JP4453311B2 - 熱電材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ペルチェモジュール等の熱電素子を構成する熱電材料及びその製造方法に関する。
ペルチェ効果を利用した熱電モジュールは、無音及び無振動で動作し、メンテナンスが不要であることから、小型冷蔵庫及び半導体装置内部の温度調整器等の様々な分野への適用が検討されている。従来、ペルチェ効果を利用した熱電素子を構成する熱電材料としては、Bi−Sb−Te−Se系化合物、Pb−Te系化合物及びSi−Ge化合物が使用されている。また、最大温度差(ΔTmax)を向上するために、ボロン系化合物及び遷移金属系化合物等も検討されている。
このような熱電材料の特性は、そのゼーベック係数をα(μ・V/K)、比抵抗をρ(Ω・m)、熱伝導率をκ(W/m・K)としたとき、下記数式1に示す熱電性能係数Zによって評価することができる。
Figure 0004453311
前記数式1に示すように、熱電性能指数Zが高い熱電材料を得るためには、熱伝導率κ及び比抵抗ρが低い材料が好ましい。しかしながら、比抵抗ρを低くした熱電材料は、大きな吸熱量を要する用途には向いているが、チューナブルレーザの温度制御用ペルチェモジュールのように、低い吸熱量で大きな最大温度差(ΔTmax)を必要とする用途には不向きである。そのため、このような用途には、熱導電率κが低い熱電材料が求められている。
従来、熱電材料の熱伝導率κを低くする方法としては、メカニカルアロイング法により作製した結晶粒径が数百nmである微粉末を、焼結して熱電材料にする方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−55542号公報 (第2−3頁、第1図)
しかしながら、前述の特許文献1に記載の方法により製造された熱電材料は、熱伝導率κは低くなるが、電気抵抗率ρが大幅に増加するため、性能指数Zが低下するという問題がある。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであって、熱伝導率κが低く、熱電性能指数Zが高い熱電材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本願第1発明に係る熱電材料は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有するナノワイヤーからなる固化成形体であり、前記ナノワイヤーは直径又は長軸に直交する断面における対角線の長さが500nm以下、長さが1μm以上であって、前記固化成形体は前記ナノワイヤーの長軸が一向に配列して固化成形したものであることを特徴とする。
本発明においては、長さが1μm以上のナノワイヤーが一方向に配列しているため、従来の熱電材料に比べてキャリアの移動度が増加して比抵抗ρが低くなる。また、前記ナノワイヤーの直径又は長軸に直交する断面における対角線の長さは500nm以下であるため、従来の熱電材料に比べて熱伝導率κが低くなる。これにより、従来の熱電材料に比べて熱伝導率κが低減し、性能指数Zが増加する。
本願第2発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有し、直径又は長軸に直交する断面における対角線の長さが500nm以下であり、長さが1μm以上であるナノワイヤーを、その長軸を一方向に揃えて300乃至550℃の加熱条件下で固化成形する工程を有することを特徴とする。
本発明においては、長さが1μm以上であり、長軸方向に直交する断面における直径又は対角線の長さが500nm以下であるナノワイヤーを原料に使用することにより、通電方向に扁平なミクロ組織を形成することができる。これにより、従来の熱電材料に比べて移動度が増加して比抵抗ρ及び熱伝導率κを低減し、性能指数Zを増加することができる。その結果、従来の製造方法で製造された熱電材料より低熱伝導率κで、性能指数Zの高い熱電材料を得ることができる。
前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程でもよい。
又は、前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に平行な1対の面を拘束しながら、この拘束された面に平行で且つ前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加して据え込み鍛造する工程でもよい。
又は、前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程と、前記圧力を印加した方向及び前記ナノワイヤーの長軸方向に平行な1対の面を拘束しながら、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加して据え込み鍛造する工程と、を有していてもよい。
又は、前記固化成形する工程は、加熱条件下で加圧して前記ナノワイヤーをその長軸方向に押し出す工程でもよい。
又は、前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程と、前記ホットプレスにより成形された仮焼結体を、加熱条件下で加圧して前記ナノワイヤーの長軸方向に押し出す工程と、を有していてもよい。
又は、前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程と、押し棒により前記圧力を印加した面に垂直な方向に圧力を印加しながら前記押し棒を回転させる工程と、を有していてもよい。
また、前記固化成形する工程において使用される金型は、鉄系の材料で形成されており、その表面はTiC又はTiNにより被覆されていることが好ましい。これにより、熱電材料の表面に割れが発生することを防止することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、長さが1μm以上であり、長軸方向に直交する断面における直径又は対角線の長さが500nm以下であるナノワイヤーを、その長軸方向が一方向に配列するように固化成形することにより、従来の熱電材料に比べて比抵抗ρ及び熱伝導率κを低くすることができるため、熱伝導率κが低く、且つ熱電性能指数Zが高い熱電材料を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る熱電材料の製造方法について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態の熱電材料の製造方法の一例を示すフロー図である。本実施形態の熱電材料の製造方法においては、先ず、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含み、長軸方向に直交する断面における直径又は対角線の長さが500nm以下であり、長さが1μm以上であるナノワイヤーを作製する(ステップS1)。このナノワイヤーの長軸方向に直交する断面における直径又は対角線の長さが500nmより長いと、熱伝導率κを低減する効果が小さい。また、長軸方向の長さが1μmより短いと、キャリアの移動度が低下して前述のメカニカルアイロニング(MA)法と同様に、電気抵抗値ρの増大を招き、大きな性能指数Zが得られない。
なお、前述のナノワイヤーとは、長軸方向に直交する断面における直径又は対角線の長さがナノメートルサイズであり、長さがミクロンサイズである微小なワイヤー状の材料である。本実施形態におけるナノワイヤーの作製方法としては、例えば、溶湯吸引法及びめっき法等を適用することができる。以下、本実施形態におけるナノワイヤーの作製方法について詳細に説明する。
図2(a)乃至(c)及び図3(a)乃至(d)は溶湯吸引法によりナノワイヤーを作製する方法をその工程順に示す模式図である。溶湯吸引法によりナノワイヤーを作製する場合、先ず、図2(a)に示すように、アルミニウム板1にアルマイト処理を施す。アルマイト処理とは、アルミニウム板1を銅板2上に配置してシュウ酸又は希硫酸溶液3中に浸漬し、アルミニウム板1を陽極にして電気分解を行う処理である。これにより、下記化学式1の反応が起こり、アルミニウム板1の表面に不定形の酸化皮膜(陽極酸化皮膜)が形成される。このとき、アルミニウム板1の厚さは変化しない。
Figure 0004453311
図2(b)に示すように、このアルミニウム板1の表面に形成された陽極酸化皮膜は、多数のナノポアを有する多孔質層5と、ベーマイト(欠損の多い酸化アルミニウム)又は非晶質のアルミニウム酸化物からなり厚さが数十nmのバリア層4とで構成されている。このバリア層4は、アルミニウムが酸化することにより形成され、条件によっては形成された後すぐに溶解する。そして、バリア層4が溶解した部分は、アルミニウムが露出してまた酸化される。この溶解と酸化とを繰り返すことにより、多孔質層5が形成される。なお、多孔質層5の厚さは陽極酸化時間により調節することができ、例えば、陽極酸化時間を長くすると多孔質層5の厚さは厚くなり、陽極酸化膜が形成されていない部分1bが薄くなる。その後、アルミニウム板1における陽極酸化膜が形成されていない部分1b及びバリア層4を、研磨等により除去することにより、図2(c)に示す多数のナノポア6が設けられた多孔質アルミニウム板1aが得られる。なお、本実施形態においては、アルミニウミニウム板1を使用した場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、バルク状のアルミニウム材であればよく、例えば、アルミニウムブロック等も使用することができる。
次に、図3(a)に示すように、容器8にBi−Teインゴット7を入れ、その上にナノポア6が設けられた多孔質アルミニウム板1aを配置して、容器8を密閉する。そして、図3(b)に示すように、インゴットを加熱して溶解してBi−Teの溶湯7aとし、更に、容器8内を排気することにより減圧にする。これにより、溶融したBi−Teがナノポア6内に浸透する。この状態で所定の時間保持した後、多孔質アルミニウム板1aを容器8から取り出し、図3(c)に示すように、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液9に浸漬する。これにより、図3(d)に示すように、アルミニウムが溶解して、Bi−Teからなるナノワイヤー10が得られる。
次に、めっき法によりナノワイヤーを作製する方法について説明する。図4はナノワイヤーを作製するためのめっき装置を示す模式図である。めっき法によりナノワイヤーを作製する場合、先ず、前述の溶湯吸引法と同様の方法で多数のナノポア6がある多孔質アルミニウム板1aを作製する。図4に示すように、表面にチタンが蒸着してあるガラス基板11のチタン膜側の面に多孔質アルミニウム板1aを配置し、ガラスめっき槽13に満たされためっき液12に浸漬する。このめっき液12の組成は、例えば、TeOが1.5モル/リットル、Bi(NOが1.2モル/リットル、HNOが1.0モル/リットルである。
そして、ガラス基板11に蒸着されたチタンを作用極とし、参照極として白金線14を、対極として、例えば、厚さ1mmのチタン板の上に数μm乃至数十μmの厚さの白金膜を圧着した板状の白金クラッドチタン電極(Pt/Ti電極)15を、夫々めっき液に浸漬した後、シール材等により開口部をシールすることにより、めっき槽13を密閉してめっきを行う。その際のめっき条件としては、例えば、めっき液12の温度を40℃とし、マイナス極となる作用極とプラス極となる参照極との間に0.6Vの電圧を印加する。このとき、めっき液12中の溶存酸素を充分に除去するため、めっき液12に窒素ガス等の不活性ガスを吹き込む。その流量は、例えば、10リットル/分程度である。この状態で所定の時間保持した後、多孔質アルミニウム板1aをめっき液12から取り出し、前述の溶湯吸引法と同様に、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液に浸漬する。これによりアルミニウムが溶解して、Bi−Teからなるナノワイヤー10が得られる。
次に、ナノワイヤー10を金型に挿入する(ステップS2)。図5(a)は金型に挿入されたナノワイヤーの配列状態を示す模式図であり、(b)はナノワイヤーの拡大図である。図5(a)及び(b)に示すように、上述の溶湯吸引法又はめっき法により作製したBiTeナノワイヤー10に、例えば、超音波振動等の軽い振動を加えて、その長軸が延びる方向(以下、長軸方向という)が同じになるように揃えて、金型16に挿入する。本実施形態における金型16を構成する材料としては、量産性及び耐熱性の点から鉄系の材料が好ましい。しかしながら、ナノワイヤー10は表面の活性が高く、鉄系の材料と反応しやすいため、鉄系の材料を使用する場合、金型表面の反応性を抑制する必要がある。そこで、本実施形態においては、CVD(化学蒸着:Chemical Vapor Deposition)法により、内面(ナノワイヤーと接触する面)を、ナノワイヤー10と反応しないTiC又はTiNで被覆した金型を使用する。
次に、ナノワイヤー10を固化成形することにより熱電材料にする(ステップS3a)。図6はホットプレス後の固化成形体におけるナノワイヤーの配列状態を示す模式図である。固化成形の方法としては、例えば、ナノワイヤー10が挿入された金型16の側面を、加熱した熱間で拘束した状態でナノワイヤー10の長軸方向に直交する方向に圧力を印加してホットプレスする。これにより、図6に示すように、加圧方向P1に短軸が揃い、加圧方向P1に直交する方向に長軸が揃った結晶粒を有する角柱状の固化成形体17が得られる。この熱電材料(固化成形体17)を熱電素子に加工する際は、結晶粒(ナノワイヤー10)の長軸方向、即ち、低電気抵抗方向(a軸方向)が熱電素子の通電方向になるようにする。
なお、前述のホットプレスにおける加熱温度は、300乃至550℃であることが好ましい。加熱温度が300℃より低いと、変形抵抗が大きくなり固化できない。また、電気抵抗値ρが大きくなり、性能が著しく低下する。一方、加熱温度が550℃より高いと、結晶粒径が粗大化して熱伝導率κが増大するため、性能指数Zが低下する。
また、前述のステップS3aと同様の方法で仮焼結を行い(ステップS3b)、その後、据え込み鍛造法、押し出し法、HPT(High Pressure Torsion)法又はECAP法により塑性加工を行って熱電材料にすることもできる(ステップS4b)。図7は据え込み鍛造法の各工程における結晶粒を示す模式図である。また、図8(a)は押し出し法を示す模式図であり、図8(b)はその加圧方向を示す模式図である。更に、図9(a)はHPT法を示す模式図であり、図9(b)はその加圧方向を示す模式図である。
据え込み鍛造においては、先ず、図7(a)及び(b)に示すように、固化成形体17を、仮焼結時の加圧面が加圧面になるように配置する。そして、図7(c)に示すように、この固化成形体17を、上下方向から金敷き18及びパンチで挟み込み、加圧方向P2に押圧する。このとき、固化成形体17におけるA面を拘束する。これにより、固化成形体17は加圧方向P2と直交する方向に伸びて結晶粒(ナノワイヤー10)が展延方向に揃う。その結果、結晶粒(ナノワイヤー10)の長軸、即ち、低電気抵抗方向(a軸方向)が展延方向に配列した熱電材料が得られる。
また、押し出し法においては、図8に示すように、固化成形体17を90°回転させて、仮焼結時の加圧方向P1とラム20による加圧方向P3とが直交するように金型19に配置する。そして、例えば、金型19内を一旦、1.3×10−1Pa以下の圧力になるまで真空引きした後、アルゴンガス等の不活性ガスで置換し、300乃至550℃に加熱する。その後、押し出し速度を、例えば、0.1乃至0.5mm/分、押し出し比を2乃至30として、ラム20を加圧方向P3に押圧することにより、固化成形体17を押し出す。このとき、結晶粒(ナノワイヤー10)の長軸方向、即ち、低電気抵抗方向(a軸方向)が揃ったまま固化成形されるため、結晶粒(ナノワイヤー10)の長軸が一方向に配列した熱電材料が得られる。
更に、HPT法においては、図9(a)に示すように、支持台21に設けられた型に固化成形体17を投入し、押し棒22で固化成形体17を加圧方向P4に押圧しながら、押し棒22を回転させる。このように、固化成形体17にせん断歪を導入する方法で、結晶を微細化すると共に配向性を付与する。このとき、図9(b)に示すように、仮焼結時の加圧方向P1と加圧方向P4が同じになるように、固化成形体17を配置する。これにより、結晶粒(ナノワイヤー10)の長軸が一方向に配列した熱電材料が得られる。
又は、仮焼結を行わずに、前述の据え込み鍛造法又は押し出し法により塑性加工を行ってもよい(ステップS4c)。このように仮焼結工程を省略しても、結晶粒(ナノワイヤー10)の長軸方向、即ち、低電気抵抗方向(a軸方向)が揃ったまま固化成形されるため、結晶粒(ナノワイヤー10)の長軸が一方向に配列した熱電材料が得られる。但し、物性のばらつき及び歩留まりは、仮焼結を行うステップS4bの製造方法の方が優れており、ステップS4bは大型装置を使用した加工に向いている。一方、仮焼結工程を省略したステップS4cの製造方法は、物性のばらつき及び歩留まりは前述のステップS4bの製造方法よりも劣るが、製造コストを低減することができるため、製品性能のばらつき許容度が大きい場合に有効である。
上述の製造方法により製造された本実施形態の熱電材料は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有するナノワイヤー10の固化成形体である。このナノワイヤー10は、直径又は長軸に直交する断面における対角線の長さが500nm以下であり、長さが1μm以上である。また、前記固化成形体においては、ナノワイヤー10の長軸が一方向に配列している。図10(a)は本実施形態の熱電材料における結晶粒の配向状態を示す模式図であり、図10(b)は結晶粒の大きさを示す模式図である。図10(a)に示すように、本実施形態の熱電材料は、ナノワイヤーの長軸が一方向に配列するように固化成形されているため、ナノワイヤーの長軸方向を通電方向とすると、通電方向に扁平なミクロ組織を形成することができる。このとき、図10(b)に示すように、本実施形態の熱電材料は、結晶粒の長さが1μm以上であるため、従来の熱電材料に比べてキャリアの移動度が大きくなり、電気抵抗値(比抵抗)ρが低減する。また、本実施形態の熱電材料は、結晶粒の長軸方向に直交する断面における直径又は対角線の長さが500nm以下であるため、従来の熱電材料に比べて熱伝導率κが低くなる。これにより、本実施形態の熱電材料の性能指数Zは、従来の熱電材料より高くなる。
よって、本実施形態の製造方法により製造された熱電材料は、従来の製造方法で製造された熱電材料より熱伝導率κが低く、性能指数Zが高い熱電材料を得ることができる。熱伝導率κが低い材料は、熱電素子を作製した際に、最大温度差(ΔTmax)を大きくとることができ、光通信用のチューナブルレーザダイオードの温度制御に使用した場合、より多くの波長を1つのペルチェ素子で発生させることが可能になるため、波長の多重化に大きく貢献することができる。
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
本発明の実施例1乃至6として、ナノワイヤーを使用して、図1に示す製造方法により熱電材料を作製した。本実施例においては、組成がBi0.5Sb1.5Teであり、長軸方向に垂直な断面における対角線の長さが100nm、長さが20μmのナノワイヤーを使用した。また、金型は全てSKD61の表面をTiNにより被覆したものを使用した。実施例1乃至6における加工条件を次に説明する。なお、下記の固化成形及び塑性加工は全てArガス雰囲気中で行った。
実施例1においては、荷重を9.8kN/cm、加工温度を400℃、加工時間を1時間としてホットプレスして、1辺が50mmの立方体状の熱電材料にした(ステップS3a参照)。また、実施例2は、荷重を7.84kN/cm、加工温度を350℃、加工時間を1時間としてホットプレスして、1辺が50mmの立方体状の仮焼結体を作製した(ステップS3b参照)。この仮焼結体に、荷重を7.84kN/cm、加工温度を500℃、加工時間を4時間、総圧化率を85%として、1面拘束据え込み鍛造して熱電材料にした(ステップS4b参照)。更に、実施例3は、荷重を4.9kN/cm、加工温度を300℃、加工時間を1時間としてホットプレスして、1辺が50mmの立方体状の仮焼結体を作製した(ステップS3b参照)。
この仮焼結体に、押し出し圧を9.8kN/cm、加工温度を480℃、押し比を20、押し出し速度を0.2mm/分として、押し出し加工を行って熱電材料にした(ステップS4b参照)。更にまた、実施例4は、荷重を4.9kN/cm、加工温度を400℃、加工時間を30分としてホットプレスして、直径が50mm、高さが30mmの円柱状の仮焼結体を作製し(ステップS3b参照)。この仮焼結体に、荷重を7.84kN/cm、加工温度を480℃、加工時間1.5時間、回転数0.2Hzとして、HPT加工を行って熱電材料にした(ステップS4b)。更にまた、実施例5は、荷重を7.84kN/cm、加工温度を550℃、加工時間を4時間、総圧化率を85%として、1面拘束据え込み鍛造して熱電材料にした(ステップS4c)。更にまた、実施例6は、押し出し圧を7.84kN/cm、加工温度を480℃、押し比を20、押し出し速度を0.2mm/分として、押し出し加工を行って熱電材料にした(ステップS4c)。
一方、前述の実施例1乃至6の比較例として、水素雰囲気中でMA法により作製した平均粒径が0.8μmのBi0.5Sb1.5Te粉末を、Arガス雰囲気中でホットプレスすることにより固化成形して熱電材料を作製した。その加工条件は、荷重を9.8kN/cm、加工温度を400℃、加工時間を1時間とした。
上述の実施例1乃至6及び比較例1の熱電材料について、平均結晶粒径d、熱伝導率κ、比抵抗ρ、熱起電力α、性能指数Zを測定した。その結果を下記表1に示す。なお下記表1に示す平均結晶粒径dにおける通電方向とは、熱電素子に組み立てた場合の通電方向を示し、また、垂直方向とは前記通電方向に対して垂直な方向を示す。
Figure 0004453311
上記表1に示すように、本発明の範囲内で製造された実施例1乃至6の熱電材料は、比較例1の熱電材料に比べて、熱起電力αは同程度であるが、熱伝導率κが低かった。これは、通電方向に対して垂直な方向における結晶粒径が極めて小さく、フォノン散乱が大きいためである。また、通電方向における結晶粒径が比較例1の熱電材料より大きいため、比抵抗ρは比較例1と同程度以下であった。この結果、比較例1より性能指数Zが大きい熱電材料が得られた。
次に、本発明の実施例7乃至12として、ナノワイヤーを使用して、図1に示す製造方法により熱電材料を作製した。本実施例においては、組成がBi1.9Sb0.1Te2.7Se0.3であり、長軸方向に垂直な断面における対角線の長さが70nm、長さが90μmのナノワイヤーを使用した。また、金型は全てSKD61の表面をTiNにより被覆したものを使用した。実施例7乃至12における加工条件を次に説明する。なお、下記の固化成形及び塑性加工は全てArガス雰囲気中で行った。
実施例7においては、荷重を9.8kN/cm、加工温度を450℃、加工時間を1時間としてホットプレスして、1辺が50mmの立方体状の熱電材料にした(ステップS3a参照)。また、実施例8は、荷重を7.84kN/cm、加工温度を350℃、加工時間を1時間としてホットプレスして、1辺が50mmの立方体状の仮焼結体を作製した(S3b参照)。この仮焼結体に、荷重を9.8kN/cm、加工温度を450℃、加工時間を4時間、総圧化率を85%として、1面拘束据え込み鍛造して熱電材料にした(ステップS4b参照)。更に、実施例9は、荷重を4.9kN/cm、加工温度を350℃、加工時間を1時間としてホットプレスして、1辺が50mmの立方体状の仮焼結体を作製した(ステップS3b参照)。この仮焼結体に、押し出し圧を7.84kN/cm、加工温度を490℃、押し比を25、押し出し速度を0.15mm/分として、押し出し加工を行って熱電材料にした(ステップS4b参照)。
更にまた、実施例10は、荷重を4.9kN/cm、加工温度を450℃、加工時間を1時間としてホットプレスして、直径が50mm、高さが30mmの円柱状の仮焼結体を作製し(ステップS3b参照)。この仮焼結体に、荷重を7.84kN/cm、加工温度を480℃、加工時間1.5時間、回転数0.2Hzとして、HPT加工を行って熱電材料にした(ステップS4b)。更にまた、実施例11は、荷重を9.8kN/cm、加工温度を460℃、加工時間を4時間、総圧化率を85%として、1面拘束据え込み鍛造して熱電材料にした(ステップS4c)。更にまた、実施例12は、押し出し圧を7.84kN/cm、加工温度を480℃、押し比を25、押し出し速度を0.15mm/分として、押し出し加工を行って熱電材料にした(ステップS4c)。
一方、前述の実施例7乃至12の比較例として、水素雰囲気中でMA法により作製した平均粒径が0.8μmのBi1.9Sb0.1Te2.7Se0.3粉末を、Arガス雰囲気中でホットプレスすることにより固化成形して熱電材料を作製した。その加工条件は、荷重を9.8kN/cm、加工温度を400℃、加工時間を1時間とした。
上述の実施例7乃至12及び比較例2の熱電材料について、平均結晶粒径d、熱伝導率κ、比抵抗ρ、熱起電力α、性能指数Zを測定した。その結果を下記表2に示す。
Figure 0004453311
上記表2に示すように、実施例7乃至12の熱電材料は、比較例2の熱電材料に比べて、熱起電力αは同程度であるが、熱伝導率κは低かった。これは、前述の実施例1乃至6の熱電材料と同様に、通電方向に対して垂直な方向における結晶粒径が極めて小さく、フォノン散乱が大きいためである。また、実施例7乃至12の熱電材料は、比較例2の熱電材料に比べて、比抵抗ρの値が低かった。これは、通電方向における結晶粒径が、比較例2の熱電材料よりも大きいためである。その結果、実施例7乃至12の熱電材料は、比較例2の熱電材料に比べて、性能指数Zが大きかった。
次に、本発明の実施例13、実施例14及び比較例3として、組成がBi1.9Sb0.1Te2.5Se0.5であり、直径が400nm、長さが500μmのナノワイヤーを、1辺が50mmである立方体状の金型の中にその長軸方向が揃うように投入し、加工温度を480℃、加工時間を4時間、総圧化率を85%として、1面拘束据え込み鍛造して熱電材料にした(ステップS4c参照)。このとき、実施例13はSKD61の表面をTiCにより被覆した金型を使用し、実施例14はSKD61の表面をTiNにより被覆した金型を使用し、比較例3は表面処理を施していないSKD61の金型を使用した。そして、夫々5個ずつ熱電材料を作製し、その表面の割れの発生頻度を調べた。その結果を下記表3に示す。
Figure 0004453311
上記表3に示すように、金型に表面処理を施していない比較例1の熱電材料はは、処理温度が350℃から表面に割れが発生し、処理温度が500℃以上になると全ての熱電材料で表面に割れが確認された。熱電材料の表面に割れがあると、熱電素子に加工するために切断する際に欠けが発生して、強度を低下させるため、信頼性に著しく悪影響を及ぼす。これにより、歩留まりが低下する。一方、実施例13及び14の熱電材料は、処理温度が300乃至550℃の範囲においては、表面に割れは発生しなかった。これにより、熱電材料の表面割れ防止には、鉄系の材料の表面にTiC又はTiNを被覆した金型が有効であることが確認された。
次に、組成がBi1.8Sb0.2Te2.6Se0.4であり、直径が100nm、長さが26μmのナノワイヤーを、加工温度を200乃至600℃の範囲で変えて、ホットプレス(ステップS3a)、仮焼結後に据え込み鍛造(ステップS3b及びステップS4b)又は押し出し加工(ステップS4c)して熱電材料を作製した。このとき、ホットプレス(ステップS3a)は、アルゴンガス雰囲気中で、荷重を9.8kN/cm、加工時間を1時間として行った。また、仮焼結後に据え込み鍛造(ステップS3b及びステップS4b)は、荷重を4.9kN/cm、加工温度を350℃、加工時間を1時間としてホットプレスした仮焼結体を、アルゴンガス雰囲気中で、荷重を7.8kN/cm、加圧時間を4時間、総圧化率を80%として据え込み鍛造した。更に、押し出し加工(ステップS4c)は、アルゴンガス雰囲気中で、押し出し圧を9.8kN/cm、押し出し比を20、押し出し速度を0.15mm/分として行った。各加工温度で作製した熱電材料における性能指数Zを下記表4に示す。
Figure 0004453311
上記表4に示すように、加工温度が300℃を下回ると、急激に性能指数が低下する。これは、熱電材料の焼結密度が低下して、比抵抗ρが急激に増大するためである。一方、加工温度が550℃を超えると、材料の軟化が激しく、物性を測定可能な成形体が得られなかった。
次に、組成がBiTe2.6Se0.4、直径が80nmであり、長さが異なるナノワイヤーを、ホットプレス(ステップS3a)、仮焼結後に据え込み鍛造(ステップS3b及びステップS4b)又は押し出し加工(ステップS4c)して熱電材料を作製した。このとき、ホットプレス(ステップS3a)は、アルゴンガス雰囲気中で、荷重を9.8kN/cm、加工温度を460℃、加工時間を1時間として行った。また、仮焼結後に据え込み鍛造(ステップS3b及びステップS4b)は、荷重を4.9kN/cm、加工温度を350℃、加工時間を1時間としてホットプレスした仮焼結体を、アルゴンガス雰囲気中で、荷重を7.8kN/cm、加工温度を420℃、加工時間を3時間、総圧化率を83%として据え込み鍛造した。更に、押し出し加工(ステップS4c)は、アルゴンガス雰囲気中で、加工温度を480℃、押し出し圧を9.8kN/cm、押し出し比を20、押し出し速度を0.15mm/分として行った。各長さのナノワイヤーで作製した熱電材料における性能指数Zを下記表5に示す。また、図11は横軸にナノワイヤーの平均長さをとり、縦軸に性能指数Zをとって、ナノワイヤーの長さと性能指数との関係を示すグラフ図である。更に、ホットプレス法により作製した熱電材料における熱伝導率κ、比抵抗ρ、熱起電力α、性能指数Zを下記表6に示す。
Figure 0004453311
Figure 0004453311
上記表5、表6及び図11に示すように、ナノワイヤーの平均長さが1μmを下回ると、性能指数Zが急激に低下した。これは、ナノワイヤーの長さに起因する結晶粒界の増加により、固化成形後の移動度が低下し、比抵抗ρが増大したためである。
次に、組成がBi0.4Sb1.6Te、平均長さが30μmであり、直径が異なるナノワイヤーを、ホットプレス(ステップS3a)、仮焼結後に据え込み鍛造(ステップS3b及びステップS4b)又は押し出し加工(ステップS4c)して熱電材料を作製した。このとき、ホットプレス(ステップS3a)は、アルゴンガス雰囲気中で、荷重を7.8kN/cm、加工温度を460℃、加工時間を1.5時間として行った。また、仮焼結後に据え込み鍛造(ステップS3b及びステップS4b)は、荷重を4.9kN/cm、加工温度を350℃、加工時間を1時間としてホットプレスした仮焼結体を、アルゴンガス雰囲気中で、荷重を9.8kN/cm、加工温度を450℃、加工時間を3時間、総圧化率を75%として据え込み鍛造した。更に、押し出し加工(ステップS4c)は、アルゴンガス雰囲気中で、加工温度を450℃、押し出し圧を11.8kN/cm、押し出し比を10、押し出し速度を0.15mm/分として行った。各直径のナノワイヤーで作製した熱電材料における性能指数Zを下記表7に示す。また、図11は横軸にナノワイヤーの平均直径をとり、縦軸に性能指数Zをとって、ナノワイヤーの直径と性能指数との関係を示すグラフ図である。更に、据え込み鍛造法により作製した熱電材料における熱伝導率κ、比抵抗ρ、熱起電力α、性能指数Zを下記表8に示す。
Figure 0004453311
Figure 0004453311
上記表7、表8及び図12に示すように、ナノワイヤーの平均直径が500nmを超えると、性能指数Zが急激に低下した。これは、ナノワイヤーの直径が大きくなるに従い、固化成形後のフォノン散乱が低減され、熱導電率κが増加したためである。
本発明の実施形態の熱電材料の製造方法の一例を示すフロー図である。 (a)乃至(c)は溶湯吸引法によりナノワイヤーを作製する方法をその工程順に示す模式図であり、その中のアルマイト処理を示す図である。 (a)乃至(d)は溶湯吸引法によりナノワイヤーを作製する方法をその工程順に示す模式図であり、図2(a)及び(b)に示すアルマイト処理より後の工程を示す図である。 ナノワイヤーを作製するためのめっき装置を示す模式図である。 (a)は金型に挿入されたナノワイヤーの配列状態を示す模式図であり、(b)はナノワイヤーの拡大図である。 ホットプレス後の固化成形体における結晶粒の配列状態を示す模式図である。 据え込み鍛造法をその工程順に示す模式図である。 (a)は押し出し法を示す模式図であり、(b)は押し出し法における加圧方向を示す模式図である。 (a)はHPT法を示す模式図であり、(b)はHPT法における加圧方向を示す模式図である。 (a)本発明の実施形態の熱電材料における結晶粒の状態を示す模式図であり、(b)は結晶粒の大きさを示す模式図である。 横軸にナノワイヤーの平均長さをとり、縦軸に性能指数Zをとって、ナノワイヤーの長さと性能指数との関係を示すグラフ図である。 横軸にナノワイヤーの平均直径をとり、縦軸に性能指数Zをとって、ナノワイヤーの直径と性能指数との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1;アルミニウム板 1a;多孔質アルミニウム板 1b;陽極酸化膜が形成されていない部分 2;銅板 3;希硫酸又はシュウ酸溶液 4;バリア層 5;多孔質層 6;ナノポア 7;Bi−Teインゴット 7a;Bi−Teの溶湯 8;容器 9;アルカリ溶液 10;ナノワイヤー 11;チタン蒸着ガラス基板 12;めっき液 13;めっき槽 14;白金線 15;Pt/Ti電極 16、19;金型 17;固化成形体 18;金敷き 20;ラム 21;支持台 22;押し棒 P1、P2、P3、P4;加圧方向

Claims (9)

  1. Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有するナノワイヤーからなる固化成形体であり、前記ナノワイヤーは直径又は長軸に直交する断面における対角線の長さが500nm以下、長さが1μm以上であって、前記固化成形体は前記ナノワイヤーの長軸が一向に配列して固化成形したものであることを特徴とする熱電材料。
  2. Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有し、直径又は長軸に直交する断面における対角線の長さが500nm以下であり、長さが1μm以上であるナノワイヤーを、その長軸を一方向に揃えて300乃至550℃の加熱条件下で固化成形する工程を有することを特徴とする熱電材料の製造方法。
  3. 前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程であることを特徴とする請求項2に記載の熱電材料の製造方法。
  4. 前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に平行な1対の面を拘束しながら、この拘束された面に平行で且つ前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加して据え込み鍛造する工程であることを特徴とする請求項2に記載の熱電材料の製造方法。
  5. 前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程と、前記圧力を印加した方向及び前記ナノワイヤーの長軸方向に平行な1対の面を拘束しながら、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加して据え込み鍛造する工程と、を有することを特徴とする請求項2に記載の熱電材料の製造方法。
  6. 前記固化成形する工程は、加熱条件下で加圧して前記ナノワイヤーをその長軸方向に押し出す工程であることを特徴とする請求項2に記載の熱電材料の製造方法。
  7. 前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程と、前記ホットプレスにより成形された仮焼結体を、加熱条件下で加圧して前記ナノワイヤーの長軸方向に押し出す工程と、を有することを特徴とする請求項2に記載の熱電材料の製造方法。
  8. 前記固化成形する工程は、前記ナノワイヤーの長軸方向に垂直な方向に圧力を印加しながら加熱してホットプレスする工程と、押し棒により前記圧力を印加した面に垂直な方向に圧力を印加しながら前記押し棒を回転させる工程と、を有することを特徴とする請求項2に記載の熱電材料の製造方法。
  9. 前記固化成形する工程において使用される金型は、鉄系の材料で形成されており、その表面にはTiC又はTiNが被覆されていることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
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