JP2020023205A - 車両 - Google Patents

Abstract

【課題】自動運転車両等の車両において、不特定の乗員に対して快適な空間を提供する。【解決手段】車両は、車室５の左右中央部に、左右２列にて前後に配列され、それぞれ左右外方を向く複数のシート３１を有する。シート３１は、左右内方側端部（左右外方を向いた乗員から見て後端部）を回動軸として、着座位置及び跳ね上げ位置間で回動可能なシートクッション３２を有する。乗員は、シートクッション３２を着座位置にして座ることと、シートクッションを跳ね上げ位置にして立位に近い姿勢でシートクッション３２に寄りかかり又は座ることとを選択できる。【選択図】 図５

Description

本発明は、車両に関し、詳細には車両のシート配置に関する。

自動運転車両では、運転者が常に前方を向く必要がなくなるため、前列シートを回転させ、後列シートと対面させたシート配置が可能になる（例えば、特許文献１）。このように、自動運転車両では従来の車両とは異なり、様々なシート配置が可能になる。

特開２０１７−０３９４００号公報

近年、渋滞の緩和やＣＯ_２発生量の削減の観点から、移動経路が共通した複数人を同一の車両に乗車させるライドシェアが注目されている。ライドシェアでは、互いに面識がない不特定の複数人が搭乗する場合が想定される。そのため、各人のプライバシーやストレスを考慮してシート配置を決定する必要がある。一方、面識があるグループで車両を使用する場合も想定される。その場合には、各人が会話し易いシート配置であることが好ましい。

本発明は、以上の背景を鑑み、不特定の乗員に対して快適な空間を提供することができる車両を提供することを課題とする。

上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両（１）であって、前記車両の車室（５）の左右中央部に、前後に配列され、それぞれ左右外方を向く複数のシート（３１）を有し、前記シートは、左右内方側端部を中心として上方に跳ね上げ可能なシートクッション（３２）を有することを特徴とする。

この態様によれば、乗員は、跳ね上げていないシートクッションに座ることと、跳ね上げたシートクッションに寄りかかり又は座ることとを選択できる。また、シートクッションを跳ね上げて使用することにより、左右外側（乗員の前方）に荷物を置くスペースを設けることができる。このように、各乗員がシートクッションの位置を選択することにより、各人にとって快適な空間を得ることができる。

本発明の他の態様は、上記構成において、前記シートは、左右に２列をなして配列され、前記シートクッションが、その左右外方縁から垂下する延長部（３５）を有することを特徴とする。

この態様によれば、跳ね上げたシートクッションに寄りかかり又は座った乗員の背中は、延長部がない場合に比べて左右外方（乗員の前方）に位置するため、左右反対側のシートクッションの使用している乗員に背中をぶつけることが抑制される。

本発明の他の態様は、上記構成の何れかにおいて、前記車室のフロア（６）とルーフ（１５）との間に延在するポール（３７）に、前記シートクッションが支持されていることを特徴とする。

この態様によれば、シートを支持するポールの上端及び下端が車体に固定されるため、シートを安定させやすい。

本発明の他の態様は、上記構成において、前記ポールが前記フロア及び前記ルーフに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。

この態様によれば、一部のシートを取り外して車椅子用のスペースを設ける等、シートの配置を変更することができる。

本発明の他の態様は、上記の第１及び第２の構成において、前記車室のフロア（６）とのルーフ（１５）との間に延在し、第１位置及び前記第１位置よりも左右外方の第２位置に選択的に配置可能なポール（３８）を更に有することを特徴とする。

この態様によれば、シートクッションの状態や乗員と体格に応じて、手摺として使いやすい位置にポールを配置することができる。

以上の構成によれば、シートクッションの使用方法を乗員が選択できるため、不特定の乗員に対して快適な空間を提供することができる車両を提供することができる。

実施形態に係る車両を右上方から見た斜視図 実施形態に係る車両の右側面図 実施形態に係る車両の左側面図 乗員が乗車した状態における実施形態に係る車室内の平面図 左上前方から見た実施形態に係る車室内の斜視図 乗員が乗車した状態における第１変形例に係るシートの斜視図（Ａ：跳ね上げ位置、Ｂ：着座位置） 乗員が乗車した状態における左上前方から見た第２変形例に係る車室内の斜視図（Ａ：着座位置、Ｂ：跳ね上げ位置）

以下、本発明に係る車両の実施形態について説明する。以下の説明では、特に説明しない限り、車両の前進方向を前方として各方向を定める。

図１〜図３に示すように、実施形態に係る車両１は、４輪車両である。車両１は、前後に長い略長方形の車体２を有する。車体２には、左右一対の前輪３と、左右一対の後輪４とが設けられている。車両１は、運転者を必要としない自動運転車両である。

図１〜図４に示すように、車体２の中央には、前後に長い略直方体の車室５が形成されている。車室５は、フロア６と、フロア６の前部において左右に延びる前壁１１と、前壁１１の左右両端から後方に延びる左壁１２及び右壁１３と、フロア６の後部において左右に延び、左右両端において左壁１２及び右壁１３の後端に接続した後壁１４と、前壁１１、左壁１２、右壁１３、及び後壁１４の上端に接続したルーフ１５とによって画定されている。

車両１の前壁１１より前側に配置された車両前部１７及び車両１の後壁１４より後側に配置された車両後部１８の一方には、電動モータやエンジン等の駆動源やＥＣＵ等の制御装置が搭載されている。車両前部１７及び車両後部１８の他方は、荷室を形成してもよい。

右壁１３には、乗降口２１が設けられ、乗降口２１には開閉可能にドア２２が設けられている。乗降口２１は、右壁１３の下端からルーフ１５にかけて形成されている。ドア２２は、ウイングドアであり、上端において前後に延びる回転軸を中心としてルーフ１５に回動可能に支持されている。他の実施形態では、ドア２２は、スイングドアやスライドドアであってよい。右壁１３の乗降口２１の前後、ドア２２、及び左壁１２のそれぞれには、ガラスによって閉じられた窓２６が形成されている。例えば、車両１は、ショッピングモール内や、空港のターミナル間やターミナルと飛行機との間の移動手段として使用できる。

図４に示すように、車室５の左右中央部に、左右に２列をなして前後に配列され、それぞれ左右外方を向いた、各列に５つずつのシート３１が設けられている。図５に示すように、各シート３１は、跳ね上げ可能なシートクッション３２を有する。

シートクッション３２は、着座面３４が上方を向いた着座位置と、着座位置において左右内方に位置する端部（左右外方を向いて着座した乗員から見て後端部）を中心として左右外方側（同乗員から見て前側）が上方に跳ね上げられた跳ね上げ位置との間で回動可能である。着座位置及び跳ね上げ位置間の角度は約９０°である。シートクッション３２は、着座位置において左右外方側に位置する端縁から垂下する延長部３５を有する。シートクッション３２の表皮材の内側には、フレームと、フレームに支持されたパッドとが設けられている（不図示）。フレームは、延長部３５にも配置されていることが好ましく、延長部３５に乗員の体重程度の外力が加わってもフレームの形状は概ね維持される。

シートクッション３２を着座位置に配置することにより、乗員はシートクッション３２の着座面３４に座ることができる。着座位置における着座面３４の高さは、標準的な身長の乗員が足裏をフロア６につけ、膝及び腰を約９０°曲げた状態で着座面３４に座れるように設定されている。シートクッション３２を跳ね上げ位置に配置することにより、乗員は、立位で延長部３５に寄りかかり、又は、立位に近い状態で延長部３５に座ることができる。比較的乗車時間が短い場合に座位よりも立位を好む人は少なくなく、跳ね上げ位置に配置できるシートクッション３２はこのような人の需要に応える。

跳ね上げ位置のシートクッション３２に寄りかかった乗員は、延長部３５によって、延長部３５がない場合に比べて左右外方（乗員から見て前方）に立つことになるため、この乗員の背中と、左右反対側で跳ね上げ位置のシートクッション３２に寄りかかった若しくは座った他の乗員の背中又は着座位置のシートクッション３２に座った他の乗員の頭とが互いにぶつかることが抑制される。

跳ね上げ位置において乗員が車両１の左右方向に占めるスペースは、着座位置において乗員が車両１の左右方向に占めるスペースよりも小さいため、スーツケース等の比較的大きな荷物を持った乗員は、シートクッション３２を跳ね上げ位置に配置することにより、比較的大きな荷物を自身の正面（車両１の左右外方）に置くことができる。また、乗員が少ない時は、隣席のシートクッション３２を跳ね上げ位置に配置することにより、荷物を自身の左右（車両１の向きにおける前後）に置くことができる。

シート３１は、フロア６から上方に延出した支持ポール３６の上端側に支持されている。

図６は、上記実施形態の第１変形例を示す。第１変形例では、シート３１はシートバック３３を有する。また、支持ポール３６に代えて、フロア６とルーフ１５（図５参照）との間に延在し、中間部でシート３１を支持するポール３７が設けられている。ポール３７は、フロア６から上方に延出して、シートバック３３の背面で屈曲又は湾曲してシートバック３３に固定され、シートバック３３よりも上方においては、そのシートバック３３の側部の上方、又は前後方向において互いに隣り合うシート３１との間に位置する。ポール３７におけるシートバックよりも上方の部分は、跳ね上げ位置のシートクッション３２に寄りかかり又は座った乗員が手摺として使用できる。

また、ポール３７は、フロア６及びルーフ１５（図５参照）に対して着脱可能に設けられている。そのため、シート３１のレイアウトを変更することができる。例えば、一部のシート３１及びポール３７を取り外すことにより、車椅子使用者が乗り込めるスペースを設けることができる。また、ポール３７の下端及び上端が、それぞれフロア６及びルーフ１５（図５参照）に取り付けられることにより、上記実施形態の支持ポール３６のように下端のみが車体２に固定される場合よりもシート３１が安定し易く、シート３１から車体２に加わる力が分散する。そのため、ポール３７と車体２との係合構造を比較的容易に着脱できる構造としても、シート３１が安定し、係合構造が壊れ難い。

図７は、上記実施形態の第２変形例を示す。第２変形例では、支持ポール３６に加えて、手摺として使用できるポール３８が設けられている。ポール３８は、フロア６とルーフ１５との間に延在し、跳ね上げ位置における延長部３５の先端よりも左右外方の第１位置、及び第１位置よりも左右外方の第２位置に選択的に配置可能である。第１位置及び第２位置は、左右方向で整合していることが好ましく、前後方向においては互いの隣り合うシート３１の間に位置することが好ましい。ポール３８は、その下端及び上端をフロア６及びルーフ１５に設けられた孔３９に差し込むことにより第１位置及び第２位置に固定される。ポール３８を孔３９に差し込むことに代えて、フロア６及びルーフ１５に左右に延在してポール３８の下端及び上端をスライドさせるレール（不図示）を設け、ポール３８を第１位置及び第２位置でラッチ機構等により解除可能にロックしてもよい。

シートクッション３２を跳ね上げ位置に配置して延長部３５に座った状態と、シートクッション３２を着座位置に配置して着座面３４に座った状態とを比べると、跳ね上げ位置のシートクッション３２に座った状態の方が、乗員の上体が左右内方（外方に向いた乗員から見て後方）に位置する。そのため、シートクッション３２を跳ね上げ位置に配置して延長部３５に座る場合は、ポール３８を第１位置に配置することにより手摺として利用しやすくなり、シートクッション３２を着座位置に配置して着座面３４に座る場合は、ポール３８を第２位置に配置することにより手摺として利用しやすくなる。また、子供等の体格の小さな人が着座位置に配置されたシートクッション３２に座った場合、ポール３８を第１位置に配置した方が手摺として利用しやすい場合もある。

以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。車両１は、自動運転車ではなくてもよい。この場合、前方に運転者が搭乗する運転室を設けてもよく、トレーラーであってもよい。第１変形例のシートバックを、実施形態の主例及び第２変形例に適用してもよい。実施形態の主例及び第２変形例において支柱ポールを着脱可能としてもよい。

１：車両
２：車体
５：車室
６：フロア
１５：ルーフ
３１：シート
３２：シートクッション
３５：延長部
３７：ポール
３８：ポール

Claims (5)

1. 車両であって、
   前記車両の車室の左右中央部に、前後に配列され、それぞれ左右外方を向く複数のシートを有し、
   前記シートは、左右内方側端部を中心として上方に跳ね上げ可能なシートクッションを有することを特徴とする車両。
2. 前記シートは、左右に２列をなして配列され、
   前記シートクッションが、その左右外方縁から垂下する延長部を有することを特徴とする請求項１に記載の車両。
3. 前記車室のフロアとルーフとの間に延在するポールに、前記シートクッションが支持されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車両。
4. 前記ポールが前記フロア及び前記ルーフに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項３に記載の車両。
5. 前記車室のフロアとのルーフとの間に延在し、第１位置及び前記第１位置よりも左右外方の第２位置に選択的に配置可能なポールを更に有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車両。

Images