前側張出し部27のうち、補強張出し部271は、ロアアーム100の後側連結部102aを支持する後述する後側支持部67(図2、図3参照)よりも前方からガイド凹部23の後縁にかけての範囲内に、サブフレーム20におけるベース部分(車両前後方向に延びる車幅方向中央部分)に対して車幅方向内側に延出している。
本実施形態の補強張出し部271は、中間部31(後述する収容部33)の車幅方向内側の側壁からガイド凹部23の後縁にかけての範囲に形成している(図4、図6、図8参照)。さらに、補強張出し部271は、その前端がガイド凹部23と略同じ車幅方向内側への延出長さとなるように該ガイド凹部23の後縁に対して一体形成されており、車両後方程徐々に車幅方向の内側への延出長さが短くなるように平面視で傾斜形状に形成されている。
図1、図2、図4~図7、図9(a)(b)、図10(a)(b)、図11(b)、図12に示すように、サブフレーム構造体10のサブフレーム20の中間部31は、その略全体が前方部21よりも上方に膨出する膨出部としてのマウント支持部32を形成している。
図4~図8、図9(a)(b)、図10(a)(b)、図11(a)(b)、図12に示すように、マウント支持部32には、パワートレイン2側に備えたPT側ブラケット201(図12参照)に接続するマウント支持構造体36(PTマウント36)(同図参照)を下方から収容する収容部33が設けられている。
収容部33は、図4、図6、図9(a)(b)、図10(a)(b)、図12に示すように、マウント支持部32の一部を成す上壁部331と側壁部332とによって下方に開口した収容空間33s(図6、図8、図9(b)、図12参照)を内部に有する中空状に形成している。
図4、図5、図8、図10(b)に示すように、マウント支持部32には、収容部33の上壁部331の車幅方向外縁から車幅方向外側に水平に延出する中間張出し部34が形成されている。
図4、図5、図7、図9(a)に示すように、中間張出し部34の平面視で前縁と車幅方向外縁とのコーナー部には、上記の中間車体取付部72が、上方に突出するように柱状(円筒状)に立設されている。この中間車体取付部72は、フロントサイドフレーム1の前側直線部1aの後部の下面にボルトによって、ラバーブッシュ等の減衰要素を介することなく剛結合されている。これにより、中間車体取付部72とフロントサイドフレーム1との間の剛性が高められている。また、中間車体取付部72は、上記の前側車体取付部71の高さと略同じ高さになるように配設されている(図1、図2参照)。
なお図4、図5に示すように、中間張出し部34の前側部位には、その周辺部位に対して上方へ***する***部35が形成されており、厳密には中間車体取付部72は、該***部35の上面から立設されている。
図12に示すように、収容部33の側壁部332の内面(収容空間33sに臨む面)は、上部が下部に対して車幅方向内側へ傾いた傾斜形状で形成している。さらに図4、図10(a)(b)、図12に示すように、収容部33の上壁部331は、車幅方向内側が車幅方向外側に対して下方に位置するように傾斜形状に形成している。
これらに伴って、PTマウント36は、その上部が下部に対して車幅方向内側へ傾いた傾斜姿勢で収容部33に収容される(図12参照)。
図12に示すように、PTマウント36は、略全体が収容部33に収容される被収容部材37と、該被収容部材37の内部に格納される硬質のコア部材38とで構成される。
被収容部材37は、その下部に備え、上方に開口する椀状の外殻部371と、該外殻部371に対して上方から嵌め込まれるマウントラバー部材372とで構成している。マウントラバー部材372は、胴部372aと肩部372bとネック部372cとを下方から上方へこの順に有してゴム等の弾性材により縦断面視段付き形状に一体に形成している。
被収容部材37は、外殻部371、胴部372a、肩部372bおよびネック部372cの各径に対応した内部空間を有して全体として中空状の略円錐台形状に形成している。被収容部材37は、ネック部372cが肩部372bに対して上方に突出し、肩部372bとネック部372cとの夫々の内部空間372sが上下方向に連通している。さらに、ネック部372cの上端には、その内部空間372sが上方へ向けて開口する開口部372dが形成されている。
そして、コア部材38は、被収容部材37における肩部372bからネック部372cにかけての内部空間372sに収容され、その下部が肩部372bの内部空間に対応して上部よりも大径に形成され、肩部372bの内部空間の上壁に係合されている。
一方、コア部材38の上部は、開口部372dよりも上方へ突出している。このコア部材38の上部には、図3、図4、図12に示すように、パワートレイン2側から車幅方向外側に向けて延出するPT側ブラケット201(被連結部)に取り付けるPTブラケット取付け用突出片39が設けられている。
なお、図3中においては、左右一対のサブフレームのうち左側に備えたPTマウント36のみ図示し、図4、図3、図12以外の図面においてはPTマウント36の図示を省略するものとする。
上壁部331の中央部には、収容部33に収容した被収容部材37に備えたネック部372cを挿通するネック部挿通孔372c1を貫通形成している。このネック部挿通孔372c1は、被収容部材37に備えた肩部372bよりも小径に形成されている。
これにより、肩部372bがネック部挿通孔372c1の周縁に係合されることで、ネック部挿通孔372c1を通じて収容部33の収容空間33sから被収容部材37が外側へ抜け出さない構成としている。
コア部材38に設けられたPTブラケット取付け用突出片39は、被収容部材37が収容部33に収容された状態で、ネック部372cの開口部372dから上方に突出し、PT側ブラケット201に対してボルト等による締結によって接続され、PTマウント36は、PT側ブラケット201を下側から弾性支持する。
車両走行中にPT側ブラケット201が大きく振動した場合には、PTマウント36が弾性変形するとともに、上壁部331の上面に備えたラバー部材380(緩衝部材)(図12参照)を介して該上壁部331によって、PT側ブラケット201は、下側から支持(それ以上下がらないように位置規制)される。
この収容部33の上壁部331は、アルミブロックで形成したサブフレーム20の一部として一体に形成されているため、高い支持剛性を有してPT側ブラケット201を支持することができる。
また収容部33の下部は、鉛直下方向に対して若干車幅方向外側に向けて開口している。収容部33は、サブフレーム20の下端位置Pd(底面部)(図12参照)に達するまで形成しておらず、図5~図8、図9(b)、図12に示すように、該収容部33の下端に位置する開口部33a(図9(b)参照)が底面よりも高い位置に形成されている。
図12に示すように、サブフレーム構造体10には、収容部33に収容したPTマウント36を下側から保持する保持部材40をさらに備えている。
図5、図7、図11(a)(b)、図12に示すように、保持部材40は、収容部33の開口部33aを閉塞する円板状の底壁部41と、該底壁部41の外周縁から上方に立ち上がる側壁部42と、前後各側から前方、後方に突出するとともにボルト挿通孔43a、44aが形成されたフランジ部43、44(図7参照)とを有してアルミダイキャスト等の鋳造により一体成形されている。底壁部41には、その下面部(底面部)から下方へ突出するとともに車幅方向に間隔を隔てて車両前後方に延びる複数のリブ45が配設されている。
また図8に示すように、開口部33aの周縁のうち前後各側の縁部は、保持部材40取付け用の取付け座面30a、30bが形成され、これら前後各側の取付け座面30a、30bは、サブフレーム20の底面部に対して一段高い位置に平坦状に形成され(図9(b)参照)、ボルト挿通孔30aa、30bbが夫々形成されている。
そして、保持部材40は、前後各側のフランジ部43、44が夫々に対応する取付け座面30a、30bに対して下側からボルトにより締結固定されることで(図7参照)、収容部33に収容された状態の被収容部材37が開口部33aから脱落しないように該開口部33aを塞いでいる(図11(a)(b)参照)。
図11(b)、図12に示すように、保持部材40は、サブフレーム20の底面部(図12中の底面位置Pd参照)よりも高い位置にて上記PTマウント36を下側から保持する。具体的には図11(b)参照に示すように、保持部材40は、該保持部材40の少なくとも一部が、前方に延びるエクステンションフレーム12の上下方向の厚みtの範囲内に含まれる取り付け高さで、換言すると、エクステンションフレーム12と上下方向にオーバーラップする取り付け高さでサブフレーム20の収容部33に対して取り付けられている。
さらに図12に示すように、保持部材40の側壁部42の内周面には、係合凹部40aが形成されるとともに、PTマウント36の下部に備えた外殻部371の外周面には、係合凸部37aが形成されている。そしてPTマウント36は、係合凸部37aが係合凹部40aに係合され、かつ保持部材40の底壁部41の上面に設置された状態で収容部33に収容されている(図12参照)。
図4、図6、図9(a)に示すように、収容部33の側壁部332(332a、332b)のうち、車幅方向内側に位置する側壁部332a(車幅内側壁部332a)は、上壁部331の車幅外縁331a(図4参照)に対して車幅方向内側に迫り出して上下方向に延びる略円筒形状の外周面の一部を構成するように寸胴形状の外周面を有して形成している。
一方、収容部33の側壁部332の内面を上述したように上部が下部に対して車幅方向内側へ傾いた傾斜形状に形成したことに伴って、収容部33の側壁部332のうち、上壁部331の車幅外縁331a(図4(a)参照)に対して車幅方向外側に位置する側壁部332b(車幅外側壁部332b)は、図5~図7、図10(a)(b)、図12に示すように、上部に対して下部が車幅方向外側へ迫り出すように形成している。
図5、図7、図8、図10(a)(b)、図12に示すように、収容部33と中間車体取付部72との間には、これら33、72の間を補強する複数の補強リブ51a、51bが設けられている。
詳しくは、補強リブ51a、51bのうち上下方向に延びる補強リブ51aは、中間車体取付部72の基端に位置する中間張出し部34の下面と、中間車体取付部72の下方に位置する車幅外側壁部332bの外面とを繋ぐように上下方向に直線状に形成されるとともに、車両前後方向に間隔を隔てて複数配設されている(図5参照)。
図8に示すように、上下方向に延びる補強リブ51aは、収容部33の車幅外側壁部332bに対して上方程車幅方向外側への突出長さが徐々に長くなるように形成され、上端部が中間張出し部34の車幅方向外端に至るまで車幅方向に延びている。
さらに、上下方向に延びる複数の補強リブ51aの上下方向の各中間部には、これら補強リブ51aを横切るように車両前後方向に略水平に延びる補強リブ51bが形成されており、この車両前後方向に延びる補強リブ51bによって上下方向に延びる複数の補強リブ51aは、互いに連結されている。
図8に示すように、上述した複数の補強リブ51a、51bと、中間車体取付部72とは、共にサブフレーム20の底面視で収容部33(開口部33a)に対して車幅方向外側において隣接配設されている。
図4~図7に示すように、サブフレーム20の後方部61は、車両前後方向に沿って略直線状に延びる後方部前側62と、該後方部前側62の後端から車両前後方向に対して後方程車幅方向外側へ傾斜して略直線状に延びる後方部後側63とを有して一体に形成されている。
さらに図4、図5、図7、図9(a)に示すように、サブフレーム20の後方部61には、該後方部61のベース部分の上面に対して上方に立ち上がる縦壁部64が形成されている。縦壁部64は、後方部61の後方部前側62の車幅方向外縁部において、その前端から後方部後側63の前部に至るまで車両前後方向に延びており、後方へ徐々に低くなるように側面視で傾斜状に形成されている。
縦壁部64の前端は、収容部33の側壁部332の後端から後方へ連続して延びるように該収容部33に対して一体に形成されるとともに、収容部33の上壁部331と同じ高さで形成されている。また、縦壁部64の上端部には、その前端から車両前後方向の中間部にかけて車幅方向内側へ突き出した庇部64aが形成されている。図4、図9(a)、図10(a)に示すように、縦壁部64の車幅方向内面と後方部前側62のベース部分の上面とのコーナー部には、これらの間を繋ぐ複数の補強リブ65が車両前後方向に間隔を隔てて立設されている。
図5~図8、図9(a)、図10(a)に示すように、後方部前側62と後方部後側63との車幅方向外側のコーナー部分(平面視で内角部分)には、車幅方向外側へ延出する後方張出部66が形成されている。この後方張出部66は、その後端がサブフレーム20の後方部61の後部に至まで後方部後側63に沿って後方に延びている。
図8に示すように、後方部61の車幅方向外側には、ロアアーム100の後側アーム部102の車幅方向内端に備えた後側連結部102a(図2参照)を揺動自在に支持する後側支持部67が形成されている。
具体的には図1~図3に示すように、後側支持部67は、ロアアーム後側支持ブラケット67Aを備えている。
図7、図8に示すように、このロアアーム後側支持ブラケット67Aは、その前後各側にサブフレーム構造体10のサブフレーム20に取り付ける取付けフランジ部67a、67bを備えており、これら前後一対の取付けフランジ部67a、67bのうち前側取付けフランジ部67aは、縦壁部64の車幅方向外側の壁面に形成されたボルト締結穴67aa(図5、図7、図9(a)参照)にボルトを介して締結固定される一方、後側取付けフランジ部67bは、後方張出部66に形成されたボルト締結穴67bb(図6、図8参照)にボルトを介して締結固定されている。
そしてロアアーム100の後側連結部102aは、その後方へ延びる軸部材68がロアアーム後側支持ブラケット67Aの内部に備えた弾性ブッシュ69(図4参照)に挿通することにより、後側支持部67に軸支される。
これにより、ロアアーム100の前側連結部101aと後側連結部102aとは、車両前後方向に平行かつ同軸に配されている。
図3、図4、図5、図7に示すように、後方部後側63の後部の上面部には、フロントサイドフレーム1の下面に対してマウントブッシュを介して締結固定する後側車体取付部73が形成されている。
図1に示すように、この後側車体取付部73は、後方部後側63における、フロントサイドフレーム1の後側直線部1cの前部に平面視で対応する位置に、ボルト挿通孔73aを有して座面状に形成され、後側直線部1cの前部の下面に取り付け可能な高さになるように前側車体取付部71および中間車体取付部72よりも低い高さに形成されている(図2参照)。
中間車体取付部72、後側車体取付部73および前側車体取付部71は、車幅方向において略一致するように車両前後方向に沿って配設されており、上述したように、これら3箇所の車体取付部71、72、73を介してサブフレーム構造体10はフロントサイドフレーム1に連結されている。
特に本実施形態のサブフレーム構造体10は、上述したように、前側車体取付部71と中間車体取付部72との略中間位置に相当するサブフレーム構造体10のサブフレーム20の前端位置には車体取付部をあえて設けずに、3箇所の車体取付部71、72、73によってフロントサイドフレーム1に取り付ける構成を採用している。
これにより、仮にサブフレーム構造体10のサブフレーム20の前端位置に車体取付部を設けた場合のように、前突時にエクステンションフレーム12が後端まで潰し切ることを該車体取付部によって阻害されるおそれがなく、該エクステンションフレーム12が後端まで潰し切ることを促進することができる。
図4、図6、図8、図9(a)に示すように、後方部61の後方部前側62の後部(換言すると後方部後側63の前部)の車幅方向内側には、後側クロスメンバ15の車幅方向外端部を嵌め込んで接続するガイド凹部74が設けられている。
ガイド凹部74は、後側クロスメンバ15を嵌め込み可能に上壁部74aと、上壁部74aの前後両端から下方へ延びる一対のガイド側壁部74b、74cと、上壁部74aの車幅方向外端から下方に延びる車幅方向外壁部74dとで、後側クロスメンバ15の車幅方向外端部の形状に対応して下方かつ車幅方向内方へ開口した凹形状で形成している。
そして、後側クロスメンバ15は、ガイド凹部74に嵌め込まれた状態で上壁部74aに対して締結により一体に接合されている。これにより、後側クロスメンバ15は、左右一対のサブフレーム20の後部の間に、これらを車幅方向に橋渡しするように直線状に延びている。
さらに図6、図8、図9(b)に示すように、サブフレーム構造体10のサブフレーム20の底面部には、該底面部から下方へ突出する複数の補強リブ81~88が形成されている。これら複数の補強リブ81~88について図6、図8、図9(b)、図12を用いて説明する。
図6、図8、図12に示すようにサブフレーム20のベース部分の車幅方向内外両端部側には夫々、該サブフレーム20の前部(前方部21の車両前後方向の略中間部)から後部(後方部61の後端)にかけて互いに略平行かつ略連続して車両前後方向に沿って互いに略平行に延びる車幅内縁リブ81、車幅外縁リブ82が形成されている。
車幅内縁リブ81は、車両前後方向の収容部33に対応する部位を、底面視で該収容部33を迂回するように車幅方向内側に円弧状に膨出させて形成している(図6、図8参照)。また、車幅内縁リブ81は、車両前後方向における、後側クロスメンバ15の接続用のガイド凹部74の前壁ガイド部74bに対応する部位を該前壁ガイド部74bによって形成している。一方、車幅外縁リブ82は、中間部31において途切れるように該中間部31を跨いで車両前後方向に沿って形成している。
図6、図8に示すように、前方部21には、車幅内縁リブ81の前端から底面視で車幅方向に2股状に分岐するように前方へ延びる一対のガイド壁補強リブ83、84が形成されている。これら一対のガイド壁補強リブ83、84は、共に車幅方向に沿って形成されているが、これら83、84のうち、車幅方向内側のガイド壁補強リブ83(ガイド壁第1補強リブ83)は、前側張出し部27(補強張出し部271)において形成されている。
具体的には、一対のガイド壁補強リブ83、84のうちガイド壁第1補強リブ83は、第2前側クロスメンバ14の接続用のガイド凹部23における後側のガイド壁23cの車幅方向内端に連結されるとともに、車幅方向外側のガイド壁補強リブ84(ガイド第2壁補強リブ84)は、ガイド凹部23の後側のガイド壁23cの車幅方向外端に連結されている。
これにより、ガイド壁第1補強リブ83とガイド第2壁補強リブ84と後側のガイド壁23cとによって底面視トラス形状Taを構成している。
図6、図8、図9(b)に示すように、前方部21には、車幅外縁リブ82と車幅内縁リブ81との間を連結するように車幅方向に沿って直線状に延びる第1~第3の底面前方補強リブ85a、85b、85cを車両前後方向にこの順に配設している。
図6、図8に示すように、第1~第3の底面前方補強リブ85a、85b、85cは、前側支持部24を構成する前後一対の取付部241、242のうち後側取付部242に対して車幅方向内側周辺部分に形成されており、車幅外縁リブ82から車幅内縁リブ81に向けて、隣り合う相互間の車両前後方向の間隔が徐々に広がるように底面視で後側取付部242を中心として放射状に延びている。
これら第1~第3の底面前方補強リブ85a、85b、85cによって、走行中に前輪からロアアーム100を介して前側支持部24に入力される車幅方向の荷重(横力)を、前方部21の全体に効率よく分散する構成としている。
図6、図8に示すように、前側張出し部27の補強張出し部271には、その車幅方向内縁に沿って延びる車幅方向内縁補強リブ86aと、夫々車両前後方向に間隔を隔てて車幅方向に沿って延びる第1~第3の前側張出し部補強リブ86b~86dとが形成されている。
また図6、図12に示すように、サブフレーム構造体10の中間部31に有する収容部33の車幅内側壁部332aの下部は、車両前後方向の直交断面視で車幅方向内外各側に2股状に形成しており、このうち車幅方向内側の分岐部分は、車幅内縁リブ81によって形成されている。
さらに図6、図8に示すように、サブフレーム構造体10の中間部31には、収容部33の車幅内側壁部332aの2股状の下部を連結する第1、第2底面中間リブ87a、87bが車幅方向に沿って形成されている。
また図6、図8に示すように、後方部61には、車幅内縁リブ81と車幅外縁リブ82とを連結する第1~第7底面後方リブ88a~88fが車幅方向に沿って形成されている。
第1~第7底面後方リブ88a~88fのうち、特に第2~第6底面後方リブ88b~88eは、ロアアーム100から後側支持部67に前側支持部24を中心として入力されるモーメント荷重に対して、後方部61における、後側支持部67に対して車幅方向の内側周辺部位を補強する補強部として該内側周辺部位に設けられたものである。
具体的には、車両の前突時にロアアーム100に対して前方から衝突荷重が入力すると、平面視で前側支持部24を中心としたモーメント荷重Mが後側支持部67を介してサブフレーム構造体10のサブフレーム20に対して加わることになる(図8中の矢印M参照)。
このようなモーメント荷重は、車両の前突時に限らず走行中においても前輪に加わる前後力によっては、ロアアーム100から後側支持部67を介してサブフレーム構造体10のサブフレーム20に対して加わるおそれがある。
このため本実施形態においては、ロアアーム100から後側支持部67に対して入力される上述した、前側支持部24を中心とするモーメント荷重に対して、第2~第6底面後方リブ88b~88eを、底面視で後側支持部67を中心として放射状に形成している。
詳しくは、第2~第6底面後方リブのうち、第2、第3底面後方リブ88b、88cは、後側支持部67に対して前方かつ車幅方向内側へ直線状に延びるとともに、第4~第6底面後方リブ88d、88e、88fは、後側支持部67に対して後方かつ車幅方向内側へ直線状に延びている。
そして、車幅内縁リブ81と、車幅外縁リブ82と、これらを車幅方向に連結するとともに車両前後方向で隣り合う第2、第3底面後方リブ88b、88cとによって、底面視で略トラス形状Tbに形成している。
車幅内縁リブ81と、車幅外縁リブ82と、これらを車幅方向に連結するとともに車両前後方向で隣り合う第3、第4底面後方リブ88c、88dとによって、底面視で略トラス形状Tcに形成している。
さらに車幅内縁リブ81と、車幅外縁リブ82と、これらを車幅方向に連結するとともに車両前後方向で隣り合う第4、第5底面後方リブ88d、88eとによって、底面視で略トラス形状Tdに形成している。
図1~図3に示すように、上述した本実施形態のサブフレーム構造体10は、PTマウント36(図12参照)を介してパワートレイン2を支持するサブフレーム20と、該サブフレーム20の前部から前方へ延び、車両前方からの衝突荷重を吸収するエクステンションフレーム12とを備える。サブフレーム構造体10は、車体前部において車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム1(図1、図2参照)に対して下方に取り付けられる。サブフレーム20には、PTマウント36をパワートレイン2側に備えたPT側ブラケット201(図12参照)との接続を許容しつつ下方から内部に有する収容空間33sに収容する収容部33が設けられ(図4、図5、図7~図9(a)(b)、図12参照)、収容部33近傍から上方へ延びる車体取付部が設けられ、収容部33と中間車体取付部72(車体取付部)との間には、これらの間を補強する補強部としての補強リブ51a、51bが設けられている(図4、図5、図7参照)。
上記構成によれば、PTマウント36を収容部33に収容することでPTマウント36をサブフレーム20全体にて(サブフレーム20の収容部33の重心により近い位置にて)支持することができるため、パワートレイン2の支持剛性を高めることができる。また、中間車体取付部72を収容部33近傍から上方へ延びる構成としたため、パワートレイン2の振動を中間車体取付部72を介して(乗員の耳の位置から遠い部位に有する)フロントサイドフレーム1の前側直線部1aに伝達し吸収できる。そしてその際に、収容部33から中間車体取付部72までの振動の伝達を、補強リブ51a、51bによって効率的に行うことができる。
この発明の態様として、補強部を、中間車体取付部72と、収容部33における、該中間車体取付部72よりも下方部位との間において、これらを繋ぐように上下方向に延びる補強リブ51a(リブ)によって形成したものである(同図参照)。
上記構成によれば、収容部33の上壁部331に入力されたパワートレイン2の振動のうち、該上壁部331よりも下方へ伝達した振動を再度上方へ伝達する伝達経路を、上下方向に延びる補強リブ51aによって構成することができる。よって収容部33における上壁部331から下方に伝達された振動を、補強リブ51aによって収容部33近傍から上方に延びる中間車体取付部72へと効率的に伝達することができる。
この発明の態様として、底面視で収容部33に対して補強リブ51a、51bおよび中間車体取付部72が隣接配設されたものである(図8参照)。
上記構成によれば、補強リブ51a、51bおよび中間車体取付部72によって、パワートレイン2からPTマウント36に入力される振動に対して、収容部33の周囲を補強することができる。
具体的には補強リブ51a、51bによって、中間車体取付部72によって収容部33の特に上壁部331の剛性を高めることができ、補強リブ51a、51bによって収容部33の特に側壁部332の剛性を高めることができる。
第1実施形態によれば、サブフレーム20がマウント支持部32においてフロントサイドフレーム1に固定されているため、PTマウント36で吸収しきれないパワートレイン2の振動がマウント支持部32からフロントサイドフレーム1に直接伝達される。そのため、マウント支持部32からフロントサイドフレーム1に至る振動伝達経路が全体として剛体に近い振動特性を示すことができ、これにより、PTマウント36が所望の減衰性能を発揮することで、パワートレイン2の振動を効果的に低減することができる。
[第2実施形態]
続いて、図13~図20を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るサブフレーム構造体500の詳細を説明する。
図13および図14に示すように、エンジンルームEの左右両側部には、車体前後方向に延びる強度部材としてのフレーム部材で形成されたフロントサイドフレーム501、501が左右一対設けられている。フロントサイドフレーム501、501は、車両の車体構造体の一部を構成している。各フロントサイドフレーム501、501の後部には、車体幅方向に延びるダッシュクロス510が接続されている。
図15に示すように、この実施形態では駆動方式をフロントエンジンリア駆動(FR)としている。車両のパワートレインとして、フロントサイドフレーム501、501間には、エンジン502が縦置きに配置されるとともに、その後部にはトランスミッション503を連結し、該トランスミッション503はフロアトンネル部(図示せず)の下方に配置されている。
各フロントサイドフレーム501、501は、ダッシュクロス510から前方に延びる前部511、511と、ダッシュクロス510から車体後方に向かって後下がりの傾斜部512、512と、傾斜部512の下端からさらに後方に延びて、図示しないフロアフレームに連接される後部513、513とが設けられている。各フロントサイドフレーム501、501は、後部513、513が前部511、511よりも低く形成されている。
各フロントサイドフレーム501、501の前端にはセットプレート514、514および取付けプレート515、515を介して、衝突時の衝撃を吸収する筒状体等からなる左右一対のメインクラッシュカン516、516が設けられている。左右一対のメインクラッシュカン516、516の前端面には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント517が取り付けられている。
各フロントサイドフレーム501、501の下方には、サスペンション装置のサスペンションリンク542を支持するための例えば、アルミダイキャスト等の鋳造により形成されたサスペンションサブフレーム505、505(以下、「サブフレーム」ともいう)がそれぞれ配置されている。ただし、サブフレーム505、505は、例えば鉄など、アルミニウム以外の金属で構成されてもよい。なお、サブフレーム505、505の詳細は後述する。
サブフレーム505、505の前部には、車体前方に延びる荷重吸収部材としてフレーム部材で形成された左右一対のエクステンションフレーム506、506が接続されている。エクステンションフレーム506、506の前端には、車体幅方向に延びて連結するフロントクロスメンバ561が取り付けられている。
フロントクロスメンバ561の左右両端部には、それぞれフランジ部562、562を介してサブクラッシュカン563、563が接続されている。サブクラッシュカン563、563よりも前方部にはロアメンバ564を設けている。このロアメンバ564は、車両と歩行者との衝突時に、歩行者の脚を払って当該歩行者をボンネット上に傾倒させ、2次衝突を防止する所謂足払い部材である。
各エクステンションフレーム506、506の車体前後方向の中間部には、車幅方向に延びて両エクステンションフレーム506、506を連結するサブクロスメンバ565が設けられている。
フロントクロスメンバ561の両端部には、該フロントクロスメンバ561の上面から柱状に立ち上がる左右一対の前側柱部566、566が設けられており、これらの前側柱部566、566の上端は、フロントサイドフレーム501、501の前端部の下面に図示しない締結部材によって結合されている。
各エクステンションフレーム506、506の前後方向においてサブクロスメンバ565が接続される位置には、各エクステンションフレーム506、506を車体幅方向外側から跨ぐとともに、上方に立ち上がる左右一対の柱状の後側柱部567、567が設けられている。これらの後側柱部567、567の上端は、フロントサイドフレーム501、501の下面に図示しない締結部材によって結合されている。
これらの前側柱部566、566および後側柱部567、567によって、エクステンションフレーム506、506が、フロントサイドフレーム501、501に連結されている。
ここで、図16~図20を用いて、上述のサブフレーム505、505について詳しく説明する。なお、図16~図20では、図示する車体左側のサブフレーム505についてのみ説明するが、車体右側のサブフレーム505についても同様である。
図16および図17に示すようにサブフレーム505の本体部550は、エクステンションフレーム506が連結される前方部551と、車体前後方向に延びるとともにフロントサイドフレーム501の傾斜部512の後端部に取り付けられる後方部552と、前方部551と後方部552との間を繋ぐ中間部553とを有している。
前方部551は、後方部552よりも車体幅方向内側に配置されているので、前方部551と、後方部552とは、車体幅方向にオフセットして設けられている。前方部551と後方部552とを繋ぐ中間部553は、車体前方側から後方側に向けて車体幅方向内側から車体幅方向外側に広がるように形成されている。
図16に示すように、前方部551の前端面には、車体前方に開いた凹部状の連結部551aが設けられている。連結部551aには、エクステンションフレーム506の後端部が車体前方側から差し込まれて連結されるようになっている。エクステンションフレーム506と、連結部551aとは、前方部551の下面側から締結部材551b、551bによって締結されている。
図17に示すように、後方部552の後端部552aには、後方部552の後端部552aには、後方および下方に開く底面視で断面U字状の溝部552bが設けられている。この溝部552bの上面は、サブフレーム505をボルト等の締結部材によって、フロントサイドフレーム501の傾斜部512の後部に締結するための後側車体取付部552cが設けられている(図18参照)。なお、図18に示すように、溝部552bよりも車体前方側の上面部554には、側面視で下方に凹む除肉部554aが設けられている。
図16および図17に示すように、中間部553には、サスペンションリンク542の基端部543を支持するための車体幅方向外側に開いた凹部状の支持部555が設けられている。サスペンションリンク542の支持部555の詳細については後述する。
図18に示すように、中間部553の後半部から後方部552にかけて、その上面部554は、側面視においてフロントサイドフレーム501の傾斜部512の下面に沿って、車体後方側に向かって車体下方側へ傾斜して形成されている。
図16および図19に示すように、前方部551および中間部553の前半部には、その上部において、車体幅方向外側に広がる変形抑制部としてのひさし部556が設けられている。ひさし部556は、前方部551の前端部から中間部553の支持部555にかけて、車体前後方向に延びるように形成されている。ひさし部556は、車体幅方向内側から車体幅方向外側に向けて上方に傾斜されている。これにより、車輪のバウンド時等に、ひさし部556の下方に配置されているサスペンションリンク542が揺動した場合に、サスペンションリンク542と、ひさし部556とが干渉することが回避されている。
図18および図19に示すように、ひさし部556の車体前後方向において前方部551と中間部553との間の位置には、その上面からフロントサイドフレーム501の前部511の下面の高さまで延びる柱状の柱部557が設けられている。柱部557は、その内部で下方から上方に延びる円柱状の空間557aを有する中空状に形成されている。柱部557の上面には、サブフレーム505を、ボルト等の締結部材によってフロントサイドフレーム501の前部511の下面に取り付けるための第2の車体取付部557bが設けられている。第2の車体取付部557bは、ラバーブッシュ等の減衰要素を介することなく剛結合されている。これにより、第2の中間車体取付部557bを構成する柱部557とフロントサイドフレーム501との間の剛性が高められている。なお、柱部557内の空間557aは、サブフレーム505をフロントサイドフレーム501に取り付ける際の工具が挿入される挿入部として設けられている。
ひさし部556の上面には、図16および図18に示すように、第2の車体取付部557bの後端からひさし部556の後部に延びるリブ部558が設けられている。リブ部558は、車体側面視においてフロントサイドフレーム501の傾斜部512の下面に沿って車体後方に向けて下方側へ傾斜して形成されている。リブ部558の上面558aは、中間部553から後方部552の上面部554に連続して形成されている。
これにより、第2の車体取付部557bと、後側車体取付部552cとは、リブ部558および上面部554によって連続するように形成されている。
図19および図20に示すように、前方部551の連結部551aの車体後方には、エンジン502をマウントするためのエンジンマウント(図示せず)を支持するマウント支持部としてのマウント受け部559が設けられている。
マウント受け部559は、上方側が下方側よりも車体内側に傾斜する円筒部559aと、該円筒部559aの下端部を覆う底部559bとを有している。マウント受け部559は、上方側が車体幅方向内側(エンジンルーム側)に膨出するとともに、下方側は車体幅方向外側のひさし部556の下方に膨出するように形成されている。なお、底部559bの車体幅方向内側には、水抜き用の孔559cが設けられている。マウント受け部559の外方には、取付孔559d…559dが設けられており、エンジンマウントのラバーブッシュのカバー521(図15参照)がボルト等の締結部材によって固定されるようになっている。
図13および図15に示すように、本実施形態のサスペンション装置のロアアーム541、542は、2本のロアアーム541、542で形成されている。これらの2本のロアアーム541、542のうち、車体前方側のロアアーム541は、車体幅方向に延びるラテラルリンクで構成され、このラテラルロアアーム541の車体幅方向内側の端部は、エクステンションフレーム506の後側柱部567の後方に取り付けられたブラケット(図示せず)によって揺動自在に支持されている。
上述の2本のロアアーム541、542のうち、車体後方側のロアアーム542は、コンプレッションリンクで構成され、このコンプレッションロアアーム542は、前述のサブフレーム505の支持部555から車体幅方向外側に向かって前方に延びるように設けられている。このコンプレッションロアアーム542の車体幅方向内側の端部は、ブッシュを介して支持部555に揺動自在に支持されている。なお、特許請求の範囲における「サスペンションリンク」は、「コンプレッションロアアーム」に相当する。
これらのロアアーム541、542の車体幅方向外側の端部は、模式的に示したナックル571に、上下方向に延びる軸周りで回転自在に連結されている。ナックル571は、図示しないハブを介して前輪572を回転自在に支持している。
次に、図16、図18および図20を用いてコンプレッションロアアーム542の支持部555への取付構造について説明する。
支持部555には、凹部を形成する車体前後方向の両壁部555a、555bが設けられている。この両壁部555a、555bには、コンプレッションロアアーム542の基端部543に圧入されたブッシュ544を貫通して支持するピンを挿通するための挿入孔555c、555dがそれぞれ設けられている。
なお、中間部553には、図20に示すように、支持部555の車体前方で車体幅方向内側に開いた除肉部553aと、支持部555の車体後方で車体幅方向外側に開いた除肉部553bとが形成されている。これらの除肉部553a、553bは、サブフレーム505にコンプレッションロアアーム542を取り付ける際の工具を差し込むための差し込み部としても機能する。
図20に示すように、コンプレッションロアアーム542は、挿入孔555c、555dを繋ぐ線分を回動軸aとして揺動する。この回動軸aは、平面視で車体前方側が車体幅方向内側に傾斜するように設けられている。また、後側車体取付部552cと、第2の車体取付部557bとを結ぶ線分bは、車体前後方向に延びている。そして、この線分bと、回動軸aとは、平面視において交差する関係を有している。
次に本実施形態に係る車両のサスペンションリンク支持構造およびサスペンションリンク支持部材の作用および効果について説明する。
フロントサイドフレーム501、501と、エクステンションフレーム506、506とは、車両の前突時にそれぞれの前端のメインクラッシュカン516、516およびサブクラッシュカン563、563が潰れた後に変形を開始し、フロントサイドフレーム501、501とエクステンションフレーム506、506が協働して変形し衝撃を吸収するので、前突時に入力される荷重を、2つの経路で吸収するとともに、車体に伝達することができる。
また、エクステンションフレーム506、506の後端には、サブフレーム505、505が連結されている。サブフレーム505、505は、2つの車体取付部552c、552c、557b、557bで、フロントサイドフレーム501、501の前部511、511と、フロントサイドフレーム501、501の傾斜部512、512の後部とに締結されている。これにより、サブフレーム505、505は支持剛性が高められているため、エクステンションフレーム506、506の衝撃吸収機能を促進することができる。
図20に示すように、平面視において、コンプレッションロアアーム542の回転軸aと、後側車体取付部552cと第2の車体取付部557bとを結ぶ線分bとは、平面視で交差するように設けられている。サブフレーム505における後側車体取付部552cと第2の車体取付部557bとが設けられることによって取付剛性が高められた部位に、コンプレッションロアアーム542の支持部555を設けたことにより、車両の挙動変化によって発生するコンプレッションロアアーム542からの入力を効率よく車体で受けることができる。その結果、サブフレーム505自体の剛性を上げることによる重量の増加や構造の大型化が回避される。
また、サブフレーム505、505には、パワートレインのマウント受け部559、559が設けられているので、パワートレインのマウントを支持する機能を有している。
以上により、サブフレーム505、505は、サスペンションリンク支持機能と、パワートレインのマウント支持機能と、前突時の衝撃吸収を促進させる機能との3つの機能を有する。
また、例えば、仮に、フロントサイドフレーム501の下方に配置されてサスペンションリンクを支持する左右辺部と、該左右辺部から立ち上がるとともにフロントサイドフレーム501と左右辺部とを連結する柱状のタワー部とで形成されるサブフレームに比して、本実施形態においては、前述の左右辺部とタワー部との機能をサブフレーム505が兼ね備えているため、部品点数の削減および組立工数を削減することができる。
前記サブフレーム505、505は、左右に分断して配置されているので、上述した特許文献1に記載のサブフレームのように一対の左右辺部が前辺部を介して繋がれる場合に比して重量増を抑制することができる。
サブフレーム505、505によってエクステンションフレーム506、506の荷重吸収が促進され、前突荷重を確実に吸収することに加え、サブフレーム505、505によってエンジン502が支持されているので、パワートレインの後退を効果的に抑制することができる。
第2実施形態において、第2の車体取付部557bを構成する柱部557は、マウント受け部559の上面に一体に設けられている。すなわち、サブフレーム505は、マウント受け部559においてフロントサイドフレーム501に固定されている。したがって、第2実施形態においても、PTマウント(図示せず)で吸収しきれないパワートレイン502、503の振動は、マウント受け部559からフロントサイドフレーム501に直接伝達される。そのため、マウント受け部559からフロントサイドフレーム501に至る振動伝達経路が全体として剛体に近い振動特性を示すことができ、これにより、PTマウントが所望の減衰性能を発揮することで、パワートレイン502、503の振動を効果的に低減することができる。
[第3実施形態]
以下、図21~図29を参照しながら、第3実施形態に係るサブフレーム構造体700の詳細を説明する。
図21~図23を参照しながら、本実施形態のサブフレーム構造体700を備えた前部車体構造601について説明する。
図21および図22に示すように、前部車体構造601は、車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム620、620と、ダッシュパネル(図示せず)の前面に沿って配置されて両フロントサイドフレーム620、620間を連結するダッシュクロス630と、両フロントサイドフレーム620、620の下方に配置されるサブフレーム構造体700とを備えている。
この実施形態では、車両の駆動方式をフロントエンジンリア駆動(FR)としている。フロントサイドフレーム620、620間のエンジンルームEには、縦置きタイプのエンジン641と、その後部に連結されるトランスミッション642とを備えたパワートレイン640が配置されている(図23参照)。
各フロントサイドフレーム620、620は、ダッシュクロス630から前方に向かって略水平に延びる前側直線部621、621と、前側直線部621、621の後端部から車体後方に向かって斜め下方に延びる傾斜部622、622と、傾斜部622、622の下端部からさらに後方に略水平に延びる後側直線部623、623とを有している。
各フロントサイドフレーム620、620の前側直線部621、621は、車体幅方向内側に位置するインナパネル624、624と、車体幅方向外側に位置するアウタパネル625、625とを有し、これらが車体幅方向に接合されて構成されている。インナパネル624、624は、車体幅方向外側に開放された断面ハット形状をなし、アウタパネル625、625は、車体幅方向内側に開放された断面ハット形状をなすとともに、それぞれ車体前後方向に延びている。アウタパネル625、625と、インナパネル624、624とは、それぞれの上縁部間、および、それぞれの下縁部間で互いに接合されている。これによって、前側直線部621、621は、フレーム自体で、車体前後方向に連続する閉断面を形成している。
各フロントサイドフレーム620、620の傾斜部622、622は、上側に開放された断面ハット形状をなしている。傾斜部622、622は、ダッシュパネル(図示せず)の形状に沿って車体後方側が低くなるように配置され、傾斜部622、622の上縁部は、ダッシュパネルに接合されている。これにより、傾斜部622、622とダッシュパネルとの間には、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
フロントサイドフレーム620、620の後側直線部623、623は、その後端部において、車体前後方向に延設された図示しないフロアフレームの前端部に接続されている。この後側直線部623、623およびフロアフレーム上には、図示しないフロアパネルが接合されており、このフロアパネルの前端縁はダッシュパネルに連接されている。後側直線部623、623およびフロアフレームは、上側に開放された断面ハット形状をなしており、フロアパネルとの間には、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
各フロントサイドフレーム620、620の前端には、セットプレート651、651および取付けプレート652、652を介して、車体前方からの衝撃荷重を吸収する筒状体等からなるメインクラッシュカン653、653が連結されている。左右一対のメインクラッシュカン653、653の前端面には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント654が取り付けられている。
次に、図21および図22に加えて図23を参照しながら、前述のサブフレーム構造体700について説明する。サブフレーム構造体700は、フロントサイドフレーム620の下方に配置されるとともに前輪用のサスペンションリンクとしてのロアアーム660、660を支持する左右一対のサブフレーム710、710と、該サブフレーム710、710の前端に接合されて車体前方に延びる左右一対のエクステンションフレーム730、730と、左右のフレーム710、710、730、730間を連結する第1~第3クロスメンバ740、750、760とを備えている。
エクステンションフレーム730、730の前端部からは、それぞれサブクラッシュカン655、655が前方に延びている。サブクラッシュカン655、655よりも前方部には、車体幅方向に延びるサブバンパレインフォースメント658が設けられている。左右のサブクラッシュカン655、655は、サブバンパレインフォースメント658を介して互いに連結されている。
サブフレーム710、710に支持される各ロアアーム660は、車体幅方向に略平行に延びる前側アーム部661と、前側アーム部661の車体幅方向中間部から車体幅方向内側かつ後方へ略水平に延びる後側アーム部662とを有する。ロアアーム660は、全体として、平面視略L字形状に形成されている。
ロアアーム660の車体幅方向の内側には、サブフレーム710の比較的前側部分に連結する前側連結部661aと、サブフレーム710の比較的後側部分に連結する後側連結部662aとが形成されている。前側連結部661aは、前側アーム部661の車体幅方向内側端部に設けられ、後側連結部662aは、後側アーム部662の後端部に設けられている。
前側アーム部661の前側連結部661aは、サブフレーム710の前端部とエクステンションフレーム730の後端部に跨がって取り付けられた前側ブラケット663によって、車体前後方向に延びる軸周りに揺動自在に支持されている。一方、後側アーム部662の後側連結部662aは、サブフレーム710に取り付けられた後側ブラケット664によって、車体前後方向に延びる軸周りに揺動自在に支持されている。
図24および図25に示すように、サブフレーム710は、ロアアーム660を支持する本体部711を有している。サブフレーム710の本体部711の前端部712には、エクステンションフレーム730の後端部が接続されている。なお、本体部711の後端部713は、後述する後側車体取付部X3を介してフロントサイドフレーム20に固定されている。
サブフレーム710の本体部711は、車体前後方向に延びるように配置された長尺部である。本体部711は、下側に開放する断面コ字状を有するアッパ部材714と、上側に開放する断面コ字状を有する下側のロア部材715とを備えている。アッパ部材714の下縁部とロア部材715の上縁部とは、例えば溶接によって互いに接合されている。本体部711は、アッパ部材714とロア部材715との間において、車体前後方向に連続する閉断面を形成している。
具体的には、アッパ部材714は、上面部714aと、車体幅方向の外側面部714bおよび内側面部714cとを備え、ロア部材715は、下面部715aと、車体幅方向の外側面部715bおよび内側面部715cとを備えている。アッパ部材714とロア部材715の外側面部714b、715bと、内側面部714c、715cとがそれぞれ接合されて、車体前後方向に連続する閉断面を形成している(図25(d)参照)。
アッパ部材714と、ロア部材715とによって、サブフレーム710の本体部711の前端部712には、開口部716(図25(a)参照)が形成されている。
図25(a)および図25(c)に示すように、エクステンションフレーム730は、サブフレーム710の本体部711同様に、下側に開放する断面コ字状を有する上側のアッパ部材731と、上側に開放する断面コ字状を有する下側のロア部材732とにより、フレーム自体で車体前後方向に連続する閉断面を形成している。
具体的には、アッパ部材731は、上面部731aと、車体幅方向の外側面部731bおよび内側面部731cとを備え、ロア部材732は、下面部732aと、車体幅方向の外側面部732bおよび内側面部732cとを備えている。アッパ部材731とロア部材732の外側面部731b、732bと、内側面部731c、732cとがそれぞれ接合されて、車体前後方向に連続する閉断面を形成している(図25(c)参照)。
なお、エクステンションフレーム730の後端部733は、この後端部733よりも前側の部位に比べて外径が小さくなるように形成されている。
サブフレーム710における本体部711の前端部712の開口部716(図25(a)参照)にエクステンションフレーム730の後端部733が差し込まれることで、両フレーム710、730が互いに連結されている。この両フレーム710、730間の接続部680では、例えば溶接等により両フレーム710、730が接合されている。これにより、エクステンションフレーム730と、サブフレーム710とが車体前後方向に一体的に連なっている(図25(a)参照)。
本実施形態において、エクステンションフレーム730は、サブフレーム710よりも車体前後方向の入力荷重に対する剛性が低く設定されている。これにより、車体前後方向に連なるエクステンションフレーム730およびサブフレーム710のうち、前側のエクステンションフレーム730に荷重吸収機能を担わせ、後側のサブフレーム710に荷重受け部としての機能を担わせることができる。
次に、図23を参照しながら、サブフレーム構造体700の左右のサブフレーム710、710およびエクステンションフレーム730、730間に設けられた第1~第3クロスメンバ740、750、760について説明する。
左右一対のエクステンションフレーム730、730における前端部734、734には、このエクステンションフレーム730、730の前端部734、734同士を車体幅方向に橋渡しするように略直線状に延びるフレーム状の第1クロスメンバ740が取り付けられている。
右側のサブフレーム710とエクステンションフレーム730との接続部680、および、左側のサブフレーム710とエクステンションフレーム730との接続部680は、第2クロスメンバ750を介して互いに連結されている。
第2クロスメンバ750は、左右のエクステンションフレーム730、730間を車体幅方向に延びて連結する前辺部751と、該前辺部751の左右両端部から車体後側に延びる左右辺部752、752と、左右辺部752、752間に配置された補強フレーム753とを有する。補強フレーム753は、左右辺部752、752の後端部間を車体幅方向に延びて連結する横フレーム部754と、該横フレーム部754と前辺部751との間を車体前後方向に延びて連結する縦フレーム部755とを有している。
図25(b)に示すように、前辺部751は、車体幅方向に延びるとともに下側に開放された断面コ字状の前辺部アッパ部材756と、前辺部アッパ部材756の開放面を塞ぐプレート状のロア部材759とで構成されている。ロア部材759は、車体前後方向において前辺部アッパ部材756よりも広い幅を有し、前辺部アッパ部材756よりも後方に突出して配置されている。また、ロア部材759は、エクステンションフレーム730とサブフレーム710とに跨がる車体前後方向領域に配置されている。
前辺部アッパ部材756は、上面部756aと、前面部756bと、後面部756cとを有している。前辺部アッパ部材756は、ロア部材759の上面759aに配置されるとともに、前面部756bが、ロア部材759の前端部759bに沿って配置されている。前面部756bおよび後面部756cの下端部が、ロア部材759の上面に接合されることによって、前辺部アッパ部材756とロア部材759との間に、車体幅方向に連続する閉断面が形成されている。
図25(c)に示すように、前辺部アッパ部材756の上面部756aは、その車体幅方向両縁部756d、756dにおいて、エクステンションフレーム730、730の上面部731a、731aに接合されている。
図25(c)および図25(d)に示すように、ロア部材759の車体幅方向の両端部759c、759cは、エクステンションフレーム730、730の下面部732a、732aと、サブフレーム710、710の本体部711、711の下面部715a、715aとに接合されている。
図25(d)に示すように、左右辺部752、752は、前述の前辺部アッパ部材756に一体に連なる左右辺部アッパ部材757、757と、前述のロア部材759とで構成されている。左右辺部アッパ部材757は、車体前後方向に延びるように配置され、その前端部において前辺部アッパ部材756に連なっている。これにより、前辺部アッパ部材756と左右辺部アッパ部材757、757とは、全体として、平面視において車体後方側に開口するU字状に形成されている(図23参照)。
左右辺部アッパ部材757では、車体幅方向の外縁部757aに比べて、内縁部757bが低く配置されている。左右辺部アッパ部材757は、外縁部757aから内縁部757bに向かって次第に低くなる斜面部757cを有する。
左右辺部アッパ部材757、757の内縁部757b、757bは、ロア部材759の上面759aに接合され、外縁部757a、757aは、サブフレーム710、710の本体部711、711の上面部714a、714aに接合されている。
これにより、左右辺部アッパ部材757、757と、ロア部材759と、サブフレーム710、710の本体部711、711の内側面部714c、715cとによって、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
図23に示すように、第2クロスメンバ750の左右辺部752、752は、平面視において、車体前方側に向かって次第に拡大された幅を有する。前辺部751と、左右辺部752、752との間のコーナ部に、円弧状の輪郭を有する補強部751A、751Aがそれぞれ形成されている。これにより、サスペンション装置のロアアーム660からの横力に対する剛性が高められているので、サブフレーム710およびエクステンションフレーム730の車体幅方向内側への変形が抑制される。
前述のように、第2クロスメンバ750は、第2クロスメンバ750の左右辺部752、752の後端部間を繋ぐ横フレーム部754と、該横フレーム部754の中間部と前辺部751の中間部とを繋ぐ縦フレーム部755によって、略T字状をなす補強フレーム753を備えている。
図25(b)に示すように、横フレーム部754は、車体幅方向に延びるとともに下側に開放された断面コ字状に形成されている。一方、縦フレーム部755は、車体前後方向に延びるとともに下側に開放された断面コ字状に形成されている。
横フレーム部754は、上面部754aと、車体前方の前面部754bと、車体後方の後面部754cとを有し、後面部754cは、ロア部材759の後端部759dに沿って配置されている。横フレーム部754の前面部754bおよび後面部754cは、ロア部材759の上面に接合されている。これにより、横フレーム部754とロア部材759との間に、車体幅方向に連続する閉断面が形成されている。なお、横フレーム部754の両側部754d、754eは、それぞれ左右辺部752、752の斜面部757c、757cに接合されている(図23、24参照)。
縦フレーム部755は、上面部755aと、車体幅方向の両側面部755b、755bとを有し、両側面部755b、755bの下端部が、ロア部材759に接合されている。これにより、縦フレーム部755とロア部材759との間に、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。なお、縦フレーム部755の前端部755cは、前辺部751の後面部756cに接合されている。
ここで、図24を参照しながら、第2クロスメンバ750と、サブフレーム710およびエクステンションフレーム730との接合領域Zについて、詳細を説明する。
前述のように、第2クロスメンバ750の前辺部アッパ部材756の外縁部756d、756dおよび左右辺部アッパ部材757、757の外縁部757a、757aは、エクステンションフレーム730、730における後端部733、733の上面部731a、731aおよびサブフレーム710、710における前端部712、712の上面部714a、714aにそれぞれ接合されている。
ロア部材759の両端部759c、759cは、エクステンションフレーム730、730における後端部733、733の下面部732a、732aおよびサブフレーム710、710における前端部712、712の下面部715a、715aに接合されている。
これにより、第2クロスメンバ750が、エクステンションフレーム730とサブフレーム710との接続部680に跨がるとともに、車体幅方向内側から銜え込むように接合されているので、特に、両フレーム710、730間の接続部680の上下方向および車体幅方向内側への折れが抑制されている。
また、エクステンションフレーム730の後端部733と、サブフレーム710の前端部714dの車体幅方向の外側面732b、731b、714b、715b側には、前述のように、サスペンション装置のロアアーム660が前側ブラケット663を介して支持されている。この前側ブラケット663は、図26の底面図に示すように、エクステンションフレーム730の後端部733と、サブフレーム710の前端部714dとの車体幅方向の外側面732b、731b、714b、715b側の下面部715a、732aにおいて、両フレーム710、730に連続するように接合されている(W)。
これにより、エクステンションフレーム730とサブフレーム710との接続部680は、車体幅方向内側においては、第2クロスメンバ750の左右辺部752によって補強され、車体幅方向外側においては、前側ブラケット663によって補強されている。その結果、両フレーム730、710間の接続部680における折れ変形をより効果的に抑制することができる。なお、車体幅方向外側には、前側ブラケット663を用いることで、部品を追加することなく両フレーム710、730の接続部680の補強が果たされている。
図24に示すように、第2クロスメンバ750の車幅方向外側端部は、エクステンションフレーム730およびサブフレーム710に跨がって接合されている。すなわち、エクステンションフレーム730およびサブフレーム710に対する第2クロスメンバ750の接合領域Zは、エクステンションフレーム730に接合されるエクステンションフレーム側接合領域681と、サブフレーム710に接合されるサブフレーム側接合領域682とを有している。
この接合領域Zの車体前後方向の寸法は、サブフレーム側接合領域682に比して、エクステンションフレーム側接合領域681が短く設定されている。
エクステンションフレーム側接合領域681が必要以上に長く形成されることが回避されていることにより、車体前方からの衝撃荷重入力時におけるエクステンションフレーム730の変形が第2クロスメンバ750によって阻害されることが抑制されている。したがって、エクステンションフレーム730の衝撃吸収機能を良好に発揮することが可能となっている。
一方、サブフレーム側接合領域682が比較的長く形成されていることにより、車体前後方向の荷重に対するサブフレーム710の強度および剛性の向上が図られている。そのため、車体前方からの衝撃荷重入力時において、サブフレーム710、710が荷重受け部としての機能を良好に発揮することができ、これにより、エクステンションフレーム730、730が衝撃吸収機能を良好に発揮することが可能となっている。
図23に示すように、サブフレーム710、710の後端部713、713には、後端部713、713同士を車体幅方向に接続する第3クロスメンバ760が連結されている。第3クロスメンバ760は、車体幅方向に延びるプレート部材であり、サブフレーム710、710の後端部713、713に複数のボルト761…761等によって、下方から固定されている。
さらに、上述のサブフレーム構造体700には、図22に示すように、フロントサイドフレーム620、620への取付部として、左右それぞれに、前側車体取付部X1、X1と、中間車体取付部X2、X2と、後側車体取付部X3、X3との3箇所ずつ設けられており、以下それぞれについて説明する。
前側車体取付部X1は、エクステンションフレーム730の前端部734に設けられた接続部材671によって構成されている。具体的には、接続部材671は、その下部672がエクステンションフレーム730に接続されており、該接続箇所から上方に延在したタワー形状に形成されている。
さらに接続部材671は、中空箱型形状に形成されており、その車体幅方向外側部分の上面部673が、マウントブッシュ674を介してフロントサイドフレーム620のアウタパネル625の下面625aに対して締結部材675によって取り付けられている。
なお、接続部材671の縦壁状の前面676には、取り付けプレート657を介してサブクラッシュカン655が接続されている。
中間車体取付部X2は、パワートレイン604を弾性支持するためのパワートレインマウント(図示せず)を収容するためのパワートレインマウントブラケット(以下、単に「マウントブラケット」ともいう)690(特許請求の範囲における「マウント支持部」)によって構成されている。なお、マウントブラケット690について詳細を後述する。
後側車体取付部X3は、図22および図23に示すように、サスペンションサブフレーム710の本体部711の後端部713の側方に設けられている。後側車体取付部X3は、上側に配置される上側プレート部材721と、下側に配置される下側プレート部材722とを有している。
上側プレート部材721および下側プレート部材722は、図24に示すように、それぞれ、サスペンションサブフレーム710の車体幅方向の外側面714b、715bと平行に延びる側縁部721a、722aと、車体後方に向かって車体幅方向外側に傾斜した方向に延びる前縁部721b、722bと、側縁部721a、722aと前縁部721b、722bの後端部を繋ぐ後縁部721c、722cとを有し、全体として平面視で略三角形状に形成されている。
上側プレート部材721と下側プレート部材722は、それぞれの後縁部721c、722cに設けられたフランジ部(図示せず)同士が溶接されることで、互いに結合されている。
上側プレート部材721の側縁部721aは、サスペンションサブフレーム710の本体部711における後部の上面714aに例えば溶接により接合され、下側プレート部材722の側縁部722aは、サスペンションサブフレーム710の本体部711における後部の下面715aに接合されている。これにより、後側車体取付部X3が、サスペンションサブフレーム710の本体部711に接合されている。
後側車体取付部X3の上側プレート部材721および下側プレート部材722には、サスペンションサブフレーム710の本体部711から車体幅方向外側に離間した位置にサスペンションサブフレーム710をフロントサイドフレーム620に締結するためのボルト挿通孔721e、722eが設けられている。
上側プレート部材721と下側プレート部材722との間には、ボルト725によってフロントサイドフレーム620に固定されるスリーブ部材724(図1参照)が介装されている。スリーブ部材724は、上側プレート部材721および下側プレート部材722を介して本体部711に接続されている。
一方、フロントサイドフレーム620の傾斜部622の後端部には、後側車体取付部X3を固定するためのブラケット626が下側から接合されている。ブラケット626の上面には、ボルト725がねじ込まれるウェルドナット(図示せず)が接合されている。
後側車体取付部X3では、下側プレート部材722のボルト挿通孔722eと、スリーブ部材724の孔(図示せず)と、上側プレート部材721のボルト挿通孔721eとに下側から差し込まれたボルト725の先端部が、ブラケット626の上記ウェルドナットに螺合されている。これにより、サスペンションサブフレーム710は、後側車体取付部X3においてフロントサイドフレーム620の下面に締結固定されている。
ここで、図27~図29を参照しながら、マウントブラケット690について詳しく説明する。
本実施形態において、マウントブラケット690は、アルミダイキャスト等の鋳造により一体成形されている。ただし、マウントブラケット690の材質はアルミニウムに限られるものでない。
マウントブラケット690には、下方に開口した収容空間を有する中空状の収容部691が設けられている。収容部691は、例えば円筒状に形成されている。収容部691には、パワートレイン604側に備えられたパワートレイン側ブラケットに接続されるマウント支持構造体(図示せず)が収容されている。なお、マウント支持構造体の収容方法および形状については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
各マウントブラケット690には、サブフレーム構造体700に締結されるための複数の締結部692、693、694が設けられている。複数の締結部692、693、694は、マウントブラケット690の前縁部に設けられた前側締結部692と、マウントブラケット690の後縁部に設けられた後側締結部693と、車体前後方向において前側締結部692と後側締結部693との間に配置された中間締結部694とで構成されている。
これらの締結部692、693、694は、マウントブラケット690における収容部691の外周部691aの下端部から外側に延びる複数のフランジ部692a、693a、694aで構成されている。これらのフランジ部692a、693a、694aには、ボルト挿通孔(図示せず)が備えられており、該ボルト挿通孔に差し込まれるボルト692c、693c、694cによってサブフレーム710および第2クロスメンバ750に締結されている。
一方、サブフレーム710には、マウントブラケット690のの前側締結部692および後側締結部693のボルト挿通孔に対応する位置に、該マウントブラケット690を取り付けるためのボルト締結孔711a、711bが設けられている(図24参照)。
なお、前側締結部692は、サスペンション装置の前側ロアアーム661の前側ブラケット663に近接した位置でサブフレーム710に固定されており、後側締結部693は、サスペンション装置の後側ロアアーム662の後側ブラケット664に近接した位置でサブフレーム710に固定されている。これにより、サスペンション装置の揺動による振動を、サブフレーム710におけるマウントブラケット690が締結された剛性の高い部分で受けることができるようになっている。
第2クロスメンバ750の各左右辺部752には、中間締結部694のボルト挿通孔694bに対応する位置に、マウントブラケット690を取り付けるためのボルト締結孔752aが設けられている(図24参照)。
中間締結部694は、車体前後方向における補強フレーム753の横フレーム部754と略同一の位置において、第2クロスメンバ750の左右辺部752の後端部752bに固定されている。
具体的に、マウントブラケット690の締結部について、図28を参照しながら中間締結部694を例に挙げて説明する。中間締結部694は、前述のように第2クロスメンバ750の左右辺部752の後端部752bに締結されている。
左右辺部752の後端部752bにおいて、左右辺部アッパ部材757は、車体前後方向から見て、車体幅方向外側および下方に開放する断面略L字状の形状を有している。左右辺部アッパ部材757の上面757dには、マウントブラケット690を締結するためのボルト挿通孔757eが設けられている。
ロア部材759には、左右辺部アッパ部材757のボルト挿通孔757eに対応した位置にボルト挿通孔759eが設けられ、ロア部材759のボルト挿通孔759eに対応するロア部材759の下面759fには、ウェルドナット759gが接合されている。左右辺部アッパ部材757と、ロア部材759との間には、スリーブ部材759hが配置されている。
マウントブラケット690は、ボルト694cが、中間締結部694の上方からボルト挿通孔694bと、左右辺部アッパ部材757のボルト挿通孔757eと、スリーブ部材759hと、ロア部材759のボルト挿通孔759eとを貫通するとともにウェルドナット759gに螺合されることで、第2クロスメンバ750の左右辺部752の後端部752bの上面757dに締結固定されている。
前側および後側締結部692、693においても、中間締結部694と同様に、ボルト692c、693cとスリーブ部材とウェルドナットとによって、マウントブラケット690が、サブフレーム710の上面714aに締結されている。これにより、サブフレー710にマウントブラケット690が締結されている。
次に、各マウントブラケット690における中間車体取付部X2に関する構成について詳細に説明する。
マウントブラケット690は、中間取付部X2として、上述の収容部691と、該収容部691の車体幅方向外側近傍に配置されたベース部695aと、ベース部695aから上方延びるように設けられ、収容部691の車体幅方向外側かつ斜め上方に配置された柱状部695bとを有している。
中間車体取付部X2は、収容部691の上壁面部691bから車体幅方向外側に延びる接続面部696を介して、収容部691に接続されている。接続面部696の車体幅方向外側端部696aは、ベース部695aの上面部を構成しており、柱状部695bの高さ方向中間部に接続されている。接続面部696の車体幅方向内側端部696bは、収容部691の上壁面部691bに連なっている。
柱状部695bは、その下端部において、ベース部695aの車体幅方向外側端部に接続されている。柱状部695bには、該柱状部695bを上下に貫通するボルト挿通孔695dが形成されている。
一方、フロントサイドフレーム620の前側直線部621の後部で、アウタパネル625の下面部625aには、ボルト挿通孔625bが設けられており、アウタパネル625の下面部625aの上面におけるボルト挿通孔625bに対応する位置には、ウェルドナット625cが接合されている。
下方から柱状部695bのボルト挿通孔695dと、アウタパネル625のボルト挿通孔625bとに差し込まれたボルト695cがウェルドナット625cに螺合されることで、フロントサイドフレーム620の下面にマウントブラケット690の中間車体取付部X2がラバーブッシュ等の減衰要素を介することなく剛結合されている。これにより、中間車体取付部X2とフロントサイドフレーム620との間の剛性が高められている。
なお、中間車体取付部X2は、図23に示すように、平面視において、ロアアーム660とオーバーラップする位置に設けられているが、ロアアーム660には、中間車体取付部X2に対応する位置に孔部660aが設けられている(図28参照)。これにより、サブフレーム構造体700がフロントサイドフレーム620に締結される際には、ロアアームの孔部660aに工具を挿通させて中間車体取付部X2のボルト695cを下方から締め付けることができるようになっている。
また、図28に示すように、マウントブラケット690の収容部691は、外周部691aの軸線が上方側に向かって車体幅方向内側に傾斜するように配置されている。すなわち、外周部691aは、車体前後方向から見て、車体幅方向の内縁部691cが、外縁部691dに比して下方に位置するように傾斜して設けられている。
さらに、図29の車体取付状態のマウントブラケット690の底面図に示すように、中間車体取付部X2と、収容部691との間には、両者X2、691の間の接続面部696を補強する補強部としての複数のリブ697…697が設けられている。各リブ697は、車体前後方向に直交する面に沿って配置された板状部で形成されている(図28参照)。
より詳しくは、リブ697は、中間車体取付部X2を構成するベース部695aと、収容部691とを繋ぐように、ベース部695aの車体幅方向内側の側面部695eと、接続面部696の下面696cと、収容部691の外周部691aとを接続している。これにより、中間車体取付部X2と、収容部691との間の剛性が高められている。
また、図28に示すように、リブ697は、ベース部695aの車体幅方向内側の側面部695eと、収容部691の外周部691aとに沿って上下方向に延びるように設けられており、リブ697の下縁部は、収容部891の外周部691aからベース部695aの車体幅方向内側の側面部695eに向かって斜め上方に延びるように形成されている。これにより、パワートレイン604から収容部691に入力された振動が、複数のリブ697…697およびベース部695aを経由して、収容部691の斜め上方に位置する柱状部695bに伝達されやすくなっている。
図28および図29に示すように、収容部691の外周部691aにおける車体幅方向外側端部と、ボルト695cの中心線L2との車体幅方向の間隔は、フロントサイドフレーム620の車体幅方向寸法、サスペンションサブフレーム710の車体幅方向寸法、および、収容部691の直径よりも小さくなるように形成されている。このように、中間車体取付部X2は、車体幅方向において収容部691に近接して配置されている。
また、図28に示すように、車体前後方向から見て、外縁部691dに沿って延びる直線L1と、中間車体取付部X2のボルト695cの中心線L2とは、サブフレーム710の下面715aから水平方向に延びる直線L3上、または、該直線L3よりも上方に位置する点Pで交差するように配置されることが好ましい。これにより、仮に上記の直線L1と上記の中心線L2とがサブフレーム710の下面715aよりも下方の点で交差する場合に比べて、収容部691と、車体取付部X2とを、車体幅方向においてより近接させて配置することができる。
以上のように、中間車体取付部X2は、車体幅方向において収容部691に近接して配置されている。特に、図29の底面図に示すように、中間車体取付部X2におけるベース部695aの車体幅方向内側の側面部695eは、車体幅方向において収容部691の外周部691aに隣接している。このように、収容部691に隣接して配置された中間車体取付部X2と、上記のリブ697…697とによって、収容部691が効果的に補強されている。
第3実施形態においても、サブフレーム710の本体部711はマウントブラケット690を介してフロントサイドフレーム620に固定されている。そのため、マウントで吸収しきれないパワートレイン604の振動がマウントブラケット690から本体部711を経由することなく車体に伝達される。
また、マウントブラケット690において、収容部691からこれに隣接する車体取付部X2までの振動伝達経路は、極めて短く形成され、かつ、上記のリブ697…697によって、剛性が高められている。そのため、マウントブラケット690の収容部691から車体取付部X2までの振動伝達経路は、全体として剛体に近い振動特性を示すことができる。その結果、マウントが所望の減衰特性を発揮することで、パワートレイン604の振動を効果的に低減することができる。
また、中間車体取付部X2と、前述の中間締結部694とは、車体幅方向において、サブフレーム710を跨いで配置されている。中間車体取付部X2と、中間締結部694とは車体幅方向のオフセット量が大きく設けられているので、マウントブラケット690の車体幅方向内側への変形を抑制することができるようになっている。
また、マウントブラケット690がサブフレーム710だけでなく、第2クロスメンバ150にも固定されているので、マウントブラケット690を車体幅方向に広い領域で支持できる。これにより、サブフレーム710とマウントブラケット690とが別体である場合において、マウントブラケット690が、車体幅方向内側へ倒れるような変位が抑制される。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
以上のように、本発明によれば、、車両重量低減、部品点数削減を図りながらサブフレームのPTマウント機能と、車体前方からの衝撃荷重入力時の衝撃吸収機能とを高めつつ、パワートレインの振動をより効果的に低減させることができるので、車両の車体の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 フロントサイドフレーム(車両の車体構造体)
2 パワートレイン
10 サブフレーム構造体
12 エクステンションフレーム
20 サブフレーム
20A 本体部
32 マウント支持部
33 収容部
33s 収容空間(内部)
36 PTマウント
39 PTブラケット取付け用突出片(PT側ブラケットの接続部)
51a、51b 補強リブ(補強部)
51a 上下方向に延びる補強リブ(上下方向に延びるリブ)
72 中間車体取付部(車体取付部)
201 PT側ブラケット
500 サブフレーム構造体
501、501 フロントサイドフレーム(車両の車体構造体)
502、502 エンジン(パワートレイン)
505、505 サブフレーム
506、506 エクステンションフレーム(荷重吸収部材)
542、542 コンプレッションロアアーム(サスペンションリンク)
550、550 本体部
555、555 支持部
552c、552c 後側車体取付部
557b、557b 第2の車体取付部
559、559 マウント受け部(マウント支持部)
a 回動軸(サスペンションリンクの回動軸)
b 2つの車体取付部の間を結ぶ線分
604 パワートレイン
620、620 フロントサイドフレーム(車両の車体構造体)
700、700 サブフレーム構造体
710、710 サブフレーム
711、711 本体部
690、690 パワートレインマウントブラケット(マウント支持部)
691、691 収容部
696…696 リブ(補強部)
750 第2クロスメンバ(クロスメンバ)
X2、X2 中間車体取付部(車体取付部)

Claims (8)

  1. 車両の車体構造体に対して下方に配設されるサブフレームと、
    該サブフレームから前方に延びて車体前方からの衝撃荷重を吸収するエクステンションフレームとを備えたサブフレーム構造であって、
    前記サブフレームは、車体前後方向に延びる本体部と、マウントを介してパワートレインを支持するマウント支持部とを有し、
    前記本体部は、前記マウント支持部を介して前記車体構造体に固定されていることを特徴とするサブフレーム構造。
  2. 前記マウント支持部と、前記車体構造体とは、減衰要素を介さずに剛結合されていることを特徴とする請求項1に記載のサブフレーム構造。
  3. 前記マウント支持部には、前記マウントを、パワートレイン側に備えたブラケットとの接続を許容しつつ下方から内部に収容する収容部と、該収容部近傍から上方へ延びる車体取付部と、前記収容部と前記車体取付部との間に配設されてこれらの間を補強する補強部とが設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサブフレーム構造。
  4. 前記補強部は、前記車体取付部と、前記収容部における該車体取付部よりも下方部位との間において、これらを繋ぐリブであることを特徴とする請求項3に記載のサブフレーム構造。
  5. 底面視で前記収容部に対して前記車体取付部が隣接して配設されたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のサブフレーム構造。
  6. 前記本体部と、前記マウント支持部とは別体であり、
    前記本体部に、該本体部から車体幅方向の内側に延びるクロスメンバが連結され、
    前記マウント支持部は、前記本体部と前記クロスメンバとに固定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載にのサブフレーム構造。
  7. 前記サブフレームは左右一対設けられ、
    前記各サブフレームは、サスペンションリンクを支持するリンク支持部と、該リンク支持部よりも車体後方側において前記本体部を前記車体構造体に固定させる後側車体取付部と、前記リンク支持部よりも車体前方側において前記本体部を前記車体構造体に固定させる第2の車体取付部とを更に備え、
    前記サスペンションリンクは、前記リンク支持部から前方に延びる構成とされ、
    前記サスペンションリンクの回動軸は、前記後側車体取付部と前記第2の車体取付部との間を結ぶ線分と交差するように設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサブフレーム構造。
  8. 前記車体構造体は、前記エクステンションフレームおよび前記本体部の上方において車体前後方向に延びるフロントサイドフレームを含み、
    前記サブフレームは、前記フロントサイドフレームに固定されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項のサブフレーム構造。
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