JP6061674B2 - トナー - Google Patents
トナー Download PDFInfo
- Publication number
- JP6061674B2 JP6061674B2 JP2012288238A JP2012288238A JP6061674B2 JP 6061674 B2 JP6061674 B2 JP 6061674B2 JP 2012288238 A JP2012288238 A JP 2012288238A JP 2012288238 A JP2012288238 A JP 2012288238A JP 6061674 B2 JP6061674 B2 JP 6061674B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- resin
- temperature
- shell
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
該結着樹脂は、
i)有機構造体の骨格に対し、脂肪族炭化水素及び/又は芳香族炭化水素である側鎖を有し、該側鎖間で結晶構造を取りうる構造を有する側鎖結晶性樹脂であり、
ii)融点Tmが50.0℃以上90.0℃以下であり、
該シェルを構成する樹脂は、ガラス転移温度Tgが50.0℃以上(Tm+35.0)℃以下であり、
該トナーは、
i)温度Tm+10.0℃における貯蔵弾性率G’(Tm+10.0)が1.0×103Pa以上1.0×105Pa以下であり、
ii)温度Tm+50.0℃における貯蔵弾性率G’(Tm+50.0)と該G’(Tm+10.0)との比G’(Tm+10.0)/G’(Tm+50.0)が10.0以下である、
ことを特徴とするトナーに関する。
Tm+10.0℃における該トナーの貯蔵弾性率G’(Tm+10.0)が1.0×103Pa以上1.0×105Pa以下であり、かつTm+50.0℃における該トナーの貯蔵弾性率G’(Tm+50.0)とG’(Tm+10.0)の比、G’(Tm+10.0)/G’(Tm+50.0)が10.0以下である。融点Tmが50.0℃以上、90.0℃以下であるトナーにおいて、貯蔵弾性率がこの規定を満たすことで、低温定着性と広い定着可能温度領域の両立を達成することができる。G’(Tm+10.0)が1.0×103未満であると、トナーの溶融粘度が低すぎ、溶融したトナーが定着ローラーから離型しない現象(ホットオフセット)が起きる場合がある。また、G’(Tm+10.0)が1.0×105より大きいと、トナーが十分に軟化しないため低温定着性の面で不十分である。さらに、G’(Tm+10.0)/G’(Tm+50.0)が10.0より大きい場合、トナー溶融後の粘度低下が大きすぎ、定着可能温度領域の減少が起きる場合がある。該G’は結着樹脂である側鎖結晶性樹脂のモノマー中に多官能モノマーやコモノマーの添加することによって制御できるが、結晶化度の低下の観点から、多官能モノマーを用いる方が好ましい。貯蔵弾性率G’の測定方法については後述する。
(式中、R1は炭素数が18以上34以下のアルキル基であり、R2は水素またはメチル基である。)
樹脂の融点及び半値幅、ガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定対象のサンプル3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れる。リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲20℃から140℃間で、昇温速度1℃/min、振幅温度幅±0.318℃/minの設定でモジュレーション測定を行う。この昇温過程で、温度20℃から140℃の範囲において比熱変化が得られる。示差走査熱量測定で得られる温度−吸熱量曲線より、前述のTg、Tm、半値幅を算出した。
本発明におけるTm+10.0℃における該トナーの貯蔵弾性率G’(Tm+10.0)と、融点Tm+50.0℃における該トナーの貯蔵弾性率G’(Tm+50.0)は以下の方法で測定する。
1) 直径8.0mmのパラレルプレートを用いる。
2) 周波数(Frequency)は1.0Hzとする。
3) 印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
4) 0℃〜150℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
5) 最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
6) 最大トルク(Max Allowed Torque)200.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
7) 歪み調整(Strain Adjustment)を20.0% of Current Strainと設定する。
前記シェルの平均膜厚は、トナー粒子の断面の形態を測定することによって求めることができる。トナー粒子の断面の形態を測定する具体的方法としては、まず、光硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、紫外線を照射して該エポキシ樹脂を硬化させる。得られた硬化物を、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用いて切断し、薄片状のサンプルを作製する。該サンプルに四酸化ルテニウムを用い染色を施した後、透過電子顕微鏡(TEM)(HITACHI社製 H7500)を用い、加速電圧120kVの条件でトナーの断層形態を観察する。上記した観察方法において、四酸化ルテニウムによりトナー粒子の非晶部が強く染色される。その結果、本発明における非晶性樹脂を主成分とするシェル部分が染色され、染色されていない側鎖結晶性樹脂を主成分とするコア部分がコントラストとして観察可能となる。尚、観察倍率は20000倍とした。
さらにこの測定をトナー100個について行い、その平均値をシェル平均膜厚とした。
本発明において、結着樹脂のSP値(SP2)、シェル樹脂のSP値(SP1)はFedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求めた。
式(1): σm=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
式(2): σp={(Σj×ΣΔei)/(Σj×ΣΔvi)}1/2
式(3): σp=[{(Wx/Mx)×Δei(X)+Wy/My×Δei(Y)}/{(Wx/Mx)×Δvi(X)+Wy/My×Δvi(Y)}]1/2
式(4): σM=Σ(Wi×σi)
(5)トナーのピーク分子量(Mp)の算出
本発明におけるトナーの分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:HLC8220 GPC(検出器:RI、UV)(東ソー社製)
カラム:TSKgelG4000HXL、TSKgelG3000HXL、TSKgelG2000HXL(東ソー社製)
溶離液:クロロホルム
流速:1.0ml/min
オーブン温度:45.0℃
試料注入量:0.10ml
本発明で用いられる樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)の測定は、JIS Z8825−1(2001年)に準じて測定されるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows WET(LA−920) Ver.2.02」を用いる。また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。
1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「110A000I」(相対屈折率1.10)を選択する。
5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
6)1時間以上の暖気運転を行なった後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
7)ガラス製の100ml平底ビーカーに約60mlのイオン交換水を入れる。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
9)前記7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
10)前記9)のビーカー内の水溶液に超音波を照射した状態で、約1mgの脂肪酸金属塩を少量ずつ前記ビーカー内の水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、この際に脂肪酸金属塩が固まりとなって液面に浮く場合があるが、その場合はビーカーを揺り動かすことで固まりを水中に沈めてから60秒間の超音波分散を行なう。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
11)前記10)で調製した脂肪酸金属塩が分散した水溶液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%〜95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、体積基準のメジアン径(D50)を算出する。
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を入れた。
・トルエン 100.0部
・スチレン(St) 84.5部
・アクリル酸n−ブチル(BA) 11.3部
・メタクリル酸メチル(MMA) 2.5部
・メタクリル酸(MAA) 1.7部
・t−ブチルパーオキシピバレート 3.0部
シェル樹脂1の製造において、単量体の仕込み量を表1に示すように変更した以外は同様にして反応を行い、シェル樹脂2乃至9を得た。各シェル樹脂のTg、SP値、Mpは表1に示した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、窒素雰囲気下で以下の材料を仕込んだ。
・テレフタル酸 230.0部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 690.0部
・安息香酸 120.0部
・チタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート 3.0部
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、窒素雰囲気下で以下の材料を仕込んだ。
・2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン 710.0部
・テレフタル酸 235.0部
・アジピン酸 140.0部
・テトラブトキシチタネート 0.5部
冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、下記原料を入れ、常圧下220℃で15時間反応を行い、さらに1.3〜2.6kPaの減圧下で0.5時間反応させた。
・テレフタル酸 210.0部
・イソフタル酸 210.0部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 1200.0部
・シュウ酸チタン酸カリウム 0.3部
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に下記原料を入れ、温度80℃に加熱して溶解した。
・シェル樹脂1 100.0部
・メチルエチルケトン 45.0部
・テトラヒドロフラン 45.0部
・ジエチルアミノエタノール 1.0部
シェル樹脂分散液Aの製造において、用いるシェル樹脂、ジエチルアミノエタノール量を表3に示したように変更した以外は同様にして転相乳化を行い、シェル樹脂分散液B乃至Dを得た。シェル樹脂分散液の体積基準のメジアン径(D50)は表3に示した。
・ベヘニルアクリレート 100.0部
・1,10−デカンジオールジアクリレート 0.7部
・t−ブチルパーオキシピバレート 6.0部
(結晶性ポリエステルの作製)
撹拌機、温度計、流出用冷却機を備えた反応装置に1,10−ドデカン2酸49.5部、イソフタル酸8.0部、1,9−ノナンジオール22.3部、テトラブチルチタネート0.03部を入れ、窒素雰囲気下、温度220℃で5時間反応を行った。その後、反応容器内を0.7〜2.6kPaの減圧条件下でさらに5時間反応し結晶性ポリエステルを得た。
前記結晶性ポリエステル100.0部を蒸留水800.0部中に入れ、70℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK)0.4部を加え、70℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラックスT50)にて8000rpmで7分間分散し、結晶性ポリエステル分散液Aを得た。
・ピグメントブルー15:3 70.0部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)社製:ネオゲン) 3.0部
・イオン交換水 400.0部
前記成分を混合して溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させ、着色剤分散液Aを得た。
・パラフィンワックス(日本精鑞製:HNP−5 融点60℃) 100.0部
・アニオン界面活性剤(竹本油脂社製:パイオニンA−45−D) 2.0部
・イオン交換水: 500.0部
前記成分を混合して溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤微粒子(パラフィンワックス)を分散させてなる離型剤分散液Aを得た。
(トナー粒子1の作製)
・ベヘニルアクリレート(BeA) 100.0部
(新中村化学社製:NKエステル A−BH)
・1,10−デカンジオールジアクリレート(架橋剤) 0.7部
(新中村化学社製:NKエステル A−DOD−N)
・ピグメントブルー15:3 6.5部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1.0部
(オリエント化学社製:ボントロンE−88)
・離型剤 パラフィンワックス 9.0部
(日本精鑞製:HNP−51 融点74℃)
・シェル樹脂1 10.0部
・トルエン 100.0部
からなるモノマーの混合物を調製した。これに15mmのジルコニアビーズを入れ、アトライター(三井三池化工機製)を用いて2時間分散して、モノマー組成物を得た。
上記トナー粒子1を分級した後、100.0部を量り取り、疎水性シリカ微粉体(一次粒径12nm、BET比表面積120m2/g、表面処理剤:ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル)を1.0部加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)を用いて混合し、トナー1を得た。
実施例1において、使用したモノマーの種類、架橋剤量、使用した非晶性樹脂およびその導入量を表4に示すように変更した。それ以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子及びトナーを得た。尚、BeAはベヘニルアクリレート、MMAはメチルメタクリレート、AcAはアクリル酸、Stはスチレン、BMAはブチルメタクリレートを表す。また表中の結着樹脂組成における割合は質量割合である。
実施例1において、重合時にシェル樹脂を仕込まず、モノマーの種類、架橋剤量を表5のようにし、重合反応を行った。重合終了後、得られた樹脂粒子の分散液を冷却し、イオン交換水を加えて分散液中の樹脂粒子濃度が20%になるように調整し、コア粒子分散液とした。
実施例9において使用した樹脂微粒子分散液及びその量を表5のようにした以外は、実施例9と同様にしてトナー粒子およびトナーを得た。
・ベヘニルアクリレート分散液 300.0部
・着色剤分散液 50.0部
・離型剤粒子分散液 60.0部
・カチオン性界面活性剤 3.0部
(花王(株)製:サニゾールB50)
・イオン交換水 500.0部
その後、実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を外添し、トナー17を得た。
ベヘニルアクリレート分散液のかわりに結晶性ポリエステル分散液、シェル樹脂分散液Cのかわりにシェル樹脂分散液Dを用いたこと以外は実施例17と同様にし、トナー粒子およびトナー21を得た。
市販のカラーレーザープリンター(キヤノン製:LBP−5400)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、これにトナーを充填し、該カートリッジをシアンステーションに装着した。次いで、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)上に、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、市販のカラーレーザープリンター(キヤノン製:LBP−5400)から取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピード及び定着線圧が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
本発明において、コールドオフセットが生じなくなる温度を最低定着温度とした。尚、コールドオフセットとは画像を形成するトナーの一部のみが溶融し定着ローラーに付着し、後続の被定着シートを汚染することをいう。この際、定着ローラーに付着しなかったトナーは溶融していないため、定着しておらず指でこすると容易に消える。最低定着温度の評価基準は以下の通りである。
A:最低定着温度が90℃未満(低温定着性能が特に優れている)
B:最低定着温度が90℃以上95℃未満(低温定着性能が良好である)
C:最低定着温度が95℃以上100℃未満(低温定着性能が問題ないレベルである)
D:最低定着温度が100℃以上110℃未満(低温定着性能がやや劣る)
E:最低定着温度が110℃以上である(低温定着性能が劣る)
また、最低定着温度+20℃の温度で定着した定着画像を4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけたシルボン紙(オズ産業製:DUSPER K−3)で摺擦したときに、摺擦前後の濃度低下率を定着画像の折り曲げ強度とした。定着画像の折り曲げ強度の評価基準は以下の通りである。
A:濃度低下率が5%未満である(定着画像の折り曲げ強度が特に優れている)
B:濃度低下率が5%以上10%未満である(定着画像の折り曲げ強度が優れている)
C:濃度低下率が10%以上15%未満(定着画像の折り曲げ強度が問題のないレベルである)
D:濃度低下率が15%以上20%未満(定着画像の折り曲げ強度が劣る)
E:濃度低下率が20%以上である(定着画像の折り曲げ強度が著しく劣る)
また、同条件でホットオフセットが観察されなかった最高温度を最高定着温度とし、最高定着温度と最低定着温度の差を定着可能領域とした。定着可能領域の評価基準は以下の通りである。
A:ホットオフセットが発生しない温度が、低温側開始点の温度+60℃以上である(定着可能領域が特に広い)
B:ホットオフセットが発生しない温度が、低温側開始点の温度+50℃以上+60℃未満である(定着可能領域が広い)
C:ホットオフセットが発生しない温度が、低温側開始点の温度+40℃以上+50℃未満である(定着可能領域が問題ないレベルである)
D:ホットオフセットが発生しない温度が、低温側開始点の温度+30℃以上+40℃未満である(定着可能領域がやや狭い)
E:低温側開始点の温度+30℃未満の温度領域でホットオフセットが発生する(定着可能領域が狭い)
(かぶり)
トナー1乃至25について、それぞれのトナーとシリコーン樹脂で表面被覆した磁性微粒子分散型樹脂キャリア(数平均粒子径35μm)とを、トナー濃度が8.0質量%になるように混合し、二成分現像剤1乃至25を作製した。
A:かぶり濃度が0.6%未満(帯電性が特に優れている)
B:かぶり濃度が1.0%未満(帯電性が優れている)
C:かぶり濃度が1.5%未満(帯電性が良好である)
D:かぶり濃度が2.0%未満(帯電性がやや劣る)
E:かぶり濃度が2.0%以上(帯電性が劣る)
(ブロッキング)
トナー5gを容積100mlのポリカップに量り採り、これを内部温度50℃の恒温槽に入れて放置する。3日後に、恒温槽内のポリカップを取り出して、中のトナーの状態変化を目視にて評価する。判定基準は以下の通りである。
A:変化なし(耐熱保存性が特に優れている)
B:わずかに凝集塊が生じるが、すぐにほぐれる(耐熱保存性が良好である)
C:多少の凝集塊が生じるが、少しの衝撃でほぐれる(耐熱保存性が問題ないレベルである)
D:凝集塊が生じ、容易にはほぐれない(耐熱保存性がやや劣る)
E:完全に凝集し、ボタン状に固まる(耐熱保存性が劣る)
最低定着温度よりも20℃高い温度における定着画像紙について、以下の評価を行った。該定着画像紙の画像部を下向きにして、未使用の紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)500枚の上に載せ、さらに該定着画像紙の上から、同種の未使用の紙を500枚乗せて、該定着画像紙を挟み込んだ。これを、45℃に調温した恒温槽に静置し、72時間放置した後に恒温槽から取り出した。該定着画像紙と接触していた未使用の紙の、画像部と接触していた部分の反射率を測定し、該未使用の紙の画像部と接触していなかった部分の反射率を引いて、画像の色移りを測定した。その様子から画像の積載性について以下の基準に従って評価を行った。尚、反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。
A:色移りした部分の濃度が0.5%未満(画像の積載性が特に優れている)
B:色移りした部分の濃度が1.0%未満(画像の積載性が優れている)
C:色移りした部分の濃度が2.0%未満(画像の積載性について、実用上問題ない)
D:色移りした部分の濃度が4.0%未満(画像の積載性にやや劣る)
E:色移りした部分の濃度が4.0%以上(画像の積載性に劣る)
結果を表7に示す
Claims (5)
- 結着樹脂及び着色剤を含有するコアと、該コアを被覆するシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、
i)有機構造体の骨格に対し、脂肪族炭化水素及び/又は芳香族炭化水素である側鎖を有し、該側鎖間で結晶構造を取りうる構造を有する側鎖結晶性樹脂であり、
ii)融点Tmが50.0℃以上90.0℃以下であり、
該シェルを構成する樹脂は、ガラス転移温度Tgが50.0℃以上(Tm+35.0)℃以下であり、
該トナーは、
i)温度Tm+10.0℃における貯蔵弾性率G’(Tm+10.0)が1.0×103Pa以上1.0×105Pa以下であり、
ii)温度Tm+50.0℃における貯蔵弾性率G’(Tm+50.0)と該G’(Tm+10.0)との比G’(Tm+10.0)/G’(Tm+50.0)が10.0以下である、
ことを特徴とするトナー。 - 該側鎖結晶性樹脂における側鎖を有するユニットが化式1で表わされる部分構造であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
(化式1)
(式中、R1は炭素数が18以上34以下のアルキル基であり、R2は水素またはメチル基である。) - 該シェルの平均膜厚が3.0nm以上、500.0nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 該シェルを構成する樹脂のSP値をSP1とし、該結着樹脂のSP値をSP2とした時、差(SP1−SP2)がが0.5以上3.0以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
- 該トナーは、示差走査熱量測定で得られる温度−吸熱量曲線のメインピークに関し、ピークの半値幅が8.0℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012288238A JP6061674B2 (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | トナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012288238A JP6061674B2 (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | トナー |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014130243A JP2014130243A (ja) | 2014-07-10 |
JP2014130243A5 JP2014130243A5 (ja) | 2016-01-28 |
JP6061674B2 true JP6061674B2 (ja) | 2017-01-18 |
Family
ID=51408683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012288238A Active JP6061674B2 (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | トナー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6061674B2 (ja) |
Families Citing this family (30)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9772570B2 (en) * | 2014-08-07 | 2017-09-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Magnetic toner |
JP6727837B2 (ja) * | 2015-03-25 | 2020-07-22 | キヤノン株式会社 | トナー及びトナーの製造方法 |
JP6504920B2 (ja) * | 2015-05-27 | 2019-04-24 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP6878092B2 (ja) * | 2017-03-31 | 2021-05-26 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP6863664B2 (ja) * | 2017-07-28 | 2021-04-21 | 花王株式会社 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP2019066538A (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-25 | 花王株式会社 | 電子写真用トナー用結着樹脂組成物 |
JP6948359B2 (ja) * | 2018-05-30 | 2021-10-13 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー |
JP7295695B2 (ja) * | 2018-06-06 | 2023-06-21 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー |
JP7295696B2 (ja) * | 2018-06-07 | 2023-06-21 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー |
JP7300309B2 (ja) * | 2018-06-07 | 2023-06-29 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー |
EP3582020B1 (en) | 2018-06-13 | 2023-08-30 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner |
CN110597035B (zh) | 2018-06-13 | 2023-09-29 | 佳能株式会社 | 正带电性调色剂 |
CN110597034B (zh) | 2018-06-13 | 2024-03-19 | 佳能株式会社 | 双组分显影剂 |
JP7237705B2 (ja) * | 2018-06-13 | 2023-03-13 | キヤノン株式会社 | 磁性トナー及び該磁性トナーの製造方法 |
US10732530B2 (en) | 2018-06-13 | 2020-08-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner and method for producing toner |
US10877388B2 (en) | 2018-06-13 | 2020-12-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner |
JP7341706B2 (ja) * | 2018-06-13 | 2023-09-11 | キヤノン株式会社 | トナー及びトナーの製造方法 |
JP7297503B2 (ja) | 2018-06-13 | 2023-06-26 | キヤノン株式会社 | トナー |
EP3582016B1 (en) | 2018-06-13 | 2023-10-18 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner and two-component developer |
US11112709B2 (en) | 2018-06-13 | 2021-09-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner and toner manufacturing method |
CN110597033A (zh) | 2018-06-13 | 2019-12-20 | 佳能株式会社 | 调色剂和调色剂的生产方法 |
JP7341707B2 (ja) * | 2018-06-13 | 2023-09-11 | キヤノン株式会社 | 二成分系現像剤 |
JP7292978B2 (ja) | 2019-05-28 | 2023-06-19 | キヤノン株式会社 | トナーおよびトナーの製造方法 |
JP7374745B2 (ja) * | 2019-12-12 | 2023-11-07 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP7463086B2 (ja) | 2019-12-12 | 2024-04-08 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP2021096463A (ja) | 2019-12-13 | 2021-06-24 | キヤノン株式会社 | トナー及び二成分系現像剤 |
JP2021096285A (ja) | 2019-12-13 | 2021-06-24 | キヤノン株式会社 | トナー及びトナーの製造方法 |
JP2022060854A (ja) | 2020-10-05 | 2022-04-15 | キヤノン株式会社 | トナー及びトナーの製造方法 |
US20220187725A1 (en) | 2020-12-15 | 2022-06-16 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner and method for producing toner |
US20220413406A1 (en) | 2021-06-11 | 2022-12-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5114819A (en) * | 1990-08-01 | 1992-05-19 | Xerox Corporation | Magnetic encapsulated toner compositions |
KR100573677B1 (ko) * | 2004-01-20 | 2006-04-26 | 삼성전자주식회사 | 결정성 고분자를 포함하는 코아-쉘 고분자 라텍스 및 그의제조 방법 |
JP4677909B2 (ja) * | 2006-01-19 | 2011-04-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真用トナー及び電子写真用現像剤、並びに画像形成方法 |
JP2009204669A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 静電荷像現像用トナーとその製造方法 |
JP2009223143A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤及び画像形成装置 |
JP2009265644A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-11-12 | Mitsubishi Chemicals Corp | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 |
-
2012
- 2012-12-28 JP JP2012288238A patent/JP6061674B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014130243A (ja) | 2014-07-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6061674B2 (ja) | トナー | |
JP6245980B2 (ja) | トナー | |
JP6410579B2 (ja) | トナー | |
US9158216B2 (en) | Method for producing toner particles | |
JP5773752B2 (ja) | トナー及びトナーの製造方法 | |
JP6516452B2 (ja) | トナー | |
JP6123762B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 | |
JP2015127807A (ja) | トナー | |
JP2013257415A (ja) | トナー | |
JP2016206387A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP6237710B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP6119786B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP2018124460A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP6413513B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP6679926B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP6137351B1 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP6930237B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP6512074B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法 | |
JP6288039B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP5414339B2 (ja) | トナー及び該トナーの製造方法 | |
JP2019086641A (ja) | トナー | |
JP6494421B2 (ja) | トナーの製造方法およびブロックポリマーの製造方法 | |
JP2017116696A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP6740751B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP2023054881A (ja) | 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151208 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160816 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161024 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161213 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6061674 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |