JP6516545B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法およびトナージェット法のような画像形成方法に用いられるトナーに関する。
近年、更なる高精細フルカラー画像を出力する手段が要望されている中、特に省エネに対する要求が高まっており、トナーにおいても省エネ性が求められている。トナーの省エネ性を達成させ得る一手段として、トナー中に結晶性樹脂を含有させる手段がある。これにより、結晶性樹脂のシャープメルト性を利用し、トナーの軟化温度をより低く設定することが可能となり、低温定着性を改善することが可能となった。
しかし、結晶性樹脂を含有するトナーは、トナー中の結晶性樹脂が定着部材の表面に付着してしまい、定着部材に付着したトナーが次の転写材に再転移してしまうオフセット現象が生じることがあった。そこで、特許文献1では、結晶性部位と非晶性部位のブロック樹脂を結着樹脂として含有させたトナーにより、定着部材へのオフセットが低減することが開示されている。
また、オフィス環境における人体への影響に対して、欧州を中心とした環境規格が制定される様になり、電子写真定着システムにおいても対応が求められている。特に、印刷時に発生して装置外に放散される物質、具体的には昇華物質によるダスト及び有機揮発物質を低減することが求められている。そこで、特許文献2には、トナー中の離型剤の低分子量成分を削減したトナーが開示されている。さらに離型剤の低分子量成分を削減したトナーは離型剤のブリードアウトを抑制することが記載されている。
特開昭62−273574号公報 特開2011−81042号公報
しかしながら、離型剤の低分子量成分を削減するために高分子量の離型剤を使用すると、トナーの低温定着性が低下しやすくなる。本発明者らの検討の結果、ダストの抑制と低温定着性とのバランスのとれた分子量の離型剤を検討したところ、過酷な環境(高温高湿環境下)に放置したトナーから、離型剤がブリードアウトしてしまうことがわかった。
本発明の目的は、離型剤のブリードアウトを抑制し、低温定着性及び帯電安定性に優れたトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結着樹脂が、スチレンアクリル樹脂、及びブロックポリマーを含有し、
前記ブロックポリマーが、ポリエステル部位及びビニルポリマー部位を有し、
前記ポリエステル部位が、下記式(1)で示される構造単位を有し、
前記ビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)が、4000以上15000以下であり、
前記ブロックポリマーの融点(Tm)が、55℃以上90℃以下であり、
前記離型剤の重量平均分子量(Mw)が、1000以上3500以下であり、
前記離型剤が、エステルワックスであ
ことを特徴とするトナーに関する。
(式(1)中、mは6以上14以下の整数、nは6以上16以下の整数を示す。)
本発明によれば、離型剤のブリードアウトを抑制し、低温定着性及び帯電安定性に優れたトナーを提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、離型剤を含有するトナー粒子を有し、結着樹脂は、スチレンアクリル樹脂、及びブロックポリマーを含有する。トナー粒子中のそれぞれの材料は、以下の特徴を有する。ブロックポリマーは、ポリエステル部位及びビニルポリマー部位を有し、ポリエステル部位は、下記式(1)で示される構造単位を有し、ビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)は、4000以上15000以下である。そして、ブロックポリマーの融点(Tm)は、55℃以上90℃以下である。また、離型剤の重量平均分子量(Mw)は、1000以上3500以下である。
(式(1)中、mは6以上14以下の整数、nは6以上16以下の整数を示す。)
本発明者らは、スチレンアクリル樹脂を含むトナー粒子に、さらに特定のブロックポリマーを用い、且つ特定の分子量の離型剤を用いることで、離型剤のブリードアウトを抑制し、低温定着性及び帯電安定性に優れたトナーが得られることを見出した。
本発明のブロックポリマーは結晶性の樹脂であるため、シャープメルトで低温定着性に優れる一方で、弾性が低く、機械的強度に劣る。そのため、結着樹脂として単独でこのブロックポリマーを用いた場合、十分な耐久性が得られにくく、現像スジなどの画像弊害が発生しやすくなる。また、ブロックポリマーのポリエステル部位(結晶性ポリエステル部位とも称する)は、帯電のリークサイトとして働くため、帯電安定性が低下しカブリなどが発生しやすい。本発明では、スチレンアクリル樹脂と、スチレンアクリル樹脂と親和性の高いビニルポリマー部位を有するブロックポリマーを用いることで、帯電のリークサイトとなりうるブロックポリマーのポリエステル部位がトナー表面に露出することを抑制している。また、このブロックポリマーを用いると、トナー中ではスチレンアクリル樹脂とブロックポリマーが相分離構造を取る。これにより、スチレンアクリル樹脂の強靭性が保たれて高耐久性が得られ、耐熱性も向上する。
一方、定着プロセスにおいては、トナーに熱が与えられるとブロックポリマーがビニルポリマー部位を起点としてスチレンアクリル樹脂に瞬時に相溶し、可塑効果を発揮すると考えられる。それにより、トナーの軟化点が下がり低温定着性が達成される。また、ブロックポリマーがビニルポリマー部位を有することで、溶融後、定着に必要な適度な粘度を持つことで、結着樹脂として働き低温定着性が相乗的に達成される。さらに、本発明のトナーはスチレンアクリル樹脂が結着樹脂となっているため、溶融後のトナーの粘度は維持され幅広い温度領域で定着可能となる。また、ブロックポリマーのビニルポリマー部位が特定の分子量を有することで、本発明の離型剤との親和性が高まり、ブロックポリマーが離型剤をトラップすることで、過酷な環境下でも離型剤のブリードアウトを抑制することができると考えている。
以下、本発明のトナーについて詳細に説明する。
本発明において、離型剤の重量平均分子量(Mw)は1000以上3500以下である。1000未満であると、過酷な環境に置かれた場合、離型剤の低分子量成分がトナーからブリードアウトしやすくなる。その結果、現像装置の部材を汚染し、現像スジ等の画像弊害を起こしやすい。重量平均分子量(Mw)が3500より大きくなると、定着時の離型効果が低下し、低温定着性が低下する。
離型剤の具体的な例としては、グリセリントリベヘネートなどに代表される3価のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、或いは、3価のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートなどに代表される4価のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、或いは、4価のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどに代表される6価のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、或いは、6価のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;ポリグリセリンベヘネートなどに代表される多価のアルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、或いは、多価のカルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;カルナバワックス、ライスワックスなどに代表される天然エステルワックス類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス及びその誘導体などが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
ブロックポリマーは、ビニルポリマー部位及び上記式(1)で示される構造単位を有するポリエステル部位を有する。ブロックポリマーのポリエステル部位は、例えば、下記式(A)で示されるジカルボン酸と、下記式(B)で示されるジオールとが縮合重合することで得ることができる。
HOOC−(CH−COOH 式(A)
(式(A)中、mは6以上14以下の整数を示す。)
HO−(CH−OH 式(B)
(式(B)中、nは6以上16以下の整数を示す。)
ジカルボン酸は、ポリエステル部位に同じ部分骨格を生成するものであれば、カルボキシ基がアルキルエステル化した化合物または酸無水物化した化合物等を用いてもよい。式(A)で示されるジカルボン酸としては、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸などが好ましい。
式(B)で示されるジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオールなどが好ましい。
ブロックポリマーのビニルポリマー部位の組成は、スチレン、メチルメタクリレートまたはn−ブチルアクリレートのような公知のビニルモノマーを用いることができる。特に好ましくはスチレンであり、スチレンアクリル樹脂との相溶部位として有効に作用し、溶融時の可塑がより発揮される。
なお、本発明のポリエステル部位は結晶性を有するが、「結晶性」とは、後述する示差走査熱量測定(DSC)の測定において、明確な吸熱ピークを有することを意味する。一方、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非晶性であることを意味する。
ビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)は4000以上15000以下である。4000未満の場合、または15000より大きい場合、離型剤との親和性が低下し、過酷環境下において離型剤のブリードアウトが発生しやすくなる。その結果、現像装置の部材を汚染し、現像スジ等の画像弊害を起こしやすい。ビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)は、4500以上12500以下が好ましく、5000以上10000以下がより好ましい。重量平均分子量(Mw)は、開始剤の量、添加タイミング、反応温度などにより制御することができる。また、離型剤がエステルワックスであると、上記親和性がより高まる。
ブロックポリマーの融点(Tm)は55℃以上90℃以下である。ブロックポリマーの融点(Tm)が55℃より低い場合は、ブロッキングが発生しやすく、耐熱性の観点から使用しにくい。融点(Tm)が90℃より高い場合は、ブロックポリマーを溶融させるための必要温度が高くなるため、低温定着性という観点で使用しにくい。より好ましくは60℃以上85℃以下である。ブロックポリマーの融点は、ポリエステル部位を生成するモノマーや、ポリエステル部位とビニルポリマー部位の比率により制御することができる。
ブロックポリマーの含有量は、結着樹脂100質量に対して2.0質量部以上50.0質量部以下であることが好ましい。2.0質量部以上であれば、本発明の効果である溶融時の可塑効果およびブロックポリマーによる結着効果が得られやすくなり、低温定着性が向上する。50.0質量部以下であれば、耐ストレス性も低下しにくいため、耐久性が低下しにくく、現像スジ等の画像弊害が発生しにくくなる。ブロックポリマーの含有量は、より好ましくは、3.0質量部以上45.0質量部以下、さらに好ましくは5.0質量部以上40.0質量部以下である。
ブロックポリマーのポリエステル部位(C)とビニルポリマー部位(A)の質量比率(C/A比)は、40:60〜80:20の範囲であることが好ましく、40:60〜70:30の範囲であることがより好ましい。40:60〜80:20の範囲であれば、シャープメルト性と溶解時のスチレンアクリル樹脂への相溶性のバランスが良くなり、低温定着性が向上する。
ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)は、15000以上45000以下であることが好ましく、20000以上40000以下であることがより好ましい。ブロックポリマーの重量平均分子量が15000以上であれば、ブロックポリマーの機械的強度が優れ、耐久性が向上し、現像スジ等の画像弊害が発生し難くなる。また、ブロックポリマーの重量平均分子量が45000以下であれば、分子の動きが緩慢となりにくく、溶融時の可塑効果が得られやすくなり、低温定着性が向上する。
ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は3.5以下が好ましく、より好ましくは3.0以下である。3.5以下であれば、分子量のバラツキが小さくなり、高分子成分による定着グロスの低下などが起こりにくくなる。重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、開始剤の量、添加タイミング、反応温度などにより制御することができる。
なお、ブロックポリマーの定義としては、線状に連結した複数のブロックで構成されたポリマー(高分子学会 国際純正応用化学連合高分子命名法委員会による高分子科学の基本的術語の用語集)とあり、本発明もその定義に従う。
本発明のスチレンアクリル樹脂は、重合性単量体を重合することにより得られる。重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体(重合性官能基を1つ有する単量体)または多官能性重合性単量体(重合性官能基を複数有する単量体)を使用することができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、o−(m−,p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンなどのスチレン系単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、および、ジビニルエーテルが挙げられる。
単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、または、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、または、多官能性重合性単量体を単独で、あるいは、二種以上を組み合わせて使用することができる。重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、または、それらとほかの重合性単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性および耐久性の観点から好ましい。
本発明に係るトナー粒子を製造するための製造方法は、どのような製造方法であっても構わないが、懸濁重合法、乳化重合法および懸濁造粒法のような水系媒体中でトナー用組成物(例えば、重合性単量体組成物)を造粒するトナー粒子の製造方法によって得ることが好ましい。
以下、本発明に用いられるトナー粒子の製造方法の中で最も好適な懸濁重合法を用いて、トナー粒子の製造方法を説明する。
上述したスチレンアクリル樹脂を生成する重合性単量体、ブロックポリマー、離型剤、および、必要に応じて、着色剤、その他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機のような分散機に依って均一に溶解または分散させる。これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁して重合を行なうことによってトナー粒子は製造される。
重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中に懸濁する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
重合開始剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤。
本発明のトナーにおいて、上述の結着樹脂及び離型剤と共に非晶性ポリエステル樹脂等の極性樹脂を用いることができる。特に懸濁重合法によりトナー粒子を製造する場合に、重合性単量体組成物中に極性樹脂を添加すると、極性樹脂によってトナー粒子の表面に薄層を形成させることができる。すなわち、極性樹脂を添加することは、コアシェル構造のシェル部を強化することができる。
極性樹脂の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以上10.0質量部以下がより好ましい。
本発明のトナーには、着色剤として以下の有機顔料、有機染料、および、無機顔料を用いることができる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、および、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
マゼンタ系着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、および、ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、282、C.I.ピグメントバイオレット19。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、および、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185、191、194、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー162。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、および、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、および、シアン系着色剤を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
懸濁重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性を考慮し、重合阻害のない物質による疎水化処理を施した着色剤を用いることが好ましい。染料を疎水化処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめて着色重合体を得る方法が挙げられ、この得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の疎水化処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(ポリオルガノシロキサン)で処理を行ってもよい。
これらの着色剤は、単独または混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、および、トナー粒子中の分散性の点から選択される。
着色剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤を添加ことも可能である。荷電制御剤としては、公知の荷電制御剤を用いることが可能である。さらに、トナー粒子を懸濁重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。荷電制御剤としてはトナーを負荷電性に制御するものと正荷電性に制御するものがある。
トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸およびダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、および、荷電制御樹脂が挙げられる。
一方、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、および、これらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩およびこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、および、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;荷電制御樹脂。
これら荷電制御剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて添加してもよい。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
本発明に用いられるトナー粒子を水系媒体中で造粒する際、水系媒体に分散安定剤を含有しても良い。分散安定剤としては、公知の無機化合物の分散安定剤、および、有機化合物の分散安定剤を用いることができる。無機化合物の分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、および、アルミナが挙げられる。
一方、有機化合物の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、および、デンプンが挙げられる。これら分散安定剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
分散安定剤として、無機化合物の分散安定剤を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒径の分散安定剤を得るために、水系媒体中で該無機化合物を生成させてもよい。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで得られる。
トナー粒子には、トナーへの各種特性を付与するために外添剤を添加してもよい。トナーの流動性を向上させるための外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、および、それらの複酸化物微粒子のような無機微粒子が挙げられる。
シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカまたはヒュームドシリカ、および、水ガラスから製造される湿式シリカ、ゾル−ゲル法により製造されるゾルゲルシリカが挙げられる。また、乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他のような金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子であってもよい。
無機微粒子は、その表面を処理剤で疎水化処理することによって、トナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上、および、高温高湿下での流動性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粒子を用いることが好ましい。
無機微粒子を疎水化処理するための処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、および、有機チタン化合物が挙げられる。その中でもシリコーンオイルが好ましい。これらの処理剤は単独で用いても、または併用してもよい。
外添剤の添加量は、外添剤を処理する前のトナー粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上2.5質量部以下である。
以下、本発明に係る各種物性の測定方法について説明する。
<ブロックポリマー及びビニルポリマーの分子量の測定方法>
ブロックポリマー及びビニルポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で、サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー社製]
カラム:LF−604の2連
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<離型剤の分子量の測定方法>
離型剤の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
ゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10wt/vol%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンに、離型剤、上記のBHTを溶解したo−ジクロロベンゼンを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、離型剤を溶解する。離型剤が溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。尚、サンプル溶液は、濃度が約0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度 :135.0℃
溶媒 :ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン(BHT 0.10wt/vol%
添加)
流速 :1.0ml/min
注入量:0.4ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<ブロックポリマーのポリエステル部位とビニルポリマー部位の比率の測定方法>
ブロックポリマーのポリエステル部位とビニルポリマー部位の比率は核磁気共鳴分光分析(H−NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値からポリエステル部位とビニルポリマー部位の質量比を算出した。
<ブロックポリマーの融点の測定方法>
ブロックポリマーの融点(Tm)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、サンプル(ブロックポリマー)5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、ブロックポリマーの融点(Tm)とする。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<ビニルポリマー1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、および、減圧装置を備えた反応容器に、キシレン50.0部を窒素置換しながら加熱し、液温140℃で還流させた。前記反応容器にスチレン100.0部、重合開始剤としてDimethyl 2,2’−azobis(2−methylpropionate)8.0部を混合したものを3時間かけて滴下し、滴下終了後、溶液を3時間撹拌した。その後、160℃、1hPaにて、キシレンおよび残存スチレンを留去しビニルポリマー1を得た。得られたビニルポリマー1の物性を表1に示す。
<ビニルポリマー2〜5の製造>
表1に示す開始剤量に変更すること以外はビニルポリマー1の製造と同様にして、ビニルポリマー2〜5を得た。得られたビニルポリマー2〜5の物性を表1に示す。
<ブロックポリマー1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器にビニルポリマー1を100.0部、有機溶媒としてキシレンを128.0部、1,12−ドデカンジオールを82.7部添加した。さらにエステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.6部を加えて、窒素雰囲気下、150℃で4時間反応させた。その後、セバシン酸78.8部を加えて150℃で3時間、180℃で4時間反応させた。その後、さらに180℃、1hPaで所望の重量平均分子量(Mw)となるまで反応させてブロックポリマー1を得た。得られたブロックポリマー1の物性を表2、3に示す。なお、表2に示すように、ポリエステル用モノマーとして、セバシン酸、1,12−ドデカンジオールを用いることで、式(1)で示される構造単位(m=8、n=12)を有するポリエステル部位を有するブロックポリマー1が得られていることを示す。
<ブロックポリマー2〜16の製造>
表2に示す原料及び添加量に変更すること以外はブロックポリマー1の製造と同様にして、ブロックポリマー2〜16を得た。得られたブロックポリマー2〜16の物性を表2、3に示す。ブロックポリマー1と同様に、表2に示すポリエステル用モノマーを用いることで、式(1)で示される構造単位(表1中のm、nの値)を有するポリエステル部位を有するブロックポリマー2〜16が得られていることを示す。
<グラフトポリマーの製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、および、減圧装置を備えた反応容器に、キシレン40.0部を窒素置換しながら加熱し、液温140℃で還流させた。スチレン36.3部、ジクミルパーオキサイド2.9部、及びアクリル酸2.3部の混合液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、溶液を3時間撹拌した。引き続いて、1,12−ドデカンジオール91.5部にエステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.6部を加えて、150℃で4時間反応させた。その後、セバシン酸85.0部を加えて150℃で3時間、180℃で4時間反応させた。その後、さらに180℃、1hPaで所望の重量平均分子量(Mw)となるまで反応させてグラフトポリマーを得た。得られたグラフトポリマーの物性を表2、3に示す。
表3中、比率はポリエステル部位とビニルポリマー部位の質量基準の比率を示す。
<トナー1の製造>
スチレン30.0部に対して、C.I.ピグメントブルー15:3を6.0部、荷電制御剤(ボントロンE84;オリエント化学工業社製)を1.0部用意した。これらを、アトライター(日本コークス工業社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
一方、別容器に60℃に加温したイオン交換水900部、リン酸三カルシウム2.5部を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて10000rpmにて撹拌し、水系媒体を得た。
また、下記材料を、T.K.ホモミクサーを用いて、5000rpmにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 37.0部
・スチレン 38.4部
・n−ブチルアクリレート 21.6部
・ブロックポリマー1 10.0部
・非晶性ポリエステル樹脂
(重量平均分子量9500、ガラス転移温度73℃) 5.0部
更に、60℃に加温した後、離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサステアレートを9.0部投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤パーブチルPV(日本油脂社製)8.1部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサーにて12000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。4時間反応させた後、更に85℃に昇温し、1時間反応させた。冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。濾別し、水洗を行った後、温度40℃にて48時間乾燥し、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)をコールター・カウンターMultisizer3(ベックマン・コールター社製)で測定したところ、6.2μmであった。
上記トナー粒子100.0部に対し、外添剤として、ジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粒子(数平均一次粒子径:7nm)1.0部を、FMミキサ(日本コークス工業社製)にて10分間処理を行い、トナー1を得た。得られたトナー1の物性を表4に示す。得られたトナーの示差走査熱量測定において、ブロックポリマーのポリエステル部位に由来する吸熱ピークを有していることが認められた。
<トナー2〜24の製造例>
表3に示す材料および添加量に変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー2〜24を得た。得られたトナー2〜24の物性を表4に示す。得られたトナー2〜20の示差走査熱量測定において、ブロックポリマーのポリエステル部位に由来する吸熱ピークを有していることが認められた。
表4中、n−BAはn−ブチルアクリレートを示す。
〔実施例1〕
評価機としてLBP9660Ci(キヤノン(株)製)を使用した。シアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、その後トナー1を導入してトナーを詰め替え、下記項目の評価を行った。評価紙にはLETTERサイズのXEROX 4200(XEROX社製、坪量75g/m)を用いた。なお、特に記述が無い限り、評価は常温常湿環境下(25℃、50%RH)において行った。また、ブロッキングはトナー単独で評価した。評価結果を表5に示す。
<低温定着性>
評価紙にトナーの載り量0.9mg/cmで、面積2cm×2cmの画像を出力した。定着温調を変化させながら、定着器通過時の評価紙の通紙方向後端部に、オフセットが生じた時点の定着温度を確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:120℃でオフセットせず
B:120℃でオフセット発生
C:130℃でオフセット発生
D:140℃でオフセット発生
<グロス>
定着温度160℃でトナーの載り量0.5mg/cmの画像を出力し、PG−3D(日本電色工業製)を用いてグロス値の測定を行った。
A:グロス値が30以上
B:グロス値が20以上30未満
C:グロス値が15以上20未満
D:グロス値が15未満
<現像スジ>
5%の印字比率の画像を12,000枚出力した。12,000枚出力後、トナーの載り量が0.20mg/cmであるハーフトーン画像を作成し、画像上及び現像ローラを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:現像ローラ上にも、画像上にも、縦スジは見られない。
B:現像ローラ上に細かいスジが数本あるものの、画像上には、縦スジは見られない。
C:現像ローラ上にスジが数本あり、画像上にも細かいスジが若干見られる。
D:現像ローラ上及びハーフトーン画像上に多数本のスジが見られる。
<耐熱性(ブロッキング)>
トナー5gを50ccポリカップに取り、温度55℃、湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ、以下の基準で評価した。
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
D:完全に凝集
<過酷環境放置後の現像スジ>
カートリッジを過酷環境(温度50℃/湿度80%RH)に2週間保管後、高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH)において、5%の印字比率の画像を5,000枚出力した。5,000枚出力後、トナーの載り量が0.20mg/cmであるハーフトーン画像を作成し、画像上及び現像ローラを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:現像ローラ上にも、画像上にも、縦スジは見られない。
B:現像ローラ上に細かいスジが数本あるものの、画像上には、縦スジは見られない。
C:現像ローラ上にスジが数本あり、画像上にも細かいスジが若干見られる。
D:現像ローラ上及びハーフトーン画像上に多数本のスジが見られる。
<過酷環境放置後のカブリ>
上記過酷環境放置後の現像スジの評価後、高温高湿環境(30℃/80%RH)において3日間放置した。放置後、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と評価紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはアンバーライトフィルターを用いた。
A:0.5%以下
B:0.6%以上1.5%以下
C:1.6%以上2.5%以下
D:2.6%以上
〔実施例2〜20、比較例1〜4〕
表5に示すトナーを用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表5に示す。

Claims (5)

  1. 結着樹脂、及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記結着樹脂が、スチレンアクリル樹脂、及びブロックポリマーを含有し、
    前記ブロックポリマーが、ポリエステル部位及びビニルポリマー部位を有し、
    前記ポリエステル部位が、下記式(1)で示される構造単位を有し、
    前記ビニルポリマー部位の重量平均分子量(Mw)が、4000以上15000以下であり、
    前記ブロックポリマーの融点(Tm)が、55℃以上90℃以下であり、
    前記離型剤の重量平均分子量(Mw)が、1000以上3500以下であり、
    前記離型剤が、エステルワックスであ
    ことを特徴とするトナー。

    (式(1)中、mは6以上14以下の整数、nは6以上16以下の整数を示す。)
  2. 前記ポリエステル部位と前記ビニルポリマー部位の質量比率(C/A比)が、40:60〜80:20である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)が、15000以上45000以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、3.5以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記ブロックポリマーの含有量が結着樹脂100質量に対して2.0質量部以上50.0質量部以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
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