JP6887804B2 - 紡績用エプロンバンド - Google Patents

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Description

本発明は、紡績の様々な工程において、繊維や繊維束を牽伸する際に使用される紡績用エプロンバンドに関する。
紡績用途では、繊維や繊維束を牽伸するドラフト装置が利用されている。図4は、ドラフト装置を模式的に示す側面図である。ドラフト装置は、エプロンバンドが装着された中央の一対の第1ローラ110a,110bと、この一対の第1ローラ110a,110bを挟むように配置された一対の第2ローラ111a,111bおよび一対の第3ローラ112a,112bとを備えている。第1ローラ110a,110bのそれぞれの周面の一部に接触するように、それぞれ、エプロンバンド101a,101bが装着されている。エプロンバンド101a,101bの外周面の所定の領域がそれぞれ繊維束Fに接触するように、テンサーバー104a,104bが配置されている。そして、エプロンバンド101aは、第1ローラ110aとテンサーバー104aとに架け渡されている。同様に、エプロンバンド101bも、第1ローラ110bとテンサーバー104bとに架け渡されている。繊維束Fは、第2ローラ111a,111bから第3ローラ112a,112bに向かって送られ、これらのローラを通過する間に牽伸される。
エプロンバンドは、繊維束や繊維と接触させるため、ある程度の柔軟性が求められる。そのため、従来は、ゴム製のエプロンバンドが使用されている(特許文献1)。エプロンバンドの内側は、テンサーバーに対する摺動性が求められるため、一般に、ゴム製のエプロンバンドの表面は酸処理されている。また、エプロンバンドの内側に低摩擦係数を有する潤滑被覆層を接着剤で接着させることも提案されている(特許文献2)。
特開平10−102328号公報 実公昭61−11243号公報
しかし、特許文献1や特許文献2のエプロンバンドでは、耐久性が低い。
本発明の一局面は、ゴム層と、前記ゴム層に接合した樹脂層とを含み、
前記ゴム層は、ニトリルゴムとエチレンプロピレンジエンゴムとを含み、
前記樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含み、
前記ニトリルゴムと前記エチレンプロピレンジエンゴムとの質量比が、45:55より大きい、紡績用エプロンバンドに関する。
本発明によれば、耐久性に優れた紡績用エプロンバンドを提供できる。
本発明の一実施形態に係るエプロンバンドの厚み方向の断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係るエプロンバンドの厚み方向の断面模式図である。 本発明の別の実施形態に係るエプロンバンドの厚み方向の断面模式図である。 エプロンバンドを備える一般的なドラフト装置を模式的に示す側面図である。
[紡績用エプロンバンド]
本発明の一局面に係る紡績用エプロンバンドは、ゴム層とゴム層に接合した樹脂層とを含む。ゴム層は、ニトリルゴムとエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)とを含む。樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む。ニトリルゴムとEPDMとの質量比は、45:55より大きい。なお、ゴム層と樹脂層が接合しているとは、エプロンバンドがゴム層と樹脂層との接着界面を有することを意味する。
ゴム層がニトリルゴムを含むことで、高い柔軟性や繊維の保持性を確保することができる。また、ゴム層に含まれるEPDMとポリオレフィン系樹脂を含む樹脂層との組み合わせにより、ゴム層と樹脂層との高い親和性も確保することができる。よって、接着剤を用いずにゴム層と樹脂層とを接合させることができ、高い接合性を確保することができる。また、ニトリルゴムとEPDMとの質量比が、45:55より大きいことで、高い耐摩耗性が得られるとともに、樹脂層は、ゴムに比べて強度や耐薬品性に優れている。よって、エプロンバンドの耐久性を向上できる。また、高い寸法安定性を得ることもできる。さらに、エプロンバンドの厚みを薄くしてもエプロンバンドの強度を確保し易い。樹脂層をエプロンバンドの内側に配置する場合には、テンサーバーに対する高い摺動性が得られ易いため、従来の酸処理なども不要になる。接着剤を付与する工程や酸処理工程を減らすことができるため、コスト的にも有利である。
本発明に係るエプロンバンドでは、ゴム層と接合した樹脂層を備えることにより、強度や寸法安定性を確保することができるため、その他の層構成は特に制限されない。エプロンバンドは、ゴム層と樹脂層との二層構造でもよく、それ以上の多層構造であってもよい。
ゴム層は繊維の保持性に優れているため、繊維と接触する側にはゴム層が配置されていることが好ましい。図1は、二層構造のエプロンバンドの一例を示す厚み方向における断面模式図である。より具体的に説明すると、エプロンバンド1は、繊維と接触する側の第1表面Aと、第1表面Aとは反対側の第2表面Bとを備えており、第1表面Aはゴム層2の表面であり、第2表面Bは樹脂層3の表面である。このようなエプロンバンドでは、第1表面側でゴム層により繊維を保持し易く、第2表面側で樹脂層によりテンサーバーに対する高い摺動性が得られる。
しかし、エプロンバンドでは、図1の例に限らず、例えば、第1表面側に樹脂層を配置し、第2表面側にゴム層を配置してもよい。また、エプロンバンドでは、2つのゴム層の間に双方のゴム層と接合した樹脂層が配置されていてもよく、樹脂層とゴム層とが交互に積層されて4層以上の多層構造を形成していてもよい。図2は、三層構造のエプロンバンドの一例を示す厚み方向における断面模式図である。エプロンバンド11は、2つゴム層2と、これらの間に介在し、双方のゴム層2と接合する樹脂層3とを備えている。第1表面Aおよび第2表面Bは、それぞれゴム層2の表面である。このようなエプロンバンドでは、少なくとも第2表面を酸処理することでゴム層にテンサーバーに対する摺動性を付与してもよい。
樹脂層を構成する樹脂の種類や組成は、ニトリルゴムやEPDMとの相溶性を考慮しながら選択すればよい。好ましい実施形態では、樹脂層がポリエチレンを含む。この場合、EPDMと樹脂層との組み合わせによりゴム層と樹脂層との高い親和性も確保し易い。よって、ゴム層と樹脂層とを高い強度で接合させることが可能となり、エプロンバンドの強度をさらに高めることができる。
エプロンバンドは、樹脂層を備えるため、高い強度が得られるが、さらに強度を高める観点から、内部に埋め込まれた芯糸をさらに含んでもよい。芯糸は、ゴム層および樹脂層のいずれに埋め込まれていてもよく、両層の間に両層に接触した状態で埋め込まれていてもよい。図3は、ゴム層に芯糸が埋め込まれている例を示す、エプロンバンドの厚み方向における断面模式図である。図示例では、エプロンバンド21は、第1表面A側に配置されたゴム層22と、ゴム層22と接合し、第2表面B側に配置された樹脂層3とを備えている。そして、ゴム層22内には、複数の芯糸24が埋め込まれている。
以下、エプロンバンドの構成についてより具体的に説明する。
(ゴム層)
ゴム層は、ニトリルゴムとEPDMとを含む。
ニトリルゴムとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンユニットの一部をイソプレンユニットで置換したアクリロニトリルブタジエンイソプレンゴム(NBIR)、これらの水素化物(例えば、水素化NBR)などが挙げられる。また、ニトリルゴムは、必要に応じて第3モノマーユニット(アクリロニトリルおよびブタジエン以外のモノマーユニット)の導入により変性されたものであってもよい。ゴム層は、これらのニトリルゴムのうち一種を含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。
ニトリルゴム中のアクリロニトリル(AN)ユニットの比率(結合AN量)は、例えば、18〜50質量%であり、30〜45質量%であることが好ましい。ANユニットの比率がこのような範囲である場合、高い耐油性や耐摩耗性が得られる。
ゴム層に含まれるゴム成分中に占めるニトリルゴムの割合は、45質量%より多いことが好ましく、耐摩耗性をさらに高める観点からは、50質量%以上がより好ましく、60質量%より多い(特に、65質量%以上である)ことがさらに好ましい。
EPDMは、エチレン−プロピレンゴムに、ジエン成分を導入したゴムである。ジエン成分としては、例えば、エチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。EPDMには、一種または二種以上のジエン成分が導入されていてもよい。
EPDM中のジエン成分(ジエン成分に由来する単位)の量は、例えば、1〜15質量%であり、4〜10質量%であることが好ましい。ジエン成分の量がこのような範囲であることで、ニトリルゴムとの共架橋構造を容易に構築することができる。
ゴム層(ゴム層中のゴム成分)において、ニトリルゴムとEPDMとの質量比(つまり、ニトリルゴムのEPDMに対する質量比)は、45:55より大きい。ニトリルゴムとEPDMとの質量比が45:55以下である場合、耐摩耗性が低くなり、実用上十分な耐久性が得られない。ゴム層の柔軟性を確保して、高い耐磨耗性が得られる観点からは、ニトリルゴムとEPDMとの質量比は、50:50以上であることが好ましく、60:40より大きい(特に、65:35以上である)ことがさらに好ましい。ニトリルゴムとEPDMとの質量比は、例えば、99:1以下であり、95:5以下または85:15以下であることが好ましい。高い接合性が得られる観点からは、ニトリルゴムとEPDMとの質量比は、85:15より小さいことが好ましく、80:20以下(特に、75:25以下)であることがさらに好ましい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。ニトリルゴムとEPDMとの質量比は、例えば、45:55より大きく99:1以下、45:55より大きく95:5以下、45:55より大きく85:15より小さい範囲、または50:50〜75:25であってもよい。
ゴム層のゴム成分は、ニトリルゴム(第1ゴム)およびEPDM(第2ゴム)以外のゴム(第3ゴム)を含んでもよい。第3ゴムとしては、EPDM以外のオレフィン系ゴム(エチレンプロピレンゴムなど)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴムなどが挙げられる。フッ素ゴムとしては、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系ゴム(FFKM)などが挙げられる。第3ゴムは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。ゴム層のゴム成分中に占めるニトリルゴムおよびEPDMの合計割合は、70質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましい。
ゴム層は、エプロンバンドで通常使用される添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加工助剤、可塑剤などが挙げられる。ゴム層を構成するゴム成分は、加硫剤(および必要により加硫促進剤)を用いて加硫させることが好ましい。
(樹脂層)
樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む。ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂層は、EPDMと相溶し易く、ゴム層と樹脂層との親和性も確保し易い。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
ポリオレフィン系樹脂としては、分子量が100万から1200万を有する超高分子量ポリエチレンが好適である。超高分子量ポリエチレンである場合、高い摺動性が得られ易く、高い耐久性が得られる。
樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂や添加剤などを含んでもよい。樹脂層に占めるポリオレフィン系樹脂の比率は、例えば、50質量%以上であり、75質量%以上であることが好ましい。
ゴム層と樹脂層との厚み比は、例えば、99:1〜50:50の範囲から選択することができる。厚み比がこのような範囲である場合、強度と柔軟性とのバランスに優れるエプロンバンドが得られ易い。
(芯糸)
芯糸としては、エプロンバンドに利用される芯糸が特に制限なく使用される。芯糸の材質および平均繊維径は、所望するエプロンバンドの特性などに応じて適宜決定される。芯材としては、例えば、木綿、麻、絹などの天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの合成繊維などが挙げられる。
複数の芯糸は、エプロンバンドの内部において、ランダムに配置されていてもよく、配列していてもよい。例えば、複数の芯糸は、芯糸の長さ方向が、筒状のエプロンバンドの幅方向に沿うように配列させてもよく、周方向に沿うように配列させてもよい。強度を高める観点からは、周方向に沿うように配列させることが好ましい。なお、幅方向に沿うまたは周方向に沿う場合には、必ずしも幅方向や周方向に平行である場合だけでなく、ある程度の角度が形成されている場合も含まれる。繊維の平均的な長さ方向と周方向とがなす角度θは、0°<θ<90°を満たし、0°<θ≦60°であってもよい。なお、繊維の平均的な長さ方向とは、任意に選択した1本の繊維において、任意の2点間を結ぶ直線の方向とする。
(その他)
エプロンバンドの厚みは、例えば、0.1〜8.0mmであり、0.5〜3.0mmであることが好ましい。
エプロンバンドは、例えば、筒状の芯材(鉄芯など)の周面に、樹脂層からなるシートを巻きつけて重なり部分を熱溶着させ、筒状の樹脂層の表面をゴム層で覆い、加熱下で全体を圧着させることにより製造できる。エプロンバンドの層構成に応じて、筒状の芯材の周面をゴム層で覆い、樹脂層からなるシートを巻き付けて、加熱下で全体を圧着させてもよい。加熱温度や圧着する際の圧力は、ゴム層や樹脂層の組成に応じて適宜決定できる。本実施形態では、ゴム層と樹脂層との間に、接着剤層を形成することなく、ゴム層と樹脂層とが接合されたエプロンバンドを得ることができる。ゴム層を構成するゴム成分は、適当な段階で、加硫剤や加硫促進剤を用いて加硫させることが好ましい。
芯糸をゴム層と樹脂層との間に埋め込む場合には、ゴム層とシートとの間に芯糸を配置し、圧着を行なえばよい。芯糸をゴム層や樹脂層中に埋め込む場合には、ゴム層や樹脂層を形成する際に芯糸を埋め込む。芯糸の埋め込みには、公知の方法が採用できる。
なお、必要に応じて、形成されたエプロンバンドのゴム層や樹脂層の表面に酸処理を行ってもよい。酸処理は、例えば、塩酸、次亜塩素酸などを用いて行なうことができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
NBR(日本ゼオン(株)製、Nipol1042S、AN比率:33.5質量%)と、EPDM(JSR(株)製、EP33、ENB含有量:8.1質量%、エチレン含有量:52質量%)とを、50:50(質量比)で混合し、ニーダーを用いて素練りした。得られた混合物(ゴム成分)100質量部に対して、充填剤として、塩化ビニル樹脂(新第一塩ビ(株)製、ZEST P−21)およびシリカ(エボニックジャパン(株)製、ULTRASIL VN3)をそれぞれ30質量部および15質量部、加硫剤として微粉イオウ(鶴見化学工業(株)製、200メッシュ品)1.5質量部、加硫促進剤としてN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーMSA−G)2質量部、加硫促進助剤として酸化亜鉛(堺化学工業(株)製、酸化亜鉛1種)3質量部、可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP、(株)ジェイ・プラス製)10質量部、加工助剤としてステアリン酸(花王(株)製、ルナックS−50V)1質量部とを、加え、ニーダーにより混練した。混練物を、押出成形機に充填して、未加硫のチューブ(厚み:1.5mm)を作製した。
ポリエチレン(淀川ヒューテック(株)製、ウルトラポリマー(UHMWPE)、融点:136℃)製のフィルム(厚み:50μm)を、加硫鉄芯に巻き付け、重なった部分を熱融着させて樹脂層を形成した。
未加硫のチューブを、樹脂層を形成した加硫鉄芯に嵌め入れ、この周面にラッピング用フィルムを巻いて締めつけた状態で、蒸気加硫缶内で、160℃で60分間の加硫を行い、チューブを加硫させた。
ラッピング用フィルムを取り外して、加硫鉄芯を脱芯し、加硫チューブの外周を円筒研磨盤で所定の厚みに調整したあと、所定の幅にカットすることにより、ゴム層(加硫チューブ)と樹脂層(ポリエチレン製フィルム)とが接合した筒状のエプロンバンド(厚み:1.0mm)を作製した。
実施例2〜10および比較例1〜4
NBRとEPDMとを、表1に示す質量比で混合して、素練りすることによりゴム成分を得たこと以外は、実施例1と同様にして、エプロンバンドを作製した。
比較例5
EPDMを用いずに、NBRのみをゴム成分として用いた。これ以外は、実施例1と同様にして未加硫のチューブを2つ作製した。
加硫鉄芯に、未加硫のチューブ(内層ゴム用)を嵌め入れ、未加硫チューブの周面に、有機溶剤に浸漬させた糸(綿糸カタン番手30番)をスパイラル状に巻きつけた。この周面にさらに、残りの未加硫チューブ(外層ゴム用)を被せ、この周面にラッピング用フィルムを巻いて締めつけた状態で、蒸気加硫缶内で、160℃にて60分間加硫を行い、内層ゴムおよび外層ゴムの双方のチューブを加硫させた。
ラッピング用フィルムを取り外して、加硫鉄芯を脱芯することにより加硫チューブを得た。加硫チューブを、塩酸および次亜塩素酸を含む水溶液に浸漬して、表面処理を施した。表面処理後、チューブの外周を円筒研磨盤で所定の厚みに調整したあと、所定の幅にカットした。得られたチューブを、再度、上記の水溶液に浸漬させて、表面処理を行った。このようにして、芯糸が埋め込まれた状態の筒状のエプロンバンド(厚み:1.0mm)を作製した。
実施例および比較例で得られたエプロンバンドを用いて、下記の試験を行なった。
(i)接着試験(強制剥離試験)について
実施例1〜10および比較例1〜4において得られたエプロンバンドから、短冊状のテストサンプル(縦7mm×横50mm×厚み1mm)を各例につき10個ずつ作製した。
テストピースについて引張応力を加えて行き、樹脂層とゴム層との剥離が先に発生するか、あるいはゴム層の破断が先に発生するかを下記A〜Cの基準で評価した。
A:90%以上のテストサンプルにおいて、フィルムの剥離よりも先にゴムの破断が生じる。
B:フィルムの剥離とゴムの破断との順序がばらつき、いずれが先に生じるか安定した結果が得られない。(つまり、AとCの中間的な結果である。)
C:90%以上のテストサンプルにおいて、ゴムの破断より先にフィルムの剥離が生じる。
(ii)耐摩耗性の試験について
実施例1〜10および比較例1〜4で得られた混練物を用いてテストピースを作製し、JISK6264:1993に準拠した摩耗試験装置を用いて耐摩耗性を評価した。テストピースを1000回転の馴染み運転を行い、その後に初期質量(m)を測り、本試験3660回転後のテストピースの質量(m)を測定し、下記式により質量変化率(質量%)を求め、下記のA〜Dの4段階の指標で評価した。
質量変化率(質量%)=(m−m)/m×100
A:質量変化率が、1質量%以上2質量%未満である。
B:質量変化率が、2質量%以上3質量%未満である。
C:質量変化率が、3質量%以上4質量%未満である。
D:質量変化率が、4質量%以上である。
(iii)摩擦係数の測定について
実施例5および比較例5において得られたエプロンバンドのテストサンプル(縦100mm×横20mm×厚み1.0mm)を作製し、テストサンプルの摩擦係数を測定した。より具体的には、実施例5では樹脂層側の表面の摩擦係数を測定し、比較例5では内層ゴム側の表面(つまりエプロンバンドの内層側の表面)の摩擦係数を測定した。
磨耗係数の試験条件としては、新東科学株式会社製の表面性測定機HEIDON Tribo−gear Type14を用いて、垂直荷重200gf(≒1.96N)、測定速度200mm/minの条件にて測定した。
Figure 0006887804
表1に示すように、実施例では、耐摩耗性の評価がA〜Cであり、実用上十分な耐摩耗性が得られている。なお、耐摩耗性は、A〜Cの評価であれば、精紡機などの繊維機械においてエプロンバンドとして用いられる際の負荷に対し、要望される製品寿命期間中耐えられると判断される。一方、比較例1〜4では、樹脂層とゴム層との接着性は高いものの、耐摩耗性は、D評価である。D評価では、製品寿命期間よりも短い期間で摩耗による損耗が起きてしまい、実用上十分な耐久性が得られない。樹脂層とゴム層との接着性を高める観点からは、ニトリルゴムとEPDMとの質量比は、85:15より小さいことが好ましい。
実施例5では、摩擦係数が小さくなった。摩擦係数の数値が小さいと、精紡機などの繊維機械に取り付けられた際の回転稼働が滑らかになり、スムーズに繊維を搬送する事ができるため出来上がる糸の品質を向上する効果が期待出来る。また、実施例5の低い摩擦係数は樹脂層自体によってもたらされる特性であるため、使用時の摩耗などにより消滅することがほとんどない。一方、比較例5の摩擦係数も実施例5と同等のレベルの値ではあるが、この値は製造工程中の酸処理で得られた表面処理層により得られたものであり、ゴム本来の摩擦係数は非常に高い。従って、実際に繊維機械に取り付けて稼働させると、磨滅して摩擦係数が上昇し、エプロンバンドの稼働が滑らかでなくなるため、糸の品質を悪化させる要因となる。
本発明の実施形態に係る紡績用エプロンバンドは、ギル、ボビナ、練条、粗紡、精紡などの紡績の様々な工程において、繊維や繊維束を牽伸するドラフト装置に利用するのに適している。
1,11,21:紡績用エプロンバンド、2,22:ゴム層、3:樹脂層、24:芯糸、A:第1表面、B:第2表面、101a,101b:エプロンバンド、104a,104b:テンサーバー、110a,110b:第1ローラ、111a,111b:第2ローラ、112a,112b:第3ローラ、F:繊維束

Claims (4)

  1. ゴム層と、前記ゴム層に接合した樹脂層とを含むとともに、繊維と接触する側の第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面とを備えており、
    前記第1表面は、前記ゴム層の表面であり、
    前記第2表面は、前記樹脂層の表面であり、
    前記ゴム層は、ニトリルゴムとエチレンプロピレンジエンゴムとを含み、
    前記ゴム層に含まれるゴム成分中に占める前記ニトリルゴムの割合は、45質量%より多く、
    前記樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含み、
    前記樹脂層に占める前記ポリオレフィン系樹脂の比率は、50質量%以上であり、
    前記ニトリルゴムと前記エチレンプロピレンジエンゴムとの質量比が、45:55より大きい、紡績用エプロンバンド。
  2. 前記ゴム層において、前記ニトリルゴムと前記エチレンプロピレンジエンゴムとの質量比が、45:55より大きく85:15より小さい、請求項1に記載の紡績用エプロンバンド。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンを含む、請求項1または2に記載の紡績用エプロンバンド。
  4. 内部に埋め込まれた芯糸をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の紡績用エプロンバンド。
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