以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図16は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。図17は、作業機1の概略平面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
先ず、作業機1の全体構成を説明する。
図16、図17に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2上にはキャビン5が搭載されている。キャビン5の室内には、運転者(オペレータ)が着座する運転席(座席)6が設けられている。
本発明の実施形態においては、作業機1の運転席6に着座した運転者の前側(図16、図17の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(図16、図17の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(図16の手前側、図17の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(図16の奥側、図17の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(図17参照)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。また、機体幅方向K2は、機体左右方向である。
図16に示すように、走行装置3は、走行フレーム3Aと、走行フレーム3Aの左側に設けられた走行装置3Lと、走行フレーム3Aの右側に設けられた走行装置3Rとを有する。走行装置3L及び走行装置3Rは、本実施形態では、クローラ式の走行装置から構成されている。言い換えると、走行装置3は、クローラ式走行装置である。
走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、ドーザシリンダ(図示省略)を伸縮することにより昇降(ブレードを上げ下げ)させることができる。
機体2は、走行フレーム3A上に旋回ベアリング8を介して縦軸(上下の方向に延伸する軸心)回りに旋回自在に支持されている。機体2は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)からなる旋回モータM3によって旋回駆動される。機体2は、縦軸回りに旋回する基板(以下、旋回基板という)9と、ウエイト10とを有している。旋回基板9は、鋼板等から形成されており、旋回ベアリング8に連結されている。ウエイト10は、機体2の後部に設けられている。機体2の後部には、原動機E1が搭載されている。原動機E1は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機E1は、電動モータであってもよいし、ディーゼルエンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
機体2は、機体幅方向K2の中央のやや右寄りの前部に支持ブラケット13を有している。支持ブラケット13には、スイングブラケット14が、縦軸回りに揺動自在に取り付けられている。スイングブラケット14には、作業装置4が取り付けられている。
図16に示すように、作業装置4は、ブーム15と、アーム16と、バケット(作業具)17とを有している。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸(機体幅方向に延伸する軸心)回りに回動自在に枢着されている。これによって、ブーム15が上下に揺動自在とされている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸回りに回動自在に枢着されている。これによって、アーム16が前後或いは上下に揺動自在とされている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
スイングブラケット14は、機体2内に備えられたスイングシリンダC2の伸縮によって揺動自在とされている。ブーム15は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動自在とされている。アーム16は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動自在とされている。バケット17は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作自在とされている。ドーザシリンダ、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
図17に示すように、キャビン5内の運転席6の左側には、機体2上に固定された(支持された)操縦台18Lと、該操縦台18Lに取り付けられた操縦装置19Lとが設けられている。また、運転席6の右側にも、機体2上に固定された(支持された)操縦台18Rと、該操縦台18Rに取り付けられた操縦装置19Rとが設けられている。操縦装置19Lと操縦装置19Rとは、ともに作業機1に装備された2つの操作対象を操作可能な装置である。
操縦装置19Lは、例えば、第1の操作対象である機体2を操作可能であり、且つ第2の操作対象であるアーム16を操作可能である。また、操縦装置19Rは、例えば、第1の操作対象であるバケット17を操作可能であり、且つ第2の操作対象であるブーム15を操作可能である。
なお、本実施形態では、操縦装置19Lと操縦装置19Rは、運転席6の側方に設けられているが、設ける位置は種々変更できる。例えば、運転席6の前方に操縦台を設け、この操縦台に、操縦装置19Lと操縦装置19Rとを機体幅方向K2に横並びで設けてもよい。
次に、操縦装置19L,19Rについて詳細に説明する。操縦装置19Lと操縦装置19Rとは略同じ構造であるので、操縦装置19Rを説明し、操縦装置19Lについては、説明を省略する。
図1〜図13は、操縦装置19L,19Rの一実施形態を示している。
図1は、操縦装置19R(19L)の左側面断面図である。図2は、操縦装置19R(19L)の背面断面図である。図1、図2に示すように、操縦装置19R(19L)は、基台21と、支持部22と、複数のプッシュロッド23A〜23Dと、揺動体24と、グリップ25とを備えている。基台21は、操縦台18R(18L)に取り付けられている。支持部22は、基台21に取り付けられている。複数のプッシュロッド23A〜23Dは、基台21に設けられている。揺動体24は、支持部22に取り付けられている。グリップ25は、揺動体24に取り付けられている。
図1、図2に示すように、基台21は、ベース部26と、ベース部26に立設された本体部27とを有する。ベース部26は、操縦台18R(18L)にボルト固定されている。本体部27は、ベース部26にボルト28A〜28Dによって固定されている。本体部27は、上部に、嵌合穴29と、複数の装着部30A〜30Dとを有する。
図3、図4に示すように、嵌合穴29は、本体部27の上面から下方に向けて凹設されて形成された有底円柱状の周面によって形成されている。即ち、基台21は、当該基台21の上面に形成された嵌合穴29を有する。図6A、図6Bに示すように、嵌合穴29は、本体部27の中心部に位置する。なお、嵌合穴29は、基台21を貫通して形成されていてもよい。
図6A、図6Bに示すように、本体部27の上部には、嵌合穴29を横切って当該本体部27(基台21)を貫通する第1ピン穴31A,31Bが形成されている。この第1ピン穴31A,31Bは、本体部27を貫通して形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。本実施形態では、2つの第1ピン穴31A,31Bが形成されている。2つの第1ピン穴31A,31Bは、上下に並べて平行状に形成されている。なお、第1ピン穴31A,31Bは、少なくとも1つ設けられていればよい。
図6A、図6Bに示すように、各第1ピン穴31A,31Bは、前後方向K1と機体幅方向K2との間の斜め方向に延伸するように形成されている。各第1ピン穴31A,31Bは、嵌合穴29の後方で径が縮小された段付き状に形成されている。即ち、各第1ピン穴31A,31Bは、前部側の径大部32A,32Bと、後部側の径小部33A,33Bであって径大部32A,32Bより径が小さい径小部33A,33Bとを有する。径大部32A,32Bは、本体部27の前部から嵌合穴29を横切って形成されている。
図1〜図4、図6Aに示すように、複数の装着部30A〜30Dは、第1装着部30Aと、第2装着部30Bと、第3装着部30Cと、第4装着部30Dとを含む。第1装着部30Aは、本体部27(基台21の)前部に設けられている。第2装着部30Bは、本体部27(基台21の)後部に設けられている。第3装着部30Cは、本体部27(基台21の)左部に設けられている。第4装着部30Dは、本体部27(基台21の)右部に設けられている。
各装着部30A〜30Dには、それぞれ支持孔34A〜34Dが形成されている。支持孔34A〜34Dは、装着部30A〜30Dを上下に貫通して形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第1装着部30Aに形成された支持孔を第1支持孔34Aという。第2装着部30Bに形成された支持孔を第2支持孔34Bという。第3装着部30Cに形成された支持孔を第3支持孔34Cという。第4装着部30Dに形成された支持孔を第4支持孔34Dという。第1支持孔34Aは、上方に向かうに従って前方に移行する傾斜方向に延伸する軸心を有する。第2支持孔34Bは、上方に向かうに従って後方に移行する傾斜方向に延伸する軸心を有する。第3支持孔34Cは、上方に向かうに従って左方(機体内方)に移行する傾斜方向に延伸する軸心を有する。第4支持孔34Dは、上方に向かうに従って右方(機体外方)に移行する傾斜方向に延伸する軸心を有する。
図1〜図4、図6Bに示すように、本体部27は、各装着部30A〜30Dの下方に形成された凹部35A〜35Dを有する。第1装着部30Aの下方に対応する位置に形成された凹部を第1凹部35Aという。第2装着部30Bの下方に対応する位置に形成された凹部を第2凹部35Bという。第3装着部30Cの下方に対応する位置に形成された凹部を第3凹部35Cという。第4装着部30Dの下方に対応する位置に形成された凹部を第4凹部35Dという。各凹部35A〜35Dは、基台21の外面から中心に向けて凹設されている。また、各凹部35A〜35Dは、本体部27の上下の中途部から装着部30A〜30Dにかけて形成された上下に長い断面半円弧状の溝によって形成されている。
図1、図3に示すように、第1凹部35Aは、第1支持孔34Aの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸しており、一端面(上面)は第1支持孔34Aに連通している。第2凹部35Bは、第2支持孔34Bの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸しており、一端面(上面)は第2支持孔34Bに連通している。
図2、図4に示すように、第3凹部35Cは、第3支持孔34Cの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸しており、一端面(上面)は第3支持孔34Cに連通している。第4凹部35Dは、第4支持孔34Dの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸しており、一端面(上面)は第4支持孔34Dに連通している。
各支持孔34A〜34Dには、下方(凹部側)からスリーブ36A〜36Dが挿通されている。第1支持孔34Aに挿通されたスリーブを第1スリーブ36Aという。第2支持孔34Bに挿通されたスリーブを第2スリーブ36Bという。第3支持孔34Cに挿通されたスリーブを第3スリーブ36Cという。第4支持孔34Dに挿通されたスリーブを第4スリーブ36Dという。
図3に示すように、第1スリーブ36Aは、第1支持孔34Aの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第1スリーブ36Aの下部には、該第1スリーブ36Aが第1支持孔34Aから上方に抜けるのを規制すべく第1装着部30Aの下面(装着部)に当接する抜止め部(第1抜止め部という)37Aが設けられている。また、第1スリーブ36Aの上部には、該第1スリーブ36Aが第1支持孔34Aから上方に抜けるのを規制すべく止輪(第1止輪という)38Aが装着される止輪装着部(第1止輪装着部という)39Aが設けられている。これによって、第1スリーブ36Aが第1装着部30Aに組み付けられている。
図3に示すように、第2スリーブ36Bは、第2支持孔34Bの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第2スリーブ36Bの下部には、該第2スリーブ36Bが第2支持孔34Bから上方に抜けるのを規制すべく第2装着部30Bの下面(装着部)に当接する抜止め部(第2抜止め部という)37Bが設けられている。また、第2スリーブ36Bの上部には、該第2スリーブ36Bが第2支持孔34Bから上方に抜けるのを規制すべく止輪(第2止輪という)38Bが装着される止輪装着部(第2止輪装着部という)39Bが設けられている。これによって、第2スリーブ36Bが第2装着部30Bに組み付けられている。
図4に示すように、第3スリーブ36Cは、第3支持孔34Cの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第3スリーブ36Cの下部には、該第3スリーブ36Cが第3支持孔34Cから上方に抜けるのを規制すべく第3装着部30Cの下面(装着部)に当接する抜止め部(第3抜止め部という)37Cが設けられている。また、第3スリーブ36Cの上部には、該第3スリーブ36Cが第3支持孔34Cから上方に抜けるのを規制すべく止輪(第3止輪という)38Cが装着される止輪装着部(第3止輪装着部という)39Cが設けられている。これによって、第3スリーブ36Cが第3装着部30Cに組み付けられている。
図4に示すように、第4スリーブ36Dは、第4支持孔34Dの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第4スリーブ36Dの下部には、該第4スリーブ36Dが第4支持孔34Dから上方に抜けるのを規制すべく第4装着部30Dの下面(装着部)に当接する抜止め部(第4抜止め部という)37Dが設けられている。また、第4スリーブ36Dの上部には、該第4スリーブ36Dが第4支持孔34Dから上方に抜けるのを規制すべく止輪(第4止輪という)38Dが装着される止輪装着部(第4止輪装着部という)39Dが設けられている。これによって、第4スリーブ36Dが第4装着部30Dに組み付けられている。
図1、図2に示すように、各装着部30A〜30Dの下方(スリーブ36A〜36Dの下方)には、ストッパ40A〜40Dが設けられている。第1装着部30A(第1スリーブ36A)の下方のストッパを第1ストッパ40Aという。第2装着部30B(第2スリーブ36B)の下方のストッパを第2ストッパ40Bという。第3装着部30C(第3スリーブ36C)の下方のストッパを第3ストッパ40Cという。第4装着部30D(第4スリーブ36D)の下方のストッパを第4ストッパ40Dという。
図3に示すように、第1ストッパ40Aは、第1支持孔34Aの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第1ストッパ40Aは、第1スリーブ36Aと間隔をおいて第1凹部35A内の下部に配置されている。第1ストッパ40Aは、第1凹部35Aの他端面(下面)に固定されている。第1ストッパ40Aの下部には、バネ受け部(第1バネ受け部)41Aが設けられている。
図3に示すように、第2ストッパ40Bは、第2支持孔34Bの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第2ストッパ40Bは、第2スリーブ36Bと間隔をおいて第2凹部35B内の下部に配置されている。第2ストッパ40Bは、第2凹部35Bの他端面(下面)に固定されている。第2ストッパ40Bの下部にも、バネ受け部(第2バネ受け部)41Bが設けられている。
図4に示すように、第3ストッパ40Cは、第3支持孔34Cの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第3ストッパ40Cは、第3スリーブ36Cと間隔をおいて第3凹部35C内の下部に配置されている。第3ストッパ40Cは、第3凹部35Cの他端面(下面)に固定されている。第3ストッパ40Cの下部にも、バネ受け部(第3バネ受け部)41Cが設けられている。
図4に示すように、第4ストッパ40Dは、第4支持孔34Dの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第4ストッパ40Dは、第4スリーブ36Dと間隔をおいて第4凹部35D内の下部に配置されている。第4ストッパ40Dは、第4凹部35Dの他端面(下面)に固定されている。第4ストッパ40Dの下部にも、バネ受け部(第4バネ受け部)41Dが設けられている。
図1、図2、図7に示すように、支持部22は、自在継ぎ手構造で(ユニバーサルジョイントで)構成され、グリップ25を任意の回動方向に回動可能に支持する。支持部22は、第1ヨーク42と、連結体43と、第2ヨーク44とを有する。
図3に示すように、第1ヨーク42は、第1連結部46Aと、第2連結部46Bと、第1接続部47Aと取付部48とを有する。第1連結部46Aは、嵌合穴29の前方に位置する。第2連結部46Bは、嵌合穴29の後方に位置する。第1連結部46Aと第2連結部46Bとは、前後方向K1に間隔をおいて対向して設けられている。第1接続部47Aは、第1連結部46Aと第2連結部46Bとの下部同士を連結している。
図3に示すように、第1連結部46Aには、第1軸孔49Aが形成されている。第1軸孔49Aは第1連結部46Aを前後方向K1に沿って貫通して形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第1軸孔49Aは、前後方向K1に延伸する軸心を有する。第2連結部46Bには、第2軸孔49Bが形成されている。第2軸孔49Bは第2連結部46Bを前後方向K1に沿って貫通して形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第2軸孔49Bは、前後方向K1に延伸する軸心を有する。即ち、第2軸孔49Bの軸心は、第1軸孔49Aの軸心と同心状である。
図3、図4に示すように、取付部48は、第1接続部47Aの下面から下方に向けて突出している。取付部48は、上下の方向に延伸する棒状に形成されている。言い換えると、取付部48は、上下の方向に延伸する軸心を有する円柱状に形成されている。この取付部48は、嵌合穴29に上方から挿入されて該嵌合穴29に嵌合している。即ち、操縦装置19R(19L)は、基台21に嵌合された第1ヨーク42を有する。
また、取付部48には、該取付部48を径方向に貫通する第2ピン穴50A,50Bが形成されている。この第2ピン穴50A,50Bは、取付部48を貫通して形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。本実施形態では、2つの第2ピン穴50A,50Bが形成されている。2つの第2ピン穴50A,50Bは、上下に並べて平行状に形成されている。なお、第2ピン穴50A,50Bは、少なくとも1つ設けられていればよく、第1ピン穴31A,31Bに対応する数、設けられる。
図6Aに示すように、取付部48が嵌合穴29に嵌合した状態で、上側の第2ピン穴50Aは、上側の第1ピン穴31Aに同軸状に連通可能である。即ち、取付部48が嵌合穴29に嵌合したときに、第2ピン穴50Aは、第1ピン穴31Aと連通する。また、基台21には、第1ピン穴31Aと第2ピン穴50Aとにわたって挿通される固定部材51Aが設けられている。即ち、固定部材51Aは、基台21と基台21に嵌合された第1ヨーク42とに挿通されて第1ヨーク42を基台21に固定する部材である。また、固定部材51Aは、第1ピン穴31Aと第2ピン穴50Aとにわたって挿通されるピンである。
図6Bに示すように、取付部48が嵌合穴29に嵌合した状態で、下側の第2ピン穴50Bは、下側の第1ピン穴31Bに同軸状に連通可能である。即ち、取付部48が嵌合穴29に嵌合したときに、第2ピン穴50Bは、第1ピン穴31Bと連通する。また、基台21には、第1ピン穴31Bと第2ピン穴50Bとにわたって挿通される他の固定部材51Bが設けられている。即ち、固定部材51Bは、基台21と基台21に嵌合された第1ヨーク42とに挿通されて第1ヨーク42を基台21に固定する部材である。また、固定部材51Bは、第1ピン穴31Bと第2ピン穴50Bとにわたって挿通されるピンである。
図3、図4に示すように、固定部材51A及び固定部材51Bによって、第1ヨーク42は、基台21(機体2)に対して常に一定の向きで固定される。基台21の上部は、当該基台21における支持部22が取り付けられる部分である固定部位21Aである。
図3、図4、図5に示すように、連結体43は、四角ブロック状に形成され、第1連結部46Aと第2連結部46Bとの間に配置されている。この連結体43は、第1軸挿通孔52Aと、第2軸挿通孔52Bと、第3軸挿通孔52Cと、第4軸挿通孔52Dとを有する。第1軸挿通孔52Aは、第1軸孔49Aに同軸状に連通する。第2軸挿通孔52Bは、第2軸孔49Bに同軸状に連通する。第1軸挿通孔52Aは、連結体43の前面から中心に向かって形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第2軸挿通孔52Bは、連結体43の前面から中心に向かって形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第3軸挿通孔52Cは、連結体43の左方(機体内方)側の側面から中心に向かって形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第4軸挿通孔52Dは、連結体43の右方(機体外方)側の側面から中心に向かって形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。
図4に示すように、第2ヨーク44は、第3連結部46Cと、第4連結部46Dと、第2接続部47Bと取付軸54とを有する。第3連結部46Cは、連結体43の左方(機体内方)に位置する。第4連結部46Dは、連結体43の右方(機体外方)に位置する。即ち、第3連結部46Cと第4連結部46Dとは、機体幅方向K2に間隔をおいて対向して設けられ、第3連結部46Cと第4連結部46Dとの間に連結体43が配置されている。第2接続部47Bは、第3連結部46Cと第4連結部46Dとの上部同士を連結している。
図4に示すように、第3連結部46Cには、第3軸孔49Cが形成されている。第3軸孔49Cは第3連結部46Cを機体幅方向K2で貫通して形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第3軸孔49Cは、機体幅方向K2に延伸する軸心を有する。第3軸孔49Cは、第3軸挿通孔52Cと同軸状に連通する。第4連結部46Dには、第4軸孔49Dが形成されている。第4軸孔49Dは第4連結部46Dを機体幅方向K2で貫通して形成された環状の縁部(周面)によって形成されている。第4軸孔49Dは、機体幅方向K2に延伸する軸心を有する。第4軸孔49Dは、第4軸挿通孔52Dと同軸状に連通する。第4軸孔49Dの軸心は、第3軸孔49Cの軸心と同心状である。
図1、図2に示すように、取付軸54は、第2接続部47Bの上面から上方に突出している。即ち、取付軸54は、第2ヨーク44から突出している。取付軸54の上部(先端側)には、ネジ部(雄ネジ)54aが形成されている。
図5に示すように、第1軸孔49Aと第1軸挿通孔52Aとにわたって第1軸部材53Aが挿通されている。即ち、第1ヨーク42は、第1軸部材53Aによって連結体43に回動可能に連結される第1連結部46Aを有する。また、第2軸孔49Bと第2軸挿通孔52Bとにわたって第2軸部材53Bが挿通されている。即ち、第1ヨーク42は、第2軸部材53Bによって連結体43に回動可能に連結される第2連結部46Bを有する。第1軸部材53Aと第2軸部材53Bとは、共通の第1軸心Y1を有する。言い換えると、第1軸部材53A及び第2軸部材53Bは、第1軸心Y1上に配置されている。また、第1軸心Y1は、グリップ25を操作するオペレータが着座する運転席(座席)6の前後方向K1と略平行である(略一致する)。即ち、第1軸心Y1は、前後方向K1に延伸する軸心である。
図5に示すように、第3軸孔49Cと第3軸挿通孔52Cとにわたって第3軸部材53Cが挿通されている。即ち、第2ヨーク44は、第3軸部材53Cによって連結体43に回動可能に連結される第3連結部46Cを有する。また、第4軸孔49Dと第4軸挿通孔52Dとにわたって第4軸部材53Dが挿通されている。即ち、第2ヨーク44は、第4軸部材53Dによって連結体43に回動可能に連結される第4連結部46Dを有する。第3軸部材53Cと第4軸部材53Dとは、共通の第2軸心Y2を有する。言い換えると、第3軸部材53C及び第4軸部材53Dは、第2軸心Y2上に配置されている。また、第2軸心Y2は、前後方向K1に直交する水平方向(機体幅方向K2)と略平行である(略一致する)。即ち、第2軸心Y2は、第1軸心Y1とは異なる軸心であって、機体幅方向K2に延伸する軸心である。
図3に示すように、連結体43には、連結体43と第1軸部材53Aとにわたって打ち込まれる第1抜止めピン55Aが設けられている。即ち、第1軸部材53Aは、連結体43にピン固定されている。また、連結体43には、連結体43と第2軸部材53Bとにわたって打ち込まれる第2抜止めピン55Bが設けられている。即ち、第2軸部材53Bは、連結体43にピン固定されている。第1連結部46Aは、第1軸部材53Aに対して第1軸心Y1回りに相対回動自在である。第2連結部46Bは、第2軸部材53Bに対して第1軸心Y1回りに相対回動自在である。以上により、第1軸部材53A及び第2軸部材53Bは、連結体43と共に第1軸心Y1回りに一体回動する。また、連結体43は、第1軸部材53A及び第2軸部材53Bによって、第1ヨーク42に対して第1軸心Y1回りに回動可能に連結されている。
図4に示すように、連結体43には、連結体43と第3軸部材53Cとにわたって打ち込まれる第3抜止めピン55Cが設けられている。即ち、第3軸部材53Cは、連結体43にピン固定されている。また、連結体43には、連結体43と第4軸部材53Dとにわたって打ち込まれる第4抜止めピン55Dが設けられている。即ち、第4軸部材53Dは、連結体43にピン固定されている。第3連結部46Cは、第3軸部材53Cに対して第2軸心Y2回りに相対回動自在である。第4連結部46Dは、第4軸部材53Dに対して第2軸心Y2回りに相対回動自在である。以上により、第3軸部材53C及び第4軸部材53Dは、連結体43と共に第2軸心Y2回りに一体回動する。また、第2ヨーク44は、第3軸部材53C及び第4軸部材53Dによって、連結体43に対して第2軸心Y2回りに回動可能に連結されている。
第1軸心Y1と第2軸心Y2との交点は、グリップ25の回動支点(回動中心)Y3である(図5参照)。
図3に示すように、第1抜止めピン55Aは、連結体43に上面から打ち込まれている。第1抜止めピン55Aの下方には、第1抜止めピン55Aを上方に抜くための工具が差し込まれる分解用孔56Aが形成されている。また、第2抜止めピン55Bは、連結体43に上面から打ち込まれている。第2抜止めピン55Bの下方には、第2抜止めピン55Bを上方に抜くための工具が差し込まれる分解用孔56Bが形成されている。
図4に示すように、第3抜止めピン55Cは、連結体43に上面から打ち込まれている。第3抜止めピン55Cの下方には、第3抜止めピン55Cを上方に抜くための工具が差し込まれる分解用孔56Cが形成されている。また、第4抜止めピン55Dは、連結体43に上面から打ち込まれている。第4抜止めピン55Dの下方には、第4抜止めピン55Dを上方に抜くための工具が差し込まれる分解用孔56Dが形成されている。
図5に示すように、第1軸部材53Aの一端部(前端部)には、径方向に延伸するスリット溝57Aが設けられている。第1軸部材53Aの他端部(後端部)は、平面視において第2軸部材53B(後方)に向かうに従って先細り状に形成されている。本実施形態では、第1軸部材53Aの他端部の機体外方側の面及び機体内方側の面は、45°の角度でカットされている。また、第2軸部材53Bの一端部(後端部)にも、径方向に延伸するスリット溝57Bが設けられている。第2軸部材53Bの他端部(前端部)は、平面視において第1軸部材53A(前方)に向かうに従って先細り状に形成されている。本実施形態では、第2軸部材53Bの他端部の機体外方側の面及び機体内方側の面は、45°の角度でカットされている。
図5に示すように、第3軸部材53Cの一端部(機体内方側の端部)にも、径方向に延伸するスリット溝57Cが設けられている。第3軸部材53Cの他端部(機体外方側の端部)は、平面視において第4軸部材53D(機体外方)に向かうに従って先細り状に形成されている。本実施形態では、第3軸部材53Cの他端部の前面及び後面は、45°の角度でカットされている。また、第4軸部材53Dの一端部(機体外方側の端部)にも、径方向に延伸するスリット溝57Dが設けられている。第4軸部材53Dの他端部(機体内方側の端部)は、平面視において第3軸部材53C(機体内方)に向かうに従って先細り状に形成されている。本実施形態では、第4軸部材53Dの他端部の前面及び後面は、45°の角度でカットされている。
図5に示すように、第1軸部材53Aの他端部、第2軸部材53Bの他端部、第3軸部材53Cの他端部、第4軸部材53Dの他端部を付き合わせることで、軸心回りの回転方向の位置決めがなされ、スリット溝57A〜57Dの向きが決まる。
図3、図5に示すように、第1連結部46Aの前面には、検知器58A(第1検知器という)が設けられている。この第1検知器58Aの検出子59Aは、第1軸部材53Aのスリット溝57Aに係合していて、第1軸部材53Aと一体回動する。第1検知器58Aは、連結体43(グリップ25)の第1軸心Y1回りの回動を検出する角度検知器である。言い換えると、第1検知器58Aは、グリップ25の操作角を検出するポテンショメータである。
なお、第1検知器58Aは、第2連結部46Bの後面に設けてもよい。この場合、第1検知器58Aの検出子59Aは、第2軸部材53Bのスリット溝57Bに係合する。また、第1検知器58Aは、第1連結部46Aの前面と、第2連結部46Bの後面との両方に設けてもよい。
図4、図5に示すように、第4連結部46Dの機体外方側には、検知器(第2検知器という)58Bが設けられている。この第2検知器58Bの検出子59Bは、第4軸部材53Dのスリット溝57Dに係合していて、第4軸部材53Dと一体回動する。第2検知器58Bは、第2ヨーク44(グリップ25)の第2軸心Y2回りの回動を検出する角度検知器である。言い換えると、第2検知器58Bは、グリップ25の操作角を検出するポテンショメータである。
なお、第2検知器58Bは、第3連結部46Cの機体内方側に設けてもよい。この場合、第2検知器58Bの検出子59Bは、第3軸部材53Cのスリット溝57Cに係合する。また、第2検知器58Bは、第3連結部46Cの機体外方側と、第4連結部46Dの機体内方側との両方に設けてもよい。
上記支持部22の構造において、第1ヨーク42と第2ヨーク44との連結に、連結体43は、必ずしも必要ではない。例えば、第1ヨーク42に対して第2ヨーク44を、第1軸心Y1回りに回動可能に連結し且つ第1軸心Y1とは異なる第2軸心Y2回りに回動可能に連結するのに、十字ピンによって連結してもよい。十字ピンは、1つの平面で互いに直角に位置すると共に相互に接続された4つのピンを有する部材である。
また、第1軸心Y1は、前後方向K1と略平行であるのが好ましいが、第1軸心Y1が機体幅方向K2に略平行になるように基台21に第1ヨーク42を固定するようにしてもよい。
図1、図2に示すように、複数のプッシュロッド23A〜23Dは、回動支点Y3の周囲に一端側(上端側)61A〜61Dが揺動体24と当接するように配置されている。言い換えると、複数のプッシュロッド23A〜23Dは、一端側61A〜61Dが揺動体24(他の部材)を介してグリップ25に当接する。また、複数のプッシュロッド23A〜23Dの一端側61A〜61Dはグリップ25に直接、当接していてもよい。即ち、複数のプッシュロッド23A〜23Dは、一端側61A〜61Dがグリップ25に直接または他の部材を介して当接する位置に配置されている。また、複数のプッシュロッド23A〜23Dは、回動支点Y3を通る上下方向に延伸する仮想直線Y4に対して対称に配置されている。
複数のプッシュロッド23A〜23Dは、第1プッシュロッド23A、第2プッシュロッド23B、第3プッシュロッド23C、第4プッシュロッド23Dを含む。第1〜第4プッシュロッド23A〜23Dの主要部分は、円柱状に形成されている。第1〜第4プッシュロッド23A〜23Dの一端側61A〜61Dは揺動体24側(上方側)に凸となる曲面形状(球面形状)である。
図3に示すように、第1プッシュロッド23Aは、回動支点Y3に対して第1軸心Y1の延伸方向の一方側に配置されている。具体的には、第1プッシュロッド23Aは、回動支点Y3(支持部22)の前方に配置されている。第2プッシュロッド23Bは、回動支点Y3に対して第1軸心Y1の延伸方向の他方側に配置されている。具体的には、第2プッシュロッド23Bは、回動支点Y3(支持部22)の後方に配置されている。図4に示すように、第3プッシュロッド23Cは、回動支点Y3に対して第2軸心Y2の延伸方向の一方側に配置されている。具体的には、第3プッシュロッド23Cは、回動支点Y3(支持部22)の左方(機体内方)に配置されている。第4プッシュロッド23Dは、回動支点Y3に対して第2軸心Y2の延伸方向の他方側に配置されている。具体的には、第4プッシュロッド23Dは、回動支点Y3(支持部22)の右方(機体外方)に配置されている。
図3、図4に示すように、プッシュロッド(第1〜第4プッシュロッド23A〜23D)はスリーブ(第1〜第4スリーブ36A〜36D)に摺動可能に挿通されている。個別に説明すると、第1プッシュロッド23Aは、第1スリーブ36Aに下方から軸心方向に摺動可能に挿通されている。したがって、第1プッシュロッド23Aは、第1支持孔34Aの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第2プッシュロッド23Bは、第2スリーブ36Bに下方から軸心方向に摺動可能に挿通されている。したがって、第2プッシュロッド23Bは、第2支持孔34Bの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第3プッシュロッド23Cは、第3スリーブ36Cに下方から軸心方向に摺動可能に挿通されている。したがって、第3プッシュロッド23Cは、第3支持孔34Cの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。第4プッシュロッド23Dは、第4スリーブ36Dに下方から軸心方向に摺動可能に挿通されている。したがって、第4プッシュロッド23Dは、第4支持孔34Dの軸心の傾斜方向と同じ傾斜方向に延伸している。
図3、図4に示すように、プッシュロッド(第1〜第4プッシュロッド23A〜23D)の他端側(下端側)76A〜76Dには、抜止め部(第1〜第4抜止め部37A〜37D)に当接することによりスリーブ(第1〜第4スリーブ36A〜36D)から一端側に抜けるのを規制する当接部62A〜62Dを有する。個別に説明すると、第1プッシュロッド23Aの他端側76Aに外向きフランジ状の当接部(第1当接部)62Aが設けられている。第1当接部62Aは、第1抜止め部37Aの下面に当接する。第2プッシュロッド23Bの他端側76Bに外向きフランジ状の当接部(第2当接部)62Bが設けられている。第2当接部62Bは、第2抜止め部37Bの下面に当接する。第3プッシュロッド23Cの他端側76Cに外向きフランジ状の当接部(第3当接部)62Cが設けられている。第3当接部62Cは、第3抜止め部37Cの下面に当接する。第4プッシュロッド23Dの他端側76Dに外向きフランジ状の当接部(第4当接部)62Dが設けられている。第4当接部62Dは、第4抜止め部37Dの下面に当接する。
図1、図2に示すように、各プッシュロッド23A〜23Dの下方には、プッシュロッド23A〜23Dを当該プッシュロッド23A〜23Dの延伸方向に沿って一端側61A〜61Dに付勢する付勢部材63A〜63Dが設けられている。付勢部材63A〜63Dは、グリップ25を操作しない状態でグリップ25を中立位置に保持し、且つグリップ25を操作した位置から中立位置に戻す部材である。付勢部材63A〜63Dは、圧縮コイルバネから形成されている。付勢部材63A〜63Dは、第1付勢部材63Aと、第2付勢部材63Bと、第3付勢部材63Cと、第4付勢部材63Dとを含む。図3に示すように、第1付勢部材63Aは、第1当接部62Aと第1バネ受け部41Aとの間に圧縮状に介在されている。第2付勢部材63Bは、第2当接部62Bと第2バネ受け部41Bとの間に圧縮状に介在されている。図4に示すように、第3付勢部材63Cは、第3当接部62Cと第3バネ受け部41Cとの間に圧縮状に介在されている。第4付勢部材63Dは、第4当接部62Dと第4バネ受け部41Dとの間に圧縮状に介在されている。
図3、図4、図8に示すように、揺動体24は、取付壁部64と、第1〜第4アーム部65A〜65Dと、第1〜第4延出部66A〜66Dとを有する。取付壁部64は、取付穴67を有する。取付穴67は、取付壁部64を上下に貫通して形成された環状の縁部(周面)で形成されている。取付壁部64は、第2接続部47Bの上方に位置し、取付穴67に取付軸54が下方から挿通されている。取付軸54のネジ部54aは、取付壁部64から上方に突出しており、この突出部分に締結具68A,68Bが螺合されている(図1,2参照)。この締結具68A,68Bによって、第2ヨーク44に揺動体24が固定されている。本実施形態では締結具68A,68Bとしてナットを用いている。
図3、図4に示すように、第2ヨーク44と揺動体24との間には、シム69が介在されている。厚みの異なるシム69を選択的に第2ヨーク44と揺動体24との間に介在させることにより、取付軸54の延伸方向に沿った揺動体24の位置が調整可能である。即ち、シム69は、取付軸54の延伸方向に沿った揺動体24の位置を調整する部材である。シム69は、リング円板状に形成され(図8参照)、揺動体24と第1ヨーク42との間で、取付軸54に外嵌されている。
図3に示すように、第1アーム部65Aは、取付壁部64から前方に突出している。第2アーム部65Bは、取付壁部64から後方に突出している。図4に示すように、第3アーム部65Cは、取付壁部64から左方(機体内方)に突出している。第4アーム部65Dは、取付壁部64から右方(機体外方)に突出している。
図4に示すように、第3アーム部65Cの基部(揺動体24)と第3連結部46C(第2ヨーク44)とにわたって第1規制ピン71Aが設けられている。また、第4アーム部65Dの基部(揺動体24)と第4連結部46D(第2ヨーク44)とにわたって第2規制ピン71Bが設けられている。これら、第1規制ピン71A及び第2規制ピン71Bによって、第2ヨーク44と揺動体24との取付軸54回りの相対回動が規制される。即ち、第1規制ピン71A、第2規制ピン71Bは、第2ヨーク44と揺動体24との取付軸54回りの相対回動を規制する回り止め部72を構成している。なお、回り止め部は、取付穴67の内面の一部に形成した平面と、取付軸54の外面の一部に形成した平面とを当接させることで構成した回り止め構造であってもよい。
図3に示すように、第1延出部66Aは、第1アーム部65Aの突出端部(先端)から下方に延出されている。第1延出部66Aの下面は、第1プッシュロッド23Aの一端側61Aに当接する第1当接面73Aである。第2延出部66Bは、第2アーム部65Bの突出端部(先端)から下方に延出されている。第2延出部66Bの下面は、第2プッシュロッド23Bの一端側61Bに当接する第2当接面73Bである。
図4に示すように、第3延出部66Cは、第3アーム部65Cの突出端部(先端)から下方に延出されている。第3延出部66Cの下面は、第3プッシュロッド23Cの一端側61Cに当接する第3当接面73Cである。第4延出部66Dは、第4アーム部65Dの突出端部(先端)から下方に延出されている。第4延出部66Dの下面は、第4プッシュロッド23Dの一端側61Dに当接する第4当接面73Dである。
図8、図10に示すように、第1当接面73Aおよび第2当接面73Bは、曲面形状(円弧形状)に形成されている。第1当接面73Aは、第1プッシュロッド23Aに向けて凸となる曲面形状であり、第2当接面73Bは、第2プッシュロッド23Bに向けて凸となる曲面形状である。また、図3に示すように、グリップ25が中立位置に配置されている状態において、第1当接面73Aおよび第2当接面73Bは、第2軸心Y2と平行な線Y5回りに湾曲する曲面形状(円弧形状)である(図10参照)。
図8に示すように、第3当接面73Cおよび第4当接面73Dは、平坦面に形成されている。図4に示すように、第3当接面73Cおよび第4当接面73Dは、グリップ25が中立位置に配置されている状態において第1軸心Y1および第2軸心Y2と平行な平面形状である。
第1〜第4当接面73A〜73Dと第1〜第4プッシュロッド23A〜23Dとの接触状態に応じてシム69の厚さを変更する。即ち、シム69の厚さを変更することにより、第1〜第4当接面73A〜73Dと第1〜第4プッシュロッド23A〜23Dとの接触状態を最適状態にすることができる。
グリップ25は、操縦装置19R(19L)を操作するオペレータ(ユーザ)が把持する部材である。図1、図2に示すように、グリップ25は、当該グリップの上部である第1把持部74と、第1把持部74の下方側の部分(グリップ25の下部)である第2把持部75とを有する。オペレータは、例えば、第1把持部74に手の平を当接させ、第2把持部75に小指(あるいは小指と薬指)を当接させてグリップ25を把持する。グリップ25は、下面(底面25A)が開口した中空形状を有している。グリップ25の下部の内面は、底面25A(下面)側に向かうほど開口面積が大きくなっている。また、グリップ25の内面は、プッシュロッド(第1〜第4プッシュロッド23A〜23D)の一端側61A〜61Dに対応する位置から底面25A側に向かうほど仮想直線Y4からの距離が長くなっている。また、各プッシュロッド(第1〜第4プッシュロッド23A〜23D)は、一端側61A〜61Dがグリップ25の奥側25Bに配置されるようにグリップ25の底面25Aからグリップ25内に挿入されており、且つ一端側61A〜61Dから他端側76A〜76Dへ向かうほど仮想直線Y4との距離が短くなるように配置されている。なお、グリップ25の奥側25Bとは、底面(下面)25Aの開口とは反対側であり、本実施形態では、グリップ25内の上部側が奥側25Bである。
図9A、図9Bに示すように、グリップ25は、グリップ本体77と、下部枠78とを有する。グリップ本体77は、グリップ25の骨格を構成する部材である。図9Bに仮想線で示すように、グリップ本体77は、例えば、樹脂製等のカバー部材79によって、上端から下端にわたって且つ全周にわたって被覆されるのがよい。また、図13に示すように、グリップ本体77は、下端開口以外は閉塞状となるように、樹脂等によって一体形成されたものであってもよい。即ち、図13に示すグリップ25は、第1把持部74及び第2把持部75が、仮想直線Y4周りの周方向全周にわたって連続した周壁で形成され、上壁25aが、第1把持部74の上端を覆う円形の壁部で形成されている。底面(下面)25Aが開口した中空形状であることは同様である。
図9A、図9Bに示すように、グリップ本体77は、頂部板81と、第1〜第8板材82A〜82Hとを有する。頂部板81は、矩形状に形成され、板面が上下を向くように配置されている。第1〜第8板材82A〜82Hは、帯板部材によって形成されている。第1板材82Aは、グリップ25の前部に位置する。第2板材82Bは、グリップ25の後部に位置する。第3板材82Cは、グリップ25の左部に位置する。第4板材82Dは、グリップ25の右部に位置する。第5板材82Eは、第1板材82Aと第3板材82Cとの間に位置する。第6板材82Fは、第2板材82Bと第3板材82Cとの間に位置する。第7板材82Gは、第2板材82Bと第4板材82Dとの間に位置する。第8板材82Hは、第1板材82Aと第4板材82Dとの間に位置する。
第1板材82Aは、第1部位83Aと、第2部位84Aと、第3部位85Aとを有する。第2板材82Bも、第1部位83Bと、第2部位84Bと、第3部位85Bとを有する。第3板材82Cも、第1部位83Cと、第2部位84Cと、第3部位85Cとを有する。第4板材82Dも、第1部位83Dと、第2部位84Dと、第3部位85Dとを有する。第5板材82Eも、第1部位83Eと、第2部位84Eと、第3部位85Eとを有する。第6板材82Fも、第1部位83Fと、第2部位84Fと、第3部位85Fとを有する。第7板材82Gも、第1部位83Gと、第2部位84Gと、第3部位85Gとを有する。第8板材82Hも、第1部位83Hと、第2部位84Hと、第3部位85Hとを有する。
各第1部位83A〜83Hは、頂部板81から放射方向に突出しており、頂部板81と共にグリップ25の上壁を形成している。各第2部位84A〜84Hは、第1把持部74を形成する部位である。各第2部位84A〜84Hは、下方に向かうに従ってグリップ25の内部から外方に向けて広がる方向に傾斜している。各第3部位85A〜85Hは、第2把持部75を形成する部位である。各第3部位85A〜85Hの上部86A〜86Hは、下方に向かうに従ってグリップ25の内部から外方に向けて広がる方向に傾斜していると共に、第2部位84よりも大きな角度で傾斜している。各第3部位85の下部87A〜87Hは、下方に向かうに従ってグリップ25の内部から外方に向けて広がる方向に傾斜していると共に、上部86A〜86Hよりも大きな角度で傾斜している。
図1、図2に示すように、グリップ本体77(グリップ25)は、支持部22、揺動体24、第1〜第4プッシュロッド23A〜23D、基台21の上部に被さるように(覆うように)設けられている。
図1に示すように、第1板材82Aの第2部位84Aの下部に、第1延出部66Aがネジ88Aによって固定されている。また、第2板材82Bの第2部位84Bの下部に、第2延出部66Bがネジ88Bによって固定されている。図2に示すように、第3板材82Cの第2部位84Cの下部に、第3延出部66Cがネジ88Cによって固定されている。第4板材82Dの第2部位84Dの下部に、第4延出部66Dがネジ88Dによって固定されている。したがって、グリップ25は、第2ヨーク44に揺動体24を介して取り付けられている。言い換えると、揺動体24は、第2ヨーク44とグリップ25とを連結している。なお、グリップ25は、第2ヨーク44に直接取り付けられていてもよい。即ち、グリップ25は、第2ヨーク44に直接又は他の部材を介して取り付けられる。
図9Aに示すように、下部枠78は、リング状に形成され、各第3部位85A〜85Hの下部87A〜87Hにわたって固定されている。図1、図2に示すように、下部枠78の外面にゴム製のブーツ89の上部が取り付けられている。ブーツ89の下部は、基台21のベース部26の外周面に取り付けられている。
図1、図2に示すように、本実施形態では、第1軸心Y1と第2軸心Y2との交点であるグリップ25の回動支点Y3は、グリップ25の内部に位置している。また、回動支点Y3は、グリップ25におけるオペレータが把持する部分である第1把持部74に囲まれる領域に位置している。また、支持部22は、グリップ25の内部に収容されている。支持部22と、基台21における支持部22が取り付けられる部分である固定部位21Aとがグリップ25の内部に挿入されている。
なお、本実施形態では、グリップ25が、頂部板81と第1〜第8板材82A〜82Hとを備えている構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、グリップ25を、頂部板81および第1〜第8板材82A〜82Hを省略し、樹脂等からなるカバー部材79によって構成してもよい。
図1、図2は、グリップ25が中立位置にある状態を示している。図1、図2示すように、グリップ25が回動操作されていないときには、第1〜第4プッシュロッド23A〜23D(プッシュロッド)によってグリップ25の位置が中立位置に規定される。即ち、第1プッシュロッド23Aが第1付勢部材63Aの付勢力によって第1当接面73Aに当接し、第2プッシュロッド23Bが第2付勢部材63Bの付勢力によって第2当接面73Bに当接し、第3プッシュロッド23Cが第3付勢部材63Cの付勢力によって第3当接面73Cに当接し、第4プッシュロッド23Dが第4付勢部材63Dの付勢力によって第4当接面73Dに当接することで、グリップ25が第1〜第4付勢部材63A〜63Dの付勢力によって中立位置に保持される。
この中立位置からグリップ25を、第1軸心Y1回りに機体幅方向K2(第1操作方向)に回動すると、図10に示すように、第2ヨーク44及び連結体43が第1軸心Y1回りに回動する。すると、揺動体24によって(又はグリップ25によって直接)、第3プッシュロッド23C又は第4プッシュロッド23D(プッシュロッド)が押圧される。即ち、グリップ25を左方に揺動すると、第3プッシュロッド23C(プッシュロッド)は、第3付勢部材63C(付勢部材)の付勢力に打ち勝って当該第3プッシュロッド23C(プッシュロッド)の延伸方向の下方に移動する。また、グリップ25を右方に揺動すると、第4プッシュロッド23D(プッシュロッド)は、第4付勢部材63D(付勢部材)の付勢力に打ち勝って当該第4プッシュロッド23(プッシュロッド)の延伸方向の下方に移動する。これによって、第1の操作対象が操作される。この第1の操作対象の操作を上記の例で説明すると、操縦装置19Lにあっては、揺動体24(グリップ25)が左方(機体内方)に揺動すると機体2が左旋回し、揺動体24(グリップ25)が右方(機体外方)に揺動すると機体2が右旋回する。また、操縦装置19Rにあっては、揺動体24(グリップ25)が左方(機体内方)に揺動するとバケット17がクラウド動作し、揺動体24(グリップ25)が右方(機体外方)に揺動するとバケット17がダンプ動作する。
グリップ25の第1軸心Y1回りの回動量(操作量)及び操作の向きは、第1検知器58Aによって検出される。この第1検知器58Aの検出値に基づいて、第1の操作対象は、グリップ25の第1軸心Y1回りの回動量に比例した速さで作動する。また、第1検知器58Aは、第3プッシュロッド23C又は第4プッシュロッド23D(プッシュロッド)の移動量を検知する検知器であるともいえる。
なお、第3プッシュロッド23Cの移動量を検知するのに、第3プッシュロッド23Cの移動を直接、検知するようにしてもよく、第4プッシュロッド23Dの移動量を検知するのに、第4プッシュロッド23Dの移動を直接、検知するようにしてもよい。
また、グリップ25を中立位置から第2軸心Y2回りに前後方向K1(第2操作方向)に回動すると、図11に示すように、第2ヨーク44が第2軸心Y2回りに回動する。すると、揺動体24によって(又はグリップ25によって直接)、第1プッシュロッド23A又は第2プッシュロッド23B(プッシュロッド)が押圧される。即ち、グリップ25を前方に揺動すると、第1プッシュロッド23A(プッシュロッド)は、第1付勢部材63A(付勢部材)の付勢力に打ち勝って当該第1プッシュロッド23A(プッシュロッド)の延伸方向の下方に移動する。また、グリップ25を後方に揺動すると、第2プッシュロッド23B(プッシュロッド)は、第2付勢部材63Bの付勢力に打ち勝って当該第2プッシュロッド23B(プッシュロッド)の延伸方向の下方に移動する。これによって、第2の操作対象が操作される。この第2操作対象の操作を上記の例で説明すると、操縦装置19Lにあっては、前側に揺動するとアーム16がダンプ動作し、後側に揺動するとアームがクラウド動作する。また、操縦装置19Rにあっては、前側に揺動するとブームが下げ動作し、後側に揺動するとブームが上げ動作する。
グリップ25の第2軸心Y2回りの回動量(操作量)及び操作の向きは、第2検知器58Bによって検出される。この第2検知器58Bの検出値に基づいて、第2の操作対象は、グリップ25の第2軸心Y2回りの回動量に比例した速さで作動する。また、第2検知器58Bは、第1プッシュロッド23A又は第2プッシュロッド23Bの(プッシュロッドの)移動量を検知する検知器であるともいえる。
なお、第1プッシュロッド23Aの移動量を検知するのに、第1プッシュロッド23Aの延伸方向の移動を直接検知するようにしてもよく、第2プッシュロッド23Bの移動量を検知するのに、第2プッシュロッド23Bの延伸方向の移動を直接検知するようにしてもよい。
一方、グリップ25を中立位置から第1操作方向(前後方向K1)と第2操作方向(機体幅方向K2)との間の任意の斜め方向に操作すると、第1の操作対象と第2の操作対象とが同時に操作される(第1の操作対象と第2の操作対象とが複合操作される)。
以上のように、グリップ25が回動操作されていないときには各プッシュロッド23A〜23Dによってグリップ25の位置が中立位置に規定され、グリップ25が回動操作されたときには回動方向に応じて1または複数のプッシュロッド23A〜23Dがグリップ25に揺動体24を介して(グリップ25に直接又は他の部材を介して)押されることにより付勢部材63A〜63Dの付勢力に打ち勝って当該プッシュロッド23A〜23Dの延伸方向に移動する。
ここで、第1当接面73A及び第2当接面73Bが湾曲面に形成されている理由について説明する。
図12Aの実線は、図10のX4−X4線矢視断面を示している。図10の実線は、グリップ25を第1軸心Y1回りに左方にフルストロークで回動した状態である。フルストロークとは、プッシュロッド23A〜23Dがストッパ40A〜40Dに当接する状態まで操作することである。
グリップ25を第1軸心Y1回りに左方にフルストロークで回動した状態から、グリップ25を第2軸心Y2回りに前方(又は後方)にフルストロークで回動すると、図12Aの仮想線で示すように、第3当接面73Cは、第3プッシュロッド23Cの一端側61Cの端面上を該端面に沿って移動する。したがって、第3プッシュロッド23Cの位置は、グリップ25の第2軸心Y2回りの回動の影響を受けず、問題はない。また、グリップ25を第1軸心Y1回りに右方にフルストロークで回動した状態から、グリップ25を第2軸心Y2回りに前方(又は後方)にフルストロークで回動した場合も同様である。
図12Bの実線は、図11のX5−X5線矢視断面を示している。図11の実線は、グリップ25を第2軸心Y2回りに前方にフルストロークで回動した状態である。
このグリップ25を第2軸心Y2回りに前方にフルストロークで回動した状態からグリップ25を第1軸心Y1回りに右方(又は左方)にフルストロークで回動すると、図12Bに仮想線で示すように、曲面状に形成された第1当接面73Aが、第1プッシュロッド23Aの一端側61Aの端面上を摺動する。したがって、第1プッシュロッド23Aの位置は、グリップ25の第1軸心Y1回りの回動の影響を受けず、問題はない。また、グリップ25を、第2軸心Y2回りに後方にフルストロークで回動した状態からグリップ25を第1軸心Y1回りに右方(又は左方)にフルストロークで回動した場合も同様である。
一方、図12Cは、第1当接面73A及び第2当接面73Bが平坦面に形成されていると仮定した場合を示している。この場合について、本実施形態と同様の符号を付して説明する。図12Cの実線は、グリップ25を第2軸心Y2回りに前方にフルストロークで回動した状態、即ち、図11のX5−X5線矢視断面に相当する断面を示している。
この状態からグリップ25を第1軸心Y1回りに右方(又は左方)にフルストロークで回動すると、図12Cに仮想線で示すように、第1当接面73Aが平坦面である場合、第1当接面73Aは第1プッシュロッド23Aを押し下げるように動こうとする。しかしながら、第1プッシュロッド23Aは、第1ストッパ40Aに当接していて動かないので(図11参照)、必然的に、第1当接面73Aが、図12Cに斜線Z1で示す分、戻されることとなる。即ち、グリップ25を右方にフルストロークで回動した状態に比べて、グリップ25を前方及び右方にフルストロークで回動した状態では、グリップ25が図12Cに斜線で示す分、フルストローク時の位置よりも第1軸心Y1回りに戻されることとなる。グリップ25を第2軸心Y2回りに後方にフルストロークで回動した状態からグリップ25を第1軸心Y1回りに右方(又は左方)にフルストロークで回動した場合も同様である。
したがって、第1当接面73A及び第2当接面73Bを平坦面に形成した場合は、第1軸心Y1回りの回動でグリップ25の操作量を検出するようにすると、該操作量の検出に狂いが生じる。このため、第1当接面73A及び第2当接面73Bを湾曲面に形成している。より詳細には、本実施形態では、グリップ25を第1軸心Y1回りにフルストロークで回動させたときの第1プッシュロッド23A(あるいは第2プッシュロッド23B)の移動量が、グリップ25の第2軸心Y2回りの回動位置にかかわらず略一定になる曲率で第1当接面73A及び第2当接面73Bを湾曲させている。第1当接面73A及び第2当接面73Bをこのような曲率の湾曲面に形成することにより、グリップ25の第2軸心Y2回りの回動位置にかかわらず、第1軸心Y1回りの操作量を適切に検出できる。
図14、図15は、他の実施形態を示している。図14は、操縦装置19R(19L)の左側面断面図である。図15は、操縦装置19R(19L)の背面断面図である。
この他の実施形態において、グリップ本体77(グリップ25)は、底面25Aが開口した中空形状を有する点は、一実施形態と同じであるが、形状が異なる点で一実施形態とは相違する。グリップ本体77は、操縦装置19Lと操縦装置19Rとでは、機体幅方向K2について対称に形成される。また、この他の実施形態では、一実施形態における第1〜第4当接面73A〜73D、プッシュロッド23A〜23D、スリーブ36A〜36D及びストッパ40A〜40Dは設けられていない。
この他の実施形態では、当たり部材91A〜91Dと、上バネ掛け部92A〜92Dと、下バネ掛け部93A〜93Dとが設けられている。当たり部材は、第1当たり部材91Aと、第2当たり部材91Bと、第3当たり部材91Cと、第4当たり部材91Dとを含む。上バネ掛け部は、第1上バネ掛け部92Aと、第2上バネ掛け部92Bと、第3上バネ掛け部92Cと、第4上バネ掛け部92Dとを含む。下バネ掛け部は、第1下バネ掛け部93Aと、第2下バネ掛け部93Bと、第3下バネ掛け部93Cと、第4下バネ掛け部93Dとを含む。
第1当たり部材91Aと第1上バネ掛け部92Aは、第1延出部66Aに設けられている。第2当たり部材91Bと第2上バネ掛け部92Bは、第2延出部66Bに設けられている。第3当たり部材91Cと第3上バネ掛け部92Cは、第3延出部66Cに設けられている。第4当たり部材91Dと第4上バネ掛け部92Dは、第4延出部66Dに設けられている。
第1下バネ掛け部93Aは、第1当たり部材91Aの下方に位置し、基台21(本体部27)に設けられている。第2下バネ掛け部93Bは、第2当たり部材91Bの下方に位置し、基台21(本体部27)に設けられている。第3下バネ掛け部93Cは、第3当たり部材91Cの下方に位置し、基台21(本体部27)に設けられている。第4下バネ掛け部93Dは、第4当たり部材91Dの下方に位置し、基台21(本体部27)に設けられている。
基台21には、グリップ25をフルストロークで回動したときに、当たり部材(第1〜第4当たり部材91A〜91D)が当接するストッパ面94A〜94Dが設けられている。ストッパ面は、第1当たり部材91Aが当接する第1ストッパ面94Aと、第2当たり部材91Bが当接する第2ストッパ面94Bと、第3当たり部材91Cが当接する第3ストッパ面94Cと、第4当たり部材91Dが当接する第4ストッパ面94Dとを含む。
グリップ25を中立位置に保持し且つ操作した位置から中立位置に戻す付勢部材98A〜98Dは、引張りコイルスプリングから形成されている。
付勢部材98A〜98Dは、第1付勢部材98A、第2付勢部材98B、第3付勢部材98C、第4付勢部材98Dを含む。第1付勢部材98Aは、第1上バネ掛け部92Aと第1下バネ掛け部93Aとにわたって掛け渡されている。第2付勢部材98Bは、第2上バネ掛け部92Bと第2下バネ掛け部93Bとにわたって掛け渡されている。第3付勢部材98Cは、第3上バネ掛け部92Cと第3下バネ掛け部93Cとにわたって掛け渡されている。第4付勢部材98Dは、第4上バネ掛け部92Dと第4下バネ掛け部93Dとにわたって掛け渡されている。
取付部48は、第1接続部47Aとは、別体で形成され、第1接続部47Aに固着されている。取付部48が、基台21の嵌合穴29に嵌合し、固定部材(ピン)50A,50Bによって固定される点は、一実施形態と同じである。
グリップ25の頂部板81の下方側には、該頂部板81に取付ボルト95によって取り付けられた筒体96が設けられている。この筒体96に取付軸54が、筒体96及び取付軸54を貫通するピン97A及びピン97Bによって固定されている。取付軸54は、第2接続部47Bとは別体で形成され、第2接続部47Bに固着されている。
また、この他の実施形態では、第1連結部46Aと第2連結部46Bとは、機体幅方向K2で対向している。また、第3連結部46Cと、第4連結部46Dとは前後方向K1で対向している。したがって、グリップ25は、第1軸心Y1回りに前又は後に回動し、第2軸心Y2回りに左又は右に回動する。
以上、他の実施形態について、図1〜図13に示す一の実施形態と異なる点について説明した。その他の構成については、一の実施形態と略同様に構成される。
なお、本実施形態では、グリップ25の操作量を電気的に検出し、この検出結果に基づいて、操作対象を駆動する油圧アクチュエータの制御弁を電気的に操作する操縦装置19L,19Rを例示したが、これに限定されることはない。即ち、従来の操縦装置と同様に、グリップ25の操作量を作動油の圧力(パイロット圧)によってパイロット操作切替弁に伝え、このパイロット操作切替弁によって操作対象を駆動する油圧アクチュエータを制御するものであってもよい。
本実施形態では、操縦装置19L,19Rは、基台21と、基台21に嵌合された第1ヨーク42と、第1ヨーク42に対して第1軸心Y1回りに回動可能に連結され且つ第1軸心Y1とは異なる第2軸心Y2回りに回動可能に連結された第2ヨーク44と、第2ヨーク44に取り付けられた揺動体24と、揺動体24に取り付けられたグリップ25と、基台21と基台21に嵌合された第1ヨーク42とに挿通されて第1ヨーク42を基台21に固定する固定部材51A,51Bとを備えている。
これによると、基台21と、基台21に嵌合された第1ヨーク42とに固定部材51A,51Bを挿通することで第1ヨーク42が基台21に固定されるので、第1ヨーク42を基台21(機体2)に対して常に一定の向きで固定することができる。
従来では、基台に対する第1ヨークの固定方式が、第1ヨークに設けたネジ軸を基台にねじ込むというねじ式であるため、第1ヨークは基台に対して任意の向きで固定される。即ち、第1ヨークを基台に対して常に一定の向きで固定することができない。したがって、第1軸心に沿う方向と前後方向(第1操作方向)とは任意の位置関係にあり、第2軸心に沿う方向と機体幅方向(第2操作方向)とは任意の位置関係にあった。第1軸心が第1操作方向と平行ではなく、第2軸心が第2操作方向と平行ではない場合、グリップを第1操作方向と第2操作方向との間の任意の斜め方向にフルストロークで操作すると、操作する方向とグリップの動き方が異なることに起因する違和感やばらつきが出る。この違和感、ばらつきは、グリップから回動支点までの距離が短いほど体感されやすくなる。
本実施形態では、第1ヨーク42を基台21(機体2)に対して常に一定の向きで固定することができるので、第1軸心Y1に沿う方向と前後方向K1(第1操作方向)とを平行にすることができると共に第2軸心Y2に沿う方向と機体幅方向K2(第2操作方向)とを平行にすることができる。これにより、複合操作時のグリップ25の操作角が前後方向K1と機体幅方向K2で均一になり、複合操作時の操作をスムーズに行える。また、グリップ25から回動支点Y3までの距離を短くした場合であっても、オペレータに操作方向に応じた違和感を与えてしまうことを防止できる。
また、従来では、支持部22(ユニバーサルジョイント)でグリップ25の操作角を検出することができなかった。本実施形態では、第1軸心Y1と第1操作方向とを確実に一致させることができると共に、第2軸心Y2と第2操作方向とを確実に一致させることができるので、第1軸心Y1回りの回動及び第2軸心Y2回りの回動によって、グリップ25の操作角を検出することができる。これによって、小型でシンプルな構造の操縦装置19L,19Rを提供することができる。
また、グリップ25を第2ヨーク44に取り付けられた揺動体24に取り付けることにより、グリップ25からグリップ25の回動支点Y3までの距離を短くすることができる。これによって、グリップ25を操作する際の手元操作量を小さくすることができ、グリップ25の操作空間を小さくすることができる。また、従来では、グリップ25から回動支点Y3までの距離が長いので、機体2が揺れた場合、グリップ25が、機体2に対して相対的に大きく揺れる場合がある。これに対し、本実施形態では、機体2が揺れた場合、グリップ25を把持したオペレータの手元が機体2と共に揺れるので、安定して操作をすることができる。なお、本実施形態では、回動支点Y3がグリップ25内に配置される構成について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、回動支点Y3がグリップ25の外部(例えばグリップ25よりも少し下方の位置)に配置される構成であってもよい。
また、基台21は、当該基台21の上面に形成された嵌合穴29と、嵌合穴29を横切って当該基台21を貫通する第1ピン穴31A,31Bとを有し、第1ヨーク42は、嵌合穴29に嵌合される棒状の取付部48と、取付部48を嵌合穴29に嵌合したときに第1ピン穴31A,31Bと連通する第2ピン穴50A,50Bとを有し、固定部材51A,51Bは、第1ピン穴31A,31Bと第2ピン穴50A,50Bとにわたって挿通されるピンである。
これによると、第1ヨーク42を基台21に組み付ける構造を簡単に構成でき、第1ヨーク42を基台21に適切な組み付け角度で簡単に組み付けることができる。
また、第2ヨーク44から突出していて揺動体24を貫通すると共に先端側にネジ部54aを有する取付軸54と、第2ヨーク44と揺動体24との取付軸54回りの相対回動を規制する回り止め部72と、ネジ部54aに螺合されて第2ヨーク44に揺動体24を固定する締結具68A,68Bとを備えている。
これによると、第2ヨーク44に対してグリップ25を容易に組み付けることができる。
また、第2ヨーク44と揺動体24との間に介在されて取付軸54の延伸方向に沿った揺動体24の位置を調整するシム69を備えている。
これにより、第2ヨーク44に対する揺動体24の高さ方向の位置を調整することができる。
また、第1軸心Y1は、グリップ25を操作するオペレータが着座する運転席6の前後方向K1と略平行であり、第2軸心Y2は、前後方向K1に直交する水平方向(機体幅方向K2)と略平行である。
これによると、第2軸心Y2を前後方向K1と略平行にし、且つ第1軸心Y1を前後方向K1に直交する水平方向と略平行にした場合に比べて、オペレータの操作感を向上させることができる。
また、第1軸心Y1と第2軸心Y2との交点であるグリップ25の回動支点Y3がグリップ25の内部に位置する。
これによると、オペレータは、グリップ25の回動支点Y3に近い位置を把持することができる。言い換えると、オペレータがグリップ25を把持した際に、グリップ25の回動支点Y3をオペレータの手に包まれる位置に(手で覆われる領域に)位置させることができる。これによって、グリップ25を操作する際の手元操作量を小さくすることができ、グリップ25の操作空間を小さくすることができる。また、機体2が揺れた場合、手元が機体2と共に揺れるので、安定して操作をすることができる。
また、第1軸心Y1と第2軸心Y2との交点であるグリップ25の回動支点Y3の周囲に一端側が揺動体24と当接するように配置された複数のプッシュロッド23A〜23Dと、各プッシュロッド23A〜23Dの移動量を検知する検知器58A,58Bと、プッシュロッド23A〜23Dを当該プッシュロッド23A〜23Dの延伸方向に沿って一端側に付勢する付勢部材63A〜63Dとを備え、グリップ25が回動操作されていないときには各プッシュロッド23A〜23Dによってグリップ25の位置が中立位置に規定され、グリップ25が回動操作されたときには回動方向に応じて1または複数のプッシュロッド23A〜23Dがグリップ25に揺動体24を介して押されることにより付勢部材63A〜63Dの付勢力に打ち勝って当該プッシュロッド23A〜23Dの延伸方向に移動する。
これによると、グリップ25の操作量を検知器で検出することができるので、電子制御で操作対象を操作することができ、プッシュロッド周りの構造を小さくすることができる。即ち、構造の簡素化を図ることができ、小型でシンプルな構造の操縦装置を提供することができる。また、プッシュロッド周りの設計自由度が向上する。
また、プッシュロッド23A〜23Dが摺動可能に挿通されるスリーブ36A〜36Dを備え、基台21は、スリーブ36A〜36Dが挿通される支持孔34A〜34Dが形成された装着部30A〜30Dを有し、スリーブ36A〜36Dは、当該スリーブ36A〜36Dが支持孔34A〜34Dからプッシュロッド23A〜23Dの一端側に抜けるのを規制すべく装着部30A〜30Dに当接する抜止め部37A〜37Dと、当該スリーブ36A〜36Dが支持孔34A〜34Dからプッシュロッド23A〜23Dの他端側に抜けることを規制すべく止輪38A〜38Dが装着される止輪装着部39A〜39Dとを有し、プッシュロッド23A〜23Dの他端側には、抜止め部37A〜37Dに当接することによりスリーブ36A〜36Dから一端側に抜けるのを規制する当接部62A〜62Dを有する。
従来では、4つのスリーブの抜止めをするプレートを基台の上面に配置し、このプレートを第1ヨークと共に基台にネジ止め構造によって締め付け固定している。本実施形態では、スリーブ36A〜36Dは、装着部30A〜30Dに当接する抜止め部37A〜37Dと、止輪装着部39A〜39Dに装着される止輪38A〜38Dとで抜止めが図れているので、従来のような、プレートを廃止することができる。プレートを廃止することで、基台21に対する第1ヨーク42のねじ込み構造も廃止することができる。
また、複数のプッシュロッド23A〜23Dとして、回動支点Y3に対して第1軸心Y1の延伸方向の一方側に配置された第1プッシュロッド23A、回動支点Y3に対して第1軸心Y1の延伸方向の他方側に配置された第2プッシュロッド23B、回動支点Y3に対して第2軸心Y2の延伸方向の一方側に配置された第3プッシュロッド23C、および回動支点Y3に対して第2軸心Y2の延伸方向の他方側に配置された第4プッシュロッド23Dを備え、揺動体24は、第1プッシュロッド23Aの一端側に当接する第1当接面73A、第2プッシュロッド23Bの一端側に当接する第2当接面73B、第3プッシュロッド23Cの一端側に当接する第3当接面73C、および第4プッシュロッド23Dの一端側に当接する第4当接面73Dを備え、第1〜第4プッシュロッド23Dの一端側は揺動体24側に凸となる曲面形状であり、第1および第2当接面73A,73Bは、グリップ25が中立位置に配置されている状態において第2軸心Y2と平行な線回りに湾曲する曲面形状であり、第3および第4当接面73C,73Dは、グリップ25が中立位置に配置されている状態において第1軸心Y1および第2軸心Y2と平行な平面形状である。
これによると、グリップ25の第1軸心Y1回りの回動及び第2軸心Y2回りの回動を検知器によって検出することによって、グリップ25の操作量を検出する場合に、該操作量を正確に検出することができる。
また、第1ヨーク42に対して第1軸心Y1回りに回動可能に連結され且つ第2ヨーク44に対して第2軸心Y2回りに回動可能に連結された連結体43と、第1軸心Y1上に配置された第1軸部材53A及び第2軸部材53Bと、第2軸心Y2上に配置された第3軸部材53C及び第4軸部材53Dとを備え、第1ヨーク42は、第1軸部材53Aによって連結体43に回動可能に連結される第1連結部46Aと、第2軸部材53Bによって連結体43に回動可能に連結される第2連結部46Bとを有し、第2ヨーク44は、第3軸部材53Cによって連結体43に回動可能に連結される第3連結部46Cと、第4軸部材53Dによって連結体43に回動可能に連結される第4連結部46Dとを有し、第1軸部材53A、第2軸部材53B、第3軸部材53C及び第4軸部材53Dは、連結体43にピン固定されている。
これによると、第1ヨーク42と連結体43と第2ヨーク44とを、容易に分解することができ、支持部22(ユニバーサルジョイント)の分解整備が可能となる。
また、本実施形態では、第2ヨーク44と揺動体24との間にシム69を挿入することにより取付軸54の延伸方向に沿った揺動体24の位置を調整する構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第1ヨーク42と基台21とを固定部材51A,51Bにより固定するのではなく、第1ヨーク42と基台21との接続部において取付軸54の延伸方向に沿った第1ヨーク42の位置を調整できる構成にしてもよい。この場合、第2ヨーク44とグリップ25との間に揺動体24を取り付ける構成に限らず、グリップ25を第2ヨーク44に直接取り付けてもよい。
また、本実施形態にかかる操縦装置19L,19Rは、第1ヨーク42と、第1ヨーク42に対して第1軸心回り及び第1軸心とは異なる第2軸心回りに回動可能に連結された第2ヨーク44と、第2ヨーク44に取り付けられた揺動体24と、揺動体24に取り付けられたグリップ25とを備えている構成であってもよい。上記の構成によれば、グリップ25を操作する際の手元操作量を小さくすることができ、グリップ25の操作空間を小さくすることができる。
また、本実施形態にかかる操縦装置19L,19Rは、第1ヨーク42と、第1ヨーク42に対して第1軸心回り及び前記第1軸心とは異なる第2軸心回りに回動可能に連結された第2ヨーク44と、第2ヨーク44に取り付けられたグリップ25とを備えている構成であってもよい。あるいは、揺動体24が第2ヨーク44と一体的に形成されていてもよい。これらの場合であっても、グリップ25の回動支点を、グリップ25内、あるいはグリップ25の近傍に配置してグリップ25からグリップ25の回動支点Y3までの距離を短くすることにより、グリップ25を操作する際の手元操作量を小さくしてグリップ25の操作空間を小さくすることができる。
また、本実施形態では、操縦装置19L,19Rは、オペレータが把持するグリップ25と、グリップ25を任意の回動方向に回動可能に支持する支持部22とを備え、グリップ25の回動支点Y3がグリップ25の内部に位置する。
即ち、オペレータが、グリップ25の回動支点Y3に近い位置を把持することができる。これによって、グリップ25を操作する際の手元操作量を小さくすることができ、グリップ25の操作空間を小さくすることができる。また、従来では、グリップ25から回動支点Y3までの距離が長いので、機体2が揺れた場合、グリップ25が、機体2に対して相対的に大きく揺れる場合がある。これに対し、本実施形態では、機体2が揺れた場合、グリップ25を把持したオペレータの手元が機体2と共に揺れるので、安定して操作をすることができる。
また、回動支点Y3がグリップ25におけるオペレータが手の平を当接させて把持する部分である第1把持部74に囲まれる領域に位置する。
これによると、グリップ25の回動支点Y3は、オペレータの手に包まれる位置に(手で覆われる領域に)位置する。これによって、グリップ25の手元操作量の縮小化、及び安定した操作を確実に図ることができる。
また、支持部22は、グリップ25の内部に収容されている。
これによって、操縦装置19L,19Rのコンパクト化を図ることができる。
また、支持部22が取り付けられる基台21を備え、支持部22と、基台21における支持部22が取り付けられる部分である固定部位21Aとがグリップ25の内部に挿入されている。
これによって、さらに操縦装置19L,19Rのコンパクト化を図ることができる。
また、グリップ25は底面25Aが開口した中空形状を有しており、且つグリップ25の下部の内面は底面25A側に向かうほど開口面積が大きくなっている。
グリップ25の内部に回動支点Y3があると、グリップ25を回動した場合に、グリップ25は、下部の一部が回動支点Y3側の部位に近づく方向に揺動する。グリップ25の下部の内面を底面25A側に向かうほど開口面積が大きくなるように形成していることにより、グリップ25の下部が回動支点Y3側の部位に接触するのを防止することができ、グリップ25の回動量(操作量)を確保することができる。
また、支持部22は、基台21に固定される第1ヨーク42と、グリップ25に直接または他の部材を介して取り付けられる第2ヨーク44と、第1ヨーク42と第2ヨーク44とを連結する連結体43とを備え、連結体43は第1ヨーク42に対して第1軸心Y1回りに回動可能に連結されており、第2ヨーク44は連結体43に対して第1軸心Y1とは異なる第2軸心Y2回りに回動可能に連結されている。
第1ヨーク42と第2ヨーク44とを連結体43を介して連結することにより、第1ヨーク42と第2ヨーク44との組み付けを容易に行える。
また、回動支点Y3を通る仮想直線Y4に対して対称、且つ一端側がグリップ25に直接または他の部材を介して当接する位置に配置された複数のプッシュロッド23A〜23Dと、各プッシュロッド23A〜23Dの移動量を検知する検知器58A,58Bと、プッシュロッド23A〜23Dを当該プッシュロッド23A〜23Dの延伸方向に沿って一端側に付勢する付勢部材63A〜63Dとを備え、グリップ25が回動操作されていないときには各プッシュロッド23A〜23Dによってグリップ25の位置が中立位置に規定され、グリップ25が回動操作されたときには回動方向に応じて1または複数のプッシュロッド23A〜23Dがグリップ25に直接または他の部材を介して押されることにより付勢部材63A〜63Dの付勢力に打ち勝って当該プッシュロッド23A〜23Dの延伸方向に移動する。
これによると、電子制御で操作対象を操作することができ、構造の簡素化を図ることができる。
また、グリップ25は、底面25Aが開口した中空形状を有しており、且つグリップ25の内面はプッシュロッド23A〜23Dの一端側に対応する位置から底面25A側に向かうほど仮想直線Y4からの距離が長くなっており、各プッシュロッド23A〜23Dは、一端側がグリップ25の奥25B側に配置されるようにグリップ25の底面25Aからグリップ25内に挿入されており、且つ一端側から他端側へ向かうほど仮想直線Y4との距離が短くなるように配置されている。
グリップ25の内部に回動支点Y3があると、グリップ25を回動した場合に、グリップ25は、底面25A側の一部が回動支点Y3側の部位に近づく方向に揺動する。グリップ25の内面が、プッシュロッド23A〜23Dの一端側に対応する位置から底面25A側に向かうほど仮想直線Y4からの距離が長くなっていることにより、グリップ25の底面25A側が回動支点Y3側の部位に接触するのを防止することができ、グリップ25の回動量(操作量)を確保することができる。また、各プッシュロッド23A〜23Dは、一端側がグリップ25の奥25B側に配置されるようにグリップ25の底面25Aからグリップ25内に挿入されており、且つ一端側から他端側へ向かうほど仮想直線Y4との距離が短くなるように配置されていることにより、各プッシュロッド23A〜23Dは、グリップ25の奥25B側から開口する底面25A側に向かうに従って仮想直線Y4側に移行する傾斜状となっている。これにより、グリップ25の底面25A側とプッシュロッド23A〜23Dとの間にグリップ25の底面25A側が入り込む空間を確保することができる。言い換えると、グリップ25の底面25A側とプッシュロッド23A〜23Dとの距離を十分に確保できる。これによって、コンパクト化を図ることができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。