JP6795094B2 - 鍛造クランク軸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間鍛造によりクランク軸を製造する方法に関する。
自動車、自動二輪車、農業機械または船舶等のレシプロエンジンにおいて、ピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を取り出すために、クランク軸が不可欠である。クランク軸は、型鍛造または鋳造によって製造できる。高強度と高剛性がクランク軸に要求される場合、型鍛造によって製造されたクランク軸(以下、「鍛造クランク軸」ともいう)が多用される。
一般に、鍛造クランク軸の原材料は、ビレットである。そのビレットでは、横断面が丸形または角形であり、断面積が全長にわたって一定である。鍛造クランク軸の製造工程は、予備成形工程、型鍛造工程およびバリ抜き工程を含む。必要に応じ、バリ抜き工程の後に整形工程が追加される。通常、予備成形工程は、ロール成形と曲げ打ちの各工程を含み、型鍛造工程は、荒打ちと仕上げ打ちの各工程を含む。
図1A〜図1Fは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程を説明するための模式図である。図1Aはビレット、図1Bはロール荒地、図1Cは曲げ荒地、図1Dは荒鍛造材、図1Eは仕上げ鍛造材、図1Fはクランク軸(最終製品)をそれぞれ示す。図1Fに例示する鍛造クランク軸1は、4気筒エンジンに搭載される。そのクランク軸1は、5つのジャーナル部J1〜J5と、4つのピン部P1〜P4と、フロント部Frと、フランジ部Flと、8枚のクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1〜A8と、を備える。アーム部A1〜A8は、ジャーナル部J1〜J5とピン部P1〜P4をそれぞれつなぐ。また、全部のアーム部A1〜A8は、カウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1〜W8をそれぞれ一体で有する。
以下では、ジャーナル部J1〜J5、ピン部P1〜P4、アーム部A1〜A8およびウエイト部W1〜W8のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。ピン部Pおよびそのピン部Pにつながる一組のアーム部A(ウエイト部Wを含む)をまとめて「スロー」ともいう。
図1A〜図1Fに示す製造方法では、以下のようにして鍛造クランク軸1が製造される。先ず、図1Aに示すような所定の長さのビレット2を加熱炉(例えば誘導加熱炉またはガス雰囲気加熱炉等)によって加熱した後、ロール成形を行う。ロール成形工程では、例えば孔型ロールを用いてビレット2を圧延し、ビレット2の長手方向の一部で断面積を減少させる。これにより、ビレット2の体積を長手方向に配分し、中間素材であるロール荒地3を得る(図1B参照)。次に、曲げ打ち工程では、ロール荒地3を長手方向と垂直な方向から部分的に圧下し、ロール荒地3の長手方向の一部を偏心させる。これにより、ロール荒地3の体積を配分し、更なる中間素材である曲げ荒地4を得る(図1C参照)。
続いて、荒打ち工程では、曲げ荒地4を一対の金型(上型と下型)を用いてプレス鍛造することにより、荒鍛造材5を得る(図1D参照)。得られる荒鍛造材5は、クランク軸(最終製品)のおおよその形状を有する。さらに、仕上げ打ち工程では、荒鍛造材5を上下に一対の金型を用いてプレス鍛造することにより、仕上げ鍛造材6を得る(図1E参照)。得られる仕上げ鍛造材6は、最終製品のクランク軸と合致する形状を有する。これら荒打ちおよび仕上げ打ちのとき、余材が、上型と下型の隙間から流出してバリとなる。このため、荒鍛造材5および仕上げ鍛造材6のいずれも、周囲に大きなバリBを有する。
バリ抜き工程では、例えば、バリ付きの仕上げ鍛造材6を一対の金型によって挟んで保持した状態で、刃物型によってバリBを打ち抜く。これにより、仕上げ鍛造材6からバリBを除去し、バリ無し鍛造材を得る。そのバリ無し鍛造材は、図1Fに示す鍛造クランク軸1とほぼ同じ形状である。
整形工程では、バリ無し鍛造材の要所を上下から金型で僅かに圧下し、バリ無し鍛造材を最終製品の寸法形状に矯正する。ここで、バリ無し鍛造材の要所は、例えば、ジャーナル部J、ピン部P、フロント部Frおよびフランジ部Flなどといった軸部、さらにはアーム部Aおよびウエイト部Wである。こうして、鍛造クランク軸1が製造される。
図1A〜図1Fに示す製造工程は、図1Fに示す4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸に限らず、様々なクランク軸に適用できる。例えば、4気筒−4枚カウンターウエイトのクランク軸にも適用できる。
4気筒−4枚カウンターウエイトのクランク軸の場合、8枚のアーム部Aのうちの一部のアーム部Aがウエイト部Wを一体で有する。例えば、先頭の第1アーム部A1、最後尾の第8アーム部A8および中央の2枚のアーム部(第4アーム部A4、第5アーム部A5)がウエイト部Wを有する。また、残りのアーム部A、具体的には、第2アーム部A2、第3アーム部A3、第6アーム部A6および第7アーム部A7は、ウエイト部を有さない。以下では、ウエイト部を有するアーム部を「ウエイト有りアーム部」、ウエイト部を有さないアーム部を「ウエイト無しアーム部」ともいう。
その他に、3気筒エンジン、直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジンおよび8気筒エンジン等に搭載されるクランク軸であっても、製造工程は同様である。なお、ピン部の配置角度の調整が必要な場合は、バリ抜き工程の後に、捩り工程が追加される。
このような鍛造クランク軸の製造では、型鍛造におけるバリの流出を低減することにより、材料歩留りを向上することが望まれる。ここで、材料歩留りとは、鍛造クランク軸(最終製品)の体積がビレットの体積に占める割合(百分率)を意味する。この材料歩留りは、予備成形において、体積の配分を促進することにより、向上できる。
予備成形に関する技術が、特開2001−105087号公報(特許文献1)、特開平2−255240号公報(特許文献2)および特開昭62−244545号公報(特許文献3)に記載される。
特許文献1には、一対の上型と下型を用いる予備成形方法が記載される。その予備成形方法では、上型と下型とで棒状の被加工物を圧下する際に、被加工物の一部を伸ばして断面積を減少させながら、一部に連続した他部をすべらせながら動かして偏心させる。このような特許文献1に記載の予備成形方法では、延ばしと曲げを同時に実施できることから、設備投資の少ない予備成形方法を提供できるとしている。
特許文献2に記載の予備成形では、従来の2パスのロール成形に代え、4パスの高速ロール設備を用いる。その予備成形において、ロール荒地の断面積を、鍛造クランク軸(最終製品)のウエイト部、アーム部およびジャーナル部の断面積の分布に合わせて決めることが提案されている。これにより、特許文献2では、材料歩留りを向上できるとしている。
特許文献3に記載の予備成形では、クロスローリング法によって体積を軸方向および径方向に配分し、軸非対称な中間素材を得る。クロスローリング法では、2つのダイスで丸棒状の素材を圧下し、そのダイスの転造作用によって体積を配分する。
特開2001−105087号公報 特開平2−255240号公報 特開昭62−244545号公報 国際公開2014/038183号公報
鍛造クランク軸の製造では、前述の通り、型鍛造でのバリの流出を低減し、材料歩留りを向上させることが望まれる。
図1A〜図1Fに示す製造工程のように、予備成形がロール成形および曲げ打ちからなる場合がある。この場合、ウエイト部となる部位の材料体積を確保するため、曲げ打ちでは、ピン部となる部位、および、そのピン部とつながる1組のアーム部となる部位を圧下して、それらの部位をピン部の偏心方向とは反対の方向に偏心させる。
なお、以下では、ジャーナル部となる部位を「ジャーナル相当部」、ピン部となる部位を「ピン相当部」、アーム部となる部位を「アーム相当部」、ピン相当部およびそのピン相当部とつながる1組のアーム部(ウエイト部となる部位を含む)となる部位を「スロー相当部」ともいう。
しかしながら、上記の方法では、曲げ打ちによってスロー相当部をピン部の偏心方向とは反対の方向に偏心させる。これにより、型鍛造において、ピン部の位置の材料体積がピン部の偏心方向とは反対方向に偏っているため、ピン部の周辺に多くのバリが発生する。型鍛造でピン部の欠肉を防止するために、スロー相当部(ピン相当部を含む)の体積を大きくしなければならないからである。その結果、材料歩留りの向上が期待できない。
前記特許文献1に記載の予備成形方法では、上記の方法と同様に、スロー相当部をピン部の偏心方向とは反対の方向に偏心させる。そのため、材料歩留りの向上が期待できない。
前記特許文献2に記載の予備成形方法では、ロール成形であることから、ビレットの一部を偏心させることができない。このため、得られるロール荒地に、曲げ打ち等をさらに施す必要がある。この場合、前述の通り、材料歩留りの向上が期待できない。
前記特許文献3に記載の予備成形では、クロスローリング法によって体積を軸方向および径方向に配分する。クロスローリング法では、曲げ打ちや型鍛造等で使用されるプレス機でなく、特別な設備を用いる。また、クロスローリング法では、複数箇所を同時に加工することが困難であり、例えば、複数のジャーナル相当部および複数のスロー相当部を順に、加工することとなる。このため、ダイスが大型化する。これらから、設備コストが増大する。
本発明の目的は、設備コストの増大を抑制しながら、材料歩留りを向上できる鍛造クランク軸の製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態による鍛造クランク軸の製造方法は、回転中心となる複数のジャーナル部と、複数のジャーナル部に対して偏心した複数のピン部と、複数のジャーナル部と複数のピン部とをつなぐ複数のクランクアーム部と、を備える鍛造クランク軸の製造方法である。その製造方法は、一対の第1金型によって棒状部材の長手方向の一部である第1部位を挟むことによって、第1部位を保持する挟みステップと、第1部位を第1金型によって保持した状態で、棒状部材の第2部位を第2金型によって偏心させる偏心ステップと、を含む。第2部位は、複数のピン部となる複数のピン相当部のうちの少なくとも1つのピン相当部である。第1部位は、複数のクランクアーム部となる複数のアーム相当部のうちの、第2部位としてのピン相当部が接する複数のアーム相当部である。第2金型による偏心方向は、第1金型による挟み方向、および、棒状部材の長手方向のそれぞれと垂直な方向であって、対応するピン部の偏心方向と同じ方向である。
鍛造クランク軸を製造するための本発明の製造方法によれば、ピン相当部を、対応するピン部の偏心方向に偏心させる。これにより、型鍛造において、ピン部の位置の材料体積がピン部の偏心方向と同じ方向に偏っているため、ピン部の欠肉が発生しにくい。そうすると、ピン相当部の材料体積を小さくできる。その結果、材料歩留りを向上できる。また、本発明の製造方法は、プレス機を用いて実施できる。このため、設備コストの増大を抑制できる。
図1Aは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程におけるビレットを示す模式図である。 図1Bは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程におけるロール荒地を示す模式図である。 図1Cは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程における曲げ荒地を示す模式図である。 図1Dは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程における荒鍛造材を示す模式図である。 図1Eは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程における仕上げ鍛造材を示す模式図である。 図1Fは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程におけるクランク軸を示す模式図である。 図2Aは、挟みステップおよび偏心ステップによる加工フロー例における挟み開始前を示す縦断面図である。 図2Bは、挟みステップおよび偏心ステップによる加工フロー例における挟み終了時を示す縦断面図である。 図3Aは、挟みステップおよび偏心ステップによる加工フロー例における挟み終了時を示す上面図である。 図3Bは、挟みステップおよび偏心ステップによる加工フロー例における偏心終了時を示す上面図である。 図4Aは、図3Aの線IVA−IVAにおける断面図である。 図4Bは、図3Aの線IVB−IVBにおける断面図である。 図4Cは、図3Aの線IVC−IVCにおける断面図である。 図5Aは、図3Bの線VA−VAにおける断面図である。 図5Bは、図3Bの線VB−VBにおける断面図である。 図5Cは、図3Bの線VC−VCにおける断面図である。 図6は、挟みステップおよび偏心ステップによる加工フロー例における偏心終了時の棒状部材を示す上面図である。 図7Aは、第1金型の変形例を示す横断面図であり、ジャーナル部側の端の横断面形状を示す。 図7Bは、第1金型の変形例を示す横断面図であり、ピン部側の端の横断面形状を示す。 図8は、第2金型の変形例を示す横断面図である。 図9Aは、楔機構を利用する構成例における挟み開始前を示す横断面図である。 図9Bは、楔機構を利用する構成例における挟み終了時を示す横断面図である。 図9Cは、楔機構を利用する構成例における第2金型の動作時を示す横断面図である。
本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。
本実施形態の製造方法は、鍛造クランク軸の製造方法である。その鍛造クランク軸は、回転中心となる複数のジャーナル部Jと、複数のジャーナル部Jに対して偏心した複数のピン部Pと、複数のジャーナル部Jと複数のピン部Pとをつなぐ複数のクランクアーム部Aと、を備える。本実施形態の製造方法は、挟みステップと偏心ステップとを含む。
挟みステップは、一対の第1金型によって棒状部材の長手方向の一部である第1部位を挟むことによって、その第1部位を保持するステップである。第1金型によって第1部位を挟む際、第1金型によって第1部位を圧下してもよい。第1部位が第1金型によって保持された状態で、次の偏心ステップが行われる。
挟みステップで挟まれる棒状部材は、鍛造クランク軸の材料となる部材である。当該棒状部材には、上述したビレットと呼ばれる材料を用いることができる。
偏心ステップは、第1部位を第1金型によって保持した状態で、棒状部材の第2部位を第2金型によって偏心させるステップである。ここで、第2部位は、複数のピン部となる複数のピン相当部のうちの少なくとも1つのピン相当部である。第1部位は、複数のクランクアーム部となる複数のアーム相当部のうちの、第2部位としてのピン相当部が接する複数のアーム相当部である。すなわち、第1部位及び第2部位を設定するにあたり、複数のスロー相当部のうちの少なくとも1つのスロー相当部が選ばれる。選ばれたスロー相当部に含まれるピン相当部を第2部位とし、そのスロー相当部に含まれる一組のアーム相当部を第1部位とする。一例では、スロー相当部の全てが選ばれ、ピン相当部の全てを第2部位とし、アーム相当部の全てを第1部位とする。
第2金型による偏心方向(偏心ステップにおける偏心方向)は、第1金型による挟み方向(挟みステップにおける挟み方向)、および、棒状部材の長手方向のそれぞれと垂直な方向であって、対応するピン部の偏心方向と同じ方向である。典型的な一例において、挟みステップでは、第1金型が鉛直方向に移動し、偏心ステップでは第2金型が主に水平方向に移動する。
本実施形態の製造方法によれば、ピン相当部に接する一組のアーム相当部を保持した状態で、そのピン相当部を、対応するピン部の偏心方向に偏心させる。これにより、型鍛造において、ピン部の位置の材料体積がピン部の偏心方向と同じ方向に偏っているため、ピン部の欠肉が発生しにくい。そうすると、ピン相当部の材料体積を従来のように過剰に確保しておく必要はない。したがって、ピン相当部の材料体積を小さくできる。その結果、材料歩留りを向上できる。また、本実施形態の製造方法は、プレス機を用いて実施できる。このため、設備コストの増大を抑制できる。
第2金型によってピン相当部を偏心させるときに、第1金型によってアーム相当部を保持しておけば、ピン相当部のみを有効に偏心させることができる。さらに、そのピン相当部に接するアーム相当部の過剰な変形を抑制することができる。仮に第1金型によるアーム相当部の保持がなければ、第2金型によるピン相当部の偏心移動に伴って、アーム相当部が無作為に変形してしまう。
本実施形態の製造方法において、第1部位はさらに、複数のジャーナル部となるジャーナル相当部のうちの、第1部位としてのアーム相当部が接するジャーナル相当部を含んでもよい。すなわち、選ばれたスロー相当部に含まれる一組のアーム相当部、およびそのアーム相当部が接するジャーナル相当部を、第1部位としてもよい。この場合、第1金型による第1部位の保持がさらに安定する。そのため、偏心ステップにおいて第2部位(ピン相当部)を有効に偏心させることができる。
本実施形態の製造方法において、複数のアーム部の少なくとも1つはウエイト部を有するウエイト有りアーム部であってもよい。この場合、第1部位は、ウエイト有りアーム部となるウエイト有りアーム相当部を含んでもよい。この場合、挟みステップにおいて、第1金型によって第1部位(ウエイト有りアーム相当部)を圧下することにより、その第1部位を、対応するピン部の偏心方向とは反対の方向(ウエイト部の偏心方向)に張り出させてもよい。ウエイト部の材料体積を確保できるからである。
以下に、本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態は例示であり、以下の実施形態の構成の少なくとも一部を、上述した構成に置き換えることができる。
1.製造工程例
本実施形態の製造方法が対象とする鍛造クランク軸は、回転中心となるジャーナル部Jと、ジャーナル部Jに対して偏心したピン部Pと、ジャーナル部Jとピン部Pとをつなぐアーム部Aと、を備える。アーム部Aの一部または全部は、ウエイト部Wを備える。本実施形態の製造方法は、例えば、前記図1Fに示す4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸を対象とすることができる。また、前述の4気筒−4枚カウンターウエイトのクランク軸を対象とすることもできる。その他に、3気筒エンジン、直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジンまたは8気筒エンジン等に搭載されるクランク軸を対象とすることもできる。
本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法は、挟みステップと、偏心ステップと、を含む。挟みステップでは、一対の第1金型によって棒状部材の長手方向の一部(第1部位)を挟み、当該一部を保持する。偏心ステップでは、第1金型によって第1部位を保持した状態で、第2金型によって、棒状部材の長手方向の一部(第2部位)を偏心させる。挟みステップおよび偏心ステップの詳細は、後述する。
本実施形態の挟みステップおよび偏心ステップからなる加工は、従来の製造工程の予備成形に相当し、より具体的には、ロール成形および曲げ打ちからなる予備成形に相当する。ロール成形および曲げ打ちは、異なる設備によってそれぞれ行うが、本実施形態の製造方法では、挟みステップおよび偏心ステップからなる加工は、単一のプレス機内で行うことができる。
被加工材である棒状部材は、例えば、ビレットとすることができる。あるいは、長手方向の一部で断面積を減少させた初期荒地とすることができる。その初期荒地は、例えば、ビレットにロール成形等を施すことによって得られる。
予備成形の後に、例えば、前記図1D〜図1Fに示す製造工程と同様に、型鍛造工程およびバリ抜き工程を追加でき、必要に応じ、バリ抜き工程の後に整形工程を追加できる。型鍛造工程は、荒打ちと仕上げ打ちから構成できる。なお、ピン部の配置角度の調整が必要な場合は、バリ抜き工程の後に、捩り工程が追加される。これらの工程は、いずれも、熱間で一連に行われる。
あるいは、予備成形の後工程として、国際公開2014/038183号公報(特許文献4)に記載される成形装置によって加工する工程を追加してもよい。特許文献4には、クランク軸の粗形状が造形された粗素材から仕上打ち用素材を成形する成形装置が提案される。その粗素材として、挟みステップおよび偏心ステップによって得られた荒地を用いる。この場合、上記の成形装置によって加工する工程の後に、仕上げ鍛造工程およびバリ抜き工程を追加してもよく、必要に応じて整形工程を追加してもよい。これらの工程は、いずれも、熱間で一連に行われる。
通常、4気筒エンジン用クランク軸を製造する場合、捩り工程は省略される。仕上げ鍛造工程によって、ピン部の配置角度を含めて最終製品の形状が得られるからである。4気筒エンジン用クランク軸では、ピン部の配置角度は180°である。そのため、偏心ステップにおいて、第2金型による偏心方向(第2部位(ピン相当部)を偏心させる方向)は、対応するピン部の偏心方向と完全に一致する。
3気筒エンジン用クランク軸では、ピン部の配置角度は120°である。3気筒エンジン用クランク軸を製造する場合、下記の2つのバリエーションがある。1つ目は、仕上げ鍛造工程によって、ピン部の配置角度を除いて最終製品の形状が得られる場合である。3つのピン部(第1〜第3ピン部)のうちの第1及び第3ピン部となる第1及び第3ピン相当部が、第2部位として設定される。この場合、得られる仕上げ鍛造材のこれら第1ピン部と第3ピン部の配置角度は180°である。そのため、偏心ステップにおいて、第2金型による偏心方向(第2部位(ピン相当部)を偏心させる方向)は、対応するピン部の仕上げ鍛造材での偏心方向と完全に一致する。この場合、第1及び第3ピン部の配置角度の最終調整のため、捩り工程が追加される。
2つ目は、仕上げ鍛造工程によって、ピン部の配置角度を含めて最終製品の形状が得られる場合である。この場合、得られる仕上げ鍛造材のピン部の配置角度は120°である。そのため、偏心ステップにおいて、第2金型による偏心方向(第2部位(ピン相当部)を偏心させる方向)は、対応するピン部の仕上げ鍛造材での偏心方向とほぼ一致する。厳密に言えば、3つのピン部(第1〜第3ピン部)のうちの第1及び第3ピン部となる第1及び第3ピン相当部が、第2部位として設定される。偏心ステップにおいて、第2金型による偏心方向(第2部位(第1及び第3ピン相当部)を偏心させる方向)は、対応するピン部(第1及び第3ピン部)の偏心方向から30°ずれる。この場合、ピン部の配置角度の最終調整は不要であり、捩り工程は省略される。
直列6気筒エンジン用クランク軸では、ピン部の配置角度は120°である。そのため、直列6気筒エンジン用クランク軸を製造する場合、そのバリエーションは3気筒エンジン用クランク軸を製造する場合と同様になる。
本明細書において、第2金型による偏心方向に関する「ピン部の偏心方向と同じ方向」とは、ピン部の偏心方向と完全に一致する方向を意味することはもとより、さらにピン部の偏心方向から若干(例:30°)ずれる方向をも意味する。
2.挟みステップおよび偏心ステップ
挟みステップおよび偏心ステップによる加工フロー例について、図面を参照しながら説明する。本加工フロー例は、4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸を対象とする。
図2A〜図6は、挟みステップおよび偏心ステップによる加工フロー例を示す模式図である。そのうちの図2Aおよび図2Bは、縦断面図であり、図2Aは挟み開始前を示し、図2Bは挟み終了時を示す。図2Aおよび図2Bには、棒状部材51(ビレット)と、一対の第1金型10とを示し、図面の理解を容易にするため、後述の第2金型を省略する。
図3Aおよび図3Bは、上面図であり、図3Aは挟み終了時を示し、図3Bは偏心終了時を示す。図3Aおよび図3Bには、棒状部材51、荒地52、一対の第1金型10のうちの第1上型11、および、第2金型20を示す。図面の理解を容易にするため、図3Aおよび図3Bでは、第1上型11および第2金型20にそれぞれハッチングを施す。
図4A〜図4Cは、挟み終了時(偏心開始前)の状態を示す横断面図である。図4Aは図3Aの線IVA−IVAにおける断面図であり、図4Bは図3Aの線IVB−IVBにおける断面図であり、図4Cは図3Aの線IVC−IVCにおける断面図である。また、図5A〜図5Cは、偏心終了時の状態を示す横断面図である。図5Aは図3Bの線VA−VAにおける断面図であり、図5Bは図3Bの線VB−VBにおける断面図であり、図5Cは図3Bの線VC−VCにおける断面図である。図4Aおよび図5Aは、第1金型のジャーナル部側の端の横断面形状を示し、図4Bおよび図5Bは、第1金型のピン部側の端の横断面形状を示す。図4Cおよび図5Cは、第2金型の横断面形状を示す。
図6は、偏心終了時の棒状部材(荒地52)を示す上面図である。図6の下側には、荒地52の各部位と、鍛造クランク軸(最終製品)の各部位との対応を示すため、鍛造クランク軸1の形状を想像線で示す。
本加工フロー例において、一対の第1金型10は、第1上型11および第1下型12で構成される。第1上型11は、プレス機の上側ベースプレート(図示なし)に固定され、第1下型12は、プレス機の下側ベースプレート(図示なし)に固定される。
第1金型10は、棒状部材51(ビレット)の第1部位51aの位置に配置される。本加工フロー例では、アーム部となる部位(アーム相当部)が第1部位51aとなる(図6参照)。このような一対の第1金型10により、第1部位51aを挟み、その第1部位51aを保持する。
本加工フロー例では、第1金型10は、スロー相当部のうちでピン部となる部位(ピン相当部)に対応する範囲が開放される。また、ジャーナル部となる部位(ジャーナル相当部)に対応する範囲も開放される。フロント部となる部位およびフランジ部となる部位に対応する範囲も開放される。
それらの開放された範囲の少なくとも一部には、第2金型20が配置される。具体的には、第2金型20は、第2部位51bの位置に配置される。本加工フロー例では、スロー相当部のうちのピン相当部が第2部位51bとなる(図6参照)。その第2金型20により、第2部位51bを偏心させる。第2金型20は、第1金型10による挟み方向、および、棒状部材51の長手方向のそれぞれと垂直な方向であって、対応するピン部の偏心方向と同じ方向(図3Bのハッチングを施した矢印参照)に沿って移動可能である。
ここで、第1上型11および第1下型12(第1金型10)は、上述の第1部位51aを挟むために凹状の型彫刻部をそれぞれ有する。その型彫刻部の横断面形状は、例えば、放物線状、半楕円状または半円状である。具体的には、図4Aおよび図5Aを参照し、第1金型10のジャーナル部側の端において、型彫刻部の横断面形状は、例えば半円状である。第1部位51aのうちのジャーナル部側では、第2部位51b(ピン相当部)の偏心方向側となる範囲を第1金型10によって拘束するためである。一方、図4Bおよび図5Bを参照し、第1金型10のピン部側の端において、型彫刻部の横断面形状は、例えば半楕円状である。第1部位51aのうちのピン部側では、第2部位51b(ピン相当部)の偏心方向側となる範囲を第1金型10から開放するためである。したがって、第1金型10の型彫刻部において、少なくとも第2部位51b(ピン相当部)の偏心方向側となる範囲は、ジャーナル部側からピン部側にいくほど拡大している(図3Aおよび図3Bの点線参照)。
第2金型20は、上述の第2部位51bを偏心させるために凹状の型彫刻部を有する。その型彫刻部の横断面形状は、例えば、放物線状、半楕円状または半円状である。具体的には、図4Cおよび図5Cを参照し、第2金型20の型彫刻部の横断面形状は、例えば半円状である。第2部位51b(ピン相当部)のうちの第2部位51bの偏心方向とは反対側となる範囲を第2金型20によって拘束するためである。
挟みステップおよび偏心ステップは、上述の第1金型10および第2金型20を用いて以下のように行うことができる。
プレス機の動作に伴い、第1上型11と第1下型12とを離間させ、第1下型12上に、断面形状が円形である棒状部材51を載置する(図2A参照)。その際、第2金型20は、棒状部材51の干渉を防止するため、退避させる。
続いて、挟みステップでは、プレス機の動作に伴って第1上型11を下降させる。第1上型11の下降により、第1上型11および第1下型12が棒状部材51の第1部位51aを挟む。第1上型11が下死点に到達すると、挟みステップが終了する(図2B、図3A、および図4A〜図4C参照)。その結果、第1金型10(第1上型11および第1下型12)によって第1部位51aが保持される。本加工フローでは、第1部位51aの断面形状は、円形状のままで変形しない(図4Aおよび図4B参照)。
偏心ステップでは、第1上型11の位置を下死点に維持することにより、一対の第1金型10で棒状部材51の第1部位51aを挟んで保持する。この状態で、第2金型20を移動させて棒状部材51に押し当てる。第2金型20をさらに移動させることにより、第2部位51bを偏心させる(図3B、および図5A〜図5C参照)。その際、1つのスロー相当部において、1つの第2部位51b(ピン相当部)に接する2つの第1部位51a(アーム相当部)が第1金型10によって保持されているため、第2金型20によって第2部位51b(ピン相当部)を偏心させることができる。このようにして、図6に示すように、ピン相当部(第2部位51b)がピン部の偏心方向に偏心した荒地52が形成される。
なお、第1部位51a(アーム相当部)のうちのピン部側では、第2部位51b(ピン相当部)の偏心方向側となる範囲が第1金型10から開放されている。そのため、偏心ステップにおいて、第2部位51bから第1部位51aに材料が流動する。そのため、第1部位51aのうちで第2部位51bの偏心方向側となる範囲が第2部位51bと滑らかにつながる。
偏心終了後、第2金型20を退避させるとともに、第1上型11を上昇させる。この状態で、荒地52を取り出し、次工程に搬送する。後工程の荒打ちや仕上げ打ちでは、その荒地52を型鍛造する。この型鍛造では、ピン部の位置の材料体積(第2部位51bの体積)がピン部の偏心方向と同じ方向に偏っている。そのため、バリの流出を低減でき、材料歩留りを向上できる。
上述の通り、一対の第1金型10による動作は、プレス機によって実現できる。第2金型20の動作は、例えば、後述の楔機構、または、油圧シリンダ等によって実現できる。このため、挟みステップおよび偏心ステップには、既存のプレス機を利用でき、クロスローリング法のように特別な設備が不要である。このため、設備コストの増大を抑制できる。
また、上述の加工フロー例のように、プレス機の1ストローク(1往復運動)内で、挟みステップおよび偏心ステップを行うことができる。このため、製造効率を維持または向上させながら、材料歩留りを向上できる。
第1部位51aはさらに、ジャーナル相当部を含んでもよい。この場合、第1金型による第1部位51aの保持がさらに安定する。
また、アーム部の全てがウエイト有りアーム部であってもよいし、アーム部の一部がウエイト有りアーム部であり、残りのアーム部がウエイト無しアーム部であってもよい。この場合、挟みステップにおいて、第1金型によって第1部位(ウエイト有りアーム相当部)を圧下することにより、その第1部位を、対応するピン部の偏心方向とは反対の方向(ウエイト部の偏心方向)に張り出させてもよい。これにより、ピン相当部の体積を抑えながら、ウエイト部となる部位で材料体積を確保できる。その結果、材料歩留りを向上できる。
型鍛造におけるピン部用型彫刻部への材料の充満性を確保する観点から、荒地52のピン相当部の偏心量E1(mm)は、仕上げ寸法の偏心量(鍛造クランク軸のピン部の偏心量)E0(mm)に対する比(E1/E0)で、(1.0−Dp/2/E0)以上1.0以下とするのが好ましい(図6参照)。ここでDpは、仕上げ寸法のピン部の直径(鍛造クランク軸のピン部の直径)を意味する。同様の観点から、荒地52のピン相当部の断面積Sp1(mm)は、鍛造クランク軸のピン部の断面積Sp0(mm)に対する比(Sp1/Sp0)で、0.7以上1.5以下とするのが好ましい。より好ましい比(Sp1/Sp0)は0.75以上1.1以下である。
第1金型10および第2金型20の横断面形状は、上記の形状に限定されない。第1金型10および第2金型20の変形例について、図面を参照しながら説明する。
図7Aおよび図7Bは、第1金型の変形例を示す横断面図である。図7Aは第1金型のジャーナル部側の端の横断面形状を示し、図3Aの線IVA−IVAにおける断面図に対応する。図7Bは、第1金型のピン部側の端の横断面形状を示し、図3Aの線IVB−IVBにおける断面図に対応する。
図7Aおよび図7Bを参照し、第1上型11および第1下型12(第1金型10)の型彫刻部は、第2部位51b(ピン相当部)の偏心方向とは反対側となる範囲を開放されている。偏心ステップでの第1部位51aの保持に影響しないからである。
図8は、第2金型の変形例を示す横断面図である。図8は第2金型の横断面形状を示し、図3Aの線IVC−IVCにおける断面図に対応する。
図8を参照し、第2金型20は、第2上型21および第2下型22で構成されている。この場合、第2上型21および第2下型22(第2金型20)の型彫刻部の横断面形状は、例えば、半円状である。ただし、第2部位51b(ピン相当部)の偏心方向側となる範囲を開放されていてもよい。偏心ステップでの第2部位51bの偏心作用に影響しないからである。
上述の通り、第2金型20の動作は、例えば、後述の楔機構、または、油圧シリンダ等によって実現できる。プレス機の往復運動と確実に同期して第2金型を動作させるとともに、高速な動作を実現する観点から、楔機構によって第2金型を動作させるのが好ましい。以下に、楔機構によって第2金型を動作させる場合の構成例について、図面を参照しながら説明する。
図9A〜図9Cは、楔機構によって第2金型を動作させる場合の構成例を模式的に示す横断面図であり、図9Aは挟み開始前、図9Bは挟み終了時、図9Cは第2金型の動作時をそれぞれ示す。図9A〜図9Cには、プレス機40の一部と、棒状部材51(ビレット)と、一対の第1金型10と、第2金型20と、楔44とを示す。プレス機40は、ベッド43と、上下に往復運動する上側ベースプレート41と、下側ベースプレート42と、弾性部材45(例えばばね)とを備える。下側ベースプレート42は、弾性部材45を介してベッド43に上下動可能に保持される。
第1金型10のうちの第1上型11は、上側ベースプレート41に固定され、第1下型12は、下側ベースプレート42に固定される。第2金型20は、第1金型10の挟み方向と垂直な方向(本構成例では水平方向)に沿って移動可能な状態で、下側ベースプレート42に保持される。第2金型20の底面の一部は、傾斜面20aであり、その傾斜面20aの高さは、第1金型10から遠ざかるに従って高くなる。楔44は、上下方向に伸び、その楔44の下端は、ベッド43に固定される。また、楔44の上面は、傾斜面44aであり、その傾斜面44aの高さは、第1金型10から遠ざかるに従って高くなる。
このような構成例を採用する場合、挟みステップでは、上側ベースプレート41の下降に伴って第1上型11が下降する(図9A参照)。これに伴い、一対の第1金型10により、棒状部材51が挟まれる。このとき、第1上型11の型割り面と第1下型12の型割り面とが当接し、さらに上側ベースプレート41と第2金型20が当接し、挟みステップが終了する(図9B参照)。
挟み終了後、上側ベースプレート41をさらに下降させると、弾性部材45が縮む(図9C参照)。これに伴い、第1上型11、第1下型12および第2金型20が下降する。その際、第2金型20の傾斜面20aが楔44の傾斜面44aに押され、第2金型20が水平方向に移動する(図9Cのハッチングを施した矢印参照)。これにより、第2金型20が棒状部材51に押し当てられ、棒状部材51の一部が偏心する。このように楔機構を採用すれば、上側ベースプレート41の往復運動に伴って第2金型20を動作させることができる。
前述の加工フロー例および楔機構を用いる構成例では、一対の第1金型10による挟みが終了したときに、第2金型20による偏心を開始する。本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法では、一対の第1金型10による挟みが終了した後であれば、いつでも第2金型20による偏心を開始してもよい。
本発明は、レシプロエンジンに搭載される鍛造クランク軸の製造に有効に利用できる。
1 鍛造クランク軸
10 第1金型
11 第1上型
12 第1下型
20 第2金型
20a 傾斜面
40 プレス機
41 上側ベースプレート
42 下側ベースプレート
43 ベッド
44 楔
44a 傾斜面
45 弾性部材
51 棒状部材
51a 第1部位(アーム相当部)
51b 第2部位(ピン相当部)
52 荒地
A、A1〜A8 クランクアーム部
B バリ
J、J1〜J5 ジャーナル部
P、P1〜P4 ピン部
Fr フロント部
Fl フランジ部
W、W1〜W8 カウンターウエイト部

Claims (3)

  1. 回転中心となる複数のジャーナル部と、前記複数のジャーナル部に対して偏心した複数のピン部と、前記複数のジャーナル部と前記複数のピン部とをつなぐ複数のクランクアーム部と、を備える鍛造クランク軸の製造方法であって、
    前記製造方法は、
    一対の第1金型によって棒状部材の長手方向の一部である第1部位を挟むことによって、前記第1部位を保持する挟みステップと、
    前記第1部位を前記第1金型によって保持した状態で、前記棒状部材の第2部位を第2金型によって偏心させて荒地を形成する偏心ステップと、を含み、
    前記棒状部材は、断面積が全長にわたって一定であるビレット、または前記ビレットの長手方向の一部で断面積を減少させて得た初期荒地であり、
    前記第2部位は、前記複数のピン部となる複数のピン相当部のうちの少なくとも1つのピン相当部であり、
    前記第1部位は、前記複数のクランクアーム部となる複数のアーム相当部のうちの、前記第2部位としての前記ピン相当部が接する複数のアーム相当部であり、
    前記第1金型による挟み方向は、前記棒状部材の長手方向と垂直な方向であり、
    前記第2金型による偏心方向は、前記第1金型による挟み方向、および、前記棒状部材の長手方向のそれぞれと垂直な方向であって、対応する前記ピン部の偏心方向と同じ方向である、鍛造クランク軸の製造方法。
  2. 請求項1に記載の鍛造クランク軸の製造方法であって、
    前記第1部位はさらに、前記複数のジャーナル部となるジャーナル相当部のうちの、前記第1部位としての前記アーム相当部が接するジャーナル相当部を含む、鍛造クランク軸の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の鍛造クランク軸の製造方法であって、
    前記複数のクランクアーム部の少なくとも1つはカウンターウエイト部を有するウエイト有りアーム部であり、
    前記第1部位は、前記ウエイト有りアーム部となるウエイト有りアーム相当部を含む、鍛造クランク軸の製造方法。
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