JP6873047B2 - 低温粘度が低く、水分の非常に少ない熱伝達流体 - Google Patents

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Description

本出願は、35 U.S.C. § 119(e)の下で、2015年5月7日に出願された米国特許仮出願第62/158,262号、および2015年5月7日に出願された米国特許仮出願第62/158,338号の優先権を主張し、これらの各々の全内容は、本願に引用して援用する。
本発明は、約136℃(約277°F)と約154℃(約309°F)の間で、好ましくは約148℃(約300°F)の大気圧沸点(atmospheric boiling point)、および、−40℃以下の低温作動限界(low temperature operating limit(LTOL))を有し、エチレングリコール(EG)、ならびに、ゼロ種以上のさらなる多価アルコール、例えば、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール(PG)、1,3−プロパンジオール(PDO)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコールおよびグリセロールを含み、さらに、適切な腐食防止剤、および、5と10質量パーセントの間の濃度で水を含む、水分の非常に少ない(very low water(VLW))熱伝達流体(heat transfer fluid)を一般に対象とする。前記熱伝達流体は、エンジンの冷却液(coolant)として内燃機関(internal combustion engine)に、また、他の熱伝達用途に使用されるのに適している。VLW熱伝達流体は、非水(non−aqueous)熱伝達流体の特徴の多くを保持しながら、実質的により低い粘度を備える。
非水熱伝達流体は、如何なる添加水もなしに配合され、使用される熱伝達流体である。ASTMインターナショナルは、非水冷却液を、「配合されたときに1.0%未満の水を含み、水で希釈されないで最終使用されることが意図された、グリコール、ジオール、トリオール、またはこれらの混合物をベースとする熱伝達流体」と定義している。対照的に、水を含有する(aqueous)水−グリコール熱伝達流体は、通常、約50パーセントの水を、1種以上の多価アルコール凝固点降下剤(freezing point depressant)と一緒に含む。
水は、その液体状態において、優れた熱伝達特性を有する。水が多価アルコール凝固点降下剤、例えばEGと一緒にされた場合でさえ、得られる水含有熱伝達流体の熱容量および熱伝導率は、流体がその液体状態を保つ限り、依然として熱伝達用途にとって好ましいままである。かなりの量の水を含む水−グリコール熱伝達流体に伴う難題は、最新エンジンおよびそれらの排気再循環(Exhaust Gas Recirculation(EGR))クーラの大きな熱密度条件下において、この熱伝達流体を、その液体状態に常に保つことである。典型的な水−グリコール熱伝達流体はそれらの沸点近くで作動されるが、これは、それらの沸点が、それらが含む大きなパーセンテージの水によって支配されているためである。50%のEGおよび50%の水の溶液の大気圧沸点は、107℃(225°F)であり、エンジンの冷却液の通路において、容易に到達される温度である。典型的なエンジン冷却システムは、冷却液の沸点を上げるために加圧されている。圧力は、少なくとも部分的に、冷却液の沸騰による水蒸気の存在に由来する。水蒸気は熱を十分に伝達しないため、結果として、局所的ホットスポットが生じ得る。非水熱伝達流体は、それらが通常使用される温度より、はるかに高い大気圧沸点を有する。それでもなお、局部沸騰が蒸気を生成し得るが、その蒸気は、より低温の周囲の液体冷却液中に直ちに液化して、蒸気の蓄積および孤立化(pocketing)は回避できる。高沸点の非水冷却液の使用は、蒸気の蓄積を防ぐことによって、液体を常に高温金属と接触させ続け、水蒸気が存在する条件下で、水を含む冷却液に比べて、向上した熱伝達をもたらす。
米国特許第8,394,287号は、最大の熱伝導率および最低の粘度を有するグリコールである非水EGを、EGの毒性を弱め、また、その低温作動限界を低下させるために、プロピレングリコール(PG)とブレンドすることによって調製される、熱伝達流体の使用を記載する。PGは、グリコールの中で唯一、過冷却されず、それ自体、通常の凝固の徴候(小塊(nodule)または結晶の形成)を示さず、むしろ単に増粘し、終には、約−60℃未満の温度で全く流動しなくなる。PGは、低温で非常に粘稠であるが、それが添加されたEGのLTOLを低下させるのに有効であった。
米国特許出願公開第2015/0284617号は、非水EGのLTOLを低下させる手段として、PDOおよび/またはDEG(これらのどちらも過冷却される)の使用を記載する。PDOおよび/またはDEGの組合せは、それらが、それら自体、過冷却されるという事実にもかかわらず、EGとPGの組合せに比べて、EGのLTOLを低下させるのに有効であるとともに、また低温での粘度も低下させる。
過冷却を示すグリコールの凝固点は、低温に関連する固化が開始される温度より、はるかに上の温度である。過冷却を示すグリコールの過冷却温度範囲は、凝固範囲であり、それは、より低い温度で凝固し始め、より高い温度まで凝固したままである。過冷却を示すグリコールの公表されている凝固点は、実際には、それが凝固した後の固化した塊の融点である。混ぜ物のない(neat)EGの公表されている凝固点は−12℃であり、凝固を開始させるために到達される必要がある温度よりもはるかに高い温度である。EGは、−22℃で凝固し始める。過冷却を示す無水(anhydrous)グリコールのLTOLは、凝固の徴候の発現のすぐ上の温度である。LTOLに達することがなければ、過冷却範囲内での作動は、小塊、結晶または固化を伴わずに安定している。−21℃というEGのLTOL(その凝固点−12℃より9℃低い)は、世界の多くの地域において一般的な冬の気候にEGが曝された場合、容易に突破され得る。ASTMインターナショナルによって現在検討されている規定は、非水エンジン冷却液が、−40℃以下のLTOLを有することを要求する。
研究者らは、受け入れられている知識の集まりが、10パーセントより少ない水のパーセンテージでは温度が高い凝固点を示しているという理由で、エチレングリコールのLTOL、またはエチレングリコールの粘度を低下させる手段として、エチレングリコールに含まれる少量の水(例えば、5%から10%の範囲のパーセンテージ)を調べることを思いとどまらされている。5%から10%の範囲の水パーセンテージを有するEGについて公表されている凝固点温度はどれも、−30℃より低温ではない。
米国特許第8,394,287号明細書 米国特許出願公開第2015/0284617号明細書
1)従来の水−グリコール冷却液よりはるかに高い沸点を有する、2)非水冷却液と同じ程度に良好なLTOLを有する、および3)非水冷却液に比べて、50パーセント程度、低下した低温粘度を有する、熱伝達流体を得ることは望ましいことであろう。
本発明は、約136℃(約277°F)と約154℃(約309°F)の間で、好ましくは約148℃(約300°F)の大気圧沸点、および、−40℃以下の低温作動限界(LTOL)を有し、エチレングリコール、ゼロ種以上のさらなる多価アルコール、例えば、DEG、TEG、テトラエチレングリコール、PG、PDO、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、またはグリセロールからなるさらなる多価アルコール成分を含む、水分の非常に少ない(VLW)熱伝達流体を一般に対象とする。さらなる多価アルコールの全質量は、熱伝達流体の全質量の0%と30%の間である。熱伝達流体は、適切な腐食防止剤、緩衝剤、苦味剤(bitterant)、および染料が含まれる、添加剤成分を含む。添加剤成分は、熱伝達流体の質量の2%と7%の間を占める。水が含まれ、水は、熱伝達流体の質量の5%と10%の間を占める。
EGは、全ての多価アルコールの中で、最も低い粘度、さらには、最も大きな熱伝導率を有するので、EGが熱伝達流体の主要成分である。少量の水がEGに含まれる場合、高い凝固点温度を示す、業界で受け入れられている凝固点の値にもかかわらず、実際には、非常に小さいパーセンテージの水がEGに添加された場合、EGに対するかなりのLTOLの改善が達成され、熱伝達流体が1種以上の他の多価アルコールをさらに含む場合、より一層低いLTOLが達成され得ることを、本発明者は、予想外に見出した。本発明のVLWエンジン冷却液は、過冷却(supercooling)の領域で作動できる。本発明の努力における第2の予想外の発見は、過冷却範囲における作動の安定性は、エチレングリコールと共に1種以上の多価アルコールを含めることによって著しく高められることである。本発明に関する体験は、「エンジン冷却液がその通常の凝固点未満で液体として存在する、不安定状態」という、ASTMインターナショナルの過冷却の定義に矛盾する。本発明のVLW熱伝達流体は、安定であり、エンジン冷却液として内燃機関に、また他の熱伝達用途にも、使用されるのに適している。本発明のVLW熱伝達流体は、従来の水含有冷却液よりはるかに高い沸点、および非水熱伝達流体の粘度よりはるかに低い粘度を備える。
過冷却を示すグリコールの一般的な温度プロフィールを示す図である。 混ぜ物のない(すなわち、100%の)EGの0℃以下の温度プロフィールを示す図である。 水とブレンドされたEGについての凝固点およびLTOLのグラフであり、ここで、水の質量は混合物の質量の5%と10%の間である。 EGの沸点対5%から10%の範囲における水含有量のグラフである。 EGの粘性係数対5%から10%の範囲における水含有量のグラフである。 EG、腐食防止剤、および水を含み、水が全質量の6%である熱伝達流体の0℃以下の温度プロフィールを示す図である。 EG、PDO、および水を含み、PDOが熱伝達流体の全質量の4%であり、水が6%である熱伝達流体の0℃以下の温度プロフィールを示す図である。 EG、PDO、腐食防止剤、および水を含み、PDOが熱伝達流体の全質量の14%であり、水が6%である熱伝達流体の0℃以下の温度プロフィールを示す図である。 EG、グリセロール、および水を含み、グリセロールが熱伝達流体の全質量の4%であり、水が6%である熱伝達流体の0℃以下の温度プロフィールを示す図である。 広い範囲の温度について、広い範囲のEG/水濃度での粘度を示すグラフである。特に興味深いのは、90%から95%のEGの範囲の濃度で示される値、および、その濃度範囲における低温での凝固点曲線交差点である。 広い範囲の温度について、広い範囲のEG/水濃度での粘度を示すグラフである。特に興味深いのは、90%から95%のEGの範囲の濃度で示される値、および、その濃度範囲における低温での凝固点曲線交差点である。 90%から95%のEG(5%から10%の水)の範囲では、低温(例えば、−40℃)で作動することが予想される冷却液流体に検討される混合物にとっては、凝固点が高いという従来の見識を示す、EG水溶液の凝固点のグラフである。
本発明は、約136℃(約277°F)と約154℃(約309°F)の間で、好ましくは約148℃(約300°F)の大気圧沸点、および、−40℃以下の低温作動限界(LTOL)を有し、エチレングリコール、および、0種以上のさらなる多価アルコール、例えば、DEG、TEG、テトラエチレングリコール、PG、PDO、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、またはグリセロールを含み、適切な腐食防止剤および水をさらに含み、水が、熱伝達流体の質量の5と10パーセントの間の質量濃度にある、水分の非常に少ない(VLW)熱伝達流体を一般に対象とする。EGは、熱伝達流体の主要成分であり、EGは、全てのグリコールの中で最低の粘度および最大の熱伝導率を有する。多価アルコール成分への少量の水の添加は、非水混合物に比べて、非常に低下した粘度を生じた。しかし、本発明者は、少量の水がEGに含まれる場合、高い凝固点温度を示すという、業界で受け入れられている凝固点の値にもかかわらず、非常に小さいパーセンテージの水がEGに添加された場合、EGに対するかなりのLTOLの改善が達成されることを、予想外に見出した。熱伝達流体が、上で列挙された1種以上の他の多価アルコールをさらに含む場合、より一層低いLTOLが達成され得る。VLW熱伝達流体は、エンジン冷却液として内燃機関に、また他の熱伝達用途に使用されるのに適している。VLW熱伝達流体は、非水熱伝達流体の特徴の多くを保持しながら、かなり、より低い、粘度を備える。
大部分のグリコールは、PGを例外として、図1に概略的に示された過冷却範囲を有する。過冷却範囲を有するグリコールは、結晶または小塊が溶けて液体状態に戻る温度よりはるかに低い温度に流体が達するまで、凝固の物理的特徴、例えば、固体結晶または小塊の形成のいずれも示さない。過冷却を示すグリコールの過冷却温度範囲は、凝固範囲であると言い得、それは、より低い温度で凝固し始め、より高い温度まで凝固したままである。過冷却を示すグリコールの凝固点は、実際には、それが凍結した後の固化した塊の融点である。実際に、「凝固点(freezing point)」としてしばしば参照される温度は、通常、固体材料の融点を測定する装置を用いて決定される。過冷却を示す無水グリコールのLTOLは、凝固の徴候の発現のすぐ上の温度である。LTOLが突破されることがなければ、過冷却範囲内での作動は、小塊または固化は無く安定である。
図2に示されているように、混ぜ物のないEGは、−13℃の凝固点、および、−22℃から−13℃まで広がる過冷却範囲を有する。EGのLTOLは、約−21℃であり、すなわち、凝固の徴候が始まる温度である−22℃より約1度高い。
過冷却される無水グリコールに水が添加された場合、グリコール−水の混合物は、それ独自の過冷却の特徴を示す。図3のグラフは、5%から10%の範囲の水の質量を有するEG/水の混合物について公表されている凝固点のプロットを含む。凝固点のデータは、MEGlobal「Ethylene Glycol Product Guide」MEG−0002_MEG_Guide_Rev_Aug_2013の13頁による。低温作動温度限界対5%から10%の水を含む熱伝達流体の曲線は、実験データから明らかにされた。「過冷却の領域」は、2つの曲線の間にある。2つの曲線の間の間隔は非常に大きいことは驚くべきであった。過冷却は、「エンジン冷却液がその通常の凝固点未満で液体として存在する、不安定状態」というASTMの特徴付けに反して、本発明者は、過冷却領域内での作動は、非常に安定であることを見出した。本発明者は、次の方法、EG/水の混合物が−40℃である間に、少量の水をEG/水の混合物と混合することを用いて、安定性を試験した。添加された水は、瞬時に凝固した。6%以上の水を有するEG/水の混合物の全ての場合において、添加された(凝固した)水は、EG/水の混合物に、単に溶解するかまたは溶け込んだ。5%の水を含むEG/水の混合物の場合、添加された(凝固した)水は、多数の凝固した小塊の成長、および全体の凝固の発現を引き起こした。5%の水を含むEG/水の混合物への2%のPDOの添加は、安定性をもたらし、上記の問題を回避し、防止することが見出された。EGではない他の多価アルコール、すなわち、DEG、TEG、テトラエチレングリコール、PG、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、またはグリセロールのいずれかの2%の添加も同様に、不安定性を消滅させるように作用する。5%から6%の範囲の水を含むVLW配合物は、−40℃での安定性を保証するために、EGではない1種以上の多価アルコールを合計で少なくとも2質量%添加する必要がある。
図4および図5は、それぞれ、EG/水の組合せの沸点および粘性係数を示し、水は5%から10%の範囲にある。水含有量が増すにつれて、粘性係数は低下し、これは、熱伝達流体では望ましいことが特筆されるべきである。同時に、沸点は低下し、これは望ましくない。一般に、約6%の水含有量は、粘度を通常の非水冷却液のおよそ半分にするとともに、望ましい沸点を保持するようである。
図6は、水が流体の質量の6%である、完全に配合されたVLW熱伝達流体の実施形態である。腐食防止剤は、質量で、0.5%の硝酸ナトリウム、0.25%のモリブデン酸ナトリウム、0.33%のアゾール、0.75%の2−EHA、および0.38%の水酸化カリウムからなる。そのLTOLは、−45℃である。熱伝達流体のLTOLは、6%のPDOを添加することによって、−53℃まで低下させることができる。
図7では、VLW熱伝達流体は、添加剤なしに、EG、PDO、および水を含む。熱伝達流体の全質量に対するPDOおよび水のパーセンテージは、それぞれ、4%および6%である。PDOは、LTOLを−47℃まで低下させた。
VLW熱伝達流体における、かなりの量のPDOの効果が、図8に示される。図8の熱伝達流体は、EG、PDO、腐食防止剤、および水の組合せである。熱伝達流体の全質量に対するPDOおよび水のパーセンテージは、それぞれ、14%および6%である。割増しのPDOは、少量の水を含めることと組み合わされて、温度に関係なく、小塊または結晶の如何なる形成も阻止した。この組合せは、全く過冷却されない。混合物は、非常に低い温度で、単に、益々粘稠になり、−65℃では、ほとんど流動しない。用途に応じて、熱伝達流体の配合に使用される、EGではない他の多価アルコール、すなわち、DEG、TEG、テトラエチレングリコール、PG、PDO、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、またはグリセロールのパーセンテージは、0%と30%の間で変わる。
グリセロールがEGおよび水と組み合わされたとき、VLW熱伝達流体は、かなり低いLTOLを示した。図9は、熱伝達流体の全質量に対するグリセロールおよび水のパーセンテージが、それぞれ、4%および6%であり、結果として、LTOLが−48℃であった、EG、グリセロール、および水の混合物である。
従来の見識は、低温(例えば、−40℃)で、5%から10%の水の範囲(90%から95%のEG範囲)では確かに、エンジン冷却液として、高濃度のEG/水の混合物の使用に反対することを教示した。図10および図11は、それぞれ、Union Carbide Inc.(1971)、および、MEGlobal(2013)によって与えられた、エチレングリコール水溶液の粘度対EG濃度である。各グラフの右上部分に、「凝固点曲線」があり、それを越えると、プロットされたデータはなく、その位置での混合物が凝固していることを示す。しかし、本発明の技術は、範囲が限定された凝固領域内で、うまく、安定に作動する。
図12は、MEGlobal(2013)によって与えられた、エチレングリコール水溶液の凝固点対EG濃度を示す。90%と95%の間のEG濃度は、−40℃以下の低温に耐える必要があるエンジン冷却液の候補として、この範囲の流体を探査することを研究者らに思いとどまらせるのに十分なだけ高い凝固温度(−30℃から約−22℃)を示す。
VLW熱伝達流体は非常に少ない水しか含まないので、腐食防止添加剤は、含まれる多価アルコールに溶けることができなければならない。熱伝達流体に使用され得る腐食防止剤添加剤には、硝酸塩、例えば硝酸ナトリウム、モリブデン酸塩、例えばモリブデン酸ナトリウム、アゾール化合物、例えば、トリルトリアゾール(TT)、水素化トリルトリアゾール(THT)、ブチルベンゾトリアゾール(BBT)、またはこれらの混合物、ならびに、1種以上の有機酸腐食防止剤、例えば、2−エチルヘキサン酸およびネオデカン酸が含まれる。これらの腐食防止剤の組合せもまた使用され得る。さらに、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが、熱伝達流体のpHを望まれるレベルに上げるために、適宜添加されてもよい。腐食防止剤添加剤は、個々に、約0.05質量%から約3質量%の濃度で存在し得る。
エンジン冷却液として使用されるVLW熱伝達流体にとって重要である、様々な基準がある。最も重要であるのは−40℃というLTOLであり、これは、地表の大部分において、温度は常にこれ程低い温度に達することはないからである。VLW熱伝達流体中の水は、LTOLを下げ、また粘度も下げる手段としての役割を果たし、どちらも非常に好ましい寄与である。しかし、水が添加されてもよい範囲は、非常に限られている。好ましくは、148℃(約300°F)の流体の沸点を保つには、水の含有量は、6質量パーセント近くであるべきである。
本明細書における教示に基づいて、当業者によって理解されるように、多数の変形および変更が、本発明の上記実施形態に対して、本発明の精神および範囲から逸脱することなく成され得る。したがって、本発明の特定の実施形態の詳細な説明は、限定の意味でなく、むしろ例示の意味で解釈されるべきである。

Claims (3)

  1. エチレングリコールベースの熱伝達流体を用いる、循環液体エンジン冷却システムを有する内燃機関を冷却するための方法であって、
    a)(1)エチレングリコール、
    (2)さらなる多価アルコール成分であって、前記さらなる多価アルコール成分の全質量が前記熱伝達流体の全質量の2%以上14%以下である、さらなる多価アルコール成分、
    (3)次の添加剤:緩衝剤、腐食防止剤、消泡剤、染料、苦味剤、スケール防止剤、界面活性剤、またはキレート剤の少なくとも1つを含む添加剤成分であって、前記熱伝達流体の全質量の2%と7%の間である、添加剤成分、および
    (4)前記熱伝達流体の全質量の5%と10%の間を占める、水
    を含む熱伝達流体を配合するステップ;および
    b)前記熱伝達流体が、前記内燃機関によって生成される熱を吸収し、吸収された前記熱をより低い温度環境に放出するように、前記内燃機関の冷却システムを、前記熱伝達流体で実質的に満たすステップ;
    を含み、
    前記熱伝達流体は、136℃を超える大気圧沸点、−40℃で1100mPa・s未満の粘性係数、および−40℃未満の安定な低温作動限界を有することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記さらなる多価アルコール成分が、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、およびこれらのうちの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、
    前記熱伝達流体が、146℃を超える大気圧沸点、−40℃で1100mPa・s未満の粘性係数、および−45℃未満の安定な低温作動限界を有し、前記さらなる多価アルコール成分が、前記熱伝達流体の全質量の2%と6%の間の質量を有する1,3−プロパンジオールからなり、前記水が、前記熱伝達流体の全質量の5%と6%の間を占めることを特徴とする方法。
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