JP6360291B2 - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造に関する。
緩衝器は、車両、機器、構造物等に利用されて減衰力を発生し、振動を抑制するものであり、所望の減衰力を得るため、様々なバルブ構造を備えている。当該バルブ構造は、例えば、図8(a)に示すように、緩衝器において、ピストンロッドに保持されるピストンバルブP2として具現化されており、リンダ6内に形成されて作動油が充填される作用室Rを二つの部屋R1,R2に区画するピストン(バルブディスク)8と、このピストン8に積層される複数枚の環板状のリーフバルブ2i〜2kからなる減衰バルブ3Cと、この減衰バルブ3Cに積層される環板状の間座4Cとを備えて構成されている。
ピストン8には、二つの部屋R1,R2を連通する流路80と、この流路80が連なる窓81と、この窓81を囲う弁座82とが形成されており、この弁座82に減衰バルブ3Cの外周部が着座できるようになっている。間座4Cは、減衰バルブ3Cの内周部に当接しており、減衰バルブ3Cは、間座4Cの外周縁を支点にして外周部を反ピストン側に撓ませ、上記流路80を開放することができる。また、減衰バルブ3Cを構成する一枚目のリーフバルブ2iの外周部には、オリフィスを形成する切欠き20が形成されている。
このような構成を備えることにより、ピストンバルブP2が図8中上側に移動すると、減衰バルブ3Cが開弁するまでの間、ピストンバルブP2で加圧された一方の部屋R1の作動油が切欠き20を通過して他方の部屋R2に移動するので、緩衝器は、オリフィス特有の二乗特性の減衰力を発生し、このときの減衰係数(ピストン速度増加量に対する減衰力増加量の比率)は、比較的大きくなる。
つづいて、ピストン速度が高くなり、一方の部屋R1の圧力が減衰バルブ3Cの開弁圧に達すると、減衰バルブ3Cの外周部が反ピストン側に撓み、一方の部屋R1の作動油が減衰バルブ3Cと弁座82との間にできる隙間を通過して他方の部屋R2に移動するので、緩衝器はバルブ特性の減衰力を発生する。このとき、減衰バルブ3Cと弁座82との間にできる隙間は、一方の部屋R1の圧力上昇に伴い大きくなるので、減衰係数は、比較的小さくなる。
図8(b)に示すように、間座4Cの外周が緩衝器の軸心線x1上に中心をもつ真円形である場合、ピストン速度が所定の速度に達したとき、減衰バルブ3Cの外周部全周が略同時に反ピストン側に撓むので、図9(a)に示すように、減衰バルブ3Cの開弁を期に減衰力特性が急激に変化して、搭乗者に車両の乗り心地が悪いとの印象を与えかねない。
そこで、特許文献1では、図8(c)に示すように、間座4Cの外周を、軸心線x1上に中心をもつ真円形にならないよう形成し、減衰バルブ3Cの周方向の一部に間座4Cとの接触幅が少ない部分を設けている。このようにすることで、減衰バルブ3Cの周方向の一部が先行して撓み始め、その後、撓む範囲が全周に広がるように動作する。このため、図9(b)中実線で示すように、減衰バルブ開弁前のオリフィス特性の減衰力から減衰バルブ開弁後のバルブ特性の減衰力に移行する際のつながりを滑らかにして車両の乗り心地を向上させることができる。
実開昭60−99341号公報
オリフィス特性の減衰力とバルブ特性の減衰力とのつながりをより滑らかにして、図9(c)中実線で示すような減衰力特性を得るには、減衰バルブ3Cにおける先行して開弁させようとする部分に対応する間座4Cの外周縁から内周縁までの幅wを小さくすることが好ましい。上記間座4Cは、鋼板を打ち抜き加工して形成されることが一般的であり、当該製造方法は、安価且つ大量生産が可能であり、量産性に優れている。しかしながら、上記幅wが狭すぎると、割れたり、歪んだりする虞があるとともに、焼結、鍛造、プレス成形等、他の量産性に優れた製造方法に変更したとしても、上記不具合を解決することができない。なお、レーザで切出し加工すれば、割れや歪みの不具合は無くなるものの、著しくコスト高となり、大量生産に向かず、量産に適さない。
そこで、本発明の目的は、間座と減衰バルブとの接触幅を従来よりも小さくすることが可能であるとともに、量産性に優れた緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、二つの部屋を区画する環状のバルブディスクと、上記バルブディスクに形成されて上記二つの部屋を連通する流路と、上記バルブディスクに積層されて上記流路を塞ぐ一枚以上の環板状のリーフバルブからなる減衰バルブと、上記減衰バルブの反バルブディスク側に積層される環板状の間座と、上記間座の反減衰バルブ側に積層されるバルブストッパとを備えており、上記バルブディスク、上記減衰バルブ、上記間座及び上記バルブストッパは、これらの軸心孔に挿通する軸部材の外周に保持されるとともに、上記減衰バルブは、上記間座で内周部を支えられ、外周部を反バルブディスク側に撓ませて上記流路を開放する緩衝器のバルブ構造において、一枚の上記間座の減衰バルブ側を向く一方側端には、上記減衰バルブに当接するとともに上記軸心孔が開口し外周が軸心線上に中心をもつ真円形にならないように形成される支持面と、上記支持面から外周側に延びて上記支持面との間に段差を有し上記減衰バルブから離間する段差面とが形成されていることである。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、間座と減衰バルブとの接触幅を従来よりも小さくすることが可能であるとともに、量産性に優れている。
本発明の一実施の形態に係る緩衝器のバルブ構造が具現化されたピストンバルブ部分を拡大して示した縦断面図である。 (a)は図1の間座の平面図である。(b)は(a)のx2−x2線断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器のバルブ構造における間座の第一の変形例を示した平面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器のバルブ構造における間座の第二の変形例を示した平面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器のバルブ構造における間座の第三の変形例を示した平面図である。 (a)は、本発明の一実施の形態に係る緩衝器のバルブ構造における間座の第四の変形例を示した平面図である。(b)は(a)のx3−x3線断面図である。 図4の間座を備えた場合における緩衝器の減衰力特性を示した図である。 (a)は従来の緩衝器のバルブ構造が具現化されたピストンバルブ部分を示した縦断面図である。(b)は(a)の間座を示した平面図である。(c)は特許文献1に開示の間座を示した平面図である。 (a)は、図8(b)の間座を備えた場合における緩衝器の減衰力特性を示した図である。(b)は図8(c)の間座を備えた場合における緩衝器の減衰力特性を示した図である。(c)は本発明が実現しようとする減衰力特性を示した図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る緩衝器のバルブ構造について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る緩衝器Dのバルブ構造は、ピストンバルブP1として具現化されており、二つの部屋R1,R2を区画する環状のピストン(バルブディスク)1と、このピストン1に形成されて上記二つの部屋R1,R2を連通する流路11,12と、上記ピストン1に積層されて上記流路11,12を塞ぐ一枚以上の環板状のリーフバルブ2a〜2d、2e〜2hからなる減衰バルブ3A,3Bと、この減衰バルブ3A,3Bに積層される環板状の間座4A,4Bとを備えており、上記ピストン1、上記減衰バルブ3A,3B及び上記間座4A,4Bは、これらの軸心孔10,30,40に挿通するピストンロッド(軸部材)5の外周に保持されるとともに、上記減衰バルブ3A,3Bは、上記間座4A,4Bで内周部を支えられ、外周部を反ピストン側に撓ませて上記流路11,12を開放する。また、上記間座4A,4Bの減衰バルブ側を向く一方側端には、上記減衰バルブ3A,3Bに当接するとともに上記軸心孔40が開口し外周が軸心線x1上に中心をもつ真円形にならないように形成される支持面41と、この支持面41から外周側に延びて上記支持面41との間に段差42を有し上記減衰バルブ3A,3Bから離間する段差面43とが形成されている。
以下、詳細に説明すると、上記緩衝器Dは、自動車等の車両の車体と車輪との間に介装されており、内部に作動油が充填される作用室Rが形成されるシリンダ6と、このシリンダ6に出入りするピストンロッド5と、このピストンロッド5の先端部に保持されて上記作用室Rを伸側と圧側の二つの部屋R1,R2に区画するピストンバルブP1と、フリーピストンやブラダで上記作用室Rと区画され気体が封入される気室(図示せず)とを備えている。また、図示しないが、緩衝器Dの両端に位置するシリンダ6の図1中下端部と、ピストンロッド5の図1中上端部には、取付部がそれぞれ設けられており、一方の取付部が車体側に連結され、他方の取付部が車輪側に連結されている。このため、路面凹凸による衝撃が入力されると、シリンダ6にピストンロッド5が出入りして緩衝器Dが伸縮する。また、ピストンロッド出没分のシリンダ内容積変化や、温度変化による作動油の体積変化を上記気室で補償することができる。
つまり、本実施の形態において、緩衝器Dは、片ロッド型の単筒型緩衝器であるが、緩衝器Dの構成は適宜変更することが可能である。例えば、ピストンバルブP1の両側にピストンロッドが延びる両ロッド型の緩衝器であってもよく、シリンダ6の外周に起立してシリンダ6との間にリザーバを形成する外筒と、ピストン側の部屋R2とリザーバとを区画するベースバルブとを備える複筒型緩衝器であってもよい。このように、緩衝器Dが複筒型である場合には、本発明がベースバルブとして具現化されるとしてもよい。また、本実施の形態において、緩衝器Dは、作動流体として作動油を利用する油圧緩衝器であるが、作動流体として作動油以外の液体や、気体を利用するとしてもよい。また、緩衝器Dが車両以外に利用されるとしてもよい。
ピストンロッド5は、シリンダ6の図中1上側の開口端部を塞ぐ環状のロッドガイド(図示せず)に軸支されてシリンダ6内に軸方向に移動自在に挿入されており、上記ロッドガイドで軸支される本体部50と、この本体部50に同軸に連なりシリンダ6内に配置される保持部51と、この保持部51の反本体部側に同軸に連なり外周に螺子溝が形成される螺子部52とを備えている。保持部51は、外径が本体部50の外径よりも小さく形成されており、本体部50と保持部51との境界に段差53が形成されている。
ピストンバルブP1は、バルブディスクであるピストン1と、このピストン1の図1中下側にピストン側から順に積層される伸側の減衰バルブ3A、伸側の間座4A及び伸側のバルブストッパ7Aと、ピストン1の図1中上側にピストン側から順に積層される圧側の減衰バルブ3B、圧側の間座4B及び圧側のバルブストッパ7Bとを備えて構成されている。これらピストンバルブP1を構成する各部材は、それぞれ、環状に形成されて軸心孔10,30,40,70を備えている。そして、圧側のバルブストッパ7B、圧側の間座4B、圧側の減衰バルブ3B、ピストン1、伸側の減衰バルブ3A、伸側の間座4A、伸側のバルブストッパ7Aの順に、各部材の軸心孔10,30,40,70に保持部51を挿通し、螺子部52にナットNを螺合することで、ピストンバルブP1はナットNと段差53との間に挟まれ、ピストンロッドの外周に保持される。なお、図示しないが、ナットNとピストン1との間に筒状のスペーサを介装し、このスペーサの外周に伸側の減衰バルブ3A、伸側の間座4A、伸側のバルブストッパ7Aを摺動可能に取り付けるとともに、ナットNとバルブストッパ7Aとの間にバネを介装し、このバネで伸側の減衰バルブ3A、間座4A及びバルブストッパ7Aをピストン側に附勢するとしてもよい。
ピストン1は、シリンダ6の内周面にピストンリング13を介して摺接し、作用室Rを伸側と圧側の部屋R1,R2に区画している。当該ピストン1には、伸側と圧側の部屋R1,R2を連通する伸側と圧側の二種類の流路11,12が形成されている。ピストン1の図1中下側には、伸側の流路11が連なる窓14と、この窓14を囲う弁座15と、この弁座15の外側に配置されて圧側の部屋R2に開口し圧側の流路12が連なる開口窓16が形成されている。他方、ピストン2の図1中上側には、圧側の流路12が連なる窓17と、この窓17を囲う弁座18と、この弁座18の外側に配置されて伸側の部屋R1に開口し伸側の流路11が連なる開口窓19が形成されている。
ピストン1に積層される伸側の減衰バルブ3Aは、環板状に形成されて軸方向に積層される四枚のリーフバルブ2a〜2dからなる。当該伸側の減衰バルブ3Aを構成するピストン側から一枚目のリーフバルブ2aは、外周部を図1中下側の弁座15に着座させることができ、着座させたとき、窓14を塞ぐが開口窓16を塞がないようになっている。他方、伸側の減衰バルブ3Aの反対側に積層される圧側の減衰バルブ3Bは、本実施の形態においては伸側の減衰バルブ3Aと同様に、環板状に形成されて軸方向に積層される四枚のリーフバルブ2e〜2hからなる。当該圧側の減衰バルブ3Bを構成するピストン側から一枚目のリーフバルブ2eは、外周部を図1中上側の弁座18に着座させることができ、着座させたとき、窓17を塞ぐが開口窓19を塞がないようになっている。したがって、伸側の部屋R1が加圧されたとき、この部屋R1の圧力は、開口窓19及び伸側の流路11を通して伸側の減衰バルブ3Aを開弁させる方向に作用するが、圧側の減衰バルブ3Bを弁座18に押し付けて閉弁させる方向に作用する。反対に、圧側の部屋R2が加圧されたとき、この部屋R2の圧力は、開口窓16及び圧側の流路12を通して圧側の減衰バルブ3Bを開弁させる方向に作用するが、伸側の減衰バルブ3Aを弁座15に押し付けて閉弁させる方向に作用する。
また、一枚目のリーフバルブ2a,2eの外周部には、それぞれ切欠き20が形成されており、周知のオリフィスを形成する。なお、弁座15,18に溝を形成して、上記オリフィスを形成するとしてもよい。本実施の形態において、伸側と圧側の減衰バルブ3A,3Bが同様の構成を備えているが、異なる構成を備えるとしてもよく、積層されるリーフバルブ2a〜2d,2e〜2hの枚数も適宜変更することが可能である。
図2に示すように、減衰バルブ3A,3Bに積層される伸側と圧側の間座4A,4Bは、それぞれ、減衰バルブ側を向く一方側端に、減衰バルブ3A,3Bに当接するとともに、軸心孔40が開口する支持面41と、この支持面41から外周側に延びて支持面41との間に段差42を有し減衰バルブ3A,3Bから離間する段差面43とが形成されている。支持面41は、円の一部を直線で切欠いた欠円形となり、その外周が緩衝器Dの軸心線x1上に中心をもつ真円形とならないようになっている。また、軸心孔40は、緩衝器Dの軸心線x1上に中心をもつ真円形となっており、間座4A,4Bの周方向の一部に支持面41の外周縁から内周縁までの幅wが他の部分と比較して小さくなる部分ができる。また、間座4A,4Bは、支持面41の外周側に連なる段差面43を有しているので、減衰バルブ3A,3Bが撓むスペースを確保するとともに、上記幅wを従来よりも小さくしたとしても、この部分の強度を高くすることができ、焼結、鍛造、プレス成形等の量産性に優れた方法で製造できる。
また、各間座4A,4Bの他方側端は、一方側端と点対称形状となっており、他方側端にも、この他方側端を減衰バルブ側に向けて組み付けたとき、減衰バルブ3A,3Bに当接するとともに軸心孔40が開口する支持面44と、この支持面44から外周側に延びて支持面44との間に段差45を有し減衰バルブ3A,3Bから離間する段差面46とが形成されている。このようにすることで、間座4A,4Bに表裏がなく、間座4A,4Bの表裏を間違えて組み付ける誤組の心配がない。さらに、上記したように、支持面41,44は、欠円形となっているので、間座4A,4Bの両端を点対称形状としたとき、段差面43,46が直径方向の両端に位置して重ならない。なお、段差面43,46が重なる場合には、この部分の肉厚を確保するため、間座4A,4Bの厚みを増す必要がある。
以下、本実施の形態に係る緩衝器DのピストンバルブP1の作動について説明する。
シリンダ6からピストンロッド5が退出し、ピストンバルブP1で伸側の部屋R1が加圧される緩衝器Dの伸長時において、伸側の減衰バルブ3Aが開弁するまでの間、ピストンバルブP1で加圧された伸側の部屋R1の作動油が切欠き20を通過して圧側の部屋R2に移動するので、緩衝器Dは、オリフィス特有の二乗特性の減衰力を発生する。このときの減衰係数(ピストン速度増加量に対する減衰力増加量の比率)は、比較的大きくなる。
つづいて、ピストン速度が高くなり、伸側の部屋R1の圧力が伸側の減衰バルブ3Aの開弁圧に達すると、伸側の減衰バルブ3Aの外周部が反ピストン側に撓み、伸側の部屋R1の作動油が伸側の減衰バルブ3Aと弁座15との間にできる隙間を通過して圧側の部屋R2に移動するので、緩衝器Dはバルブ特性の減衰力を発生する。このとき、伸側の減衰バルブ3Aと弁座15との間にできる隙間は、伸側の部屋R1の圧力上昇に伴い大きくなるので、減衰係数は、比較的小さくなる。
さらに、本実施の形態において、伸側の減衰バルブ3Aの周方向の一部に伸側の間座4Aとの接触幅が少ない部分を設けており、この接触幅は、従来よりも小さくなっている。このため、伸側の減衰バルブ3Aが開弁する際、従来よりもピストン速度が低い段階から周方向の一部が先行して撓み始め、その後、撓む範囲が全周に広がるように動作する。このため、図9(c)に示すように、オリフィス特性の減衰力からバルブ特性の減衰力に移行する際のつながりを従来よりも滑らかにすることができる。
反対に、シリンダ6にピストンロッド5が進入し、ピストンバルブP1で圧側の部屋R2が加圧される緩衝器Dの圧縮時において、圧側の減衰バルブ3Bは、伸側の減衰バルブ3Aと同様の動作を呈するので、詳しい説明を省略する。
以下、本実施の形態に係る緩衝器Dのバルブ構造の作用効果について説明する。
本実施の形態において、間座4A,4Bは、焼結成形により形成されている。
上記製造方法は、量産性に優れた製造方法であるとともに、間座4A,4Bを上記した形状に容易に形成することが可能となる。しかし、間座4A,4Bの形成方法は、上記の限りではなく、適宜変更することが可能である。
また、本実施の形態において、支持面41,44は、欠円形となっている。
上記構成によれば、間座4A,4Bの軸方向の両端を点対称形状としたとき、両端の段差面43,46が重ならない。したがって、段差面43,46が重なった部分の肉厚を確保するため、間座4A,4Bの厚みが増すことを防ぐことができる。また、本実施の形態において、支持面41,44は、円の一部を直線で切欠いた形状となっているが、図3に示すように、円の一部を曲線で切欠いた形状となっていてもよい。また、支持面41,44の形状は、外周が軸心線x1上に中心を持つ真円形にならないように形成されていればよく、例えば、図4に示すような楕円形や、図5に示すような三角形であってもよい。
また、本実施の形態において、間座4A,4Bの他方側端は、一方側端と点対称形状となっている。
上記構成によれば、間座4A,4Bに裏表がなく、誤組を防止できるとともに、組立作業を容易にすることが可能となる。しかし、間座4A,4Bの両端が点対称形状となっていなくてもよく、ピストン側を向く一方側端にのみ、支持面41と段差面43を形成するとしてもよい。
また、本実施の形態において、緩衝器のバルブ構造は、伸側と圧側の部屋R1,R2を区画する環状のピストン(バルブディスク)1と、このピストン1に形成されて上記伸側と圧側の部屋R1,R2を連通する流路11,12と、上記ピストン1に積層されて上記流路11,12を塞ぐ一枚以上の環板状のリーフバルブ2a〜2d,2e〜2hからなる減衰バルブ3A、3Bと、この減衰バルブ3A,3Bに積層される環板状の間座4A,4Bとを備えており、上記ピストン1、上記減衰バルブ3A,3B及び上記間座4A,4Bは、これらの軸心孔10,30,40に挿通するピストンロッド(軸部材)5の外周に保持されるとともに、上記減衰バルブ3A,3Bは、上記間座4A,4Bで内周部を支えられ、外周部を反ピストン側に撓ませて上記流路11,12を開放する。さらに、上記間座4A,4Bの減衰バルブ側を向く一方側端には、上記減衰バルブ3A,3Bに当接するとともに上記軸心孔40が開口し外周が軸心線x1上に中心をもつ真円形にならないように形成される支持面41と、この支持面41から外周側に延びて上記支持面41との間に段差42を有し上記減衰バルブ3A,3Bから離間する段差面43とが形成されている。
上記構成によれば、減衰バルブ3A,3Bにおいて先行して開弁させようとする部分に対応する間座4A,4Bの外周縁から内周縁までの幅wを従来よりも小さくして、間座4A,4Bと減衰バルブ3A,3Bの接触幅を小さくしても、焼結、鍛造、プレス成形等、量産性に優れた製造方法を採用することができるので、量産性の悪化を招かない。
尚、本実施の形態において、本発明に係る間座4A,4Bがピストン(バルブディスク)1の軸方向の両側に設けられているが、ピストン1の一方側にのみ設けられるとしてもよい。
また、図6に示すように、間座4A,4Bの段差面43,46に突起47を起立させ、この突起47で減衰バルブ3A,3Bの撓み量を規制するとしてもよい。このようにすることで、減衰バルブ3A,3Bの外周部が突起47に当接した後は、減衰バルブ3A,3Bを開弁させる方向に作用する部屋R1,R2の圧力がピストン速度の上昇に伴い上昇したとしても、減衰バルブ3A,3Bと弁座15,18との間にできる隙間が大きくならないので、図7に示すように、ピストン速度が超高速となったときの減衰係数を比較的大きくできる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
D 緩衝器
R1,R2 部屋
x1 軸心線
1 ピストン(バルブディスク)
2a〜2h リーフバルブ
3A,3B 減衰バルブ
4A,4B 間座
5 ピストンロッド(軸部材)
10 ピストン(バルブディスク)の軸心孔
11,12 流路
30 減衰バルブの軸心孔
40 間座の軸心孔
41 支持面
42 段差
43 段差面

Claims (4)

  1. 二つの部屋を区画する環状のバルブディスクと、
    上記バルブディスクに形成されて上記二つの部屋を連通する流路と、
    上記バルブディスクに積層されて上記流路を塞ぐ一枚以上の環板状のリーフバルブからなる減衰バルブと、
    上記減衰バルブの反バルブディスク側に積層される環板状の間座と、
    上記間座の反減衰バルブ側に積層されるバルブストッパとを備えており、
    上記バルブディスク、上記減衰バルブ、上記間座及び上記バルブストッパは、これらの軸心孔に挿通する軸部材の外周に保持されるとともに、
    上記減衰バルブは、上記間座で内周部を支えられ、外周部を反バルブディスク側に撓ませて上記流路を開放する
    緩衝器のバルブ構造において、
    一枚の上記間座の減衰バルブ側を向く一方側端には、上記減衰バルブに当接するとともに上記軸心孔が開口し外周が軸心線上に中心をもつ真円形にならないように形成される支持面と、上記支持面から外周側に延びて上記支持面との間に段差を有し上記減衰バルブから離間する段差面とが形成されている
    ことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 上記間座を径方向に切断したときの断面視で、上記間座の他方側端は、上記一方側端と上記間座の中心に対して点対称形状となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. 上記支持面は、欠円形となっている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緩衝器のバルブ構造。
  4. 上記間座を焼結体とした
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の緩衝器のバルブ構造。
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