JP6758917B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法およびトナージェット法のような画像形成方法に用いられるトナーに関する。
近年、更なる高精細フルカラー画像を出力する手段が要望されている中、特に省エネに対する要求が高まっており、トナーにおいても省エネ性が求められている。トナーの省エネ性を達成させ得る一手段として、トナー中に結晶性樹脂を含有させる手段がある。これにより、結晶性樹脂のシャープメルト性を利用し、トナーの軟化温度をより低く設定することが可能となり、低温定着性を改善することが可能となった。
しかし、結晶性樹脂を含有するトナーは、トナー中の結晶性樹脂が定着部材の表面に付着してしまい、定着部材に付着したトナーが次の転写材に再転移してしまうオフセット現象が生じることがあった。そこで、特許文献1では、結晶性ポリエステルとスチレン系重合体のブロック樹脂を結着樹脂として含有させたトナーにより、定着部材へのオフセットが低減することが開示されている。
特開平4−250462号公報
しかし、スチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂からなる結着樹脂に、スチレン変性ポリエステルのブロック樹脂を添加したトナーを検討したところ、高温高湿環境下において、耐久劣化したトナーは帯電安定性が低下し、カブリが発生することがわかった。
本発明の目的は、耐熱性、低温定着性及び帯電安定性に優れたトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、着色剤、スチレン変性ポリエステル及びジエステル化合物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)が、55℃以上90℃以下であり、
前記スチレン変性ポリエステルの含有量が、前記結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であり、
前記スチレン変性ポリエステルが、ブロックポリマーであり、
前記ジエステル化合物が、下記式(1)で示される構造を有し、
前記ジエステル化合物の前記トナー中の含有量が0.1ppm以上10.0ppm以下である
ことを特徴とするトナーに関する。
Figure 0006758917
(式(1)中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、HまたはCH3を示す。)
本発明によれば、耐熱性、低温定着性及び帯電安定性に優れたトナーを提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、スチレン変性ポリエステル及びジエステル化合物を含有するトナー粒子を有する。トナー粒子中のそれぞれの材料は、以下の特徴を有する。スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)は、55℃以上90℃以下である。ジエステル化合物は、下記式(1)で示される構造を有し、トナー中の含有量が0.1ppm以上10.0ppm以下である。
Figure 0006758917
(式(1)中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、HまたはCH3を示す。)
本発明者らは、結着樹脂及び着色剤を有するトナー粒子に、さらに特定のスチレン変性ポリエステルを用い、且つ特定のジエステル化合物を用いることで、低温定着性及び帯電安定性に優れたトナーが得られることを見出した。
本発明のスチレン変性ポリエステルは結晶性の樹脂であるため、シャープメルトで低温定着性に優れる一方で、弾性が低く、機械的強度に劣る。そのため、結着樹脂として単独でこのスチレン変性ポリエステルを用いた場合、十分な耐久性が得られにくく、現像スジなどの画像弊害が発生しやすくなる。そこで、スチレン変性ポリエステルとその他の結着樹脂を併用した場合、スチレン変性ポリエステルのポリエステル部位(結晶性ポリエステル部位とも称する)は帯電のリークサイトとして働きやすい。そのため、ポリエステル部位の分散状態に偏りがあると、帯電安定性が著しく低下する。特に耐久劣化したトナーにおいて、外添剤の埋没等によりトナー粒子の露出が多くなった場合に、カブリ等の画像弊害が発生しやすくなる。本発明では、スチレン変性ポリエステルのポリエステル部位との親和性が高いジエステル化合物を添加することで、帯電のリークサイトとなりうるポリエステル部位が、トナー中に均一に分散することができ、帯電安定性が向上する。
本発明において、ジエステル化合物は上記式(1)で示される構造を有する。上記構造を有するジエステル化合物は、本発明のスチレン変性ポリエステルのポリエステル部位との親和性が高いため、ポリエステル部位の均一分散に効果がある。ジエステル化合物の具体的な例としては、コハク酸ジメチルやテトラメチルコハク酸ジメチルなどが挙げられる。
また、本発明において、ジエステル化合物のトナー中の含有量は0.1ppm以上10.0ppm以下である。0.1ppm未満の場合、スチレン変性ポリエステルのポリエステル部位の分散効果が得られないため、カブリが発生する。一方、10.0ppmを超える場合、ジエステル化合物量が多すぎるため、トナーの耐熱性が低下する。より好ましくは、0.2ppm以上8.0ppm以下である。
スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)は55℃以上90℃以下である。融点(Tm)が55℃より低い場合は、ブロッキングが発生しやすく、耐熱性の観点から使用しにくい。融点(Tm)が90℃より高い場合は、スチレン変性ポリエステルを溶融させるための必要温度が高くなるため、低温定着性という観点で使用しにくい。より好ましくは60℃以上85℃以下である。スチレン変性ポリエステルの融点は、ポリエステル部位を生成するモノマーや、ポリエステル部位とスチレン変性部位(ビニルポリマー部位)の比率により制御することができる。
スチレン変性ポリエステルは、ビニルポリマー部位及び下記式(2)で示される構造単位を有するポリエステル部位を有することが好ましい。下記式(2)で示される構造単位を有することにより、ポリエステル部位とジエステル化合物との親和性が良好となる。
Figure 0006758917
(式(2)中、mは6以上14以下の整数、nは6以上16以下の整数を示す。)
スチレン変性ポリエステルのポリエステル部位は、例えば、下記式(A)で示されるジカルボン酸と、下記式(B)で示されるジオールとが縮合重合することで得ることができる。
HOOC−(CH2m−COOH 式(A)
(式(A)中、mは6以上14以下の整数を示す。)
HO−(CH2n−OH 式(B)
(式(B)中、nは6以上16以下の整数を示す。)
ジカルボン酸は、ポリエステル部位に同じ部分骨格を生成するものであれば、カルボキシ基がアルキルエステル化した化合物または酸無水物化した化合物等を用いてもよい。式(A)で示されるジカルボン酸としては、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸などが好ましい。
式(B)で示されるジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオールなどが好ましい。
スチレン変性ポリエステルのビニルポリマー部位の組成は、スチレンに加えて、メチルメタクリレートまたはn−ブチルアクリレートのような公知のビニルモノマーを用いることができる。
本発明において、スチレン変性ポリエステルがブロックポリマーであることが好ましい。ブロックポリマーを用いると、トナー中では結着樹脂とブロックポリマーが相分離構造を取る。これにより、結着樹脂の強靭性が保たれて耐久性が向上し、現像スジ等の画像弊害が発生しにくくなる。また、耐熱性も向上する。
なお、ブロックポリマーの定義としては、線状に連結した複数のブロックで構成されたポリマー(高分子学会 国際純正応用化学連合高分子命名法委員会による高分子科学の基本的術語の用語集)とあり、本発明もその定義に従う。
スチレン変性ポリエステルの含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。1.0質量部以上であれば、低温定着性が向上する。30.0質量部以下であれば、耐ストレス性も低下しにくいため、耐久性が低下しにくく、現像スジ等の画像弊害が発生しにくくなる。スチレン変性ポリエステルの含有量は、より好ましくは2.0質量部以上30.0質量部以下である。
スチレン変性ポリエステルのポリエステル部位(C)とビニルポリマー部位(A)の質量比率(C:A比)は、40:60〜80:20の範囲であることが好ましく、40:60〜70:30の範囲であることがより好ましい。40:60〜80:20の範囲であれば、シャープメルト性と溶解時の結着樹脂への相溶性のバランスが良くなり、低温定着性が向上する。
スチレン変性ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、15000以上45000以下であることが好ましく、20000以上40000以下であることがより好ましい。スチレン変性ポリエステルの重量平均分子量が15000以上であれば、スチレン変性ポリエステルの機械的強度が優れ、耐久性が向上し、現像スジ等の画像弊害が発生し難くなる。また、スチレン変性ポリエステルの重量平均分子量が45000以下であれば、分子の動きが緩慢となりにくく、溶融時の可塑効果が得られやすくなり、低温定着性が向上する。
本発明に係るトナー粒子を製造する方法は、どのような製造方法であっても構わないが、懸濁重合法、乳化重合法および懸濁造粒法のような水系媒体中でトナー用組成物(例えば、重合性単量体組成物)を造粒するトナー粒子の製造方法によって得ることが好ましい。
以下、本発明に用いられるトナー粒子の製造方法の中で、好適な製造方法の1つである懸濁重合法を用いて、トナー粒子の製造方法を説明する。
結着樹脂を生成する重合性単量体、着色剤、スチレン変性ポリエステル、ジエステル化合物、および、必要に応じて、離型剤、その他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機のような分散機に依って均一に溶解または分散させる。これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁して重合を行なうことによってトナー粒子は製造される。
本発明の結着樹脂は、重合性単量体を重合することにより得ることができる。重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体(重合性官能基を1つ有する単量体)または多官能性重合性単量体(重合性官能基を複数有する単量体)を使用することができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、o−(m−,p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンなどのスチレン系単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、および、ジビニルエーテルが挙げられる。
単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、または、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、または、多官能性重合性単量体を単独で、あるいは、二種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中に懸濁する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
重合開始剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤。
本発明のトナーにおいて、上述の結着樹脂と共に非晶性ポリエステル樹脂等の極性樹脂を用いることができる。特に懸濁重合法によりトナー粒子を製造する場合に、重合性単量体組成物中に極性樹脂を添加すると、極性樹脂によってトナー粒子の表面に薄層を形成させることができる。すなわち、極性樹脂を添加することは、コアシェル構造のシェル部を強化することができる。
極性樹脂の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以上10.0質量部以下がより好ましい。
本発明のトナーには、着色剤として以下の有機顔料、有機染料、および、無機顔料を用いることができる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、および、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
マゼンタ系着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、および、ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、282、C.I.ピグメントバイオレット19。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、および、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185、191、194、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー162。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、および、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、および、シアン系着色剤を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
懸濁重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性を考慮し、重合阻害のない物質による疎水化処理を施した着色剤を用いることが好ましい。染料を疎水化処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめて着色重合体を得る方法が挙げられ、この得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の疎水化処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(ポリオルガノシロキサン)で処理を行ってもよい。
これらの着色剤は、単独または混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、および、トナー粒子中の分散性の点から選択される。
着色剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、離型剤を含有してもよい。具体的には、以下の;ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチルなどに代表される単官能エステルワックス類;セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネートなどに代表される二官能エステルワックス類;グリセリントリベヘネートなどに代表される三官能エステルワックス類;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートなどに代表される四官能エステルワックス類;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどに代表される六官能エステルワックス類;ポリグリセリンベヘネートなどに代表される多官能エステルワックス類;カルナバワックス、ライスワックスなどに代表される天然エステルワックス類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸;酸アミドワックスなどが挙げられる。
離型剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤を添加ことも可能である。荷電制御剤としては、公知の荷電制御剤を用いることが可能である。さらに、トナー粒子を懸濁重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。荷電制御剤としてはトナーを負荷電性に制御するものと正荷電性に制御するものがある。
トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸およびダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、および、荷電制御樹脂が挙げられる。
一方、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、および、これらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩およびこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、および、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;荷電制御樹脂。
これら荷電制御剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて添加してもよい。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
懸濁法によりトナー粒子を水系媒体中で造粒する際、水系媒体に分散安定剤を含有しても良い。分散安定剤としては、公知の無機化合物の分散安定剤、および、有機化合物の分散安定剤を用いることができる。無機化合物の分散安定剤としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、および、アルミナが挙げられる。
一方、有機化合物の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、および、デンプンが挙げられる。これら分散安定剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
分散安定剤として、無機化合物の分散安定剤を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒径の分散安定剤を得るために、水系媒体中で該無機化合物を生成させてもよい。例えば、リン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで得られる。
トナー粒子には、トナーへの各種特性を付与するために外添剤を添加してもよい。トナーの流動性を向上させるための外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、および、それらの複酸化物微粒子のような無機微粒子が挙げられる。
シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカまたはヒュームドシリカ、および、水ガラスから製造される湿式シリカ、ゾル−ゲル法により製造されるゾルゲルシリカが挙げられる。また、乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他のような金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子であってもよい。
無機微粒子は、その表面を処理剤で疎水化処理することによって、トナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上、および、高温高湿下での流動性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粒子を用いることが好ましい。
無機微粒子を疎水化処理するための処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、および、有機チタン化合物が挙げられる。その中でもシリコーンオイルが好ましい。これらの処理剤は単独で用いても、または併用してもよい。
外添剤の添加量は、外添剤を処理する前のトナー粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上2.5質量部以下である。
以下、本発明に係る各種物性の測定方法について説明する。
<スチレン変性ポリエステルの融点の測定方法>
スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、サンプル(スチレン変性ポリエステル)5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)とする。
<ジエステル化合物の含有量の測定方法>
トナー中のジエステル化合物の定量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下のようにして測定する。
トナー500mgを精秤しサンプルビンに入れる。これに精秤した10.0gのアセトンを加えてフタをした後、よく混合し、発振周波数42kHz、電気的出力125Wの卓上型超音波洗浄器(例えば、商品名「B2510J−MTH」、ブランソン社製)にて超音波を30分間照射する。その後、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)を用いて濾過を行い、濾液2μlをガスクロマトグラフィーで分析する。そして、予めジエステル化合物を用いて作成した検量線により、ジエステル化合物の含有量を算出する。
測定装置及び測定条件は、下記の通りである。
GC:HP社 6890GC
カラム:HP社 INNOWax(200μm×0.40μm×25m)
キャリアーガス:He(コンスタントプレッシャーモード:20psi)
オーブン:(1)50℃で10分ホールド、(2)10℃/分で300℃まで昇温、(3)300℃で5分ホールド
注入口:300℃、パルスドスプリットレスモード(20→40psi、until0.5分)
スプリット比:5.0:1.0
検出器:320℃(FID)
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。実施例12〜14は参考例である。なお、実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<ビニルポリマーの製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、および、減圧装置を備えた反応容器に、キシレン50.0部を窒素置換しながら加熱し、液温140℃で還流させた。前記反応容器にスチレン100.0部、重合開始剤としてDimethyl 2,2’−azobis(2−methylpropionate)8.0部を混合したものを3時間かけて滴下し、滴下終了後、溶液を3時間撹拌した。その後、160℃、1hPaにて、キシレンおよび残存スチレンを留去しビニルポリマーを得た。得られたビニルポリマーの重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、8000であった。
<スチレン変性ポリエステル1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器にビニルポリマー1を100.0部、有機溶媒としてキシレンを128.0部、1,12−ドデカンジオールを82.7部添加した。さらにエステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.6部を加えて、窒素雰囲気下、150℃で4時間反応させた。その後、セバシン酸78.8部を加えて150℃で3時間、180℃で4時間反応させた。その後、さらに180℃、1hPaで所望の重量平均分子量(Mw)となるまで反応させてスチレン変性ポリエステル1を得た。得られたスチレン変性ポリエステル1の物性を表1に示す。なお、表1に示すように、ポリエステル用モノマーとして、セバシン酸、1,12−ドデカンジオールを用いることで、式(2)で示される構造単位(m=8、n=12)を有するポリエステル部位を有するスチレン変性ポリエステル1が得られていることを示す。
<スチレン変性ポリエステル2〜5の製造>
表1に示す原料及び添加量に変更すること以外はスチレン変性ポリエステル1の製造と同様にして、スチレン変性ポリエステル2〜5を得た。得られたスチレン変性ポリエステル2〜5の物性を表1に示す。スチレン変性ポリエステル1と同様に、表1に示すポリエステル用モノマーを用いることで、式(2)で示される構造単位(表1中のm、nの値)を有するポリエステル部位を有するスチレン変性ポリエステル2〜5が得られていることを示す。
<スチレン変性ポリエステル6の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、および、減圧装置を備えた反応容器に、キシレン40.0部を窒素置換しながら加熱し、液温140℃で還流させた。スチレン36.3部、ジクミルパーオキサイド2.9部、及びアクリル酸2.3部の混合液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、溶液を3時間撹拌した。引き続いて、1,12−ドデカンジオール91.5部にエステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.6部を加えて、150℃で4時間反応させた。その後、セバシン酸85.0部を加えて150℃で3時間、180℃で4時間反応させた。その後、さらに180℃、1hPaで所望の重量平均分子量(Mw)となるまで反応させてスチレン変性ポリエステル6を得た。得られたスチレン変性ポリエステル6の物性を表1に示す。
Figure 0006758917
表1中、比率はポリエステル部位(C)とビニルポリマー部位(A)の質量比率(C:A比)を示す。
<ジエステル混合液1の製造>
撹拌機を備えた容器に、スチレン1000.0部、コハク酸ジメチル0.1部を投入し、撹拌混合することで、ジエステル混合液1を得た。
<ジエステル混合液2の製造>
撹拌機を備えた容器に、スチレン999.9部、テトラメチルコハク酸ジメチル0.1部を投入し、撹拌混合することで、ジエステル混合液2を得た。
<トナー1の製造>
スチレン30.0部に対して、C.I.ピグメントブルー15:3を5.0部、荷電制御剤(ボントロンE84;オリエント化学工業社製)を0.5部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス工業社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
一方、別容器に60℃に加温したイオン交換水900部、リン酸カルシウム2.5部を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて10000rpmにて撹拌し、水系媒体を得た。
また、下記材料を、T.K.ホモミクサーを用いて、5000rpmにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 35.5部
・スチレン 44.7部
・n−ブチルアクリレート 24.0部
・スチレン変性ポリエステル1 6.0部
・ジエステル混合液2 1.3部
・非晶性ポリエステル樹脂
(重量平均分子量9500、ガラス転移温度73℃) 4.5部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)6.0部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤パーブチルPV(日油社製)7.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサーにて12000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。4時間反応させた後、更に85℃に昇温し、1時間反応させた。冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。濾別し、水洗を行った後、温度40℃にて48時間乾燥し、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)をコールター・カウンターMultisizer3(ベックマン・コールター社製)で測定したところ、6.2μmであった。
上記トナー粒子129.0部に対し、外添剤として、ジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粒子(一次粒子の個数平均径:7nm)1.0部を、FMミキサ(日本コークス工業社製)にて10分間処理を行い、トナー1を得た。得られたトナー1の物性を表2に示す。
<トナー2の製造>
(結着樹脂粒子分散液の調製)
・スチレン 74.8部
・n−ブチルアクリレート 24.0部
・ジエステル混合液2 1.2部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400;三洋化成社製)1.5部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製)2.2部をイオン交換水120.0部に溶解したものに、分散、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.5部を溶解したイオン交換水10.0部を投入し、窒素置換を行った。撹拌しながら内容物が温度70℃になるまで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が0.29μmである樹脂粒子を分散させてなる結着樹脂粒子分散液を調製した。
(スチレン変性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製)
・スチレン変性ポリエステル1 50.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 7.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が0.42μmである樹脂粒子を分散させてなるスチレン変性ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製した。
(着色剤粒子分散液の調製)
・C.I.ピグメントブルー15:3 20.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 3.0部
・イオン交換水 78.0部
以上を混合し、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて分散した。この着色剤粒子分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は、0.20μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
(離型剤粒子分散液の調製)
・炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製) 50.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 7.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を温度95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が0.50μmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液を調製した。
(荷電制御剤粒子分散液の調製)
・荷電制御剤(ボントロンE84;オリエント化学工業社製) 5.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 3.0部
・イオン交換水 78.0部
以上を混合し、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて分散した。この荷電制御剤粒子分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる粒子の平均粒径は、0.22μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製)
・非晶性ポリエステル(重量平均分子量9500、ガラス転移温度73℃)50.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 7.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が0.50μmである樹脂粒子を分散させてなる非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製した。
(トナーの作製)
・結着樹脂粒子分散液 100.0部(固形分)
・スチレン変性ポリエステル樹脂粒子分散液 5.0部(固形分)
・着色剤粒子分散液 4.5部(固形分)
・離型剤粒子分散液 5.0部(固形分)
上記材料を撹拌装置、冷却管、温度計を装着したセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液を1N水酸化カリウム水溶液でpH=5.2に調整した。
上記混合液に凝集剤として、20%塩化ナトリウム水溶液50.0部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら50℃まで加熱し、50℃で1時間保持し、コア凝集粒子を作製した。
さらに、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を4.0部(固形分)及び荷電制御剤粒子分散液を0.5部(固形分)緩やかに追加、50℃で30分間保持し、コア/シェル凝集粒子分散液を作製した。
上記コア/シェル凝集粒子分散液にアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製)3.0部を追加した後、フラスコを密閉、95℃まで加熱し、4時間保持した。そして冷却後、生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄し、乾燥することでトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)をコールター・カウンターMultisizer3(ベックマン・コールター社製)で測定したところ、6.3μmであった。
上記トナー粒子119.0部に対し、外添剤として、ジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粒子(一次粒子の個数平均径:7nm)1.0部を、FMミキサ(日本コークス工業社製)にて10分間処理を行い、トナー2を得た。得られたトナー2の物性を表2に示す。
<トナー3〜16の製造>
表2に示す材料および添加量に変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー3〜16を得た。得られたトナー3〜16の物性を表2に示す。
Figure 0006758917
〔実施例1〕
評価機としてLBP9660Ci(キヤノン社製)を使用した。シアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、その後トナー1を導入してトナーを詰め替え、下記項目の評価を行った。評価紙にはLETTERサイズのXEROX 4200(XEROX社製、坪量75g/m2)を用いた。なお、特に記述が無い限り、評価は常温常湿環境下(25℃、50%RH)において行った。また、耐熱性(ブロッキング)はトナー単独で評価した。評価結果を表3に示す。
<低温定着性>
評価紙にトナーの載り量0.9mg/cm2で、面積2cm×2cmの画像を出力した。定着温調を変化させながら、定着器通過時の評価紙の通紙方向後端部に、オフセットが生じた時点の定着温度を確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:120℃でオフセットせず
B:120℃でオフセット発生
C:130℃でオフセット発生
D:140℃でオフセット発生
<現像スジ>
5%の印字比率の画像を12,000枚出力した。12,000枚出力後、トナーの載り量が0.20mg/cm2であるハーフトーン画像を作成し、画像上及び現像ローラを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:現像ローラ上にも、画像上にも、縦スジは見られない。
B:現像ローラ上に細かいスジがあるものの、画像上には、縦スジは見られない。
C:現像ローラ上にスジが数本あるものの、画像上には、縦スジは見られない。
D:現像ローラ上及びハーフトーン画像上にスジが見られる。
<カブリ>
上記現像スジの評価後、高温高湿環境(32℃/80%RH)において3日間放置した。放置後、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と評価紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはアンバーライトフィルターを用いた。
A:0.5%以下
B:0.6%以上1.5%以下
C:1.6%以上2.5%以下
D:2.6%以上
<耐熱性(ブロッキング)>
トナー5gを50ccポリカップに取り、温度55℃、湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ、以下の基準で評価した。
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、指で触れると崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
D:完全に凝集、指で押しても崩れない
〔実施例2〜14、比較例1、2〕
表3に示すトナーを用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0006758917

Claims (2)

  1. 結着樹脂、着色剤、スチレン変性ポリエステル及びジエステル化合物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)が、55℃以上90℃以下であり、
    前記スチレン変性ポリエステルの含有量が、前記結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であり、
    前記スチレン変性ポリエステルが、ブロックポリマーであり、
    前記ジエステル化合物が、下記式(1)で示される構造を有し、
    前記ジエステル化合物の前記トナー中の含有量が0.1ppm以上10.0ppm以下である
    ことを特徴とするトナー。
    Figure 0006758917
    (式(1)中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、HまたはCH3を示す。)
  2. 前記スチレン変性ポリエステルのポリエステル部位が、下記式(2)で示される構造を有する請求項1に記載のトナー。
    Figure 0006758917
    (式(2)中、mは6以上14以下の整数、nは6以上16以下の整数を示す。)
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