JP6815768B2 - 密封装置 - Google Patents

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JP6815768B2 JP2016136269A JP2016136269A JP6815768B2 JP 6815768 B2 JP6815768 B2 JP 6815768B2 JP 2016136269 A JP2016136269 A JP 2016136269A JP 2016136269 A JP2016136269 A JP 2016136269A JP 6815768 B2 JP6815768 B2 JP 6815768B2
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Description

本発明は、密封装置に関し、特に、車両等において雨水や泥水等の異物の侵入を防止するために用いられる密封装置に関する。
従来、車両、例えば自動車において、車輪を回転自在に支持するハブベアリングは、雨水、泥水およびダスト等の異物に直接曝される環境にある。このため、従来から、ハブベアリングには、その内部を密封するための密封装置が取り付けられている。この密封装置は、ハブベアリングの外輪に内嵌された密封装置本体と、当該ハブベアリングの内輪に外嵌されたスリンガとを備え、当該ハブベアリングの内部における潤滑剤の密封を図るとともに、その内部に異物が侵入することの防止を図っている(例えば、特許文献1を参照。)。
この種のハブベアリングは、当該ハブベアリングの外輪に密封装置が予め一体に取り付けられている。例えば、図5に示すように、ハブベアリング110は、軸線xに対して環状の外輪111と、当該外輪111により少なくとも部分的に包囲された環状の内輪112とを有している。ハブベアリング110は、転がり軸受であり、図示しない転動体(ボール)が外輪111と内輪112との間に配設されており、外輪111と内輪112とが相対回動可能になっている。
外輪111と内輪112との間には環状の空間が形成されており、この空間を密封するために、外輪111と内輪112との間に密封装置120が圧入されている。密封装置120は、外輪111に内嵌される環状の密封装置本体130と、内輪112に外嵌される環状のスリンガ140とを備える。
密封装置本体130は、環状の補強環131と、この補強環131を覆うように一体に形成されたゴム材から成る弾性体部132とを備える。補強環131は、軸線xに沿う断面形状が略L字状であり、当該補強環131の外周側(矢印c方向)の円筒状の部分が外輪111の内周面に液密に嵌合されている。弾性体部132は、補強環131の内側(矢印b方向)に形成されており、軸線x方向において外側(矢印a方向)および内周側(矢印d方向)に延びるラジアルリップ132a、軸線x方向において内側(矢印b方向)に延びる内周側サイドリップ132b、外周側サイドリップ132cを備える。
スリンガ140は、軸線xに沿う断面形状が略L字状の金属製の部材である。スリンガ140は、内周側(矢印d方向)の円筒状部分であるスリンガ円筒部141と、そのスリンガ円筒部141の内側(矢印b方向)の端部から外周側(矢印c方向)へ延びる環状の円盤状部分であるスリンガ円盤部142と、スリンガ円筒部141とスリンガ円盤部142とを繋ぐ湾曲状の部分であるスリンガ湾曲部143とを備える。
スリンガ円筒部141は、内輪112の外周面112aに液密に嵌合されている。スリンガ円盤部142は、外周側(矢印c方向)の先端部分142aの内側(矢印b方向)の面(以下、これを「内側面」ともいう。)142aiにゴム144が加硫接着されている。
ゴム144は、環状の円盤形状を有しており、スリンガ円盤部142の先端部分142aの内側面142aiよりも内側(矢印b方向)に突出している。スリンガ円盤部142の先端部分142aに接着されたゴム144は、内輪112のフランジ部113の内側面113aに液密に押し当てられている。これにより、スリンガ140のスリンガ円盤部142と内輪112のフランジ部113との間がゴム144により密封されている。
特開2013−234748号公報
しかしながら、上述した構成の密封装置120においては、内輪112の外周面112aに対してスリンガ140を嵌合する際に発生するフランジ部113への押し込み力により、スリンガ円盤部142のゴム144をフランジ部113の内側面113aに押し当てているだけである。このため、フランジ部113の内側面113aに押し当てられているゴム144の潰し量が足りず、気密性が必ずしも十分ではなかった。
また、十分な気密性を得るためにゴム144の潰し量を確保するには、内輪112のフランジ部113に対してスリンガ140を嵌合させる際に一定以上の押し込み力を保持しなければならない。そのためには、内輪112およびスリンガ140のそれぞれの製造時の寸法精度を厳しく管理しなければならなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、製造時の寸法精度に影響されることなく、十分な気密性を確保し得る密封装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明においては、軸線(x)について互いに相対回転可能な環状の外周側部材(51)と、当該外周側部材(51)に少なくとも部分的に包囲された環状の内周側部材(55)との間を密封する密封装置(1)であって、前記外周側部材(51)に取り付けられる密封装置本体(70)と、前記内周側部材(55)の内側端部から径方向の外周側に延びたフランジ部(56)の外側面(56a)に取り付けられるスリンガ(90)と、を備え、前記密封装置本体(70)は、前記軸線(x)を中心とする環状の補強環(71)と、当該補強環(71)に取り付けられた弾性体からなる前記軸線(x)を中心とする環状の弾性体部(75)とを備え、前記弾性体部(75)は、前記スリンガ(90)に当接する少なくとも1つのシールリップ(77)を有し、前記スリンガ(90)は、前記フランジ部(56)の前記外側面(56a)と面接触する当該スリンガ(90)の外周側端部(91c)の内側面(91ca)に塗布された接着剤(95)を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置(1)において、前記接着剤(95)は、前記スリンガ(90)の前記内側面(91ca)において円周方向に環状に塗布されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置(1)において、前記接着剤(95)は、前記スリンガ(90)の前記内側面(91ca)において径方向に所定の間隔だけ離間した状態で複数並列して塗布されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置(1)において、前記接着剤(95)は、前記スリンガ(90)の前記内側面(91ca)において複数に点在した状態で塗布されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置(1)において、前記接着剤は、マイクロカプセル型接着剤であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置(1)において、前記マイクロカプセル型接着剤(95)は、前記フランジ部(56)の前記外側面(56a)と面接触する治具(100)で前記スリンガ(90)が押し付けられたときの力によりマイクロカプセルが潰されて前記スリンガ(90)と前記フランジ部(56)とが接着固定されることを特徴とする。
本発明によれば、製造時の寸法精度に影響されることなく、十分な気密性を確保し得る密封装置を実現することができる。
本発明の実施の形態に係る密封装置がハブベアリングに取り付けられた状態を示す軸線に沿った断面における断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示す軸線に沿った断面における拡大図である。 本発明の実施の形態に係る密封装置のスリンガを押し込む説明に供する部分拡大断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る密封装置のスリンガの構成を示す外観斜視図である。 従来の密封装置の概略構成を示す軸線に沿った断面における断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る密封装置1がハブベアリング50に取り付けられた状態を示す軸線に沿った断面における断面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る密封装置1の概略構成を示す軸線に沿った断面における拡大図である。図3は、本発明の実施の形態に係る密封装置1のスリンガ90を押し込む説明に供する部分拡大断面図である。
ハブベアリング50は、例えば自動車において車輪を回転自在に支持するハブベアリングである。なお、図1において、密封装置1は、ハブベアリング50に取り付けられた状態において図示されている。
以下、説明の便宜上、外側とは、図1乃至図3において、軸線x方向において矢印a方向とし、内側とは、軸線x方向において矢印b方向とする。つまり、外側とは、ハブベアリング50の外部側に面する方向の側であり、異物が存在する大気側に面する方向の側である。内側とは、ハブベアリング50の内部側に面する方向の側であり、環状空間5aに面する方向の側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(矢印d方向)を内周側とする。
図1に示すように、ハブベアリング50は、軸線xを中心とする外周側部材としての環状の外輪51と、その外輪51に対して相対回転可能であり外輪51に部分的に包囲された軸線xを中心とする内周側部材としての環状のハブ52と、外輪51とハブ52と間に配設された複数のベアリングボール53とを備えている。ハブ52は、具体的には、内輪54とハブ輪55とを有しており、ハブ輪55の車輪取付フランジ56に対して図示しない車輪が複数本のハブボルト57により取り付けられる。
外輪51は、固定部材であり、図2に示すように、外周側(矢印c方向)の面(以下、これを「外周面」ともいう。)51aと、内周側(矢印d方向)の面(以下、これを「内周面」ともいう。)51bと、この外周面51aおよび内周面51bとは直交する方向に沿った平坦な内側(矢印b方向)の端面(以下、これを「内側端面」という。)51cと、を有している。
ハブ輪55は、フランジ部としての車輪取付フランジ56を有する回転部材である。ハブ輪55は、外輪51の内周面51bと対向する外周面55aを有している。ハブ輪55の車輪取付フランジ56は、当該ハブ輪55の内側端部から径方向(矢印cd方向)の外周側(矢印c方向)に延びた部分であり、外輪51の内側端面51cと所定の距離だけ離間して対向する外側(矢印a方向)の面(以下、これを「外側面」ともいう。)56aを有している。
このハブベアリング50においては、外輪51の内周面51bとハブ輪55の外周面55aとの間、すなわち、外輪51とハブ輪55との間の環状の空間(以下、「環状空間」ともいう。)5aに、密封装置1および密封装置60が圧入された状態で取り付けられている。なお、ハブベアリング50においては、互いに異なる密封装置1および60が取り付けられているが、ハブベアリング50の外側(矢印a方向)および内側(矢印b方向)の双方において、2つの密封装置1が取り付けられていてもよい。
密封装置1は、ハブベアリング50のベアリングボール53等が設けられている環状空間5aの領域内から潤滑剤が漏洩することの防止を図ると共に、この環状空間5aに雨水、泥水、ダスト等の異物が外部から浸入することの防止を図っている。なお、以下に密封装置1の構成について説明するが、説明の都合上、密封装置60の構成については説明を省略する。密封装置60は、種々の公知の構成のものを用いることができる。
図2に示すように、ハブベアリング50に取り付けられる密封装置1は、外輪51に取り付けられる密封装置本体70と、ハブ輪55の外周面55a、および、車輪取付フランジ56の外側面56aに取り付けられるスリンガ90と、を備えている。
密封装置本体70は、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環71と、当該補強環71を内側(矢印b方向)から覆うように一体に取り付けられた弾性体からなる軸線xを中心とする環状の弾性体部75とを備えている。
補強環71は、弾性体部75を補強するものであり、金属材を用いてプレス加工や鍛造によって製造されている。金属材としては、たとえば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。
補強環71は、最も外周側(矢印c方向)に位置する円筒状の円筒部71aと、円筒部71aの内側端部から湾曲した後に内周側(矢印d方向)に延びる円盤状の円盤部71bとを備えている。具体的には、補強環71は、円筒部71aが外輪51の内周面51bに嵌着されるように形成されている。また、補強環71の円盤部71bに対して、弾性体部75が内側(矢印b方向)から覆うように一体に取り付けられている。
補強環71は、弾性体部75が架橋(加硫)成型によって成形される際に、成形型の中に配置されるものである。補強環71は、弾性体部75が架橋接着により補強環71に接着されることにより、弾性体部75が補強環71と一体的に形成される。
弾性体部75の弾性体としては、例えば、各種のゴム状弾性部材がある。ゴム状弾性部材は、例えば、二トリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。弾性体部75は、成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形される。
弾性体部75は、基体部76を有し、その基体部76からそれぞれ延びたシールリップとしての外周側サイドリップ77、内周側サイドリップ78、および、ラジアルリップ79を有している。
外周側サイドリップ77は、内周側サイドリップ78よりも外周側(矢印c方向)に位置し、その先端部が基体部76から内側(矢印b方向)に向かって延びている。外周側サイドリップ77は、その先端部において所定の締め代(接触幅)を持って車輪取付フランジ56に取り付けられたスリンガ90の外側面90aに当接し、弾性体部75における1つ目のシールリップを形成している。
内周側サイドリップ78は、外周側サイドリップ77よりも内周側(矢印d方向)に位置し、その先端部が基体部76から内側(矢印b方向)に向かって延びている。内周側サイドリップ78は、その先端部において所定の締め代を持って車輪取付フランジ56に取り付けられたスリンガ90の外側面90aに当接し、弾性体部75における2つ目のシールリップを形成している。
ラジアルリップ79は、その先端部が基体部76から外側(矢印a方向)および内周側(矢印d方向)へ延びている。ラジアルリップ79は、その先端部において所定の締め代を持ってスリンガ90のスリンガ円筒部91a(後述する)に当接し、弾性体部75における3つ目のシールリップを形成している。このように、弾性体部75は、スリンガ90に当接する少なくとも1つ以上の外周側サイドリップ77、内周側サイドリップ78、および、ラジアルリップ79を有している。
スリンガ90は、金属製、例えばステンレス鋼製であり、軸線xを中心とする板状の環状部材である。スリンガ90は、ハブ輪55の外周面55aに内嵌される軸線xを中心とする環状のスリンガ円筒部91aと、そのスリンガ円筒部91aの内側(矢印b方向)の端部から湾曲して外周側(矢印c方向)へ延びる環状のスリンガ円弧状部91bと、そのスリンガ円弧状部91bの外周側(矢印c方向)の端部から更に外周側(矢印c方向)の端部へ延びる環状のスリンガ円環部91cとを備えている。
スリンガ円環部91cは、車輪取付フランジ56の外側面56aと面接触する内側面91caを有し、その内側面91caの殆ど全ての領域にマイクロカプセル型接着剤95が塗布されている。具体的には、マイクロカプセル型接着剤95は、スリンガ円環部91cの内側面91caにおいて円周方向に環状に塗布されている。
マイクロカプセル型接着剤95とは、球状からなる外殻の内部に液体の接着剤が封入されたマイクロカプセルを多数含む液体状の物質である。ここで、マイクロカプセルとは、ポリマーや製膜性の物質を壁膜として液体や固体の芯物質を被覆した微少な容器であり、一般的には5μm〜30μm程度の大きさである。
マイクロカプセル型接着剤95は、その外殻が圧着時の押込力(例えば、0.5〜10MPa)で押し潰されて破壊された場合に、内部の接着剤が外部に流出するような構造を有している。なお、マイクロカプセル型接着剤95としては、押圧力で外殻が破壊されるような構造のものだけではなく、熱圧着時の温度(例えば、摂氏60〜120度)で破壊されるような構造であってもよい。
なお、接着剤としては、マイクロカプセル型接着剤95に限るものではなく、例えば、防錆能を有する嫌気性室温硬化型樹脂接着剤等の他の接着剤を用いてもよい。この嫌気性室温硬化型樹脂接着剤は、空気に触れても硬化速度が遅く、その反面、嵌合面等の空気に触れない部分では、室温でも比較的早く硬化する。したがって、スリンガ円環部91cの内側面91caを車輪取付フランジ56の外側面56aに強く押し付ける必要がなく、組立性を向上させることができる。この嫌気性室温硬化型樹脂接着剤としては、例えば日本ロックタイト株式会社製のロックタイトリティニングコンパウンド680(商品名)や、ロックタイト603(商品名)等を使用することが可能である。
次に、このような構成のスリンガ90をハブ輪55に対して固定する際の圧着方法について説明する。図3に示すように、スリンガ90をハブ輪55に固定するには、まず、スリンガ90のスリンガ円筒部91aをハブ輪55の外周面55aに内嵌する。その際、車輪取付フランジ56の外側面56aに対して所定の治具100によりスリンガ円環部91cを0.5〜10MPaの押込力Pで内側(矢印b方向)に押し込む。
これにより、スリンガ円環部91cの内側面91caに塗布されているマイクロカプセル型接着剤95のマイクロカプセルが治具100と車輪取付フランジ56の外側面56aとの間で押し潰されて内部の接着剤が流出する。かくして、スリンガ90におけるスリンガ円環部91cの内側面91caと車輪取付フランジ56の外側面56aとの間の隙間が接着剤で充填され、その後、接着剤が硬化することにより、スリンガ円環部91cが車輪取付フランジ56の外側面56aに接着固定される。
このように密封装置1は、スリンガ90におけるスリンガ円環部91cの内側面91caと車輪取付フランジ56の外側面56aとをマイクロカプセル型接着剤95により一体に固定することができる。かくして、スリンガ90をハブ輪55に接着固定することができるので、スリンガ90のスリンガ円筒部91aをハブ輪55の外周面55aに所定の圧縮代を持って内嵌しなくてもよい。
これにより密封装置1では、ハブ輪55およびスリンガ90間で嵌合力が働くように製作時の寸法精度を厳しく管理する必要がなくなるので、製造時の寸法精度に影響されることなく、ハブ輪55に対してスリンガ90を一体に固定することができる。
また、密封装置1は、スリンガ90におけるスリンガ円環部91cと車輪取付フランジ56との隙間をマイクロカプセル型接着剤95が介在した状態で隙間なく固定することができるので、異物がスリンガ90と車輪取付フランジ56との隙間から侵入することを未然に防止することができる。
さらに、密封装置1では、スリンガ円環部91cの内側面91caにマイクロカプセル型接着剤95を塗布している。このため密封装置1は、スリンガ円筒部91aの内周面にマイクロカプセル型接着剤95を塗布する場合に比べて、スリンガ円環部91cを内側(矢印b方向)に押し込むときに車輪取付フランジ56の外周側(矢印c方向)へ接着剤が流出し易くなるものの、ベアリング内部へ混入することを極力防止することができる。
さらに、密封装置1は、スリンガ90と車輪取付フランジ56とを一体に固定することができるので、振動等によりスリンガ90がハブ輪55に対して移動することについても未然に防止することができる。
かくして密封装置1は、従来に比して、製造時の寸法精度に影響されることなく、十分な気密性を確保することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係る密封装置1に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
なお、上述した実施の形態においては、マイクロカプセル型接着剤95がスリンガ90におけるスリンガ円環部91cの内側面91caにおいて円周方向に環状に塗布されているようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図4に示すように、スリンガ90におけるスリンガ円環部91cの内側面91caにおいて径方向に所定の間隔だけ離間した状態でマイクロカプセル型接着剤96乃至98が複数(この場合、例えば3本)並列して円環状に塗布されるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、マイクロカプセル型接着剤95がスリンガ90におけるスリンガ円環部91cの内側面91caにおいて円周方向に環状に塗布されているようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、スリンガ90におけるスリンガ円環部91cの内側面91caにおいて複数に点在した状態で塗布されるようにしてもよい。
このように、マイクロカプセル型接着剤95がスリンガ円環部91cの内側面91caにおいて、径方向に所定の間隔だけ離間した状態で複数並列して塗布される場合や、複数に点在した状態で塗布される場合、マイクロカプセル型接着剤95の量がそもそも少ないために、スリンガ円環部91cを車輪取付フランジ56の外側面56aに押し付けた場合でも接着剤が溢れ出ることを防止することができる。そのうえ、実施の形態の場合と比較して、マイクロカプセル型接着剤95と車輪取付フランジ56の外側面56aとの接触面積が小さくなることにより、実施の形態と同様の押圧力により押し込まれた場合、マイクロカプセル型接着剤95と外側面56aとの接触部分の単位面積当たりの押圧力が高くなる、かくして、実施の形態の場合よりも低い押圧力であってもスリンガ円環部91cと車輪取付フランジ56とを容易に接着することができる。
本願発明の密封装置は、車両等のハブベアリングにおいて利用するようにした場合について述べた。しかしながら、本願発明の密封装置が利用されるものは、これに限らず、産業用ベアリング、トラック用ベアリング等に利用することが可能である。
1、60、120 密封装置
5a 環状空間
50、110 ハブベアリング
51、111 外輪(外周側部材)
51a 外周面
51b 内周面
51c 内側端面
52 ハブ
53 ベアリングボール
54、112 内輪
55 ハブ輪(内周側部材)
55a 外周面
56 車輪取付フランジ(フランジ部)
56a 外側面
57 ハブボルト
70、130 密封装置本体
71、131 補強環
71a 円筒部
71b 円盤部
75、132 弾性体部
76 基体部
77、132c 外周側サイドリップ(シールリップ)
78、132b 内周側サイドリップ(シールリップ)
79、132a ラジアルリップ(シールリップ)
90、140 スリンガ
90a 外側面
91a、141 スリンガ円筒部
91b スリンガ円弧状部
91c スリンガ円環部(外周側端部)
91ca 内側面
95〜97 マイクロカプセル型接着剤
100 冶具
111 外輪
112a 外周面
132c 外周側サイドリップ
142 スリンガ円盤部
142a 先端部分
142ai 内側面
143 スリンガ湾曲部
144 ゴム
x 軸線

Claims (4)

  1. 軸線について互いに相対回転可能な環状の外周側部材と、当該外周側部材に少なくとも部分的に包囲された環状の内周側部材との間を密封する密封装置であって、
    前記外周側部材に取り付けられる密封装置本体と、
    前記内周側部材から径方向の外周側に延びたフランジ部の車輪側と軸方向反対側面に取り付けられるスリンガと、を備え、
    前記密封装置本体は、前記軸線を中心とする環状の補強環と、当該補強環に取り付けられた弾性体からなる前記軸線を中心とする環状の弾性体部とを備え、
    前記弾性体部は、前記スリンガに当接する少なくとも1つのシールリップを有し、
    前記スリンガは、前記フランジ部の前記車輪側と軸方向反対側面と面接触する当該スリンガの外周側端部の車輪側面に塗布されたマイクロカプセル型接着剤を備え、
    前記マイクロカプセル型接着剤は、前記スリンガの前記車輪側面において円周方向に環状に塗布されている
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記接着剤は、前記スリンガの前記車輪側面において径方向に所定の間隔だけ離間した状態で複数並列して塗布されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記接着剤は、前記スリンガの前記車輪側面において複数に点在した状態で塗布されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  4. 前記マイクロカプセル型接着剤は、前記スリンガ面接触する治具で前記スリンガが前記フランジ部の車輪側と軸方向反対側面に押し付けられたときの力によりマイクロカプセルが潰されて前記スリンガと前記フランジ部とが接着固定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
JP2016136269A 2016-07-08 2016-07-08 密封装置 Active JP6815768B2 (ja)

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