JP6686855B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用の動力伝達装置に関する。
従来、車両に搭載される動力伝達装置においては、装置の構成部品を収容するケーシングの内部を隔壁によって複数の空間(部屋)に区画する動力伝達装置が知られている。このような動力伝達装置の一例として、例えば、特許文献1には、差動装置を構成するギヤなどの複数のギヤを収容するとともにこれらのギヤを潤滑するための潤滑油を貯留するギヤ室を備えたケーシング内を、隔壁によって、ギヤ室及びギヤ室と隣り合うモータ室に区画する動力伝達装置が開示されている。
この従来の動力伝達装置では、ギヤ室の下部に差動装置が収容されるため、差動装置のサイドギヤにそれぞれ接続される左右の駆動軸を貫通させるための挿通口が、隔壁よりも下方の位置となるケーシングの左右にそれぞれ設けられる。また、そのうちのモータ室寄りの挿通口には、ケーシングを内部側に延出させた円筒状の第1支持部が形成され、他方の挿通口のケーシングの内部側には第2支持部が形成される。そして、駆動軸が接続されるサイドギヤを有した差動装置のデファレンシャルケース(以下、デフケースという。)の回転軸線方向の両端部が、これら第1支持部及び第2支持部にそれぞれ取付けられた軸受を介して支持されることで、デフケース及びこれに連結されたデフリングギヤが、ギヤ室に、回転可能に収容されるようになっている。これにより、従来の動力伝達装置では、デフリングギヤが回転すると、ギヤ室の底部に貯留された潤滑油が当該デフリングギヤにより掻き上げられ、その掻き上げられた潤滑油によって、ギヤ室内の複数のギヤ等の潤滑が行われる。
特開2016−98909号公報
ところで、従来の動力伝達装置では、デフケースを支持する第1支持部及び第2支持部のうち、特に、デフケースのデフリングギヤが連結された側の端部を支持する第1支持部には、その車両における鉛直方向の上側部分に、当該第1支持部の外周面と内周面とを連通する潤滑油の供給孔が設けられる。そして、デフリングギヤによって掻き上げられた潤滑油がその供給孔に流入することにより、第1支持部の内周に取付けられた軸受に対して潤滑油が供給されるようになっている。
しかしながら、その第1支持部の供給孔が設けられた部分は、従来の動力伝達装置を搭載した車両が走行を開始した場合などに、ドライブピニオンギヤにより、これと噛み合うデフリングギヤが回転させられるのに伴って生じる応力、つまり重力によって車両が路面に押し付けられるのと反対方向に生じる反力が最も加わる箇所である。即ち、従来の動力伝達装置では、軸受に対し潤滑油を供給するための供給孔を第1支持部に設けることにより、当該第1支持部の強度を低下させてしまっていた。
従って、本発明の目的は、デフケースを支持する支持部の強度低下を抑制することができ、且つ、支持部の軸受に対して潤滑油を供給することのできる車両用動力伝達装置を提供することにある。
本発明に係る車両用動力伝達装置は、複数のギヤを収容するとともにこれらのギヤを潤滑するための潤滑油を貯留する第1室を内部に備え、前記第1室の下部に収容される差動装置のサイドギヤに接続される駆動軸が貫通するとともに、前記差動装置のデファレンシャルケースの回転軸線方向の端部を軸受を介して支持するための挿通口と、前記挿通口よりも上方に位置して前記第1室および前記第1室と隣り合う第2室を区画する隔壁と、が設けられたケーシングを有している。
そして、本発明に係る車両用動力伝達装置は、第1潤滑油孔および第2潤滑油孔を更に具えている。第1潤滑油孔は、前記隔壁に形成され、前記第1室と前記第2室とを連通して、前記第1室内の潤滑油を前記第2室に導入するように機能する。第2潤滑油孔は、前記第1潤滑油孔よりも下方に位置するように前記ケーシングを通じて形成され、一端が前記第2室側に開口するとともに他端が前記挿通口の内周面に開口して、前記第2室に導入された潤滑油を前記軸受に向けて流下させるように機能する。この第2潤滑油孔は、前記デファレンシャルケースの回転軸心に対する鉛直線上の部分を避けるように前記ケーシングを通じて形成されている。
本発明に係る車両用動力伝達装置では、第2潤滑油孔が、ケーシングを通じて、その一端が第2室側に開口し、他端が挿通口の内周面に開口するように形成される。この場合、第2潤滑油孔は、特にデフケースのリングギヤが連結された側の端部を支持する挿通口が設けられた側のケーシングにおいて、リングギヤの回転に伴い生じる応力が最も加わる部分に占める空洞の体積、即ち、第2潤滑油孔を設けることにより当該部分に形成される空洞の体積が、従来の供給孔を第1支持部に設ける場合と比べて小さくなるように形成される。
また、本発明に係る車両用動力伝達装置では、第1室と第2室とを区画する隔壁に形成されたそれらの部屋間を連通する第1潤滑油孔によって、複数のギヤを収容する第1室に貯留された潤滑油が、第1室と隣り合う第2室側へ導入される。そして、第1潤滑油孔よりも下方に位置するようにケーシングを通じて形成された第2潤滑油孔によって、第2室に導入された潤滑油が、デファレンシャルケースの端部を支持するための挿通口の内周に取付けられた軸受に向けて流下させられる。
従って、本発明に係る車両用動力伝達装置によれば、デフケースを支持する支持部(挿通口)の強度低下を抑制することができ、且つ、支持部(挿通口)の軸受に対して潤滑油を供給することができる。
本発明に係る車両用動力伝達装置が搭載されたハイブリッド車両の要部を示すスケルトン図である。 ハイブリッド車両の動力伝達装置としてのトランスアクスルの縦断面図(差動装置とその周辺部分の構成図)である。 トランスアクスルケースをギヤ室側から見た場合の外観を示す側面図である。 トランスアクスルケースをモータ室側から見た場合の外観を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る車両用動力伝達装置が搭載されたハイブリッド車両の要部を示すスケルトン図である。このハイブリッド車両は、動力源として、エンジン(ENG)1と、二つの回転電機2,3とを備えている。エンジン1はガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関である。第1回転電機(MG1)2はエネルギーの回生と動力の出力とを行うことができるモータ・ジェネレータであることが好ましく、さらに第2回転電機(MG2)3も同様に、モータ・ジェネレータであることが好ましい。
また、エンジン1が出力した動力を第1回転電機2と出力ギヤ15(後述)とに分割するために動力分割機構4が設けられている。動力分割機構4は、遊星ギヤ機構などによって構成することができ、図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星ギヤ機構によって構成されている。つまり、サンギヤ5とリングギヤ6との間に、これら両者と噛み合うピニオンギヤ7が複数(例えば3つ)配置されており、それらピニオンギヤ7がキャリヤ8によって自転及び公転が可能なように保持されている。そして、キャリヤ8は、ダンパ機構10を介して、軸心C1上のエンジン1の出力軸(クランクシャフト)9と連結されることでエンジン1からの動力が伝達されるように構成されている。またキャリヤ8とエンジン1との間には、キャリヤ8の回転を選択的に止めるためのブレーキ機構11が設けられている。ブレーキ機構11は、摩擦式のブレーキや噛み合い式のブレーキ、一方向クラッチのいずれであってもよい。
第1回転電機2は、動力分割機構4と同一の軸線(軸心C1)上で、当該動力分割機構4を挟んでエンジン1とは反対側に配置されている。第1回転電機2のロータは、ロータシャフト2a及びこのロータシャフト2aが連結されているサンギヤシャフト5aを介してサンギヤ5に連結されている。
また、第1回転電機2のロータシャフト2a及びサンギヤ5のサンギヤシャフト5aは中空軸となっており、その中空軸の内部にポンプシャフト12が挿入されている。このポンプシャフト12は、その一方の端部がキャリヤ8に連結されることによりエンジン1と接続されるとともに、他方の端部が機械式オイルポンプ(MOP)13に連結されている。これにより、機械式オイルポンプ13は、エンジン1によって駆動されて潤滑及び制御のための油圧を発生する。また、エンジン1が停止している際の潤滑及び制御のための油圧を確保するためにモータによって駆動される不図示の電動オイルポンプが、機械式オイルポンプ13と並列して設けられている。
動力分割機構4においては、その遊星ギヤ機構のリングギヤ6にエンジン1等からの動力が伝達される。リングギヤ6は内歯ギヤであり、このリングギヤ6と一体に、外歯ギヤである出力ギヤ15が設けられている。出力ギヤ15はカウンタギヤユニット16を介して、軸心C4回りに回転するデフケース等の差動機構を含む差動装置17に接続されている。具体的には、出力ギヤ15は、軸心C2回りに回転するカウンタシャフト18に取付けられたドリブンギヤ19に噛み合っている。またカウンタシャフト18には、ドリブンギヤ19より小径のドライブピニオンギヤ20が一体形成され、或いは取付けられており、このドライブピニオンギヤ20が差動装置17のデフリングギヤ21に噛み合っている。これにより、出力ギヤ15から出力されてドリブンギヤ19に伝達されたトルクは、カウンタシャフト18を介してドライブピニオンギヤ20に噛み合うデフリングギヤ21に入力され、この入力トルクが差動装置17に接続された駆動軸22を介して左右の駆動輪23に駆動力として出力される。また、ドリブンギヤ19には、第2回転電機3のロータシャフト3aに設けられた軸心C3回りに回転するリダクションギヤ24が噛み合っている。つまり、出力ギヤ15から出力されるトルクに、第2回転電機3の出力するトルクを付加することが可能なように構成されている。
ところで、本実施形態のハイブリッド車両の動力伝達装置では、上記で述べた差動装置のデフケースを支持する支持部の強度を低下させる従来の潤滑構造を改善するために下記の工夫を行っている。以下、この工夫を施した本実施形態の動力伝達装置の潤滑構造について、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、本実施形態のハイブリッド車両の動力伝達装置としてのトランスアクスル30の縦断面図である。同図では、特に、図1における軸心C4に対応する部位である差動装置17とその周辺部分の構成を示している。
図2に示すとおり、トランスアクスル30は、ケーシング31を有しており、そのケーシング31内に、差動装置17を構成するギヤ等の複数のギヤ、また、ハイブリッド車両の動力源等としての第2回転電機3などの動力伝達装置の構成部品が収容されている。このケーシング31は、トランスアクスルハウジング31a(以下、ハウジング31aという。)と、トランスアクスルケース31b(以下、ケース31bという。)と、リヤカバー31cと、の3つのケーシング部材から構成されている。そして、これら3つのケーシング部材をそれぞれ連結することによって、複数のギヤや回転電機などを収容するための空間(部屋)がケーシングの内部において区画形成されるようになっている。
具体的には、ハウジング31aにケース31bを連結することによって、ハウジング31aの下部内壁部A1とケース31bのギヤ内壁部Bとの間に、主に差動装置17を構成するギヤ等を収容するための下部空間が形成される。また、この連結により、その下部空間の形成と同時に、ハウジング31aの上部内壁部A2とケース31bに設けられた隔壁Cとの間に、それら以外のギヤ等を収容するための上部空間が形成される。これら下部空間及び上部空間の形成により、ケーシング31の内部において、動力伝達装置の複数のギヤを収容するための空間であるギヤ室G(本発明の第1室に相当)が区画形成される。このように、トランスアクスル30のケーシング31は、その内部に、差動装置を構成するギヤなどの複数のギヤを収容するギヤ室Gを備えている。また、このギヤ室Gには、そこに収容される複数のギヤを潤滑するための潤滑油がその底部に貯留される。また、ケース31bにリヤカバー31cを連結することによって、ケース31bに設けられた隔壁C、ケース31bのモータ内壁部D、及びリヤカバー31cの内壁部Eの間に空間が形成される。これにより、回転電機を収容するための空間であるモータ室Mがケーシング31の内部において区画形成される。このように、トランスアクスル30のケーシング31には、ギヤ室Gを備えた当該ケーシング31内を、ギヤ室G及びギヤ室Gと隣り合うモータ室Mに区画する隔壁Cが設けられている。なお、本実施形態においては、ケーシング31を構成するケース31bのうち、図2中の破線で囲んだ部分が隔壁Cに相当するものとしている。
また、トランスアクスル30では、ギヤ室Gの下方の下部空間に差動装置17が収容されるため、そのデフケース32の有する左右のサイドギヤ32aにそれぞれ接続される駆動軸22を貫通させるための挿通口が、隔壁Cよりも下方に位置するように、ギヤ室Gを形成するケーシング31の左右にそれぞれ設けられている。具体的には、ケーシング31のケース31bには挿通口37が隔壁Cよりも下方の位置に設けられ、他方、ケーシング31のハウジング31aには挿通口38が挿通口37と対向させて設けられている。また、そのうちのモータ室M寄りの挿通口37には、当該挿通口37のケーシングの内部側に第1支持部33が形成され、他方の挿通口38には、当該挿通口38のケーシングの内部側に第2支持部34が形成されている。これら第1支持部33及び第2支持部34には、それぞれ軸受33a及び軸受34aが取付けられている。そして、これら軸受33a,34aを介して、差動装置17のデフケース32の回転軸線(軸心C4)方向の両端部が第1支持部33及び第2支持部34に支持されることで、トランスアクスル30のギヤ室Gに、デフケース32及びこれに連結されたデフリングギヤ21が軸心C4を中心に回転可能に収容されている。
また、ケース31bに設けられた隔壁Cのギヤ室G側に形成された第3支持部35及びハウジング31aの上部内壁部A2に形成された第4支持部36には、それぞれ軸受35a及び軸受36aが取付けられている。そして、これら軸受35a,36aを介して、カウンタシャフト18の両端部が第3支持部35及び第4支持部36に支持されることで、トランスアクスル30のギヤ室Gに、カウンタシャフト18が軸心C2を中心に回転可能に収容されている。
なお、トランスアクスル30のギヤ室Gには、これら差動装置17及びカウンタギヤユニット16のギヤ等の他に、動力分割機構4、リダクションギヤ24などのギヤ等が収容されているが、図2においては不図示としている。また、トランスアクスル30のモータ室Mには、第1回転電機2及び第2回転電機3などが収容されているが、図2においては、第2回転電機3の一部分のみを示している。
ここで、本実施形態の動力伝達装置においては、従来の問題を改善するための潤滑構造として、ギヤ室G内の潤滑油をモータ室Mに導入するための第1潤滑油孔と、モータ室Mに導入された潤滑油をギヤ室Gへ戻すための第2潤滑油孔と、を備えている。以下、これら第1潤滑油孔及び第2潤滑油孔について具体的に説明する。
図2に示すとおり、第1潤滑油孔40は、隔壁Cに形成され、ギヤ室Gとモータ室Mとを連通している。隔壁Cにおいて、第1潤滑油孔40のギヤ室G側の開口は、カウンタシャフト18の片端部を支持するために隔壁Cのギヤ室G側に形成された第3支持部35の下部側に設けられている。また、第3支持部35の上部側には、その外周側から内周側に潤滑油を供給するための供給孔43が当該上部側の部分を貫通して形成されている。そして、図3に示すように、その貫通により第3支持部35の上部側の内周面に設けられた供給孔43の開口と、第3支持部35の下部側に設けられた第1潤滑油孔40の開口とを接続するための潤滑油溝42が、第3支持部35の凹部において径方向に形成されている。なお、図3は、ケーシング31のケース31bをギヤ室G側から見た場合の外観を示す側面図である。図中の矢印の「F」と示した方向が、本ケース31bを有するトランスアクスル30の搭載時における車両の前方側となる。
このような構造により、供給孔43に対して潤滑油が供給されると、潤滑油は供給孔43を通過して第3支持部35の潤滑油溝42内に流入する。この際、図2に示すとおり第3支持部35に取付けられた軸受35a及びその軸受35aを介して支持されるカウンタシャフト18等に対する潤滑が、その流入した潤滑油溝42内の潤滑油によって行われる。なお、供給孔43に対する潤滑油の供給は、デフリングギヤ21による掻き上げによって行うようにしてもよいが、ギヤ室G底部の潤滑油の貯留量を少なくした場合などには供給不足となることが考えられる。そのため供給孔43への潤滑油の供給は、機械式オイルポンプ13、或いは電動オイルポンプ(不図示)を用いた強制潤滑によって行うようにするのが好ましい。
また、潤滑油溝42内の潤滑油は、当該潤滑油溝42を流下すると第3支持部35の下部側に設けられた第1潤滑油孔40の開口に流入する。そしてそのギヤ室G側の開口に流入した潤滑油は、第1潤滑油孔40を通ってモータ室M側へ流出する。ここで、モータ室Mであるが、ケーシング31のケース31bをモータ室M側から見た場合、図4に示すように、本実施形態でのモータ室Mは、第1回転電機2を収容する側のモータ室M1と、第2回転電機3を収容する側のモータ室M2(本発明の第2室に相当)とに分けられている。そのため、本実施形態の潤滑構造では、第2回転電機3側のモータ室M2に改善のための工夫がされている。なお、図中の矢印の「F」と示した方向が、本ケース31bを有するトランスアクスル30の搭載時における車両の前方側となる。よって、上記のようにギヤ室G側の開口へ流入した潤滑油は、図4に示すモータ室M2側に設けられた第1潤滑油孔40の開口から流出する。これにより、ギヤ室G内の潤滑油がモータ室M2に導入される。
一方、第2潤滑油孔41は、図2に示すとおり、第1潤滑油孔40よりも下方に位置するようにケーシング31のケース31b(の内部)を通じて形成されている。なお、第2潤滑油孔41は、少なくともケース31bを通じて形成されていればよく、その一部が隔壁Cを通じて形成されてもよい。即ち、第2潤滑油孔41は、ケース31b及び隔壁Cを通じて形成されてもよい。或いは、第2潤滑油孔41は、隔壁Cのみを通じて形成されてもよい。そして、この第2潤滑油孔41の一端側の開口部41mはモータ室M(本実施形態においてはモータ室M2)の下部側に開口されるとともに、他端側の開口部41iはケース31b(ケーシング)に設けられたモータ室M(ここではモータ室M2)寄りの挿通口37の内周面の上部側に開口されている。なお、モータ室Mは、ケース31bの隔壁C、ケース31bのモータ内壁部D、及びリヤカバー31cの内壁部Eによってその空間が区画形成されるが、そのモータ室M2側に開口される第2潤滑油孔41の一端側の開口部41mについては、図4に示すように、ケース31bのモータ内壁部Dのモータ室M2を形成する側の下部にその開口が設けられている。
このような構造により、モータ室M2に導入された潤滑油は、モータ室M2の下部側に設けられた第2潤滑油孔41の開口部41mに流入する。この際、本実施形態の潤滑構造では、モータ室M2に形成された円弧形状の下部側の円弧状部m2lを利用して、モータ室M2に導入された潤滑油が、油溜りOを形成しつつ第2潤滑油孔41の開口部41mへ導かれるように工夫されている。また、その第2潤滑油孔41の一端側の開口部41mに流入した潤滑油は、図2に示すとおりケース31b(ケーシング)の内部を通じて形成された第2潤滑油孔41を流下して、図3に示す挿通口37の内周面の上部側に設けられた第2潤滑油孔41の他端側の開口部41iから流出する。これにより、モータ室M2に導入された潤滑油が、第2潤滑油孔41を通じて、ギヤ室G側に戻されるとともに、挿通口37の(ケーシングの)内部側に形成された第1支持部33によって保持される軸受33aに向けて供給される。
ここで、第2潤滑油孔41であるが、図3に示すように、第2潤滑油孔41は、ケース31b(ケーシング)において、デフケース32の回転軸線の軸心C4に対する鉛直線VLC4上を避けた位置に、そのモータ室M2の下部と挿通口37の内周面の上部とを連通する油路(開口部41m〜開口部41i)が設けられている。つまり、デフケース32のデフリングギヤ21が連結された側の端部を支持する第1支持部33が形成された挿通口37において、このVLC4が通る上部の部分は、車両が走行を開始した場合などに、デフリングギヤ21の回転に伴い生じる応力が最も加わる箇所であるため、本実施形態の潤滑構造ではその箇所を避けて第2潤滑油孔41を形成している。また、第2潤滑油孔41は、挿通口37が設けられた側のケーシング(ケース31b)において、デフリングギヤ21の回転に伴い生じる応力が最も加わる部分に占める空洞の体積、即ち、当該第2潤滑油孔41を設けることによりケース31bの当該部分に形成される油路としての空洞の体積が、従来の供給孔をデフケースの支持部に設ける場合と比べて小さくなるように形成されている。そのため、本実施形態の潤滑構造では、従来の場合と比較すると、第2潤滑油孔41をケース31b(ケーシング)に設けた場合にも、デフケース32のデフリングギヤ21が連結された側の端部を支持する第1支持部33(挿通口37)の強度低下を抑制することができる。
よって、本実施形態の潤滑構造では、デフケースを支持する支持部(挿通口)の強度低下を抑制することができ、且つ、支持部(挿通口)の軸受に対して潤滑油を供給することができる。また、本実施形態の潤滑構造では、潤滑のための特別な部材を設ける必要がないので部品コストを増加させない。
なお、上記では、ハイブリッド方式の車両の実施形態について述べたが、本発明の車両用動力伝達装置は、ハイブリッド方式以外の車両に搭載される動力伝達装置にも適用することが可能である。
また、上記では、第1潤滑油孔によりギヤ室G内の潤滑油を導入し、第2潤滑油孔によりその導入された潤滑油をギヤ室Gへ戻すために利用した潤滑油を迂回させるための部屋が、回転電機を収容するモータ室であるとして説明した。しかし、これに限らず、上記の本発明の目的を達成し得る限り、潤滑油を迂回させるための部屋はモータ室以外の部屋であってもかまわない。
17 差動装置、18 カウンタシャフト、21 デフリングギヤ、31 ケーシング、31a トランスアクスルハウジング(ハウジング)、31b トランスアクスルケース(ケース)、31c リヤカバー、32 デフケース、33 第1支持部、33a 軸受、35 第3支持部、35a 軸受、37 挿通口、40 第1潤滑油孔、41 第2潤滑油孔、41i 開口部、41m 開口部(モータ室側)、42 潤滑油溝、43 供給孔、A1 下部内壁部、A2 上部内壁部、B ギヤ内壁部、C 隔壁、D モータ内壁部、E 内壁部(リヤカバー)、G ギヤ室、M モータ室、M2 モータ室(第2回転電機)、C4 回転軸心(デフケース)、VLC4 鉛直線(対軸心C4)。

Claims (1)

  1. 複数のギヤを収容するとともにこれらのギヤを潤滑するための潤滑油を貯留する第1室を内部に備え、前記第1室の下部に収容される差動装置のサイドギヤに接続される駆動軸が貫通するとともに、前記差動装置のデファレンシャルケースの回転軸線方向の端部を軸受を介して支持するための挿通口と、前記挿通口よりも上方に位置して前記第1室および前記第1室と隣り合う第2室を区画する隔壁と、が設けられたケーシングを有する車両用動力伝達装置において、
    前記隔壁に形成され、前記第1室と前記第2室とを連通して前記第1室内の潤滑油を前記第2室に導入する第1潤滑油孔と、
    前記第1潤滑油孔よりも下方に位置するように前記ケーシングを通じて形成され、一端が前記第2室側に開口するとともに他端が前記挿通口の内周面に開口して前記第2室に導入された潤滑油を前記軸受に向けて流下させる第2潤滑油孔と、
    を更に具え
    前記第2潤滑油孔は、前記デファレンシャルケースの回転軸心に対する鉛直線上の部分を避けるように前記ケーシングを通じて形成されていることを特徴とする車両用動力伝達装置。
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