JP6779339B1 - 電力変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】チョッパ回路に対応して電流検出器手段を設けることなく、精度の高い電流アンバランス補正を実現する。【解決手段】並列に複数接続されたチョッパ回路と、チョッパ回路の数より少ない数接続された電流検出手段と、チョッパ回路を制御する制御手段とを備えた電力変換器であって、制御手段は電流検出手段により検出された電流値を基に、チョッパ回路に具備するリアクトルの直流重畳特性を利用して、予め定められた時刻の間の電流値の差から複数のチョッパ回路の電流偏差を算出し、算出された電流偏差によって補正された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御する。【選択図】図1

Description

本願は、電力変換器に関するものである。
チョッパ回路を複数並列に接続させて、降圧あるいは昇圧変換された直流電流を負荷に供給する電力変換器が知られている(例えば、特許文献1)。このような並列多重チョッパ装置では、単位チョッパ回路間の電流のアンバランス補正することが課題である。これに対し、特許文献1では、共通の電流検出器を用い、フィードフォワード制御により電流アンバランス補正を行っている。
特開2006−271102号公報
特許文献1では、電流アンバランス補正の制御がフィードフォワード制御のため、動作条件、周囲環境などにより補正量が変化した場合に補正制御が追い付かず電流アンバランスが発生する虞がある。
本願は、上記課題を解決するためのものであり、簡単な回路構成で、チョッパ回路間の電流偏差をフィードバック制御により補正することで、低コストで高精度な電流アンバランス補正が可能な電力変換器を得ることを目的としている。
本願に開示される電力変換器は、一端が電源に接続され、並列に複数接続されたチョッパ回路と、前記電源と前記チョッパ回路との間に、前記チョッパ回路を流れる電流を検出する電流検出手段と、前記チョッパ回路を制御する制御手段と、を備えた電力変換器であって、前記チョッパ回路は直列に接続されたリアクトル、スイッチング素子及び整流素子を有し、前記電流検出手段は前記チョッパ回路の数より少ない数接続され、前記制御手段は前記電流検出手段により検出された電流値を基に、予め定められた時刻の間の電流値の差から複数の前記チョッパ回路の電流偏差を算出し、算出された前記電流偏差によって補正された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御するものである。
本願に開示される電力変換器によれば、複数のチョッパ回路の数より少ない電流検出手段により検出された電流値を用い、チョッパ回路の電流偏差を補正した信号でチョッパ回路を動作させるので、電流値の偏差が変化しても低コストで高精度な電流アンバランス補正が可能な電力変換器を得ることができる。
実施の形態1に係る電力変換器の回路構成を示す図である。 実施の形態1に係る電力変換器において、2つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図である。 実施の形態1に係る電力変換器において、2つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図である。 実施の形態1に係る電力変換器において、補正の初期の2つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態1に係る電力変換器において、補正の後期の2つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態2に係る電力変換器の構成を示した構成図である。 実施の形態2に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図である。 実施の形態2に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図である。 実施の形態2に係る電力変換器において、補正の初期の3つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態2に係る電力変換器において、補正の後期の3つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態3に係る電力変換器の構成を示した構成図である。 実施の形態3に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図である。 実施の形態3に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図である。 実施の形態3に係る電力変換器において、補正の初期の3つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態3に係る電力変換器において、補正の後期の3つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態4に係る電力変換器の構成を示した構成図である。 実施の形態4に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図である。 実施の形態4に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図である。 実施の形態4に係る電力変換器において、補正の初期の3つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態4に係る電力変換器において、補正の後期の3つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態5に係る電力変換器の回路構成を示す図である。 実施の形態5に係る電力変換器において、2つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図である。 実施の形態5に係る電力変換器において、2つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図である。 実施の形態5に係る電力変換器において、補正の初期の2つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態5に係る電力変換器において、補正の後期の2つのチョッパ回路の動作波形図である。 実施の形態6に係る電力変換器の別の回路構成を示す図である。 実施の形態1に係る電力変換器の別の回路構成を示す図である。 制御手段のハードウエア構成図である。
以下、本願で開示される電力変換装置の実施の形態について図を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
以下、実施の形態1について図を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る電力変換器の回路構成を示す図である。図1において、電力変換器は、直流電源1に並列に接続された入力平滑コンデンサ2、入力平滑コンデンサ2の正極側にリアクトル101が接続された第1チョッパ回路100、第1チョッパ回路100と並列に接続された第2チョッパ回路200、第1チョッパ回路のダイオード103のカソード端子及び第2チョッパ回路のダイオード203のカソード端子と正極側が接続された出力平滑コンデンサ3、入力平滑コンデンサ2の電圧Vinを検出する入力電圧検出手段5、出力平滑コンデンサ3の電圧Voutを検出する出力電圧検出手段6及び制御手段500を備える。制御手段500は、入力電圧検出手段5により検出されたVin_senseと、出力電圧検出手段6より検出されたVout_senseと、第1チョッパ回路100内のリアクトル101及び第2のチョッパ回路200内のリアクトル201を流れるリアクトル電流IL1,IL2の和を検出する電流検出手段7で検出され、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8を介して得られたIL_senseと、を用いて第1チョッパ回路100内のスイッチング素子102にゲート信号Vgs_Q102を、第2チョッパ回路200内のスイッチング素子202にゲート信号Vgs_Q202を出力する。出力平滑コンデンサ3に並列に接続された負荷4には変換された電圧が出力される。
第1チョッパ回路100は、一端が入力平滑コンデンサ2に接続されたリアクトル101、リアクトル101の他端にドレイン端子が接続されたスイッチング素子102及び同じくリアクトル101の他端にアノード端子が接続されたダイオード103を備える。
第2チョッパ回路200は、一端が入力平滑コンデンサ2に接続されたリアクトル201、リアクトル201の他端にドレイン端子が接続されたスイッチング素子202及び同じくリアクトル201の他端にアノード端子が接続されたダイオード203を備える。
図2に実施の形態1に係る電力変換器において、チョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図を示す。また、図3には、実施の形態1に係る電力変換器において、2つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図を示す。図2は制御手段500による補正後の動作波形図、図3は補正前の動作波形図に相当する。図中、上からリアクトル電流、各スイッチング素子のゲート信号波形、ゲート信号を生成するための各種信号を示している。この各種信号はスイッチング周期を決める基準信号のキャリア波(ここでは三角波)、ゲート信号のオンタイムを決めるオンデューティ信号(D1、1−D2)である。キャリア波の周期はTswであり、各スイッチング素子のゲート信号の周期もTswであり、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティはD1Tsw、スイッチング素子202のゲート信号のオンデューティはD2Tswである。各ゲート信号はオフタイムの期間は時間t2分を1単位とする1期間であり、オンタイムそれぞれ3期間の例である。
各チョッパ回路に流れる電流はリアクトルのインダクタンス値により、リップル電流の波形が変化し、その結果、電流検出手段で検出される電流も変化する。リアクトルのインダクタンス値は、リアクトルの直流重畳特性によって、電流の絶対値が大きい場合は小さくなり、電流の絶対値が小さい場合は大きくなる。このリアクトルの直流重畳特性を利用して、チョッパの電流検出を行うことなく、電流の偏差を、フィードバック制御し、各チョッパ回路の電流を等しく制御することが可能となる。以下に、その詳細について説明する。
リアクトル101に流れるリアクトル電流IL1とリアクトル201に流れるリアクトル電流IL2のリップル電流は、リアクトルのインダクタンス値に依存する。そのため、リアクトル101とリアクトル201が特性の等しいリアクトルであるならば、図2に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2の直流電流が等しければリップル電流は等しくなる。しかし、図3に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2の直流電流が等しくなければリップル電流は等しくなくなる。この特性を利用して、本実施の形態ではリアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2の偏差を検出する。
次に制御手段500の動作について説明する。制御手段500においては、出力電圧制御と分流制御の2つの点で制御が行われる。
まず、出力電圧制御について説明する。電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差であるVout_errorが出力電圧制御器501に入力される。出力電圧制御器501ではオンデューティDxを演算し、出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、電圧制御による基準デューティに相当する。また、出力電圧制御による演算はフィードバック制御により行われる。
分流制御では、分流されたリアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2との偏差がなくなるように補正するための補正値が演算される。分流偏差演算器503には、ローパスフィルタ8を介して得られたIL_senseが入力される。ここでローパスフィルタ8の役割はノイズ除去であり、電流値の偏差IL_sense算出のため、リップル電流が残る程度のカットオフ周波数とする。ノイズ除去が不要の場合はなくてもよい。そして、リアクトル電流検出手段で検出された電流ILに対し、図2では等しく、図3では等しくない2つのタイミングでの電流値の差を分流偏差IL_errorとして出力する。ここで、図2では等しく、図3では等しくないタイミングというのは、例えば、時刻t4と時刻t8に注目すると、図2ではIL(t4)−IL(t8)=0だが、図3ではIL(t4)−IL(t8)≠0となる、このようなタイミングを言う。この例ではIL_error=IL(t4)−IL(t8)としているが、電流値の偏差を算出するのに用いる2つの時刻は、予め設定され、図2ではリアクトル電流が等しく、図3ではリアクトル電流が等しくない2つのタイミングであれば他の時刻であってもよい。また、キャリア波の山(図中t6、t14)及び谷(図中t3、t10)のいずれでもない時刻が望ましい。キャリア波の山及び谷に重なるとリップル電流の偏差の算出精度が低下するからである。
分流偏差演算器503から出力されたIL_errorは分流制御器504に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD’が出力される。分流制御器504から出力されたオンデューティD’は分流制御デューティリミッタ505に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’が出力される。分流偏差を用いた分流制御によるオンデューティの補正量D1’の演算はフィードバック制御によって行われる。
次に、出力電圧制御の演算によるオンデューティDyと分流制御の演算によるオンデューティD’を組み合わせてスイッチング素子102のオンデューティD1とスイッチング素子202のオンデューティD2を算出する。分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’と分流制御の演算によるスイッチング素子202のオンデューティの補正量D2’の極性を逆転させて出力電圧制御の演算によるオンデューティDに加算させることによって、分流制御によって出力されるオンデューティの補正量の合計が0となる。
すなわち、出力電圧デューティリミッタ502から出力されたオンデューティDyに分流制御デューティリミッタ505から出力されたオンデューティの補正量D1’が加算器に入力され、スイッチング素子102のオンデューティD1が出力される。出力電圧デューティリミッタ502から出力されたオンデューティDyに分流制御デューティリミッタ505から出力されたオンデューティの補正量D1’の符号を反転したものが加算器に入力され、スイッチング素子202のオンデューティD2が出力される。なお、出力電圧デューティリミッタ502から出力されたオンデューティDyに分流制御デューティリミッタ505から出力されたオンデューティの補正量D1’を減算するようにしてもよい。
算出されたオンデューティD1、D2がゲート信号生成手段506に入力され、ゲート信号生成手段506の内部生成されるキャリア波と比較され、ゲート信号Vgs_Q102及びVgs_Q202が出力される。この生成されたゲート信号Vgs_Q102及びVgs_Q202が各スイッチング素子102、103のゲートに入力されスイッチング素子102、103の駆動が制御される。
図4、図5は上述の実施の形態1によるデューティの補正の経過段階の動作波形図を示したものである。図4は補正の初期、図5は補正の後期に相当するため、時系列としては、図3→図4→図5→図2の順で補正が行われる。
図4、図5において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図4において、リアクトル電流ILを図2に近づけるためには、リアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL2は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号1−D2は点線から破線に下げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子202のゲート信号のオンデューティ期間D2Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図5は図4からさらに補正制御が進んだ段階であり、図4と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
上述では、出力電圧制御と分流制御の内容について説明したが、昇圧しない場合は出力電圧制御及び分流制御をしないように設定し、スイッチング素子102、スイッチング素子202をオフとし、それぞれダイオード103、203を介して通電するようにすればよい。
以上のように、本実施の形態1によれば、2つのチョッパ回路のリアクトル電流の偏差を、1つの電流検出手段を用い、出力電圧制御の演算と分流制御の演算とにより、補正するようにしたので、チョッパ回路数より少ない電流検出手段で簡単な制御手段の回路構成により、電流偏差をフィードバック制御できるようになるとともに、電流の偏差が環境等により変動しても精度よく補正することが可能になる。これにより、低コストで小型の電力変換器を提供することが可能となる。
実施の形態2.
以下に、実施の形態2に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図6は、実施の形態2に係る電力変換器の回路構成を示す図である。実施の形態1とは、本実施の形態ではチョッパ回路を3台、リアクトル電流を検出する電流検出手段を2個備える点が相違する。一方の電流検出手段7−1は第1チョッパ回路100のリアクトル101の電流IL1と第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2との和であるILAを検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−1に入力され、ローパスフィルタ8−1の出力ILA_senseが制御手段500に入力される。また、他方の電流検出手段7−2は第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2と第3チョッパ回路300のリアクトル301のリアクトル電流IL3との和であるILBを検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−2に入力され、ローパスフィルタ8−2の出力ILB_senseが制御手段500に入力される。
図7に実施の形態2に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図を示す。また、図8には、実施の形態2に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図を示す。実施の形態1と同様、図7は制御手段500による補正後の動作波形図、図8は補正前の動作波形図に相当する。リアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3のリップル電流は、リアクトルのインダクタンス値に依存し、リアクトル101とリアクトル201が特性の等しいリアクトルである場合、図7に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3の直流電流が等しければリップル電流は等しくなるが、図8に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3の直流電流が等しくなければリップル電流は等しくなくなるので、この特性を利用して、リアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3の偏差を検出する。すなわち、本実施の形態においても、リアクトル電流の直流重畳特性を利用する。
制御手段500において、実施の形態1と同様に、電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力されその差である偏差Vout_errorを出力する。偏差Vout_errorは出力電圧制御器501に入力され、オンデューティDxが出力される。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、出力電圧制御の演算によるオンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、電圧制御による基準デューティに相当する。また、出力電圧制御による演算はフィードバック制御により行われる。
また、制御手段500において、分流制御により分流された各チョッパ回路100,200,300のリアクトル101,201,301に流れるリアクトル電流IL1、IL2、IL3が等しくなるように電流偏差を補正する。分流偏差演算器503には、ローパスフィルタ8−1、8−2を介して得られたILA_sense,ILB_senseが入力される。
まず、図7ではリアクトル電流の和IL1+IL2が等しく、図8では等しくないタイミングでの電流値の偏差IL1_errorを出力する。ここで、図7では等しく、図8では等しくない2つのタイミングというのは、例えば、時刻t8と時刻t14に注目すると、図5ではIL1(t8)+IL2(t8)−IL1(t14)−IL2(t14)=0だが、図6ではIL1(t8)+IL2(t8)−IL1(t14)−IL2(t14)≠0となる、このようなタイミングを言う。この電流値の偏差を算出するのに用いる2つの時刻は、予め設定され、図7ではリアクトル電流が等しく、図8ではリアクトル電流が等しくない2つのタイミングであれば他の2つの時刻であってもよい。リアクトル電流IL1及びリアクトル電流IL2のキャリア波の山及び谷のいずれでもない時刻が望ましい。
分流偏差演算器503から出力されたIL1_errorは分流制御器504に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD1’’が出力される。分流制御器504から出力されたオンデューティD1’’は分流制御デューティリミッタ505に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’が出力される。分流偏差を用いた分流制御によるオンデューティの補正量D1’の演算はフィードバック制御によって行われる。
同様に、分流偏差演算器503において、図5ではリアクトル電流の和IL2+IL3が等しく、図6では等しくないタイミングでの電流値の偏差IL2_errorを出力する。ここで、図5では等しく、図6では等しくない2つのタイミングというのは、例えば、時刻t12と時刻t18に注目すると、図5ではIL2(t12)+IL3(t12)−IL2(t18)−IL3(t18)=0だが、図6ではIL2(t12)+IL3(t12)−IL2(t18)−IL3(t18)≠0となる、このようなタイミングを言う。この電流値の偏差を算出するのに用いる2つの時刻は、予め設定され、図7ではリアクトル電流が等しく、図8ではリアクトル電流が等しくない2つのタイミングであれば他の2つの時刻であってもよい。リアクトル電流IL2及びリアクトル電流IL3のキャリア波の山及び谷のいずれでもない時刻が望ましい。
分流偏差演算器503から出力されたIL2_errorは分流制御器507に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD3’’が出力される。分流制御器507から出力されたオンデューティD3’’は分流制御デューティリミッタ508に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’が出力される。分流偏差を用いた分流制御によるオンデューティの補正量D3’の演算はフィードバック制御によって行われる。
分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’ と分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D2’と分流制御の演算によるスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’は合計が0になるようにすると出力電圧制御と独立して、分流制御を行うことが可能である。
出力電圧制御の演算によるオンデューティDyと分流制御の演算によるオンデューティD1’、D3’を組み合わせてスイッチング素子102のオンデューティD1とスイッチング素子202のオンデューティD2とスイッチング素子302のオンデューティD3を算出する。このとき分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’と分流制御の演算によるスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’の差の極性を逆転させて分流制御の演算によるスイッチング素子202のオンデューティの補正量D2’とし、出力電圧制御の演算によるオンデューティDyに加算させることによって、分流制御によって出力されるオンデューティの補正量の合計が0となる。
すなわち、ゲート信号生成手段506に入力されるD1、D2、D3はそれぞれ、
D1=Dy+D1’
D2=Dy―(D1’―D3’)
D3=Dy―D3’
となる。
ここまで出力されたスイッチング素子102のオンデューティD1、スイッチング素子202のオンデューティD2及びスイッチング素子302のオンデューティD3はゲート信号生成手段506に入力され、図7、図8に示されるようにゲート信号生成手段506の内部で生成されるキャリア波と比較され、ゲート信号生成手段506はゲート信号Vgs_Q102、Vgs_Q202及びVgs_Q302を出力する。
図9、図10は上述の実施の形態2によるデューティの補正の経過段階の動作波形図を示したものである。図9は補正の初期、図10は補正の後期に相当するため、時系列としては、図8→図9→図10→図7の順で補正が行われる。
図9、図10において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図9において、リアクトル電流の和IL1+IL2、リアクトル電流の和IL2+IL3をそれぞれ図8に近づけるためには、まずリアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL3は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号D3は点線から実線に上げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子302のゲート信号のオンデューティ期間D3Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図10は図9からさらに補正制御が進んだ段階であり、図9と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
上述では、出力電圧制御と分流制御の内容について説明したが、昇圧しない場合は出力電圧制御及び分流制御をしないように設定し、スイッチング素子102、スイッチング素子202、スイッチング素子302をオフとし、それぞれダイオード103,203,303を介して通電するようにすればよい。
以上のように、本実施の形態2によれば、3つのチョッパ回路のリアクトル電流の偏差を、2つの電流検出手段を用い、出力電圧制御の演算と分流制御の演算とにより、補正するようにしたので、チョッパ回路数より少ない電流検出手段で簡単な制御手段の回路構成により、電流偏差をフィードバック制御できるようになるとともに、電流の偏差が環境等により変動しても精度よく補正することが可能になる。これにより、低コストで小型の電力変換器を提供することが可能となる。
実施の形態3.
以下に、実施の形態3に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図11は、実施の形態3に係る電力変換器の回路構成を示す図である。実施の形態2とは、2個の電流検出手段の検出するリアクトル電流が異なる。本実施の形態では、一方の電流検出手段7−1は第1チョッパ回路100のリアクトル101の電流IL1と第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2との和であるILAを検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−1に入力され、このローパスフィルタ8−1の出力ILA_senseが制御手段500に入力される。他方の電流検出手段7−2は第3チョッパ回路300のリアクトル301のリアクトル電流IL3を検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−2に入力され、このローパスフィルタ8−2の出力ILB_senseが制御手段500に入力される。
図12に実施の形態3に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図を示す。また、図13には、実施の形態3に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図を示す。実施の形態1、2と同様、図12は制御手段500による補正後の動作波形図、図13は補正前の動作波形図に相当する。リアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3のリップル電流は、リアクトルのインダクタンス値に依存し、リアクトル101とリアクトル201が特性の等しいリアクトルである場合、図12に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3の直流電流が等しければリップル電流は等しくなる。しかし、図13に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3の直流電流が等しくなければリップル電流は等しくなくなる。この特性を利用して、リアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3の偏差を検出する。すなわち、本実施の形態においても、リアクトル電流の直流重畳特性を利用する。
次に制御手段500の動作について説明する。出力電圧制御は実施の形態1と同様である。電変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差である偏差Vout_errorが出力される。偏差Vout_errorは出力電圧制御器501に入力され、オンデューティDxを出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、電圧制御による基準デューティに相当する。また、出力電圧制御による演算はフィードバック制御により行われる。
分流制御では、分流された各チョッパ回路100,200,300のリアクトル101,201,301に流れるリアクトル電流IL1、IL2、IL3が等しくなるように電流偏差を補正する。分流偏差演算器503には、ローパスフィルタ8−1、8−2を介して得られたILA_sense,ILB_senseが入力される。
まず、図12ではリアクトル電流の和IL1+IL2が等しく、図13では等しくないタイミングでの電流値の偏差IL1_errorを出力する。ここで、図12では等しく、図13では等しくない2つのタイミングというのは、例えば、時刻t8と時刻t14に注目すると、図12ではIL1(t8)+IL2(t8)−IL1(t14)−IL2(t14)=0だが、図13ではIL1(t8)+IL2(t8)−IL1(t14)−IL2(t14)≠0となる、このようなタイミングを言う。この電流値の偏差を算出するのに用いる2つの時刻は、予め設定され、図12ではリアクトル電流が等しく、図13では等しくない2つのタイミングであれば、他の2つの時刻であってもよい。また、リアクトル電流IL1及びリアクトル電流IL2のキャリア波の山及び谷のいずれでもない時刻が望ましい。
分流偏差演算器503から出力されたIL1_errorは分流制御器504に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD1’’’が出力される。分流制御器504から出力されたオンデューティD1’’’は分流制御デューティリミッタ505に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、オンデューティD1’’が出力される。
次に、分流偏差演算器503において、IL1+IL2と2倍のIL3との差である偏差IL3_error(=IL1+IL2―2*IL3)を出力する。分流偏差演算器503から出力されたIL3_errorは分流制御器507に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD3’’’が出力される。分流制御器507から出力されたオンデューティD3’’’は分流制御デューティリミッタ508に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’が出力される。分流偏差を用いた分流制御による演算はフィードバック制御によって行われる。
実施の形態2と同様に、分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’と分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D2’と分流制御の演算によるスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’は合計が0になるようにすると出力電圧制御と独立して、分流制御を行うことが可能である。
出力電圧制御の演算によるオンデューティDyと分流制御の演算によるオンデューティD1’、D3’’を組み合わせてスイッチング素子102のオンデューティD1とスイッチング素子202のオンデューティD2とスイッチング素子302のオンデューティD3を算出する。このとき分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’はオンデューティD1’’からD3’の半分の値を減算したものとする。分流制御の演算によるスイッチング素子202のオンデューティの補正量D2’はD1’’を極性反転させた値からD3’の半分の値を減算したものとし、出力電圧制御の演算によるオンデューティDyに加算させることによって、分流制御によって出力されるオンデューティの補正量の合計が0となる。
すなわち、ゲート信号生成手段506に入力されるオンデューティD1、D2、D3はそれぞれ、
D1=Dy+(D1’’―D3’/2)
D2=Dy+(−D1’’―D3’/2)
D3=Dy+D3’
となる。
ここまで出力されたスイッチング素子102のオンデューティD1とスイッチング素子202のオンデューティD2とスイッチング素子302のオンデューティD3はゲート信号生成手段506に入力され、図12、図13に示されるようにゲート信号生成手段506の内部生成されるキャリア波と比較され、ゲート信号生成手段506はゲート信号Vgs_Q102、Vgs_Q202及びVgs_Q302を出力する。
図14、図15は実施の形態3によるデューティの補正の経過段階の動作波形図を示したものである。図14は補正の初期、図15は補正の後期に相当するため、時系列としては、図13→図14→図15→図12の順で補正が行われる。
図14、図15において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図14において、リアクトル電流の和IL1+IL2、リアクトル電流IL3の2倍をそれぞれ図12に近づけるためには、まずリアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL3は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号D3は点線から実線に上げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子302のゲート信号のオンデューティ期間D3Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図15は図14からさらに補正制御が進んだ段階であり、図14と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
上述では、出力電圧制御と分流制御の内容について説明したが、昇圧しない場合は出力電圧制御と分流制御をしないように設定し、スイッチング素子102、スイッチング素子202、スイッチング素子302をオフとし、それぞれダイオード103,203,303を介して通電するようにすればよい。
以上のように、本実施の形態3によれば、実施の形態2と同様、3つのチョッパ回路のリアクトル電流の偏差を、2つの電流検出手段を用い、出力電圧制御の演算と分流制御の演算とにより、補正するようにしたので、チョッパ回路数より少ない電流検出手段で簡単な制御手段の回路構成により、電流偏差をフィードバック制御できるようになるとともに、電流の偏差が環境等により変動しても精度よく補正することが可能になる。これにより、低コストで小型の電力変換器を提供することが可能となる。
実施の形態4.
以下に、実施の形態4に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図16は、実施の形態4に係る電力変換器の回路構成を示す図である。実施の形態2、3とは1個のリアクトル電流検出手段を用いる点で異なる。本実施の形態では、電流検出手段7は第1チョッパ回路100のリアクトル101の電流IL1、第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2及び第3チョッパ回路300のリアクトル301のリアクトル電流IL3の和であるIL(=IL1+IL2+IL3)を検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8に入力される。そして、このローパスフィルタ8の出力IL_senseは制御手段500に入力される。
図17に実施の形態4に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の動作波形図を示す。また、図18には、実施の形態4に係る電力変換器において、3つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の動作波形図を示す。上述の実施の形態と同様、図17は制御手段500による補正後の動作波形図、図18は補正前の動作波形図に相当する。リアクトル電流IL1、リアクトル電流IL2及びリアクトル電流IL3のリップル電流は、リアクトルのインダクタンス値に依存する。リアクトル101、リアクトル201及びリアクトル301が特性の等しいリアクトルである場合、図17に示すように、リアクトル電流IL1の直流電流、リアクトル電流IL2の直流電流及びリアクトル電流IL3の直流電流が等しければリップル電流は等しくなる。しかし、図18に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流、リアクトル電流IL2の直流電流及びリアクトル電流IL3の直流電流が等しくなければリップル電流は等しくなくなる。この特性を利用して、リアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3との偏差を検出する。すなわち、本実施の形態においても、リアクトル電流の直流重畳特性を利用する。
次に制御手段500の動作について説明する。出力電圧制御は実施の形態1と同様である。電変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差である偏差Vout_errorが出力される。偏差Vout_errorは出力電圧制御器501に入力され、オンデューティDxを出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、電圧制御による基準デューティに相当する。また、出力電圧制御による演算はフィードバック制御により行われる。
分流制御では、分流された各チョッパ回路100,200,300のリアクトル101,201,301に流れるリアクトル電流IL1、IL2、IL3が等しくなるように電流偏差を補正する。まず、分流偏差演算器503には、ローパスフィルタ8からIL_senseが入力される。図17及び図18はスイッチング素子102,202,302のオンデューティはいずれも3分の2以上の条件で示している(図では5/6)。リアクトル電流IL1もしくはIL2もしくはIL3がリアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2とリアクトル電流IL3の平均値(ILの3分の1)より大きいか小さいかを判別し偏差を求めるには、各スイッチング素子のオフ期間(時間t2分)の前後の期間の中央の時間のILの差を求めればよい。
図18において、例えばスイッチング素子102のオフ期間はt11からt13の第6期間であり、その前後の期間の中央の時間はそれぞれ第5期間のt10、第7期間のt14となる。従って、第1チョッパ回路100のリアクトル電流IL1の偏差はIL(t14)―IL(t10)となる。同様に、リアクトル電流IL2の偏差はIL(t18)―IL(t14)、リアクトル電流IL3の偏差はIL(t10)―IL(t6)となる。
上述の実施の形態で示したように、分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’、スイッチング素子102のオンデューティの補正量D2’及びスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’は合計が0になるようにすると出力電圧制御と独立して、分流制御を行うことが可能である。そのため、3つのリアクトル電流の偏差を用いる必要はなく2つでよい。図16の制御手段500のブロック図では、IL1とIL3について用いるように図示している。すなわち、分流偏差演算器503からIL(t14)―IL(t10)がIL1_errorとして出力され、分流制御器504に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD1’’が出力される。分流制御器504から出力されたオンデューティD1’’は分流制御デューティリミッタ505に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’が出力される。同様に、分流偏差演算器503からIL(t10)―IL(t6)がIL3_errorとして出力され、分流制御器507に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD3’’が出力される。分流制御器507から出力されたオンデューティD3’’は分流制御デューティリミッタ508に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’が出力される。
上述したように分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’、スイッチング素子202のオンデューティの補正量D2’及びスイッチング素子302のオンデューティの補正量D3’は合計が0になるようにすると出力電圧制御と独立して、分流制御を行うことが可能である。そこで出力電圧制御の演算によるオンデューティDyと分流制御の演算によるオンデューティD1’、D2’、 D3’を組み合わせてスイッチング素子102のオンデューティD1、スイッチング素子202のオンデューティD2及びスイッチング素子302のオンデューティD3を算出する。分流偏差を用いた分流制御による演算はフィードバック制御によって行われる。
このとき分流制御の演算によるスイッチング素子202のオンデューティの補正量D2’はオンデューティD1’からD3’を減算したものの極性を反転してものとする。スイッチング素子102のオンデューティD1は、出力電圧制御の演算によるオンデューティDyにオンデューティD1’を加算したもの、スイッチング素子102のオンデューティD2は、出力電圧制御の演算によるオンデューティDyにオンデューティD2’を加算したもの、スイッチング素子302のオンデューティD3は、出力電圧制御の演算によるオンデューティDyにオンデューティD3’を減算したものであり、分流制御によって出力されるオンデューティの補正量の合計が0となる。
すなわち、ゲート信号生成手段506に入力されるオンデューティD1、D2、D3はそれぞれ、
D1=Dy+D1’
D2=Dy+(−D1’+D3’)
D3=Dy―D3’
となる。
ここまで出力されたスイッチング素子102のオンデューティD1、スイッチング素子202のオンデューティD2及びスイッチング素子302のオンデューティD3はゲート信号生成手段506に入力される。図17、図18に示されるようにゲート信号生成手段506の内部で生成されるキャリア波と比較され、ゲート信号生成手段506はゲート信号Vgs_Q102、Vgs_Q202及びVgs_Q302を出力する。
図19、図20は実施の形態4によるデューティの補正の経過段階の動作波形図を示したものである。図19は補正の初期、図20は補正の後期に相当するため、時系列としては、図18→図19→図20→図17の順で補正が行われる。
図19、図20において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図19において、リアクトル電流の和IL1+IL2+IL3を図17に近づけるためには、まずリアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL3は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号D3は点線から実線に上げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子302のゲート信号のオンデューティ期間D3Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図20は図19からさらに補正制御が進んだ段階であり、図19と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
上述では出力電圧制御と分流制御の内容について説明したが、昇圧しない場合は出力電圧制御と分流制御をしないように設定し、スイッチング素子102、スイッチング素子202、スイッチング素子302をオフとし、それぞれダイオード103,203,303を介して通電するようにすればよい。
以上のように、本実施の形態4によれば、3つのチョッパ回路のリアクトル電流の偏差を、1つの電流検出手段を用い、出力電圧制御の演算と分流制御の演算とにより、補正するようにしたので、チョッパ回路数より少ない電流検出手段で簡単な制御手段の回路構成により、電流偏差をフィードバック制御できるようになるとともに、電流の偏差が環境等により変動しても精度よく補正することが可能になる。これにより、低コストで小型の電力変換器を提供することが可能となる。
実施の形態5.
以下に、実施の形態5に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図21は、実施の形態5に係る電力変換器の回路構成を示す図である。図21の構成は、実施の形態1の図1の構成において、第1チョッパ回路100のダイオード103をスイッチング素子104に、第2チョッパ回路200のダイオード203をスイッチング素子204に置き換えた構成に相当する。スイッチング素子104はスイッチング素子102と、スイッチング素子204はスイッチング素子202と相補にスイッチングする同期整流素子となっている。
実施の形態5で説明する電力変換器は、電力を双方向に送ることが可能となる。VinからVoutの方向に電力を送る場合(以降、力行動作と称する)は、実施の形態1で説明した電力変換器と同様の動作をするが、VoutからVinの方向に電力を送る場合(以降、回生動作と称する)は偏差検出の動作が異なる。
図22に実施の形態5に係る電力変換器の2つのチョッパ回路の電流値が等しい場合の回生動作時の動作波形図を示す。また、図23に実施の形態5に係る電力変換器の2つのチョッパ回路の電流値が等しくない場合の回生動作時の動作波形図を示す。実施の形態1と同様、図22は制御手段500による補正後の動作波形図、図23は補正前の動作波形図に相当する。リアクトルは、流れている電流の絶対値に応じて変化する。そのため、図2及び図3の力行動作時のリアクトル電流と図22及び図23の回生動作時のリアクトル電流を、それぞれ図2と図22、図3と図23とで比較すればわかるように、力行動作時と回生動作時では偏差検出の極性が逆になる。例えば、図3と図23は、図3で示されているIL1とIL2の向きを正とすると、図3と図15との間ではIL1―IL2は等しい。図3ではIL(t4)−IL(t8)>0であるのに対し、図23ではIL(t4)−IL(t8)<0である。よって、力行動作時と回生動作時では偏差検出の極性が逆になる。従って、本実施の形態においては、制御手段500には実施の形態1の図1に極性判定器509をさらに備えている。
以下に、制御手段500の動作について説明する。制御手段500においては、出力電圧制御と分流制御の2つの点で制御が行われる。
出力電圧制御は力行動作及び回生動作において、実施の形態1と同様である。電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差であるVout_errorが出力電圧制御器501に入力される。出力電圧制御器501ではオンデューティDxを演算し、出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、電圧制御による基準デューティに相当する。また、出力電圧制御による演算はフィードバック制御により行われる。
分流制御では、実施の形態1と同様に、分流偏差演算器503には、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8からIL_senseが入力される。そして、電流検出手段7で検出された電流ILに対し、図22では等しく、図23では等しくないタイミングでの電流値の偏差IL_errorを出力する。ここで、図22では等しく、図23では等しくないタイミングとして、時刻t4と時刻t8に注目して、IL_error=IL(t4)−IL(t8)を算出する。すなわち、本実施の形態においても、リアクトル電流の直流重畳特性を利用する。また、この電流値の偏差を算出するのに用いる2つの時刻は、予め設定され、リアクトル電流が図22では等しく、図23では等しくない別の2つのタイミングあってもよい。また、リアクトル電流ILのキャリア波の山及び谷のいずれでもない時刻が望ましい。
分流偏差演算器503から出力されたIL_errorは分流制御器504に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD’が出力される。分流制御器504から出力されたオンデューティD’は分流制御デューティリミッタ505に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’が出力される。分流偏差を用いた分流制御によるオンデューティの補正量D1’の演算はフィードバック制御によって行われる。
次に、極性判定器509では、ILの向きによって+1あるいは−1を乗算する。力行動作時には+1、回生動作時には−1を基本とするが、ここではIL>αのとき+1、IL<−αのとき−1とし、αは電流検出手段7およびローパスフィルタ8によって生じる実際のILと制御手段500に入力されるIL_senseの間に生じる誤差によって、検出違いがないように調整した値である。
以下、実施の形態1と同様に、出力電圧デューティリミッタ502から出力されたオンデューティDyに分流制御により極性判定器509から出力されたオンデューティの補正量D1’が加算器に入力され、スイッチング素子102のオンデューティD1が出力される。出力電圧デューティリミッタ502から出力されたオンデューティDyに極性判定器509から出力されたオンデューティの補正量D1’の符号を反転したものが加算器に入力され、スイッチング素子202のオンデューティD2が出力される。
算出されたオンデューティD1、D2がゲート信号生成手段506に入力され、図22、図23に示されるようにゲート信号生成手段506の内部生成されるキャリア波と比較され、ゲート信号Vgs_Q102及びVgs_Q202が出力される。
以上により、力行動作時及び回生動作時ともにリアクトル電流のアンバランスが補正されたチョッパ回路の動作が可能となる。
図24、図25は実施の形態5によるデューティの補正の経過段階の動作波形図を示したものである。図24は補正の初期、図25は補正の後期に相当するため、時系列としては、図23→図24→図25→図22の順で補正が行われる。
図24、図25において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図4において、リアクトル電流ILを図22に近づけるためには、リアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL2は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号1−D2は点線から破線に下げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子202のゲート信号のオンデューティ期間D2Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図25は図24からさらに補正制御が進んだ段階であり、図24と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
以上のように、本実施の形態5によれば、実施の形態1と同様、2つのチョッパ回路のリアクトル電流の偏差を、1つの電流検出手段を用い、出力電圧制御の演算と分流制御の演算とにより、補正するようにしたので、チョッパ回路数より少ない電流検出手段で簡単な制御手段の回路構成により、電流偏差をフィードバック制御できるようになるとともに、電流の偏差が環境等により変動しても精度よく補正することが可能になる。これにより、低コストで小型の電力変換器を提供することが可能となる。また、双方向に電力を供給する電力変換器を提供することが可能となる。
実施の形態6.
以下に、実施の形態6に係る電力変換器について図を用いて説明する。
上記実施の形態では、出力電圧をフィードバック制御する出力電圧制御により基準デューティを算出したが、本実施の形態においては、リアクトル電流をフィードバック制御する電流制御による手法を用いる。
図26は、実施の形態6に係る電力変換器の回路構成を示す図である。図26の構成は図1の構成と制御手段500の構成が異なる。以下図1と異なる点を中心に説明する。
制御手段500においては、電流制御と分流制御の2つの点で制御が行われる。
まず、電流制御について説明する。電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差であるVout_errorが出力電圧制御器501に入力される。この電圧差に基づき、出力電圧制御器501からリアクトル電流目標値IL*が出力される。出力されたリアクトル電流目標値IL*とローパスフィルタ8を介して得られたIL_senseとの差であるILv_errorが電流制御器501aに入力される。電流制御器501aでは、ILv_errorに基づきオンデューティDxを演算し、出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、リアクトル電流を用いた電流制御による基準デューティに相当する。また、電流制御による演算はフィードバック制御により行われる。
分流制御は実施の形態1と同様である。すなわち、分流偏差演算器503から出力されたIL_errorは分流制御器504に入力され、分流制御の演算によりオンデューティD’が出力される。分流制御器504から出力されたオンデューティD’は分流制御デューティリミッタ505に入力されリミッタによって決められた範囲内の値に補正されて、分流制御の演算によるスイッチング素子102のオンデューティの補正量D1’が出力される。分流偏差を用いた分流制御による演算はフィードバック制御によって行われる。
次に、電流制御の演算によるオンデューティDyと分流制御の演算によるオンデューティD’を組み合わせてスイッチング素子102のオンデューティD1とスイッチング素子202のオンデューティD2を算出する。以下の動作は、実施の形態1の出力電圧制御の演算によるオンデューティDyと分流制御の演算によるオンデューティD’を組み合わせた動作と同様である。
なお、本実施の形態では制御手段500内の出力電圧制御器501で電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分であるVout_errorを用いて、リアクトル電流目標値IL*を算出したが、予めリアクトル電流目標値IL*を設定しておけば、本実施の形態においては出力電圧制御器501はなくてもよい。
以上のように、本実施の形態6によれば、2つのチョッパ回路のリアクトル電流の偏差を、1つの電流検出手段を用い、電流制御の演算と分流制御の演算とにより、補正するようにしたので、チョッパ回路数より少ない電流検出手段で簡単な制御手段の回路構成により、電流偏差をフィードバック制御できるようになるとともに、電流の偏差が環境等により変動しても精度よく補正することが可能になる。これにより、低コストで小型の電力変換器を提供することが可能となる。
なお、実施の形態2から5においてもリアクトル電流を用いた電流制御による基準デューティを演算してもよい。
[他の変形例]
上記実施の形態では、チョッパ回路として2つあるいは3つの例を示したが、2つ以上であればよい。
上記実施の形態1から5では、ダイオード整流の非絶縁昇圧チョッパタイプであるが、同期整流、絶縁型、降圧チョッパ、昇降圧チョッパなどリアクトルで電流を平滑している変換器であれば他の回路方式であってもよい。
例えば、図27に実施の形態1の図1の変形例を示すが、2つのチョッパ回路100,200のリアクトルは磁気結合していてもよい。このときの相数(チョッパ回路の数)の数え方は、スイッチング素子と整流素子の直列回路を1相とし、チョッパ回路の相数は2つ以上あればよい。図27では、スイッチング素子とダイオードの直列回路(1相の単位)が2つあり、チョッパ回路は2相、リアクトルは1つの例である。このように、リアクトルが磁気結合の場合は、相数よりリアクトルの数は少なくなる。
上記実施の形態では、リアクトル電流の検出方法の一例を示したが、リアクトル電流の直流値が等しく分流している場合に等しい値となり、リアクトル電流の直流値が等しく分流していない場合に等しくない値になる2つのタイミングであれば、他のタイミングあっても分流制御の偏差を検出することができる。
なお、上記各実施の形態における制御手段500は、アナログ回路でも構成することが可能だが、本実施の形態ではマイコンなどのデジタル演算可能な素子を使用することも想定している。
また、制御手段500は、ハードウエアの一例を図28に示すように、プロセッサ520と記憶装置530から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ520は、記憶装置530から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ520にプログラムが入力される。また、プロセッサ520は、演算結果等のデータを記憶装置530の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
各実施の形態のチョッパ回路のスイッチング素子は、半導体スイッチング素子で構成されることが望ましい。半導体スイッチング素子であれば、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の自己消弧型半導体素子を用いることができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1:直流電源、 2:入力平滑コンデンサ、 3:出力平滑コンデンサ、 4:負荷、 5:入力電圧検出手段、 6:出力電圧検出手段、 7,7−1,7−2:電流検出手段、 8,8−1,8−2:ローパスフィルタ、 100:第1チョッパ回路、 200:第2チョッパ回路、 300:第3チョッパ回路、 101,201,301:リアクトル、 102,104,202,204,302:スイッチング素子、 103,203,303:ダイオード、 500:制御手段、 501:出力電圧制御器、 501a:電流制御器、 502:出力電圧デューティリミッタ、 503:分流偏差演算器、 504,507:分流制御器、 505,508:分流制御デューティリミッタ、 506:ゲート信号生成手段、 509:極性判定器、 520:プロセッサ、 530:記憶装置。

Claims (10)

  1. 一端が電源に接続され、並列に複数接続されたチョッパ回路と、
    前記電源と前記チョッパ回路との間に、前記チョッパ回路を流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記チョッパ回路を制御する制御手段と、を備えた電力変換器であって、
    前記チョッパ回路は直列に接続されたリアクトル、スイッチング素子及び整流素子を有し、
    前記電流検出手段は前記チョッパ回路の数より少ない数接続され、
    前記制御手段は前記電流検出手段により検出された電流値を基に、予め定められた時刻の間の電流値の差から複数の前記チョッパ回路の電流偏差を算出し、算出された前記電流偏差によって補正された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御する、電力変換器。
  2. 前記チョッパ回路から出力される電圧を検出する出力電圧検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記チョッパ回路で変換される電圧の目標電圧と前記出力電圧検出手段により検出された出力電圧との差から前記スイッチング素子を駆動する基準デューティを算出し、前記基準デューティと前記電流偏差による補正値とに基づいて算出された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御する、請求項1に記載の電力変換器。
  3. 前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された電流値と前記チョッパ回路を流れる電流の目標値との差から前記スイッチング素子を駆動する基準デューティを算出し、前記基準デューティと前記電流偏差による補正値とに基づいて算出された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御する、請求項1に記載の電力変換器。
  4. 前記制御手段において、フィードバック制御により前記電流偏差を算出する請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換器。
  5. 前記制御手段において、フィードバック制御により前記基準デューティを算出する請求項2または3に記載の電力変換器。
  6. 前記制御手段において、前記基準デューティと前記電流偏差による補正値とに基づいて算出された信号は、複数の前記チョッパ回路の前記スイッチング素子に入力されるそれぞれのゲート信号であり、前記電流偏差による補正値の合計を0とする請求項2または3に記載の電力変換器。
  7. 前記制御手段は、デジタル回路によって構成された請求項1から6のいずれか1項に記載の電力変換器。
  8. 前記電流検出手段は、前記チョッパ回路のリアクトルを流れるリアクトル電流を検出し、少なくとも1つの前記電流検出手段により検出された前記リアクトル電流は、複数のリアクトル電流の和であり
    前記制御手段は前記電流検出手段により検出されたリアクトル電流から前記チョッパ回路の電流偏差を算出する請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換器。
  9. 前記電流検出手段は、前記チョッパ回路のリアクトルを流れるリアクトル電流を検出し、前記制御手段は、前記リアクトルの直流重畳特性による変化を利用して前記チョッパ回路の電流偏差を算出する請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換器。
  10. 前記電流偏差を算出するための予め定められた時刻は、前記スイッチング素子のスイッチング周期を決めるキャリア波の山及び谷と重ならない時刻である請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換器。
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