JP6729033B2 - 電池システム - Google Patents

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Description

本発明は電池システムに関し、より特定的には、水素吸蔵合金を負極活物質として含むニッケル水素電池を備えた電池システムに関する。
近年、電池システムを搭載した、ハイブリッド車両等の電動車両の普及が進んでいる。これらの電池システムでは、様々な要因によってバッテリが劣化し得る。そのため、要因に応じた劣化の度合いを判定する技術が提案されている。たとえば特開2011−228213号公報(特許文献1)は、リチウムイオン電池の正極板に形成された活物質層中の正極活物質の割れ(クラック)の判定方法を開示する。特許文献1によれば、正極活物質の割れが生じているか否かを、リチウムイオン電池の放電量の積算値の平方根と電池容量との組データをプロットしたグラフを用いて判定する。
特開2011−228213号公報
本発明者は、水素吸蔵合金を負極活物質として含むニッケル水素電池では、負極活物質におけるクラックの発生時および進行時の態様が、他の二次電池(たとえばリチウムイオン電池)の負極活物質における態様と異なる点に着目した(詳細は後述)。そして、負極活物質におけるクラックによる劣化の進行度合いを考慮せずにニッケル水素電池の充放電を継続した場合、クラックによる劣化がさらに進行して電池性能の低下(具体的には負極の反応抵抗の増加または負極容量の低下)が引き起こされる可能性があることに着目した。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、水素吸蔵合金を負極活物質として含むニッケル水素電池を備えた電池システムにおいて、負極活物質に生じたクラックによる電池性能の低下を抑制可能な技術を提供することである。
本発明のある局面に従う電池システムは、外部機器に電力を供給する。電池システムは、水素吸蔵合金を負極活物質として含むニッケル水素電池と、ニッケル水素電池と外部機器との間で電力を変換する電力変換装置と、ニッケル水素電池への充電電力が充電電力の制御上限値未満となり、かつ、ニッケル水素電池からの放電電力が放電電力の制御上限値未満となるように電力変換装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、ニッケル水素電池に入出力される電流、およびニッケル水素電池の温度から、負極活物質に生じるクラックによる劣化の進行度合いに関連する指標値を算出する。制御装置は、劣化の進行度合いが所定量よりも大きいことを指標値が示す場合には、劣化の進行度合いが所定量よりも小さいことを指標値が示す場合と比べて、充電電力の制御上限値および放電電力の制御上限値を小さくする。
充電電力または放電電力が大きいほど負極活物質内に発生する水素(H)濃度の偏りが大きくなる。負極活物質内における局所的な水素量(プロトン量)が異なることで、局所的な体積変化量も異なることになり、その結果、結晶格子内に歪みが生じて応力が発生する。この応力も充電電力または放電電力が大きいほど増加する。上記構成によれば、指標値に応じて充電電力の制御上限値および放電電力の制御上限値を小さくすることによって、負極活物質に作用する応力が低減できる。したがって、クラックによる劣化のさらなる進行を抑制し、電池性能の低下を抑制することができる。
本実施の形態に係る電池システムが搭載されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 バッテリに含まれる各セルの構成をより詳細に示す図である。 二次電池の負極活物質内にて生じるクラックを説明するための図である。 ニッケル水素電池の内部抵抗および電池容量の時間経過を説明するためのタイムチャートである。 クラック指標値の算出処理を説明するための図である。 クラック指標値の時間変化の一例を示す図である。 バッテリの入出力電力の制限を説明するための図である。 本実施の形態に係るバッテリの充放電制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本発明の実施の形態に係る電池システムがハイブリッド車両に搭載される構成を例に説明する。しかし、電池システムの用途は車両用に限定されるものではなく、定置用であってもよい。
[本実施の形態]
<電池システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る二次電池システムが搭載されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、二次電池システム2と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10,20と、動力分割機構30と、エンジン40と、駆動輪50とを備える。二次電池システム2は、バッテリ100と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)150と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)200と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
モータジェネレータ10,20の各々は三相交流回転電機である。モータジェネレータ10は、動力分割機構30を介してエンジン40のクランク軸に連結される。モータジェネレータ10は、エンジン40を始動させる際にはバッテリ100の電力を用いてエンジン40のクランク軸を回転させる。また、モータジェネレータ10はエンジン40の動力を用いて発電することも可能である。モータジェネレータ10によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されてバッテリ100に充電される。また、モータジェネレータ10によって発電された交流電力は、モータジェネレータ20に供給される場合もある。
モータジェネレータ20は、バッテリ100からの電力およびモータジェネレータ10により発電された電力のうちの少なくとも一方を用いて駆動軸を回転させる。また、モータジェネレータ20は回生制動によって発電することも可能である。モータジェネレータ20によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されてバッテリ100に充電される。
動力分割機構30は、たとえば遊星歯車機構であり、エンジン40のクランク軸、モータジェネレータ10の回転軸、および駆動軸の三要素を機械的に連結する。エンジン40は、ガソリンエンジン等の内燃機関であり、ECU300からの制御信号に応じて車両1が走行するための駆動力を発生する。
PCU200は、バッテリ100とモータジェネレータ10,20との間で電力を変換する。いずれも図示しないが、インバータと、コンバータとを含む。インバータは、一般的な三相インバータである。コンバータは、昇圧動作時にはバッテリ100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。コンバータは、降圧動作時にはインバータから供給された電圧を降圧してバッテリ100を充電する。SMR150は、バッテリ100とPCU200とを結ぶ電流経路に電気的に接続される。SMR150がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、バッテリ100とPCU200との間で電力の授受が行なわれ得る。なお、モータジェネレータ10,20は本発明に係る「外部機器」に相当し、PCU200は本発明に係る「電力変換装置」に相当する。
バッテリ100は、各々がニッケル水素電池である複数のセル101を含む。各セル101の構成については図2にて説明する。バッテリ100には、電圧センサ110と、電流センサ120と、温度センサ130とが設けられる。電圧センサ110は、バッテリ100の電圧Vbを検出する。電流センサ120は、バッテリ100に入出力される電流Ibを検出する。温度センサ130は、バッテリ100の温度Tbを検出する。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。ECU300は、各センサによる検出結果に基づいてバッテリ100のSOC(State Of Charge)を算出する。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、入出力バッファ(図示せず)と等を含んで構成される。ECU300は、各センサから受ける信号、ならびにメモリ302に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300により実行される主要な制御としてバッテリ100の充放電制御が挙げられる。たとえば、ECU300は、バッテリ100の保護を目的として、バッテリ100への充電電力が充電電力上限値(制御上限値)Winを上回らず、かつバッテリ100からの放電電力が放電電力上限値(制御上限値)Woutを上回らないようにバッテリ100の充放電を制御する。この充放電制御については後に詳細に説明する。
図2は、バッテリ100に含まれるセル101の構成を示す図である。各セル101の構成は共通であるため、図2では1つのセル101のみを代表的に示す。セル101は、たとえば角形密閉式のセルであり、ケース102と、ケース102に設けられた安全弁103と、ケース102内に収容された電極体104および電解液(図示せず)とを含む。なお、図2ではケース102の一部を透視して電極体104を示す。
ケース102は、いずれも金属からなるケース本体および蓋体を含み、蓋体がケース本の開口部上で全周溶接されることにより密閉される。安全弁103は、ケース102内部の圧力が所定値を超えると、ケース102内部のガス(水素ガス等)の一部を外部に排出する。電極体104は、正極板と、負極板と、セパレータとを含む。正極板は袋状のセパレータ内に挿入されており、セパレータ内に挿入された正極板と、負極板とが交互に積層されている。正極板および負極板は、図示しない正極端子および負極端子にそれぞれ電気的に接続される。
電極体104および電解液の材料としては従来公知の各種材料を用いることができる。本実施の形態においては、一例として、正極板には、水酸化ニッケル(Ni(OH)またはNiOOH)を含む正極活物質層と、発泡ニッケルなどの活物質支持体とを含む電極板が用いられる。負極板には、水素吸蔵合金(たとえばLaNiまたはReNi)を負極活物質として含む電極板が用いられる。セパレータには、親水化処理された合成繊維からなる不織布が用いられる。電解液には、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)などを含むアルカリ水溶液が用いられる。
<クラック発生による劣化>
ニッケル水素電池の負極活物質として一般的に用いられる水素吸蔵合金では、ニッケル水素電池の充放電に伴って負極活物質内に水素濃度の偏り(分布)が生じ得る。負極活物質内における局所的な水素量(プロトン量)が異なることで、局所的な体積変化量も異なることになり、その結果、結晶格子内に歪みが生じて応力が発生し得る。このように負極活物質内に発生する応力が負極活物質の機械的な限界強度を超過することでクラックが生じ得る。このクラックについて、リチウムイオン電池の負極活物質内に生じるクラックと比較しながら以下に説明する。
図3は、二次電池の負極活物質内にて生じるクラックを説明するための図である。図3(A)はリチウムイオン電池の負極活物質4(たとえばグラファイトまたはシリコン)を模式的に示し、図3(B)はニッケル水素電池の負極活物質(たとえばLaNi)を模式的に示す。
図4は、ニッケル水素電池の内部抵抗および電池容量の時間経過を説明するためのタイムチャートである。図4において、横軸は経過時間を示す。初期時刻(0)は、たとえばニッケル水素電池(バッテリ100)の製造直後の時刻である。縦軸は、上から順にニッケル水素電池の内部抵抗(より詳細には負極の反応抵抗)および電池容量(より詳細には負極容量)を示す。
図3(A)に示すように、リチウムイオン電池の負極活物質4には被膜(SEI(Solid Electrolyte Interphase)膜)42が形成される。リチウムイオン電池の充放電による負極活物質4内のリチウム濃度の偏りおよび負極活物質4の体積に伴って負極活物質4にクラック41が生じると、新たな表面が露出する。露出した表面には、負極活物質4と電解液との反応により新たな被膜42が形成される。その結果、リチウムイオン電池の内部抵抗(より詳細には負極の反応抵抗)が増加し得る。
これに対し、図3(B)に示すように、ニッケル水素電池の負極活物質5にクラック51が生じて新たな表面が露出しても被膜形成の影響は極めて小さい。すなわち、ニッケル水素電池では、単に電池反応に寄与し得る負極活物質5の反応表面が増加することになるので、図4の期間T1に示すように内部抵抗が減少し得る。
しかしながら、クラック51による劣化が進行するに従いクラック51が次第に深くなり、図3(B)に斜線で示すように、最終的には元の負極活物質5の粒子の一部が微粉化された状態となり得る。つまり、負極活物質5の粒子の一部が、当該粒子の残りの部分と、図示しない他の粒子とから孤立した状態(電気的に接続されていない状態)となり得る。そうすると、電池反応に寄与し得る反応面積が減少することになるので、図4の期間T2に示すように、内部抵抗が増加するとともに電池容量が減少する可能性がある。
そこで、本実施の形態においては、負極活物質5におけるクラックによる劣化の進行度合いを示すクラック指標値Xを算出し、クラック指標値Xに基づいてバッテリ100の充放電を制御する構成を採用する。より詳細に説明すると、クラック51による劣化の進行度合いと負極活物質5内に作用する応力Fsとの間には相関関係が存在する。したがって、バッテリ100の電流Ibおよび温度Tbから応力Fsを推定し、応力Fsの推定結果を用いてクラック指標値Xを算出する。
<クラック指標値の算出>
図5は、クラック指標値Xの算出処理を説明するための図である。図5において、横軸は経過時間を表し、縦軸は負極活物質5内に作用する応力Fsを表す。応力Fsが負極活物質5の機械的な限界強度(典型的には引っ張り限界強度)Flimを上回るとクラック51が発生すると考えられる。したがって、斜線を付して示すように、応力Fsが限界強度Flimを上回った超過量(言い換えるとダメージ量)ΔFの時間積分を行なうことにより、所定期間内でのクラックによるダメージの進行度合いを算出することができる。
より詳細には、下記式(1)に示すように、時刻t1から期間Δtだけ経過した時刻t2におけるクラック指標値X(t2)は、Δtの間に増加したクラック指標値(増加量)ΔXを時刻t1におけるクラック指標値X(t1)に加算することによって算出される。
X(t2)=X(t1)+ΔX ・・・(1)
上記式(1)において、増加量ΔXは、時刻t2(または時刻t1)における応力の超過量ΔFに基づく単位時間当たりのクラック発生係数kに期間Δtを乗算することにより算出することができる(下記式(2)参照)。
ΔX=k×Δt ・・・(2)
応力の超過量ΔFと単位時間当たりのクラック発生係数kとの関係は、バッテリ100の電流Ibと温度Tbとの組合せ(Ib,Tb)が異なる様々な条件下でバッテリ100の耐久試験を事前に実施することにより定量化することができる。以下、この定量化の手法についてより詳細に説明する。
様々な条件下での耐久試験を実施した後にバッテリ100を解体し、負極活物質5をSEM(Scanning Electron Microscope)を用いて観察したり、種々の画像処理を行なったりすることによって、バッテリ100の条件の組合せ(Ib,Tb)に応じたクラック発生量を定量化することができる。一方、各組合せ(Ib,Tb)における耐久試験中、負極活物質5内に発生する応力Fsは、モデル式の錬成(たとえば拡散方程式での水素濃度分布計算とフックの法則での応力計算とを錬成)などにより算出することが可能である。すなわち、上述の耐久試験後のSEM観察または画像処理などにおけるクラック発生判定結果から限界強度Flimを規定することができ、それにより、応力Fsが限界強度Flimを超過した量(ΔF)と単位時間当たりのクラック発生係数kとの関係を事前に規定することができる。ただし、限界強度Flimは、理論的な材料物性(たとえば引っ張り強度限界)に基づいて決定してもよい。このようにして事前に規定した超過量ΔFと単位時間当たりのクラック発生係数kとの相関関係をマップMP1(または関係式)として予め準備し、メモリ302に記憶させておくことができる。
また、上述の物質拡散と応力予測とを錬成させたモデル式をECU300に実装しておくことで、車両1上において、任意の走行条件下で発生した応力Fsを制御周期に合わせて算出することが可能となる。応力Fsと限界強度Flimとの差分である超過量ΔFを逐次算出することで、マップMP1の参照によりクラック発生係数kを算出することができる。応力Fsが限界強度Flim以下の場合、超過量ΔFは0となり、クラック発生係数kも0となるので、クラックの発生は進行していないと判定される。
<クラック指標値に応じた充放電制御>
図6は、クラック指標値Xの時間変化の一例を示す図である。図6において、横軸は経過時間を表す。初期時刻(0)は、たとえばバッテリ100の製造直後の時刻である。縦軸はクラック指標値Xを表す。
クラック指標値Xには、しきい値Xthおよび許容上限値Xpが実験またはシミュレーションにより設定される。許容上限値Xpとは、図3および図4にて説明したように、負極活物質5の粒子の一部が他の粒子から孤立した状態となり、その結果、内部抵抗の増加および電池容量の減少を引き起こす可能性がある値である。しきい値Xthは、許容上限値Xpよりも低い値であり、本発明に係る「所定値」に相当する。
クラック指標値Xがしきい値Xthに達した場合には、応力Fsのさらなる増大を抑制(あるいは、すでに発生した応力Fsを緩和)し、クラック指標値Xが許容上限値Xpに達しないようにすることが望ましい。したがって、本実施の形態では以下に説明するように、応力Fsの増大を抑制するためにバッテリ100の入出力電力の制限を強化する。
図7は、バッテリ100の入出力電力の制限を説明するための図である。図7には、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを設定するためのマップMP2の一例が概念的に示される。横軸は、バッテリ100の温度Tbを示す。縦軸上方にはバッテリ100の放電電力上限値Woutを示し、縦軸下方にはバッテリ100の充電電力上限値Winを示す。
温度Tbが所定温度Tf未満の場合には、バッテリ100の電解液が凍結している可能性があるためバッテリ100の充放電が禁止される。よって、放電電力上限値Woutおよび充電電力上限値Winは、いずれも0に設定される。なお、図示しないが、バッテリ100保護の観点から所定温度以上では充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを0に設定してもよい。
温度Tbが所定温度Tf以上になると、バッテリ100の充放電が許可される。温度Tbが高くなるに従って放電電力上限値Woutの絶対値は大きくなる。クラック指標値Xが許容上限値Xp以上の場合には、クラック指標値Xが許容上限値Xp未満の場合と比べて、同一温度Tbにおける放電電力上限値Woutの絶対値が小さく設定される。
同様に、温度Tbが高くなるに従って充電電力上限値Winの絶対値も大きくなる。クラック指標値Xが許容上限値Xp以上の場合には、クラック指標値Xが許容上限値Xp未満の場合と比べて、同一温度Tbにおける充電電力上限値Winの絶対値が小さく設定される。
このように、本実施の形態においては、クラック指標値Xがしきい値Xth以上になると、クラック指標値Xがしきい値Xth未満の場合と比べて、充電電力上限値Win(の絶対値)および放電電力上限値Wout(の絶対値)が小さく設定される。言い換えると、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutが絞られる。図7に一例を示すような相関関係がマップMP2としてECU300のメモリ302に記憶される。
<充放電制御フロー>
図8は、本実施の形態に係るバッテリ100の充放電制御を示すフローチャートである。このフローチャートは、所定条件成立時または所定時間間隔毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。なお、これらのフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU300内に作製された専用のハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
図8に示すフローチャートの処理が繰り返し実行されることにより、クラック指標値Xが順次更新される。このフローチャートはn回目の演算処理を示し、(n−1)回目(前回)の処理時までのクラック指標値X(n−1)がメモリ302に記憶されているものとする。
S10において、ECU300は、バッテリ100に設けられた各センサから電圧Vb、電流Ibおよび温度Tbを取得する。また、ECU300は、電圧VbからOCVを算出する。なお、ここではOCVをパラメータとして含む例について説明するが、OCVは応力推定に必須のパラメータではない。
S20において、ECU300は、S10にて取得したOCV、電流Ibおよび温度Tbから上述のモデル式を利用することで応力Fsを算出する。この算出手法については既に説明したため、詳細な説明は繰り返さない。
S30において、ECU300は、限界強度Flimに対する応力Fsの超過量ΔFからマップMP1を参照することでクラック発生係数kを算出し、それを用いて今回のクラック発生量ΔX(n)を算出する。上記式(2)にて説明したように、今回のクラック発生量ΔX(n)は、クラック発生係数kと超過期間との積として算出することができる。
S40において、今回(n回目)の演算処理までのクラック指標値X(n)を算出する。クラック指標値X(n)は、下記式(3)に示すように、今回の演算処理におけるクラック発生量ΔX(n)を前回((n−1)回目)の演算処理までのクラック指標値X(n−1)に加算することにより算出することができる。
X(n)=X(n−1)+ΔX(n) ・・・(3)
S50において、ECU300は、S40にて算出したクラック指標値X(n)がしきい値Xth以上であるか否かを判定する。クラック指標値X(n)がしきい値Xth未満の場合(S50においてNO)、ECU300は、処理をS70に進め、マップMP2(図7参照)を参照して通常時の充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを使用する。一方、クラック指標値X(n)がしきい値Xth以上の場合(S50においてYES)、ECU300は、処理をS60に進め、マップMP2を参照して充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを通常時よりも低下させることによってバッテリ100の入出力電力の制限を強化する。
以上のように、本実施の形態によれば、水素吸蔵合金を含む負極活物質5に作用する応力Fsに起因して負極活物質5に生じるクラックによる劣化の進行度合いを示すクラック指標値Xを算出する。そして、クラック指標値Xがしきい値Xth以上になった場合には、クラック指標値Xがしきい値Xth未満の場合と比べて、バッテリ100の充電電力上限値Win(の絶対値)および放電電力上限値Wout(の絶対値)が小さく設定される。充電電力または放電電力が大きいほど負極活物質5内の結晶格子の歪みが大きくなるところ、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを小さくすることにより負極活物質5内に発生する歪みを低減できるので、クラック指標値Xのさらなる増加が防止される。したがって、クラックによる劣化の進行を抑制し、それにより負極の反応抵抗の増加および負極容量の減少(すなわち電池性能の低下)を抑制することができる。
なお、以上の実施の形態では引っ張り強度を用いる例について説明した。一般的には、負極活物質のクラックの有無を判定するために用いられるパラメータは引っ張り強度と考えられるものの、引っ張り強度に加えて(または代えて)圧縮強度の影響を考慮してもよい。引っ張り強度および圧縮強度の両方の影響を考慮することによって、より高精度にクラックの発生の有無を判定することが可能となる。
また、図7では充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutの両方を制限する構成を例に説明したが、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutのうちのいずれか一方のみを制限してもよい。
さらに、バッテリ100の充放電の途中に充放電を休止する休止期間を設けてもよい。休止期間中には負極活物質5内の水素濃度の偏りが緩和され、その結果として負極活物質5内の結晶格子の歪みが緩和されるので、負極活物質5内にクラックが生じにくくなるためである。あるいは、水素濃度の偏りの緩和を促進するために、積極的にバッテリ100の充放電を行なってもよい。すなわち、バッテリ100の充電時と放電時とでは負極活物質5内の水素濃度の偏りの発生方向が反対であるため、たとえばバッテリ100の放電を一定時間行なった後には逆に充電を行なうことにより、水素濃度の偏りを緩和することができる。その結果、クラックの発生を抑制することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 二次電池システム、4,5 負極活物質、10,20 モータジェネレータ、30 動力分割機構、40 エンジン、41,51 クラック、42 被膜、50 駆動輪、100 バッテリ、101 セル、102 ケース、103 安全弁、104 電極体、110 電圧センサ、120 電流センサ、130 温度センサ、150 SMR、200 PCU、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。

Claims (1)

  1. 外部機器に電力を供給する電池システムであって、
    水素吸蔵合金を負極活物質として含むニッケル水素電池と、
    前記ニッケル水素電池と前記外部機器との間で電力を変換する電力変換装置と、
    前記ニッケル水素電池への充電電力が前記充電電力の制御上限値未満となり、かつ、前記ニッケル水素電池からの放電電力が前記放電電力の制御上限値未満となるように前記電力変換装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記ニッケル水素電池に入出力される電流、および前記ニッケル水素電池の温度から、前記負極活物質に生じるクラックによる劣化の進行度合いに関連する指標値を算出し、
    前記劣化の進行度合いが所定量よりも大きいことを前記指標値が示す場合には、前記劣化の進行度合いが前記所定量よりも小さいことを前記指標値が示す場合と比べて、前記充電電力の制御上限値および前記放電電力の制御上限値を小さくする、電池システム。
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