JP7241670B2 - 車両用駆動伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動力源と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う車両用駆動伝達装置に関する。
このような車両用駆動伝達装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
特許文献1の車両用駆動伝達装置では、ギヤ機構を収容するケース(40)の内部に、油が貯留される第1貯留部(70)と、当該第1貯留部よりも上方に配置されて油が貯留される第2貯留部(80)と、が形成されている。第2貯留部(80)は、第1貯留部(70)の油面を下げるために油を貯留するキャッチタンクとして機能する。
特許文献1の車両用駆動伝達装置では、第2貯留部(80)によって第1貯留部(70)の油面を下げることで、各種回転部材による油の撹拌抵抗の低減を図っている。
特開2018-57243号公報(図1及び図5)
ところで、特許文献1の車両用駆動伝達装置では、ケース(40)に支持された複数の軸受(B)によって、複数の軸部材が回転可能に支持されている。そのため、これらの軸部材に連結されたギヤの噛み合い部で生じた振動が、軸受(B)を介してケース(40)に伝達され、大きいギヤノイズが発生し易いという課題があった。
そこで、ギヤノイズを小さく抑えることが可能な車両用駆動伝達装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、車両用駆動伝達装置の特徴構成は、
駆動力源と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う車両用駆動伝達装置であって、
前記駆動力源と一対の前記車輪とを結ぶ動力伝達経路に設けられたギヤ機構と、
油が貯留される第1貯留部を有し、前記ギヤ機構を収容するケースと、
前記第1貯留部よりも上方に配置されて油が貯留される第2貯留部を構成する貯留部構成部材と、を備え、
前記ギヤ機構は、ギヤと、前記ギヤに連結された軸部材と、前記軸部材を前記ケースに対して回転可能に支持する軸受と、を有し、
前記ケースは、前記軸受を支持する軸受支持部を有し、
前記貯留部構成部材は、前記軸受支持部に対して、弾性を有する第1弾性部材を介して当接する第1当接部を有している点にある。
この特徴構成によれば、貯留部構成部材の第1当接部とケースの軸受支持部との間に、弾性を有する第1弾性部材が介在している。これにより、ギヤの噛み合い部で生じて、軸部材及び軸受を介して軸受支持部に伝達された振動を、第1弾性部材によって減衰させることができる。更に、第1弾性部材を介して貯留部構成部材に伝達された振動を、第2貯留部に貯留された油によって減衰させることができる。その結果、ケース全体の振動を小さく抑えることができ、延いては、ギヤノイズを小さく抑えることができる。
実施形態に係る車両用駆動伝達装置の軸方向に沿う断面図 実施形態に係る車両用駆動伝達装置の要部を示す軸方向に直交する断面図 実施形態に係る車両用駆動伝達装置の要部を示す軸方向に沿う断面図
以下では、実施形態に係る車両用駆動伝達装置100について、図面を参照して説明する。車両用駆動伝達装置100は、例えば、内燃機関及び回転電機を複数の車輪の駆動力源とするハイブリッド自動車、又は回転電機を複数の車輪の駆動力源とする電気自動車に搭載される。
図1に示すように、車両用駆動伝達装置100は、駆動力源と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う。本実施形態では、回転電機MGが駆動力源として機能する。なお、本明細書において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
車両用駆動伝達装置100は、駆動力源と一対の車輪とを結ぶ動力伝達経路に設けられたギヤ機構1と、ギヤ機構1を収容するケース2と、を備えている。
本実施形態では、ギヤ機構1は、駆動力源に駆動連結された入力部材3と、カウンタギヤ機構4と、駆動力源の側から伝達される駆動力を一対の車輪に分配する差動歯車装置5と、を含む。入力部材3は、その回転軸心としての第1軸A1上に配置されている。本実施形態では、入力部材3に駆動連結された回転電機MGも、第1軸A1上に配置されている。また、カウンタギヤ機構4は、その回転軸心としての第2軸A2上に配置され、差動歯車装置5は、その回転軸心としての第3軸A3上に配置されている。第1軸A1、第2軸A2、及び第3軸A3は、互いに異なる仮想軸であり、互いに平行に配置されている。
以下の説明では、上記の軸A1~A3に平行な方向を、車両用駆動伝達装置100の「軸方向L」とする。そして、軸方向Lにおいて、入力部材3に対して回転電機MGが配置される側を「軸方向第1側L1」とし、その反対側を「軸方向第2側L2」とする。また、上記の第1軸A1、第2軸A2、及び第3軸A3のそれぞれに直交する方向を、各軸を基準とした「径方向R」とする。なお、どの軸を基準とするかを区別する必要がない場合やどの軸を基準とするかが明らかである場合には、単に「径方向R」と記す場合がある。
ここで、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。ただし、差動歯車装置5において、各回転要素について「駆動連結」という場合には、当該装置が備える3つ以上の回転要素に関して互いに他の回転要素を介することなく駆動連結されている状態を指すものとする。
回転電機MGは、ステータStと、当該ステータStに対して径方向内側R2に配置されたロータRoと、を備えている。ステータStは、ケース2に支持されたステータコアStcと、当該ステータコアStcに巻装されたコイルCと、を有している。ロータRoは、ステータコアStcに対して回転可能なロータコアRocと、当該ロータコアRoc内に配置された永久磁石Mと、を有している。本実施形態では、ロータコアRocは、ステータコアStcに対して径方向Rの内側に配置されている。そして、ロータコアRocの内周面に、ロータ軸Rosが連結されている。
ロータ軸Rosは、軸方向Lに沿って延在する円筒状に形成されている。ロータ軸Rosは、ロータRoと一体的に、第1軸A1回りに回転する。ロータ軸Rosは入力部材3に連結されており、ロータ軸Rosと入力部材3とが一体的に回転する。
本実施形態では、ケース2は、回転電機MG、入力部材3、カウンタギヤ機構4、及び差動歯車装置5の径方向Rの外側を囲む周壁部21を有している。また、本実施形態では、ケース2は、径方向Rに沿って延在する、第1側壁部22及び第2側壁部23を有している。第1側壁部22は、軸方向Lにおける、入力部材3及びカウンタギヤ機構4と回転電機MGとの間に配置されている。第2側壁部23は、入力部材3、及びカウンタギヤ機構4に対して、軸方向第2側L2に配置されている。
本実施形態では、周壁部21は、第1周壁部211と、第1周壁部211に対して軸方向第2側L2から接合された第2周壁部212と、を含む。図示の例では、第1周壁部211と第1側壁部22とが一体的に形成され、第2周壁部212と第2側壁部23とが一体的に形成されている。つまり、ケース2は、第1周壁部211と第1側壁部22とを有する第1ケース部と、第2周壁部212と第2側壁部23とを有する第2ケース部と、を備えている。そして、これらの第1ケース部と第2ケース部とは、第1周壁部211と第2周壁部212とがボルト等の連結部材によって連結されることにより、互いに接合されている。
また、ケース2は、ギヤ機構1の軸受を支持する軸受支持部24を有している。本実施形態では、軸受支持部24は、第1入力軸受91及び第1カウンタ軸受93を支持する第1軸受支持部24Aと、第2入力軸受92及び第2カウンタ軸受94を支持する第2軸受支持部24Bと、を含む。第1軸受支持部24Aは第1側壁部22に形成され、第2軸受支持部24Bは第2側壁部23に形成されている。第1入力軸受91及び第2入力軸受92は、入力部材3を回転可能に支持する軸受である。第1カウンタ軸受93及び第2カウンタ軸受94は、カウンタギヤ機構4を回転可能に支持する軸受である。
入力部材3は、ギヤ機構1の入力要素である。入力部材3は、入力軸31と、入力ギヤ32とを有している。
入力軸31は、軸方向Lに沿って延在する軸部材である。本実施形態では、入力軸31の軸方向第1側L1の端部は、ロータ軸Rosの軸方向第2側L2の端部と連結されている。図示の例では、ロータ軸Rosの径方向Rの内側に入力軸31が位置するように、入力軸31の軸方向第1側L1の端部がロータ軸Rosの軸方向第2側L2の端部に挿入され、これらの端部同士がスプライン係合によって連結されている。
入力軸31は、第1入力軸受91及び第2入力軸受92を介して、ケース2に回転可能に支持されている。本実施形態では、入力軸31における、軸方向Lの中心部よりも軸方向第1側L1の部分であって、ロータ軸Rosとの連結部分よりも軸方向第2側L2の部分が、第1入力軸受91を介して、ケース2の第1軸受支持部24Aに回転可能に支持されている。更に、入力軸31の軸方向第2側L2の端部が、第2入力軸受92を介して、ケース2の第2軸受支持部24Bに回転可能に支持されている。
入力ギヤ32は、駆動力源からの駆動力をカウンタギヤ機構4に伝達するギヤである。入力ギヤ32は、入力軸31に連結されている。本実施形態では、入力ギヤ32は、入力軸31と一体的に形成されている。また、本実施形態では、入力ギヤ32は、第1入力軸受91と第2入力軸受92との間に配置されている。図示の例では、入力ギヤ32は、第2入力軸受92に対して軸方向第1側L1に隣接するように配置されている。
本実施形態では、入力軸31には、パーキングギヤ33が設けられている。パーキングギヤ33は、パーキングロック機構(図示を省略)によって、回転不能なロック状態と回転可能な非ロック状態とを切換え可能に構成されている。パーキングギヤ33は、入力軸31と一体的に回転するように、入力軸31に連結されている。本実施形態では、パーキングギヤ33は、スプライン係合によって入力軸31に連結されている。
カウンタギヤ機構4は、動力伝達経路において、入力部材3と差動歯車装置5との間に配置されている。カウンタギヤ機構4は、カウンタ軸41と、第1ギヤ42と、第2ギヤ43とを有している。
カウンタ軸41は、軸方向Lに沿って延在する軸部材である。カウンタ軸41は、第1カウンタ軸受93及び第2カウンタ軸受94を介して、ケース2に回転可能に支持されている。本実施形態では、カウンタ軸41の軸方向第1側L1の端部が、第1カウンタ軸受93を介して、ケース2の第1軸受支持部24Aに回転可能に支持され、カウンタ軸41の軸方向第2側L2の端部が、第2カウンタ軸受94を介して、ケース2の第2軸受支持部24Bに回転可能に支持されている。
第1ギヤ42は、カウンタギヤ機構4の入力要素である。第1ギヤ42は、入力部材3の入力ギヤ32と噛み合っている。第1ギヤ42は、カウンタ軸41と一体的に回転するように、カウンタ軸41に連結されている。本実施形態では、第1ギヤ42は、カウンタ軸41に対してスプライン係合によって連結されている。また、本実施形態では、第1ギヤ42は、第1カウンタ軸受93と第2カウンタ軸受94との間であって、第2ギヤ43よりも軸方向第2側L2に配置されている。図示の例では、第1ギヤ42は、第2カウンタ軸受94に対して軸方向第1側L1に隣接すると共に、第2ギヤ43に対して軸方向第2側L2に隣接するように配置されている。
第2ギヤ43は、カウンタギヤ機構4の出力要素である。本実施形態では、第2ギヤ43は、第1ギヤ42よりも小径に形成されている。第2ギヤ43は、カウンタ軸41と一体的に回転するように、カウンタ軸41に連結されている。本実施形態では、第2ギヤ43は、カウンタ軸41と一体的に形成されている。また、本実施形態では、第2ギヤ43は、第1カウンタ軸受93と第2カウンタ軸受94との間であって、第1ギヤ42よりも軸方向第1側L1に配置されている。図示の例では、第2ギヤ43は、第1カウンタ軸受93に対して軸方向第2側L2に隣接すると共に、第1ギヤ42に対して軸方向第1側L1に隣接するように配置されている。
差動歯車装置5は、駆動力源の側から伝達される駆動力を一対の車輪に分配する。本実施形態では、差動歯車装置5は、入力部材3及びカウンタギヤ機構4を介して伝達される回転電機MGからの駆動力を、一対の車輪のそれぞれに駆動連結されたドライブシャフトDSに分配する。差動歯車装置5は、差動入力ギヤ51と、差動ケース52と、ピニオンシャフト53と、一対のピニオンギヤ54と、一対のサイドギヤ55とを有している。本実施形態では、一対のピニオンギヤ54、及び一対のサイドギヤ55は、いずれも傘歯車である。
差動入力ギヤ51は、差動歯車装置5の入力要素である。差動入力ギヤ51は、カウンタギヤ機構4の第2ギヤ43と噛み合っている。差動入力ギヤ51は、第3軸A3回りに回転する。差動入力ギヤ51は、差動ケース52と一体的に回転するように、差動ケース52に連結されている。
差動ケース52は、差動入力ギヤ51と一体的に、第3軸A3回りに回転する。差動ケース52の軸方向第1側L1の端部は、第1差動軸受95を介して、ケース2に対して回転可能に支持されている。差動ケース52の軸方向第2側L2の端部は、第2差動軸受96を介して、ケース2に対して回転可能に支持されている。差動ケース52は、中空の部材である。差動ケース52の内部には、ピニオンシャフト53、一対のピニオンギヤ54、及び一対のサイドギヤ55が収容されている。
ピニオンシャフト53は、第3軸A3を基準とした径方向Rに沿って延在している。ピニオンシャフト53は、一対のピニオンギヤ54に挿通され、それらを回転可能に支持している。ピニオンシャフト53は、差動ケース52を貫通するように配置されている。ピニオンシャフト53は、係止部材53aにより差動ケース52に係止され、差動ケース52と一体的に回転する。図示の例では、係止部材53aは、差動ケース52とピニオンシャフト53との双方に挿通される棒状のピンである。
一対のピニオンギヤ54は、第3軸A3を基準とした径方向Rに沿って互いに間隔を空けて対向した状態で、ピニオンシャフト53に取り付けられている。一対のピニオンギヤ54は、ピニオンシャフト53を中心として回転(自転)可能、かつ、第3軸A3を中心として回転(公転)可能に構成されている。
一対のサイドギヤ55は、差動歯車装置5における分配後の回転要素である。一対のサイドギヤ55は、互いに軸方向Lに間隔を空けて、ピニオンシャフト53を挟んで対向するように配置されている。一対のサイドギヤ55は、それぞれ周方向に回転するように構成されている。一対のサイドギヤ55は、一対のピニオンギヤ54に噛み合っている。本実施形態では、各サイドギヤ55の内周面には、ドライブシャフトDSを連結するためのスプラインが形成されている。
図2に示すように、ケース2の内部には、油Fが貯留される第1貯留部10Aと、第1貯留部10Aよりも上方に配置されて油Fが貯留される第2貯留部10Bと、が設けられている。
本実施形態では、第1貯留部10Aは、ケース2の下部において、ケース2の内面によって囲まれた空間である。第1貯留部10Aには、差動歯車装置5の差動入力ギヤ51によって掻き上げることができる程度の量の油Fが貯留されている。つまり、差動歯車装置5の作動中(車両走行中)における第1貯留部10Aに貯留された油Fの油面高さは、差動入力ギヤ51の下端よりも上方に設定されている。なお、差動歯車装置5の停止中(車両停車中)における第1貯留部10Aに貯留された油Fの油面高さは、ケース2とドライブシャフトDSとの隙間に介在された出力シール部材73の潤滑のため、出力シール部材73の上端よりも上方に設定すると好適である。
第2貯留部10Bは、ケース2内の油Fの量を充分に確保しつつ、第1貯留部10Aに貯留された油Fの油面高さを下げるためのキャッチタンクとして機能する。つまり、第1貯留部10Aに貯留された油Fの油面高さは、第2貯留部10Bに貯留された油Fの量が多いほど低くなる。本実施形態では、第2貯留部10Bは、第1軸A1、第2軸A2、及び第3軸A3に対して上側に配置されている。
図3に示すように、第2貯留部10Bは、貯留部構成部材6を用いて構成されている。貯留部構成部材6は、ケース2の軸受支持部24に対して、弾性を有する第1弾性部材71を介して当接する第1当接部61を有している。
本実施形態では、第1軸受支持部24Aは、第1入力軸受91及び第1カウンタ軸受93のそれぞれを径方向Rの外側から支持するように、軸方向Lに突出するボス部241を有している。本実施形態では、ボス部241は、第1側壁部22から軸方向第2側L2に突出するように形成されている。そして、ボス部241に対して、貯留部構成部材6の第1当接部61が、軸方向第2側L2から第1弾性部材71を介して当接している。第1弾性部材71は、樹脂等の弾性を有する素材を用いて構成されている。本実施形態では、第1弾性部材71は、貯留部構成部材6と軸受支持部24(ここでは、第1軸受支持部24Aのボス部241)との隙間を塞ぐシール部材である。そのため、本実施形態では、貯留部構成部材6とケース2との間に、第2貯留部10Bの少なくとも一部が形成されている。
本実施形態では、ケース2の第2側壁部23は、貯留部構成部材6に対して、軸方向Lにおける第1軸受支持部24Aの側とは反対側(軸方向第2側L2)に配置されている。そして、貯留部構成部材6は、第2側壁部23に対して、弾性を有する第2弾性部材72を介して当接する第2当接部62を有している。本実施形態では、第2当接部62は、貯留部構成部材6の貯留側壁部63から軸方向第2側L2に突出するように形成されている。第2弾性部材72は、樹脂等の弾性を有する素材を用いて構成されている。貯留側壁部63は、貯留部構成部材6の底部を成す貯留底壁部64の軸方向第2側L2の端部から上方に延在するように形成されている。本実施形態では、貯留底壁部64の軸方向第1側L1の端部に、第1当接部61が配置されている。
本実施形態では、第2当接部62は、第2弾性部材72を介して、ケース2の油路形成部25に当接している。油路形成部25は、ケース2における、油Fが流動する接続油路25aが形成された部分である。本実施形態では、油路形成部25は、第2側壁部23から軸方向第1側L1に突出するように形成されている。
本実施形態では、第2当接部62は、軸方向Lに延在する筒状に形成され、第2当接部62の内部を油Fが流動可能に構成されている。そして、第2当接部62は、油路形成部25に形成された接続油路25aと第2貯留部10Bとを接続している。本実施形態では、第2弾性部材72は、貯留部構成部材6と油路形成部25との隙間を塞ぐシール部材である。また、本実施形態では、第2弾性部材72は、軸方向Lに延在する筒状に形成されている。そして、第2弾性部材72は、第2当接部62の径方向Rの内側に位置するように、第2当接部62に軸方向第2側L2から嵌挿されている。
このように、本実施形態では、第1当接部61が軸方向第2側L2から第1弾性部材71を介してボス部241に当接すると共に、第2当接部62が軸方向第1側L1から第2弾性部材72を介して第2側壁部23(ここでは、油路形成部25)に当接している。これにより、貯留部構成部材6がケース2に対して軸方向Lに支持されている。
本実施形態では、貯留部構成部材6は、第1当接部61から上方に延在する区画壁部65を有している。区画壁部65は、第2貯留部10Bを、第1油室10Baと第2油室10Bbとに区画する。つまり、区画壁部65は、第1油室10Baに貯留された油Fと、第2油室10Bbに貯留された油Fとの双方に接触する。第1油室10Baは、第2貯留部10Bにおける、区画壁部65に対して軸方向Lにおける第1軸受支持部24Aの側とは反対側(軸方向第2側L2)の部分である。第2油室10Bbは、第2貯留部10Bにおける、区画壁部65に対して軸方向Lにおける第1軸受支持部24Aの側(軸方向第1側L1)の部分である。
本実施形態では、貯留部構成部材6は、貯留側壁部63及び区画壁部65を含む壁部が貯留底壁部64の外縁部から立ち上がるように形成された容器として構成されている。つまり、貯留部構成部材6は、上面が開口した容器である。そのため、本実施形態では、貯留部構成部材6の内部空間が第1油室10Baとして機能する。一方、区画壁部65とケース2の第1側壁部22及びボス部241とによって囲まれた空間が、第2油室10Bbとして機能する。つまり、第2油室10Bbは、区画壁部65と軸受支持部24とを用いて構成されている。上述したように、貯留部構成部材6の第1当接部61とケース2のボス部241との間には、シール部材である第1弾性部材71が介在しているため、第2油室10Bbに貯留された油Fがそれらの間から流出することは抑制される。
本実施形態では、区画壁部65に、第1油室10Baと第2油室10Bbとを連通する連通孔65aが形成されている。また、本実施形態では、貯留底壁部64に、第1供給孔64aと第2供給孔64bとが形成されている。第1供給孔64aは、鉛直方向視で、入力部材3の入力ギヤ32と重複する位置に配置されている。第2供給孔64bは、鉛直方向視で、パーキングギヤ33と重複する位置に配置されている。これにより、第1供給孔64aを通して第1油室10Baから流出した油Fが落下して入力ギヤ32に供給される。また、第2供給孔64bを通して第1油室10Baから流出した油Fが落下してパーキングギヤ33に供給される。
ここで、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
油Fは、油循環機構によってケース2の内部において循環される。本実施形態では、差動歯車装置5の差動入力ギヤ51が油循環機構として機能する。上述したように、差動入力ギヤ51が回転することにより、第1貯留部10Aに貯留された油Fが差動入力ギヤ51によって掻き上げられる(図2参照)。油Fが差動入力ギヤ51によって第1貯留部10Aの上方まで掻き上げられた後、第1貯留部10Aに落下することで、第1貯留部10Aに油Fが供給される。
また、図1に示すように、本実施形態では、別の油循環機構として、油圧ポンプ8が設けられている。油圧ポンプ8は、動力伝達経路を伝わる駆動力により駆動される機械式の油圧ポンプである。本実施形態では、油圧ポンプ8は、カウンタギヤ機構4のカウンタ軸41と一体的に回転するように連結されたポンプ駆動軸81を有している。ポンプ駆動軸81は、軸方向Lに延在している。本実施形態では、ポンプ駆動軸81の軸方向第1側L1の端部とカウンタ軸41の軸方向第2側L2の端部とが連結されている。図示の例では、筒状に形成されたカウンタ軸41の径方向Rの内側にポンプ駆動軸81が配置された状態で、それらがスプライン係合によって互いに連結されている。カウンタ軸41の回転に伴ってポンプ駆動軸81が回転することにより、油圧ポンプ8が駆動される。
油圧ポンプ8は、第1貯留部10Aに貯留された油Fを汲み上げ、汲み上げた油Fをケース2内の各部に供給する。本実施形態では、油圧ポンプ8から吐出された油Fの一部は、ポンプ駆動軸81を軸方向Lに貫通するように形成された油路を通って、カウンタ軸41を軸方向Lに貫通するように形成されたカウンタ軸油路41aへ流動する。その後、カウンタ軸油路41aを通った油Fは、カウンタ軸41の軸方向第1側L1の端面の開口から流出する。そして、カウンタ軸油路41aから流出した油Fは、第1カウンタ軸受93、差動歯車装置5等を潤滑した後、第1貯留部10Aに到達する。
一方、図1及び図3に示すように、油圧ポンプ8から吐出された油Fの他部は、ケース2の第2側壁部23の内部に形成された側壁内油路23aへ流動する。側壁内油路23aへ流動した油Fは、側壁内油路23aから分岐した、第1分岐油路23b及び第2分岐油路23c、並びに接続油路25aのそれぞれを通って、ケース2の内部空間へ流入する。
第1分岐油路23bを通った油Fは、第2カウンタ軸受94、カウンタギヤ機構4の第1ギヤ42、第2差動軸受96等を潤滑した後、第1貯留部10Aに到達する。第2分岐油路23cを通った油Fは、入力部材3の入力軸31を軸方向Lに貫通するように形成された入力軸油路31aへ流動する。入力軸油路31aへ流動した油Fは、ロータ軸Rosに形成された油路を通って、回転電機MGの各部に供給される。図3に示すように、接続油路25aを通った油Fは、第2当接部62を介して第2貯留部10Bの第1油室10Baに供給される。なお、第1油室10Baに供給された油Fは、区画壁部65の連通孔65aを通って第2油室10Bbにも供給される。
第1油室10Baに貯留された油Fは、第1供給孔64aを通って入力部材3の入力ギヤ32に供給されると共に、第2供給孔64bを通ってパーキングギヤ33に供給される。その後、入力ギヤ32とパーキングギヤ33とのそれぞれに供給された油Fは、カウンタギヤ機構4等を潤滑しつつ、第2差動軸受96に到達する。そして、第2差動軸受96を潤滑した油Fは、第1貯留部10Aへ流動する。
このように、本実施形態では、ケース2の内部に、第1油室10Baに貯留された油Fを、入力部材3とカウンタギヤ機構4と第2差動軸受96とに供給する第1供給路P1が設けられている。
一方、図2及び図3に示すように、第2油室10Bbに貯留された油Fは、第2油室10Bbに連通するようにケース2に形成されたケース内油路2aを通って、第1差動軸受95に供給される。このように、本実施形態では、ケース2の内部に、第2油室10Bbに貯留された油Fを第1差動軸受95に供給する第2供給路P2も設けられている。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、貯留部構成部材6の第1当接部61がケース2の第1軸受支持部24A(ボス部241)に当接する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1当接部61が第1軸受支持部24Aの代わりに第2軸受支持部24Bに当接する構成であっても良い。また、上記の実施形態では、第1当接部61が当接する第1軸受支持部24Aが、第1入力軸受91及び第1カウンタ軸受93の双方を支持する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1当接部61が当接する軸受支持部24が、入力軸31を支持する入力軸受91,92、及び、カウンタギヤ機構4を支持するカウンタ軸受93,94のいずれか一方のみを支持する構成であってもよい。
(2)上記の実施形態では、第1当接部61が軸方向第2側L2から第1軸受支持部24A(ボス部241)に当接する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1当接部61が上方から第1軸受支持部24Aに当接する構成としても良い。
(3)上記の実施形態では、貯留部構成部材6が油路形成部25に対して第2弾性部材72を介して当接する第2当接部62を有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2当接部62が、第2弾性部材72を介して第2軸受支持部24Bに当接していても良いし、第2側壁部23における第2軸受支持部24B及び油路形成部25以外の部分に当接していても良い。
(4)第1弾性部材71が貯留部構成部材6の第1当接部61と軸受支持部24のボス部241との隙間を塞ぐシール部材である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1弾性部材71が第1当接部61とボス部241との隙間を塞ぐ機能を有していなくても良い。この場合、区画壁部65と第1側壁部22とボス部241との間に、第2油室10Bbは形成されない。
(5)上記の実施形態では、貯留部構成部材6が第1当接部61から上方に延在する区画壁部65を有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、貯留部構成部材6が区画壁部65を有しない構成としても良い。また、区画壁部65が貯留底壁部64から上方に延在するように形成されても良い。
(6)上記の実施形態では、ギヤ機構1が入力部材3とカウンタギヤ機構4と差動歯車装置5とを含む構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、
種々の構成を適用可能である。
(7)上記の実施形態では、第1貯留部10Aに貯留された油Fが差動歯車装置5の差動入力ギヤ51によって掻き上げられて第2貯留部10Bに供給される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1貯留部10Aに貯留された油Fが差動入力ギヤ51によって掻き上げられて第2貯留部10Bに供給されない構成としても良い。このような構成では、第2貯留部10Bの上方が閉塞されていても良い。
(8)上記の実施形態では、油圧ポンプ8によって第2貯留部10Bに油Fが供給される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、油圧ポンプ8が設けられていない構成としても良い。このような構成では、貯留部構成部材6に第2当接部62を設けず、貯留部構成部材6をボルト等の連結部材によってケース2に連結すると好適である。この場合、第2貯留部10Bには、差動入力ギヤ51によって掻き上げられた油Fが供給される。
(9)上記の実施形態では、カウンタギヤ機構4の第2ギヤ43が第1ギヤ42よりも小径である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることはなく、第2ギヤ43が第1ギヤ42よりも大径、或いは第1ギヤ42と同径であっても良い。
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下では、上記において説明した車両用駆動伝達装置(100)の概要について説明する。
車両用駆動伝達装置(100)は、
駆動力源(MG)と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う車両用駆動伝達装置(100)であって、
前記駆動力源(MG)と一対の前記車輪とを結ぶ動力伝達経路に設けられたギヤ機構(1)と、
油(F)が貯留される第1貯留部(10A)を有し、前記ギヤ機構(1)を収容するケース(2)と、
前記第1貯留部(10A)よりも上方に配置されて油(F)が貯留される第2貯留部(10B)を構成する貯留部構成部材(6)と、を備え、
前記ギヤ機構(1)は、ギヤ(32,42,43)と、前記ギヤ(32,42,43)に連結された軸部材(31,41)と、前記軸部材(31,41)を前記ケース(2)に対して回転可能に支持する軸受(91,92,93,94)と、を有し、
前記ケース(2)は、前記軸受(91,92,93,94)を支持する軸受支持部(24)を有し、
前記貯留部構成部材(6)は、前記軸受支持部(24)に対して、弾性を有する第1弾性部材(71)を介して当接する第1当接部(61)を有している。
この構成によれば、貯留部構成部材(6)の第1当接部(61)とケース(2)の軸受支持部(24)との間に、弾性を有する第1弾性部材(71)が介在している。これにより、ギヤ(32,42,43)の噛み合い部で生じて、軸部材(31,41)及び軸受(91,92,93,94)を介して軸受支持部(24)に伝達された振動を、第1弾性部材(71)によって減衰させることができる。更に、第1弾性部材(71)を介して貯留部構成部材(6)に伝達された振動を、第2貯留部(10B)に貯留された油(F)によって減衰させることができる。その結果、ケース(2)全体の振動を小さく抑えることができ、延いては、ギヤノイズを小さく抑えることができる。
ここで、前記ケース(2)は、径方向(R)に沿って延在する第1側壁部(22)を備え、
前記軸受支持部(24)は、前記軸受(91,92,93,94)を前記径方向(R)の外側から支持するように、前記第1側壁部(22)から軸方向(L)に突出するボス部(241)を有し、
前記第1当接部(61)は、前記第1弾性部材(71)を介して、前記ボス部(241)に当接していると好適である。
この構成によれば、軸受(91,92,93,94)に対して比較的近い位置で、貯留部構成部材(6)の第1当接部(61)をケース(2)の軸受支持部(24)に当接させることが容易となる。これにより、振動の伝達経路におけるギヤ(32,42,43)の噛み合い部から第1弾性部材(71)までの距離を短く抑えることができる。つまり、振動の発生源であるギヤ(32,42,43)の噛み合い部に比較的近い位置に第1弾性部材(71)を配置することができる。その結果、ギヤ(32,42,43)の噛み合い部で生じた振動を比較的近い位置で減衰させることができ、ケース(2)全体に対して振動が伝達され難くすることができる。したがって、ギヤノイズを更に小さく抑えることができる。
また、前記ケース(2)は、径方向(R)に沿って延在する第2側壁部(23)を備え、
前記第2側壁部(23)は、前記貯留部構成部材(6)に対して、軸方向(L)における前記軸受支持部(24)の側とは反対側(軸方向第2側L2)に配置され、
前記貯留部構成部材(6)は、前記第2側壁部(23)に対して、弾性を有する第2弾性部材(72)を介して当接する第2当接部(62)を有していると好適である。
この構成によれば、第1当接部(61)が第1弾性部材(71)を介して軸受支持部(24)に当接するのに加えて、第2当接部(62)が第2弾性部材(72)を介して第2側壁部(23)に当接している。つまり、貯留部構成部材(6)がケース(2)に対して軸方向(L)の両側において弾性部材(71,72)を介して支持されている。これにより、ケース(2)全体の振動を小さく抑える機能を確保しつつ、貯留部構成部材(6)を簡易な構成で適切に支持することができる。
また、前記第1弾性部材(71)は、前記貯留部構成部材(6)と前記軸受支持部(24)との隙間を塞ぐシール部材であり、
前記貯留部構成部材(6)は、前記第1当接部(61)から上方に延在する区画壁部(65)を有し、
前記区画壁部(65)は、前記第2貯留部(10B)を、前記区画壁部(65)に対して軸方向(L)における前記軸受支持部(24)の側とは反対側(軸方向第2側L2)に位置する第1油室(10Ba)と、前記区画壁部(65)に対して前記軸方向(L)における前記軸受支持部(24)の側(軸方向第1側L1)に位置する第2油室(10Bb)とに区画すると好適である。
この構成によれば、貯留部構成部材(6)の当接部(61)が、貯留部構成部材(6)と軸受支持部(24)との隙間を塞ぐシール部材である第1弾性部材(71)を介して、ケース(2)の軸受支持部(24)に当接している。これにより、第2貯留部(10B)を構成するために、ケース(2)における軸受支持部(24)を含む部分を利用することが可能となる。したがって、貯留部構成部材(6)が単独で第2貯留部(10B)を構成する場合と比較して、第2貯留部(10B)の体積を大きく確保することが容易となる。
また、本構成によれば、区画壁部(65)によって貯留部構成部材(6)の剛性を高めることができる。
更に、本構成によれば、貯留部構成部材(6)に伝達された振動を、第1油室(10Ba)と第2油室(10Bb)とに区画するように形成された区画壁部(65)によって、各油室(10Ba,10Bb)に貯留された油(F)に伝達することができる。つまり、貯留部構成部材(6)に伝達された振動を、第2貯留部(10B)に貯留された油(F)に対して、区画壁部(65)を介して効率良く伝達することができる。これにより、第2貯留部(10B)に貯留された油(F)による振動の減衰効果を高めることができる。したがって、ギヤノイズを更に小さく抑えることができる。
前記第1弾性部材(71)が前記シール部材であり、前記貯留部構成部材(6)が前記区画壁部(65)を有する構成において、
前記第2油室(10Bb)は、前記区画壁部(65)と前記軸受支持部(24)とを用いて構成されていると好適である。
この構成によれば、少なくとも区画壁部(65)と軸受支持部(24)とによって囲まれた空間を利用して、第2油室(10Bb)を適切に形成することができる。これにより、貯留部構成部材(6)が単独で第2貯留部(10B)を構成する場合と比較して、第2貯留部(10B)の体積を、第2油室(10Bb)の体積分だけ大きく確保することができる。
また、前記ギヤ機構(1)は、
第1軸上(A1)に配置され、前記駆動力源(MG)に駆動連結された入力部材(3)と、
前記第1軸(A1)とは異なる第2軸(A2)上に配置されるカウンタギヤ機構(4)と、
前記第1軸(A1)及び前記第2軸(A2)とは異なる第3軸(A3)上に配置され、前記駆動力源(MG)の側から伝達される駆動力を一対の前記車輪に分配する差動歯車装置(5)と、を含み、
前記差動歯車装置(5)は、第1差動軸受(95)及び第2差動軸受(96)によって前記ケース(2)に対して回転可能に支持され、
前記第1油室(10Ba)に貯留された油(F)を、前記入力部材(3)と前記カウンタギヤ機構(4)と前記第1差動軸受(95)とに供給する第1供給路(P1)と、前記第2油室(10Bb)に貯留された油(F)を前記第2差動軸受(96)に供給する第2供給路(P2)と、が設けられていると好適である。
この構成によれば、第1供給路(P1)及び第2供給路(P2)によって、ギヤ機構(1)の各部に適切に油(F)を供給することができる。
本開示に係る技術は、駆動力源と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う車両用駆動伝達装置に利用することができる。
100 :車両用駆動伝達装置
1 :ギヤ機構
2 :ケース
24 :軸受支持部
3 :入力部材
31 :入力軸(軸部材)
32 :入力ギヤ(ギヤ)
4 :カウンタギヤ機構
41 :カウンタ軸(軸部材)
42 :第1ギヤ(ギヤ)
43 :第2ギヤ(ギヤ)
5 :差動歯車装置
6 :貯留部構成部材
61 :第1当接部
71 :第1弾性部材
91 :第1入力軸受(軸受)
92 :第2入力軸受(軸受)
93 :第1カウンタ軸受(軸受)
94 :第2カウンタ軸受(軸受)
10A :第1貯留部
10B :第2貯留部
MG :回転電機(駆動力源)
F :油
L :軸方向
R :径方向

Claims (5)

  1. 駆動力源と一対の車輪との間で駆動力の伝達を行う車両用駆動伝達装置であって、
    前記駆動力源と一対の前記車輪とを結ぶ動力伝達経路に設けられたギヤ機構と、
    油が貯留される第1貯留部を有し、前記ギヤ機構を収容するケースと、
    前記第1貯留部よりも上方に配置されて油が貯留される第2貯留部を構成する貯留部構成部材と、を備え、
    前記ギヤ機構は、ギヤと、前記ギヤに連結された軸部材と、前記軸部材を前記ケースに対して回転可能に支持する軸受と、を有し、
    前記ケースは、前記軸受を支持する軸受支持部を有し、
    前記貯留部構成部材は、前記軸受支持部に対して、弾性を有する第1弾性部材を介して当接する第1当接部を有し
    前記ケースは、径方向に沿って延在する第2側壁部を備え、
    前記第2側壁部は、前記貯留部構成部材に対して、軸方向における前記軸受支持部の側とは反対側に配置され、
    前記貯留部構成部材は、前記第2側壁部に対して、弾性を有する第2弾性部材を介して当接する第2当接部を有している、車両用駆動伝達装置。
  2. 前記ケースは、径方向に沿って延在する第1側壁部を備え、
    前記軸受支持部は、前記軸受を前記径方向の外側から支持するように、前記第1側壁部から軸方向に突出するボス部を有し、
    前記第1当接部は、前記第1弾性部材を介して、前記ボス部に当接している、請求項1に記載の車両用駆動伝達装置。
  3. 前記第1弾性部材は、前記貯留部構成部材と前記軸受支持部との隙間を塞ぐシール部材であり、
    前記貯留部構成部材は、前記第1当接部から上方に延在する区画壁部を有し、
    前記区画壁部は、前記第2貯留部を、前記区画壁部に対して軸方向における前記軸受支持部の側とは反対側に位置する第1油室と、前記区画壁部に対して前記軸方向における前記軸受支持部の側に位置する第2油室とに区画する、請求項1又は2に記載の車両用駆動伝達装置。
  4. 前記第2油室は、前記区画壁部と前記軸受支持部とを用いて構成されている、請求項に記載の車両用駆動伝達装置。
  5. 前記ギヤ機構は、
    第1軸上に配置され、前記駆動力源に駆動連結された入力部材と、
    前記第1軸とは異なる第2軸上に配置されるカウンタギヤ機構と、
    前記第1軸及び前記第2軸とは異なる第3軸上に配置され、前記駆動力源の側から伝達される駆動力を一対の前記車輪に分配する差動歯車装置と、を含み、
    前記差動歯車装置は、第1差動軸受及び第2差動軸受によって前記ケースに対して回転可能に支持され、
    前記第1油室に貯留された油を、前記入力部材と前記カウンタギヤ機構と前記第1差動軸受とに供給する第1供給路と、前記第2油室に貯留された油を前記第2差動軸受に供給する第2供給路と、が設けられている、請求項又はに記載の車両用駆動伝達装置。
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