JP6956596B2 - シリンダ装置、及びシリンダ装置の製造方法 - Google Patents

シリンダ装置、及びシリンダ装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリンダ装置と、シリンダ装置の製造方法に関する。
従来、シリンダ装置の中には、緩衝器として機能するとともに、アウターシェルの側部に減衰力可変バルブを取り付けたものがある(例えば、特許文献1)。当該緩衝器では、減衰力可変バルブで緩衝器の伸縮時に生じる作動液の流れに与える抵抗を調節して緩衝器が発生する減衰力を高低調節できる。さらに、減衰力可変バルブをアウターシェルの側部に径方向外側へ突出させるように設けると、緩衝器のストローク長を犠牲にせずに緩衝器の軸方向長さを短くできる。よって、このようなシリンダ装置では搭載性を良好にできる。
また、シリンダ装置の中には、ストラット式サスペンションに使用され、アウターシェルの下端部外周に溶接固定したブラケットを介してナックルに連結されて、車輪の位置決め用の支柱として利用されるものがある。当該ブラケットを有するシリンダ装置が前述の減衰力可変バルブのような突出部を備える場合には、当該突出部がブラケットで覆われる部分に配置されることがある。その場合には、ブラケットに突出部の挿通を許容する孔を設け、当該孔により露出させたアウターシェルの側部に突出部を溶接する(例えば、特許文献2)。
特開2015−59574号公報 特開2015−197129号公報
上記ストラット式サスペンションに使用されるシリンダ装置のブラケットは、アウターシェルの外周を抱持する断面C字状の筒状部と、この筒状部の周方向の両端から径方向外側へ略平行に延びる一対の取付部とを有する。そして、ブラケットは、一対の取付部でナックルアームを挟んだ状態で固定される。
このようなブラケットの筒状部において、一対の取付部が連なる部分を前部、当該前部を正面に向けるとともに、筒状部の中心を通る軸が鉛直方向へ延びるように配置した状態での左部分及び右部分を側部とすると、車両のレイアウトの都合上、アウターシェルに溶接される突出部を、筒状部の側部から外方へ突出させるのが好ましい場合がある(例えば、特開2015−197129号公報の図2)。
しかし、このように突出部を筒状部の側部から外方へ突出させた状態では、いくら突出部を挿通するための孔を大きくしたとしても溶接するのが難しい。なぜなら、筒状部の前部には、取付部が連なっていて突出部と取付部との距離が近いので、取付部が溶接作業の邪魔になるためである。このため、外周にブラケットが装着されたアウターシェルと突出部とを溶接用の機械にセットして自動で溶接する場合には、トーチ、又はトーチを駆動するアーム等の上記機械を構成する部品と取付部との干渉を避けるため、溶接用の機械が大掛かりになってコスト高になったり、機械による自動溶接を断念せざるを得なくなったりする可能性がある。
そこで、本願発明は、ブラケットをアウターシェルに溶接等で固定した状態で突出部を筒状部の側部から外方へ突出させたシリンダ装置を得る場合に、突出部をアウターシェルに容易に溶接できるシリンダ装置、及びシリンダ装置の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するシリンダ装置では、突出部を設けたアウターシェルの外周に取り付けられるブラケットにおいて、アウターシェルの外周を抱持する断面C字状の筒状部の一方の側部から背部にかけて突出部の挿通を許容する広孔が形成されるとともに、筒状部の他方の側部にブリッジ部と、ブリッジ部により広孔と周方向に仕切られる狭孔が形成されており、ブラケットは突出部が広孔を通じて筒状部の側部から外方へ突出する状態でアウターシェルの外周に取付けられている。
上記構成によれば、突出部を広孔に挿通したまま突出部を筒状部の側部から外方へ突出させたり、背部から外方へ突出させたりできる。このため、シリンダ装置の完成時に突出部を筒状部の側部から外方へ突出させる場合であっても、突出部の溶接時には、突出部を筒状部の背部から外方へ突出させて、取付部を突出部の反対側へ向けられる。
よって、突出部溶接時に取付部が邪魔にならず、突出部をアウターシェルに容易に溶接できる。そして、突出部を溶接した後にブラケットを回し、突出部を筒状部の側部から外方へ突出させた状態でアウターシェルに溶接等で固定すれば、ブラケットをアウターシェルに固定した状態で突出部を筒状部の側部から外方へ突出させられる。
さらに、上記構成によれば、例えば、曲げ加工によりブラケットを形成する場合、曲げ加工前の段階では、母材における筒状部の両側部となる部分それぞれにブリッジ部を設けておき、曲げ加工後に片方のブリッジ部を打ち抜き加工で切除すると、上記したブラケットを形成できる。当該方法によれば、曲げ加工の段階では、母材における筒状部の両側部となる部分の剛性差を小さくできるので、ブラケットを容易に成形できる。また、残した方のブリッジ部で筒状部を補強できるので、強度上有利になる。
加えて、上記方法によれば、どちらのブリッジ部を切除する場合であっても、切除した方に形成される広孔を通じて筒状部の側部から突出部の突出を許容できるようにすれば、ブラケットを車両の車輪に連結する場合に、切除するブリッジ部の選択によりブラケットを左輪用にも右輪用にもできる。このため、上記構成によれば、ブラケットを左輪用にも右輪用にも対応させやすい。
また、上記シリンダ装置では、広孔における筒状部の背部に位置する部分の軸方向長さが、一方の側部に位置する部分の軸方向長さよりも長いとよい。当該構成によれば、突出部の溶接を一層容易にできる。
また、上記シリンダ装置では、筒状部の前部を正面に向けた状態で、筒状部の中心を軸方向に通る中心線を対称軸としてブリッジ部と線対称となる位置に当該ブリッジ部と線対称形状の仮想ブリッジ部があると仮定した場合、ブラケットの形状が中心線を対称軸として線対称形状であるとよい。
当該構成によれば、前述の方法でブラケットを形成する場合、母材における筒状部の両側部となる部分の剛性が略同じになるので、ブラケットを一層容易に成形できる。さらに、上記構成によれば、ブラケットを車両の車輪に連結する場合、切除するブリッジ部の選択により、ブラケットが左輪用にも右輪用にもなる。このため、ブラケットを左右両輪に対応させるのが一層容易である。加えて、左輪用と右輪用のブラケットを製造する場合において、ブリッジ部の切除前までの工程を共通化できる。
また、上記シリンダ装置では、広孔と狭孔が、少なくとも、突出部の中心を軸方向に通る直線を対称軸として線対称となる位置にそれぞれ開口するとよい。当該構成によれば、ブラケットの溶接後にアウターシェルに突出部の内側に通じる取付孔を形成する場合、突出部の真裏に位置するアウターシェルの外周を治具で直接支えた状態で孔開け加工できる。このため、取付孔の寸法精度を良好にできる。
また、上記シリンダ装置では、前記ブラケットが板状の母材を曲げ加工して形成されており、曲げ加工前の段階では、母材における筒状部の一方の側部及び他方の側部となる部分にそれぞれ側孔が形成され、これら側孔の間にこれら側孔とそれぞれブリッジ部で仕切られる中央孔が形成されている。そして、曲げ加工の後に、一方のブリッジ部を切除して中央孔と一方の側孔とをつなげて広孔を形成し、他方の側孔を狭孔とするとよい。当該方法によれば、一方の側部にブリッジ部を備えたブラケットを容易に形成できる。
本発明のシリンダ装置及びシリンダ装置の製造方法によれば、ブラケットをアウターシェルに溶接等で固定した状態で突出部を筒状部の側部から外方へ突出させたシリンダ装置を得る場合に、突出部をアウターシェルに容易に溶接できる。
本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器の取付状態を示した取付図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器の本体部の縦断面を簡略化して示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器のブラケットを示した右側面図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器のブラケットを示した左側面図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器のブラケットを示した正面図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器のブラケットを示した平面図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器のブラケットを展開したときの広孔及び狭孔の形状を示した参考図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器におけるブラケットの製造工程の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器の製造工程の説明図であり、(a)(b)は突出部溶接時における緩衝器の状態を示し、(c)(d)(e)はブラケット溶接時における緩衝器の状態を示す。 本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器の製造工程の説明図であり、(a)(b)(c)は孔開け加工時における緩衝器の状態を示す。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品を示す。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るシリンダ装置は、ストラット型サスペンションに使用される緩衝器Aであり、四輪自動車等の車両に利用されている。以下の説明では、緩衝器Aが車両に取り付けられた状態での上下を、特別な説明が無い限り、単に「上」「下」という。
緩衝器Aは、アウターシェル1と、アウターシェル1内に軸方向に移動可能に挿入されるロッド2とを有する本体部Dと、アウターシェル1の下端部を車輪Wに連結するブラケットBと、アウターシェル1の上方へ突出したロッド2の上端部を車体に連結するマウント(図示せず)と、マウントに取り付けられる上側のばね受(図示せず)と、アウターシェル1の外周に取り付けられる下側のばね受10と、上下のばね受の間に介装される懸架ばねSとを備える。
本実施の形態のブラケットBは、車輪Wを回転自在に支持するナックルNに固定されるナックルブラケットであり、ナックルアームn1にボルトで固定される。つまり、緩衝器Aの本体部Dは、ナックルブラケットであるブラケットBを介してナックルNに連結される。そして、緩衝器Aは、車輪Wの位置決め用の支柱として機能し、車両が凹凸のある路面を走行する等して車輪Wが車体に対して上下に振動すると、ロッド2がアウターシェル1に出入りして緩衝器Aが伸縮する。
当該緩衝器Aの伸縮時には、上下のばね受が遠近するので懸架ばねSも伸縮する。本実施の形態において、懸架ばねSはコイルばねであり、圧縮されると弾性変形して変形量に見合った弾性力を発揮する。そして、緩衝器Aでは、この懸架ばねSで車体を弾性支持するようになっている。
なお、懸架ばねSの構成及び配置は、適宜変更できる。例えば、懸架ばねSがエアばね等のコイルばね以外のばねであってもよい。また、本実施の形態では、懸架ばねSを本体部Dの外周に設け、これらを緩衝器Aとして一体化しているが、緩衝器Aとは別に懸架ばねSを設置してもよい。
つづいて、緩衝器Aの本体部Dは、図2に示すように、三重管構造となっており、アウターシェル1と、その内側に設けられる中間筒11と、さらにその内側に設けられるシリンダ12とを有する。また、本体部Dは、シリンダ12内に摺動自在に挿入されるピストン20と、シリンダ12の上端に嵌合する環状のロッドガイド13と、シリンダ12の下端に嵌合するボトム部材14とを備える。
そして、ロッド2は、ロッドガイド13の内側に挿通されて、当該ロッドガイド13で軸方向へ摺動自在に支えられており、シリンダ12内に挿入されたロッド2の下端にピストン20が連結されている。つまり、本実施の形態のロッド2はピストンロッドであり、ピストン20の片側へ延びている。
また、アウターシェル1は、有底筒状であり、筒部1aと、筒部1aの下端を塞ぐボトムキャップ1bとを有し、このボトムキャップ1bがアウターシェル1の底部となっている。その一方、筒部1aの上端は、ロッドガイド13で塞がれる。このようにしてアウターシェル1の内側は密閉空間とされており、当該アウターシェル1の内側に作動油等の液体と気体が収容されている。
より詳しくは、アウターシェル1の内側に設けたシリンダ12内には、液体が充填される液室が形成されており、当該液室がピストン20でロッド2側の伸側室R1と、その反対側(反ロッド側)の圧側室R2とに区画されている。ピストン20には、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容するピストン通路20aが形成されている。
また、シリンダ12と中間筒11との間に形成される筒状隙間R3には、液体が充填されている。そして、シリンダ12における伸側室R1に臨む位置には、通孔12aが形成されており、筒状隙間R3が通孔12aを介して常に伸側室R1と連通されている。
また、中間筒11とアウターシェル1との間には、液溜室R4が形成されている。当該液溜室R4には、液体が貯留されるとともに、その液面上側に気体が封入されている。ボトム部材14には、液溜室R4の液体をボトムキャップ1bとボトム部材14との間に導く切欠き14aが形成されるとともに、液溜室R4から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路14bが形成されている。
さらに、液溜室R4は、排出通路Lを介して筒状隙間R3と連通される。そして、この排出通路Lには、液体の流れに抵抗を与えるとともに、その抵抗を調整可能な減衰力可変バルブVが設けられている。
上記構成によれば、緩衝器Aの伸長時にピストン20がシリンダ12内を上方へ移動して伸側室R1が縮小すると、伸側室R1の液体が通孔12aを通って筒状隙間R3へ移動し、筒状隙間R3の液体が排出通路Lを通って液溜室R4へ移動する。当該液体の流れに対しては、減衰力可変バルブVにより抵抗が付与されるので、伸側室R1の圧力が上昇し、緩衝器Aの伸長作動を妨げる伸側減衰力が発生する。また、緩衝器Aの伸長時には、吸込通路14bが開き、液溜室R4の液体が吸込通路14bを通って拡大する圧側室R2へ供給される。
反対に、緩衝器Aの収縮時にピストン20がシリンダ12内を下方へ移動して圧側室R2が縮小すると、圧側室R2の液体がピストン通路20aを通って拡大する伸側室R1へ移動する。また、緩衝器Aの収縮時には、シリンダ12内に進入するロッド2体積分の液体がシリンダ12内で余剰になり、この余剰分の液体が通孔12aを通って筒状隙間R3へ移動し、筒状隙間R3の液体が排出通路Lを通って液溜室R4へ移動する。当該液体の流れに対しては、減衰力可変バルブVにより抵抗が付与されるので、シリンダ12内の圧力が上昇し、緩衝器Aの収縮作動を妨げる圧側減衰力が発生する。
このように、本実施の形態では緩衝器Aがユニフロー型となっており、緩衝器Aが伸縮すると、液体が伸側室R1、液溜室R4、及び圧側室R2をこの順に一方通行で循環するようになっている。また、緩衝器Aの伸縮時には、液体が排出通路Lを必ず流れるので、排出通路Lに設けた単一の減衰力可変バルブVで伸圧両側の減衰力を発揮できる。さらに、減衰力可変バルブVによって排出通路Lを流れる液体に付与される抵抗を調節すれば、伸圧両側の減衰力を高低調節できる。
この減衰力可変バルブVは、如何なる構成であってもよいが、例えば、排出通路Lに接続される通路が形成された弁座部材と、弁座部材に離着座して通路を開閉する主弁と、主弁の上流側の圧力を減圧して主弁の背面に導くパイロット通路と、パイロット通路の途中に設けられて主弁の背圧を制御するパイロット弁とを備えている。そして、パイロット弁が電磁弁である場合には、パイロット弁への通電量を調節してパイロット弁の開弁圧を大小させると、主弁の開弁圧を大小させて減衰力を高低調節できる。
また、本実施の形態において、減衰力可変バルブVは、ケースに収容されており、当該ケースは、アウターシェル1の側部に形成された取付孔1cの縁部に溶接される筒状のスリーブ30と、当該スリーブ30の開口を塞ぐキャップ31とを有して構成されている。当該構成によれば、アウターシェル1に溶接したスリーブ30の内側に減衰力可変バルブVを収容してキャップ31を嵌めると、アウターシェル1の側部に減衰力可変バルブVを装着できる。
そして、減衰力可変バルブVを含むケース部分は、アウターシェル1の側部に径方向外側へ突出しており、本実施の形態では、当該部分が突出部3となっている。しかし、突出部3は、必ずしも減衰力可変バルブVを含む部分でなくてもよい。そして、このような場合には、緩衝器Aの伸縮時に液体が流れる通路の構成を変更できるのは勿論、シリンダ装置が伸縮時に生じる液体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮する緩衝器Aでなくてもよい。例えば、シリンダ装置は、減衰力の発生に電磁力、摩擦力等を利用する緩衝器であっても、対象物を積極的に駆動するアクチュエータであってもよい。
つづいて、緩衝器Aのアウターシェル1をその取付対象であるナックルNへ連結するためのブラケットBは、図3−6に示すように、アウターシェル1の外周面に倣うように湾曲し、アウターシェル1の外周を覆う断面C字状の筒状部4と、この筒状部4の周方向の両端から径方向外側へ突出する一対の板状の取付部5,6と、複数の補強用のリブ7a,7b,7cと、突出部3との干渉を避けるための広孔8aとを有する。
本願明細書、及び特許請求の範囲において、一対の取付部5,6が設けられる部分をブラケットB及び筒状部4の前部、その反対側の部分を背部とし、図5に示すように、一対の取付部5,6(前部)を正面に向けるとともに、筒状部4の中心を軸方向に通る中心線Xが鉛直方向へ延びるように配置した状態での左部分及び右部分をそれぞれ左右の側部としている。
そして、図3は、ブラケットBの右側部を正面に向けた右側面図、図4は、ブラケットBの左側部を正面に向けた左側面図、図4は、ブラケットBの前部を正面に向けた正面図、図6は、図5のブラケットBを上側から見た平面図である。以下、説明の便宜上、図5に示すブラケットBの上、下、左、右、紙面手前、及び紙面奥を、それぞれブラケットBの「上」「下」「左」「右」「手前」「奥」とする。
筒状部4の形状は、周方向の一部に割4a(図6)の入った筒状である。割4aは、筒状部4の前部に軸方向に沿って形成されており、筒状部4を軸方向の一方から見たとき(軸方向視)の形状、及び筒状部4を径方向に切断したときの断面形状がそれぞれC字状となっている。そして、筒状部4において、割4aに対向する周方向の両端が手前に位置する。
つづいて、左右の取付部5,6は、筒状部4の周方向の両端から所定の間隔を保ちつつ手前側へ延びており、向い合せに配置されている。そして、左右の取付部5,6と筒状部4との境界部には、それぞれリブ7a,7b,7cが形成されている。本実施の形態において、リブ7a,7b,7cは、ブラケットBの上端部、軸方向中央部、及び下端部にそれぞれ設けられているが、リブの数、位置、及び形状は、自由に設定できる。
また、左右の取付部5,6には、それぞれ上下のボルト挿通孔9a,9bが形成されている(図3,4)。そして、これら取付部5,6でナックルアームn1(図1)を挟み、一方の取付部(5又は6)のボルト挿通孔9a,9bから他方のボルト取付部のボルト挿通孔9a,9bにかけてそれぞれボルトを挿通してナットを締めると、ブラケットBがナックルNに締結される。このように、ブラケットBが車両に取り付けられた状態では、ブラケットBの上下がそれぞれ車体の上方及び下方を向き、ブラケットBの左右の側部が車体の前方又は後方を向く。
つづいて、筒状部4には、右側部から背部にかけて形成される横幅(周方向長さ)の長い広孔8a(図3,4)と、当該広孔8aと分離して左側部に設けられ、広孔8aと比べて横幅の短い狭孔8b(図4)が周方向に並んで形成されている。筒状部4において、広孔8aと狭孔8bを仕切る部分をブリッジ部4bとすると、ブリッジ部4bは、筒状部4における左側部の周方向中央部に、軸方向に沿って形成されている。そして、広孔8aと狭孔8bは、ブリッジ部4bを挟んで筒状部4の周方向に隣り合う。
図3に示すように、広孔8aにおいて、筒状部4の右側部に形成される部分を側部開口80とし、筒状部4の背部に形成される部分を背部開口81とする。すると、側部開口80は、ブラケットBをアウターシェル1の外周に溶接した状態で(図1)、突出部3が筒状部4の側部から外方へ突出するのを許容しつつ、ブラケットBと突出部3が干渉するのを防止できる大きさをもつ。
また、側部開口80の縁80aは、前部側へ膨らむように円弧状に湾曲している。このため、突出部3を筒状部4の側部から突出させた状態で(図1)、広孔8aの縁と突出部3との干渉を避けつつブラケットBの強度を確保するのが容易である。
その一方、背部開口81は、筒状部4内にアウターシェル1が挿入された状態で、突出部3が筒状部4の背部から外方へ突出するのを許容しつつ、ブラケットBと突出部3が干渉するのを防止できる大きさをもつ。
また、背部開口の縦幅(軸方向長さ)は、側部開口80の縦幅よりも長く、背部開口81の下部が側部開口80より下方へ突出する。このため、突出部3を筒状部4の背部から突出させた状態で突出部3から広孔8aの縁までの距離を長くとれる。さらに、背部開口81の縦幅が長く、側部開口80が筒状部4の上部に位置する場合であっても、背部開口81の上下の縁81a,81bと筒状部4の上下端までの幅をそれぞれ確保して、当該部分の強度が不足するのを防止できる。
図7は、ブラケットBを展開した状態での広孔8a及び狭孔8bの形状を示している。図7中、二点鎖線で示したように、仮に、ブリッジ部4bを取り除き、広孔8aと狭孔8bを一続きの孔として見た場合、当該孔の形状は、略左右対称となっている。換言すると、筒状部4におけるブリッジ部4bと左右対称となる位置に、ブリッジ部4bと左右対称形状の仮想ブリッジ部を設けたと仮定すると、ブラケットBの形状が左右対称となる。
また、ブリッジ部4bは、ブラケットBをアウターシェル1の外周に溶接した状態で、突出部3の真裏となる位置に形成されており、突出部3の中心を軸方向に通る直線Z(図10(b))上に周方向の中心をもつ。そして、ブリッジ部4bの周方向の両側に位置する広孔8aと狭孔8bが、少なくとも直線Zを対象軸として線対称となる位置にそれぞれ開口するようになっている。
以下、本実施の形態に係るブラケットBの製造方法について説明する。
まず、打ち抜き加工により金属板からブラケットBを展開したときの輪郭形状をもつ母材を切り出す。この母材は、その中心を通って軸方向(ブラケットBの完成時に軸方向となる方向)へ延びる直線を対称軸として線対称形状となっている。
このように、金属板からブラケットBの輪郭形状を切り出すのと同時でもその後からでもよいが、上記母材には、図8(a)に示すように、筒状部4の左右の側部となる部分それぞれに側孔801,802が形成されるとともに、これら側孔801,802の間に中央孔810が形成されている。そして、中央孔810と二つの側孔801,802は、それぞれブリッジ部4b,4で仕切られている。
次に、上記母材を折り曲げて、リブ7a,7b,7c、及び左右の取付部5,6を形成し、円筒状に曲げてC字状の筒状部4を形成する。すると、図8(b)(c)に示すように、当該曲げ加工直後の筒状部4には、左右の側部それぞれにブリッジ部4b,4が形成されている。
次に、筒状部4において、突出部3を突出させる側となる右側部のブリッジ部4cを打ち抜き加工により切除する。具体的には、当該ブリッジ部切除工程で使用される打ち抜き金型は、図8(b)に示すように、パンチPと、アウターシェル1の外径に相当する外径を有するとともに、パンチPの挿入を許容する抜き穴q1が形成された円柱状のダイ部材Qとを有する。
そして、ダイ部材Qを筒状部4の内側へ挿入し、抜き穴q1の開口にブリッジ部4cを対向させた状態にセットし、当該ブリッジ部4cをパンチPで切り落とす。すると、図8(d)(e)に示すように、ブリッジ部4c側の側孔802と中央孔810がつながって広孔8aが形成される。その一方、残ったブリッジ部4b側の側孔801がそのまま狭孔8bとなる。
なお、図8に示したパンチPの切刃形状は楕円形であるが、この切刃形状を、例えば、四角状等の他の形状に変更してもよい。また、ブラケットBをアウターシェル1に溶接した状態で、ブラケットBと突出部3との干渉を避けられれば、切除側のブリッジ部4cの一部が完成したブラケットBに残っていてもよい。
また、本実施の形態では、緩衝器Aの完成時に突出部3をブラケットBの右側部から突出させるため(図1)、右側部のブリッジ部4cを切除している。しかし、突出部3をブラケットBの左側部から突出させる場合には、右側部のブリッジ部4cを残して左側部のブリッジ部4bを切除すればよい。
つづいて、本実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器Aの製造方法について説明する。
まず、突出部3を設ける前のアウターシェル1を完成したブラケットBの筒状部4の内側へ挿通する。そして、図9(a)(b)に示すように、広孔8aの背部開口81から露出させたアウターシェル1の側部に突出部3を構成するスリーブ30を押し付けつつ、当該スリーブ30をアウターシェル1に溶接する。すると、スリーブ30が広孔8aの背部開口81を通じてブラケットBの背部から外方へ突出した状態となる。
次に、図9(c)(d)に示すように、ブラケットBをアウターシェル1の軸方向へずらすとともに(矢印Y1)、周方向に回転させて(矢印Y2)、スリーブ30を広孔8aの側部開口80へ移動させた状態で、筒状部4をアウターシェル1に溶接する。すると、先の工程でアウターシェル1の側部に溶接されたスリーブ30が、広孔8aの側部開口80を通じてブラケットBの側部から外方へ突出した状態となる。
次に、スリーブ30の内側からアウターシェル1に取付孔1cを形成する。当該工程では、図10(b)に示すように、アウターシェル1におけるスリーブ30の反対側面を治具Gで支えた状態で孔開け加工を行う。そして、当該孔開け加工の終了後に、アウターシェル1にシリンダ12、中間筒11、ロッド2、ピストン20、ボトム部材14等を組み付けるとともに、スリーブ30に減衰力可変バルブVを収容し、キャップ31を装着して本体部Dを完成させる。
このように、本実施の形態では、緩衝器Aの本体部Dを組み立てる工程で、突出部3が完成する。しかし、突出部3を組み立てるタイミングは、アウターシェル1にスリーブ30を溶接した後であれば、いつでもよい。
以下、本実施の形態に係るシリンダ装置である緩衝器Aの作用効果について説明する。
本実施の形態において、緩衝器(シリンダ装置)Aは、筒状のアウターシェル1と、アウターシェル1の側部に設けられて径方向外側へ突出する突出部3と、アウターシェル1の外周に取り付けられるブラケットBとを備える。そして、このブラケットBは、アウターシェル1の外周を抱持して前部に割4aの入った断面C字状の筒状部4と、筒状部4の周方向の両端から径方向外側へ突出する一対の取付部5,6とを有する。
さらに、本実施の形態のブラケットBでは、筒状部4の右側部(一方の側部)から背部にかけて突出部3の挿通を許容する広孔8aが形成されている。また、筒状部4の左側部(他方の側部)には、ブリッジ部4bと、ブリッジ部4bにより広孔8aと周方向に仕切られる狭孔8bが形成されている。
上記構成によれば、突出部3を広孔8aに挿通したまま、突出部3を筒状部4の側部から外方へ突出させたり、背部から外方へ突出させたりできる。このため、緩衝器Aの完成時に突出部3を筒状部4の側部から外方へ突出させる場合であっても、突出部溶接工程においては突出部3を筒状部4の背部から外方へ突出させて、取付部5,6を突出部3とは反対側へ向けられる(図9(a)(b))。
このようにすると、突出部3の溶接時に、トーチを動かしたりアウターシェル1を揺動させたりしても、取付部5,6が溶接の邪魔にならない。よって、上記構成によれば、緩衝器Aの完成時に突出部3を筒状部4の側部から外方へ突出させる場合であっても、突出部3の溶接作業を容易にできるとともに、機械にセットして自動で上記溶接をするのも容易である。
また、上記したブラケットBは、板状の母材を曲げ加工することで形成できる。そして、上記構成にするには、曲げ加工前の段階で、母材における左右の側部となる部分それぞれに側孔801,802を形成するとともに、側孔801,802の間にこれらとブリッジ部4b,4cでそれぞれ仕切られる中央孔810を形成する。そして、曲げ加工の後に、一方のブリッジ部4cを切除して中央孔810と一方の側孔802とをつなげて広孔8aとし、他方の側孔801をそのまま狭孔8bとすればよく、当該方法によれば、ブラケットBを容易に形成できる。
なぜなら、上記方法でブラケットBを成形すれば、完成時のブラケットBが片側にのみブリッジ部4bを備える場合であっても、曲げ加工をする段階では、完成時に左右の側部となる部分それぞれにブリッジ部4b,4があって当該部分の剛性差が小さくなる。よって、曲げ加工後の寸法が左右でバラツキ難く、曲げ加工によるブラケットBの成形を容易にできるためである。
さらに、曲げ加工した後に筒状部4の一部を切除する場合であっても、切除するのは一本のブリッジ部4cのみであり、切除する部分の横幅(周方向の幅)が小さくて平面に近い。よって、プレス金型を利用した打ち抜き加工が可能になる。このため、曲げ加工の後に一方のブリッジ部4cを切除する場合であっても、当該切除を容易にできる。
また、残した方のブリッジ部4bで筒状部4を補強できるので、強度上有利になる。より詳しくは、車両走行時において、緩衝器Aには、車体の前後方向(図1中紙面手前・奥側)を向く力が加わる。さらに、筒状部4の左右の側部は、ブラケットBが車両に取り付けられた状態で、車体の前方又は後方を向く部分であり、上記力の入力時には、当該部分に圧縮又は引張方向へ荷重がかかる。そこで、筒状部4の一方の側部にブリッジ部4bを設けると、ブリッジ部4bがない(広孔8aと狭孔8bが一続きとなっている)場合と比較して圧縮及び引張に対して強くなるとともに耐久性が向上する。
また、上記したように、曲げ加工の後に、片方のブリッジ部(4b又は4c)を切除してブラケットBを形成する場合、どちらのブリッジ部を切除した場合であっても、切除した方に形成される広孔8aを通じて筒状部4の側部から突出部3の突出を許容できるようにすれば、切除するブリッジ部の選択によりブラケットBを車両の左輪用にも右輪用にもできる。このため、上記構成によれば、ブラケットBを左輪用にも右輪用にも対応させやすい。
なお、本実施の形態の緩衝器Aでは、突出部3を筒状部4の右側部から突出させるとともに、ブリッジ部4bを筒状部4の左側部に設けている。しかし、左側部のブリッジ部4bを切除して突出部3を筒状部4の左側部から突出させるとともに、筒状部4の右側部にブリッジ部4cを設けてもよい。このように、ブラケットBが左右の何れの側部にブリッジ部4b,4cを備えるとしてもよい。
また、本実施の形態では、完成したブラケットBの筒状部4の前部を正面に向けた状態で、筒状部4の中心を軸方向に通る中心線Xを対称軸としてブリッジ部4bと線対称となる位置にブリッジ部4bと線対称形状の仮想ブリッジ部がある(切除側のブリッジ部4cが残っている)と仮定した場合、ブラケットBの形状が中心線Xを対称軸として線対称形状となっている。
このようなブラケットBを曲げ加工で成形する場合であって、前述のように、曲げ加工前の段階では、母材における筒状部4の両側部となる部分それぞれにブリッジ部4b,4cを設けておき、曲げ加工後に片方のブリッジ部を切除する場合、完成時にブラケットBの形状が左右非対称となる場合であっても、曲げ加工をする段階では母材の形状を左右対称にでき、完成時に左右の側部となる部分の剛性が略同じになる。よって、曲げ加工後の左右の寸法が一層バラツキ難く、曲げ加工によるブラケットBの成形を一層容易にできる。
さらに、上記方法でブラケットBを製造する場合であって、ブラケットBが車両の車輪に連結される場合には、切除するブリッジ部4b,4cの選択によりブラケットBが左輪用にも右輪用にもなる。このため、上記構成によれば、ブラケットBを左輪用にも右輪用にも一層対応させやすい。さらに、左右対称形状となる左輪用と右輪用のブラケットを製造する場合であっても、上記方法でブラケットBを製造すれば、ブリッジ部切除前の工程を共通化できるので、両方のブラケットを容易に製造できる。
また、本実施の形態では、広孔8aの背部開口(筒状部4の背部に位置する部分)81の縦幅(軸方向長さ)が側部開口(筒状部4の一方の側部に位置する部分)80の縦幅よりも長い。当該構成によれば、突出部溶接工程で突出部3から広孔8aの縁81a,81bまでの距離を充分に長くとれる。よって、突出部3の溶接作業を一層容易にできる。さらに、突出部3から孔8の縁までの距離を充分にとったとしても、側部開口80の縦幅が短いので、ブラケットBの強度を確保しやすい。
また、本実施の形態では、背部開口81の上部が側部開口80に連なり、背部開口81の下部が側部開口80より下方へ突出している。そして、突出部溶接工程では、溶接された状態でのブラケットBの位置よりも高い位置で突出部3を溶接し(図7(a))、ブラケットBをアウターシェル1に溶接する前に、ブラケットBを周方向へ回転するとともに軸方向下方へずらしている(図7(c)(d)中、矢印Y1,Y2)。
上記構成によれば、完成した緩衝器Aにおいて、突出部3をブラケットBの上側部から外方へ突出させるとともに、背部開口81の縦幅を充分に大きくしたとしても、背部開口81の上側の縁81aから筒状部4の上端までの距離が短くなり過ぎて、当該部分の強度が不足するのを防止できる。
さらに、前述のように、車体前後方向の力が緩衝器Aに入力されると、ブラケットBでは、特に、上側のボルト挿通孔9a付近の応力が高くなる。このため、ボルト挿通孔9aに近い筒状部4の上側部から突出部3を突出させるとともに、広孔8aと狭孔8bを一続きにすると強度上不利になりやすい。そこで、突出部3をブラケットBの上側部から外方へ突出させるブラケットBでは、突出部3の突出側とは反対側の側部にブリッジ部4bを設けて筒状部4を補強するのが特に有効である。
なお、突出部3の位置は、車両における緩衝器Aの周辺部材に応じて適宜変更できる。そして、当該突出部3の位置に応じて、広孔8aと狭孔8bの位置及び形状も適宜変更できる。
例えば、突出部3を筒状部4の下側部から突出させる場合には、広孔8a及び狭孔8bの形状を図7中上下逆にしてもよい。また、突出部3を筒状部4の中央側部から突出させる場合には、広孔8aの背部開口81の上下を側部開口80から上下に突出させるとともに、狭孔8bを側部開口80と対応する位置に形成してもよい。さらに、広孔8aの縦幅を周方向で一定にしてもよい。
また、本実施の形態の突出部3は、ブラケットBがアウターシェル1に溶接された状態で、ブラケットBの側部中央から径方向外側へ突出するが、ブラケットBの側部中央から手前側又は奥側へずれた位置にあってもよい。
そして、広孔8aは、ブラケットBがアウターシェル1に溶接された状態で、筒状部4の一方の側部から外方へ突出させられるとともに、ブラケットBがアウターシェル1に溶接される前の状態で、突出部3を筒状部4の背部から突出させられる大きさであれば良く、広孔8aの一部が筒状部4の前部及び他方の側部にかかるとしてもよい。その一方、狭孔8bは、ブラケットBを左右両輪に対応させる上では、ブラケットBがアウターシェル1に溶接されるとともにブリッジ部4bを切除した状態で突出部3を筒状部4の他方の側部から突出させられる大きさであるのが好ましく、狭孔8bの一部が筒状部4の前部にかかるとしてもよい。
そして、これらの変更は、ブラケットBが左右の何れの側部にブリッジ部4b,4cを備える場合であっても可能である。
また、本実施の形態では、突出部溶接工程、及びブラケット溶接工程の後に、アウターシェル1に取付孔1cを形成している。当該方法によれば、取付孔1cを形成した後に、溶接による歪みの影響を受けて取付孔1cの寸法が変わる心配がない。このため、取付孔1cに要求される寸法精度が厳しい場合であっても、その要求に応えやすい。
さらに、本実施の形態では、広孔8aと狭孔8bが、少なくとも、突出部3の中心を軸方向に通る直線Z(図10(b))を対称軸として線対称となる位置にそれぞれ開口する。当該構成によれば、本実施の形態のように、ブラケットBをアウターシェル1に溶接してから取付孔1cを形成する場合に、突出部3の真裏に位置するアウターシェル1の外周を直接治具Gで支えられる。
より詳しくは、本実施の形態において、治具Gには、V字状の溝が形成されており、上記したように、広孔8aと狭孔8bが直線Zを線対称となる位置に開口する場合、治具Gがブリッジ部4bを避けてアウターシェル1の外周面に接触できる。アウターシェル1の外周形状は、ブラケットBの外周形状と比較して寸法のバラツキが小さいので、孔開け加工時にアウターシェル1を治具Gで直接支えると、取付孔1cの寸法精度を良好にできる。
しかし、広孔8aと狭孔8bを形成する範囲、及びこれらを仕切るブリッジ部(4b又は4c)の位置は、適宜変更できる。例えば、ブリッジ部(4b,4c)は、必ずしも突出部3の真裏になくてもよく、図10(b)中直線Zの左又は右にずれた位置にあってもよい。
また、アウターシェル1に取付孔1cを形成するタイミングは、上記の限りではなく、適宜変更できる。例えば、ブラケットBの溶接前に取付孔1cを形成してもよい。また、本実施の形態では、スリーブ30を減衰力可変バルブVの取り付けに利用しており、取付孔1cに厳しい寸法精度が求められる。しかし、前述のように突出部3は、必ずしも減衰力可変バルブVを含むものでなくてもよく、このような場合には、取付孔1cが不要なこともある。
そして、これらの変更は、ブラケットBが左右の何れの側部にブリッジ部4b,4cを備える場合であっても可能であり、突出部3の位置、並びに、広孔8aと狭孔8bの位置及び形状によらず可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
A・・・緩衝器(シリンダ装置)、B・・・ブラケット、X・・・筒状部の中心を軸方向に通る中心線、Z・・・突出部の中心を軸方向に通る直線、1・・・アウターシェル、3・・・突出部、4・・・筒状部、4a・・・割、4b,4c・・・ブリッジ部、5,6・・・取付部、8a・・・広孔、8b・・・狭孔、80・・・側部開口(広孔における筒状部の側部に位置する部分)、81・・・背部開口(広孔における筒状部の背部に位置する部分)、801,802・・・側孔、810・・・中央孔

Claims (5)

  1. 筒状のアウターシェルと、
    前記アウターシェルの側部に設けられて径方向外側へ突出する突出部と、
    前記アウターシェルの外周に取り付けられるブラケットとを備え、
    前記ブラケットは、前記アウターシェルの外周を抱持して前部に割の入った断面C字状の筒状部と、前記筒状部の周方向の両端から径方向外側へ突出する一対の取付部とを有し、
    前記筒状部の一方の側部から背部にかけて、前記突出部の挿通を許容する広孔が形成されており、
    前記筒状部の他方の側部には、ブリッジ部と、前記ブリッジ部により前記広孔と周方向に仕切られる狭孔が形成されており、
    前記ブラケットは、前記突出部が前記広孔を通じて前記筒状部の側部から外方へ突出する状態で前記アウターシェルの外周に取付けられている
    ことを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記広孔の前記筒状部の背部に位置する部分の軸方向長さは、前記筒状部の前記一方の側部に位置する部分の軸方向長さよりも長い
    ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記筒状部の前記前部を正面に向けた状態で、前記筒状部の中心を軸方向に通る中心線を対称軸として前記ブリッジ部と線対称となる位置に前記ブリッジ部と線対称形状の仮想ブリッジ部があると仮定した場合、
    前記ブラケットの形状は、前記中心線を対称軸として線対称形状である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記広孔と前記狭孔は、少なくとも、前記突出部の中心を軸方向に通る直線を対称軸として線対称となる位置にそれぞれ開口する
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のシリンダ装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載のシリンダ装置の製造方法であって、
    前記ブラケットは、板状の母材を曲げ加工して形成されており、
    前記曲げ加工前の段階では、前記母材における前記一方の側部及び前記他方の側部となる部分にそれぞれ側孔が形成され、前記側孔の間に前記側孔とそれぞれブリッジ部で仕切られる中央孔が形成されており、
    前記曲げ加工後に、一方の前記ブリッジ部を切除して前記中央孔と一方の前記側孔とをつなげて前記広孔を形成し、他方の前記側孔を前記狭孔とする
    ことを特徴とするシリンダ装置の製造方法。
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