JP6940389B2 - 装飾体 - Google Patents
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Description
これらのタイヤサイド部の装飾等は、タイヤを注視したときに目立つものであり、何れの技術も、タイヤサイド部の凹凸を目立たないようにしたり、文字等の視認性を向上させるものであり、タイヤの視認性を向上させるものでは無かった。
「キラキラ」の定義を以下に説明する。
対象物に対し、視点の変化に伴い、ハイライト箇所(一定範囲で見る際、一番明るく見える箇所)が、点滅している様な変化が見える効果。静止状態で見る場合、照射する光源の変化に伴い、ハイライト箇所が変化し点滅している様な変化が見える効果。
また、互いに隣接する一方の立体形状のベクトルの終点と他方の立体形状のベクトルの終点とが互いに隣接すると共に、一方の立体形状の前記ベクトルと他方の立体形状のベクトルとが互いに反対方向を向いた立体形状の対である第2立体形状対と、第3立体形状対とを比較すると、第3立体形状対の方がベクトルの向きがランダムに見える。
さらに、タイヤサイド部の表面を平面視したときのベクトルの向きが同一方向を向くと共に、立体形状を側面視したときの各々のベクトルの向きが同一方向を向いた立体形状が3以上連続した立体形状の集合体である第1立体形状群は、リッジ、即ち、山の尾根のように見え、第1立体形状群と、第3立体形状対とを比較すると、第3立体形状対の方がベクトルの向きがランダムに見える。
したがって、第3立体形状対の総面積>第1立体形状対の総面積+第2立体形状対の総面積+第1立体形状群の総面積とすることで、ベクトルの向きがランダムに見える領域が増え、装飾体を、よりキラキラした外観に見せることができる。
第2立体形状群は、タイヤサイド部の表面を平面視したときのベクトルの向きが同一方向を向く3以上連続した立体形状の集合体であるが、各々の立体形状を側面視したときの各々のベクトルの向きが異なった方向を向いているので、各々の立体形状を側面視したときの各々のベクトルの向きが同一方向を向いている場合に比較して、第2立体形状群をキラキラした外観に見せることができる。
図1に示すように、タイヤ10のタイヤサイド部12には、円環状の装飾体14が設けられている。
図5に平面視で示すように、反射ピース16Aは、反射セル20の長手方向Dに平行な第1辺16Aa、反射セル20の長手方向Dに対して比較的大きな角度で傾斜している第2辺16Ab、及び反射セル20の長手方向Dに対して比較的小さな角度で傾斜している最も長い第3辺16Acを有している。なお、第1辺16Aa、及び第2辺16Abは、平面視で直線状であるが、第3辺16Acは、三角形状の内側へ凸となるように、一例として曲率半径Rが73.7mmで湾曲している。また、本実施形態において、第1辺16Aaと第2辺16Abとの成す角度θ1は、平面視で106.1度(deg)である。
図7に示すように、反射ピース16Bは、反射セル20の長手方向Dに平行な第1辺16Ba、反射セル20の長手方向Dに対して比較的大きな角度で傾斜する第2辺16Bb、及び反射セル20の長手方向Dに対して比較的小さな角度で傾斜している最も長い第3辺16Bcを有している。図5に示すように、反射ピース16Bの第1辺16Ba、及び第2辺16Bbは、平面視で直線状であるが、第3辺16Bcは、三角形状の内側へ凸となるように一例として曲率半径Rが73.7mmで湾曲している。また、本実施形態において、第1辺16Baと第2辺16Bbとの成す角度θ1は、平面視で106.1度(deg)である。
図8に示すように、反射ピース16Cの平面視形状は、反射ピース16Aと同一形状(三角形状)である。
図8に示すように、反射ピース16Dの平面視形状は、反射ピース16Bと同一形状(三角形状)である。
図9に示すように、反射ピース16Eの平面視形状は、反射ピース16Aと同一形状(三角形状)である。
図9に示すように、反射ピース16Fの平面視形状は、反射ピース16Bと同一形状(三角形状)である。
図10に示すように、反射ピース16Gの平面視形状は、反射ピース16Aと同一形状(三角形状)である。
図10に示すように、反射ピース16Hの平面視形状は、反射ピース16Bと同一形状(三角形状)である。
反射ピース16Hは、第2辺16Hbと第3辺16Hcとの接続部16Hs3が最も高く(一例として、高さ0.4mm)、第1辺16Haに向けて下がるように傾斜し、第1辺16Haが反射ピース16Bの中で最も高さが低くなっている(一例として、高さ0mmで一定)。即ち、反射ピース16Hにおいて、第2辺16Hbと16Hcとの接続部16Hs3から第1辺16Haに向けて下がるように傾斜した傾斜面16Htは、第1辺16Haで最も高さが低くなっている。なお、傾斜面16Htは平面である。
装飾体14に光(例えば、太陽光等の外光)が照射されると、各反射ピースの各頂面が光を反射する。装飾体14を構成している各反射ピースの各頂面は、様々な方向を向いており(図6参照)、さらに、装飾体14が形成されているタイヤサイド部12は曲面となっているので、例えば、タイヤ10の正面または斜め正面側に立つ観察者からタイヤ10を観察した場合、観察者に向けて光を反射する頂面は、装飾体14の中で様々な一に分散することになる。そして、タイヤ10が回転したり、タイヤ10が静止した状態で観察者が動いたりして、観察者とタイヤ10の装飾体14とが相対移動すると、観察者に向けて光を反射する頂面が相対移動と共に変わるので、観察者が装飾体14を見ると、光って見える部分(傾斜面、及び頂面)の位置がランダムに変わって揺らいだ感じが得られ、装飾体14がキラキラした外観に見える。
これにより、装飾体14は、本実施形態のタイヤ10の視認性を向上させたり、テクスチャ効果によって高級感を表現することが可能となる。
なお、上記傾斜角度が5度未満になると、各傾斜面の傾斜角度が小さくなり過ぎ、タイヤサイド部12の表面に対して平行に近づくため、キラキラ感を高めるための光の反射が不足する。一方、上記傾斜角度が60度を超えると、各傾斜面の傾斜角度が大きくなり過ぎ、タイヤサイド部12を平面視したときの各傾斜面の面積が減ってしまい、キラキラ感を高めることが困難になる。
装飾体14は、一例として、図15(A)に示すように、互いに隣接する一方の反射ピース22のベクトル(矢印)の始点と他方の反射ピース22のベクトルの始点とが互いに隣接すると共に、一方の反射ピース22のベクトルと他方の反射ピース22のベクトルとが互いに反対方向を向いた反射ピース22の対を第1立体形状対30と定義し、図15(B)に示すように、互いに隣接する一方の反射ピース16のベクトルの終点と他方の反射ピース22のベクトルの終点とが互いに隣接すると共に、一方の反射ピース22のベクトルと他方の反射ピース16のベクトルとが互いに反対方向を向いた反射ピース22の対を第2立体形状対32と定義し、図15(C),15(D)に示すように、ベクトルの向きが同一方向を向いた反射ピース22が3以上連続した反射ピース22の集合体を第1立体形状群34と定義し、図15(E)、及び図15(F)に示すように、第1立体形状対30、第2立体形状対32、及び第1立体形状群34の何れにも属さない2つの反射ピース22からなる対を第3立体形状対36と定義したときに、タイヤサイド部12を平面視したときに、第3立体形状対36の総面積>第1立体形状対30の総面積、を満足する第1条件、第3立体形状対36の総面積>第2立体形状対32の総面積、を満足する第2条件、及び第3立体形状対36の総面積>第1立体形状群34の総面積数を満足する第3条件、の全て条件を満足していればよい。言い換えれば、上記条件が満足されていれば、装飾体14の中に、第1立体形状対30、第2立体形状対32、及び第1立体形状群34が多少含まれていてもよい。なお、キラキラ感を強調するには、装飾体14においては、第3立体形状対36の総面積>第1立体形状対30の総面積+第2立体形状対32の総面積+第1立体形状群34の総面積、を満足することが好ましい。
本発明において、キラキラ感を得るために、観察者に対して光を反射する面は、立体形状の一例としての反射ピースの内で、反射ピースの底面に対する傾斜角度が最も小さい傾斜面である。図17に示すように、底面が四角形の反射ピース22を考えた場合、反射ピース22の内で最も高い部分(頂点)22Tは、平面視した反射ピース22の底面の重心Gよりも、反射ピース22の底面の外周側の上方に位置することが、光を反射する傾斜面の面積を大きくする上で好ましい条件である。なお、図示を省略するが、最も高い部分が辺の場合、該辺の長手方向中央部を頂点22Tとする。図17に示す反射ピース22においては、最も高い部分22Tが底面の辺23aに近い部分に位置しており、これにより、反射ピース22の底面以外の複数の面の内で、最も面積が大きい面(底面に対する傾斜角度が最も小さい傾斜面)を形成することができる。
立体形状の一例としての反射ピースの内で、反射ピースの底面に対する傾斜角度が最も小さい傾斜面の最高部位側から最低部位側に向かう方向を傾斜面のベクトルと定義したが、例えば、図19に示すように、三角柱形状の反射ピース16で、三角形の何れかの頂点16Tが最も高く、頂点16Tと対向する辺16cが最も低い場合においては、頂点16Tから辺16cの中点16ccに向かう方向をベクトル(矢印で示す)とする。
図25には、装飾体を平面視したときの装飾体の単位面積に占める最も傾斜角度の小さい傾斜面の総面積の割合、及び装飾体14に配置する反射ピースの密度を種々変更させた場合の、装飾体のキラキラ感の度合いをA、B、C、D、Eの5段階評価(官能評価)した結果が示されている。
試験に用いた装飾体は、平面視で三角形の反射ピースからなるものを用いた。
官能評価の試験方法
・タイヤの車両装着時を想定し、対象物が表現されているタイヤサイド面の正面から45度斜め上から光を当てた状態で対象物である装飾体を観測する。このとき、タイヤサイド面に対して正面垂直の位置から装飾体を観測する。左右各50cm以内で左右に動き、装飾体を観察し、キラキラ感を評価する。
・観察者が動かない場合は、上記の様に、タイヤサイド面に対し正面垂直の位置から、タイヤを左右各45度転がして装飾体を観察、評価する。
官能評価の結果において、Aは最優、Bは優、Cは良、Dは可、Eは不可を表している。
即ち、試験結果から、装飾体14をタイヤ10の軸方向から平面視した際の、各反射ピースの傾斜面の面積を大きくして、反射面積を確保することが好ましいことが分かる。
さらに、試験結果から、装飾体14に配置する反射ピースの密度は、1cm2当たり3〜200個とすることが好ましく、1cm2当たり10〜100個とすることが更に好ましいことが分かる。
Claims (7)
- タイヤサイド部の表面を底面として、前記底面、及び前記底面に垂直な面以外の方向に傾斜する複数の傾斜面を備えた複数の立体形状を含んで構成された装飾体であって、
前記立体形状の内で前記底面に対する傾斜角度が最も小さい前記傾斜面の最高部位側から最低部位側に向かう方向を前記傾斜面のベクトルと定義すると共に、前記ベクトルの前記最高部位側を前記ベクトルの始点、前記ベクトルの前記最低部位側を終点と定義し、
互いに隣接する一方の前記立体形状の前記ベクトルの前記始点と他方の前記立体形状の前記ベクトルの前記始点とが互いに隣接すると共に、前記タイヤサイド部の表面を平面視したときの一方の前記立体形状の前記ベクトルの向きと他方の前記立体形状の前記ベクトルの向きとが互いに反対方向を向いた前記立体形状の対を第1立体形状対と定義し、
互いに隣接する一方の前記立体形状の前記ベクトルの前記終点と他方の前記立体形状の前記ベクトルの前記終点とが互いに隣接すると共に、前記タイヤサイド部の表面を平面視したときの一方の前記立体形状の前記ベクトルの向きと他方の前記立体形状の前記ベクトルの向きとが互いに反対方向を向いた前記立体形状の対を第2立体形状対と定義し、
前記タイヤサイド部の表面を平面視したときの前記ベクトルの向きは同一方向を向くと共に、前記立体形状を側面視したときの各々の前記ベクトルの向きが同一方向を向いた前記立体形状が3以上連続した前記立体形状の集合体を第1立体形状群と定義し、
前記第1立体形状対、前記第2立体形状対、及び前記第1立体形状群の何れにも属さない2つの前記立体形状からなる対を第3立体形状対と定義したときに、
前記装飾体は、前記第1立体形状対、前記第2立体形状対、前記第1立体形状群、及び前記第3立体形状対を全て含んで構成されており、
前記タイヤサイド部の表面を平面視したときに、前記第3立体形状対の総面積>前記第1立体形状対の総面積、を満足する第1条件、前記第3立体形状対の総面積>前記第2立体形状対の総面積、を満足する第2条件、及び前記第3立体形状対の総面積>前記第1立体形状群の総面積数を満足する第3条件、の全ての条件が満足されている、装飾体。 - 前記第3立体形状対の総面積>前記第1立体形状対の総面積+前記第2立体形状対の総面積+前記第1立体形状群の総面積、が満足されている、請求項1に記載の装飾体。
- 前記タイヤサイド部の表面を平面視して一方側から他方側に向けて連続して配置される3つの前記立体形状を見た時に、前記立体形状の前記タイヤサイド部の表面に立てた法線を基準とした前記ベクトルの回転方向の向きが、前記一方側から他方側に向けて同一回転方向に同じ角度で変化していない、請求項1または請求項2に記載の装飾体。
- 平面視したときの単位面積当たりに占める前記傾斜角度が最も小さい前記傾斜面の面積が70〜100%の範囲内にある、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の装飾体。
- 前記立体形状は、1cm2当たりに3〜200個設けられている、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の装飾体。
- 前記立体形状を平面視したときの前記底面に対する傾斜角度が最も小さい前記傾斜面の形状が三角形である、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の装飾体。
- タイヤサイド部の表面を底面として、前記底面、及び前記底面に垂直な面以外の方向に傾斜する複数の傾斜面を備えた複数の立体形状を含んで構成された装飾体であって、
前記立体形状の内で前記底面に対する傾斜角度が最も小さい前記傾斜面の最高部位側から最低部位側に向かう方向を前記傾斜面のベクトルと定義すると共に、前記ベクトルの前記最高部位側を前記ベクトルの始点、前記ベクトルの前記最低部位側を終点と定義し、
互いに隣接する一方の前記立体形状の前記ベクトルの前記始点と他方の前記立体形状の前記ベクトルの前記始点とが互いに隣接すると共に、前記タイヤサイド部の表面を平面視したときの一方の前記立体形状の前記ベクトルの向きと他方の前記立体形状の前記ベクトルの向きとが互いに反対方向を向いた前記立体形状の対を第1立体形状対と定義し、
互いに隣接する一方の前記立体形状の前記ベクトルの前記終点と他方の前記立体形状の前記ベクトルの前記終点とが互いに隣接すると共に、前記タイヤサイド部の表面を平面視したときの一方の前記立体形状の前記ベクトルの向きと他方の前記立体形状の前記ベクトルの向きとが互いに反対方向を向いた前記立体形状の対を第2立体形状対と定義し、
前記タイヤサイド部の表面を平面視したときの前記ベクトルの向きは同一方向を向くと共に、前記立体形状を側面視したときの各々の前記ベクトルの向きが同一方向を向いた前記立体形状が3以上連続した前記立体形状の集合体を第1立体形状群と定義し、
前記第1立体形状対、前記第2立体形状対、及び前記第1立体形状群の何れにも属さない2つの前記立体形状からなる対を第3立体形状対と定義したときに、
前記タイヤサイド部の表面を平面視したときに、前記第3立体形状対の総面積>前記第1立体形状対の総面積、を満足する第1条件、前記第3立体形状対の総面積>前記第2立体形状対の総面積、を満足する第2条件、及び前記第3立体形状対の総面積>前記第1立体形状群の総面積数を満足する第3条件、の全ての条件が満足されており、
前記装飾体は、前記タイヤサイド部の表面を平面視したときの前記ベクトルの向きが同一方向を向くと共に、前記立体形状を側面視したときの各々の前記ベクトルの向きが異なった方向を向いた前記立体形状が3以上連続して構成された前記立体形状の集合体である第2立体形状群を有している、
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