JP7013989B2 - 他車両位置推定装置 - Google Patents

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Description

他車両位置推定装置に関し、特に、他車両の位置を道路上に推定する装置に関する。
特許文献1には、他車両から送信された座標をもとに、他車両の位置を地図データ上の道路にマッピングする技術が開示されている。他車両から送信された座標は、必ずしも、道路上に位置しているとは限らないが、他車両は道路上に位置しているはずである。そこで、他車両の位置を地図データ上の道路にマッピングするのである。他車両の位置を地図データ上の道路にマッピングすることで、他車両の位置と自車両の位置とをもとにした運転支援の精度が向上する。
特許第5082349号公報
特許文献1に開示されている処理では、他車両から送信された情報をもとに他車両の走行軌跡を求める。そして、その走行軌跡と地図データ上の道路形状とを比較して、他車両の位置を地図データ上の道路にマッピングする。
特許文献1に開示されている処理では、走行軌跡を求める必要があるため、処理遅延時間が長くなる恐れがある。他車両の位置をもとに運転支援等を行う場合、迅速に他車両の位置を道路上に推定することが望まれる。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、処理時間の増加を抑制しつつ、他車両の位置を道路上に推定する他車両位置推定装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための1つの開示は、
車両で用いられ、他車両の位置を道路上に推定する他車両位置推定装置であって、
車両の走行状態を送受信する通信部(101)と、
他車両の位置の候補となる粒子を地図上に散布し、地図情報および他車両から取得した走行状態の少なくとも一方に基づいて粒子の位置を逐次更新する更新部(S12)と、
散布済みの粒子の運動状態と、通信部が他車両より受信した走行状態とにより、粒子の位置の尤度を算出する尤度算出部(S14)と、
粒子の位置に基づいて、他車両の位置を推定する位置推定部(S16)と、
散布部が散布する粒子の数を決定する粒子数制御部(112)とを備え、
粒子数制御部は、複数の他車両の位置をそれぞれ推定するために散布する粒子の数を、他車両位置推定装置が用いられている車両である自車両の位置と他車両の位置の相対関係、他車両の実車速、粒子の散布状態、他車両の位置と道路との関係のいずれか少なくとも一つに基づいて決定する。
この他車両位置推定装置は、複数の他車両の位置をそれぞれ推定するために散布する粒子の数を、自車両の位置と他車両の位置の相対関係、他車両の実車速、粒子の散布状態、他車両の位置と道路との関係のいずれか少なくとも一つに基づいて決定する。自車両の位置と他車両の位置の相対関係、他車両の実車速、粒子の散布状態、他車両の位置と道路との関係は、いずれも他車両の位置推定精度を決める指標とすることができるので、自車両の位置と他車両の位置の相対関係、他車両の実車速、粒子の散布状態、他車両の位置と道路との関係のいずれか少なくとも一つに基づいて粒子の数を決定することで、精度よく位置を推定する必要がある他車両に対する位置推定精度が低下することを抑制することができる。
また、各他車両の位置を推定するために散布する粒子の数を動的に変化させることが可能になることから、位置を推定する他車両が増加する場合や、ある他車両が精度よく位置を推定する状況となった場合でも、処理時間の増加を抑制することができる。
他車両位置推定装置100の使用状態を示す図である。 他車両位置推定装置100の構成図である。 各部間の処理の流れを説明する図である。 他車両マップマッチング部111の処理を示す図である。 粒子数が更新された場合に他車両マップマッチング部111が実行する処理を示す図である。 粒子数制御部112が実行する処理を示す図である。 図6のS31で実行する最大粒子数割り当て試行処理を示す図である。 図6のS33で実行する粒子数の可変割り当て処理を示す図である。 TCを決定するテーブルの一例を示す図である。 図9のテーブルに示される他車両2bの位置を例示する図である。 STATEを決定するテーブルの一例を示す図である。 図11のテーブルに示される他車両2bの位置を例示する図である。 VARを決定するテーブルの一例を示す図である。 DISTを決定するテーブルの一例を示す図である。 NUMEDGを決定するテーブルの一例を示す図である。 ATTRを決定するテーブルの一例を示す図である。 図8のS338で実行する尤度算出省略時の粒子数設定処理を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、他車両位置推定装置100の使用状態を示している。他車両位置推定装置100は車両2で用いるために、車両2に搭載されている。ここでの車両2は、道路上を走行する車両である。4輪車、オートバイ、自転車などが車両2に含まれる。
他車両位置推定装置100a、100bは、それぞれ、自車両2a、他車両2bで用いられる。自車両2a、他車両2bは、いずれも車両2であるが、説明の便宜上、区別している。自車両2aと他車両2bを区別しないときは、車両2と記載する。
他車両位置推定装置100a、100bは同じ構成である。他車両位置推定装置100a、100bを区別しないときは、他車両位置推定装置100と記載する。図1には他車両位置推定装置100を3つ示しているが、図示の便宜上であり、それよりも多い数の他車両位置推定装置100が別々の車両2で用いられてもよい。
[他車両位置推定装置100の構成]
図2に他車両位置推定装置100の構成を示す。他車両位置推定装置100は、通信部101、走行情報取得部102、道路地図データ記憶部103、制御部110を備えている。
通信部101は、別の車両2に搭載された他車両位置推定装置100が備える通信部101との間で車車間通信パケットを送受信するための構成を備える。通信部101は、近距離無線通信により、車車間通信パケットを送受信することができる。近距離無線通信では、IEEE802.11p、STD-T109など、種々の通信規格を採用することができる。また、通信部101は、LTEなど、広域通信により、車車間通信パケットを送受信してもよい。
走行情報取得部102は、他車両位置推定装置100が搭載された車両2の走行情報を逐次取得し、取得した走行情報を、逐次、通信部101へ提供する。通信部101は、走行情報を、逐次、周囲にブロードキャストする。
走行情報には、車両2の位置と速度が含まれる。本実施形態の走行情報取得部102は、これら車両2の位置と速度とを含む基本安全メッセージ(Basic Safety Message:以下、BSM)を生成するために必要な情報を取得する。走行情報取得部102は、生成したBSMを、逐次、前述の走行情報として通信部101へ提供する。
BSMは、車両2のID、車両2の位置、進行速度、進行方向、制動状態を含んでいる。また、車両サイズ、加速度など、他の情報がBSMに含まれていてもよい。
走行情報取得部102は、車内LAN等により、BSMに含まれる種々の情報を検出するセンサ類に、直接あるいは間接的に接続されている。車両2の位置は、緯度と経度を含む座標により表される。座標には、高度が含まれていてもよい。
車両2の位置は、たとえば、車両2に搭載されたGNSS受信機が算出する。車両2の速度は車速センサ、あるいは、車輪速センサが検出する信号に基づいて算出される。車両2の進行方向は、たとえば、車両2の位置の変化から算出される。また、ヨーレートセンサなどの慣性センサの検出値から車両2の進行方向が算出されてもよい。
道路地図データ記憶部103は、道路地図データを記憶している記憶部である。道路地図データは、道路の形状と進行方向を車線別に表したデータである。道路の形状は線で表されていればよい。また、道路が交わる座標は点で標記されていればよい。各道路には道路IDが付与され、道路IDにより道路が特定される。
制御部110は、CPU、ROM、RAM、I/O、およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータである。ROMには、汎用的なコンピュータを制御部110として機能させるためのプログラムが格納されている。CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されたプログラムを実行することで、制御部110は、他車両マップマッチング部111、粒子数制御部112、対象判定部113として機能する。これらの機能が実行されると、プログラムに対応する方法が実行される。CPUが実行するプログラムを記憶する記憶媒体はROMに限られず、非遷移的実体的記録媒体に記憶されていればよい。たとえば、フラッシュメモリに上記プログラムが記憶されていてもよい。また、制御部110が備える機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等を用いて(換言すればハードウェアとして)実現してもよい。また、制御部110が備える機能の一部又は全部を、CPUによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現してもよい。
以下では、制御部110が実行する機能を、他車両位置推定装置100が自車両2aに搭載されている場合を例にして説明する。
他車両マップマッチング部111は、パーティクルフィルタを用いて、他車両2bの位置を、道路地図データの道路上に推定する。本実施形態では、他車両2bの位置を、地図データの道路上に推定することを、マップマッチングとする。
パーティクルフィルタは、位置の候補となる粒子を道路上に散布して、その後、各粒子の尤度Lを求め、その尤度Lに基づいて粒子をリサンプリングし、粒子の位置を更新する処理を繰り返す。そして、粒子の収束具合から他車両2bの位置を推定する。他車両マップマッチング部111が実行する処理は、図4を用いて後に詳述する。
粒子数制御部112は、他車両マップマッチング部111が散布する粒子の数を決定し、決定した粒子の数を他車両マップマッチング部111に通知する。粒子の数を決定するために、粒子数制御部112は、自車両2aの位置と他車両2bの位置との相対関係、粒子の散布状態、他車両2bの位置と道路との関係の少なくとも1つを用いる。
対象判定部113は、他車両マップマッチング部111が推定した他車両2bの位置と、走行情報取得部102が取得した自車両2aの位置とから、自車両2aと他車両2bの道路上での相対関係を判定する。相対関係には、たとえば、他車両2bは自車両2aと同じ道路を自車両2aの前方を走行している、他車両2bは交差点で自車両2aと接近する、他車両2bは自車両2aとは無関係な道路を走行している、がある。対象判定部113は、判定した相対関係を、運転支援を行う所定の処理部へ出力する。運転支援は、たとえば、自動制動、自動操舵、ドライバへの警告などである。
[各部間の処理の流れ]
図3に、通信部101、他車両マップマッチング部111、粒子数制御部112の間での処理の流れを示す。自車両2aに搭載された他車両位置推定装置100aの通信部101は、他車両2bが送信したBSMを受信した場合、そのBSMを他車両マップマッチング部111に送る。他車両マップマッチング部111は、そのBSMが、新規にマップマッチングをする必要がある他車両2b(以下、新規他車両)が送信したものである場合、粒子割り当て要求を粒子数制御部112へ出力する。新規他車両であるかどうかは、他車両マップマッチング部111が位置を推定していない他車両2bであるか否かで判断する。
粒子数制御部112は、粒子割り当て要求を取得すると、通信部101がBSMを周期的に受信している全部の他車両2bに対して、それぞれ割り当てる粒子数を決定する。そして、新規他車両および既存の他車両2bに対して、それぞれ割り当てた粒子数を、他車両マップマッチング部111に通知する。なお、既存の他車両2bは、これまでにも粒子を割り当てていた他車両2bである。
他車両マップマッチング部111は、通知された粒子数でパーティクルフィルタを実行して、各他車両2bの位置を道路上に推定する。また、他車両マップマッチング部111は、各他車両2bについて最後にBSMを取得してから、推定終了期間Tが経過すると、その他車両2bをマップマッチングの対象から除外する。これにより、マップマッチングして道路上に位置を推定する必要がある他車両2bの数が減少する。マップマッチングの対象から除外することは、その他車両2bに対して使用していた粒子を破棄することを意味する。
マップマッチングする他車両2bの数が減少した場合、他車両マップマッチング部111は、マップマッチングの対象から除外した他車両2bの位置を推定するために使用していた粒子を破棄したことを、粒子数制御部112に通知する。粒子数制御部112は、この通知を取得した場合、マップマッチングをする必要がなくなった他車両2bを除いて、残りの既存の他車両2bに対して、それぞれ割り当てる粒子数を決定する。そして、それぞれの他車両2bに対して割り当てた粒子数を、他車両マップマッチング部111に通知する。
他車両マップマッチング部111は、新たに通知された粒子数でパーティクルフィルタにより、他車両2bの位置を道路上に推定する。
[他車両マップマッチング部111の処理]
次に、他車両マップマッチング部111が実行する処理を説明する。すでに説明したように、他車両マップマッチング部111は通信部101がBSMを受信した場合、通信部101からそのBSMを取得する。
図4に示している処理は、そのBSMが新規他車両が送信したものである場合に実行する処理を示している。ステップ(以下、ステップを省略)S1では、新規他車両が送信し通信部101が受信したBSMを、通信部101から取得する。このS1の処理は、詳しくは、通信部101からBSMを取得し、そのBSMが、新規他車両が送信したものであると判断したことを意味する。
BSMには他車両2bの位置が含まれている。この位置は他車両2bが検出した位置である。以下、BSMに含まれている位置を観測位置Zとする。BSMは他車両2bからそれぞれ取得するので、観測位置Zも他車両2bからそれぞれ取得する。
S2では、粒子割り当て要求を粒子数制御部112へ出力する。この粒子割り当て要求には、新規他車両のBSMが含まれている。粒子数制御部112は粒子割り当て要求を取得すると、各他車両2bに対して割り当てる粒子数を決定し、その粒子数を他車両マップマッチング部111に通知する。他車両マップマッチング部111は、S3でその通知を取得する。
図5は、粒子数が更新された場合に、他車両マップマッチング部111が実行する処理を示している。図4を実行して新規他車両に対する粒子数が通知された場合も、粒子数が更新されたことになるので、図5の処理を実行する。
S11では、通知された粒子数の粒子を、BSMが示している他車両2bの観測位置Zを中心として、半径d(m)内にある道路上に散布する。半径dは予め設定しておけばよい。たとえば、半径dは、BSMに含まれる車両2の位置の平均的な誤差に一定値を加えた長さとする。半径d内に道路が含まれるようにするためである。
観測位置Zから半径d内に散布するそれぞれの粒子の位置は、ランダムに決定することができる。あるいは、観測位置Zからの距離で重み付けして散布してもよい。また、観測位置Zから半径d内に複数の道路がある場合、新規他車両の進行方向と道路の進行方向との合致度に応じて、各道路に散布する粒子の比を決めてもよい。
S12以下は、新規他車両だけでなく、既存の他車両2bについても実行する処理である。S12は更新部に相当する。S12では、散布済みの各粒子に対して予測更新をする。予測更新は、粒子の位置を更新する処理である。粒子は道路上に散布されているので進行方向は定まる。よって、粒子の移動速度が定まれば粒子の位置を更新することができる。粒子の移動速度は、粒子に対応する他車両2bから取得したBSMのうち最新のものに含まれている速度を用いる。最新のBSMに含まれている速度に、前回のS12実行時から今回のS12実行時までの時間を乗じることで、移動距離を算出する。更新前の粒子の位置から、この移動距離だけ、道路の進行方向に移動した位置に、任意に設定したシステムノイズを付加した位置を、予測更新後の粒子の位置とする。また、粒子が地図上の交差点あるいは分岐点を通過する場合には、以下の処理を行うこともできる。たとえば、BSMに含まれる位置、進行方位、ヨーレートを用いて、最も進路に合致する道路に粒子を進めることができる。また、最も進路に合致する道路に限定してしまうのではなく、交差点あるいは分岐点以降の道路と進路の合致する程度に応じて、粒子を割り振ることもできる。また、単に交差点あるいは分岐点以降の道路にランダムに複数の粒子を割り振ることもできる。
S13では、新たにBSMを受信したか否かを判断する。S13の判断がYESであればS14に進む。S14は尤度算出部に相当する。S14では、予測更新後のそれぞれの粒子の位置に対して尤度Lを算出する。尤度Lの具体的算出方法は、種々の算出方法が可能である。以下に尤度Lの算出の一例を示す。
Figure 0007013989000001
式1において、tは時刻、Tは転置行列、Yは予測更新後の粒子の位置、Zは観測位置、Σは共分散行列である。共分散行列は、Zの各項目の観測性能下限値を入力することで定義できる。観測性能下限値は、BSMを通じて他車両2bから取得することができ、また、法規等で合意形成された値とすることもできる。
S15では、各粒子のリサンプリングを実施する。リサンプリングとは、S14で算出した尤度Lの大きさに応じて粒子を再配置することである。リサンプリングにより、尤度Lが相対的に大きい粒子の位置に、尤度Lが相対的に小さい粒子の位置を移動させることになり、粒子の位置ごとの粒子数が尤度に比例した数になる。
S16は位置推定部に相当する。S16では、リサンプリング後の各粒子の位置に基づいて、他車両2bの推定位置および他車両2bがどの道路に存在しているかを表す確率である存在確率を算出する。たとえば、ある道路R1に70%の粒子が存在し、別の道路R2に30%の粒子が存在していたとする。この場合、道路R1に存在する存在確率が70%、道路R2に存在する存在確率が30%である。推定位置は、それぞれの道路上に存在する粒子の位置を平均した位置とする。この位置を、道路始点からの距離により表したものが、他車両2bの推定位置である。なお、道路始点は、他車両2bの進行方向の起点となる道路上の点であり、たとえば、線で表される各道路の端点である。
S17では、S16で得た推定位置と存在確率を、運転支援を行う所定の処理部へ出力する。その後、S12へ戻る。
S13の判断結果がNOであればS18へ進む。S18の処理自体はS16と同じであり、その時点での各粒子の位置に基づいて、他車両2bの推定位置および存在確率を算出する。ただし、S18を実行する場合には、予測更新のみを実施しており、尤度Lに基づくリサンプリングを実施していない点はS16と相違する。
S19では、S18で得た推定位置と存在確率を、運転支援を行う所定の処理部へ出力する。
S20では、S19で推定結果を出力した他車両2bからBSMを受信していない時間が推定終了期間Tを超えたか否かを判断する。BSMを未受信の期間が推定終了期間Tを超えていなければS20の判断はNOになる。S20の判断がNOであればS12へ戻る。一方、S20の判断がYESであればS21へ進む。
S21では、BSMを推定終了期間T、未受信だった他車両2bの位置を推定するための粒子を破棄する。BSMを推定終了期間T、未受信であると、S12の予測更新で用いる移動速度と実際の移動速度との乖離が大きくなり過ぎることが懸念され、また、他車両2bが電源オフになった可能性もあるため、粒子を破棄するのである。
S22では、粒子を破棄したことを粒子数制御部112に通知する。粒子数制御部112は、この通知を取得した場合にも、粒子の割り当て処理を実行し、各他車両2bに対して割り当てる粒子数を変更する。そして、変更した粒子数を他車両マップマッチング部111に通知する。この通知を、他車両マップマッチング部111が取得した場合には、他車両マップマッチング部111は、図5の処理を最初から実行することになる。
[粒子数制御部112の処理]
次に、粒子数制御部112が実行する処理を説明する。粒子数制御部112は、他車両マップマッチング部111が図4のS2を実行して出力した粒子割り当て要求を取得した場合、または、図5のS22を実行したことにより通知した粒子破棄を取得した場合に図6の処理を実行する。
S31では、最大粒子数の割り当て試行処理を実行する。この処理は、マップマッチングをする全部の他車両2bに、最大粒子数Mmaxを割り当てることができるか否かを算出する処理である。
最大粒子数割り当て試行処理では図7に示す各処理を実行する。S311では、各他車両2bに対して割り当てる粒子数Mを最大粒子数Mmaxとする。最大粒子数Mmaxは、予め設定されている数である。パーティクルフィルタでは、粒子数が多いほど推定精度は向上するため、最大粒子数Mmaxは十分な推定精度が得られる粒子数に設定される。
S312では、マップマッチング処理で消費される総処理時間Tを算出する。総処理時間Tは式2で算出できる。式2において、nはマップマッチングをする他車両2bの数、iは整数であり1からnまで変化する変数、Tは1台の他車両2bに対してマップマッチング処理に要する処理時間である。
(式2) T=ΣT
は式3から算出することができる。式3において、Cは、1つの粒子の位置を更新するための算出に必要な処理時間のうち、粒子数によらずに必要となる処理時間を意味する。Sは、1つの粒子の位置を更新するための算出に必要な処理時間のうち、粒子が1つ増えるごとに増加する処理時間を意味する。Mは1台の他車両2bに割り当てる粒子数である。
(式3) T=C+S×M
S313では、S312で算出した総処理時間Tが、1処理周期においてマップマッチング処理に割り当てられた時間(以下、割り当て時間)TMM以下か否かを判断する。1処理周期は、自車両2aおよび他車両2bの位置を更新する周期であり、たとえば100msである。S313の判断がYESであればS314に進む。割り当て時間TMMは一定時間でもよいし、他の処理に要する時間の変動に対応して、都度、決定される時間でもよい。
S314では、全部の他車両2bについて割り当てる粒子数をMmaxとする。一方、S313の判断がYESであればS315に進む。S315では、全部の他車両2bに対して割り当てる粒子数Mを0にする。
説明を図6に戻す。S32では、Mが0であるか否かを判断する。この判断がNOである場合にはS34に進む。一方、S32の判断がYESであればS33に進む。S32がYESの場合、各他車両2bに割り当てる粒子数を決定できていないことになる。そこで、S33では、粒子数の可変割り当て処理を実行する。
粒子数の可変割り当て処理は、各他車両2bに割り当てる粒子数を、各他車両2bで個別に決定する処理である。粒子数の可変割り当て処理では、図8に示す処理を実行する。
図8において、S331では、各他車両2bへ割り当てる粒子数Mを最小粒子数Mminとする。最小粒子数Mminは、パーティクルフィルタによる他車両2bの位置推定精度として、最低限の精度を維持するために設定される数である。
S332では、マップマッチング処理で消費される総処理時間Tを算出する。総処理時間Tは、S311と同じく式2、式3から算出する。ただし、S331においてM=Mminとしているため、S332で算出する総処理時間Tは、S311で算出した総処理時間Tとは異なる時間となる。
S333では、S332で算出した総処理時間Tが、割り当て時間TMM以下か否かを判断する。S333の判断がYESであればS334に進む。
S334では、追加で割り当て可能な最大粒子数Madd_maxを算出する。この最大粒子数Madd_maxは式4で算出することができる。式4において、Floorは、切り捨てにより整数値を算出する関数である。
(式4) Madd_max=Floor((TMM-T)/S)
S335では、各他車両2bに対する得点Gを算出する。得点Gは、各他車両2bの位置に対して要求される位置推定精度を相対評価する指標であり、本実施形態では、式5により算出する。
(式5) G=WTC×WSTATE×(GVAR+GDIST+GNUMEDGE+GATTR
式5において、WTCは、自車両2aと他車両2bの道路上での位置関係から定まる補正係数、WSTATEは他車両2bの位置と道路との関係から定まる補正係数である。GVARは粒子の分散径から定まる得点、GDISTは自車両2aと他車両2bとの距離から定まる得点、GNUMEDGEは粒子が散布されている道路IDの数に応じた得点、GATTRは粒子が散布されている道路種別に応じた得点である。なお、粒子の分散径、粒子が散布されている道路IDの数、粒子が散布されている道路種別は、粒子の散布状態を表している。これらの補正係数W、得点Gには、それぞれ、初期値が定められている。本実施形態では、初期値は、各補正係数W、得点Gの取りうる値の最大値とする。
TCは、前述の通り、自車両2aの道路上での位置と他車両2bの道路上での位置関係から定まる補正係数である。自車両2aの道路上での位置と他車両2bの道路上での位置関係は、自車両2aの位置と他車両2bの位置の相対関係ということもできる。
図9はWTCを決定するテーブルの一例である。図9に示す例では、他車両2bの位置が自車両2aの経路上である場合、WTCを1.0とする。自車両2aの経路は、自車両2aがこれから走行する道路を意味する。したがって、自車両2aと同じ道路を走行していても、自車両2aの後方を走行している場合には、自車両2aの経路上にはならない。また、道路は車線別に区別されるので、自車両2aが走行する車線とは反対車線を走行する他車両2bも、自車両2aの経路上を走行する他車両2bではない。図10において、他車両2bの位置が自車両2aの経路上である例は他車両2b1である。
他車両2bの位置が交差点で自車両2aに接近する位置である場合も、WTCを1.0とする。他車両2bの位置が交差点で自車両2aに接近する位置であるとは、自車両2aと他車両2bが同じ交差点に向かって移動していることを意味する。加えて、交差点までの距離の差が一定値以下である、あるいは、交差点に到着するまでの時間の差が一定時間以下である場合に、他車両2bの位置が交差点で自車両2aに接近する位置であるとしてもよい。図10において、他車両2bの位置が交差点で自車両2aに接近する位置の例は他車両2b2である。
他車両2bの位置がその他である場合、WTCを0.5とする。その他は、他車両2bの位置が、自車両2aの経路上でなく、交差点で自車両2aに接近する位置でもない位置であることを意味する。図10において、他車両2bの位置がその他である例は他車両2b3である。他車両2bの位置がその他である場合、他車両2bの位置が自車両2aの経路上である場合、および、交差点で自車両2aに接近する位置である場合に比べて、他車両2bの位置推定精度は低くてもよいことから、粒子数は相対的に少なくてもよい。したがって、得点Gを相対的に低くするために、他の2つよりも小さい補正係数とするのである。
図11にWSTATEを決定するテーブルの一例を示す。図11に示す例では、他車両2bの位置が道路上である場合、WSTATEを1.0とし、他車両2bの位置が道路外である場合、WSTATEを0.5とし、他車両2bの位置が不定である場合、WSTATEを0.2とする。図12において、他車両2b4の位置は道路上であり、他車両2b5の位置は道路外であり、他車両2b6の位置は不定である。図12の例において、他車両2b5は駐車場で駐車中である。
このWSTATEを決定するために、他車両2bの位置として、マップマッチングをした位置ではなく、BSMに含まれている観測位置Z、および、他車両マップマッチング部111が散布した粒子の位置を用いる。また、複数回分の位置を用いる。他車両2bの位置が不定かどうか、および、他車両2bの位置が道路外であるかどうかを判断するためである。
他車両2bの位置が不定であるとは、互いに連続する2つのBSMに含まれている観測位置Zから移動距離および進行方向を算出し、移動距離の変化率および進行方向の変化率の一方または両方が、それぞれについて定めた変化率閾値を超える場合である。このとき、BSMに含まれている観測位置Zは、誤差を大きく含んでいると言える。
他車両2bの位置が道路外であるとは、具体的には、尤度Lが閾値Lth以上となる粒子が、時間閾値TLth間、存在しないことを意味する。
他車両2bの位置が道路上である場合、その他車両2bの位置の変化に起因する運転支援を実行するかどうかを判断する必要性が高い。それに対して、他車両2bの位置が駐車場などの道路外である場合、他車両2bに起因する運転支援を実行するかを判断する必要性は相対的に低い。そのため、他車両2bの位置が道路上である場合、WSTATEを1.0とし、他車両2bの位置が道路外である場合、WSTATEを0.5としている。また、他車両2bの位置が不定である場合には、BSMに含まれている観測位置Zの精度が悪すぎることを意味する。BSMの位置精度が悪すぎるとマップマッチングが困難である。マップマッチングが困難なものに対して多くの粒子を割り当てる必要性は低いので、得点Gを低くするために、WSTATEを0.2という低い値に設定する。
図13にGVARを決定するテーブルの一例を示す。分散径は、1つの道路に散布されている粒子を全部含む円の直径を意味する。図13に示す例では、分散径が10m以上であればGVARを5とし、分散径が2m以上10m未満であればGVARを4とし、分散径が2m未満であればGVARを2としている。分散径が小さい場合、すでに、複数の粒子がある狭い範囲に収束していることを意味するので、今後、多くの粒子を割り当てる必要性は相対的に低い。そこで、分散径が小さいほどGVARを小さい値にしている。
図14にGDISTを決定するテーブルの一例を示す。図14に示す例では、他車両2bの自車両2aからの距離が50m未満であればGDISTを5とし、50m以上100m未満であればGDISTを4とし、分散径が100m以上であればGDISTを2とする。自車両2aからの距離が遠いほど、精度よく他車両2bの位置を推定する必要性が低下する。そこで、自車両2aからの距離が遠いほど、GDISTを小さい値にしている。なお、自車両2aと他車両2bの間の距離は、自車両2aの位置と他車両2bの位置の相対関係を表している値の一つである。
図15にGNUMEDGEを決定するテーブルの一例を示す。図15に示す例では、粒子が散布されている道路ID数が3以上であればGNUMEDGEを3とし、粒子が散布されている道路ID数が2であればGNUMEDGEを2とし、粒子が散布されている道路ID数が1であればGNUMEDGEを1とする。粒子が散布されている道路ID数が少ないほど、すでに、複数の粒子が少ない道路に収束していることを意味するので、今後、多くの粒子を割り当てる必要性は相対的に低い。そこで、粒子が散布されている道路ID数が少ないほどGNUMEDGEを小さい値にしている。
図16にGATTRを決定するテーブルの一例を示す。図16に示す例では、粒子が散布されている道路の種別が高速道路であればGATTRを2とし、粒子が散布されている道路の種別がその他、すなわち一般道路などの高速道路以外の道路であればGATTRを1とする。なお、粒子が散布されている道路の種別が複数ある場合、高い側の得点のみを採用する。
高速道路は移動速度が速いので、自車両2aまでの距離が近い場合と同様に考えることができる。そのため、粒子が散布されている道路の種別が高速道路である場合には、その他の道路種別よりもGATTRを高い値にしている。
S335では、WTC、WSTATE、GVAR、GDIST、GNUMEDGE、GATTRを、それぞれ図9、図11、図13~図16に例示したようなテーブルを用いて決定し、決定した各値を式5に代入して、各他車両2bに対する得点Gを算出する。
S336では、各他車両2bに与える追加の粒子数Mi_addを設定する。そして、この追加の粒子数Mi_addを最小粒子数Mminに加えて、各他車両2bに対する粒子数を決定する。このS336では、式6、式7を計算して追加の粒子数Mi_addを設定する。式6は、1得点当たり何個の粒子数を割り当てられるかを計算した式である。式7は、1得点あたりの粒子数に、各他車両2bが得た得点Gを乗じた値を、切り捨てにより整数値にする式である。
(式6) Mcoef=(Madd_max/ΣG
(式7) Mi_add=floor(Mcoef×G
このようにして決定した、各他車両2bに対する粒子数は、位置を推定する他車両2bの得点Gを相対比較して決定していることになる。
S333の判断がNOであればS337に進む。S337では、S335と同じ処理を実行し、各他車両2bに対する得点Gを算出する。S333の判断がNOである場合には、すべての他車両2bに対して尤度を算出してリサンプリングを実行すると、すべての他車両2bに最小粒子数Mminを割り当てることができない。
そこで、S338では、尤度算出を省略した時の粒子数設定処理を行う。S338では、図17に示す処理を実行する。S3381では、S337で算出した得点Gが最も低かった他車両2bを選択する。
S3382では、S3381で選択した他車両2bについて、予測更新のみでの位置推定処理に要する処理時間Tlを算出する。この処理時間Tlは式8から算出する。式8において、Cは、予測更新のみでの位置推定において1つの粒子の位置を更新するための算出に必要な処理時間のうち、粒子数によらずに必要となる処理時間を意味する。Sは予測更新のみでの位置推定において1つの粒子の位置を更新するための算出に必要な処理時間のうち、粒子が1つ増えるごとに増加する処理時間を意味する。これらC、Sは事前に設定した値である。式8により算出される処理時間Tlは、尤度計算およびリサンプリングを実行しないので、式3により算出される処理時間Tよりも短い時間になる。
(式8) Tl=C+S×M
S3383では、S3382で処理時間Tlを算出した他車両2bの得点Gを無限大にする。次にS3381を実行したときに、再度、この他車両2bが選択されないようにするためである。
S3384では、S3382で算出した処理時間TlもTとして扱って、式2により、総処理時間Tを再算出する。S3385では、S3384で算出した総処理時間Tが割り当て時間TMMよりも小さいか否かを判断する。この判断がNOであれば、総処理時間Tをさらに短くするためにS3381へ戻る。一方、S3385の判断がYESになればS3386へ進む。
S3386では、追加で割り当て可能な最大粒子数Madd_maxを算出する。S3386の処理はS334と同じであり、式4を用いてMadd_maxを算出する。ただし、TにはS3384で算出した値を用いる。
S3387では、各他車両2bに与える追加の粒子数Mi_addを設定し、この追加の粒子数Mi_addを最小粒子数Mminに加えて、各他車両2bに対する粒子数を決定する。S3387の処理は、S336と同じであり、式6、式7からMi_addを設定する。ただし、Madd_maxにはS3386で算出した値を用いる。図17の処理が終了すると、図8の処理も終了する。図8の処理が終了したら、図6のS34に進む。また、図6のS32の判断がNOである場合もS34に進む。
S34では、これまでの処理により設定した各他車両2bに対する粒子数を、他車両マップマッチング部111に通知する。
[実施形態のまとめ]
以上、説明した本実施形態の他車両位置推定装置100は、他車両2bの位置を道路上に推定するために、パーティクルフィルタを用いている。パーティクルフィルタは、粒子数を調整することができ、粒子数制御部112は、他車両2bの位置を推定するための総処理時間Tが割り当て時間TMM以下になるように粒子数を制御する。これにより、処理時間の増加を抑制しつつ、他車両2bの位置を道路上に推定することができる。
また、他車両位置推定装置100は、各他車両2bに割り当てる粒子数を、式5により算出した得点Gに基づいて決定している。式5に含まれるWTC、WSTATE、GVAR、GDIST、GNUMEDGE、GATTRは、自車両2aの位置と他車両2bの位置の相対関係、粒子の散布状態、他車両2bの位置と道路との関係のいずれかをもとに定まる値である。自車両2aの位置と他車両2bの位置の相対関係、粒子の散布状態、他車両2bの位置と道路との関係は、他車両2bの位置推定精度を決める指標となる。よって、式5により算出した得点Gに基づいて各他車両2bに割り当てる粒子数を決定することで、精度よく位置を推定する必要がある他車両2bに対する位置推定精度が低下することを抑制することができる。
また、粒子の数を動的に変化させることが可能になることから、位置を推定する他車両2bが増加する場合や、ある他車両2bが精度よく位置を推定する状況となった場合でも、総処理時間Tの増加を抑制することができる。
以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
BSMには他車両2bの位置だけではなく、他車両2bの進行方向、進行速度、加速度、ヨーレートが含まれている。これらを総称して走行状態とする。実施形態では、BSMに含まれている他車両2bの位置に基づいて他車両2bの位置を道路地図データ上の道路上に推定していた。しかし、他車両マップマッチング部111は、BSMに含まれている走行状態の1つ以上に基づいて他車両2bの位置を道路地図データの道路上に推定してもよい。
この場合、式1のZを、BSMに含まれている走行状態とする。また、Yは、予測更新後の粒子の運動状態とする。粒子の運動状態は、Zとして用いる走行状態に対応するパラメータ、すなわち、粒子の位置、進行方向、進行速度、加速度、ヨーレートなどである。
このパラメータを求めるために、S12において粒子の運動状態を予測更新する。粒子の運動状態は種々の方法で予測更新することができる。たとえば、速度は加速度の時間積分することで更新することができる。反対に、速度を基準として加速度を、速度の微分値として更新することもできる。
なお、実施形態で説明したように、粒子の位置を更新する際には、道路の進行方向を用いた。位置以外の粒子の運動状態の予測更新にも、道路地図データが持つ情報を用いることができる。たとえば、粒子の進行方向として道路の進行方向を用いることができる。また、粒子の速度として道路の制限速度を用いることができる。また、粒子の加速度を、路面傾斜を考慮して算出することができる。また、場所別の交通流から粒子の速度、加速度を算出することもできる。交通流は、道路を走行する車両の代表的な速度を意味する。交通流は、標準値として道路地図データが持ってもよいし、現在値を車両外部から通信により取得してもよい。また、道路の形状と粒子の速度からヨーレートを算出することもできる。
<変形例2>
実施形態では、粒子を道路上に散布していた。しかし、一部の粒子を道路外領域、たとえば、駐車場、空き地、レース場、路側などに散布し、道路外に他車両2bが道路外に存在するか否かを判別するようにしてもよい。
なお、変形例1で説明したように、式1のZ、Yを車両運動情報に含まれる複数のパラメータとして式1を計算することができるが、変形例2の場合において、式1の計算に用いるパラメータに進行方位は含めないようにする。道路とは異なり、道路外領域は進行方向が地図から定まらないからである。あるいは、進行方位だけ0にするのなど、式1のZ、Yの特定の要素について0として計算結果に影響がないようにしてもよい。
<変形例3>
式5に示した補正係数Wおよび得点Gのいずれか1つ以上を省略してもよい。また、補正係数Wと得点Gとを入れ替えてもよい。
<変形例4>
また、補正係数Wあるいは得点Gとして、実施形態で説明したもの以外を用いてもよい。たとえば、他車両2bの実車速から定まる補正係数Wを式5に追加してもよい。他車両2bの実車速は、他車両2から無線通信により取得する。この補正係数Wは、たとえば、他車両2bの実車速が10km/h未満であれば0.1、それ以上であれば1とする。実車速が10km/h未満であれば他車両2bは停車あるいはそれに近い状態であると判断できる。このような実車速であれば、自車両2aの走行に支障を与えにくいので、割り当てる粒子数が相対的に少なくてよい。そこで、実車速が10km/h未満であれば補正係数Wを相対的に小さい値にするのである。
<変形例5>
他車両2bの位置が不定になった場合、その他車両2bについてはマップマッチング処理を中止してもよい。
<変形例6>
他車両位置推定装置100は、車両2に固定的に搭載されている必要はない。可搬型となっており、車両2に持ち込まれて使用されるようになっていてもよい。
2:車両 100:他車両位置推定装置 101:通信部 102:走行情報取得部 103:道路地図データ記憶部 110:制御部 111:他車両マップマッチング部 112:粒子数制御部 113:対象判定部 S12:更新部 S14:尤度算出部 S16:位置推定部

Claims (11)

  1. 車両で用いられ、他車両の位置を道路上に推定する他車両位置推定装置であって、
    前記車両の走行状態を送受信する通信部(101)と、
    他車両の位置の候補となる粒子を地図上に散布し、地図情報および前記他車両から取得した前記走行状態の少なくとも一方に基づいて前記粒子の位置を逐次更新する更新部(S12)と、
    散布済みの前記粒子の運動状態と、前記通信部が前記他車両より受信した前記走行状態とにより、前記粒子の位置の尤度を算出する尤度算出部(S14)と、
    前記粒子の位置に基づいて、前記他車両の位置を推定する位置推定部(S16)と、
    散布する前記粒子の数を決定する粒子数制御部(112)とを備え、
    前記粒子数制御部は、複数の前記他車両の位置をそれぞれ推定するために散布する前記粒子の数を、前記他車両位置推定装置が用いられている前記車両である自車両の位置と前記他車両の位置の相対関係、前記他車両の実車速、前記粒子の散布状態、前記他車両の位置と道路との関係のいずれか少なくとも一つに基づいて決定する他車両位置推定装置。
  2. 前記粒子数制御部は、前記自車両の位置と前記他車両の位置の相対関係、前記粒子の散布状態、前記他車両の位置と道路との関係のいずれか少なくとも一つに基づいて、複数の前記他車両の位置に対して要求される位置推定精度を相対評価する指標となる得点を決定し、前記得点に応じて、複数の前記他車両の位置をそれぞれ推定するために散布する前記粒子の数を決定する請求項1に記載の他車両位置推定装置。
  3. 前記粒子数制御部は、前記自車両の位置と前記他車両の位置の相対関係である、前記自車両と前記他車両の距離に基づいて、前記得点を決定する、請求項2に記載の他車両位置推定装置。
  4. 前記粒子数制御部は、前記自車両の位置と前記他車両の位置の相対関係である、前記自車両の道路上での位置と前記他車両の道路上での位置関係に基づいて、前記得点を決定する、請求項2または3に記載の他車両位置推定装置。
  5. 前記粒子数制御部は、前記粒子の散布状態である、前記粒子の分散径に基づいて、前記得点を決定する、請求項2~4のいずれか1項に記載の他車両位置推定装置。
  6. 前記粒子数制御部は、前記粒子の散布状態である、前記粒子が散布されている道路の数に基づいて、前記得点を決定する、請求項2~5のいずれか1項に記載の他車両位置推定装置。
  7. 前記粒子数制御部は、前記粒子の散布状態である、前記粒子が散布されている道路の種別に基づいて、前記得点を決定する、請求項2~6のいずれか1項に記載の他車両位置推定装置。
  8. 前記粒子数制御部は、前記得点の初期値を、前記得点の取りうる値の最大とする請求項2~7のいずれか1項に記載の他車両位置推定装置。
  9. 前記粒子数制御部は、1つの前記粒子の位置を更新するための算出に必要な処理時間(C、S)と、複数の前記他車両にそれぞれ割り当てる前記粒子の数(M)とに基づいて、1台の前記他車両の位置を推定するために必要となる処理時間(T)を算出し、1台の前記他車両の位置を推定するために必要となる前記処理時間および位置を推定する前記他車両の数から定まる総処理時間(T)と、前記他車両の位置を推定するために割り当てられた時間(TMM)とに基づいて、散布する粒子の数を決定する請求項1~8のいずれか1項に記載の他車両位置推定装置。
  10. 前記粒子数制御部は、1台の前記他車両に対して散布する粒子の数を、予め設定した最大粒子数(Mmax)以下の数にする請求項1~9のいずれか1項に記載の他車両位置推定装置。
  11. 前記粒子数制御部は、1台の前記他車両に対して散布する粒子の数を、予め設定した最小粒子数(Mmin)以上の数にする請求項1~10のいずれか1項に記載の他車両位置推定装置。
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