JP6878752B2 - フレキシブル熱電変換部材の作製方法 - Google Patents

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本発明は、直流定電流を流してBi−Te系材料への電析を行うことにより、基材となる柔軟性を有する高分子素材上にテルル化ビスマスの薄膜層を作成する、フレキシブル熱電変換部材の作製方法に関するものである。
従来より、熱を電気に変換する熱電変換素子としては、半導体を利用したものが知られている。この半導体を利用した熱電変換素子は、p型半導体とn型半導体とを電気的に接続し、接合側を高温にするとともに、分岐側を低温にすることにより、その温度差(ΔT)を利用して発電するものである。
この熱電変換素子の中でも、Bi−Te系の熱電変換素子は、比較的低温域の熱を電気に変換することが可能であるため、最近注目されている。
柔軟性を有する高分子素材上に、熱電変換素子としての金属薄膜層を形成させる技術としては、例えば、乾式法と湿式法に大別することができる。
乾式法を利用して、柔軟性を有する高分子素材上に、熱電変換素子としての金属薄膜層を形成する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているような、厚さ175μmのポリイミド製の樹脂フィルムの表面上に、スパッタリングにより、Bi−TeにSbを添加してp型半導体としたp型熱電素子の薄膜層と、Bi−TeにSeを添加してn型半導体としたn型熱電素子の薄膜層とを形成するフレキシブルな熱電変換部材が挙げられる。
特開2003−133600号公報
しかしながら、乾式法で熱電変換素子としての金属薄膜層を形成する場合には、以下の問題点がある。
(1)高圧のガスを使用するため、高分子素材の下地が劣化してしまう。
(2)容器内を真空にする必要があるため、大がかりで高価な装置が必要であり、装置のメンテナンスにも手間がかかる。
(3)ターゲットと平行な素材に対して薄膜を堆積させるため、素材の形状や表面が単調な構造の場合にのみ適しており、素材の形状や表面が単調でない形状に対しては、熱電変換素子としての金属薄膜層を細部まで行うことは難しい。
(4)時間をかけて素材に薄膜を堆積させるため、膜の成長速度(成膜速度)はどうしても遅くなり、大量生産に不向きである。
これらの乾式法の諸問題を解決した方法として、本発明者らは、直流定電圧を印加してBi−Te系材料への電析を行うことにより、基材となる柔軟性を有する高分子素材上にテルル化ビスマスの薄膜層を作成する、フレキシブル熱電変換部材の作製方法を開発した。
しかしながら、直流定電圧を印加してBi−Te系材料への電析を行った場合、形成された薄膜層の結晶構造が表面と内部で異なる原子配置になりやすいという不都合があった。
また、直流定電圧を印加してBi−Te系材料への電析を行った場合、熱電変換部材を構成する結晶中にp型のキャリヤ挙動を示す箇所とn型のキャリヤ挙動を示す箇所が混在することとなり、熱電変換性能が不安定となるという不都合もあった。
本発明の目的とするところは、直流定電圧を流してBi−Te系材料への電析を行った場合に比べ、形成された薄膜層の結晶構造が表面から内部まで一様な原子配置となるだけでなく、熱電変換部材を構成する結晶中に、n型のキャリヤ挙動を示す箇所、p型のキャリヤ挙動を示す箇所、p型のキャリヤ挙動を示すかn型のキャリヤ挙動を示すか判断が困難である箇所が混在する状態を効果的に抑制でき、熱電変換部材のキャリヤ挙動がn型又はp型として安定的に動作するようになる、フレキシブル熱電変換部材の作製方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、基材となる柔軟性を有する高分子素材に、ビスマスイオン及びテルルイオンより酸化還元電位の高い金属イオンを含むめっき液で無電解めっきを行い、高分子素材の表面に金属皮膜を形成させて金属皮膜基材を作成する、第一の工程と、金属皮膜基材を陰極として、直流定電流を流して電解めっきを行う、第二の工程を含む、フレキシブル熱電変換部材の作製方法が上記目的を達成することを見い出し、本発明をするに至った。
即ち、本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法は、基材となる柔軟性を有する高分子素材に、無電解銀めっきを行い、高分子素材の表面に金属皮膜を形成させて金属皮膜基材を作成する、第一の工程と、第一の工程により作成された金属皮膜基材を陰極として、直流定電流を流して電解めっきを行う、第二の工程を含む、フレキシブル熱電変換部材の作製方法であって、無電解銀めっきは、酸化銀、アンモニア及びD(+)−グルコースを含有してなるめっき液を用いて行うことを特徴とする。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、上述した柔軟性を有する高分子素材は、ポリイミド性の樹脂フィルムという構成を採用することができる。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、上述した直流定電流の電流密度は、0.5〜1.5A/dmという構成を採用することができる。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、上述した第一の工程は、上述した無電解めっきを行う前において、上述した高分子素材を、50容量%〜90容量%のエチレンジアミン水溶液に浸漬する第一の表面処理を行うという構成を採用することができ、更に、上述した第一の表面処理を行った後の高分子素材を、40容量%〜70容量%の1−メチル−2−ピロリドン水溶液に浸漬する第二の表面処理を行うという構成を採用することができる。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、上述した第一の工程における無電解銀めっきは、酸化銀、アンモニア、D(+)−グルコースのそれぞれの含有量を、400ミリモル/リットル、28ミリモル/リットル、520ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うという構成を採用することができる。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、BiTe系の組成物を得る場合には、上述した第二の工程における金属皮膜基材を陰極とした電解めっきは、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物のそれぞれの含有量を、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うという構成を採用することができる。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、Bi2−xTe3−ySex+y系の組成物を得る場合には、上述した第二の工程における金属皮膜基材を陰極とした電解めっきは、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、亜セレン酸のそれぞれの含有量を、24.3〜26.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うという構成を採用することができる。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、Bi2−xSbx+yTe3.5−y系の組成物を得る場合には、上述した第二の工程における金属皮膜基材を陰極とした電解めっきは、無電解めっきを行った後の金属皮膜基材を、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、酸化アンチモン、L(+)−酒石酸のそれぞれの含有量を、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、19.7〜21.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うという構成を採用することができる。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法を用いることにより、直流定電圧を印加してBi−Te系材料への電析を行った場合に比べ、形成された薄膜層の結晶構造が表面から内部まで一様な原子配列となり、その結果として、作成された熱電変換部材の結晶構造の緻密化が容易に行えるようになるという利点がある。
また、本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法を用いることにより、直流定電圧を印加してBi−Te系材料への電析を行った場合に比べ、熱電変換部材を構成する結晶中に、n型のキャリヤ挙動を示す箇所、p型のキャリヤ挙動を示す箇所、p型のキャリヤ挙動を示すかn型のキャリヤ挙動を示すか判断が困難である箇所が混在する状態を効果的に抑制できるため、熱電変換部材がn型のキャリヤ挙動又はp型のキャリヤ挙動として安定的に動作し、作成されたフレキシブル熱電変換部材の熱電変換性能が安定するようになるという利点がある。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法により作成されたフレキシブル熱電変換部材は、pn接合させることも可能であるため、将来的には、低温型の熱電材料を低コストで大量生産することもできる可能性があるという利点がある。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法は、基材となる柔軟性を有する高分子素材に、無電解銀めっきを行い、高分子素材の表面に金属皮膜を形成させて金属皮膜基材を作成する、第一の工程と、第一の工程により作成された金属皮膜基材を陰極として、直流定電流を流して電解めっきを行う、第二の工程を含み、酸化銀、アンモニア及びD(+)−グルコースを含有してなるめっき液を用いて行うものである。
本発明の第一の工程には、当該技術分野において周知の工程(例えば、脱脂処理、触媒化処理)を含むことができる。
本発明の先行実験で、無電解めっきの中でも代表的な無電解銅めっきと無電解ニッケルめっきを行って、ポリイミドフィルムの表面に金属皮膜基材を作成し、その後、電解めっきを実施して、Bi−Te系の薄膜形成を試みたところ、いずれも、銅又はニッケルの置換溶出を抑制できず、形成されたビスマステルルの薄膜層の密着不良が発生し、ビスマステルルの電析物が容易に剥がれ落ちた。一方、無電解銀めっきを行ってポリイミドフィルムの表面に作成した銀皮膜基材に、電解めっきを行ったところ、ビスマス、テルルともに、銀の置換溶出を抑制でき、Bi−Te系の薄膜層の形成が確認された。
以上の結果から、ビスマスイオン及びテルルイオンより酸化還元電位の高い金属の場合、金属の酸化還元がビスマス及びテルルの析出よりも貴の電位で起こるため、ビスマス及びテルルの双方について、銀の置換溶出を抑制でき、更に、電気伝導性に優れ、熱伝導性も高いという点で、本発明の第一の工程では、無電解銀めっきを行えばよいことがわかる。
本発明に用いる基材となる柔軟性を有する高分子素材としては、例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイト、液晶ポリマー等を採用することができるが、熱電変換材料の製造工程に耐えうる耐化学薬品性、熱電変換フィルムとして使用する際の耐熱性および電気絶縁性に優れるという理由から、ポリイミドが好ましい。
以下、基材としての高分子素材に無電解銀めっきを行い、高分子素材の表面に銀皮膜を形成させて銀皮膜基材を作成する第一の工程の一例を説明する。
(第一の表面処理)
不導体である高分子素材に無電解めっきを行う場合には、不導体と金属間に化学結合が形成されにくいため、めっき物(銀皮膜)と不導体の密着性を獲得し、めっき物を長期的に高分子素材の表面に固定する上で、高分子素材の表面に凹凸が必要とされる。ところが、表面の過剰な粗化は必ずしも良好な密着性の獲得につながるとは限らず、素地材自体の特性や最終的に作製されるデバイスの電気的特性に様々な悪影響を及ぼすこともあるため、用途に応じたエッチング方法の選択と、エッチング条件の見極めが肝要である。
本発明における第一の工程において、無電解めっきを行う前には、銀皮膜を高分子素材の表面に長期的に固定する等の目的で、適切な凹凸を付加するため、高分子素材を50容量%〜90容量%のエチレンジアミン水溶液に浸漬する第一の表面処理を行うのが好ましい。その理由は以下の通りである。
本発明の発明者らは、化学エッチング法のアルカリ改質法の中でも有効な手法といわれている水酸化カリウム水溶液に、高分子素材を浸漬して表面処理を行ったが、後述する触媒化処理では触媒となるパラジウムを良好に吸着させることができたものの、その後、高分子素材に銀皮膜が形成されなかったため、エチレンジアミン水溶液に、高分子素材を浸漬して表面処理を行った。その結果、50容量%未満の濃度のエチレンジアミン水溶液に高分子素材を浸漬した場合には、後述する第二の表面処理前の高分子素材の表面改質に時間がかかり過ぎることがあり、逆に、90容量%を超える濃度のエチレンジアミン水溶液に第二の表面処理前の高分子素材を浸漬した場合には、過剰に高分子素材の表面改質を行ってしまうことがあったからである。
ここで、第一の表面処理における高分子素材を浸漬するエチレンジアミン水溶液の濃度は70容量%が更に好ましい。
第一の表面処理としては、例えば、70容量%のエチレンジアミン水溶液を恒温槽で70℃に昇温した後、このエチレンジアミン水溶液を撹拌しながら、高分子素材を10分間浸漬する方法が挙げられる。
(脱脂処理)
なお、本発明においては、第一の表面処理を行う前には、高分子素材の脱脂をするのが望ましい。高分子素材の表面には、指紋、油脂などの有機物、静電作用による塵、ほこりなどの付着物等の不純物が存在するが、このような高分子素材の表面について、十分な脱脂処理を行わない場合には、後続のプロセスにおける加工不良につながり、特にめっきを扱うプロセスでは析出物と高分子素材との密着不良や析出物自体の品質不良などを招くことになるからである。
脱脂に用いる脱脂剤としては、リン酸系の酸性脱脂剤とアルカリ脱脂剤が挙げられるが、アルカリ脱脂剤は、強い汚れの除去に効果的なケイ酸塩を含むため、取り扱いに注意を要し、エッチングの際に妨害となることがある難溶性のケイ酸塩皮膜も形成しやすいことから、リン酸系脱脂剤を用いることがよいと考えられる。
(第二の表面処理)
第一の表面処理を行った後の高分子素材の表面には、スミアと呼ばれる高分子素材の凹凸処理の樹脂残渣が残留する。この樹脂残渣が存在することにより、その後に行う無電解銀めっきにおいて、高分子素材の表面に形成される銀皮膜の密着力不足等が発生して、やけたような部分が広がり、光沢性に優れる高品質な銀皮膜が得られなくなるおそれがある。それ故、第一の表面処理を行った後には、高分子素材に光沢性に優れる高品質な銀皮膜を形成させるためにも、高分子素材の表面に残留する樹脂残渣を除去するのが望ましい。
本発明における第一の工程においては、第一の表面処理を行った後、40容量%〜70容量%の1−メチル−2−ピロリドン水溶液に浸漬して、第一の表面処理を行った後の高分子素材の表面に残留する樹脂残渣を除去する第二の表面処理をするのが好ましい。40容量%未満の1−メチル−2−ピロリドン水溶液に第一の表面処理を行った後の高分子素材を浸漬した場合には、表面に残留する樹脂残渣を除去する時間がかかり過ぎるおそれがあるからであり、逆に、70容量%を超える1−メチル−2−ピロリドン水溶液に第一の表面処理を行った後の高分子素材を浸漬した場合には、表面に残留する樹脂残渣を除去してしまうだけでなく、表面の非改質部分の劣化を引き起こすおそれがあるからである。
なお、第二の表面処理に用いる1−メチル−2−ピロリドン水溶液の濃度は50容量%であるのが更に好ましい。
第二の表面処理としては、例えば、50容量%の1−メチル−2−ピロリドン水溶液を恒温槽で70℃に昇温した後、この1−メチル−2−ピロリドン水溶液を撹拌しながら、高分子素材を15分間浸漬し、その後、超純水で洗浄する方法が挙げられる。
(触媒化処理)
触媒化処理では、本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法において、活性を持たない高分子素材の表面に銀皮膜を析出させるため、高分子素材の表面に触媒活性を持つパラジウムを付与する。触媒化処理では、感受性化処理、活性化処理の二工程を経る。
無電解銀めっきの場合、高分子素材へのパラジウムの吸着量が金属の析出に大きな影響を与える。高分子素材にパラジウムが十分に吸着しないと、銀皮膜が全面に形成しないことが起こり得るからであり、逆に、高分子基材に過剰量のパラジウムを吸着させた場合には、高分子基材をめっき液に浸漬させた際、高分子基材からパラジウム微粒子が脱落して、めっき液中に拡散するため、容器壁面で不要な析出が発生し、析出物もまた拡散することによって浴寿命を短縮させること(浴分解)につながるからである。
なお、触媒化処理では、基材となる柔軟性を有する高分子素材の洗浄にも十分な注意を払う必要がある。例えば、本発明における第一の工程において、エチレンジアミン水溶液に浸漬する第一の表面処理を行った場合及び/又は1−メチル−2−ピロリドン水溶液に浸漬する第二の表面処理を行った場合には、その後、恒温槽で70℃に昇温した塩化スズ水溶液(22ミリモル/リットル)に、表面処理後の高分子素材を6分間浸漬(感応化処理)した後、純水で洗浄する処理と、恒温槽で70℃に昇温した塩化パラジウム水溶液(2.8ミリモル/リットル)に、表面処理後の高分子素材を6分間浸漬(触媒化処理)した後、純水で洗浄する処理を交互に二回行うことが望ましい。
(無電解めっき)
述した、脱脂処理、第一の表面処理、第二の表面処理、触媒化処理の終了した高分子素材は、第一の工程の最終段階として、めっき液に浸漬され、無電解めっきが施される。
無電解めっきを行った結果として、基材としての高分子素材の表面に皮膜が形成され、皮膜基材が作成される。
無電解銀めっきのめっき液は、酸化銀、アンモニア及びD(+)−グルコースを含有してなるものを使用し、酸化銀、アンモニア、D(+)−グルコースのそれぞれの含有量を、400ミリモル/リットル、28ミリモル/リットル、520ミリモル/リットルのものを使用するのが好ましい。
例えば、上述した、脱脂、第一の表面処理、第二の表面処理、触媒化処理の終了した高分子素材に、酸化銀、アンモニア、D(+)−グルコースのそれぞれの含有量を、400ミリモル/リットル、28ミリモル/リットル、520ミリモル/リットルのめっき液に3分程度浸漬すれば、高分子素材の表面に、光沢性に優れた、約40マイクロメートルの銀皮膜が形成される。
基材としての高分子素材の表面に形成された金属皮膜は、ビスマステルル系の薄膜の電析のために有効なものとなる。この金属皮膜の厚さは特に限定されないが、めっき液への浸漬時間により制御することは可能である。
本発明の第二の工程は、本発明の第一の工程によって作成された金属皮膜基材を陰極として、直流定電流を流して電解めっきを行う。
本発明のフレキシブル熱電変換部材の作製方法により得られるビスマステルル系熱電変換材料は、以下に示すように、めっき液の液組成を厳密に制御することにより、n型挙動、p型挙動を示す作り分けが可能である。
BiTe系の組成物を得る場合には、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物のそれぞれの含有量が、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットルのめっき液を用いて電解めっきを行うのが好ましい。
例えば、第一の工程の無電解銀めっきによって形成された銀皮膜基材に、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物のそれぞれの含有量が、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットルのめっき液中で、電流密度0.5〜1.5A/dmの直流電流を2分30秒〜7分30秒流せば、銀皮膜基材上に、12マイクロメートルのBi2.02Te2.98の薄膜層が形成される。
Bi2−xTe3−ySex+y系の組成物を得る場合には、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、亜セレン酸のそれぞれの含有量が、24.3〜26.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルのめっき液を用いて電解めっきを行うのが好ましい。
例えば、第一の工程の無電解銀めっきによって形成された銀皮膜基材に、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、亜セレン酸のそれぞれの含有量が、24.3〜26.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルのめっき液中で、電流密度0.5〜1.5A/dmの直流電流を2分30秒〜7分30秒流せば、銀皮膜基材上に、9マイクロメートルのBi2.17Te2.76Se0.07の薄膜層が形成される。
Bi2−xSbx+yTe3−y系の組成物を得る場合には、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、酸化アンチモン、L(+)−酒石酸のそれぞれの含有量が、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、19.7〜21.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルのめっき液を用いて電解めっきを行うのが好ましい。
例えば、第一の工程の無電解銀めっきによって形成された銀皮膜基材に、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、酸化アンチモン、L(+)−酒石酸のそれぞれの含有量が、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、19.7〜21.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルのめっき液中で、電流密度0.5〜1.5A/dmの直流電流を2分30秒〜7分30秒流せば、銀皮膜基材上に、17マイクロメートルのBi1.87Sb0.13Te2.99の薄膜層が形成される。
なお、本発明において上述した硝酸は、濃硝酸であるのが好ましい。
本発明の第二の工程で行う電解めっきでは、陰極は本発明の第一の工程によって作成された金属皮膜基材を用いる必要があるが、陽極は、公知のものを用いることができ、特に限定されないが、白金網の寸法安定性のある電極を用いることが好ましい。
本発明の第二の工程で行う電解めっきでは、直流定電流を流す必要がある。
直流定電流の電流密度は、0.5〜1.5A/dmであるのが好ましい。直流定電流の電流密度が0.5A/dm未満の場合には、電析が起こらないおそれがあるため、好ましくなく、逆に、直流定電流の電流密度が1.5A/dmを超えた場合には、屈曲に弱く、剥離や脱落が起こりやすくなるおそれがあるため、好ましくないからである。
(実施例)
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(脱脂処理)
基材となる柔軟性を有する高分子素材として、ポリイミドフィルムを用いた。縦3cm、横2cm、厚さ50.8マイクロメートルのポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製、Kapton(登録商標)200H)を4枚用意し、ポリイミドフィルム1〜4とした。
ポリイミドフィルム1〜4を、純水で2倍希釈したリン酸系脱脂溶液(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(EEJA)株式会社、EETREX15)に浸漬させ、物理的な脱脂効果を向上させるため、超音波洗浄機(ヤマト化学株式会社製、2510J−DTH)で、超音波を照射しながら10分間洗浄した。
その後、脱脂溶液の残留によるエッチング効果の減少やばらつきを防ぐため、ポリイミドフィルム1〜4の表面を純水で洗浄後、さらに純水中で超音波を10分間照射して洗浄し、脱脂ポリイミドフィルム1〜4とした。
(第一の表面処理)
エチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製、特級)を75ミリリットルと純水75ミリリットルを混合し、第一の表面処理液としてのエチレンジアミン水溶液1を作成した。
エチレンジアミン水溶液1を恒温槽で70℃に昇温した後、恒温槽に脱脂ポリイミドフィルム1〜4を10分間浸漬した。エチレンジアミン水溶液1に浸漬後の脱脂ポリイミドフィルム1〜4は、純水中で洗浄し、第一の表面処理後ポリイミドフィルム1〜4とした。
(第二の表面処理)
1−メチル−2−ピロリドン(東京化成工業株式会社製、特級)を75ミリリットルと純水75ミリリットルを混合し、第二の表面処理液としての1−メチル−2−ピロリドン2を作成した。
第一の表面処理後ポリイミドフィルム1〜4を、常温の1−メチル−2−ピロリドン2に15分間浸漬した。エチレンジアミン水溶液1に浸漬後の脱脂ポリイミドフィルム1〜4は、純水中で十分に洗浄し、第二の表面処理後ポリイミドフィルム1〜4とした。
(触媒化処理)
塩化スズ二水和物(関東化学株式会社、特級)を0.75g秤量し、濃塩酸(和光純薬工業株式会社、特級)を0.5ミリリットル加えて溶解させた。この混合物に10ミリリットルの純水を加えてよく撹拌して水溶液とした後、これを純水で150ミリリットルにメスアップして、感応化処理溶液1とした。
一方、塩化パラジウム(関東化学株式会社、特級)を0.05g秤り取り、濃塩酸(和光純薬工業株式会社、特級)を0.5ミリリットル加えて溶解させ、この混合物に10ミリリットルの純水を加えて水溶液とした。この溶液を純水で150ミリリットルにメスアップし、触媒化処理溶液1とした。
恒温槽で、感応化処理溶液1と触媒化処理溶液1のそれぞれを70℃に昇温した。まず、第二の表面処理後ポリイミドフィルム1〜4を感応化処理溶液1の入った恒温槽に6分間浸漬させ、その後、純水で十分に洗浄した。次に、第二の表面処理後ポリイミドフィルム1〜4を感応化処理溶液1の入った恒温槽に6分間浸漬させ、その後、純水で十分に洗浄した。この操作を二回繰り返し、触媒化処理ポリイミドフィルム1〜4を得た。
(無電解銀めっき)
酸化銀(I)(関東化学株式会社、鹿特級)を0.15g秤り取り、これを20ミリリットルの純水に加えた後、0.3ミリリットルの28重量%アンモニア水(和光純薬工業株式会社、特級)を加え、超音波攪拌により酸化銀を溶解させ、金属源溶液1とした。他方、D(+)−グルコース(関東化学株式会社、特級)を0.15g秤量し、純水20ミリリットルに加えて攪拌し、完全に溶解させ、還元剤溶液1とした。金属源溶液1と還元剤溶液1を室温で混合させて無電解銀めっき液1とした。
触媒化処理ポリイミドフィルム1〜4のそれぞれを室温のめっき液1中に3分浸漬して無電解銀めっきを行ったところ、触媒化処理ポリイミドフィルム1〜4のいずれについても、ポリイミドフィルム上に、光沢性に優れた、一様に約40マイクロメートルの銀皮膜が形成された(以下、「銀皮膜基材1〜4」という。)。なお、銀皮膜基材1〜4のゼーベック係数は1.0(μV/K)、電気伝導度は512(S/cm)であった。
(フレキシブル熱電変換部材の作成)
(1)BiTe系の組成物
酸化テルル(IV)(和光純薬工業株式会社、一級)を0.65gに濃硝酸(和光純薬工業株式会社、特級)を14.6ミリリットル加え、30分間撹拌した後、純水14.6ミリリットルを加えて撹拌して、酸化テルル(IV)を溶解させた。溶解後の酸化テルル溶液に硝酸ビスマス五水和物(和光純薬工業株式会社、特級)1.65gを添加し、最終的に酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物の各濃度が、それぞれ、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットルとなるように純水を加え、150ミリリットルまでメスアップして、電解めっき液2−1を作成した。
陰極に銀皮膜基材1を配置した後、陽極に白金網電極を用いて、電解めっき液2−1中で、60mAの直流電流(電流密度1.0A/dm)を5分間印加し、電解めっきを行った。
その結果、銀皮膜基材1の絶縁性マスキングテープにより析出範囲を2cm×3cmに規定した銀皮膜基材上に、12マイクロメートルのBi2.02Te2.98の薄膜層が形成された、本発明の製造方法で製造されたフレキシブル熱電変換部材1を得た。
フレキシブル熱電変換部材1は、薄膜層の表面から内部まで一様な原子配列(結晶構造はn型のキャリヤを示すBiTe結晶相(空間群R3m)に帰属)をとっており、n型のキャリヤ挙動として安定的に動作することがわかった。また、熱電変換性能を確認したところ、熱電変換性能が安定していたこともわかった。
これとは別に、陰極に銀皮膜基材2を配置した後、陽極に白金網電極を用いて、電解めっき液2−1中で、2.5Vの直流電圧を5分間印加し、電解めっきを行った。
その結果、銀皮膜基材2の絶縁性マスキングテープにより析出範囲を2cm×3cmに規定した銀皮膜基材上には、7マイクロメートルのBi2.0Te3.0の薄膜層が形成された、比較例となる製造方法で製造されたフレキシブル熱電変換部材R1を得た。
フレキシブル熱電変換部材R1に形成された薄膜層の表面と内部では、原子配列の異なる結晶構造が形成され、かつ、熱電変換部材を構成する結晶中には、p型のキャリヤ挙動を示す箇所、n型のキャリヤ挙動を示す箇所、p型のキャリヤ挙動を示すかn型のキャリヤ挙動を示すか判断が困難である箇所が混在することがわかった。即ち、フレキシブル熱電変換部材R1に形成された薄膜層の表面では、n型のキャリヤ挙動を示すBiTe結晶相に加え、p型のキャリヤ挙動を示すBiTe結晶相(空間群P−3ml)が混在するだけでなく、p型のキャリヤ挙動を示すかn型のキャリヤ挙動を示すか判断が困難であるBiTe結晶相(空間群Fm−3m)も混在し、深部や中心部では、主にn型のキャリヤ挙動を示すBiTe結晶相(空間群R3m)から構成されている状態であったことがわかった。フレキシブル熱電変換部材R1の熱電変換性能を確認したところ、熱電変換性能が不安定となることもわかった。
(2)Bi2−xTe3−ySex+y系の組成物
酸化テルル(IV)(和光純薬工業株式会社、一級)を0.63gに濃硝酸(和光純薬工業株式会社、特級)を14.6ミリリットル加え、30分間撹拌した後、純水14.6ミリリットルを加えて撹拌して、酸化テルル(IV)を溶解させた。溶解後の酸化テルル溶液に硝酸ビスマス五水和物(和光純薬工業株式会社、特級)1.65gを添加して溶解させた後、亜セレン酸(純正化学株式会社、特級)を19mg秤量し、よく攪拌し完全に溶解させた。最終的に酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、亜セレン酸の各濃度が、それぞれ、26.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットル、1ミリモル/リットルとなるように純水を加え、150ミリリットルまでメスアップして、電解めっき液2−2を作成した。
陰極に銀皮膜基材3を配置した後、陽極に白金網電極を用いて、電解めっき液2−2中で、60mAの直流電流(電流密度1.0A/dm)を5分間印加し、電解めっきを行った。
その結果、銀皮膜基材3の絶縁性マスキングテープにより析出範囲を2cm×3cmに規定した銀皮膜基材上に、9マイクロメートルのBi2.17Te2.76Se0.07の薄膜層が形成された、本発明の製造方法で製造されたフレキシブル熱電変換部材2を得た。
フレキシブル熱電変換部材2は、薄膜層の表面から内部まで一様な原子配列を持った結晶構造となっており、n型のキャリヤ挙動として安定的に動作することがわかった。また、熱電変換性能を確認したところ、熱電変換性能が安定していたこともわかった。
(3)Bi2−xSbx+yTe3−y系の組成物
酸化テルル(IV)(和光純薬工業株式会社、一級)を0.65gに濃硝酸(和光純薬工業株式会社、特級)を14.6ミリリットル加え、10分間撹拌した後、純水14.6ミリリットルを加えて撹拌して、酸化テルル(IV)を溶解させた。溶解後の酸化テルル溶液に硝酸ビスマス五水和物(和光純薬工業株式会社、特級)1.58gを添加し、溶解させて、ビスマステルル溶液2−3とした。
一方、酸化アンチモン(III)(純正化学株式会社、特級)を44mg秤り取り、濃硝酸(和光純薬工業株式会社、特級)を4.85ミリリットル加えて攪拌し溶解させた。その後、L(+)−酒石酸(和光純薬工業株式会社、一級)2.39gを純水10ミリリットルに溶解させた酒石酸溶液を加え、アンチモン溶液2−3とした。
最終的に酸化テルル、濃硝酸、硝酸ビスマス五水和物、酸化アンチモン、L(+)−酒石酸の各濃度が、それぞれ、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、21.7ミリモル/リットル、1ミリモル/リットル、1ミリモル/リットルとなるようにビスマステルル溶液2−3とアンチモン溶液2−3を混ぜ合わせ、全量が150ミリリットルとなるよう超純水を加え、電解めっき液2−3を作成した。
陰極に銀皮膜基材4を配置した後、陽極に白金網電極を用いて、電解めっき液2−3中で、60mAの直流電流(電流密度1.0A/dm)を5分間印加し、電解めっきを行った。
その結果、銀皮膜基材4の絶縁性マスキングテープにより析出範囲を2cm×3cmに規定した銀皮膜基材上に、12マイクロメートルのBi1.6Sb0.6Te2.8の薄膜層が形成された、本発明の製造方法で製造されたフレキシブル熱電変換部材3を得た。
フレキシブル熱電変換部材3は、薄膜層の表面から内部まで一様な原子配列を持った結晶構造となっており、p型のキャリヤ挙動として安定的に動作することがわかった。また、熱電変換性能を確認したところ、熱電変換性能が安定していたこともわかった。

Claims (9)

  1. 基材となる柔軟性を有する高分子素材に、無電解銀めっきを行い、該高分子素材の表面に金属皮膜を形成させて金属皮膜基材を作成する、第一の工程と、該第一の工程により作成された金属皮膜基材を陰極として、直流定電流を流して電解めっきを行う、第二の工程を含む、フレキシブル熱電変換部材の作製方法であって、
    前記無電解銀めっきは、酸化銀、アンモニア及びD(+)−グルコースを含有してなるめっき液を用いて行うことを特徴とするフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  2. 前記柔軟性を有する高分子素材は、ポリイミド性の樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  3. 前記直流定電流の電流密度は、0.5〜1.5A/dmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  4. 前記第一の工程は、前記無電解めっきを行う前において、前記高分子素材を50容量%〜90容量%のエチレンジアミン水溶液に浸漬する、第一の表面処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  5. 前記第一の工程は、前記無電解めっきを行う前において、前記第一の表面処理を行った後の高分子素材を40容量%〜70容量%の1−メチル−2−ピロリドン水溶液に浸漬する、第二の表面処理を行うことを特徴とする請求項4に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  6. 前記第一の工程における無電解銀めっきは、酸化銀、アンモニア、D(+)−グルコースのそれぞれの含有量を、400ミリモル/リットル、28ミリモル/リットル、520ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  7. 前記第二の工程における前記金属皮膜基材を陰極とした電解めっきは、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物のそれぞれの含有量を、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  8. 前記第二の工程における前記金属皮膜基材を陰極とした電解めっきは、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、亜セレン酸のそれぞれの含有量を、24.3〜26.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、22.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
  9. 前記第二の工程における前記金属皮膜基材を陰極とした電解めっきは、酸化テルル、硝酸、硝酸ビスマス五水和物、酸化アンチモン、L(+)−酒石酸のそれぞれの含有量を、27.3ミリモル/リットル、1モル/リットル、19.7〜22.7ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットル、1〜3ミリモル/リットルとしためっき液を用いて行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブル熱電変換部材の作製方法。
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