JP6691913B2 - エンボス加工用複合材およびエンボス加工品 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、エンボス加工用複合材およびエンボス加工品に関する。
今日、車両内装材や椅子の表面材として、編布、織布、不織布、合成皮革及び人工皮革などの表皮材と軟質ポリウレタンフォームシートとが積層された複合材が用いられている。こうした複合材に意匠性を向上させるため、表面に凹凸意匠が形成されることがある。例えば、凹凸意匠を付与するために、複合材表面をエンボス加工することがなされている。しかし、複合材を構成する軟質ポリウレタンフォームシートは弾性がある。そのため、エンボス加工による加熱押圧を行っても、その意匠が微細な凹凸形状である場合は、軟質ポリウレタンフォームシートの弾性に起因する圧縮回復力により、十分な賦型効果が得られないという問題がある。
例えば、特許文献1には、深い凹凸模様を形成するために厚みのある軟質ポリウレタンフォームを積層した表皮材を、ヒートロールを有するエンボス加工装置で加工する方法が開示されている。しかし、その凹凸模様の深さおよびクッション性の両立においては、十分とは言えないものであった。
日本国特開2007−276285号公報
本発明の実施形態は上記課題を解決し、深い凹凸意匠が形成され凹凸意匠賦型性、かつ、クッション性にも優れたエンボス加工品を提供するものである。
本発明の実施形態は、表皮材の裏面に第1の軟質ポリウレタンフォームシートと第2の軟質ポリウレタンフォームシートとが順に積層されたエンボス加工用複合材であって、第1の軟質ポリウレタンフォームシートの軟化点が、第2の軟質ポリウレタンフォームシートの軟化点よりも高い、エンボス加工用複合材である。
また、本発明の実施形態は、前記のエンボス加工用複合材の表皮材表面にエンボス加工が施されたエンボス加工品である。
本発明の実施形態によれば、深い凹凸意匠が形成され凹凸意匠賦型性、かつ、クッション性にも優れたエンボス加工品を提供することができる。
本発明の一実施例を示すエンボス加工用複合材の断面図である。 本発明の他の実施例を示すエンボス加工用複合材の断面図である。 一実施例に係るエンボス加工品の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、表皮材の裏面に第1の軟質ポリウレタンフォームシートと第2の軟質ポリウレタンフォームシートが順に積層されるエンボス加工用複合材であって、第1の軟質ポリウレタンフォームシートは、第2の軟質ポリウレタンフォームシートより軟化点が高いエンボス加工用複合材である。このような構成のエンボス加工用複合材を用いエンボス加工をすれば、深い凹凸意匠が形成され凹凸意匠賦型性、かつ、クッション性にも優れたエンボス加工品を得ることができる。ここで、表皮材の裏(ウラ)面とは、エンボス加工が施される表(オモテ)面とは反対側の面であり、下面とも称される。
図1に示すエンボス加工用複合材5の断面図は、表皮材1と第1の軟質ポリウレタンフォームシート2と第2の軟質ポリウレタンフォームシート3の積層状態の一例である。この例では、第2の軟質ポリウレタンフォームシート3の裏面に裏布4が積層されている。
本実施形態に用いられる表皮材としては特に限定されず、例えば、織物、編物、不織布及び皮革を挙げることができる。これらの2種以上からなる複合体でもよい。皮革としては、例えば、合成皮革、人工皮革、及び天然皮革が挙げられる。
表皮材としては、その構成要素として繊維を含むものが好ましく用いられる。表皮材を構成する繊維素材は特に限定されず、凹凸意匠の賦型性及び耐久性の観点から、熱可塑性繊維が好ましい。熱可塑性繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の合成繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維等を挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、物性、特には強度、耐摩耗性、耐熱性に優れるという理由により、合成繊維がより好ましく、ポリエステル繊維がさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレート繊維が特に好ましい。繊維素材は、熱可塑性繊維を主な構成としたものが好ましいが、その物性に影響を及ぼさない範囲内で、熱可塑性繊維以外の繊維、例えば、天然繊維、再生繊維等の繊維を混紡、混繊、交撚、交織、交編等の手法により組み合わせたものであっても構わない。
表皮材を構成する繊維の単繊維繊度は、主として1.5dtex以下の繊維であることが好ましい。単繊維繊度が1.5dtex以下であると、エンボス加工による微細な凹凸形状の賦型性がさらに向上する。また、単繊維繊度は耐摩耗性の面で0.03dtex以上が好ましい。
糸条の形態は、紡績糸といった短繊維糸でも、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸といった長繊維糸のいずれであってもよく、さらには長繊維と短繊維を組み合わせた長短複合紡績糸であってもよい。マルチフィラメント糸は、必要に応じて撚りをかけてもよいし、仮撚加工や液体攪乱処理等の加工を施してもよい。
かかる表皮材は、必要に応じて、プレセット、精練などの前処理や、加色工程を経た後、本実施形態の複合材に用いられる。
表皮材の厚さは、0.5〜3.0mmの範囲が凹凸意匠の賦型性、耐摩耗性等の面で好ましい。
本実施形態に用いられる軟質ポリウレタンフォームシートは、ポリオールとポリイソシアネートとを主成分として、発泡剤などを混合し樹脂化させながら発泡させた気泡が連通した柔らかい発泡合成ゴムのシート状物である。軟質ポリウレタンフォームシートとしては、例えば、軟質スラブ発泡により連続的に製造したブロックを長手方向にスライスし、長尺のシート状としたもの等を用いることができる。
軟質ポリウレタンフォームシートを少なくとも2種類使用し、第1の軟質ポリウレタンフォームシートと第2の軟質ポリウレタンフォームシートとを積層する。第1の軟質ポリウレタンフォームシートは、第2の軟質ポリウレタンフォームシートより軟化点が高い。なお、軟化点は、熱機械分析(TMA)装置を使用し、先端が平らな膨張測定用プローブを用い、試料に荷重を加え昇温した時の試料の軟化に伴う急激な変位が開始する温度とする。
本実施形態では、積層される軟質ポリウレタンフォームシートとして、少なくとも2種類の特性の異なる軟質ポリウレタンフォームを用いる。図1に示すように、エンボス加工側となる表皮材1に対し、その裏面側に位置する下層に第1の軟質ポリウレタンフォームシート2を設置し、その下の層に第2の軟質ポリウレタンフォームシート3を設置する。このような構成により、エンボス加工時に低軟化点の第2の軟質ポリウレタンフォームシート3が大きく賦型され、且つ、エンボス加工時の熱により融着し易いため、効率的に凹凸意匠を形成することが可能となる。さらに、高軟化点の第1の軟質ポリウレタンフォームシート2は、エンボス加工時の熱によるエンボス部周辺部への影響が少ないため、厚みが維持され且つ軟質ポリウレタンフォームの特性であるクッション性を維持できる。
第1の軟質ポリウレタンフォームシート2の軟化点は、150℃から200℃であることが好ましい。第2の軟質ポリウレタンフォームシート3の軟化点は、90℃から110℃であることが好ましい。
また、第1の軟質ポリウレタンフォームシート2と第2の軟質ポリウレタンフォームシート3は、それぞれの軟化点より30℃高い温度における圧縮率が40%から60%であることが好ましい。これにより、エンボス加工時に軟質ポリウレタンフォームシートが賦型されやすくなるため、深い凹凸意匠を形成できる。
ここで、それぞれの軟化点より30℃高い温度における圧縮率とは、先述のTMA測定による軟化点測定時の各温度における軟質ポリウレタンフォームの厚さを測定し、以下のように算出される。
圧縮率(%)=軟質ポリウレタンフォームシートの軟化点より30℃高い温度における厚さ(mm)÷軟質ポリウレタンフォームシートの加温前の厚さ(mm)×100
積層される第1の軟質ポリウレタンフォームシート2および第2の軟質ポリウレタンフォームシート3の総厚は3.0mm〜15mmであることが好ましい。この範囲であることにより、エンボス加工時にエンボス部は熱融着されて密着し、非エンボス部は軟質ウレタンフォームシートの厚さが維持され、そのため、より深い凹凸意匠を形成することが可能となる。ここでいう「総厚」は、表皮材の裏面に積層される複数の軟質ポリウレタンフォームシートの合計厚みである。
第1の軟質ポリウレタンフォームシートの厚さは、2.0〜7.0mmであることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.0mmである。厚さが2.0mm以上であることにより、クッション性を保持することができる。厚さが7.0mm以下であることにより、エンボスによる凹凸意匠の賦形性を保持することができる。
第2の軟質ポリウレタンフォームシートの厚さは、1.0〜8.0mmであることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.0mmである。厚さが1.0mm以上であることにより、エンボスによる凹凸感を保持することができる。厚さが8.0mm以下であることにより、クッション性および凹凸意匠の耐久性を保持することができる。
軟質ポリウレタンフォームシートの密度(JIS K7222 見掛け密度)は、第2の軟質ポリウレタンフォームシートが18〜60kg/m3であることが好ましく、第1の軟質ポリウレタンフォームシートが18〜60kg/m3であることが好ましい。それぞれの密度が下限値以上であることにより、クッション性、および凹凸意匠の耐久性を保持することができる。また、それぞれの密度が上限値以下であることにより、クッション性や賦型性を保持することができる。
軟質ポリウレタンフォームシートの硬さ(JIS K6400−2 D法)は、第2の軟質ポリウレタンフォームシートが36〜360Nであることが好ましく、第1の軟質ポリウレタンフォームシートが72〜360Nであることが好ましい。それぞれの硬度が下限値以上であることにより、クッション性、および凹凸意匠の耐久性を保持することができる。また、それぞれの硬度が上限値以下であることにより、クッション性や賦型性を保持することができる。
軟質ポリウレタンフォームシートの反発弾性(JIS K6400−3)は、第2の軟質ポリウレタンフォームシートが20%以上であることが好ましく、第1の軟質ポリウレタンフォームシートが20%以上であることが好ましい。それぞれの反発弾性が下限値以上であることにより、クッション性を保持することができる。
軟質ポリウレタンフォームシートの圧縮残留歪み(JIS K6400−4 A法 50%の圧縮)は、第2の軟質ポリウレタンフォームシートが30%以下であることが好ましく、第1の軟質ポリウレタンフォームシートが10%以下であることが好ましい。それぞれの圧縮残留歪みが上限値以下であることにより、クッション性を保持することができる。第2の軟質ポリウレタンフォームシートの圧縮残留歪みは、10%以上であることが、エンボス加工による凹凸意匠の賦形性を向上する上で好ましく、より好ましくは15%以上である。
第1の軟質ポリウレタンフォームシート及び第2の軟質ポリウレタンフォームシートを含む軟質ポリウレタンフォームシート積層体(即ち、積層した軟質ポリウレタンフォームシート)の圧縮残留歪み(JIS K6400−4 A法 50%の圧縮)は、2〜10%であることが好ましい。該圧縮残留歪みが下限値以上であることにより、エンボス加工による凹凸意匠の賦型性を向上することができる。また、該圧縮残留歪みが上限値以下であることにより、クッション性を保持することができる。
軟質ポリウレタンフォームシートの繰返し圧縮残留歪み(JIS K6400−4 B法 定変位法 常温で50%の圧縮を8万回)は、第2の軟質ポリウレタンフォームシートが5%以下であることが好ましく、第1の軟質ポリウレタンフォームシートが5%以下であることが好ましい。それぞれの繰返し圧縮残留歪みが上限値以下であることにより、クッション性を保持することができる。
軟質ポリウレタンフォームシートは、上述のように、第2の軟質ポリウレタンフォームシートと第1の軟質ポリウレタンフォームシートを少なくとも各々1層用い積層する。第2の軟質ポリウレタンフォームシートを第1の軟質ポリウレタンフォームシート2つで挟んだ3層、すなわち、図2に示すように、第1の軟質ポリウレタンフォームシート2を第2の軟質ポリウレタンフォームシート3の上面(即ち、表面)だけでなく下面(即ち、裏面)にも積層して用いることが、凹凸意匠の賦形性とクッション性、および凹凸意匠の耐久性の観点から好ましい。
表皮材と、各々の軟質ポリウレタンフォームシートとを積層一体化する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、接着剤を用いる方法、フレームラミネート(flame laminate)による方法等を挙げることができる。なかでも、工程負荷や軽量化の観点から、フレームラミネートによる方法が好ましい。
軟質ポリウレタンフォームシートの表皮材側とは反対の面には、さらに、エンボス加工時のエンボスロールの汚れ防止や、縫製作業時に複合材をスムーズに滑らせることができるという観点、及びウレタンフォームの破損防止の観点から、裏布を積層してもよい。裏布としては、例えば、ポリエステル等の合成繊維からなる布帛が挙げられる。
裏布を積層一体化するための方法は、表皮材および軟質ポリウレタンフォームシートを一体化する方法と同様の方法を挙げることができる。なかでも、工程負荷や軽量化の観点から、フレームラミネートによる方法が好ましい。
かくして、本実施形態のエンボス加工用複合材が得られる。
得られた複合材には、エンボス加工を施す。すなわち、加熱したエンボス型(例えば、エンボスロールや平板状エンボス型)を、複合材の表皮材表面に押圧し、凹凸意匠を形成する。これにより、凹凸意匠形成複合材であるエンボス加工品が得られる。図3は、得られたエンボス加工品10の断面を模式的に示した図であり、表面にはエンボス加工による凹部11が形成されている。
凹凸意匠として、典型的にはシボ模様を挙げることができるが、これに限定されるものではない。例えば、織物調、デニム調などの布帛模様や、ランダムな点、線、丸形、三角形、四角形などを、単独または2種以上組み合わせた幾何学模様などでもよい。
エンボスロールや平板状エンボス型などのエンボス型の表面温度(すなわち、加熱押圧時の熱処理温度に相当する)は、表皮材や軟質ポリウレタンフォームシートの素材に応じて適宜設定すればよい。例えば、表皮材の素材がポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)である場合、表面温度は60〜210℃であることが好ましく、80〜180℃であることがより好ましい。温度が60℃以上であることにより、形成された凹凸意匠の耐久性、特には耐熱性を保持することができる。温度が210℃以下であることにより、表皮材表面の光沢が強くなったり、エンボス加工品の風合いが粗硬になったりすることを抑制することができる。
加熱したエンボスロールを表皮材に押圧する時間は、凹凸意匠の形状によって異なるが、押圧時間は0.01〜5秒であることが好ましく、0.1〜2秒であることがより好ましい。また、平板状エンボス型を備えるエンボス装置の場合、押圧時間は30〜120秒であることが好ましく、50〜90秒であることがより好ましい。押圧時間が下限値以上であることにより、明瞭な凹凸意匠を形成することができ、凹凸意匠の耐久性を保持することができる。押圧時間が上限値以下であることにより、風合いが粗硬になったり変色したり、生産性が悪くなったりすることを抑えることができる。
エンボスロールを備えるエンボス装置を用いて加工する場合の処理速度は、通常0.1〜10m/分であり、好ましくは0.3〜5m/分である。平板状エンボス型を備えるエンボス装置を用いて加工する場合の処理速度は、通常0.5〜6m/分であり、好ましくは0.6〜3m/分である。
押圧時の圧力は、1〜10MPaであることが好ましく、2〜5MPaであることがより好ましい。圧力が1MPa以上であることにより、明瞭な凹凸意匠を形成することができる。圧力が10MPa以下であることにより、風合いが粗硬になるのを防ぐことができる。
かくして、表皮材の表面に凹凸意匠が形成される。前述の通り、凹凸意匠、特には、エンボス型の凸部が押し当てられて形成される凹部は、エンボス加工の前後で各層の厚さが変化する。エンボス加工後の凹部11における複合材の厚さT0(図3参照)は、1.5〜5.0mmであり、好ましくは1.5〜3.0mmである。厚さT0が1.5mm以上であることにより、エンボス加工の熱で表面が潰されることによる凹部の光沢を抑え、意匠性が損なわれることを抑制することができる。厚さT0が5.0mm以下であることにより、凹凸意匠が明瞭になり、凹凸意匠の耐久性や耐揉み性を保持することができる。
エンボス加工後の凹部11における第1の軟質ポリウレタンフォームシート2の厚さT1(図3参照)は、1.0〜3.0mmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜2.0mmである。厚さT1が1.0mm以上であることにより、クッション性を保持することができる。厚さT1が3.0mm以下であることにより、凹凸意匠を明瞭にすることができる。
エンボス加工後の凹部11における第2の軟質ポリウレタンフォームシート3の厚さT2は、0.1〜0.5mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.3mmである。厚さT2が0.1mm以上であることにより、凹凸意匠のボリューム感の低下を抑えることができる。厚さT2が0.5mm以下であることにより、凹凸意匠を明瞭にすることができる。
凹部11の深さD(図3参照)は、3.0mm以上であることが好ましく、凹凸意匠を明瞭にすることができる。深さDの上限は、特に限定されないが、例えば8.0mm以下でもよい。
エンボス加工により形成された凹部において、エンボス加工前の厚さに対するエンボス加工後の厚さの割合、すなわち、エンボス加工前後での圧縮率は、第1の軟質ポリウレタンフォームシートでは、凹凸意匠の賦型性およびクッション性の面で14〜100%が好ましく、第2の軟質ポリウレタンフォームシートでは、凹凸意匠の賦型性およびクッション性の面で1.3〜10%が好ましい。
また、凹凸意匠が形成される前(エンボス加工前)の複合材を、近赤外線によって予備加熱すると押圧時間を短縮出来、加工効率の面で好ましい。
かくして、本実施形態のエンボス加工品を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、凹凸意匠を形成した複合材の評価は、以下の方法に従った。
(1)凹凸意匠賦型性
エンボス加工を行った凹凸意匠形成複合材に対して次の評価基準で評価をした。
(評価基準)
A : 凹部の深さが3.0mm以上で、明瞭に凹凸意匠が形成されている。
B : 凹部の深さが2.0mmを超え3.0mm未満で凹凸意匠がやや不明瞭に形成されている。
C : 凹部の深さが2.0mm以下で凹凸意匠が不明瞭である。
(2)クッション性
凹凸意匠形成複合材に対して次の評価基準で評価をした。
(評価基準)
A : エンボス加工前の軟質ウレタンフォームのクッション性とほぼ同等である。
B : エンボス加工前の軟質ウレタンフォームのクッション性にやや劣る。
C : エンボス加工前の軟質ウレタンフォームのクッション性に劣る。
(3)凹凸意匠耐久性
耐久性試験に用いる各実施例、各比較例の凹凸意匠形成複合材はエンボス条件を修正し、明瞭な凹凸意匠が形成されたものを採用し、各凹凸意匠形成複合材を表皮として自動車用シートを作成し、有限会社ティエムテック製のシート乗降耐久試験機で、8000回の耐久試験(23℃、50%RHの環境下)を実施した。耐久試験後の試験片を観察し、次の基準に従って評価した。
(評価基準)
A : 凹凸形状が明瞭に残っている。
B : 凹凸形状がやや不明瞭な箇所が部分的にある。
C : 凹凸形状がやや不明瞭になっている。
D : 凹凸形状が不明瞭である
[実施例1]
厚さ5.0mmの第2の軟質ポリウレタンフォームシート3の両面に、厚さ3.0mmの第1の軟質ポリウレタンフォームシート2を積層し、表皮材1として織物A(経糸:180dtex/156fのPETマルチフィラメント糸、緯糸:167dtex/48fのPETマルチフィラメント加工糸、質量300g/m2、厚さ0.9mm、朱子織物)、裏布4として編物B(ポリエステルハーフトリコット編物、厚さ0.3mm)を、いずれもフレームラミネートにより一体化し、図2のような層構造である複合材を準備した。使用した軟質ポリウレタンフォームシートの物性値を表1に示す。フレームラミネート後の軟質ポリウレタンフォームシート等各層の厚さはそれぞれ、表2の値になった。
なお、軟化点は、試験機として熱機械的分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製 EXSTAR TMA−SS6100/DSC6200)を用い、圧子として先端が平らな膨張測定用プローブ(プローブ先端直径:3.5mm)を使用して測定した。圧子に100mNの力を加え、試料(直径10mmの円形、厚さ10mm)の中央に静かに置き、10℃/分の昇温速度で加温した際の印加圧子の垂直方向の変位を連続的に測定し、試料の軟化に伴う急激な変位が開始する温度を軟化点とした。
Figure 0006691913
次いで、エンボスロールの外径が250mm、バックアップロールの外径が350mmのエンボス加工機にて、エンボスロール表面温度180℃、バックアップロールの表面温度230℃、ロール圧力2MPa、エンボス速度2m/分に設定した。エンボスロールの凹凸意匠は、巾1mmで長さが20mmから50mmの直線ラインが、斜めに組み合わされたもので、溝の深さが12mmのものを用意した。複合材の表皮材表面をエンボスロール側に設置してエンボス加工を行った。エンボス加工後の凹部の各層厚さ、凹部深さおよび評価結果を表2に示す。
[実施例2]
軟質ポリウレタンフォームシートを表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、フレームラミネートで積層一体化し、図1のような層構造である複合材を準備した後、エンボス加工を行った。エンボス加工後の凹部の各層厚さ、凹部深さおよび評価結果を表2に示す。
[比較例1〜2]
軟質ポリウレタンフォームシートを表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、フレームラミネートで積層一体化し、エンボス加工を行った。エンボス加工後の凹部の各層厚さ、凹部深さおよび評価結果を表2に示す。
実施例によって得られた製品は、深い凹凸意匠が形成され、凹凸意匠賦型性、クッション性、凹凸意匠耐久性のいずれの評価も優れていた。一方、比較例1によって得られた製品は、凹凸が浅く凹凸意匠賦型性の評価が劣っており、比較例2によって得られた製品は、クッション性、凹凸意匠耐久性の評価が劣っていた。
Figure 0006691913
本発明の実施形態に係るエンボス加工品は、例えば、自動車や鉄道車両などの各種車両の内装材として、また車両やインテリアなどの椅子の表面材として用いることができる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
1 表皮材
2 第1の軟質ポリウレタンフォームシート
3 第2の軟質ポリウレタンフォームシート
4 裏布
5 エンボス加工用複合材
10 エンボス加工品
11 凹部

Claims (10)

  1. 表皮材の裏面に第1の軟質ポリウレタンフォームシートと第2の軟質ポリウレタンフォームシートとが順に積層されたエンボス加工用複合材であって、前記第1の軟質ポリウレタンフォームシートの軟化点が、前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートの軟化点よりも高い、エンボス加工用複合材。
  2. 第1の軟質ポリウレタンフォームシートを前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートの裏面にも積層する、請求項1に記載のエンボス加工用複合材。
  3. 前記表皮材が、織物、編物、不織布、及び皮革からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のエンボス加工用複合材。
  4. 前記第1の軟質ポリウレタンフォームシートの軟化点が150℃〜200℃であり、前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートの軟化点が90℃〜110℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンボス加工用複合材。
  5. 前記第1の軟質ポリウレタンフォームシートの厚さが2.0〜7.0mmであり、前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートの厚さが1.0〜8.0mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンボス加工用複合材。
  6. 前記第1の軟質ポリウレタンフォームシートの圧縮残留歪みが10%以下であり、前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートの圧縮残留歪みが10〜30%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンボス加工用複合材。
  7. 前記第1の軟質ポリウレタンフォームシート及び前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートを含む軟質ポリウレタンフォームシート積層体の圧縮永久歪みが2〜10%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエンボス加工用複合材。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のエンボス加工用複合材を含み、前記エンボス加工用複合材の表皮材表面にエンボス加工が施されたエンボス加工品。
  9. 前記エンボス加工により形成された凹部において、前記第1の軟質ポリウレタンフォームシートの厚みが1.0〜3.0mmかつ前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートの厚みが0.1〜0.5mmであり、前記凹部の深さが3.0mm以上である、請求項8に記載のエンボス加工品。
  10. 前記エンボス加工により形成された凹部において、前記第1の軟質ポリウレタンフォームシートのエンボス加工前の厚さに対するエンボス加工後の厚さの割合が14〜100%であり、前記第2の軟質ポリウレタンフォームシートのエンボス加工前の厚さに対するエンボス加工後の厚さの割合が1.3〜10%である、請求項8又は9に記載のエンボス加工品。
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