ここで、コミュニケーションシート式車両には、老人が乗車する場合がある。また、コミュニケーションシート式車両には、乗客が車いすで乗り込む場合がある。また、コミュニケーションシート式車両には、荷物を積んだ台車を載せる場合がある。そこで、コミュニケーションシート式車両は、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることが求められている。
本発明は、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができるコミュニケーションシート式車両を提供することを目的とする。
本願発明者らは、コミュニケーションシート式車両について検討した。コミュニケーションシート式車両は、キャビン空間に乗客が乗り降りする。また、コミュニケーションシート式車両は、エンジンやバッテリ等の駆動源または操舵機構等の重量物を有する。コミュニケーションシート式車両において、乗客や重量物である駆動源または操舵機構等の応力を受ける構造の剛性を確保することが必要である。
本願発明者らは、応力を受ける構造として、例えばパイプなどの棒状部材の車体フレームを採用することを検討した。車体フレームは、乗客が乗車した際、特に床面を支える床フレームに荷重がかかる。なお、床フレームは、車体フレームに含まれる。そこで、車体フレームは、乗客の荷重がかかる床フレームの剛性を確保することが求められる。床フレームの剛性を確保するためには、床フレームを構成する棒状部材が太くすることが考えられる。しかしながら、床フレームを構成する棒状部材を太くすると、床フレームの厚みが厚くなる。床フレームの厚みが厚くなると、キャビン空間の床面が高くなる。キャビン空間の床面が高くなると、コミュニケーションシート式車両に乗り降りしにくくなる。
また、コミュニケーションシート式車両において、コミュニケーションシートを配置するための広いキャビン空間と、乗り降りしやすい広い乗降口とを確保する必要がある。そのために、重量物である駆動源または操舵機構等は、キャビン空間より車両前後方向の前方向または後方向に配置される。キャビン空間は、車体フレームの内部に配置される。そこで、車体フレームは、車両前後方向におけるキャビン空間の前方向または後方向に配置された重量物である駆動源または操舵機構の少なくとも一方の一部を支える車体フレームの車両前後方向の前部および後部の剛性を確保することが必要である。
そこで、本願発明者らは、コミュニケーションシート式車両において、乗り降りのしやすさを高めることができる剛性を確保した車体フレームの形状を考えた。そして、本願発明者らは、前後、左右、上下の12本のフレームで構成された車体フレームについて、車両左右方向の左部および右部に設けられる左右フレーム同士をつなぐ横フレームを車両前後方向の前部および後部に設けて、車両前後方向の前部および後部の少なくともいずれかにおける車体フレームをH形フレームにすることを考えた。また、本願発明者らは、車体フレームの少なくともいずれかを車両左右方向に見て逆台形の形状にすることを考えた。なお、逆台形とは、上辺が下辺より長い台形状である。車両左右方向に見て少なくともいずれかが逆台形の形状である車体フレームは、前部のH形フレームの上部が下部より前方向、または、後部のH形フレームの上部が下部より前方向に配置される。
車体フレームの車両前後方向の少なくとも前部および後部をH形フレームにすることにより、キャビン空間の車両前後方向の前方向および後方向に配置された駆動源または操舵機構を支える車体フレームの車両前後方向の少なくとも前部または後部の剛性を確保することができる。車両左右方向に見て車体フレームの少なくとも前部または後部を逆台形の形状にすることで、下部の4本のフレームで構成される床フレームの車両前後方向の長さを短くでき、かつ、上部の4本のフレームで構成される天井フレームの車両前後方向の長さを長くできる。床フレームの前後長さを短くしたことで、床フレームを構成する棒状部材を細くしても、必要な剛性を確保できる。床フレームを構成する棒状部材が細いため、コミュニケーションシート式車両の床面を低くできる。そして、コミュニケーションシート式車両の乗り降りのしやすさを高めることができる。以上から、コミュニケーションシート式車両において、車体フレームの車両前後方向の少なくとも前部または後部をH形フレームにして、車両左右方向に見て車体フレームの少なくとも前部または後部を逆台形の形状にすることで、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができることがわかった。
(1)本発明のコミュニケーションシート式車両は、車両内部に配置され、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成されたコミュニケーションシートと、2つの前輪と前記2つの前輪より車両前後方向の後方向にある2つの後輪を含む4つの車輪と、前記4つの車輪の少なくとも一つに駆動力を付与する駆動源と、前記4つの車輪の少なくとも一つを操舵する操舵機構と、前記2つの前輪の前端と前記2つの後輪の後端の間に少なくとも一部が配置され、乗客を収容する車両内部のキャビン空間を内部に配置する車体フレームと、を備え、車両前後方向の前方向を進行方向として走行可能なコミュニケーションシート式車両であって、前記車体フレームが、(A)(a−1)車両前後方向に並び、それぞれ車両左右方向に沿った2本の天井横フレーム、(a−2)前記2本の天井横フレームの右部をつなぐ天井右フレーム、および、(a−3)前記2本の天井横フレームの左部をつなぐ天井左フレームを含む天井フレームと、(B)(b−1)車両前後方向に並び、それぞれ車両左右方向に沿った2本の床横フレーム、(b−2)前記2本の床横フレームの右部をつなぐ床右フレーム、および、(b−3)前記2本の床横フレームの左部をつなぐ床左フレームを含み、前記天井フレームの下方向に配置された床フレームと、(C1)(c−1)車両左右方向に並び、それぞれ車両上下方向に沿っており、それぞれの上部が前記天井フレームの前部に接続されており、それぞれの下部が前記床フレームの前部に接続されている2本の前柱、および、(c−2)それぞれの上部がそれぞれの下部より前方向にある前記2本の前柱同士をつなぎ、その前方向に配置される前記駆動源または前記操舵機構の少なくとも一方の一部を支持する前中間横フレームを含む前H形フレームと、(D1)(d−1)車両左右方向に並び、それぞれ車両上下方向に沿っており、それぞれの上部が前記天井フレームの後部に接続されており、それぞれの下部が前記床フレームの後部に接続されている2本の後柱を含む後フレームと、を有する前H形フレーム構造を有することを特徴とする。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、コミュニケーションシートと、4つの車輪と、駆動源と、操舵機構と、車体フレームとを備える。コミュニケーションシートは、車両内部に配置される。コミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。コミュニケーションシートは、複数の乗客がシートに着座可能に構成されたシートである。コミュニケーションシートは、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。コミュニケーションシートは、着座した複数の乗客が向かい合う状態と、着座した複数の乗客が同じ方向に向く状態とに変化できるように構成されていてもよい。但し、コミュニケーションシートには、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されているものは含まれない。4つの車輪は、2つの前輪と2つの後輪を含む。2つの後輪は、2つの前輪より車両前後方向の後方向にある。駆動源は、4つの車輪の少なくとも一つに駆動力を付与する。操舵機構は、4つの車輪の少なくとも一つを操舵する。車体フレームは、車両前後方向における2つの前輪の前端と2つの後輪の後端の間に少なくとも一部が配置される。車体フレームは、車両内部にある。車体フレームは、キャビン空間を内部に配置する。キャビン空間は、乗客を収容する空間であって、車両内部にある。コミュニケーションシート式車両は、車両前後方向の前方向を進行方向として走行可能である。進行方向は、通常使用時に車輪の回転によりコミュニケーションシート式車両が進む方向であり、一時的な車輪の逆回転によりコミュニケーションシート式車両が進む方向は含まない。コミュニケーションシート式車両がスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)の場合は、進行方向は、車輪の逆回転により、車両前後方向の後方向に変更可能である。
車体フレームは、前H形フレーム構造を有する。前H形フレーム構造は、(A)天井フレームと、(B)床フレームと、(C1)前H形フレームと、(D1)後フレームとを有する。(A)天井フレームは、(a−1)2本の天井横フレーム、(a−2)天井右フレーム、(a−3)天井左フレームを含む。2本の天井横フレームは、車両前後方向に並び、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。天井右フレームは、2本の天井横フレームの右部をつなぐ。天井左フレームは、2本の天井横フレームの左部をつなぐ。(B)床フレームは、(b−1)2本の床横フレーム、(b−2)床右フレーム、(b−3)床左フレームを含む。床フレームは、天井フレームの下方向に配置される。2本の床横フレームは、車両前後方向に並び、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。床右フレームは、2本の床横フレームの右部をつなぐ。床左フレームは、2本の床横フレームの左部をつなぐ。(C1)前H形フレームは、(c−1)2本の前柱と、(c−2)前中間横フレームとを含む。2本の前柱は、乗降口より前方向に位置し、車両左右方向に並んでいる。2本の前柱は、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。2本の前柱は、それぞれの上部が天井フレームの前部に接続されており、それぞれの下部が床フレームの前部に接続されている。前中間横フレームは、それぞれの上部がそれぞれの下部より前方向にある2本の前柱同士をつなぐ。前中間横フレームは、前中間横フレームの前方向に配置される重量物である駆動源または操舵機構の少なくとも一方の一部を支持する。(D1)後H形フレームは、(d−1)2本の後柱を含む。2本の後柱は、乗降口より後方向に位置し、車両左右方向に並んでいる。2本の後柱は、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。2本の後柱は、それぞれの上部が天井フレームの後部に接続されており、それぞれの下部が床フレームの後部に接続されている。
前H形フレーム構造を有する車体フレームは、前中間横フレームを含む前H形フレームを有する。これにより、前中間横フレームが、車体フレームの車両前後方向の前方向に配置された重量物である駆動源または操舵機構の少なくとも一方の一部を支持することができる。つまり、前H形フレームが、車体フレームの車両前後方向の前部の剛性を確保することができる。また、前H形フレームの車両上下方向の上部が下部より前方向に配置される。このように車体フレームを配置することで、床フレームの車両前後方向の長さを短くでき、かつ、天井フレームの車両前後方向の長さを長くできる。床フレームの車両前後方向の長さを短くしたことで、床フレームを構成する棒状部材を細くしても、車体フレームに必要な剛性を確保できる。床フレームを構成する棒状部材が細いと、床フレームが支える床面を低くできる。そして、乗客が例えば車いすに乗っている場合や老人であった場合でも、コミュニケーションシート式車両に乗り降りしやすくなる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両は、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
(2)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記車体フレームは、前記前H形フレーム構造を有するか、(A)前記天井フレームと、(B)前記床フレームと、(C2)(c−1)前記2本の前柱を含む前フレームと、(D2)(d−1)前記2本の後柱、および、(d−2)それぞれの上部がそれぞれの下部より後方向にある前記2本の後柱同士をつなぎ、その後方向に配置される前記駆動源または前記操舵機構の少なくとも一方の一部を支持する後中間横フレームを含む後H形フレームと、を有する後H形フレーム構造を有するか、(A)前記天井フレームと、(B)前記床フレームと、(C1)前記前H形フレームと、(D2)前記後H形フレームと、を有する前後H形フレーム構造を有する。
この構成によると、車体フレームは、前H形フレーム構造、後H形フレーム構造、または前後H形フレーム構造のいずれかの構造を有する。
後H形フレーム構造は、(A)天井フレームと、(B)床フレームと、(C2)前フレームと、(D2)後H形フレームとを有する。前後H形フレーム構造は、(A)天井フレームと、(B)床フレームと、(C1)前H形フレームと、(D2)後H形フレームとを有する。(C2)前フレームは、(c−1)2本の前柱を含む。(D2)後H形フレームは、(d−1)2本の前柱と、(d−2)後中間横フレームとを含む。(d−2)後中間横フレームは、それぞれの上部がそれぞれの下部より後方向にある2本の後柱同士をつなぐ。後中間横フレームは、その後方向に配置される駆動源または操舵機構の少なくとも一方の一部を支持する。
後H形フレーム構造を有する車体フレームは、後中間横フレームを含む後H形フレームを有する。これにより、後中間横フレームが、車体フレームの車両前後方向の後方向に配置された重量物である駆動源または操舵機構の少なくとも一方の一部を支持することができる。つまり、後H形フレームが、車体フレームの車両前後方向の後部の剛性を確保することができる。また、後H形フレームの車両上下方向の上部が下部より後方向に配置される。このように車体フレームを配置することで、床フレームの車両前後方向の長さを短くでき、かつ、天井フレームの車両前後方向の長さを長くできる。床フレームの車両前後方向の長さを短くしたことで、床フレームを構成する棒状部材を細くしても、車体フレームに必要な剛性を確保できる。床フレームを構成する棒状部材が細いと、床フレームが支える床面を低くできる。そして、乗客が例えば車いすに乗っている場合や老人であった場合でも、コミュニケーションシート式車両に乗り降りしやすくなる。
前後H形フレーム構造を有する車体フレームは、前中間横フレームを含む前H形フレームと、後中間横フレームを含む後H形フレームを有する。これにより、前中間横フレームおよび後中間横フレームが、車体フレームの車両前後方向の前方向および後方向に配置された重量物である駆動源または操舵機構の少なくとも一方の一部を支持することができる。つまり、前H形フレームおよび後H形フレームが、車体フレームの車両前後方向の前部および後部の剛性を確保することができる。また、前H形フレームの車両上下方向の上部が下部より前方向に配置される。後H形フレームの車両上下方向の上部が下部より後方向に配置される。このように車体フレームを配置することで、床フレームの車両前後方向の長さをより短くでき、かつ、天井フレームの車両前後方向の長さをより長くできる。床フレームの車両前後方向の長さをより短くしたことで、床フレームを構成する棒状部材を細くしても、車体フレームに必要な剛性をより確保できる。床フレームを構成する棒状部材が細いと、床フレームが支える床面を低くできる。そして、乗客が例えば車いすに乗っている場合や老人であった場合でも、コミュニケーションシート式車両に乗り降りしやすくなる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両は、車体フレームの剛性をより確保しつつ、乗り降りのしやすさをより高めることができる。
(3)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)または(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、着座したときの乗客が車両前方向を向く後シートアセンブリ、着座したときの乗客が車両後方向を向く前シートアセンブリ、着座したときの乗客が車両左方向を向く右シートアセンブリ、および着座したときの乗客が車両右方向を向く左シートアセンブリの少なくともいずれかの2つ以上のシートアセンブリを含む。
この構成によると、コミュニケーションシートに、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートアセンブリは含まれない。つまり、コミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。
(4)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(3)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、着座可能な乗客の最大数が6人以下であることが好ましい。
この構成によると、乗り降りのしやすさを高めつつ、コミュニケーションシート式車両に乗車した乗客が、乗客同士が顔を見ながら会話できるようにコミュニケーションシートに着座することができる。
(5)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(4)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記車体フレームの上部の少なくとも一部を覆う車体カバーをさらに備えることが好ましい。
この構成によると、車体フレームの上部の少なくとも一部が車体カバーで覆われており、キャビン空間への雨や風等の侵入を防止することができる。そのため、乗客はコミュニケーションシート式車両に乗り降りしやすくなる。これにより、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
(6)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(5)のいずれか構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記車体フレームの少なくとも一部を覆い、その車両左右方向の左部または右部の少なくともいずれか一方に前記乗降口を形成する車体カバーをさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、車体フレームの少なくとも一部を覆う車体カバーをさらに備える。車体カバーは、その車両左右方向の左部または右部の少なくともいずれか一方に乗降口を形成する。本発明のコミュニケーションシート式車両は、天井フレームの車両前後方向の長さを床フレームの車両前後方向の長さよりも長くしたことで、天井フレームの車両前後方向の長さと床フレームの車両前後方向の長さとが同じ車両と比較して、車両左右方向の左部または右部の少なくともいずれか一方に形成される乗降口の上部の幅の設計自由度が高めることができる。そのため、乗降口の幅を、例えば車いす等でも乗り降りのしやすい幅に設定することができる。これにより、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
(7)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(6)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記乗降口を開閉可能に構成されたドアを有することが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、乗降口を開閉可能に設けられたドアを有する。本発明のコミュニケーションシート式車両は、天井フレームの車両前後方向の長さが長いため、ドアが乗降口を開閉可能に構成されていたとしても、乗降口の幅を乗り降りのしやすい幅に設定することができる。これにより、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
(8)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(7)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記ドアは、車両外面に沿って車両前後方向にスライド可能に構成されたスライドドアであることが好ましい。
この構成によると、ドアはスライドドアである。スライドドアは、車両外面に沿って車両前後方向にスライド可能である。よって、スライドドアが開いたときに、スライドドアはキャビン空間の中や外の乗客の邪魔になりにくい。そのため、乗客はコミュニケーションシート式車両に乗り降りしやすくなる。
(9)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(6)〜(8)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記乗降口から地面に向かって傾斜して設置可能に構成されたスロープ部材をさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、スロープ部材を有する。スロープ部材は、乗降口から地面に向かって傾斜して設置可能に構成される。そして、スロープ部材は、乗降口と地面とをつなぐように設けられる。つまり、スロープ部材は、傾斜した状態で設置される。スロープ部材により乗降口と地面との段差が解消するため、乗客、台車、車椅子等が乗り降りをスムーズに行うことができる。
なお、スロープ部材の幅は、乗降口の幅と同じかそれより短い長さであることが好ましい。また、スロープ部材の幅は、乗降口の幅と同じ長さであることがより好ましい。スロープ部材の幅がより広い方が、乗客、台車、車椅子等の乗り降りがスムーズにできるからである。
スロープ部材は、幅方向の両端部に突起部を有することが好ましい。特に、スロープ部材の両端部がL字状になるように形成されていることが好ましい。台車、車椅子等の乗り降りをガイドすることができるからである。
スロープ部材は、上面に滑り止めのための突起加工が施されていることが好ましい。乗客、台車、車椅子等の乗り降りがスムーズにできるからである。
(10)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(6)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記進行方向は、車両前後方向の後方向に変更可能であることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更可能である。つまり、コミュニケーションシート式車両が、車輪の逆回転により、進行方向を変更可能であるスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)であってもよい。
(11)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(10)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、乗客が着座するためのシート部を有し、前記コミュニケーションシート式車両は、車両内部に、前記シート部を構成可能に形成されたシートをさらに有することが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシートは、乗客が着座するためのシート部を有する。シートは、乗客を収容する車両内部に、シート部を構成可能に形成される。シートは、例えば、固定されて常にシート部を構成する。また、シートは、例えば、シート部が構成される着座状態と、シート部が構成されない収納状態(非着座状態)との間で揺動可能に形成される。具体的には、例えば、シートは、バックレスト部を構成するバックレストまたは車両内部の壁面に対して、揺動可能に形成される。そして、シートの収納状態では、シートとバックレストまたは車両内部の壁面とが向かい合うように配置される。また、シートは、例えば、シート部が構成された着座状態からシート部が構成されない取り外し状態へ着脱可能に形成される。乗客がキャビン空間に乗り降りする際に、シートがシート部を構成しなければ、キャビン空間のうち、シート部が構成されていた空間を乗客が乗り降りする際に使用することができる。そのため、乗り降りのしやすさがより向上する。
(12)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(11)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、少なくとも一部がコミュニケーションシートの前端より前方向に配置された前格納スペースを構成する前荷物デッキ、または、少なくとも一部が前記コミュニケーションシートの後端より後方向に配置された後格納スペースを構成する後荷物デッキの少なくともいずれかを車両内部にさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、前格納スペースを構成する前荷物デッキまたは後格納スペースを構成する後荷物デッキをさらに備える。前格納スペースの少なくとも一部は、車両内部であって、コミュニケーションシートの前端より前方向に配置される。後格納スペースの少なくとも一部は、車両内部であって、コミュニケーションシートの後端より後方向に配置される。前格納スペースまたは後格納スペースは、乗客の荷物などを格納することができる。これにより、乗客の荷物などがキャビン空間内に置かれる場合と比較して、キャビン空間のうち、乗客が乗り降りする際に使用することができる空間が広くなる。そのため、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
(13)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(12)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、乗客の姿勢を保つためのバックレスト部を有し、車両内部に前記バックレスト部を構成可能に形成されたバックレストをさらに備え、前記バックレストは、前記前格納スペースまたは前記後格納スペースを開閉可能に構成されることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシートは、乗客の姿勢を保つためのバックレスト部を有する。コミュニケーションシート式車両は、車両内部に、バックレスト部を構成可能に形成されたバックレストを備える。具体的には、バックレストは、シート部を構成するシートに対して、揺動可能に形成される。バックレストは、例えば、バックレスト部が構成される姿勢保持状態とバックレスト部が構成されない収納状態(非姿勢保持状態)との間で揺動可能に構成される。または、バックレストは、例えば、バックレスト部が構成される姿勢保持状態とバックレスト部が構成されない取り外し状態との間で着脱可能に構成される。バックレストの姿勢保持状態では、乗客は、バックレスト部にもたれかかることができる。バックレストの収納状態では、乗客は、バックレスト部にもたれかかることができない。バックレストは、前格納スペースまたは後格納スペースを開閉可能に構成される。例えば、バックレストは、前格納スペースまたは後格納スペースが閉じている閉状態と、前格納スペースまたは後格納スペースが開いている開状態との間で揺動可能に形成される。前格納スペースまたは後格納スペースの開状態では、バックレスト部が構成されない。また、前格納スペースまたは後格納スペースの閉状態では、バックレスト部が構成される。前格納スペースまたは後格納スペースの開状態において、乗客が前格納スペースまたは後格納スペースを利用して、格納スペースに乗客の荷物などを格納することができる。これにより、乗客の荷物などがキャビン空間内に置かれる場合と比較して、キャビン空間のうち、乗客が乗り降りする際に使用することができる空間が広くなる。そして、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
(14)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(13)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記床フレームは、さらに、前記2本の床横フレームの間に車両左右方向に沿って配置される床中間フレーム、および、前記床右フレームと前記床左フレームの間に車両前後方向に沿って配置される床中間フレームの少なくともいずれか一方を有することが好ましい。
この構成によると、床フレームはさらに、2本の床横フレームの間に車両左右方向に沿った床中間フレーム、および、床右フレームと床左フレームの間に車両前後方向に沿った床中間フレームの少なくともいずれか一方を有する。床フレームが床中間フレームを有することにより、床フレームの剛性が高くなる。これにより、車体フレームの剛性をより高めることができる。
(15)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(14)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記駆動源と前記操舵機構を自動的に制御する自動運転制御装置をさらに備えることが好ましい。
この構成によると、駆動源と操舵機構は、自動運転制御装置により自動的に制御される。コミュニケーションシート式車両は、自動走行可能である。つまり、ステアリングホイールやペダル等をキャビン空間内に配置しなくてよい。つまり、ステアリングホイールやペダル等が構成される車両に比べて、キャビン空間のうち、乗客が乗り降りする際に使用することができる空間がより広く確保されるため、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
(16)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(12)、(14)〜(15)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、乗客の姿勢を保つためのバックレスト部を有し、前記コミュニケーションシート式車両は、車両内部に前記バックレスト部を構成可能に形成されたバックレストを有することが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシートは、乗客の姿勢を保つためのバックレスト部を有する。コミュニケーションシート式車両は、車両内部に、バックレスト部を構成可能に形成されたバックレストを備える。バックレストは、例えば、固定されて常にバックレスト部を構成する。また、バックレストは、例えば、バックレスト部が構成される姿勢保持状態と、バックレスト部が構成されない収納状態との間で揺動可能に形成される。具体的には、例えば、バックレストは、シート部を構成するシートに対して、揺動可能に形成される。そして、収納状態のバックレストは、シートと向かい合うように配置される。また、バックレストは、例えば、バックレスト部が構成される姿勢保持状態からバックレスト部が構成されない取り外し状態へ着脱可能に形成される。バックレストがバックレスト部を構成していると、乗客がコミュニケーションシートに着座した際に、乗客の背中が支えられ、姿勢が保たれる。
(17)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(16)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、乗客を収容する車両内部のキャビン空間から車両外部の外部空間を視認可能に構成された少なくとも一つの窓をさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、窓を有する。窓は車両内部のキャビン空間から車両外部の外部空間を視認可能に構成するため、乗客が外部空間を確認することができる。これにより、乗客がコミュニケーションシート式車両の周辺環境を確認しやすいため、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
(18)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(17)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、車両外面における前記窓の車両上下方向の上方向の位置または前記窓の上縁に設けられたバイザーをさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、バイザーを備える。バイザーは、車両外面における窓の車両上下方向の上方向の位置または窓の上縁に設けられる。バイザーが窓への雨や日差しなどの侵入を抑えるため、乗客が乗り降りをスムーズに行うことができる。そのため、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
(19)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(18)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記車体フレームは、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じである、または、車両前後方向におけるその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状であることが好ましい。
この構成によると、車体フレームの前部を車両前後方向の後方向に見た形状と、車体フレームの後部を車両前後方向の前方向に見た形状とが同じである。または、車体フレームは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。これにより、進行方向が車両前後方向の後方向に変更された場合であっても、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
<コミュニケーションシートの定義>
本発明において、コミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。コミュニケーションシートは、複数の乗客が着座可能に構成される。コミュニケーションシートは、例えば、着座した複数の乗客が対面可能に配置された2列のシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、例えば、L字状に配置されたシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、例えば、四角形の一辺を除いたような形状に配置されたシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、例えば、四角状に配置されたシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。コミュニケーションシートは、着座した乗客同士が顔を見ながら会話してもよいし、しなくてもよい。コミュニケーションシートは、着座した複数の乗客が向かい合う状態と、着座した複数の乗客が同じ方向に向く状態とに変化できるシートアセンブリを含んでもよい。但し、コミュニケーションシートには、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートアセンブリは含まれない。なお、コミュニケーションシートは、着座した乗客同士が顔を見ながら会話できるように、着座可能な乗客の最大数が6人以下であることが好ましい。ここでいう着座可能な乗客の最大数に含まれる乗客は、平均的な身長の大人である。また、コミュニケーションシート式車両は、個人所有の車両でもよいし、公共で利用される車両でもよい。
<進行方向の定義>
本発明において、コミュニケーションシート式車両の進行方向とは、基本的に、車両前後方向の前方向である。コミュニケーションシート式車両の進行方向とは、通常使用時に車輪の回転によりコミュニケーションシート式車両が進む方向であり、一時的な車輪の逆回転によりコミュニケーションシート式車両が進む方向は含まない。コミュニケーションシート式車両がスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)の場合、コミュニケーションシート式車両の進行方向は、通常使用時の車輪の回転の方向を逆回転の方向に変更することにより、車両前後方向の後方向に変更可能である。なお、コミュニケーションシート式車両は、公道または私道を走行してもよいし、道路ではない走行路を走行してもよい。
<コミュニケーションシート式車両の上部、中間部、下部の定義>
本発明において、コミュニケーションシート式車両の上部は、コミュニケーションシート式車両を車両上下方向に3等分した場合の最も上の部分である。コミュニケーションシート式車両の中間部は、コミュニケーションシート式車両を車両上下方向に3等分した場合の真ん中の部分である。コミュニケーションシート式車両の下部は、コミュニケーションシート式車両を車両上下方向に3等分した場合の最も下の部分である。
<フレームの上部、下部、左部、右部、前部、後部の定義>
本発明において、フレームの上部は、フレームを車両上下方向に2等分した場合の上の部分である。フレームの下部は、フレームを車両上下方向に2等分した場合の下の部分である。フレームの左部は、フレームを車両左右方向に2等分した場合の左の部分である。フレームの右部は、フレームを車両左右方向に2等分した場合の右の部分である。フレームの前部は、フレームを車両前後方向に2等分した場合の前の部分である。フレームの後部は、フレームを車両前後方向に2等分した場合の後の部分である。なお、フレームの上部、下部、左部、右部、前部、後部の表現は、柱の上部、下部、左部、右部、前部、後部の表現と同義である。
<キャビン空間の定義>
本発明において、キャビン空間は、乗客を収容する空間であって、車両内部にある。キャビン空間は、車体フレームの内部に配置される。車体フレームは、車両内部にある。キャビン空間は、例えば、車体カバー、車両内部のコミュニケーションシート、窓、ドア等で形成される。車体カバーは、例えば、車両外部の外壁および車両内部の内壁に含まれる。なお、コミュニケーションシート式車両が窓を含む場合、窓にガラス等がはめ込まれているか否かに関わらず、窓を形成する面より車両内部をキャビン空間とし、窓を形成する面より車両外部を外部空間とする。また、コミュニケーションシート式車両がドアを有するか否かに関わらず、乗降口を形成する面より車両内部をキャビン空間とし、乗降口を形成する面より車両外部を外部空間とする。なお、キャビン空間は、平均的な身長の大人の乗客が直立状態で立つことができない高さであり、且つ、平均的な身長の大人の乗客がコミュニケーションシートに着座可能な状態な高さであることが好ましい。コミュニケーションシート式車両の容積を小さくしつつ、車両内部のキャビン空間を確保することができる。
<コミュニケーションシート式車両の車両前部、車両後部、車両左部、車両右部の定義>
本発明において、コミュニケーションシート式車両の車両前部とは、車両前後方向において車両を2等分した際の前の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両後部とは、車両前後方向において車両を2等分した際の後の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両左部とは、車両左右方向において車両を2等分した際の左の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両右部とは、車両左右方向において車両を2等分した際の右の部分である。
<車輪の定義>
本発明において、車輪とは、タイヤと、タイヤを保持するホイール本体とを含む。前輪は、車両前後方向において、車両の前部に配置された車輪である。後輪は、車両前後方向において、車両の後部に配置された車輪である。
<ドアの定義>
本発明において、ドアとは、乗降口を開閉するために動く部材であって、車両に取り付けられたレール等のドアの付属部品を含まない。また、本発明において、ドアは、スライドドア、ヒンジドア、スイングドア、グライドドア等を含む。本発明において、スライドドアは、車両左右方向における車両の左部または右部の少なくともいずれか一方に配置され、車両外面に沿って車両前後方向にスライド可能なドアである。
<駆動源の定義>
本発明において、駆動源は、4つの車輪の少なくとも2つに駆動力を付与する。駆動源は、モータやエンジン等である。
<操舵機構の定義>
本発明において、操舵機構は、4つの車輪の少なくとも一つを操舵する機構である。操舵機構は、例えば、ステアリングホイールの回転により、4つの車輪の少なくとも2つを操舵する機構である。操舵機構は、例えば、自動運転制御装置により、4つの車輪の少なくとも2つを操舵する機構である。操舵機構は、2つの前輪を操舵してもよいし、2つの後輪を操舵する機構であってもよい。また、操舵機構は、2つの前輪と2つの後輪をそれぞれ操舵する機構であってもよい。
<車体フレームの形状の定義>
本発明において、車体フレームが、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じであるとは、車両前後方向の後方向に見た車体フレームの前部の外形形状と車両前後方向の前方向に見た車体フレームの後部の外形形状が同じかほぼ同じであること意味する。本発明において、車体フレームが、車両前後方向におけるその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状であるとは、車体フレームの外形形状が、車体フレームの前端と車体フレームの後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称かほぼ面対称である形状を意味する。
<その他の用語の定義>
本発明において、ある部品の端部とは、部品の端とその近傍部とを合わせた部分を意味する。
本明細書において、特に限定しない限り、直線Aの直線Bに対する傾斜角度とは、直線Aと直線Bのなす角度のうち、小さい方の角度である。この定義は、「直線」に限らず「方向」にも適用される。
本明細書において、特に限定しない限り、直線Aの直線Bのなす角度とは、直線Aと直線Bのなす角度のうち、小さい方の角度である。この定義は、「直線」に限らず「方向」にも適用される。
本発明および本明細書において、A方向に沿った直線とは、A方向と平行な直線に限らない。A方向に沿った直線とは、特に限定しない限り、A方向を示す直線に対して−45°以上+45°以下の範囲内で傾斜している直線を含む。同様の定義が、「沿った」を用いた他の表現にも適用される。「沿った」を用いた他の表現とは、例えば、「A方向に沿った方向」や、「複数のBがA方向に沿って配列される」や、「1つのBがA方向に沿っている」等である。なお、A方向は、特定の方向を指すものではない。A方向を、水平方向や前後方向に置き換えることができる。
本発明および本明細書において、AとBがX方向に並ぶとは、以下の状態を指す。X方向と直交するいずれの方向にAとBを見た場合であっても、X方向を示す任意の直線または曲線がAとBの両方を通る。また、A全体がBとX方向に並ぶとは、A全体がBとX方向に向かい合っていることを指す。つまり、X方向に見て、A全体がBと重なる状態を指す。全体を一部に言い換えてもよい。
本発明および本明細書において、Y方向に見てAとBがX方向に並ぶとは、以下の状態を指す。Y方向にAとBを見たときに、X方向を示す任意の直線または曲線がAとBの両方を通る。Y方向とは異なるW方向にAとBを見たとき、AとBがX方向に並んでいなくてもよい。Y方向に見て、A全体がBとX方向に並ぶとは、Y方向に見て、A全体がBとX方向に向かい合っているように見えることをいう。全体を一部に言い換えてもよい。
なお、上述の2つの定義において、AとBは、接触していてもよい。また、AとBは、離れていてもよい。AとBの間に、Cが存在していてもよい。
本発明および本明細書において、AがBより前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aが、Bの最前端を通り前後方向に直交する平面の前方向にある。AとBは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。Bが前後方向に直交する平面または直線の場合、Bの最前端を通る平面とは、Bを通る平面のことである。Bが前後方向の長さが無限の直線または平面である場合、Bの最前端は特定されない。前後方向の長さが無限の直線または平面とは、前後方向に平行な直線または平面に限らない。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、Bが前後方向の長さが無限の平面の場合、AがBより前方向にあるとは、以下の状態を指す。Bによって仕切られる2つの空間のうち、前方の空間内に、Aが存在する。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、前後方向と異なるX方向に見て、Bが前後方向の長さが無限の直線の場合に、X方向に見て、AがBより前方向にあるとは、以下の状態を指す。X方向に見て、Bによって仕切られる2つの領域のうち、前の領域に、Aが存在する。BはX方向に見て直線であれば、3次元において平面であってもよい。
なお、Bおよび見る方向について同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bおよび見る方向について同様の条件の元、任意の方向に見て、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、AがBの前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aの後面の少なくとも一部が、Bの前面の少なくとも一部と前後方向に向かい合う。さらに、Bの最前端がAの最前端より後方で、かつ、Bの最後端がAの最後端より前方向にある。Aの後面とは、Aを後ろから見た時に見える面のことである。Aの後面は、連続した1つの面であってもよく、連続しない複数の面で構成されてもよい。Bの前面の定義も同様である。
なお、AがBの後方向にある、AがBの上方向または下方向にある、AがBの右方または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、前後方向と異なる方向であるX方向に見て、AがBの前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。X方向に見て、Aの後端の少なくとも一部が、Bの前端の少なくとも一部と前後方向に向かい合う。さらに、Bの最前端がAの最前端より後方で、かつ、Bの最後端がAの最後端より前方向にある。X方向とは異なるY方向にAとBを見たとき、Aの後端の少なくとも一部が、Bの前端の少なくとも一部と前後方向に向かい合っていなくてよい。
なお、任意の方向に見て、AがBの後方向にある、AがBの上方向または下方向にある、AがBの右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本明細書において、Aが、BとCとの間に配置されるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。任意の直線が、BとAとCをこの順で通る。つまり、BとAとCが、任意の直線の方向にこの順で並んでいる。
本発明において、含む(including)、有する(comprising)、備える(having)およびこれらの派生語は、列挙されたアイテムおよびその等価物に加えて追加的アイテムをも包含することが意図されて用いられている。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的又は機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。
特許請求の範囲において、ある構成要素の数を明確に特定しておらず、英語に翻訳された場合に単数で表示される場合、本発明は、この構成要素を、複数有していてもよい。また本発明は、この構成要素を1つだけ有していてもよい。
本発明では、上述した好ましい構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
本発明のコミュニケーションシート式車両によると、車体フレームの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態1のコミュニケーションシート式車両を示している。図2は、本発明の実施形態2のコミュニケーションシート式車両を示している。図3は、本発明の実施形態3のコミュニケーションシート式車両を示している。本発明の本実施形態の説明において、前後方向、左右方向、上下方向とは、それぞれ、車両前後方向、車両左右方向、車両上下方向のことである。また、本願の各図中の矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下方向、左方向、右方向を表している。
(実施形態1)
図1に基づいて、実施形態1のコミュニケーションシート式車両1Aについて説明する。図1に示すように、実施形態1のコミュニケーションシート式車両1Aは、コミュニケーションシート20と、4つの車輪3と、駆動源5と、操舵機構6と、車体フレーム30Aとを備える。
コミュニケーションシート20は、車両内部に配置される。コミュニケーションシート20は、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。例えば、コミュニケーションシート20は、着座した複数の乗客が対面するように配置された2列のシートアセンブリ20f、20bにより構成される。コミュニケーションシート20は、複数の乗客が着座可能に構成されたシートアセンブリを含む。コミュニケーションシート20は、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。
4つの車輪3は、2つの前輪3fと2つの後輪3bを含む。2つの後輪3bは、2つの前輪3fより車両前後方向の後方向にある。2つの前輪3fは、車両左部にある左前輪3flと、車両右部にある右前輪3frとを含む。2つの後輪3bは、車両左部にある左後輪3blと、車両右部にある右後輪3brとを含む。コミュニケーションシート式車両1Aは、車両前後方向の前方向を進行方向として走行可能である。進行方向は、通常使用時に車輪3の回転によりコミュニケーションシート式車両1Aが進む方向であり、一時的な車輪3の逆回転によりコミュニケーションシート式車両1Aが進む方向は含まない。コミュニケーションシート式車両1Aがスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)の場合は、進行方向は、車輪3の逆回転により、車両前後方向の後方向に変更可能である。
駆動源5は、4つの車輪3の少なくとも一つに駆動力を付与する。駆動源5は、モータやエンジン等である。コミュニケーションシート式車両1は、4つの車輪3が回転することによって走行する。
操舵機構6は、4つの車輪3の少なくとも一つを操舵する。操舵機構6の操舵により、コミュニケーションシート式車両1の進行方向が車両左右方向に変更される。
車体フレーム30Aは、キャビン空間12を内部に配置する。キャビン空間12は、乗客を収容する空間であって、車両内部にある。車体フレーム30Aは、車両前後方向における2つの前輪3fの前端と2つの後輪3bの後端の間に少なくとも一部が配置される。車体フレーム30Aは、前H形フレーム構造を有し、天井フレーム31と、床フレーム36と、前H形フレーム41と、後フレーム45とを有する。
天井フレーム31は、2本の天井横フレーム32、天井右フレーム33、天井左フレーム34を含む。2本の天井横フレーム32は、車両前後方向に並び、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。2本の天井横フレーム32は、天井前フレーム32fおよび天井後フレーム32rを有する。天井前フレーム32fは、天井後フレーム32rより車両前後方向の前方向に配置される。天井右フレーム33は、2本の天井横フレーム32の右部をつなぐ。天井左フレーム34は、2本の天井横フレーム32の左部をつなぐ。
床フレーム36は、2本の床横フレーム37、床右フレーム38、床左フレーム39を含む。床フレーム36は、天井フレーム31の下方向に配置される。2本の床横フレーム37は、車両前後方向に並び、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。2本の床横フレーム37は、床前フレーム37fおよび床後フレーム37rを有する。床前フレーム37fは、床後フレーム37rより車両前後方向の前方向に配置される。床右フレーム38は、2本の床横フレーム37の右部をつなぐ。床左フレーム39は、2本の床横フレーム37の左部をつなぐ。
前H形フレーム41は、2本の前柱42と、前中間横フレーム43とを含む。2本の前柱42は、車両左右方向に並んでいる。2本の前柱42は、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。2本の前柱42は、左前柱42lおよび右前柱42rを有する。左前柱42lは、右前柱42rより車両左右方向の左方向に配置される。2本の前柱42は、それぞれの上部が天井フレーム31の前部に接続されており、それぞれの下部が床フレーム36の前部に接続されている。前中間横フレーム43は、それぞれの上部がそれぞれの下部より前方向にある2本の前柱42同士をつなぐ。前中間横フレーム43は、前中間横フレーム43より前方向に配置される重量物である駆動源5または操舵機構6の少なくとも一方の一部9等を支持する。
後フレーム45は、2本の後柱47を含む。2本の後柱47は、乗降口82より後方向に位置し、車両左右方向に並んでいる。2本の後柱47は、それぞれ車両上下方向に沿っている。2本の後柱47は、それぞれの上部が天井フレーム31の後部に接続されており、それぞれの下部が床フレーム36の後部に接続されている。
本実施形態1のコミュニケーションシート式車両1Aはこのような構成を有することで、以下の効果を有する。
前H形フレーム構造を有する車体フレーム30Aは、前中間横フレーム43を含む前H形フレーム41を有する。これにより、前中間横フレーム43が車体フレーム30Aの車両前後方向の前方向に配置された重量物である駆動源5または操舵機構6の少なくとも一方の一部9を支持することができる。つまり、前H形フレーム41が、車体フレーム30Aの車両前後方向の前部の剛性を確保することができる。また、前H形フレーム41の車両上下方向の上部が下部より前方向に配置される。このように車体フレーム30Aを配置することで、床フレーム36の車両前後方向の長さを短くでき、かつ、天井フレーム31の車両前後方向の長さを長くできる。床フレーム36の車両前後方向の長さを短くしたことで、床フレーム36を構成する棒状部材を細くしても、車体フレーム30Aに必要な剛性を確保できる。床フレーム36を構成する棒状部材が細いと、床フレーム36が支える床面を低くできる。そして、乗客が例えば車いすに乗っている場合や老人であった場合でも、コミュニケーションシート式車両1Aに乗り降りしやすくなる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両1Aは、車体フレーム30Aの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
(実施形態2)
図2に基づいて、実施形態2のコミュニケーションシート式車両1Bについて説明する。以下の説明では、上述した本発明の実施形態1と同じ部位についての説明は省略する。図2に示すように、実施形態2のコミュニケーションシート式車両1Bは、コミュニケーションシート20と、4つの車輪3と、駆動源5と、操舵機構6と、車体フレーム30Bとを備える。
車体フレーム30Bは、キャビン空間12を内部に配置する。キャビン空間12は、乗客を収容する空間であって、車両内部にある。車体フレーム30Bは、車両前後方向における2つの前輪3fの前端と2つの後輪3bの後端の間に少なくとも一部が配置される。車体フレーム30Bは、後H形フレーム構造を有し、天井フレーム31と、床フレーム36と、前フレーム40と、後H形フレーム46とを有する。
前フレーム40は、2本の前柱42を含む。
後H形フレーム46は、2本の後柱47と、後中間横フレーム48とを含む。後中間横フレーム48は、それぞれの上部がそれぞれの下部より後方向にある2本の後柱47同士をつなぐ。後中間横フレーム48は、後中間横フレーム48の後方向に配置される重量物である駆動源5または操舵機構6の少なくとも一方の一部9を支持する。
本実施形態2のコミュニケーションシート式車両1Bはこのような構成を有することで、以下の効果を有する。
後H形フレーム構造を有する車体フレーム30Bは、後中間横フレーム48を含む後H形フレーム46を有する。これにより、後中間横フレーム48が車体フレーム30Bの車両前後方向の後方向に配置された重量物である駆動源5または操舵機構6の少なくとも一方の一部9を支持することができる。つまり、後H形フレーム46が、車体フレーム30Bの車両前後方向の後部の剛性を確保することができる。また、後H形フレーム46の車両上下方向の上部が下部より後方向に配置される。このように車体フレーム30Bを配置することで、床フレーム36の車両前後方向の長さを短くでき、かつ、天井フレーム31の車両前後方向の長さを長くできる。床フレーム36の車両前後方向の長さを短くしたことで、床フレーム36を構成する棒状部材を細くしても、車体フレーム30Bに必要な剛性を確保できる。床フレーム36を構成する棒状部材が細いと、床フレーム36が支える床面を低くできる。そして、乗客が例えば車いすに乗っている場合や老人であった場合でも、コミュニケーションシート式車両1Bに乗り降りしやすくなる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両1Bは、車体フレーム30Bの剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
(実施形態3)
図3に基づいて、実施形態3のコミュニケーションシート式車両1Cについて説明する。以下の説明では、上述した本発明の実施形態1、2と同じ部位についての説明は省略する。図3に示すように、実施形態3のコミュニケーションシート式車両1Cは、コミュニケーションシート20と、4つの車輪3と、駆動源5と、操舵機構6と、車体フレーム30Cとを備える。
車体フレーム30Cは、キャビン空間12を内部に配置する。キャビン空間12は、乗客を収容する空間であって、車両内部にある。車体フレーム30Cは、車両前後方向における2つの前輪3fの前端と2つの後輪3bの後端の間に少なくとも一部が配置される。車体フレーム30Cは、前後H形フレーム構造を有し、天井フレーム31と、床フレーム36と、前H形フレーム41と、後H形フレーム46とを有する。
前H形フレーム41は、2本の前柱42と前中間横フレーム43とを含む。後H形フレーム46は、2本の後柱47と、後中間横フレーム48とを含む。
本実施形態3のコミュニケーションシート式車両1Cはこのような構成を有することで、以下の効果を有する。
前後H形フレーム構造を有する車体フレーム30Cは、前中間横フレーム43を含む前H形フレーム41と、後中間横フレーム48を含む後H形フレーム46を有する。これにより、前中間横フレーム43および後中間横フレーム48が車体フレーム30Cの車両前後方向の前方向および後方向に配置された重量物である駆動源5または操舵機構6の少なくとも一方の一部9を支持することができる。つまり、前H形フレーム41および後H形フレーム46が、車体フレーム30Cの車両前後方向の前部および後部の剛性を確保することができる。また、前H形フレーム41の車両上下方向の上部が下部より前方向に配置される。後H形フレーム46の車両上下方向の上部が下部より後方向に配置される。このように車体フレーム30Cを配置することで、床フレーム36の車両前後方向の長さをより短くでき、かつ、天井フレーム31の車両前後方向の長さをより長くできる。床フレーム36の車両前後方向の長さをより短くしたことで、床フレーム36を構成する棒状部材を細くしても、車体フレームに必要な剛性をより確保できる。床フレーム36を構成する棒状部材が細いと、床フレーム36が支える床面を低くできる。そして、乗客が例えば車いすに乗っている場合や老人であった場合でも、コミュニケーションシート式車両1Cに乗り降りしやすくなる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両1Cは、車体フレーム30Cの剛性をより確保しつつ、乗り降りのしやすさをより高めることができる。
(実施形態の具体例1)
次に、上述した本発明の実施形態の具体例1について図4〜図13を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。基本的に、本発明の実施形態の具体例1は、上述した本発明の実施形態3の特徴を全て有している。
以下の説明において、特に限定が無い限り、前後方向とは、車両前後方向のことである。車両前方向とは、コミュニケーションシート式車両101の進行方向のことである。以下の説明において、左右方向とは、車両左右方向のことである。車両左右方向とは、コミュニケーションシート式車両101の進行方向を前方向とした場合の左右方向のことである。車両左右方向は、コミュニケーションシート式車両101の車幅方向でもある。以下の説明において、特に限定が無い限り、上下方向とは、車両上下方向のことである。車両上下方向とは、コミュニケーションシート式車両101を水平な路面に直立させた状態における上下方向である。各図に示す矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下向方、左方向、右方向を表している。
図4に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、コミュニケーションシート120と、4つの車輪103と、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107と、自動運転制御装置108と、車体フレーム130と、車体カバー170と、を備える。
コミュニケーションシート120は、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。コミュニケーションシート120は、着座した複数の乗客が対面するように配置された2列のフロントシートアセンブリ120fおよびリアシートアセンブリ120bを有する。フロントシートアセンブリ120fおよびリアシートアセンブリ120bは、車両前後方向に並んで配置される。フロントシートアセンブリ120fは、リアシートアセンブリ120bより前方向に配置される。フロントシートアセンブリ120fは、着座したときの乗客が車両後方向を向くシートアセンブリである。リアシートアセンブリ120bは、着座したときの乗客が車両前方向を向くシートアセンブリである。コミュニケーションシート120は、シート121とバックレスト122を有する。コミュニケーションシート120は、複数の乗客が着座可能に構成される。フロントシートアセンブリ120fは、着座可能な乗客の最大数が2人である。リアシートアセンブリ120bは、着座可能な乗客の最大数が2人である。つまり、コミュニケーションシート120は、着座可能な乗客の最大数が4人である。なお、コミュニケーションシート120は、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。
コミュニケーションシート120は、乗客が着座するシート部121aを有する。シート121は、車両内部にシート部121aを構成可能に形成されている。キャビン空間112は、乗客を収容する車両内部の空間であり、後述する車体フレーム130の内部に配置される。シート121は、バックレスト122に対して揺動可能に構成される。シート121は、着座状態と収納状態との間を揺動可能に構成される。シート121のシート121の着座状態は、図4で示す状態である。着座状態は、シート121によりシート部121aが構成されて、乗客が着座可能な状態である。シート121は、着座状態において、車両前後方向に沿って配置される。シート121は、フロントシート121fおよびリアシート121rを有する。フロントシート121fは、フロントシートアセンブリ120fに含まれる。リアシート121rは、リアシートアセンブリ120bに含まれる。フロントシート121fは、図4に示す着座状態において、フロントシート121fの後端から車両前後方向の前方向に向かって、車両上下方向の上方向、下方向、上方向の順に傾斜するように構成される。リアシート121rは、図4に示す着座状態において、リアシート121rの前端から車両前後方向の後方向に向かって、車両上下方向の上方向、下方向、上方向の順に傾斜するように構成される。これにより、乗客がシート121に深く腰掛けることができ、キャビン空間112を広く使うことができる。シート121の収納状態は、図7で示す状態である。シート121は、図7に示す収納状態において、車両上下方向に沿って配置される。収納状態は、シート121によりシート部121aが構成されず、乗客が着座できないように収納された状態である。シート121の収納状態では、シート121とバックレスト122とが向かい合うように配置される。シート121の収納状態では、シート121の着座状態と比較して、車両上下方向に見たシート121の面積が小さくなる。シート121の揺動中心である回転軸121bは、車体フレーム130に固定される。図8に示すように、シート121は、着座状態から収納状態まで矢印の方向に揺動可能である。例えば、回転軸121bが弾性部材を備え、手動によりシート121を着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により、シート121が収納状態になるように構成されてもよい。
図4および図7に示すように、コミュニケーションシート120は、乗客の姿勢を保つためのバックレスト部122aを有する。バックレスト122は、車両内部にバックレスト部122aを構成可能に形成されている。本具体例では、バックレスト122は、車体フレーム130に固定される。そのため、バックレスト122は、常にバックレスト部122aを構成する。バックレスト122は、車両上下方向に沿って配置される。バックレスト122は、フロントバックレスト122fおよびリアバックレスト122rを有する。フロントバックレスト122fは、フロントシートアセンブリ120fに含まれる。リアバックレスト122rは、リアシートアセンブリ120bに含まれる。フロントバックレスト122fは、車両上下方向の上方向に向かって、車両前後方向の前方向に傾斜するように構成される。リアバックレスト122rは、車両上下方向の上方向に向かって、車両前後方向の後方向に傾斜するように構成される。これにより、バックレスト122が背中を伸ばした状態の乗客の背面を支えることができ、キャビン空間112を広く使うことができる。
図4に示すように、4つの車輪103は、2つの前輪103fと2つの後輪103bを含む。コミュニケーションシート式車両101の進行方向は、車両前後方向の前方向である。コミュニケーションシート式車両101の進行方向は、通常使用時に車輪103の回転によりコミュニケーションシート式車両101が進む方向であり、一時的にコミュニケーションシート式車両101が進む方向は含まない。コミュニケーションシート式車両101は、進行方向を車輪103の逆回転により車両前後方向の後方向に変更して走行することができる。つまり、コミュニケーションシート式車両101は、スイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)である。2つの前輪103fは、車両左部にある左前輪103flと、車両右部にある右前輪103frとを含む。2つの後輪103bは、車両左部にある左後輪103blと、車両右部にある右後輪103brとを含む。
駆動源105は、4つの車輪103の少なくとも一つに駆動力を付与する。コミュニケーションシート式車両101は、4つの車輪103が回転することによって走行する。駆動源105は、駆動モータとバッテリとを含む。コミュニケーションシート式車両101は、例えば電動車であり、駆動モータは電気モータである。駆動モータは、バッテリに接続される。バッテリは、コミュニケーションシート式車両101を駆動するためんお電力を駆動モータに供給する。駆動モータは、2つの後輪103bを駆動する。駆動モータは、後輪103bを双方向に回転させることができる。駆動源105は、車体フレーム130に支持される。駆動源105は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
操舵機構106は、4つの車輪103の少なくとも一つを操舵する。操舵機構106の操舵により、コミュニケーションシート式車両101の進行方向が車両左右方向に変更される。操舵機構106は、2つの前輪103fおよび2つの後輪103bを操舵する。操舵機構106は、左前輪103flおよび右前輪103frを車両前後方向に対してそれぞれ所定の舵角で操舵するように構成される。左前輪103flおよび右前輪103frは、操舵機構106により車両左右方向に揺動される。操舵機構106は、左後輪103blおよび右後輪103brを車両前後方向に対してそれぞれ所定の舵角で操舵するように構成される。左後輪103blおよび右後輪103brは、操舵機構106により車両左右方向に揺動される。コミュニケーションシート式車両101の進行方向は、車両左右方向に揺動された2つの前輪103fおよび2つの後輪103bの向きによって決まる。操舵機構106は、車体フレーム130に支持される。操舵機構106は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
制動機構107は、4つのディスクブレーキ装置で構成される。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪103にそれぞれ設けられる。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪103をそれぞれ制動する。ディスクブレーキ装置は、車輪103とともに回転する金属製の円盤と、円盤の車両左右方向の両側に配置されたパッドとを有する。ディスクブレーキ装置は、円盤をパッドで両側から挟み込むことによって、車輪103を制動する。制動機構107は、車体フレーム130に支持される。制動機構107は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
自動運転制御装置108は、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107とに接続される。自動運転制御装置108は、車体フレーム130に支持される。自動運転制御装置108は、制御パネル109と通信可能に構成される。制御パネル109は、キャビン空間112内に配置される。制御パネル109は、電子計算機である。なお、制御パネル109は、車両内部のインナーカバー179に対して、着脱可能であってもよい。自動運転制御装置108は、駆動信号、制動信号、操舵信号を、制御パネル109から受信する。駆動信号は、コミュニケーションシート式車両101を駆動源105により駆動するための信号である。制動信号は、コミュニケーションシート式車両101を制動機構107により制動するための信号である。操舵信号は、コミュニケーションシート式車両101を操舵機構106より操舵するための信号である。駆動信号は、制御パネル109で入力された加速指示に基づいて生成された信号であってもよい。制動信号は、制御パネル109で入力された減速指示に基づいて生成された信号であってもよい。駆動信号および制動信号は、制御パネル109で入力された目標速度に基づいて生成された信号であってもよい。操舵信号は、制御パネル109で入力された回転角指示に基づいて生成された信号であってもよい。自動運転制御装置108は、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107とに、駆動信号、制動信号、操舵信号に基づく指令を出力する。
図4、図5、図10〜図13に示すように、車体フレーム130は、天井フレーム131と、床フレーム136と、前H型フレーム141と、後H型フレーム146とを有する。車体フレーム130は、例えば、金属で形成される。車体フレーム130は、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じである。また、車体フレーム130は、車両前後方向のその前端とその後端との間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。本具体例では、車体フレーム130は、車両前後方向のその中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。
天井フレーム131は、2本の天井横フレーム132と、天井右フレーム133と、天井左フレーム134とを有する。2本の天井横フレーム132は、天井前フレーム132fと天井後フレーム132bとを有する。天井前フレーム132fおよび天井後フレーム132bは、車両前後方向に並んで配置される。天井前フレーム132fは、天井後フレーム132bより車両前後方向の前方向に配置される。天井前フレーム132fおよび天井後フレーム132bは、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。天井前フレーム132fおよび天井後フレーム132bは、平行に配置される。天井右フレーム133は、2本の天井横フレーム132の車両左右方向の右部をつなぐ。天井左フレーム134は、2本の天井横フレーム132の車両左右方向の左部をつなぐ。天井右フレーム133および天井左フレーム134は、平行に配置される。天井右フレーム133および天井左フレーム134は、その前端部および後端部が下方向に傾斜して形成される。天井フレーム131の前端部は、前H形フレーム141に接続される。天井フレーム131の後端部は、後H形フレーム146に接続される。具体例1では、天井前フレーム132fは、前H形フレーム141の2本の前柱142と一体で形成される。天井後フレーム132bは、後H形フレーム146の2本の後柱147と一体で形成される。
床フレーム136は、車両左右方向の辺の長さが車両前後方向の辺の長さより短い長方形状に形成される。床フレーム136は、天井フレーム131の下方向に配置される。床フレーム136には、前H形フレーム141の2本の前柱142の下端部が接続される。床フレーム136には、後H形フレーム146の2本の後柱147の下端部が接続される。床フレーム136は、2本の床横フレーム137と、床右フレーム138と、床左フレーム139とを有する。2本の床横フレーム137は、床前フレーム137fと床後フレーム137bとを有する。床前フレーム137fおよび床後フレーム137bは、車両前後方向に並んで配置される。床前フレーム137fは、床後フレーム137bより前方向に配置される。床前フレーム137fおよび床後フレーム137bは、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。床前フレーム137fおよび床後フレーム137bは、平行に配置される。床右フレーム138および床左フレーム139は、車両左右方向に並んで配置される。床右フレーム138は、車両左右方向において、床左フレーム139の右方向に配置される。床右フレーム138および床左フレーム139は、平行に配置される。床右フレーム138は、2本の床横フレーム137の車両左右方向の右部をつなぐ。床左フレーム139は、2本の床横フレーム137の車両左右方向の左部をつなぐ。
床フレーム136は、さらに、床中間フレーム140を有する。床中間フレーム140は、床中間前フレーム137cfと、床中間後フレーム137cbと、床中間右フレーム138aと、床中間左フレーム139aとを有する。床中間前フレーム137cfおよび床中間後フレーム137cbは、車両前後方向に並んで配置される。床中間前フレーム137cfおよび床中間後フレーム137cbは、車両前後方向において、2本の床横フレーム137の間に配置される。床中間前フレーム137cfは、車両前後方向において、床中間後フレーム137cbの前方向に配置される。床中間前フレーム137cfおよび床中間後フレーム137cbは、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。床中間前フレーム137cfおよび床中間後フレーム137cbは、平行に配置される。床右フレーム138は、床中間前フレーム137cfおよび床中間後フレーム137cbの車両左右方向の右部をつなぐ。床左フレーム139は、床中間前フレーム137cfおよび床中間後フレーム137cbの車両左右方向の左部をつなぐ。床中間右フレーム138aおよび床中間左フレーム139aは、車両左右方向に並んで配置される。床中間右フレーム138aおよび床中間左フレーム139aは、車両左右方向において、床右フレーム138および床左フレーム139の間に配置される。床中間右フレーム138aは、車両左右方向において、床中間左フレーム139aの右方向に配置される。床中間右フレーム138aおよび床中間左フレーム139aは、平行に配置される。2本の床横フレーム137は、床中間右フレーム138aの前端部および後端部を接続する。2本の床横フレーム137は、床中間左フレーム139aそれぞれの前端部および後端部を接続する。
前H型フレーム141は、2本の前柱142と、前中間横フレーム143とを含む。2本の前柱142は、車両左右方向に並んで配置される。2本の前柱142は、右前柱142rおよび左前柱142lを有する。2本の前柱142は、後述する乗降口182より前方向に位置する。右前柱142rおよび左前柱142lは、車両左右方向に並んで配置される。右前柱142rは、左前柱142lより車両左右方向の右方向に配置される。右前柱142rおよび左前柱142lは、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。右前柱142rおよび左前柱142lは、平行に配置される。右前柱142rおよび左前柱142lは、それぞれの上部がそれぞれの下部より前方向にある。右前柱142rおよび左前柱142lは、それぞれの上部が天井フレーム131の前部に接続されている。右前柱142rおよび左前柱142lは、それぞれの下部が床フレーム136の前部に接続されている。前中間横フレーム143は、2本の前柱142に車両左右方向の端部が接続される。前中間横フレーム143は、2本の前柱142同士をつなぐ。前中間横フレーム143は、重量物を支持する前支持フレーム151fおよびフロントカバー支持フレーム152fが接続される。前支持フレーム151fおよびフロントカバー支持フレーム152fは、前中間横フレーム143の前方向に配置される。前支持フレーム151fは、駆動源105や自動運転制御装置108等の重量物を支持する。フロントカバー支持フレーム152fは、フロントカバー171f等の重量物を支持する。前中間横フレーム143は、前支持フレーム151fおよびフロントカバー支持フレーム152fを介して、前中間横フレーム143の前方向に配置される重量物を支持する。前中間横フレーム143には、図示しないが、回転軸を介して、フロントシートアセンブリフレームが揺動可能に取り付けられる。フロントシートアセンブリフレームは、フロントシートアセンブリ120fを構成する。
後H型フレーム146は、2本の後柱147と、後中間横フレーム148とを含む。2本の後柱147は、車両左右方向に並んで配置される。2本の後柱147は、右後柱147rおよび左後柱147lを有する。2本の後柱147は、後述する乗降口182より後方向に位置する。右後柱147rおよび左後柱147lは、車両左右方向に並んで配置される。右後柱147rは、左後柱147lより車両左右方向の右方向に配置される。右後柱147rおよび左後柱147lは、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。右後柱147rおよび左後柱147lは、平行に配置される。右後柱147rおよび左後柱147lは、それぞれの上部がそれぞれの下部より後方向にある。右後柱147rおよび左後柱147lは、それぞれの上部が天井フレーム131の後部に接続されている。右後柱147rおよび左後柱147lは、それぞれの下部が床フレーム136の後部に接続されている。後中間横フレーム148は、2本の後柱147に車両左右方向の端部が接続される。後中間横フレーム148は、2本の後柱147同士をつなぐ。後中間横フレーム148は、重量物を支持する後支持フレーム151bおよびリヤカバー支持フレーム152bが接続される。後支持フレーム151bおよびリヤカバー支持フレーム152bは、後中間横フレーム148の後方向に配置される。後支持フレーム151bは、駆動源105や自動運転制御装置108等の重量物を支持する。リヤカバー支持フレーム152bは、リヤカバー171b等の重量物を支持する。後中間横フレーム148は、後支持フレーム151bおよびリヤカバー支持フレーム152bを介して、後中間横フレーム148の後方向に配置される重量物を支持する。後中間横フレーム148には、回転軸121bを介して、リアシートアセンブリフレーム120bfが揺動可能に取り付けられる。リアシートアセンブリフレーム120bfは、リアシートアセンブリ120bを構成する。
図4〜図6に示すように、車体カバー170は、フロントカバー171fと、リヤカバー171bと、2つの前輪サイドカバー175fと、2つの後輪サイドカバー175bと、屋根カバー176と、サイドカバー177と、床カバーであるフロアデッキ178と、インナーカバー179とを有する。車体カバー170は、車両内部に、乗客を収容するキャビン空間112を形成する。車体カバー170は、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。本具体例では、車体カバー170は、車両前後方向のその中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。車体カバー170は、例えば、合成樹脂で形成される。車体カバー170は、車体フレーム130に支持される。車体カバー170は、車体フレーム130を覆う。車体カバー170は、車体フレーム130の上部を、車両内部および車両外部から覆う。また、車体カバー170は、車体フレーム130の下部を、車両内部から覆うとともに、車両外部から覆う。フロントカバー171fは、車両前後方向の前および後から前H型フレーム141を覆う。リヤカバー171bは、車両前後方向の前および後から後H型フレーム146を覆う。前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの側面を覆う。後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの側面を覆う。屋根カバー176は、天井フレーム131を車両上下方向の上および下から覆う。フロアデッキ178は、床フレーム136の上面を車両上下方向の上から覆う。サイドカバー177は、右サイドカバー177rと、左サイドカバー177lとを有する。コミュニケーションシート式車両101の乗客が視認できる形状は、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。本具体例では、コミュニケーションシート式車両101の乗客が視認できる形状は、車両前後方向のその中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。なお、コミュニケーションシート式車両101の乗客が視認できる形状とは、コミュニケーションシート式車両101の外形形状と、キャビン空間112の形状である。
車体カバー170は、その車両左右方向の左部または右部の少なくともいずれか一方に乗降口182を有する。図4では、車体カバー170は、その車両左右方向の左部に乗降口182を有する。
図5に示すように、フロントカバー171fは、屋根カバー176およびサイドカバー177の前方向に配置される。フロントカバー171fは、その一部が、2つの前輪103fより上方向に配置される。フロントカバー171fは、フロントカバー下部171faと、フロントカバー中間下部171fbと、フロントカバー中間部171fcと、フロントカバー上部171fdと、2つの前輪フロントカバー部171feとを有する。フロントカバー下部171faと、フロントカバー中間下部171fbと、フロントカバー中間部171fcと、フロントカバー上部171fdと、2つの前輪フロントカバー部171feは、部分的または全体的に一体で形成されてもよいし、それぞれ別体で形成されてもよい。
フロントカバー下部171faは、2つの前輪103fの前方向に配置される。フロントカバー下部171faは、車両上下方向に沿って配置される。フロントカバー下部171faは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。フロントカバー下部171faは、2つの前輪フロントカバー部171feの間に、車両左右方向に沿って配置される。フロントカバー下部171faは、車両左右方向の中央部が左右端部より前方向になるように湾曲している。フロントカバー下部171faは、車両上下方向の中央部が上下端部より前方向になるように湾曲している。フロントカバー下部171faの前端は、2つの前輪フロントカバー部171feの前端より前方向に突出している。
フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー下部171faに接続され、フロントカバー下部171faの上方向に配置される。フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー下部171faより後方向に配置される。フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー中間部171fcに接続され、フロントカバー中間部171fcの下方向に配置される。フロントカバー中間部171fcは、フロントカバー下部171faの後方向に配置される。フロントカバー中間下部171fbは、車両前後方向に沿って配置される。フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー下部171faからフロントカバー中間部171fcに向かって上方向に傾斜している。フロントカバー中間下部171fbは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。
フロントカバー中間部171fcは、フロントカバー中間下部171fbに接続され、フロントカバー中間下部171fbの上方向に配置される。フロントカバー中間部171fcは、車両上下方向に沿って配置される。
フロントカバー上部171fdは、フロントカバー中間部171fcに接続され、フロントカバー中間部171fcより上方向に配置される。フロントカバー上部171fdは、車両上下方向に沿って配置される。フロントカバー上部171fdは、フロントカバー中間部171fcより前方向に配置される。フロントカバー上部171fdは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。フロントカバー上部171fdは、車両左右方向の中央部が左右端部より前方向になるように湾曲している。フロントカバー上部171fdは、フロントカバー窓171foを有する。フロントカバー窓171foは、コミュニケーションシート120のバックレスト122より上方向に配置される。フロントカバー窓171foは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。フロントカバー窓171foは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。フロントカバー窓171foは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。なお、フロントカバー窓171foは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓であってもよい。また、フロントカバー窓171foは、開いたときにのみキャビン空間112と外部空間とを連通させる開閉可能な窓であってもよい。また、フロントカバー窓171foは、開閉不能な嵌め殺し窓(fixed window)であってもよい。フロントカバー窓171foが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、フロントカバー窓171foには、透明なガラスや合成樹脂、ビニールシート等がはめ込まれる。
2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪103fの前方向に配置され、前から2つの前輪103fの一部を覆う。2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪103fの上方向に配置され、上から2つの前輪103fの前部の一部を覆う。2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪103fに沿って湾曲して形成される。2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪サイドカバー175fにそれぞれ接続される。
図6に示すように、リヤカバー171bは、屋根カバー176およびサイドカバー177より後方向に配置される。リヤカバー171bは、後輪103bの上方向に配置される。リヤカバー171bは、リヤカバー下部171baと、リヤカバー中間下部171bbと、リヤカバー中間部171bcと、リヤカバー上部171bdと、2つの後輪リヤカバー部171beとを有する。リヤカバー171bは、リヤカバー下部171baと、リヤカバー中間下部171bbと、リヤカバー中間部171bcと、リヤカバー上部171bdと、2つの後輪リヤカバー部171beは、部分的にまたは全体的に一体で形成されてもよいし、それぞれ別体で形成されてもよい。
リヤカバー下部171baは、2つの後輪103bの後方向に配置される。リヤカバー下部171baは、車両上下方向に沿って配置される。リヤカバー下部171baは、その左部およびその右部が、2つの前輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。リヤカバー下部171baは、2つの後輪リヤカバー部171beの間に、車両左右方向に沿って配置される。リヤカバー下部171baは、車両左右方向の中央部が左右端部より後方向になるように湾曲している。リヤカバー下部171baは、車両上下方向の中央部が上下端部より後方向になるように湾曲している。リヤカバー下部171baの後端は、2つの後輪リヤカバー部171beの後端より後方向に突出している。
リヤカバー中間下部171bbは、リヤカバー下部171baに接続され、リヤカバー下部171baの上方向に配置される。リヤカバー中間下部171bbは、少なくとも一部がリヤカバー下部171baより後方向に配置される。リヤカバー中間下部171bbは、リヤカバー中間部171bcに接続され、リヤカバー中間部171bcの下方向に配置される。リヤカバー中間部171bcは、リヤカバー下部171baの前方向に配置される。リヤカバー中間下部171bbは、車両前後方向に沿って配置される。リヤカバー中間下部171bbは、リヤカバー下部171baからリヤカバー中間部171bcに向かって上方向に傾斜している。リヤカバー中間下部171bbは、その左部およびその右部が、2つの後輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。
リヤカバー中間部171bcは、リヤカバー中間下部171bbに接続され、リヤカバー中間下部171bbの上方向に配置される。リヤカバー中間部171bcは、車両上下方向に沿って配置される。
リヤカバー上部171bdは、リヤカバー中間部171bcに接続され、リヤカバー中間部171bcより上方向に配置される。リヤカバー上部171bdは、車両上下方向に沿って配置される。リヤカバー上部171bdは、一部がリヤカバー中間部171bcより後方向に配置される。リヤカバー上部171bdは、その左部およびその右部が、2つの後輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。リヤカバー上部171bdは、車両左右方向の中央部が左右端部より後方向になるように湾曲している。リヤカバー上部171bdは、リヤカバー窓171boを有する。リヤカバー窓171boは、コミュニケーションシート120のバックレスト122より上方向に配置される。リヤカバー窓171boは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。リヤカバー窓171boは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。リヤカバー窓171boは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。リヤカバー窓171boは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓であってもよい。また、リヤカバー窓171boは、開いたときにのみキャビン空間112と外部空間とを連通させる開閉可能な窓であってもよい。また、リヤカバー窓171boは、開閉不能な嵌め殺し窓(fixed window)であってもよい。リヤカバー窓171boが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、リヤカバー窓171boには、透明なガラスや合成樹脂、ビニールシート等がはめ込まれる。
2つの後輪リヤカバー部171beは、2つの後輪103bの上方向に配置され、上から2つの後輪103bの一部を覆う。2つの後輪リヤカバー部171beは、2つの後輪103bに沿って湾曲して形成される。2つの後輪リヤカバー部171beは、2つの後輪サイドカバー175bにそれぞれ接続される。
図4および図5に示すように、2つの前輪サイドカバー175fは、右前輪サイドカバー175frおよび左前輪サイドカバー175flを有する。2つの前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの車両左右方向の左方向および右方向に配置される。右前輪サイドカバー175frは、右前輪103frの右方向に配置される。左前輪サイドカバー175flは、左前輪103flの左方向に配置される。2つの前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの一部を左および右から覆う。2つの前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fに沿って湾曲して形成される。
2つの後輪サイドカバー175bは、右後輪サイドカバー176brおよび左後輪サイドカバー176blを有する。2つの後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの車両左右方向の左方向および右方向に配置される。右後輪サイドカバー175brは、右後輪103brの右方向に配置される。左後輪サイドカバー175blは、左後輪103blの左方向に配置される。2つの後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの一部を左および右から覆う。2つの後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bに沿って湾曲して形成される。
図4および図6に示すように、屋根カバー176は、フロントカバー171fに接続され、フロントカバー171fの後方向に配置される。屋根カバー176は、リヤカバー171bに接続され、リヤカバー171bの前方向に配置される。屋根カバー176は、サイドカバー177に接続され、サイドカバー177の上方向に配置される。屋根カバー176は、略平面状に形成される。
サイドカバー177は、フロントカバー171fに接続され、フロントカバー171fの後方向に配置される。サイドカバー177は、リヤカバー171bに接続され、リヤカバー171bの前方向に配置される。サイドカバー177は、屋根カバー176に接続され、屋根カバー176の下方向に配置される。サイドカバー177は、右サイドカバー177rと、左サイドカバー177lとを有する。
図7に示すように、右サイドカバー177rは、右窓177roを有する。右窓177roは、上辺が下辺より長い台形状に形成される。右窓177roは、右サイドカバー177rの上部に配置される。右窓177roは、コミュニケーションシート120のシート121より上方向に配置される。右窓177roは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。右窓177roは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。右窓177roは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。右窓177roは、常にキャビン空間と外部空間とを連通させる開口した窓である。コミュニケーションシート式車両101は、右サイドカバー177rの右窓177roの下枠の前後方向中央部に非常ボタン180を有する。非常ボタン180は、キャビン空間112と車外空間とのほぼ境界に配置されている。非常ボタン180は、下方向に押し込まれることで操作される。非常ボタン180は、コミュニケーションシート式車両101の車内にいる乗客が操作することができる。もしくは、非常ボタン180は、コミュニケーションシート式車両101の車外にいる歩行者等が右窓177roから手を入れて操作することができる。非常ボタン180が操作されると、コミュニケーションシート式車両101は走行を停止する。
左サイドカバー177lは、左窓177loと、ドア181と、を有する。なお、具体例1のコミュニケーションシート式車両101は、道路内の車両左右方向の左部を通行することを想定している。左窓177loは、左サイドカバー177lの上部に配置される。左窓177loは、ドア181が閉状態の際(図4参照)、上辺が下辺より長い台形状に形成される。左窓177loは、コミュニケーションシート120のシート121より上方向に配置される。左窓177loは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。左窓177loは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。左窓177loは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。左窓177loは、常にキャビン空間と外部空間とを連通させる開口した窓である。
ドア181は、左サイドカバー177lの車両左右方向の中央の下部に配置される。ドア181は、前ドア181fおよび後ドア181bを有する。前ドア181fは、コミュニケーションシート式車両101の車両前後方向の中央より前方向に配置される。後ドア181bは、コミュニケーションシート式車両101の車両前後方向の中央より後方向に配置される。前ドア181fおよび後ドア181bは、スライドドアである。前ドア181fおよび後ドア181bは、車両前後方向にスライドして、乗降口182を開閉可能に構成される。乗降口182は、図7の二点鎖線で示される領域である。前ドア181fおよび後ドア181bは、閉状態の際に(図4参照)、前ドア181fの後端と後ドア181bの前端が接触するように構成される。前ドア181fおよび後ドア181bは、開状態の際に(図7参照)、乗降口182からキャビン空間112に乗り降り可能に構成される。前ドア181fは、閉状態から開状態になる際に、前方向に向かってスライドされる。前ドア181fは、開状態から閉状態になる際に、後方向に向かってスライドされる。後ドア181bは、閉状態から開状態になる際に、後方向に向かってスライドされる。後ドア181bは、開状態から閉状態になる際に、前方向に向かってスライドされる。
コミュニケーションシート式車両101は、4つの開ボタン183a、183b、183c、183dを有する。開ボタン183a、183bは、車両外面に設けられる。開ボタン183c、183dは、車両内面に設けられる。なお、車両外面とは、コミュニケーションシート式車両101を形成する面のうち、車両外部の外部空間に露出する面である。なお、車両内面とは、コミュニケーションシート式車両101を形成する面のうち、車両内部のキャビン空間112に対向する面である。開ボタン183a、183bは、ドア181の外面に配置される。なお、ドア181の外面とは、ドア181を形成する面のうちの、車両外部の外部空間に露出する面である。開ボタン183c、183dは、ドア181の内面に配置される。開ボタン183c、183dは、キャビン空間112に面している。なお、ドア181の内面とは、ドア181を形成する面のうちの、車両内部のキャビン空間112に対向する面である。開ボタン183a、183cは、前ドア181fに配置される。開ボタン183b、183dは、後ドア181bに配置される。開ボタン183aおよび開ボタン183cは、一般乗客用のボタンである。開ボタン183aおよび開ボタン183cが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bが開状態になる。開ボタン183bおよび開ボタン183dは、特別乗客用のボタンである。開ボタン183bおよび開ボタン183dが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bが開状態になると共に、コミュニケーションシート式車両101の車両高が低くなる。コミュニケーションシート式車両101の車両高が低くなるとは、詳細には、少なくとも、車体フレーム130と車体カバー170が下降する。なお、開ボタン183aおよび開ボタン183cが特別乗客用のボタンであって、開ボタン183bおよび開ボタン183dが一般乗客用のボタンであってもよい。また、コミュニケーションシート式車両101は、車両内面に設けられた1つの閉ボタン183eを有する。閉ボタン183eは、右窓170roの下方向にある後述するインナーカバー179に配置される。閉ボタン183eは、キャビン空間112に面している。閉ボタン183eが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bが閉状態となる。なお、閉ボタン183eが押された時点で、コミュニケーションシート式車両101の車両高が走行時の高さより低い場合は、閉ボタン183eが操作されると、前ドア181fおよび後ドア181bが閉状態になると共に、コミュニケーションシート式車両101の車両高が走行時の高さになる。前ドア181fおよび後ドア181bの外面に配置された開ボタン183a、183bは、コミュニケーションシート式車両101の車両外部の外部空間にいる歩行者等が操作することができる。前ドア181fおよび後ドア181bの内面に配置された開ボタン183c、183d、および、インナーカバー179に配置された閉ボタン183eは、キャビン空間112にいる乗客が操作することができる。なお、前ドア181fおよび後ドア181bの内面に配置された開ボタン183c、183dが操作された場合、センサで人等を検出しなくなった後または所定時間経過後に、前ドア181fおよび後ドア181bが自動的に閉状態になる。
図4および図6に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、バイザー184を備える。バイザー184は、車両外面における左窓177loおよび右窓177roの上縁に設けられる。なお、バイザー184は、車両外面における左窓177loおよび右窓177roの上方向の位置に設けられてもよい。
図7および図8に示すように、フロアデッキ178は、屋根カバー176より下方向に配置される。フロアデッキ178は、車両内部の床部を構成する。フロアデッキ178には、乗客の足や車いすや荷物が置かれる。
インナーカバー179は、屋根カバー176より下方向に配置される。インナーカバー179は、車両内部の壁部を構成する。インナーカバー179は、フロアデッキ178より上方向に配置され、フロアデッキ178に接続される。インナーカバー179における右窓170roの上方向には、制御パネル109が配置される。なお、インナーカバー179は、2つのトレー部(荷物デッキ)179aを有する。2つの荷物デッキ179aは、前荷物デッキ179afおよび後荷物デッキ179arを有する。前荷物デッキ179afは、フロントシート121fより上方向に配置される。前荷物デッキ179afは、フロントバックレスト122fより前方向であってフロントカバー窓171foより後方向に配置される。後荷物デッキ179arは、リアシート121rより上方向に配置される。後荷物デッキ179arは、リアバックレスト122rより後方向であってリヤカバー窓171boより前方向に配置される。前荷物デッキ179afは、その上面より上方向に前収納スペースを構成する前荷物デッキである。後荷物デッキ179arは、その上面より上方向に後収納スペースを構成する後荷物デッキである。前収納スペースおよび後収納スペースは、車両内部の空間である。2つの荷物デッキ179aは、乗客の荷物等が載置可能に構成される。
車体カバー170は、車両内部に、乗客を収容するキャビン空間112を形成する。なお、車体カバー170には、前壁および後壁が含まれる。前壁は、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両1の前端部にある外壁の前面である。後壁は、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両1の後端部にある外壁の後面である。また、ドア181およびコミュニケーションシート120も、車両内部に、乗客を収容するキャビン空間112を形成する。より詳細には、キャビン空間112は、車体カバー170およびドア181より車両内部に形成される。また、キャビン空間112は、車両内部において、コミュニケーションシート120のフロントバックレスト122fより後方向かつリアバックレスト122rより前方向の空間を含む。また、キャビン空間112は、車両内部において、2つの荷物デッキ179aより上方向の空間を含む。
コミュニケーションシート式車両101の上部110aは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の最も上の部分である。コミュニケーションシート式車両101の中間部110bは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の真ん中の部分である。コミュニケーションシート式車両101の下部110cは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の最も下の部分である。なお、図4では、直線L121および直線L122を、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分する直線として示している。直線L121および直線L122は、車両上下方向に垂直でありかつ車両前後方向に平行な直線である。また、直線L121は、直線L122より車両上下方向の上方向に位置する。コミュニケーションシート式車両101は、車両上下方向において、直線L121を通る平面および直線L122を通る平面で、上部110a、中間部110b、および、下部110cに3等分される。
コミュニケーションシート式車両101は、車両前後方向において、その上部110aの長さがその下部110cの長さよりも短く、その中間部110bの長さがその上部110aの長さよりも長くなるように構成されている。また、キャビン空間112は、車両上部110aにあるキャビン空間112の前端が、車両中間部110bにあるキャビン空間112の前端より前方向に位置するように形成されている。キャビン空間112は、車両上部110aにあるキャビン空間112の後端が、車両中間部110bにあるキャビン空間112の後端より後方向に位置するように形成されている。
図4、図7および図9に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、スロープ部材136aを有する。スロープ部材136aは、コミュニケーションシート式車両101の走行時に、ドア181の車両左右方向の右方向のキャビン空間112内に収納される。具体的には、スロープ部材136aは、車両前後方向に並んだ2つの板状部材からなる。スロープ部材136aの2つの板状部材は、スロープ部材136aの収納状態において、前ドア181fと後ドア181bの内面に沿ってそれぞれ配置される。各板状部材は、二つ折り等に折り畳まれた状態でドア181の内面に沿って配置されてもよい。スロープ部材136aは、コミュニケーションシート式車両101の停止時に開ボタン183bまたは開ボタン183dが操作されると、収納状態(図示せず)から図9に示す使用状態に変更される。使用状態のスロープ部材136aは、乗降口182から地面に向かって傾斜して状態で設置される。つまり、図9の使用状態のスロープ部材136aは、車両左右方向における左端部が地面に設置される。図9の使用状態のスロープ部材136aは、車両左右方向における右端部がフロアデッキ178の高さになるように、乗降口182に設置される。この際、コミュニケーションシート式車両101は、その車両高が走行時の車両高より低くなるように制御される。つまり、コミュニケーションシート式車両101の乗降口182は、その高さが走行時の高さより低くなるように制御される。これにより、乗客、台車、車椅子等の乗り降りがよりスムーズにできる。スロープ部材136aは、図9に示す使用状態の時に閉ボタン183eが操作されると、図9に示す使用状態から収納状態に変更される。この際、コミュニケーションシート式車両101は、その車両高が走行時の車両高と同じ高さになるように制御される。つまり、コミュニケーションシート式車両101の乗降口182は、その高さが走行時の高さと同じになるように制御される。なお、開ボタン183aまたは開ボタン183cが操作された場合は、スロープ部材136aを構成する2つの板状部材は、前ドア181fおよび後ドア181bと一体的に車両前後方向にスライドする。スロープ部材136aが収納状態の時に閉ボタン183eが操作された場合は、スロープ部材136aを構成する2つの板状部材は、前ドア181fおよび後ドア181bと一体的に車両前後方向にスライドする。スロープ部材136aは、フロアデッキ178と地面との段差を解消するために用いられる。スロープ部材136aにより、乗客、台車、車椅子等が乗り降りをスムーズに行うことができる。スロープ部材136aの幅W102は、乗降口182の幅W101と同じかそれより短い長さである。なお、スロープ部材136aの幅W102は、乗降口182の幅W101と同じ長さであることが好ましい。スロープ部材136aの幅がより広い方が、乗客、台車、車椅子等の乗り降りがスムーズにできるからである。スロープ部材136aは幅方向の両端部に突起部を有し、スロープ部材136aの両端部がL字状になるように形成されていることが好ましい。台車、車椅子等の乗り降りをガイドすることができるからである。スロープ部材136aは、上面に滑り止めのための突起加工が施されていることが好ましい。乗客、台車、車椅子等の乗り降りがスムーズにできるからである。なお、図9に示すように、コミュニケーションシート式車両101の停止時であって、乗客、台車、車椅子等が乗り降りする際に、シート121は、収納状態に配置されることが好ましい。これにより、キャビン空間112を広く使うことができ、乗客、台車、車椅子等が乗り降りをスムーズに行うことができる。
本発明の実施形態の具体例1のコミュニケーションシート式車両101は、上述した本発明の実施形態3のコミュニケーションシート式車両1Cの効果に加えて、以下の効果を奏する。
コミュニケーションシート式車両101は、車体フレーム130の上部の少なくとも一部が車体カバー170で覆われており、キャビン空間112への雨や風等の侵入を防止することができる。そのため、乗客はコミュニケーションシート式車両101に乗り降りしやすくなる。これにより、車体フレーム130の剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
コミュニケーションシート式車両101は、車体フレーム130の少なくとも一部を覆う車体カバー170をさらに備える。車体カバー170は、その車両左右方向の左部に乗降口182を形成する。天井フレーム131の車両前後方向の長さを床フレーム136の車両前後方向の長さよりも長くしたことで、天井フレームの前後方向の長さが床フレーム136の車両前後方向の長さと同じ車両と比較して、車両左右方向の左部または右部の少なくともいずれかに形成される乗降口182の上部の幅の設計自由度を高めることができる。そのため、乗降口182の幅を、例えば車いす等でも乗り降りのしやすい幅に設定することができる。これにより、車体フレーム130の剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
コミュニケーションシート式車両101は、乗降口182を開閉可能に設けられたドア181を有する。本発明のコミュニケーションシート式車両101は、天井フレーム131の車両前後方向の長さが長いため、ドア181が乗降口182を開閉可能に構成されていたとしても、乗降口182の幅を乗り降りのしやすい幅に設定することができる。これにより、車体フレーム130の剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
さらに、ドア181はスライドドアである。ドア181は、車両外面に沿って車両前後方向にスライド可能である。よって、ドア181が開いたときに、ドア181はキャビン空間112の中や外の乗客の邪魔になりにくい。そのため、乗客はコミュニケーションシート式車両101に乗り降りしやすくなる。
コミュニケーションシート式車両101は、車輪103の逆回転により、進行方向を車両前後方向の後方向に変更可能である。コミュニケーションシート式車両101の車体カバー170の形状は、車両前後方向において対称になるように形成される。車体フレーム130の形状は、車両前後方向において対称になるように形成される。これにより、進行方向が車両前後方向の後方向に変更された場合であっても、車体フレーム130の剛性を確保しつつ、乗り降りのしやすさを高めることができる。
コミュニケーションシート120は、乗客が着座するシート部121aを有する。シート121は、キャビン空間112にシート部121aを構成可能に形成される。シート121は、シート部121aが構成される着座状態と、シート部121aが構成されない収納状態との間で揺動可能に形成される。シート121は、バックレスト部122aを構成するバックレスト122に対して、揺動可能に形成される。そして、シート121の収納状態では、シート121が揺動されて、シート121とバックレスト122とが向かい合うように配置される。このように、乗客がキャビン空間112に乗り降りする際に、シート121がシート部121aを構成しなければ、乗客が乗り降りする際にキャビン空間112をより広く使うことができる。そのため、乗り降りのしやすさがより向上する。
コミュニケーションシート120は、乗客の姿勢を保つためのバックレスト部122aを有する。バックレスト122は、車両内部のキャビン空間112に、バックレスト部122aを構成可能に形成される。バックレスト122は、固定されて常にバックレスト部122aを構成する。バックレスト122がバックレスト部122aを構成していると、乗客がコミュニケーションシート120に着座した際に、乗客の背中が支えられて姿勢が保たれる。そして、例えば、ある乗客が乗り降りする際に、既に着座している他の乗客がバックレスト部122aにもたれかかっているため邪魔にならない。これにより、乗り降りのしやすさがより向上する。
キャビン空間112と車両外部の外部空間とを連通させるフロントカバー窓171fo、リヤカバー窓171bo、右窓177ro、および、左窓177loを備える。フロントカバー窓171fo、リヤカバー窓171bo、右窓177ro、および、左窓177loは、コミュニケーションシート120に着座した乗客がキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成されているため、乗客が外部空間を確認することができる。これにより、乗客がコミュニケーションシート式車両101の周辺環境を確認しやすいため、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
乗降口182は車両左部に構成される。コミュニケーションシート式車両101が道路内の車両左右方向の左部を通行する場合、対向車両がコミュニケーションシート式車両101の車両右方向を通過する。つまり、乗客がキャビン空間112に乗り降りしやすい位置に、乗降口182を構成することができる。乗客が乗り降りをスムーズに行うことにより、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
駆動源105と操舵機構106は、自動運転制御装置108により自動的に制御される。コミュニケーションシート式車両101は、自動走行可能である。つまり、ステアリングホイールやペダル等をキャビン空間112内に配置しなくてよい。そのため、乗客がキャビン空間112を広く使うことができ、乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
コミュニケーションシート式車両101は、バイザー184を備える。バイザー184は、車両外面における左窓177loおよび右窓177roの上縁に設けられる。バイザー184が左窓177loおよび右窓177roへの雨や日差しなどの侵入を抑えるため、乗客が乗り降りをスムーズに行うことができる。乗り降りのしやすさをより向上させることができる。
床フレーム136は、さらに、車両左右方向に沿った床中間フレーム140である床中間前フレーム137cfおよび床中間後フレーム137cbを有する。床フレーム136は、車両前後方向に沿った床中間フレーム140である床中間右フレーム138aおよび床中間左フレーム139aを有する。床フレーム136が床中間フレーム140を有することにより、床フレーム136の剛性が高くなる。これにより、車体フレーム130の剛性をより高めることができる。
コミュニケーションシート式車両101は、スロープ部材136aを有する。スロープ部材136aは、乗降口182から地面に向かって傾斜して設置可能に構成される。そして、スロープ部材136aは、乗降口182と地面とをつなぐように設けられる。つまり、スロープ部材136aは、傾斜した状態で設置される。スロープ部材136aにより乗降口182と地面との段差が解消するため、乗客、台車、車椅子等が乗り降りをスムーズに行うことができる。
(実施形態の具体例2)
次に、上述した本発明の実施形態の具体例1について図10を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。基本的に、本発明の実施形態の具体例2は、上述した本発明の実施形態および具体例1の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
具体例2のコミュニケーションシート式車両201は、具体例1で上述のフロントカバー171fのフロントカバー下部171faおよびリヤカバー171bのリヤカバー下部171baと形状が異なるフロントカバー271fのフロントカバー下部271faおよびリヤカバー271bのリヤカバー下部271baを有する。そのため、コミュニケーションシート式車両201の前部および後部の形状は、具体例1で上述のコミュニケーションシート式車両101の前部および後部の形状と異なる。
図10に示すように、フロントカバー271fのフロントカバー下部271faは、2つの前輪103fの前方向に配置される。フロントカバー下部271faは、車両上下方向に沿って配置される。フロントカバー下部271faは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。フロントカバー下部271faは、2つの前輪フロントカバー部171feの間に、車両左右方向に沿って配置される。フロントカバー下部271faは、車両左右方向の中央部が左右端部より前方向になるように湾曲している。フロントカバー下部271faは、車両上下方向の中央部が上下端部より前方向になるように湾曲している。車両前後方向において、フロントカバー下部271faの前端は、2つの前輪フロントカバー部171feの前端と同じかそれより後方向に配置される。
リヤカバー271bのリヤカバー下部271baは、2つの後輪103bの後方向に配置される。リヤカバー下部271baは、車両上下方向に沿って配置される。リヤカバー下部271baは、その左部およびその右部が、2つの前輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。リヤカバー下部271baは、2つの後輪リヤカバー部171beの間に、車両左右方向に沿って配置される。リヤカバー下部271baは、車両左右方向の中央部が左右端部より後方向になるように湾曲している。リヤカバー下部271baは、車両上下方向の中央部が上下端部より後方向になるように湾曲している。リヤカバー下部271baの後端は、車両前後方向において、2つの後輪リヤカバー部171beの後端と同じかそれより前方向に配置される。
コミュニケーションシート式車両201は、前後方向において、その上部210aの長さがその下部210cの長さよりも短く、その中間部210bの長さがその上部210aの長さよりも長くなるように構成される。
コミュニケーションシート式車両201の後部を車両前後方向の前方向に見た形状は、コミュニケーションシート式車両201の前部を車両前後方向の後方向に見た形状と同じであり、その説明を省略する。
本発明の実施形態の具体例2のコミュニケーションシート式車両201は、上述した本発明の実施形態の具体例1のコミュニケーションシート式車両101の効果と同じ効果を奏する。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の変更例について説明する。
本発明の具体例において、駆動源は、2つの後輪を駆動する。しかしながら、本発明の駆動源は、2つの前輪を駆動してもよい。本発明の駆動源は、複数の車輪の少なくとも2つの車輪を駆動してもよい。本発明の具体例において、駆動源は、電気モータおよびバッテリを含む駆動モータである。しかし、本発明の駆動源は、ガソリン等を用いるエンジンであってもよい。
本発明の具体例において、制動機構は、ディスクブレーキ装置で構成される。しかし、本発明の制動機構は、駆動モータによる回生ブレーキとディスクブレーキ装置を併用するものであってもよい。また、本発明の制動機構は、ドラムブレーキ装置等で構成されてもよい。
本発明の具体例において、操舵機構は、2つの前輪を操舵して、コミュニケーションシート式車両の進行方向を制御する。しかしながら、本発明の操舵機構は、2つの後輪を操舵して、コミュニケーションシート式車両の進行方向を制御してもよい。本発明の操舵機構は、複数の車輪の少なくとも2つの車輪を操舵して、コミュニケーションシート式車両の進行方向を制御してもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシートは、前後2列のシートアセンブリ(フロントシートアセンブリおよびリアシートアセンブリ)を備えている。しかしながら、本発明のコミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成されればよい。本発明のコミュニケーションシートは、後シートアセンブリ、前シートアセンブリ、右シートアセンブリ、および、左シートアセンブリの少なくともいずれかの2つ以上のシートアセンブリを含んでいればよい。右シートアセンブリトは、着座したときの乗客が車両左方向を向くシートアセンブリである。左シートアセンブリは、着座したときの乗客が車両右方向を向くシートアセンブリである。コミュニケーションシートは、例えば、前シートアセンブリトおよび右シートアセンブリ、前シートアセンブリおよび左シートアセンブリ、後シートアセンブリおよび右シートアセンブリ、後シートアセンブリおよび左シートアセンブリ、のいずれかで構成されるL字状に配置されたシートアセンブリを含んでよい。コミュニケーションシートは、例えば、前シートアセンブリと右シートアセンブリと左シートアセンブリ、前シートアセンブリと左シートアセンブリと後シートアセンブリ、後シートアセンブリと右シートアセンブリと左シートアセンブリ、後シートアセンブリと右シートアセンブリと前シートアセンブリ、のいずれかで構成される、四角形から一辺を除いたような形状に配置されたシートアセンブリを含んでよい。コミュニケーションシートは、例えば、後シートアセンブリ、前シートアセンブリ、右シートアセンブリ、および、左シートアセンブリの全てで構成される四角状に配置されたシートアセンブリを含んでよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシートは、乗客の姿勢を保つためのバックレスト部を有する。しかしながら、コミュニケーションシートは、バックレスト部を有さなくてもよい。
本発明の具体例において、操舵機構は自動運転制御装置により制御される。しかしながら、本発明の操舵機構は、ステアリングホイールを備え、乗客がステアリングホイールを操作することによって制御されるものであってもよい。ステアリングホイールは、円状部材で形成されて乗客により回転操作されるものもよいし、レバーで形成されて乗客により方向入力操作されるものでもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、自動運転モードと手動運転モードに切換え可能であってもよい。自動運転モードでは、操舵機構は自動運転制御装置により制御される。手動運転モードでは、操舵機構は乗客がステアリングホイールを操作することによって制御される。さらに、操舵機構は、着脱可能なステアリングホイールを有してもよい。そして、手動運転モードで走行される場合にステアリングホイールを取り付け、自動運転モードで走行される場合にステアリングホイールを取り外すものであってもよい。
本発明の具体例において、駆動源および制動機構は自動運転制御装置により制御される。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルを備えてよい。駆動源は、乗客がアクセルペダルまたはクラッチペダルを操作することによって、制御されるものであってよい。なお、クラッチペダルは備えなくてもよい。制動機構は、乗客がブレーキペダルを操作することによって、制御されるものであってよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、自動運転モードと手動運転モードに切換え可能であってもよい。自動運転モードでは、自動運転制御装置によって、コミュニケーションシート式車両の走行が制御される。手動運転モードでは、乗客がアクセルペダルおよびブレーキペダルを操作することによって、コミュニケーションシート式車両の走行が制御される。
本発明の具体例において、シートは、例えば、回転軸が弾性部材を有し、手動により、着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により、収納状態になるように構成される。しかしながら、本発明のシートは、着座状態と収納状態との間の任意の位置で停止可能にその回転軸が構成されてもよい。また、シートは、弾性部材により、通常は収納状態であり、乗客が着座する際に手動で着座状態に揺動させるものであってもよい。
本発明の具体例において、シートは、シート部が構成される着座状態と、シート部が構成されない収納状態との間で揺動可能に形成される。しかしながら、本発明のシートは、固定されて常に乗客が着座するシート部を構成していてもよい。つまり、本発明のシートは、シート部が構成されない収納状態にならなくてもよい。
本発明の具体例において、シートは、シート部が構成される着座状態と、シート部が構成されない収納状態との間で揺動可能に形成される。しかしながら、本発明のシートは、シート部が構成された着座状態からシート部が構成されない取り外し状態へ着脱可能に形成されるものであってもよい。
本発明の具体例において、バックレストは、車体フレームに固定されている。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、車両内部であって、キャビン空間の外に配置された格納スペースをさらに備えてもよい。そして、本発明のバックレストは、格納スペースを開閉可能に構成されてもよい。例えば、図4の二点鎖線に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、2つの格納スペース123(前格納スペース123fおよび後格納スペース123r)を有してよい。前格納スペース123fは、前荷物デッキ123fdにより構成される。前荷物デッキ123fdは、車両前後方向において、一部が、フロントシートアセンブリ120fのフロントバックレスト122fの前端より前方向に配置される。前荷物デッキ123fdは、前荷物デッキ179afより車両上下方向の下方向に配置される。また、後格納スペース123rは、後荷物デッキ123rdにより構成される。後荷物デッキ123rdは、車両前後方向において、一部が、リアシートアセンブリ120bのリアバックレスト122rの後端より後方向に配置される。後荷物デッキ123rdは、後荷物デッキ179arより車両上下方向の下方向に配置される。本発明のバックレストは、例えば図4に示すバックレスト122のように、格納スペースを開閉可能に構成されていてもよい。つまり、バックレストは、車両前後方向に見た面積が変更可能に構成される。また、バックレストは、例えば、姿勢保持状態と、乗客が姿勢を保持することができない収納状態との間で車両前後方向に見た面積が変更可能に形成される。ここで、バックレストの姿勢保持状態では、車両前後方向に見たバックレストの面積が最大になる。バックレストの収納状態では、バックレストの姿勢保持状態と比較して、車両前後方向に見たバックレストの面積が小さくなる。バックレストの収納状態では、バックレストが揺動されて、バックレストおよびシートが向かい合うように配置される。また、バックレストは、例えば、姿勢保持状態または収納状態からバックレストを取り外した取り外し状態へ着脱可能に形成される。ここで、バックレストの取り外し状態では、車両前後方向に見たバックレストの面積が最小の0になる。バックレストは前格納スペースまたは後格納スペースが閉じている閉状態と、前格納スペースまたは後格納スペースが開いている開状態との間で変更可能に形成される。バックレストは、シート部を構成するシートに対して、揺動可能に形成される。そして、バックレストの開状態では、バックレストが揺動されており、格納スペースが開口される。バックレストが開状態から揺動されて閉状態となると、格納スペースが閉じられる。また、バックレストは、例えば、バックレスト部が構成された閉状態からバックレスト部が構成されない開状態へ着脱可能に形成される。具体的には、バックレストの開状態では、バックレストが取り外されて、格納スペースが開口する。バックレストの開状態では、バックレストが取り付けられており、格納スペースが閉じている。バックレストの開状態において、乗客が格納スペースを利用して、格納スペースに荷物などを格納することができる。これにより、乗客の荷物などがキャビン空間内に置かれる場合と比較して、キャビン空間のうち、乗客が乗り降りする際に使用することができる空間が広くなる。そして、乗り降りのしやすさを向上させることができる。なお、本発明のコミュニケーションシート式車両は、前格納スペースを開閉可能なバックレストと、後格納スペースを開閉可能なバックレストの両方を備えていてもよい。格納スペースは、前格納スペースまたは後格納スペースのいずれかのみでもよい。さらに、格納スペースは、車両前部および車両後部だけでなく、車両左部または車両右部の車両内部に備えてもよい。そして、格納スペースは、バックレストによって開閉可能に構成されていなくてもよい。
本発明の具体例において、自動運転制御装置は、制御パネルと通信可能に構成されて、各種信号を制御パネルから受信するように構成される。しかしながら、本発明の制御パネルは、電子計算機である端末であって、タブレット端末や携帯端末等であってもよい。端末は、コミュニケーションシート式車両の車両内部に配置されてもよいし、コミュニケーションシート式車両の車両外に配置されてもよい。
本発明の具体例において、自動運転制御装置は、端末と通信可能に構成されて、各種信号を端末から受信するように構成される。しかしながら、本発明の自動制御車両は、端末と通信可能に構成されなくてよい。この場合、例えば、自動運転制御装置は、駆動源と、操舵機構と、制動機構とに出力する指令を、車両の位置に関連する情報と対応付けて、予め記憶しておく。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、非常ボタンを有する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、非常ボタンを有さなくてもよい。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、車体カバーを有する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、車体カバーを有さなくてもよい。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、ドアを有する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、ドアを有さなくてもよい。
本発明の具体例において、ドアはスライドドアである。しかしながら、本発明のドアは、ヒンジドア、スイングドア、グライドドア等であってもよい。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、ドアの外面に設けられる2つの開ボタンと、ドアの内面に設けられる2つの開ボタンを有する。しかしながら、本発明の開ボタンは、ドア以外の車体カバーの外面に配置されてもよい。また、本発明の開ボタンは、ドア以外の車体カバーの内面に配置されてもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、5つ以上の開ボタンを有してもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、1〜3個の開ボタンのみを有してもよい。また、本発明の具体例において、車両内面に1つの閉ボタンが配置される。しかしながら、本発明の閉ボタンは、2つ以上配置されてもよい。本発明のドアは、乗客が制御パネルやその他の携帯端末を操作することで、開閉してもよい。本発明のコミュニケーションシート式車両は、開閉ボタンは有さなくてよい。本発明のドアは、乗客の操作によらずに開閉してもよい。例えば、ドアは、自動運転制御装置により、コミュニケーションシート式車両が走行を停止している間に開状態になるように制御されてもよい。また、ドアは、自動運転制御装置により、コミュニケーションシート式車両が走行している間に閉状態になるように制御される。
本発明の具体例において、開ボタンは、一般乗客用の開ボタンと特別乗客用の開ボタンを有する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、一般乗客用の開ボタンのみを有してもよい。この場合は、本発明のコミュニケーションシート式車両は、スロープを有さなくてよい。さらに、本発明のコミュニケーションシート式車両は、いずれかの開ボタンが押されても、車両高を走行時の車両高と変わらないように構成されてもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、特別乗客用の開ボタンのみを有してもよい。
本発明の具体例において、スロープ部材は、コミュニケーションシート式車両の走行時に、ドアの内面に沿って収納される。しかしながら、本発明のスロープ部材は、床フレームに沿うように床フレームの下方向に収納可能に構成されてもよい。この場合、スロープ部材の奥行きは、床フレームの車両左右方向の長さと同じかそれより短い長さで形成される。スロープ部材を床フレームの下方向に収納した際に、コミュニケーションシート式車両の走行の邪魔にならないからである。スロープ部材の突起部の高さは、床フレームと地面との間の高さより短い。スロープ部材を床フレームの下方向に収納するためである。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、バイザーを備える。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、バイザーを備えなくてよい。
本発明の具体例において、乗降口が、車体カバーの車両左右方向の左部に形成される。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、乗降口が、車体カバーの車両前後方向の前部と後部および車両左右方向の左部と右部のいずれか少なくとも1カ所に形成されていればよい。例えば、コミュニケーションシート式車両が、道路内の車両左右方向の右側を通行する場合、対向車両がコミュニケーションシート式車両の左方向を通過する。この場合、乗客がキャビン空間に乗り降りしやすい車体カバーの車両左右方向の右部に、乗降口を構成することが好ましい。また、例えば、コミュニケーションシート式車両が、狭い道路内を通行する場合、コミュニケーションシート式車両の車両左右方向に乗り降りすることが難しい場合がある。この場合、乗客がキャビン空間に乗り降りしやすい車体カバーの車両前後方向の前部および後部の少なくともいずれかに、乗降口を形成することが好ましい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更して走行することができる。つまり、コミュニケーションシート式車両は、車輪の逆回転により進行方向を変更可能である車両である。ここで、本発明の具体例において、車体フレームは、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じである。また、本発明の具体例において、車体フレームは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。しかしながら、本発明の車体フレームは、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じでなくてもよい。また、本発明において、上記車両前後方向に垂直な平面は、車両前後方向の車体フレームの前端と後端との間を通れば、車両前後方向の車体カバーの中央を通らなくてもよい。また、本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、車両前後方向の中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。しかしながら、本発明において、上記車両前後方向に垂直な平面は、車両前後方向のコミュニケーションシート式車両の前端と後端の間を通れば、車両前後方向のコミュニケーションシート式車両の中央を通らなくてもよい。また、車体フレームは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成されなくてよい。
本発明の実施形態の具体例において、天井前フレームおよび天井後フレームは、平行に配置される。しかしながら、天井前フレームおよび天井後フレームは、それぞれ車両左右方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。また、本発明の実施形態の具体例において、天井右フレームおよび天井左フレームは、平行に配置される。しかしながら、天井右フレームおよび天井左フレームは、それぞれ車両前後方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。
本発明の実施形態の具体例において、床前フレームおよび床後フレームは、平行に配置される。しかしながら、床前フレームおよび床後フレームは、それぞれ車両左右方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。また、本発明の実施形態の具体例において、床右フレームおよび床左フレームは、平行に配置される。しかしながら、床右フレームおよび床左フレームは、それぞれ車両前後方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。
本発明の実施形態の具体例において、床中間前フレームおよび床中間後フレームは、平行に配置される。しかしながら、床中間前フレームおよび床中間後フレームは、それぞれ車両左右方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。また、車体フレームは、床中間前フレームまたは床中間後フレームの少なくともいずれかを有さなくてもよい。また、本発明の実施形態の具体例において、床中間右フレームおよび床中間左フレームは、平行に配置される。しかしながら、床中間右フレームおよび床中間左フレームは、それぞれ車両前後方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。また、車体フレームは、床中間右フレームまたは床中間左フレームの少なくともいずれかを有さなくてもよい。
本発明の実施形態の具体例において、右前柱および左前柱は、平行に配置される。しかしながら、右前柱および左前柱は、それぞれ車両上下方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。また、本発明の実施形態の具体例において、右後柱および左後柱は、平行に配置される。しかしながら、右後柱および左後柱は、それぞれ車両上下方向に沿って配置されていれば、平行に配置されなくてよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更して走行することができる。つまり、コミュニケーションシート式車両は、車輪の逆回転により進行方向を変更可能な車両である。ここで、本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両の車体カバーは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。コミュニケーションシート式車両が進行方向を車両前後方向の後方向に変更して走行する場合において、その車体カバーは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成されることが好ましい。または、本発明のコミュニケーションシート式車両が進行方向を車両前後方向の後方向に変更して走行する場合において、その車体カバーは、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じであることが好ましい。しかしながら、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更できなくてよい。この場合において、本発明のコミュニケーションシート式車両の車体カバーは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状、または、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じでなくてもよい。
本発明の実施形態および具体例において、車体カバーは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成される。つまり、車体カバーに含まれるフロントカバーとリヤカバーは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成される。しかしながら、本発明の車体カバーは、車両前後方向のその前端とその後端の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成されなくてよい。なお、この場合において、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更できないことが好ましい。車体カバーの形状は、どのような形状であってもよい。例えば、本発明のコミュニケーションシート式車両の車体カバーは、前部と後部とが対称な形状または同じ形状に形成されていなくてもよい。また、例えば、本発明のコミュニケーションシート式車両の車体カバーは、右部と左部とが対称な形状または同じ形状に形成されていなくてもよい。具体的には、車体カバーの後部の形状は、箱型の形状であってもよい。ここで、本発明のコミュニケーションシート式車両の車体カバーの形状の変形例を、図15に基づいて、説明する。図15に示すコミュニケーションシート式車両301は、図3に示すコミュニケーションシート式車両の実施形態の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図3に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。さらに、図15に示すコミュニケーションシート式車両301は、車体カバー370と乗降口82を開閉可能に設けられたドア81を有する。車体カバー370は、車体フレーム30を覆う。車体カバー370は、その車両左右方向の左部に乗降口82を有する。コミュニケーションシート式車両301の車体カバー370前部の前壁の形状は、車体フレーム30の形状に沿って形成される。つまり、車体カバー370の前壁は、車両下部の前端が車両上部の前端より車両前後方向の前方向に配置される。また、車体カバー370の前壁は、車両中間部の後端が車両上部の後端より車両前後方向の後方向に配置される。コミュニケーションシート式車両301の車体カバー370後部の後壁は、車両上下方向に沿って平面状に形成される。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両は、車両前後方向において、その上部の長さがその下部の長さよりも短く、その中間部の長さがその上部の長さよりも長くなるように構成される。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、前後方向において、その上部の長さがその下部の長さよりも短く、その中間部の長さがその上部の長さよりも長くなるように構成されてもよい。車体カバーの前後方向の前部および後部の形状は、どのような形状であってもよい。例えば、車体カバーの前後方向の前部および後部の形状は、箱型の形状であってもよい。本発明のコミュニケーションシート式車両の車体カバーの形状の変形例を、図16に基づいて、説明する。図16に示すコミュニケーションシート式車両401は、図3に示すコミュニケーションシート式車両の実施形態の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図3に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。さらに、図16に示すコミュニケーションシート式車両401は、車体カバー470と乗降口82を開閉可能に設けられたドア81を有する。車体カバー470は、車体フレーム30を覆う。車体カバー470は、その車両左右方向の左部に乗降口82を有する。コミュニケーションシート式車両401の車体カバー470前部の前壁および車体カバー470後部の後壁は、車両上下方向に沿って平面状に形成される。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の車体フレームは、2本の前柱および2本の後柱の間に車両上下方向に沿った中間前柱または中間後柱を有さない。しかしながら、コミュニケーションシート式車両の車体フレームは、2本の前柱および2本の後柱の間に車両上下方向に沿った中間前柱または中間後柱を有してよい。本発明のコミュニケーションシート式車両の車体フレームの形状の変形例を、図17および図18に基づいて、説明する。
図17に示すコミュニケーションシート式車両501は、図3に示すコミュニケーションシート式車両の実施形態の変形例である。図17に示すように、車体フレーム530は、天井フレーム31と、床フレーム36と、前H形フレーム541と、後H形フレーム546とを含む。前H形フレーム541は、2本の前柱42と、2本の中間前柱542と、前中間横フレーム43とを含む。2本の中間前柱542は、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。2本の中間前柱542は、左中間前柱542lおよび右中間前柱542rを有する。左中間前柱542lは、右中間前柱542rより車両左右方向の左方向に配置される。左中間前柱542lは、その上部が天井左フレーム34に接続され、その下部が左前柱42lに接続される。右中間前柱542rは、その上部が天井右フレーム33に接続され、その下部が右前柱42rに接続される。後H形フレーム546は、2本の後柱47と、2本の中間前柱547と、後中間横フレーム48とを含む。2本の中間後柱547は、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。2本の中間後柱547は、左中間後柱547lおよび右中間後柱547rを有する。左中間後柱547lは、右中間後柱547rより車両左右方向の左方向に配置される。左中間後柱547lは、その上部が天井左フレーム34に接続され、その下部が左後柱47lに接続される。右中間後柱547rは、その上部が天井右フレーム33に接続され、その下部が右後柱47rに接続される。前H形フレーム541が2本の中間前柱542を有することにより、前H形フレーム541の剛性が高くなる。後H形フレーム546が2本の中間後柱547を有することにより、後H形フレーム546の剛性が高くなる。これにより、車体フレーム530の剛性をより高めることができる。
図18に示すコミュニケーションシート式車両601は、図3に示すコミュニケーションシート式車両の実施形態の変形例である。図18に示すように、車体フレーム630は、天井フレーム31と、床フレーム36と、前H形フレーム641と、後H形フレーム646とを含む。前H形フレーム641は、2本の前柱42と、2本の中間前柱642と、前中間横フレーム43とを含む。2本の中間前柱642は、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。2本の中間前柱642は、左中間前柱642lおよび右中間前柱642rを有する。左中間前柱642lは、右中間前柱642rより車両左右方向の左方向に配置される。左中間前柱642lは、その上部が天井左フレーム34に接続され、その下部が床左フレーム39に接続される。右中間前柱642rは、その上部が天井右フレーム33に接続され、その下部が床右フレーム38に接続される。後H形フレーム646は、2本の後柱47と、2本の中間前柱647と、後中間横フレーム48とを含む。2本の中間後柱647は、それぞれ車両上下方向に沿って配置される。2本の中間後柱647は、左中間後柱647lおよび右中間後柱647rを有する。左中間後柱647lは、右中間後柱647rより車両左右方向の左方向に配置される。左中間後柱647lは、その上部が天井左フレーム34に接続され、その下部が床左フレーム39に接続される。右中間後柱647rは、その上部が天井右フレーム33に接続され、その下部が床右フレーム38に接続される。前H形フレーム641が2本の中間前柱642を有することにより、前H形フレーム641の剛性が高くなる。後H形フレーム646が2本の中間後柱647を有することにより、後H形フレーム646の剛性が高くなる。これにより、車体フレーム630の剛性をより高めることができる。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両のコミュニケーションシートは、着座可能な乗客の最大数が4人である。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両のコミュニケーションシートは、着座可能な乗客の最大数が2人以上6人以下であってよい。