JP6662219B2 - 電池システム - Google Patents

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Description

本発明は電池システムに関し、より特定的には、車両システムとの間で電力の授受を行なうことが可能に構成された、複数のニッケル水素電池のセルを含む電池システムに関する。
近年、ハイブリッド車両等の電動車両に搭載された電池システムにおいて、二次電池の劣化を判定するための技術が提案されている。たとえば特開2015−111104号公報(特許文献1)に開示された電池劣化監視システムは、車両のイグニッションオフ後に時計機能部によって所定時間経過毎に起動され、起動されたときに温度センサにより検出した二次電池の周囲温度と当該周囲温度の所定時間での温度変化とに基づいて二次電池の劣化率を演算する。
特開2015−111104号公報 特開2004−328905号公報 特開2014−239602号公報
ニッケル水素電池の正極内にNiHが生成すると、その生成量が増加するに従ってニッケル水素電池の容量が低下することが知られている。NiHの生成は、ニッケル水素電池の電圧が所定値(たとえば1.5V)よりも高い場合に起こりやすいので、基本的にはニッケル水素電池の充電時に起こると考えられる。
一般に、電動車両に搭載される電池システムは、各々がニッケル水素電池である複数のセルが所定方向に配列された組電池を含む。ニッケル水素電池の正極内におけるNiHの生成量が温度依存性を有するところ、本発明者らは、以下に詳細に説明するように、組電池内におけるセルの位置に応じてセルの温度が異なり、それによりNiHの生成量も異なり得る点に着目した。すなわち、ある外気温度の環境下での電動車両の走行中には、組電池の温度は外気温度よりも高くなる。多くの電動車両には組電池を冷却するための冷却装置(たとえば冷却ファン)が設けられているため、電動車両の走行中には冷却装置が動作することで組電池内の各セルは比較的均等に冷却される。
これに対し、電動車両の走行後に車両システムの停止操作(いわゆるイグニッションオフ操作)が行なわれると、冷却装置は、その動作を停止する。そうすると、組電池内の各セルは自然冷却されることになる。自然冷却の場合、セルが配列される所定方向の端部に配置されたセル(端部のセル)の温度は、上記所定方向の中央部に配置されたセル(中央部のセル)の温度よりも低下しやすい。その結果、中央部のセルの温度と端部のセルの温度との間で比較的大きな温度差が生じる可能性がある。この温度差が大きいということは、所定方向に配列された複数のセル間で大きな温度バラつきが発生していることを意味するが、電動車両のイグニッションオフ後に時間が経過するに従ってセル間の温度バラつきは次第に解消されていく。
しかしながら、ユーザによる電動車両の使用態様によっては、走行距離または走行時間が比較的短い走行が繰り返し行なわれる場合がある。前回のイグニッションオフ時から十分な時間間隔を空けることなく今回の車両システムの起動操作(いわゆるイグニッションオン操作)が行なわれた場合、前回の走行時に生じた温度バラつきが十分に解消される前に組電池(ニッケル水素電池)が再び充電されることになる。組電池の充電時には、相対的に温度が高い中央部のセルでは相対的に温度が低い端部のセルと比べてNiHの生成量が大きいので、満充電容量の低下量が大きくなり得る。
このように、ユーザによる電動車両の使用態様によっては、NiHの生成に起因する満充電容量の低下量がセルの位置に応じて異なることになり、その結果、セル間での満充電容量のバラつきが拡大する可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両システムとの間で電力の授受を行なうことが可能に構成された、複数のニッケル水素電池のセルを含む電池システムにおいて、セル間での満充電容量のバラつきを抑制可能な技術を提供することである。
本発明のある局面に従う電池システムは、車両システムとの間で電力の授受を行なうように構成される。電池システムは、所定方向に配列された、各々がニッケル水素電池である複数のセルを含む組電池と、複数のセルのうち所定方向の端部に配置された第1のセルの温度を検出する第1のセンサと、複数のセルのうち所定方向の中央部に配置された第2のセルの温度を検出する第2のセンサと、上記複数のセルの充電電圧を制御する制御装置とを備える。制御装置は、車両システムの起動時における第2のセルの温度と第1のセルの温度との温度差がしきい値よりも大きい場合には、温度差がしきい値以下である場合と比べて、上記充電電圧の上限を低くする。
上述のように各セルの電圧が所定値(たとえば1.5V)よりも高い場合にNiHが生成されやすいところ、上記構成によれば、車両システムの起動時に第2のセルの温度と第1のセルの温度との温度差がしきい値よりも大きい場合には、上記温度差がしきい値以下である場合と比べて、複数のセルの充電電圧の上限が低く設定される。これにより、各セルの電圧を上記所定値以下に制限することが可能になるので、組電池の充電時におけるNiHの生成を抑制することができる。したがって、組電池内に配列された複数のセル間において、NiHの生成に起因する満充電容量の低下によって満充電容量のバラつきが拡大することを抑制できる。
本発明によれば、車両システムに電力を供給可能に構成された、複数のニッケル水素電池のセルを含む電池システムにおいて、セル間での満充電容量のバラつきを抑制することができる。
本実施の形態に係る電池システムが搭載された電動車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 組電池の構成を示す図である。 セルの構成を示す図である。 正極内におけるNiHの存在比率と満充電容量との関係に関する実験結果の一例を示す図である。 セルの搭載位置に応じた満充電容量の低下とNiHの生成との関係を説明するための第1の図である。 セルの搭載位置に応じた満充電容量の低下とNiHの生成との関係を説明するための第2の図である。 本実施の形態における組電池100のNiH生成抑制制御を示すタイムチャートである。 本実施の形態におけるバッテリのNiH生成抑制制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本発明の実施の形態に係る電池システムが電動車両に搭載される構成を例に説明する。電動車両は、ハイブリッド車(プラグインハイブリッド車を含む)であってもよいし、電気自動車であってもよいし、燃料自動車であってもよい。
[実施の形態]
<電池システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る電池システムが搭載された電動車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10と、動力伝達ギア20と、駆動輪30と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)40と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)50と、電池システム2とを備える。電池システム2は、組電池100と、冷却装置150と、電圧センサ210と、電流センサ220と、温度センサ230と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
モータジェネレータ10は、たとえば三相交流回転電機である。モータジェネレータ10の出力トルクは、減速機および動力分割機構を含んで構成された動力伝達ギア20を介して駆動輪30に伝達される。モータジェネレータ10は、車両1の回生制動動作時には、駆動輪30の回転力によって発電することも可能である。モータジェネレータ10に加えてエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、エンジンおよびモータジェネレータ10を協調的に動作させることによって必要な車両駆動力を発生させる。なお、図1ではモータジェネレータが1つだけ設けられる構成が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、モータジェネレータを複数(たとえば2つ)設ける構成としてもよい。
PCU40は、いずれも図示しないが、インバータとコンバータとを含む。組電池100の放電時には、コンバータは、組電池100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ10を駆動する。一方、組電池100の充電時には、インバータは、モータジェネレータ10によって発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータに供給する。コンバータは、インバータから供給された電圧を降圧して組電池100に供給する。
SMR50は、組電池100とPCU40とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。SMR50がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、組電池100とPCU40との間で電力の授受が行なわれ得る。なお、モータジェネレータ10、PCU40、およびSMR50は、本発明に係る「車両システム」に相当する。
組電池100は、再充電が可能な直流電源であり、本実施の形態では各々がニッケル水素電池である複数のセルを含んで構成される。組電池100には、後述する電圧センサ211〜213を包括的に記載した電圧センサ210と、電流センサ220と、後述する温度センサ231〜233を包括的に記載した温度センサ230とが設けられる。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。組電池100の詳細な構成については図2にて説明する。
冷却装置150は、ECU300からの制御信号に基づいて組電池100に冷却風を送る。冷却装置150は、たとえば冷却風を発生させる冷却ファンと、発生した冷却風を組電池へと導くためのダクト(いずれも図示せず)とを含んで構成される。なお、冷却装置150は、空冷式に限らず液冷式の装置であってもよい。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))302と、入出力バッファ(図示せず)と等を含んで構成される。ECU300は、各センサから受ける信号、ならびにメモリ302に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1および電池システム2が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300により実行される主要な制御として、組電池100の充電制御が挙げられるが、この充電制御については後述する。
図2は、組電池100の構成を示す図である。組電池100は、各々がニッケル水素電池である複数のセルが所定方向に配列された構成を有する。図2に示すように、組電池100は、所定方向の一方の端部に配置されたセル111〜114と、上記所定方向の中央部に配置されたセル121〜124と、上記所定方向の他方の端部に配置されたセル131〜134とを含む。
セル111〜114の各々には、各セルの電圧Vb1を検出する電圧センサ211と、各セルの温度Tb1を検出する温度センサ231とが設けられている。セル121〜124およびセル131〜134は、いずれもセル111〜114と共通の構成を有するため、詳細な説明は繰り返さない。
以下では、端部に配置されたセル111〜114のうちの代表的なセルであるセル111(第1のセル)の温度Tb1と、中央部に配置されたセル121〜124のうちの代表的なセルであるセル122(第2のセル)の温度Tb2とを検出し、その検出結果に基づいて組電池100の充電制御を行なう例について説明する。しかし、本発明に係る「第1のセル」として、セル111に代えて他のセル112〜114を用いてもよいし、所定方向の他方の端部に配置されたセル131〜134(たとえばセル134)を用いてもよい。また、本発明に係る「第2のセル」として、セル122に代えて、中央部の他のセル121,123,124を用いてもよい。さらに、所定方向の端部および中央部の各々において検出対象とするセル数は1に限定されず、2以上のセルの温度の検出結果に基づいて組電池100の充電制御(後述)を行なってもよい。
なお、温度センサ231は本発明に係る「第1のセンサ」に相当し、温度センサ232は本発明に係る「第2のセンサ」に相当する。
図3は、セル111の構成を示す図である。図示しないが、セル122等の他のセルの構成も共通である。セル111は、たとえば角形密閉式のセルであり、ケース141と、ケース141に設けられた安全弁142と、ケース141内に収容された電極体143および電解液(図示せず)とを含む。なお、図3ではケース141の一部を透視して電極体143を示している。
ケース141は、いずれも金属からなるケース本体および蓋体を含み、蓋体がケース本体の開口部上で全周溶接されることにより密閉されている。安全弁142は、ケース141内部の圧力が所定値を超えると、ケース141内部のガス(水素ガス等)の一部を外部に排出する。電極体143は、正極と、負極と、セパレータとを含む。正極は、たとえば袋状のセパレータ内に挿入されており、セパレータ内に挿入された正極と、負極とが交互に積層されている。正極および負極は、図示しない正極端子および負極端子にそれぞれ電気的に接続されている。
電極体143および電解液の材料としては従来公知の各種材料を用いることができる。本実施の形態においては、一例として、正極は、水酸化ニッケル(Ni(OH)またはNiOOH)を含む正極活物質層と、発泡ニッケルなどの活物質支持体とを含む。負極は、水素吸蔵合金を含む。セパレータには、親水化処理された合成繊維からなる不織布が用いられる。電解液には、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)等を含むアルカリ水溶液が用いられる。
<NiHの生成>
ニッケル水素電池(セル)の正極内にNiHが生成すると、その生成量が増加するに従ってニッケル水素電池の満充電容量が低下することが知られている。NiHは、各セルの電圧が所定値(たとえば1.5V)よりも高い場合に生成されやすい。つまり、NiHの生成は、基本的には組電池100の充電時に起こると考えられる。
図4は、正極内におけるNiHの存在比率と満充電容量との関係に関する実験結果の一例を示す図である。図4において、横軸は正極内におけるNiHの存在比率を示し、縦軸はニッケル水素電池(セル)の満充電容量を示す。この実験結果から、NiHの存在比率が高くなるに従って満充電容量が低下することが分かる。
発明者らは、以下に説明する実験結果に基づき、図2に示したように各セルが組電池100内で配列されている構成においては、所定方向のセルの位置に応じてセルの温度が異なり、その結果としてNiHの生成量も異なり得る点に着目した。この実験においては、複数台の車両1(ここではテスト用(試験用)の車両)を準備した。そして、各車両1の組電池100に含まれるセルの満充電容量を測定するとともに、セルを適宜分解してX線回折法(XRD:X-ray Diffraction)による分析を行なった。
図5は、セルの位置に応じた満充電容量の低下とNiHの生成との関係を説明するための第1の図である。図5において、横軸は、組電池100が車両1に搭載された状態での経過時間(組電池100の初期状態からの使用年数)を示す。縦軸は、セルの満充電容量を示す。
図5および後述する図6では、組電池100の端部に配置されたセル111の満充電容量の測定結果を白抜きで示し、組電池100の中央部に配置されたセル122の満充電容量の測定結果を黒塗りで示す。
図5に示すように、経過時間が比較的短い場合、セル111の満充電容量FCC1とセル122の満充電容量FCC2とはほぼ等しかった。これらの組電池100に含まれるセル(より詳細にはセル111とセル122との間に配置された他のセル)を分解してその正極内をXRDにより分析したところ、NiHの生成を示すピークはほとんど検出されなかった。
これに対し、経過時間がより長くなりT程度(たとえば数年)になると、セル122の満充電容量FCC2の方がセル111の満充電容量FCC1よりも低くなった。上述の説明と同様に組電池100に含まれるセルを分解してその正極をXRDにより分析したところ、NiHの生成を示すピークが検出された。
図6は、セルの位置に応じた満充電容量の低下とNiHの生成との関係を説明するための第2の図である。図6において、横軸は、車両1の走行距離の累積値(単位:km)を示す。縦軸は、図5と同様にセルの満充電容量を示す。
車両1の走行距離が比較的短い場合、セル111の満充電容量FCC1とセル122の満充電容量FCC2とはほぼ等しかった。これらの組電池100に含まれるセルを分解した場合、正極内にはNiHの生成はほとんど確認されなかった。
これに対し、車両1の走行距離がより長くなりL程度(たとえば10万km前後)になると、セル122の満充電容量FCC2の方がセル111の満充電容量FCC1よりも低くなった。これらの組電池100に含まれるセルの正極内には、NiHの生成が確認された。
図5および図6に示した実験結果から、経過時間または走行距離が長くなるに従ってセルの満充電容量の低下量が大きくなることが分かる。また、組電池100に含まれるセルのうち所定方向の端部(すなわち低温部)近くに配置されたセル(セル111等)ほど満充電容量の低下量が相対的に小さく、所定方向の中央部(すなわち高温部)近くに配置されたセル(セル122等)ほど満充電容量の低下量が相対的に大きい傾向があることが分かる。つまり、NiHの生成による満充電容量の低下は、環境温度に強く依存することが上記実験結果から分かる。
<セル間での満充電容量のバラつき>
たとえば外気温度が30℃の環境下での車両1の走行中には、組電池100内の各セルの温度は外気温度よりも高くなり、たとえば45℃に達する。車両1の走行中には電池システム2に設けられた冷却装置150が動作することで、組電池100内の各セルを比較的均等に冷却することができる。
これに対し、車両1の走行後に車両システムの停止操作(いわゆるIG−OFF(イグニッションオフ)操作)が行なわれると、冷却装置150は、その動作を停止する。そうすると、組電池100内の各セルは自然冷却されることになる。自然冷却の場合、セルが配列された所定方向の端部に配置されたセル111の温度Tb1は、所定方向の中央部に配置されたセル122の温度Tb2よりも低下しやすい。その結果、中央部のセル122の温度Tb2と端部のセル111の温度Tb1との間で比較的大きな温度差ΔT(=Tb2−Tb1)が生じる可能性がある。温度差ΔTが大きいということは、所定方向に配列された複数のセル間で比較的大きな温度バラつきが発生していることを意味するが、IG−OFF後に時間が経過するに従って、セル間の温度バラつきは次第に解消されていく。
しかしながら、ユーザによる車両1の使用態様によっては、走行時間または走行距離が比較的短い走行(いわばショートトリップ)が繰り返し行なわれる場合がある。前回のIG−OFF時から十分な時間間隔を空けることなく今回の車両システムの起動操作(いわゆるIG−ON(イグニッションオン)操作)が行なわれた場合、前回の車両1の走行時に生じた温度バラつきが十分に解消される前に組電池100が再び充電されることになる。上述のようにNiの生成は組電池100の充電時に起こり、相対的に温度が高い中央部のセル122では相対的に温度が低い端部のセル111と比べてNiHの生成量が大きいので、満充電容量の低下量が大きくなり得る。
このように、ユーザによる車両1の使用態様(あるいは使用傾向)によっては、NiHの生成に起因する満充電容量の低下量がセルの位置に応じて異なることになり、その結果、セル間で満充電容量のバラつきが生じる可能性がある。
そこで、本実施の形態においては、車両1のIG−ON時における中央部のセル122の温度Tb2と端部のセル111の温度Tb1との温度差ΔTがしきい値Tthよりも大きい場合には、温度差ΔTがしきい値Tth以下である場合と比べて、各セルの充電電圧の上限を低くする構成を採用する。以下、この制御を「NiH生成抑制制御」とも称する。
NiH生成抑制制御により、組電池100内の各セルの電圧を所定値(たとえば1.5V)以下に制限することができるので、IG−ON後の組電池100の充電時におけるNiHの生成を抑制することができる。したがって、組電池100内に配列された複数のセル間において、NiHの生成に起因する満充電容量の低下によって満充電容量のバラつきが拡大することを抑制できる。なお、しきい値Tthは、たとえば図5または図6にて説明した実験結果に基づいて適宜決定することができる。
<NiH生成抑制制御>
図7は、本実施の形態における組電池100のNiH生成抑制制御を示すタイムチャートである。図7において、横軸は経過時間を示す。縦軸は、上から順に、中央部のセル122の温度T2と端部のセル111の温度T1との温度差ΔTと、組電池100に含まれる、あるセル(好ましくは最も電圧が高いセル)の充電電圧の上限電圧とを示す。
図7に示すように、時刻t1において車両1のIG−ON操作が行なわれる。時刻t1における温度差ΔTがT0であってしきい値Tthよりも大きい場合、最も電圧が高いセルの充電電圧は、後述の上限電圧ULbよりも低い上限電圧ULa以下に制限される(ULa<ULb)。これは、たとえば、組電池100の充電電力の制御上限値である充電電力上限値Winを通常時(時刻t2以降)よりも制限することによって実現される。
車両1のIG−ON後には組電池100の冷却装置150が動作することにより、時間の経過とともに温度差ΔTが縮小していく。温度差ΔTが縮小する時刻t2以降、最も電圧が高いセルの充電電圧は、上限電圧ULb以下に制限される。
図8は、本実施の形態における組電池100のNiH生成抑制制御を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、車両1のIG−ON時に図示しないメインルーチンから呼び出されて実行される。これらのフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、その一部または全部がECU300内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S10において、ECU300は、組電池100内において所定方向の端部に配置されたセル111に設けられた温度センサ231からセル111の温度Tb1を取得する。
S20において、ECU300は、所定方向の中央部に配置されたセル122に設けられた温度センサ232からセル122の温度Tb2を取得する。なお、S10の処理とS20の処理との順序を入れ替えてもよい。
S30において、ECU300は、中央部のセル122と端部のセル111との温度差ΔT(=Tb2−Tb1)を算出する。
S40において、ECU300は、S30にて算出した温度差ΔTが所定のしきい値Tthよりも大きいか否かを判定する。
温度差ΔTがしきい値Tthよりも大きい場合(S40においてYES)、ECU300は、処理をS50に進め、充電電力上限値Winの制限などにより、組電池100に含まれる各セル(好ましくは最も電圧が高いセル)の充電電圧を所定の上限電圧ULa以下に制限する(図7の時刻t1と時刻t2との間の期間参照)。上限電圧ULaは、各セルの電圧が所定値(たとえば1.5V)超えることによって正極内でのNiHの生成が起こることがないように設定された電圧であることが好ましい。
一方、温度差ΔTがしきい値Tth以下の場合(S40においてNO)、ECU300は、処理をS60に進め、各セルの充電電圧を所定の上限電圧ULb以下に制限する(図7の時刻t2以降の期間を参照)。その後、処理はメインルーチンへと戻される。
以上のように、本実施の形態によれば、車両1のIG−ON時に所定方向の中央部に配置されたセル122と所定方向の端部に配置されたセル111との温度差ΔTがしきい値Tthより大きい場合には、温度差ΔTがしきい値Tth以下である場合と比べて、各セルの充電電圧の上限が低く制限される。これにより、車両1のIG−ON後に組電池100が充電される際に、組電池100に含まれる各セルの電圧を所定値(たとえば1.5V)以下に維持することが可能になるので、NiHの生成を抑制することができる。したがって、正極内でのNiHの生成に起因して、組電池100内に含まれるセル間で満充電容量のバラつきが拡大することを抑制できる。
なお、本実施の形態ではセルの所定方向の中央部と端部の間で温度差ΔTを算出する構成について説明したが、温度差ΔTが最大となるのであれば、組電池100内の他の位置に設けられたセル間の温度差を用いてもよい。言い換えると、本発明における所定方向の「中央部」とは、一方の端部(本発明に係る「端部」)と他方の端部との間の厳密な意味での中央のみに限定されるものではなく、上記一方の端部と上記他方の端部との間の部分を意味する。「中央部」の位置は、組電池100に設けられる冷却装置150の構成に応じて適宜決定することが望ましい。たとえば、冷却装置150による冷却が上記所定方向に関して非対称である場合には、厳密な意味での中央とは異なる位置に配置されたセルの温度を監視することが望ましい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 モータジェネレータ、20 動力伝達ギア、30 駆動輪、40 PCU、50 SMR、100 組電池、111〜114,121〜124,131〜134 セル、141 ケース、142 安全弁、143 電極体、150 冷却装置、210〜213 電圧センサ、220 電流センサ、230〜233 温度センサ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。

Claims (1)

  1. 車両システムとの間で電力の授受を行なうように構成された電池システムであって、
    所定方向に配列された、各々がニッケル水素電池である複数のセルを含む組電池と、
    前記複数のセルのうち前記所定方向の端部に配置された第1のセルの温度を検出する第1のセンサと、
    前記複数のセルのうち前記所定方向の中央部に配置された第2のセルの温度を検出する第2のセンサと、
    前記複数のセルの充電電圧を制御する制御装置とを備え、
    前記複数のセルの各々は、電圧が所定値よりも高い充電時にNi Hの生成が進む正極を有し、
    前記制御装置は、前記車両システムの起動時における前記第2のセルの温度と前記第1のセルの温度との温度差がしきい値よりも大きい場合には、前記充電電圧の上限を前記所定値よりも低くする、電池システム。
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