JP6946181B2 - スライス状チョコレート - Google Patents

スライス状チョコレート Download PDF

Info

Publication number
JP6946181B2
JP6946181B2 JP2017519404A JP2017519404A JP6946181B2 JP 6946181 B2 JP6946181 B2 JP 6946181B2 JP 2017519404 A JP2017519404 A JP 2017519404A JP 2017519404 A JP2017519404 A JP 2017519404A JP 6946181 B2 JP6946181 B2 JP 6946181B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chocolate
sliced
mass
film
gelatin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017519404A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016186181A1 (ja
Inventor
重 和 佐々木
重 和 佐々木
村 睦 中
村 睦 中
又 邦 明 勝
又 邦 明 勝
Original Assignee
株式会社ブルボン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ブルボン filed Critical 株式会社ブルボン
Publication of JPWO2016186181A1 publication Critical patent/JPWO2016186181A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6946181B2 publication Critical patent/JP6946181B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23GCOCOA; COCOA PRODUCTS, e.g. CHOCOLATE; SUBSTITUTES FOR COCOA OR COCOA PRODUCTS; CONFECTIONERY; CHEWING GUM; ICE-CREAM; PREPARATION THEREOF
    • A23G1/00Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • A23G1/30Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • A23G1/50Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor characterised by shape, structure or physical form, e.g. products with an inedible support
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23GCOCOA; COCOA PRODUCTS, e.g. CHOCOLATE; SUBSTITUTES FOR COCOA OR COCOA PRODUCTS; CONFECTIONERY; CHEWING GUM; ICE-CREAM; PREPARATION THEREOF
    • A23G1/00Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23GCOCOA; COCOA PRODUCTS, e.g. CHOCOLATE; SUBSTITUTES FOR COCOA OR COCOA PRODUCTS; CONFECTIONERY; CHEWING GUM; ICE-CREAM; PREPARATION THEREOF
    • A23G1/00Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • A23G1/30Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23GCOCOA; COCOA PRODUCTS, e.g. CHOCOLATE; SUBSTITUTES FOR COCOA OR COCOA PRODUCTS; CONFECTIONERY; CHEWING GUM; ICE-CREAM; PREPARATION THEREOF
    • A23G1/00Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • A23G1/30Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • A23G1/32Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor characterised by the composition containing organic or inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2250/00Food ingredients
    • A23V2250/54Proteins
    • A23V2250/542Animal Protein
    • A23V2250/5432Gelatine

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Confectionery (AREA)

Description

関連出願の参照
本特許出願は、先に出願された日本国特許出願である特願2015−102212(出願日:2015年5月19日)に基づく優先権の主張を伴うものである。この先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本願発明の開示の一部とされる。
発明の背景
技術分野
本発明は、スライス状チョコレートおよびその製造方法ならびにスライス状チョコレートの包装フィルム剥離性向上方法および折れ耐性向上方法に関する。
背景技術
チョコレートに水性成分を配合して製造される含水チョコートは、洋菓子やデザートの用途で広く用いられている。これらの中でも、溶融したチョコレート(ベースチョコレート)に、水性成分として、クリームと洋酒または水などとを混合して作られるガナッシュを代表とする生チョコレートは、口溶けの良さ、濃厚な風味(豊かなフレーバー)を有する点で、消費者に人気のある製品である。生チョコレートの形態は固形であるものがほとんどである。パンなどの他の食品とともに摂食する場合には、ココアパウダーや香料等でチョコレートの風味をつけたスプレッドを用いて、他の食品にチョコレートの風味付けを行っている。スプレッドであるため、ナイフなどを用いて塗り広げる必要がある。
一方、近年のパン食化により、パンとともに摂食するのに適したチーズとして、スライスチーズが製造されている。スライスチーズは、厚さが薄く、包装フィルムから剥離してそのままパンの表面に展延することができるため、ナイフの使用やチーズの溶融などが不要で簡易に摂食することができる。また、スライスチーズは、そのスライス状の形態および性質(折れ耐性など)から、他の食材を巻くなどの様々な調理に利用されている。
スライスチーズのような形態の食材の需要は高く、特開平7−236422号公報(特許文献1)には、25〜40重量%のジ飽和モノリノレートと、5〜20重量%非テンパリング型ハードバターとを有する、スライス状チョコレートが開示されている。しかしながら、ジ飽和モノリノレートは、特殊な脂肪酸を原料としてエステル交換、必要に応じて分別を行う必要があり、容易に入手できる材料ではない。また、このスライス状チョコレートは、ジ飽和モノリノレートと非テンパリング型ハードバターの割合が高いため、生チョコレート特有の口溶けの良さ(口溶け感)、濃厚な風味(濃厚感)を得られないものであった。
このように、スライスチーズのような形態および性質を有するスライス状チョコレートであって、生チョコレート本来の味わい(口溶けの良さ、濃厚な風味)を維持したまま、容易に入手できる原料で製造可能なスライス状チョコレートに関する報告は、発明者が知る限り全くなかった。
特開平7−236422号公報
本発明者らは、今般、特定の含有量のゼラチンを添加し、水中油型に混合乳化し、スライス状に成型したスライス状チョコレートが、生チョコレート本来の味わい(口溶けの良さ、濃厚な風味)を維持したまま、スライスチーズのような性質、すなわち、包装フィルムからの剥離性および冷温や室温での良好な折れ耐性を有することを見いだした。本発明はこれら知見に基づくものである。
よって、本発明は、フィルム剥離性が高く、折れ耐性が良好で、かつ、生チョコレート本来の味わいを維持したままのスライス状チョコレートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)ゼラチンを含んでなる、スライス状チョコレートであって、
ゼラチン含有量が、該スライス状チョコレートに対して、0.8〜9質量%であり、かつ
水中油型乳化物である、
スライス状チョコレート。
(2)ゼラチン含有量が、スライス状チョコレートに対して、0.8〜2.8質量%である、(1)に記載のスライス状チョコレート。
(3)包装フィルムによって密着包装された、(1)または(2)に記載のスライス状チョコレート。
(4)包装フィルムが、スライスチーズ用包装フィルムであり、かつスライス状チョコレートが該フィルムにより個包装された、(3)に記載のスライス状チョコレート。
(5)スライス状チョコレートの個包装の形態が、40〜100mm×40〜100mm×厚さ0.5〜3mmである、(4)に記載のスライス状チョコレート。
(6)グリセリンを実質的に含まない、(1)〜(5)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(7)スライス状チョコレートの水分が11〜30質量%である、(1)〜(6)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(8)スライス状チョコレートの水分が13〜30質量%である、(7)に記載のスライス状チョコレート。
(9)ゼラチン含有量が、スライス状チョコレートに対して、1.0〜2.5質量%である、(1)〜(8)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(10)ゼラチン含有量が、スライス状チョコレートに対して、1.1〜1.6質量%である、(9)に記載のスライス状チョコレート。
(11)チョコレートの油分が24〜40質量%である、(1)〜(10)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(12)チョコレートの油分が26〜40質量%である、(11)に記載のスライス状チョコレート。
(13)ゼラチンを含んでなるチョコレートの溶融生地を、包装フィルム間でスライス状に押し分け、これを冷却固化する工程を含んでなる、(1)〜(12)のいずれかに記載のスライス状チョコレートの製造方法。
(14)包装フィルムにより個包装される工程を含んでなり、該フィルムが、スライスチーズ用包装フィルムである、(13)に記載の製造方法。
(15)チョコレートの溶融生地の粘度が、100ポアズ以上である、(13)または(14)に記載の製造方法。
(16)チョコレートの溶融生地の粘度が、200ポアズ以上である、(15)に記載の製造方法。
(17)チョコレートの溶融生地の品温が33〜50℃である、(15)または(16)に記載の製造方法。
(18)チョコレートの溶融生地の品温が35〜44℃である、(17)に記載の製造方法。
(19)ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、0.8〜9質量%となるように添加することを含んでなる、スライス状チョコレートの包装フィルム剥離性向上方法。
(20)ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、0.8〜2.8質量%となるように添加することを含んでなる、(19)に記載の方法。
(21)ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、0.8〜9質量%となるように添加し、水中油型に混合乳化することを含んでなる、スライス状チョコレートの折れ耐性向上方法。
(22)ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、0.8〜2.8質量%となるように添加し、水中油型に混合乳化することを含んでなる、(21)に記載の方法。
本発明によれば、フィルム剥離性が高く、折れ耐性が良好で、かつ、生チョコレート本来の味わいを維持したままのスライス状チョコレートおよび、その製造方法を提供できる。また、本発明のスライス状チョコレートは、容易に入手でき、食材として広く流通している原料を用いて製造することができるため、安全に摂取することができる。
図1は折れ耐性の判断基準の一例を示す写真である。a)折れ耐性が極めて高く、可塑性がある。b)折れ耐性が低く、可塑性がない。 図2は、後述する実施例の例4の試験例19の品温20℃にて包装フィルムから剥離した状態のスライス状チョコレートの写真である。 図3は、後述する実施例の例4の試験例20の品温20℃にて包装フィルム剥離した状態のスライス状チョコレートの写真である。
発明の具体的説明
スライス状チョコレート
本発明のスライス状チョコレートは、ゼラチンを含んでなり、前記ゼラチンの含有量が、該スライス状チョコレートに対して0.8〜9質量%である、水中油型乳化物である。
「チョコレート」とは、チョコレート類の表示に関する公正競争規約等に規定される成分に限定されず、いわゆるカカオ代用脂を使用したチョコレート類、油脂加工食品を包含する。本発明の好ましい態様では、本発明のチョコレートは、生チョコレートであり、生チョコレートとは、チョコレート生地が全重量の60%以上、クリームが全重量の10%以上、かつ、水分(クリームに含有されるものを含む)が全重量の10%以上となるチョコレート、および、このチョコレートを全重量の60%以上使用し、かつチョコレート生地が全重量の60%以上であるチョコレートの加工品を意味する。
ゼラチンは、原料の由来や製造方法などは特に限定されず、例えば、豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、牛皮ゼラチン、牛骨ゼラチン、フィッシュゼラチンが挙げられ、加熱処理前にアルカリ処理や酸処理など別の処理が施されていてもよい。ゼラチンは、好ましくは豚由来のゼラチンであり、より好ましく豚皮ゼラチンである。ゼラチンは、1種を使用してもよいし2種以上を組み合わせて使用してもよい。ゼラチンを含んでなるスライス状チョコレートは、寒天、アラビアガムまたはHMペクチンなど他のゲル化剤を含んでなるスライス状チョコレートに比べて、フィルム剥離性が高く、包装フィルムから剥離したスライス状チョコレートを手で持った際のべたつき(粘着性)も気にならず、また食感も良好であった点で有利である。
本発明のスライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量は、成型性が良好な点で、0.8〜9質量%が望ましく、好ましくは0.8〜7質量%、さらに好ましくは0.8〜5質量%、さらに好ましくは0.8〜3質量%、さらに好ましくは0.8〜2.8質量%、さらに好ましくはフィルム剥離性が良好な点で1.0〜2.5質量%、さらに好ましくは1.1〜2.3質量%、さらに好ましくは弾力性が良好な点で1.1〜2.0質量%、さらに好ましくは1.1〜1.6質量%、さらに好ましくは1.1〜1.5質量%、さらに好ましくは生チョコレート本来の味わいが良好な点で1.1〜1.4質量%、さらに好ましくは1.1〜1.3質量%である。ここで、弾力性とは、スライスチーズのようなスライス形態の食品が有するぷるんとした触感を意味する。
水中油型乳化物とは、O/W型(系)乳化物またはO/W型(系)エマルションとも呼ばれ、水相を連続相とし、ここに油相が分散している状態の乳化物を意味する。チョコレートの乳化系の判断は、例えば、後述する実施例の例1に記載の方法に従い、通電の有無により判断することができる。例えば、ポケット型マルチテスタ(Mother Tool社製)を使用して、各電極を冷却固化したチョコレート製品生地の表面に接触させ、通電の有無を確認することにより判断できる。この場合、O/W型(系)ではチョコレート内を電流が流れるため、テスターが反応して針が振れ(通電有り)、W/O型(系)ではチョコレート内を電流が流れないため、テスターは反応せず針は振れない(通電無し)。
本発明のスライス状チョコレートは、乳化剤を含んでいてもよい。乳化剤としては、例えば、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリリシノレート、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンが挙げられる。これらは1種を使用してもよいし2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明のスライス状チョコレートにおける乳化剤の含有量は、好ましくは、乳化剤の味が強調されずエグ味が呈されることがない点で、1.0質量%未満であり、より好ましくは0.5質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
本発明の好ましい態様では、本発明のスライス状チョコレートは、軟化剤としてのグリセリンを実質的に含まない。ここで、グリセリンを実質的に含まないとは、製造工程中の混合溶液の粘度を下げるために有効な量を含まないことを意味し、好ましくは、本発明のスライス状チョコレートにおけるグリセリンの含有量が、0.5質量%未満、より好ましくは0.3質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%未満であることを意味する。
本発明のスライス状チョコレートは、チョコレート本来の口溶けの良さやフレーバーリリース、成型性、フィルム剥離性、折れ耐性を損なわない範囲で、ゼラチン、乳化剤、グリセリン以外の他の任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては、例えば水飴、果糖ブドウ糖液糖、糖アルコール、フォンダン、食物繊維、乳タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、果汁、果汁パウダー、抹茶粉末、甘味料、酸味料、香料、着色料、デンプン、アミノ酸、増粘多糖類、食用油脂などが挙げられる。これらは1種を使用してもよいし2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のスライス状チョコレートの水分は、本発明のスライス状チョコレートが得られる限り、適宜設定できる。本発明の好ましい態様によれば、本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートの水分が11〜30質量%であることが、乳化、フィルム剥離性、折れ耐性および成型性の面で望ましく、好ましくは13〜30質量%、より好ましくは15〜30質量%である。本発明のより好ましい態様によれば、本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートの水分が15〜25質量%であり、より好ましくは16〜25質量%、さらに好ましくは16〜20質量%、さらに好ましくは17〜19質量%である。ここで、スライス状チョコレートの水分は、スライス状チョコレートに冷却固化する前の溶融生地の水分と同程度である。本発明のスライス状チョコレートは、水分が多く含まれることから、本発明のスライス状チョコレートをトーストするなど温めた場合であっても、のどごしの良い摂食を可能にする。
本発明の好ましい態様によれば、本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートの水分が11〜30質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が0.8〜9質量%であり、より好ましくは、スライス状チョコレートの水分が15〜25質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が0.8〜2.8質量%であり、さらに好ましくは、スライス状チョコレートの水分が15〜20質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が1.0〜2.5質量%であり、さらに好ましくは、スライス状チョコレートの水分が17〜19質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が1.1〜2.0質量%である。
本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートの油分が24〜40質量%であることが望ましい。ここで、油分はスライス状チョコレートに含まれる総油分を意味する。本発明のチョコレートの油分は、好ましくは26〜40質量%、より好ましくは26〜39質量%、さらに好ましくは26〜35質量%、さらに好ましくは27〜34質量%である。ここで、スライス状チョコレートの油分は、スライス状チョコレートに冷却固化する前の溶融生地の油分と同程度である。
あるいは、本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートを製造するためのベースチョコレートの総油分が、26〜45質量%であることが望ましい。スライス状チョコレートを製造するためのベースチョコレートの総油分の値が45質量%以下であればチョコレートの製造において分離を生じる可能性が低くなるため有利である。本発明のスライス状チョコレートを製造するためのベースチョコレートの油分は、好ましくは26〜40質量%、より好ましくは28〜40質量%、さらに好ましくは29〜38質量%である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートを製造するためのベースチョコレートの総油分が26〜45質量%であり、スライス状チョコレートの水分が11〜30質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が0.8〜9質量%であり、より好ましくは、スライス状チョコレートを製造するためのベースチョコレートの総油分が26〜40質量%であり、スライス状チョコレートの水分が15〜25質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が0.8〜2.8質量%であり、さらに好ましくは、スライス状チョコレートを製造するためのベースチョコレートの総油分が28〜40質量%であり、スライス状チョコレートの水分が15〜20質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が1.0〜2.5質量%であり、さらに好ましくは、スライス状チョコレートを製造するためのベースチョコレートの総油分が29〜38質量%であり、スライス状チョコレートの水分が17〜19質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が1.1〜2.0質量%である。
あるいは、本発明の好ましい態様によれば、本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートの油分が24〜40質量%であり、スライス状チョコレートの水分が11〜30質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が0.8〜9質量%であり、より好ましくは、スライス状チョコレートの油分が26〜40質量%であり、スライス状チョコレートの水分が15〜25質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が0.8〜2.8質量%であり、さらに好ましくは、スライス状チョコレートの油分が26〜35質量%であり、スライス状チョコレートの水分が15〜20質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が1.0〜2.5質量%であり、さらに好ましくは、スライス状チョコレートの油分が27〜34質量%であり、スライス状チョコレートの水分が17〜19質量%であり、スライス状チョコレートにおけるゼラチンの含有量が1.1〜2.0質量%である。
「スライス状チョコレート」とは、スライスチーズのような形態のチョコレートであり、厚さ0.5〜3mmのシート状であれば特に限定されず、その形状は、四角形(例えば、正方形、長方形、台形)のシートであっても円形および楕円形のシートであってもよい。スライス状チョコレートは、四角形の場合、例えば、10〜500mm×10〜500mm×厚さ0.5〜3mm、好ましくは、40〜100mm×40〜100mm×厚さ0.5〜3mmのシート状のチョコレートである。本発明において、スライス状チョコレートは、円形である場合には、例えば、直径40〜300mm×厚さ0.5〜3mmのシート状であってもよく、楕円形である場合には、例えば、長径40〜300mm×短径40〜300mm×厚さ0.5〜3mmであってもよい。本発明の一つの態様によれば、本発明のスライス状チョコレートは、シートにミシン目やスリットが入ったものでもよい。
本発明の好ましい態様では、本発明のスライス状チョコレートは、包装フィルムによって密着包装されている。密着包装とは、空気に接触することなくスライス状チョコレートの表面に直接張り付いていることを意味する。包装フィルムは、スライス状チョコレートの充填包装装置に適用可能で、スライス状チョコレートと密着包装できれば特に限定されず、好ましくはプラスチックフィルムまたはセロハンであり、より好ましくはPP(ポリプロピレン)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)フィルムまたはポリ塩化ビニリデンコートフィルムである。包装フィルムは、両面または片面をパートコートまたはオーバーコートしたものであってもよい。包装フィルムは、好ましくは剥離性PETフィルムである。包装フィルムの厚みは、スライス状チョコレートの充填包装装置に適用可能であり、スライスチョコレートと密着包装できれば特に限定されず、例えば、10〜30μm、好ましくは、12〜25μm、より好ましくは、15〜20μmである。包装フィルムは、例えば、パートコート・オーバーコートインキ/剥離性PETフィルム(16μm、朋和産業)、OPPフィルム(厚さ25μm、フタムラ化学)、PVDCコートPETフィルム(13μm、17μm、東洋紡)、片面ヒートシールOPP(フタムラ化学)、両面ヒートシール/片面ヒートシールHSOPPフィルム(日本セロンパック)を用いることができる。
本発明の好ましい態様では、包装フィルムは、スライスチーズの製造方法に使用されているスライスチーズ用包装フィルムであり、より好ましくは加熱溶融状態で包装するホットパック方式、または包装前に冷却固化させたものを包装するコールドパック方式で使用可能なフィルムである。
本発明の好ましい態様では、本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートがスライスチーズ用包装フィルムにより個包装されたものである。
本発明のスライス状チョコレートは、スライス状チョコレートの個包装の形態が、40〜100mm×40〜100mm×厚さ0.5〜3mmであることが望ましい。
本発明のスライス状チョコレートの厚みは、好ましくは1〜3mmであり、より好ましくは1〜2.5mmであり、さらに好ましくは2mmである。厚さを1〜3mmにすることによって、可塑性があり、変形自由度が高く、フルーツや野菜など他の食材を包むことができたり、型抜きを用いることにより簡単に加工できる物性を有するスライス状チョコレートが得られ、厚さ2mmにすることによって、フィルム剥離性、触感などが最も優れているスライス状チョコレートを得ることができる。厚さが3mmを超えない場合には、噛みだしが柔らかく、軽い触感になるため好ましい。
本発明の一つの態様によれば、本発明のスライス状チョコレートは、本発明のスライス状チョコレートを短冊状、具体的には細長い長方形に切断したものを包装袋に袋詰めして流通してもよい。例えば、本発明のスライス状チョコレートは、厚さ0.5〜3mmのシートを、1〜40mm幅、好ましくは10mm幅に切断し、袋に詰めることに得られる。このようにして得られたスライス状チョコレートは、個包装されていなくても、折れ耐性が良好であることから流通時のさらなる粉砕を防ぐことができ、また剥離性が良好であることから包装袋への接着を防ぐことが期待できる。包装袋の素材は、包装フィルムの素材と同じであってよい。このような短冊状のスライス状チョコレートは、シュレッド状チョコレートとも言い換えることができ、そのまま摂食してもよいし、パンなどにのせてトーストしてもよい。
スライス状チョコレートの製造方法
本発明のスライス状チョコレートは、ゼラチンを含んでなるチョコレートの溶融生地を、スライス状に成型することにより得られ、好ましくは、ゼラチンを含んでなるチョコレートの溶融生地を、包装フィルム間でスライス状に押し分け、これを冷却固化することにより得られる。すなわち、本発明のスライス状チョコレートの製造方法は、ゼラチンを含んでなるチョコレートの溶融生地を、包装フィルム間でスライス状に押し分け、これを冷却固化する工程を含んでなる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の製造方法は、ゼラチンを添加し、水中油型に混合乳化したチョコレート溶融生地を、包装フィルム間でスライス状に押し分け、これを冷却固化する工程を含んでなる。
「チョコレート溶融生地」とは、スライス状チョコレートに冷却固化する前の、少なくとも、溶融したチョコレート(ベースチョコレート)と、水性成分と、ゼラチンとを含み、水中油型に乳化された混合液を意味する。
包装フィルム間でスライス状に押し分ける工程は、いわゆるスライスチーズの製造方法のホットパック方式で行われる工程であり、例えば、溶融生地を連続的にフィルム間に注入(充填)し、ローラーとクリッピングベルト等で溶融生地を押し分けて、分割し、スライス状に成型する工程を意味する。
冷却固化する工程は、チョコレートの溶融生地を固化できる限り特に限定されず、好ましくは、クーラー(冷蔵庫)での空冷である。空冷温度は、10℃以下が望ましく、好ましくは1〜9℃、より好ましくは1〜8℃、さらに好ましくは1〜6℃、さらに好ましくは5℃である。通常、スライスチーズの製造方法において冷却工程は、水中での冷却が行われるが、本発明のスライス状チョコレートの製造方法では、細菌増殖防止の点から空冷が望ましい。空冷時間は、5分以内が望ましく、好ましくは1〜2分である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の製造方法において、包装フィルムにより個包装される工程を含んでなり、該フィルムが、スライスチーズ用包装フィルムである。個包装される工程は、スライス状に成型されたスライス状チョコレートを、被包するフィルムごと所望の個包装の形態となるように切断する工程を意味する。
本発明の製造方法において、チョコレートの溶融生地の粘度は、成型後に冷却固化するまでに、分割した部分(すなわち、しごいた部分)へのチョコレートのにじみおよびはみ出しが少なく見た目が良好な点で100ポアズ(P)以上が望ましく、好ましくは150ポアズ以上、より好ましくは200ポアズ以上、さらに好ましくは300ポアズ以上である。チョコレートの溶融生地の粘度は、好ましくは100〜600ポアズ、より好ましくは150〜600ポアズ、さらに好ましくは200〜600ポアズ、さらに好ましくは250〜500ポアズ、さらに好ましくは300〜400ポアズ、さらに好ましくは300〜350ポアズである。ここで、ポアズ(P)とは粘度の単位を意味し、1センチポアズ(cp)は、1mPa・s(ミリパスカル秒)、0.001Pa・s(パスカル秒)とも言い換えられる。溶融生地の粘度は、食品分野で通常用いられている粘度測定機を用いて測定することができ、例えば、後述する実施例の例1に記載の装置を用いて測定することができる。粘度の違いにより、スライス状チョコレートの成型性(しごきによるにじみおよびはみ出しの有無など)が変化する。
本発明の製造方法において、チョコレートの溶融生地の温度(品温)は、所望の粘度が保持できれば特に限定されず、スライス状チョコレートの製造方法において成型性が良好な点で33〜50℃が望ましく、好ましくは35〜44℃である。チョコレートの品温は、ゼラチンの濃度、ゼラチンの種類により、適宜変更することができる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の製造方法において、チョコレートの溶融生地の粘度が100〜600ポアズであり、チョコレートの品温が33〜50℃であり、より好ましく150〜600ポアズであり、品温が33〜44℃であり、さらに好ましくはチョコレートの溶融生地の粘度が150〜400ポアズであり、チョコレートの品温が35〜42℃である。
本発明の製造方法では、ホットパック式のスライスチーズ製造装置を転用してもよく、好ましくは、冷却方法を水冷から空冷に変更したホットパック式のスライスチーズ製造装置を転用してもよい。
本発明の一つの態様によれば、ゼラチンを、チョコレートに対して、0.8〜9質量%となるように添加することを含んでなる、スライス状チョコレートの包装フィルム剥離性向上方法が提供される。ここで「フィルム剥離性向上」とは、スライス状チョコレートのフィルムからの剥離性を高めること意味する。フィルム剥離性は、好ましくは1〜25℃、より好ましくは3〜25℃、さらに好ましくは5〜20℃での包装フィルムからのスライス状チョコレートの剥離性に基づいて判断でき、例えば、後述する実施例の例1の判断基準に基づいて判断することができる。
本発明の別の態様によれば、ゼラチンを、チョコレートに対して、0.8〜9質量%となるように添加し、水中油型に混合乳化することを含んでなる、スライス状チョコレートの折れ耐性向上方法が提供される。ここで「折れ耐性向上」とは、折れ耐性を高めることを意味し、折れ耐性は、例えば、後述する実施例の例1の判断基準に基づいて判断することができる。
本発明の製造方法および向上方法に記載のスライス状チョコレートは、本発明のスライス状チョコレートに含まれる各成分およびそれらの含有量・各種条件等を含んでいてもよい。
本発明の一つの実施態様によれば、以下の発明が提供される。
(1)ゼラチンを含んでなる、スライス状チョコレートであって、
ゼラチン含有量が、該スライス状チョコレートに対して、0.8〜2.8質量%であり、かつ
水中油型乳化物である、
スライス状チョコレート。
(2)包装フィルムによって密着包装された、(1)に記載のスライス状チョコレート。
(3)包装フィルムが、スライスチーズ用包装フィルムであり、かつスライス状チョコレートが該フィルムにより個包装された、(2)に記載のスライス状チョコレート。
(4)スライス状チョコレートの個包装の形態が、40〜100mm×40〜100mm×厚さ0.5〜3mmである、(3)に記載のスライス状チョコレート。
(5)グリセリンを実質的に含まない、(1)〜(4)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(6)スライス状チョコレートの水分が11〜30質量%である、(1)〜(5)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(7)スライス状チョコレートの水分が13〜30質量%である、(6)に記載のスライス状チョコレート。
(8)ゼラチン含有量が、スライス状チョコレートに対して、1.0〜2.5質量%である、(1)〜(7)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(9)ゼラチン含有量が、スライス状チョコレートに対して、1.1〜1.6質量%である、(8)に記載のスライス状チョコレート。
(10)チョコレートの油分が26〜40質量%である、(1)〜(9)のいずれかに記載のスライス状チョコレート。
(11)ゼラチンを含んでなるチョコレートの溶融生地を、包装フィルム間でスライス状に押し分け、これを冷却固化する工程を含んでなる、(1)〜(10)のいずれかに記載のスライス状チョコレートの製造方法。
(12)包装フィルムにより個包装される工程を含んでなり、該フィルムが、スライスチーズ用包装フィルムである、(11)に記載の製造方法。
(13)チョコレートの溶融生地の粘度が、200ポアズ以上である、(11)または(12)に記載の製造方法。
(14)チョコレートの溶融生地の品温が35〜44℃である、(13)に記載の製造方法。
(15)ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、0.8〜2.8質量%となるように添加することを含んでなる、スライス状チョコレートの包装フィルム剥離性向上方法。
(16)ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、0.8〜2.8質量%となるように添加し、水中油型に混合乳化することを含んでなる、スライス状チョコレートの折れ耐性向上方法。
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例1:スライス状チョコレート(1):ラボベース(1〜2kg)
下記表1に示す配合で、ベースチョコレート(品温40℃)を調製した。
Figure 0006946181
得られたベースチョコレートの成分値を表2に示す。
Figure 0006946181
得られたベースチョコレートを品温37〜40℃に維持し、下記表3に示す配合で、ベースチョコレートに対して、生クリーム、ゼラチン加水物、洋酒および酒精を添加し、混合乳化し、チョコレートの溶融生地を得た。ゼラチン加水物は、ゼラチン(新田ゼラチン社製、豚皮ゼラチン)を水に1:10の比率となるように加えたものを用いた。
Figure 0006946181
得られたチョコレート溶融生地の成分値は、総油分29.49質量%、砂糖分28.10質量%、水分18.72質量%、ゼラチン1.23質量%、アルコール分1.28質量%であった。
チョコレート溶融生地の粘度および乳化系を下記の方法に従って測定した。また、混合状態(乳化ができているか否か)について確認した。
[粘度]
粘度は、粘度計(VISCOMETER TV−20、TOKIMEC社製)で、SPINDLE No.H5のローターを用いて毎分10回転させた状態で計測を行った。測定温度は、品温とした。
[乳化系]
乳化物の型は、冷却固化後のチョコレート製品を、ポケット型マルチテスタ(Mother Tool社製)を用いて、O/W(水中油)系(型)と、W/O(油中水)系(型)とに分類した。具体的には、各電極を冷却固化したチョコレート製品生地の表面に接触させ、通電し針が振れればO/W系、針が振れなければW/O系と判断した。
チョコレート溶融生地(品温35〜44℃)を、フィルム包装機(株式会社ブルボン社製)を用いてスライスチーズ用フィルム(朋和産業社製、素材:パートコート・オーバーコートインキ/剥離性PET16μm)に充填し、スライス状チョコレートの個包装の形態に成型した。このフィルム包装機は、スライスチーズの充填包装装置と同様な方式の装置であり、冷却方法として水冷の代わりに空冷を採用している。具体的には、ロール状に巻かれた筒状のフィルムの間に、品温38℃のチョコレート溶融生地を流し込み、厚さが2mmとなるようにロール掛けし、寸法84mm×84mm×厚さ2mmのサイズとなるように、フィルムに挟まれたチョコレートをスライス状に押し分け、5℃の冷却ベルト上にて1〜2分空冷固化した。空冷固化後、寸法84mm×84mm×厚さ2mmのサイズで、チョコレートのにじみおよびはみ出しがない部分をフィルムごとカットし、個包装の形態のスライス状チョコレート(品温5℃)を得た。
得られた個包装の形態のスライス状チョコレート(試験例1)は、クーラー(冷蔵庫)(5℃)で保存し、生チョコレートの本来の味わいについて官能評価し、また、フィルム剥離性、折れ耐性を下記の方法に従って評価した。
官能評価は、訓練を受けたパネリスト4人で行い、下記の通り、生チョコレートの本来の味わいとして、口溶けの良さ、フレーバーリリース(風味)を評価し、さらに弾力性(ぷるんとした触感)についても評価した。
(官能評価の評価基準)
「口溶けの良さ」を強度として表現し、以下の判断基準で評価した。
2:口溶けの良さを感じる。
1:口溶けが悪い。硬さ、異物感がある。
「フレーバーリリース」を強度として表現し、以下の判断基準で評価した。
2:フレーバーリリースのバランスが良い。濃厚な風味を感じる。
1:フレーバーリリースが悪く、味がこもる。
「弾力性」を強度として表現し、以下の判断基準で評価した。
2:ぷるんとした触感がある。
1:触感が悪い。弾力性がない。
フィルム剥離性は、品温5℃(冷蔵庫からだして直後)または、品温20℃(冷蔵庫からだして室温へ戻したもの)の条件下で、スライス状チョコレートのフィルムを剥離した場合の、フィルムへのチョコレートの付着物の有無および手へのべたつきの有無により判断した。具体的には、「フィルム剥離性」を強度として表現し、以下の判断基準で評価した。
3:フィルムへのチョコレートの付着物がほとんど無い。手でもってもべたつかない。フィルム剥離性が高い。
2:フィルムへのチョコレートの付着物が部分的に確認されるが、スライス状チョコレートをフィルムから十分に剥離できる。手でもってもべたつかない。
1:フィルムへのチョコレートの付着物が全体的に確認でき、スライス状チョコレートをフィルムから剥離できない。手でもつとべたつきを感じる。
折れ耐性は、品温5℃(冷蔵庫からだして直後)または、品温20℃(冷蔵庫からだして室温へ戻したもの)の条件下で、フィルムから剥離したスライス状チョコレートの左右の両端を合わせるように90°〜180°に二つ折りにした場合の、ひび割れ、折れの有無により判断した。ここで、折れ耐性は、曲げ耐性、可塑性とも言い換えることができる。具体的には、「折れ耐性」を強度として表現し、以下の判断基準で評価した。
5:180°曲げても、チョコレートが折れず、かつ、ひび割れも生じない。折れ耐性が極めて高い。可塑性がある(図1a)。
4:180°曲げても、チョコレートは折れないが、ひび割れが生じる。折れ耐性が高い。
3:180°曲げると折れる。90°曲げても、チョコレートは折れず、かつ、ひび割れも生じない。折れ耐性がやや高い。
2:180°曲げると折れる。90°曲げても、チョコレートは折れないが、ひび割れる。折れ耐性がやや低い。
1:90°曲げると折れる。折れ耐性が低い。可塑性がない(図1b)。
さらに、スライス状チョコレートのスライス状に押し分ける成型性(成型適正)について、成型後のチョコレート溶融生地のフィルムからの漏れ、はみ出しの有無を基準に評価した。具体的には、「成型性」を強度として表現し、以下の判断基準で評価した。
3:フィルムからの漏れがなく、はみ出しはない。
2:フィルムからの漏れはなく、若干はみ出しているが、製造上の問題にならない程度である。
1:フィルムからの漏れがあり、冷却固化後、個包装に成型できない。
結果を表4に示す。
Figure 0006946181
例2:乳化系(O/WおよびW/O)の検証
上記例1の方法に基づいて、下記表5に示す配合となるようにスライス状チョコレート(84mm×84mm×厚さ2mm)(試験例2〜8)を製造し、混合状態を確認し、乳化系を判断した。また、上記例1に記載の方法に基づいてそれぞれのスライス状チョコレートのフィルム剥離性および折れ耐性を評価し、官能評価も行った。なお、ベースチョコレートの総油分は34.25質量%であった。
結果を表5に示す。
Figure 0006946181
試験例4および5は分離したため成型できなかった。
表5に示されるように、乳化系がW/Oになると、折れ耐性が低いことが分かった。
官能評価の結果、試験例2、3および7のスライス状チョコレートは、口溶け感、フレーバーリリース、弾力性が良好なものであった。
例3:ゼラチン濃度の検証
(1)水分18.7質量%の場合
ゼラチン濃度を下記表6に示す配合に変更する以外は、上記例1の方法に従い、O/W型のスライス状チョコレート(84mm×84mm×厚さ2mm)(試験例9〜14)を製造し、それぞれのスライス状チョコレートのフィルム剥離性、折れ耐性を評価した。また、上記例1の方法に従い、官能評価を行った。
結果を表6に示す。
Figure 0006946181
表6に示されるように、試験例9〜12の製造における作業効率は、試験例13および14と比較して良好であった。
試験例9〜14の折れ耐性は、良好であった。
水分18.7質量%の条件では、2.8質量%以上のゼラチンを溶かすことは困難であった。ゼラチン濃度が高い場合(例えば、2.8質量%)には、水分を増加し、ゼラチンの顆粒がなくなる状態まで溶解したゼラチン加水物を調製できる限り、フィルム剥離性および折れ耐性の良好なスライス状チョコレートを得ることができる。
(2)水分30質量%の場合
ゼラチン濃度を下記表7に示す配合に変更する以外は、上記例1の方法に従い、O/W型のスライス状チョコレート(84mm×84mm×厚さ2mm)(試験例15〜18)を製造し、それぞれのスライス状チョコレートのフィルム剥離性、折れ耐性を評価した。また、上記例1の方法に従い、官能評価を行った。
結果を表7に示す。
Figure 0006946181
試験例15〜18の折れ耐性は、良好であった。
水分30質量%の条件では、ゼラチン含有量が9質量%であっても、ゼラチンの顆粒がなくなる状態まで溶解したゼラチン加水物を調製することができ、フィルム剥離性および折れ耐性の良好なスライス状チョコレートを得ることができた。
例4:スライス状チョコレート(2)
下記表8に示す配合で、ベースチョコレートを調製した。
Figure 0006946181
得られたベースチョコレートを下記表9に示す条件で、上記例1の方法に基づいて、スライス状チョコレート(試験例19および20)を製造した。得られたスライス状チョコレートの乳化系、混合状態、フィルム剥離性、折れ耐性を評価した。また、上記例1の方法に従い、官能評価を行った。
結果を表9に示す。また、それぞれの剥離した状態のスライス状チョコレートの写真を図2および3に示す。
Figure 0006946181
試験例20のスライス状チョコレートは、口溶け感、フレーバーリリース、弾力性が良好なものであった。
例5:スライス状チョコレート(3):大規模生産(4〜6t)
上記例1の方法に基づいて、大規模生産をおこなった。例1と同様に、溶融生地の粘度と品温を測定し、スライス状チョコレートを製造した。
溶融生地の粘度は、150ポアズであり、温度は36.3℃であった。
得られたスライス状チョコレートは、成型性、口溶けの良さ、フレーバーリリース、弾力性、フィルム剥離性、折れ耐性全て良好であった。
例6:スライス状チョコレートの調理
実施例1で得られた本発明のスライス状チョコレートについて、パンにのせてトースター(オーブントースターKOS1013:小泉成器社製)内でトーストした場合の生チョコレート感を評価した。対照として、厚さ4mmの板チョコ(40mm×40mm)をそのままのせてトーストしたものを用いた。トーストはチョコレートが溶けるまで行った。
食味は、板チョコではドロッとしていてノド通りの悪いものであった、一方、本発明のスライス状チョコレートは、ノド通りがなめらかで生チョコレートの風味を維持するものであった。

Claims (2)

  1. ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、1.1〜2.0質量%となるように添加し、スライス状チョコレートに対して、水分を10〜25質量%とし、かつ水中油型に混合乳化することを含んでなる、スライス状チョコレートの包装フィルム剥離性向上方法。
  2. ゼラチンを、スライス状チョコレートに対して、1.1〜2.0質量%となるように添加し、スライス状チョコレートに対して、水分10〜25質量%とし、かつ水中油型に混合乳化することを含んでなる、スライス状チョコレートの折れ耐性向上方法。
JP2017519404A 2015-05-19 2016-05-19 スライス状チョコレート Active JP6946181B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015102212 2015-05-19
JP2015102212 2015-05-19
PCT/JP2016/064938 WO2016186181A1 (ja) 2015-05-19 2016-05-19 スライス状チョコレート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016186181A1 JPWO2016186181A1 (ja) 2018-07-05
JP6946181B2 true JP6946181B2 (ja) 2021-10-06

Family

ID=57320374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017519404A Active JP6946181B2 (ja) 2015-05-19 2016-05-19 スライス状チョコレート

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20180139981A1 (ja)
EP (1) EP3298905A4 (ja)
JP (1) JP6946181B2 (ja)
CN (1) CN108024551A (ja)
WO (1) WO2016186181A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024107126A1 (en) * 2022-11-15 2024-05-23 Alyan Gida Üreti̇m İthalat İhracat Sanayi̇ Ve Ti̇caret Anoni̇m Şi̇rketi̇ Chocolate derivative with malleable elasticity

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07236422A (ja) * 1994-03-01 1995-09-12 Fuji Oil Co Ltd スライス状チョコレート及びその製造法
WO1997041738A1 (en) * 1996-05-07 1997-11-13 Kraft Foods, Inc. Shelf-stable gelled confectionery pieces
JP3575514B2 (ja) * 1996-12-16 2004-10-13 不二製油株式会社 繊維状加工油性菓子及びその製造法
JP3711673B2 (ja) * 1996-12-24 2005-11-02 不二製油株式会社 加工油性菓子及びこれを用いたベーカリー製品
US7060311B1 (en) * 2000-06-30 2006-06-13 Schreiber Foods, Inc. Method for packaging a composite food portion
JP2012039915A (ja) * 2010-08-18 2012-03-01 Uha Mikakuto Co Ltd 餅様食感含水チョコレート及びその製造方法
JP5910237B2 (ja) * 2012-03-28 2016-04-27 ユーハ味覚糖株式会社 生チョコレート様菓子の製造方法
JP2014087321A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Uha Mikakuto Co Ltd 生チョコレート様菓子及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN108024551A (zh) 2018-05-11
WO2016186181A1 (ja) 2016-11-24
EP3298905A1 (en) 2018-03-28
EP3298905A4 (en) 2019-01-09
JPWO2016186181A1 (ja) 2018-07-05
US20180139981A1 (en) 2018-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4449041B2 (ja) カットバター風固型調味油、及びその製造方法
JP2009247329A (ja) 果実含有ハードキャンディ及びその製造方法
JP6946181B2 (ja) スライス状チョコレート
JP2010178662A (ja) 耐熱性チョコレート
JP2007267621A (ja) 皮にイモ類を含む饅頭及びその製造方法
TW202000033A (zh) 加工食品用油脂組成物及含有該組成物之混合種、成形物,以及加工食品之製造方法
JP6304702B2 (ja) バー・スティックタイプの食品およびその製造方法
JP5834400B2 (ja) 引き裂き可能な特性を有するグミキャンディ様菓子とその製造方法
JP3605399B2 (ja) 餅状加工食品及びその製造方法
JP2013111055A (ja) 引き裂き可能な特性を有するグミキャンディ様菓子の製造方法
JP2006506957A (ja) 香料添加剤を食品に送達するための製品及び方法
JP6006851B2 (ja) フィリング入りチーズ製品
WO2016199737A1 (ja) 組合せ菓子キット
US11464239B2 (en) Composition and method of making plant-based food products
JP5360484B2 (ja) ソフトキャンデーの製造方法
JP3153164U (ja) サツマイモ菓子
JP5375183B2 (ja) 野菜含有ハードキャンディ及びその製造方法
JP2006345735A (ja) マグロ肉の刺身用結着食品、マグロ肉の刺身用結着製品及びマグロ肉の刺身用結着食品の製造方法
FR3029744A1 (fr) Bloc et tranche de sauce pour la preparation d'un hamburger et procede de preparation d'un hamburger correspondant
JP2011125321A (ja) 氷菓子および氷菓子原料
JP2022153868A (ja) 含水チョコレート
JP2005287352A (ja) 漬け物入り団子
JPS6328358A (ja) フライ類・てんぷら類のボイリングタイプ食品の製造方法
JP2017063700A (ja) 新規形状バター
JPH0323142B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20180126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180320

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200417

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210430

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210430

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20210521

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210713

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6946181

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150