JP6758917B2 - トナー - Google Patents
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Description
しかし、結晶性樹脂を含有するトナーは、トナー中の結晶性樹脂が定着部材の表面に付着してしまい、定着部材に付着したトナーが次の転写材に再転移してしまうオフセット現象が生じることがあった。そこで、特許文献1では、結晶性ポリエステルとスチレン系重合体のブロック樹脂を結着樹脂として含有させたトナーにより、定着部材へのオフセットが低減することが開示されている。
本発明の目的は、耐熱性、低温定着性及び帯電安定性に優れたトナーを提供することにある。
前記スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)が、55℃以上90℃以下であり、
前記スチレン変性ポリエステルの含有量が、前記結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であり、
前記スチレン変性ポリエステルが、ブロックポリマーであり、
前記ジエステル化合物が、下記式(1)で示される構造を有し、
前記ジエステル化合物の前記トナー中の含有量が、0.1ppm以上10.0ppm以下である
ことを特徴とするトナーに関する。
HOOC−(CH2)m−COOH 式(A)
(式(A)中、mは6以上14以下の整数を示す。)
HO−(CH2)n−OH 式(B)
(式(B)中、nは6以上16以下の整数を示す。)
スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
トナー中のジエステル化合物の定量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下のようにして測定する。
GC:HP社 6890GC
カラム:HP社 INNOWax(200μm×0.40μm×25m)
キャリアーガス:He(コンスタントプレッシャーモード:20psi)
オーブン:(1)50℃で10分ホールド、(2)10℃/分で300℃まで昇温、(3)300℃で5分ホールド
注入口:300℃、パルスドスプリットレスモード(20→40psi、until0.5分)
スプリット比:5.0:1.0
検出器:320℃(FID)
撹拌機、温度計、窒素導入管、および、減圧装置を備えた反応容器に、キシレン50.0部を窒素置換しながら加熱し、液温140℃で還流させた。前記反応容器にスチレン100.0部、重合開始剤としてDimethyl 2,2’−azobis(2−methylpropionate)8.0部を混合したものを3時間かけて滴下し、滴下終了後、溶液を3時間撹拌した。その後、160℃、1hPaにて、キシレンおよび残存スチレンを留去しビニルポリマーを得た。得られたビニルポリマーの重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、8000であった。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器にビニルポリマー1を100.0部、有機溶媒としてキシレンを128.0部、1,12−ドデカンジオールを82.7部添加した。さらにエステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.6部を加えて、窒素雰囲気下、150℃で4時間反応させた。その後、セバシン酸78.8部を加えて150℃で3時間、180℃で4時間反応させた。その後、さらに180℃、1hPaで所望の重量平均分子量(Mw)となるまで反応させてスチレン変性ポリエステル1を得た。得られたスチレン変性ポリエステル1の物性を表1に示す。なお、表1に示すように、ポリエステル用モノマーとして、セバシン酸、1,12−ドデカンジオールを用いることで、式(2)で示される構造単位(m=8、n=12)を有するポリエステル部位を有するスチレン変性ポリエステル1が得られていることを示す。
表1に示す原料及び添加量に変更すること以外はスチレン変性ポリエステル1の製造と同様にして、スチレン変性ポリエステル2〜5を得た。得られたスチレン変性ポリエステル2〜5の物性を表1に示す。スチレン変性ポリエステル1と同様に、表1に示すポリエステル用モノマーを用いることで、式(2)で示される構造単位(表1中のm、nの値)を有するポリエステル部位を有するスチレン変性ポリエステル2〜5が得られていることを示す。
撹拌機、温度計、窒素導入管、および、減圧装置を備えた反応容器に、キシレン40.0部を窒素置換しながら加熱し、液温140℃で還流させた。スチレン36.3部、ジクミルパーオキサイド2.9部、及びアクリル酸2.3部の混合液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、溶液を3時間撹拌した。引き続いて、1,12−ドデカンジオール91.5部にエステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.6部を加えて、150℃で4時間反応させた。その後、セバシン酸85.0部を加えて150℃で3時間、180℃で4時間反応させた。その後、さらに180℃、1hPaで所望の重量平均分子量(Mw)となるまで反応させてスチレン変性ポリエステル6を得た。得られたスチレン変性ポリエステル6の物性を表1に示す。
撹拌機を備えた容器に、スチレン1000.0部、コハク酸ジメチル0.1部を投入し、撹拌混合することで、ジエステル混合液1を得た。
撹拌機を備えた容器に、スチレン999.9部、テトラメチルコハク酸ジメチル0.1部を投入し、撹拌混合することで、ジエステル混合液2を得た。
スチレン30.0部に対して、C.I.ピグメントブルー15:3を5.0部、荷電制御剤(ボントロンE84;オリエント化学工業社製)を0.5部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス工業社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
・顔料分散組成物 35.5部
・スチレン 44.7部
・n−ブチルアクリレート 24.0部
・スチレン変性ポリエステル1 6.0部
・ジエステル混合液2 1.3部
・非晶性ポリエステル樹脂
(重量平均分子量9500、ガラス転移温度73℃) 4.5部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)6.0部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤パーブチルPV(日油社製)7.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(結着樹脂粒子分散液の調製)
・スチレン 74.8部
・n−ブチルアクリレート 24.0部
・ジエステル混合液2 1.2部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400;三洋化成社製)1.5部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製)2.2部をイオン交換水120.0部に溶解したものに、分散、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.5部を溶解したイオン交換水10.0部を投入し、窒素置換を行った。撹拌しながら内容物が温度70℃になるまで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が0.29μmである樹脂粒子を分散させてなる結着樹脂粒子分散液を調製した。
・スチレン変性ポリエステル1 50.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 7.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が0.42μmである樹脂粒子を分散させてなるスチレン変性ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製した。
・C.I.ピグメントブルー15:3 20.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 3.0部
・イオン交換水 78.0部
以上を混合し、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて分散した。この着色剤粒子分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は、0.20μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
・炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製) 50.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 7.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を温度95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が0.50μmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液を調製した。
・荷電制御剤(ボントロンE84;オリエント化学工業社製) 5.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 3.0部
・イオン交換水 78.0部
以上を混合し、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて分散した。この荷電制御剤粒子分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる粒子の平均粒径は、0.22μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
・非晶性ポリエステル(重量平均分子量9500、ガラス転移温度73℃)50.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC;第一工業製薬社製) 7.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が0.50μmである樹脂粒子を分散させてなる非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製した。
・結着樹脂粒子分散液 100.0部(固形分)
・スチレン変性ポリエステル樹脂粒子分散液 5.0部(固形分)
・着色剤粒子分散液 4.5部(固形分)
・離型剤粒子分散液 5.0部(固形分)
上記材料を撹拌装置、冷却管、温度計を装着したセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液を1N水酸化カリウム水溶液でpH=5.2に調整した。
表2に示す材料および添加量に変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー3〜16を得た。得られたトナー3〜16の物性を表2に示す。
評価機としてLBP9660Ci(キヤノン社製)を使用した。シアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、その後トナー1を導入してトナーを詰め替え、下記項目の評価を行った。評価紙にはLETTERサイズのXEROX 4200(XEROX社製、坪量75g/m2)を用いた。なお、特に記述が無い限り、評価は常温常湿環境下(25℃、50%RH)において行った。また、耐熱性(ブロッキング)はトナー単独で評価した。評価結果を表3に示す。
評価紙にトナーの載り量0.9mg/cm2で、面積2cm×2cmの画像を出力した。定着温調を変化させながら、定着器通過時の評価紙の通紙方向後端部に、オフセットが生じた時点の定着温度を確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:120℃でオフセットせず
B:120℃でオフセット発生
C:130℃でオフセット発生
D:140℃でオフセット発生
5%の印字比率の画像を12,000枚出力した。12,000枚出力後、トナーの載り量が0.20mg/cm2であるハーフトーン画像を作成し、画像上及び現像ローラを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:現像ローラ上にも、画像上にも、縦スジは見られない。
B:現像ローラ上に細かいスジがあるものの、画像上には、縦スジは見られない。
C:現像ローラ上にスジが数本あるものの、画像上には、縦スジは見られない。
D:現像ローラ上及びハーフトーン画像上にスジが見られる。
上記現像スジの評価後、高温高湿環境(32℃/80%RH)において3日間放置した。放置後、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と評価紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはアンバーライトフィルターを用いた。
A:0.5%以下
B:0.6%以上1.5%以下
C:1.6%以上2.5%以下
D:2.6%以上
トナー5gを50ccポリカップに取り、温度55℃、湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ、以下の基準で評価した。
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、指で触れると崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
D:完全に凝集、指で押しても崩れない
表3に示すトナーを用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
Claims (2)
- 結着樹脂、着色剤、スチレン変性ポリエステル及びジエステル化合物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記スチレン変性ポリエステルの融点(Tm)が、55℃以上90℃以下であり、
前記スチレン変性ポリエステルの含有量が、前記結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であり、
前記スチレン変性ポリエステルが、ブロックポリマーであり、
前記ジエステル化合物が、下記式(1)で示される構造を有し、
前記ジエステル化合物の前記トナー中の含有量が、0.1ppm以上10.0ppm以下である
ことを特徴とするトナー。
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