JP6689024B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の植物の抽出物を有効成分とし、すぐれた皮膚生理活性及び生体安全性を有する化粧料配合成分並びにかかる成分を含有する皮膚外用剤に関する。
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、細胞の萎縮、ホルモン分泌の低下、角層細胞間脂質成分の量的低下等の内的要因と、太陽光(紫外線)、排ガス等に含まれる化学物質(窒素化合物や硫黄化合物等)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、又は炎症等の外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。上記内的要因により、例えば、表皮角層細胞の活性低下もしくは増殖能の低下、セラミドや天然保湿因子(Natural moisturizing factor ; NMF)等の角質層のバリア機能を担う成分の減少、表皮基底細胞の不活化、過剰な皮脂分泌等が生じる。また、上記外的要因により、例えば、皮膚が酸化ダメージを受けて生体成分が変質して皮膚内に抗原が生じ、この抗原が皮膚の炎症やアレルギーの発症の要因となる。そして、それら内定要因と外的要因により皮膚の形態的・生理的変化として、肌荒れ、ニキビの形成、乾燥肌、シワ、たるみ等の皮膚の老化に係る症状が現れる。
以上のことから、皮膚の炎症やニキビの予防、改善効果、さらには、皮膚のバリア機能の改善効果を有する皮膚外用成分が求められており、従来、様々な抗酸化剤(ビタミンC、ビタミンE、スーパーオキシドジスムターゼ等)、抗炎症剤(グリチルリチン酸等)、保湿剤(尿素等)が提案されてきた。しかし、これらの有効成分は皮膚安全性及び有効性の点で問題があった。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性の観点から天然物由来の新たな有効成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、ボタン科ボタン属に属する植物の抽出物、バラ科サクラ属に属する植物の抽出物、及びシソ科シソ属に属する植物の抽出物の混合物が、すぐれた抗酸化作用、抗炎症作用、バリア機能向上作用、皮膚のターンオーバー正常化作用及び皮脂分泌抑制作用を有し、これらの作用により、当該混合物を配合することですぐれた皮膚生理活性効果を奏し、かつ、皮膚安全性にすぐれた皮膚外用剤の提供が可能になることを見出した。
従来、ボタン科ボタン属の植物抽出物、バラ科サクラ属に属する植物の抽出物、及びシソ科シソ属に属する植物の抽出物のそれぞれが、皮膚生理活性を有することは、例えば、特許文献1〜6に開示されているが、これらの植物の抽出物を組み合わせることにより、各抽出物では奏し得なかった皮膚生理活性が創出することについては、知られていなかった。
特開昭63-060935号公報 特開平01-090131号公報 特開平06-279256号公報 特開昭58-172321号公報 特開平11-106336号公報 特開昭64-003126号公報
本発明は、ボタン科ボタン属に属する植物の抽出物、バラ科サクラ属に属する植物の抽出物、及びシソ科シソ属に属する植物の抽出物を含有する皮膚外用剤である。
本発明は、ボタン科ボタン属に属する植物の抽出物、バラ科サクラ属に属する植物の抽出物、及びシソ科シソ属に属する植物の抽出物を含有する皮膚外用剤であって、当該植物抽出物の混合物が奏する抗酸化作用、抗炎症作用、皮膚のターンオーバー正常化作用、バリア機能向上作用及び皮脂分泌抑制作用の相乗作用により、肌荒れ(炎症、ドライスキン、アドピー性皮膚炎等)や、ニキビ、肌のシワ、タルミを予防、改善し、肌のハリ、ツヤを向上させ、さらには、シミ、ソバカスの改善や、紫外線等の外的要因による肌のダメージ(酸化ダメージ及び炎症ダメージ)の予防及び改善効果を発揮する皮膚外用剤を提供することができる。また、本発明に係る植物抽出物の混合物は、抗アンドロゲン作用をも有することから、育毛又は脱毛防止用の皮膚外用剤を提供することもできる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
本発明は、ボタン科ボタン属に属する植物の抽出物、バラ科サクラ属に属する植物の抽出物、及びシソ科シソ属に属する植物の抽出物を含有する皮膚外用剤であって、本発明で用いる抽出素材は、ボタン科ボタン属に属する植物、バラ科サクラ属に属する植物、及びシソ科シソ属に属する植物であればどのような種であってよい。
本発明で用いるボタン科(Paeoniaceae)ボタン属(Paeonia)の植物の種は、特に限定されるものではなく、例えば、シャクヤク(Paeonia lactiflora)、ヤマシャクヤク(Paeonia japonica)、ベニバナヤマシャクヤク(Paeonia obovata)、ボタン(Paeonia suffruticosa)等が挙げられる。また、当該植物の全草、葉、花部、茎、種子、実、根等、いずれを用いても良いが、全草又は根の使用が好ましい。
本発明で用いるバラ科(Rosaceae)サクラ属(Prunus)の植物の種は、特に限定されるものではなく、例えば、モモ(Prunus persica)、アンズ(Prunus vulgaris)、ウメ(Prunus mume)、スモモ(Prunus salicina)等が挙げられる。また、当該植物の全草、葉、花部、茎、種子、実、根等、いずれを用いても良いが、全草又は種子の使用が好ましい。
本発明で用いるシソ科(Lamiaceae)シソ属(Perilla)の植物種は、特に限定されるものではなく、例えば、シソ、エゴマ等が挙げられる。なお、シソとしては、一般的に、学名として、Perilla frutescens var. Crispa、又はPerilla frutescens var. Brittonで表記されるものを含み、例えば、アオジソ、チリメンジソ、アカジソ、マダラジソ、カタメンジソ、チリメンアオジソ又はこれらの変種もしくは亜種、或いは交配種が挙げられるが、本発明はこれに限るものではない。また、当該植物の全草、葉、花部、茎、種子、実、根等、いずれを用いても良いが、全草又は葉の使用が好ましい。
抽出物の調製は、まず、各植物の使用部位を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、抽出溶媒と接触させて抽出を行う。抽出は、浸漬法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることで行うことが可能であるが、浸漬法以外にも超臨界抽出法を用いることも可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルム等の炭化水素系溶媒等が挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の混合物の抗酸化作用、抗炎症作用、皮脂分泌抑制作用、及びバリア機能向上作用、さらには、皮膚刺激性の観点から、又化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類等の親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3−ブチレングリコール)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒が特に好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
また、各植物の使用部位と抽出溶媒との重量比は、好ましくは1:1〜1:50であり、より好ましくは、1:2〜1:30である。
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には3〜9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸等の酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水もしくは1,3−ブチレングリコール、又は水と1,3−ブチレングリコールとの混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は好ましくは0℃〜80℃の範囲であり、より好ましく0℃〜20℃の範囲であり、又抽出時間は好ましくは1〜168時間(1時間〜1週間)であり、より好ましくは1〜120時間(1時間〜5日間)の範囲である。
なお、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、必要に応じて抽出物に加水分解処理を施してもよい。これによって、抽出物の保存安定性等を改善して、化粧料配合剤としての抽出物をより有効に利用できる可能性がある。
抽出物に酵素加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、ペプシン等の蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ等の澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等の繊維素分解酵素等のいずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよいが、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いることがより好ましい。
酵素の添加量は、例えば、植物の使用部位の固形分に対して、合計で0.01〜10重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0重量%の範囲である。
上述のように調製した抽出物を混合し、一般にはpHを3〜8に調製した上で、これをそのままの状態で皮膚外用剤の配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
本発明の植物抽出物の混合物を含む皮膚外用剤(化粧料、医薬部外品、外用医薬品)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、毛髪用シャンプー、石けん等の清浄用化粧料、育毛剤、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の各植物抽出物の配合量は、スキンケア用の皮膚外用剤に配合する場合は、それぞれの抽出物の固形分として、一般に0.00001〜5.0重量%、好ましくは0.0001〜1.0重量%の範囲である。また、毛髪用の皮膚外用剤に配合する場合は、それぞれの抽出物の固形分として、一般的には0.00001〜5.0重量%(固形分重量%、以下同じ)であり、好ましくは、0.0001〜3.0重量%である。
本発明の皮膚外用剤には、必須成分の植物抽出物の混合物ほかに、スキンケア用の皮膚外用剤であれば、例えば、油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、その他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。また、ヘアケア用の皮膚外用剤であれば、他の活性成分(毛母細胞賦活剤、抗男性ホルモン剤、血行促進剤、皮脂分泌抑制剤、抗炎症剤、毛髪保護剤、毛周期の成長維持剤等)を組み合わせ配合するようにしてもよく、これによって、相乗的な育毛効果や脱毛防止効果を期待することもできる。さらに、本発明の植物抽出物の混合物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて化粧料に配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、小豆等)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)、ムラサキシキブ抽出物、シャクヤク抽出物、シラン根(白及)抽出物等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブタノール))、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシド等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
育毛効果及び脱毛防止効果の相乗効果が期待できる成分としては、ミノキシジル、シプロテロンアセテート、ペンタデカン酸グリセリド、6‐ベンジルアミノプリン(サイトプリン)、アデノシン、トランス‐3,4'‐ジメチル3−ヒドロキシフラバノン(t-フラバノン)、センブリエキス、ヒノキチオール、感光素、パントテン酸及びその誘導体、マイマイ花エキス、ゲンチアナエキス、カミツレエキス、ビタミンE及びその誘導体、ニコチン酸誘導体(ニコチン酸アミド等)、塩化カルプロニウム、女性ホルモン類(エチニルエストラジオール、エストロン等)、イチョウエキス、チョウジエキス、アマモエキス、黒大豆エキス、サリチル酸、グリチルリチン酸カリウム(カンゾウエキス)、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、l−メントール、塩酸ピリドキシン(ビタミンE6)、チオキソロン、オランダカラシエキス、カンファー、サリチル酸、レゾルシン、タマサキツヅラフジから得られるビス型アルカロイド、ミツイシコンブ、エルカ酸(cis−13−ドコセン酸)、ゴンドイン酸(cis−11−エイコセン酸)等の高級モノエン酸、さらにはアミノ酸類、ビタミン類、フコイダン等が挙げられる。
生理活性成分としては、美白成分として、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が上げられ、抗老化成分として、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、アンズ果実の抽出物、ダマスクバラの抽出物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸等)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.植物抽出物の混合物溶液
ボタン科ボタン属のシャクヤクの根を刻んだ後乾燥し、乾燥物50gを精製水250gに浸漬した後、1,3−ブチレングリコールを250g添加した。添加後、4℃で抽出を行った。そして、抽出液をろ過し、褐色透明のシャクヤク抽出物溶液442gを得た(固形分濃度3.57%)。また、バラ科サクラ属のモモの種子(トウニン)を乾燥後粉砕し、粉砕物50gを精製水250gに浸漬した後、1,3-ブチレングリコールを250g添加した。添加後4℃で抽出を行った。そして、抽出液をろ過し、淡黄色透明のトウニン抽出物溶液493gを得た(固形分濃度1.74%)。また、シソ科シソ属のシソの葉を乾燥し、乾燥物25gを精製水250gに浸漬し、1,3-ブチレングリコールを250g添加した。添加後、4℃で抽出を行った。そして、抽出液をろ過し、褐色透明のシソ抽出物溶液448gを得た(固形分濃度1.02%)。以上の3種の植物抽出物を混合後、不溶物を濾過し、褐色透明の抽出物混合溶液1230gを得た(固形分濃度1.54%)。
処方例1.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例1の混合物溶液 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例2.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分] 部
製造例1の混合物溶液 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例3.乳液
処方例2のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
処方例4.乳液
処方例2のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
処方例5.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分] 部
製造例1の混合物溶液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
アルブチン 3.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例6.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例1の混合物溶液 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
実施例7.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分] 部
製造例1の混合物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分] 部
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
処方例8.育毛用ヘアトニック
[成分] 部
l−メントール 0.8
製造例1の混合物溶液 2.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
エタノール 20.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を十分攪拌混合して育毛料を得た。
本発明の植物抽出物の皮膚生理活性について以下の試験方法により評価した。なお、本試験例では、各植物の抽出物を等量含むように調製した試料溶液を用いて評価を行ったが、本発明はこれに限るものではない。
試験例1.DPPHラジカル捕捉試験
DPPH2.4部をエタノール20部に溶解し、これに精製水20部を加えてDPPH溶液を調製した。このDPPH溶液24部に対して、18v/v%エタノール溶液を19.2部、2M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を4.8部加えて、DPPH添加溶液として調製した。また、抽出液そのものの色調が試験に及ぼす影響を差し引くため、DPPH溶液の代わりに50v/v%エタノール溶液を用いて、18v/v%エタノール溶液と2M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を混合した液を対照液とした。次に、製造例1の混合物溶液を精製水で希釈して試料溶液を調製した。ここで、試料溶液は、当該混合物溶液の終濃度(溶液としての濃度)がそれぞれ0.1%、0.2%、0.6%となるように調製した3種の濃度のものを使用した。この試料溶液とDPPH添加溶液又は対照液とを1:3の割合で混合し、室温で10分静置後、各試験溶液をDPPH添加溶液と混合した場合の550nmにおける吸光度と、同じく各試験溶液を対照液と混合した場合の550nmにおける吸光度との差を測定し、DPPHラジカルの残存量を確認した。また、同時にコントロール(Control)として製造例1の混合物溶液の代わりに、50%1,3-ブチレングリコール水溶液を用いて上記と同様の操作を行い、ここに得られる DPPHラジカル残存率に対する各試料添加時のDPPHラジカル残存率の相対値を求めた。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として水溶性ビタミンEであるTrolox(終濃度5μM)を添加した場合についても、同様の試験を行った。
試験例1の結果を表1に示す。
[表1]
表1に示すように、本発明に係る混合物溶液は、濃度依存的に格段にすぐれたDPPHラジカル消去作用を有することが示された。なお、陽性対照の水溶性ビタミンE(Trolox)も同様に、DPPHラジカル消去作用が示され、本試験系が正常に行われたことも確認された。
試験例2.SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)様活性効果試験
0.2Mトリス塩酸緩衝液50μL、1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウム溶液20μL、0.75mMニトロブルーテトラゾリウムクロリド(NBT)溶液10μL、1mMキサンチン溶液20μL、0.06U/mLキサンチンオキシターゼ溶液50μL、製造例1の抽出物溶液50μLを混合して試料溶液を調製した。ここで、試料溶液は、当該混合物溶液の終濃度(溶液としての濃度)が0.1%、0.2%、0.6%になるように調製したものを用いた。この試料溶液を37℃、3分間インキュベートし、スーパーオキシドを発生させた。そして、NBTがスーパーオキシドによって還元されて生成するホルマザン量を570nmにおける吸光度を測定した。また、コントロール(Control)として、製造例1の混合物溶液の代わりに30%1,3−ブチレングリコール水溶液を用いて調製した溶液に対して同様の操作を行い、ここに得られる値を100として、各試料添加時のホルマザン量の相対値を求めた。また、陽性対照として、SOD(10unit)についても同様の操作を行った。
試験例2の結果を表2に示す。
[表2]
表2に示すように、本発明に係る混合物溶液は、濃度依存的に格段にすぐれたSOD様活性を有することが示された。また、陽性対照も同様にSOD様活性が示され、本試験系が正常に行われていることも確認された。
試験例3.プロスタグランジンE(PGE)生成抑制効果試験
本発明に係る混合物溶液の抗炎症効果をPEGの生成抑制試験により評価した。ここで、PGE2は、皮膚の炎症を惹起する炎症性のケミカルメディエーターであって、紫外線や化学物質等の外的要因によりダメージを受けた皮膚細胞内で分泌される物質である。よって、本発明においては、このPGEの生成抑制効果試験により、抗炎症効果を評価した。
<実験方法>
ウサキ角膜由来細胞(SIRC)を、10%FBS含有イーグル最少必須培地に懸濁して96穴プレートに5.0×10個ずつ播種し、37℃で4日間培養した後、培養器の底面から100mJ/cmの紫外線B波を照射し、その培養液に製造例1の混合物溶液(試料溶液)を添加した。ここで、試料溶液は、上記培養液全量に対する溶液としての終濃度が0.1%の濃度となるように添加した。添加後、2日間培養し、培養上清に分泌されたPGEの量を、PGE測定キット(カイマンケイミカル社製)を用いて測定した。また、試料溶液の代わりに50%1,3-ブチレングリコール水溶液を添加したものコントロールとし、上記と同様の操作によりPEGの量を測定した。また、試料溶液の代わりに陽性対照としてインドメタシン10μMを用いた場合のPGEの量も同様に測定した。さらに、試料溶液の代わりに50%1,3-ブチレングリコール水溶液を添加し24時間培養後、紫外線を照射しない対照区についてもPGEの量を測定した。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示すように、本発明に係る混合物溶液は、格段にすぐれたPGE抑制作用を有することが示された。また、陽性対照であるインドメタシンも同様の効果を有することが示され、本試験系が正常に行われたことも確認された。
試験例4.セラミド合成酵素(β-グルコセレブロシダーゼ)活性亢進効果試験
ヒト表皮細胞PHK16−0bを、HKGS(クラボウ社製)含有MCDB153培地(SIGMA社製)を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に3日間プレ培養した後、製造例1の混合物溶液(試料溶液)を0.1%、0.5%の濃度(培地に対する溶液としての最終濃度)となるように培地に添加し、同条件でさらに4日間培養した。次に、培地を除去し、1mM Phenylmethyl sulfonyl fluoride(PMSF)、1%Triton−X含有PBS(‐)溶液を20μL添加して5分間室温で静置して細胞を破砕し、粗酵素液とした。1mM 4−methylumbelliferyl−β−Glucopyranoside、10mM sodium taurocholate、0.1%Triton−Xin 0.1M citrate phosphate buffer (pH5.6)20μL添加して37℃条件下で1時間反応させた。反応終了後、0.2M carbonate bicarbonate buffer (pH10.5)を200μL添加して反応を停止させた。その後、反応液のEx355/Em460における蛍光強度を測定してβ-グルコセレブロシダーゼ活性値とした。また、試料溶液に代えてPBS(-)を添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたβ-グルコセレブロシダーゼ活性値(100)に対する各試料添加区のβ-グルコセレブロシダーゼ活性の相対値を求め、この値をβ−グルコセレブロシダーゼ活性率(%)とした。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として0.005%ガラクトセレブロシド(GalCer)を添加した場合についても同様の試験を行った。
試験例4の結果を表1に示す。
[表4]
表4に示すように、本発明に係る混合物溶液は、濃度依存的に格段にすぐれたセラミド合成酵素(β-グルコセレブロシダーゼ)の活性亢進作用を有することが示された。また、陽性対照であるCalCerも同様にβ-グルコセレブロシダーゼの活性亢進作用を有することが示され、本試験系が正常に行われたことも確認された。
試験例5.リパーゼ活性抑制効果試験
リパーゼキットS(DSファーマバイオメディカル)を用いて、以下の測定を行った。1検体につき、ガラス製試験管を2本用意し、1本を検体用(A),他の1本は盲検用(B)とした。A、B両試験管に、発色液(5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)含有)1mL、製造例1の混合物溶液を含む試料溶液40μL(当該混合物溶液の溶液としての終濃度が1.0%)、リパーゼ(Sigma社製)液40μLを入れて混和した後、試験管Aにのみ基質液(三酪酸ジメルカプロール(BALB)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)含有)100μLを加え、混和後直ちに30±1℃で正確に30分間インキュベートした。インキュベーション終了後、直ちに試験管Aに反応停止液2mLを添加した。次いで、試験管Bに反応停止液2mLを添加し、さらに試験管Bにのみ基質液100μLを加えてもう一度混和した。検体(A)及び盲検(B)の吸光度を、波長415nmで測定した。検体(A)の波長415nmにおける吸光度から盲検(B)の波長415nmにおける吸光度を差し引いた値をリパーゼ活性とした。さらに、各試料溶液の代わりに精製水を用いて同様に試験を行い、ここに得られたリパーゼ活性を100としたときの各試料溶液のリパーゼ活性の相対値を求めた。
試験例5の結果を表5に示す。
[表5]
表5に示すように、本発明に係る混合物溶液は、格段にすぐれたリパーゼ活性抑制作用が示された。
試験例6.アンドロゲン結合阻害効果試験
アンドロゲン依存性増殖を示すマウス由来乳がん細胞SC‐3を、2%FBS(チャコールデキストリン処理)含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに5×10個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、製造例1の混合物溶液(試料溶液)を0.6%の濃度(溶液として終濃度)となるようにHMB培地(HAM培地:イーグル培地=1:1)を使って調製し、細胞培養系の培地と交換した。また、試料と併用して10nMのDHT(ジヒドロテストステロン[高活性型アンドロゲン])を添加する区としない区を設定した。同条件でさらに3日間培養した。次に、培地を除去し、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンをイソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用いて波長570−630nmでMTT値を測定した。試料溶液に代えてPBS(-)を添加した試料無添加(Control)の場合についても上記と同様の操作を行い、DHT添加区のControlにおいて得られたMTT値に対する各試料添加時のMTT値、及びDHT無添加区のControlにおいて得られたMTT値の相対値を求め、SC−3細胞の増殖率(%)とした。
試験例6の結果を表6に示す。
[表6]
表6に示すように、コントロールではDHTによってSC−3細胞の増殖が亢進されたのに対して、本発明に係る混合物溶液は、顕著にSC−3細胞の増殖を抑制し、すなわち、格段にすぐれた抗アンドロゲン作用を有することが示された。
試験例7.皮脂分泌抑制効果試験
健常な被験者に対し、市販の洗顔料を用いて洗顔、さらに75%エタノールにて両頬部を清拭した後、室温20℃、湿度50〜60%の部屋に入室してもらった。30分間の安静の後、Sebumeter(登録商標)SM815(Courage+Khazaka(ドイツ)社製)を用いて両頬の皮脂量を測定し、これを各被験者の初期値とした。製造例1の混合物溶液(試料溶液)を溶液としての終濃度が2%となるように添加したローション(A)と試料の代わりに精製水を含むローション(B)「Control」を用意し、Aを左頬、Bを右頬に1日2回朝夜塗布してもらった(塗布時は被験者にはどちらが試料ローションか分からない様に、所謂ブラインドの状態で塗布してもらった)。2週間後、4週間後に、初期値の測定と同様の方法で各被験部(両頬)の皮脂量を測定した。
試験例7の結果を表7に示す。
[表7]
表7に示すように、本発明に係る混合物溶液は、格段にすぐれた皮脂分泌抑制作用を有することが示された。
試験例8.カリクレイン-7活性亢進効果の評価試験
本試験例8では、正常皮膚において表皮角層の剥離を促し、表皮角層のターンオーバーの正常化に影響を与えるキモトリプシン型セリンプロテアーゼ(カリクレイン−7)の活性亢進について評価した。
[試験方法]
正常ヒト表皮角化細胞を増殖添加剤含有HuMedia-KB2[登録商標](クラボウ社製)にて2×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、本発明の製造例1に係る混合物溶液(試料溶液)を含んだ培養液を追添加して培養した。ここで、試料溶液は、培養液全量に対して溶液として終濃度が0.5%,1.0%となるように調製した。また、終濃度が1.0%となるように50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加した試験区をコントロール(control)として設定した。72時間後、それぞれの試験区の細胞培養上清を除去し0.14M塩化ナトリウムおよび0.1%Tween20を含むトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)20μLを用いて細胞を破砕したものを粗酵素液とした。粗酵素液に対し、バッファーとして0.1% Tween20を含む100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.8)30μL、基質として100mMのSuc-Leu-Leu-Val-Tyr-MCAを含む上記バッファー50μLを加え、撹拌しながら37℃で1時間反応させた。反応終了後、蛍光プレートリーダ―(フルオロスキャン アセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長:355nm、蛍光波長:460nm)を測定し、これをカリクレイン-7活性とした。また、同様の培養操作を行った別プレートを用意し、培養上清を除去した後、Hoechst33342溶液100μLを添加し、37℃で1時間反応させた。反応終了後、蛍光プレートリーダーを用いて蛍光強度(励起波長:355nm、蛍光波長:460nm)を測定し、DNA量とした。得られた数値を用いて、DNA当たりのカリクレイン-7活性を算出した。
試験例8の結果を表8に示す。
[表8]
表8に示すように、本発明の製造例1に係る抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたカリクレイン−7の活性を亢進することが示された。
以上のように、本発明に係る植物抽出物の混合物は、抗酸化作用(DPPHラジカル消去作用、SOD様活性作用)、抗炎症作用(PGE抑制作用)、セラミド合成酵素(β-グルコセレブロシダーゼ)活性亢進作用、皮膚のターンオーバー正常化作用、リパーゼ活性抑制作用、及び抗アンドロゲン作用、さらに、皮脂分泌抑制作用を有するものである。これにより、本発明によれば、それらの相乗作用により、肌荒れやアトピー性皮膚炎、ニキビ、及び肌のシワ、タルミを改善し、肌のハリ、ツヤを向上させ、さらには、シミ、ソバカスの改善や、紫外線等の外的要因による肌のダメージ(酸化ダメージ及び炎症ダメージ)の予防及び改善効果を発揮する皮膚外用剤を提供することができる。さらには、過剰な皮脂分泌により生じる毛穴のつまり等も改善することができる、また、本発明に係る植物抽出物の混合物は、抗アンドロゲン作用、及び皮脂分泌抑制作用を有することから、本発明によれば、育毛又は脱毛防止用の皮膚外用剤を提供することもできる。

Claims (1)

  1. ボタン科(Paeoniaceae)ボタン属(Paeonia)に属するシャクヤクの根の抽出物、バラ科(Rosaceae)サクラ属(Prunus)に属するモモの種子の抽出物、及びシソ科(Lamiaceae)シソ属(Perilla)に属するシソの葉の抽出物を含有する皮膚外用剤。
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