JP6888917B2 - (メタ)アクリル系乾燥粒子 - Google Patents
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Description
前記架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C)は、2官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーであることが好ましい。
また前記有機重合体粒子における残存モノマー量の濃度は、1200ppm(質量基準)以下であることが好ましい。
前記有機重合体粒子の質量平均粒子径は、0.1μm以上、15μm以下であることが好ましい。
前記有機重合体粒子と、樹脂とを含むマスターバッチも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の有機重合体粒子は、アルキル基の炭素数が1以上3以下であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)単位と、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)単位と、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C)単位を有する共重合体、及び酸化防止剤を含むことを特徴とする。前記アルキル基の炭素数が1以上3以下であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)単位を基礎としつつ、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)単位を含むことで、樹脂(特に、ポリオレフィン樹脂)との親和性が高められつつ重合効率が高められるため、酸化防止剤を用いた場合にも有機重合体粒子に残存するモノマーを低減することができる。
なお、本明細書においてモノマー単位とは、重合体中におけるそのモノマーに由来する構造単位を意味するものとする。
なお原料モノマー全量における各モノマーの割合は、共重合体における各モノマーに由来する構造単位の割合に近似することができ、本明細書においては、原料モノマー全量における各モノマーの割合について記載した数値範囲は、いずれも共重合体における各モノマーに由来する構造単位の割合に適用できる。
また、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)のアルキル基の炭素数は、4以上、24以下であることが好ましく、より好ましくは18以下、さらに好ましくは12以下である。耐熱性の観点からは、アルキル基の炭素数は、8以下であることが好ましく、6以下であることがさらに好ましい。また、残存モノマー低減の観点からは、アルキル基の炭素数は、6以上であることが好ましく、8以上であることがさらに好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)の(メタ)アクリロイル基は、メタクリロイル基であることが好ましい。
上記アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)単位がアルキルアクリレート単位である場合、その割合は、有機重合体粒子を構成する共重合体中、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上であり、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
前記(メタ)アクリロイル基は、メタクリロイル基であることが好ましい。
中でも、スチレン系モノマー、芳香族ジビニル化合物等のビニル基含有芳香族系モノマー単位の割合は、有機重合体粒子を形成する共重合体中、5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であり、0質量%であることが特に好ましい。
さらに、環状アルキル(メタ)アクリレート単位の割合は、有機重合体粒子を形成する共重合体中、5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であり、0質量%であることが特に好ましい。
ン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等;が挙げられる。
中でも、アルキル基の炭素数が1以上3以下であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)の残存量は、有機重合体粒子中、質量基準で1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは800ppm以下であり、500ppm以下であることが好ましく、よりいっそう好ましくは200ppm以下である。有機重合体粒子中のアルキル基の炭素数が1以上3以下であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)の残存量は、質量基準で0ppmであることが最も好ましいが、例えば1ppm以上、さらには3ppm以上であってもよい。
熱分解開始温度は、熱分析装置を用い、得られたTG(温度−重量)曲線のベースライン(水平線部)の延長線と、質量減少部分(右下がりの斜線部)の接線との交点として求めることができる。
また、有機重合体粒子の粒子径の変動係数は、50%以下であることが好ましく、より好ましくは45%以下であり、5%以上であってもよく、10%以上であってもよい。
前記粒子径の変動係数は、下記式で求められる。式中、σはコールターカウンター法を用いた精密粒度分布測定装置により求められる質量基準の粒子径の標準偏差を表し、d50は、質量基準の平均粒子径を表す。
粒子径の変動係数(%)=(σ/d50)×100
上記本発明の有機重合体粒子は、上記アルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C)、及び必要に応じて他のモノマー(D)を、重合開始剤及び酸化防止剤の存在下で懸濁重合し、固液分離して重合体を回収することにより製造できる。
懸濁重合の際には、まず、上記アルキル基の炭素数が1以上3以下のアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C)、及び必要に応じて他のモノマー(D)(以下、これらのモノマーをまとめて「有機重合体粒子形成用モノマー」という場合がある。)を、溶媒と分散、懸濁させることによりモノマー懸濁液を得る。得られたモノマー懸濁液中のモノマーを酸化防止剤の存在下で重合させることで、有機重合体粒子の懸濁液を得ることができる。
中でも、過酸化物系重合開始剤が好ましい。
またラジカル捕捉剤(特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)は、酸化防止剤の全量100質量部中、50質量部以上であることが好ましく、より好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは90質量部以上、特に好ましくは95質量部以上、最も好ましくは98質量部以上であり、上限は100質量部である。
前記カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアルキルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩等が例示できる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレ
ンブロックコポリマー等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
中でも、重合安定性、懸濁安定性が良好である観点から、アニオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸塩がより好ましい。
非水溶媒を使用する場合、その使用量は、有機重合体粒子形成用モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、10質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。非水溶媒がこの範囲にあると、懸濁安定性が良好である。
くすることができる。また、撹拌時間が前記範囲にあると、液温の上昇を防ぐことができ、重合反応の制御が容易となる。
さらに、乾燥後の有機重合体粒子は、必要に応じて、解砕してもよい。解砕は、10〜40℃で行うことが好ましく、粉砕圧は0.1〜0.5MPaであることが好ましい。
上述のように本発明の有機重合体粒子は、残存モノマー量が低減され、加熱しても黄変が少ないため樹脂用添加剤として有用であり、本発明の有機重合体粒子と樹脂とを含むマスターバッチも本発明の範囲に含まれる。また本発明の有機重合体粒子は、樹脂との親和性が維持されているため、得られる樹脂組成物(マスターバッチ)や樹脂フィルム中における有機重合体粒子の配合量の調整が容易となり、有機重合体粒子の分散状態をより均一にして偏析を抑制することができる。
また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、酸化防止剤中20〜80質量%が好ましく、より好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。
さらに酸化防止剤は、マスターバッチ中の樹脂100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは0.8質量部以上であり、7質量部以下であることが好ましく、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下である。
調製されたマスターバッチは、通常、粉末状あるいはペレット状に加工される。
本発明の有機重合体粒子は、樹脂フィルム用のアンチブロッキング剤として有用である。樹脂フィルムに用いる樹脂(以下、「マトリックス樹脂」ともいう。)としては、前記マスターバッチに用いる樹脂として例示した範囲から選択できる。なおマスターバッチに加工してから樹脂フィルムを製造する場合、マトリックス樹脂は、マスターバッチに用いる樹脂と同じであっても異なっていてもよい。
脱落率(%)=脱落数/(粒子数+脱落数)
ここで、前記脱落数は、拡大倍率500倍の走査型電子顕微鏡像において、270μm×200μmの領域に含まれる粒子脱落痕の数を数え、25領域についてその粒子脱落痕の数を平均して得られた値とする。また、粒子数は、粒子脱落痕の数を測定した領域と同じ領域に含まれる有機重合体粒子に由来する突起の数を数え、同様に25領域についてその粒子数を平均して得られた値とする。
成形直後の微粒子含有樹脂フィルムからの脱落率は、3%以下であることが好ましく、より好ましくは2.5%以下であり、さらに好ましくは2.0%以下である。
[摩擦試験]
底面幅63.5mm、底面長さ63.5mm、重さ200gのおもりに微粒子含有樹脂フィルムを固定し、上面に微粒子含有樹脂フィルムを固定した測定台の上に、微粒子含有樹脂フィルム同士が接触するように微粒子含有樹脂フィルムを固定したおもりを置く。その後、おもりを150mm/分の速度で同方向に滑らせる。おもりを20回滑らせた領域を測定領域とする。
なお微粒子含有樹脂フィルムの両面で結晶成長の度合いに差があり、平滑さが異なる場合、摩擦試験には、結晶成長が少ない(より平滑な)面を使用する。
また、前記微粒子含有樹脂フィルムの動摩擦係数μkは、0.3以下であることが好ましく、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.20以下であり、例えば0.01以上であることが好ましい。
[粒子径、変動係数の測定]
有機重合体粒子約0.1gを、界面活性剤(「ネオぺレックス(登録商標)G15」、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、花王(株)製)0.5gに分散し、次に前記分散粘性液に脱イオン水15gを加えたのちに超音波をあて、粒子が分散している状態の
有機重合体粒子分散液を調整し、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター(株)製の「コールターマルチサイザーIII型」、アパーチャ50μm)を使用して、30,000個の粒子の粒子径を測定し、質量基準の平均粒径および粒子径の変動係数を求めた。
粒子径の変動係数(%)=(σ/d50)×100
ここで、σは粒子径の標準偏差、d50は、質量基準の平均粒子径を示す。
有機重合体粒子の熱分解開始温度は、熱分析装置(DTG−50M、(株)島津製作所製)を使用して、試料量15mg、昇温速度10℃/分(最高到達温度500℃)、空気中、流量20ml/分の条件で測定した。まず、精密天秤を使用して、規定のアルミカップに15mgの試料を計り取り、このアルミカップを熱分析装置の所定の位置にセットし、空気が規定流量(20ml/分)流れるように調整し、装置が安定した後、昇温を開始した。このとき得られたTG曲線(温度−重量)のベースライン(水平線部)の延長線と、質量減少部分(右下がりの斜線部)の接線との交点を有機重合体粒子の熱分解開始温度とした。
有機重合体粒子の残存モノマーの測定は、ガスクロマトグラフを用い、カラムはDB−1(J&W Scientific製) 長さ30m、カラム径0.53mmを使用した。気化室温度280℃、検出器温度280℃、カラムの温度プログラムは50℃ 3min保持の後、10℃/minで260℃まで昇温し、260℃到達後は15min間260℃を保持した。ブチルベンゼンを内部標準として使用し、使用したモノマーについて検量線を作製し、有機重合体粒子中の残存モノマー量を定量した。
試料溶液の調製
秤量した試料(有機重合体粒子)1gをクロロホルム10mLと混合し、超音波処理を行い微粒子中の溶解成分を抽出した。得られた溶液にメタノール100mLを加えてポリマー成分を不溶化させた後、ろ過し、得られた溶液を濃縮した。次いで、ここにクロロホルムを2mL加えて希釈し、さらにアセトニトリルを加えて全量を10mLとした。得られた溶液を、孔径0.45μmのフィルターでろ過して、試料溶液とした。
25mLメスフラスコに下記実施例、比較例で使用した酸化防止剤12mgを秤量し、クロロホルム5mLを加えて溶解させた後、アセトニトリルで希釈して25mL溶液(濃度480ppm)を調製した。この溶液を適宜アセトニトリルで希釈して標準溶液とした。この標準溶液を高速液体クロマトグラフィー((株)資生堂製「NANOSPACE SI−2」、カラム:(株)資生堂製「CAPCELL PAK C18 MG」膜厚5μm、1.5mmID×150mm、検出器:フォトダイオードアレイ)により分析し、検量線を作成した。
上記手順により調製した試料溶液を、高速液体クロマトグラフィー((株)資生堂製「NANOSPACE SI−2」、カラム:(株)資生堂製「CAPCELL PAK C18 MG」膜厚5μm、1.5mmID×150mm、検出器:フォトダイオードアレイ)により分析し、予め標準溶液で作成した検量線から、下記実施例および比較例の有機重合体粒子に含まれる酸化防止剤量を算出した。検出下限は5ppmであった。なお、測定条件は以下の通りである。
カラム恒温槽 :40℃
溶離液 :メタノール/アセトニトリル=50/50
流量 :100μL/min
サンプル注入量 :10μL
検出波長 :280nm
上記で得られた有機重合体粒子10部はポリプロピレンペレット(ノバテック FY4日本ポリプロ(株)製)90部、酸化防止剤irganox(登録商標)1010 0.5部、irgafos168 0.5部と同方向回転二軸混練押出機((HK−25D)(株)パーカーコーポレーション製)を用いて212℃で溶融混練をし、水冷しストランドを得た。適宜切断することで有機重合体粒子が10%入ったポリプロピレンマスターバッチを作製した。
この数値が小さいほど、白色に近いことを意味する。
実施例1、5〜7で得られた二軸延伸フィルム(BOPP)を用いて摩擦係数を測定した。Tダイ押出成形機((株)創研製)から成形されたフィルムを巻き取ってキャストフィルムを作製する際、巻き取りロールに触れる側と、その逆の面(エアー面と呼ぶ)で冷却速度の違いが存在しており、ロール面側の方が、冷却速度が速い為に結晶成長が抑えられていた。このため、出来上がりのキャストフィルムはロール面側がつるつるしており、エアー面側が大きな結晶成長が見られてざらざらしていた。摩擦係数(COF)の測定では、ロール面側を測定対象とした。
摩擦係数測定装置として(株)島津製作所製オートグラフAG−Xを使用した。摩擦係数測定用の治具として、ロードセル容量50N、専用の摩擦係数測定台(幅200mm×長さ355mm)、移動おもり(寸法 幅63.5mm×長さ63.5mm×厚さ6.4mm、質量 200g)を使用した。
フィルム中心部分の12cm×12cmのエリアと12cm×18cmのエリアとを測定に使用した。すなわちフィルム中心部から12cm×18cmの試料1枚と、12cm×12cmの試料1枚とをカットした。そして12cm×18cmの試料を、摩擦抵抗測定面となるロール面側を上にして測定台に固定し、試料の4隅をセロハンテープで留めた。また12cm×12cmの試料で、そのロール面側が外側にくるように移動おもりをくるみ、セロハンテープで固定した。
試料でくるまれた移動おもりをクロスヘッドに接続し、測定台に張り付けたフィルム上で速度150mm/minで滑らせ、走行抵抗を測定し、以下の静摩擦係数と動摩擦係数を決定した。
静摩擦係数=移動おもり始動時の最大引張試験力/(移動おもり質量×重力加速度)
動摩擦係数=移動おもり走行時の平均引張試験力/(移動おもり質量×重力加速度)
走行距離は100mmとし、動摩擦係数を求める距離は走行開始点から30mmから90mmとした。摩擦係数測定は20回連続して行い、最初の4回の測定値から摩擦係数の平均値を求めた。なお走行抵抗を20回測定した後のフィルムを、下記の脱落数のカウントでの摩擦試験後フィルムサンプルとした。
得られた摩擦試験後フィルムサンプルと摩擦試験を行っていないフィルムサンプルの表面をSEM(走査型電子顕微鏡)VK−8500((株)キーエンス製)を使用し、加速電圧5kVで観察(二次電子像)を行った。
各フィルムサンプルについて、500倍視野で270μm×200μmの領域を25枚撮影した。各撮影画像に含まれる粒子数(有機重合体微粒子に由来する突起の数)と脱落数(粒子脱落痕)をそれぞれ数え、下記式に基づき、脱落数を求めた。なお摩擦試験を行っていないフィルムサンプルでの脱落数及び粒子数から摩擦試験前(延伸時)の脱落率が求まり、摩擦試験後フィルムサンプルでの脱落数及び粒子数から摩擦試験後の脱落率が求まる。
脱落率(%)=脱落数/(粒子数+脱落数)
有機重合体粒子の作製
攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコにポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(商品名「ハイテノール(登録商標)NF−08」、第一工業製薬(株)製)3.6部を溶解した脱イオン水523部を仕込んだ。そこへ予め調整しておいた有機重合体粒子形成用モノマーとしてのメタクリル酸メチル(MMA)162部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)36部、メタクリル酸n−ブチル(nBMA)162部、ラウリルパーオキシド(LPO)3.6部(モノマー質量に対し1質量%)及びヒンダードフェノール系酸化防止剤irganox(登録商標)1010を1.8部(モノマー質量に対し0.5質量%)仕込み、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)により5000rpmで10分間撹拌して均一な懸濁液とした。
得られた乾燥有機重合体粒子は乾燥により凝集しているので、スーパージェットミルSJ−500(日清エンジニアリング(株)製)を使用し常温下で粉砕圧0.3MPaにて粉砕した。
実施例1において、有機重合体粒子形成用モノマーをメタクリル酸メチル(MMA)162部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)36部、メタクリル酸n−ブチル(nBMA)162部とする代わりに、表1、表2に示す有機重合体粒子形成用モノマーを用いたこと以外は実施例1記載の方法で有機重合体粒子を作製した。
なお、表1中、2EHMAはメタクリル酸2−エチルヘキシル、DMAはメタクリル酸ドデシル、CHMAはメタクリル酸シクロヘキシル、AEHは2−エチルヘキシルアクリレート、BAはブチルアクリレートを表すものとする。
Claims (9)
- アルキル基の炭素数が1以上3以下であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)単位と、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)単位と、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C)単位を有する共重合体、及び酸化防止剤を含む(メタ)アクリル系乾燥粒子であって、
前記(メタ)アクリル系乾燥粒子を構成する共重合体中、前記アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)単位の割合は20質量%以上、80質量%以下であり、前記アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)単位は3質量%以上、70質量以下であり、前記架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C)単位は3質量%以上、40質量%以下であり、前記アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)単位が、前記アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(A)単位とアルキル(メタ)アクリレート系モノマー(B)単位の合計100質量部中、10質量部以上、70質量部以下であり、
前記酸化防止剤はラジカル捕捉作用を有する酸化防止剤であることを特徴とする(メタ)アクリル系乾燥粒子。 - 前記(メタ)アクリル系乾燥粒子を構成する共重合体中、他のモノマー(D)単位の割合は10質量%以下である請求項1に記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子。
- 熱分解開始温度が280℃以上である請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子。
- 前記架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C)が、2官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーである請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子。
- 残存モノマー量の濃度が、1200ppm(質量基準)以下である請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子。
- 質量平均粒子径が、0.1μm以上、15μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子。
- 樹脂フィルム用アンチブロッキング剤として用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子。
- 前記樹脂フィルムがポリオレフィン樹脂フィルムである請求項7に記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の(メタ)アクリル系乾燥粒子と、樹脂とを含むマスターバッチ。
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