以下に、本技術を実施するための形態を添付図面を参照して説明する。
以下に示す実施の形態は、本技術撮像装置をスチルカメラに適用し、本技術羽根開閉装置をこのスチルカメラに設けられたフォーカルプレーンシャッターに適用したものである。
尚、本技術の適用範囲はスチルカメラ及びスチルカメラに設けられたフォーカルプレーンシャッターに限られることはなく、例えば、ビデオカメラや他の機器に組み込まれる各種の撮像装置及びこれらの撮像装置に設けられるアイリス等の各種の羽根開閉装置に広く適用することができる。
以下の説明にあっては、スチルカメラの撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側が前方となり、撮影者側が後方となる。
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
また、以下に示すレンズ群は、単数又は複数のレンズにより構成されたものの他、これらの単数又は複数のレンズとアイリス等の他の光学素子を含んでもよい。
<撮像装置の概略構成>
先ず、撮像装置の概略構成について説明する(図1乃至図3参照)。
撮像装置1は、図1及び図2に示すように、例えば、横長の扁平な筐体2の内外に所要の各部が配置されて成る。撮像装置1は、図1に示すように、交換レンズ200の着脱が可能な装置であってもよい。
筐体2の前面にはフラッシュ3が設けられている。筐体2の上面にはシャッター釦4、ズームスイッチ5及び電源釦6が設けられている(図1及び図2参照)。筐体2の後面にはディスプレイ7と各種の操作部8、8、・・・とファインダー9が設けられている。
筐体2の内部には、図3に示すように、レンズ群や光学素子等を有する光学系10と光学系10によって取り込まれた光の量を制御する羽根開閉装置(フォーカルプレーンシャッター)11と羽根開閉装置11を介して取り込まれた光を光電変換する撮像素子12とが前側から順に配置されている。
<羽根開閉装置の構成>
以下に、羽根開閉装置11の構成について説明する(図4乃至図8参照)。
羽根開閉装置11は、ベース体13と押さえ板14と収容ケース15と第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17と押さえカバー18と第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20と第1のリンク21と第2のリンク22を有し、撮像素子12の前面側に配置されている。
ベース体13は、例えば、矩形状に形成され、前後に貫通された矩形状の開口13aを有している(図4及び図5参照)。開口13aは撮像素子12の撮像面における光の有効入射領域より一回り大きくされている。撮像面における光の有効入射領域は、光学系10によって取り込まれ画像を生成するために必要な光が入射される領域である。
ベース体13における開口13aの左右の部分はそれぞれ第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20が開放位置において保持される保持領域となる保持部23、23として設けられ、ベース体13における開口13aの下側の部分は収容ケース15が取り付けられる取付部24として設けられている。
取付部24の下端部には軸挿通孔24a、24aが左右に離隔して形成されている。取付部24には軸移動孔24b、24bが左右に離隔して形成され、軸移動孔24b、24bはそれぞれ軸挿通孔24a、24aを支点とした円弧状に形成されている。
押さえ板14はベース体13と略同じ大きさ及び形状に形成され、透過孔14aを有している。押さえ板14は第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20を挟んだ状態でベース体13に後側から取り付けられる。押さえ板14の後側には撮像素子12が配置される。押さえ板14がベース体13に取り付けられた状態においては、透過孔14aが開口13aの真後ろに位置される。
押さえ板14の下端部にはピン取付孔14b、14bが左右に離隔して形成されている。押さえ板14には逃げ孔14c、14cが左右に離隔して形成され、逃げ孔14c、14cはそれぞれピン取付孔14b、14bを支点とした円弧状に形成されている。
収容ケース15は樹脂材料等の非磁性材料によって形成され、後面部25と上面部26と下面部27と仕切部28を有している。
上面部26は後端部が後面部25の上端部に連続され、下面部27は後端部又は後端寄りの部分が後面部25の下端部に連続されている。仕切部28は左右方向を向き後端寄りの部分が後面部25の左右方向における中央部に連続され、上下両端部がそれぞれ上面部26と下面部27に連続されている。
収容ケース15は仕切部28によって左右で等分に仕切られており、仕切部28を基準として左右で対称な形状に形成されている。収容ケース15の仕切部28によって仕切られた左右両側の部分はそれぞれ第1の配置部15aと第2の配置部15bとして設けられている。
尚、羽根開閉装置11においては、収容ケース15が左右で対称な形状に形成され、第1の配置部15aと第2の配置部15bに配置される後述する二つの磁気駆動部も左右対称な構成にされているため、以下には、主に、第1の配置部15a側の構成について説明し、第2の配置部15b側の構成については必要に応じて説明する。
後面部25は一部が下面部27の後面と仕切部28の後面より前側に位置されている。このように後面部25の一部が下面部27の後面と仕切部28の後面より前側に位置されていることにより、収容ケース15には後方及び上方に開口された配置凹部15cが形成されている。
後面部25には前後に貫通された挿通孔25aが形成され、挿通孔25aが第1の配置部15aに連通されている。後面部25には挿通孔25aの近傍の位置に第1の取付孔25bと第2の取付孔25cが上下に離隔して形成されている。
下面部27における配置凹部15cの下側には、向き合う方向を向く第1のバネ支持面27aと第2のバネ支持面27bが左右に離隔して形成されている。
仕切部28は配置凹部15cを形成する面の一部がバネ受け面28aとされている。仕切部28の前端部には上下に貫通された軸挿通孔28bが形成されている。
収容ケース15はベース体13の取付部24に前側から取り付けられる。収容ケース15が取付部24に取り付けられた状態においては、収容ケース15の挿通孔25a、25aがそれぞれベース体13の軸挿通孔24a、24aの前側に位置される。
第1の磁気駆動部16はマグネット29とコイル30と固定ヨーク31と可動ヨーク32を有し、収容ケース15の第1の配置部15aに配置されている(図5乃至図7参照)。
マグネット29は軸方向が前後方向にされた円筒状に形成され、例えば、2極着磁にされている。マグネット29は駆動体33に固定されている。
駆動体33はベース部材34と駆動レバー35が結合されて構成されている。
ベース部材34はレバー保持部36と挿入軸部37とから成り、レバー保持部36の中心部から挿入軸部37が前方に突出されている。
レバー保持部36は外形がマグネット29と略同じ径の円形状に形成されている。レバー保持部36の外周面には第1の作用突部36aと第2の作用突部36bが周方向に離隔して設けられている。レバー保持部36には後方及び側方に開口されたバネ配置凹部36cが形成されている。レバー保持部36にはバネ配置凹部36cを形成する周方向に離隔した壁面がそれぞれ第1のバネ規制壁36dと第2のバネ規制壁36eとして形成されている。
ベース部材34には中心部を貫通された軸挿入孔34aが形成されている。
駆動レバー35は円環状に形成された結合板部38と結合板部38から放射方向に突出されたアーム板部39と結合板部38からアーム板部39とは異なる放射方向に突出された係合片部40とが一体に形成されて成る。
結合板部38はベース部材34におけるレバー保持部36の後端部に結合されている。アーム板部39の先端部には連結軸41が取り付けられ、連結軸41がアーム板部39から後方に突出された状態にされている。係合片部40は略円弧面状に形成され、周方向における両側の側縁がそれぞれ第1の係合部40aと第2の係合部40bとして形成され、第1の係合部40aと第2の係合部40bの間の外周縁が摺動部40cとして形成されている。係合片部40は被ロック部として機能する。
駆動レバー35は結合板部38がベース部材34のレバー保持部36に取り付けられて保持され、アーム板部39と係合片部40がレバー保持部36の外周から外側に突出される。
駆動体33はベース部材34の挿入軸部37がマグネット29の中心部に後方から挿入されてマグネット29に固定されている。駆動体33がマグネット29に固定された状態において、マグネット29が後面部25の挿通孔25aに挿入され収容ケース15に配置される。駆動体33はレバー保持部36が配置凹部15cに配置され、駆動レバー35のアーム板部39が収容ケース15から外側に突出される。
結合板部38の中心孔38aとベース部材34の軸挿入孔34aとマグネット29の中心孔29aには回転軸42が挿通され、マグネット29と駆動体33が回転軸42を支点として一体になって回転可能とされる。回転軸42は前端部が収容ケース15に固定され、後端部がベース体13の軸挿通孔24aと第1のリンク21又は第2のリンク22の一端部と押さえ板14のピン取付孔14bに挿入される。
回転軸42には動力補助バネ43が支持されている。動力補助バネ43は、例えば、捩じりコイルバネであり、コイル部43aと第1の腕部43bと第2の腕部43cから成る。動力補助バネ43はコイル部43aが回転軸42に支持された状態で結合板部38の前側においてベース部材34のレバー保持部36に形成されたバネ配置凹部36cに配置されている。動力補助バネ43は第1の腕部43bと第2の腕部43cがレバー保持部36から突出され、それぞれ収容ケース15の下面部27に形成された第1のバネ支持面27aと第2のバネ支持面27bに係合可能とされている。
駆動レバー35のアーム板部39に取り付けられた連結軸41は、ベース体13の軸移動孔24bと第1のリンク21又は第2のリンク22の一端寄りの部分と押さえ板14の逃げ孔14cに挿入される。
固定ヨーク31は後方に開口するコ字状に形成された平板ヨーク部44と平板ヨーク部44に連結された連結ヨーク部45とから成る。
平板ヨーク部44は左右に延びる基面部44aと基面部44aの左右両側縁からそれぞれ後方に突出された対向面部44b、44cとから成る。対向面部44cは対向面部44bより大きさが小さくされ、上端側に切欠46を有する形状に形成されている。
連結ヨーク部45はブロック状のマグネット配置部47とマグネット配置部47から側方に突出された軸状部48とから成り、マグネット配置部47には前後に貫通された配置孔47aが形成されている。軸状部48はコイル30に挿入されコイル30が軸状部48に保持される。連結ヨーク部45は軸状部48の先端部とマグネット配置部47の一端面がそれぞれ対向面部44b、44cに取り付けられて平板ヨーク部44に連結される。
固定ヨーク31はコイル30を保持した状態において収容ケース15に取り付けられる。固定ヨーク31が収容ケース15に取り付けられた状態においては、連結ヨーク部45とコイル30が後面部25と平板ヨーク部44の基面部44aとの間に位置される。
第2の磁気駆動部17は収容ケース15の第2の配置部15bに配置されている。第2の磁気駆動部17は第1の磁気駆動部16と同じ構成で左右対称にされているため、第2の磁気駆動部17の説明は省略する。
このように第1の磁気駆動部16又は第2の磁気駆動部17と駆動体33、33とロック部として機能するロックレバー56、56とがそれぞれ第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20に対応して対称な状態で二つずつ設けられている。
従って、第1の磁気駆動部16と一方の駆動体33と一方のロックレバー56によって第1の開閉羽根19の動作が制御され、第2の磁気駆動部17と他方の駆動体33と他方のロックレバー56によって第2の開閉羽根20の動作が制御されるため、簡素な構成によってそれぞれ第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20を適正に動作させることができる。
可動ヨーク32はブラケット49に保持された状態で収容ケース15に対して回動可能にされている。
ブラケット49は収容ケース15の軸挿通孔28bに挿通された支持軸50を支点として収容ケース15に対して回動可能にされている。ブラケット49はヨーク保持部49aとヨーク保持部49aから突出された被支持軸部49b、49bとを有し、被支持軸部49b、49bが支持軸50に支持されている。支持軸50には、例えば、捩じりコイルバネである戻しバネ51が被支持軸部49b、49b間に支持されている。
戻しバネ51によってブラケット49とブラケット49に保持された可動ヨーク32とがマグネット29に近付く方向へ付勢されている。
可動ヨーク32はブラケット49のヨーク保持部49aに取り付けられて保持されている。可動ヨーク32は収容ケース15に取り付けられた固定ヨーク31に形成された切欠46に位置される。従って、可動ヨーク32はマグネット29とコイル30と固定ヨーク31によって構成された磁気回路において発生する磁束の影響を受ける。可動ヨーク32は切欠46に位置された状態において、戻しバネ51によってマグネット29に近付く方向へ付勢されている。
収容ケース15の後面部25に形成された第1の取付孔25bにはバネ支持軸52が取り付けられている。バネ支持軸52には付勢バネ53が支持されている。付勢バネ53は、例えば、捩じりコイルバネであり、コイル部53aと第1の腕部53bと第2の腕部53cから成る。付勢バネ53はコイル部53aがバネ支持軸52に支持された状態で第1の腕部53bが駆動体33におけるレバー保持部36の外周面に係合可能とされ第2の腕部53cが後述する作用レバーに係合可能とされている。
収容ケース15の後面部25に形成された第2の取付孔25cにはレバー支持軸54が取り付けられている。レバー支持軸54には作用レバー55とロックレバー56がそれぞれ回動自在に支持されている。
作用レバー55はロックレバー56の前側に位置され、略上下方向に延びる本体部55aと本体部55aの一端部から側方に突出された押圧突部55bと本体部55aの他端寄りの位置から後方に突出された押さえ突部55cとを有している。作用レバー55は本体部55aの他端部がレバー支持軸54に支持されている。
作用レバー55は、押圧突部55bが可動ヨーク32に対向して位置され、本体部55aの先端部に付勢バネ53の第2の腕部53cが接触可能な状態にされている。
ロックレバー56は第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20を開放位置又は閉塞位置においてロックするロック部として機能する。ロックレバー56は、略上下方向に延びる延設部56aと、延設部56aの一端部から後方に突出されたロック突部56bと、延設部56aの他端部に連続され延設部56aに対して略直交する方向へ屈曲された直交部56cと、直交部56cの先端部から後方に突出されたバネ受け突部56dとを有している。ロックレバー56は延設部56aの他端部がレバー支持軸54に支持されている。
ロックレバー56の延設部56aには作用レバー55の押さえ突部55cが駆動体33側から係合可能な状態にされている。
レバー支持軸54にはロック用バネ57が支持されている。ロック用バネ57は、例えば、捩じりコイルバネであり、コイル部57aと第1の腕部57bと第2の腕部57cから成る。ロック用バネ57はコイル部57aがレバー支持軸54に支持された状態で第1の腕部57bがロックレバー56のバネ受け突部56dに係合され第2の腕部57cが収容ケース15の仕切部28に形成されたバネ受け面28aに係合されている。
従って、ロックレバー56はロック用バネ57によって延設部56aが駆動体33に近付く方向へ付勢されている。
上記のように第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17が収容ケース15に収容されて配置された状態においては、第1の磁気駆動部16における固定ヨーク31の対向面部44b、44cと第2の磁気駆動部17における固定ヨーク31の対向面部44b、44cとが同じ向きで配置されている。
従って、第1の磁気駆動部16の対向面部44b、44cと第2の磁気駆動部17の対向面部44b、44cが厚み方向において並んで配置されるため、羽根開閉装置11の小型化を図ることができる。
また、羽根開閉装置11にあっては、ベース体13に取り付けられる収容ケース15が設けられ、収容ケース15に第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17が収容されている。
従って、第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17を各別に収容する部材を必要とせず部品点数の削減を図ることができると共に第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17がともに収容ケース15に収容されるため第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17を近付けることができ羽根開閉装置11の一層の小型化を図ることができる。
上記のように第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17が収容ケース15に収容された状態において、収容ケース15に押さえカバー18が取り付けられる。押さえカバー18は後方に開口された横長の形状に形成され、押さえカバー18によって収容ケース15と第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17が覆われる。
押さえカバー18の上面部における後端部には切欠部18aが形成されている。収容ケース15に押さえカバー18が取り付けられた状態において、切欠部18aから駆動レバー35、35におけるアーム板部39、39の各先端部が押さえカバー18の外方に突出可能な状態にされる(図4参照)。
第1のリンク21と第2のリンク22はそれぞれ第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20に連結され、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20はそれぞれ第1のリンク21と第2のリンク22を介して駆動体33、33の連結軸41、41と回転軸42、42に連結されている(図5及び図9参照)。第1のリンク21と第2のリンク22はともに平行リンクである。
第1のリンク21は左右に離隔して位置された第1のアーム58、59によって構成され、第1のアーム58の下端寄りの位置に所定の方向に延びる連結孔58aが形成されている。第1のリンク21は第1のアーム58の連結孔58aに第1の磁気駆動部16における駆動体33の連結軸41が摺動自在に挿入されて駆動体33に連結されている。第1のアーム58、59はそれぞれ下端部がベース体13の下端部に回動自在に連結されている。尚、第1のアーム58は下端部にベース体13の一方の軸挿通孔24aを挿通される回転軸42が挿通され、回転軸42を支点として回動される。
第2のリンク22は左右に離隔して位置された第2のアーム60、61によって構成され、第2のアーム60の下端寄りの位置に所定の方向に延びる連結孔60aが形成されている。第2のリンク22は第2のアーム60の連結孔60aに第2の磁気駆動部17における駆動体33の連結軸41が摺動自在に挿入されて駆動体33に連結されている。第2のアーム60、61はそれぞれ下端部がベース体13の下端部に回動自在に連結されている。尚、第2のアーム60は下端部にベース体13の他方の軸挿通孔24aを挿通される回転軸42が挿通され、回転軸42を支点として回動される。
第1の開閉羽根19は複数のシート状の第1のセクター62、62、62によって構成されている。第1の開閉羽根19は第1のセクター62、62、62の少なくとも一部同士が厚み方向において重ねて位置され、ベース体13の開口13aを開放する開放位置と開口13aを閉塞する閉塞位置との間で移動される。
第1のセクター62、62、62はそれぞれ下端部における左右両端部が第1のアーム58、59の各部に回動可能に連結されている。従って、駆動体33が回転されると、駆動体33の回転によって第1のアーム58、59が平行な状態を保持したままで移動され、第1のアーム58、59の移動に伴って第1のセクター62、62、62が略左右方向へ移動される。このとき第1のセクター62、62、62は略左右方向への移動量が異なり、重なる面積が変化されていく。
第2の開閉羽根20は複数のシート状の第2のセクター63、63、63によって構成されている。第2の開閉羽根20は第2のセクター63、63、63の少なくとも一部同士が厚み方向において重ねて位置され、ベース体13の開口13aを開放する開放位置と開口13aを閉塞する閉塞位置との間で移動される。
第2のセクター63、63、63はそれぞれ下端部における左右両端部が第2のアーム60、61の各部に回動可能に連結されている。従って、駆動体33が回転されると、駆動体33の回転によって第2のアーム60、61が平行な状態を保持したままで移動され、第2のアーム60、61の移動に伴って第2のセクター63、63、63が略左右方向へ移動される。このとき第2のセクター63、63、63は略左右方向への移動量が異なり、重なる面積が変化されていく。
上記のように第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20が移動されるときには、第1のセクター62、62、62と第2のセクター63、63、63は移動される位置に応じて重なる面積が変化され、開口13aを開放する開放位置において最も面積が小さくされている。
従って、開口位置において第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の配置スペースが小さくなると共に閉塞位置において第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の面積が最も大きくなるため、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の移動方向における羽根開閉装置11の小型化を図ることができると共に十分な大きさの開口13aを形成することができる。
第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の間には図示しない第1のシートが配置され、第1のシートによって第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の接触が防止され第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の動作の円滑化が図られている。
また、第2の開閉羽根20と押さえ板14の間には図示しない第2のシートが配置され、第2のシートによって第2の開閉羽根20の動作の円滑化が図られている。
<羽根開閉装置の動作>
以下に、羽根開閉装置11におけるロック動作等について説明する。尚、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20に関するロック動作は同様であるため、以下には、第1の開閉羽根19に関するロック動作のみについて詳細な説明を行い、第2の開閉羽根20に関するロック動作については詳細な説明を省略する。
先ず、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の初期状態について説明する(図9参照)。
撮像装置1の電源釦6が操作される前の状態においては、コイル30、30に通電が行われておらず、例えば、第1の開閉羽根19が開放位置に保持され第2の開閉羽根20が閉塞位置に保持されている。従って、ベース体13の開口13aが第2の開閉羽根20によって閉塞されている。
このとき第1の開閉羽根19は開放位置において、以下のようにしてロックされている(図10参照)。
可動ヨーク32はマグネット29の磁力によって引き寄せられ、垂直な状態に保持されている。
付勢バネ53は、第1の腕部53bが駆動体33におけるレバー保持部36の第1の作用突部36aに押し当てられて、第2の腕部53cが作用レバー55における本体部55aの先端部に押し当てられている。このとき作用レバー55は押圧突部55bが可動ヨーク32に押し当てられている。
ロック用バネ57は第1の腕部57bがロックレバー56のバネ受け突部56dに係合され第2の腕部57cが収容ケース15の仕切部28に形成されたバネ受け面28aに係合されている。従って、ロックレバー56はロック用バネ57によって延設部56aが駆動体33に近付く方向へ付勢されている。
ロックレバー56はロック用バネ57の付勢力によって延設部56aがレバー保持部36に近付く方向へ付勢されてロック位置にあり、ロック突部56bが駆動レバー35における係合片部40の第1の係合部40aに係合されている。
このようにロック突部56bが第1の係合部40aに係合されていることにより、駆動体33とマグネット29の回転が規制され、第1の開閉羽根19が開放位置においてロックされている。
このとき動力補助バネ43は、第1の腕部43bが収容ケース15の下面部27に形成された第1のバネ支持面27aに係合され、第2の腕部43cがレバー保持部36の第2のバネ規制壁36eに係合されている。従って、駆動体33には動力補助バネ43によって第1の係合部40aがロック突部56bに押し付けられる方向への付勢力が付与されている。このとき、第2の腕部43cは収容ケース15の下面部27に形成された第2のバネ支持面27bに係合されていない。
上記のように第1の開閉羽根19が開放位置にロックされた状態において、コイル30に通電が行われると、第1の磁気駆動部16において発生する磁束によりマグネット29に対して回転力が付与される。このとき駆動体33には回転される方向への付勢力が動力補助バネ43によって付与されているため、付与されている付勢力が駆動体33の回転に対する補助動力として作用される。
マグネット29と駆動体33の一定角度の回転が行われると、動力補助バネ43は、第1の腕部43bがレバー保持部36の第1のバネ規制壁36dに接し、第2の腕部43cが第2のバネ規制壁36eに接し、第1の腕部43bと第2の腕部43cが第1のバネ支持面27aと第2のバネ支持面27bの何れにも係合されない状態になる。従って、駆動体33に対して動力補助バネ43から付勢力が付与されない状態になる。
コイル30に通電が行われると、マグネット29の可動ヨーク32に対する磁力が低下される。マグネット29の可動ヨーク32に対する磁力が低下すると、付勢バネ53の付勢力がマグネット29の可動ヨーク32に対する磁力より相対的に大きくなり、第2の腕部53cによって作用レバー55の本体部55aが押圧されて作用レバー55がレバー保持部36から離隔する方向へ回動される(図11参照)。
作用レバー55がレバー保持部36から離隔する方向へ回動されると、作用レバー55の押圧突部55bによって可動ヨーク32が押圧され、可動ヨーク32が戻しバネ51の付勢力に反して傾斜される方向へ回動される。同時に、作用レバー55の押さえ突部55cによってロックレバー56の延設部56aが押圧され、ロックレバー56がロック位置から非ロック位置に回動され、ロック突部56bが係合片部40の第1の係合部40aから離隔されて係合が解除される。
このときロック用バネ57はロックレバー56の回動に伴って第1の腕部57bがロックレバー56のバネ受け突部56dによって押圧されて第2の腕部57cに近付く方向へ変位され、付勢力が高められていく。
上記のように、ロック突部56bの第1の係合部40aとの係合が解除されるため、第1の開閉羽根19に対するロックが解除され、回転力が付与されているマグネット29が駆動体33と一体になって回転されていく(図12参照)。
マグネット29が回転されていくと、マグネット29の回転に応じて磁束の方向が変化され、マグネット29の可動ヨーク32に対する磁力が高まっていく。マグネット29の可動ヨーク32に対する磁力が高まっていくと、マグネット29の可動ヨーク32に対する磁力が付勢バネ53の付勢力より相対的に大きくなり、可動ヨーク32がマグネット29の磁力によって引き寄せられ、垂直な状態に向けて回動される。
可動ヨーク32が回動されることにより、作用レバー55は押圧突部55bが可動ヨーク32に押圧されてレバー保持部36に近付く方向へ回動される。付勢バネ53は作用レバー55の本体部55aによって第2の腕部53cが押圧される。このとき駆動体33の回転によって第1の腕部53bとレバー保持部36の第1の作用部36aとの係合が解除されており、第1の腕部53bが何れの部分にも接触されず付勢バネ53は付勢力が発生しない状態にされている。
作用レバー55がレバー保持部36に近付く方向へ回動されることにより、押さえ突部55cがロックレバー56の延設部56aから離隔される。このときロックレバー56はロック用バネ57によってロック突部56bがレバー保持部36に近付く方向へ回動され、ロック突部56bが係合片部40の摺動部40cに接した状態にされる。従って、ロックレバー56は駆動レバー35の回転に伴ってロック突部56bが摺動部40cに摺動される。
マグネット29の回転の開始時及び開始直後には、上記したように、動力補助バネ43の付勢力が駆動体33に対して補助動力として作用される。従って、マグネット29の回転の開始時及び開始直後において、動力補助バネ43の付勢力がマグネット29の回転トルクを高めるように作用され、第1の開閉羽根19の動作速度を高めることができる。
マグネット29が駆動体33と一体になってさらに回転されると、付勢バネ53は駆動体33の回転によって第1の腕部53bがレバー保持部36の第2の作用突部36bに係合される(図13参照)。従って、付勢バネ53は第1の腕部53bが第2の腕部53cに近付く方向へ変位されて付勢力が高められる。
ロックレバー56は駆動体33の回転によってロック突部56bの摺動部40cとの摺動が解除され、ロック用バネ57の付勢力によってロック突部56bがレバー保持部36に近付く方向へ回動され、再び非ロック位置からロック位置に至る。ロックレバー56が回動されると、ロック突部56bが係合片部40の第2の係合部40bに係合される。ロック突部56bが第2の係合部40bに係合されたときに、コイル30への通電が停止されマグネット29と駆動体33の回転が停止される。
このようにロックレバー56のロック突部56bが第2の係合部40bに係合されることにより、マグネット29の上記とは逆方向への回転が規制され、このとき第1の開閉羽根19が閉塞位置まで移動されており、第1の開閉羽根19が閉塞位置おいてロックされる。
マグネット29の上記した一定角度の回転が行われさらに回転されたときには、動力補助バネ43は、第1の腕部43bが第1のバネ規制壁36dにさらに押圧されて第2の腕部43cにさらに近付く方向へ変位され、第2の腕部43cが第2のバネ支持面27bに係合される。従って、動力補助バネ43から駆動体33に対して回転方向と反対方向への付勢力が付与され、動力補助バネ43の付勢力が駆動体33とマグネット29に対して減速する方向への補助動力として作用する。このように動力補助バネ43の付勢力が駆動体33とマグネット29に対して減速する方向への補助動力として作用されるため、第1の開閉羽根19が閉塞位置まで移動される直前から閉塞位置まで移動される間には、第1の開閉羽根19が減速される。
尚、上記には、第1の開閉羽根19に関するロックの動作について説明したが、第2の開閉羽根20に関しても上記と同様の動作によって開放位置又は閉塞位置においてロック状態が設定される。
一方、第1の開閉羽根19が閉塞位置にある状態において、マグネット29が逆方向へ回転されて第1の開閉羽根19が開放位置へ向けて移動されるときには、可動ヨーク32や作用レバー55やロックレバー56が上記と同様に動作され、ロック突部56bの第2の係合部40bとの係合が解除され、次に、ロック突部56bが摺動部40cと摺動され、続いて、ロック突部56bが第1の係合部40aに係合される。このとき、マグネット29の逆方向への回転の開始時及び開始直後には、上記したように、動力補助バネ43の付勢力が駆動体33に対して駆動体33の回転方向と同じ方向へ付与されている。従って、マグネット29の逆方向への回転の開始時及び開始直後においても、動力補助バネ43の付勢力がマグネット29の回転トルクを高めるように作用され、第1の開閉羽根19の動作速度を高めることができる。
上記したように、マグネット29の回転の開始時及び開始直後には、動力補助バネ43によって駆動体33にマグネット29の回転と同じ方向への回転力が付与されており、マグネット29に対する大きなトルクが付与される。
このように羽根開閉装置11にあっては、駆動体33に対して駆動体33の動作方向への付勢力を付与する動力補助バネ43が設けられているため、駆動体33とマグネット29に対して動力補助バネ43によって所定の回転方向へのトルクが付与され、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の動作速度の向上を図ることができる。
また、駆動体33に対して動作方向への付勢力を付与する動力補助バネ43が設けられているため、動力補助バネ43の力量(バネ力)に応じてコイル30に供給する電流量を制御することにより、別に動力補助バネ43の力量を制御する機構を設ける必要がなく、構造の簡素化を図った上で第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の動作速度を所望の速度に設定することができる。
上記したように、羽根開閉装置11にあっては、第1の磁気駆動部16と第2の磁気駆動部17に固定ヨーク31と可動ヨーク32が設けられ、可動ヨーク32の動作によってロック部として機能するロックレバー56がロック位置と非ロック位置の間で移動される。
従って、コイル30への通電により可動ヨーク32と被ロック部として機能する係合片部40を有する駆動体33とが動作されるため、可動ヨーク32と駆動体33を動作させるための各別の駆動部を必要とせず、構造の簡素化を図った上で第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20のロックを行うことができる。
また、ロック部として回動可能なロックレバー56が設けられ、ロックレバー56をロック位置から非ロック位置まで回動させる回動可能な作用レバー55が設けられ、ロックレバー56の回動軸と作用レバー55の回動軸とが一致されている。
従って、作用レバー55とロックレバー56が同じ軸を支点として回動されるため、構造の簡素化及び動作制御の容易化を図ることができる。
<開閉羽根の動作例>
以下に、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の具体的な動作の一例について説明する。
撮像装置1の電源釦6が操作されていない状態においては、上記したように、第1の開閉羽根19が開放位置にある状態にされ、第2の開閉羽根20が閉塞位置にある状態にされている(図9参照)。
撮像装置1の電源釦6が操作されると、例えば、撮影者がディスプレイ7やファインダー9によって被写体の視認が可能なライブビューモードに設定される。このとき第2の磁気駆動部17のコイル30に駆動電流が供給され、第2の磁気駆動部17に駆動力が発生し、第2の開閉羽根20が閉塞位置から開放位置まで移動される(図14参照)。
第2の開閉羽根20が開放位置に移動されることにより、開口13aが開放され光学系10から取り込まれる光が撮像素子12に入射可能な状態にされ、撮影者においてディスプレイ7やファインダー9によって被写体の視認が可能にされる。
次に、シャッター釦4が操作され、被写体の撮影が行われるときには、第1の磁気駆動部16のコイル30に駆動電流が供給され、第1の磁気駆動部16に駆動力が発生し、第1の開閉羽根19が開放位置から閉塞位置まで移動され開口13aが閉塞される(図15参照)。
第1の開閉羽根19が閉塞位置に移動されると、第1の磁気駆動部16のコイル30に対して逆方向の駆動電流が供給され、第1の開閉羽根19が閉塞位置から開放位置へ向けて移動されていく。第1の開閉羽根19が開放位置へ向けて移動されていくときには、第1の開閉羽根19の開放位置へ向けての移動が開始された直後に第2の磁気駆動部17のコイル30に対して逆方向の駆動電流が供給され、第2の開閉羽根20が開放位置から閉塞位置へ向けて第1の開閉羽根19を追従するようにして移動されていく。第1の開閉羽根19に追従するように第2の開閉羽根20が移動されるときには、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20の間に所定の幅を有するスリット64が形成された状態とされ(図16参照)、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20は一定の幅を有するスリット64が形成される状態で開放位置又は閉塞位置へ向けて移動されていく。
スリット64が形成される状態で第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20が移動される動作はスリット走行と称される動作であり、スリット走行により撮像素子12に順次一方の端部から他方の端部まで押さえ板14の透過孔14a、スリット64及びベース体13の開口13aを介して光が入射されていき、露光が行われる。
スリット走行が終了したときには、第1の開閉羽根19が開放位置に移動され、第2の開閉羽根20が閉塞位置に移動されて開口13aが再び閉塞される(図9参照)。
続いて、第1の磁気駆動部16のコイル30に駆動電流が供給されて第1の開閉羽根19が閉塞位置に移動され、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20によって開口13aが閉塞される(図17参照)。第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20によって開口13aが閉塞される状態においては、スリット走行時に撮像素子12に入射された光が順次光電変換されて画像信号が生成され、生成された画像信号がメモリーに転送されて被写体の像が生成される。
尚、スリット走行時に撮像素子12に入射された光が順次光電変換されて画像信号がメモリーに転送される動作は、スリット走行が終了したときの第1の開閉羽根19が開放位置に移動され第2の開閉羽根20が閉塞位置に移動されて開口13aが閉塞された状態(図9参照)において行われるようにしてもよい。
<変形例>
以下に、羽根開閉装置の第1の変形例と第2の変形例について説明する。尚、以下に示す第1の変形例に係る羽根開閉装置11Aは上記した羽根開閉装置11と比較して可動ヨークとブラケットに代えてアクチュエーターと作用部材が設けられていることが相違し、第2の変形例に係る羽根開閉装置11Bは上記した羽根開閉装置11と比較して磁気駆動部の一部である可動ヨークが設けられておらず磁気回路部が設けられていることが相違する。従って、以下の各変形例に関しては、羽根開閉装置11と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については羽根開閉装置11における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
<第1の変形例>
先ず、第1の変形例に係る羽根開閉装置11Aについて説明する(図18乃至図22参照)。
羽根開閉装置11Aは、図18に示すように、ベース体13と押さえ板14と収容ケース15と第1の磁気駆動部16Aと第2の磁気駆動部17Aと押さえカバー18と第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20と第1のリンク21と第2のリンク22を有し、撮像素子12の前面側に配置されている。
第1の磁気駆動部16Aはマグネット29とコイル30と固定ヨーク31Aを有し、羽根開閉装置11に設けられていた可動ヨーク32は設けられていない。従って、固定ヨーク31Aの対向面部44cには切欠46が形成されておらず、対向面部44bと対向面部44cが同じ大きさに形成されている。
羽根開閉装置11Aにあっては、羽根開閉装置11において用いられている可動ヨーク32とブラケット49に代えて作用部材65とアクチュエーター66が設けられている。
作用部材65は支持軸50を支点として収容ケース15に対して回動可能にされている。作用部材65は略平板状の平板面部65aと平板面部65aの一端部から突出された被支持軸部65b、65bと平板面部65aの他端部から突出された押圧部65cと平板面部65aの中間部から突出された連結軸部65dとを有し、被支持軸部65b、65bが支持軸50に支持されている。支持軸50には、例えば、捩じりコイルバネである戻しバネ51が被支持軸部65b、65b間に支持されている。
戻しバネ51によって作用部材65がマグネット29に近付く方向へ付勢されている。
アクチュエーター66は作用部材65の連結軸部65dに連結されている。アクチュエーター66は、例えば、電磁石であり、磁性体66aと電磁コイル66b、66bと可動部66cを有している。アクチュエーター66においては電磁コイル66b、66bに対する通電の有無に応じて可動部66cが磁性体66aに対して突出され又は引き込まれて往復動作される。
羽根開閉装置11Aには羽根開閉装置11において設けられているバネ支持軸52と付勢バネ53と作用レバー55が設けられていない。
レバー支持軸54にはロックレバー56Aが回動自在に支持されている。ロックレバー56Aは第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20を開放位置又は閉塞位置においてロックするロック部として機能する。
ロックレバー56Aは、略上下方向に延びる延設部56eと、延設部56eの一端部から後方に突出された被作用部56fと、延設部56eの他端部から後方に突出されたロック突部56gとを有している。ロックレバー56Aは延設部56eの略中央部がレバー支持軸54に支持されている。
ロック用バネ57はコイル部57aがレバー支持軸54に支持された状態で第1の腕部57bがロックレバー56Aの被作用部56fに係合され第2の腕部57cが収容ケース15の仕切部28に形成されたバネ受け面28aに係合されている。
従って、ロックレバー56Aはロック用バネ57によって被作用部56fが作用部材65の平板面部65aに近付く方向へ付勢されロック突部56gが駆動体33に近付く方向へ付勢されている。
<第1の変形例における羽根開閉装置の動作>
以下に、羽根開閉装置11Aにおけるロック動作等について説明する(図19乃至図22参照)。尚、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20に関するロック動作は同様であるため、以下には、第1の開閉羽根19に関するロック動作のみについて詳細な説明を行い、第2の開閉羽根20に関するロック動作については詳細な説明を省略する。
初期状態において、第1の開閉羽根19は、例えば、開放位置に保持され、第2の開閉羽根20は、例えば、閉塞位置に保持されている。
このときアクチュエーター66の電磁コイル66b、66bには通電が行われておらず、可動部66cが磁性体66aに対して引き込まれた位置にある(図19参照)。従って、作用部材65は平板面部65aが垂直な状態に対して傾斜された状態に保持されている。ロックレバー56Aはロック用バネ57の付勢力によって被作用部56fが作用部材65に近付く方向へ付勢されロック位置に保持されているため、被作用部56fが押圧部65cに押し付けられ、ロック突部56gが駆動レバー35における係合片部40の第1の係合部40aに係合されている。
このようにロック突部56gが第1の係合部40aに係合されていることにより、駆動体33とマグネット29の回転が規制され、第1の開閉羽根19が開放位置においてロックされている。
上記のように第1の開閉羽根19が開放位置にロックされた状態において、コイル30に通電が行われると、第1の磁気駆動部16Aにおいて発生する磁束によりマグネット29に対して回転力が付与される。
このときアクチュエーター66の電磁コイル66b、66bに通電が行われる。電磁コイル66b、66bに通電が行われると、可動部66cが磁性体66aに対して突出され、ロックレバー56Aの被作用部56fが戻しバネ51によって付勢されている作用部材65の押圧部65cによって押圧され、ロックレバー56Aがロック用バネ57の付勢力に反してロック位置から非ロック位置まで回動される。ロックレバー56Aが回動されることにより、ロック突部56gが係合片部40の第1の係合部40aから離隔されて係合が解除される。
このときロック用バネ57はロックレバー56Aの回動に伴って第1の腕部57aがロックレバー56Aの被作用部56fによって押圧され、付勢力が高められていく。作用部材65は可動部66cの移動に伴って垂直な状態にされる。
上記のように、ロック突部56gの第1の係合部40aとの係合が解除されるため、第1の開閉羽根19に対するロックが解除され、回転力が付与されているマグネット29が駆動体33と一体になって回転されていく。
このときロックレバー56Aはロック突部56gが係合片部40の摺動部40cに接した状態又は摺動部40cから僅かに離隔した状態にされ、駆動体33の回転に伴ってロック突部56gが摺動部40cに沿って相対的に移動される(図20参照)。
マグネット29が駆動体33と一体になってさらに回転されると、駆動体33は係合片部40の第2の係合部40bがロックレバー56Aのロック突部56gに対応する位置に至る(図21参照)。このときアクチュエーター66の電磁コイル66b、66bに対する通電が停止され、可動部66cが磁性体66aに対して引き込まれる。また、コイル30に対する通電も停止されてマグネット29と駆動体33の回転が停止される。
可動部66cが磁性体66aに対して引き込まれると、ロックレバー56Aがロック用バネ57の付勢力によってロック突部56gがレバー保持部36に近付く方向へ回動され、再び非ロック位置からロック位置に至る(図22参照)。ロックレバー56Aが回動されると、ロック突部56gが係合片部40の第2の係合部40bに係合される。
このようにロックレバー56Aのロック突部56gが第2の係合部40bに係合されることにより、マグネット29の上記とは逆方向への回転が規制され、このとき第1の開閉羽根19が閉塞位置まで移動されており、第1の開閉羽根19が閉塞位置おいてロックされる。
尚、アクチュエーター66の電磁コイル66b、66bに対する通電の停止は、駆動体33の回転に伴ってロック突部56gが摺動部40cに沿って相対的に移動されている途中において行われてもよい。この場合には、ロック用バネ57によって付勢されているロックレバー56Aはロック突部56gが係合片部40の摺動部40cに摺動された状態で摺動部40cに沿って相対的に移動され、第2の係合部40bがロック突部56gに対応する位置に至ったときにロック用バネ57の付勢力によってロックレバー56Aが回動されてロック突部56gが第2の係合部40bに係合されてロックが行われる。
また、上記には、第1の開閉羽根19に関するロックの動作について説明したが、第2の開閉羽根20に関しても上記と同様の動作によって開放位置又は閉塞位置においてロック状態が設定される。
一方、第1の開閉羽根19が閉塞位置にある状態において、マグネット29が逆方向へ回転されて第1の開閉羽根19が開放位置へ向けて移動されるときには、アクチュエーター66の電磁コイル66b、66bに対する通電の有無に応じて作用部材65やロックレバー56Aが上記と同様に動作され、ロック突部56gの第2の係合部40bとの係合が解除され、次に、ロック突部56gが摺動部40cと摺動可能な状態にされ、続いて、ロック突部56gが第1の係合部40aに係合される。
上記したように、羽根開閉装置11Aにあっては、ロック部として機能するロックレバー56Aを動作させるアクチュエーター66が設けられている。
従って、ロックレバー56Aがアクチュエーター66によって動作されると共に被ロック部として機能する係合片部40を有する駆動体33が第1の磁気駆動部16A又は第2の磁気駆動部17Aによって動作されるため、ロック部と被ロック部の動作制御が各別に行われ、動作の信頼性の向上を図ることができる。
<第2の変形例>
次に、第2の変形例に係る羽根開閉装置11Bについて説明する(図23乃至図29参照)。
羽根開閉装置11Bは、ベース体13と押さえ板14と収容ケース15と第1の磁気駆動部16Bと第2の磁気駆動部17Bと押さえカバー18と第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20と第1のリンク21と第2のリンク22を有し、撮像素子12の前面側に配置されている(図23参照)。
第1の磁気駆動部16Bはマグネット29とコイル30と固定ヨーク31Bを有し、羽根開閉装置11に設けられていた可動ヨーク32は設けられていない。
固定ヨーク31Bは基部67と基部67の両端部から同じ方向に突出された突部68、68と突部68、68を連結するコイル保持部69とを有し、基部67にマグネット29が挿入された状態で配置されている。基部67の突部68、68が位置する側と反対側の面は対向面67aとして形成されている。
コイル保持部69にはコイル30が保持されている。
収容ケース15には磁気回路部70が取り付けられ、磁気回路部70は固定ヨーク31Bの対向面67aに対向して位置されている。磁気回路部70はヨーク体71と補助マグネット72を有している。
ヨーク体71はヨークベース71aとヨークベース71aの両端部から同じ方向に突出されたヨーク突部71b、71bとヨーク突部71b、71bを挟んでヨークベース71aの反対側に位置されたヨーク可動部71cとを有している。ヨーク可動部71cはヨーク突部71b、71bに対して変位可能にされている。
補助マグネット72はヨーク体71のヨークベース71aに埋め込まれた状態で配置されている。
尚、ヨーク体71のヨーク突部71b、71bの少なくとも一方には駆動用コイルが保持されていてもよい。駆動用コイルに通電して力を発生させることにより、発生する力を磁気回路部70における補助動力として用いることが可能になる。
マグネット29は駆動体33Bに固定されている。
駆動体33Bはベース部材34と駆動レバー35Bが結合されて構成されている。尚、第2の変形例に係る羽根開閉装置11Bに関しては、一例として、係合片部40の第1の係合部40aと第2の係合部40bの各位置が羽根開閉装置11及び羽根開閉装置11Aとは周方向において逆にされている場合を示すが、羽根開閉装置11Bに関しても、係合片部40の第1の係合部40aと第2の係合部40bの各位置が羽根開閉装置11及び羽根開閉装置11Aと同じ位置関係にされていてもよい。
駆動レバー35Bは円環状に形成された結合板部38と結合板部38から放射方向に突出されたアーム板部39と結合板部38から放射方向に突出された係合片部40と結合板部38から放射方向に突出された回動用突部73とを有している。アーム板部39と係合片部40と回動用突部73は結合板部38から周方向において略等角度の位置からそれぞれ放射方向に突出されている。
羽根開閉装置11Bにあっては、羽根開閉装置11において用いられているブラケット49と作用レバー55に代えて動作レバー74が設けられている。また、羽根開閉装置11Bには羽根開閉装置11において設けられているバネ支持軸52と付勢バネ53が設けられていない。
動作レバー74は支持軸50を支点として収容ケース15に回動自在に支持されている。動作レバー74は略コ字状の連結面部74aと連結面部74aの前後両端部からそれぞれ突出された被支持軸部74b、74bと後側の被支持軸部74bから突出された押さえ突部74cと後側の被支持軸部74bから突出されたアーム突部74dと前側の被支持軸部74bから突出されたバネ掛け突部74eとを有している。動作レバー74は被支持軸部74b、74bが支持軸50に支持されている。
動作レバー74の連結面部74aには連結軸75が連結され、連結軸75によって連結面部74aにヨーク体71のヨーク可動部71cが連結されている。ヨーク可動部71cは連結軸75に軸方向へ移動可能な状態で連結されている。
連結軸75には作用バネ76が支持されている。作用バネ76は、例えば、圧縮コイルバネであり、作用バネ76によってヨーク可動部71cが連結面部74aから離隔する方向へ付勢されている。
支持軸50には戻しバネ51が支持され、戻しバネ51の一端部が動作レバー74のバネ掛け突部74eに支持されている。動作レバー74は戻しバネ51によってアーム突部74dが駆動体33Bに近付く方向へ付勢されている。
支持軸50には動作レバー74の後側においてロックレバー56Bが回動自在に支持されている。ロックレバー56Bは第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20を開放位置又は閉塞位置においてロックするロック部として機能する。
ロックレバー56Bは、略上下方向に延びる延設部56hと、延設部56hの一端部から後方に突出されたロック突部56iと、延設部56hの中間部から後方に突出されたバネ係合部56jとを有している。ロックレバー56Bは延設部56hの他端部が支持軸50に支持されている。
支持軸50にはロック用バネ57が支持されている。ロック用バネ57は第1の腕部57bがロックレバー56Bのバネ係合部56jに係合されている。従って、ロックレバー56Bはロック用バネ57によってロック突部56iが駆動体33Bに近付く方向へ付勢されている。
<第2の変形例における羽根開閉装置の動作>
以下に、羽根開閉装置11Bにおけるロック動作等について説明する。尚、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20に関するロック動作は同様であるため、以下には、第1の開閉羽根19に関するロック動作のみについて詳細な説明を行い、第2の開閉羽根20に関するロック動作については詳細な説明を省略する。
初期状態において、第1の開閉羽根19は、例えば、開放位置に保持され、第2の開閉羽根20は、例えば、閉塞位置に保持されている。
このとき第1の開閉羽根19は開放位置において、以下のようにしてロックされている(図24及び図25参照)。
ヨーク体71はヨーク可動部71cが補助マグネット72の磁力によってヨーク突部71b、71bに引き寄せられ、ヨーク突部71b、71bに接した状態に保持されている。
動作レバー74は連結面部74aが補助マグネット72の磁力によって戻しバネ51の付勢力に反してヨーク突部71b、71b側に引き寄せられ、アーム突部74dがレバー保持部36から最も離隔した位置に保持されている。
ロックレバー56Bはロック用バネ57の付勢力によってロック突部56iがレバー保持部36に近付く方向へ付勢されてロック位置にあり、ロック突部56iが駆動レバー35Bにおける係合片部40の第1の係合部40aに係合されている。
このようにロック突部56iが第1の係合部40aに係合されていることにより、駆動体33Bとマグネット29の回転が規制され、第1の開閉羽根19が開放位置においてロックされている。
上記のように第1の開閉羽根19が開放位置にロックされた状態において、コイル30に通電が行われると、第1の磁気駆動部16Bにおいて発生する磁束によりマグネット29に対して回転力が付与される。
このとき通電により第1の磁気駆動部16Bにおいて発生する磁束が磁気回路部70に影響を及ぼし、ヨーク体71の一方のヨーク突部71bに発生する磁束は飽和されて変化しないが、ヨーク体71の他方のヨーク突部71bに発生する磁束が弱まる。従って、ヨーク体71のヨーク可動部71cと動作レバー74の連結面部74aに対する磁力が弱まり、動作レバー74は戻しバネ51の付勢力によってアーム突部74dがレバー保持部36に近付き押さえ突部74cがレバー保持部36から離隔する方向へ回動される(図26及び図27参照)。このときヨーク可動部71cはヨーク突部71b、71bから離隔され、又は、ヨーク突部71b、71bとの接触状態が弱まる。
動作レバー74が回動されると、押さえ突部74cによってロックレバー56Bの延設部56hが押圧され、ロックレバー56Aはロック位置から非ロック位置まで回動され、ロック突部56iが係合片部40の第1の係合部40aから離隔されて係合が解除される。
このときロック用バネ57はロックレバー56Bの回動に伴って付勢力が高められていく。
上記のように、ロック突部56iの第1の係合部40aとの係合が解除されるため、第1の開閉羽根19に対するロックが解除され、回転力が付与されているマグネット29が駆動体33Bと一体になって回転されていく(図28参照)。
マグネット29と駆動体33Bが一体になって回転されていくと、駆動レバー35Bの回動用突部73によって動作レバー74のアーム突部74dが押圧され、動作レバー74が戻しバネ51の付勢力に反して押さえ突部74cがレバー保持部36に近付く方向へ回動される。
このときロックレバー56Bはロック用バネ57によってロック突部56iがレバー保持部36に近付く方向へ回動されており、ロック突部56iが係合片部40の摺動部40cに接した状態にされる。従って、ロックレバー56Bは駆動レバー35Bの回転に伴ってロック突部56iが摺動部40cに摺動される。
マグネット29が駆動体33Bと一体になってさらに回転されると、ロックレバー56Bは駆動体33Bの回転によってロック突部56iの摺動部40cとの摺動が解除され、ロック用バネ57の付勢力によってロック突部56iがレバー保持部36に近付く方向へ、再び非ロック位置からロック位置まで回動される(図29参照)。ロックレバー56Bが回動されると、ロック突部56iが係合片部40の第2の係合部40bに係合される。
ロック突部56iが第2の係合部40bに係合されたときに、コイル30への通電が停止されマグネット29と駆動体33Bの回転が停止される。
このようにロックレバー56Bのロック突部56iが第2の係合部40bに係合されることにより、マグネット29の上記とは逆方向への回転が規制され、このとき第1の開閉羽根19が閉塞位置まで移動されており、第1の開閉羽根19が閉塞位置おいてロックされる。
尚、上記には、第1の開閉羽根19に関するロックの動作について説明したが、第2の開閉羽根20に関しても上記と同様の動作によって開放位置又は閉塞位置においてロック状態が設定される。
一方、第1の開閉羽根19が閉塞位置にある状態において、マグネット29が逆方向へ回転されて第1の開閉羽根19が開放位置へ向けて移動されるときには、磁気回路部70やロックレバー56Bや動作レバー74が上記と同様に動作され、ロック突部56gの第2の係合部40bとの係合が解除され、次に、ロック突部56gが摺動部40cと摺動され、続いて、ロック突部56gが第1の係合部40aに係合される。
上記したように、羽根開閉装置11Bにあっては、コイル30への通電によってロック部として機能するロックレバー56Bに対して付与される駆動力を発生する磁気回路部70が設けられている。
従って、ロックレバー56Bが磁気回路部70によって動作され、被ロック部として機能する係合片部40を有する駆動体33Bが第1の磁気駆動部16B又は第2の磁気駆動部17Bによって動作されると共に磁気回路部70に発生する駆動力と第1の磁気駆動部16B又は第2の磁気駆動部17Bに発生する駆動力とが同一のコイル30への通電により行われるため、部品点数を削減した上でロックレバー56Bと駆動体33Bの動作制御が各別に行われ、構造の簡素化を確保した上で動作の信頼性の向上を図ることができる。
<撮像装置の一実施形態>
図30に、本技術撮像装置の一実施形態によるスチルカメラ(デジタルスチルカメラ)のブロック図を示す。
撮像装置(デジタルスチルカメラ)100(撮像装置1)は、撮像機能を担うカメラブロック80と、撮影された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部81と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部82とを有している。また、撮像装置100は、撮影された画像等を表示する表示部83(ディスプレイ7)と、メモリー90への画像信号の書込及び読出を行うR/W(リーダ/ライタ)84と、撮像装置100の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)85と、ユーザーによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等の入力部86(シャッター釦4、ズームスイッチ5、電源釦6及び操作部8、8、・・・)と、カメラブロック80に配置されたレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部87とを備えている。
カメラブロック80は、レンズ群88を含む光学系(光学系10)や、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子89(撮像素子12)等とによって構成されている。
カメラ信号処理部81は、撮像素子89からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行う。
画像処理部82は、所定の画像データーフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデーター仕様の変換処理等を行う。
表示部83はユーザーの入力部86に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデーターを表示する機能を有している。
R/W84は、画像処理部82によって符号化された画像データーのメモリー90への書込及びメモリー90に記録された画像データーの読出を行う。
CPU85は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能し、入力部86からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
入力部86はユーザーによる操作に応じた指示入力信号をCPU85に対して出力する。
レンズ駆動制御部87は、CPU85からの制御信号に基づいてレンズ群88の各レンズを駆動する図示しないモータ等を制御する。
メモリー90は、例えば、R/W84に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
撮影の待機状態では、CPU85による制御の下で、カメラブロック80において撮影された画像信号が、カメラ信号処理部81を介して表示部83に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、入力部86からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、CPU85がレンズ駆動制御部87に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部87の制御に基づいてレンズ群88の所定のレンズが移動される。
入力部86からの指示入力信号によりカメラブロック80のシャッター(羽根開閉装置11)が動作されると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部81から画像処理部82に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデーターフォーマットのデジタルデーターに変換される。変換されたデーターはR/W84に出力され、メモリー90に書き込まれる。
フォーカシングはCPU85からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部87がレンズ群88の所定のレンズを移動させることにより行われる。
メモリー90に記録された画像データーを再生する場合には、入力部86に対する操作に応じて、R/W84によってメモリー90から所定の画像データーが読み出され、画像処理部82によって伸張復号化処理が行われた後に、再生画像信号が表示部83に出力されて再生画像が表示される。
<まとめ>
以上に記載した通り、羽根開閉装置11、11A、11Bにあっては、被ロック部として機能する係合片部40を有する駆動体33、33Bと、係合片部40に対する係合により第1の開閉羽根19又は第2の開閉羽根20のロック状態を設定するロック部として機能するロックレバー56、56A、56Bとが設けられ、マグネット29の回転位置に応じてロック状態の設定とロック状態の解除が行われる。
従って、マグネット29の回転位置に応じてロック部が被ロック部に係合されてロック状態の設定とロック状態の解除が行われるため、マグネット29の磁力によって第1の開閉羽根19又は第2の開閉羽根20に対するロックが行われず、消費電力の増大を伴うことなく良好な撮影状態を確保することができる。
また、ロック部として機能するロックレバー56、56A、56Bがマグネット29の回転に伴う磁力の変化に応じてロック状態を設定するロック位置とロック状態を解除する非ロック位置との間で移動される。
従って、第1の磁気駆動部16又は第2の磁気駆動部17によってロック部と被ロック部が動作されるため、ロック部と被ロック部を動作させるための各別の駆動部を必要とせず、構造の簡素化を図った上で第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20をロックすることができる。
さらに、マグネット29の回転軸と駆動体33、33Bの回転軸とが一致されているため、マグネット29と駆動体33、33Bが同じ回転軸を支点として回転され、構造の簡素化及び省スペース化による小型化を図ることができる。
さらにまた、駆動体33、33Bがマグネット29に固定されているため、マグネット29と駆動体33、33Bが同じ回転軸を支点として一体になって回転され、制御の容易化、構造の簡素化及び省スペース化による小型化を図ることができる。
また、第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20がベース体13の開口13aを開放する開放位置と開口13aを閉塞する閉塞位置との間で移動され、開放位置と閉塞位置においてそれぞれロック状態が設定される。
従って、ロック部と被ロック部を有する一つの機構によって第1の開閉羽根19と第2の開閉羽根20が開放位置と閉塞位置のそれぞれ2箇所でロックされ、構造の簡素化及び小型化を図ることができる。
さらに、被ロック部として機能する係合片部40に、開放位置においてロック部が係合される第1の係合部40aと閉塞位置においてロック部が係合される第2の係合部40bとが形成されているため、被ロック部に2箇所でロックするための二つの係合部が形成され、部品点数の削減及び小型化を図ることができる。
さらにまた、駆動体33、33Bには第1の開閉羽根19又は第2の開閉羽根20に連結された駆動レバー35、35Bが設けられ、駆動レバー35、35Bに被ロック部として機能する係合片部40が設けられている。
従って、第1の開閉羽根19又は第2の開閉羽根20に連結された駆動レバー35、35Bに第1の係合部40aと第2の係合部40bが形成されているため、駆動レバー35、35Bが第1の開閉羽根19又は第2の開閉羽根20を動作させる機能とロックされる機能の二つの機能を有し、部品点数の削減を図ることができる。
加えて、駆動レバー35、35Bに被ロック部として機能する係合片部40が設けられ、係合片部40の両縁がそれぞれ第1の係合部40aと第2の係合部40bとして形成されているため、ロック部がそれぞれ係合片部40の両縁に係合されて2箇所でロックされ、簡易な構造によって2箇所でロックする構造の簡素化を図ることができる。
<その他>
上記した羽根開閉装置11、11A、11Bにおいては、駆動体33、33Bの回転時にロックレバー56、56A、56Bのロック突部56b、56g、56iが係合片部40の摺動部40cに摺動されると、摺動による音(シャッター音)が発生する可能性があり、発生する音が異音になるおそれがある。そこで、この摺動による音の発生を軽減又は防止若しくは音色を変更するために、例えば、駆動体33、33Bに対するロックレバー56、56A、56Bの回動のタイミングを変更したり、ロックレバー56、56A、56Bや係合片部40の材料を変更してもよい。
<本技術>
本技術は、以下のような構成にすることもできる。
(1)
駆動電流が供給されるコイルと前記コイルへの通電に伴って回転されるマグネットとを有する磁気駆動部と、
被ロック部を有し前記磁気駆動部によって動作される駆動体と、
前記駆動体の動作により開口を開閉する開閉羽根と、
前記被ロック部に対する係合により前記開閉羽根のロック状態を設定するロック部とを備え、
前記マグネットの回転位置に応じて前記ロック状態の設定と前記ロック状態の解除が行われる
羽根開閉装置。
(2)
前記ロック部が前記マグネットの回転に伴う磁力の変化に応じて前記ロック状態を設定するロック位置と前記ロック状態を解除する非ロック位置との間で移動される
前記(1)に記載の羽根開閉装置。
(3)
前記磁気駆動部に固定ヨークと可動ヨークが設けられ、
前記可動ヨークの動作によって前記ロック部が前記ロック位置と前記非ロック位置との間で移動される
前記(2)に記載の羽根開閉装置。
(4)
前記ロック部として回動可能なロックレバーが設けられ、
前記ロックレバーを前記ロック位置から前記非ロック位置まで回動させる回動可能な作用レバーが設けられ、
前記ロックレバーの回動軸と前記作用レバーの回動軸とが一致された
前記(2)又は前記(3)に記載の羽根開閉装置。
(5)
前記駆動体が回転可能にされ、
前記マグネットの回転軸と前記駆動体の回転軸とが一致された
前記(1)から前記(4)の何れかに記載の羽根開閉装置。
(6)
前記駆動体が前記マグネットに固定された
前記(5)に記載の羽根開閉装置。
(7)
前記開閉羽根が前記開口を開放する開放位置と前記開口を閉塞する閉塞位置との間で移動され、
前記開放位置と前記閉塞位置においてそれぞれ前記ロック状態が設定される
前記(1)に記載の羽根開閉装置。
(8)
前記被ロック部に前記開放位置において前記ロック部が係合される第1の係合部と前記閉塞位置において前記ロック部が係合される第2の係合部とが形成された
前記(7)に記載の羽根開閉装置。
(9)
前記駆動体には前記開閉羽根に連結された駆動レバーが設けられ、
前記駆動レバーに前記被ロック部が設けられた
前記(8)に記載の羽根開閉装置。
(10)
前記駆動レバーに前記被ロック部として機能する係合片部が設けられ、
前記係合片部の両縁がそれぞれ前記第1の係合部と前記第2の係合部として形成された
前記(9)に記載の羽根開閉装置。
(11)
前記駆動体に対して前記駆動体の動作方向への付勢力を付与する動力補助バネが設けられた
前記(1)から前記(10)の何れかに記載の羽根開閉装置。
(12)
前記ロック部を動作させるアクチュエーターが設けられた
前記(1)又は前記(2)に記載の羽根開閉装置。
(13)
前記コイルへの通電によって前記ロック部に対して付与される駆動力を発生する磁気回路部が設けられた
前記(1)又は前記(2)に記載の羽根開閉装置。
(14)
前記開閉羽根が二つ設けられ互いに離接する方向へ動作され、
前記磁気駆動部と前記駆動体と前記ロック部がそれぞれ前記二つの開閉羽根に対応して対称な状態で二つずつ設けられた
前記(1)から前記(13)の何れかに記載の羽根開閉装置。
(15)
内部に光学系を介して取り込まれる光の制御を行う羽根開閉装置と前記光学系を介して取り込まれる光を光電変換する撮像素子とを備え、
前記羽根開閉装置は、
駆動電流が供給されるコイルと前記コイルへの通電に伴って回転されるマグネットとを有する磁気駆動部と、
被ロック部を有し前記磁気駆動部によって動作される駆動体と、
前記駆動体の動作により開口を開閉する開閉羽根と、
前記被ロック部に対する係合により前記開閉羽根のロック状態を設定するロック部とを備え、
前記マグネットの回転位置に応じて前記ロック状態の設定と前記ロック状態の解除が行われる
撮像装置。