JP6725203B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、バラ科オランダイチゴ属の植物から得られ、すぐれた皮膚生理活性及び生体安全性を有する化粧料配合成分並びにかかる成分を配合してなる美白用及び抗老化用のスキンケア化粧料、及びヘアケア用化粧料に関する。
皮膚は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、細胞外マトリックス成分の量的低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素、大気汚染物質や環境ホルモン等の化学物質、花粉などのアレルギー物質、環境ストレス等などの外的要因とが複雑に絡み合って、老化現象や肌荒れ、色調の変化が生じる。
例えば、皮膚細胞内には種々のマトリックスメタプロテアーゼと呼ばれる酵素が存在し、これが活性化すると、皮膚を構成する基底膜成分(コラーゲン、ラミニン等)や、真皮マトリック成分であるエラスチン等を分解し、その結果、皮膚のシワ、タルミの原因となる。
また、外的要因である紫外線、化学物質、アレルギー物質は、皮膚の細胞や組織、細胞にダメージを与えて生体成分を変質させ、その結果、皮膚内に抗原を発生させて、これにより皮膚の炎症が生じる。さらにはメラニン色素の異常沈着を誘発してシミ、ソバカス、肝斑などを生じさせる。
また、皮膚の老化現象として、皮膚のタンパク質の糖化反応が知られており、その反応により生じるアドバンスドグリケーションエンドプロダクツ(advanced glycation end product(AGE))と呼ばれるタンパク質糖化反応最終産物の蓄積が注目を集めている。このタンパク質糖化反応が皮膚において生じると、皮膚のタンパク質(コラーゲン、エラスチン等)の機能が損なわれ、その結果、肌の柔軟性・弾力性が失われ、シワ・タルミの原因となる。また、AGEが皮膚に蓄積すると、シミ、くすみの原因にもなる。
以上のような皮膚の老化、不健全化を防ぎ、かつ、若々しい状態に保持するため、従来、種々の活性成分の使用が提案され、それら活性成分(美肌化剤、美白剤等)を配合した化粧品が上市されている。例えば、ビタミンC、ビタミンE、カタラーゼなどの抗酸化剤;グリチルリチン酸などの抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分;尿素などの保湿剤、アミノグアニジン等のタンパク質糖化抑制剤がそれである。また、皮膚のシミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着の発生を抑制する物質としては、アルブチン、コウジ酸などが知られており、美白剤の有効成分として広く使用されている。
以上のように、従来、様々な皮膚老化現象のメカニズムに基づいて、抗老化剤及び美白剤が提案されているが、皮膚などに対する安全性、また、実際に皮膚に適用した際の有効性の観点で問題が存在する。従って、かかる点が改善された化粧料配合成分が求められている。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性の観点から天然物由来の新たな化粧料配合成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、バラ科オランダイチゴ属に属する植物の花部の抽出物が、すぐれた抗酸化作用、ゼラチナーゼ活性抑制作用、エラスターゼ活性抑制作用及びタンパク質糖化抑制作用を有し、これらの相互作用により、当該抽出物を配合することですぐれた皮膚(頭皮も含む)の健全化効果、抗老化効果、美白効果、髪質改善及び育毛効果を奏し、かつ、皮膚安全性にすぐれた化粧料の提供が可能になることを見出した。
従来、バラ科オランダイチゴ属に属する植物の種子、果実、葉、茎の抽出物を化粧料等の皮膚外用剤に利用されることについては、特許文献1〜4等の記載により公知化されているが、当該植物の花部の抽出物を化粧料に利用することについて知られていなかった。
特開2003-261454号公報 特開2008-273922号公報 特開2009-298765号公報 特開2010-047483号公報
本発明は、バラ科オランダイチゴ属に属する植物の花部の抽出物を有効成分として含有する化粧料である。
なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
本発明は、バラ科オランダイチゴ属に属する植物の花部の抽出物を有効成分とする化粧料であって、当該抽出物が奏する抗酸化作用(SOD様活性、過酸化脂質抑制)、ゼラチナーゼ活性抑制作用、エラスターゼ活性抑制作用及びタンパク質糖化抑制作用により、格段にすぐれた皮膚の肌荒れ(炎症、乾燥肌、ニキビ等)及び老化現象(シワ、タルミ、ハリやキメの低下等)の予防、改善効果、並びに皮膚のシミ、ソバカス、肝斑などの色素沈着を予防、改善効果する化粧料を提供することができる。さらに、上記作用に基づき毛髪を保護し、かつ、頭皮を健全化する効果を有する化粧料も提供できる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いる抽出素材は、バラ科(Rosaceae)オランダイチゴ属(Fragaria)の花部又は花部を含む全草、或いは花部と茎及び/又は葉の使用が好ましい。オランダイチゴ属の植物としては、イチゴ、チリイチゴ、ノウゴウイチゴ、シロバナノヘビイチゴ、エゾヘビイチゴ、エゾクサイチゴ、バージニアイチゴ、Fragaria grandiflora、Fragaria daltoniana、Fragaria nilgerrensis、Fragaria nubicola、Fragaria viridis、Fragaria moupinensis、Fragaria orientalis、Fragaria moschata、Fragaria iturupensis Staudt又はこれらの変種・交配種等を用いることもできる。また、花の採取時期及び大きさ等は特に限定されるものではなく、いずれの大きさ、採取時期のものを使用しても良い。なお、本発明において花部とは、開花前の蕾の状態のものでも、又は開花後の花弁、萼、雄しべ、雌しべ、花床(未成熟期のもの)のいずれか1以上を含むものでも良い。
抽出物の調製は、まず、バラ科オランダイチゴ属のイチゴの部位(例えば、花部、全草、或いは花部と茎及び/又は葉)を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、抽出溶媒と接触させて抽出を行う。抽出は、浸漬法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることで行うことが可能であるが、超臨界抽出法や水蒸気蒸留法を用いることも可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の有効性、さらには、皮膚刺激性の観点から、又化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3−ブチレングリコール)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒が特に好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
また、バラ科オランダイチゴ属の植物の乾燥部位(例えば、花部、花部を含む全草、或いは花部と茎及び/又は葉)と抽出溶媒との重量比は好ましくは1:1〜1:80の範囲であり、より好ましくは、1:5〜1:50の範囲である。
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には4〜9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水もしくは1,3−ブチレングリコール、又は水と1,3−ブチレングリコールとの混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は好ましくは0℃〜80℃の範囲であり、より好ましく0℃〜20℃の範囲であり、又抽出時間は好ましくは1時間〜7日間であり、より好ましくは4時間〜3日間の範囲である。
なお、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、必要に応じてイチゴに加水分解処理を施してもよい。これによって、当該抽出物の保存安定性等を改善して、化粧料配合剤としての抽出物をより有効に利用できる可能性がある。
抽出物に酵素加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、ペプシンなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼなどの澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素、及びリパーゼなどの脂肪分解酵素のいずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよいが、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いることがより好ましい。
酵素の添加量は、例えば、バラ科オランダイチゴ属に属する植物の花部、花部を含む全草、或いは花部と茎及び/又は葉であれば、その固形分に対して、合計で0.01〜50重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
上述のように調製した抽出物は、一般にはpHを4〜9に調製した上で、これをそのままの状態で化粧料配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
また、上述のように調製した抽出物は、保存安定性等を高めるために、一定時間冷蔵保存した上で、上清を化粧料配合剤として使用しても良い。
本発明のイチゴ抽出物を含む化粧料(医薬部外品も含む)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアクリームなどの毛髪用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料におけるバラ科オランダイチゴ属に属する植物の抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。また、毛髪用化粧料の場合は、抽出物の固形分として、一般的には0.00001〜5.0重量%(固形分重量%、以下同じ)であり、好ましくは、0.0001〜3.0重量%である。
化粧料には、必須成分のオランダイチゴ属に属する植物抽出物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。また、当該抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分を組み合わせて配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤乃至乳化助剤としては、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)、サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体、アルカリゲネス産生多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ等の植物由来のエタノール又は1,3−ブチレングリコール等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3−グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2−グリセリルアスコルビン酸などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L−アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L−アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3−O−Dラクトース−L−アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)などが挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物又はその加水分解物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕抽出物又はそれに含まれるセラミド、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が上げられる。また、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、アンズ果実の抽出物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、ダマスクバラの花の抽出物、タケノコの皮の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、モモ抽出物、桃仁抽出物、キウイ抽出物、ヒマワリ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物、パウダルコ樹皮抽出物、萱草(デイリリー)抽出物または発酵物、ハイビスカスの花抽出物または発酵物、ハゴロモグサ抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴー抽出物、マンゴスチン抽出物、フノリ抽出物、烏龍茶抽出物、紅富貴抽出物、紫蘭抽出物、山椒果皮又は種皮の抽出物または加水分解物、ベニバナ花抽出物、カサブランカ抽出物、甘藷抽出物または発酵物、グアバ葉抽出物、ドクダミ抽出物、晩白柚抽出物、アロエ抽出物、リンゴ抽出物等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.イチゴの花部の抽出物の調製
イチゴの花部を乾燥し、乾燥物15gに精製水を315gと1,3−ブチレングリコールを135g添加し4℃で浸漬し、抽出を行った後ろ過し、褐色透明のイチゴ花抽出物338gを得た(固形分濃度1.5%)。なお、後述する評価試験に本製造例1に係る抽出物を用いる場合は、その固形分濃度が0.2%になるように調製した。
製造例2.イチゴの花部の抽出物の調製
イチゴの花部(一部茎も含む)を乾燥し、乾燥物15gに精製水を315gと1,3−ブチレングリコールを135g添加し4℃で浸漬し、抽出を行った後ろ過し、得られた液338gに活性炭0.75%を加え、1時間攪拌する。ろ過により活性炭を除去し、淡褐色透明のイチゴ花抽出物272gを得た(固形分濃度1.0%)。なお、後述する評価試験に本製造例2に係る抽出物を用いる場合は、その固形分濃度が0.2%になるように調製した。
製造例3.イチゴの花部の抽出物の調製
イチゴの花部(蕾)を乾燥し、乾燥物15gに精製水を315gと1,3−ブチレングリコールを135g、乳酸を0.9g添加し4℃で浸漬し、抽出を行った後ろ過し、得られた液335gに活性炭0.75%を加え、1時間攪拌する。ろ過により活性炭を除去し、淡褐色透明のイチゴ花抽出物270gを得た(固形分濃度1.0%)。なお、後述する評価試験に本製造例3に係る抽出物を用いる場合は、その固形分濃度が0.2%になるように調製した。
処方例1.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例2.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例2の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例3.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例3の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例4.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例1の抽出物 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例5.乳液
処方例4のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例6.乳液
処方例4のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例4のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物5.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例4のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてソウハクヒ抽出物5.0部を用いるほかは処方例4と同様にして乳液を得た。
処方例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
アルブチン 3.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例10.ローション
[成分] 部
製造例2の抽出物 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
処方例11.ローション
処方例10の成分中製造例2の抽出物に代えて製造例3の抽出物10.0部を用いるほかは処方例9と同様にしてローションを得た。
処方例12.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例1の抽出物 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
実施例13.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
処方例14.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の抽出物 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
処方例15.育毛用化粧料
[成分] 部
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
モノニトログアヤコールナトリウム 0.02
塩酸ピリドキシン 0.03
l−メントール 0.8
タマサキツヅラフジ根エキス 0.3
褐藻エキス 0.3
オタネニンジンエキス 0.3
ゲンチアナエキス 2.0
製造例1の抽出物溶液 3.5
トリメチルグリシン 0.5
乳酸 0.2
1,3−ブチレングリコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
L−アルギニン 適量
エタノール 20
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を十分攪拌混合して育毛料を得た。
処方例16.ヘアシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例1の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアシャンプーを得た。
実施例17.ヘアコンディショナー
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例1の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアリンスを得た。
試験例1.DPPHラジカル消去効果の評価試験
まず、DPPH(1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル)2.4部をエタノール20部に溶解し、これに精製水20部を加えてDPPH溶液を調製した。このDPPH溶液24部に対して、18v/v%エタノール溶液を19.2部、2M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を4.8部加えて、DPPH添加溶液として調製した。また、抽出液そのものの色調が試験に及ぼす影響を差し引くため、DPPH溶液の代わりに50v/v%エタノール溶液を用いて、18v/v%エタノール溶液と2M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を混合した液を対照液とした。次に、上述のように調製した製造例1の抽出物溶液を精製水で希釈して試料溶液を調製した。ここで、試料溶液としては、その全量に対する製造例1の抽出物溶液の終濃度(溶液としての濃度)がそれぞれ0.5%,1.0%,2.0%となるように調製した3種の濃度のものを使用した。この試料溶液とDPPH添加溶液又は対照液とを1:3の割合で混合し、室温で10分静置後、各試験溶液をDPPH添加溶液と混合した場合の550nmにおける吸光度と、同じく各試験溶液を対照液と混合した場合の550nmにおける吸光度との差を測定し、DPPHラジカルの残存量を確認した。また、同時にコントロールとして製造例1の抽出物溶液の代わりに、30%1,3−ブチレングリコール水溶液を用いて上記と同様の操作を行い、ここに得られる DPPHラジカル残存率に対する各試料添加時のDPPHラジカル残存率の相対値を求めた。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として水溶性ビタミンE(終濃度10μM)を添加した場合についても、同様の試験を行った。
試験例1の結果を表1に示す。
[表1]
表1に示すように、本発明の製造例1に係る抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたDPPHラジカル消去作用を有することが確認された。
試験例2.SOD様活性の評価試験
[試験方法]
まず、1Mトリス−塩酸緩衝液0.15mL、1mMエチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩溶液0.30mL、1mMキサンチン溶液0.30mL、0.75mMニトロブル-テトラゾリウム溶液0.20mL、製造例1の抽出物溶液0.10mL及び精製水1.90mLを混合して試験溶液を調製した。又試験溶液において、製造例1の抽出液0.10mLに代えて30%1,3−ブチレングリコール0.10mLを用いる他は上記試験溶液と同様の組成からなる混合液(コントロール)を調製した。又試験液において製造例1の抽出物溶液0.10mLに代えて、0.875又は8.75Unit/mLのスーパーオキシドジスムターゼ溶液0.10mLを用いる他は上記試験溶液と同様の組成からなる混合液(陽性対照)を調製した。上記試験溶液、又は試料無添加の混合液をそれぞれ37℃でインキュベートした後、これに1Unit/mLキサンチンオキシダーゼ溶液0.05mLを添加し、一定時間経過後(5分)、各被験液の570nmにおける吸光度(被験液中のスーパーオキシドアニオン量の指標)を測定した。結果は、コントロールの混合液の吸光度を100%とした時の各試験溶液、又は陽性対照(スーパーオキシドジスムターゼ)の混合液の吸光度を%で示した。
試験例2の結果を表2に示す。
[表2]
表2に示すように、本発明の製造例1に係る抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたSOD様活性を有することが確認された、
試験例3.過酸化脂質抑制効果の評価試験
まず、0.5Mリノール酸エタノール1.0mL、0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mLおよびエタノール9.0mLを混合し、充分撹拌した。この混合液に製造例1の抽出物溶液5.0mLを加えて充分撹拌し、試料溶液を調製した。ここで、試料溶液としては、その全量に対する製造例1の抽出物溶液の終濃度(溶液としての濃度)がそれぞれ1.0%,2.0%,5.0%となるように調製した3種の濃度のものを使用した。この試料溶液の調製直後、さらに1日間、4日間、7日間40℃に放置したものに対して、それぞれ0.1mL、75%エタノール4.7mL、30%チオシアン酸アンモニウム溶液0.1mL、及び0.02M塩化第一鉄の3.5%塩酸溶液0.1mLを加えて充分に混合撹拌したのち、3分後の波長500nmにおける吸光度を測定した。また。コントロールとして1,3−ブチレングリコールの30%水溶液についても同様の試験を行い、本試験系での過酸化脂質生成量を、調製直後の値を差し引いた波長500nmにおける吸光度の増加量で表した。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示すように、本発明の製造例1に係る抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれた過酸化脂質抑制効果を有することが確認された。
試験例4.ゼラチナーゼ活性抑制効果の評価試験
まず、0.25ng/mLのIL−1αを用いて、MMPの合成を誘導した線維芽細胞(NB1RGB)の培養上清をゼラチナーゼ酵素液として用いた。ゼラチナーゼ酵素液に5μg/mLのトリプシンを添加し30分間37℃で反応させ活性化処理を行い、50μg/mLのトリプシンインヒビターで反応を停止後の液をゼラチナーゼ活性化酵素液とした。96ウェルマイクロプレートにゼラチナーゼ活性化酵素液120μL、製造例1の抽出物溶液を終濃度5.0%(溶液として)になるように調製した溶液10μL添加した後、1μg/mLの基質溶液MOCAc-pro-leu-gly-leu-a2pr(DNP)-ala-arg-NH2,ペプチド研究所製)を20μL添加し、初期の蛍光強度(Ex=355nm、Em=460nm)を測定してから30分間室温で反応させた。30分後の蛍光強度から初期値を引いた増加量を求めた。製造例1の抽出物の代わりに精製水を添加した区(対照)についても同様の操作を行い、この対照に対する蛍光強度の増加量の相対値をゼラチナーゼ活性率(%)とした。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として1mMのEDTAを添加した場合についても、同様の試験を行った。
試験例4の結果を表4に示す。
[表4]
表4に示すとおり、本発明の製造例1に係る抽出物は、格段にすぐれたゼラチナーゼ活性抑制効果を示すことが確認された。
試験例5.エラスターゼ活性抑制効果の評価試験
まず、ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、10%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10 個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に1日間プレ培養した。その後、PBS(−)を用いて1回洗浄した後、1%Triton X-100/1mM PMSF含有100mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)を50μL/穴ずつ添加して室温で10分間静置し、細胞を溶解した。その溶液を線維芽細胞由来のエラスターゼ酵素液とした。製造例1の抽出物溶液を含む評価試料溶液50μLと合成基質溶液(5mM Suc Ala-Ala-Ala pNA/100mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0))50μLを混和し、37℃で2時間反応させた後の吸光度(波長405nm:マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製))を測定し、線維芽細胞のエラスターゼ活性の指標とした。製造例1の抽出物溶液の代わりに精製水を用いて同様に試験を行い、ここに得られた線維芽細胞エラスターゼ活性を100とした時の、製造例1に係る抽出物溶液を用いた時の線維芽細胞のエラスターゼ活性の比率を求め、相対線維芽細胞エラスターゼ活性とした。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照としてEDTA(終濃度1mM)を添加した場合についても、同様の試験を行った。
試験例5の結果を表5に示す。
[表5]
表5に示すとおり、本発明の製造例1に係る抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたエラスターゼ活性抑制効果を有することが確認された。
試験例6.タンパク質糖化抑制効果の評価試験
本試験では、グルコースを介したBSA(牛血清アルブミン)の蛍光の発生により、AGEの発生抑制効果、すなわち、タンパク質糖化抑制効果を評価した。次に、当該調製液40μLと、50mg/mLのBSA水溶液40μLと、2.5Mのグルコース水溶液40μLと、PBS(−)溶液80μLを混合、攪拌して試料溶液を調製した。試料溶液は製造例1の抽出物溶液の最終濃度がそれぞれ1.0%、2.0%、5.0%となるよう調製した。次に、試料溶液を50℃で7日間静置し、7日後、各試料溶液について、蛍光発生(励起:355nm、放射:460nm:蛍光マイクロプレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製))を測定した。また、製造例1の抽出物に代えて精製水を用いた試料無添加(Control)の場合について同様の操作を行い、ここで得られた蛍光測定値に対する各試料溶液の蛍光測定値の相対値(%)を求め、タンパク質糖化率(%)とした。さらに、製造例1の抽出物の代わりに陽性対照として1mMのアミノグアニジン(AG)を添加した場合についても同様の試験を行った。
試験例6の結果を表6に示す。
[表6]
表6に示すとおり、本発明の製造例1に係る抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたタンパク質糖化抑制効果を有することが確認された。
以上の効果により、本発明に係る抽出物を配合することで、皮膚の炎症、ニキビ等の改善効果、及び紫外線、大気汚染物質、花粉などのアレルギー物質等が原因で生じる酸化ダメージから肌を保護する化粧料を提供することができる。また、皮膚の老化現象(シワ、タルミ、くすみ、ハリやツヤ、キメの低下等)の予防,改善、肌のシミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着を予防,改善及び毛穴のくすみ、黒ずみを実現する化粧料を提供することができる。さらに、頭皮のフケ、痒み、老化を予防する毛髪化粧料も提供することができる。

Claims (1)

  1. バラ科(Rosaceae)オランダイチゴ属(Fragaria)に属するイチゴ開花後の花部の抽出物を有効成分として含有する化粧料。
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