JP5436833B2 - 重合体微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒度分布が狭い重合体微粒子に関するもので、特に、耐熱性に優れ、安全で、且つ、特定サイズ以下の微小な粒子の含有量が少ない重合体微粒子に関するものである。
粒度分布の狭い重合体微粒子は、樹脂フィルム用アンチブロッキング剤、各種ディスプレイ装置に光拡散性や反射防止防眩性を付与する光学樹脂材料、液晶用スペーサー、静電荷像現像用トナー用添加剤、粉体塗料および水分散体型塗料、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用充填剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤、光拡散剤、研磨剤等、電気・電子材料用途、光学材料、化成品といった様々な分野での応用が期待される材料である。これらの用途に用いられている代表的なものとして、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を重合開始剤として、ラジカル重合性単量体成分をラジカル重合させて得られる重合体微粒子が知られている(特許文献1〜3)。
特開平8−183807号公報 特開平10−7730号公報 特開2002−293809号公報 特開平1−43504号公報
しかしながら、重合開始剤であるAIBNは、重合反応時に有害な分解生成物を副生するため、従来法により製造される重合体微粒子には、当該AIBNの分解生成物が不純物として含まれている。したがって、上記従来法により得られた重合体微粒子は、食品用途以外では各種添加剤として好適に用いられるものの、上記AIBNの分解生成物の毒性の面から、食品用途においては、かかる微粒子の使用が控えられる傾向にあり、今後、食品包装分野においては、AIBNを使用していない微粒子が求められている。
また、AIBN以外の重合開始剤(例えば、AIBN以外のアゾ系の重合開始剤や有機過酸化物等)を使用して重合体微粒子を製造する方法も存在する(特許文献4)。しかしながら、アゾ系の重合開始剤(たとえば、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等)を用いた場合に得られる重合体微粒子は、AIBNを用いた場合に比べて微粒子の熱分解温度が低い。したがって、当該微粒子を使用してフィルムを作製する場合、通常、フィルム用樹脂としては熱可塑性樹脂が使用されるので、当該樹脂をフィルムへと加工する工程において高温に曝されて重合体微粒子が分解したり、変色を生じて、フィルムの外観(着色、透明性)に悪影響を及ぼすといった問題があった。
さらに、本発明者らは、粒子径分布が狭いとされる重合体粒子であっても、これを用いて作製した成形体に曇が生じる場合があり、このような場合には、粒子径分布図には表れ難い微小なサイズの粒子を含まれていることを見出した。
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、その目的は、安全性及び耐熱性に優れ、さらに、粒度分布が狭く、且つ、特定サイズ以下の微小なサイズの粒子の含有量が低減された重合体微粒子とその製造方法を提供することである。
上記課題を解決し得た本発明の重合体微粒子とは、熱分解開始温度が310℃以上であり、体積基準の最頻度粒子径(dw)が0.1μm〜20μmであり、
体積基準の最頻度粒子径に対する個数基準の最頻度粒子径(dn)の比dn/dwが0.45以上であり、且つ、テトラメチルスクシノニトリルの含有量が重合体微粒子中100ppm以下であるところに特徴を有する。
上記構成を有する本発明の重合体微粒子は、粒度分布が狭いのみならず、特定サイズ以下の微小な粒子の含有量が少ないものであるのに加えて、耐熱性が高く、重合体微粒子中に、重合開始剤に由来する有毒な分解生成物の含有量が抑えられているため、微小な粒子や分解生成物に由来する不良、例えば、着色や分解などが生じ難いものである。
上記重合体微粒子は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、チオール系化合物、及びこれらに由来する成分よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいるのが好ましく、さらに好ましいのは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及び/又はこれに由来する成分と、チオール系化合物及び/又はこれに由来する成分とを含有するものである。
本発明には上述の重合体微粒子を製造する方法も含まれる。その製造方法とは、上述の重合体微粒子の製造方法であって、ラジカル重合性単量体100質量部、非ニトリル−アゾ系ラジカル重合開始剤0.1質量部〜10質量部、酸化防止剤0.05質量部〜5質量部及び/又はチオール系化合物0.05質量部〜10質量部を含む単量体組成物をラジカル重合させることを特徴とするものである。
上記チオール系化合物は、分子量200以上の多官能チオール系化合物であるのが望ましい。また、上記製造方法においては、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることが推奨される。
本発明の重合体微粒子は、耐熱性に優れ、粒度分布が狭いのみならず、微小な粒子の含有量も低減されている。したがって、粒度分布に関して、より高い精度での制御が求められる用途にも好適であり、例えば、ディスプレイなどの光学材料やフィルム用途に用いた場合にも、ヘーズなど微小粒子に起因する不良を生じ難い。また、本発明の重合体微粒子は、特定の重合開始剤に由来する有毒な分解生成物(副生成物)の含有量が少ないか又は全く含んでいないため、医療、食品分野を含む幅広い分野で使用することができる。さらに、耐熱性にも優れるものであるため、他の樹脂などと混合した後、高温下に曝されても重合体微粒子の劣化、さらには成形品の不良(着色など)を生じ難いものである。
上記の構成を有する本発明の重合体微粒子は、樹脂フィルム用アンチブロッキング剤、各種ディスプレイ装置に光拡散性や反射防止防眩性を付与する光学樹脂材料、液晶用スペーサー、静電荷像現像用トナー用添加剤、粉体塗料および水分散体型塗料、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用充填剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤、光拡散剤、研磨剤等、電気・電子材料用途、光学材料、化成品といった様々な分野に適用可能である。特に、食品包装資材のアンチブロッキング剤等の各種添加剤として好適に用いられる。
本発明の重合体微粒子とは、熱分解開始温度が310℃以上であり、体積基準の最頻度粒子径(dw)が0.1μm〜20μmであり、体積基準の最頻度粒子径に対する個数基準の最頻度粒子径(dn)の比dn/dwが0.45以上であり、且つ、テトラメチルスクシノニトリルの含有量が重合体微粒子中100ppm以下であるところに特徴を有する。
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明者らは、AIBNの分解生成物に由来する毒性の問題がなく、耐熱性に優れた重合体微粒子について検討を重ねていたところ、驚くべきことに、特定の重合開始剤を使用した場合には、有害な分解生成物が含まれないことに加えて、粒度分布が狭いのみならず、特定サイズに満たない微小な粒子の含有量が低減された重合体微粒子が得られることを知見し、本発明を完成した。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の重合体微粒子の熱分解開始温度は310℃以上である。熱分解開始温度が310℃未満では、軟化溶融させた樹脂に当該微粒子を混合した場合に、微粒子が分解してしまい、重合体微粒子に由来する特性が得られなくなり、また、成形品に着色やボイド等を生じる虞がある。より好ましくは320℃以上であり、さらに好ましくは330℃以上である。
なお、本発明では、熱分析装置(例えば、株式会社島津製作所製のDTG−50M等)を使用して、後述する実施例に記載の条件下で重合体微粒子を熱分解させ、このとき得られたTG曲線のベースラインと、急激な質量減少部分の接線との交点を熱分解開始温度とする(接線交点法)。
本発明の重合体微粒子は、体積基準の最頻度粒子径(dw)が0.1μm〜20μmである。より好ましくは0.3μm〜10μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜5μmである。また、好ましい個数基準の最頻度粒子径(dn)は0.1μm〜20μmであり、より好ましくは0.3μm〜10μmであり、さらに好ましくは0.4μm〜2μmである。
また、本発明の重合体微粒子は、体積基準の最頻度粒子径に対する個数基準の最頻度粒子径(dn)の比dn/dwが0.45以上である。当該要件は、本発明の重合体微粒子には、その平均粒子径(体積基準)に対して、粒子径が特定のサイズに満たない微小な粒子の含有量が少ないことを意味するものである。上述のように、本発明者らは、粒子分布が狭いとされる重合体粒子であっても、微小なサイズの粒子が含まれている場合があり、係る微小な粒子が、成形体の透明性や光散乱(拡散)特性に顕著に影響することを見出した。そこで、なぜ、このような現象が生じるのかについて改めて検討を進めたところ、通常、粒子の粒度分布を確認する際には、体積基準(重量基準)で粒度分布が示される点に理由があることを見出した。すなわち、体積基準で粒子径分布を表す場合には、各区分を構成するデータには体積の重み付けがなされるため、粒子径の大きいものは頻度が大きく表され、粒子径の小さい微小な粒子は、当該粒子径分布図に反映され難い傾向がある。したがって、体積基準で表された粒子径分布を参照して重合体微粒子を使用した場合には、微小な粒子に由来する問題(例えば、光学材料用途における透明性や光散乱特性不良等の問題)が思いがけず生じていたのである。
そこで、本発明者らは、体積基準の粒子径分布に加えて、微小な粒子の存在量を的確に把握できる個数基準の粒子径分布を採用することにしたところ、体積基準の最頻度粒子径(dw)に対する個数基準の最頻度粒子径(dn)の比dn/dwにより、微小な粒子の含有量が把握でき、特に、dn/dwが0.45以上の場合には、微小な粒子の含有量が相対的に少なくなることを見出した。そこで、本発明では、微小な粒子の含有量の多少の判定基準としてdn/dwを用いることとした。
体積基準の最頻度粒子径(dw)に対する個数基準の最頻度粒子径(dn)の比dn/dwは、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは0.55以上である。一方、上限は1であるのが好ましく、より好ましくは0.8以下である。dn/dwが0.45未満の場合には、微小なサイズの粒子の含有量が多く、この微小粒子の影響により、成形品の透明性や光拡散性特性が低下する。
なお、本発明では、微小な粒子とは、遠心沈降方式で測定した場合に測定可能な粒子径範囲において、体積基準の粒度分布における最頻度粒子径の50%以下の粒子径を有する粒子のことを意味する。そして、この値をそのまま個数基準の粒度分布図に適用し、当該粒子径を有する粒子の含有量を重合体微粒子中に含まれる微小粒子の量とする。すなわち、体積基準の粒度分布における最頻度粒子径が1μmであれば、微小な粒子と判定される粒子径の基準は、0.5μm(1μm×0.5)となり、個数基準の粒度分布図において、0.5μm以下の粒子径を有する粒子の量が、微小粒子の量となる。
このような微小な粒子の重合体微粒子中における含有量は少なければ少ないほど好ましい。好ましくは45%以下であり、より好ましくは43%以下であり、さらに好ましくは40%以下である。
本発明においては、上記体積基準の最頻度粒子径(dw)及び個数基準の最頻度粒子径(dn)は、遠心沈降式の粒度分布測定装置(例えばCPS Instruments社製「DC12000」)を使用して測定される値を採用し、当該測定値を基に作成される体積および個数基準の粒子径分布を使用する。尚、測定を行うに当たり必要なデータ、例えば、粒子の真比重、測定温度における屈折率、溶媒の屈折率、粘度等の値は、実測値を用いるものとする。また、上記測定では、最頻度粒子径(体積基準、個数基準)は、0.3μmを測定下限として遠心沈降式の粒度分布測定装置により求めた値である。
測定時の条件は特に限定されないが、例えば、測定温度は10℃〜40℃とするのが好ましく、より好ましくは10℃〜35℃とする。
本発明の重合体微粒子は、テトラメチルスクシノニトリルの含有量が、重合体微粒子中100ppm以下であるという特徴も有している。
上述のように、従来、ビニル化合物を単量体成分としてラジカル重合を行う際の重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が一般的に用いられている。しかしながら、AIBNのようにニトリル基とアゾ基とを有する重合開始剤に由来する分解生成物には毒性があるため、当該分解生成物が重合体微粒子に含まれる場合には、重合体微粒子の用途が限定されてしまうことがある。したがって、かかる有害な分解生成物の含有量は少ないほど好ましく、本発明の重合体微粒子において、その含有量を低減することが望まれる分解生成物の最たるものがテトラメチルスクシノニトリルである。
本発明の重合体微粒子に中におけるテトラメチルスクシノニトリルの含有量は100ppm以下であり、好ましくは50ppm以下であり、より好ましくは20ppm以下である。上記分解生成物が含まれていない(すなわち、含有量0%)重合体微粒子は、本発明の最も好ましい態様である。
上記テトラメチルスクシノニトリルは、主に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの分解生成物として知られているが、本発明では、当該テトラメチルスクシノニトリル以外にも、下記一般式で表される構造(I),(II)を分子内に有する他の分解生成物の重合体微粒子中の含有量を低減することも推奨される。
重合体微粒子中における上記一般式(I)、(II)の構造を有する分解生成物(他の分解生成物)の含有量はそれぞれ100ppm以下であるのが好ましい。なお、上述のテトラメチルスクシノニトリルは、上記一般式(I)の構造を有する分解生成物に含まれるが、本発明においては、テトラメチルスクシノニトリルを除いた上記一般式(I)の構造を有する分解生成物の含有量が100ppm以下であるのが望ましい。重合体微粒子中に上記他の分解生成物が含まれる場合(一般式(I)の構造を有する分解生成物1種以上及び/又は一般式(II)の構造を有する分解生成物1種以上)、これらの分解生成物の含有量はそれぞれ100ppm以下であるのが望ましい。例えば、一般式(I)の構造を有する分解生成物が2種含まれる場合であれば、それぞれの含有量が100ppm以下であるのが好ましい。より好ましくは、テトラメチルスクシノニトリルを除く一般式(I)の構造を有する分解生成物1種以上と、一般式(II)の構造を有する分解生成物1種以上との合計量が100ppm以下であり、さらに好ましくは、テトラスクシノメチルニトリルと上記他の分解生成物の含有量の合計が100ppm以下である。
なお、個々の他の分解生成物量の上限、2種以上の他の分解生成物の合計含有量の上限は、50ppmであるのがより好ましく、さらに好ましい上限は20ppmである。
本発明において、重合体微粒子中の含有量を制限するのが好ましい分解生成物は、分子内に上記一般式(I)又は(II)の構造を有するものであれば特に限定されない。なお、かかる分解生成物は、分子内にニトリル基及びアゾ基を有するニトリル−アゾ系の重合開始剤を用いた場合に生成し得る。上記一般式(I)の構造を有する分解生成物を生成し得るニトリル−アゾ系重合開始剤としては、下記一般式(III)の構造を有する重合開始剤が挙げられる。
上記一般式(III)の構造を有する重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の重合開始剤や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)−α,ω−ジアミノプロピルポリ(ジメチルシロキサン)コポリマー、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)−ポリエチレングリコールコポリマー等のマクロアゾ系重合開始剤が挙げられる。一方、上記一般式(II)の構造を有する分解生成物を生成し得るニトリル−アゾ系重合開始剤としては、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリルが挙げられる。すなわち、本発明では、これらの重合開始剤に由来する分解生成物の含有量が100ppm以下であるのが望ましい。
本発明の重合体微粒子は、酸化防止剤及び/又は酸化防止剤に由来する成分、及び/又は、チオール系化合物及び/又はこれに由来する成分を含むものであるのが好ましい。重合体微粒子が酸化防止剤やチオール系化合物に由来する成分を含むことで、重合体微粒子の耐熱性を向上させることができ、また、重合体微粒子の初期の色調(b値)が低く、且つ、重合体微粒子の加熱前後における色調の変化(耐熱試験前後のb値の差)が少ないものとなる。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、およびビタミンE系酸化防止剤などが挙げられる。なお、上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、当該酸化防止剤の構造中に、パラ置換2,6−ジ−tert−ブチルフェノール構造を有するものを意味し、硫黄系酸化防止剤は、硫黄元素を含み、酸化防止機能を有する化合物を意味し、リン系酸化防止剤は、その構造中にリン原子を含むもの、ラクトン系酸化防止剤は、環状のエステル構造を有するものを意味する。これらの構造は2種以上を同時に含んでいてもよく、この場合、本明細書では、主として酸化防止効果を発揮する部分に応じて、各酸化防止剤を分類する。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−1−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルベンゼンとの反応生成物、ジエチル[[3,5‐ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、オクタデシル−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2’,3−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]プロピオノヒドラジド等が上がられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等;チオエーテル結合(C−S−C)を有する下記式(IV)で表される構造単位を有するチオエーテル系化合物(1)等が挙げられる。
尚、式(IV)中、nは1〜5の整数(好ましくはn=2)を意味する。
チオエーテル系化合物(1)の中でも、上記式(IV)で表される構造単位を分子内に2個以上有する化合物が好ましい。より好ましくは、上記式(IV)で表される構造単位を分子内に2〜4個有する化合物であり、特に好ましいのは、上記式(IV)で表される構造単位を分子内に4個有する化合物である。
また、上記チオエーテル系化合物(1)の中でも、下記式(V)で表される構造単位を有するチオエーテル系化合物(2)が好ましい。チオエーテル系化合物(2)としてより好ましいのは、分子中に下記式(V)で示される構造単位を2〜4個有する化合物であり、さらに好ましくは、下記式(V)で示される構造単位を4個有する化合物である。
ここで、nは1〜5の整数(好ましくはn=2)であり、R1はアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、R1は置換基を有していてもよい。
上記アルキル基としては、耐熱性向上の効果が高い点で、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくは3〜20、さらに好ましくは6〜18、特に好ましくは炭素数12〜18のアルキル基である。例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、ミリスチル基、オクタデシル基(ステアリル基)等のアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、トリル基、o−キシリル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基、ヒドロキシフェニル基が好ましい。
アラルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などが挙げられる。
これらの中でも、アルキル基、アリール基が好ましく、特に好ましいのは炭素数12〜18のアルキル基である。
上記R1が有する置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などが例示される。
上記式(V)で表される構造単位を4個有するチオエーテル系化合物(2)としては、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−アルキルチオプロピオネート)化合物が好ましく挙げられる。具体的には、ペンタエリスリチルテトラキス(3−メチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−エチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−プロピルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ブチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ヘキシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−オクチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−トリデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−フェニルチオプロピオネート)などが例示される。中でも、炭素数3〜20のアルキル基を有するものが好ましく、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が6〜18、特に好ましくはアルキル基の炭素数が12〜18の化合物である。
特に、炭素数12のアルキル基を有する、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)は安価に入手できるので好ましい。
また、チオエーテル系化合物(1)としては、下記式(VI)で示される構造単位を有するチオエーテル系化合物(3)も、本発明に係る硫黄系酸化防止剤として好ましく用いられる。

式(VI)中、nは1〜5の整数(好ましくはn=2)である。
上記式(VI)で示される構造単位を有するチオエーテル系化合物(3)の中でも、下記式(VII)で示される構造単位を有するチオエーテル系化合物はより好ましい。

nは1〜5の整数(好ましくはn=2)である。
式(VII)中、R2およびR3は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であり、また、R2およびR3は置換基を有していてもよい。なお、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基としては、上記チオエーテル系化合物(2)におけるR1の場合と同様のものが好ましく例示できる。尚、R2およびR3として好ましいのは、アルキル基、アリール基であり、特に好ましいのは、アルキル基である。
上記置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などが例示される。
式(VII)で表される構造単位を有するチオエーテル系化合物(3)としては、例えば、ジアルキル−3,3’−チオジプロピオネート化合物が好ましく挙げられる。具体的には、ジメチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジエチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジプロピル−3,3’−チオジプロピオネート、ジブチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジヘキシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジドデシル−3,3’−チオジプロピオネート(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート)、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネート(ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート)などが例示される。これらの中でも、炭素数3〜20のアルキル基を有するものが好ましく、より好ましくはアルキル基の炭素数が6〜18の化合物、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が12〜18の化合物である。
特に、炭素数12〜18のアルキル基を有するジドデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネートは工業的に入手が容易であるので好ましい。
リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
ラクトン系酸化防止剤としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物(CAS No.181314-48-7)等が挙げられ、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤としては、還元型牛脂を原料としたアルキルアミンの酸化生成物等、ビタミンE系酸化防止剤としては3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オール等が挙げられる。これらの酸化防止剤は単独で用いるものであってもよく、2種以上を組み合わせて使用するものであっても良い。
上記酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤よりなる群から選ばれる1種以上であるのが好ましく、より好ましくはヒンダードフェノール系酸化防止剤である。特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、硫黄系酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン(ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート))が好ましく、リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトが好ましい。
上記酸化防止剤および/又はこれに由来する成分は、本発明に係る重合体微粒子中に約10ppm以上含まれているのが好ましく、より好ましくは15ppm以上であり、さらに好ましくは50ppm以上であり、一層好ましくは100ppm以上であり、特に好ましくは200ppm以上、500ppm以上であるのがより一層好ましく、最も好ましいのは0.1%以上である。酸化防止剤の含有量が少なすぎる場合には、耐熱性向上の効果が得られ難い場合がある。上限は特に限定されないが、5%以下であるのが好ましく、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。なお、本発明に係る重合体微粒子が、2種以上の酸化防止剤を含むものである場合、その含有量の合計が、上記含有量の範囲内であるのが好ましい。
本発明に係る重合体微粒子中の酸化防止剤の含有量は、後記実施例において詳述するが、例えば、重合体微粒子を適当な溶媒に溶解させた後、あるいは、重合体微粒子から酸化防止剤を溶媒中に抽出させた後、高速液体カラムクロマトグラフィー(例えば、株式会社資生堂製の「NANOSPACE SI−2」など)により分析し、予め酸化防止剤のみを用いて作成した標準溶液の検量線から、重合体微粒子中の酸化防止剤含有量を算出することができる。
本発明の重合体微粒子は、チオール系化合物及び/又はチオール系化合物に由来する成分を含有しているのが好ましい。チオール系化合物とは、分子内にチオール基(−SH)を有するものであり、このチオール系化合物が、重合反応を繰返すポリマー鎖末端に結合することでポリマー鎖が安定化され、解重合が抑制されるため、耐熱性が向上する。
したがって、重合体微粒子中におけるチオール系化合物の存在形態としては、重合体微粒子を構成するポリマー鎖末端の炭素原子に、S−C結合により結合して存在している形態が挙げられる。
ところで、上記硫黄系酸化防止剤も、チオール系化合物同様、分子内に硫黄原子を有するものであるが、硫黄系酸化防止剤は、重合体微粒子内で、硫黄系酸化防止剤のまま存在している。しかしながら、硫黄系酸化防止剤は、重合体微粒子を構成するポリマー鎖とは結合を形成し難い。したがって、重合体微粒子中における、チオール系化合物と、上記硫黄系酸化防止剤の存在形態は異なっている。
なお、硫黄系酸化防止剤には、一部、重合反応時に酸化されて、スルホン化されたり、ラジカル捕捉能を有するいくつかの推定される中間体構造で存在しており、当該中間体構造を有するものにも耐熱性向上に寄与するものが含まれていると考えられる。しかし、重合体微粒子の耐熱性向上への寄与の点からは、重合体微粒子中において、硫黄系酸化防止剤の形態で存在しているのが好ましい。既に分解を受けた中間体構造を有するものに比べて、硫黄系酸化防止剤そのものの方が高いラジカル捕捉能を有し、優れた耐熱性向上効果が得られるからである。一方、チオール系化合物は、上述のように、重合体微粒子を構成するポリマー鎖と結合して、すなわち、チオール系化合物に由来する成分として重合体微粒子中に存在しているのが好ましい。
チオール系化合物は、チオール基以外の他の官能基を有していても良く、他の官能基としては、例えば、カルボキシル基、フェニル基や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。また、チオール系化合物は、上述の他の官能基の内、単一の官能基を有するものであってもよいし、種類の異なる官能基を有するものであってもよく、さらに、これらの官能基を複数有するものであっても良い。
本発明で使用可能なチオール系化合物としては、チオール基および上記他の官能基を複数有し、且つ、分子量200以上、好ましくは500〜5000の分子量を有する多官能、高分子量チオールが好ましい。チオール系化合物が、単官能であり、且つ、分子量が上記範囲に満たない場合には、低分子量のポリマーが生成しやすい。分子量は800〜2500であるのがより好ましく、さらにより好ましくは1000〜1500である。低分子量のポリマーは、重合体微粒子から溶出し易いため、例えば、食品や医療品の包装に使用するフィルム等では、かかる溶出成分が問題となる場合がある。上記多官能、高分子量チオール系化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG)、ブタンジオールビスチオグリコレート(BDTG)、エチレングリコールビスチオグリコレート(EGTG)等が挙げられる。
上述のように、本発明に係る重合体微粒子は、硫黄系酸化防止剤及び/又はこれに由来する成分、チオール系化合物及び/又はこれに由来する成分の形態で硫黄元素を含むものであるのが好ましい。より好ましいのは、硫黄系酸化物、チオール系化合物に由来する成分の形態(すなわち、チオール系化合物が重合体微粒子を構成する分子鎖に組み込まれた形態)で重合体微粒子中に硫黄元素を含むものである。
また、重合体微粒子における硫黄元素の含有量は、硫黄原子の量に換算して1ppm以上であるのが好ましい。より好ましくは10ppm以上であり、さらに好ましくは55ppm以上であり、特に好ましくは110pm以上であり、5500ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは3300ppm以下、特に好ましくは1100ppm以下である。また、好ましい範囲としては、10〜5500ppmであるのが好ましく、より好ましくは55〜3300ppmであり、さらに好ましくは110〜1100ppmである。
重合体微粒子に、硫黄系酸化防止剤のみが含まれる場合は、硫黄系酸化防止剤に由来する硫黄原子量が上述の範囲であるのが好ましく、一方、チオール系化合物のみが重合体微粒子中に含まれる場合は、重合体微粒子を構成する分子鎖に組み込まれたチオール系化合物に由来する硫黄原子量が上記範囲であるのが好ましく、さらに、硫黄系酸化防止剤も、チオール系化合物に由来する成分も含まれる場合には、両者の合計量が上記範囲であるのが望ましい。
なお、硫黄元素の含有量は、例えば、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析法(ICP:Inductively Coupled Plasma)や、質量分析法により分析できる。
本発明の重合体微粒子における酸化防止剤及び/又はチオール系化合物に由来する成分の存在態様としては、図1(a)〜(c)が挙げられる。これらは、本発明の重合体微粒子の態様を模式的に表した図であり、図1(a)は、重合体微粒子の表面に酸化防止剤が付着する態様(第1の態様)、図1(b)は、重合体微粒子の表面近傍に酸化防止剤を含有する層が存在する態様(第2の態様)、そして、図1(c)は、重合体微粒子の内部全体に酸化防止剤が分散している態様(第3の態様)を示している。特性の偏析を防止し、粒子全体が優れた耐熱性を示す有機重合体微粒子とするためには、重合体微粒子の内部に、酸化防止剤が分散して存在している第3の態様が好ましい。なお、かかる重合体微粒子の態様は、微粒子を切断し、その切断面を、元素マッピング可能な分析装置(例えば、X線マイクロアナライザー(EPMA)等)で分析し、微粒子の表面近傍や微粒子内部の状態を観察することにより確認できる。上記図1(a)〜(c)のいずれの態様においても、チオール系化合物に由来する成分は、重合体微粒子を構成するポリマー鎖に結合して存在している。
上記第1の態様の重合体微粒子は、重合により得られた重合体微粒子(乾燥した微粒子、微粒子分散液のいずれでも良い)と、酸化防止剤(粉状、液状のいずれでもよい)とを混合することで得られ、表面に酸化防止剤層を有する第2の態様の重合体微粒子は、重合後の微粒子分散液、あるいは、生成した重合体微粒子を、適当な溶剤に溶解あるいは分散させた酸化防止剤溶液中に浸漬させて、酸化防止剤を重合体微粒子の表層部に含浸させることにより得られる。さらに、重合体微粒子の内部に酸化防止剤が分散した第3の態様の重合体微粒子は、酸化防止剤の存在下で重合反応を行う方法により得られるものである(詳しくは後述する)。なお、上記3態様の中でも第2、第3の態様が好ましく、特に、第3の態様の場合には、硫黄系酸化防止剤を使用することによる効果が高いため好ましい。
本発明の重合体微粒子を構成する単量体成分としては、(メタ)アクリル系モノマーや、この(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーがいずれも使用可能である。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの(メタ)アクリル系モノマーは1種を単独で用いてもよく、複数種を組合せて用いてもよい。なお、本発明に係る重合体微粒子は、上記(メタ)アクリル系モノマーを主成分とするものであるのが好ましく、具体的には上記(メタ)アクリル系モノマーを50〜100質量%含むものが好ましく、より好ましくは60〜100質量%を上記(メタ)アクリル系モノマーとすることが推奨される。
また、上述の(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとして、分子中に複数の重合性二重結合基を有する架橋性(メタ)アクリル系モノマーを使用してもよい。かかる単量体成分を用いることで、分子間に架橋構造を有する重合体微粒子が得られる。このような架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸デカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタコンタヘクタエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリスリトール、ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。
さらに、上述の(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとして、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、および、これらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等の架橋剤、ポリブタジエンおよび特公昭57−56507号公報、特開昭59−221304号公報、特開昭59−221305号公報、特開昭59−221306号公報、特開昭59−221307号公報等に記載される反応性重合体などを使用してもよい。
上記(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマー成分は、1種を単独で使用してもよく、また、複数を組合せて用いてもよい。
また、酸化防止剤を含む本発明の重合体微粒子は、初期b値が−1.0〜3であるのが好ましい。より好ましくは−0.5〜1.5であり、さらに好ましくは−0.3〜1.0である。ここで、b値は、その値が大きいほど重合体微粒子が黄味を帯びていることを示しており、小さいほど(マイナスの値)青味を帯びていることを示し、b値が0付近では、無色であることを示す。なお、上記初期b値は、製造直後の重合体微粒子の色相を示しており、すなわち、初期b値が上記範囲である本発明の重合体微粒子は、限りなく無色に近い色調を有するものであると言える。
なお、上記b値は、色差計により測定されるL,a,bの内のb値を意味する。例えば、b値は、日本電色工業株式会社製の分光色差計「SE2000」を用いて、重合体微粒子の粉体状態における反射光を測定することにより求められる。
また、本発明に係る重合体微粒子は、空気雰囲気下、100℃で1時間加熱した前後におけるb値の変化量(Δb)が1.0以下であるのが好ましい。より好ましくは0.5以下であり、さらに好ましくは0.1以下であり、特に好ましくは0.05以下である。Δbの値が小さい程、加熱後における重合体微粒子の色相の変化が少ないことを示す。
次に、本発明の重合体微粒子の製造方法について説明する。
本発明の重合体微粒子は、上述のように、様々な方法(第1の態様、第2の態様、第3の態様)等で製造できるが、これらの中でも、酸化防止剤の存在下で重合反応を行う方法(第3の態様)により得られるものであるのが好ましい。すなわち、本発明の製造方法とは、酸化防止剤の存在下で、単量体成分のラジカル重合を行うところに特徴を有する方法である。このように、酸化防止剤の存在下で重合反応を進行させれば、生成する重合体内に酸化防止剤が取り込まれるため、酸化防止剤の偏析が生じ難く、生成する重合体微粒子中に酸化防止剤が分散し、耐熱性に優れた重合体微粒子が得られる。
なお、酸化防止剤はラジカルを捕捉する効果を有するため、フリー(遊離)ラジカルを重合反応の原動力とするラジカル重合では、通常、酸化防止剤は用いられない。これは、反応系内に酸化防止剤が存在すると、重合反応が進行し難くなり、重合率が低下するためである。したがって、酸化防止剤の存在下でラジカル重合するという点は、本発明と従来技術との最大の相違点である。
本発明法においては、乳化重合、懸濁重合、シード重合などの公知の重合方法はいずれも採用できる。これらの中でも懸濁重合法やシード重合法が好ましい。重合反応時には溶媒を使用してもよく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチルなどのエステル類等の有機溶媒が使用できる。
懸濁重合とは、一般的には、単量体成分からなる単量体組成物を、水に分散、懸濁させることにより得られた液滴懸濁体組成物を重合せしめることにより、重合体微粒子が水中に分散含有されてなる分散液を得る方法である。
液滴懸濁体組成物を調製する際には、単量体組成物を水中に懸濁させる手段として従来公知の分散、懸濁方法、装置を採用することができる。例えば、T.K.ホモミキサー、ラインミキサー(例えばエバラマイルダー(登録商標))などの高速攪拌機が使用できる。
また、上記単量体組成物の液滴の粒子径を制御し、安定化させるためには、液滴懸濁体組成物の調製時に、後述する分散安定剤を共存させることが好ましい。なお、前記第3の態様「酸化防止剤が微粒子の内部に含有される態様」の微粒子を調製する際には、酸化防止剤を単量体組成物に分散溶解させておくのが好ましい。
重合開始剤(後述する)は、重合反応時に懸濁体組成物中に存在していればよいが、液滴懸濁体組成物調製時に、単量体組成物相あるいは水相に分散、溶解させておくのが好ましく、特に、単量体組成物に予め溶解せしめておく態様が好ましい。重合反応は、撹拌下で行うことが好ましい。撹拌は、パドル翼、タービン翼、ブルーマージン翼、プロペラ翼など従来公知の撹拌翼を用いた撹拌を採用し得る。
したがって、懸濁重合は、以下の工程よりなるものであるのが好ましい。
(1)単量体成分に重合開始剤、酸化防止剤を分散、溶解することにより単量体組成物を調製する工程、
(2)分散安定剤(必要に応じて用いられる)を分散、溶解してなる水中に、前記単量体組成物を懸濁させて液滴懸濁体組成物を調製する工程、
(3)前記液滴懸濁体組成物の重合反応を開始させ(加熱などにより)、液滴状の単量体組成物を重合せしめ、重合体微粒子が水中に分散含有されてなる分散液を調製する工程。
酸化防止剤としては上述のものが用いられるが、本発明の製造方法は、酸化防止剤の存在下で、上述の単量体成分をラジカル重合させるものであるため、酸化防止剤は、上記単量体成分や重合溶媒に溶解するものであるのが好ましい。酸化防止剤の配合量は、単量体成分100質量部に対して0.05質量部〜5質量部とするのが好ましい。より好ましくは0.1質量部〜3質量部であり、さらに好ましくは0.5質量部〜2質量部である。なお、1種の酸化防止剤を単独で用いる場合、2種以上の酸化防止剤を用いる場合のいずれも、上記配合量の範囲とするのが好ましい。
また、本発明法においては、上記酸化防止剤及び/又はチオール系化合物を使用する。酸化防止剤とチオール系化合物とはそれぞれ単独で使用してもよく、また、併用して用いてもよい。チオール系化合物は、重合体微粒子の耐熱性向上に寄与する。チオール系化合物しては上述のものが使用可能であり、その使用量は、重合性単量体成分100質量部に対して0.05質量部〜10質量部とするのが好ましく、より好ましくは1質量部〜5質量部である。チオール系化合物の添加のタイミングは特に限定されず、重合開始前に予め単量体成分や重合開始剤などと共に混合しておいてもよく、重合開始後に一括で、あるいは、複数回に分割して重合系内に添加してもよい。なお、チオール系化合物の添加による効果を最大に発揮させる観点からは、予め単量体成分や重合開始剤などを混合して用いるのが好ましい。
なお、酸化防止剤とチオール系化合物とを併用する場合も、これらの使用量も上記範囲内とするのが好ましい。
本発明では、重合開始剤として、分子内にアゾ基を有するものの、ニトリル基は有していない、非ニトリル−アゾ系開始剤を使用する。非ニトリル−アゾ系開始剤としては、例えば、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4’−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]等が挙げられる。これらの中でも、有機溶剤に対する溶解性の高いジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4’−トリメチルペンタン)を使用することが推奨される。これらの重合開始剤は、分子内にニトリル基とアゾ基とを同時に有していないので、テトラメチルスクシノニトリルや上記式(I)、(II)で示した構造を有する分解生成物を生成し難い。
なお、上述のように、上記式(I)、(II)で表される構造を有する化合物は、分子内にアゾ基とニトリル基を有する重合開始剤に由来するものである。したがって、本発明においては、分子内にアゾ基とニトリル基を有するニトリル−アゾ系重合開始剤を使用しないのが好ましい。具体的なニトリル−アゾ系重合開始剤は前記した式(III)で示されるものなどであるが、中でも使用を控えることが推奨されるものとしては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。
上記非ニトリル−アゾ系重合開始剤の使用量は、重合性単量体成分100質量部に対して0.1質量部〜10質量部とするのが好ましく、より好ましくは0.3質量部〜5質量部であり、さらに好ましくは0.5質量部〜3質量部である。
重合温度は、60℃〜100℃であるのが好ましく、より好ましくは65℃〜95℃、さらに好ましくは70℃〜90℃である。重合反応は2時間〜7時間とするのが好ましく、より好ましくは2.5時間〜5時間であり、さらに好ましくは3時間〜4.5時間である。また、重合反応は、pH4〜10の範囲で行うのが好ましい。
また、重合反応時には、重合反応を安定に進めるため、分散安定剤を使用しても良い。上記分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、トラガント、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両性イオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤、その他アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソウ土、ベントナイト、水酸化チタン、水酸化トリウム、金属酸化物粉末等が用いられる。
上記アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等がある。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等がある。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等がある。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド等がある。
上記分散安定剤は、所望する重合体微粒子のサイズに応じてその使用量を適宜調整すればよい。例えば、粒子径0.1μm〜20μmの重合体微粒子を得たい場合であれば、単量体成分100質量部に対して0.01質量部〜10質量部、より好ましくは0.05質量部〜5質量部、さらに好ましくは1質量部〜2質量部とすることが推奨される。
上記酸化防止剤や分散安定剤以外にも、必要に応じて各種添加剤を使用してもよい。具体的には、顔料、可塑剤、重合安定剤、蛍光増白剤、磁性粉、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
一方、シード重合法とは、乳化重合法の一態様であり、重合体微粒子の前駆体となるシード粒子を製造し、このシード粒子に重合性の単量体成分を吸収させた後、単量体成分を重合させて重合体微粒子を得る方法である。シード重合法は、他の重合方法に比べて、重合体微粒子の重合度や粒子径のコントロールがより容易に行えるという利点がある。また、シード粒子を構成する単量体成分とシード粒子に吸収させる単量体成分とで、単量体成分組成を変更することで、重合体微粒子の物性をコントロールできる。
シード重合法を採用する場合、酸化防止剤およびチオール系化合物の添加のタイミングは、シード粒子の製造段階、重合性単量体成分の吸収段階のいずれであってもよいが、酸化防止剤並びにチオール系化合物による効果を有効に発揮させる観点からは、重合性単量体成分の吸収段階で、単量体成分と同時に、酸化防止剤およびチオール系化合物をシード粒子中に吸収させるのが好ましい。例えば、単量体成分と、酸化防止剤、チオール系化合物および重合開始剤を含む単量体組成物を、シード粒子に吸収させることがより好ましい。
酸化防止剤の配合量は、懸濁重合法の場合と同様、単量体成分総量(100質量部)に対して0.05質量部以上とするのが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上であり、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下であり、さらに好ましくは2質量部以下である。
チオール系化合物の配合量も、懸濁重合法の場合と同様、単量体成分総量に対して0.05質量部〜10質量部とするのが好ましく、より好ましくは1質量部〜10質量部である。
上記酸化防止剤及びチオール系化合物は、それぞれを単独で用いても、また、併用してもよく、配合量も上記範囲内とするのが好ましい。
シード粒子は、水と乳化剤を含む反応溶媒中で、単量体成分を分散、重合させる事で得られる。単量体成分としては、上述の(メタ)アクリル系モノマー、スチレン系モノマーこれと共重合可能なモノマーのいずれも使用可能である。
上記乳化剤としては、上述の各種界面活性剤を使用できるが、中でも、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。乳化剤の使用量は、単量体成分の種類や所望の粒子径によって適宜選択すればよいが、通常、シード粒子の原料として用いる単量体成分100質量部に対して0.01質量部〜10質量部とするが好ましい。より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、8質量部以下とするのがより好ましく、さらに好ましくは5質量%以下である。
重合開始剤も、上記懸濁重合法の場合と同様、非ニトリル−アゾ系重合開始剤を使用する。使用量は、単量体成分100質量部に対して0.1質量部〜10質量部とするのが好ましい。より好ましくは0.3質量部〜5質量部であり、さらに好ましくは0.5質量部〜3質量部である。
シード粒子の製造時の反応温度は20℃〜70℃とするのが好ましい。シード粒子の粒子径は、重合体微粒子の用途に応じて適宜決定すればよいが0.1μm〜5μmであるのが好ましい。
次いで、得られたシード粒子に重合性単量体成分(好ましくは、単量体成分と、酸化防止剤及び/又はチオール系化合物及び重合開始剤とを含む単量体組成物)を吸収させる(吸収工程)。このとき使用する単量体成分の組成は、シード粒子と同じ組成であってもよく、また、所望の用途や物性に応じて変更してもよい。なお、単量体成分は、上記単量体組成物を、乳化剤を用いて反応溶媒(好ましくは水)に乳化させたプレエマルション(単量体分散液)の状態でシード粒子の懸濁液中に添加するのが好ましい。
乳化剤としては、シード粒子の製造で使用したものと同じのものが挙げられ、配合量は、プレエマルションに含まれる単量体成分100質量部に対して0.01質量部〜10質量部とするが好ましい。より好ましくは0.05質量部〜8質量部であり、さらに好ましくは0.5質量部〜5質量部である。また、重合開始剤としては、懸濁重合の場合と同様のものが使用可能である。重合開始剤の使用量は、プレエマルションに含まれる単量体成分100質量部に対して0.01質量部〜20質量部とするのが好ましい。より好ましくは0.1質量部〜10質量部であり、さらに好ましくは0.5質量部〜5質量部である。
吸収工程は0℃〜70℃で行うのが好ましく、より好ましくは15℃〜40℃である。
シード粒子が単量体成分(好ましくは、単量体成分と、酸化防止剤及び重合開始剤を含む単量体組成物)を吸収したことを確認した後、シード粒子内の重合性単量体を重合させる(重合工程)。尚、重合性単量体が吸収されたことは、吸収工程前後のシード粒子の粒子径を顕微鏡で観察することにより確認できる。すなわち、吸収工程終了後の粒子径が吸収工程開始前の粒子径に比べて大きくなっていれば、シード粒子内に単量体成分が吸収されていると判断できる。
重合反応を開始させる方法も特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤を用いる方法、あるいは、紫外線や放射線を照射する方法、熱を加える方法などにより重合反応系内にラジカルを発生させて、重合性単量体成分をラジカル重合させる方法等が挙げられる。また、これらの方法は組み合わせて採用してもよい。
重合工程の反応条件(温度、時間、pH)は、懸濁重合法の場合と同様の条件が採用できる。また、必要に応じて各種添加剤を使用してもよい。
上記ラジカル重合反応により生成した重合体微粒子は、乾燥、さらに必要により分級など工程に供してもよい。なお、乾燥は180℃以下で行うのが好ましく、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。乾燥機としては、箱型乾燥機などが使用できる。また、乾燥時の酸素濃度は、10容量%以下とするのが好ましい。より好ましくは5容量%以下であり、さらに好ましくは2容量%以下である。
以上説明した、特定の重合開始剤を使用して、酸化防止剤及び/又はチオール系化合物等の存在下、重合反応を行うことにより得られる本発明の重合体微粒子は、耐熱性に優れるのみならず、初期b値の値が低く、且つ、経時における色調の変化も生じ難いものである。さらに、安全性を備えることに加えて、特定サイズ以下の微小な粒子の含有量も低減されている。したがって、本発明の重合体微粒子は、様々な用途、例えば、LCD等に用いる光拡散シートや導光板、あるいは、PDP、ELディスプレイおよびタッチパネル等に用いる光学用樹脂に含有させる光拡散剤やアンチブロッキング剤などの添加剤といった光学用途や、各種フィルム用のアンチブロッキング剤、滑剤などとしても好適に用いられる。
次に、本発明の重合体微粒子を上記用途に用いる場合について説明する。本発明の重合体微粒子を各種用途の添加剤として用いる場合には、本発明の重合体微粒子をバインダー樹脂など他の構成成分と混合した樹脂組成物として使用するのが好ましい。
上記樹脂組成物中に含まれる重合体微粒子量は、樹脂組成物の用途や所望の特性に応じて適宜決定すれば良いが、通常、光拡散板などの光学用途に用いる場合であれば(下記(I)の態様)、バインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部以上、20質量部以下とするのが好ましい。より好ましくは0.05質量部以上であり、さらに好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは10質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以下である。また、フィルム等の基材上に上記樹脂組成物を含む塗布液を塗工して得られる光拡散シートとして用いる場合であれば(下記(II)の態様)、バインダー樹脂100質量部に対して5質量部以上、600質量部以下とするのが好ましい。より好ましくは10質量部以上、500質量部以下であり、さらに好ましくは20質量部以上、400質量部以下である。重合体微粒子の含有量が多すぎる場合には、この樹脂組成物を使用して得られる成形体の強度が低下する場合があり、一方、少なすぎる場合には、重合体微粒子の使用により得られる効果(光拡散性など)が得られ難い場合がある。
上記樹脂組成物中に含まれる透明のバインダー樹脂は、特に限定されず、当該分野においてバインダー樹脂として使用されるものはいずれも用いることができる。例えば、(I)本発明の樹脂組成物を用いて形成される部材が、当該樹脂組成物そのものを板状、シート状などの形状に成形したものである場合(バインダー樹脂を、板状、シート状成形体の基材樹脂とする場合)であれば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、およびトリアセチルセルロース樹脂などが挙げられる。
また、(II)成形される部材が、予め準備された板状やシート状などの基材表面に、本発明の樹脂組成物を積層(コーティング、ラミネートなど)して一体化させて成るものである場合、バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、および、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、上記重合体微粒子および透明のバインダー樹脂以外にも、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、耐光性や耐UV性などの物性を高めるための紫外線吸収剤、架橋剤、蛍光増白剤、難燃剤などの各種添加剤などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上述のように、本発明の重合体微粒子は耐熱性に優れ、また、微小粒子の含有量が低減されたものであるため、上述の樹脂組成物から成形体を製造する場合にも加熱による劣化が生じ難く、また、上記透明のバインダー(または基材)樹脂中に本発明の重合体微粒子が分散、固定された成形体であるため、微粒子の熱変色に基づく着色が抑制されて無色性、透明性、光拡散性に優れ、高い輝度および高い透過性など優れた光学特性を発現することもできる。したがって、画像表示装置内において、光源からの光を画像表示面に均一に拡散させる光拡散シート(フィルム)や光拡散板などの光学用部材にも好適に用いられる。なお、成形体の形状はシート状(フィルム状)や板状に限られず、柱体、錐体、球などの成形体であっても良い。
例えば、本発明に係る樹脂組成物から得られる成形体が、光拡散シート(フィルム)のようなシート(フィルム)状の成形体である場合、その形態としては、面状部分を有し、バインダー樹脂により、重合体微粒子が固定されてなる構成を少なくとも一部に有している形態が挙げられる。例えば、(i)樹脂組成物そのものを、板状、または、シート状に成形した形態(光拡散板)、(ii)予め準備した板状やシート状の基材表面の一部または全体に、上記樹脂組成物から成る層を積層し、一体化させた形態(光拡散シート)等が挙げられる。上記(i)、(ii)のいずれの形態の場合にも、透明バインダー樹脂中に本発明の重合体微粒子が分散固定されているため、優れた光学特性を発揮することができる。
尚、上記「面状部分を有する」とは、一般的には、光学部材の形状が板状、シート状あるいはフィルム状のように、一定の面積の広がりを持った実質的に平らな表面部分がその形状の主たる構成要素となっていることを言うが、本発明では、係る態様には限られず、主たる構成要素ではなくても、その形状の少なくとも一部に実質的に平らな表面部分を有していれば良い。
上記(i)の形態の成形体を製造する方法としては、上述の樹脂組成物を公知の押出機により溶融混練しながら押し出して板状(厚さ:1mm以上)、シート状(厚さ:200μm〜1mm未満)およびフィルム状(厚さ:1μm〜200μm未満)に成形する方法が挙げられる。また、フィルム状に成形された成形体を、従来公知の延伸装置を使用して一軸または二軸方向に延伸して、薄膜状の延伸フィルム(厚さ:5μm〜100μm)に成形することもできる。このとき、必要に応じて、耐光性や耐UV性などの物性を高めるため、上記樹脂組成物に各種添加剤や安定剤および難燃剤などの添加物を加えて成形してもよい。光学特性の均一な成形体を得るためには、上記樹脂組成物は、予め、バインダー樹脂中に本発明の重合体微粒子を混合し、分散させておくことが好ましい。また同様に、上記添加物も樹脂組成物と混合しておいてもよい。
上記(ii)の形態の成形体を得る方法としては、予め準備した基材表面に、上記樹脂組成物からなる層を積層する方法が挙げられる。積層方法は特に限定されず、上記樹脂組成物を有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチルなどのエステル類など)に分散、溶解させて、これを基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;トリアセチルセルロース;シクロポリオレフィン、非晶質ポリオレフィンなどのオレフィン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート樹脂系ポリマー;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂など)上に塗布すればよい(コーティング法、キャスト法など)。具体的な塗布方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、およびスプレーコート法等の公知の積層方法が挙げられる。
また、基材表面に上記樹脂組成物を積層した後、従来公知の延伸装置により、樹脂組成物が積層された基材を一軸、または二軸方向に延伸させて延伸フィルムとしてもよい。この際、樹脂組成物の塗布のタイミングは特に限定されず、フィルムの製造工程のいずれかの段階で、上記樹脂組成物層を形成する方法(インライン方式)を採用し得る。また、上記基材を延伸して延伸フィルムを得た後、当該フィルム上に樹脂組成物からなる層を形成する方法(オフライン方式)も採用できる。
上記樹脂組成物から得られる成形体としては、上述のように、光拡散板、光拡散シート、光拡散フィルム等の光学用部材、包装資材に用いられるアンチブロッキングフィルムなどが挙げられる。特に本発明の重合体微粒子はAIBNに由来する毒性を有する分解生成物が含まれていないので、食品包装資材としても好適に用いられる。尚、上記成形体が光拡散シートならびに光拡散フィルムである場合は、その膜厚が300μm以下であるのが好ましく、光拡散板である場合は、その厚みが8mm以下であるのが好ましく、アンチブロッキングフィルムである場合は、その厚みが0.5mm以下であるのが好ましい。
光拡散板は、上記(i)の形態の成形体の製造方法に従って製造すればよい。すなわち、上記樹脂組成物を公知の押出機により溶融混錬しながら押し出して所望の厚み、形状に成形すればよい。光拡散板を製造する場合には、上述のバインダー樹脂の中でも、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを使用するのが好ましい。
なお、樹脂組成物を溶融押出する際には、予め、上記重合体微粒子を一部のバインダー樹脂と溶融混錬してマスターバッチとしてから用いてもよく、また、押出機に供給する際に、上述のバインダー樹脂と上記重合体微粒子とを混合して用いてもよい。成形体における重合体微粒子の偏析を防止する観点からは、マスターバッチとして用いるのが好ましい。
光拡散フィルムは、上記(ii)の形態の成形体の製造方法に従って製造すればよい。すなわち、予め用意した基材上に、上記樹脂組成物を用いて調製した塗布液(必要に応じて有機溶媒を含む)を塗布して、樹脂組成物層を形成すればよい。光拡散フィルムを製造する場合には、上述のバインダー樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂を使用するのが好ましい。
なお、光拡散フィルムは、上記(i)の形態の製造方法に従って製造することもできる。また、必要に応じて得られた成形体を、一軸あるいは二軸方向に延伸してもよい。
アンチブロッキングフィルムは、上記(i),(ii)いずれの形態の製造方法に従っても製造することができる。(i)の形態の製造方法に従って製造する場合、具体的には、フィルムの基材樹脂と、本発明の重合体微粒子(アンチブロッキング剤として用いる)とを混合した樹脂組成物を熱溶融させてフィルムに成形すればよい。上記基材樹脂としては、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル等が挙げられる。
本発明の重合体微粒子をアンチブロッキング剤として用いるときの重合体微粒子の配合量は、例えば、熱可塑性樹脂に対して0.001〜5質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.005〜3質量%であり、さらに好ましくは0.01〜2質量%である。通常、このような少量を配合することは難しいので、予め、所定量の重合体微粒子を配合したマスターバッチを製造し、熱可塑性樹脂に当該マスターバッチを配合してフィルム用熱可塑性樹脂を製造し、その後、上記フィルム用熱可塑性樹脂組成物を熱溶融させてフィルムに成形すればよい。フィルムの延伸が必要であれば、従来公知の延伸装置を用いて延伸処理を行えばよい。このとき、延伸装置としては、従来公知の延伸装置が使用可能であり、また、溶融温度、延伸倍率などの条件も、使用する基材樹脂やフィルムの用途に応じて適宜決定すればよい。
また、アンチブロッキングフィルムは、上記(ii)の形態の成形体の製造方法に従って製造することもできる。すなわち、予め用意した基材上に、樹脂組成物とバインダー樹脂とを含む塗布液を塗布して、樹脂組成物層を形成すればよい。
本発明の重合体微粒子は良好な耐熱性を備えている。したがって、本発明の重合体微粒子をアンチブロッキング剤として使用すれば、樹脂組成物をフィルムに加工する際に高い加工温度に曝されても重合体微粒子が変色し難いので、フィルムの着色が抑制される。また、本発明の微粒子は、AIBNに由来する有害な分解性生物を含んでいないため、上記アンチブロッキングフィルムは、一般包装資材、食品包装フィルム等の食品包装資材、或いは、医薬品包装フィルム等の医薬品包装資材として好適に用いられる。
本発明の重合体微粒子は、上述した光学用材料やフィルム用アンチブロッキング剤以外にも、例えば静電荷像現像用トナー用添加剤、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤、液晶表示パネルのギャップ調整剤、コールターカウンターの表示粒子、免疫診断薬用担体、化粧料用添加剤などとしても好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。但し、書き実施例は、本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、特に断らない限り、質量部を「部」、質量%を「%」と表すことがある。各種測定及び評価は、以下の方法に従って行った。
[分解温度]
重合体微粒子の熱分解開始温度は、熱分析装置(DTG−50M、株式会社島津製作所製)を使用して、試料量15mg、昇温速度10℃/分(最高到達温度500℃)、空気中、流量20ml/分の条件で測定した。まず、精密天秤を使用して、規定のアルミカップに15mgの試料を計り取り、このアルミカップを熱分析装置の所定の位置にセットし、空気が規定流量(20ml/分)流れるように調整し、装置が安定した後、昇温を開始した。このとき得られたTG曲線のベースライン(水平線部)の延長線と、質量減少部分(右下がりの斜線部)の接線との交点を重合体微粒子の熱分解開始温度とした。
[色差]
下記実験例で得られた重合体微粒子35gをポリエチレン製の無色透明の袋(80mm×60mm)に詰め、袋の厚みを1.5cm程度にした測定試料を作製した。色差計(商品名「SE−2000」、日本電色工業社製)を使用し、試料測定前に標準白色板を測定して補正した後、試料の測定を行った。色差は、製造直後、加熱試験後の重合体微粒子についてそれぞれ測定し、製造直後の値を初期b値、加熱試験後の値を加熱後b値とし、これらの差(加熱後b値−初期b値)をΔb値として表に示した。
なお、加熱試験は次のようにして行った。重合体微粒子約100gを15cm×20cmの容器に広げ、これを100℃に加熱した熱風乾燥機内に1時間放置した後、取り出し、空気中で室温まで放冷した。加熱試験後の重合体微粒子についても同様の方法で色差測定を行った。
[重合体微粒子中の酸化防止剤(リン系、フェノール系)の含有量−1]
試料溶液の調製
秤量した試料(重合体微粒子)1gをクロロホルム10mlと混合し、超音波処理を行い微粒子中の溶解成分を抽出した。得られた溶液にメタノール100mlを加えてポリマー成分を不溶化させた後、ろ過し、得られた溶液を濃縮した。次いで、ここにクロロホルムを2ml加えて希釈し、さらにアセトニトリルを加えて全量を10mlとした。得られた溶液を、孔径0.45μmのフィルターでろ過して、試料溶液とした。
標準溶液の調製
25mlメスフラスコに下記実施例、比較例で使用した酸化防止剤12mgを秤量し、クロロホルム5mlを加えて溶解させた後、アセトニトリルで希釈して25ml溶液(濃度480ppm)を調製した。この溶液を適宜アセトニトリルで希釈して標準溶液(96ppm,19.2ppm,3.8ppm)とした。この標準溶液を高速液体クロマトグラフィー(株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、カラム:株式会社資生堂製「CAPCELL PAK MG」膜厚5μm、1.5mmID×150mm、検出器:フォトダイオードアレイ)により分析し、検量線を作成した。
酸化防止剤(リン系、フェノール系)の含有量の測定
上記手順により調製した試料溶液を、高速液体クロマトグラフィー(株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、カラム:株式会社資生堂製「CAPCELL PAK MG」膜厚5μm、1.5mmID×150mm、検出器:フォトダイオードアレイ)により分析し、予め標準溶液で作成した検量線から、下記実施例および比較例の重合体微粒子に含まれる酸化防止剤量を算出した。なお、測定条件は以下の通りである。
測定条件
カラム恒温槽 :40℃
溶離液 :メタノール/アセトニトリル=50/50
流量 :100μl/min
サンプル注入量 :10μl
検出波長 :280nm
[重合体微粒子中の酸化防止剤(硫黄系)の含有量−2]
試料溶液の調製
秤量した試料(重合体微粒子)0.2gを、±α−トコフェロール(5%トルエン溶液)1mlおよびクロロホルム3mlの混合溶液中に入れ、15分間、超音波処理を行い微粒子を分散させ、室温で静置し、重合体微粒子中の硫黄系酸化防止剤を抽出した。15時間経過後、再度15分間の超音波処理を行い、2昼夜室温にて静置し、重合体微粒子中の硫黄系酸化防止剤を抽出した。その後、抽出液を孔径0.45μmのディスクフィルターでろ過した後、溶媒を留去し、得られた残留物全量をトルエン15mlに溶解させて、試料溶液とした。
標準溶液の調製
溶媒としてトルエンを使用したこと以外は、上記[酸化防止剤の含有量−1]と同様の方法で標準溶液(96ppm,19.2ppm,3.8ppm)を調製し、液体クロマトグラフ質量分析計(LS−MS、株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、検出器:サーモクエスト社製「LC-Q DECA XP」)により分析し、検量線を作成した。
硫黄系酸化防止剤の含有量の測定
上記手順により調製した試料溶液を、高速液体クロマトグラフィー(株式会社資生堂製「NANOSPACE SI−2」、検出器:サーモクエスト社製「LC-Q DECA XP」)により分析し、予め標準溶液で作成した検量線から、下記実施例および比較例の重合体微粒子に含まれる硫黄系酸化防止剤量を算出した。なお、測定条件は以下の通りであり、下記条件により5回測定し、得られた測定値の平均値を含有量とした。
測定条件
検出方法(方式):イオントラップ型
検出条件 :イオン化法
APPI法 正イオン検出 M/z:50〜2000
APPI法 負イオン検出 M/z:50〜2000
カラム温度 :45℃
溶離液 :トルエン
流速 :100μl/min
[重合体微粒子中の硫黄元素含有量]
重合体微粒子に含まれる硫黄元素の含有量は、後記実施例・比較例で得られた重合体微粒子を酸水溶液で分解したものを試料とし、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析装置(ICP、島津製作所製「ICPE−9000」)により定量した。
[平均粒径(中位径)、体積基準最頻度粒子径、個数基準最頻度粒子径、変動係数]
重合体微粒子0.4gを、界面活性剤(「ネオペレックス(登録商標)G−15」、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製)2gに十分に馴染ませた後、イオン交換水30gに分散させて重合体微粒子分散液を調製した。
測定は、ディスク遠心式高分解能粒度分布測定装置(「DC12000」、CPS Instruments社製)を使用し、当該装置に付属の取扱説明書に記載の測定方法に従い行った。まず、所定濃度(8%,10%,12%,14%,16%,18%,20%,22%,24%)のショ糖溶液を調製した。次いで、ディスク状の測定溶媒槽を、円心から円周に向かってショ糖濃度が高くなるように予め調製したショ糖溶液で満たした。なお、測定溶媒槽の最外層(円周部分)は、ドデカン(油層)で覆われている。
上記付属の取り扱い説明書に記載の粒子径既知の標準試料分散液(0.1ml、平均粒子径0.46μm)を用いて、機器の校正を行った後、上記重合体微粒子分散液を試料注入口から注入し、下記測定条件により測定を行い、体積基準および個数基準の最頻度粒子径、平均粒子径および粒子径の変動係数を求めた。なお、当該測定においては、最頻度粒子径(体積基準、個数基準)は、0.3μmを測定下限とした。
測定条件
測定粒子径幅 :0.3μm〜15μm
粒子の屈折率 :1.5
粒子の比重 :1.385g/ml
粒子の球形度 :1
校正用標準粒子の粒子径:0.46μm
校正用標準粒子の密度 :1.385g/ml
ショ糖溶液の密度 :1.044g/ml
ショ糖溶液の屈折率 :1.36
ショ糖溶液の粘度 :1.268cps
粒子径の変動係数(%)=(σ/d50)×100
ここで、σは粒子径の標準偏差、d50は、質量基準の平均粒子径を示す。
なお、表1中、「平均粒子径」とは、個数基準、体積基準のそれぞれの粒度分布における積算分布で50%の粒子径を意味する。また、「微粒量」とは、下記実験例で得られた重合体微粒子に含まれる微小な粒子を意味し、ここで、上記微粒量は、個数基準の粒度分布図において、[(体積最頻度粒子径)×50%]の値を基準として、前記式の値以下の粒子径を有する粒子の量を示している。なお、微粒量の判定基準は、上記微粒量が45%を超えるもの「微小粒子量が多い」、45%以下のものを「微小粒子量が少ない」として評価した。
[重合体微粒子中のテトラメチルサクシノニトリル含有量]
1)試験溶液の調製
下記実施例及び比較例で得られた重合体微粒子0.5gをメタノール20ml中で1時間還流抽出操作を行い、得られた抽出液をろ過し、ろ液をメタノールで50mlに定溶し、試験溶液を調製した。
2)標準溶液の調製
TMSN(テトラメチルサクシノニトリル)50mgをアセトンに溶解し、50mlに定溶し、標準原液を調製した。この標準原液をメタノールで希釈し、各種濃度の標準溶液を調製した(0.05μg/ml,0.1μg/ml,0.5μg/ml,1μg/ml)。
3)ガスクロマトグラフ−質量分析計による測定
標準溶液及び試験溶液について、下記条件でガスクロマトグラフ−質量分析計により下記実施例で得られた重合体微粒子に含まれるテトラメチルサクシノニトリル量を測定した。
測定条件
機 種 :QP−5050A(株式会社島津製作所製)
カラム :DB−5MS(J&W SCIENTIFIC)
φ0.25mm×30m,膜厚0.25μm
注入方法 :スプリット(5:1)
注入量 :1μl
温 度 :注入口:80℃、
カラム:60℃,5分間保持 → 10℃/min昇温 → 160℃
ガス圧力 :ヘリウム(キャリアーガス)100kPa
イオン源温度:280℃
イオン化電圧:70eV
イオン化法:EI
設定質量数:m/z 69.54
重合体微粒子の作製
実験例1
攪拌器、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(「ハイテノール(登録商標)NF−08」、第一工業製薬株式会社製)1部を溶解した脱イオン水溶液150部と、予め調製しておいたメタクリル酸メチル75部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)25部、ラウリルパーオキサイド(LPO)2部およびチオサリチル酸(TSA)1部を溶解した単量体溶液を仕込んだ後、T.K.ホモジナイザー(特殊機械工業(株)製)により8000rpmで5分間攪拌して均一な懸濁液とし、さらに、脱イオン水150部を添加した。
ついで、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら液温が65℃になるまで加熱して、反応容器を65℃で保温した。自己発熱により液温が75℃に到達した時点を反応開始とし、この温度で1.5時間攪拌した後、更に、液温を85℃まで昇温させて、2時間攪拌して重合反応を完了させた。その後、反応液を冷却、濾過し、重合生成物を熱風乾燥機で80℃3時間乾燥して、重合体微粒子1を得た。
得られた重合体微粒子1の平均粒子径(中位径、以下同様)は1.02μmであった。
実験例2
重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2部を用いたこと以外は、実験例1と同様にして重合体微粒子2を得た。
得られた重合体微粒子2の平均粒子径は1.04μmであった。
実験例3
重合開始剤として非ニトリル−アゾ系開始剤(「V−601」、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、和光純薬工業株式会社製)2部を用い、単量体溶液として、実験例1の単量体溶液に、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤(「Irganox(登録商標)1010」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.1部を添加したものを用いたこと以外は、実験例1と同様にして重合体微粒子3を得た。
得られた重合体微粒子3の平均粒子径は1.06μmであった。
実験例4
重合開始剤として非ニトリル−アゾ系開始剤(「V−601」)2部を用いたこと、単量体溶液として、実験例1の単量体溶液に、さらにチオール系化合物としてPETG(ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、淀化学社製)0.5部を添加したものを用いたこと以外は、実験例1と同様にして重合体微粒子4を得た。
得られた重合体微粒子4の平均粒子径は1.06μmであった。
実験例1〜4の配合組成および得られた重合体微粒子1〜4の評価結果を表1に示す。
なお、表1中、「MMA」はメタクリル酸メチル、「TMPTMA」はトリメチロールプロパントリメタクリレートを意味する。
表1より、過酸化物系重合開始剤を用いた実験例1の重合体微粒子ではdn/dwの値が0.38であり、微粒量も多かったのに対して、非ニトリル−アゾ系開始剤を用いた実験例3,4のdn/dwの値は、0.51(実験例3)、0.52(実験例4)で、微粒量も少ないものであった。また、実験例3,4は、AIBNを用いた実験例2の微粒子(従来例)と同等の微粒量であった。
これらの結果より、非ニトリル−アゾ系の開始剤を用いる場合であっても、チオール系化合物や酸化防止剤を併用することで、従来の重合体微粒子と同等の微粒子の含有量および熱分解開始温度を有し、且つ、有害な分解生成物を含まない重合体微粒子が得られることが分かる。
また、実験例1と3の粒度分布(個数基準、体積基準、図2〜5)を比較すると、体積基準の粒度分布では、同程度の最頻度粒子径を示しているが、個数基準の粒度分布では、個数基準の最頻度粒子径と体積基準の最頻度粒子径との比dn/dwが0.45未満の実験例1(dn/dw=0.38)では、実験例3(dn/dw=0.51)に比べて粒子径の小さな粒子の量が少ないことがわかる(図3,5)。また、実験例3は、微小な粒子の量が38.8%と、実験例1に比べて少ないものであった。すなわち、個数基準の最頻度粒子径と体積基準の最頻度粒子径との比dn/dwより、重合後の微粒子に含まれる微小粒子量を判断でき、dn/dwが0.45以上の場合には、所定サイズの微小な粒子の含有量が低減された重合体微粒子であることが分かる。
本発明の重合体微粒子は、耐熱性に優れ、粒度分布が狭いのみならず、微小な粒子の含有量も低減されている。したがって、他の樹脂などと混合した後、高温下に曝されても重合体微粒子の劣化、さらには成形品への不良(着色など)を生じ難いものであり、また、粒度分布に関して、より高いレベルの精度での制御が求められる用途にも好適である。さらに、本発明の重合体微粒子は、特定の重合開始剤に由来する有毒な分解生成物(副生成物)の含有量が少ないか又は全く含んでいないため、医療、食品分野を含む幅広い分野で使用することができる。具体的には、本発明の重合体微粒子は、樹脂フィルム用アンチブロッキング剤、各種ディスプレイ装置に光拡散性や反射防止防眩性を付与する光学樹脂材料、液晶用スペーサー、静電荷像現像用トナー用添加剤、粉体塗料および水分散体型塗料、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用充填剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤、光拡散剤、研磨剤等、電気・電子材料用途、光学材料、化成品といった様々な分野に適用可能である。特に、食品包装資材のアンチブロッキング剤等の各種添加剤として好適に用いられる。
本発明の重合体微粒子の形態を示す模式図である。 重合体微粒子1の粒度分布(体積基準)を示す図である。 重合体微粒子1の粒度分布(個数基準)を示す図である。 重合体微粒子3の粒度分布(体積基準)を示す図である。 重合体微粒子3の粒度分布(個数基準)を示す図である。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル系単量体を含む単量体成分と、非ニトリル−アゾ系ラジカル重合開始剤を含む単量体組成物を重合してなる重合体微粒子であって
    上記単量体組成物がさらにヒンダードフェノール系酸化防止剤及び/又はチオール系化合物を含むか、又は、上記重合体微粒子を、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と混合、若しくはヒンダードフェノール系酸化防止剤を溶解あるいは分散させた酸化防止剤溶液中に浸漬させてなり、
    熱分解開始温度が310℃以上であり、
    体積基準の最頻度粒子径(dw)が0.1μm〜20μmであり、
    体積基準の最頻度粒子径(dw)に対する個数基準の最頻度粒子径(dn)の比dn/dwが0.45以上であり
    記チオール系化合物が、分子量200以上の多官能チオール系化合物を含み、且つ、
    テトラメチルスクシノニトリルの含有量が、重合体微粒子中100ppm以下であることを特徴とする耐熱性に優れた重合体微粒子。
  2. さらにチオサリチル酸をチオール系化合物として含む請求項1に記載の重合体微粒子。
  3. 体積基準の粒度分布における最頻度粒子径の50%以下の粒子径を有する微小な粒子の重合体微粒子中における含有量が45%以下である請求項1または2に記載の重合体微粒子。
  4. 上記単量体成分がさらに架橋性(メタ)アクリル系単量体を含む請求項1〜3のいずれかに記載の重合体微粒子。
  5. 上記重合体微粒子が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオール系化合物、チオール系化合物がポリマー鎖末端に結合した成分よりなる群から選ばれる1種以上を含む請求項1〜4のいずれかに記載の重合体微粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体微粒子の製造方法であって、
    (メタ)アクリル系単量体を含むラジカル重合性単量体100質量部、非ニトリル−アゾ系ラジカル重合開始剤0.1質量部〜10質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05質量部〜5質量部及び/又はチオール系化合物0.05質量部〜10質量部を含む単量体組成物をラジカル重合させることとし、上記チオール系化合物は分子量200以上の多官能チオール系化合物を含むことを特徴とする重合体微粒子の製造方法。
  7. さらに、単量体組成物がチオサリチル酸をチオール系化合物として含む請求項6に記載の重合体微粒子の製造方法。
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