JP6658343B2 - 電池システム - Google Patents

電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP6658343B2
JP6658343B2 JP2016127617A JP2016127617A JP6658343B2 JP 6658343 B2 JP6658343 B2 JP 6658343B2 JP 2016127617 A JP2016127617 A JP 2016127617A JP 2016127617 A JP2016127617 A JP 2016127617A JP 6658343 B2 JP6658343 B2 JP 6658343B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
resistance
positive electrode
nickel
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016127617A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018006029A (ja
Inventor
雅文 野瀬
雅文 野瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2016127617A priority Critical patent/JP6658343B2/ja
Publication of JP2018006029A publication Critical patent/JP2018006029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6658343B2 publication Critical patent/JP6658343B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Protection Of Static Devices (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は電池システムに関し、より特定的には、ニッケル水素電池を含む電池システムの放電制御に関する。
ニッケル水素電池の正極電位が所定値を下回ると、正極が劣化し、それによりニッケル水素電池の出力性能が低下することが知られている。そのため、ニッケル水素電池の正極を保護するための制御が提案されている。
たとえば特開2016−091978号公報(特許文献1)は、ニッケル水素電池の負極電位を算出するとともにニッケル水素電池の電圧を検出した上で、算出された負極電位と、検出された電圧とに基づいて正極電位を算出する電池システムを開示する。この電池システムにおいては、正極電位が所定値を下回った場合に、ニッケル水素電池からの放電を許容する制御上限値(放電電力上限値)を基準値よりも低下させる。
特開2016−091978号公報
ニッケル水素電池の負極には水素吸蔵合金が用いられる。一般に、ニッケル水素電池の製造時には、水素吸蔵合金の表面に種々のガスが吸着されているとともに水素吸蔵合金の表面が酸化被膜により覆われているので、水素吸蔵合金に水素を吸蔵可能にするための活性化処理(いわゆる初期活性化処理)が実施される。
本発明者は、ニッケル水素電池の使用時間の経過とともに負極の活性化が進行し得る点に着目した。特許文献1に開示された発明のように負極電位と、ニッケル水素電池の電圧(電圧センサの測定値)とに基づいて正極電位を算出する構成においては、負極の活性化が進行した場合に、水素が吸蔵されやすくなることで負極抵抗が低下し、それにより負極電位が低下することによって正極電位が低下し得る。つまり、放電電力上限値を基準値よりも低下させるための上記所定値を正極電位が下回りやすくなる可能性がある。しかしながら、特許文献1では、負極の活性化の進行については特に考慮されていないので、正極保護の観点において改善の余地が存在する。
その一方で、正極保護を確実に行なうためには、上記所定値を予め高く設定することも考えられる。正極電位が上記所定値を下回りやすくすることによって、ニッケル水素電池の出力抑制が強化されるためである。しかしながら、その場合、ニッケル水素電池からの出力が過度に抑制され、電池性能(より詳細には放電性能)を十分に発揮することができなくなる可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ニッケル水素電池を含む電池システムにおいて、正極を適切に保護しつつ電池性能を向上させることが可能な技術を提供することができる。
本発明のある局面に従う電池システムは、ニッケル水素電池と、ニッケル水素電池の電圧および電流を検出する検出部と、検出部による検出結果を用いてニッケル水素電池の出力を抑制する出力抑制制御を実行する制御装置とを備える。制御装置は、検出部により検出された電圧および電流からニッケル水素電池の負極活性化による抵抗低減に関連する値を算出し、上記関連する値がニッケル水素電池のセル抵抗が所定値よりも下回ったことを示す場合に、ニッケル水素電池の負極開放電位、セル抵抗からニッケル水素電池の正極抵抗を減算することにより算出される負極抵抗、および前記検出部により検出された電流を用いて、前記ニッケル水素電池の負極電位を算出し、算出された負極電位に検出部により検出された電圧を加算することにより、ニッケル水素電池の正極電位を算出し、算出された正極電位が所定値を下回った場合に出力抑制制御を実行する。
上記構成によれば、検出部により検出された電圧および電流からニッケル水素電池のセル抵抗(セル全体の抵抗)が算出され、算出されたセル抵抗からニッケル水素電池の正極抵抗を減算することによりニッケル水素電池の負極抵抗が算出される。セル抵抗には負極活性化による抵抗成分が含まれているので、上記のようにすることによって負極抵抗の算出に際して負極活性化の影響を反映させることができる。その結果、正極電位の算出精度が向上するので、より適切に正極を適切に保護することができるとともに、ニッケル水素電池からの出力が過度に抑制されることを防止して電池性能を向上させることができる。
本発明によれば、ニッケル水素電池を含む電池システムにおいて、正極を適切に保護しつつ電池性能を向上させることができる。
本実施の形態に係る電池システムが搭載された電動車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 セルの構成を示す図である。 正極電位の算出手法を説明するための図である。 本実施の形態におけるバッテリの出力抑制制御を示すフローチャートである。 本実施の形態の変形例1におけるバッテリの出力抑制制御を示すフローチャートである。 本実施の形態の変形例2におけるバッテリの出力抑制制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本発明の実施の形態に係る電池システムが電動車両に搭載される構成を例に説明する。電動車両は、ハイブリッド車(プラグインハイブリッド車を含む)であってもよいし、電気自動車であってもよいし、燃料自動車であってもよい。また、電池システムの用途は車両用に限定されるものではなく、定置用であってもよい。
[実施の形態]
<電池システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る電池システムが搭載された電動車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10と、動力伝達ギア20と、駆動輪30と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)40と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)50と、電池システム2とを備える。電池システム2は、電池パック100と、電圧センサ210と、電流センサ220と、温度センサ230と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
モータジェネレータ10は、たとえば三相交流回転電機である。モータジェネレータ10の出力トルクは、減速機および動力分割機構を含んで構成された動力伝達ギア20を介して駆動輪30に伝達される。モータジェネレータ10は、車両1の回生制動動作時には、駆動輪30の回転力によって発電することも可能である。モータジェネレータ10に加えてエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、エンジンおよびモータジェネレータ10を協調的に動作させることによって必要な車両駆動力を発生させる。なお、図1ではモータジェネレータが1つだけ設けられる構成が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、モータジェネレータを複数(たとえば2つ)設ける構成としてもよい。
PCU40は、いずれも図示しないが、インバータとコンバータとを含む。電池パック100の放電時には、コンバータは、電池パック100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ10を駆動する。一方、電池パック100の充電時には、インバータは、モータジェネレータ10によって発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータに供給する。コンバータは、インバータから供給された電圧を降圧して電池パック100に供給する。
SMR50は、電池パック100とPCU40とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。SMR50がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、電池パック100とPCU40との間で電力の授受が行なわれ得る。
電池パック100は、再充電が可能な直流電源であり、本実施の形態では複数のニッケル水素電池のセル110を含んで構成される。電池パック100に含まれる各セル110の詳細な構成については図2にて説明する。
電池パック100には、電圧センサ210と、電流センサ220と、温度センサ230とが設けられる。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。なお、電圧センサ210および電流センサ220は、本発明に係る「検出部」に相当する。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))302と、入出力バッファ(図示せず)と等を含んで構成される。ECU300は、各センサから受ける信号、ならびにメモリ302に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1および電池システム2が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300により実行される主要な制御として、電池パック100の放電制御が挙げられるが、この放電制御については後述する。
図2は、セル110の構成を示す図である。図示しないが、他のセルの構成も基本的に共通である。セル110は、たとえば角形密閉式のセルであり、ケース120と、ケース120に設けられた安全弁130と、ケース120内に収容された電極体140および電解液(図示せず)とを含む。なお、図2ではケース120の一部を透視して電極体140を示している。
ケース120は、いずれも金属からなるケース本体および蓋体を含み、蓋体がケース本体の開口部上で全周溶接されることにより密閉されている。安全弁130は、ケース120内部の圧力が所定値を超えると、ケース120内部のガス(水素ガス等)の一部を外部に排出する。電極体140は、正極と、負極と、セパレータとを含む。正極は、たとえば袋状のセパレータ内に挿入されており、セパレータ内に挿入された正極と、負極とが交互に積層されている。正極および負極は、図示しない正極端子および負極端子にそれぞれ電気的に接続されている。
電極体140および電解液の材料としては従来公知の各種材料を用いることができる。本実施の形態においては、一例として、正極は、水酸化ニッケル(Ni(OH)またはNiOOH)を含む正極活物質層と、発泡ニッケルなどの活物質支持体とを含む。負極は、水素吸蔵合金を含む。セパレータには、親水化処理された合成繊維からなる不織布が用いられる。電解液には、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)等を含むアルカリ水溶液が用いられる。
<正極保護および出力抑制制御>
ニッケル水素電池の正極電位が所定値を下回ると、正極が劣化し、ニッケル水素電池の出力性能が低下することが知られている。詳細に説明すると、正極活物質の表面を覆う導電材(いずれも図示せず)が電解液中に溶出して導電材の量が減少し正極の導電性が低下することによって、ニッケル水素電池の出力性能が低下してしまう。そのため、正極電位が所定値を下回った場合には、ニッケル水素電池からの出力を抑制することが望ましい。
より具体的に、本実施の形態においては、電池パック100からの放電電力の制御上限値である放電電力上限値Woutを基準値よりも低下させることができる。これにより、電池パック100からの出力を抑制しやすくして電池パック100の充電を優先することができるので、各セル110の正極電位Vpを上昇させて、所定値V0(上記所定値に相当)よりも高い電位まで変化させることが可能になるためである。この制御を以下では電池パック100の「出力抑制制御」とも称する。
出力抑制制御を適時に実行するためには正極電位Vpを高精度に算出することが求められる。しかしながら、一般に、ニッケル水素電池の正極においてはメモリ効果に起因する電圧変化(充電時には電圧上昇または放電時には電圧降下)が起こり得る。そのため、たとえばSOCおよび温度などのパタメータを用いて正極電位Vpを直接的に算出する手法では、正極電位Vpを高精度に算出することは難しい。したがって、まず、セル110の負極電位Vnを算出し、算出された負極電位Vnと、電圧センサ210により検出された電圧値とに基づいて正極電位Vpを算出することが考えられる。
<正極電位の算出>
以下、正極電位Vpの算出手法について詳細に説明する。なお、以下では、各セル110の電圧(セル電圧)をVb’で表し、各セル110を流れる電流(セル電流)をIb’で表し、各セル110の温度(セル温度)をTb’で表す。セル電圧Vb’は、たとえば電池パック100の電圧Vbを電池パック100に含まれる直列セル数で除算することにより算出することができる。セル電流Ib’は、たとえば全セルが直列に接続されている場合には電流Ibと等しい(Ib’=Ib)。セル温度Tb’についても電池パック100の温度Tbと等しいとすることができる(Tb’=Tb)。なお、セル電圧Vb’、セル電流Ib’およびセル温度Tb’を取得するための手法は電池パック100の構成に応じて適宜変更することができる。
図3は、正極電位Vpの算出手法を説明するための図である。図3において、横軸は経過時間を示し、縦軸は電位を示す。なお、負極開放電位OCVnは、電池パック100の実使用SOC領域では、SOC依存性はほとんどなく一定とみなすことができる。
時刻t0よりも前の期間においては、電池パック100の充放電は行なわれていない。したがって、負極電位Vnは負極開放電位OCVnに等しい。
時刻t0において電池パック100の放電が開始されると、電池パック100の放電中の負極電位Vnは、負極開放電位OCVnよりも高くなる。負極電位Vnは、下記式(1)のように、セル電流Ib’とセル110の負極抵抗Rnとを用いて算出することができる(負極抵抗Rnの算出手法については後述)。
Vn=OCVn+Ib’×Rn ・・・(1)
なお、セル温度Tb’が高いほど、負極電位Vnは、図3に示すように放電中も一定電位となる挙動を示しやすくなる。反対に、温度Tbが所定温度よりも低いときには分極が発生しやすくなり、負極電位Vnは、放電時間に応じて変化しやすくなる。つまり、負極電位Vnを特定しにくくなる。しかし、多くの場合、電池パック100の充放電を行うときには通電に伴う電池パック100(またはセル110)の発熱によってセル温度Tb’が所定温度以上となるので、電池パック100の放電中の負極電位Vnは、放電時間にかかわらず一定電位となる。したがって、上記式(1)に基づいて負極電位Vnを算出することができる。
セル電圧Vb’は、正極電位Vpと負極電位Vnの差(Vb=Vp−Vn)である。よって、正極電位Vpは、下記式(2)に示すように、負極電位Vnにセル電圧Vb’を加算することにより算出することができる。
Vp=Vn+Vb’ ・・・(2)
<負極の活性化>
一般に、ニッケル水素電池の製造時には、水素吸蔵合金の表面に種々のガスが吸着されているとともに水素吸蔵合金の表面が酸化被膜により覆われているので、水素吸蔵合金に水素を吸蔵可能にするための活性化処理が実施される。これは、いわゆる初期活性化処理であるが、本発明者は、ニッケル水素電池の使用中においてもニッケル水素電池の使用時間の経過とともに負極の活性化が進行し得る点に着目した。
負極活性化が進行すると、負極抵抗Rnが低下する。そうすると、上記式(1)および式(2)から分かるように、負極電位Vnが低下し、それにより正極電位Vpが低下し得る。つまり、出力抑制制御により放電電力上限値Woutを基準値よりも低下させるための所定値V0を正極電位Vpが下回りやすくなる可能性がある。しかしながら、たとえば特許文献1では、負極の活性化の進行については特に考慮されていないので、正極保護の観点において改善の余地が存在する。
その一方で、正極保護を確実に行なうためには、所定値V0を十分に高く設定し正極電位Vpが所定値V0を下回りやすくする(あるいは、負極抵抗Rnを負極活性化が十分に進行した後の下限値とすることで正極電位Vpを低く見積もる)ことによって、電池パック100からの出力抑制制御を強化することも考えられる。しかしながら、そうすると、電池パック100からの出力が過度に制限され、電池パック100の電池性能(より詳細には放電性能)を十分に発揮することができなくなる可能性がある。
そこで、本実施の形態においては、セル抵抗Rまたは負極抵抗Rnの算出に際して、負極活性化の進行の影響を反映させる構成を採用する。すなわち、電圧センサ210により検出された電圧Vb(より詳細にはセル電圧Vb’)と、電流センサ220により検出された電流Ib(より詳細にはセル電流Ib’)とから、セル110の抵抗(セル抵抗)Rが算出される。そして、セル抵抗Rから正極抵抗Rpを減算することにより負極抵抗Rnが算出される。
セル抵抗Rには負極活性化による抵抗成分が含まれているので、上記のようにすることによってセル抵抗Rまたは負極抵抗Rnの算出に際して負極活性化の影響を反映させることができる。その結果、負極電位Vnの算出精度(ひいては正極電位Vpの算出精度)が向上するので、より適切に正極を適切に保護することができる。さらに、電池パック100からの出力が過度に抑制されることを防止して電池性能を向上させることができる。
図4は、本実施の形態における電池パック100の出力抑制制御を示すフローチャートである。図4ならびに後述する図5および図6に示すフローチャートの処理は、所定の条件成立時または所定の制御周期毎に図示しないメインルーチンから呼び出されて実行される。これらのフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、その一部または全部がECU300内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S110において、ECU300は、各センサ(電圧センサ210、電流センサ220および温度センサ230)から電池パック100の電圧Vb、電流Ibおよび温度Tbを取得する。さらに、ECU300は、電池パック100の電圧Vb、電流Ibおよび温度Tbからセル電圧Vb’、セル電流Ib’およびセル温度Tb’をそれぞれ算出する。この算出手法の一例についてはすでに説明したため、詳細な説明は繰り返さない。
S120において、ECU300は、セル抵抗Rを算出する。セル抵抗Rは、所定期間内(たとえば100ms〜1秒程度)内におけるセル電圧Vb’をセル電流Ib’により除算することによって算出することができる(R=Vb’/Ib’)。なお、上記所定期間としては、セル電圧Vb’およびセル電流Ib’がほぼ一定である期間(つまり、セル電圧Vb’の変化量およびセル電流Ib’の変化量が十分に小さい期間)を用いることが好ましい。セル抵抗Rは、セル110における全要因による抵抗成分が含まれたものであるため、負極活性化による抵抗成分もセル抵抗Rに含まれる。
S130において、ECU300は、S120にて算出したセル抵抗Rが所定の判定値R0以下であるか否かを判定する。判定値R0は、負極活性化により負極抵抗Rnの低下が進行することに伴ってセル抵抗Rも判定値R0以下になるように、実験またはシミュレーションにより予め定められる。セル抵抗Rが判定値R0よりも高い場合(S130においてNO)、ECU300は、負極活性化はあまり進行していない(あるいは全く進行していない)として、以降の処理をスキップして処理をメインルーチンへと戻す。このように負極活性化が進行していない場合には以降の処理は特に不要であるため、これらの処理をスキップすることにより、ECU300の演算負荷を低減することができる。なお、本実施の形態では、セル抵抗Rが本発明に係る「ニッケル水素電池の負極活性化による抵抗低減に関連する値」に相当する。また、判定値R0が本発明に係る「所定値」に相当する。
これに対し、セル抵抗Rが判定値R0以下の場合(S130においてYES)には、ECU300は、負極活性化がある程度進行しているとして処理をS140に進める。
S140において、ECU300は、セル110の正極抵抗Rpを算出する。正極抵抗Rpは温度依存性を有するため、正極抵抗Rpとセル温度Tb’との対応関係をマップまたは関係式としてメモリ302に予め記憶させておくことにより、ECU300は、セル温度Tb’から正極抵抗Rpを算出することができる。なお、正極抵抗Rpの温度依存性を考慮することは必須ではなく、予め定められた固定値を正極抵抗Rpとして用いてもよい。
S150において、ECU300は、S120にて算出したセル抵抗RとR140にて算出した正極抵抗Rpとの差分を演算することにより、セル110の負極抵抗Rnを算出する(Rn=R−Rp)。
S160において、ECU300は、電流センサ220により検出されたセル電流Ib’と、S150にて算出した負極抵抗Rnとの積を負極開放電位OCVnに加算することにより、セル110の負極電位Vnを算出する(上記式(1)参照)。負極開放電位OCVnは、所定のSOC範囲内においてはSOCにかかわらず一定である。よって、負極開放電位OCVnは実験により予め求めておくことができる。
S170において、ECU300は、S160にて算出した負極電位VnにS110にて算出したセル電圧Vb’(電圧センサ210の検出値から算出したもの)を加算することにより、セル110の正極電位Vpを算出する(上記式(2)を参照)。
S180において、ECU300は、S170にて算出した正極電位Vpが所定値V0以下であるか否かを判定する。所定値V0は、セル110の正極の劣化(正極活物質層内の導電材の溶出)が起こり得る電位を考慮して予め設定された正極保護電位である。正極電位Vpが所定値V0以下の場合(S180においてYES)、ECU300は、処理をS190に進める。
S190において、ECU300は、電池パック100からの出力を抑制する。本実施の形態においては、放電電力上限値Woutを基準値Wref(たとえば正極電位Vpが所定値V0よりも高い場合の放電電力上限値)よりも低下させて、セル110の出力を抑制しやすくする。なお、基準値Wrefは、電池パック100の温度TbおよびSOCに応じて実験またはシミュレーションにより予め規定され、メモリ302に記憶されている。
電池パック100からの出力(放電)を抑制することにより、電池パック100の充電を優先させることができる。電池パック100を充電すれば、セル110の正極電位Vpを上昇させることができるので、正極電位Vpを所定値V0よりも高い電位まで変化させることができる。したがって、電解液中への導電材の溶出を抑制することができる。よって、電池パック100の出力性能が低下することを防止できる。
一方、S180において正極電位Vpが所定値V0よりも高い場合(S180においてNO)には、ECU300は、S190の処理をスキップして処理をメインルーチンへと戻す。
以上のように、本実施の形態によれば、電圧センサ210により検出された電圧Vb(さらに電圧Vbから算出されたセル電圧Vb’)と、電流センサ220により検出された電流Ib(=セル電流Ib’)とからセル抵抗Rが算出され、算出されたセル抵抗Rから正極抵抗Rpを減算することにより負極抵抗Rnが算出される。セル抵抗Rには負極活性化による抵抗成分が含まれているので、上記のようにすることで負極抵抗Rnの算出に際して負極活性化の影響を反映させることができる。その結果、負極電位Vnの算出精度(ひいては正極電位Vpの算出精度)が向上するので、より適切に正極を適切に保護することができる。
また、正極保護の観点からはセル抵抗R(あるいは負極抵抗Rn)を実際には算出することなく所定値V0を高く設定することも考えられるところ、本実施の形態によれば、セル抵抗Rを算出することで所定値V0を過度に高く設定しなくてよくなる。したがって、電池パック100からの出力が過度に抑制されることを防止することができ。その結果、電池パック100の電池性能を向上させることができる。
さらに、正極においてはメモリ効果の発生度合いに応じて正極電位Vpが変化してしまうので正極電位Vpを直接算出することは困難であるところ、本実施の形態によれば、まず負極電位Vnを算出し、算出された負極電位Vnと、電圧センサ210による検出値に基づいて算出されたセル電圧Vb’とから正極電位Vpが算出される。これにより、たとえメモリ効果の影響があっても正極電位Vpを高精度に算出することができる。
[変形例1]
実施の形態では、ECU300の演算負荷を低減するために、セル抵抗Rが判定値R0以下である場合(S130においてYES)に負極抵抗Rnの算出および負極電位Vnの算出などの以降の処理(S140以降の処理)が実行される例について説明した。変形例1においては、負極抵抗Rnの大小関係の判定結果に応じて、それ以降の処理を実行するか否かを判定する例について説明する。
図5は、本実施の形態の変形例1における電池パック100の出力抑制制御を示すフローチャートである。このフローチャートにおけるS210,S220の処理は、実施の形態におけるS110,S120の処理(図4参照)とそれぞれ同等であるため、説明は繰り返さない。
S230において、ECU300は、セル110の正極抵抗Rpを算出する。さらに、S240において、ECU300は、負極抵抗Rnを算出する。これらの処理は、実施の形態におけるS140,S150の処理とそれぞれ同等である。
S250において、ECU300は、負極抵抗Rnが所定の判定値Rn0以下であるか否かを判定する。負極抵抗Rnが判定値Rn0よりも高い場合(S250においてNO)には、以降の処理をスキップして処理をメインルーチンへと戻す。これにより、負極活性化があまり進行しておらず負極抵抗Rnが依然として高い場合に、ECU300の演算負荷を低減することができる。なお、変形例1では、負極抵抗Rnが本発明に係る「ニッケル水素電池の負極活性化による抵抗低減に関連する値」に相当する。また、判定値Rn0が本発明に係る「所定値」に相当する。
一方、負極抵抗Rnが判定値Rn0以下である場合(S250においてYES)には、負極活性化がある程度進行しているとして、S260〜S290の処理が実行される。これらの処理は、実施の形態におけるS160〜S190の処理とそれぞれ同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
以上のように、実施の形態の変形例1によれば、実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、負極抵抗Rnの算出に際して負極活性化の影響を反映させることができるので、より適切に正極を適切に保護することができる。また、電池パック100からの出力が過度に抑制されることを防止し、その結果、電池性能を向上させることができる。
[変形例2]
実施の形態およびその変形例1では、負極抵抗Rnを算出し、算出された負極抵抗Rnに基づいて負極電位Vnを算出する手法について説明した(図4のS160または図5のS260参照)。実施の形態の変形例2においては、負極抵抗Rnに予め定められた固定値に基づいて負極電位Vnを算出する手法について説明する。
図6は、本実施の形態の変形例2における電池パック100の出力抑制制御を示すフローチャートである。このフローチャートにおけるS310〜S330の処理は、実施の形態におけるS110〜S130の処理(図4参照)とそれぞれ同等であるため、説明は繰り返さない。
S330においてセル抵抗Rが判定値R0以下の場合(S330においてYES)、ECU300は、処理をS340に進める。S340において、ECU300は、メモリ302に予め記憶された、負極抵抗Rnの下限値Rn(min)を読み出す。
S350において、ECU300は、セル110の負極電位Vnを算出する。実施の形態の変形例2においては、上記式(1)に代えて下記式(3)が用いられる。すなわち、負極抵抗Rnの算出結果に代えて、実験またはシミュレーションにより予め定められた固定値である負極抵抗の下限値Rn(min)が用いられる。
Vn=OCVn+Ib’×Rn(min) ・・・(3)
S360〜S380の処理は、実施の形態におけるS170〜S190の処理とそれぞれ同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態の変形例2においても、実施の形態(またはその変形例1)と同様の効果を奏することができる。すなわち、負極抵抗Rnの算出に際して負極活性化の影響を反映させることができるので、より適切に正極を適切に保護することができる。また、電池パック100からの出力が過度に抑制されることを防止し、その結果、電池性能を向上させることができる。
さらに、実施の形態の変形例2によれば、負極抵抗の下限値Rn(min)を用いることにより、実施の形態(またはその変形例1)と比べて、負極電位Vnが低く算出されるので、正極電位Vpも低く算出される。その結果、正極電位Vpが所定値V0以下になりやすくなり、電池パック100の出力抑制制御がより実行されやすくなる。すなわち、実施の形態(またはその変形例1)との比較において、電池性能の向上度合いは小さくなるものの、正極保護をより強化することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 モータジェネレータ、20 動力伝達ギア、30 駆動輪、40 PCU、50 SMR、100 電池パック、110 セル、120 ケース、130 安全弁、140 電極体、210 電圧センサ、220 電流センサ、230 温度センサ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。

Claims (1)

  1. ニッケル水素電池と、
    前記ニッケル水素電池の電圧および電流を検出する検出部と、
    前記検出部による検出結果を用いて前記ニッケル水素電池の出力を抑制する出力抑制制御を実行する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記検出部により検出された電圧および電流から前記ニッケル水素電池の負極活性化による抵抗低減に関連する値を算出し、前記関連する値が前記ニッケル水素電池のセル抵抗が所定値よりも下回ったことを示す場合に、
    前記ニッケル水素電池の負極開放電位、前記セル抵抗から前記ニッケル水素電池の正極抵抗を減算することにより算出される負極抵抗、および前記検出部により検出された電流を用いて、前記ニッケル水素電池の負極電位を算出し、
    算出された負極電位に前記検出部により検出された電圧を加算することにより、前記ニッケル水素電池の正極電位を算出し、
    算出された正極電位が所定値を下回った場合に前記出力抑制制御を実行する、電池システム。
JP2016127617A 2016-06-28 2016-06-28 電池システム Active JP6658343B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016127617A JP6658343B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016127617A JP6658343B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018006029A JP2018006029A (ja) 2018-01-11
JP6658343B2 true JP6658343B2 (ja) 2020-03-04

Family

ID=60949553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016127617A Active JP6658343B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6658343B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6743577B2 (ja) * 2016-08-24 2020-08-19 トヨタ自動車株式会社 電池システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3598873B2 (ja) * 1998-08-10 2004-12-08 トヨタ自動車株式会社 二次電池の状態判定方法及び状態判定装置、並びに二次電池の再生方法
JP5106272B2 (ja) * 2008-06-30 2012-12-26 パナソニック株式会社 劣化判定回路、電源装置、及び二次電池の劣化判定方法
JP2011257314A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Toyota Motor Corp 二次電池の劣化判定方法および二次電池の制御システム
JP5738784B2 (ja) * 2012-02-20 2015-06-24 トヨタ自動車株式会社 蓄電システム
JP5886225B2 (ja) * 2013-03-08 2016-03-16 プライムアースEvエナジー株式会社 電池制御装置及び電池制御方法
JP6102891B2 (ja) * 2014-11-11 2017-03-29 トヨタ自動車株式会社 電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018006029A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6481661B2 (ja) 電池システム
JP2018025500A (ja) 電池システム
JP2019050094A (ja) 二次電池の充放電制御装置
JP6683058B2 (ja) 電池システム
JP6863688B2 (ja) 電池システム
JP6658343B2 (ja) 電池システム
CN104282958B (zh) 放电控制装置、放电控制方法以及计算机可读介质
CN113346152B (zh) 电池***及其控制方法
JP6662219B2 (ja) 電池システム
JP6699390B2 (ja) 電池システム
JP6729033B2 (ja) 電池システム
JP7087400B2 (ja) ソーラー発電システム
JP6668983B2 (ja) 電池システム
JP6613969B2 (ja) 二次電池システム
JP2021141656A (ja) 電池システム
JP2019110043A (ja) 電池システム
JP6658349B2 (ja) 電池システム
JP2017220329A (ja) 二次電池システム
JP2017221076A (ja) 電池システム
JP7013987B2 (ja) ハイブリッド車
JP7006311B2 (ja) 電動車両及び電動車両の制御方法
JP6743577B2 (ja) 電池システム
JP6658325B2 (ja) 電池システム
JP6702043B2 (ja) 電池システム
JP6772968B2 (ja) 二次電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190315

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191218

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6658343

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151