JP6915678B2 - 研磨剤、研磨剤用貯蔵液及び研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨剤、研磨剤用貯蔵液及び研磨方法に関する。
半導体製造の分野では、超LSIデバイスの高性能化に伴い、従来技術の延長線上の微細化技術では高集積化及び高速化を両立することが限界になってきている。そこで、半導体素子の微細化を進めつつ、垂直方向にも高集積化する技術、すなわち配線を多層化する技術が開発されている(例えば、下記特許文献1参照)。
配線が多層化されたデバイスを製造するプロセスにおいて最も重要な技術の一つに、CMP技術がある。CMP技術は、化学気相蒸着(CVD)、物理気相堆積(PVD)等によって基板上に薄膜を形成した後、その表面を平坦化する技術である。例えば、リソグラフィの焦点深度を確保するには、CMPによる平坦化の処理が不可欠である。基板表面に凹凸があると、露光工程における焦点合わせが不可能となったり、微細な配線構造を充分に形成できなくなったりする等の不都合が生じる。また、CMP技術は、デバイスの製造過程において、プラズマ酸化膜(p−TEOS、p−SiH、BPSG、HDP−SiO等)、塗布型酸化膜(SOD、HSG等)などの絶縁膜の研磨によって素子分離領域を形成する工程、層間絶縁膜を形成する工程、あるいは、絶縁膜を金属配線に埋め込んだ後にプラグ又は配線(例えば、Al、Cu、W、Ti、Ta、Co、Ru、Mn及びこれらの窒化物)を平坦化する工程などにも適用される。
米国特許第4944836号明細書
ところで、研磨対象の酸化ケイ素膜としては、テトラエトキシシラン(以下、TEOSという)を用いて得られるTEOS膜が挙げられるが、目的によっては、TEOS膜よりも緻密性が高い酸化ケイ素膜として、モノシラン(以下、SiHという)を用いて得られるSiH膜を用いることがある。しかしながら、従来の技術では、高い研磨速度でTEOS膜及びSiH膜を除去することが難しい。
本発明は、前記課題を解決しようとするものであり、高い研磨速度でTEOS膜及びSiH膜を除去することが可能な研磨剤を提供することを目的とする。また、本発明は、前記研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記研磨剤を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の砥粒を用いることにより前記課題を解決可能であることを見出した。
本発明に係る研磨剤は、砥粒と、水と、を含有する研磨剤であって、前記砥粒がシリカ粒子を含み、前記砥粒の平均粒径Raveが50nm以上であり、前記砥粒の平均短径Rminに対する前記平均粒径Raveの比率Rave/Rminが1.0〜2.0であり、前記研磨剤中における前記砥粒のゼータ電位が正である。
本発明に係る研磨剤によれば、高い研磨速度でTEOS膜及びSiH膜を除去することができる。
前記シリカ粒子は、コロイダルシリカを含むことが好ましい。この場合、TEOS膜の高い研磨速度を保ちつつ研磨傷を容易に低減できる。
前記平均粒径Raveは、50〜100nmであることが好ましい。また、前記平均粒径Raveは、60nmを超えることが好ましい。
前記比率Rave/Rminは、1.0〜1.7であることが好ましい。この場合、SiH膜の高い研磨速度を容易に得ることができる。
本発明に係る研磨剤は、pH調整剤を含有してもよい。この場合、研磨剤のpHを最適な値に容易に調整することができる。
本発明に係る研磨剤のpHは、2.0〜4.0であることが好ましい。この場合、TEOS膜の更に良好な研磨速度が得られると共に、砥粒の凝集が抑制され、砥粒の良好な分散安定性が得られる。
本発明に係る研磨剤用貯蔵液は、本発明に係る研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液であって、水で希釈することにより前記研磨剤が得られる。この場合、研磨剤の輸送、保管等に必要なコスト、スペース等が低減できる。
本発明に係る研磨方法は、本発明に係る研磨剤、又は、本発明に係る研磨剤用貯蔵液を水で希釈して得られる研磨剤を用いて、酸化ケイ素膜の少なくとも一部を研磨して除去する工程を備える。本発明に係る研磨方法によれば、高い研磨速度で酸化ケイ素膜を除去することができる。前記酸化ケイ素膜は、TEOS膜及びSiH膜からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいてもよい。
本発明によれば、高い研磨速度でTEOS膜及びSiH膜を除去することが可能な研磨剤を提供することができる。また、本発明によれば、前記研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液を提供することができる。さらに、本発明によれば、前記研磨剤を用いた研磨方法を提供することができる。本発明によれば、酸化ケイ素膜の研磨への研磨剤の応用を提供することができる。本発明によれば、TEOS膜及びSiH膜からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む酸化ケイ素膜の研磨への研磨剤の応用を提供することができる。
<定義>
本明細書において「工程」との語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できないもののその工程の所期の作用が達成される工程が含まれる。
本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「研磨速度(Removal Rate)」とは、単位時間あたりに被研磨材料が除去される速度を意味する。
本明細書において「研磨剤用貯蔵液をX倍に希釈する」とは、研磨剤用貯蔵液に水等を加えることにより研磨剤を得るに際して、研磨剤の質量が研磨剤用貯蔵液の質量のX倍であるような希釈を意味する。例えば、研磨剤用貯蔵液の質量に対して同質量の水を加えて研磨剤を得ることは、研磨剤用貯蔵液を2倍に希釈することと定義される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<研磨剤>
本実施形態に係る研磨剤(以下、単に「研磨剤」という場合がある)は、研磨時に被研磨面に触れる組成物であり、例えばCMP用研磨剤である。
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒と、水と、を含有する研磨剤であって、前記砥粒がシリカ粒子を含み、前記砥粒の平均粒径Raveが50nm以上であり、前記砥粒の平均短径Rminに対する前記平均粒径Raveの比率Rave/Rminが1.0〜2.0であり、前記研磨剤中における前記砥粒のゼータ電位が正である。本実施形態に係る研磨剤は、例えば、TEOS膜、SiH膜等の酸化ケイ素膜(例えば、酸化ケイ素膜を有する基体における酸化ケイ素膜)を研磨するための研磨剤であり、酸化ケイ素膜を研磨して酸化ケイ素膜の少なくとも一部を除去することができる。本実施形態に係る研磨剤は、酸化ケイ素膜と共に金属材料(例えば、銅系金属、コバルト系金属、ルテニウム系金属等の配線金属;タンタル系金属、チタン系金属、マンガン系金属等のバリア金属)を研磨するために用いられてもよい。
以下、本実施形態に係る研磨剤に含まれる成分等について詳細に説明する。
(砥粒)
本実施形態に係る研磨剤は、シリカ粒子を含む砥粒を含有する。シリカ粒子は、シリカを含む粒子である。シリカ粒子におけるシリカの含有量は、シリカ粒子の全量を基準として、50質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、98質量%以上であってもよい。シリカ粒子は、シリカからなる粒子(実質的に粒子の100質量%がシリカである粒子)であってもよい。
シリカ粒子は、絶縁膜の高い研磨速度を保ちつつ研磨傷を容易に低減できる観点から、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ及びこれらの変性物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、コロイダルシリカを含むことがより好ましい。前記コロイダルシリカとしては、市販品を容易に入手できる。
前記変性物としては、シリカの水酸化物等を含む粒子の表面をアルキル基で変性したもの、粒子の表面にその他の粒子を付着させた複合粒子などが挙げられる。粒子の表面をアルキル基で変性する方法としては、特に制限はないが、例えば、粒子の表面に存在する水酸基(ヒドロキシル基)と、アルキル基を有するアルコキシシランとを反応させる方法が挙げられる。アルキル基を有するアルコキシシランとしては、特に制限はないが、モノメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン等が挙げられる。反応方法としては、特に制限はなく、例えば、粒子とアルコキシシランとを含有する研磨剤(室温の研磨剤等)中で反応させてもよく、前記反応を加速するために加熱してもよい。
砥粒の平均粒径Raveは、50nm以上であり、砥粒の平均短径Rminに対する平均粒径Raveの比率Rave/Rminは、1.0〜2.0である。平均粒径Raveが50nm以上であると、高い研磨速度でSiH膜を除去することができる。また、比率Rave/Rminが2.0以下であると、高い研磨速度でSiH膜を除去することができる。
砥粒の平均粒径Raveは、充分な機械的研磨力が得られ易く、TEOS膜の更に高い研磨速度が得られる観点から、50nmを超えることが好ましく、55nm以上がより好ましく、55nmを超えることが更に好ましく、60nm以上が特に好ましく、60nmを超えることが極めて好ましく、70nm以上が非常に好ましく、70nmを超えることがより一層好ましく、80nm以上が更に好ましく、80nmを超えることが特に好ましい。砥粒の平均粒径Raveは、研磨剤中での砥粒の良好な分散安定性が得られると共に、研磨により発生する研磨傷の発生数が更に少ない観点から、300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましく、150nm以下が特に好ましく、120nm以下が極めて好ましく、100nm以下が非常に好ましい。以上の観点から、砥粒の平均粒径Raveは、50〜300nmが好ましく、50〜120nmがより好ましく、50〜100nmが更に好ましい。
砥粒の「平均粒径」とは、砥粒の平均二次粒径を意味する。前記平均粒径は、研磨剤を動的光散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の商品名:COULTER N4SD)で測定した平均粒径の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)をいう。
具体的には、平均粒径は下記の手順により測定できる。まず、研磨剤を100μL(Lはリットルを表す。以下同じ。)程度量り取り、砥粒の含有量が0.05質量%前後(測定時透過率(H)が60〜70%である含有量)になるようにイオン交換水で希釈して希釈液を得る。そして、希釈液を動的光散乱式粒度分布計の試料槽に投入し、平均粒径として表示される値を読み取ることにより測ることができる。
平均短径Rminは、公知の透過型電子顕微鏡(例えば、株式会社日立製作所製の商品名:H−7100FA)により測定することができる。短径は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて砥粒の画像を撮影して得られる粒子(一つの独立した一次粒子)の像について、粒子の像の端部と端部とを結んだ距離のうち最も短い距離である。平均短径Rminは、所定数の短径の平均値であり、砥粒としてコロイダルシリカを用いる場合、一般に粒径がそろっているため、測定する粒子数は例えば10粒子程度でよい。
ave/Rminは、SiH膜の更に良好な研磨速度が得られる観点から、下記の範囲が好ましい。Rave/Rminは、1.0以上が好ましく、1.1以上がより好ましい。Rave/Rminは、1.9以下が好ましく、1.7以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましく、1.3以下が特に好ましい。これらの観点から、Rave/Rminは、1.0〜1.9が好ましく、1.0〜1.7がより好ましく、1.1〜1.5が更に好ましく、1.1〜1.3が特に好ましい。
砥粒における平均粒度分布の標準偏差は、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。平均粒度分布の標準偏差の測定では、例えば、研磨剤中の砥粒をCOULTER Electronics社製のCOULTER N4SDに投入し、粒度分布のチャートにより標準偏差の値を得ることができる。
砥粒は、研磨剤中において正のゼータ電位を有している。研磨剤(例えば、pHが2.0〜4.0の研磨剤)中で正の電荷を有する砥粒を用いることにより、静電的に砥粒がTEOS膜に作用することから、TEOS膜の研磨速度が高くなり易いと考えられる。
砥粒が研磨剤中で正の電荷を有しているか否かは、研磨剤における砥粒のゼータ電位を測定することにより判断できる。研磨剤における砥粒のゼータ電位を測定し、数値が0mVを超える場合、砥粒が正の電荷を有していると判断することができる。
ゼータ電位は、例えば、ベックマン・コールター株式会社製の商品名:DELSA NANO Cで測定できる。ゼータ電位(ζ[mV])は、下記の手順により測定できる。まず、ゼータ電位の測定装置において測定サンプルの散乱強度が1.0×10〜5.0×10cps(ここで、「cps」とは、counts per second、すなわち、カウント毎秒を意味し、粒子の計数の単位である)となるように研磨剤を純水で希釈してサンプルを得る。そして、サンプルをゼータ電位測定用セルに入れてゼータ電位を測定する。散乱強度を前記範囲に調整するためには、例えば、砥粒の含有量が1.7〜1.8質量%に調整されるように研磨剤を希釈する。
砥粒のゼータ電位の下限は、TEOS膜の更に高い研磨速度が得られる観点から、1mV以上が好ましく、5mV以上がより好ましく、10mV以上が更に好ましく、13mV以上が特に好ましい。砥粒のゼータ電位の上限は、特に制限はないが、100mV以下であってもよく、50mV以下であってもよく、30mV以下であってもよく、20mV以下であってもよい。これらの観点から、砥粒のゼータ電位は、1〜50mVが好ましい。
砥粒の含有量は、充分な機械的研磨力が得られ易く、TEOS膜及びSiH膜の更に高い研磨速度が得られる観点から、研磨剤の全質量基準で、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が特に好ましく、3質量%以上が極めて好ましく、5質量%以上が非常に好ましい。砥粒の含有量は、研磨剤の粘度上昇を避け易い観点、砥粒の凝集を避け易い観点、研磨傷が低減され易い観点、研磨剤の取り扱いが容易である観点等から、研磨剤の全質量基準で、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、8質量%以下が特に好ましい。これらの観点から、砥粒の含有量は、研磨剤の全質量基準で、0.01〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。
(水)
本実施形態に係る研磨剤は、水を含有する。水は、他の成分の分散媒、又は、溶媒として用いることができる。水としては、他の成分の作用を阻害することを防止するために、不純物を可能な限り含有しないものが好ましい。具体的には、水としては、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後にフィルタを通して異物を除去した水として、純水、超純水及び蒸留水からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
(研磨剤のpH及びpH調整剤)
本実施形態に係る研磨剤のpHは、TEOS膜の更に良好な研磨速度が得られる観点、及び、砥粒の凝集が抑制され、砥粒の良好な分散安定性が得られる観点から、7.0未満が好ましく、6.0以下がより好ましく、6.0未満が更に好ましく、5.0以下が特に好ましく、5.0未満が極めて好ましく、4.0以下が非常に好ましく、4.0未満がより一層好ましく、3.8以下が更に好ましく、3.5以下が特に好ましく、3.0以下が極めて好ましい。研磨剤のpHは、取り扱いの安全面に優れる観点、及び、充分な機械的研磨力が得られ易く、TEOS膜の研磨速度が更に向上する観点から、2.0以上が好ましく、2.3以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。これらの観点から、研磨剤のpHは、2.0以上7.0未満が好ましく、2.0〜5.0がより好ましく、2.0〜4.0が更に好ましい。pHは液温25℃におけるpHと定義する。
研磨剤のpHは、一般的なガラス電極を用いたpHメーターによって測定できる。具体的には、例えば、株式会社堀場製作所の商品名:Model(F−51)を使用できる。例えば、フタル酸塩pH標準液(pH:4.01)と、中性リン酸塩pH標準液(pH:6.86)と、ホウ酸塩pH標準液(pH:9.18)とをpH標準液として用いてpHメーターを3点校正した後、pHメーターの電極を研磨剤に入れて、2min以上経過して安定した後の値を測定することによりpHの測定値を得ることができる。このとき、pH標準液及び研磨剤の液温は、例えば25℃である。
本実施形態に係る研磨剤は、pH調整剤(pH調整剤成分)を含有していてもよい。pH調整剤を用いることにより、研磨剤のpHを容易に調整することができる。pH調整剤としては、酸成分(酸性成分);塩基成分(例えば、KOH、アンモニア等の塩基成分)などが挙げられる。pH調整剤としては、後述するキレート剤を用いることができる。
(添加剤)
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒及び水以外の成分として添加剤を含有することができる。添加剤は、研磨剤中の砥粒の分散性の向上、研磨剤の化学的安定性の向上、研磨速度の向上等の目的で用いることができる。添加剤としては、キレート剤(キレート剤成分)、防食剤、酸化剤、有機溶媒、界面活性剤、消泡剤等が挙げられる。
[キレート剤]
キレート剤は、上記pH調整剤としての効果以外にも、配線金属及びバリア金属の研磨速度を向上させることができる。キレート剤としては、配線金属及びバリア金属の研磨速度を向上させる観点から、有機酸成分及び無機酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸成分が好ましい。
有機酸成分としては、有機酸(アミノ酸を除く)、有機酸エステル、有機酸塩、アミノ酸等が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、3−メチルフタル酸、4−メチルフタル酸、3−アミノフタル酸、4−アミノフタル酸、3−ニトロフタル酸、4−ニトロフタル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、メチルスルホン酸、乳酸、イタコン酸、キナルジン酸、アジピン酸、ピメリン酸等が挙げられる。有機酸エステルとしては、前記有機酸のエステル等が挙げられる。有機酸塩としては、前記有機酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ハロゲン化物等が挙げられる。アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等が挙げられる。
無機酸成分としては、無機酸、当該無機酸のアンモニウム塩、過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、クロム酸等が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。
例えば、被研磨対象(被研磨基板等)が、集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、前記酸成分の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びハロゲン化物以外の塩が好ましい。
キレート剤としては、実用的な研磨速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できる観点から、酢酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、アジピン酸、フタル酸、グリコール酸及びコハク酸からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。キレート剤は、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて使用できる。
キレート剤の含有量は、配線金属及びバリア金属の更に良好な研磨速度を得ることができる観点から、研磨剤の全質量基準で、0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましく、0.01質量%以上が特に好ましく、0.05質量%以上が極めて好ましく、0.1質量%以上が非常に好ましい。キレート剤の含有量は、エッチングを抑制し被研磨面の荒れを低減し易い観点から、研磨剤の全質量基準で、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
[防食剤]
本実施形態に係る研磨剤は、防食剤(防食剤成分、金属防食剤)を含有してもよい。防食剤は、配線金属(銅系金属、コバルト系金属等)に対して保護膜を形成することで配線金属のエッチングを抑制して被研磨面の荒れを低減し易くすることができる。
防食剤としては、特に制限はなく、金属材料に対する防食作用を有する化合物として従来公知の成分がいずれも使用可能である。防食剤としては、具体的には、トリアゾール化合物、ピリジン化合物、ピラゾール化合物、ピリミジン化合物、イミダゾール化合物、グアニジン化合物、チアゾール化合物、テトラゾール化合物、トリアジン化合物及びヘキサメチレンテトラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。ここで、「化合物」とは、その骨格を有する化合物の総称であり、例えば「トリアゾール化合物」とは、トリアゾール骨格を有する化合物を意味する。防食剤は、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて使用できる。
トリアゾール化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール(BTA)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾールメチルエステル(1H−ベンゾトリアゾール−4−カルボン酸メチル)、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル(1H−ベンゾトリアゾール−4−カルボン酸ブチル)、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾールオクチルエステル(1H−ベンゾトリアゾール−4−カルボン酸オクチル)、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)(2−エチルヘキシル)アミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール、1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン、1−アセチル−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン、3−ヒドロキシピリジン、1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン、2−メチル−5,7−ジフェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−4,7−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン等が挙げられる。なお、トリアゾール骨格と、それ以外の骨格とを一分子中に有する化合物は、トリアゾール化合物に分類されるものとする。
ピリジン化合物としては、ピリジン、8−ヒドロキシキノリン、プロチオナミド、2−ニトロピリジン−3−オール、ピリドキサミン、ニコチンアミド、イプロニアジド、イソニコチン酸、ベンゾ[f]キノリン、2,5−ピリジンジカルボン酸、4−スチリルピリジン、アナバシン、4−ニトロピリジン−1−オキシド、ピリジン−3−酢酸エチル、キノリン、2−エチルピリジン、キノリン酸、アレコリン、シトラジン酸、ピリジン−3−メタノール、2−メチル−5−エチルピリジン、2−フルオロピリジン、ペンタフルオロピリジン、6−メチルピリジン−3−オール、ピリジン−2−酢酸エチル等が挙げられる。
ピラゾール化合物としては、ピラゾール、1−アリル−4.0−ジメチルピラゾール、4.0−ジ(2−ピリジル)ピラゾール、4.0−ジイソプロピルピラゾール、4.0−ジメチル−1−ヒドロキシメチルピラゾール、4.0−ジメチル−1−フェニルピラゾール、4.0−ジメチルピラゾール、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾール、4−メチルピラゾール、N−メチルピラゾール、3−アミノピラゾール等が挙げられる。
ピリミジン化合物としては、ピリミジン、1,3−ジフェニル−ピリミジン−2,4,6−トリオン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジンサルフェイト、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、2,4,6−トリメトキシピリミジン、2,4,6−トリフェニルピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシルピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2−アセトアミドピリミジン、2−アミノピリミジン、4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、1,2−ジメチル−5−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。
グアニジン化合物としては、グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン等が挙げられる。
チアゾール化合物としては、チアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,4−ジメチルチアゾール等が挙げられる。
テトラゾール化合物としては、テトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−(2−ジメチルアミノエチル)−5−メルカプトテトラゾール等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、トリアジン、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,4−トリアジン等が挙げられる。
防食剤の含有量は、金属材料の腐食及び表面荒れを容易に抑制できる観点から、研磨剤の全質量基準で、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましく、0.05質量%以上が特に好ましく、0.1質量%以上が極めて好ましい。防食剤の含有量は、被研磨面(例えば、基板の被研磨面)における金属材料と防食剤との錯体異物を少なくする観点から、研磨剤の全質量基準で、10質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。
防食剤としては、銅系金属、コバルト系金属等の配線金属に対して保護膜を形成することで配線金属のエッチングを抑制して被研磨面の荒れを低減し易くする効果を好適に得る観点から、トリアゾール化合物、ピリジン化合物、イミダゾール化合物、テトラゾール化合物、トリアジン化合物及びヘキサメチレンテトラミンからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン、ベンゾトリアゾール、3−ヒドロキシピリジン、ベンズイミダゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,4−トリアジン及びヘキサメチレンテトラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
研磨剤における防食剤の含有量に対するキレート剤の含有量の質量比(キレート剤/防食剤)は、エッチング速度と研磨速度とを良好に制御する観点から、10/1〜1/5が好ましく、7/1〜1/5がより好ましく、5/1〜1/5が更に好ましく、5/1〜1/1が特に好ましい。
[酸化剤]
本実施形態に係る研磨剤は、酸化剤(酸化剤成分、金属酸化剤)を含有してもよい。研磨剤が酸化剤を含有することにより、金属材料(配線金属、バリア金属等。例えば金属層)の研磨速度を向上させることができる。
防食剤及び酸化剤を含有する研磨剤を用いて、絶縁膜と、当該絶縁膜に被覆された金属材料(例えば、銅系金属、コバルト系金属等の配線金属;バリア金属)とを備える基体を研磨する場合、金属材料に対して酸化剤が酸化膜を形成し、その酸化膜の上部に防食剤が保護膜を形成することで、金属材料のエッチングを充分に抑制しつつ金属材料を適度に研磨することができる。また、金属材料の研磨傷を容易に抑制することができる。
酸化剤としては、特に制限はなく、通常用いられる酸化剤から適宜選択することができる。具体的には、酸化剤としては、過酸化水素、ペルオキソ硫酸塩、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、これらの中でも過酸化水素が好ましい。なお、前記酸成分である硝酸は、酸化剤としての添加効果を有する。酸化剤は、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて使用できる。
酸化剤の含有量は、金属材料の酸化が不充分となり金属材料の研磨速度が低下することを防ぎ易い観点から、研磨剤の全質量基準で、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.5質量%以上が特に好ましく、1質量%以上が極めて好ましい。酸化剤の含有量は、被研磨面に荒れが生じることを容易に抑制できると共にディッシングを小さく抑え易い観点から、研磨剤の全質量基準で、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、3質量%以下が特に好ましい。なお、過酸化水素水のように一般に水溶液として入手できる酸化剤を用いる場合、当該水溶液中に含まれる酸化剤の含有量が研磨剤において前記範囲になるように酸化剤の含有量を調整できる。
[有機溶媒]
本実施形態に係る研磨剤は、有機溶媒を含有してもよい。研磨剤が有機溶媒を含有することにより、研磨剤の濡れ性を更に向上させることができる。有機溶媒としては、特に制限はないが、20℃で液状の溶媒が好ましい。100gの水(20℃)に対する有機溶媒の溶解度は、研磨剤を高濃縮化する観点から、30g以上が好ましく、50g以上がより好ましく、100g以上が更に好ましい。有機溶媒は、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて使用できる。
有機溶媒としては、炭酸エステル類、ラクトン類、グリコール類、グリコール類の誘導体等が挙げられる。炭酸エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が挙げられる。ラクトン類としては、ブチロラクトン、プロピルラクトン等が挙げられる。
グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。グリコール類の誘導体としては、グリコールモノエーテル類、グリコールジエーテル類等が挙げられる。グリコールモノエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。グリコールジエーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。有機溶媒としては、表面張力が低い観点から、グリコール類、及び、グリコール類の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、表面張力が更に低い観点から、グリコールモノエーテル類がより好ましい。
有機溶媒の含有量は、被研磨材料に対する研磨剤の濡れ性が低下することを抑制する観点から、研磨剤の全質量基準で、0.500質量%以上が好ましく、1.000質量%以上がより好ましい。有機溶媒の含有量は、分散安定性に優れる観点から、研磨剤の全質量基準で、20.000質量%以下が好ましく、15.000質量%以下がより好ましく、10.000質量%以下が更に好ましい。
[界面活性剤]
研磨剤は、界面活性剤(界面活性剤成分)を含有していてもよい。研磨剤が界面活性剤を含有することにより、被研磨材料の研磨速度を容易に調整できると共に、研磨傷を容易に低減できる。
界面活性剤としては、水溶性陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。水溶性陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウロイルサルコシン塩等が挙げられる。水溶性非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート等が挙げられる。水溶性陽イオン性界面活性剤としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。これらの中でも、界面活性剤としては、水溶性陰イオン性界面活性剤が好ましい。特に、共重合成分としてアンモニウム塩又はテトラメチルアンモニウム塩を用いて得られた高分子分散剤等の水溶性陰イオン性界面活性剤の少なくとも一種を使用することがより好ましい。界面活性剤は、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて使用できる。界面活性剤の含有量は、研磨剤の全質量基準で例えば0.0001〜0.1質量%である。
(その他)
研磨剤に含まれる各成分の配合方法及び研磨剤の希釈方法は、特に制限はなく、例えば、翼式攪拌機による攪拌、又は、超音波分散等で各成分を分散又は溶解させることができる。水に対する各成分の混合順序は限定されない。
本実施形態に係る研磨剤は、少なくとも砥粒と水とを含む一液式研磨剤として保存してもよく、スラリ(第一の液)と、添加液(第二の液)とを有する複数液式研磨剤として保存してもよい。複数液式研磨剤では、スラリと添加液とを混合して前記研磨剤となるように前記研磨剤の構成成分がスラリと添加液とに分けられる。スラリは、例えば、少なくとも砥粒及び水を含む。添加液は、例えば、少なくとも水を含む。添加剤(pH調整剤、キレート剤、防食剤、酸化剤、有機溶媒、界面活性剤、消泡剤等)は、スラリ及び添加液のうち添加液に含まれることが好ましい。なお、研磨剤の構成成分は、三液以上に分けて保存してもよい。
複数液式研磨剤においては、研磨直前又は研磨時にスラリ及び添加液が混合されて研磨剤が調製されてもよい。複数液式研磨剤におけるスラリと添加液とをそれぞれ研磨定盤上へ供給し、研磨定盤上においてスラリ及び添加液が混合されて得られる研磨剤を用いて被研磨面を研磨してもよい。
<研磨剤用貯蔵液>
本実施形態に係る研磨剤用貯蔵液は、前記研磨剤を得るための貯蔵液であり、研磨剤用貯蔵液を水で希釈することにより前記研磨剤が得られる。研磨剤用貯蔵液は、水の量を使用時よりも減じて保管されており、使用前又は使用時に水で希釈されて前記研磨剤として用いることができる。研磨剤用貯蔵液は、水の含有量が前記研磨剤よりも少ない点で前記研磨剤と異なっている。希釈倍率は、例えば1.5倍以上である。
<研磨方法>
本実施形態に係る研磨方法は、研磨剤を用いて酸化ケイ素膜の少なくとも一部を研磨(CMP等)して除去する研磨工程を備えている。前記研磨工程では、酸化ケイ素膜を含む被研磨面を研磨することができる。前記研磨工程では、研磨剤を用いて、酸化ケイ素膜を有する基体の前記酸化ケイ素膜の少なくとも一部を研磨して除去することができる。酸化ケイ素膜は、TEOS膜及びSiH膜からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいてもよい。基体は、例えば、表面に凹部及び凸部を有する基板上に形成された膜を有してもよい。基体は、例えば、配線板又は回路基板であってもよい。基体は、基板表面全体に酸化ケイ素膜のみが形成されたものに限らず、基板表面に酸化ケイ素膜の他に窒化ケイ素膜、多結晶シリコン膜等を更に有したものであってもよい。また、当該研磨方法は、所定の配線を有する配線板上に、酸化ケイ素膜;ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜;ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜などが形成された基体に対しても適用できる。
酸化ケイ素膜を形成する方法としては、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化ケイ素膜の形成は、Si源としてモノシラン(SiH)、酸素源として酸素(O)を用いることができる。このSiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行わせることによって酸化ケイ素膜が形成される。場合によっては、CVD後に1000℃又はそれ以下の温度での熱処理が実施される。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法としては、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、例えば、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガス、及び、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃の範囲が好ましく、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。
高温リフローによる表面平坦化を図るために、酸化ケイ素膜にリン(P)をドープしてもよい。その場合、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。このように、研磨対象の酸化ケイ素膜は、リン、ホウ素等の元素がドープされたものであってもよい。
前記研磨工程は、一液式研磨剤を用いて、酸化ケイ素膜の少なくとも一部を研磨して除去する工程であってもよく、複数液式研磨剤におけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨剤を用いて、酸化ケイ素膜の少なくとも一部を研磨して除去する工程であってもよく、研磨剤用貯蔵液を水で希釈して得られる研磨剤を用いて酸化ケイ素膜の少なくとも一部を研磨して除去する工程であってもよい。
研磨工程では、酸化ケイ素膜に加えて金属材料を備える基体を研磨してもよい。
複数液式研磨剤を用いる場合、本実施形態に係る研磨方法は、研磨工程の前に、複数液式研磨剤におけるスラリと添加液とを混合して研磨剤を得る研磨剤調製工程を備えていてもよい。研磨剤用貯蔵液を用いる場合、本実施形態に係る研磨方法は、研磨工程の前に、研磨剤用貯蔵液を水で希釈して研磨剤を得る研磨剤調製工程を備えていてもよい。
研磨工程では、例えば、基体の被研磨面を研磨定盤の研磨布(研磨パッド)に押しあて、被研磨面と研磨布との間に研磨剤を供給して、基体の裏面(被研磨面と反対の面)に所定の圧力を加えた状態で、基体を研磨定盤に対して相対的に動かすことにより被研磨面を研磨することができる。
研磨装置としては、例えば、回転数を変更可能なモータ等が取り付けてあると共に研磨布を貼り付け可能な定盤と、基体を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置を使用できる。研磨布としては、特に制限はないが、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用できる。研磨条件に特に制限はないが、基体が飛び出さないように定盤の回転速度は200回/min以下の低回転が好ましい。例えば、研磨している間、研磨布には研磨剤をポンプ等で連続的に供給することができる。研磨剤の供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨剤で覆われると共に、研磨の進行により生じる生成物が連続的に排出されることが好ましい。
研磨布の表面状態を常に同一にして研磨を行うために、本実施形態に係る研磨方法は、研磨工程の前に研磨布のコンディショニング工程を備えることが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて、少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行うことができる。本実施形態に係る研磨方法は、研磨工程後に、基体洗浄工程を備えることが好ましい。研磨終了後の基体を流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて、基体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。また、市販の洗浄液を基体表面に流しつつ、ポリビニルアルコール系樹脂でできたブラシを回転させながら、当該ブラシを基体に一定の圧力で押し付けて基体上の付着物を除去する、公知の洗浄方法により洗浄した後に乾燥させることがより好ましい。
TEOS膜の研磨速度は、研磨時間を短縮する観点から、50nm/min以上が好ましく、70nm/min以上がより好ましく、100nm/min以上が更に好ましい。TEOS膜の研磨速度は、TEOS膜、配線金属等の凹部の過剰な研磨が進むことが抑制されて平坦性が更に向上する観点、及び、研磨時間を調整することが容易である観点から、1000nm/min以下が好ましく、500nm/min以下がより好ましい。
SiH膜の研磨速度は、研磨時間を短縮する観点から、15nm/min以上が好ましく、20nm/min以上がより好ましい。SiH膜の研磨速度は、TEOS膜、配線金属等の凹部の過剰な研磨が進むことが抑制されて平坦性が更に向上する観点、及び、研磨時間を調整することが容易である観点から、1000nm/min以下が好ましく、500nm/min以下がより好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例えば、研磨剤の材料の種類及びその配合比率は、本実施例記載の種類及び比率以外の種類及び比率であっても構わず、研磨対象の組成及び構造も、本実施例記載の組成及び構造以外の組成及び構造であっても構わない。
<研磨剤の調製>
(実施例1)
砥粒(コロイダルシリカ1)5.00質量部に対し、研磨剤のpHが2.5となるようにマロン酸(pH調整剤)を注いだ後、超純水をX質量部注いで研磨剤100質量部を得た。なお、超純水の配合量(X質量部)は、研磨剤が100質量部になるよう計算して調整した。
(実施例2〜3及び比較例1〜6)
砥粒の種類(コロイダルシリカ2〜9)を表1のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で研磨剤を調製した。
(比較例7)
砥粒(コロイダルシリカ1)10.00質量部を容器に入れた。次に、研磨剤のpHが10.0となるようにKOHとマロン酸を注いだ後、超純水をX質量部注いで研磨剤100質量部を得た。なお、超純水の配合量(X質量部)は、研磨剤が100質量部になるよう計算して調整した。
<砥粒の粒径の測定>
動的光散乱式粒度分布計(COULTER Electronics社製の商品名:COULTER N4SD)を用いて、研磨剤中における砥粒の平均粒径Raveを測定した。結果を表1に示す。
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、商品名:H−7100FA)を用いて、研磨剤中における砥粒の平均短径Rminを測定した。透過型電子顕微鏡を用いて砥粒の画像を撮影し、10個の粒子(一つの独立した一次粒子)の像のそれぞれについて、粒子の像の端部と端部とを結んだ距離のうち最も短い距離を短径として得た。そして、10個の短径の平均値を平均短径Rminとして得た。また、比率Rave/Rminを算出した。結果を表1に示す。
<ゼータ電位の測定>
研磨剤中における砥粒のゼータ電位を下記のとおり測定した。ゼータ電位の測定装置としては、ベックマン・コールター株式会社製の商品名:DELSA NANO Cを用いた。ゼータ電位の測定装置において測定サンプルの散乱強度が1.0×10〜5.0×10cpsとなるように研磨剤を純水で希釈してサンプルを得た。その後、得られたサンプルをゼータ電位測定用セルに入れてゼータ電位を測定した。結果を表1に示す。
<研磨剤のpHの測定>
研磨剤のpHは、下記の条件で測定した。結果を表1に示す。
測定温度:25±5℃
測定装置:株式会社堀場製作所の商品名:Model(F−51)
測定方法:フタル酸塩pH標準液(pH:4.01)と、中性リン酸塩pH標準液(pH:6.86)と、ホウ酸塩pH標準液(pH:9.18)とをpH標準液として用い、pHメーターを3点校正した後、pHメーターの電極を研磨剤に入れて、2min以上経過して安定した後のpHを前記測定装置により測定した。
<研磨速度の評価>
被研磨膜を有する基体として、膜厚500nmのTEOS膜をシリコン基板上に有する基体、及び、膜厚200nmのSiH膜をシリコン基板上に有する基体を用いた。前記基体を20mm角のチップに切り出して評価用チップを用意した。前記で調製した研磨剤を用いて、下記研磨条件にて60秒間評価用チップの被研磨膜を化学機械研磨した。
[研磨条件]
研磨装置:卓上研磨機(日本エンギス株式会社製、商品名:IMPTECH 10 DVT)
研磨布:スウェード状発泡ポリウレタン樹脂製研磨布
定盤回転数:120回/min
研磨圧力:33kPa
研磨剤の供給量:10mL/min
前記研磨条件で研磨した基体の被研磨面に蒸留水を30秒間供給した。最後に、基体に窒素ガンを当て、蒸留水を弾き飛ばして基体を乾燥させた。
研磨速度は、研磨前後における被研磨膜の膜厚を測定して得られる膜厚差から算出した。TEOS膜及びSiH膜の膜厚の測定には、膜厚測定装置(ナノメトリクス社製、商品名:NanoSpac)を用いた。評価用チップ内の5点を任意に選び、その平均値を膜厚として算出した。研磨速度の測定結果を表1に示す。
Figure 0006915678
表1に示されるとおり、実施例では、比較例と比べて、高い研磨速度でTEOS膜及びSiH膜を除去することができることがわかる。

Claims (9)

  1. 砥粒と、水と、を含有する研磨剤であって、
    前記砥粒がシリカ粒子を含み、
    前記シリカ粒子がコロイダルシリカを含み、
    前記砥粒の平均二次粒径Raveが50nm以上であり、
    前記砥粒の平均短径Rminに対する前記平均二次粒径Raveの比率Rave/Rminが1.0〜1.3であり、
    前記研磨剤中における前記砥粒のゼータ電位が正である、研磨剤(但し、媒体と、前記媒体に分散している砥粒とを含むCMP用研磨液であって、前記砥粒が、シラノール基密度が3.0〜5.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3以下のシリカ粒子Xと、シラノール基密度が1.0〜2.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3を超えるシリカ粒子Yとを含み、前記シリカ粒子X及び前記シリカ粒子Yの全質量に対する前記シリカ粒子Xの質量比が30〜95%である、CMP用研磨液、並びに、媒体と、前記媒体に分散している砥粒とを含むCMP用研磨液であって、前記砥粒が、シラノール基密度が3.0〜5.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3以下のシリカ粒子Xと、シラノール基密度が1.0〜2.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3を超えるシリカ粒子Yとを含み、前記シリカ粒子X及び前記シリカ粒子Yの全質量に対する前記シリカ粒子Xの質量比が20〜80%である、CMP用研磨液を除く)。
  2. 砥粒と、水と、を含有する研磨剤であって、
    前記砥粒がシリカ粒子を含み、
    前記シリカ粒子がコロイダルシリカを含み、
    前記砥粒の平均二次粒径Raveが50nm以上であり、
    前記砥粒の平均短径Rminに対する前記平均二次粒径Raveの比率Rave/Rminが1.71〜2.0であり、
    前記研磨剤中における前記砥粒のゼータ電位が正である、研磨剤(但し、媒体と、前記媒体に分散している砥粒とを含むCMP用研磨液であって、前記砥粒が、シラノール基密度が3.0〜5.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3以下のシリカ粒子Xと、シラノール基密度が1.0〜2.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3を超えるシリカ粒子Yとを含み、前記シリカ粒子X及び前記シリカ粒子Yの全質量に対する前記シリカ粒子Xの質量比が30〜95%である、CMP用研磨液、並びに、媒体と、前記媒体に分散している砥粒とを含むCMP用研磨液であって、前記砥粒が、シラノール基密度が3.0〜5.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3以下のシリカ粒子Xと、シラノール基密度が1.0〜2.0個/nmでありかつアスペクト比が1.3を超えるシリカ粒子Yとを含み、前記シリカ粒子X及び前記シリカ粒子Yの全質量に対する前記シリカ粒子Xの質量比が20〜80%である、CMP用研磨液を除く)。
  3. 前記平均二次粒径Raveが50〜100nmである、請求項1又は2に記載の研磨剤。
  4. 前記平均二次粒径Raveが60nmを超える、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  5. pH調整剤を更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  6. pHが2.0〜4.0である、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液であって、
    水で希釈することにより前記研磨剤が得られる、研磨剤用貯蔵液。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤、又は、請求項に記載の研磨剤用貯蔵液を水で希釈して得られる研磨剤を用いて、酸化ケイ素膜の少なくとも一部を研磨して除去する工程を備える、研磨方法。
  9. 前記酸化ケイ素膜が、TEOS膜及びSiH膜からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項に記載の研磨方法。
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