以下に、本発明の画像形成装置、及び画像形成方法について、図面を参照して詳細に説明する。
最初に、本発明の画像形成装置の技術的概要について、簡単に説明する。この画像形成装置は、記録媒体を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される記録媒体に対して液体吐出ヘッドにより印刷を行うキャリッジと、記録媒体と液体吐出ヘッドとのギャップを調整するギャップ調整手段と、を備える。その他、ギャップ調整手段で調整されたギャップで液体吐出ヘッドと記録媒体とが衝突してジャムを生じるか否かを印刷前に記録媒体全体から検出するジャム検出手段と、ジャム検出手段でジャムが検出されると印刷を中止する制御を行う制御手段と、を備える。係る基本構成において、制御手段によって、現印刷時にジャム検出手段でジャムが検出されると、ギャップ調整手段へ指示してギャップを変更して次印刷時にジャムを生じなくさせる設定を行うものである。
要するに、この画像形成装置では、現印刷時にギャップ調整手段で液体吐出ヘッドと記録媒体とのギャップを調整する。この後、ジャム検出手段で記録媒体の高さ検出を行い、記録媒体の一部でも所定高さ以上の箇所があってジャムを発生するとみなした場合にはこれらの動作を指示して制御する制御手段によって印刷を中止する。また、このときに制御手段がギャップ調整手段へ指示してギャップを変更して次印刷時にジャムを生じなくさせる設定を行い、記録媒体の位置を変更することが特色となっている。
図1は、本発明の画像形成装置の技術的概要を説明するためにギャップ調整後にジャム検出される記録媒体1と液体吐出ヘッドを備えるキャリッジ100との位置関係を例示した図である。同図(a)はジャムを発生しない場合の一例を上記位置関係の正面方向から示した概略図、同図(b)はジャムを発生する場合の他例を上記位置関係の側面方向から示した概略図である。同図(c)はジャム発生を回避できる場合の別例を上記位置関係の側面方向から示した概略図である。
図1(a)を参照して具体的に説明すれば、現印刷時でのギャップ調整手段によるギャップ調整では、記録媒体1を版面に押し付けるための圧盤であるプラテン2を上下させて記録媒体1とキャリッジ100の液体吐出ヘッドとのギャップ(高さ)Δhを調整する。記録媒体1のある位置でギャップΔhの調整を行った後、プラテン2を水平方向(例えば右方向)に動かし、記録媒体1がキャリッジ100の液体吐出ヘッドに衝突するか否かによりジャムの発生の有無を判定する。
プラテン2の移動は、ジャム判定動作として単独で行うか、或いは記録媒体1の印刷開始位置への移動時等の他の動作のついでに行うことができる。記録媒体1に対するジャムの発生の有無の判定については、ジャム検出手段となる記録媒体1の両端上部に配置されたLED等の発光素子3からの照射光を受光素子4で受光する光学的検出手段が担う。具体的には記録媒体1の高さ方向での頂部に至るまでの光線の遮断箇所、簡略的概念で云えば記録媒体1全体の高さ検出を行う。この結果、受光素子4での照射光の受光量が記録媒体1の凸部で遮られる度合いを検出することによって行われ、照射光の受光量が所定の閾値を下回った場合、ジャムが発生するとみなすことができる。
例えば記録媒体1に凹凸がなく図1(a)に示されるように平坦であれば、記録媒体1のギャップ調整した位置に拘らずギャップΔhの状態でジャム発生も検出されずに印刷を実施できる。ところが、図1(b)に示されるように記録媒体1′に凹凸があって、高さ調整した位置が凹部であった場合にはギャップΔh″(<Δh)となってキャリッジ100の液体吐出ヘッド118と記録媒体1の凸部とが衝突するジャム発生が検出される。こうした場合には制御手段が印刷を中止する。但し、ジャムを発生する状況でも、仮に図1(c)に示されるようにギャップΔh′(>Δh″)を大きくなるように変更して次印刷時にジャムを生じなくさせる設定を行えば、支障なく印刷を実施可能となる。
即ち、本発明の画像形成装置では、液体吐出ヘッド118と記録媒体1′とが衝突するとして印刷が行われなかった場合、次印刷時に液体吐出ヘッド118と記録媒体1′とのギャップΔh′を変更して大きくする。これにより、液体吐出ヘッド118と記録媒体1′との衝突を回避でき、印刷できない状況になっても印刷を実行可能にできる。
ところで、上述した画像形成装置の各部の処理機能は、画像形成方法の処理プロセスとして換言することができる。即ち、本発明の画像形成方法は、搬送手段が記録媒体を搬送する搬送ステップと、キャリッジが搬送ステップで搬送される記録媒体に対して内蔵する液体吐出ヘッドを用いて印刷を行う印刷ステップと、を有する。この他、ギャップ調整手段が記録媒体と液体吐出ヘッドとのギャップを調整するギャップ調整ステップと、ジャム検出手段がギャップ調整ステップで調整されたギャップで液体吐出ヘッドと記録媒体とが衝突してジャムを生じるか否かを印刷前に記録媒体全体から検出するジャム検出ステップと、を有する。更に、制御手段がジャム検出ステップでジャムが検出されると印刷を中止する制御を行う制御ステップを有する。こうした処理プロセスを基本とし、制御ステップでは、現印刷時にジャム検出ステップでジャムが検出されると、制御手段がギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示してギャップを変更して次印刷時にジャムを生じなくさせる設定を行うものである。これらの各ステップは、コンピュータにより実行させるプログラムの構築に供することができる。また、係るプログラムは記録媒体に格納させ、コンピュータにより読み取って実行させることが可能なものである。
次に、本発明の画像形成装置の他の技術的概要について、簡単に説明する。本発明の画像形成装置は、上述した制御手段が記録媒体に2度以上の印刷を行うための印刷重ねを指令する場合、印刷重ねに際して印刷重ね回数が重なるに伴い、ギャップ調整手段へ指示して記録媒体と液体吐出ヘッドとのギャップが広がるように変更させる機能を持つ。
要するに、係る画像形成装置では、制御手段によって、印刷重ねに際してその回数が重なるに伴い、ギャップ調整手段へ指示して記録媒体と液体吐出ヘッドとのギャップが広がるように変更させる。これにより、画像形成装置のジャム検出手段の機能と協働し、キャリッジ100の液体吐出ヘッド118と記録媒体との衝突をより適確に回避でき、印刷できない状況になっても印刷を実行可能にできる。
図2は、本発明の画像形成装置の他の技術的概要を説明するために印刷重ねの回数に応じた記録媒体11と液体吐出ヘッド118を備えるキャリッジ100との位置関係を例示した図である。
図2を参照すれば、図2の最上段に示されるキャリッジ100の液体吐出ヘッド118により記録媒体11に対してインク等の液体吐出が行われていない初期状態では、制御手段がギャップ調整手段へ指示してプラテン2を所定位置まで下げる。これにより、記録媒体11と液体吐出ヘッド118とのギャップが所定の間隔に保たれている。また、図2の中段に示される液体吐出が開始された状態では、インク等の印刷重ねにより記録媒体11の印刷部5には盛り上がりが形成される。そこで、この状態でも制御手段がギャップ調整手段へ指示してプラテン2を再度下げてその後の印刷重ねの実行を可能とさせる。更に、図2の最下段に示される液体吐出を継続した状態では、インク等の印刷重ねの継続により記録媒体11の印刷部5′には更に大きな盛り上がりが形成される。そこで、この状態でも制御手段がギャップ調整手段へ指示してプラテン2を再度下げてその後の印刷重ねの実行を可能とさせる。その後も同様な手順で印刷重ねの継続回数毎にプラテン2を下げるようにして、印刷重ねを継続できるようにする。勿論、印刷重ねの回数、或いはプラテン2を下げる回数や移動量にも限りがあるので、印刷重ねの回数やプラテン2を下げる回数は予め許容範囲値に設定しておけば良い。
ところで、上述した画像形成装置の他の技術的概要の処理機能についても、画像形成方法の処理プロセスとして換言することができる。即ち、この場合の本発明の画像形成方法は、制御ステップで制御手段が記録媒体に2度以上の印刷を行うための印刷重ねを指令する処理プロセスを有することを基本とする。この上で制御ステップでは、制御手段が印刷重ねに際して印刷重ね回数が重なるに伴い、ギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示して記録媒体と液体吐出ヘッドとのギャップが広がるように変更させるものである。このステップについても、コンピュータにより実行させるプログラムの構築に供することができる。また、係るプログラムは記録媒体に格納させ、コンピュータにより読み取って実行させることが可能なものである。以下は、本発明の画像形成装置について、幾つかの実施例を挙げ、具体的に説明する。
図3は、本発明の実施例1に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの基本構成を示したブロック図である。
図3を参照すれば、この液体吐出ユニットは、板金と一体となったスライドレール104でキャリッジ100を保持し、主走査モータ105により駆動プーリ106と従動プーリ107と間に架け渡したタイミングベルト102を介して主走査方向に移動走査する。このキャリッジ100には、4色のインク液滴を吐出する4個の液吐出ヘッドから成る液体吐出ヘッド118を複数のインク吐出口(ノズル)を形成したノズル面のノズル列を主走査方向と直行する方向(副走査方向)に配列し、インク吐出口方向を下方に向けて装着している。4色はイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(m)、ブラック(K)である場合を例示できる。尚、ここでは独立した液滴吐出ヘッドを用いた場合を例示しているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数個のヘッド構成を採用することもできる。また、色の数及び配列順序は、これに限るものではない。
液体吐出ヘッド118を構成するインクジェットヘッドとしては、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段を備えた構成等を使用できる。この圧力発生手段としては、例えば圧電素子等の圧電アクチュエータや発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータが挙げられる。その他、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータや静電力を用いる静電アクチュエータ等が挙げられる。また、キャリッジ100に対してスリットを形成したエンコーダスケール103を主走査方向に沿って設け、キャリッジ100にはエンコーダスケール103のスリットを検出するエンコーダセンサ117を設けている。これらによってキャリッジ100の主走査方向位置を検知するためのリニアエンコーダを構成している。
一方、記録媒体108を搬送するために、記録媒体108を静電吸着して液体吐出ヘッド118に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト101を備えている。この搬送ベルト101は、副走査モータ111により搬送駆動プーリ112と搬送ローラプーリ113との間に架け渡したタイミングベルト114を介して搬送ローラ109を回転駆動することにより駆動される。また、搬送ベルト101には、スリットを形成したエンコーダホイール115を搬送ローラ109と同軸に設け、図示しない側板にはエンコーダホイール115のスリットを検出するエンコーダセンサ116を設けている。これらによって搬送ベルト101の副走査方向位置を検知するためのホイールエンコーダを構成している。
搬送ベルト101は、無端状ベルトであり、搬送ローラ109とテンションローラ110との間に架け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成し、周回移動しながら図示されない帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。更に、搬送ベルト101は、1層構造のベルトでも良いし、或いは複層(2層以上の)構造のベルトでも良い。搬送ベルト101を1層構造とする場合には、記録媒体108や帯電ローラに接触するので、層全体を絶縁材料で形成する必要がある。また、複層構造とする場合には、記録媒体108や帯電ローラに接触する側は絶縁層で形成し、記録媒体108や帯電ローラと接触しない側を導電層で形成することが好ましい。尚、図3を参照して説明した液体吐出ユニットは、汎用的な画像形成装置の適用範囲には限定されない。即ち、その他のデジタル複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)仕様の画像形成装置や、記録媒体108として布帛等に印刷を行う装置等、その他の形態についても適用可能である。
図4は、上述した液体吐出ユニットの制御部の細部構成を周辺装置を含めて示したブロック図である。
図4を参照すれば、この液体吐出ユニットにおける制御部200は、CPU202、ROM203、RAM204、NVRAM205、ASIC206を備えている。CPU202は、装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル213と接続され、装置全体の制御を司る。その他、記録媒体108の搬送動作及びキャリッジ100の液体吐出ヘッド118の移動動作に関する制御を司る機能を兼ね備えている。ROM203は、CPU202が実行するプログラムやその他の固定データを格納する。RAM204、画像データ等を一時格納する。NVRAM205は、装置電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリである。ASIC206は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理する。
また、この制御部200は、ホストインターフェース(I/F)201、印刷制御部208、主走査モータ駆動部209、ギャップ調整部210、副走査モータ駆動部211、入出力(I/0)部207を備えている。ホストインターフェース(I/F)201は、プリンタドライバ212等のホスト側とのデータ、信号の送受を行う役割を担う。印刷制御部208は、液体吐出ヘッド118を駆動するための駆動波形を生成すると共に、液体吐出ヘッド118の圧力発生手段を選択的に駆動させる画像データ及びそれに伴う各種データをヘッドドライバ119に出力する。主走査モータ駆動部209は、主走査モータ105を駆動する。ギャップ調整部210は、プラテン2を昇降するプラテン昇降モータ121へギャップ調整を指示する。副走査モータ駆動部211は、搬送ベルト101を駆動する副走査モータ111を駆動する役割を担う。入出力(I/0)部207は、リニアエンコーダ120、エンコーダホイール115からの検出パルス、及びその他の各種センサからの検知信号を入力する。
この制御部200では、印刷データ等をケーブルやネットワークを介してホストインターフェース(I/F)201で受信し、受信バッファで一旦記憶する。印刷データは、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読み取り装置、デジタルカメラ等の撮像装置のホスト機能のプリンタドライバ212により生成される。制御部200では、CPU202がホストインターフェース(I/F)201に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析する。また、その解析結果に応じてASIC206によって必要な画像処理、データの並び替え処理等を行って印刷制御部208に転送する。そこで、印刷制御部208は所要のタイミングでヘッドドライバ119に画像データや駆動波形を出力する。尚、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM203にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバ212で画像データをビットマップデータに展開して装置へ転送するようにしても良い。ここでは、例えばプリンタドライバ212で行うものとする。
印刷制御部208の駆動波形生成部は、ROM203に格納されてCPU202で読み出される駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び増幅器等で構成される。そして、1つの駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形をヘッドドライバ119に対して出力する。ヘッドドライバ119は、シリアルに入力される液体吐出ヘッド118の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて液体吐出ヘッド118を駆動する。このために、ヘッドドライバ119は、印刷制御部208の駆動波形生成部から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に液体吐出ヘッド118の圧力発生手段に対して印加する。
尚、このヘッドドライバ119は、例えばクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタ、シフトレジスタのレジスト値をラッチ信号でラッチするラッチ回路、を含む。その他、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含む。機能上では、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動パルスを選択的に液体吐出ヘッド118の圧力発生手段に印加する場合を例示できる。ギャップ調整部210は、プラテン昇降モータ121でプラテン2を上下駆動する。そして、ギャップ調整部210は、上述した発光素子3及び受光素子4による光学的検出手段でジャムの発生の有無が判定された結果に応じて記録媒体108のギャップ(高さ)の調整を行う。
図5は、上述した制御部200によるプラテン2の高さ調整から記録媒体108への印刷までの処理手順の流れ(シーケンス)の概要を説明するための模式図である。同図(a)は電源オン後の初期的処理の手順についての模式図、同図(b)は印刷指示処理及び印刷実施処理の手順についての模式図である。
図5(a)を参照すれば、電源オン後の初期的処理では、まず電源ボタンを押下すると、ギャップ調整部210がプラテン昇降モータ121(図4参照)に指示してプラテン2を上に駆動する。そこで、この状態を光学的検出手段(発光素子3のみを示す)で検出した後、プラテン2を所定量下げてから手前側に移動する様子を示している。この手前側に移動した状態で記録媒体108をセットする。尚、ここでの記録媒体108は実用上でTシャツ等とみなして良い。
図5(b)を参照すれば、上段は印刷指示処理に関するもので、操作パネル213で印刷指示してジョブを投入(1番目の手順)すると、プラテン2を光学的検出手段(発光素子3)の真下に移動(2番目の手順)する。この後、ギャップ調整部210がプラテン昇降モータ121に指示してプラテン2を上に移動し、光学的検出手段(発光素子3の光線遮断)に触れた時点で停止(3番目の手順)する。更に、ギャップ調整部210がプラテン昇降モータ121に指示してプラテン2を一定距離下に移動(4番目の手順)する。この後、手前側に移動(5番目の手順)してから一旦後方側の印刷待機位置まで移動しながら光学的検出手段(発光素子3)で全幅スキャンを行うことでジャムの発生の有無を検出(6番目の手順)する。ジャムの発生が検出されなければその後に印刷を行うが、ジャムの発生が検出されれば印刷を行わない。
図5(b)の下段は印刷実施処理に関するもので、ジャムの発生が検出されない場合、印刷待機位置から印刷を行い(7番目の手順)、副走査方向に移動して印刷が完了(8番目の手順)すると、プラテン2を所定量下げて(9番目の手順)から手前側の記録媒体108のセット位置まで移動(10番目の手順)する。この印刷実施処理の手順は、ジャムの発生が検出された場合には実行されない。N回重ね印刷を行う場合、5番目の手順から8番目の手順をN回繰り返し、N回印刷が完了したら9番目の手順から10番目の手順を実行して印刷を終了する。5番目の手順から8番目の手順をN回繰り返している最中に記録媒体108上において、液体吐出による盛り上がりが形成されたり、或いは記録媒体108が変形したりすると、1〜N回目の途中でジャム発生に至ることがある。
ところで、図5(b)の印刷指示処理中でプラテン2を光学的検出手段(発光素子3)の真下に移動するときのプラテン2の位置は固定的となるため、記録媒体108の設置状況を変化させない限り、ジャムの発生が検出され続けることになる。そこで、毎回同じ結果のジャムの発生が検出されないようにギャップ調整部210の機能を改善する。即ち、上述したように制御部200におけるCPU202及び印刷制御部208が協働し、現印刷時にジャムが検出されると、ギャップ調整部210へ指示を行う。この指示はギャップを変更して次印刷時にジャムを生じなくさせる設定を行うものである。即ち、図1(a)〜(c)を参照して説明したように行うか、或いはN回重ね印刷を行う場合の対策は図2を参照して説明した通りである。これにより、液体吐出ヘッド118と記録媒体108との衝突を防ぎ、ずっと印刷(プリント)できないという状態を回避することができる。具体的には、ギャップ調整部210へ指示してギャップを変更するとき、印刷可能になるまで複数のN回自動でリトライすることを基本動作とする。尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、印刷可能になるまで複数回自動でリトライする処理プロセスに該当する。
図6は、上述した液体吐出ユニットの制御部200による液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整の動作処理を示すフローチャートである。同図(a)はN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャート、同図(b)はN回目の印刷を実行しなかったときのN+1回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャートである。
図6(a)を参照すれば、操作パネル213を操作してN回目の印刷指示(ステップS1)を行ったときには、自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS2)。この後は、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS3)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS4)する。この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷実行しない(ステップS5)で動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、印刷開始(ステップS6)してから印刷終了(ステップ7)を経て動作終了に移行する。
図6(b)を参照すれば、N回目の印刷を実行しなかったときの操作パネル213を操作してN+1回目の印刷指示(ステップS1)を行ったときには、自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS2)。ここではN回目と調整を行う記録媒体108の位置を一定量(一定間隔)ずらす。この後は、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS3)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS4)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷実行しない(ステップS5)で動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、印刷開始(ステップS6)してから印刷終了(ステップ7)を経て動作終了に移行する。ここでは、記録媒体108に凹凸がある場合、位置を一定間隔ずらすことで、ジャム(JAM)判定(ステップS4)でジャム(JAM)の発生が起きないようにすることができる。但し、必ずしもジャム(JAM)の発生が起きないようにすることができる訳ではないが、記録媒体108の凸部でギャップ調整されたときには判定されない。尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により記録媒体の位置を一定間隔でずらす処理プロセスに該当する。
図7は、実施例2に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの制御部200による液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整の動作処理を示すフローチャートである。同図(a)はN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャート、同図(b)はN回目の印刷指示を実行しなかったときのN+1回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャートである。同図(c)はN回目、N+1回目の印刷指示を実行しなかったときのN+2回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャートである。
図7(a)を参照すれば、N回目の印刷指示を行ったときの動作処理は、図6(a)の処理フローの場合と同様であるため、説明を省略する。
図7(b)を参照すれば、N回目の印刷を実行しなかったときの操作パネル213を操作してN+1回目の印刷指示(ステップS1)を行ったときには、自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS2)。ここではN回目と調整を行う記録媒体108の位置を一定量+方向へ+Aずらす。この後は、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS3)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS4)する。この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷実行しない(ステップS5)で動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、印刷開始(ステップS6)してから印刷終了(ステップ7)を経て動作終了に移行する。
図7(c)を参照すれば、N+1回目の印刷を実行しなかったときの操作パネル213を操作してN+2回目の印刷指示(ステップS1)を行ったときには、自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS2)。ここではN回目と調整を行う記録媒体108の位置を一定量−方向へ−2Aずらす。この後は、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS3)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS4)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷実行しない(ステップS5)で動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、印刷開始(ステップS6)してから印刷終了(ステップ7)を経て動作終了に移行する。ここでは、N回目の印刷でギャップ調整した記録媒体108の位置を中心として、+−方向にずらして行く。このとき、同一方向に一定量ずらすとその逆方向に凸になっている記録媒体108を対象にするといつまでもジャム(JAM)の発生が検出され続ける。そこで、+−方向に順にずらすことにより、このような懸念を解消してジャム(JAM)の発生が起きないようにすることができる。尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により記録媒体の位置を+方向、−方向で交互にずらす処理プロセスに該当する。
図8は、実施例3に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの制御部200による液体吐出ヘッドと記録媒体108とのギャップ調整の動作処理を示すフローチャートである。同図(a)はN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャート、同図(b)はN回目の印刷指示を実行しなかったときのN+1回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャートである。
図8(a)を参照すれば、N回目の印刷指示を行ったときの動作処理は、図6(a)の処理フローの場合と同様であるため、説明を省略する。
図8(b)を参照すれば、N回目の印刷を実行しなかったときの操作パネル213を操作してN+1回目の印刷指示(ステップS1)を行ったときには、自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS2)。ここではN回目と調整を行う記録媒体108の位置をランダムでずらす。この後は、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS3)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS4)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷実行しない(ステップS5)で動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、印刷開始(ステップS6)してから印刷終了(ステップ7)を経て動作終了に移行する。ここでは、記録媒体108の凹凸に周期性があるとも限らないので、例えば乱数を用いてランダムでずらすことにより、リトライ回数が極端に多くなることを防止する狙いがある。尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により記録媒体の位置をランダムでずらす処理プロセスに該当する。
図9は、実施例4に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの制御部200による液体吐出ヘッドと記録媒体108とのギャップ調整についてのN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャートである。
図9を参照すれば、操作パネル213を操作してN回目の印刷指示(ステップS1)を行ったときには、自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS2)。この後は、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS3)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS4)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷実行しない(ステップS5)。但し、エラーにはせずに引き続いて再度自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS6)ようにする。即ち、調整を行う記録媒体108の位置をずらすようにしてから先の自動で液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップ調整を行う(ステップS2)の前に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。これに対し、ジャム(JAM)判定(ステップS4)の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、印刷開始(ステップS7)してから印刷終了(ステップ8)を経て動作終了に移行する。ここでは、一旦ジャム(JAM)の発生が検出されると印刷実行しないが、再度記録媒体108の位置をずらして自動でギャップ調整を行うことにより、ユーザの煩雑な操作を抑制することができる。また、ギャップ調整の自動でのリトライはプリンタドライバ212や操作パネル213上でON/OFFの選択を可能とするものである。尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段が複数回自動でギャップの変更をリトライする機能を選択可能で行わせる処理プロセスに該当する。
図10は、実施例5に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの制御部200による液体吐出ヘッドと記録媒体108とのギャップ調整の動作処理を示すフローチャートである。同図(a)は印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャート、同図(b)はN回目の印刷重ねに係る動作処理を示すフローチャートである。
図10(a)を参照すれば、印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理は、図6(a)の処理フローの場合と概ね同様である。但し、ここではジャム(JAM)判定(ステップS4)の結果、ジャム(JAM)が発生しないとみなして印刷開始(ステップS6)すると、印刷重ねの処理を処理プロセスAとして行う。
図10(b)の印刷重ねの処理を参照すれば、制御部200は印刷重ね回数として、最初にn=1(ステップS11)に設定されたのを確認してからn回目印刷重ねを実施(ステップS12)する。この後、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS13)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS14)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷終了(ステップS17)を経て動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップについて、一定間隔ずらすようにしてギャップ調整を行う(ステップS15)処理を実施する。その後は印刷重ねを継続して印刷重ね回数nがNに至ったか否かを確認するn=N判定(ステップ16)に移行する。この判定の結果、n=Nであれば印刷終了(ステップS17)を経て動作終了に移行する。これに対し、n<Nであればn回目印刷重ねを実施(ステップS12)の前に戻ってそれ以降の処理を繰り返すようにする。
ここではN回印刷重ねを行う場合、印刷重ね回数毎にギャップ調整を一定間隔ずらすように行う。これにより、記録媒体108がTシャツであって浮き上りを生じる場合にもギャップ調整を適確に行い、ジャム(JAM)の発生を防止することができる。
尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により印刷重ね回数の毎に一定間隔でずらす処理プロセスに該当する。
ところで、制御部200において、ギャップ調整部210へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整部210により印刷重ね回数の毎にずらすか否かをプリンタドライバ212や操作パネル213上で選択可能にできる。こうした機能についても画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整ステップでのギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により印刷重ね回数の毎にずらすか否かを選択可能とする処理プロセスに該当する。
図11は、実施例6に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの制御部200による液体吐出ヘッドと記録媒体108とのギャップ調整の動作処理を示すフローチャートである。同図(a)は印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャート、同図(b)はN回目の印刷重ねに係る動作処理を示すフローチャートである。
図11(a)を参照すれば、印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理は、図10(a)の処理フローの場合と同様である。ここでもジャム(JAM)判定(ステップS4)の結果、ジャム(JAM)が発生しないとみなして印刷開始(ステップS6)した際、印刷重ねの処理を処理プロセスAとして行う。
図11(b)の印刷重ねの処理を参照すれば、制御部200は印刷重ね回数として、最初にn=1(ステップS21)に設定されたのを確認してからn回目印刷重ねを実施(ステップS22)する。この後、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS23)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS24)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷終了(ステップS27)を経て動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップについて、ずらす量をその都度変えるようにしてギャップ調整を行う(ステップS25)処理を実施する。その後は印刷重ねを継続して印刷重ね回数nがNに至ったか否かを確認するn=N判定(ステップ26)に移行する。この判定の結果、n=Nであれば印刷終了(ステップS27)を経て動作終了に移行する。これに対し、n<Nであればn回目印刷重ねを実施(ステップS22)の前に戻ってその後の処理を繰り返すようにする。
ここではN回印刷重ねを行う場合、印刷重ね回数毎にギャップ調整をずらす量をその都度変えるように行う。これにより、記録媒体108がTシャツであってその浮き上りが変化する場合にもギャップ調整を適確に行い、ジャム(JAM)の発生を防止することができる。
尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により印刷重ね回数の毎にずらす量を変える処理プロセスに該当する。
因みに、ここでも実施例5の場合と同様に、制御部200において、ギャップ調整部210へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整部210により印刷重ね回数の毎にずらすか否かをプリンタドライバ212や操作パネル213上で選択可能にできる。こうした機能についても画像形成方法として換言でき、実施例5の場合と同様である。
図12は、実施例7に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの制御部による液体吐出ヘッドと記録媒体108とのギャップ調整の動作処理を示すフローチャートである。同図(a)は印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャート、同図(b)はN回目の印刷重ねに係る動作処理を示すフローチャートである。
図12(a)を参照すれば、印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理は、図10(a)の処理フローの場合と同様である。ここでもジャム(JAM)判定(ステップS4)の結果、ジャム(JAM)が発生しないとみなして印刷開始(ステップS6)した際、印刷重ねの処理を処理プロセスAとして行う。
図12(b)の印刷重ねの処理を参照すれば、制御部200は印刷重ね回数として、最初にn=1(ステップS31)に設定されたのを確認してからn回目印刷重ねを実施(ステップS32)する。この後、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS33)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS34)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷終了(ステップS37)を経て動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップについて、前回調整後から所定時間経過していた場合にギャップ調整を行う(ステップS35)処理を実施する。その後は印刷重ねを継続して印刷重ね回数nがNに至ったか否かを確認するn=N判定(ステップ36)に移行する。この判定の結果、n=Nであれば印刷終了(ステップS37)を経て動作終了に移行する。これに対し、n<Nであればn回目印刷重ねを実施(ステップS32)の前に戻ってその後の処理を繰り返すようにする。
ここではN回印刷重ねを行う場合、ギャップ調整を時間間隔の毎にずらすように行う。これにより、記録媒体108がTシャツであって時間経過による表面の形状変化を生じる場合にも対応させてギャップ調整を適確に行い、ジャム(JAM)の発生を防止することができる。
尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により時間間隔の毎にずらす処理プロセスに該当する。
図13は、実施例8に係る画像形成装置の要部である液体吐出ユニットの制御部による液体吐出ヘッドと記録媒体108とのギャップ調整の動作処理を示すフローチャートである。同図(a)は印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理を示すフローチャート、同図(b)はN回目の印刷重ねに係る動作処理を示すフローチャートである。
図13(a)を参照すれば、印刷重ねを含むN回目の印刷指示を行ったときの動作処理は、図10(a)の処理フローの場合と同様である。ここでもジャム(JAM)判定(ステップS4)の結果、ジャム(JAM)が発生しないとみなして印刷開始(ステップS6)した際、印刷重ねの処理を処理プロセスAとして行う。
図13(b)の印刷重ねの処理を参照すれば、制御部200は印刷重ね回数として、最初にn=1(ステップS41)に設定されたのを確認してからn回目印刷重ねを実施(ステップS42)する。この後、印刷開始前にセンサ(光学的検出手段)で記録媒体108全体をセンシングする(ステップS43)処理を行ってからジャム(JAM)判定(ステップS44)する。
この判定の結果、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がある場合にはジャム(JAM)が発生するとみなして印刷終了(ステップS47)を経て動作終了に移行する。これに対し、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とが衝突する懸念がない場合にはジャム(JAM)が発生しないとみなす。そこで、液体吐出ヘッド118と記録媒体108とのギャップについて、環境として例えば温度・湿度に応じてずらす量を変えるようにギャップ調整を行う(ステップS45)処理を実施する。その後は印刷重ねを継続して印刷重ね回数nがNに至ったか否かを確認するn=N判定(ステップ46)に移行する。この判定の結果、n=Nであれば印刷終了(ステップS47)を経て動作終了に移行する。これに対し、n<Nであればn回目印刷重ねを実施(ステップS42)の前に戻ってその後の処理を繰り返すようにする。
ここではN回印刷重ねを行う場合、ギャップ調整を温度や湿度に応じてずらす量を変えるように行う。これにより、記録媒体108がTシャツであって温度や湿度の環境による表面の形状変化を生じる場合にも対応させてギャップ調整を適確に行い、ジャム(JAM)の発生を防止することができる。
尚、係る機能は画像形成方法として換言できる。制御ステップにおいて、制御手段がギャップ調整手段へ指示してギャップを変更するとき、ギャップ調整手段により環境に応じてずらす量を変える処理プロセスに該当する。
因みに、実施例5〜実施例8で説明したN回印刷重ねに際してのギャップ調整の有無は、何れもプリンタドライバ212や操作パネル213上でON/OFFの選択を可能にできるものである。また、上述した各実施例では、記録媒体1、1′、11、108としてTシャツを適用させる想定で説明したが、それ以外の対象についても適用させることが可能である。例えば一般的な紙、コート紙、ラベル紙、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、可撓性を持つ薄板等を例示できる。