以下、回路基板検査装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、回路基板検査装置としての回路基板検査装置1の構成について説明する。図1に示す回路基板検査装置1は、複数の検査ヘッド(本例では一例として、第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3の2つの検査ヘッド)、移動機構4、電源部5、第3測定回路部6および処理部7を備えて、不図示の固定機構によって検査位置に固定された検査対象の回路基板101における1または2以上の検査対象部位に対して所定の電気的検査(本例では、絶縁検査および部品検査)を実行可能に構成されている。
この回路基板101は、例えば、内部にはグランド層や電源層が内層として形成されると共にビア(またはスルーホール)が形成され、また一対の表面(図1,2中の上面および下面)には、各表面に実装される電子部品同士やこの電子部品をビアを介して内層に接続するための複数の導体パターンが形成されている。
なお、本例では一例として、回路基板検査装置1は、電子部品が実装されていない回路基板101に対して、各表面に形成された複数の導体パターンのうちの信号伝送路として機能して電子部品同士を接続する導体パターンを検査対象部位(絶縁検査対象部位および部品検査対象部位)として絶縁検査および部品検査するものとする。なお、図1および図2では、理解の容易のため、回路基板101の上面に形成されて検査対象部位とする2つの導体パターンP1,P2と、この導体パターンP1,P2の近傍に位置してこれらの検査に際して使用される他の導体パターンP3,P4,P5,P6(対応するビアPV1,PV2,PV3,PV4を介してグランド層PGに接続される導体パターン)のみを模式的に図示するものとする。
第1検査ヘッド2は、例えば、第1グランド部11、第1フローティング電源部12、複数の第1プローブ13(本例では一例として2個の第1プローブ131,132。以下、特に区別しないときには第1プローブ13ともいう)、第1測定回路部14、第1スイッチ部15およびアイソレータ16を有して構成されている。また、第1検査ヘッド2は、回路基板101における検査対象部位とする導体パターンP1,P2が形成された一方の表面側(本例では上面側)に、移動機構4によって移動自在に配設されている。
第1グランド部11は、一例として、導電性を有する金属材料(鉄や銅やアルミなど)で形成されて第1検査ヘッド2の筐体として機能する第1シャーシ部で構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1グランド部11は、上記の金属材料で形成されて第1検査ヘッド2に配設された金属板や配線などで構成することも可能である。また、また、第1グランド部11の電位は、第1検査ヘッド2内の基準電位(第1グランド電位)G1となる。
第1フローティング電源部12は、一例として、絶縁トランスを用いて構成された絶縁型DC/DCコンバータで構成されている。この第1フローティング電源部12は、電源部5から出力される後述の作動用電圧V3に基づいて、作動用電圧V3および第3グランド電位G3から電気的に分離された状態(フローティング状態)で、第1グランド電位G1を基準とする第1作動用電圧V1(1または2種類の直流電圧)を生成して、第1検査ヘッド2内の各構成要素(第1測定回路部14、第1スイッチ部15およびアイソレータ16)に出力する。
第1プローブ131,132は、互いに電気的に絶縁された状態で、かつそれぞれの先端部が第1検査ヘッド2から回路基板101(回路基板101が配置される検査位置)に向けて突出した状態で第1検査ヘッド2に固定(例えば、第1検査ヘッド2に配設された不図示のプローブ固定台などを介して第1検査ヘッド2に固定)されている。この場合、第1プローブ131,132の各先端部の間隔は、検査対象部位としての導体パターンP1,P2の同じ端部に接触でき、また、この導体パターンP1,P2に近接する他の導体パターンP3〜P6に各先端部が同時に接触でき、また、導体パターンP1,P2の端部とこの端部に近接する他の導体パターン(導体パターンP1では導体パターンP3または導体パターンP4、導体パターンP2では導体パターンP5または導体パターンP6)に各先端部が個別に同時に接触でき得る間隔に予め規定されている。また、第1プローブ131は、例えばその基端部が第1測定回路部14の後述する検出端子14aに接続され、第1プローブ132は、例えばその基端部が第1グランド部11に接続されて、第1グランド電位G1に規定されることにより、第1基準電位プローブとして機能する。
第1測定回路部14は、第1プローブ13のうちの第1グランド部11に接続されている第1プローブ13を除く他の第1プローブ13の個数と同数の検出端子(本例では該当する他の第1プローブ13は、第1プローブ131の1個であるため、1個の検出端子14a)を備えている。また、第1測定回路部14は、アイソレータ16を介して入力する処理部7からの制御信号Saによって制御されて、動作状態においては、第1プローブ132の電位(第1グランド電位G1)を基準として第1プローブ131で検出された信号(第1検出信号)を検出端子14aから入力すると共に、この信号を測定処理(第1測定処理)する。また、第1測定回路部14は、制御信号Saによって制御されることにより、第1グランド電位G1を基準とする検査用信号の生成および第1プローブ131からの出力も可能となっている。また、第1測定回路部14は、この測定処理によって得られた測定結果について測定データDaとしてアイソレータ16を介して処理部7に出力する。本例では第1測定回路部14は、一例としてネットワークアナライザなどの伝送特性測定装置で構成されて、検査対象部位としての各導体パターンP1,P2のそれぞれについての伝送特性を求める測定処理を実行する。
第1スイッチ部15は、アイソレータ16を介して入力する処理部7からの制御信号Ss1によって接続状態が短絡状態(図1に示す状態)および開放状態(図2に示す状態)のうちの任意の一方に選択的に制御される(切り替えられる)スイッチ素子(本例では一例として、リレー)で構成されている。また、第1スイッチ部15は、第1プローブ13のうちの第1グランド部11に接続されている第1プローブ13を除く他の第1プローブ13の個数と同数設けられて、この他の第1プローブ13のうちの対応する第1プローブ13と第1グランド部11間(第1グランド電位G1)との間に配設されている。この構成により、第1スイッチ部15は、短絡状態に移行することで対応する第1プローブ13を第1グランド電位G1に電気的に直接接続し、また開放状態に移行することで対応する第1プローブ13を第1グランド電位G1から電気的に切り離す。本例では、上記したように、この他の第1プローブ13は第1プローブ131の1個であるため、1個のリレーで構成された第1スイッチ部15は、短絡状態に移行することで対応する第1プローブ131を第1グランド電位G1に電気的に直接接続し、また開放状態に移行することで対応する第1プローブ131を第1グランド電位G1から電気的に切り離す。
アイソレータ16は、処理部7から出力された制御信号Sa,Ss1を入力すると共に電気的に絶縁して、制御信号Saについては第1測定回路部14へ、また制御信号Ss1については第1スイッチ部15へ出力する。また、アイソレータ16は、第1測定回路部14から出力された測定データDa(測定データDaを示す信号)を入力すると共に電気的に絶縁して処理部7へ出力する。
第2検査ヘッド3は、例えば、第2グランド部21、第2フローティング電源部22、複数の第2プローブ23(本例では一例として2個の第2プローブ231,232。以下、特に区別しないときには第2プローブ23ともいう)、第2測定回路部24、第2スイッチ部25およびアイソレータ26を有して、第1検査ヘッド2と同等に構成されている。また、第2検査ヘッド3は、回路基板101における一対の表面のうちの一方の側に、移動機構4によって第1検査ヘッド2とは個別に移動自在に配設されている。本例では、検査対象部位とする導体パターンP1,P2が回路基板101の一方の表面側にのみ形成されているため、第2検査ヘッド3は、上記した一方の側としての一方の表面側(つまり、第1検査ヘッド2と同じ側)に配設されているが、図示はしないが、例えば、検査対象部位とする導体パターンが回路基板101における一対の表面間(一方の表面としての上面と他方の表面としての下面との間)に亘って形成されているときには、一方の側としての他方の表面側(つまり、第1検査ヘッド2とは異なる側)に配設される。
第2グランド部21は、一例として第1グランド部11と同等に(第2検査ヘッド3の筐体として機能する第2シャーシ部で)構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第2グランド部21についても、第1グランド部11と同様にして、金属板や配線などで構成することも可能である。また、また、第2グランド部21の電位は、第2検査ヘッド3内の基準電位(第2グランド電位)G2となる。
第2フローティング電源部22は、一例として第1フローティング電源部12と同等に構成されて、電源部5から出力される作動用電圧V3に基づいて、作動用電圧V3および第3グランド電位G3から電気的に分離された状態(フローティング状態)で、第2グランド電位G2を基準とする第2作動用電圧V2(1または2種類の直流電圧)を生成して、第2検査ヘッド3内の各構成要素(第2測定回路部24、第2スイッチ部25およびアイソレータ26)に出力する。
第2プローブ231,232は、互いに電気的に絶縁された状態で、かつそれぞれの先端部が第2検査ヘッド3から回路基板101(回路基板101が配置される検査位置)に向けて突出した状態で第2検査ヘッド3に固定(例えば、第2検査ヘッド3に配設された不図示のプローブ固定台などを介して第2検査ヘッド3に固定)されている。また、第2プローブ231,232の各先端部の間隔は、第1プローブ131,132の各先端部の間隔と同等に規定されている。また、第2プローブ231は、例えばその基端部が第2測定回路部24の後述する検出端子24aに接続され、第2プローブ232は、例えばその基端部が第2グランド部21に接続されて、第2グランド電位G2に規定されることにより、第2基準電位プローブとして機能する。
第2測定回路部24は、第2プローブ23のうちの第2グランド部21に接続されている第2プローブ23を除く他の第1プローブ13の個数と同数の検出端子(本例では該当する他の第2プローブ23は、第2プローブ231の1個であるため、1個の検出端子24a)を備えている。また、第2測定回路部24は、アイソレータ26を介して入力する処理部7からの制御信号Sbによって制御されて、動作状態においては、第2プローブ232の電位(第2グランド電位G2)を基準として第2プローブ231で検出された信号(第2検出信号)を検出端子24aから入力すると共に、この信号を測定処理(第2測定処理)する。また、第2測定回路部24は、制御信号Sbによって制御されることにより、第2グランド電位G2を基準とする検査用信号の生成および第2プローブ231からの出力も可能となっている。また、第2測定回路部24は、この測定処理によって得られた測定結果について測定データDbとしてアイソレータ26を介して処理部7に出力する。本例では第2測定回路部24は、一例としてネットワークアナライザなどの伝送特性測定装置で構成されて、検査対象部位としての各導体パターンP1,P2のそれぞれについての伝送特性を求める測定処理を実行する。
第2スイッチ部25は、アイソレータ26を介して入力する処理部7からの制御信号Ss2によって接続状態が短絡状態(図1に示す状態)および開放状態(図2に示す状態)のうちの任意の一方に選択的に制御される(切り替えられる)スイッチ素子(本例では一例として、リレー)で構成されている。また、第2スイッチ部25は、第2プローブ23のうちの第2グランド部21に接続されている第2プローブ23を除く他の第2プローブ23の個数と同数設けられて、この他の第2プローブ23のうちの対応する第2プローブ23と第2グランド部21間(第2グランド電位G2)との間に配設されている。この構成により、第2スイッチ部25は、短絡状態に移行することで対応する第2プローブ23を第2グランド電位G2に電気的に直接接続し、また開放状態に移行することで対応する第2プローブ23を第2グランド電位G2から電気的に切り離す。本例では、上記したように、この他の第2プローブ23は第2プローブ231の1個であるため、1個のリレーで構成された第2スイッチ部25は、短絡状態に移行することで対応する第2プローブ231を第2グランド電位G2に電気的に直接接続し、また開放状態に移行することで対応する第2プローブ231を第2グランド電位G2から電気的に切り離す。
アイソレータ26は、処理部7から出力された制御信号Sb,Ss2を入力すると共に電気的に絶縁して、制御信号Sbについては第2測定回路部24へ、また制御信号Ss2については第2スイッチ部25へ出力する。また、アイソレータ26は、第2測定回路部24から出力された測定データDb(測定データDbを示す信号)を入力すると共に電気的に絶縁して処理部7へ出力する。
移動機構4は、検査ヘッドと同数(本例では、第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3の2つであるため、2つ)の例えば3軸移動機構を備え、各検査ヘッド2,3を回路基板101に対して任意の方向に相対的に独立して移動させ得るように構成されている。この構成により、移動機構4は、処理部7によって制御されて第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3を個別に移動させることで、第1検査ヘッド2に固定されている第1プローブ131,132の各先端部、および第2検査ヘッド3に固定されている第2プローブ231,232の各先端部を、回路基板101の表面における任意の位置に接触させることが可能となっている。つまり、回路基板検査装置1では、フライング式でプローブを回路基板101に接触させる構成が採用されている。
電源部5は、移動機構4、第3測定回路部6および処理部7と共に第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3の外部(回路基板検査装置1における不図示の装置本体)に配設されている。この電源部5は、例えば、回路基板検査装置1の外部から供給される電圧(例えば、商用交流電圧)に基づいて、回路基板検査装置1内の構成要素、具体的には、第1検査ヘッド2、第2検査ヘッド3、移動機構4、第3測定回路部6および処理部7で使用される第3作動用電圧V3(1または2種類の直流電圧。以下、作動用電圧V3ともいう)を基準電位(第3グランド電位G3)を基準とする電圧として生成して出力する。
第3測定回路部6は、一対の検出端子31,32を有すると共に、処理部7から出力される制御信号Scによって制御されて、検出端子31に接続されている部位と検出端子32に接続されている部位との間の絶縁状態を示す信号を測定する測定処理(第3測定処理)を実行する。また、第3測定回路部6は、この測定処理によって得られた測定結果を測定データDcとして処理部7に出力する。一例として、第3測定回路部6は、検出端子31に例えば数百ボルトの検査電圧V4を出力し得る電圧源(直流電圧源)33、検出端子32と第3グランド電位G3との間に配設されて、検査電圧V4の出力時に、検出端子31に接続されている部位と検出端子32に接続されている部位との間に流れる電流の電流値Itsを測定する電流計34、および検査電圧V4の出力時に検出端子31,32間に発生する電圧の電圧値Vtsを測定する電圧計35を備えて構成されている。これにより、この第3測定回路部6は、電流計34が絶縁状態を示す信号として測定した上記の電流値Itsを測定データDcとして処理部7に出力し、また電圧計35が絶縁状態を示す他の信号として測定した上記の電圧値Vtsを他の測定データDcとして処理部7に出力する測定処理を実行する。
本例では、検出端子31は、第1配線W1を介して第1検査ヘッド2の第1グランド部11に接続され、また検出端子32は、第2配線W2を介して第2検査ヘッド3の第2グランド部21に接続されている。したがって、上記したように、第1グランド部11には、第1プローブ132が接続され、第2グランド部21には、第2プローブ232が接続されている。このことから、電流計34は、第1基準電位プローブとしての第1プローブ132および第2基準電位プローブとしての第2プローブ232を介して検出される検出信号(第3検出信号)として、第1プローブ132および第2プローブ232間に流れる電流を検出すると共に、その電流値Itsを測定して測定データDcとして出力する。また、電圧計35は、第1プローブ132および第2プローブ232を介して検出される他の検出信号(他の第3検出信号)として、第1プローブ132および第2プローブ232間に生じる電圧を検出すると共に、その電圧値Vtsを測定して測定データDcとして出力する。
処理部7は、例えばコンピュータで構成されて、第1検査ヘッド2、第2検査ヘッド3、移動機構4および第3測定回路部6に対する制御処理、絶縁検査処理、並びに部品検査処理を実行する。また、処理部7には、絶縁検査処理および部品検査処理の実行に際して、第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3を移動させる目的位置についての位置データが各検査対象部位(絶縁検査対象部位および部位品検査対象部位)に対応させられて予め記憶されている。
次に、回路基板検査装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、回路基板101は、検査位置に予め固定されているものとする。
この状態において、回路基板検査装置1では、処理部7が、まず、回路基板101に対する絶縁検査処理(本例では絶縁検査対象部位としての導体パターンP1,P2に対する絶縁検査処理)を実行する。この絶縁検査処理では、処理部7は、最初に、第3測定回路部6に対して測定処理を停止させる旨の制御信号Scを出力する。これにより、第3測定回路部6は、測定処理の停止状態に移行する(電圧源33が、その出力端から検出端子31への検査電圧V4の出力を停止する)。この場合、電圧源33は、検査電圧V4の出力の停止状態において、その出力端をハイインピーダンス状態に移行させる。このため、測定処理の停止状態では、第3測定回路部6の検出端子31もハイインピーダンス状態に移行する。
また、処理部7は、第1検査ヘッド2に対して、第1測定回路部14での測定処理を停止させる旨の制御信号Saおよび第1スイッチ部15を短絡状態に移行させる切替処理のための制御信号Ss1を出力する。これにより、第1検査ヘッド2では、第1測定回路部14が、アイソレータ16を介して入力される制御信号Saに基づいて、測定処理の停止状態に移行する(第1プローブ131への検査用信号の出力を停止し、かつ第1プローブ131での第1検出信号の検出を停止した状態に移行する)。また、第1スイッチ部15は、アイソレータ16を介して入力される制御信号Ss1に基づいて、図1に示す短絡状態に移行する。これにより、第1プローブ131の電位は、もう一つの第1プローブ132の電位(つまり、第1グランド電位G1)と同電位に規定される。
また、処理部7は、第2検査ヘッド3に対しても、第2測定回路部24での測定処理を停止させる旨の制御信号Sbおよび第2スイッチ部25を短絡状態に移行させる切替処理のための制御信号Ss2を出力する。これにより、第2検査ヘッド3では、第2測定回路部24が、アイソレータ26を介して入力される制御信号Sbに基づいて、測定処理の停止状態に移行する(第2プローブ231への検査用信号の出力を停止し、かつ第2プローブ231での第2検出信号の検出を停止した状態に移行する)。また、第2スイッチ部25は、アイソレータ26を介して入力される制御信号Ss2に基づいて、図1に示す短絡状態に移行する。これにより、第2プローブ231の電位は、もう一つの第2プローブ232の電位(つまり、第2グランド電位G2)と同電位に規定される。
次いで、処理部7は、記憶されている導体パターンP1に対する絶縁検査処理での第1検査ヘッド2の目的位置および第2検査ヘッド3の目的位置を示す各位置データに基づいて、移動機構4を制御して第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3をそれぞれの目的位置に移動させる。これにより、図1に示すように、第1検査ヘッド2では、各第1プローブ131,132の先端部が、導体パターンP1上に共に規定された各第1プローブ131,132の絶縁検査のためのプロービング点に接触し、第2検査ヘッド3では、各第2プローブ231,232の先端部が、導体パターンP1に近接する導体パターン(電気的に絶縁状態にあるべき導体パターン。本例では一例として、導体パターンP1に近接し、かつグランド層PGに接続される導体パターンP4)上に共に規定された各第2プローブ231,232の絶縁検査のためのプロービング点に接触する。
続いて、処理部7は、第3測定回路部6に対して測定処理を実行させる旨の制御信号Scを出力する。これにより、第3測定回路部6は、測定処理を実行する。この測定処理において、第3測定回路部6では、図1に示すように、電圧源33が、検査電圧V4を検出端子31に出力する。また、電流計34が、この検査電圧V4の出力状態での電流値Itsを測定すると共に測定データDcとして処理部7に出力する。また、電圧計35が、この検査電圧V4の出力状態での電圧値Vtsを測定すると共に他の測定データDcとして処理部7に出力する。処理部7は、この測定データDcを取得して記憶する。
この場合、上記したように、検出端子31は、第1配線W1および第1検査ヘッド2の第1グランド部11を介して第1プローブ132に接続され、また検出端子32は、第2配線W2および第2検査ヘッド3の第2グランド部21を介して第2プローブ232に接続されている。したがって、電流計34が測定する電流値Itsは、第1プローブ132が接触させられている導体パターンP1と、第2プローブ232が接触させられている導体パターンP4との間に流れる電流の電流値である。また、第1配線W1から第1グランド部11および第1プローブ132を介して導体パターンP1に至る経路の抵抗値(第1プローブ132と導体パターンP1との間の接触抵抗を含む)と、第2配線W2から第2グランド部21および第2プローブ232を介して導体パターンP4に至る経路の抵抗値(第2プローブ232と導体パターンP4との間の接触抵抗を含む)の合計抵抗値は、通常、導体パターンP1,P4間の絶縁抵抗の抵抗値と比較して十分に小さい。このことから、電圧計35が測定する電圧値Vtsは、導体パターンP1,P4間の絶縁抵抗に上記の電流が流れることによって生じる電圧値である。
また、処理部7は、この測定データDcの取得後、第3測定回路部6に対して測定処理を停止させる旨の制御信号Scを出力する。これにより、電圧源33による検査電圧V4の検出端子31への出力が停止される。なお、本例の回路基板検査装置1では、第3測定回路部6による測定処理の実行中(検査電圧V4の出力状態)において、各検査ヘッド2,3では、各測定回路部14,24の検出端子14a,24aに接続されている第1プローブ131および第2プローブ231は、各スイッチ部15,25によってそれぞれのグランド電位G1,G2に規定されている。このため、第1プローブ131および第2プローブ231がそれぞれのグランド電位G1,G2に規定されていない状態のときと比較して、例えば、検査電圧V4に起因する過大電圧が浮遊容量などを介して第1プローブ131および第2プローブ231に印加されて各測定回路部14,24が破損する事態の発生を防止することが可能となっている。
次いで、処理部7は、取得した測定データDcで示される電流値Itsおよび電圧値Vtsに基づいて導体パターンP1,P4間の絶縁抵抗の抵抗値を算出し、この算出した抵抗値に基づいて導体パターンP1,P4間の絶縁状態の良否を検査すると共に、その検査結果を検査対象部位(この場合、導体パターンP1)に対応させて記憶する。絶縁状態の良否については、例えば、算出した抵抗値が予め規定された基準値以上のときには、絶縁状態は良好であるとし、逆に、算出した抵抗値が上記の基準値未満のときには、絶縁状態は不良であるとすることができる。これにより、導体パターンP1についての絶縁検査が完了する。
なお、導体パターンP1に近接する導体パターンが、導体パターンP4以外に存在する場合(例えば、図1において示す導体パターンP3が存在する場合)には、上記した導体パターンP4のときと同様にして、導体パターンP1,P3間の絶縁状態の良否を検査して、導体パターンP1に近接するすべての導体パターンと導体パターンP1との間の絶縁状態がすべて良好なときにのみ、導体パターンP1の絶縁状態が良好であるとする。
続いて、処理部7は、残りの導体パターンP2に対する絶縁検査処理についても、上記した導体パターンP1に対する絶縁検査処理のときと同様にして実行して、その検査結果を検査対象部位(この場合、導体パターンP2)に対応させて記憶する。これにより、すべての絶縁検査対象部位(本例では、導体パターンP1,P2)についての絶縁検査が完了する。
次に、処理部7は、回路基板101に対する部品検査処理(本例では部品検査対象部位でもある導体パターンP1,P2に対する部品検査処理)を実行する。この部品検査処理では、処理部7は、先に実行した絶縁検査処理において絶縁状態が良好であるとの検査結果が得られた検査対象部位についてのみを検査対象部位とする。本例では、導体パターンP1,P2のいずれについても絶縁状態が良好であるとの検査結果が得られたものとして、導体パターンP1,P2の双方を検査対象部位とするものとする。
この部品検査処理において、処理部7は、まず、第3測定回路部6に対して測定処理を停止させる旨の制御信号Scを出力する。これにより、第3測定回路部6は、測定処理の停止状態に移行して、図2に示すように、検査電圧V4の出力を停止する。この場合、第3測定回路部6の検出端子31がハイインピーダンス状態に移行することから、この検出端子31と第1配線W1を介して第1グランド部11が接続されている第1検査ヘッド2では、第1グランド部11の第3グランド電位G3に対するフローティング状態、つまり第1グランド電位G1の第3グランド電位G3に対するフローティング状態が維持されている。一方、第3測定回路部6の検出端子32は、内部インピーダンスの極めて低い電流計34を介して第3グランド電位G3に接続されていることから、第3グランド電位G3と同等の電位に規定されている。このため、この検出端子32と第2配線W2を介して第2グランド部21が接続されている第2検査ヘッド3での第2グランド電位G2もまた第3グランド電位G3と同等の電位に規定される。
また、処理部7は、第1検査ヘッド2に対して、第1測定回路部14での測定処理を停止させる旨の制御信号Saおよび第1スイッチ部15を開放状態に移行させる切替処理のための制御信号Ss1を出力する。これにより、第1検査ヘッド2では、第1測定回路部14が、アイソレータ16を介して入力される制御信号Saに基づいて、測定処理の停止状態に移行する。また、第1スイッチ部15は、アイソレータ16を介して入力される制御信号Ss1に基づいて、図2に示す開放状態に移行する。また、処理部7は、第2検査ヘッド3に対しても、第2測定回路部24での測定処理を停止させる旨の制御信号Sbおよび第2スイッチ部25を開放状態に移行させる切替処理のための制御信号Ss2を出力する。これにより、第2検査ヘッド3では、第2測定回路部24が、アイソレータ26を介して入力される制御信号Sbに基づいて、測定処理の停止状態に移行する。また、第2スイッチ部25は、アイソレータ26を介して入力される制御信号Ss2に基づいて、図2に示す開放状態に移行する。
次いで、処理部7は、記憶されている導体パターンP1に対する部品検査処理での第1検査ヘッド2の目的位置および第2検査ヘッド3の目的位置を示す各位置データに基づいて、移動機構4を制御して第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3をそれぞれの目的位置に移動させる。これにより、図2に示すように、第1検査ヘッド2では、第1プローブ131の先端部が、導体パターンP1の一端部(同図中の左端部)の表面に規定された第1プローブ131の部品検査のためのプロービング点に接触し、かつ第1プローブ132の先端部が、導体パターンP1の一端部の近傍に位置する導体パターンP3上に規定された第1プローブ132の部品検査のためのプロービング点に接触する。また、第2検査ヘッド3では、第2プローブ231の先端部が、導体パターンP1の他端側(同図中の右端側)の表面に規定された第2プローブ231の部品検査のためのプロービング点に接触し、かつ第2プローブ232の先端部が、導体パターンP1の他端側の近傍に位置する導体パターンP4上に規定された第2プローブ232の部品検査のためのプロービング点に接触する。
これにより、第3グランド電位G3に対してフローティング状態に維持されていた第1検査ヘッド2の第1グランド部11は、第1プローブ132、回路基板101におけるグランド層PGに接続された導体パターン(本例では、導体パターンP3、ビアPV1、グランド層PG、ビアPV2および導体パターンP4)、および第2検査ヘッド3の第2プローブ232を介して第2グランド部21(第3グランド電位G3と同等の電位に規定されている第2グランド電位G2の部位)に接続される。このため、第1検査ヘッド2の第1グランド部11の電位(つまり、第1グランド電位G1)もまた、第3グランド電位G3と同等の電位に規定される。
続いて、処理部7は、第1検査ヘッド2に対して第1測定回路部14での測定処理を実行させる旨の制御信号Saを出力すると共に、第2検査ヘッド3に対して第2測定回路部24での測定処理を実行させる旨の制御信号Sbを出力する。これにより、第1検査ヘッド2では、第1測定回路部14がアイソレータ16を介して入力される制御信号Saに基づいて測定処理の実行を開始すると共に、第2検査ヘッド3でも、第2測定回路部24がアイソレータ26を介して入力される制御信号Sbに基づいて測定処理の実行を開始する。
本例では、導体パターンP1に対する部品検査として、導体パターンP1の伝送特性を検査する。このため、第1測定回路部14および第2測定回路部24のうちの一方の測定回路部(本例では一例として、第1測定回路部14とする)が、測定処理において、グランド層PGの電位(この場合、第3グランド電位G3)を基準として導体パターンP1の一端部に検査用信号(例えば、振幅が一定で、かつ周波数が一定の交流信号)を入射信号として出力すると共に、導体パターンP1の一方の端部に生じる反射信号を第1検出信号として検出する。また、第1測定回路部14は、測定処理において、このようにして検出した反射信号について、種々のパラメータ値(例えば、振幅など)を測定すると共にその測定結果について測定データDaとしてアイソレータ16を介して処理部7に出力する。
また、第1測定回路部14および第2測定回路部24のうちの他方の測定回路部(本例では一例として、第2測定回路部24とする)は、測定処理において、グランド層PGの電位(第3グランド電位G3)を基準として導体パターンP1の他端に生じる信号(伝送信号)を第2検出信号として検出する。また、第2測定回路部24は、測定処理において、このようにして検出した伝送信号について、種々のパラメータ値(例えば、振幅など)を測定すると共にその測定結果について測定データDbとしてアイソレータ26を介して処理部7に出力する。処理部7は、これらの測定データDa,Dbを取得して記憶した後、第1検査ヘッド2に対して第1測定回路部14での測定処理を停止させる旨の制御信号Saを出力すると共に、第2検査ヘッド3に対して第2測定回路部24での測定処理を停止させる旨の制御信号Sbを出力する。これにより、第1測定回路部14がこの制御信号Saに基づいて測定処理の実行を停止すると共に、第2測定回路部24がこの制御信号Sbに基づいて測定処理の実行を停止する。
次いで、処理部7は、第1測定回路部14および第2測定回路部24での各測定処理での測定結果に基づき、具体的には、取得した各測定データDa,Dbで示される反射信号および伝送信号についての各振幅と、導体パターンP1の一端部に出力した入射信号の振幅(予め規定された大きさ)とに基づいて、導体パターンP1についての反射係数(反射信号の振幅/入射信号の振幅)および伝送係数(伝送信号の振幅/入射信号の振幅)とを算出して記憶する。また、処理部7は、算出した反射係数および伝送係数について、それぞれに対して予め規定された基準値と比較して、この反射係数および伝送係数が共に対応する基準値以上のときは導体パターンP1は良好であり、この反射係数および伝送係数のうちの少なくとも一方が対応する基準値未満のときは導体パターンP1は不良であるとすることにより、導体パターンP1の伝送特性についての良否を検査して、その検査結果を導体パターンP1に対応させて記憶する。これにより、導体パターンP1に対する部品検査処理が完了する。
続いて、処理部7は、残りの導体パターンP2に対する部品検査処理についても、上記した導体パターンP1に対する部品検査処理のときと同様にして実行して、その検査結果を検査対象部位(この場合、導体パターンP2)に対応させて記憶する。これにより、すべての部品検査対象部位(本例では、導体パターンP1,P2)についての部品検査が完了する。
また、第1検査ヘッド2の第1測定回路部14だけが検査用信号を出力する例について上記したが、第2検査ヘッド3の第2測定回路部24も検査用信号の出力が可能である。このため、例えば、部品検査対象部位としての1つの導体パターンに対して、第1測定回路部14からその一端部に検査用信号を出力したときの反射信号および伝送信号の検出と共に、第2測定回路部24からその他端部に検査用信号を出力したときの反射信号の検出(第2測定回路部24での検出)、および伝送信号の検出(第1測定回路部14での検出)を行うようにしてもよい。
なお、処理部7は、回路基板検査装置1が不図示の出力部を備えているときには、記憶した各検査対象部位についての絶縁検査処理および部品検査処理での検査結果を読み出して、出力部に出力する。これにより、出力部が表示装置で構成されているときには、各検査結果が検査対象部位毎に表示装置の画面上に表示される。また、出力部が外部インターフェース回路で構成されているときには、外部インターフェース回路を介して回路基板検査装置1と接続されている外部装置に各検査結果が出力される。
このように、この回路基板検査装置1では、移動機構4によって個別に移動可能な第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3を備えたフライング方式を採用し、第1グランド部11、第1フローティング電源部12および部品検査を行う第1測定回路部14を第1検査ヘッド2に配設すると共に、第1測定回路部14が第1フローティング電源部12から出力される第1作動用電圧V1(第1グランド部11の第1グランド電位G1を基準とする電圧)で動作するようにして、絶縁検査を行う第3測定回路部6側の作動用電圧V3および第3グランド電位G3に対して第1検査ヘッド2をフローティング状態にする構成となっている。また、第2グランド部21、第2フローティング電源部22および部品検査を行う第2測定回路部24を第2検査ヘッド3に配設すると共に、第2測定回路部24が第2フローティング電源部22から出力される第2作動用電圧V2(第2グランド部21の第2グランド電位G2を基準とする電圧)で動作するようにして、作動用電圧V3および第3グランド電位G3に対して第2検査ヘッド3についてもフローティング状態にし得る構成となっている。また、第1検査ヘッド2では、第1グランド部11が第1配線W1を介して第3測定回路部6の検出端子31に接続されると共に、第1プローブ132が第1グランド部11に接続されている。また、第2検査ヘッド3では、第2グランド部21が第2配線W2を介して第3測定回路部6の検出端子32に接続されると共に、第2プローブ232が第2グランド部21に接続されている。
したがって、この回路基板検査装置1によれば、導体パターンP1などの絶縁検査対象部位に対する絶縁検査のための測定処理(第3測定処理)については、第1配線W1および第1グランド部11を介して検出端子31に接続される第1プローブ132、および第2配線W2および第2グランド部21を介して検出端子32に接続される第2プローブ232を使用して第3測定回路部6が実行することができ、導体パターンP1などの部品検査対象部位に対する部品検査のための測定処理(第1測定処理および第2測定処理)については、第1検査ヘッド2に配設された第1測定回路部14および第2検査ヘッド3に配設された第2測定回路部24が実行することができる。このため、この回路基板検査装置1によれば、回路基板101の任意の位置に存在する絶縁検査対象部位に対する絶縁検査を行い得るようにしつつ、回路基板101の任意の位置に存在する部品検査対象部位に対する部品検査についても、部品検査のための測定処理を実行する測定回路部を検査ヘッドと同数(上記の例では、第1測定回路部14および第2測定回路部24の2つ)に抑えつつ、すなわち、部品検査を実行する装置構成の複雑化を回避しつつ、実行することができる。
また、この回路基板検査装置1によれば、第1プローブ131,132が配設された第1検査ヘッド2に、この第1プローブ131,132を使用して部品検査のための測定処理を実行する第1測定回路部14が配設され、かつ第2プローブ231,232が配設された第2検査ヘッド3に、この第2プローブ231,232を使用して部品検査のための測定処理を実行する第2測定回路部24が配設されているため、第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3が回路基板101上の任意の位置に移動した場合であっても、第1プローブ131,132を介して検出される第1検出信号の第1測定回路部14までの信号経路(第1プローブ131,132から第1測定回路部14の検出端子14aまでの信号経路)、および第2プローブ231,232を介して検出される第2検出信号の第2測定回路部24までの信号経路(第2プローブ231,232から第2測定回路部24の検出端子24aまでの信号経路)のいずれにも変化が生じない(いずれの信号経路も一定の状態に維持される)。したがって、この回路基板検査装置1によれば、第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3の位置の変化による影響を受けることなく、第1測定回路部14および第2測定回路部24が部品検査のための測定処理を実行できるため、部品検査の精度を向上させることができる。
また、この回路基板検査装置1によれば、第1検査ヘッド2に第1スイッチ部15が配設されると共に、第2検査ヘッド3に第2スイッチ部25が配設されているため、絶縁検査を行う第3測定回路部6の動作時に、第1スイッチ部15を短絡状態に移行させることで、第1検査ヘッド2の第1プローブ131を第1グランド電位G1に規定し、また第2スイッチ部25を短絡状態に移行させることで、第2検査ヘッド3の第2プローブ231を第2グランド電位G2に規定することができるため、第3測定回路部6の動作の際に出力される検査電圧V4に起因する過大電圧が浮遊容量などを介して第1プローブ131および第2プローブ231に印加されて各測定回路部14,24が破損する事態の発生を確実に防止することができる。
また、上記の例では、部品検査処理において、伝送信号を測定する必要があったことから、検査対象部位としての例えば導体パターンP1の一端側に第1検査ヘッド2を移動させて第1プローブ131,132を導体パターンP1の一端部とその近傍に位置する他の導体パターン(この例では導体パターンP3)に接触させると共に、導体パターンP1の他端側に第2検査ヘッド3を移動させて第2プローブ231,232を導体パターンP1の他端部とその近傍に位置する他の導体パターン(この例では導体パターンP4)に接触させる構成を採用したが、これに限定されるものではない。
例えば、部品検査対象部位としての導体パターンについて、その反射信号だけを検出信号として検出すればよいときには、1つの導体パターンについては、その一端側に第1検査ヘッド2を移動させると共に、この導体パターンの一端部とこの一端部の近傍の他の導体パターンとに第1プローブ131,132を接触させて、第1検査ヘッド2においてこの導体パターンの一端部での反射信号を検出し、また別の1つの導体パターンについては、その一端側に第2検査ヘッド3を移動させると共に、この導体パターンの一端部とこの一端部の近傍の他の導体パターンとに第2プローブ231,232を接触させて、第2検査ヘッド3においてこの導体パターンの一端部での反射信号を検出するようにすることもできる。つまり、2つの導体パターンに対する測定処理を並行して実行することも可能となる。
なお、上記の例では、第1検査ヘッド2および第2検査ヘッド3の2つの検査ヘッドを備えた構成を採用しているが、検査ヘッドの数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。また、理解の容易のため、電子部品の実装されていない回路基板101を検査対象として、そこに形成された導体パターンを検査対象部位(絶縁検査対象部位および部品検査対象部位)としたが、電子部品が実装された回路基板を検査対象としてもよく、この場合には、検査対象部位を電子部品として、部品検査において電子部品の機能の良否を検査するようにすることもできる。また、本例では、部品検査対象部位としての導体パターンについての伝送特性を測定するため、第1測定回路部14および第2測定回路部24をネットワークアナライザなどの伝送特性測定装置で構成したが、部品検査対象部位に対して実行する測定処理の内容に応じて、種々の測定装置で構成することができる。