JP6997141B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
請求項2に記載した発明は、前記突出部(73)は、車両側面視で後下がりに傾斜していることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記突出部(73)は、車両側面視で水平面に対して45度未満の角度で後下がりに傾斜し、かつ車両側面視で前記第一仮想線(T2)との直交線(T3)よりも水平寄りに傾斜を寝かせて配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記突出部(73)は、前記下面部(29b1)側を向く面を、平面又は凹面に形成していることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記ロア部材(29)は、前記下面部(29b1)の後端(29b2)から上方に立ち上がる後端立ち上がり部(29b)を備え、前記突出部(73)は、前記後端立ち上がり部(29b)と上下方向位置が重なる高さに配置されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記突出部(73)は、複数の単位突出部(73a,73b)を備え、前記複数の単位突出部(73a,73b)は、前記突出部(73)に対して垂直な方向から見たとき、前記構成部品(26a)からの起立高さを相互に異ならせていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記突出部(73)は、複数の単位突出部(73a,73b)を備え、前記複数の単位突出部(73a,73b)は、前記突出部(73)に対して垂直な方向から見たとき、少なくとも一部を露出させていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記突出部(73)は、複数の単位突出部(73a,73b)を備え、前記複数の単位突出部(73a,73b)は、前記構成部品(26a)からの起立方向を相互に平行にしていることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記パワーユニット(U)および前記パワーユニット(U)の冷却装置の少なくとも一方に冷却風を送る冷却ファンと、前記冷却ファンおよび前記冷却装置の放熱部(26)の少なくとも一方を覆う前記構成部品(26a)としてのカバー部材(26a)と、を備え、前記突出部(73)は、前記カバー部材(26a)に設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、前記パワーユニット(U)は内燃機関(E)を備え、前記構成部品(26a)に対して車幅方向で前記後輪(WR)を挟んだ反対側には、前記内燃機関(E)に供給する外気をろ過するエアクリーナ(25)を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、車両下方からの跳ね上がりを抑える突出部が後下がりに傾斜するので、後ろ上がりに跳ね上がった異物が後ろ下方に落下する。このとき、車両前方からの走行風を受けることと相まって、突出部に当たった異物を効果的に後ろ下方に落下させることができる。
請求項3に記載した発明によれば、突出部が45度未満の仰角で傾斜するので、跳ね上がった異物が車両前方に跳ね返ってしまうことを抑えることができる。突出部が前記第一仮想線との直交線よりも傾斜を寝かせるので、後端立ち上がり部に沿うように跳ね上がった異物を下方へ落下させやすくなる。
請求項4に記載した発明によれば、突出部の下面部側を向く面が平面又は凹面に形成するので、この面が凸面である場合に比べて、跳ね上がった異物を受け流さずに受け止めて落下させることができる。
請求項5に記載した発明によれば、突出部がロア部材の後端立ち上がり部と上下方向位置をラップさせるので、突出部が後端立ち上がり部と上下方向で離間する場合と比べて、以下の効果を奏する。すなわち、後端立ち上がり部からの跳ね上がりの多い高さで効果的に異物を受け止めることができる。
請求項6に記載した発明によれば、複数の単位突出部が構成部品からの起立高さを相互に異ならせるので、突出部設置部位に応じて突出部の起立高さを増減させつつ、トータルでは広い面積で跳ね上がった異物を受け止めることができる。
請求項7に記載した発明によれば、突出部を垂直な方向から見たとき、複数の単位突出部の各々が他の単位突出部に全て隠れることなく、少なくとも一部を露出させるので、個々の単位突出部を小型にして成形を容易にしながらも、突出部全体で広い面積で跳ね上がった異物を受け止めることができる。
請求項8に記載した発明によれば、複数の単位突出部の構成部品からの起立高さが相互に平行をなすので、構成部品の成型の容易化を図ることができる。
請求項9に記載した発明によれば、突出部が冷却ファンおよび冷却装置の少なくとも一方を覆うカバー部材に設けられるので、比較的形状自由度の高いカバー部材に突出部を併せて形成することが可能となる。このため、部品点数を増加させることなく、突出部を容易に設置することができる。
請求項10に記載した発明によれば、構成部品に対して後輪を挟んだ反対側にエアクリーナを備える構成において、構成部品側の突出部によって跳ね上がった異物の飛散を抑えることで、以下の効果を奏する。すなわち、構成部品側の突出部で跳ね上がった異物の飛散を抑えることで、飛散した異物が後輪の回転による乱流でエアクリーナ側に至って吸気に影響を与えることを抑えることができる。
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車(鞍乗り型車両)1は、車体フレームFの前端部にヘッドパイプ13を備えている。ヘッドパイプ13には、前輪WFを軸支するフロントフォーク11及び操向ハンドル12が繰向可能に支持されている。車体フレームFの下部には、スイング式動力ユニット(以下、パワーユニットUという。)の前部下側が上下揺動可能に支持されている。自動二輪車1は、原動機であるエンジン(内燃機関)Eと駆動輪である後輪WRとが車体フレームF(車体本体)に対して一体的に揺動するパワーユニットUを備えたユニットスイング式の鞍乗り型車両である。
自動二輪車1は、運転者が足を載せるステップフロア29を有するスクーター型車両である。ステップフロア29の上面(足載せ面)29aは、側面視でやや後ろ上がりに傾斜している。ステップフロア29の下面側の後部には、上面29aよりも急傾斜をなして後上がりに傾斜する下面後部29bが形成されている。
図1~図3に示すように、パワーユニットUは、前部のエンジンEと後部左側で変速機Mを収容する変速機ケース35とを一体に備えている。
エンジンEは、不図示のクランクシャフトの回転中心軸線を左右方向(車幅方向)に沿わせた4ストローク単気筒エンジンであり、クランクケース21の前端部からシリンダ部22を前方に向けて略水平に(詳細にはやや前上がりに傾斜させて)突出させている。
図5~図8に示すように、マフラー42は、円筒状の外観をなすマフラー本体(消音器本体)43と、マフラー本体43の上方から車幅方向外側方に渡る範囲を覆うマフラーカバー(カバー部材)51と、を備えている。
図5~図8に示すように、マフラーカバー51は、マフラー本体43の前後端を越える長さを有して軸線C1方向に延びている。マフラーカバー51は、マフラー本体43の上方から車幅方向外側に渡る範囲を、概ね一定の隙間を空けて覆っている。
図2~図4に示すように、マフラーカバー51の前上部(前記後ろ上がり傾斜部53)には、走行風を受けて規定の流速を発生させるための整流構造61が設けられている。整流構造61は、リヤボディRBの下後方における後輪WRを配置するタイヤハウスWHの右側方に流れの速い渦流を流し、渦流がもつ負圧によってタイヤハウスWH内の空気を吸い出すカナードとして機能する。これにより、タイヤハウスWH内の正圧の発生を抑えるとともに、後輪WRに連れ回る空気の乱流による周辺部品への影響を抑える。
整流構造61は、マフラーカバー51の後ろ上がり傾斜部53において、側面視で後輪WRの接線方向に延びるように断面L字状の壁部を設けている。例えば、整流構造61は、側面視で後ろ上がり傾斜部53に沿って延びる溝状をなしている。整流構造61は、側面視で後ろ上がりに傾斜して延び、走行風を受ける走行風受け面62aを形成する傾斜部62と、傾斜部62に沿って延び、走行風受け面62aから均等な高さで上方へ突出するリブ状の突出部63と、を備えている。整流構造61は、側面視で後ろ上がりに傾斜するとともに、平面視では後方に向かうにつれて車幅方向内側に位置するように傾斜している。
次に、本実施形態の整流構造61の作用について説明する。
自動二輪車1の走行時、後輪WRのタイヤハウスWH内には、後輪WRが空気を巻き上げることにより乱流が生じる。後輪WRが巻き上げて連れ回る空気は、パワーユニットUやリヤフェンダ31等に衝突した後、車体側方に膨らむ気流となる。また、タイヤハウスWH内の乱流は、タイヤハウスWHの周辺部品に影響を与えることがある。例えば、エアクリーナ25側面の気流が車幅方向外側に押し出されると、安定した吸気の阻害要因になる。つまり、エアクリーナ25の吸気口25c周辺の気流を乱し、吸気量を低下させる要因になる。
例えば後輪WRのインナーフェンダー39に気流制御用の突出部等を設ける場合にも、この突出部等を小型化して外観自由度を高めることができる。気流制御用に別途ハガーフェンダー等を設けることを不要とし、コストおよび重量の増加を抑えることができる。
この構成によれば、傾斜部62の走行風受け面62aに沿って流れる走行風は、突出部63によって案内され、規定の方向へ指向性をもって流れる。このように指向性をもった走行風を、後輪WRの側方(タイヤハウスWHの側方)に流すことで、タイヤハウスWH内の空気を後輪WR側方へ引き出す効果を得る。タイヤハウスWH内の空気は、後輪WRに連れ回って流れることで乱流を生じさせるが、この乱流を後輪WR側方へ引き出すことで、後輪WR周りへの気流の影響を抑えることができる。
この構成によれば、パワーユニットUにはエアクリーナ25等の各種補機類が搭載されるため、タイヤハウスWH内の乱流による影響が大きいが、この乱流を後輪WR側方へ引き出すことで、補機類への気流の影響を抑えることができる。
この構成によれば、後輪WRを挟んでマフラー42と吸気口25cとを振り分けて配置することで、マフラー42の傾斜部62および突出部63によってタイヤハウスWH内の空気を後輪WR側方へ引き出す側が、吸気系部品の吸気口25cと反対側となる。タイヤハウスWH内の空気が後輪WRに連れ回って後輪WR側方へ押し出される側に吸気口25cがあると、吸気系部品の吸気量に影響を与えることがある。これに対し、タイヤハウスWH内の空気を引き出す側が吸気口25cと反対側となるので、引き出される気流が吸気口25cに影響を与えず、かつ吸気口25c側に押し出される気流も減少する。これにより、吸気系部品の吸気効率を良好に維持することができる。また、吸気系部品の吸気への排気熱の影響を抑えることができる。
この構成によれば、傾斜部62および突出部63に沿って走行風を上方に流すことで、タイヤハウスWH内の乱流を外側に引き出すことができる。すなわち、タイヤハウスWH内において、上方側では車体カバー27等との間に巻き込み風が発生しやすいため、走行風を上方に向けて流すことで、タイヤハウスWH内の乱流を効果的に抑えることができる。
この構成によれば、タイヤハウスWH内では空気が後輪WRに連れ回ることで乱流となりやすいため、走行風を車幅方向内側(後輪WR側)に向けて流すことで、後輪WR周辺の空気を後輪WR側方へ引き出しやすくし、タイヤハウスWH内の乱流を効果的に抑えることができる。
この構成によれば、傾斜部62の上方に起立する突出部63が車幅方向内側ほど上方に位置するので、突出部63に案内される走行風が規定の渦流を生じやすくなり、タイヤハウスWH内の乱流を効果的に抑えることができる。
この構成によれば、傾斜部62および突出部63が円弧状の断面形状をなしているので、突出部63に案内される気流がより一層規定の渦流を生じやすくなり、タイヤハウスWH内の乱流をより効果的に抑えることができる。
次に、本実施形態のラジエータカバー26aについて、図12~図19を参照して説明する。
図12に示すように、ラジエータカバー26aは、クランクケース21の右端部に対し、例えば上部締結部66a、後部締結部66bおよび前部締結部66cの三か所において、車幅方向外側から螺着したボルト等により締結固定されている。ラジエータカバー26aの後端部は、クランクケース21よりも後方に張り出し、側面視で後輪WRの前端部と重なるように配置されている。図中線R1は路面を示す。
第一辺部67aの下方から第三辺部67cの上下中間部に渡る範囲の後下方には、後下方に延びる後下方延出部68bが形成されている。後下方延出部68bには、上部に後部締結部66bが形成され、後部締結部66bの下方に後述する整流構造71および止水壁73が形成されている。
第四辺部67dの下部の前上方には、前上方に延びる前上方延出部68cが形成されている。前上方延出部68cには、前部締結部66cが形成されている。
カバー本体部26bの後部は、前部に残存するカバー側壁部69aに対して車幅方向外側に***している。カバー本体部26bの後部は、カバー側壁部69aを形成する前部に対して、後上方ほど車幅方向外側に張り出すように(深さを増すように)形成されている。
前部取入口65aは、第四辺部67dと一辺を略平行にして形成される矩形状の第一開口部65a1と、前端開口部の後上方および後下方の各辺と略平行に形成される複数のスリット状の第二開口部65a2と、を備えている。前部取入口65aの前半部分は、車体取り付け状態の側面視でリヤサイドカバー32と重なっている(リヤサイドカバー32に車幅方向外側から覆われている。図12参照。)。
整流構造71は、後下方延出部68bにおける後上がりの傾斜後縁に長手方向を沿わせるように延びるビード部72を備えている。ビード部72は、第一辺部67aおよび第三辺部67cの間の後下角部67hに近接するように配置されている。ビード部72は、第一辺部67aおよび第三辺部67cの何れに対しても傾斜している。ビード部72の下部は、後下方延出部68bの下端近傍で屈曲して傾斜を寝かしている。ビード部72は、マフラー42の整流構造61の前下方に位置している(図12参照)。
図19に示すように、走行風受け面72aは、予め定めた方向(第二実施形態では車幅方向外側かつマフラー42下方)に向けて走行風W1を流す。すなわち、走行風受け面72aは、走行風W1を予め定めた方向へ指向性をもって流す。走行風受け面72aに案内された走行風W1を符号W1’で示す。
図13~図16に戻り、第一単位止水壁73aは、前端を第三導風壁wcに接続し、第二単位止水壁73bは、前端を第一導風壁67waに接続している。第一単位止水壁73aは、第二単位止水壁73bよりも車幅方向の起立高さが高い。各単位止水壁73a,73bは、起立先端が前記傾斜平面に位置するように、起立高さを互いに異ならせている。
また、各単位止水壁73a,73bは、止水壁73に対して垂直な方向から見たとき、相互に他方の少なくとも一部を露出させている。すなわち、各単位止水壁73a,73bは、止水壁73に対して垂直な方向から見たとき、各々が他方に全て隠れることなく少なくとも一部を露出させている。
特に、跳ね上がった雨水等WOがマフラー42の整流構造61に至ると、整流構造61で発生した流れの速い渦流によって飛散しやすくなる。これに対し、後輪WRおよびマフラー42の前方に止水壁73を備えることで、跳ね上がった雨水等WOによる後輪WRおよびマフラー42周辺の汚れが効果的に抑えられる。
図12に示すように、自動二輪車1の車体下部(例えばパワーユニットUの下部)には、車体を直立した起立状態で支持するメインスタンド75を備えている。メインスタンド75は、パワーユニットUの下部に設けたスタンドブラケット76に、車幅方向に延びる揺動軸77を介して揺動可能に支持されている。
図19に示すように、走行風受け面82aは、予め定めた方向(第二実施形態では車幅方向外側かつマフラー42下方)に向けて走行風を流す。すなわち、走行風受け面82aは、走行風を予め定めた方向へ指向性をもって流す。走行風受け面82aに案内された走行風W1を符号W1”で示す。
この構成によれば、ラジエータカバー26aの整流構造71の走行風受け面72aに沿って流れる走行風は、予め定めた方向に案内されて指向性をもって流れる。このように指向性をもった走行風を、例えば後輪WRの側方(タイヤハウスWHの側方)に流すことで、タイヤハウスWH内の空気を後輪WR側方へ引き出す等の効果を得る。このように、車両側面視で後輪WRと重なるラジエータカバー26aに整流構造71を設けて気流を制御することで、後輪WR周りに生じる乱流を抑えることができる。
この構成によれば、メインスタンド75の整流構造81の走行風受け面82aに沿って流れる走行風は、予め定めた方向に案内されて指向性をもって流れる。このように指向性をもった走行風を、例えば後輪WRの側方(タイヤハウスWHの側方)に流すことで、タイヤハウスWH内の空気を後輪WR側方へ引き出す等の効果を得る。この構成においても、車両側面視で後輪WRと重なるメインスタンド75に整流構造81を設けて気流を制御することで、後輪WR周りに生じる乱流を抑えることができる。
この構成によれば、車両下方に臨むステップフロア29の下面後部29bと後輪WRとの間にパワーユニットUのラジエータカバー26aを配置し、このラジエータカバー26aに車両側面視で後上がりの第一仮想線T2と交差する角度の止水壁73を備えるので、以下の効果を奏する。すなわち、車両走行時にステップフロア29の後方で下面後部29bに沿うように跳ね上がった雨水や泥砂等の異物に対し、その軌跡上にあるラジエータカバー26aに設けた止水壁73が遮蔽物として存在する。これにより、跳ね上がった異物が止水壁73に当たって下方に落下してそれ以上の異物の飛散が抑えられ、後輪WR周りの汚れを抑えることができる。また、ユニットスイング式車両で後輪WR側方にエアクリーナ等の吸気部品を備える場合、飛散物による吸気部品への影響を抑えることができる。
この構成によれば、車両下方からの跳ね上がりを抑える止水壁73が後下がりに傾斜するので、後ろ上がりに跳ね上がった異物が後ろ下方に落下する。このとき、車両前方からの走行風を受けることと相まって、止水壁73に当たった異物を効果的に後ろ下方に落下させることができる。
この構成によれば、止水壁73が45度未満の仰角で傾斜するので、跳ね上がった異物が車両前方に跳ね返ってしまうことを抑えることができる。止水壁73が前記第一仮想線との直交線よりも傾斜を寝かせるので、下面後部29bに沿うように跳ね上がった異物を下方へ落下させやすくなる。
この構成によれば、止水壁73の下面部29b1側を向く面を平面又は凹面に形成するので、この面が凸面である場合に比べて、跳ね上がった異物を受け流さずに受け止めて落下させることができる。
この構成によれば、止水壁73をパワーユニットUのラジエータカバー26aの車幅方向外側(パワーユニットU本体と反対側)に設けるので、止水壁73をラジエータカバー26aの車幅方向内側(パワーユニットU本体側)に設ける場合と比べて、以下の効果を奏する。すなわち、ラジエータカバー26aにおける路面からの跳ね返りを受けやすい車幅方向外側において、異物の飛散を効果的に抑えることができる。
この構成によれば、止水壁73がステップフロア29の下面後部29bと上下方向位置をラップさせるので、止水壁73が下面後部29bと上下方向で離間する場合と比べて、以下の効果を奏する。すなわち、下面後部29bからの跳ね上がりの多い高さで効果的に異物を受け止めることができる。
この構成によれば、複数の単位止水壁73a,73bがラジエータカバー26aからの起立高さを相互に異ならせるので、止水壁設置部位に応じて止水壁の起立高さを増減させつつ、トータルでは広い面積で跳ね上がった異物を受け止めることができる。
この構成によれば、止水壁73を垂直な方向から見たとき、複数の単位止水壁73a,73bの各々が他の単位止水壁に全て隠れることなく、少なくとも一部を露出させるので、個々の単位止水壁73a,73bを小型にして成形を容易にしながらも、止水壁73全体で広い面積で跳ね上がった異物を受け止めることができる。
この構成によれば、複数の単位止水壁73a,73bのラジエータカバー26aからの起立高さが相互に平行をなすので、ラジエータカバー26aの成型の容易化を図ることができる。
この構成によれば、止水壁73が冷却ファンおよび冷却装置の少なくとも一方を覆うラジエータカバー26aに設けられるので、比較的形状自由度の高いラジエータカバー26aに止水壁73を併せて形成することが可能となる。このため、部品点数を増加させることなく、止水壁73を容易に設置することができる。
この構成によれば、ラジエータカバー26aに対して後輪WRを挟んだ反対側にエアクリーナ25を備える構成において、ラジエータカバー26a側の止水壁73によって跳ね上がった異物の飛散を抑えることで、以下の効果を奏する。すなわち、ラジエータカバー26a側の止水壁73で跳ね上がった異物の飛散を抑えることで、飛散した異物が後輪WRの回転による乱流でエアクリーナ25側に至って吸気に影響を与えることを抑えることができる。
車両下方に臨むロア部材は、ステップフロアに限らず、ロアカウル等でもよい。ロア部材と後輪との間に位置する構成部品は、ラジエータカバーに限らず、適宜の機能部品やカバー部品等でもよい。ロア部品の後端から後上がりに延びる第一仮想線は、後端立ち上がり部の延長線に限らず、車両側面視で後端立ち上がり部の任意個所から後上がりに延びて後輪に接する直線の全てを含んでもよい。
前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクーター型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれ、かつ原動機に電気モータを含む車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
WR 後輪
AR 車軸
E エンジン(内燃機関)
U パワーユニット
25 エアクリーナ
26 ラジエータ(放熱部)
26a ラジエータカバー(構成部品、カバー部材)
29 ステップフロア(ロア部材)
29b1 下面部
29b2 後端
29b 下面後部(後端立ち上がり部)
73 止水壁(突出部)
73a 第一単位止水壁(単位突出部)
73b 第二単位止水壁(単位突出部)
T1 線分(第一仮想線)
T2 延長線(第一仮想線)
T3 直交線
T4 第二仮想線
T5 第三仮想線
A5 領域
Claims (10)
- 車両下方に臨むロア部材(29)と、
前記ロア部材(29)の後方に位置し、後輪(WR)に駆動力を発生させるパワーユニット(U)と、を備え、
前記ロア部材(29)は、車両前後方向に延びて車両下方に臨む下面部(29b1)を備え、
前記下面部(29b1)の後端(29b2)と前記後輪(WR)との間には、前記パワーユニット(U)の構成部品(26a)を備え、
前記構成部品(26a)は、車両側方を向く外気取入口(65)を形成しており、車両側面視で前記外気取入口(65)を囲う複数の辺部(67a~67f)と、前記複数の辺部(67a~67f)の一部から車両側面視で前記外気取入口(65)とは反対側に延びる延出部(68b)と、を備え、かつ前記延出部68bに、車幅方向外側に突出する突出部(73)を備え、
前記突出部(73)は、車両側面視において、前記下面部(29b1)の後端(29b2)から後上がりに延びて前記突出部(73)の上方を通る第一仮想線(T2)と、前記後輪(WR)の車軸(AR)を通り車両上下方向に平行な第二仮想線(T4)と、前記後端(29b2)を通り車両前後方向に平行な第三仮想線(T5)と、に囲まれた領域(A5)内に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記突出部(73)は、車両側面視で後下がりに傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 前記突出部(73)は、車両側面視で水平面に対して45度未満の角度で後下がりに傾斜し、かつ車両側面視で前記第一仮想線(T2)との直交線(T3)よりも水平寄りに傾斜を寝かせて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
- 前記突出部(73)は、前記下面部(29b1)側を向く面を、平面又は凹面に形成していることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記ロア部材(29)は、前記下面部(29b1)の後端(29b2)から上方に立ち上がる後端立ち上がり部(29b)を備え、
前記突出部(73)は、前記後端立ち上がり部(29b)と上下方向位置が重なる高さに配置されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記突出部(73)は、複数の単位突出部(73a,73b)を備え、前記複数の単位突出部(73a,73b)は、前記突出部(73)に対して垂直な方向から見たとき、前記構成部品(26a)からの起立高さを相互に異ならせていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
- )
前記突出部(73)は、複数の単位突出部(73a,73b)を備え、前記複数の単位突出部(73a,73b)は、前記突出部(73)に対して垂直な方向から見たとき、少なくとも一部を露出させていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記突出部(73)は、複数の単位突出部(73a,73b)を備え、前記複数の単位突出部(73a,73b)は、前記構成部品(26a)からの起立方向を相互に平行にしていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記パワーユニット(U)および前記パワーユニット(U)の冷却装置の少なくとも一方に冷却風を送る冷却ファンと、
前記冷却ファンおよび前記冷却装置の放熱部(26)の少なくとも一方を覆う前記構成部品(26a)としてのカバー部材(26a)と、を備え、
前記突出部(73)は、前記カバー部材(26a)に設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記パワーユニット(U)は内燃機関(E)を備え、
前記構成部品(26a)に対して車幅方向で前記後輪(WR)を挟んだ反対側には、前記内燃機関(E)に供給する外気をろ過するエアクリーナ(25)を備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019134063A JP6997141B2 (ja) | 2019-07-19 | 2019-07-19 | 鞍乗り型車両 |
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