JP6779339B1 - 電力変換器 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、実施の形態1について図を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る電力変換器の回路構成を示す図である。図1において、電力変換器は、直流電源1に並列に接続された入力平滑コンデンサ2、入力平滑コンデンサ2の正極側にリアクトル101が接続された第1チョッパ回路100、第1チョッパ回路100と並列に接続された第2チョッパ回路200、第1チョッパ回路のダイオード103のカソード端子及び第2チョッパ回路のダイオード203のカソード端子と正極側が接続された出力平滑コンデンサ3、入力平滑コンデンサ2の電圧Vinを検出する入力電圧検出手段5、出力平滑コンデンサ3の電圧Voutを検出する出力電圧検出手段6及び制御手段500を備える。制御手段500は、入力電圧検出手段5により検出されたVin_senseと、出力電圧検出手段6より検出されたVout_senseと、第1チョッパ回路100内のリアクトル101及び第2のチョッパ回路200内のリアクトル201を流れるリアクトル電流IL1,IL2の和を検出する電流検出手段7で検出され、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8を介して得られたIL_senseと、を用いて第1チョッパ回路100内のスイッチング素子102にゲート信号Vgs_Q102を、第2チョッパ回路200内のスイッチング素子202にゲート信号Vgs_Q202を出力する。出力平滑コンデンサ3に並列に接続された負荷4には変換された電圧が出力される。
リアクトル101に流れるリアクトル電流IL1とリアクトル201に流れるリアクトル電流IL2のリップル電流は、リアクトルのインダクタンス値に依存する。そのため、リアクトル101とリアクトル201が特性の等しいリアクトルであるならば、図2に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2の直流電流が等しければリップル電流は等しくなる。しかし、図3に示すようにリアクトル電流IL1の直流電流とリアクトル電流IL2の直流電流が等しくなければリップル電流は等しくなくなる。この特性を利用して、本実施の形態ではリアクトル電流IL1とリアクトル電流IL2の偏差を検出する。
まず、出力電圧制御について説明する。電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差であるVout_errorが出力電圧制御器501に入力される。出力電圧制御器501ではオンデューティDxを演算し、出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、電圧制御による基準デューティに相当する。また、出力電圧制御による演算はフィードバック制御により行われる。
図4、図5において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図4において、リアクトル電流ILを図2に近づけるためには、リアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL2は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号1−D2は点線から破線に下げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子202のゲート信号のオンデューティ期間D2Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図5は図4からさらに補正制御が進んだ段階であり、図4と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
以下に、実施の形態2に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図6は、実施の形態2に係る電力変換器の回路構成を示す図である。実施の形態1とは、本実施の形態ではチョッパ回路を3台、リアクトル電流を検出する電流検出手段を2個備える点が相違する。一方の電流検出手段7−1は第1チョッパ回路100のリアクトル101の電流IL1と第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2との和であるILAを検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−1に入力され、ローパスフィルタ8−1の出力ILA_senseが制御手段500に入力される。また、他方の電流検出手段7−2は第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2と第3チョッパ回路300のリアクトル301のリアクトル電流IL3との和であるILBを検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−2に入力され、ローパスフィルタ8−2の出力ILB_senseが制御手段500に入力される。
D1=Dy+D1’
D2=Dy―(D1’―D3’)
D3=Dy―D3’
となる。
図9、図10において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図9において、リアクトル電流の和IL1+IL2、リアクトル電流の和IL2+IL3をそれぞれ図8に近づけるためには、まずリアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL3は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号D3は点線から実線に上げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子302のゲート信号のオンデューティ期間D3Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図10は図9からさらに補正制御が進んだ段階であり、図9と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
以下に、実施の形態3に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図11は、実施の形態3に係る電力変換器の回路構成を示す図である。実施の形態2とは、2個の電流検出手段の検出するリアクトル電流が異なる。本実施の形態では、一方の電流検出手段7−1は第1チョッパ回路100のリアクトル101の電流IL1と第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2との和であるILAを検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−1に入力され、このローパスフィルタ8−1の出力ILA_senseが制御手段500に入力される。他方の電流検出手段7−2は第3チョッパ回路300のリアクトル301のリアクトル電流IL3を検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8−2に入力され、このローパスフィルタ8−2の出力ILB_senseが制御手段500に入力される。
D1=Dy+(D1’’―D3’/2)
D2=Dy+(−D1’’―D3’/2)
D3=Dy+D3’
となる。
図14、図15において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図14において、リアクトル電流の和IL1+IL2、リアクトル電流IL3の2倍をそれぞれ図12に近づけるためには、まずリアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL3は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号D3は点線から実線に上げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子302のゲート信号のオンデューティ期間D3Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図15は図14からさらに補正制御が進んだ段階であり、図14と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
以下に、実施の形態4に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図16は、実施の形態4に係る電力変換器の回路構成を示す図である。実施の形態2、3とは1個のリアクトル電流検出手段を用いる点で異なる。本実施の形態では、電流検出手段7は第1チョッパ回路100のリアクトル101の電流IL1、第2チョッパ回路200のリアクトル201のリアクトル電流IL2及び第3チョッパ回路300のリアクトル301のリアクトル電流IL3の和であるIL(=IL1+IL2+IL3)を検出し、リアクトル電流検出手段用のローパスフィルタ8に入力される。そして、このローパスフィルタ8の出力IL_senseは制御手段500に入力される。
D1=Dy+D1’
D2=Dy+(−D1’+D3’)
D3=Dy―D3’
となる。
図19、図20において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図19において、リアクトル電流の和IL1+IL2+IL3を図17に近づけるためには、まずリアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL3は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号D3は点線から実線に上げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子302のゲート信号のオンデューティ期間D3Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図20は図19からさらに補正制御が進んだ段階であり、図19と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
以下に、実施の形態5に係る電力変換器について図を用いて説明する。
図21は、実施の形態5に係る電力変換器の回路構成を示す図である。図21の構成は、実施の形態1の図1の構成において、第1チョッパ回路100のダイオード103をスイッチング素子104に、第2チョッパ回路200のダイオード203をスイッチング素子204に置き換えた構成に相当する。スイッチング素子104はスイッチング素子102と、スイッチング素子204はスイッチング素子202と相補にスイッチングする同期整流素子となっている。
出力電圧制御は力行動作及び回生動作において、実施の形態1と同様である。電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差であるVout_errorが出力電圧制御器501に入力される。出力電圧制御器501ではオンデューティDxを演算し、出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、電圧制御による基準デューティに相当する。また、出力電圧制御による演算はフィードバック制御により行われる。
以上により、力行動作時及び回生動作時ともにリアクトル電流のアンバランスが補正されたチョッパ回路の動作が可能となる。
図24、図25において、リアクトル電流、ゲート信号、オンデューティ信号のそれぞれにこの補正前の信号として点線の波形を示している。補正が経過した初期段階である図4において、リアクトル電流ILを図22に近づけるためには、リアクトル電流IL1は点線から破線の波形のように補正し、リアクトル電流IL2は点線から一点鎖線の波形のように補正する。そのため、オンデューティ信号D1は点線から実線に下げ、オンデューティ信号1−D2は点線から破線に下げるよう上述のフィードバック制御が行われる。それぞれのオンデューティ信号が調整されると、スイッチング素子102のゲート信号のオンデューティ期間D1Tswが小さくなり、スイッチング素子202のゲート信号のオンデューティ期間D2Tswは大きくなるように制御される。その結果、リアクトル電流は補正前の点線からそれぞれ調整された出力波形を示すことになる。図25は図24からさらに補正制御が進んだ段階であり、図24と同様に各信号は補正前の点線の信号波形から補正される。
このように、オンデューティ信号をフィードバック制御により補正することにより、スイッチング素子を駆動するオンデューティ期間が調整され、リアクトル電流の偏差を調整することが可能となる。
以下に、実施の形態6に係る電力変換器について図を用いて説明する。
上記実施の形態では、出力電圧をフィードバック制御する出力電圧制御により基準デューティを算出したが、本実施の形態においては、リアクトル電流をフィードバック制御する電流制御による手法を用いる。
図26は、実施の形態6に係る電力変換器の回路構成を示す図である。図26の構成は図1の構成と制御手段500の構成が異なる。以下図1と異なる点を中心に説明する。
まず、電流制御について説明する。電力変換器の出力であるVoutの目標値Vout*とVout_senseとが差分器に入力され、その差であるVout_errorが出力電圧制御器501に入力される。この電圧差に基づき、出力電圧制御器501からリアクトル電流目標値IL*が出力される。出力されたリアクトル電流目標値IL*とローパスフィルタ8を介して得られたIL_senseとの差であるILv_errorが電流制御器501aに入力される。電流制御器501aでは、ILv_errorに基づきオンデューティDxを演算し、出力する。出力されたオンデューティDxは出力電圧デューティリミッタ502に入力され、リミッタによって決められた範囲内の値に補正され、オンデューティDyが出力される。このオンデューティDyは、リアクトル電流を用いた電流制御による基準デューティに相当する。また、電流制御による演算はフィードバック制御により行われる。
なお、実施の形態2から5においてもリアクトル電流を用いた電流制御による基準デューティを演算してもよい。
上記実施の形態では、チョッパ回路として2つあるいは3つの例を示したが、2つ以上であればよい。
また、制御手段500は、ハードウエアの一例を図28に示すように、プロセッサ520と記憶装置530から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ520は、記憶装置530から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ520にプログラムが入力される。また、プロセッサ520は、演算結果等のデータを記憶装置530の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
Claims (10)
- 一端が電源に接続され、並列に複数接続されたチョッパ回路と、
前記電源と前記チョッパ回路との間に、前記チョッパ回路を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記チョッパ回路を制御する制御手段と、を備えた電力変換器であって、
前記チョッパ回路は直列に接続されたリアクトル、スイッチング素子及び整流素子を有し、
前記電流検出手段は前記チョッパ回路の数より少ない数接続され、
前記制御手段は前記電流検出手段により検出された電流値を基に、予め定められた時刻の間の電流値の差から複数の前記チョッパ回路の電流偏差を算出し、算出された前記電流偏差によって補正された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御する、電力変換器。 - 前記チョッパ回路から出力される電圧を検出する出力電圧検出手段を備え、
前記制御手段は、前記チョッパ回路で変換される電圧の目標電圧と前記出力電圧検出手段により検出された出力電圧との差から前記スイッチング素子を駆動する基準デューティを算出し、前記基準デューティと前記電流偏差による補正値とに基づいて算出された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御する、請求項1に記載の電力変換器。 - 前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された電流値と前記チョッパ回路を流れる電流の目標値との差から前記スイッチング素子を駆動する基準デューティを算出し、前記基準デューティと前記電流偏差による補正値とに基づいて算出された信号により、前記各チョッパ回路のスイッチング素子の駆動を制御する、請求項1に記載の電力変換器。
- 前記制御手段において、フィードバック制御により前記電流偏差を算出する請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換器。
- 前記制御手段において、フィードバック制御により前記基準デューティを算出する請求項2または3に記載の電力変換器。
- 前記制御手段において、前記基準デューティと前記電流偏差による補正値とに基づいて算出された信号は、複数の前記チョッパ回路の前記スイッチング素子に入力されるそれぞれのゲート信号であり、前記電流偏差による補正値の合計を0とする請求項2または3に記載の電力変換器。
- 前記制御手段は、デジタル回路によって構成された請求項1から6のいずれか1項に記載の電力変換器。
- 前記電流検出手段は、前記チョッパ回路のリアクトルを流れるリアクトル電流を検出し、少なくとも1つの前記電流検出手段により検出された前記リアクトル電流は、複数のリアクトル電流の和であり、
前記制御手段は前記電流検出手段により検出されたリアクトル電流から前記チョッパ回路の電流偏差を算出する請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換器。 - 前記電流検出手段は、前記チョッパ回路のリアクトルを流れるリアクトル電流を検出し、前記制御手段は、前記リアクトルの直流重畳特性による変化を利用して前記チョッパ回路の電流偏差を算出する請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換器。
- 前記電流偏差を算出するための予め定められた時刻は、前記スイッチング素子のスイッチング周期を決めるキャリア波の山及び谷と重ならない時刻である請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換器。
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