JP6794011B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
近年、エンジンを駆動源とする車両には、燃費の向上などの目的で、いわゆるアイドリングストップ制御が広く採用されている。アイドリングストップ制御では、たとえば、ブレーキペダルが運転者の足で踏み込まれて、ブレーキが作動し、車速が所定のアイドリングストップ実施車速(たとえば、10km/h程度)以下に低下すると、エンジンが自動停止されて、アイドリングストップ状態になる。エンジンの自動停止後は、たとえば、ブレーキペダルから足が離されて、ブレーキが解除されると、エンジンが自動的に再始動される。
アイドリングストップ制御を採用した車両において、変速機として、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)を搭載したものがある。自動変速機には、Pレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後進レンジ)、Nレンジ(中立レンジ)およびDレンジ(前進レンジ)が設けられている。これらのレンジは、車室内に配設されたシフトレバーの操作(シフト操作)により選択され、その選択されたレンジに応じて、自動変速機に備えられているクラッチ(ブレーキ)が係合/解放される。具体的には、PレンジおよびNレンジでは、すべてのクラッチが解放される。Rレンジでは、特定のクラッチが係合される。Dレンジでは、Rレンジで係合されるクラッチが解放され、それ以外のクラッチの係合および解放の組合せにより、複数の変速段が選択的に構成される。クラッチは、油圧により係合/解放される。
図5は、アイドリングストップからの復帰時における油圧(目標油圧、実油圧)および回転数(エンジン回転数、タービン回転数)の時間変化の一例を示す図である。
Rレンジが2個のクラッチA,Bの係合によって構成される場合、アイドリングストップ中にシフトレバーがRポジションにシフト操作され、ブレーキが解除されると、アイドリングストップからの復帰となり、エンジンがクランキングされるとともに、クラッチA,Bを係合させる制御が開始される(時刻T51)。
エンジンがクランキングされながら、エンジンの点火プラグがスパークされることにより、エンジンが始動(完爆)すると、クランキングが終了される(時刻T52)。エンジンの始動により、エンジン回転数が上昇し、そのエンジン回転数の上昇に伴って、トルクコンバータのタービンランナの回転数(タービン回転数)が上昇する。
一方、クラッチA,Bを係合させる制御では、まず、クラッチA,Bに供給される油圧の目標値である目標油圧がそれぞれ初期圧よりも高い所定の充填圧に上げられる。エンジンが始動し、たとえば、エンジン回転数およびタービン回転数が上昇し始めるタイミングまで、クラッチA,Bの目標油圧がそれぞれ充填圧に保持される(充填制御)。この充填制御により、クラッチA,Bにオイルを充填することができ、クラッチA,Bの応答性の向上を図ることができる。次に、クラッチA,Bの目標油圧がそれぞれ初期圧に下げられる(時刻T52)。
エンジンのクランキング中は、エンジン回転数が低いので、エンジンにより駆動されるオイルポンプが吐出するオイルの流量が少ない。そのため、油圧回路の特性上、クラッチAに供給される実油圧がクラッチBに供給される実油圧よりも先に立ち上がる。クラッチAについては、通常、充填制御中にオイルの充填が完了する。クラッチBについては、充填制御の終了後、目標油圧が初期圧に保持されている間にオイルの充填が完了する(時刻T53)。
クラッチBへのオイルの充填が完了すると、クラッチBが滑りながら係合し始め、クラッチBのトルク伝達容量が上昇し、タービン回転数が低下し始める。
特開2015−117738号公報
クラッチA,Bの目標油圧がそれぞれ充填圧に保持される充填制御中に、クラッチA,Bの両方へのオイルの充填が完了すると(ピストンがクラッチプレートに当接すると)、クラッチBの係合ショックが発生する。この係合ショックの発生を防止するため、クラッチBのピストンのストローク量(エンドプレー)に個体差があるため、ピストンのストローク量が最も短い個体に合わせて、充填制御の実行時間および/または充填圧を決定しなければならない。
そのため、たとえば、クラッチA,Bの両方の応答性(目標油圧の変化に対する実油圧の変化の追従性)が低い場合には、クラッチA,Bを係合させる制御の開始から終了まで(クラッチA,Bの係合が完了するまで)の時間が長くかかる。
本発明の目的は、係合ショックの発生を抑制しつつ、第1係合要素および第2係合要素の係合制御に要する時間を短縮できる、自動変速機の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る自動変速機の制御装置は、油圧回路および油圧回路から供給される油圧により係合する複数の係合要素を備え、駆動源からの動力を複数の係合要素の係合および解放の組合せにより変速する自動変速機の制御装置であって、油圧回路を制御して、複数の係合要素のうちの解放状態にある第1係合要素および第2係合要素を係合させる係合制御において、第1係合要素に供給される油圧の目標油圧を第1充填圧に所定時間にわたって保持した後、当該目標油圧を第1充填圧に引き続き保持、または、第1充填圧から第1初期圧に低減する第1充填制御を実行し、第1充填制御の終了以後に、第2係合要素に供給される油圧の目標油圧を第2充填圧に所定時間にわたって保持した後、当該目標油圧を第2充填圧から第2初期圧に低減する第2充填制御を実行する。
この構成によれば、第1係合要素および第2係合要素の係合制御では、第1係合要素にオイルを充填するための第1充填制御と第2係合要素にオイルを充填するための第2充填制御とが並行して実行されず、第1充填制御が先に実行され、第1充填制御の終了後に、第2充填制御が実行される。
第1充填制御が単独で実行されるので、油圧回路に供給される油圧が低い状態で係合制御が実行される場合であっても、第1係合要素に供給される実油圧を良好に立ち上げることができる。
第2充填制御が開始される時点では、通常、第1係合要素へのオイルの充填が完了している。そのため、たとえ第1係合要素の応答性が低くても、第2充填制御では、第1係合要素に油圧が奪われることが抑制され、第2係合要素に供給される実油圧を良好に立ち上げることができる。その結果、第2係合要素にオイルを短時間で充填することができ、第2充填制御の実行が継続される時間を短縮することができる。
また、第1充填制御の終了後に第2充填制御が開始されるので、第1充填制御中に第1係合要素および第2係合要素の両方へのオイルの充填が完了することがない。さらに、第2充填制御が継続される時間を短時間に設定することにより、第2充填制御中に第1係合要素および第2係合要素の両方へのオイルの充填が完了することを抑制できる。したがって、第1充填制御中および第2充填制御中に第1係合要素および第2係合要素の両方へのオイルの充填が完了することによる係合ショックの発生を抑制できる。
よって、係合ショックの発生を抑制しつつ、第1係合要素および第2係合要素の係合制御に要する時間を短縮することができる。
自動変速機は、電動オイルポンプを備えておらず、油圧回路には、エンジンにより駆動されるオイルポンプの発生油圧が供給されてもよい。
この場合、制御装置による前述の制御は、エンジンがクランキングを経て始動される際に実行されてもよい。これにより、アイドリングストップからの復帰時などに、係合ショックの発生を抑制しつつ、第1係合要素および第2係合要素の係合制御に要する時間を短縮することができる。
本発明によれば、係合ショックの発生を抑制しつつ、第1係合要素および第2係合要素の係合制御に要する時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。 車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 、Pレンジ、Rレンジ、NレンジおよびDレンジにおける各係合要素の状態を示す図である。 アイドリングストップからの復帰時における油圧(目標油圧、実油圧)および回転数(エンジン回転数、タービン回転数)の時間変化の一例を示す図である。 従来の制御における油圧(目標油圧、実油圧)および回転数(エンジン回転数、タービン回転数)の時間変化の一例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両1の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および自動変速機4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。自動変速機4は、有段式の自動変速機である。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が備えられている。ECUには、エンジンECU11、ATECU12、ブレーキECU13およびIDS(アイドリングストップ)ECU14が含まれる。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
エンジンECU11には、アクセルセンサ21およびエンジン回転数センサ22などが接続されている。
アクセルセンサ21は、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の操作量に応じた検出信号を出力する。エンジンECU11は、アクセルセンサ21から入力される信号に基づいて、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合、つまりアクセルペダルが踏み込まれていないときを0%とし、アクセルペダルが最大に踏み込まれたときを100%とする百分率であるアクセル開度を演算する。
エンジン回転数センサ22は、エンジン2の回転(クランクシャフトの回転)に同期したパルス信号を検出信号として出力する。エンジンECU11は、エンジン回転数センサ22から入力されるパルス信号の周波数をエンジン2の回転数(エンジン回転数)に換算する。
エンジンECU11は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整のため、エンジン2に設けられた電子スロットルバルブ、インジェクタおよび点火プラグなどを制御する。
ATECU12には、シフトポジションセンサ23およびタービン回転数センサ24などが接続されている。
シフトポジションセンサ23は、シフトレバー(セレクトレバー)のポジションに応じた検出信号を出力する。シフトレバーのポジションとして、たとえば、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションが設けられている。Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションは、それぞれシフトレンジのPレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後進レンジ)、Nレンジ(中立レンジ)およびDレンジ(前進レンジ)に対応する。シフトレバーは、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションの間でシフト操作することができ、そのシフト操作により、シフトレンジの切り替えを指示することができる。
タービン回転数センサ24は、トルクコンバータ3のタービンランナの回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。ATECU12は、タービン回転数センサ24から入力されるパルス信号の周波数をタービンランナの回転数であるタービン回転数に換算する。
ATECU12は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、車両の走行状態(変速段、スロットル開度、車速、タービン回転数、シフトポジションなど)に応じた目標変速段を設定し、自動変速機4の変速段を目標変速段に変更するため、自動変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路25に含まれるバルブを制御する。
バルブには、クラッチC1(図2参照)に供給される油圧を制御するためのC1ソレノイドバルブ71およびブレーキB2(図2参照)に供給される油圧を制御するためのB2ソレノイドバルブ72などが含まれる。C1ソレノイドバルブ71およびB2ソレノイドバルブ72には、電流値により出力油圧を制御可能なバルブ、たとえば、リニアソレノイドバルブが用いられている。
ブレーキECU13には、ブレーキセンサ26および車速センサ27などが接続されている。
ブレーキセンサ26は、車室内に配設されたブレーキペダルの操作量に応じた検出信号を出力する。
車速センサ27は、たとえば、車両1の走行に伴って回転する磁性体からなるロータと、ロータと非接触に設けられた電磁ピックアップとを備えている。ロータが一定角度回転する度に、電磁ピックアップからパルス信号が検出信号として出力される。パルス信号の周波数は、車速に対応するので、ブレーキECU13は、車速センサ27から入力されるパルス信号の周波数を車速に換算する。
ブレーキECU13は、各種センサの検出信号から取得した情報(ブレーキペダルの操作量、車両1の車速)および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、ブレーキアクチュエータ28などを制御し、車両1の姿勢が安定に保たれた状態で車両1が制動されるように、各ブレーキから車輪に付与される制動力を制御する。
車両1は、アイドリングストップ機能を搭載している。IDSECU14は、アイドリングストップ機能のための制御であるアイドリングストップ制御を実行する。このアイドリングストップ制御に必要な情報として、IDSECU14には、ブレーキECU13から車速およびブレーキペダルの操作量などの情報が入力される。
アイドリングストップ制御では、車両1の走行中に、ブレーキペダルが操作される(踏み込まれる)と、IDSECU14により、所定のエンジン停止条件が成立しているか否かが繰り返し判断される。エンジン停止条件は、たとえば、車速が所定のアイドリングストップ実施車速(たとえば、10km/h)以下であり、かつ、ブレーキペダルが一定時間以上操作されているという条件である。エンジン停止条件が成立すると、IDSECU14からエンジンECU11にIDS要求が出力され、エンジンECU11により、エンジン2が自動停止される。
アイドリングストップ制御によるエンジン2の自動停止中は、所定のエンジン再始動条件が成立しているか否かが繰り返し判断される。エンジン再始動条件は、たとえば、エンジン2の自動停止中に、ブレーキペダルの操作が解除される(ブレーキペダルから運転者の足が離される)という条件である。再始動条件が成立すると、IDSECU14からエンジンECU11に再始動要求が出力される。この再始動要求を受けて、エンジンECU11により、エンジン2が再始動される(アイドリングストップからの復帰)。
<駆動系統の構成>
図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、エンジン2の出力軸(E/G出力軸)が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。
ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と自動変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5のポンプ軸は、ポンプインペラ31と一体的に回転可能に設けられている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5が油圧を発生する。油圧回路25には、オイルポンプ5の発生油圧が供給される。
自動変速機4は、前進4段/後進1段の変速段を有する4速ATである。自動変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、センタ軸43およびラビニヨ型の遊星歯車機構44を備えている。
インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に設けられている。
センタ軸43は、インプット軸41に対してエンジン2側と反対側に離間して、インプット軸41と同一の回転軸線上に設けられている。
遊星歯車機構44には、フロントサンギヤ51、リヤサンギヤ52、キャリア53、リングギヤ54、ロングピニオンギヤ55およびショートピニオンギヤ56が含まれる。フロントサンギヤ51は、センタ軸43に相対回転可能に外嵌されている。リヤサンギヤ52は、フロントサンギヤ51に対してエンジン2側と反対側に設けられ、センタ軸43に相対回転可能に外嵌されている。キャリア53には、センタ軸43が接続され、キャリア53は、センタ軸43と一体的に回転可能に設けられている。キャリア53は、ロングピニオンギヤ55およびショートピニオンギヤ56を回転可能に支持している。リングギヤ54は、リヤサンギヤ52の回転径方向の外側において、キャリア53の周囲を取り囲む円環状を有し、ロングピニオンギヤ55と噛合している。ロングピニオンギヤ55は、ショートピニオンギヤ56の軸長よりも長い軸長を有しており、フロントサンギヤ51と噛合している。ショートピニオンギヤ56は、リヤサンギヤ52およびロングピニオンギヤ55と噛合している。
リングギヤ54には、第1出力ギヤ61が共通の回転軸線を有するように保持されている。第1出力ギヤ61には、アウトプット軸42に相対回転不能に支持された第2出力ギヤ62が噛合している。また、アウトプット軸42には、第3出力ギヤ63が相対回転不能に支持されており、第3出力ギヤ63は、デファレンシャルギヤ6に備えられたリングギヤ64と噛合している。これにより、リングギヤ54の回転は、第1出力ギヤ61、第2出力ギヤ62、アウトプット軸42および第3出力ギヤ63を経由してデファレンシャルギヤ6に伝達される。
また、自動変速機4は、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFを備えている。
クラッチC1は、インプット軸41とフロントサンギヤ51とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
クラッチC2は、インプット軸41とリヤサンギヤ52とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
クラッチC3は、インプット軸41とセンタ軸43(キャリア53)とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB1は、フロントサンギヤ51を制動する係合状態(オン)と、フロントサンギヤ51の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB2は、キャリア53を制動する係合状態(オン)と、キャリア53の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ワンウェイクラッチFは、キャリア53の正転(エンジンの出力軸と同方向の回転)のみを許容する。
図3は、Pレンジ、Rレンジ、NレンジおよびDレンジにおけるクラッチC1〜C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの状態を示す図である。
図3において、「○」は、クラッチC1〜C3およびブレーキB1,B2が係合状態であることを示している。また、ワンウェイクラッチFがキャリア53の逆転を阻止する係合状態であることを示す。
PレンジおよびNレンジでは、クラッチC1〜C3およびブレーキB1,B2が解放される。
Rレンジ(リバース)では、クラッチC1およびブレーキB2が係合され、クラッチC2,C3およびブレーキB1が解放される。
Dレンジの1速段では、クラッチC2が係合され、クラッチC1,C3およびブレーキB1,B2が解放される。
Dレンジの2速段では、クラッチC2およびブレーキB1が係合され、クラッチC1,C3およびブレーキB2が解放される。
Dレンジの3速段では、クラッチC2,C3が係合され、クラッチC1およびブレーキB1,B2が解放される。
Dレンジの4速段では、クラッチC3およびブレーキB1が係合され、クラッチC1,C2およびブレーキB2が解放される。
<係合制御>
図4は、アイドリングストップからの復帰時(エンジン2の再始動時)における油圧(目標油圧、実油圧)および回転数の時間変化の一例を示す図である。
アイドリングストップ制御によりエンジン2が自動停止された後、車両1が停止し、その停車中にシフトレバーがDポジションからRポジションにシフト操作された場合、再始動条件が成立すると、アイドリングストップからの復帰となり、エンジン2がクランキングされる(時刻T1)。また、アイドリングストップからの復帰に伴い、ATECU12により、クラッチC1およびブレーキB2を係合させるための係合制御が開始される(時刻T1)。
係合制御では、まず、クラッチC1にオイルを充填するための第1充填制御が実行される。第1充填制御では、クラッチC1に供給される油圧の目標値である目標油圧が第1充填圧に上げられる。クラッチC1の目標油圧は、クラッチC1に供給される油圧を制御するためのC1ソレノイドバルブ71(図1参照)に入力される電流値に対応する。C1ソレノイドバルブ71に供給される電流値が第1充填圧に応じた電流値に制御されることにより、クラッチC1に油圧が供給される。
その一方で、エンジン2がクランキングされながら、エンジン2の点火プラグがスパークされる。エンジン2が始動(完爆)すると、クランキングが終了される(時刻T2)。エンジン2の始動により、エンジン回転数が上昇し、そのエンジン回転数の上昇に伴って、タービン回転数が上昇する。
エンジン2のクランキングの終了(タービン回転数の上昇)に応答して、クラッチC1の目標油圧が第1充填圧よりも低い第1初期圧に下げられる(時刻T2)。これにより、第1充填制御が終了となる。その後、クラッチC1の目標油圧は、第1初期圧に保持される。クラッチC1については、通常、第1充填制御の実行中にオイルの充填が完了する。
第1充填制御の終了と同時に、ブレーキB2にオイルを充填するための第2充填制御が実行される(時刻T2)。第2充填制御では、ブレーキB2の目標油圧が第2充填圧に上げられる。ブレーキB2の目標油圧は、ブレーキB2に供給される油圧を制御するためのB2ソレノイドバルブ72(図1参照)に入力される電流値に対応する。B2ソレノイドバルブ72に供給される電流値が第2充填圧に応じた電流値に制御されることにより、ブレーキB2に油圧が供給される。
所定時間にわたって、ブレーキB2の目標油圧が第2充填圧に保持された後、ブレーキB2の目標油圧が第2充填圧よりも低い第2初期圧に下げられる(時刻T3)。これにより、第2充填制御が終了となる。その後、ブレーキB2の目標油圧は、第2初期圧に保持される。ブレーキB2については、第2充填制御の終了後、目標油圧が第2初期圧に保持されている間にオイルの充填が完了する(時刻T4)。
ブレーキB2へのオイルの充填が完了すると、ブレーキB2が滑りながら係合し始め、ブレーキB2のトルク伝達容量が上昇し、タービン回転数が低下し始める。
<作用効果>
以上のように、クラッチC1およびブレーキB2の係合制御では、クラッチC1にオイルを充填するための第1充填制御とブレーキB2にオイルを充填するための第2充填制御とが並行して実行されず、第1充填制御が先に実行され、第1充填制御の終了以後に、第2充填制御が実行される。
第1充填制御が単独で実行されるので、アイドリングストップからの復帰時など、油圧回路25に供給される油圧が低い状態で係合制御が実行される場合であっても、クラッチC1に供給される実油圧を良好に立ち上げることができる。
第2充填制御が開始される時点では、通常、クラッチC1へのオイルの充填が完了している。そのため、たとえクラッチC1の応答性が低くても、第2充填制御では、クラッチC1に油圧が奪われることが抑制され、ブレーキB2に供給される実油圧を良好に立ち上げることができる。その結果、ブレーキB2にオイルを短時間で充填することができ、第2充填制御の実行が継続される時間を短縮することができる。
また、第1充填制御の終了後に第2充填制御が開始されるので、第1充填制御中にクラッチC1およびブレーキB2の両方へのオイルの充填が完了することがない。さらに、第2充填制御の継続時間が第2充填制御中にブレーキB2へのオイルの充填が完了し得ない短時間に設定されることにより、第2充填制御中にクラッチC1およびブレーキB2の両方へのオイルの充填が完了することを抑制できる。したがって、第1充填制御中および第2充填制御中にクラッチC1およびブレーキB2の両方へのオイルの充填が完了することによる係合ショックの発生を抑制できる。
よって、係合ショックの発生を抑制しつつ、クラッチC1およびブレーキB2の係合制御に要する時間を短縮することができる。
なお、クラッチC1にオイルを充填するための第1充填制御がブレーキB2にオイルを充填するための第2充填制御に先立って実行されるのは、ブレーキB2が解放されている状態では、エンジン2からの動力はクラッチC1が係合されてもリングギヤ54に伝達されないからである。これにより、クラッチC1における係合ショックの発生を効果的に抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の制御では、エンジン2のクランキングの終了に応答して、クラッチC1の目標油圧が第1充填圧よりも低い第1初期圧に下げられるとした。しかしながら、クラッチC1の目標油圧は、第1充填圧から第1初期圧に下げられずに、第1充填制御の終了後も第1充填圧に保持されていてもよい。
また、前述の制御は、アイドリングストップ制御によりエンジン2が自動停止された後、シフトレバーがDポジションのまま、アイドリングストップからの復帰となった場合であって、2速段を一時的に構成した後に1速段を構成する、いわゆるスクォート制御が行われる場合に実行されてもよい。この場合、エンジン2のクランキングの開始と同時に、クラッチC2およびブレーキB1の係合制御が実行される。そして、その係合制御では、ブレーキB1にオイルを充填するための第1充填制御が先に実行され、第1充填制御の終了以後に、クラッチC2にオイルを充填するための第2充填制御が実行されることが好ましい。クラッチC2が解放されている状態では、ブレーキB1によって制動されるフロントサンギヤ51に動力が伝達されないからである。
さらに、前述の制御は、アイドリングストップからの復帰時に限らず、エンジン2の動作中にシフトレバーがNポジションからRポジションまたはDポジションにシフト操作された場合に実行されてもよい。
前述の各センサは、本発明に関連するセンサを例示したものに過ぎず、エンジンECU11、ATECU12、ブレーキECU13およびIDSECU14には、その他のセンサが接続されていてもよい。
また、エンジンECU11、ATECU12、ブレーキECU13およびIDSECU14の機能の一部または全部が1つのECUに集約されていてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 エンジン(駆動源)
4 自動変速機
12 ATECU(制御装置)
25 油圧回路
B1 ブレーキ(第1係合要素)
B2 ブレーキ(第2係合要素)
C1 クラッチ(第1係合要素)
C2 クラッチ(第2係合要素)

Claims (1)

  1. 油圧回路および前記油圧回路から供給される油圧により係合する複数の係合要素を備え、駆動源からの動力を前記複数の係合要素の係合および解放の組合せにより変速する自動変速機の制御装置であって、
    前記自動変速機は、電動オイルポンプを備えておらず、
    前記油圧回路には、エンジンにより駆動されるオイルポンプの発生油圧が供給され、
    前記エンジンがクランキングを経て始動される際に、前記油圧回路を制御して、前記複数の係合要素のうちの解放状態にある第1係合要素および第2係合要素を係合させる係合制御において、
    前記エンジンのクランキング中に開始され、前記第1係合要素に供給される油圧の目標油圧を第1充填圧に所定時間にわたって保持した後、当該目標油圧を前記第1充填圧に引き続き保持、または、前記第1充填圧から第1初期圧に低減する第1充填制御を実行し、
    前記クランキングの終了以後であって前記第1充填制御の終了以後に、前記第2係合要素に供給される油圧の目標油圧を第2充填圧に所定時間にわたって保持した後、当該目標油圧を前記第2充填圧から第2初期圧に低減する第2充填制御を実行する、制御装置。
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