以下、車両のスライドドアに設けられた操作検出装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両1は、車体2の側面に設けられたドア開口部3を開閉するスライドドア5を備えている。本実施形態の車両1において、このスライドドア5は、所謂後開き型の後部ドアとしての構成を有している。即ち、このスライドドア5は、車両後方側(図1中、右側)に移動することにより開作動し、車両前方側(同図中、左側)に移動することにより閉作動する。また、本実施形態の車両1には、図示しないラッチ機構を駆動することによりスライドドア5を全閉状態に拘束し、及びその拘束を解除するドアロック装置6が設けられている。更に、この車両1には、図示しないモータを駆動源としてスライドドア5を開閉駆動することが可能な開閉駆動装置7が設けられている。そして、本実施形態の車両1は、これにより、そのスライドドア5をモータ駆動により開閉動作させることが可能となっている。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態の車両1において、これらのドアロック装置6及び開閉駆動装置7は、ドアECU10によって、その作動が制御されている。更に、このドアECU10には、例えば、そのスライドドア5や利用者が保持する携帯機(図示略)等に設けられた操作入力部が操作されたことを示す操作入力信号Scrが入力される。そして、本実施形態のドアECU10は、この操作入力信号Scrに示される作動要求に基づいて、そのドアロック装置6及び開閉駆動装置7の作動を制御する構成になっている。
即ち、本実施形態のドアECU10は、例えば、操作入力信号Scrに示されたロック要求又はアンロック要求を検知した場合には、携帯機を用いた所謂電子キー等のセキュリティ要件を満たすことを条件として、そのドアロック装置6を制御する。そして、これにより、そのロック要求に従いスライドドア5を全閉状態に拘束し、及びアンロック要求に従いスライドドア5の拘束を解除する構成になっている。
更に、本実施形態のドアECU10は、スライドドア5がアンロック状態にある場合、又はドアロック装置6の作動によるアンロック状態への移行が許可されることを条件として、その開閉駆動装置7の作動を制御する。そして、これにより、その操作入力信号Scrに示された開作動要求に従いスライドドア5を開動作させ、及び閉作動要求に従いスライドドア5を閉動作させる構成になっている。
また、図1及び図2に示すように、本実施形態の車両1において、スライドドア5には、例えば、検出体となる利用者の手等が近接することにより、その出力信号が変化する操作検出ユニット15が設けられている。具体的には、本実施形態の操作検出ユニット15は、検出体の近接により静電容量が変化するセンサ電極20を備えている。更に、本実施形態の車両1においては、この操作検出ユニット15の出力信号もまた、ドアECU10に入力されるようになっている。そして、本実施形態の車両1においては、これにより、非接触にて、そのスライドドア5に対する操作入力を検出することが可能な操作検出装置21が形成されている。
詳述すると、本実施形態の操作検出ユニット15は、第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cと、これらの各センサ電極20の静電容量C1,C2,C3を、それぞれ独立に検出する検出回路23と、を備えている。また、本実施形態の車両1において、この操作検出ユニット15は、スライドドア5に設けられた窓部30の内側、詳しくは、その下枠部30b近傍に配置される。更に、本実施形態の操作検出ユニット15は、その第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cを、この並び順で、車両前後方向に延びる下枠部30bの延在方向、つまりはスライドドア5の開閉動作方向に並置する。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これらの各センサ電極20を車外から視認可能な構成になっている。
即ち、図1及び図2に示すように、本実施形態の操作検出装置21は、窓部30の外側から検出体Xとなる手等を操作検出ユニット15に近付けることにより、その各センサ電極20の静電容量Cx、つまりは上記第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cの各静電容量C1,C2,C3が変化する。更に、この操作検出ユニット15は、そのセンサ電極20の静電容量Cxを示す操作検出信号Sxとして、これらの第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cの各静電容量C1,C2,C3を示す第1操作信号S1、第2操作信号S2、及び第3操作信号S3をドアECU10に出力する。そして、本実施形態の操作検出装置21は、この操作検出信号Sxに基づいて、そのドアECU10が、スライドドア5に対する操作入力を検出する構成になっている。
具体的には、本実施形態のドアECU10は、操作検出信号Sxとして操作検出ユニット15から入力される第1操作信号S1、第2操作信号S2、及び第3操作信号S3に示される第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cの各静電容量C1,C2,C3を所定の閾値Cthと比較する。更に、ドアECU10は、これら操作検出信号Sxに示されるセンサ電極20の静電容量Cxが閾値Cthを超える場合には、その静電容量変化の特徴を所定の操作入力パターンと比較する。そして、これにより、その利用者による操作入力の態様を判別する構成になっている。
例えば、図3に示すように、操作検出ユニット15に近付けた手を車両前方から後方側に動かした場合には、その閾値Cthを超える静電容量変化のピークが、第1操作信号S1、第2操作信号S2、及び第3操作信号S3に示される各静電容量C1,C2,C3の順で変化する。つまりは、その車両前後方向に並置された第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cの並び順で変化する。そして、本実施形態の操作検出装置21においては、このような車両前方から後方側、即ちスライドドア5の開動作方向に検出体Xを動かす操作入力パターンが、そのスライドドア5を開動作させるための開作動要求を示す操作入力として設定されている。
詳述すると、図4のフローチャートに示すように、本実施形態のドアECU10は、閾値Cthを超える静電容量変化のピークが、第1操作信号S1、第2操作信号S2、及び第3操作信号S3に示される各静電容量C1,C2,C3の順で遷移したか否かを判定する(ステップ101)。そして、このような静電容量変化の特徴を検出した場合(ステップ101:YES)には、開閉駆動装置7の作動を制御して、そのスライドドア5を開駆動する(ステップ102)。
また、ドアECU10は、閾値Cthを超える静電容量変化のピークが、第3操作信号S3、第2操作信号S2、及び第1操作信号S1に示される各静電容量C3,C2,C1の順で遷移したか否かを判定する(ステップ103)。即ち、このような静電容量変化の特徴は、図5に示す例とは反対に、その操作検出ユニット15に近付けた手を車両後方から前方側、即ちスライドドア5の閉動作方向に動かした場合に検出される。そして、本実施形態のドアECU10は、このような静電容量変化の特徴を検出した場合(ステップ103:YES)には、開閉駆動装置7の作動を制御して、そのスライドドア5を閉駆動するになっている(ステップ104)。
更に、操作検出装置21においては、操作検出ユニット15に対し、車幅方向外側から手等の検出体Xを近付ける所謂「手かざし操作」もまた、そのスライドドア5に対する操作入力パターンに設定されている。尚、本実施形態の操作検出ユニット15は、第2センサ電極20bが設けられた長手方向略中央部分が、その手かざし操作の操作位置に設定されている。そして、本実施形態のドアECU10は、操作検出信号Sxに示される静電容量変化についての特徴が、このような手かざし操作の操作入力パターンに該当する場合には、スライドドア5の動作位置に基づいて、このスライドドア5を開閉駆動する構成になっている。
具体的には、図5のフローチャートに示すように、本実施形態のドアECU10は、所定時間以上、第2操作信号S2に示される第2センサ電極20bの静電容量C2が、上記所定の閾値Cthを超える状態にあるか否かを判定する(ステップ201)。更に、ドアECU10は、その第2操作信号S2に示される第2センサ電極20bの静電容量C2が、所定時間以上、閾値Cthを超える状態にある場合(ステップ201:YES)、即ち上記のような利用者による手かざし操作を検出した場合には、続いて、そのスライドドア5が全閉位置にあるか否かを判定する(ステップ202)。そして、スライドドア5が全閉位置にある場合(ステップ202:YES)には、このスライドドア5を開駆動し(ステップ203)、何れかの開動作位置にある場合(ステップ202:NO)には、そのスライドドア5を閉駆動する構成になっている(ステップ204)。
(操作ガイド機能)
次に、本実施形態の操作検出装置21に実装された操作ガイド機能について説明する。
図6(a)(b)に示すように、本実施形態の操作検出装置21において、第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cは、それぞれ、隙間40を空けて並置された第1電極部41及び第2電極部42を備えている。具体的には、これらの第1電極部41及び第2電極部42は、それぞれ、各センサ電極20が並置された方向に延びる長尺略矩形平板形状を有している。更に、第1電極部41及び第2電極部42は、各センサ電極20が並置された方向に対して直交する方向、即ち車両1に搭載された状態において、その上下方向に離間した位置に配置されている。そして、本実施形態の各センサ電極20は、これにより、その第1電極部41と第2電極部42との間に、これらの各センサ電極20が並置された方向に延びる隙間40を有する構成となっている。
また、本実施形態の操作検出装置21において、第1電極部41及び第2電極部42は、接続部43を介して接続されている。具体的には、本実施形態の各センサ電極20は、それぞれ、これらの第1電極部41、第2電極部42、及び接続部43を一体に備えたセンサ電極部材45を用いて構成されている。そして、本実施形態の操作検出装置21は、これにより、その隙間40を空けて並置された第1電極部41及び第2電極部42が、一つのセンサ電極20として機能する構成になっている。
更に、本実施形態の操作検出装置21は、各センサ電極20を用いた操作入力が行われる方向、つまりは、図6(a)中、紙面に対して手前側から見て、これらの各センサ電極20を構成する上記第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に位置する発光体50を有した操作ガイド部55を備えている。
詳述すると、本実施形態の操作検出装置21において、第1センサ電極20aを構成する第1電極部41a及び第2電極部42a間の隙間40aは、その車両前後方向(図6中、左右方向)に延在する第1電極部41a及び第2電極部42aの矩形形状に基づいて、車両前後方向に延びている。また、第2センサ電極20bを構成する第1電極部41b及び第2電極部42b間の隙間40b、及び第3センサ電極20cを構成する第1電極部41c及び第2電極部42c間の隙間40cもまた、車両前後方向に延びている。更に、本実施形態の操作検出装置21においては、これらの各隙間40a,40b,40cが直線的に連続するように、第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cが並置されている。そして、本実施形態の操作ガイド部55は、その発光体50として、これらの各隙間40a,40b,40cに対応して、車両前後方向に並ぶ複数のLED(発光ダイオード)51を有している。
具体的には、本実施形態の操作ガイド部55は、その直線的に連続して延びる各隙間40a,40b,40cに対し、各LED51を略均等間隔で一列に配置する。更に、この操作ガイド部55は、各隙間40a,40b,40cに対して、それぞれ、同数のLED51を配置する。そして、本実施形態の操作ガイド部55は、これらの各LED51を、それぞれ、独立に点灯させることが可能となっている。
図2に示すように、本実施形態の操作検出装置21において、操作ガイド部55は、上記各センサ電極20とともに操作検出ユニット15に一体化されている。更に、この操作ガイド部55は、上記ドアECU10によって、その作動が制御されている。具体的には、本実施形態のドアECU10は、スライドドア5の近傍に利用者を検知した場合に、その開閉動作状態に応じて、操作ガイド部55の各LED51を点灯させる。尚、本実施形態のドアECU10は、利用者が保持する携帯機と無線通信を行う等により、その利用者の近接を検知する。そして、本実施形態の操作検出装置21は、これにより、その検出体Xとなる利用者の手等を、正しく各センサ電極20に近付けるとともに、併せて、そのスライドドア5の開閉動作状態に応じた適切な操作入力パターンを誘導する構成になっている。
さらに詳述すると、図6及び図7(a)に示すように、本実施形態のドアECU10は、スライドドア5が全閉状態にある場合において、その利用者の近接が検知された場合、先ず、最も車両前方側に配置された第1センサ電極20aに対応する位置に配置された各LED51aを点灯させる。更に、その後、第1センサ電極20aに対する検出体Xの近接を検出した場合には、図7(b)に示すように、各センサ電極20の隙間40に跨るかたちで一列に整列配置された操作ガイド部55の各LED51を、車両前方側から後方側に向かって順次、点灯し、及び消灯させる。そして、本実施形態の操作検出装置21は、これにより、車両前方側から後方側に向かって移動する光の残像を利用して、上記のようなスライドドア5を開作動させる操作入力パターンの実行、つまりは、所謂後方スワイプ操作を誘導する構成になっている。
また、図6及び図8(a)に示すように、本実施形態のドアECU10は、スライドドア5が全開状態にある場合において、その利用者の近接が検知された場合には、先ず、最も車両後方側に配置された第3センサ電極20cに対応する位置に配置された各LED51cを点灯させる。更に、その後、第3センサ電極20cに対する検出体Xの近接を検出した場合には、図8(b)に示すように、操作ガイド部55の各LED51を、車両後方側から前方側に向かって順次、点灯し、及び消灯させる。そして、本実施形態の操作検出装置21は、これにより、車両後方側から前方側に向かって移動する光の残像を利用して、上記のようなスライドドア5を閉作動させる操作入力パターンの実行、つまりは、所謂前方スワイプ操作を誘導する構成になっている。
尚、この他、例えば、図6及び図9に示すように、スライドドア5が半開状態にある場合において、その利用者の近接が検知された場合には、車両前後方向中央位置に設けられた第2センサ電極20bに対応する位置に配置された各LED51bを点灯させることが考えられる。そして、これにより、その手かざし操作の検出に用いる第2センサ電極20bに対し、正しく、その検出体Xとなる利用者の手等を誘導することができる。
(操作検出ユニット)
次に、本実施形態の操作検出装置21における操作検出ユニット15の構造について説明する。
図10〜図12に示すように、本実施形態の操作検出装置21において、操作検出ユニット15は、車両1に搭載された状態において、車両前後方向に延びる長尺略扁平角筒形状を有したケース60を備えている。また、この操作検出ユニット15は、第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cに用いる各センサ電極部材45a,45b,45cをケース60内に保持するホルダ部材61を備えている。更に、この操作検出ユニット15は、操作ガイド部55の発光体50を構成する各LED51が実装された基板62を備えている。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、そのケース60を支持する状態でスライドドア5に固定されるブラケット63を備えている。
詳述すると、本実施形態のブラケット63は、断面略L字状の固定部64を備えている。更に、この固定部64の先端部分には、締結孔64xが設けられている。そして、本実施形態のブラケット63は、この締結孔64xに挿通されたボルト65の締結力に基づいて、スライドドア5のインナーパネル66に固定される構成になっている。
また、本実施形態のケース60は、長尺略矩形平板状の外形を有したベース部材67に対し、その実装面67a側を覆うカバー部材68を組み付けることにより形成される。更に、このケース60は、そのベース部材67の裏面67bを、ブラケット63側に向けた状態で、このブラケット63に対して固定される。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、そのケース60のカバー部材68を車外側に向けた状態、つまりは、このカバー部材68の意匠面68sが窓ガラス30xに対向する状態で、そのスライドドア5に設けられた窓部30の内側に支持される構成になっている。
尚、本実施形態のブラケット63は、金属製の板材を塑性加工することにより形成される。更に、このブラケット63は、その固定されたベース部材67の裏面67b側を覆うシールド部69を有している。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、このブラケット63が電磁シールドとして機能することで、車両の乗員による車内側の動きに基づいた誤検出の発生を回避する構成になっている。
また、本実施形態の操作検出ユニット15においては、このベース部材67の実装面67aに対して、各LED51の基板62、及び各センサ電極部材45を保持するホルダ部材61が順次組み付けられる。
詳述すると、本実施形態の基板62は、長尺略矩形平板状の外形を有している。また、各LED51は、この基板62の実装面62aにおける短手方向、略中央位置において、その長手方向に沿って略均等間隔で一列に並んで配置されている。そして、本実施形態の基板62は、その裏面62b側をベース部材67の実装面67aに向けた状態で、このベース部材67に固定される構成になっている。
また、本実施形態の操作検出ユニット15において、ベース部材67とともにケース60を構成するカバー部材68には、上記のように基板62上に設けられた各LED51に対向する位置において、その意匠面68sに開口するスリット70が設けられている。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、このスリット70を介して各LED51の照射光が視認される構成になっている。
一方、本実施形態のホルダ部材61は、ベース部材67の実装面67aに直交する方向に開口する筒状部71を備えている。本実施形態のホルダ部材61において、この筒状部71は、互いに対向する状態でベース部材67の長手方向に延在する一対の側壁部72w,72wを有した扁平形状をなしている。そして、本実施形態のホルダ部材61は、この筒状部71の第1開口端71a側が、その各LED51が設けられた基板62の実装面62aに対向する状態で、ベース部材67の実装面67aに固定される構成になっている。
また、本実施形態のホルダ部材61は、その筒状部71の第2開口端71bからベース部材67の短手方向に延設された第1フランジ部81及び第2フランジ部82を備えている。更に、本実施形態のホルダ部材61においては、これらの第1フランジ部81及び第2フランジ部82もまた、それぞれ、そのベース部材67の長手方向に延設されている。そして、本実施形態のホルダ部材61は、これらの第1フランジ部81及び第2フランジ部82に対し、その各センサ電極20を構成する第1電極部41及び第2電極部42が固定された状態で各センサ電極部材45をケース60の内側に保持する構成になっている。
具体的には、本実施形態の操作検出ユニット15において、第1センサ電極20aを構成する第1電極部41a及び第2電極部42aを備えたセンサ電極部材45aは、図12中、左側の端部近傍において、そのホルダ部材61に保持される。また、第3センサ電極20cを構成する第1電極部41c及び第2電極部42cを備えたセンサ電極部材45cは、同図中、右側の端部近傍において、そのホルダ部材61に保持される。そして、第2センサ電極20bを構成する第1電極部41b及び第2電極部42bを備えたセンサ電極部材45bは、これらセンサ電極部材45a,45cの間の位置において、そのホルダ部材61に保持される構成になっている。
また、これらの各センサ電極部材45は、それぞれ、操作検出ユニット15が車両1に搭載された状態において上方に延びる第1フランジ部81に対して第1電極部41が固定されるとともに、下方に延びる第2フランジ部82に対して第2電極部42が固定される。更に、本実施形態のホルダ部材61は、ベース部材67の実装面67aに組み付けられた状態において、基板62上に実装された各LED51が、その第1開口端71aを介して筒状部71の筒内に臨むように構成されている。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、このホルダ部材61に保持された各センサ電極部材45が形成する各センサ電極20を用いた操作入力が行われる方向、つまりは、スライドドア5の開閉操作を行う車外の利用者側から見て、その第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に各LED51が配置される構成になっている。
即ち、本実施形態のホルダ部材61は、少なくとも、各LED51の基板62に直交する方向に延在する筒状部71の軸方向長さ(図6中、左右方向の長さ)以上、この基板62から離間した位置に、その各センサ電極20を構成する第1電極部41及び第2電極部42を保持する。換言すると、本実施形態の操作検出ユニット15において、基板62は、各センサ電極20を用いた操作入力が行われる方向から見て、その第1電極部41及び第2電極部42よりも奥行方向(図6中、右側)の位置に配置されている。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、これらの第1電極部41及び第2電極部42と各LED51の基板62との間の静電的な結合が、その操作入力の検出に与える影響を低減する構成になっている。
また、本実施形態のホルダ部材61においては、上記各側壁部72w,72wを含め、奥行方向に延びる側壁部72を有した筒状部71が、その第1開口端71a側に配置された各LED51の導光路Lを形成する導光部材85として機能する。更に、カバー部材68には、その意匠面68sに開口する上記スリット70をケース60の内側から覆う態様で、透光性を有した拡散板86が固定される。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、その第1電極部41及び第2電極部42から奥行方向に離間した位置に設けられた各LED51の照射光を、効率よく、これらの第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に臨む位置に設けられたカバー部材68のスリット70を介して視認することのできる構成になっている。
尚、本実施形態の操作検出ユニット15は、車両1に対する搭載状態において、そのホルダ部材61の下側となる位置に保持される長尺略平板状の電極部材87を備えている。そして、本実施形態の操作検出装置21は、この電極部材87を接地電極に用いる構成となっている。
さらに詳述すると、図6、図12及び図13に示すように、本実施形態の操作検出ユニット15において、各センサ電極部材45は、それぞれ、第1電極部41及び第2電極部42の長手方向に離間する二位置において、これらの第1電極部41及び第2電極部42間を接続する一対の接続部43を備えている。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これらの各接続部43が、それぞれ、その各LED51が一列に並んで配置された方向、つまりは、第1電極部41及び第2電極部42の長手方向に沿う方向において、これらの各LED51と重複しない位置に配置されるように構成されている。
また、図14及び図15に示すように、本実施形態の各センサ電極部材45において、各接続部43は、その第1電極部41及び第2電極部42が形成するセンサ電極20を用いた操作入力が行われる方向から見て、その奥行方向、つまりは、各LED51の基板62に近づく方向に突出した断面略コ字形状を有している。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、これらの各接続部43が、上記奥行方向における第1電極部41及び第2電極部42と各LED51の基板62との間の位置において、その第1電極部41及び第2電極部42間を接続する方向、つまりは、車載状態において、車両1の上下方向に延在するように構成されている。
即ち、各LED51が並置された方向において、これらの各LED51に対してセンサ電極部材45の接続部43が重複しないことにより、第1電極部41及び第2電極部42が形成するセンサ電極20を用いた操作入力が行われる方向から見て、その接続部43が、各LED51の照射光を直接的に遮らないようにすることができる。そして、この接続部43が複数方向から照射光を受ける状況では、その影が目立ち難いという利点がある。
また、発光体50の多くは指向性を有する。特に、LED51は、その指向性が強いため、照射光が広がり難い傾向がある。このため、そのLED51の照射光が指向する方向からずれた位置、つまりは基板62上のLED51と正対する位置にない場合には、このLED51の基板62に近づくことで、その受ける光量を低減することができる。
この点を踏まえ、本実施形態の操作検出ユニット15においては、上記のように、各センサ電極部材45の接続部43を、操作入力が行われる方向から見て、その第1電極部41及び第2電極部42よりも奥行方向側の位置において、これらの第1電極部41及び第2電極部42間を接続する方向に延在させる。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、各センサ電極部材45の接続部43が一方向から照射光を受ける状況においても、その影が目立ち難い構成となっている。
更に、本実施形態の操作検出ユニット15においては、各センサ電極部材45の接続部43を、各LED51の基板62から離間させる。そして、これにより、この基板62と接続部43との間の静電的な結合が、そのセンサ電極20を用いた操作入力の検出に与える影響を低減する構成になっている。
さらに詳述すると、本実施形態の各接続部43は、第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に臨む当該第1電極部41及び第2電極部42の縁部91,92から奥行方向に延びる奥行方向延伸部93,93と、これらの奥行方向延伸部93,93間を接続する接続方向延伸部94と、を有している。また、本実施形態の操作検出ユニット15において、導光部材85としてホルダ部材61は、その奥行方向に延びる筒状部71の側壁部72に設けられた溝状の凹部95を有している。具体的には、本実施形態のホルダ部材61は、各センサ電極部材45の接続部43が配置される長手方向の複数箇所に、これらの凹部95,95を有している。更に、このホルダ部材61は、これら各凹部95,95の内側に、その各接続部43の奥行方向延伸部93,93を収容する。そして、本実施形態の操作検出ユニット15は、これにより、その奥行方向延伸部93,93の影が、第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に投影されない構成となっている。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)操作検出装置21は、隙間40を空けて並置された状態で一つのセンサ電極20として機能する第1電極部41及び第2電極部42と、そのセンサ電極20を用いた操作入力が行われる方向から見て第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に位置する発光体50を有した操作ガイド部55と、を備える。
上記構成によれば、発光体50の照射光を利用することにより、その第1電極部41及び第2電極部42が形成するセンサ電極20に対して、正しく、検出体Xとなる利用者の手等を誘導することができる。更に、発光体50の点灯及び消灯を制御することで、多様な操作入力パターンに対応した様々な操作ガイドを表現することができる。そして、これにより、容易に適切な操作入力を行うことができる。
特に、第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40で点灯する発光体50に対して、利用者が手等の検出体Xを近付ける構成とすることで、その検出体Xが、第1電極部41又は第2電極部42の少なくとも何れかに対向して配置される可能性が高くなる。そして、これにより、精度よく、そのセンサ電極20を用いた操作入力の検出を行うことができる。
(2)操作検出装置21は、第1電極部41、前記第2電極部42、並びに、これらの第1電極部41及び第2電極部42間を接続する接続部43を一体に備えたセンサ電極部材45を有する。
即ち、第1電極部41及び第2電極部42を物理的に接続することで、これらの第1電極部41及び第2電極部42が形成するセンサ電極20を用いた操作入力検出の演算負荷を低減し、及び検出回路23の規模を抑えることができる。そして、そのセンサ電極20の構成要素をセンサ電極部材45として一体化することにより、組付け作業の容易化を図ることができる。
(3)操作ガイド部55は、第1電極部41及び第2電極部42が形成するセンサ電極20を用いた操作入力が行われる方向から見て、これら第1電極部41及び第2電極部42よりも奥行方向の位置に設けられる基板62と、この基板62上に並置された複数の発光体50と、を備える。更に、センサ電極部材45の接続部43は、各発光体50が並置された方向において、これらの各発光体50に重複しない位置で、その第1電極部41及び第2電極部42間を接続する。そして、この接続部43は、上記奥行方向における第1電極部41及び第2電極部42と発光体50の基板62との間の位置において、その第1電極部41及び第2電極部42間を接続する方向に延在する。
上記構成によれば、第1電極部41及び第2電極部42が形成するセンサ電極20を用いた操作入力が行われる方向から見て、センサ電極部材45の接続部43が、各発光体50の照射光を直接的に遮らないようにすることができる。そして、この接続部43が複数方向から照射光を受ける状況では、その影が目立ち難くなるという利点がある。
また、発光体50の多くは指向性を有することから、その発光体50の照射光が指向する方向からずれた位置、つまりは基板62上の発光体50と正対する位置にない場合には、この発光体50の基板62に近づくことで、その受ける光量を低減することができる。従って、上記構成によれば、センサ電極部材45の接続部43が一方向から照射光を受ける状況においても、その影を目立ち難くすることができる。更に、センサ電極部材45の接続部43を、各発光体50の基板62から離間させることで、この基板62と接続部43との間の静電的な結合が、そのセンサ電極20を用いた操作入力の検出に与える影響を低減することができる。そして、これにより、精度よく、そのセンサ電極20を用いた操作入力の検出を行うことができる。
(4)操作検出装置21は、奥行方向に延在する側壁部72を有して第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に各発光体50の導光路Lを形成する導光部材85を備える。更に、センサ電極部材45の接続部43は、その隙間40に臨む第1電極部41及び第2電極部42の縁部91,92から奥行方向に延びる奥行方向延伸部93,93を有する。そして、導光部材85の側壁部72には、その奥行方向延伸部93,93を収容する凹部95,95が設けられる。
上記構成によれば、奥行方向延伸部93,93の影が、第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40に投影されないようにすることができる。そして、これにより、質感の向上を図ることができる。
(5)操作検出装置21は、第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40が連続するように並置された複数のセンサ電極20を備える。
即ち、複数のセンサ電極20を並置することにより、これらの各センサ電極20による検出体Xの検出を組み合わせた多様な操作入力パターンを設定することができる。そして、これら各センサ電極20が形成する連続した複数の隙間40に跨るかたちで操作ガイド部55を配置することで、その多様な操作入力パターンに対応した様々な操作ガイドを好適に表現することができる。
(6)操作検出装置21は、車両1のスライドドア5に設けられた窓部30の内側にセンサ電極20を配置する。
即ち、このような構成を採用した場合、センサ電極20は、窓部30の下枠部30b近傍に配置されることが多い。更に、この場合、そのスライドドア5との間の静電的な結合が操作入力の検出に与える影響を低減するために、センサ電極20は、窓部30の下枠部30bから上方に離間した位置に配置される。このため、このセンサ電極20の下側周縁部に、その操作ガイド部55を配置する構成が考えられる。
しかしながら、窓部30の下枠部30b近傍に配置されたセンサ電極20に対しては、このセンサ電極20の下方側から、その検出体Xとなる利用者の手が近づけられる可能性が高い。従って、センサ電極20の下方で操作ガイド部55の発光体50を点灯させた場合には、その照射光を目標に利用者が手を伸ばすことにより、この検出体Xとしての手が、正しくセンサ電極20に対向する位置に配置されないおそれがある。
この点、センサ電極20を構成する第1電極部41及び第2電極部42間の隙間40で発光体50が点灯する構成では、その照射光を目標に利用者が手を伸ばすことにより、この検出体Xとしての手が、第1電極部41及び第2電極部42のうち、下方に位置するものに対向して配置される可能性が高い。従って、このような窓部30の内側にセンサ電極20を配置する構成に、上記(1)〜(5)の構成を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、車両1のスライドドア5に設けられた窓部30の内側に、操作検出ユニット15として一体化されたセンサ電極20及び操作ガイド部55を配置する構成とした。しかし、これに限らず、センサ電極20及び操作ガイド部55を設ける位置は、必ずしも窓部30の内側でなくともよく、任意に変更してもよい。更に、センサ電極20及び操作ガイド部55は、必ずしも、操作検出ユニット15として一体化されていなくともよい。そして、例えば、スイングドアやバックドア等、型式の異なるドアを有した車両に対して、そのセンサ電極20及び操作ガイド部55を配置する構成に具体化してもよい。
・上記実施形態では、車両前後方向に並置された第1センサ電極20a、第2センサ電極20b、及び第3センサ電極20cを備えることとしたが、センサ電極20の数、及び配置については、任意に変更してもよい。即ち、一つでもよく、2つでもよい。そして、4つ以上のセンサ電極20を備える構成であってもよい。
・上記実施形態では、隙間40を空けて並置された状態で一つのセンサ電極20として機能する第1電極部41及び第2電極部42は、ともに長尺略矩形平板形状を有することとしたが、その形状については、任意に変更してもよい。
・また、上記実施形態では、第1電極部41、前記第2電極部42、並びに、これらの第1電極部41及び第2電極部42間を接続する接続部43を一体に備えたセンサ電極部材45を有することとした。しかし、これに限らず、第1電極部41及び第2電極部42とは別体に形成された接続部43が、これらの第1電極部41及び第2電極部42間を接続する構成であってもよい。そして、このような物理的な接続部43を有することなく、例えば、第1電極部41及び第2電極部42の静電容量を独立に検出して、これら2つの値を合計する等、制御的に、その隙間40を空けて並置された第1電極部41及び第2電極部42が一つのセンサ電極20として機能する構成に適用してもよい。
・上記実施形態では、接続部43は、断面略コ字形状を有することにより、その奥行方向における第1電極部41及び第2電極部42と発光体50の基板62との間の位置において、これらの第1電極部41及び第2電極部42間を接続する方向に延在することとした。しかし、これに限らず、接続部43の形状は、任意に変更してもよい。例えば、第1電極部41及び第2電極部42と同一の平面上において、直線的に、これら第1電極部41及び第2電極部42間を接続する形状等であってもよい。
・上記実施形態では、操作ガイド部55の発光体50として、一列に並んで配置されたLED(発光ダイオード)51を用いることとした。しかし、これに限らず、LED51以外の発光体50を用いてもよい。更に、発光体50の数、及び配置についても、任意に変更してもよい。例えば、操作ガイド部55の発光体50が、第1電極部41及び第2電極部42と同一の平面上に配置される構成であってもよい。そして、その操作入力パターンを誘導する発光体50の点灯、及び消灯制御の態様についてもまた、任意に変更してもよい。