JP6936092B2 - 呈味改善方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、食塩含有量が低いにもかかわらず、塩味独特の口に含んだ直後に感じる味の立ち上がりと後まで続く持続力があり、加えて飲食品の主な成分の呈味、香りのバランスのとれた良好な飲食品を提供することにある。
[1]以下の(A)と、(B)及び/又は(C)を減塩飲食品に添加することを特徴とする呈味改善方法。
(A)茶ポリフェノール
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)
(A)茶ポリフェノール 0.02〜1000ppm
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)
(B)と(C)の合計量が0.0002〜8ppm
(A)茶ポリフェノール 5〜25000ppm
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP) 0.05〜200ppm
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP) 0.05〜200ppm
(A)茶ポリフェノール5〜40重量%、
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)を含有し
(B)と(C)の合計含有量が0.1〜2.0重量%
であることを特徴とする呈味改善剤。
〈茶ポリフェノール〉
本発明における茶ポリフェノールの原料である茶は、茶樹(Camellia sinensis)から得られる葉、茎、木部、根、実やこれらの混合物を意味する。茶としては、飲用茶葉を用いるのが一般的である。また、茶の種類については制限がなく、例えば紅茶、プアール茶などの発酵茶、ウーロン茶、包種茶などの半発酵茶、緑茶、釜煎り緑茶、ほうじ茶などの不発酵茶並びにこれらの混合物がある。
本発明において用いる茶ポリフェノールは、上記の茶を熱水、温水、又は冷水などで抽出したものを用いる他、この茶抽出液をスプレードライヤーや凍結乾燥機などで粉末化した茶エキスや、茶抽出液を精製して茶ポリフェノール類を高濃度含有した精製物などを用いてもよい。
このようにして得られた茶ポリフェノールとしては、具体的にはカテキン類、すなわち(+)−カテキン、(−)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(+)−エピガロカテキン、(+)−ガロカテキンガレート、(+)−エピガロカテキンガレート、(−) −エピカテキン、(−) −エピカテキンガレート、(−)−カテキンガレート、(−) −エピガロカテキン、(−)−ガロカテキン、(−) −エピガロカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレートなど、テアフラビン類、すなわちテアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガレートB、テアフラビンジガレート、遊離型テアフラビンなどが含まれ、これらを単独もしくは組み合わせて用いる。
本発明の茶ポリフェノールは、茶ポリフェノール製剤を用いてもよい。例えば、商品名「ポリフェノン」(三井農林(株))、「テアフラン」((株)伊藤園)、「サンフェノン」(太陽化学(株))等が挙げられる。
5’−IMP及び5’−GMPは、市販品を用いてもよい。例えば、市販の5’−IMP、5’−GMPではヤマサ醤油(株)製があげられる。また、5’−IMP、5’−GMPを含む酵母エキスを用いてもよい。本発明の呈味改善剤は、上記茶ポリフェノールと、5’−IMP及び/又は5’−GMPを所定の濃度に調製して用いることができる。
本発明の呈味改善剤中の茶ポリフェノールの含有量は、好ましくは5.0〜40.0重量%、より好ましくは10.0〜35.0重量%、さらに好ましくは15.0〜30.0重量%である。茶ポリフェノールが5.0重量%未満では本剤を大量に添加しなければ塩味増強や良好な香味バランスが得られず、40.0重量%より多い場合は本剤を微量に添加しただけで不快な収斂味や苦渋味が増してしまうため、経済性や取り扱いの容易性の点で適さない。
本発明の減塩飲食品の呈味改善剤中の5’−IMPと5’−GMPの合計含有量は、好ましくは0.1〜2.0重量%、さらに好ましくは0.2〜1.5重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%である。5’−IMPと5’−GMPの合計濃度が0.1重量%未満では本剤を大量に添加しなければ塩味増強及び呈味の改善効果が得られず、2.0重量%より多い場合は本剤を微量に添加しただけで舌に残る不快なべたつきや刺激を感じてしまうため、経済性や取り扱いの容易性の点で適さない。
また、本発明の呈味改善剤は、茶葉抽出液を酵素処理した抽出物を用いてもよい。例えば、特許文献7(特開2012―179042)に開示されている抽出物が挙げられ、より自然な風味が得られる点で好適に使用することができる。具体的な製造例は、後述の製造例1および2に示す。
なお、上記以外にもビタミンC、デキストリン、オリゴ糖、環状オリゴ糖、pH調整剤、安定剤、着色料、酸化防止剤、保存料などを副成分として含有してもよい。
5’−IMPと5’−GMPの合計添加量は、飲食品に対し、最終濃度で好ましくは5’−IMPと5’−GMPの合計が0.0002〜8.0ppm、より好ましくは0.0004〜4.0ppm、さらに好ましくは0.001〜2.4ppmである。5’−IMPと5’−GMPの合計が0.0002ppm未満では塩味が得られず、8.0ppmより多い場合は舌に残る不快なべたつきや刺激を感じ適さない。
また、茶葉抽出液を酵素処理した抽出物(以下核酸茶エキス、また粉末化したものを核酸茶エキス粉末とする)(茶ポリフェノール26.7重量%と、5’−IMP及び5’−GMPの合計量が0.16重量%)の場合の添加量は、減塩飲食品に対して、最終濃度で好ましくは核酸茶エキス粉末0.1〜4000ppm、より好ましくは0.2〜2000ppm、さらに好ましくは0.5〜400ppmである。核酸茶エキス粉末が0.1ppm未満では塩味増強や良好な香味バランスが感じられず、また4000ppmより多い場合は不快な収斂味や苦渋味、舌に残る不快なべたつきや刺激を感じ適さない。
本発明の呈味改善効果が得られる茶ポリフェノールおよび5’−IMPと5’−GMPの合計添加量は、飲食品中の食塩濃度が0.2〜1.0%であれば食塩100重量部に対して、好ましくは茶ポリフェノールを5.0〜25000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを0.05〜200ppm、より好ましくは茶ポリフェノールを50〜20000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを0.5〜160ppm、さらに好ましくは茶ポリフェノールを500〜10000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを5.0〜80ppmである。
茶ポリフェノールが5.0ppm未満では、塩味増強や良好な香味バランスが感じられず、25000ppmより多い場合は不快な収斂味や苦渋味が増し、5’−IMPと5’−GMPの合計が0.05ppm未満では塩味が得られず200ppmより多い場合は舌に残る不快なべたつきや刺激を感じ適さない。
飲食品中の食塩濃度が1.0〜4.0%であれば食塩100重量部に対して、好ましくは茶ポリフェノールを5.0〜5000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを0.05〜40ppm、より好ましくは茶ポリフェノールを50〜3000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを0.4〜25ppm、さらに好ましくは茶ポリフェノールを100〜1000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを1.0〜8.0ppmである。
茶ポリフェノールが5.0ppm未満では、塩味増強や良好な香味バランスが感じられず、5000ppmより多い場合は不快な収斂味や苦渋味が増し、5’−IMPと5’−GMPの合計が0.05ppm未満では塩味が得られず40ppmより多い場合は舌に残る不快なべたつきや刺激を感じ適さない。
飲食品中の食塩濃度が4.0〜10.0%であれば食塩100重量部に対して、好ましくは茶ポリフェノールを10〜10000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを0.1〜100ppm、より好ましくは茶ポリフェノールを40〜5000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを0.5〜60ppm、さらに好ましくは茶ポリフェノールを80〜2000ppm、5’−IMPおよび5’−GMPを1.0〜20ppmである。
茶ポリフェノールが10.0ppm未満では、塩味増強や良好な香味バランスが感じられず、10000ppmより多い場合は不快な収斂味や苦渋味が増し、5’−IMPと5’−GMPの合計が0.1ppm未満では塩味が得られず100ppmより多い場合は舌に残る不快なべたつきや刺激を感じ適さない。
本発明の呈味改善剤を添加する飲食品としては、ポタージュ、オニオン等の野菜スープ、コンソメ、クラムチャウダー等の魚介風味のスープ、中華スープ、ラーメン用スープ、吸い物、パスタソース、めんつゆ、マヨネーズ、ドレッシング、ソース、ケチャップ、醤油、魚醤、焼き肉のタレ等の液体調味料、みそ、もろみ、、固形ブイヨン、カレールー、即席カレー、レトルトカレー、缶詰カレー、シチューの素、スープの素、ダシの素、その他種々の調味料類などが挙げられる。
また、飲食品の形状としては、粉末状、顆粒状、凍結乾燥(フリーズドライ)、液体状、ペースト状等が挙げられる。特に減塩タイプの粉末状又は液体状のインスタント飲食品に配合することでより効果を発揮する。
本発明の呈味改善剤を減塩飲食品へ配合方法は特に制限されるものではなく、例えば、粉末状インスタントスープの場合の調製段階あるいは調製後において、この分野で通常知られた慣用的な方法を用いて配合することができる。液体状の場合もまた、この分野で通常知られた慣用的な方法を用いて、調合液に配合することができる。
また、本発明の呈味改善剤の粉末状インスタント飲食品への添加方法は、通常の方法で添加配合することができる。本発明の呈味改善剤の粉末状インスタント飲食品への配合量は、飲食時の食塩濃度が0.2%以上10.0%以下の場合、本発明の呈味改善剤を0.1〜4000ppm配合すればよい。
茶ポリフェノールの測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸エチルの換算量として求める(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10)。試料2mLと酒石酸鉄標準液5mLを混合し、リン酸緩衝液で25mLとし発色させる。540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線から茶ポリフェノール量を求める。
酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄七水和物100mgと酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを水に溶かして100mLとする。
リン酸緩衝液の調製:1/15Mリン酸水素二ナトリウム溶液と1/15Mリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整する。
5’―ヌクレオチドの定量はHPLC分析法にて次の条件でおこなった。標準試料である5’−GMP、5’−IMPはそれぞれ市販されている試薬(SIGMA社)を用いた。標準試料および測定試料は0.45μm親水性PTFEフィルター(アドバンテック(株)、DISMIC−13HP)で濾過した後、以下の条件にてHPLCを用いて定量した。
装置:Prominence HPLCシステム((株)島津製作所)
カラム:DevelosilC30 RPAQUEOUS(4.6×250mm、野村化学(株))
カラム温度:40℃
移動相:A液50mMリン酸水二水素ナトリウム水溶液(pH2.4)、B液アセトニトリル/水=50/50(体積比)
グラジエントプログラム:15分までA液100%にて溶出、15分から20分までB液濃度を0%から100%に上げ洗浄、20分から25分でA液濃度を0%から100%に上げ置換し、25分から40分までA液100%で平衡化を行う。
流速:1.0mL/min
検出:UV250nm
食塩の含有量はナトリウム含有量を測定し、これを食塩の含有量に換算することにより求めた。ナトリウム含有量はICP発光分光装置:iCAP 7000 SERIES(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製)により測定した。
インスタントティーRX−100(三井農林(株))を水に溶解し20重量%インスタントティーRX−100溶液を作製した。この溶液を1重量%炭酸水素ナトリウム溶液でpH5.5に調整し、続いて60℃に保温し、茶固形成分に対して2重量%の5’−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」G:天野エンザイム(株))を添加し、反応を開始した。1時間反応後、反応溶液の液温を47℃に保温し、茶固形成分に対して1重量%の5’−アデ二ル酸デアミナーゼ(デアミナーゼ:天野エンザイム(株))を添加し反応を開始した。1時間の反応後、反応液に加熱殺菌(110℃、30秒)を施し、噴霧乾燥を行い、核酸茶エキス粉末を製造した。
製造後の核酸茶エキス粉末中の茶ポリフェノール含有量及び5’−IMPと5’−GMPの合計含有量を以下に示す。茶ポリフェノール量:26.0重量%、5’−IMP及び5’−GMP:合計0.16重量%
市販の食塩((公財)塩事業センター)をイオン交換水に溶解し、0.40重量%食塩水を作製しコントロールとした。減塩食品への添加効果確認を目的として、0.20重量%食塩水に本発明の呈味改良剤および比較対象剤を添加しコントロールとの比較評価を実施した。
茶ポリフェノールとして、インスタントティーRX−100(三井農林(株)、茶ポリフェノール26.0重量%含有)を用いた。実施例、比較例とも、各添加剤中の茶ポリフェノールは26.0重量%、5’−IMP及び5’−GMPの合計0.16重量%である。
(比較例1)インスタントティーRX−100:100ppm
(比較例2)5’−IMP(ヤマサ醤油(株)):0.21ppm(5’−IMP0.16ppm相当)
(比較例3)5’−GMP(ヤマサ醤油(株)):0.21ppm(5’−IMP0.16ppm相当)
(比較例4)5’−IMP及び5’−GMP:各0.08ppm
(比較例5)酵母エキス(ハイパーミーストAP2515:アサヒフードアンドヘルスケア(株)):2.7ppm(5’−IMPと5’―GMP合計添加量0.16ppmに相当)
(実施例1)5’−IMP:0.21ppm及びインスタントティーRX−100:100ppm
(実施例2)5’−GMP:0.21ppm及びインスタントティーRX−100:100ppm
(実施例3)5’−IMP及び5’−GMP:各0.08ppm、及びインスタントティーRX−100:100ppm
(実施例4)酵母エキス:2.7ppm及びインスタントティーRX−100:100ppm
(実施例5)核酸茶エキス粉末:100ppm
男女5名をパネラーとして、食塩水、本発明の呈味改良剤を添加した食塩水、比較対象剤を添加した食塩水の官能評価を行った。評価項目として、口に含んだ直後に感じる塩味の立ち上がり(先味)および後まで続く塩味の持続力や余韻(後味)とそれらのバランスを総合的に評価した。
評価はコントロール品(呈味改良剤無添加)と比較し比較品の塩味の強さを「標準品と同等」「標準品と若干の違いがある」「標準品と少し違いがある」「標準品と違いがあるが許容できる」「標準品と違いがある」「標準品と違いが大きい」「標準品と全く異なる」に分類しそれぞれを1〜7点の6段階で評価し、平均点を算出した。
さらに、塩味の先味や後味およびそれらのバランスなどを総合的に採点した。評価方法は、先味および後味が強化され塩味バランスがより良好なものを「◎」、先味および後味が強化されバランスが良好なものを「○」、塩味の先味および後味の強化が得られない、またはそれらのバランスが取れていないものを「×」として評価した。
一方で、茶ポリフェノール添加(比較例1)では先味の刺激の強化や後味の苦渋味が塩味と合わさることで塩味様の感覚の強調が確認された。しかし、苦渋味と塩味の調和がとれず、苦渋味のみが目立つ、先味と後味のバンランスが取れていないなどの評価があげられている。
また、5’−IMP又は5’−GMP添加(比較例2,3)、及びそれらの混合物添加(比較例4)や酵母エキス添加(比較例5)では食塩添加量の減少によるボリューム感や濃厚感の低下を補うものの、先味の塩味様の刺激が弱いため、ボリューム感や濃厚感のみが際立ち、本来の目的である塩味強化が弱い、物足りないとの評価もあった。
以上により、茶ポリフェノールと、5’−IMP及び/又は5’−GMPを同時に添加することにより、それぞれ単独で添加した際にみられた、茶ポリフェノール添加による苦渋味と塩味の調和がとれず苦渋味のみが目立つなどの問題を解決し、また5’−IMP及び/又は5’−GMPの添加によるボリューム感や濃厚感の際立ちによる塩味の物足りなさを改善し、それぞれ単独添加では得られない調和や塩味の増強が確認された。
表2記載の原料を配合し、魚介風味クリームスープ粉末および表2記載の配合比より食塩とデキストリンの添加量を調整した10%、20%、30%減塩粉末を作製した。30%減塩スープ粉末に実施例5と同様の核酸茶エキス粉末を飲用時濃度100ppmとなるように添加し減塩スープおよびコントロールとの香味について比較を実施した。なおスープは評価時に粉末重量の15倍量の熱湯に溶解し評価を実施した。
香味評価の結果、核酸茶エキスを添加することで、減塩による薄味や物足りなさを補う効果、魚介の風味および香辛料の香り立ちを強める効果が確認された。また男女7名のパネラーの評価の平均値より、30%減塩スープへ核酸茶エキス粉末を100ppm添加することで9%減塩スープ相当の香味を感じるという評価が得られた。
〈製造例1〉
市販のインスタント粉末緑茶(ケニア産)20gを180gの超純水に溶解し10重量%溶液を作製した。この溶液を炭酸水素ナトリウム1%溶液でpH5.5に調整し、続いて60℃に保温し、茶固形成分に対して2重量%の5’−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」G:天野エンザイム(株)製)を添加し、反応を開始した。1時間反応後、反応溶液の液温を47℃に保温し、茶固形成分に対して1重量%の5’−アデ二ル酸デアミナーゼ(デアミナーゼ:天野エンザイム(株)製)を添加し反応を開始した。1時間の反応後、反応液に加熱殺菌(110℃、30秒)を施し、噴霧乾燥を行い、核酸茶エキス粉末を製造した。核酸茶エキス粉末中の茶ポリフェノール含有量及び5’−IMPと5’−GMPの合計含有量は、茶ポリフェノール38.8%、5’−IMPと5’−GMPの合計0.15重量%であった。
市販のインスタント粉末紅茶(インド産)40gを160gの超純水に溶解し20重量%溶液を作製した。この溶液を炭酸水素ナトリウム1%溶液でpH5.5に調整し、続いて60℃に保温し、茶固形成分に対して2重量%の5’−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」G:天野エンザイム(株)製)を添加し、反応を開始した。1時間反応後、反応溶液の液温を47℃に保温し、茶固形成分に対して1重量%の5’−アデ二ル酸デアミナーゼ(デアミナーゼ:天野エンザイム(株)製)を添加し反応を開始した。1時間の反応後、反応液に加熱殺菌(110℃、30秒)を施し、噴霧乾燥を行い、核酸茶エキス粉末を製造した。核酸茶エキス粉末中の茶ポリフェノール含有量及び5’−IMPと5’−GMPの合計含有量は、茶ポリフェノール量17.1重量%、5’−IMP及び5’−GMP:合計0.10重量%であった。
Claims (7)
- 以下の(A)と、(B)及び/又は(C)を減塩飲食品に添加することを特徴とする塩味増強方法。
(A)茶ポリフェノール
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP) - 以下の(A)と、(B)及び/又は(C)であることを特徴とする減塩飲食品の塩味増強剤。
(A)茶ポリフェノール 0.02〜1000ppm
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)
(B)と(C)の合計量が0.0002〜8ppm - 飲食品に含まれる食塩100重量部に対して、以下の(A)と、(B)及び/又は(C)を含有することを特徴とする減塩飲食品の塩味増強剤。
(A)茶ポリフェノール 5〜25000ppm
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP) 0.05〜200ppm
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP) 0.05〜200ppm - 請求項2又は3記載の塩味増強剤において、以下の(A)と、(B)及び/又は(C)の含有量が、
(A)茶ポリフェノール5〜40重量%、
(B)イノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)
(C)グアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)を含有し
(B)と(C)の合計含有量が0.1〜2.0重量%
であることを特徴とする塩味増強剤。 - 請求項2〜4のいずれか1項に記載の塩味増強剤が茶を原料として得られたものであることを特徴とする塩味増強剤。
- 請求項2〜5のいずれか1項に記載の塩味増強剤を配合した減塩飲食品。
- 粉末状又は液体状のインスタントスープであることを特徴とする請求項6記載の減塩飲食品。
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