JP6786183B2 - スライドファスナー付き製品及びエレメント部材、並びにスライドファスナー付き製品の製造方法 - Google Patents

スライドファスナー付き製品及びエレメント部材、並びにスライドファスナー付き製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のファスナーエレメントが固定部材に等間隔で取着されたエレメント部材が、衣料品などの製品に設けられるエレメント取付縁部に直接取り付けられて形成されるスライドファスナー付き製品、及び、そのスライドファスナー付き製品に用いられるエレメント部材、並びに、そのスライドファスナー付き製品の製造方法に関する。
スライドファスナーは、一般的に、衣料品、日用雑貨品、産業用資材などの製品や、自動車、列車、航空機等の各種シート類などの製品の開閉具として多く使用されている。このような各種の製品に使用されるスライドファスナーは、一般的に、ファスナーテープのテープ側縁部にエレメント列が形成された左右一対のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列に沿って摺動するスライダーとを有する。
一般的なファスナーストリンガーとしては、例えば、熱可塑性樹脂製のモノフィラメントをコイル状又はジグザグ状に成形することにより連続ファスナーエレメントが形成され、その連続ファスナーエレメントがファスナーテープのテープ側縁部上に縫着されてエレメント列が形成されたファスナーストリンガーが知られている。またその他に、ファスナーテープテープ側縁部に、合成樹脂を直接射出成形することにより、又は、金属をダイカスト成形することにより、複数の独立したファスナーエレメントが所定の間隔で形成されてエレメント列が形成されたファスナーストリンガーも知られている。
更に、例えば実公昭40−13870号公報(特許文献1)には、複数のファスナーエレメントが支持紐により連結されているエレメント部材が、ファスナーテープの縁に、オーバーロック(縁かがり縫い)のステッチにより縫い付けられることによって形成されるスライドファスナーが開示されている。
なお、例えばオーバーロックミシンを用いて上述のようにエレメント部材をファスナーテープに縫い付ける場合、ファスナーテープのテープ表面側に配置される縫製糸(針糸)は、ファスナーエレメントに重ならないように配置される。一方、テープ裏面側に配置される縫製糸(ルーパー糸)は、オーバーロックミシンのルーパーの動きにより、テープ裏面側でファスナーエレメントの上に重なり易くなる。このため、特許文献1のようなオーバーロックのステッチを用いてファスナーストリンガーを形成する場合、ルーパー糸がファスナーエレメントに重ならないようにするための高い技術力が必要とされる。
ところで、上述のような特許文献1のスライドファスナーを含む従来のスライドファスナーや従来のファスナーストリンガーでは、コイル状の連続ファスナーエレメントや、射出成形された合成樹脂製のファスナーエレメントなどがファスナーテープのテープ側縁部に取着されることにより、そのテープ側縁部にエレメント列が形成されている。また、スライドファスナーを衣料品などのファスナー被着部材に取り付ける場合には、ファスナーテープにおけるテープ側縁部以外の部分(一般にテープ主体部と言う)を、ファスナー被着部材のファスナー取付部に重ねた状態で両者をミシンで縫い合わせることが一般的に行われている。
このため、一般的なスライドファスナーでは、通常、ファスナーテープが、スライドファスナーを構成するために必須の部材(部品)として用いられる。また、スライドファスナーがファスナーテープを有するとともに、スライドファスナーがファスナーテープを介して衣料品などのファスナー被着部材に取り付けられることにより、例えばスライドファスナーのスライダーをエレメント列に沿って摺動させたときに、スライダーに配された左右のフランジ部を、比較的強く形成されたファスナーテープに摺接させて、衣料品などの製品には直接摺接しない(又は摺接し難い)ようにしている。これにより、スライダーの摺動操作が繰り返し行われても、スライダーの摺接に伴う擦れや摩擦を製品自体に発生させない(又は発生させ難い)ようにして、スライダーとの間の擦れや摩擦に起因して製品の生地が傷むことを防いでいる。
一方、例えば特開昭62−299205号公報(特許文献2)には、スライドファスナーが取り付けられた製品における色合いなどの見栄え(外観品質)の向上や、軽量化などを図るために、製品の生地を織成又は編成する際に、当該生地に、連続状のファスナーエレメントを又は複数のファスナーエレメントが芯紐に固定されたエレメント部材を、直接織り込み固定又は編み込み固定することが開示されている。これにより、ファスナーテープを介在させずに、ファスナーエレメントを製品の生地に直接取り付けることが可能となる。
この特許文献2のように、ファスナーエレメントが製品の生地に直接織り込み又は編み込みされる場合、例えばスライドファスナーを製造してから、当該スライドファスナーのファスナーテープを製品の生地に縫製してスライドファスナー付き製品を製造する場合に比べて、スライドファスナー付き製品の製造における作業工程を減らすことが可能となる。このため、製造ラインのスピード化やコスト削減といった効果が期待できる。
更に、製品の生地に直接ファスナーエレメントを織り込み固定又は編み込み固定できるため、スライドファスナーの必須構成部品であるファスナーテープが不要となる。このため、スライドファスナー付き製品の軽量化や柔軟性の向上なども期待できる。
実公昭40−13870号公報 特開昭62−299205号公報
近年、衣料品などの衣類、鞄類、及び靴類などの製品では、それぞれの用途に応じて性質を改善したり、様々な機能を付与したりして付加価値を高めることが行われている。例えば日常的に使用される衣類や鞄類などにおいては、更なる軽量化や柔軟性の向上などが求められてきている。
しかし、上述した特許文献1に記載されているスライドファスナーを含む従来のスライドファスナーでは、スライドファスナーの構成部品として、ファスナーテープ、ファスナーエレメント、及びスライダーが必要不可欠である。このため、そのスライドファスナーが取着されたスライドファスナー付き製品の場合、スライドファスナーによる軽量化には限界がある。また、製品のファスナー取付部に、ファスナーストリンガーのファスナーテープがミシンによる縫製加工等によって取り付けられるため、製品の柔軟性を低下させる場合もある。
一方、例えば特許文献2に記載されているように、ファスナーエレメント又はエレメント部材を製品の生地に直接織り込み固定又は編み込み固定することによってスライドファスナー付き製品を製造する場合、上述のようにファスナーテープが不要となるため、スライドファスナー付き製品の軽量化が実現し易くなる。
しかし、ファスナーエレメントを製品の生地に直接織り込み固定又は編み込み固定するためには、高度の技術や専用の設備が必要となる。その結果、設備コストの増加を招くとともに、熟練の技術者の確保や育成に取り組むことも必要となる。
また、例えば製品の用途等に応じて、製品の生地に合成樹脂をコーティングすること等によって生地に所望の機能を付与することがある。しかし、特許文献2のように製品の生地を織成又は編成する際にファスナーエレメントを直接織り込み固定又は編み込み固定する場合、生地に合成樹脂をコーティングすること等によって所望の機能を安定して付与することが難しくなることもある。
更に、特許文献2のスライドファスナー付き製品では、上述したように、ファスナーエレメントが製品の生地に直接取り付けられている。このため、スライドファスナーのスライダーをエレメント列に沿って摺動させたときに、スライダーに配された左右のフランジ部が製品の生地に直接摺接する。その結果、スライダーの摺動操作が繰り返し行われることにより、スライダーの摺接に伴って製品の生地に擦れや摩擦が繰り返して発生するため、製品の生地が傷み易くなることが考えられる。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、複数のファスナーエレメントを備えたエレメント部材が、ファスナーテープを介在させることなく製品のファスナー被着部材に直接取り付けられて、従来の一般的なスライドファスナー付き製品に比べて軽量化や柔軟性の向上が期待できるとともに、スライダーの摺動操作が繰り返し行われても製品のファスナー被着部材に傷みが生じ難いスライドファスナー付き製品、及び、そのスライドファスナー付き製品に用いられるエレメント部材、並びにそのスライドファスナー付き製品の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるスライドファスナー付き製品は、ファスナーエレメントが固定部材に取着された一対のエレメント部材と、前記エレメント部材が取着される一対のエレメント取付縁部を互いに対向する位置に備えるファスナー被着部材と、前記ファスナーエレメントにより形成されたエレメント列に摺動可能に取着される少なくとも1つのスライダーとを有し、前記エレメント部材は、前記エレメント取付縁部に固定用縫製部により直接固定され、前記固定用縫製部は、前記エレメント取付縁部を刺通し、且つ、前記固定用縫製部を形成する縫製糸が前記固定部材を保持し、前記エレメント部材は、前記エレメント取付縁部に対して前記エレメント部材の幅方向の外側に並ぶ位置で、前記エレメント取付縁部に直接固定され、前記エレメント取付縁部の少なくとも一部を、前記スライダーとの接触から保護する保護部が設けられてなることを最も主要な特徴とするものである。
本発明に係るスライドファスナー付き製品において、前記ファスナー被着部材の前記エレメント取付縁部には、摺動する前記スライダーの一部に対面するスライダー対面領域が、前記エレメント部材の長さ方向に沿って配され、前記固定用縫製部の前記縫製糸は、前記エレメント取付縁部の前記スライダー対面領域の少なくとも一部に配され、前記保護部は、前記スライダー対面領域の前記縫製糸により形成されていることが好ましい。
この場合、前記固定用縫製部の前記縫製糸は、前記保護部として、前記エレメント取付縁部の前記スライダー対面領域にてジグザグ状に配されていることが好ましい。
また、前記スライダーは、互いに平行に配される上翼板及び下翼板と、前記上翼板及び前記下翼板間を連結する連結柱と、前記上翼板及び前記下翼板の少なくとも一方の左右側縁部に配されるフランジ部とを有し、前記ファスナー被着部材の前記エレメント取付縁部には、前記スライダー対面領域が、摺動する前記スライダーの前記フランジ部に対面するように、前記エレメント部材の長さ方向に沿って配されていることが好ましい。
また、本発明のスライドファスナー付き製品において、前記スライダーは、互いに平行に配される上翼板及び下翼板と、前記上翼板及び前記下翼板間を連結する連結柱と、前記上翼板及び前記下翼板の少なくとも一方の左右側縁部に配されるフランジ部とを有し、前記ファスナーエレメントは、前記ファスナーエレメントの上半部及び下半部の少なくとも一方に、前記エレメント部材の長さ方向に沿って配されるとともに、前記スライダーの前記フランジ部の位置に対応して配されるフランジ用凹部を有し、前記保護部は、複数の前記ファスナーエレメントの前記フランジ用凹部により形成されていても良い。
この場合、前記ファスナーエレメントは、噛合相手側の前記ファスナーエレメントに係合する噛合頭部を含むとともに、前記スライダーにおける前記上翼板及び前記下翼板間の間隔に対応するエレメント厚さ方向の寸法を有する第1エレメント部と、前記第1エレメント部から幅方向の前記噛合頭部に対して離間する向きに延出するとともに、エレメント厚さ方向の寸法を前記第1エレメント部よりも段差を介して小さくする第2エレメント部とを有し、前記フランジ用凹部は、前記第1エレメント部と前記第2エレメント部の前記エレメント厚さ寸法の違いにより前記ファスナーエレメントに形成されていることが好ましい。
本発明のスライドファスナー付き製品において、前記固定用縫製部は、本縫いにより形成されていることが好ましい。
また、前記固定用縫製部は、前記エレメント部材の長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がって形成されていることが好ましい。
更に、複数の前記ファスナーエレメントは、それぞれが独立して形成されるとともに、前記固定部材に等間隔で配され、前記固定用縫製部は、前記縫製糸が前記ファスナーエレメントごとに所定のパターンの縫い目を繰り返して形成されていることが好ましい。
また、本発明のスライドファスナー付き製品において、前記ファスナー被着部材の前記エレメント取付縁部は、前記ファスナー被着部材の側縁部が前記エレメント部材の幅方向に折り返されて形成されていることが好ましい。
本発明のスライドファスナー付き製品において、前記ファスナーエレメントは、前記固定部材に固定される胴部と、噛合相手側の前記エレメント部材の前記ファスナーエレメントと係合する噛合部とを有し、前記胴部は、前記ファスナーエレメントの平面視において、前記エレメント部材の長さ方向における前記胴部の寸法が前記噛合部から離れるにつれて漸減する漸減部を有することが好ましい。
次に、本発明により提供されるエレメント部材は、ファスナー被着部材に取着可能なエレメント部材において、固定部材と、前記固定部材に取着されるファスナーエレメントとを有し、前記ファスナーエレメントは、前記固定部材に固定される胴部と、前記胴部から前記エレメント部材の幅方向に延出する噛合頭部とを有し、前記ファスナーエレメントは、前記噛合頭部を含むとともにエレメント厚さ方向の寸法が所定の大きさに設定される第1エレメント部と、前記胴部の少なくとも一部を含むとともに、エレメント厚さ方向の寸法が前記第1エレメント部よりも段差を介して小さくされた第2エレメント部とを有し、前記ファスナーエレメントに、前記第1エレメント部と前記第2エレメント部の前記エレメント厚さ寸法の違いにより形成される凹部が配されてなることを最も主要な特徴とするものである。
次に、本発明により提供される製造方法は、スライドファスナー付き製品を製造する製造方法において、固定部材にファスナーエレメントが取着されたエレメント部材を形成すること、エレメント取付縁部を備えるファスナー被着部材を形成すること、及び、ミシンを用いて、前記ファスナー被着部材と前記エレメント部材とに縫製加工を行うことにより、固定用縫製部を形成しながら、前記固定用縫製部で前記ファスナー被着部材の前記エレメント取付縁部に前記エレメント部材を、前記エレメント取付縁部に対して前記エレメント部材の幅方向の外側に並ぶ位置で固定すること含んでなることを最も主要な特徴とするものである。
本発明の製造方法は、前記固定用縫製部を、本縫いのステッチで、長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がるように形成することを含むことが好ましい。
本発明に係るスライドファスナー付き製品は、可撓性を備えた長尺の固定部材に複数の独立するファスナーエレメントが等間隔で取着されて形成される左右一対のエレメント部材と、エレメント部材が取着される左右一対のエレメント取付縁部を互いに対向する位置に備えるファスナー被着部材と、複数のファスナーエレメントにより形成されたエレメント列に摺動可能に取着される少なくとも1つのスライダーとを有する。
左右のエレメント部材は、ファスナー被着部材の対応するエレメント取付縁部に固定用縫製部によりそれぞれ直接固定されている。この場合、固定用縫製部は、エレメント取付縁部を刺通するとともに、固定用縫製部を形成する縫製糸がエレメント部材の固定部材を保持している。更に本発明のスライドファスナー付き製品には、エレメント取付縁部の少なくとも一部を、スライダーとの接触から保護する保護部が設けられている。
上述のような本発明のスライドファスナー付き製品によれば、エレメント部材が、上述の固定用縫製部によって、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部に容易に且つ安定して固定されるとともに、そのエレメント部材の固定状態を安定して維持できる。このため、製品に形成されるスライドファスナーの機能を長期に亘って安定して発揮させることができる。
また、本発明のスライドファスナー付き製品では、従来のスライドファスナーにおいて必須の構成部品であったファスナーテープを用いることなくスライドファスナーを構成することができる。このようにファスナーテープを不要とすることにより、スライドファスナー付き製品の軽量化や柔軟性を向上できる。また本発明では、例えば防水性などのような所望の機能が付与されたファスナー被着部材に対して、エレメント部材が、ミシンにより形成される固定用縫製部によって直接固定されるため、ファスナー被着部材(生地)が特別な機能を備えたスライドファスナー付き製品を低コストで容易に製造することも可能となる。
更に本発明では、エレメント取付縁部の少なくとも一部をスライダーとの接触から保護する保護部が形成されている。このため、スライダーの摺動操作が繰り返し行われても、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部に生じる擦れや摩擦を保護部によって抑制し、ファスナー被着部材を傷み難くすることができる。
従って、本発明のスライドファスナー付き製品では、スライドファスナーの使い易さや利便性を大幅に向上させることができる。このため、本発明の製品は、衣類、靴類、鞄類などの日用品に対してより好適に用いられ、また、日用品以外にも、産業用資材などの製品、自動車や航空機等の各種シート類などの様々な製品に対して好適に用いられる。
上述のような本発明のスライドファスナー付き製品において、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部には、摺動するスライダーの一部に対面するスライダー対面領域が、エレメント部材の長さ方向に沿って配されており、固定用縫製部の縫製糸は、エレメント取付縁部のスライダー対面領域の少なくとも一部の対向面に露出して配されている。また、エレメント取付縁部を保護する保護部は、スライダー対面領域の縫製糸により形成されている。
このようにエレメント取付縁部を保護する保護部が、エレメント取付縁部のスライダー対面領域に配される縫製糸によって形成されることにより、保護部を容易に且つ安定して設けることができる。また、縫製糸による保護部によって、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部を、スライダーとの摺接から効果的に保護することができる。
特にこの場合、固定用縫製部の縫製糸は、保護部として、エレメント取付縁部のスライダー対面領域にてジグザグ状に配されている。これによって、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部を、スライダーとの摺接から、より効果的に保護することができる。
また、本発明のスライダーは、互いに平行に配される上翼板及び下翼板と、上翼板及び下翼板間を連結する連結柱と、上翼板及び下翼板の少なくとも一方の左右側縁部に配されるフランジ部とを有する。この場合、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部には、スライダー対面領域が、摺動するスライダーのフランジ部に対面するように、エレメント部材の長さ方向に沿って配されている。これによって、固定用縫製部の縫製糸により形成される保護部で、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部を、スライダーのフランジ部との摺接からより効果的に保護することができる。
また、本発明のスライドファスナー付き製品では、スライダーが、互いに平行に配される上翼板及び下翼板と、上翼板及び下翼板間を連結する連結柱と、上翼板及び下翼板の少なくとも一方の左右側縁部に配されるフランジ部とを有する場合に、ファスナーエレメントは、ファスナーエレメントの上半部及び下半部の少なくとも一方に、エレメント部材の長さ方向に沿って配されるとともに、スライダーのフランジ部の位置に対応して配されるフランジ用凹部を有していても良い。この場合、エレメント取付縁部を保護する保護部は、複数のファスナーエレメントのフランジ用凹部により形成されている。
これによって、スライダーの摺動時に、スライダーのフランジ部が、複数のファスナーエレメントに形成されたフランジ用凹部内に収容されながら移動することができ、それによって、フランジ部がファスナー被着部材のエレメント取付縁部に直接摺接しなくなる(又は摺接し難くなる)ため、スライダーの摺動に起因してファスナー被着部材に傷みが生じることを効果的に防止できる。
特にこの場合、ファスナーエレメントは、噛合相手側のファスナーエレメントに係合する噛合頭部を含むとともに、スライダーにおける上翼板及び下翼板間の間隔に対応するエレメント厚さ方向の寸法を有する第1エレメント部と、第1エレメント部から幅方向の噛合頭部に対して離間する向きに延出するとともに、エレメント厚さ方向の寸法を第1エレメント部よりも段差を介して小さくする第2エレメント部とを有する。これにより、保護部となるフランジ用凹部が、第1エレメント部と第2エレメント部のエレメント厚さ寸法の違いによりファスナーエレメントに容易に形成される。このため、複数のファスナーエレメントに設けられるフランジ用凹部よって、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部をスライダーのフランジ部から安定して保護できる。
このような本発明のスライドファスナー付き製品において、エレメント部材をエレメント取付縁部に固定する固定用縫製部は、本縫いにより形成されている。特に、本発明の固定用縫製部は、前記エレメント部材の長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がって形成されている。
上述のような固定用縫製部を備えたスライドファスナー付き製品であれば、例えば千鳥縫いミシンを用いることによって、エレメント部材を、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部に容易に且つ安定して縫い付けることが可能となる。このため、高価な専用の設備を新たに導入しなくても、本発明のスライドファスナー付き製品を安定して、また、安価に製造することが可能となる。またこの場合、固定用縫製部の縫製糸によって、エレメント取付縁部を保護する保護部を容易に形成できるとともに、その縫製糸による保護部を、エレメント取付縁部の表面(上面)と裏面(下面)の両面に対称的に形成できる。このため、上翼板と下翼板の両方にフランジが配されるスライダーを用いる場合に、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部をスライダーからより効果的に保護することができる。
また、本発明のスライドファスナー付き製品において、複数のファスナーエレメントは、合成樹脂によりそれぞれが独立して形成されるとともに、固定部材に等間隔で配されている。また、固定用縫製部は、縫製糸がファスナーエレメントごとに所定のパターンの縫い目を繰り返して形成されている。これにより、エレメント部材が、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部に円滑に且つ安定して取り付けられて、エレメント取付縁部にエレメント列が適切に形成される。
更に本発明のスライドファスナー付き製品において、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部は、ファスナー被着部材の側縁部がエレメント部材の幅方向に折り返されて形成される。これにより、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部の強度を容易に高めることができる。またそれによって、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部にエレメント部材がよりしっかりと固定されるとともに、ファスナー被着部材に対する各エレメントの位置及び姿勢をより安定させることができる。
また、ファスナー被着部材の側縁部がエレメント部材の幅方向に折り返されることにより、例えばファスナー被着部材(生地)の側端縁に解れが生じていても、その解れがエレメント取付縁部の裏面側に隠されて、外側に表出しないようにすることができる。それによって、スライドファスナー付き製品の外観品質(見栄え)を高めることができる。更に、側端縁の解れが、左右のエレメント列の噛み合わせを悪くすることを防止するとともに、スライダーの摺動性を低下させることを防止することができる。
更に、本発明のスライドファスナー付き製品において、各ファスナーエレメントは、固定部材に固定される胴部と、噛合相手側のエレメント部材のファスナーエレメントと係合する噛合部(後述する首部及び噛合頭部)とを有する。また、ファスナーエレメントの胴部は、ファスナーエレメントの平面視又は底面視において、噛合部寄りに配されるとともに、エレメント部材の長さ方向における胴部の寸法が一定の大きさとなる又は噛合部から離れるにつれて漸増する胴先端部と、噛合部から離間する方向に胴先端部から延出するとともに、エレメント部材の長さ方向における胴部の寸法が噛合部から離れるにつれて漸減する漸減部とを有する。ここで、胴部の長さ方向における寸法とは、ファスナーエレメントの平面視において、胴部における前面部と後面部との間の長さ方向における寸法を言う。
各ファスナーエレメントが上述のような漸減部を有することにより、エレメント部材を固定する固定用縫製部が例えばジグザグ状に折れ曲がって形成される場合に、その固定用縫製部の縫製糸(本縫いの上糸及び下糸)を、ファスナーエレメントに、より重なり難くすることができる。それによって、固定用縫製部の縫製糸に緩みが生じることを防止し、エレメント部材がファスナー被着部材に固定された状態を安定して維持することができる。更に固定用縫製部の縫製糸がファスナーエレメントに重なることに起因して左右のエレメント列の噛み合わせが悪くなることや、スライダーの摺動性が低下することも防止できる。
次に、本発明に係るエレメント部材は、ファスナー被着部材に取着可能なエレメント部材であり、また、可撓性を備えた長尺の固定部材と、固定部材に等間隔で取着される複数の独立するファスナーエレメントとを有する。エレメント部材の各ファスナーエレメントは、固定部材に固定される胴部と、胴部からエレメント部材の幅方向に首部を介して延出する噛合頭部とを有する。
また、ファスナーエレメントは、噛合頭部を含むとともにエレメント厚さ方向の寸法が、例えばスライダーにおける上翼板及び下翼板間の間隔に対応する所定の大きさに設定される第1エレメント部と、胴部の少なくとも一部を含むとともに、エレメント厚さ方向の寸法が第1エレメント部よりも段差を介して小さくされた第2エレメント部とを有する。更に、ファスナーエレメントには、第1エレメント部と第2エレメント部のエレメント厚さ寸法の違いにより、スライダーのフランジ部を受け入れることが可能な凹部が設けられている。
上述のような凹部が、複数のファスナーエレメントに亘って、エレメント部材の長さ方向に沿って形成されていることにより、スライダーの摺動時に、そのスライダーのフランジ部をファスナーエレメントの凹部内で移動させることが可能となり、それによって、スライダーのフランジ部がファスナー被着部材のエレメント取付縁部に直接摺接することを防止して、ファスナー被着部材をスライダーから安定して保護することができる。
このような本発明のエレメント部材は、ミシンを用いて、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部に直接固定することが可能である。また、上述のような本発明のエレメント部材を用いてスライドファスナー付き製品を製造した場合、エレメント部材の各ファスナーエレメントに形成された凹部(フランジ用凹部)に、スライダーのフランジ部を受け入れて収容することが可能であるため、ファスナーエレメントの凹部が上述したようにファスナー被着部材をスライダーから保護する保護部として機能する。それによって、スライダーの摺動操作が繰り返し行われても、スライダーのフランジ部がファスナー被着部材のエレメント取付縁部に直接摺接することを阻止し、スライダーの摺動に起因してファスナー被着部材に傷みが生じることを効果的に防止できる。
次に、本発明に係るスライドファスナー付き製品の製造方法は、先ず、例えば固定部材に合成樹脂の射出成形を行うことにより、固定部材に所定の形状を有するファスナーエレメントが取着されたエレメント部材を形成する。また、エレメント部材とは別に、エレメント取付縁部を備えるファスナー被着部材を形成する。
続いて、作製したファスナー被着部材とエレメント部材とに対してミシンを用いて縫製加工を行うことにより、固定用縫製部を形成しながら、その固定用縫製部でファスナー被着部材のエレメント取付縁部にエレメント部材を直接固定する。これにより、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部に沿ってエレメント列が形成される。その後、例えばエレメント列にスライダーを取り付けることにより、ファスナーテープを用いないスライドファスナー付き製品を容易に製造することができる。その結果、スライドファスナー付き製品における製造コストの削減、軽量化、柔軟性の向上を達成することができる。
上述のような本発明の製造方法では、エレメント部材をファスナー被着部材のエレメント取付縁部に固定する固定用縫製部を、本縫いのステッチで、長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がるように形成する。これにより、エレメント部材を、ファスナー被着部材に容易に且つ安定して固定できる。また、高価な専用の設備を新たに導入しなくても、例えば一般的な千鳥縫いミシンを用いることにより、スライドファスナー付き製品を安価に製造することが可能となる。またこの場合、固定用縫製部の縫製糸によって、エレメント取付縁部を保護する上述した保護部を容易に形成するとともに、その縫製糸による保護部を、エレメント取付縁部の表面(上面)と裏面(下面)の両面に対称的に形成することが可能となる。このため、ファスナー被着部材のエレメント取付縁部をスライダーからより効果的に保護することができる。
本発明の実施例1に係るスライドファスナー付き製品(衣服)を模式的に示す模式図である。 実施例1のエレメント部材が製品のファスナー取付部に取着されている部分を拡大して示す拡大平面図である。 エレメント部材が製品のファスナー取付部に取着されている部分を、噛合相手側のエレメント部材から見た側面図である。 図2に示したIV−IV線における断面図である。 エレメント部材が製品のファスナー取付部に取着される前の状態を示す斜視図である。 実施例1の変形例に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す平面図である。 本発明の実施例2に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す平面図である。 実施例2のエレメント部材を示す斜視図である。 本発明の実施例3に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す平面図である。 実施例3に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す底面図である。 実施例3のエレメント部材の断面図である。 本発明の実施例4に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す断面図である。 本発明の実施例5に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す断面図である。 本発明の実施例6に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す平面図である。 エレメント部材とスライダーとの関係を模式的に説明する断面図である。 実施例6のエレメント部材を示す斜視図である。 実施例1の別の変形例に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す平面図である。 実施例1の更に別の変形例に係るスライドファスナー付き製品の要部を示す平面図である。 図18に示したXIX−XIX線における断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下の実施例では、スライドファスナー付き製品がスライドファスナー付き衣服である場合について説明するが、本発明に係るスライドファスナー付き製品は、衣服(衣料品)に限定されるものではなく、靴類や鞄類などの日用雑貨品、産業用資材などの製品、自動車、列車、航空機等の各種シート類などの様々な製品が含まれる。
また、以下の実施例1や2等では、製品(衣服)に形成されるスライドファスナーが、1つのスライダーを有する通常のスライドファスナーとして形成されているが、本発明では、例えば2つのスライダーが所定の向きでエレメント列に取着されて逆開き又は両開き可能なスライドファスナーを製品に形成することも可能である。
図1は、本実施例1に係るスライドファスナー付き衣服を模式的に示す模式図である。図2は、エレメント部材が衣服のファスナー取付部に取着されている部分を拡大して示す拡大平面図であり、図3は、その部分を、噛合相手側のエレメント部材からエレメント部材の幅方向に沿って見たときの側面図である。図4は、図2に示したIV−IV線における断面図である。
また、以下の説明において、前後方向とは、スライダーの摺動方向に平行なエレメント部材の長さ方向を言い、特に、スライダーが左右のエレメント列を噛合させるように摺動する方向を前方とし、左右のエレメント列を分離させるように摺動する方向を後方とする。
左右方向とは、エレメント部材の幅方向(又は、ファスナー被着部材となる生地の幅方向)を言い、例えば、スライダーの摺動方向に直交し、且つ、生地の表面及び裏面に平行な方向である。上下方向とは、前後方向と左右方向とに直行する方向を言い、例えば生地の表面(上面)及び裏面(下面)に直交するエレメント部材の厚さ方向を言う。特に以下の場合では、エレメント部材に対してスライダーの引手が配される側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
本実施例1に係るスライドファスナー付き製品1は、スライドファスナー付きの衣服(衣料品)1であり、この衣服1の前身頃の前立て部にスライドファスナーが形成されている。また、この衣服1において開閉部となる前身頃(特に、前立て部)を形成する左右の生地5に、左右のエレメント部材10がそれぞれ取り付けられる左右のエレメント取付縁部2が配されている。
この場合、衣服の前立て部を構成する生地5(ガーメント生地とも言う)が、エレメント部材10が取着されるファスナー被着部材となる。従って、本実施例1で形成されるスライドファスナーは、衣服の生地5にエレメント部材10が直接固定されることにより形成されたエレメント列3を備える左右一対のファスナーストリンガー部と、左右のファスナーストリンガー部のエレメント列3を噛合及び分離させることが可能なスライダー40とを有する。
ファスナー被着部材となる生地5は、衣服に必要な性能や性質(柔らかさ、厚さ、質感、色合いなど)を備えている。本実施例1において、エレメント部材10が縫着される生地5は、衣服の形やデザイン等に応じて、所定の形状及び寸法に裁断されている。ここで、一般的な従来のファスナーテープの厚さが1.1mm〜1.5mmであるのに対し、本実施例1で用いられるファスナー被着部材である生地5や、その他の部分の生地は、軽量化の点から薄く形成されており、例えば0.2mm以上1.0mm以下、好ましくは0.4mm以上0.7mm以下の厚さを有する。
本実施例1において、生地(ファスナー被着部材)5に設けられる左右のエレメント取付縁部2は、衣服の前身頃における互いに対向する位置(すなわち、前立て部の対向縁部)に、直線状に且つ連続的に配されている。ここで、生地5に設けられるエレメント取付縁部2は、左右の前立て部を構成する生地5の互いに対向する対向側端から、エレメント部材10の幅方向において、その生地5の内側に向けて所定の寸法を有する部分(領域)を言う。従って、生地5のエレメント取付縁部2は、エレメント部材10の長さ方向に沿って一定の幅寸法を有して形成されている。このエレメント取付縁部2は、後述するように固定用縫製部6の縫製糸7が刺通する部分であり、且つ、後述するファスナーエレメント11の胴部12aに接する部分である。
この場合、左右のエレメント取付縁部2は、図4及び図5に示すように、生地5の裁断端部となる側縁部が、下面側にU字状に折り返されることによって形成される。このようにエレメント取付縁部2が形成されることにより、エレメント取付縁部2が、薄い生地5の他の部分よりも局部的に厚く形成されて、エレメント取付縁部2の強度を高めることができる。
それにより、エレメント取付縁部2に、後述するように固定用縫製部6の縫製糸7(後述する上糸7a及び下糸7b)が刺通しても、その縫製糸7によってエレメント取付縁部2が切断され難くなり、エレメント取付縁部2の耐久性を高めることができる。更に、エレメント取付縁部2の強度が高められることによって、そのエレメント取付縁部2にエレメント部材10をしっかりと固定できるとともに、エレメント取付縁部2に固定された各ファスナーエレメント11の位置及び姿勢を安定させることができる。
更に、生地5の側縁部がU字状に折り返されることにより、例えば生地5の側端縁に解れが生じていても、その解れがエレメント取付縁部2の裏面側に隠されて、外側に表出しないようにすることができる。それによって、スライドファスナー付き衣服1が、良好な外観品質(見栄え)を備えることができる。また、生地5の側端縁に生じている解れに起因して、左右のエレメント列3の噛み合わせが悪くなることや、スライダー40の摺動性(摺動の円滑さ)が低下することを防止できる。
更に本実施例1では、例えばエレメント取付縁部2の表面及び裏面の少なくとも一方に、及び/又は、エレメント取付縁部2のU字状に折り返されている側縁部の内側(上下の折り返し部の間)に、図示しない樹脂フィルムなどの補強シート部材を貼着して取り付けることや、エレメント部材10と一緒に縫い付けることも可能である。これによっても、エレメント取付縁部2を補強することができる。なお本発明において、この衣服の生地の構成は特に限定されるものではなく、衣服の用途などに応じて適宜変更することができる。
従来のスライドファスナーでは、スライダーがエレメント列から外れて脱落することを防ぐために、エレメント列の前端及び後端に隣接して止具が一般的に設けられている。一方、本実施例1の場合、エレメント列3の前端及び後端に止具を隣接して設ける代わりに、エレメント列3の前端部及び後端部に重なるようにして、衣服の構成パーツとなる生地片が縫い付けられる。これにより、当該生地片が止具と同じように機能して、スライダー40がエレメント列3の前端及び後端から脱落することを防止できる。
なお、本発明では、スライダー40の脱落を防ぐためにその他の手段を用いることも可能である。スライダー40の脱落を防ぐ手段としては、例えばエレメント列3の前端及び後端に隣接する位置に止具を所定の形状に成形すること、エレメント列3の前端部及び後端部に配されるファスナーエレメント11に専用の止具部品を取着して止具を形成すること、エレメント列3の前端部及び後端部に樹脂フィルムを接着又は溶着すること、エレメント列3の前端部及び後端部から延出した生地5の延出部分を折り返して縫い合わせること、左右のエレメント列3の前端部及び後端部を噛合させた状態でファスナー幅方向に縫うこと、及び、止具の代わりに蝶棒、箱棒、及び箱体を備えた開離嵌挿具を設けること等を利用することが可能である。
本実施例1のエレメント部材10は、複数の独立した合成樹脂製のファスナーエレメント11(単独ファスナーエレメントとも言う)と、これら複数のファスナーエレメント11を一定の間隔で連結する1本の固定部材15とを有する。本実施例1の固定部材15は、可撓性を備えた長尺の紐状の部材である。また、固定部材15は、長さ方向に直交する断面が略円形を呈する部材であり、特に、円形の断面を有するとともにその断面積が長さ方向に一定となる部材であることが好ましい。
固定部材15としては、例えばモノフィラメント、撚糸(撚紐)、又は、引き揃えられた複数本のマルチフィラメントからなる芯糸を、複数の編糸で編成される袋織部で包み込むことにより形成される紐体(ニットコードとも言われる)などを用いることが可能である。
なお本発明で用いられる固定部材は、複数のエレメントを取着することができれば、特に限定されるものではない。また、固定部材の断面形状は必要に応じて任意に変更することも可能である。更に、本発明のエレメント部材は、複数のファスナーエレメントを2本以上の紐状固定部材により連結することによって形成されていても良い。
エレメント部材10に配される複数のファスナーエレメント11は、固定部材15によって等間隔に連結された状態で、エレメント部材10の長さ方向に沿って一列に整列している。これらのファスナーエレメント11は、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を、1本の固定部材15に射出成形することにより、固定部材15と一体的に、且つ、固定部材15の外周全体を覆って形成されている。
なお、本発明において、ファスナーエレメントの材質は、上記した合成樹脂に限定されるものではなく、ファスナーエレメントをその他の合成樹脂又は金属で形成することも可能である。また、本実施例1のエレメント部材10は、熱可塑性樹脂を固定部材15に射出成形してファスナーエレメント11が形成されたものに限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を射出成形して所定の形状に形成されたファスナーエレメントを、固定部材15に溶着又は接着などによって固着されて形成されるものも含む。
更に、本発明におけるエレメント部材は、本実施例1のような射出成形された合成樹脂製のファスナーエレメント11が固定部材15に一体的に形成されて連結されているものに限定されない。本発明のエレメント部材には、例えば、紐状の固定部材に金属のダイカスト成形を行って形成されるエレメント部材、横断面が略Y形状を呈する線材(所謂、Yバー)を切断してエレメントを作製し、更にそのエレメントを押圧変形により固定部材に取り付けて形成されるエレメント部材、薄板状の平板部材を打ち抜いてエレメントを作製し、更にそのエレメントを押圧変形により固定部材に取り付けて形成されるエレメント部材などが含まれる。
本実施例1の合成樹脂製のファスナーエレメント11は、図5に生地5に取り付けられる前のエレメント部材10を拡大して示したように、固定部材15に固定される胴部12aと、胴部12aからエレメント部材10の幅方向に連続的に延出するとともに長さ方向の寸法が細くなるように括れた形状を有する首部12bと、首部12bから更に幅方向に連続的に延出するとともに平面視にて略長円形を呈する噛合頭部12cと、首部12bから長さ方向の前方及び後方に薄板状に突出する突片部12d(肩部とも言う)とを有する。このような本実施例1のファスナーエレメント11では、首部12bと噛合頭部12cとにより、噛合相手側のエレメント部材10のファスナーエレメント11と係合する噛合部12gが形成される。
この場合、胴部12a、首部12b、及び突片部12dにおけるそれぞれの上面部と下面部は、厚さ方向に直交するとともに互いに平行に配される。また、首部12bの厚さ方向の寸法(以下、厚さ寸法と略記する)と、胴部12aの厚さ寸法とは同じ大きさに設定される。突片部12dの厚さ寸法は、胴部12a及び首部12bの厚さ寸法よりも小さく設定される。
ファスナーエレメント11の胴部12aは、一定の厚さ寸法を備える略直方体状の形態を有する。この場合、胴部12aは、厚さ方向に直交して配される上面部及び下面部と、長さ方向に向いて配される前面部及び後面部と、生地5に対向するように首部12bの延出方向とは反対側に向いて配され、生地5に対向する側面部(生地対向側面部)とを有する。
本実施例1において、胴部12aの上面部と下面部とは互いに平行に配され、胴部12aの前面部と後面部とが互いに平行に配される。なお本実施例1において、胴部12aの前面部と後面部とは互いに平行ではなく、互いに傾斜する位置関係で配されていても良い。
また、本実施例1の胴部12aにおいて、上面部又は下面部と、前面部、後面部、及び側面部との間に配される各稜線部や、前面部又は後面部と側面部との間に配される稜線部は、それぞれの稜線部の断面を見たときに、面取り加工が施されたような丸みを帯びた滑らかな曲面に形成されている。これにより、後述するように千鳥縫いミシンによって固定用縫製部6を形成してエレメント部材10を生地5のエレメント取付縁部2に縫い付けるときに、更には縫い付けた後に、固定用縫製部6の縫製糸7がファスナーエレメント11の胴部12aに接触しても、その縫製糸7を傷付き難くすることができる。
更に、胴部12aの生地5に対向して配される側面部(生地対向側面部)には、生地5のエレメント取付縁部2の一部が挿入される挿入凹部12eが、エレメント部材10の長さ方向に沿って設けられている。この挿入凹部12eは、胴部12aの側面部に、生地5のエレメント取付縁部2の厚さ寸法に対応する大きさで凹設されている。挿入凹部12eの表面は、厚さ方向に対して滑らかな湾曲面状に形成されている。各ファスナーエレメント11に設けられた挿入凹部12eに、生地5のエレメント取付縁部2が挿入された状態でエレメント部材10が固定用縫製部6でエレメント取付縁部2に固定されることにより、各ファスナーエレメント11を所定の向きでエレメント取付縁部2にしっかりと安定して固定できる。
このようなファスナーエレメント11の胴部12aには、固定部材15が、長さ方向に沿って貫通しており、且つ、固定部材15の外周面が外部に露出しないように胴部12aに包み込まれた状態で保持されている。この場合、固定部材15は、胴部12aにおける厚さ方向の中央部に保持されている。
ファスナーエレメント11における噛合頭部12cの頂端部(先端部)には、厚さ方向の中央部に、凹溝部12fが長さ方向に沿って形成されている。この凹溝部12fは、左右のエレメント列3を噛合させるときに噛合相手側のファスナーエレメント11の突片部12dが嵌入可能なように形成される。従って、凹溝部12fの厚さ寸法の最大値は、ファスナーエレメント11の突片部12dの厚さ寸法よりも大きく設定される。
各ファスナーエレメント11が上述のような噛合頭部12cの凹溝部12fと、前後の突片部12dとを有することにより、左右のファスナーエレメント11を噛合させたときに、上下方向の相対的な位置ずれが生じることを効果的に防止できる。なお本発明において、ファスナーエレメント11の形状は特に限定されず、任意に変更することが可能である。
上述のような本実施例1のエレメント部材10は、生地5のエレメント取付縁部2に対して、幅方向の外側に隣接する位置に並べられて、固定用縫製部6(固定用縫製線)によって固定されている。この場合、固定用縫製部6は、千鳥縫いミシンの縫製により形成されるとともに、本縫いにより長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がって形成される。この固定用縫製部6によって、エレメント部材10が、各ファスナーエレメント11の胴部12aを生地5のエレメント取付縁部2に接触させた状態でエレメント取付縁部2に固定される。
ここで、千鳥縫いミシンとは、ミシンの送り方向に交差する交差方向に沿ってミシン針を揺動させながら、生地5等を本縫いでジグザグに縫うことが可能なミシンである。なお、千鳥縫いミシンにおけるミシン針の揺動を千鳥振りと言うこともある。このような千鳥縫いミシンを用いるとともに、その千鳥縫いミシンに、例えばミシン針の針落ち位置となるX座標(送り方向の位置)とY座標(交差方向の位置)の座標データを設定して縫製を行うことにより、縫製後に形成される固定用縫製部6を、千鳥縫いミシンの送り方向に対し、上記交差方向にジグザグ状となるように容易に屈曲させることができる。
本実施例1において、本縫いにより形成される固定用縫製部6の縫製糸7は、エレメント取付縁部2の表面(第1面)を走行するとともに固定部材15の表面側半部に接する上糸(針糸)7aと、エレメント取付縁部2の裏面(第2面)を走行するとともに固定部材15の裏面側半部に接する下糸(ボビン糸)7bとを有する。この場合、固定用縫製部6は本縫いで形成されるため、上糸7aと下糸7bとは、両者が交差する部分を除いて、上下方向において互いに面対称な位置関係で配される。
本縫いの上糸7aと下糸7bとには、従来の一般的なミシン糸が用いられる。また、本縫いにおける上糸7aと下糸7bとは、固定用縫製部6がエレメント取付縁部2を刺通する刺通位置(後述する第1刺通位置18a及び第2刺通位置18b)と、固定部材15の外周面に接する位置とにおいて、互いに交差(交絡)している。
固定用縫製部6の上糸7aと下糸7bとは、厚さ方向に関して、エレメント取付縁部2の表面を走行する上糸7aとエレメント取付縁部2の裏面を走行する下糸7bとの間の位置で互いに交差している。特に本実施例1における上糸7aと下糸7bとは、エレメント取付縁部2における厚さ方向の中央部分の位置で相互に交差している。これにより、刺通位置における上糸7aと下糸7bの交差部分を、エレメント取付縁部2で保護するとともに外部から見え難くすることができる。なお、厚さ方向における上糸7aと下糸7bの交差位置は、千鳥縫いミシンにおける上糸7a及び下糸7bのテンションコントロールを行うことによって容易に変更することが可能である。
本実施例1の固定用縫製部6は、上述のように千鳥縫いミシンを用いて上糸7aと下糸7bとを他糸レーシングする本縫いのステッチで形成されている。これにより、固定用縫製部6が生地5のエレメント取付縁部2を刺通するとともに、エレメント部材10の固定部材15を包み込んで支持することができる。このため、エレメント部材10が、固定用縫製部6によって、生地5のエレメント取付縁部2に容易に且つ安定して取り付けられて固定される。
なお本実施例1では、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bが生地5のエレメント取付縁部2を刺通するとともに、上糸7a及び下糸7bがエレメント部材10の固定部材15も刺通して保持することによって、エレメント部材10を生地5のエレメント取付縁部2に取り付けることも可能である。
また千鳥縫いミシンを用いて固定用縫製部6を形成することにより、縫製後の固定用縫製部6の上糸7aと下糸7bとを、ファスナーエレメント11の表面(上面)及び裏面(下面)に重なり難くすることができる。これにより、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bがファスナーエレメント11に重なることに起因して、上糸7a及び下糸7bの弛み、エレメント列3の噛み合わせの円滑さ(噛み合わせ易さ)の低下、スライダー40の摺動性の低下などの不具合が生じることを抑制できる。
本実施例1の固定用縫製部6は、本縫いの上糸7aと下糸7bとが、1つのファスナーエレメント11に対して固定部材15の外周面上で互いに交差する外周交差位置から、次の固定部材15の外周面上で互いに交差する外周交差位置までを走行する単位走行領域17を有する。この単位走行領域17の縫い目が、長さ方向にファスナーエレメント11ごとに所定のパターンで繰り返して配されることによって、固定用縫製部6が形成される。この場合、本実施例1の固定用縫製部6を形成する各単位走行領域17は、固定用縫製部6がエレメント取付縁部2を刺通する刺通位置を2つずつ有する。
ここで、本実施例1の単位走行領域17について、図2を参照しながら具体的に説明すると、本実施例1における固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bは、各単位走行領域17において、固定部材15の外周面で上糸7aと下糸7bが交差する外周交差位置から最初の第1刺通位置18aまで配される第1走行部17aと、その第1刺通位置18aから次の第2刺通位置18bまで配される第2走行部17bと、第2刺通位置18bから次の外周交差位置まで配される第3走行部17cとを有する。
この場合、第1走行部17aは、上糸7a(又は下糸7b)が、上述の外周交差位置から、ファスナーエレメント11の側面部に対応する幅方向の位置まで幅方向(又は略幅方向)に沿って走行し、更に第1刺通位置18aまでは幅方向に対して斜めに走行することにより形成される。この場合、第1走行部17aの幅方向に沿って走行する部分と幅方向に対して斜めに走行する部分との境界部は、ファスナーエレメント11の胴部12aに接することもある。
第2走行部17bは、第1刺通位置18aと第2刺通位置18bとの間で、上糸7a(又は下糸7b)がエレメント部材10の長さ方向に沿って走行することにより形成される。第3走行部17cは、上糸7a(又は下糸7b)が第2刺通位置18bからファスナーエレメント11の側面部に対応する幅方向の位置まで幅方向に対して斜めに走行し、更に外周交差位置までは幅方向(又は略幅方向)に沿って走行することにより形成される。この場合、第3走行部17cの幅方向に対して斜めに走行する部分と幅方向に沿って走行する部分との境界部は、ファスナーエレメント11の胴部12aに接することもある。
上述のように上糸7a及び下糸7bが走行して固定用縫製部6が形成される場合、図2に示すようにエレメント部材10と生地5のエレメント取付縁部2とを上方から見た平面視(又は下方から見た底面視)において、ファスナーエレメント11のエレメント取付縁部2に接する側面部(生地対向側面部)と、固定用縫製部6におけるファスナーエレメント11の側面部よりも更に生地5の内方側に形成される部分とが、等脚台形の形状を呈するように配置される。
特に本実施例1では、固定用縫製部6が生地5のエレメント取付縁部2を刺通する第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bを、各ファスナーエレメント11の生地対向側面部から、幅方向における生地5の内側(言い換えると、噛合相手側のファスナーエレメント11に向く方向と反対側の方向)に向けて離間させている。すなわち、エレメント部材10の幅方向に関して、固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bと各ファスナーエレメント11の生地対向側面部の位置との間には、一定の間隔が設けられている。
この場合、エレメント部材10の幅方向における第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bと各ファスナーエレメント11の生地対向側面部の位置との間の寸法(離間距離)Wは、具体的に、0.4mm以上、好ましくは0.8mm以上に設定される。またこの場合、上記の寸法(離間距離)Wは、生地5の厚さ寸法以上の大きさに設定されることが好ましい。
このような位置に固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bを設定することにより、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bを、ファスナーエレメント11の表面及び裏面に対して、より重なり難くすることができる。また、第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bとエレメント取付縁部2の側端縁との間の幅方向における間隔を大きく確保できる。これにより、エレメント取付縁部2の強度を安定して確保し易くなり、例えば生地5が上糸7a及び下糸7bによって擦られることによって第1刺通位置18a又は第2刺通位置18bからエレメント取付縁部2の側端縁に向けて切れるというような生地5の損傷を生じさせ難くすることができる。
なお、固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bと各ファスナーエレメント11の生地対向側面部の位置との間の寸法(離間距離)Wは、30mm以下に、好ましくは10mm以下に、更に好ましくは5mm以下に設定される。このような大きさに設定されることにより、固定用縫製部6によって、エレメント部材10を生地5のエレメント取付縁部2に安定して固定でき、ファスナーエレメント11の位置がずれることも効果的に防止できる。
更に本実施例1において、固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bと各ファスナーエレメント11の生地対向側面部の位置との間の幅方向における寸法(離間距離)Wは、取り付けられるスライダー40の後述するフランジ部45の幅方向における寸法(図4参照)よりも大きく設定されている。すなわち、本実施例1における固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bは、エレメント列3に取着されるスライダー40のフランジ部45の位置よりもスライダー40の外側に配される。
ここで、固定用縫製部6とスライダー40のフランジ部45との関係についてより詳しく説明すると、本実施例1における生地5の左右のエレメント取付縁部2には、図4に示すように、エレメント列3に沿って摺動するスライダー40のフランジ部45に対面するフランジ対面領域(スライダー対面領域)2aが、エレメント取付縁部2の上面(表面)と下面(裏面)の両方に、長さ方向(エレメント部材10の長さ方向)に沿って連続的に配されている。
本実施例1の固定用縫製部6は、上述のように、長さ方向に対して、幅方向にジグザグ状に折り返しながら形成されている(図2を参照)。この場合、その固定用縫製部6の縫製糸7である上糸7a及び下糸7bは、エレメント取付縁部2の上面及び下面に露出するとともに、そのエレメント取付縁部2の上記フランジ対面領域2aを横切って配されている。このフランジ対面領域2aを横切るように露出する上糸7a及び下糸7bは、エレメント取付縁部2を、スライダー40のフランジ部45との接触から保護する保護部を形成している。この場合、縫製糸7がジグザグ状に折り返されて形成される固定用縫製部6は、図4に示すように、エレメント取付縁部2のフランジ対面領域2aよりも幅方向の寸法を大きくして配されている。なお本発明において、固定用縫製部6は、エレメント取付縁部2のフランジ対面領域2aにおける幅方向の全体に亘って配されていれば、その幅方向の寸法を実施例1の場合よりも小さくすることができる。この保護部となる固定用縫製部6の縫製糸7(上糸7a及び下糸7b)によって、生地5のエレメント取付縁部2にスライダー40のフランジ部45が直接摺接し難いように(又は摺接しないように)することができる。
従って、本実施例1のスライドファスナー付き衣服1において、スライダー40の摺動操作が繰り返し行われても、スライダー40のフランジ部45によってエレメント取付縁部2が摩耗し難くなる。その結果、スライダー40の摺動に起因してエレメント取付縁部2が部分的に薄くなることや切れること等のエレメント取付縁部2の損傷を抑制でき、エレメント取付縁部2がスライダー40によって傷付けられ難くなる。このため、エレメント取付縁部2の耐久性を向上させることができる。
また本実施例1において、固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bは、図2に示すように、エレメント部材10の長さ方向に関して、ファスナーエレメント11の胴部12aの形成領域に対応する範囲内に配される。このように第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bが上記範囲内に配されることにより、エレメント部材10を固定用縫製部6によって生地5のエレメント取付縁部2にしっかりと固定できるとともに、エレメント部材10の長さ方向における各ファスナーエレメント11の位置が、エレメント取付縁部2に対して、ずれ難くするこができる。
本実施例1のスライドファスナー付き衣服1では、幅方向における各ファスナーエレメント11の生地対向側面部の位置と固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bとの間の領域に、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bを弛まないように締め付けるための補助縫製部8が連続的に形成されている。
特に、本実施例1の補助縫製部8は、ミシンを用いて補助用上糸(針糸)と補助用下糸(ボビン糸)を他糸レーシングする本縫いのステッチにより、エレメント部材10の長さ方向に沿って直線的に形成される。このように補助縫製部8を本縫いで形成することにより、補助縫製部8を容易に且つ安定して形成できるとともに、後述するように固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bを安定して押さえ付ける(締め付ける)ことができる。このため、補助縫製部8は、締め付け用縫製部とも言うことができる。
この場合、補助縫製部8の補助用上糸と補助用下糸とは、補助縫製部8がエレメント取付縁部2を刺通する刺通位置で、且つ、エレメント取付縁部2における厚さ方向の中央部分の位置において、互いに交差(交絡)している。なお、厚さ方向における補助用上糸と補助用下糸の交差位置は、ミシンにおける補助用上糸及び補助用下糸のテンションコントロールを行うことによって変更することが可能である。
この補助縫製部8がエレメント取付縁部2を刺通する刺通位置は、上述のようにファスナーエレメント11の生地対向側面部と固定用縫製部6の刺通位置(第1刺通位置18a及び第2刺通位置18b)との間の幅方向における領域内に、言い換えると、固定用縫製部6における上述した第1走行部17a及び第3走行部17cに重なる領域内に配される。この領域内において、補助縫製部8の補助用上糸及び補助用下糸が、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bの上にそれぞれ交差している。
このような補助縫製部8が形成されることにより、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bを、補助用上糸及び補助用下糸で、上下からエレメント取付縁部2に向けて(言いかえると、厚さ方向の内側に向けて)押さえ付けることができる。これにより、補助縫製部8によって固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bを締め付けてテンションを加えることができる。
このため、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bに弛みが生じていたとしても、その弛みを補助縫製部8の形成によって解消することができる。また、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bに弛みが生じることも効果的に防止できる。従って、固定用縫製部6によるエレメント部材10の固定を、より強固にしっかりと行うことができる。
更に本実施例1では、補助縫製部8の縫製糸7である補助用上糸及び補助用下糸の少なくとも一部は、エレメント取付縁部2の上記フランジ対面領域2a内に、エレメント取付縁部2をスライダー40のフランジ部45が接触することから保護する保護部として、長さ方向に沿って配されている。このように補助縫製部8の縫製糸7の少なくとも一部がフランジ対面領域2a内に配されることにより、スライダー40の摺動操作が行われたときに、生地5のエレメント取付縁部2にスライダー40のフランジ部45がより摺接し難くなる。このため、エレメント取付縁部2を、スライダー40のフランジ部45からより安定して保護でき、その結果、エレメント取付縁部2の耐久性を更に向上させることができる。
また本実施例1において、補助縫製部8がエレメント取付縁部2を刺通する刺通位置は、図4に示したように、ファスナーエレメント11の生地対向側面部と固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bとの間の幅方向における領域内に配されており、更には、ファスナーエレメント11の生地対向側面部と固定用縫製部6の刺通位置との間の幅方向における中央位置に、又は、その中央位置よりも固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bに近い位置に配される。補助縫製部8の刺通位置が上述のように設定されることにより、当該補助縫製部8で固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bを押さえたときに、固定用縫製部6に弛みが生じることを効果的に防止できる。
なお、本実施例1の補助縫製部8は、長さ方向に沿った直線状の本縫いにより形成されているが、本発明では、補助縫製部が固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bをエレメント取付縁部2に向けて押さえることができれば、その補助縫製部を二重環縫い等のような本縫い以外のステッチによって形成することも可能である。
本実施例1のエレメント列3に取り付けられるスライダー40は、図1や図4に模式的に示したように、スライダー胴体41と、そのスライダー胴体41に保持される引手42とを有する。本実施例1のスライダー胴体41は、上翼板43と、上翼板43と離間して平行に配される下翼板44と、上翼板43及び下翼板44の前端部(肩口側端部)間を連結する図示しない連結柱と、上翼板43及び下翼板44の左右側縁部に配される上下のフランジ部45と、上翼板43の上面に配されるとともに引手42を保持する引手取付部46とを有する。
また、スライダー胴体41の前端部には、連結柱を間に挟んで左右の肩口が形成され、スライダー胴体41の後端部には後口が形成されている。また、上翼板43及び下翼板44間には、左右の肩口と後口とを連通する略Y字形状のエレメント案内路が形成されている。更に、スライダー胴体41における上下のフランジ部45間には、生地5のエレメント取付縁部2を挿通させる挿通間隙が、上翼板43及び下翼板44と平行に形成されている。上述のような構造を有するスライダー40を用いることにより、衣服1の生地5のエレメント取付縁部2に直接固定された左右のエレメント部材10の噛合・分離を円滑に行うことができる。
次に、上述のようなエレメント部材10を有する本実施例1のスライドファスナー付き衣服1の製造方法について説明する。
先ず、左右一対のエレメント部材10と、衣服用の生地5とをそれぞれ準備する。本実施例1のエレメント部材10は、上述したように、1本の紐状の固定部材15に対して合成樹脂を直接射出成形し、所定の形状を有する複数のファスナーエレメント11を等間隔で形成することによって作製される。
一方、エレメント部材10とは別に、ファスナー被着部材となる衣服用の生地5を編成や織成などによって作製する。このとき、例えば生地5に防水性を付与したい場合には、編成又は織成された生地5に合成樹脂をコーティングしたり、樹脂フィルムを貼り付けたりすることも可能である。
続いて、作製した生地5を、衣服1の前身頃に対応した所定の形状となるように裁断し、ファスナー被着部材となる左右一対の前身頃用の生地5(生地パーツ)を作製する。更に、左右の生地5における裁断された側縁部をU字状に折り返すことにより、当該生地5に、エレメント部材10を取り付けるためのエレメント取付縁部2を形成する。この場合、左右一対の前身頃用生地5にそれぞれ形成されるエレメント取付縁部2は、衣服を製造したときに互いに対向して配される位置に設けられる。
次に、上述のようにして作製したエレメント部材10と、所定の形状に裁断されてエレメント取付縁部2が形成された生地5とを用いて、エレメント部材付きの衣服構成パーツを作製する。
先ず、1回目の縫製工程として、例えば図5に示したように、エレメント部材10を、千鳥縫いミシンを用いて、生地5のエレメント取付縁部2に対して縫い付ける縫製加工を行う。このとき、針落ち位置の座標データが設定されている千鳥縫いミシンを用いて、エレメント部材10と生地5のエレメント取付縁部2とに対して縫製を行うことにより、図2等に示した固定用縫製部6を形成しながら、その固定用縫製部6によってエレメント部材10を生地5のエレメント取付縁部2に縫い付けて固定することができる。
次に、2回目の縫製工程として、固定用縫製部6によってエレメント部材10が固定された生地5のエレメント取付縁部2に対し、1本針の本縫いミシンを用いて補助縫製部8を形成する縫製を行う。これにより、固定用縫製部6が形成されたエレメント取付縁部2の所定位置に、上述した直線状の本縫いからなる補助縫製部8を安定して形成することができる。
その結果、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bを補助縫製部8によってエレメント取付縁部2に向けて押さえ付けることができるため、エレメント部材10をより強固にエレメント取付縁部2に固定することができる。これにより、図2〜図4に示したようにエレメント部材10が、固定用縫製部6及び補助縫製部8によってエレメント取付縁部2に固定されたエレメント部材付き衣服の左右の衣服構成パーツが作製される。また本実施例1では、上述した左右一対の衣服構成パーツの他に、衣服における左右の袖部や後身頃を構成する不図示の衣服構成パーツなどを作製して準備する。
その後、作製した各部位の衣服構成パーツを互いに縫製等により結合させて、衣服を組み立てる。更に、生地5のエレメント取付縁部2にエレメント部材10を固定して形成されたエレメント列3に、スライダー40を摺動可能に取り付ける。これによって、図1に示したようなスライドファスナー付き衣服1が安定して製造される。
このようにして製造された本実施例1のスライドファスナー付き衣服1は、衣服1の生地5の一部が、衣服1を構成するだけでなく、従来のスライドファスナーにおけるファスナーテープとしても機能する。このため、本実施例1のスライドファスナー付き衣服1では、従来のスライドファスナーでは必須構成部品であったファスナーテープの存在を省略した形態(言い換えると、ファスナーテープ無しのスライドファスナーの形態)で、スライドファスナーの機能を有することができる。これにより、スライドファスナー付き衣服1の製造コスト(特に、材料コスト)を低減することができる。また、スライドファスナー付き衣服1を軽量化できるとともに、衣服の柔軟性を向上させることができる。特に、本実施例1の衣服1の場合、衣服1の前立て部における生地5の表裏方向の柔軟性を高めることができる。
また、本実施例1の場合、例えば生地5に防水性や撥水性などのような所望の機能を付与した上で、当該生地5にエレメント部材10を直接固定することが可能である。このため、防水性や撥水性などを備えた高品質のスライドファスナー付き衣服1を容易に製造することも可能となる。
更に、本実施例1のスライドファスナー付き衣服1では、衣服1のエレメント取付縁部2をスライダー40のフランジ部45から保護する保護部が、上述したように、固定用縫製部6の縫製糸7(上糸7a及び下糸7b)と、補助縫製部8の縫製糸7(補助用上糸及び補助用下糸)とによって形成されている。これにより、スライダー40の摺動操作が繰り返し行われても、そのスライダー40の摺動に起因して衣服のエレメント取付縁部2に生じる摩耗を抑制し、生地5を傷み難くすることができる。その結果、衣服1の耐久性(特に生地5のエレメント取付縁部2における耐久性)を向上させることができる。
なお、上述した実施例1の場合、スライドファスナー付き衣服1の製造において、前身頃用の生地パーツを所定の形状に裁断した後に、縫製によるエレメント部材10の固定が行われている。しかし、本発明では、裁断前の生地5に対して、縫製によりエレメント部材10を所定の位置に固定し、その後、エレメント部材付きの生地5を所定の形状に裁断することによって、エレメント部材付きの衣服構成パーツを作製することも可能である。
また、本実施例1のエレメント部材10では、生地5のエレメント取付縁部2にファスナーエレメント11を所定の姿勢でしっかりと固定するために、上述したように各ファスナーエレメント11の側面部に、生地5のエレメント取付縁部2の一部を挿入することが可能な挿入凹部12eが設けられている。しかし本発明では、挿入凹部12eが側面部に設けられていない複数のファスナーエレメントを固定部材15に一体的に形成することによって、エレメント部材を作製することも可能である。
更に、上述した実施例1において千鳥縫いミシンにより形成される固定用縫製部6は、図2に示したように、上糸7a及び下糸7bが幅方向に対して斜めに走行する傾斜部分を有する第1走行部17a及び第3走行部17cと、上糸7a及び下糸7bが長さ方向に沿って走行する第2走行部17bとを有する単位走行領域17が繰り返されて形成される。特にこの場合、固定用縫製部6は、ファスナーエレメント11の生地対向側面部と、固定用縫製部6におけるファスナーエレメント11の側面部よりも生地5の内方側に形成される部分とが、平面視において等脚台形の形状を呈するように形成される。
しかし本発明において、固定用縫製部6の単位走行領域17の形状はこれに限定されるものではなく、固定用縫製部を千鳥縫いミシンを用いてその他の形状で形成することも可能である。例えば図6に実施例1の変形例に係る固定用縫製部6aを示すように、この固定用縫製部6aの単位走行領域19は、上糸7a及び下糸7bが固定部材15の外周面で交差する外周交差位置から最初の第1刺通位置18aまで幅方向に沿って直線状に走行する第1走行部19aと、上糸7a及び下糸7bが第1刺通位置18aから次の第2刺通位置18bまで長さ方向に沿って直線状に走行する第2走行部19bと、上糸7a及び下糸7bが第2刺通位置18bから次の外周交差位置まで幅方向に沿って直線状に走行する第3走行部19cとを有していても良い。
図6に示すような単位走行領域19が繰り返されて固定用縫製部6aが形成されることによっても、その固定用縫製部6aが生地5のエレメント取付縁部2を刺通するとともにエレメント部材10の固定部材15を固定部材15の少なくとも一部を包み込むように支持することができるため、エレメント部材10を生地5のエレメント取付縁部2にしっかりと安定して固定することができる。またこの場合、固定用縫製部6aが長さ方向と幅方向に沿って形成されるため、スライドファスナー付き衣服1の見栄えやデザイン性を高めることも可能となる。
図7は、本実施例2に係るスライドファスナー付き衣服の要部を示す平面図である。図8は、本実施例2のエレメント部材を示す斜視図である。
本実施例2のスライドファスナー付き衣服1aは、ファスナーエレメント21の形態と固定用縫製部6bの縫い目の形態とが、前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1と異ならせて形成されている。しかし、それら以外の部分について、本実施例2のスライドファスナー付き衣服1aは前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1と実質的に同様に形成されている。
従って、本実施例2においては、前述の実施例1と実質的に同じ構成を有する部品及び部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。また、後述する実施例3以降の説明においても、それ以前に説明された実施例と実質的に同じ構成を有する部品及び部材ついては同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
本実施例2のエレメント部材20は、複数の合成樹脂製のファスナーエレメント21が、固定部材15に一定の間隔で固定されて形成されている。
本実施例2のファスナーエレメント21は、固定部材15を包み込むようにして固定部材15に固定される胴部22aと、胴部22aから延出する首部22bと、首部22bから更に延出する噛合頭部22cと、首部22bから前方及び後方に薄板状に突出する突片部22dとを有する。噛合頭部22cの先端部には、凹溝部22fが長さ方向に沿って形成されている。この場合、ファスナーエレメント21の首部22b、噛合頭部22c、突片部22d、凹溝部22fは、前述の実施例1におけるファスナーエレメント11と実質的に同様に形成されている。従って、本実施例2のファスナーエレメント21においても、首部22bと噛合頭部22cとによって、噛合相手側のファスナーエレメント11と係合する噛合部22gが形成されている。
本実施例2の胴部22aは、厚さ方向に直交して配される上面部及び下面部と、長さ方向に向いて配される前面部及び後面部と、生地5に対向して配される側面部(生地対向側面部)とを有する。胴部22aの上面部と下面部とは互いに平行に配されており、胴部22aは一定の厚さ寸法を備える。また、胴部22aの側面部(生地対向側面部)には、生地5のエレメント取付縁部2の一部が挿入される図示しない挿入凹部が、エレメント部材20の長さ方向に沿って設けられている。
本実施例2の胴部22aは、ファスナーエレメント21の平面視において、首部22bに連結するとともに胴部22aの前面部及び後面部間の長さ寸法(エレメント部材20の長さ方向における寸法)が一定の大きさとなる胴先端部23aと、胴先端部23aからエレメント取付縁部2側に向けて幅方向に延出する漸減部23bとを有する。この漸減部23bは、胴部22aの前面部及び後面部間の長さ寸法を、エレメント取付縁部2に近付くにつれて(又は首部22bから離れるにつれて)一定の割合で漸減させて形成されている。
本実施例2の胴部22aは、上述のような胴先端部23aと漸減部23bとを有するため、この胴部22aに配される前面部及び後面部は、エレメント部材20の幅方向に平行な平行部と、その幅方向に対して傾斜して配される平面状の傾斜部とを有する。
本実施例2では、胴部22aに漸減部23bが設けられていることにより、エレメント部材20を固定する固定用縫製部6bの縫製糸7(上糸7a及び下糸7b)が、ファスナーエレメント21に対し、例えば前述の実施例1のファスナーエレメント11の場合に比べて、より重なり難くすることができる。この場合、漸減部23bは、胴部22aの全体の幅寸法の10%以上90%以下の範囲に、好ましくは40%以上85%以下の範囲に設けられている。
ファスナーエレメント21の漸減部23bが、胴部22aの全体の幅寸法の10%以上、好ましくは40%以上で設けられていることにより、固定用縫製部6bの縫製糸7がファスナーエレメント21に重なることをより効果的に防止できる。
また、漸減部23bが胴部22aの全体の幅寸法の90%以下、好ましくは85%以下で設けられていることにより、胴部22aの胴先端部23aを適切に形成できるとともに、胴部22aで固定部材15を適切に包み込むことができる。それによって、ファスナーエレメント21の強度やファスナーエレメント21の固定部材15に対する固着強度を安定して確保することができる。更に、固定部材15をファスナーエレメント21で隠して、見え難くすることができるため、エレメント部材20の外観品質、更にはスライドファスナー付き衣服1aの外観品質が高められる。
本実施例2のエレメント部材20は、生地5のエレメント取付縁部2に対して、前述の実施例1の場合と同様に、幅方向の外側に隣接する位置に並べられて、固定用縫製部6bによって固定されている。本実施例2の固定用縫製部6bは、ファスナーエレメント21ごとに形成される単位走行領域27の形態が前述の実施例1の場合と異なるものの、前述の実施例1の場合と同様に上糸と下糸とを有するとともに、千鳥縫いミシンを用いて長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がって形成されている。
本実施例2の場合、固定用縫製部6bの各単位走行領域27は、固定用縫製部6bがエレメント取付縁部2を刺通する第1刺通位置28a及び第2刺通位置28bを有しており、これらの第1刺通位置28a及び第2刺通位置28bは、エレメント部材20の幅方向に関して、ファスナーエレメント21の側面部の位置との間に一定の間隔を設けて配されている。
本実施例2の固定用縫製部6bは、各単位走行領域27において、固定部材15の外周面で上糸と下糸が交差する外周交差位置から最初の第1刺通位置28aまで幅方向に対して斜めに配される直線状の第1走行部27aと、その第1刺通位置28aから次の第2刺通位置28bまで長さ方向に沿って配される直線状の第2走行部27bと、第2刺通位置28bから次の外周交差位置まで幅方向に対して斜めに配される直線状の第3走行部27cとを有する。
上述のように固定用縫製部6bの第1走行部27a及び第3走行部27cが、幅方向に対して傾斜した方向に沿って直線状に形成されることにより、千鳥縫いミシンによる縫製をより円滑に行うことが可能となる。また、固定用縫製部6bの第1走行部27a及び第3走行部27cが、幅方向に対して傾斜した方向に沿って直線状に形成されるものの、本実施例2のファスナーエレメント21の胴部22aには上述のような漸減部23bが設けられていることにより、固定用縫製部6bの縫製糸7(上糸7a及び下糸7b)がファスナーエレメント21に重なることや引っ掛かることを安定して防止できる。それによって、固定用縫製部6bの縫製糸7に緩みが生じることを防止し、エレメント部材20が生地5に固定された状態を安定して維持することができる。
その上、胴部22aが上述のような漸減部23bを有することにより、ファスナーエレメント21が生地5のエレメント取付縁部2に接触する接触領域(接触面積)を、前述の実施例1のファスナーエレメント11の場合よりも小さくすることができる。それによって、ファスナーエレメント21と生地5のエレメント取付縁部2との接触が、エレメント取付縁部2の柔軟性に与える影響を小さくし、エレメント取付縁部2の柔軟性をより適切に確保することができる。
このようにエレメント取付縁部2をより柔軟に形成できることにより、スライドファスナー付き衣服1aの品質を向上させることができる。また、スライダー40を前方へ摺動させたときに、スライダー40のエレメント案内路内で左右のファスナーエレメント21を噛合させ易くすることができる。それによって、スライダー40の摺動抵抗を低減させ、スライダー40の摺動性や操作性の向上を図ることができる。
また本実施例2において、生地5の左右のエレメント取付縁部2には、前述の実施例1の場合と同様に、スライダー40のフランジ部45に対面するフランジ対面領域(スライダー対面領域)が、長さ方向に沿って配されている。本実施例2の固定用縫製部6bは、エレメント取付縁部2をスライダー40との接触から保護する保護部として、エレメント取付縁部2のフランジ対面領域を横切って配されている。これにより、スライダー40の摺動操作が繰り返し行われても、スライダー40のフランジ部45によってエレメント取付縁部2を摩耗させ難くすることができるため、エレメント取付縁部2の耐久性を向上させることができる。
更に、上述のようなファスナーエレメント21及び固定用縫製部6bを有する本実施例2のスライドファスナー付き衣服1aは、ファスナーテープを介在させずに形成されているため、前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1と同様の効果を得ることができる。
図9及び図10は、本実施例3に係るスライドファスナー付き衣服の要部を示す平面図及び底面図である。また、図11は、実施例3のエレメント部材の断面図である。
本実施例3のスライドファスナー付き衣服1bは、ファスナーエレメント31の形態を、前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1のファスナーエレメント11と異ならせて形成されている。なお、本実施例3のスライドファスナー付き衣服1bにおいて、ファスナーエレメント31以外の部分については前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1と実質的に同様に形成されている。
本実施例3のエレメント部材30における各ファスナーエレメント31は、厚さ方向の略中心の高さ位置を基準にして区別されるエレメント上半部(第1エレメント半部)32とエレメント下半部(第2エレメント半部)34とを有する。また、エレメント上半部32とエレメント下半部34とは、互いに異なる形状を有する。すなわち、本実施例3のファスナーエレメント31は、前述の実施例1のファスナーエレメント11や実施例2のファスナーエレメント21と異なり、上下方向に非対称的な形状を有する。この場合、エレメント上半部32の上面とエレメント下半部34の下面とは、厚さ方向に直交するとともに互いに平行に配されている。
本実施例3のエレメント上半部32は、エレメント下半部34との間に固定部材15を挟持する上側胴部(第1胴部)32aと、その上側胴部32aから幅方向に延出する先細形状の上側頭部(第1頭部)32bとを有する。
上側胴部32aは、上側頭部32bに連結するとともに一定の長さ寸法を備えた上側胴先端部33aと、その上側胴先端部33aからエレメント取付縁部2側に向けて幅方向に延出する上側漸減部33bとを有しており、上側漸減部33bは、エレメント取付縁部2に近付くにつれて長さ寸法が漸減する形状を有する。また、上側頭部32bは、ファスナーエレメント31の平面視において略三角形を呈するように、上側頭部32bの長さ寸法を先端部(頂端部)に向けて漸減させて形成されている。
本実施例3のエレメント下半部34は、下側胴部(第2胴部)34aと、下側胴部34aから幅方向に延出するとともに括れた形状を有する下側首部(第2首部)34bと、下側首部34bから更に幅方向に延出する下側噛合頭部(第2噛合頭部)34cとを有する。このような本実施例3のエレメント下半部34では、下側首部34bと下側噛合頭部34cとにより、噛合相手側のファスナーエレメント31のエレメント下半部34と係合する噛合部34gが形成される。
下側胴部34aは、下側首部34bに連結するとともにその長さ寸法をエレメント取付縁部2側に向けて漸増させる下側胴先端部35aと、その下側胴先端部35aからエレメント取付縁部2側に向けて幅方向に延出するとともに長さ寸法がエレメント取付縁部2に近付くにつれて漸減する下側漸減部35bとを有する。
本実施例3のファスナーエレメント31では、一定の長さ寸法を備えた上側胴先端部33aが上側頭部32bに形成されているとともに、長さ寸法をエレメント取付縁部2側に向けて漸増させる下側胴先端部35aが下側胴部34aに形成されていることにより、ファスナーエレメント31の固定部材15に対する固着強度を適切に確保することができる。
更に本実施例3のファスナーエレメント31では、エレメント取付縁部2側に向けて長さ寸法を漸減する上側漸減部33bと下側漸減部35bとが、上側頭部32b及び下側胴部34aにそれぞれ形成されていることにより、エレメント部材30を固定する固定用縫製部6の縫製糸7(上糸7a及び下糸7b)が、ファスナーエレメント31に重なることや引っ掛かることを防いでいる。
特に本実施例3のファスナーエレメント31の場合、ファスナーエレメント31の上側漸減部33b及び下側漸減部35bに配される前面部及び後面部は、ファスナーエレメント31の平面視において湾曲状を呈するような曲面に形成されており、それによって、ファスナーエレメント31の外観品質を高めている。
上述のようなファスナーエレメント31を有する本実施例3のスライドファスナー付き衣服1bは、ファスナーテープを介在させずに形成されているため、前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1と同様の効果を得ることができる。また、本実施例3の固定用縫製部6は、前述の実施例1の場合と同様に保護部としても形成されているため、エレメント取付縁部2をスライダーとの接触から保護することができる。
図12は、実施例4に係るスライドファスナー付き衣服の要部を示す断面図である。
本実施例4のスライドファスナー付き衣服1cでは、エレメント部材10aを生地5のエレメント取付縁部2に固定する構造が、前述の実施例1〜実施例3の構造(所謂通常タイプのスライドファスナーの構造)と異なる。すなわち、本実施例4のスライドファスナー付き衣服1cでは、エレメント部材10aがエレメント取付縁部2の裏面(下面)に固定されることによりエレメント列が衣服の外面側から見え難いように配される所謂裏使いタイプでスライドファスナーが形成されている。
具体的に説明すると、本実施例4のスライドファスナー付き衣服1cでは、左右のエレメント取付縁部2の下面に、エレメント部材10aが固定用縫製部6cによって直接固定されている。また、スライダー50は、後述するように裏使いタイプのスライドファスナー用スライダーとして形成されており、エレメント部材10aの複数のファスナーエレメント11aによって形成されるエレメント列に摺動可能に取り付けられている。
本実施例4における生地5のエレメント取付縁部2は、前述の実施例1のエレメント取付縁部2と同様に、生地5の側縁部が下面側にU字状に折り返されることによって形成されている。また、本実施例4のエレメント取付縁部2の上面には、スライダー50の後述する上翼板53の内面(エレメント案内面)に対面するスライダー対面領域が、長さ方向に沿って連続的に配されている。
本実施例4のエレメント部材10aは、複数の独立した合成樹脂製のファスナーエレメント11aと、これら複数のファスナーエレメント11aを一定の間隔で連結する1本の固定部材15とを有する。このエレメント部材10aでは、各ファスナーエレメント11aに、前述の実施例1のファスナーエレメント11に配される挿入凹部12eが設けられていないものの、それ以外の構成について本実施例4のエレメント部材10aは前述の実施例1のエレメント部材10と同様に形成されている。
本実施例4のエレメント部材10aは、生地5のエレメント取付縁部2に対して、エレメント取付縁部2の下面側に重ねられた状態で、本縫いで形成される固定用縫製部6cによって固定されている。この場合、エレメント部材10aを固定する固定用縫製部6cは、千鳥縫いミシンの縫製によりジグザグ状に形成されている。
また、この固定用縫製部6cは、固定用縫製部6cの縫製糸7がエレメント部材10aの固定部材15を包むように保持するとともに、その固定部材15の左右両側の位置でエレメント取付縁部2を刺通することによって、エレメント部材10aを生地5のエレメント取付縁部2に固定している。また、固定用縫製部6cがエレメント取付縁部2を刺通する刺通位置では、縫製糸7の上糸(針糸)と下糸(ボビン糸)とが互いに交差している。
本実施例4において、固定用縫製部6cの縫製糸7は、エレメント取付縁部2の上面に、ジグザグ状の縫い目を形成しながら長さ方向に沿って配されている。この場合、ジグザグ状に形成される固定用縫製部6cは、エレメント取付縁部2の上面に露出するとともに、その上面に配される上述したスライダー対面領域の一部を覆うように形成されている。このジグザグ状の固定用縫製部6cによって、エレメント取付縁部2の上面をスライダー50の一部(本実施例4の場合は後述する上翼板53の一部)との接触から保護する保護部が形成されている。
本実施例4のスライダー50は、その一部を図12に示すように、スライダー胴体51と、図示しない引手とを有する。スライダー胴体51は、上翼板53と、上翼板53と離間して平行に配される下翼板54と、上翼板53及び下翼板54の前端部(肩口側端部)間を連結する図示しない連結柱と、下翼板54の左右側縁部から上翼板53に向けて延出するフランジ部55と、上翼板53の上面に配されるとともに引手を保持する図示しない引手取付部とを有する。
スライダー胴体51の前端部には、連結柱を間に挟んで左右の肩口が形成され、スライダー胴体51の後端部には後口が形成されている。また、上翼板53と下翼板54の間には、左右の肩口と後口とを連通する略Y字形状のエレメント案内路が形成されている。
以上のような本実施例4のスライドファスナー付き衣服1cは、ファスナーテープを用いずに形成されているため、前述の実施例1〜実施例3の場合と同様に、製造コストの削減、衣服の軽量化、及び衣服の柔軟性の向上といった効果が得られる。また、防水性や撥水性などを備えた高品質のスライドファスナー付き衣服1cを容易に製造することも可能となる。
更に本実施例4では、衣服のエレメント取付縁部2の上面に、スライダー50の上翼板53との接触から保護する保護部が、ジグザグ状の固定用縫製部6cによって形成されているため、スライダー50の摺動に起因するエレメント取付縁部2の傷みを生じ難くすることができる。
図13は、実施例5に係るスライドファスナー付き衣服の要部を示す断面図である。
本実施例5のスライドファスナー付き衣服1dでは、エレメント部材10bを生地5のエレメント取付縁部4に固定する構造が、前述の実施例1〜実施例3のような通常タイプや実施例4のような裏使いタイプのスライドファスナーの構造と異なる。本実施例5のスライドファスナー付き衣服1dでは、複数のファスナーエレメント11aと、エレメント部材10bを固定する固定用縫製部6dとが、衣服の生地5によって覆い隠されて見え難くなる所謂隠しタイプでスライドファスナーが形成されている。
具体的に説明すると、本実施例5のスライドファスナー付き衣服1dでは、生地5の側縁部がU字状に折り返されており、その折り返された折り返し部分(折り返し片部)のみにより、エレメント部材10bを取着するエレメント取付縁部4が形成されている。エレメント部材10bは、その折り返されたエレメント取付縁部4の下面に、固定用縫製部6dによって直接固定されている。
本実施例5において、各ファスナーエレメント11aの噛合頭部12cは、生地5のU字状に折り曲げられた折曲部の位置よりも幅方向の外側(噛合相手のエレメント部材10b側)に突出している。また、スライダー60は、後述するような逆L字型の左右のフランジ部65を備えた隠しタイプのスライドファスナー用スライダーとして形成されている。このスライダー60は、エレメント部材10bの複数のファスナーエレメント11aによって形成されるエレメント列に摺動可能に取り付けられている。
本実施例5における生地5を折り返して形成されるエレメント取付縁部4は、エレメント部材10bが固定される下面と、その下面の反対側に配されるとともに折り返された生地5の内周面により形成される上面とを有する。このエレメント取付縁部4の上面には、スライダー60における後述するフランジ部65の横壁部65bの内面に対面するフランジ対面領域(スライダー対面領域)が、長さ方向に沿って連続的に配されている。
本実施例5のエレメント部材10bは、複数の独立した合成樹脂製のファスナーエレメント11aと、これら複数のファスナーエレメント11aが一定の間隔で固定される1本の固定部材15とを有する。本実施例5のファスナーエレメント11aは、前述の実施例1のような挿入凹部12eが設けられていないものの、それ以外は前述の実施例1のファスナーエレメント11と同様の形状で形成されている。すなわち、本実施例5のファスナーエレメント11aは、前述の本実施例4のファスナーエレメント11aと同様に形成されている。
本実施例5の固定部材15は、ファスナーエレメント11aに対して、厚さ方向の中央部の位置ではなく、厚さ方向の上側に変位させた位置(エレメント取付縁部に近付いた位置)に配されている。この場合、固定部材15の外周全体は、ファスナーエレメント11aによって覆われている。
本実施例5のエレメント部材10bは、生地5の折り返し部であるエレメント取付縁部4に対し、そのエレメント取付縁部4の下面側に重ねられた状態で、本縫いで形成される固定用縫製部6dによって固定されている。この場合、エレメント部材10bを固定する固定用縫製部6dは、千鳥縫いミシンの縫製によりジグザグ状に形成されている。
また、この固定用縫製部6dは、固定用縫製部6dの縫製糸7がエレメント部材10bの固定部材15を包むように保持するとともに、その固定部材15の左右両側の位置でエレメント取付縁部4を刺通することによって、エレメント部材10bを生地5のエレメント取付縁部4に固定している。また、固定用縫製部6dがエレメント取付縁部4を刺通する刺通位置では、縫製糸7の上糸(針糸)と下糸(ボビン糸)とが互いに交差している。
本実施例5において、固定用縫製部6dの縫製糸7は、エレメント取付縁部4の上面に、ジグザグ状の縫い目を形成しながら長さ方向に沿って配されている。この場合、エレメント取付縁部4の上面にジグザグ状に形成される固定用縫製部6dは、当該上面に配される上述したフランジ対面領域(スライダー対面領域)を覆うように形成されている。このジグザグ状の固定用縫製部6dによって、エレメント取付縁部4の上面をスライダー60のフランジ部65との接触から保護する保護部が形成されている。
本実施例5のスライダー60は、その一部を図13に示すように、スライダー胴体61と、図示しない引手とを有する。スライダー胴体61は、下翼板64と、下翼板64の左右両側縁部に立設される逆L字型の左右一対のフランジ部65と、下翼板64の前端部(肩口側端部)における幅方向の中央部に立設される図示しない中央柱部と、中央柱部の上端部から下翼板64と平行な方向に張り出す張出部63と、中央柱部の上面に配されるとともに引手を保持する図示しない引手取付部とを有する。
スライダー胴体61のフランジ部65は、下翼板64の左右両側縁部から起立する縦壁部65aと、縦壁部65aの上端部から幅方向の内側に向けて延出する横壁部65bとを有する。また、スライダー胴体61における張出部63とフランジ部65の横壁部65bとの間には、生地5を挿通させる挿通間隙が形成されている。
スライダー胴体61の前端部には、中央柱部を間に挟んで左右の肩口が形成され、スライダー胴体61の後端部には後口が形成されている。また、左右の肩口と後口とを連通する略Y字形状のエレメント案内路が、下翼板64、左右のフランジ部65、及び張出部63に囲まれて形成されている。
以上のような本実施例5のスライドファスナー付き衣服1dは、ファスナーテープを用いずに形成されているため、前述の実施例1〜実施例4の場合と同様に、製造コストの削減、衣服の軽量化、及び衣服の柔軟性の向上といった効果が得られる。また、防水性や撥水性などを備えた高品質のスライドファスナー付き衣服1dを容易に製造することも可能となる。
更に本実施例5では、エレメント取付縁部4の上面に、スライダー60のフランジ部65(横壁部65b)との接触から保護する保護部が、ジグザグ状の固定用縫製部6dによって形成されているため、スライダー60の摺動に起因するエレメント取付縁部4の傷みを生じ難くすることができる。
図14は、本実施例6に係るスライドファスナー付き衣服の要部を示す平面図である。図15は、エレメント部材とスライダーとの関係を模式的に説明する断面図である。図16は、本実施例6のエレメント部材を示す斜視図である。
本実施例6のスライドファスナー付き衣服1eは、エレメント部材80に配される各ファスナーエレメント81の形態、スライダー70の形態、及び保護部の形態を、前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1を異ならせて形成されているが、それら以外の部分について本実施例6のスライドファスナー付き衣服1eは前述の実施例1のスライドファスナー付き衣服1と実質的に同様に形成されている。
本実施例6のエレメント部材80は、射出成形された複数の合成樹脂製のファスナーエレメント81が、固定部材15に一定の間隔で固定されて形成されている。
本実施例6のファスナーエレメント81は、厚さ方向の中心位置を基準にして、上下方向に対称的な形状を有する。また、ファスナーエレメント81は、固定部材15を包み込むようにして固定部材15に固定される胴部82aと、胴部82aから延出する首部82bと、首部82bから更に延出する噛合頭部82cと、首部82bから前方及び後方に薄板状に突出する突片部82dとを有する。
胴部82aにおける厚さ方向の中央部には、固定部材15が、長さ方向に沿って貫通している。胴部82aの生地5に対向する側面部には、エレメント取付縁部2の一部が挿入される挿入凹部82eが長さ方向に沿って形成されている。噛合頭部82cの先端部には、凹溝部82fが長さ方向に沿って形成されている。
また、本実施例6のファスナーエレメント81は、厚さ寸法(厚さ方向の寸法)が互いに異なる第1エレメント部83aと第2エレメント部83bとを有する。この場合、第1エレメント部83aの上面部及び下面部と、第2エレメント部83bの上面部及び下面部とは、それぞれ厚さ歩方向に直交する平面により形成されている。
ファスナーエレメント81の第1エレメント部83aは、首部82bの少なくとも一部と噛合頭部82cとを含むとともに、厚さ寸法を第2エレメント部83bよりも大きくして形成されている。第1エレメント部83aの厚さ寸法は、スライダー70の後述する上翼板73の内面と下翼板74の内面との間の上下方向における間隔に対応して設定される。
ファスナーエレメント81の第2エレメント部83bは、第1エレメント部83aから段差83cを介して幅方向の生地5に近付く向き(言い換えると、噛合頭部82cから離間する向き)に延出し、胴部82aの少なくとも一部を含んで形成されている。この第2エレメント部83bの厚さ寸法は、上記段差83cを介して第1エレメント部83aの厚さ寸法よりも小さく設定されるとともに、スライダー70の後述する上側のフランジ部75と下側のフランジ部75間に形成される挿通間隙の大きさに対応して設定される。
この場合、第1エレメント部83aと第2エレメント部83bとの境界に配される段差83cは、第1エレメント部83aの厚さ寸法と第2エレメント部83bの厚さ寸法との差により形成され、且つ、ファスナーエレメント81の上面側と下面側の両方に対称的に形成されている。
また本実施例6の各ファスナーエレメント81には、上記段差83cの段差面と第2エレメント部83bの上面とにより、及び上記段差83cの段差面と第2エレメント部83bの下面とにより、スライダー70の上側のフランジ部75及び下側のフランジ部75をそれぞれ受け入れて挿通させることが可能な上下のフランジ用凹部83dが、上側のフランジ部75及び下側のフランジ部75の位置にそれぞれ対応して形成されている。この場合、上側のフランジ用凹部83dは、上下方向に関して、図15に示すように、固定部材15の上端よりも上側に、更にはその固定部材15を保持する固定用縫製部6の位置よりも上側に形成されている。また、下側のフランジ用凹部83dは、上下方向に関して、固定部材15の下端よりも下側に、更にはその固定部材15を保持する固定用縫製部6の位置よりも下側に形成されている。
本実施例6のスライダー70は、その一部を図15に示すように、スライダー胴体71と、そのスライダー胴体71に保持される図示しない引手とを有する。本実施例1のスライダー胴体71は、上翼板73と、上翼板73と離間して平行に配される下翼板74と、上翼板73及び下翼板74の前端部(肩口側端部)間を連結する図示しない連結柱と、上翼板73及び下翼板74の左右側縁部に配される上下のフランジ部75と、上翼板73の上面に配されるとともに引手を保持する図示しない引手取付部とを有する。
本実施例6のスライダー胴体71の前端部には、連結柱を間に挟んで左右の肩口が形成され、スライダー胴体71の後端部には後口が形成されている。また、上翼板73及び下翼板74間には、左右の肩口と後口とを連通する略Y字形状のエレメント案内路が形成されている。更に、スライダー胴体71における上下のフランジ部75間には、ファスナーエレメント81の第2エレメント部83bを挿通させる挿通間隙が形成されている。
特に本実施例6のスライダー胴体71は、例えば前述の実施例1のスライダー胴体41に比べて、左右のフランジ部75間の間隔を小さくするとともに、上側のフランジ部75と下側のフランジ部75との間の間隔を大きくして形成されている。
また、本実施例6のスライダー70における上下のフランジ部75は、ファスナーエレメント81との関係において、各ファスナーエレメント81に設けられる上述のフランジ用凹部83dに対応する形状及び大きさを有する。言い換えると、ファスナーエレメント81とスライダー70のフランジ部75とについて長さ方向に直交する断面を見たときに、スライダー70のフランジ部75は、ファスナーエレメント81のフランジ用凹部83dと同じ断面形状又は対応する断面形状を有する。また、スライダー70のフランジ部75は、ファスナーエレメント81のフランジ用凹部83d内に収容可能で且つ第1エレメント部83aと第2エレメント部83bとの間の段差83cに係合可能な大きさを有する。
上述のような本実施例6のスライドファスナー付き衣服1eにおいて、各ファスナーエレメント81の上面側と下面側とに配されるそれぞれのフランジ用凹部83dは、長さ方向に直交する断面が一定の形状を有するように形成されている。このように複数のファスナーエレメント81に形成されたフランジ用凹部83dは、衣服のエレメント取付縁部2を、スライダー70の上下のフランジ部75から保護する保護部として設けられている。
具体的に説明すると、複数のファスナーエレメント81が等間隔で固定されたエレメント部材80においては、各ファスナーエレメント81に形成されたフランジ用凹部83dによって、スライダー70の上下のフランジ部75を通過させることが可能な通路が、エレメント部材80の長さ方向に沿って形成される。これによって、スライダー70の摺動時には、上下のフランジ部75が、衣服のエレメント取付縁部2から離れて配されるファスナーエレメント81のフランジ用凹部83d内を移動するため、上下のフランジ部75が衣服のエレメント取付縁部2に直接摺接することを防止できる。
従って、本実施例6のスライドファスナー付き衣服1eでは、スライダー70の摺動操作が繰り返し行われても、そのスライダー70の摺動に起因して衣服のエレメント取付縁部2に摩耗が生じることはなく、また、スライダー70の摺動に起因して固定用縫製部6及び補助縫製部8に摩耗が生じることも防止できる。このため、衣服の耐久性(特に生地5のエレメント取付縁部2における耐久性)を大幅に向上させることができる。
また、本実施例6のスライドファスナー付き衣服1eは、前述の実施例1〜実施例5の場合と同様に、ファスナーテープを用いずに形成されているため、製造コストの削減、衣服の軽量化、及び衣服の柔軟性の向上といった効果が得られる。更に、防水性や撥水性などを備えた高品質のスライドファスナー付き衣服1eを容易に製造することも可能となる。
なお、前述した実施例1〜実施例3及び実施例6のスライドファスナー付き衣服1,1a,1b,1eにおいては、エレメント部材10,20,30,80が、生地5のエレメント取付縁部2に対して幅方向の外側に隣接する位置に、千鳥縫いミシンにより形成されるジグザグ状の固定用縫製部6,6bと、本縫いミシンにより形成される補助縫製部8とによって、しっかりと固定されている。
しかし本発明では、例えば図17に実施例1の別の変形例に係るスライドファスナー付き衣服1fを示すように、本縫いミシンにより形成される上述の補助縫製部8を形成せずに、エレメント部材10が、ジグザグ状の固定用縫製部6のみによって生地5のエレメント取付縁部2に固定されていても良い。
またこの場合、ジグザグ状の固定用縫製部6を形成する上糸(針糸)及び下糸(ボビン糸)の少なくとも一方に、前述の実施例1のような通常のミシン糸ではなく、芯鞘構造を有する溶着糸(融着糸とも言う)を用いることもできる。この芯鞘構造を有する溶着糸では、溶着糸の芯部が、所定の温度以上に加熱されても溶融しない繊維材料、又は加熱によって収縮する熱収縮性を備えた繊維材料によって形成される。溶着糸の鞘部は、所定の温度以上に加熱されることによって溶融する熱融着性を備えた繊維材料によって形成される。
このような芯鞘構造を有する溶着糸が、固定用縫製部6の上糸及び下糸の少なくとも一方に用いられる場合、固定用縫製部6の形成後に加熱処理が行われることにより、前述の実施例1等の場合のような補助縫製部8が形成されていなくても、固定用縫製部6によるエレメント部材10の固定を強固にしっかりと行うことができる。また、その固定用縫製部6の上糸及び下糸に弛みが生じることも効果的に防止できる。
更に本発明では、例えば図18及び図19に実施例1の更に別の変形例に係るスライドファスナー付き衣服1gを示すように、本縫いミシンにより形成される補助縫製部8を形成せずに、ジグザグ状に形成される固定用縫製部6の上に、その固定用縫製部6を生地5のエレメント取付縁部2に固定するための透明のフィルム部材(テープ部材)9を貼着することも可能である。なお、このフィルム部材9は、固定用縫製部6の縫製糸7を固定するための糸固定用フィルム部材と言うこともできる。この場合、フィルム部材9は、固定用縫製部6の第1刺通位置18a及び第2刺通位置18bを含む固定用縫製部6の少なくとも一部を被覆するように、エレメント取付縁部2の表面と裏面の少なくとも一方の面に貼着される。
これにより、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bの少なくとも一方をエレメント取付縁部2に強固に固定することができる。従って、固定用縫製部6の上に前述の補助縫製部8が形成されていなくても、固定用縫製部6によるエレメント部材10の固定を強固にすることができる。
また、図18及び図19に示したスライドファスナー付き衣服1gにおいては、エレメント取付縁部2の上面に、スライダー40のフランジ部45との接触から保護する保護部が、ジグザグ状の固定用縫製部6によって形成されている。その上、フィルム部材9が、保護部となる固定用縫製部6を被覆するようにエレメント取付縁部2の上面と下面とに貼着されている。これにより、フィルム部材9は、保護部として機能する固定用縫製部6とともに、衣服のエレメント取付縁部2を、スライダー40のフランジ部45との接触からより安定して保護することができる。
なお本発明では、上述のようなフィルム部材9を貼着する代わりに、そのフィルム部材9が貼着される範囲に、接着剤を塗布する又はコーティングすることによって、固定用縫製部6の上糸7a及び下糸7bをエレメント取付縁部2に接着して強固に固定することも可能である。
また本発明では、例えば固定用縫製部が生地のエレメント取付縁部を刺通する刺通位置を、ファスナーエレメントの生地対向側面部から生地の内側に向けて、実施例1等の場合よりも大きく離間させることも可能である。この場合、固定用縫製部の各単位走行領域において、固定用縫製部がエレメント取付縁部を刺通する刺通位置を、図2等に示すような2つではなく、1つに減らした形態で固定用縫製部をジグザグ状に形成することもできる。また、各単位走行領域において、固定用縫製部がエレメント取付縁部を刺通する刺通位置を例えば3つ以上に増やすことも可能である。
更に、上述した実施例1〜実施例4及び実施例6では、生地5の側縁部がU字状に折り返されてエレメント取付縁部2が形成されており、それによって、エレメント取付縁部2の強度が高められている。また、生地5の裁断端縁(側端縁)に解れが生じている場合には、その解れをエレメント取付縁部2の裏面側に隠して見えないようにすることもできる。
しかし本発明では、生地5の側縁部をU字状に折り返すことなく、幅方向にまっすぐに延ばした状態でエレメント取付縁部が形成されていても良い。また、生地5の側縁部を幅方向にまっすぐに延ばしてエレメント取付縁部を形成する場合には、その生地5の側縁部に補強剤を含浸することや、生地5の側縁部に合成樹脂製の補強用フィルム部材を、当該側縁部を内側に包み込むように貼り付けることによって、まっすぐに形成されるエレメント取付縁部の強度を安定して高めることが可能である。
この場合、生地5に含浸する補強剤は硬化型の接着剤であり、このような補強剤としては、例えば、1液硬化型接着剤、2液硬化型接着剤、瞬間接着剤、ホットメルト型接着剤、エマルジョン系接着剤、又は、紫外線や電子線等によって硬化する光硬化型接着剤等を使用することができる。また、生地5に貼り付ける補強用フィルム部材は、貼着することにより生地5の強度を高めることが可能なフィルム状の部材である。この補強用フィルム部材には、伸縮性が少ないフィルム部材又は伸縮しないフィルム部材が使用されることが好ましい。
このように補強剤の含浸や補強用フィルム部材の貼着によってエレメント取付縁部が補強されることによっても、例えば固定用縫製部の上糸及び下糸がエレメント取付縁部に刺通していても、その上糸及び下糸によってエレメント取付縁部が切断され難くすることができるため、エレメント取付縁部の耐久性を高めることができる。
また、まっすぐな状態のエレメント取付縁部にエレメント部材がしっかりと固定されるため、そのエレメント取付縁部に固定された各エレメントの位置及び姿勢を安定させることができる。更に、エレメント取付縁部に補強剤を含浸することや補強用フィルム部材を貼着することによって、エレメント取付縁部の側端縁に糸の解れを生じさせ難くすることができる。
1,1a,1b スライドファスナー付き衣服(製品)
1c,1d,1e スライドファスナー付き衣服(製品)
1f,1g スライドファスナー付き衣服(製品)
2 エレメント取付縁部
2a フランジ対面領域(スライダー対面領域)
3 エレメント列
4 エレメント取付縁部
5 生地(ファスナー被着部材)
6,6a,6b 固定用縫製部
6c,6d 固定用縫製部
7 縫製糸
7a 上糸(針糸)
7b 下糸(ボビン糸)
8 補助縫製部
9 フィルム部材(テープ部材)
10,10a エレメント部材
10b エレメント部材
11,11a ファスナーエレメント
12a 胴部
12b 首部
12c 噛合頭部
12d 突片部
12e 挿入凹部
12f 凹溝部
12g 噛合部
15 固定部材
17 単位走行領域
17a 第1走行部
17b 第2走行部
17c 第3走行部
18a 第1刺通位置
18b 第2刺通位置
19 単位走行領域
19a 第1走行部
19b 第2走行部
19c 第3走行部
20 エレメント部材
21 ファスナーエレメント
22a 胴部
22b 首部
22c 噛合頭部
22d 突片部
22f 凹溝部
22g 噛合部
23a 胴先端部
23b 漸減部
27 単位走行領域
27a 第1走行部
27b 第2走行部
27c 第3走行部
28a 第1刺通位置
28b 第2刺通位置
30 エレメント部材
31 ファスナーエレメント
32 エレメント上半部(第1エレメント半部)
32a 上側胴部(第1胴部)
32b 上側頭部(第1頭部)
33a 上側胴先端部
33b 上側漸減部
34 エレメント下半部(第2エレメント半部)
34a 下側胴部(第2胴部)
34b 下側首部(第2首部)
34c 下側噛合頭部(第2噛合頭部)
34g 噛合部
35a 下側胴先端部
35b 下側漸減部
40 スライダー
41 スライダー胴体
42 引手
43 上翼板
44 下翼板
45 フランジ部
46 引手取付部
50 スライダー
51 スライダー胴体
53 上翼板
54 下翼板
55 フランジ部
60 スライダー
61 スライダー胴体
63 張出部
64 下翼板
65 フランジ部
65a 縦壁部
65b 横壁部
70 スライダー
71 スライダー胴体
73 上翼板
74 下翼板
75 フランジ部
80 エレメント部材
81 ファスナーエレメント
82a 胴部
82b 首部
82c 噛合頭部
82d 突片部
82e 挿入凹部
82f 凹溝部
83a 第1エレメント部
83b 第2エレメント部
83c 段差
83d フランジ用凹部
W 固定用縫製部の第1及び第2刺通位置とファスナーエレメントとの間の幅方向における寸法(離間距離)

Claims (14)

  1. ファスナーエレメント(11,21,31,81) が固定部材(15)に取着された一対のエレメント部材(10,20,30,80) と、前記エレメント部材(10,20,30,80)が取着される一対のエレメント取付縁部(2) を互いに対向する位置に備えるファスナー被着部材(5) と、前記ファスナーエレメント(11,21,31,81) により形成されたエレメント列(3) に摺動可能に取着される少なくとも1つのスライダー(40,70) とを有し、
    前記エレメント部材(10,20,30,80) は、前記エレメント取付縁部(2)に固定用縫製部(6,6a,6b) により直接固定され、
    前記固定用縫製部(6,6a,6b) は、前記エレメント取付縁部(2) を刺通し、且つ、前記固定用縫製部(6,6a,6b) を形成する縫製糸(7) が前記固定部材(15)を保持し、
    前記エレメント部材(10,20,30,80) は、前記エレメント取付縁部(2) に対して前記エレメント部材(10,20,30,80) の幅方向の外側に並ぶ位置で、前記エレメント取付縁部(2) に直接固定され、
    前記エレメント取付縁部(2) の少なくとも一部を、前記スライダー(40,70) との接触から保護する保護部が設けられてなる、
    ことを特徴とするスライドファスナー付き製品。
  2. 前記ファスナー被着部材(5) の前記エレメント取付縁部(2) には、摺動する前記スライダー(40)の一部に対面するスライダー対面領域(2a)が、前記エレメント部材(10,20,30)の長さ方向に沿って配され、
    前記固定用縫製部(6,6a,6b) の前記縫製糸(7) は、前記エレメント取付縁部(2) の前記スライダー対面領域(2a)の少なくとも一部に配され、
    前記保護部は、前記スライダー対面領域(2a)の前記縫製糸(7) により形成されてなる、
    請求項1記載のスライドファスナー付き製品。
  3. 前記固定用縫製部(6,6a,6b) の前記縫製糸(7) は、前記保護部として、前記エレメント取付縁部(2) の前記スライダー対面領域(2a)にてジグザグ状に配されてなる請求項2記載のスライドファスナー付き製品。
  4. 前記スライダー(40)は、互いに平行に配される上翼板(43)及び下翼板(44)と、前記上翼板(43)及び前記下翼板(44)間を連結する連結柱と、前記上翼板(43)及び前記下翼板(44)の少なくとも一方の左右側縁部に配されるフランジ部(45)とを有し、
    前記ファスナー被着部材(5) の前記エレメント取付縁部(2) には、前記スライダー対面領域(2a)が、摺動する前記スライダー(40)の前記フランジ部(45)に対面するように、前記エレメント部材(10,20,30)の長さ方向に沿って配されてなる、
    請求項2又は3記載のスライドファスナー付き製品。
  5. 前記スライダー(70)は、互いに平行に配される上翼板(73)及び下翼板(74)と、前記上翼板(73)及び前記下翼板(74)間を連結する連結柱と、前記上翼板(73)及び前記下翼板(74)の少なくとも一方の左右側縁部に配されるフランジ部(75)とを有し、
    前記ファスナーエレメント(81)は、前記ファスナーエレメント(81)の上半部及び下半部の少なくとも一方に、前記エレメント部材(80)の長さ方向に沿って配されるとともに、前記スライダー(70)の前記フランジ部(75)の位置に対応して配されるフランジ用凹部(83d) を有し、
    前記保護部は、複数の前記ファスナーエレメント(81)の前記フランジ用凹部(83d) により形成されてなる、
    請求項1記載のスライドファスナー付き製品。
  6. 前記ファスナーエレメント(81)は、噛合相手側の前記ファスナーエレメント(81)に係合する噛合頭部(82c) を含むとともに、前記スライダー(70)における前記上翼板(73)及び前記下翼板(74)間の間隔に対応するエレメント厚さ方向の寸法を有する第1エレメント部(8
    3a) と、前記第1エレメント部(83a) から幅方向の前記噛合頭部(82c) に対して離間する向きに延出するとともに、エレメント厚さ方向の寸法を前記第1エレメント部(83a) よりも段差(83c) を介して小さくする第2エレメント部(83b) とを有し、
    前記フランジ用凹部(83d) は、前記第1エレメント部(83a) と前記第2エレメント部(83b) の前記エレメント厚さ寸法の違いにより前記ファスナーエレメント(81)に形成されてなる、
    請求項5記載のスライドファスナー付き製品。
  7. 前記固定用縫製部(6,6a,6b) は、本縫いにより形成されてなる請求項1〜6のいずれかに記載のスライドファスナー付き製品。
  8. 前記固定用縫製部(6,6a,6b) は、前記エレメント部材(10,20,30,80)の長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がって形成されてなる請求項1〜7のいずれかに記載のスライドファスナー付き製品。
  9. 複数の前記ファスナーエレメント(11,21,31,81) は、それぞれが独立して形成されるとともに、前記固定部材(15)に等間隔で配され、
    前記固定用縫製部(6,6a,6b) は、前記縫製糸(7) が前記ファスナーエレメント(11,21,31,81) ごとに所定のパターンの縫い目を繰り返して形成されてなる、
    請求項1〜8のいずれかに記載のスライドファスナー付き製品。
  10. 前記ファスナー被着部材(5) の前記エレメント取付縁部(2) は、前記ファスナー被着部材(5) の側縁部が前記エレメント部材(10,20,30,80) の幅方向に折り返されて形成されてなる請求項1〜9のいずれかに記載のスライドファスナー付き製品。
  11. 前記ファスナーエレメント(21,31) は、前記固定部材(15)に固定される胴部(22a,34a) と、噛合相手側の前記エレメント部材(20,30) の前記ファスナーエレメント(21,31) と係合する噛合部(22g,34g) とを有し、
    前記胴部(22a,34a) は、前記ファスナーエレメント(21,31) の平面視において、前記エレメント部材(20,30) の長さ方向における前記胴部(22a,34a) の寸法が前記噛合部(22g,34g) から離れるにつれて漸減する漸減部(23b,35b) を有してなる、
    請求項1〜10のいずれかに記載のスライドファスナー付き製品。
  12. ファスナー被着部材(5) に取着可能なエレメント部材(80)において、
    固定部材(15)と、前記固定部材(15)に取着されるファスナーエレメント(81)とを有し、
    前記ファスナーエレメント(81)は、前記固定部材(15)に固定される胴部(82a) と、前記胴部(82a) から前記エレメント部材(80)の幅方向に延出する噛合頭部(82c) とを有し、
    前記ファスナーエレメント(81) は、前記噛合頭部(82c) を含むとともにエレメント厚さ方向の寸法が所定の大きさに設定される第1エレメント部(83a) と、前記胴部(82a) の少なくとも一部を含むとともに、エレメント厚さ方向の寸法が前記第1エレメント部(83a) よりも段差(83c) を介して小さくされた第2エレメント部(83b) とを有し、
    前記ファスナーエレメント(81)に、前記第1エレメント部(83a) と前記第2エレメント部(83b) の前記エレメント厚さ寸法の違いにより形成される凹部(83d) が配されてなる、
    ことを特徴とするエレメント部材。
  13. スライドファスナー付き製品(1,1a,1b,1e〜1g)を製造する製造方法において、
    固定部材(15)にファスナーエレメント(11,21,31,81) が取着されたエレメント部材(10,20,30,80) を形成すること、
    エレメント取付縁部(2) を備えるファスナー被着部材(5) を形成すること、及び、
    ミシンを用いて、前記ファスナー被着部材(5) と前記エレメント部材(10,20,30,80) とに縫製加工を行うことにより、固定用縫製部(6,6a,6b)を形成しながら、前記固定用縫製部(6,6a,6b) で前記ファスナー被着部材(5) の前記エレメント取付縁部(2) に前記エレメント部材(10,20,30,80) を、前記エレメント取付縁部(2) に対して前記エレメント部材(10,20,30,80) の幅方向の外側に並ぶ位置で固定すること、
    を含んでなることを特徴とするスライドファスナー付き製品の製造方法。
  14. 前記固定用縫製部(6,6a,6b) を、本縫いのステッチで、長さ方向に対してジグザグ状に折れ曲がるように形成することを含んでなる請求項13記載のスライドファスナー付き製品の製造方法。
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