JP6772448B2 - 導電性樹脂組成物、配線、配線基板および電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性樹脂組成物、配線、配線基板および電子装置に関する。
近年、人間の身体等に着用可能なウェアラブルデバイスの開発が盛んになされており、これに関連して、伸縮性を有する配線あるいは配線基板の開発が活発的になされている。
これに関連して、特許文献1あるいは特許文献2に記載の技術が知られている。特許文献1には、伸縮性配線板として、第1のエラストマーからなる伸縮性基材と、導電性フィラー及び第2のエラストマーを含む伸縮性配線とを備えつつ、これら伸縮性基材と、伸縮性配線との間に伸縮性密着層が形成された配線板が開示されている。また、特許文献1の記載によれば、係る構成を採用することにより、伸縮性配線板としての優れた信頼性を発現することが示されている。
また、特許文献2には、エラストマーと、該エラストマー中に充填されている導電材と、を有する導電層と、該導電層を被覆するように配置されているエラストマー製の保護層と、を備えてなる導電膜が開示されている。特許文献2の記載によれば、係る導電膜は、伸長されても電気抵抗が増加しにくく、また、破断するおそれも少ないことが示されている。
特開2014−151617号公報 特開2010−153821号公報
特許文献1および特許文献2に開示された技術は、伸縮性と導電性とを有する樹脂材料を、他の材料と接するように配置することにより、配線基板全体としての耐久性を向上させているものといえる。
しかしながら、昨今のウェアラブルデバイス市場としては、装置全体をさらに小型化する要求が高まってきていることもあり、配線基板全体としての材料の種類を増加させ、その構造を複雑化することについての制約がある。すなわち、このような技術的背景から、導電性樹脂組成物の硬化物そのものとしての耐久性を向上させることの要求がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、硬化物としての耐久性に優れた導電性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らが鋭意検討したところ、導電性樹脂組成物の硬化物について、特定の伸長解放試験を行った際、抵抗値の挙動がある条件を満足することにより、飛躍的に導電性樹脂組成物の硬化物としての耐久性を発現できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、
伸縮性および導電性を有する樹脂材料を形成するために用いる、(A)エラストマーと、(B)金属粉とを含む導電性樹脂組成物であって、
(C)シリカ粒子を含み、前記(C)シリカ粒子の比表面積が10m/g〜400m/gであり、
前記(C)シリカ粒子の含有量が、当該導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、2質量%以上10質量%以下であり、
溶媒を含み、
以下に示される試験を100回行ったときに、
6回目から10回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop10が、1回目から5回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop5の2倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物が提供される。
(試験)
長さ5cm×幅2cm×高さ500μmの寸法であり、硬度30のシリコーンゴムからなる基板に、長さ30mm×幅500μm×高さ50μmの前記導電性樹脂組成物の硬化物で構成される配線パターンを、前記基板の長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点と前記配線パターンの長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点が重なるように形成し、試験片とする。
この試験片に対し、抵抗を測定しながら長さ方向に3秒で20%伸長させ、10秒間保持し、3秒で当該伸長を解放し、10秒間保持する。
また、本発明によれば、上記の導電性樹脂組成物の硬化物により構成される配線が提供される。
また、本発明によれば、上記の配線と、基板と、を備える配線基板が提供される。
また、本発明によれば、上記の配線基板を備える電子装置が提供される。
本発明によれば、硬化物としての耐久性に優れた導電性樹脂組成物を提供することができる。このような導電性樹脂組成物の硬化物は伸縮解放時の耐性に優れ、繰り返して伸縮されるデバイスの用途に好ましく用いることができる。
本実施形態における電子装置の概略を示す断面図である。 実施例1の導電性樹脂組成物を用いた試験片について抵抗値測定を行った結果を示すチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、本明細書中において、「〜」は特に断りがなければ以上から以下を表す。
[導電性樹脂組成物]
まず、本実施形態における導電性樹脂組成物の概要について説明する。すなわち、本実施形態の導電性樹脂組成物は以下に示されるものである。
(A)エラストマーと、(B)金属粉とを含む導電性樹脂組成物であって、
以下に示される試験を100回行ったときに、
6回目から10回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop10が、1回目から5回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop5の2倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物。
(試験)
長さ5cm×幅2cm×高さ500μmの寸法であり、硬度30のシリコーンゴムからなる基板に、長さ30mm×幅500μm×高さ50μmの前記導電性樹脂組成物の硬化物で構成される配線パターンを、前記基板の長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点と前記配線パターンの長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点が重なるように形成し、試験片とする。
この試験片に対し、抵抗を測定しながら長さ方向に3秒で20%伸長させ、10秒間保持し、3秒で当該伸長を解放し、10秒間保持する。
すなわち、本実施形態の導電性樹脂組成物は、特定の寸法の試験片を作製し、伸長・解放試験を繰り返したときに、特定の条件を満足するものである。本発明者らは、このように硬化物が特定の条件を満足することにより、この硬化物が繰り返して伸縮される配線の用途としても十分に耐えうることを見出した。
すなわち、上記試験においては、試験片の長さ方向に3秒で20%伸長させ、また、3秒でこの伸長を解放する試験を繰り返して行うものであるが、この伸長の開始時と解放の開始時においては、試験片の抵抗が一時的に急激に増加する。本実施形態においては、この抵抗が急激に増加した際におけるピークトップに着目し、試験序盤(すなわち、1回目から5回目)の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop5が、試験開始段階から一定期間経過した段階(すなわち、6回目から10回目)の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop10と近い値となるように制御するものであり、これにより、導電性樹脂組成物の硬化物としての耐久性を発現できることを見出したものである。
また、本実施形態の導電性樹脂組成物の態様としては、少なくともこの試験を100回繰り返しても、試験片に備えられた配線パターンが破断しないことが特徴として挙げられる。
なお、このような試験において、抵抗値の測定は(株)エーディーシー社製直流電圧・電源流/モニタ(6241A)を用いて行うことができる。
また、基板として用いられるシリコーンゴムとしては、JIS K6253に規定するタイプAデュロメーターにより測定される25℃における硬度として「30」のものが使用される。
また、かかる試験を行うに際しての硬化条件としては、導電性樹脂組成物を170℃の条件に60分付す硬化条件を採用することができる。
本実施形態において、このRtop10は、Rtop5の2倍以下に設定されるが、好ましくは1.8倍以下であり、より好ましくは1.5倍以下である。Rtop5に対するRtop10の倍率の上限値をこのように設定することで、繰り返し伸縮にも耐えうる硬化物が達成される。
なお、このRtop5に対するRtop10の倍率の下限値は特に制限されるものではないが、たとえば、1.05倍以上である。
また、このRtop10の値は、用いる金属粉やエラストマーの種類等に応じ適宜設定することができるが、たとえば1.2Ω以上とすることもでき、0.12Ω以上とすることもでき、また、0.012Ω以上とすることもできる。
また、このRtop10の値は、たとえば750Ω以下であり、より好ましくは700Ω以下であり、さらに好ましくは600Ω以下である。
また、Rtop5の値についても、適宜設定することができるが、たとえば1.2Ω以上とすることもでき、0.12Ω以上とすることもでき、また、0.012Ω以上とすることもできる。
また、このRtop5の値は、たとえば700Ω以下であり、より好ましくは650Ω以下であり、さらに好ましくは600Ω以下である。
また、本実施形態の導電性樹脂組成物は、同様の試験を行った際に、以下の特性を満たすことが好ましい。
すなわち、本実施形態の導電性樹脂組成物は、前記試験を100回行ったときに、50回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre50が、5回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre5の5倍以下となることが好ましい。
上記の試験においては、伸長または解放を開始する段階においては、一時的に抵抗値が急激に増加するが、この伸長または解放を行って一定時間が経過すると、ある一定の値に収束することとなる。本明細書においては、この収束した段階における抵抗値について「伸長の終了時における抵抗値」あるいは「伸長解放の終了時における抵抗値」と呼ぶこととする。
本実施形態において、試験片が「50回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre50が、5回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre5の5倍以下となる」という条件を満足することにより、一段と硬化物としての耐久性に優れた導電性樹脂組成物が達成できる。
本実施形態において、このRre50は、Rre5の5倍以下であることが好ましいが、より好ましくは4倍以下であり、さらに好ましくは3倍以下であり、とくに好ましくは2倍以下である。
re5に対するRre50の倍率の上限値をこのように設定することで、一段と繰り返し伸縮にも耐えうる硬化物が達成される。
なお、このRre5に対するRre50の倍率の下限値は特に制限されるものではないが、たとえば、1.05倍以上である。
また、このRre50の値は、用いる金属粉やエラストマーの種類等に応じ適宜設定することができるが、たとえば12Ω以上とすることもでき、1.2Ω以上とすることもでき、また、0.12Ω以上とすることもできる。
また、このRre50の値は、たとえば800Ω以下であり、より好ましくは750Ω以下であり、さらに好ましくは700Ω以下である。
また、Rre5の値についても、適宜設定することができるが、たとえば1.2Ω以上とすることもでき、0.12Ω以上とすることもでき、また、0.012Ω以上とすることもできる。
また、このRre5の値は、たとえば600Ω以下であり、より好ましくは500Ω以下であり、さらに好ましくは400Ω以下である。
また、本実施形態の導電性樹脂組成物は、上述の試験を行った際に、以下の特性を満たすことが好ましい。
すなわち、本実施形態の導電性樹脂組成物は、前記試験を100回行ったときに、100回目の伸長の終了時における抵抗値Rex100が、100回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre100の4倍以下となることが好ましい。
本実施形態においては、Rex100が、Rre100の一定倍率以下であることにより、繰り返し使用後であっても、所望の電気抵抗を保持できるため、電子装置等の寿命を延ばすことができる。
本実施形態において、このRex100は、Rre100の4倍以下であることが好ましいが、より好ましくは3倍以下であり、さらに好ましくは2倍以下である。Rre100に対するRex100の倍率の上限値をこのように設定することで、一段と電子装置等の寿命の延長に資する硬化物が達成される。
なお、このRre100に対するRex100の倍率の下限値は特に制限されるものではないが、たとえば、0.2倍以上である。導電性樹脂組成物の組成によっては、Rre100よりもRex100の方が低い値を取りうる。これは伸長によって配線が幅方向や厚さ方向に圧縮されることにより、分散した金属粉同士が接触し、結果的に導電性が向上するような分散状態を取りうるためである。
また、このRex100の値は、用いる金属粉やエラストマーの種類等に応じ適宜設定することができるが、たとえば24Ω以上とすることもでき、2.4Ω以上とすることもでき、また、0.24Ω以上とすることもできる。
また、このRex100の値は、たとえば950Ω以下であり、より好ましくは900Ω以下であり、さらに好ましくは800Ω以下である。
また、このRre100の値は、用いる金属粉やエラストマーの種類等に応じ適宜設定することができるが、たとえば12Ω以上とすることもでき、1.2Ω以上とすることもでき、また、0.12Ω以上とすることもできる。
また、このRre100の値は、たとえば850Ω以下であり、より好ましくは800Ω以下であり、さらに好ましくは700Ω以下である。
なお、上記の各条件における数値は、たとえば導電性樹脂組成物に含まれる各成分の種類や配合割合、および導電性樹脂組成物の調製方法等を適切に調整することによって、それぞれ所望の値に制御することが可能である。
本実施形態においては、たとえば、エラストマーとしてシリコーンゴムを用いることが上記各条件における数値を制御する上では好ましい態様であり、また、ビニル基の含有量の異なる複数種のビニル基含有オルガノポリシロキサンを含ませることが、これらの数値範囲を所望の範囲内に制御する観点から、とりわけ好ましい態様の一例として選択され得る。
続いて、本実施形態の導電性樹脂組成物を構成する各組成について説明する。
((A)エラストマー)
本実施形態の導電性樹脂組成物は(A)エラストマーを含む。これにより、導電性樹脂組成物を硬化物とした際も、適度な伸縮性を発現することができる。
この(A)エラストマーとしては、公知のものを採用することができ、たとえばシリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム等を用いることができる。
これらの中でも、化学的に安定であり、また、機械的強度にも優れる観点からシリコーンゴムを含むことが好ましい。
以下、(A)エラストマーとしてシリコーンゴムを用いる場合を例に挙げて説明を続ける。
シリコーンゴムとしては、たとえば、分子内にシロキサン構造を有するものが用いられる。
本実施形態においては、このようなシリコーンゴムの中でも、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)との混合物から得られるシリコーンゴムが好ましく用いられる。
<ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)>
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
このビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、0.01〜15モル%であるのが好ましく、0.05〜12モル%であるのがより好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)中におけるビニル基の量が最適化され、各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。
なお、本明細書中において、ビニル基の含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基が1つであるものとして算出を行う。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)の重合度は、特に限定されないが、好ましくは3000〜10000、より好ましくは4000〜8000の範囲内である。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)の比重は、特に限定されないが、0.9〜1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られる導電性樹脂組成物の耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)としては、特に、下記式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 0006772448
式(1)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
さらに、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは1〜1000の整数、nは3000〜10000の整数である。mは、好ましくは40〜700であり、nは、好ましくは3600〜8000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)のより具体的構造としては、例えば下記式(1−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006772448
式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくともこれらのうち一つがビニル基である。
さらに、以上のようなビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)としては、ビニル基含有量が0.05〜0.2モル%である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))と、ビニル基含有量が0.5〜12モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))とを含有するものであるのが好ましい。(A)エラストマーとして、一般的なビニル基含有量を有する第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))と、ビニル基含有量が高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))とを組み合わせることで、ビニル基を偏在化させることができ、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的にシリコーンゴムの引裂き強度を高めることができる。また、これにより、導電性樹脂組成物の硬化物としての耐久性を飛躍的に向上させることができる。
具体的には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)として、例えば、上記式(1−1)において、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.05〜0.2モル%含む第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))と、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.5〜12モル%含む第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))とを用いるのが好ましい。
また、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))は、ビニル基含有量が0.1〜0.15モル%であるのが好ましい。また、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))は、ビニル基含有量が、0.8〜8.0モル%であるのが好ましい。
さらに、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))と第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))とを組み合わせて配合する場合、(A−1(a))と(A−1(b))の比率は特に限定されないが、通常、質量比で(A−1(a)):(A−1(b))が1:0.05〜1:0.6であるのが好ましく、1:0.08〜1:0.5であるのがより好ましい。
なお、第1および第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))および(A−1(b))は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)>
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))とに分類され、本実施形態では、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))だけでもよいし、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))だけでもよいし、これらの直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))の双方を含んでもよい。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)のビニル基の他、導電性樹脂組成物に配合される成分が有する反応性基に作用し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))の重量平均分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))は、ビニル基を有しないものであることが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 0006772448
式(2)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))を構成する繰り返し単位の数であり、mは2〜500の整数、nは2〜400の整数であり、20≦m+n≦500である。好ましくは、mは2〜300、nは2〜200で、40≦m+n≦300の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)のビニル基の他、導電性樹脂組成物に配合される各成分の反応性基に作用し、これらの成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))の比重は、0.9〜0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))としては、下記平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3−aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)。
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1〜3の範囲の整数であり、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))では1.8〜2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))では0.8〜1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))の具体例としては、下記式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 0006772448
式(3)中、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。ただし、本実施形態において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))の合計のヒドリド基量が、0.5〜5モルとなる量が好ましく、1〜3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))とでは、通常、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))が主剤として含有され、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))は、上述したように、シリコーンゴムにさらに架橋密度が高い領域を形成させる場合に添加される。したがって、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))とを組み合わせて配合する場合、(A−2(a))と(A−2(b))の比率は、重量比で(A−2(a)):(A−2(b))が好ましくは1:0.1〜1:1に、より好ましくは1:0.2〜1:0.5に設定される。
本実施形態において、導電性樹脂組成物中における(A)エラストマーの含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。また、導電性樹脂組成物中における(A)エラストマーの含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
(A)エラストマーの含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が適度な柔軟性を持つことができる。また、(A)エラストマーの含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物の機械的強度の向上を図ることができる。
なお、本明細書中において、「固形分」とは、水や有機溶媒等の揮発性成分を除去した成分全体を指し、たとえば常温で液体を呈していたとしても、揮発の起こらない成分については、固形分であるものとして合算する。
以下、各成分についても同様である。
((B)金属粉)
本実施形態の導電性樹脂組成物は、(B)金属粉を含む。
この(B)金属粉を構成する金属は特に限定はされないが、例えば、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらを合金化した金属粉のうち少なくとも一種類、あるいは、これらのうちの二種以上を含むことができる。
これらのうち、(B)金属粉としては、導電性の高さや入手容易性の高さから、銀または銅を含むこと、すなわち、銀粉または銅粉を含むことが好ましい。
なお、これらの(B)金属粉は他種金属でコートしたものも使用できる。
本実施形態において、(B)金属粉の形状には制限がないが、樹枝状、球状、リン片状等の従来から用いられているものが使用できる。
また、(B)金属粉の粒径も制限されないが、たとえば平均粒径D50で0.001μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.01μm以上である、さらに好ましくは0.1μm以上である。(B)金属粉の粒径は、たとえば平均粒径D50で1,000μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。
平均粒径D50をこのような範囲に設定することで、導電性樹脂組成物の硬化物として適度な導電性を発揮することができる。
なお、(B)金属粉の粒径は、たとえば、導電性樹脂組成物あるいはこの硬化物について透過型電子顕微鏡等で観察の上、画像解析を行い、任意に選んだ金属粉200個の平均値として定義することができる。
本実施形態において、導電性樹脂組成物中における(B)金属粉の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。また、導電性樹脂組成物中における(B)金属粉の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、90質量%以下であることが好ましく、88質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。
(B)金属粉の含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が適度な導電特性を持つことができる。また、(B)金属粉の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物が適度な柔軟性を持つことができる。
((C)シリカ粒子)
本実施形態の導電性樹脂組成物は、必要に応じ、(C)シリカ粒子を含んでいてもよい。この(C)シリカ粒子を含ませることにより、導電性樹脂組成物から形成される硬化物の硬さや機械的強度の向上を図ることができる。
この(C)シリカ粒子は、比表面積が10〜400m/gであることが好ましく、20〜400m/gであることがより好ましい。また、その平均粒径D50が1〜100nmであることが好ましく、5〜20nmであることがより好ましい。
(C)シリカ粒子として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、上述した(C)シリカ粒子としての機能を顕著に発揮させることができる。
なお、(C)シリカ粒子の粒径は、たとえば、導電性樹脂組成物あるいはこの硬化物について透過型電子顕微鏡等で観察の上、画像解析を行い、任意に選んだシリカ粒子200個の平均値として定義することができる。
(C)シリカ粒子としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等を用いることができる。
なお、(C)シリカ粒子は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、導電性樹脂組成物中における(C)シリカ粒子の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、4質量%以上であることがさらに好ましい。また、導電性樹脂組成物中における(C)シリカ粒子の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
(C)シリカ粒子の含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が適度な機械的強度を持つことができる。また、(C)シリカ粒子の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物が適度な導電特性を持つことができる。
((D)シランカップリング剤)
本実施形態の導電性樹脂組成物は、(D)シランカップリング剤を含んでいてもよい。この(D)シランカップリング剤は、加水分解性基を有するものであり、この加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基が(C)シリカ粒子表面の水酸基と脱水縮合反応することで、(C)シリカ粒子の表面改質を行うことができる。
その他、(C)シリカ粒子が存在しない場合であっても、導電性樹脂組成物の硬化物から構成される配線と、この配線が描かれる基板との密着性を向上させるという効果を発揮することができる。
また、この(D)シランカップリング剤は、疎水性基を有するものを用いることができる。これにより、(C)シリカ粒子の表面にこの疎水性基が付与されるため、導電性樹脂組成物中において、(C)シリカ粒子の凝集力が低下し、その結果、該組成物中のシリカ粒子の分散性が向上する。これにより、導電性樹脂組成物の硬化物の機械的強度がいっそう向上する。
さらに、(D)シランカップリング剤は、ビニル基を有しているのが好ましい。これにより、(C)シリカ粒子を用いる場合にあっては、その表面にビニル基が導入される。
これにより、たとえば、(A)エラストマーとして、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)が含まれる場合、以下のような効果が奏される。
すなわち、導電性樹脂組成物の硬化の際、すなわち、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、(C)シリカ粒子が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中に(C)シリカ粒子も取り込まれるようになる。これにより、形成される硬化物の高硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
このようなシランカップリング剤(D)としては、例えば、下記式(4)で表わされるものが挙げられる。
−Si−(OR)4−n・・・(4)
上記式(4)中、nは1〜3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。ORは、加水分解性基を表わす。
疎水性基は、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、特に、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、特に、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、(D)シランカップリング剤に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられる。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Yn−Si−)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表される(D)シランカップリング剤の具体例は、例えば、官能基として疎水性基を有するものとして、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられ、官能基としてビニル基を有するものとして、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン; ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられるが、中でも、上記記載を考慮すると、特に、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンであるのが好ましい。
本実施形態において、導電性樹脂組成物中における(D)シランカップリング剤の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、導電性樹脂組成物中における(D)シランカップリング剤の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
(D)シランカップリング剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が基板との適度な密着性を持ち、また、(C)シリカ粒子を用いる場合においては、硬化物全体としての機械的強度の向上に資することができる。また、(D)シランカップリング剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物が適度な導電特性を持つことができる。
((E)白金または白金化合物)
本実施形態の導電性樹脂組成物は、(E)白金または白金化合物を含むことができる。
(E)白金または白金化合物は、本実施形態の導電性樹脂組成物硬化の際の触媒として作用する成分である。
(E)白金または白金化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。
なお、(E)白金または白金化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、導電性樹脂組成物中における(E)白金または白金化合物の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、0.0005質量%以上であることが好ましく、0.001質量%以上であることがより好ましく、0.003質量%以上であることがさらに好ましい。また、導電性樹脂組成物中における(E)白金または白金化合物の含有量は、導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
(E)白金または白金化合物の含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、(E)白金または白金化合物の含有量を上記上限値以下とすることにより、導電性樹脂組成物を作製する際のコストの削減に資することができる。
((F)水)
また、本実施形態の導電性組成物には、(F)水が含まれていてもよい。
これにより、先述の(D)シランカップリング剤が加水分解を起こし、所望の効能を発現しやすくなる。
なお、この(F)水の添加量は任意である。
(その他の成分)
さらに、本実施形態の導電性樹脂組成物は、上記(A)〜(F)成分の他、樹脂組成物に配合される公知の成分を含有していてもよい。例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等が挙げられる。その他、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
また、後述するように、導電性樹脂組成物の硬化性を制御する観点から、適宜反応阻害剤を加えることもできる。
(導電性樹脂組成物の製造方法)
続いて、本実施形態に係る導電性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態の導電性樹脂組成物は、たとえば、以下に示すような工程を経ることにより製造することができる。
[1]まず、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)と、(C)シリカ粒子と、(D)シランカップリング剤とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置により、混練することで、これら各成分を含有する混練物を得る。
なお、この混練物は、予めビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)と(D)シランカップリング剤とを混練し、その後、(C)シリカ粒子を混練(混合)して得るのが好ましい。これにより、(C)シリカ粒子の分散性がより向上する。
また、この混練物を得る際には、(F)水を必要に応じて、各成分に添加するようにしてもよい。
ここで、各成分の混練は、第1温度で加熱する第1ステップと、第2温度で加熱する第2ステップとを経るようにするのが好ましい。これにより、第1ステップにおいて、(C)シリカ粒子の表面を(D)シランカップリング剤で表面処理することができるとともに、第2ステップにおいて、(C)シリカ粒子と(D)シランカップリング剤との反応で生成した副生成物を混練物中から確実に除去することができる。
第1温度は、40〜120℃程度であるのが好ましく、60〜90℃程度であるのがより好ましい。第2温度は、130〜210℃程度であるのが好ましく、160〜180℃程度であるのがより好ましい。
また、第1ステップにおける雰囲気は、窒素雰囲気下のような不活性雰囲気下であるのが好ましく、第2ステップにおける雰囲気は、減圧雰囲気下であるのが好ましい。
さらに、第1ステップの時間は、0.3〜1.5時間程度であるのが好ましく、0.5〜1.2時間程度であるのがより好ましい。第2ステップの時間は、0.7〜3.0時間程度であるのが好ましく、1.0〜2.0時間程度であるのがより好ましい。
第1ステップおよび第2ステップを、上記のような条件とすることで、前記効果をより顕著に得ることができる。
[2]次に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)と、(E)白金または白金化合物とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置を用いて、前記工程[1]で調製した混練物に、これら成分を混練することで、エラストマー配合物を得る。
なお、この各成分の混練の際には、予め前記工程[1]で調製した混練物とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)とを、前記工程[1]で調製した混練物と(E)白金または白金化合物とを混練し、その後、それぞれの混練物を混練するのが好ましい。これにより、各成分を確実に分散させることができる。
この工程[2]において、混練する際の温度は、ロール設定温度として、10〜70℃程度であるのが好ましく、25〜30℃程度であるのがより好ましい。
さらに、混練する時間は、5分〜1時間程度であるのが好ましく、10〜40分程度であるのがより好ましい。
なお、各工程[1]、[2]において使用される混練装置としては、特に限定されないが、例えば、ニーダー、2本ロール、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、加圧ニーダー等を用いることができる。
また、本工程[2]において、混練物中に1−エチニル−1−シクロヘキサノールのような反応抑制剤を添加するようにしてもよい。これにより、混練物の温度が比較的高い温度に設定されたとしても、各成分の反応の進行をより的確に防止または抑制することができる。
[3]次に、工程[2]で得られたエラストマー配合物を溶媒に溶かし、(B)金属粉を加えることで、導電性樹脂組成物を得ることができる。
ここで用いられる溶媒は、上記の配合物を均一に溶解ないし分散させることのできる溶媒の中から適宜選択すればよい。
具体的な溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロアルカン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを例示することができる。
溶媒は、これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上の溶媒を任意の比率で混合して用いても良い。
[用途]
続いて、本実施形態の導電性樹脂組成物の具体的な用途について、図1を示しながら説明する。
本実施形態の導電性樹脂組成物は硬化させ、硬化物とすることにより配線を構成することができる。
図1には、係る配線を備えた電子装置100の概略を断面図として図示している。
ここで、図1は、電子装置100の一部分を示している。電子装置100は配線基板50と電子部品60とを備えるものであり、この配線基板50は、基板20上に配線10を備えることにより構成される。
係る電子装置100は、たとえばウェアラブルデバイスとして用いられるものであり、各方向に繰り返し伸縮される装置となる。
本実施形態の電子装置100を構成する配線10は上記の導電性樹脂組成物の硬化物により構成される。ここでの硬化条件は用いる導電性樹脂組成物に応じて適宜設定することができるが、たとえば150℃以上250℃以下の温度条件に、1分以上120分以下付すことにより硬化することができる。
このとき、適宜加圧条件を組み合わせることができる。
本実施形態における配線10は、特定の寸法の試験片を作製し、伸長・解放試験を繰り返したときに、特定の条件を満足する導電性樹脂組成物の硬化物により構成される。このことから、電子装置100は、長期にわたって変形させつつ使用した場合にも耐えうるものとなる。
また、本実施形態の電子装置100を構成する基板20は、通常、柔軟性を有する材料により構成される。
この材料としては、前述の(A)エラストマーと同様のものを採用することができる。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム等を用いることができ、用途等に応じ、この材料を適宜選択することができる。
また、本実施形態の電子装置100は電子部品60を備える。
この電子部品60は、用途に応じ、公知の部品の中から適宜選択すればよい。具体的には、半導体素子、及び半導体素子以外の抵抗やコンデンサ等を挙げることができる。半導体素子としては、たとえば、トランジスタや、ダイオード、LED、コンデンサ等を挙げることができる。
本実施形態の電子装置100において、この電子装置60は配線10により導通が図られている。
また、本実施形態の電子装置100は、必要に応じ、カバー材30が備えられていてもよい。このカバー材30を備えることにより、配線10、電子部品60が損傷されることを防ぐことができる。
また、このカバー材30が基板20や配線10の伸縮に追従することから、電子装置100全体として、偏りなく伸縮を行うことができ、この電子装置100の長寿命化にも資することができる。
なお、このカバー材30は、基板20と同様の材料により構成することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、参考形態の例を付記する。
1. (A)エラストマーと、(B)金属粉とを含む導電性樹脂組成物であって、
以下に示される試験を100回行ったときに、
6回目から10回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値R top10 が、1回目から5回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値R top5 の2倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物。
(試験)
長さ5cm×幅2cm×高さ500μmの寸法であり、硬度30のシリコーンゴムからなる基板に、長さ30mm×幅500μm×高さ50μmの前記導電性樹脂組成物の硬化物で構成される配線パターンを、前記基板の長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点と前記配線パターンの長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点が重なるように形成し、試験片とする。
この試験片に対し、抵抗を測定しながら長さ方向に3秒で20%伸長させ、10秒間保持し、3秒で当該伸長を解放し、10秒間保持する。
2. 1.に記載の導電性樹脂組成物であって、
前記試験を100回行ったときに、
50回目の伸長解放の終了時における抵抗値R re50 が、5回目の伸長解放の終了時における抵抗値R re5 の5倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物。
3. 1.または2.に記載の導電性樹脂組成物であって、
前記試験を100回行ったときに、
100回目の伸長の終了時における抵抗値R ex100 が、100回目の伸長解放の終了時における抵抗値R re100 の4倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物。
4. 1.ないし3.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物であって、
前記(A)エラストマーはシリコーンゴムを含む、導電性樹脂組成物。
5. 1.ないし4.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物であって、
前記(A)エラストマーは、(A−1)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンと、(A−2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、を含む導電性樹脂組成物。
6. 1.ないし5.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物であって、
前記(B)金属粉は銀粉または銅粉を含む、導電性樹脂組成物。
7. 1.ないし6.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物であって、
前記導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、前記(B)金属粉を60質量%以上90質量%以下含む、導電性樹脂組成物。
8. 1.ないし7.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物であって、
さらに(C)シリカ粒子を含む、導電性樹脂組成物。
9. 1.ないし8.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物であって、
さらに(D)シランカップリング剤を含む、導電性樹脂組成物。
10. 1.ないし9.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物であって、
さらに(E)白金または白金化合物を含む、導電性樹脂組成物。
11. 1.ないし10.のいずれか一つに記載の導電性樹脂組成物の硬化物により構成される配線。
12. 11.に記載の配線と、基板と、を備える配線基板。
13. 12.に記載の配線基板を備える電子装置。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例において用いた材料は以下の通りである。
(1)第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a)):下記式にしたがって合成された、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを使用した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン0.086g(0.25mmol)およびカリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))を得た(ビニル基含有量0.13モル%、Mn=277,734、Mw=573,906、IV値(dl/g)=0.89)。
Figure 0006772448
(2)第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b)):上記(A−1(a))の合成において、2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンを、0.86g(2.5mmol)用いたこと以外上記と同様に(A−1(b))を合成した(ビニル基含有量0.92モル%)。
(3)直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a)):以下の式(5)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「88466」、式(5)において、m=14、n=11)
Figure 0006772448
(4)分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b)):以下の式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(Gelest社製、商品名「HQM−107」、式(6)において、ヒドリドモル当量は7.5−9.0(eq/kg))
Figure 0006772448
(5)銀粉(B):DOWAエレクトロニクス社製、商品名「3−8F」、平均粒径D501.6μm
(6)シリカ粒子(C):日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL300」、比表面積:300m/g、平均粒径D50:7nm
(7)シランカップリング剤(D):ヘキサメチルジシラザン(Gelest社製)
(8)白金化合物(E):PLATINUM DIVINYLTETRAMETHYLDISILOXANE COMPLEX(in xylene) (Gelest社製、商品名「SIP6831.2」)
(9)水(F):純水
(10)反応阻害剤:1−エチニル−1−シクロヘキサノール(東京化成社製)
[導電性樹脂組成物の作製]
各実施例および比較例1において、表1に記載の質量部にてビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンと、シリカ粒子と、シランカップリング剤と、水とを所定量秤量し、その後、混練装置((株)モリヤマ製、油圧式加圧型ニーダー)により、混練することで、これら各成分を含有する混練物を得た。
なお、ここでの混練条件としては、第1ステップが窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練し、第2ステップが減圧雰囲気下、160℃で1時間混練する条件とした。
続いて、表1に示される量のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金化合物とを所定量秤量し、混練装置(関西ロール社製、ロール機)を用いて、上記で得た混練物に、これら成分をさらに添加し、混練した。結果、エラストマー配合物を得た。
さたに、このエラストマー配合物を、2.33倍量のテトラデカンに浸漬し、続いて自転・公転ミキサーで撹拌し、溶液状とした。
この溶液に対し、銀粉を加えることで、各導電性樹脂組成物を得た。
なお、比較例2においては、東レ・ダウコーニング社製のエラストマー配合物(品番C6−135;表1中では「シリコーンエラストマー配合物A」と称する。)を2.33倍量のテトラデカンに浸漬し、その後銀粉を加えることで導電性樹脂組成物を得た。
[導電性樹脂組成物の評価]
得られた導電性樹脂組成物については以下の項目に従い評価を行った。
(抵抗値測定)
まず、各実施例および各比較例で得られた導電性樹脂組成物を用いて、シリコーンゴム(硬度30)で形成された幅2cm×高さ500μm×長さ5cmの基板上に、配線パターンを描き、これを170℃60分の条件で硬化し幅500μm×長さ30mm×高さ50μmの配線パターンを有する試験片を作製した。
なお、本実施例項において、基板は実施例1で用いたエラストマー配合物(実施例1の導電性樹脂組成物に対し、銀粉とテトラデカンを含まないもの)を成形することにより作製した。
この試験片について、(株)エーディーシー製直流電圧・電流源/モニタ(6241A)を用い、抵抗を測定しながら長さ方向に3秒で20%伸長させ、10秒間保持し、3秒で当該伸長を解放し、10秒間保持する試験を100回行った。
この抵抗値の変化は常にモニタリングを行い、この試験中における変化についての解析を行った。実施例1におけるこのモニタリングの結果(チャート)は図2に示した。
表1には、「6回目から10回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値」を「Rtop10」、「1回目から5回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値」を「Rtop5」、「50回目の伸長解放の終了時における抵抗値」を「Rre50」、「5回目の伸長解放の終了時における抵抗値」を「Rre5」、「100回目の伸長の終了時における抵抗値」を「Rex100」、「100回目の伸長解放の終了時における抵抗値」を「Rre100」として示した。
また、これとあわせ、「Rtop10」と「Rtop5」の比を「Rtop10/Rtop5」として、「Rre50」と「Rre5」の比を「Rre50/Rre5」として、「Rre100」と「Rex100」の比を「Rex100/Rre100」として示した。なお、表1における各抵抗値の値は「Ω」である。
なお、比較例1における試験片は、17回目の試験で抵抗値の測定上限(1,000Ω)を超えることが確認された。また、比較例2における試験片は、5回目の試験での配線パターンの破断が確認された。
(耐久性試験)
各実施例および各比較例に対して抵抗値の測定をおこなった試験片の作成方法と同様にして試験片を作製した。
このようにして得られた試験片について、試験片の長さ方向に20%伸長し、この伸長を解放する操作を1000回行った。
この伸長操作を1000回行った場合でも十分に配線の導通が図れたものを◎、伸長操作を500回行った場合でも十分に導通が図れたものを○、伸長操作を500回行った段階で配線が断線していたものを×として評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006772448
表1に示されるように、各実施例で得られた導電性樹脂組成物は、硬化物とした場合において耐久性に優れる。このような導電性樹脂組成物は、ウェアラブルデバイス等の用途に好適に使用できることが期待される。
本発明の導電性樹脂組成物は、硬化物としての耐久性に優れるため、繰り返して伸縮されるデバイスの用途等に好ましく用いることができる。
10 配線
20 基板
30 カバー材
50 配線基板
60 電子部品
100 電子装置

Claims (16)

  1. 伸縮性および導電性を有する樹脂材料を形成するために用いる、(A)エラストマーと、(B)金属粉とを含む導電性樹脂組成物であって、
    (C)シリカ粒子を含み、前記(C)シリカ粒子の比表面積が10m/g〜400m/gであり、
    前記(C)シリカ粒子の含有量が、当該導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、2質量%以上10質量%以下であり、
    溶媒を含み、
    以下に示される試験を100回行ったときに、
    6回目から10回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop10が、1回目から5回目の伸長開始時から解放終了時までに生じる抵抗値のピークトップの平均値Rtop5の2倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物。
    (試験)
    長さ5cm×幅2cm×高さ500μmの寸法であり、硬度30のシリコーンゴムからなる基板に、長さ30mm×幅500μm×高さ50μmの前記導電性樹脂組成物の硬化物で構成される配線パターンを、前記基板の長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点と前記配線パターンの長さ方向と幅方向の辺から構成される面の中心点が重なるように形成し、試験片とする。
    この試験片に対し、抵抗を測定しながら長さ方向に3秒で20%伸長させ、10秒間保持し、3秒で当該伸長を解放し、10秒間保持する。
  2. 請求項1に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記試験を100回行ったときに、
    50回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre50が、5回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre5の5倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記試験を100回行ったときに、
    100回目の伸長の終了時における抵抗値Rex100が、100回目の伸長解放の終了時における抵抗値Rre100の4倍以下となることを特徴とする、導電性樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記(A)エラストマーはシリコーンゴムを含む、導電性樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記(A)エラストマーが、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))と、ビニル基含有量が前記第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))よりも高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))と、を含む、導電性樹脂組成物。
  6. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記(A)エラストマーは、(A−1)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンと、(A−2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、を含む導電性樹脂組成物。
  7. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記(B)金属粉は銀粉または銅粉を含む、導電性樹脂組成物。
  8. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記導電性樹脂組成物の固形分全体に対して、前記(B)金属粉を60質量%以上88質量%以下含む、導電性樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記(C)シリカ粒子の比表面積が300m /gである、導電性樹脂組成物。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    前記溶媒が、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ハロアルカン類、カルボン酸アミド類、及びスルホキシド類からなる群から選ばれる一または二以上を含む、導電性樹脂組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    さらに(D)シランカップリング剤を含
    前記(D)シランカップリング剤が、ビニル基を有するシランカップリング剤を含む、導電性樹脂組成物。
  12. 請求項1ないし11のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    さらに前記(B)金属粉以外の(E)白金または白金化合物を含む、導電性樹脂組成物。
  13. 請求項1ないし12のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物であって、
    伸縮性を有する配線を形成するために用いる、導電性樹脂組成物。
  14. 請求項1ないし13のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物の硬化物により構成される配線。
  15. 請求項14に記載の配線と、基板と、を備える配線基板。
  16. 請求項15に記載の配線基板を備える電子装置。
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