JP6831218B2 - マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6831218B2 JP6831218B2 JP2016222226A JP2016222226A JP6831218B2 JP 6831218 B2 JP6831218 B2 JP 6831218B2 JP 2016222226 A JP2016222226 A JP 2016222226A JP 2016222226 A JP2016222226 A JP 2016222226A JP 6831218 B2 JP6831218 B2 JP 6831218B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- succinate
- component
- weight
- composition
- masterbatch composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F10/00—Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
- C08F10/04—Monomers containing three or four carbon atoms
- C08F10/06—Propene
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F4/00—Polymerisation catalysts
- C08F4/42—Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors
- C08F4/44—Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides
- C08F4/60—Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides together with refractory metals, iron group metals, platinum group metals, manganese, rhenium technetium or compounds thereof
- C08F4/62—Refractory metals or compounds thereof
- C08F4/64—Titanium, zirconium, hafnium or compounds thereof
- C08F4/65—Pretreating the metal or compound covered by group C08F4/64 before the final contacting with the metal or compound covered by group C08F4/44
- C08F4/652—Pretreating with metals or metal-containing compounds
- C08F4/654—Pretreating with metals or metal-containing compounds with magnesium or compounds thereof
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/20—Compounding polymers with additives, e.g. colouring
- C08J3/22—Compounding polymers with additives, e.g. colouring using masterbatch techniques
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L23/04—Homopolymers or copolymers of ethene
- C08L23/08—Copolymers of ethene
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L23/10—Homopolymers or copolymers of propene
- C08L23/12—Polypropene
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
[1](A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、およびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;
(B)有機アルミニウム化合物;ならびに
(C)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて、プロピレンとエチレンとを重合させて得たマスターバッチ組成物であって、
成分(1)として、プロピレン単独重合体、および
成分(2)として、55〜80重量%のエチレン由来単位を含むプロピレン−エチレンコポリマーを含み、
成分(1):(2)の重量比が85〜60:15〜40であり、
以下の要件:
1)当該組成物のキシレン不溶分のGPCにより測定したMw/Mnが6〜20である
2)当該組成物のキシレン可溶分の極限粘度が1〜3dl/gである
3)当該組成物のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が1〜50g/10分である
を満たす、マスターバッチ組成物。
[2]前記成分(2)におけるプロピレン−エチレンコポリマーのエチレン由来単位が60〜75重量%である、請求項1に記載のマスターバッチ組成物。
[3]前記成分(1):(2)の重量比が75〜60:25〜40である、[1]または[2]に記載のマスターバッチ組成物。
[4]前記メルトフローレートが10〜35g/10分である、[1]〜[3]のいずれかに記載のマスターバッチ組成物。
[5]前記組成物100重量部に対し、0.01〜5重量部の結晶造核剤を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のマスターバッチ組成物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のマスターバッチ組成物に、前記マスターバッチ組成物の成分(2)とは異なるエラストマーまたは前記マスターバッチ組成物とは異なるポリプロピレン系樹脂の少なくとも一方を混合してなる、ポリプロピレン樹脂組成物。
[7]前記[6]に記載の組成物中に5重量%を超え40重量%以下の充填剤を含む、ポリプロピレン樹脂組成物。
[8]前記[6]または[7]に記載のポリプロピレン樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。
本発明のマスターバッチ組成物は、以下の成分を含む。
成分(1):プロピレン単独重合体
成分(2):55〜80重量%のエチレン由来単位を含むプロピレン−エチレンコポリマー
本発明の成分(1)としては、最終製品において剛性と耐熱性の要求を満たすため、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)が用いられる。本発明のプロピレン単独重合体には、製造プロセスにおけるリサイクルモノマーの存在や移行品の混入等により、発明の趣旨を損なわない程度に、2.0重量%以下、好ましくは1.0重量%以下の少量のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィン由来単位が含まれていてもよい。
本発明で用いるプロピレン−エチレンコポリマーはエチレン由来単位を55〜80重量%含む。エチレン由来単位の含有量が下限値未満であると線膨張係数が増加する。また、上限値を超えると線膨張係数が増加し、衝撃強度も低下する。さらに製造において、特にエチレン由来単位の含有量が55重量%程度である場合に、成分(2)の比率を25重量部以上にしようとすると、重合粒子同士が接着しやすくなりラインの閉塞をもたらす。この観点からエチレン由来単位の含有量60〜75重量%が好ましい。
成分(1)と(2)の重量比は(1):(2)=85〜60:15〜40である。成分(2)の量がこの上限を超えると剛性の低下が著しくなり、下限未満であると耐衝撃性の低下が著しくなる。この観点から、前記比率は好ましくは、75〜60:25〜40である。
さらにマスターバッチ組成物には、酸化防止剤、塩素吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、結晶造核剤、難燃剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物、油展および他の有機および無機顔料などのオレフィン重合体に通常用いられる慣用の添加剤を添加してもよい。各添加剤の添加量は公知の量としてよい。
1)XIのMw/Mn
当該組成物のキシレン不溶分(XI)のGPCにより測定したMw/Mnは6〜20である。キシレン不溶分は当該組成物における結晶性成分である。本発明においては分子量分布の指標であるMw/Mnが広い範囲にある。すなわち高分子量成分が多く存在し、当該成分が成形時にポリマー鎖の配向を促進する。このため低線膨張係数を達成できる。さらに高分子量成分により耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性が向上する。この観点からMw/Mnは7〜20が好ましい。XIのMw/Mnは25℃のキシレンに不溶な成分を得て、当該成分をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて測定することで求められる。
当該組成物のキシレン可溶分(XS)の極限粘度(XSIV)は、当該組成物における結晶性を持たない成分の分子量の指標でもある。XSIVは25℃のキシレンに可溶な成分を得て、当該成分の極限粘度を定法にて測定することで求められる。本発明においてXSIVは1〜3dl/gと比較的低い。XSIVが低いことは射出成形品において成分(2)が容易に引き伸ばされ易く低線膨張係数を達成に有利であるが、低すぎると耐衝撃性が悪化する。したがって、XSIVがこの範囲にあることで低線膨張係数と高耐衝撃性の両立を達成できると考えられる。この観点から、前記極限粘度は好ましくは1.5〜2.5dl/gである。
マスターバッチ組成物の230℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレート(以下「MFR」ともいう)は1〜50g/10分である。MFRがこの範囲にあることで優れた成形性を達成できる。MFRが上限値を超えると、成分(1)のMFRが非常に高く(分子量が低く)なる結果、耐衝撃性が低下すると共に、製造も困難となる。またMFR値が下限値未満であるとマスターバッチ組成物を使用したポリプロピレン樹脂組成物のMFRが低下し、射出成形等の成形が困難となる。この観点から、メルトフローレートは好ましくは5〜35g/10分である。
本発明のマスターバッチ組成物は、曲げ弾性率が1000〜1500MPaであることが好ましく、1100〜1300MPaであることがより好ましい。
本発明のマスターバッチ組成物は、−30〜80℃でのMD方向の線膨張係数が60〜80×10−6/Kであることが好ましく、65〜78×10−6/Kであることが好ましい。線膨張係数は成形品をアニールした後、熱機械分析(TMA)を行うことで測定できる。
本発明のマスターバッチ組成物は、室温でのシャルピー衝撃強度が20〜50kJ/m2であることが好ましく、低温(−30℃)でのシャルピー衝撃強度が3〜6kJ/m2であることが好ましい。
本発明のマスターバッチ組成物は成分(1)の原料モノマーおよび成分(2)の原料モノマーを、(A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および内部電子供与体としてスクシネート系化合物を含有する固体触媒、(B)有機アルミニウム化合物、ならびに(C)外部電子供与体化合物を含む触媒を用いて重合する工程を含む方法で製造される。
従って、スクシネートを内部電子供与体化合物として用いた触媒によって得られるポリマーの性能を測定値などの物理量で特定するには限界があるため、請求項において当該特性を言葉で特定することは現実的ではない。
成分(A)は、公知の方法、例えばマグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体化合物を相互接触させることにより調製できる。
成分(B)の有機アルミニウム化合物としては以下が挙げられる。
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニウム:
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム。
成分(C)の電子供与体化合物は、一般に「外部電子供与体」と称される。このような電子供与体化合物としては有機ケイ素化合物が好ましい。好ましい有機ケイ素化合物として以下が挙げられる。
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、t−アミルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビスo−トリルジメトキシシラン、ビスm−トリルジメトキシシラン、ビスp−トリルジメトキシシラン、ビスp−トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、iso−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2−ノルボルナントリメトキシシラン、2−ノルボルナントリエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフエノキシシラン、メチルトリアリルオキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン。
上記のとおりに調製した触媒に原料モノマーを接触させて重合する。この際、まず前記触媒を用いて予備重合を行うことが好ましい。予備重合とは、その後の原料モノマーの本重合の足がかりとなるポリマー鎖を固体触媒成分に形成させる工程である。予備重合は公知の方法で行うことができる。予備重合は、通常は40℃以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下で行われる。
次いで、予備重合した触媒を重合反応系内に導入して、原料モノマーの本重合を行う。本重合は、成分(1)の原料モノマーおよび成分(2)の原料モノマーを、2つ以上の反応器を用いて重合することが好ましい。重合は、液相中、気相中または液−気相中で実施してよい。重合温度は常温〜150℃が好ましく、40℃〜100℃がより好ましい。重合圧力は、液相中で行われる場合には好ましくは33〜45barの範囲であり、気相中で行われる場合には5〜30barの範囲である。連鎖移動剤(たとえば、水素又はZnEt2)などの当該分野で公知の慣用の分子量調節剤を用いてもよい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、前記マスターバッチ組成物に、前記マスターバッチ組成物の成分(2)とは異なるエラストマーまたは当該マスターバッチ組成物とは異なるポリプロピレン系樹脂の少なくとも一方を混合して得られる。エラストマーおよび当該マスターバッチ組成物とは異なるポリプロピレン系樹脂の合計量は、ポリプロピレン樹脂組成物中、5〜40重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。
エラストマーとは弾性を有するポリマーであり、主に組成物の耐衝撃性を向上する目的で添加される。本発明で用いるエラストマーとしては、エチレンとα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィンが挙げられ、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が好ましい。エラストマーは、成分(1)および成分(2)のポリマーよりも低い密度を有することが好ましい。例えばエラストマーの密度は限定されないが0.850〜0.890g/cm3であることが好ましく、0.860〜0.880g/cm3であることがより好ましい。このようなエラストマーは、例えば特開2015−113363号に記載のとおりメタロセンまたはハーフメタロセン等の均一系触媒を用いてモノマーを重合することにより調製できる。エラストマーのMFRは、190℃、21.6Nの荷重で0.1〜50g/10分であることが好ましい。
当該マスターバッチ組成物とは異なるポリプロピレン系樹脂は、組成物の流動性、剛性、耐衝撃性等を向上する目的で添加される。マスターバッチ組成物とは異なるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、0重量%を超え5重量%以下のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレンランダム共重合体、プロピレン重合体の存在下、エチレンと1種類以上のC3〜C10−αオレフィンを重合して得た重合混合物(HECOとも呼ばれる)が挙げられる。本発明のマスターバッチ組成物もHECOの一種であり、マスターバッチ組成物に添加されるHECOもマスターバッチ組成物と同様の方法で製造することができるが、両者は組成において異なる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、充填剤を含んでいてもよい。充填剤は主に材料の剛性を向上する目的で添加される。充填剤としては例えばタルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ガラスファイバー等の無機充填剤、カーボンファイバー、セルロースファイバー等の有機充填剤が挙げられる。これらの充填剤の分散性を向上させるため、必要に応じて、充填剤の表面処理や充填剤と樹脂とのマスターバッチの調製を行ってもよい。充填剤の中でも、プロピレン(共)重合体およびエチレンとα−オレフィンとの共重合体に容易に混ざり、成形体の剛性を向上させやすいことから、タルクが好ましい。充填剤の量は、ポリプロピレン樹脂組成物中、5重量%を超え40重量%以下であることが好ましく、10〜35重量%がより好ましい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、酸化防止剤、塩素吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、結晶造核剤、難燃剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物、油展および他の有機および無機顔料などのオレフィン重合体に通常用いられる慣用の添加剤を添加してもよい。各添加剤の添加量は公知の量としてよい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、前記成分を溶融混練して製造できる。混練方法は限定されないが、押出機等の混練機を用いる方法が好ましい。混練条件は特に限定されないが、シリンダー温度を180〜250℃とすることが好ましい。このようにして得られたポリプロピレン樹脂組成物はペレット状であることが好ましい。あるいは、前記成分のドライブレンドを射出成形機中に計量して溶融混練部(シリンダー)で混練することにより、成形品としてポリプロピレン樹脂組成物を製造できる。このように本発明のポリプロピレン樹脂組成物はマスターバッチ組成物を他の成分と混合して得られる。ポリプロピレン樹脂組成物の相構造は、マスターバッチ組成物由来のプロピレン単独重合体を主成分とするマトリックス中に、マスターバッチ組成物由来のプロピレン−エチレンコポリマー成分とエラストマー(場合によってはマスターバッチ組成物とは異なるHECOに由来するエチレンとα−オレフィンとの共重合体)が分散した構造と考えられ当該相構造を形成することで本発明の効果が奏される。しかし、ポリプロピレン樹脂組成物においては、重合ブレンドで得たマスターバッチ組成物由来の分散相と、ペレットブレンドされたエラストマー等の分散相が複雑に存在し、これらの相がいずれの成分に由来するのかを正確に特定することは困難であるという事情が存在する。
本発明のマスターバッチ組成物およびポリプロピレン樹脂組成物は射出成形に好適である。本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、高剛性、高耐衝撃性、低線膨張係数を有するので自動車部品に好適である。一般的な射出条件は、シリンダー温度200〜230℃、金型温度20〜50℃、射出速度30〜50mm/秒である。
[実施例1]
以下のようにして、成分(1)としてポリプロピレン単独重合体65.5重量%、成分(2)としてエチレン由来単位を65.7重量%有するプロピレン−エチレンコポリマー34.5重量%からなるマスターバッチ組成物を製造した。
特開2011−500907号の実施例に記載の調製法に従い、固体触媒成分を調製した。具体的には以下のとおりに調製した。
窒素でパージした500mLの4つ口丸底フラスコ中に、250mLのTiCl4を0℃において導入した。撹拌しながら、10.0gの微細球状MgCl2・1.8C2H5OH(米国特許4,399,054の実施例2に記載の方法にしたがって、しかしながら10000rpmに代えて3000rpmで運転して製造した)、および9.1ミリモルのジエチル−2,3−(ジイソプロピル)スクシネートを加えた。温度を100℃に上昇し、120分間保持した。次に、撹拌を停止し、固体生成物を沈降させ、上澄み液を吸い出した。次に、以下の操作を2回繰り返した:250mLの新しいTiCl4を加え、混合物を120℃において60分間反応させ、上澄み液を吸い出した。固体を、60℃において無水ヘキサン(6×100mL)で6回洗浄した。
得られた予備重合物を、一段目の液相重合反応器に導入してプロピレン単独重合体を得た後、得られた重合体を二段目の気相重合反応器に導入して共重合体(プロピレンーエチレン共重合体)を重合した。重合中は、温度と圧力を調整し、水素を分子量調整剤として用いた。重合温度と反応物の比率は、一段目の反応器では、重合温度、水素濃度が、それぞれ70℃、0.31モル%、二段目の反応器では、重合温度、H2/C2、C2/(C2+C3)が、それぞれ80℃、0.16モル比、0.69モル比であった。また、共重合体成分の量が重合体100重量部中34.5重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した。
一段目の反応器の水素濃度を0.28モル%、二段目の反応器のH2/C2、C2/(C2+C3)を、それぞれ0.22モル比、0.59モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中32.9重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。当該ポリプロピレン重合体を用いて実施例1と同様にして本例用のマスターバッチ組成物を製造し、評価した。
実施例2で得たポリプロピレン重合体にさらにタルクを添加した以外は実施例1と同様にして溶融混練してペレットを調製し、評価した。タルク(商品名HTP05L、IMI Fabi社製)の配合量は重合体100重量部に対して1重量部であった。
MgCl2上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを担持させた固体触媒を、欧州特許第728769号公報の実施例5に記載された方法により調製した。次いで、上記固体触媒と、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEAL)と、外部電子供与体化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を用い、固体触媒に対するTEALの重量比が20、TEAL/DCPMSの重量比が10となるような量で、12℃において24分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃にて5分間保持することによって予備重合を行った。
得られた予備重合物を用い、プロピレン単独重合体を二つの液相重合反応器を用いて多段重合で製造した。一つ目の重合反応器の水素濃度を0.16モル%、二つ目の重合反応器の水素濃度を1.70モル%とし、重合温度70℃で、重合圧力を調整し、それぞれの比率が50:50になるように滞留時間分布を調整した。
続いて得られたプロピレン単独重合体を気相重合反応器に導入して、実施例1と同様に共重合体(プロピレン・エチレン共重合体)を重合した。重合中は、温度と圧力を調整し、水素を分子量調整剤として用いた。二段目の反応器では、重合温度、H2/C2、C2/(C2+C3)が、それぞれ80℃、0.12モル比、0.68モル比であった。また、共重合体成分の量が重合体100重量部中30.0重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した。
このようにして得たポリプロピレン重合体を用いて実施例1と同様にして比較用マスターバッチ組成物を製造し、評価した。
比較例1で得たポリプロピレン重合体にさらにタルクを添加した以外は実施例1と同様にして溶融混練してペレットを調製し、評価した。タルク(商品名HTP05L、IMI Fabi社製)の配合量は重合体100重量部に対して1重量部であった。
一段目の反応器の水素濃度を0.44モル%、二段目の反応器の水素濃度、C2/(C2+C3)を、それぞれ2.04モル%、0.37モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中35.6重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。このようにして得たポリプロピレン重合体を用いて実施例1と同様にして比較用マスターバッチ組成物を製造し、評価した。
実施例1と同じ予重合触媒を用い、一段目の反応器で、重合温度、水素濃度をそれぞれ70℃、0.29モル%として、プロピレン単独重合体を製造し、未反応モノマー類をパージした後、二段目の重合反応器にエチレンを導入してエチレン単独重合体を製造した。二段目の反応器の重合温度、H2/C2を、それぞれ80℃、0.16モル比とし、圧力を調整し、エチレン単独重合体の量が重合体100重量部中29.8重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整してポリプロピレン重合体を得た。当該重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして比較用のマスターバッチ組成物を製造し、評価した。
一段目の反応器の水素濃度を0.34モル%、二段目の反応器の水素濃度、C2/(C2+C3)を、それぞれ4.13モル%、0.19モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中31.5重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。このようにして得たポリプロピレン重合体を用いて実施例1と同様にして比較用マスターバッチ組成物を製造し、評価した。
比較例1の予重合触媒を用い、一つ目の液相重合反応器の水素濃度を0.73モル%、二つ目の液相重合反応器の水素濃度を3.46モル%とし、気相重合反応器のH2/C2、C2/(C2+C3)を、それぞれ0.12モル比、0.68モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中49.0重量部となるように液相反応器と気相反応器の滞留時間分布を調整してポリプロピレン重合体を製造した。このようにして得たポリプロピレン重合体を用いて実施例1と同様にして比較用マスターバッチ組成物を製造し、評価した。
一段目の液相重合反応器の水素濃度を1.86モル%とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中37.0重量部となるように液相反応器と気相反応器の滞留時間分布を調整した以外は、比較例6と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。このようにして得たポリプロピレン重合体を用いて実施例1と同様にして比較用マスターバッチ組成物を製造し、評価した。
以上の結果を表1に示す。
[実施例4]
一段目の反応器の水素濃度を0.59モル%とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中30.7重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。次いでこのポリプロピレン重合体を用いて実施例1と同様にしてマスターバッチ組成物を製造した。当該マスターバッチ組成物とタルク(商品名HTP05L、IMI Fabi社製)とエラストマー(商品名Engage8200、Dow Chemical社製)を、実施例1と同様にして溶融混練してペレットを調製した。次いで実施例1と同様にして当該ポリプロピレン樹脂組成物を評価した。
一段目の反応器の水素濃度を0.59モル%、二段目の反応器のH2/C2、C2/(C2+C3)を、それぞれ0.14モル比、0.56モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中29.5重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。次いでこのポリプロピレン重合体を用いて実施例4と同様にしてポリプロピレン樹脂組成物を製造し、評価した。
一段目の反応器の水素濃度を0.59モル%、二段目の反応器のH2/C2、C2/(C2+C3)を、それぞれ0.12モル%、0.59モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中32.3重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。次いでこのポリプロピレン重合体を用い、マスターバッチ組成物とタルクの含有量を表2に示すように変更した以外は、実施例4と同様にしてポリプロピレン樹脂組成物を製造し、評価した。
一段目の反応器の水素濃度を0.39モル%、共重合体成分の量が重合体100重量部中37.5重量部となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例4と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。次いでこのポリプロピレン重合体を用い、マスターバッチ組成物とタルクとMFRが1750g/10分、25℃でのキシレン可溶分が2.3重量%であるプロピレン単独重合体を表2に示す量で配合した以外は、実施例4と同様にしてポリプロピレン樹脂組成物を製造し、評価した。
比較例1の予重合触媒を用い、一つ目の液相重合反応器の水素濃度を0.68モル%、二つ目の液相重合反応器の水素濃度を3.46モル%とし、気相重合反応器のH2/C2、C2/(C2+C3)を、それぞれ0.08モル比、0.68モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中26.8重量部となるように液相反応器と気相反応器の滞留時間分布を調整してポリプロピレン重合体を製造した。次いでこのポリプロピレン重合体を用いて実施例4と同様にして比較用ポリプロピレン樹脂組成物を製造し、評価した。
比較例1の予重合触媒を用い、一段目の重合反応器の水素濃度を1.44モル%とし、二段目の重合反応器の水素濃度、C2/(C2+C3)を、それぞれ1.75モル%、0.22モル比とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中26.4重量部となるように液相反応器と気相反応器の滞留時間分布を調整してポリプロピレン重合体を製造した。次いでこのポリプロピレン重合体を用いて実施例4と同様にして比較用ポリプロピレン樹脂組成物を製造し、評価した。
一つ目の液相重合反応器の水素濃度を0.42モル%とし、共重合体成分の量が重合体100重量部中28.0重量部となるように液相反応器と気相反応器の滞留時間分布を調整した得られた重合体を使用した以外は、比較例8と同様にしてポリプロピレン重合体を製造した。次いでこのポリプロピレン重合体を用いて、マスターバッチ組成物とタルクの配合量を、表2に示す実施例6と同じ量に変更した以外は実施例4と同様にして比較用ポリプロピレン樹脂組組成物を製造し、評価した。
以上の結果を表2に示す。
[MFR]
JIS K 7210に準じ、230℃、荷重21.18Nの条件下で測定した。
[マスターバッチ組成物中の共重合体中のエチレン濃度および共重合体の量]
1、2、4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解した試料について、Bruker社製AVANCEIII HD400(13C共鳴周波数100MHz)を用い、測定温度120℃、フリップ角45度、パルス間隔7秒、試料回転数20Hz、積算回数5000回の条件で13C−NMRのスペクトルを得た。
<マスターバッチ組成物中の総エチレン量>
上記で得られたスペクトルを用いて、Kakugo,Y.Naito、K.Mizunuma and T.Miyatake、Macromolecules、15、1150-1152(1982)の文献に記載された方法により、マスターバッチ組成物の総エチレン量(重量%)を求めた。
<共重合体(成分(2))中のエチレン濃度>
上記で得られたTββの積分強度の替わりに下記式で求めた積分強度を使用した以外は、総エチレン量と同様の方法で計算を行い、共重合体中のエチレン濃度を求めた。
T’ββ= 0.98×Sαγ×A/(1−0.98×A)
ここで、A= Sαγ/(Sαγ+Sαδ)
<マスターバッチ組成物中の共重合体(成分2)の量>
以下の式で求めた。
成分(2)の量(重量%)= 総エチレン量/(共重合体中のエチレン濃度/100)
ポリマー2.5gを、o−キシレン(溶媒)を250mL入れたフラスコに入れ、ホットプレートおよび還流装置を用いて、135℃で、窒素パージを行いながら、30分間、攪拌し、組成物を完全溶解させた後、25℃で1時間、冷却を行った。得られた溶液を、濾紙を用いて濾過した。濾過後の濾液を100mL採取し、アルミカップ等に移し、窒素パージを行いながら、140℃で蒸発乾固を行い、室温で30分間静置し、キシレン可溶分(XS)を得た。
上記のキシレン可溶分を試料とし、ウベローデ型粘度計(SS−780−H1、柴山科学器械製作所製)を用いて135℃テトラヒドロナフタレン中で極限粘度(IV)の測定を行った。
ただし比較例4のマスターバッチ組成物の成分(2)のエチレン単独重合体には、キシレンに可溶な成分が殆ど存在しないため、マスターバッチ組成物のエチレン含有量から見積もられる成分(2)の割合、マスターバッチ組成物全体のIV、成分(1)のIVの値より、IVの加成性を仮定して、成分(2)のIVを計算した。
上述したようにキシレン可溶分を濾過した際、濾紙上に残った残留物(キシレン不溶成分と溶媒の混合物)にアセトンを加えて濾過した後、濾過されなかった成分を、80℃設定の真空乾燥オーブンにて、蒸発乾固させ、キシレン不溶分(XI)を得た。
[キシレン不溶分のMwおよびMw/Mn]
上記のキシレン不溶分を試料とし、以下のように、重量平均分子量(Mw)と分子量分布(Mw/Mn)の測定を行った。
装置としてポリマーラボラトリーズ社製PL GPC220を使用し、酸化防止剤を含む1,2,4−トリクロロベンゼンを移動相とし、カラムとして昭和電工(株)製UT−G(1本)、UT−807(1本)、UT−806M(2本)を直列に接続したものを使用し、検出器として示差屈折率計を使用した。また、キシレン不溶分の試料溶液の溶媒としては移動相と同じものを使用し、1mg/mLの試料濃度で、150℃の温度で振とうさせながら2時間溶解して測定試料を調製した。これにより得た試料溶液500μLをカラムに注入し、流速1.0mL/分、温度145℃、データ取り込み間隔1秒で測定した。カラムの較正には、分子量580〜745万のポリスチレン標準試料(shodex STANDARD、昭和電工(株)製)を使用し、三次式近似で行った。Mark−Houkinsの係数は、ポリスチレン標準試料に関しては、K=1.21×10−4、α=0.707、ポリプロピレン系重合体に関しては、K=1.37×10−4、α=0.75を使用した。
JIS K6921−2に従い室温(23℃)において曲げ試験を行った。クロスヘッド速度2mm/分で測定した。
得られたポリプロピレン樹脂成形体(物性評価用試験片)を切削加工した試験片(80(長さ)×10(幅)×4(厚み)mm3)を、ISO179−1に準拠し、23℃とー30℃におけるシャルピー衝撃強度を測定した。
得られたポリプロピレン樹脂成形体(物性評価用試験片、厚み4mm)の中心部(幅10mm)を樹脂の流動方向(MD)に沿って10mmの長さに切り出し、80℃のオーブン内に24時間放置したものを試料としてJIS K7197に準拠して測定した。
<試験装置> Ulvac MTS9000 (真空理工製)
<試験条件> 昇温速度:5℃/分
荷重 :5.0g重
測定温度:−30℃〜80℃
Claims (7)
- (A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、およびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;
(B)有機アルミニウム化合物;ならびに
(C)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて、プロピレンとエチレンとを重合させて得たマスターバッチ組成物であって、
成分(1)として、プロピレン単独重合体、および
成分(2)として、55〜80重量%のエチレン由来単位を含むプロピレン−エチレンコポリマーを含み、
成分(1):(2)の重量比が75〜60:25〜40であり、
以下の要件:
1)当該組成物のキシレン不溶分のGPCにより測定したMw/Mnが6〜20である
2)当該組成物のキシレン可溶分の極限粘度が1〜3dl/gである
3)当該組成物のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が1〜50g/10分である
を満たす、マスターバッチ組成物。 - 前記成分(2)におけるプロピレン−エチレンコポリマーのエチレン由来単位が60〜75重量%である、請求項1に記載のマスターバッチ組成物。
- 前記メルトフローレートが10〜35g/10分である、請求項1または2に記載のマスターバッチ組成物。
- 前記組成物100重量部に対し、0.01〜5重量部の結晶造核剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のマスターバッチ組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のマスターバッチ組成物に、前記マスターバッチ組成物の成分(2)とは異なるエラストマーまたは前記マスターバッチ組成物とは異なるポリプロピレン系樹脂の少なくとも一方を混合してなる、ポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項5に記載の組成物中に5重量%を超え40重量%以下の充填剤を含む、ポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項5または6に記載のポリプロピレン樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016222226A JP6831218B2 (ja) | 2016-11-15 | 2016-11-15 | マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 |
PCT/JP2017/041091 WO2018092805A1 (ja) | 2016-11-15 | 2017-11-15 | マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 |
CN201780069625.5A CN109923170B (zh) | 2016-11-15 | 2017-11-15 | 母料组合物和包含该母料组合物的聚丙烯树脂组合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016222226A JP6831218B2 (ja) | 2016-11-15 | 2016-11-15 | マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018080231A JP2018080231A (ja) | 2018-05-24 |
JP6831218B2 true JP6831218B2 (ja) | 2021-02-17 |
Family
ID=62146431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016222226A Active JP6831218B2 (ja) | 2016-11-15 | 2016-11-15 | マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6831218B2 (ja) |
CN (1) | CN109923170B (ja) |
WO (1) | WO2018092805A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7114361B2 (ja) * | 2018-06-19 | 2022-08-08 | サンアロマー株式会社 | ポリプロピレン組成物および成形品 |
JP7249126B2 (ja) | 2018-10-18 | 2023-03-30 | サンアロマー株式会社 | ポリプロピレン組成物および成形品 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BR9907139B1 (pt) * | 1998-11-03 | 2008-11-18 | composiÇço poliolefÍnica e retentores produzidos a partir de dita composiÇço. | |
TW200427763A (en) * | 2003-04-03 | 2004-12-16 | Basell Poliolefine Spa | Impact resistant polyolefin compositions |
ATE466048T1 (de) * | 2004-10-04 | 2010-05-15 | Basell Poliolefine Srl | Elastomerpolyolefinzusammensetzungen |
JP4688135B2 (ja) * | 2005-01-18 | 2011-05-25 | 東邦チタニウム株式会社 | オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒 |
RU2471811C2 (ru) * | 2007-10-15 | 2013-01-10 | Базелль Полиолефин Италия С.Р.Л. | Способ получения полимеров пропилена с высокой текучестью |
BR112013008076B1 (pt) * | 2010-10-14 | 2020-06-09 | Basell Poliolefine Italia Srl | elemento para o interior automotivo e uso de uma composição de polipropileno |
JP6144044B2 (ja) * | 2011-12-28 | 2017-06-07 | サンアロマー株式会社 | バッテリーケース用ポリマー組成物 |
WO2014054673A1 (ja) * | 2012-10-03 | 2014-04-10 | サンアロマー株式会社 | レトルトフィルム用プロピレン樹脂組成物 |
JP6095947B2 (ja) * | 2012-11-02 | 2017-03-15 | サンアロマー株式会社 | コンプレッション成形用ポリプロピレン系樹脂組成物および成形品 |
JP6454131B2 (ja) * | 2014-11-04 | 2019-01-16 | サンアロマー株式会社 | ポリプロピレン組成物を含むフィルムまたはシートの製造方法 |
-
2016
- 2016-11-15 JP JP2016222226A patent/JP6831218B2/ja active Active
-
2017
- 2017-11-15 WO PCT/JP2017/041091 patent/WO2018092805A1/ja active Application Filing
- 2017-11-15 CN CN201780069625.5A patent/CN109923170B/zh active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2018092805A1 (ja) | 2018-05-24 |
CN109923170A (zh) | 2019-06-21 |
CN109923170B (zh) | 2021-10-26 |
JP2018080231A (ja) | 2018-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102231819B1 (ko) | 마스터배치 조성물 | |
EP3784734B1 (en) | Polypropylene composition and molded article | |
JP6095947B2 (ja) | コンプレッション成形用ポリプロピレン系樹脂組成物および成形品 | |
JP6884061B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及び射出圧縮成形体 | |
JP6831218B2 (ja) | マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 | |
WO2022270630A1 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその製造方法、並びにシート成形体及び容器 | |
JP6887349B2 (ja) | ポリプロピレン組成物 | |
JP6827877B2 (ja) | 中空成形用ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法及び中空成形品 | |
JP7096682B2 (ja) | ポリプロピレン組成物および成形品 | |
EP3810661B1 (en) | Polypropylene composition and molded article | |
JP6860326B2 (ja) | ポリプロピレン組成物およびこれを成形してなるマット調フィルム | |
EP4048730A1 (en) | Polypropylene composition and molded article | |
JP6588286B2 (ja) | インフレーションフィルム用ポリプロピレン樹脂組成物 | |
EP3867285B1 (en) | Polypropylene composition and molded article | |
JP7096681B2 (ja) | ポリプロピレン組成物および成形品 | |
JP2022095293A (ja) | 射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及び射出成形体 | |
JP2022095294A (ja) | 射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及び射出成形体 | |
JP2020183457A (ja) | 自動車内装部品用ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法及び自動車内装部品用成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20170517 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191106 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200910 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210128 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6831218 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |