JP6647752B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
近年、エンジンを駆動源とする車両には、燃費の向上などの目的で、いわゆるアイドリングストップ制御が広く採用されている。アイドリングストップ制御では、たとえば、ブレーキペダルが運転者の足で踏み込まれて、ブレーキが作動し、車速が所定のアイドリングストップ実施車速以下に低下すると、エンジンが自動停止(アイドリングストップ)される。エンジンの自動停止後は、たとえば、ブレーキペダルから足が離されて、ブレーキが解除されると、エンジンが自動的に再始動(アイドリングストップから復帰)される。
アイドリングストップ制御を採用した車両において、変速機として、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)を搭載したものがある。自動変速機には、Pレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後進レンジ)、Nレンジ(中立レンジ)およびDレンジ(前進レンジ)が設けられている。これらのレンジは、車室内に配設されたシフトレバーの操作により選択され、その選択されたレンジに応じて、自動変速機に備えられているクラッチ(ブレーキ)が係合/解放される。具体的には、PレンジおよびNレンジでは、すべてのクラッチが解放される。Rレンジでは、特定のクラッチが係合される。Dレンジでは、Rレンジで係合されるクラッチが解放され、それ以外のクラッチの係合および解放の組合せにより、複数の変速段が選択的に構成される。クラッチは、油圧により係合/解放される。
図10は、アイドリングストップからの復帰時におけるクラッチの指示油圧、エンジン回転数およびタービン回転数の時間変化の一例を示す図である。
アイドリングストップ中は、エンジンの動力により駆動される機械式オイルポンプが停止しているので、自動変速機の各クラッチから油圧が抜け、各クラッチが解放される。そのため、アイドリングストップからの復帰時には、自動変速機を制御する制御装置により、クラッチ(たとえば、シフトレバーがDレンジに対応するDポジションに位置する場合、1速段を構成するクラッチ)を係合させる係合制御が行われる。
すなわち、ブレーキが解除されると、エンジンがクランキングされるとともに、クラッチに供給される油圧の目標値である指示油圧が所定の初期圧よりも高い充填圧に上げられる(時刻T101)。
エンジンがクランキングされながら、エンジンの点火プラグがスパークされることにより、エンジンが完爆すると、クランキングが終了される。エンジンの完爆により、エンジン回転数が上昇し、エンジン回転数の上昇に伴って、トルクコンバータのタービンランナの回転数であるタービン回転数が上昇する。
エンジンの回転数が所定の完爆判定回転数(たとえば、400rpm)に上昇すると、制御装置では、エンジンが完爆したと判定される。クランキングの開始から完爆が判定されるまでの間、クラッチの指示油圧が充填圧に保持される。この指示油圧が充填圧に保持される充填制御により、クラッチへのオイルの充填を早めることができ、クラッチの応答性の向上を図ることができる。
エンジンが完爆したと判定されると、クラッチの指示油圧が充填圧から初期圧に下げられる(時刻T102)。その後、クラッチの指示油圧が初期圧に保持される。その間に、クラッチへのオイルの充填が完了する(時刻T103)。クラッチへのオイルの充填が完了して、クラッチプレートとクラッチディスクとを圧接させて摩擦力を生じさせるためのピストンがクラッチプレートに当接すると、クラッチが滑りながら係合し始める。これに伴って、クラッチのトルク伝達容量が上昇し、タービン回転数が降下する。
タービン回転数が所定量降下すると(時刻T104)、クラッチの指示油圧がスイープにより一定の時間変化率で漸増される。
クラッチの係合が進み、クラッチの滑りがなくなると、タービン回転数の降下が止まり、タービン回転数が1速同期回転数(1速段が構成されている状態での自動変速機のアウトプット回転数と同期する回転数)と一致する。このタービン回転数の同期が検出されると(時刻T105)、クラッチの指示油圧が最大圧に上げられて、係合制御が終了される。
特開2015−117738号公報
エンジン始動時のエンジン回転数の上がり方は、エンジンの吸気温度や吸気中の酸素濃度によって変化する。図10に二点鎖線で示されるように、エンジン回転数の上昇が遅いと、エンジン回転数が完爆判定回転数に上昇するまでに時間がかかり、クラッチの指示油圧が充填圧に保持される時間が長いために、クラッチが油圧過多となり、ピストンがクラッチプレートに当接する時に当接ショックが発生するおそれがある。
本発明の目的は、係合要素を係合させる係合制御において、指示油圧が充填圧に保持される時間が無駄に長引くことを抑制できる、自動変速機の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る自動変速機の制御装置は、油圧回路および油圧回路から供給される油圧により係合する係合要素を備え、エンジンからの動力がトルクコンバータを介して入力される自動変速機の制御装置であって、エンジンの始動の際に、自動変速機の油圧回路を制御して、自動変速機の係合要素を係合させる係合制御を実行し、当該係合制御において、係合要素に供給される油圧の目標値である指示油圧を充填圧に上昇させて、指示油圧を充填圧に保持し、指示油圧が充填圧に保持されている間に、エンジンの回転数が所定のエンジン判定値に上昇したこと、または、トルクコンバータのタービン回転数が所定のタービン判定値に上昇したことに応答して、指示油圧を充填圧よりも低い初期圧に低下させる。
この構成によれば、エンジンの始動の際に、自動変速機の係合要素を係合させる係合制御が実行される。この係合制御では、係合要素に供給される油圧の目標値である指示油圧が充填圧に上げられて、指示油圧がその充填圧に保持される。その後、エンジン回転数が所定のエンジン判定値に上昇するか、または、トルクコンバータのタービン回転数が所定のタービン判定値に上昇すると、指示油圧が充填圧から初期圧に下げられる。
これにより、エンジン始動時のエンジン回転数の上昇が速い場合、タービン回転数がタービン判定値に上昇するよりも前に、エンジン回転数がエンジン判定値に上昇し、指示油圧が充填圧から初期圧に下げられる。一方、エンジン始動時のエンジン回転数の上昇が遅い場合には、エンジン回転数がエンジン判定値に上昇する以前に、タービン回転数がタービン判定値に上昇し、指示油圧が充填圧から初期圧に下げられる。そのため、エンジン始動時のエンジン回転数の上昇度にかかわらず、指示油圧が充填圧に保持される時間が無駄に長引くことを抑制できる。その結果、係合要素が油圧過多になることを抑制でき、係合要素のプレートとディスクとを圧接させて摩擦力を生じさせるためのピストンがプレートに当接することによって発生する当接ショックを抑制することができる。
タービン判定値は、運転者によって操作されるアクセルペダルなどのアクセル操作部材の操作量に応じて段階的または連続的に可変に設定されてもよい。
たとえば、アクセル操作部材の操作量が大きいほど、タービン判定値が段階的または連続的に大きな値に設定されてもよい。
これにより、アクセル操作部材の操作量が大きいほど、指示油圧が充填圧に保持される時間を長くすることができ、係合制御の開始から係合要素がトルク伝達容量を持ち始めるまでのタイムラグを短縮することができる。その結果、エンジンのクランキングの開始から車両が動き出すまでのタイムラグを短縮でき、運転者の意図に応じた車両の発進フィーリングを実現することができる。
自動変速機が搭載される車両は、所定のエンジン停止条件が成立するとエンジンを停止させ、ブレーキが解除されるとエンジンを再始動させるアイドリングストップ制御が実行される車両であってもよい。
この場合、アイドリングストップからの復帰時に、当接ショックを抑制することができる。
本発明によれば、係合要素が油圧過多になることを抑制でき、係合要素のプレートとディスクとを圧接させて摩擦力を生じさせるためのピストンがプレートに当接することによって発生する当接ショックを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。 車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 Pレンジ、Rレンジ、NレンジおよびDレンジにおける各係合要素の状態を示す図である。 係合制御の内容を示すフローチャートである。 アイドリングストップからの復帰時におけるクラッチの指示油圧、エンジン回転数、タービン回転数および車両に生じる加速度の時間変化の一例を示す図である。 タービン判定値の設定例を示す図である。 アクセルオフの場合の完爆判定およびタービン回転判定の結果を説明するための図である。 アクセルオンの場合の完爆判定およびタービン回転判定の結果を説明するための図である。 スロットル制御の内容を示すフローチャートである。 アイドリングストップからの復帰時におけるタービン回転数、アクセル開度、スロットル開度および車両に生じる加速度の時間変化の一例を示す図である。 従来の係合制御におけるクラッチの指示油圧、エンジン回転数およびタービン回転数の時間変化の一例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両1の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ71、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)72および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグ73などが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータ(図示せず)が付随して設けられている。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が備えられている。ECUには、エンジンECU11、ATECU12、ブレーキECU13およびIDS(アイドリングストップ)ECU14が含まれる。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
エンジンECU11には、アクセルセンサ21、エンジン回転数センサ22およびスロットル開度センサ23などが接続されている。
アクセルセンサ21は、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の操作量に応じた検出信号を出力する。エンジンECU11は、アクセルセンサ21から入力される信号に基づいて、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合、つまりアクセルペダルが踏み込まれていないときを0%とし、アクセルペダルが最大に踏み込まれたときを100%とする百分率であるアクセル開度を演算する。
エンジン回転数センサ22は、エンジン2の回転(クランクシャフトの回転)に同期したパルス信号を検出信号として出力する。エンジンECU11は、エンジン回転数センサ22から入力されるパルス信号の周波数をエンジン2の回転数(エンジン回転数)に換算する。
スロットル開度センサ23は、電子スロットルバルブ71の開度(スロットル開度)に応じた検出信号を出力する。
エンジンECU11は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整のため、エンジン2に設けられた電子スロットルバルブ71、インジェクタ72および点火プラグ73などを制御する。
ATECU12には、シフトポジションセンサ24およびタービン回転数センサ25などが接続されている。
シフトポジションセンサ24は、シフトレバー(セレクトレバー)のポジションに応じた検出信号を出力する。シフトレバーのポジションとして、たとえば、Pポジション(パーキングポジション)、Rポジション(リバースポジション)、Nポジション(ニュートラルポジション)およびDポジション(ドライブポジション)が設けられている。Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションは、それぞれPレンジ、Rレンジ、NレンジおよびDレンジに対応する。シフトレバーは、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションの間でシフト操作することができ、そのシフト操作により、レンジの切り替えを指示することができる。
タービン回転数センサ25は、トルクコンバータ3のタービンランナ32(図2参照)の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。ATECU12は、タービン回転数センサ25から入力されるパルス信号の周波数をタービンランナ32の回転数であるタービン回転数に換算する。
ATECU12は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、自動変速機4のレンジまたは変速段を変更するため、自動変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路74に含まれるバルブを制御する。
バルブには、クラッチC2(図2参照)に供給される油圧を制御するためのC2ソレノイドバルブ75などが含まれる。C2ソレノイドバルブ75には、電流値により出力油圧を制御可能なバルブ、たとえば、リニアソレノイドバルブが用いられている。
ブレーキECU13には、ブレーキセンサ26および車速センサ27などが接続されている。
ブレーキセンサ26は、車室内に配設されたブレーキペダルの操作量に応じた検出信号を出力する。
車速センサ27は、たとえば、車両1の走行に伴って回転する磁性体からなるロータと、ロータと非接触に設けられた電磁ピックアップとを備えている。ロータが一定角度回転する度に、電磁ピックアップからパルス信号が検出信号として出力される。パルス信号の周波数は、車速に対応するので、ブレーキECU13は、車速センサ27から入力されるパルス信号の周波数を車速に換算する。
ブレーキECU13は、各種センサの検出信号から取得した情報(ブレーキペダルの操作量、車両1の車速)および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、ブレーキアクチュエータ76などを制御し、車両1の姿勢が安定に保たれた状態で車両1が制動されるように、各ブレーキから車輪に付与される制動力を制御する。
車両1は、アイドリングストップ機能を搭載している。IDSECU14は、アイドリングストップ機能のための制御であるアイドリングストップ制御を実行する。このアイドリングストップ制御に必要な情報として、IDSECU14には、ブレーキECU13から車速およびブレーキペダルの操作量などの情報が入力される。
アイドリングストップ制御では、車両1の走行中に、ブレーキペダルが操作される(踏み込まれる)と、IDSECU14により、所定のエンジン停止条件が成立しているか否かが繰り返し判断される。エンジン停止条件は、たとえば、車速が所定のアイドリングストップ実施車速(たとえば、10km/h)以下であり、かつ、ブレーキペダルが一定時間以上操作されているという条件である。エンジン停止条件が成立すると、IDSECU14からエンジンECU11にIDS要求が出力され、エンジンECU11により、エンジン2が自動停止(アイドリングストップ)される。
アイドリングストップ制御によるエンジン2の自動停止中は、所定のエンジン再始動条件が成立しているか否かが繰り返し判断される。エンジン再始動条件は、たとえば、エンジン2の自動停止中に、ブレーキペダルの操作が解除される(ブレーキペダルから運転者の足が離される)という条件である。再始動条件が成立すると、IDSECU14からエンジンECU11に再始動要求が出力される。この再始動要求を受けて、エンジンECU11により、エンジン2が再始動(アイドリングストップから復帰)される。
<駆動系統の構成>
図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、エンジン2の出力軸(E/G出力軸)が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。
ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と自動変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5のポンプ軸は、ポンプインペラ31と一体的に回転可能に設けられている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5が油圧を発生する。油圧回路74には、オイルポンプ5の発生油圧が供給される。
自動変速機4は、前進4段/後進1段の変速段を有する4速ATである。自動変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、センタ軸43およびラビニヨ型の遊星歯車機構44を備えている。
インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に設けられている。
センタ軸43は、インプット軸41に対してエンジン2側と反対側に離間して、インプット軸41と同一の回転軸線上に設けられている。
遊星歯車機構44には、フロントサンギヤ51、リヤサンギヤ52、キャリア53、リングギヤ54、ロングピニオンギヤ55およびショートピニオンギヤ56が含まれる。フロントサンギヤ51は、センタ軸43に相対回転可能に外嵌されている。リヤサンギヤ52は、フロントサンギヤ51に対してエンジン2側と反対側に設けられ、センタ軸43に相対回転可能に外嵌されている。キャリア53には、センタ軸43が接続され、キャリア53は、センタ軸43と一体的に回転可能に設けられている。キャリア53は、ロングピニオンギヤ55およびショートピニオンギヤ56を回転可能に支持している。リングギヤ54は、リヤサンギヤ52の回転径方向の外側において、キャリア53の周囲を取り囲む円環状を有し、ロングピニオンギヤ55と噛合している。ロングピニオンギヤ55は、ショートピニオンギヤ56の軸長よりも長い軸長を有しており、フロントサンギヤ51と噛合している。ショートピニオンギヤ56は、リヤサンギヤ52およびロングピニオンギヤ55と噛合している。
リングギヤ54には、第1出力ギヤ61が共通の回転軸線を有するように保持されている。第1出力ギヤ61には、アウトプット軸42に相対回転不能に支持された第2出力ギヤ62が噛合している。また、アウトプット軸42には、第3出力ギヤ63が相対回転不能に支持されており、第3出力ギヤ63は、デファレンシャルギヤ6に備えられたリングギヤ64と噛合している。これにより、リングギヤ54の回転は、第1出力ギヤ61、第2出力ギヤ62、アウトプット軸42および第3出力ギヤ63を経由してデファレンシャルギヤ6に伝達される。
また、自動変速機4は、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFを備えている。
クラッチC1は、インプット軸41とフロントサンギヤ51とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
クラッチC2は、インプット軸41とリヤサンギヤ52とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
クラッチC3は、インプット軸41とセンタ軸43(キャリア53)とを連結する係合状態(オン)と、その連結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB1は、フロントサンギヤ51を制動する係合状態(オン)と、フロントサンギヤ51の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB2は、キャリア53を制動する係合状態(オン)と、キャリア53の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ワンウェイクラッチFは、キャリア53の正転(エンジン2の出力軸と同方向の回転)のみを許容する。
図3は、Pレンジ、Rレンジ、NレンジおよびDレンジにおけるクラッチC1〜C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの状態を示す図である。
図3において、「○」は、クラッチC1〜C3およびブレーキB1,B2が係合状態であることを示している。また、ワンウェイクラッチFがキャリア53の逆転を阻止する係合状態であることを示す。
PレンジおよびNレンジでは、クラッチC1〜C3およびブレーキB1,B2が解放される。
Rレンジでは、クラッチC1およびブレーキB2が係合され、クラッチC2,C3およびブレーキB1が解放される。
Dレンジの1速段では、クラッチC2が係合され、クラッチC1,C3およびブレーキB1,B2が解放される。
Dレンジの2速段では、クラッチC2およびブレーキB1が係合され、クラッチC1,C3およびブレーキB2が解放される。
Dレンジの3速段では、クラッチC2,C3が係合され、クラッチC1およびブレーキB1,B2が解放される。
Dレンジの4速段では、クラッチC3およびブレーキB1が係合され、クラッチC1,C2およびブレーキB2が解放される。
<係合制御>
図4は、係合制御の内容を示すフローチャートである。図5は、アイドリングストップからの復帰時におけるクラッチC2の指示油圧、エンジン回転数、タービン回転数および車両1に生じる加速度の時間変化の一例を示す図である。
アイドリングストップ制御によりエンジン2が自動停止された後、エンジン再始動条件が成立すると、エンジン2のクランキングが開始される(時刻T1)。また、シフトレバーがDポジションに位置している場合、ATECU12により、1速段を構成するクラッチC2を係合させるための係合制御が開始される(時刻T1)。
係合制御では、ATECU12によって、以下に説明する各処理が実行される。
まず、ATECU12のRAMに設けられている完爆判定フラグの状態がオンであるか否かが判定される(ステップS1)。完爆判定フラグは、エンジン2が完爆したか否かを示すフラグである。係合制御の開始時には、完爆判定フラグが0にリセットされることにより、完爆判定フラグの状態がオフにされている。エンジン2がクランキングされながら、エンジン2の点火プラグがスパークされることにより、エンジン2が完爆し、エンジン回転数が所定のエンジン判定値(たとえば、400rpm)に上昇すると、完爆判定フラグに1がセットされることにより、完爆判定フラグの状態がオンにされる。
完爆判定フラグの状態がオフである場合(ステップS1のNO)、次に、ATECU12のRAMに設けられているタービン回転判定フラグの状態がオンであるか否かが判定される(ステップS2)。タービン回転判定フラグは、タービン回転数が所定のタービン判定値に上昇したか否かを示すフラグである。係合制御の開始時には、タービン回転判定フラグが0にリセットされることにより、タービン回転判定フラグの状態がオフにされている。エンジン回転数の上昇に伴ってタービン回転数が上昇し、タービン回転数がタービン判定値に到達すると、タービン回転判定フラグに1がセットされることにより、タービン回転判定フラグの状態がオンにされる。
完爆判定フラグおよびタービン回転判定フラグの各状態がオフである間(ステップS2のNO)、クラッチC2へのオイルの充填を早めるための充填制御として、クラッチC2に供給される油圧の目標値である指示油圧が充填圧に保持される(ステップS3、時間T1−T2)。クラッチC2の指示油圧は、クラッチC2に供給される油圧を制御するためのC2ソレノイドバルブ75(図1参照)に入力される電流値に対応する。C2ソレノイドバルブ75に供給される電流値が充填圧に応じた電流値に制御されることにより、クラッチC2にオイルが供給される。
エンジン回転数がエンジン判定値に上昇すると(ステップS1のYES)、完爆判定フラグの状態がオンにされる(時刻T2)。そして、ATECU12のRAMに設けられているクラッチ当接フラグの状態がオンであるか否かが判定される(ステップS4)。クラッチ当接フラグは、クラッチC2のクラッチプレートとクラッチディスクとを圧接させて摩擦力を生じさせるためのピストンがクラッチプレートに当接したか否かを示すフラグである。係合制御の開始時には、クラッチ当接フラグが0にリセットされることにより、クラッチ当接フラグの状態がオフにされている。
完爆判定フラグの状態がオンであり、クラッチ当接フラグの状態がオフである間(ステップS4のNO)、指示油圧が充填圧よりも低い第1初期圧に保持される(ステップS5、時間T2−T3)。第1初期圧は、クラッチC2のピストンがクラッチプレートに当接することにより生じるショックが許容レベルを超えない値に設定されている。
クラッチC2へのオイルの充填が完了して、ピストンがクラッチプレートに当接すると、クラッチC2が滑りながら係合し始めることにより、クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始める。クラッチC2のトルク伝達容量の上昇に伴って、タービン回転数がピークから降下する。タービン回転数が第1所定量(たとえば、30rpm)降下したことが検出されると、クラッチ当接フラグに1がセットされることにより、クラッチ当接フラグの状態がオンにされる(時刻T3)。
クラッチ当接フラグの状態がオンになると(ステップS4のYES)、ATECU12のRAMに設けられている回転降下フラグの状態がオンであるか否かが判定される(ステップS6)。回転降下フラグは、タービン回転数が第1所定量よりも大きい第2所定量(たとえば、50rpm)降下したか否かを示すフラグである。係合制御の開始時には、回転降下フラグが0にリセットされることにより、回転降下フラグの状態がオフにされている。
クラッチ当接フラグの状態がオンであり、回転降下フラグの状態がオフである間(ステップS6のNO)、指示油圧が第1初期圧よりも低い第2初期圧に保持される(ステップS7、時間T3−T4)。
タービン回転数が第2所定量降下したことが検出されると、回転降下フラグに1がセットされることにより、回転降下フラグの状態がオンにされる(時刻T4)。
その後は、指示油圧が第2初期圧からスイープにより一定の時間変化率(時間勾配)で漸増される(ステップS8、時刻T4−T5)。これにより、クラッチC2の係合が進み、タービン回転数の降下が進む。
スイープの開始後、ATECU12のRAMに設けられている同期検出フラグの状態がオンであるか否かが判定される(ステップS9)。同期検出フラグは、タービン回転数が1速同期回転数に一致したことが検出されたか否か、つまりタービン回転数の同期が検出されたか否かを示すフラグである。係合制御の開始時には、同期検出フラグが0にリセットされることにより、同期検出フラグの状態がオフにされている。1速同期回転数は、自動変速機4の変速段が1速段を構成する場合に、アウトプット軸42(図2参照)の回転数と同期するインプット軸41(図2参照)の回転数である。
クラッチC2の係合が進み、クラッチC2の滑りがなくなると、タービン回転数の降下が止まり、タービン回転数が1速同期回転数に一致する。タービン回転数が1速同期回転数に一致したことが検出されると、同期検出フラグに1がセットされることにより、同期検出フラグの状態がオンにされる(時刻T5)。そして、指示油圧が最大圧に上げられて、係合制御が終了される。
<充填制御時間>
図6は、タービン判定値の設定例を示す図である。
タービン判定値は、アクセル開度に応じて可変に設定される。
たとえば、アクセル開度が大きいほど、タービン判定値が段階的に大きな値に設定される。具体的な一例では、アクセル開度が0%であるときには、タービン判定値が30rpmに設定される。アクセル開度が0〜50%の範囲内(下限値を含まず、上限値を含む。)であるときには、タービン判定値が50rpmに設定され、アクセル開度が50〜100%の範囲内(下限値を含まず、上限値を含む。)であるときには、タービン判定値が100rpmに設定される。
図7Aは、アクセルオフの場合の完爆判定およびタービン回転判定の結果を説明するための図であり、図7Bは、アクセルオンの場合の完爆判定およびタービン回転判定の結果を説明するための図である。
図7Aおよび図7Bに実線で示されるように、エンジン2の完爆後の回転数の上昇が速い場合、タービン回転数がタービン判定値に到達する時刻T21よりも前に、エンジン回転数がエンジン判定値に到達する(時刻T2)。したがって、エンジン回転数がエンジン判定値まで上昇したことに応答して、指示油圧が充填圧から第1初期圧に下げられる。
一方、エンジン2の完爆後の回転数の上昇が遅い場合には、図7Aおよび図7Bに二点鎖線で示されるように、エンジン回転数がエンジン判定値に到達する時刻T22より以前に、タービン回転数がタービン判定値に到達する(時刻T21)。そして、タービン回転数がタービン判定値まで上昇したことに応答して、タービン回転判定フラグに1がセットされることにより、タービン回転判定フラグの状態がオンにされて、指示油圧が充填圧から第1初期圧に下げられる。
そのため、エンジン2の完爆後の回転数の上昇度にかかわらず、指示油圧が充填圧に保持される時間(充填制御時間)が無駄に長引くことが抑制される。
また、アクセルペダルが踏み込まれている場合(アクセルオンの場合)には、アクセルペダルが踏み込まれていない場合(アクセルオフの場合)よりも、タービン判定値が大きな値に設定される。これにより、図7Aと図7Bとを比較して理解されるように、アクセルオンの場合には、アクセルオフの場合よりも、タービン回転数がタービン判定値まで上昇するのに長い時間を要する。そのため、アクセルオンの場合には、アクセルオフの場合よりも、指示圧が充填圧に保持される時間が長くなる。
<スロットル制御>
図8は、スロットル制御の内容を示すフローチャートである。図9は、アイドリングストップからの復帰時におけるタービン回転数、アクセル開度、スロットル開度および車両1に生じる加速度の時間変化の一例を示す図である。
アイドリングストップからの復帰時には、ATECU12からエンジンECU11に指令が出力され、この指令を受けて、エンジンECU11により、図8に示されるスロットル制御が実行される。
スロットル制御では、アクセルオンの状態であるか否かが判断される(ステップS11)。アクセル開度が所定値未満(たとえば、1.0%未満であり、0%であってもよい。)である場合、アクセルペダルが踏み込まれていないアクセルオフの状態であると判断され、アクセル開度が所定値以上である場合、アクセルペダルが踏み込まれているアクセルオンの状態のであると判断される。
アクセルオフの状態である場合(ステップS11のNO)、電子スロットルバルブ71(図1参照)の開度であるスロットル開度は制限されず、スロットル制御が終了される。
アクセルオンの状態である場合(ステップS11のYES)、回転降下フラグの状態がオンであるか否かが判断される(ステップS12)。
回転降下フラグの状態がオフである場合(ステップS12のNO)、スロットル開度が第1開度である0%に制限される(ステップS13)。すなわち、アイドリングストップ制御からの復帰時に実行される係合制御により、クラッチC2にオイルが供給されて、タービン回転数が吹き上がった後、クラッチC2のピストンがクラッチプレートに当接し、クラッチC2のトルク伝達容量の増大に伴ってタービン回転数がピークから降下する。タービン回転数が第2所定量降下するまでの間、アクセルオンの状態であっても、スロットル開度が0%に制限される。
タービン回転数がピークから第2所定量降下し、回転降下フラグの状態がオフからオンに変わると(ステップS12のYES、時刻T11)、同期検出フラグの状態がオンであるか否かが判断される(ステップS14)。
同期検出フラグの状態がオフである場合(ステップS14のNO)、スロットル開度が第2開度に制限される(ステップS15)。すなわち、タービン回転数が第2所定量降下してからタービン回転数が1速同期回転数に一致するまでの間(時間T11−T12)、スロットル開度が第2開度に制限される。第2開度は、クラッチC2に入力されるトルクがクラッチC2のトルク伝達容量を上回らない一定開度に設定されている。
タービン回転数が1速同期回転数に一致し、同期検出フラグの状態がオフからオンに変わると(ステップS14のYES、時刻T12)、スロットル開度が第2開度からスイープにより一定の時間変化率(時間勾配)で漸増される(ステップS16)。
そして、スロットル開度がアクセル開度に対応した値まで上昇すると(ステップS17のYES、時刻T13)、スロットル制御が終了される。
<作用効果>
以上のように、自動変速機4のクラッチC2を係合させる係合制御では、指示油圧が充填圧に上げられて、所定時間、指示油圧がその充填圧に保持される。その後、指示油圧が充填圧から第1初期圧に下げられて、クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めるまでの間、指示油圧が第1初期圧に保持される。クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めると、指示油圧が第1初期圧から第2初期圧に下げられて、自動変速機4に入力される回転数であるタービン回転数がピークから第2所定量降下するまでの間、指示油圧が第2初期圧に保持される。そして、タービン回転数が第2所定量降下すると、指示油圧が第2初期圧から最大圧までスイープにより上げられる。
従来の係合制御では、指示油圧が充填圧に保持された後は、指示油圧が一定の初期圧に保持される。これに対し、ATECU12による係合制御では、指示油圧が充填圧に保持された後は、指示油圧が第1初期圧に保持される期間を経て第2初期圧に2段階で下げられる。クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めるまで、言い換えれば、クラッチC2のピストンがクラッチプレートに当接するまで、指示油圧が相対的に高い第1初期圧に保持されることにより、係合制御の開始からクラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めるまでのタイムラグを短縮することができる。そして、クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めた後は、タービン回転数が降下し始め、タービン回転数が十分に降下して、その降下量が第2所定量に達するまで、指示油圧が相対的に低い第2初期圧に下げられて保持される。これにより、タービン回転数が1速同期回転数に一致する同期時に生じる同期ショックを抑制することができる。
よって、アイドリングストップからの復帰時に、エンジン2のクランキングの開始から車両1が動き出すまでのタイムラグを短縮できながら、タービン回転数が1速同期回転数に一致する同期時に生じる同期ショックを抑制することができる。
また、係合制御では、エンジン回転数がエンジン判定値に上昇するか、または、タービン回転数がタービン判定値に上昇すると、指示油圧が充填圧から第1初期圧に下げられる。これにより、エンジン2の始動時のエンジン回転数の上昇が速い場合、タービン回転数がタービン判定値に上昇するよりも前に、エンジン回転数がエンジン判定値に上昇し、指示油圧が充填圧から第1初期圧に下げられる。一方、エンジン2の始動時のエンジン回転数の上昇が遅い場合には、エンジン回転数がエンジン判定値に上昇する以前に、タービン回転数がタービン判定値に上昇し、指示油圧が充填圧から第1初期圧に下げられる。そのため、エンジン始動時のエンジン回転数の上昇度にかかわらず、指示油圧が充填圧に保持される時間が無駄に長引くことを抑制できる。その結果、クラッチC2が油圧過多になることを抑制でき、クラッチC2のピストンがクラッチプレートに当接することによって発生する当接ショックを抑制することができる。
タービン判定値は、アクセル開度が大きいほど、段階的に大きな値に設定される。そのため、アクセル開度が大きいほど、指示油圧が充填圧に保持される時間を長くすることができ、係合制御の開始からクラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めるまでのタイムラグを短縮することができる。その結果、アイドリングストップからの復帰時に、エンジン2のクランキングの開始から車両1が動き出すまでのタイムラグを一層短縮でき、運転者の意図に応じた車両1の発進フィーリングを実現することができる。
また、クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始める前に、車両1のアクセルペダルが操作されても、クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めるまでは、電子スロットルバルブ71の開度が第1開度である0%に設定され、電子スロットルバルブ71が閉じたままにされる。クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めた後、電子スロットルバルブ71の開度が第2開度に上げられる。これにより、エンジン2から出力されるトルクが上昇し、車両1が動き出すことにより加速度が立ち上がる。そして、第2開度は、クラッチC2に入力されるトルクがクラッチC2のトルク伝達容量を上回らない一定開度に設定されている。そのため、電子スロットルバルブ71の開度が第2開度に上げられても、タービン回転の吹き上がりを抑えることができる。
よって、エンジン2の始動から車両1が動き出すまでのタイムラグの短縮により、発進フィーリングの向上を図ることができながら、タービン回転の吹き上がりの抑制により、タービン回転数が1速同期回転数と一致する同期時に発生する同期ショックを一層抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
第1初期圧および第2初期圧は、それぞれ固定値であってもよいが、可変値であってもよい。
第1初期圧は、たとえば、アクセル開度に応じて可変に設定されてもよい。具体的には、アクセル開度が大きいほど、第1初期圧が段階的または連続的に大きな値に設定されてもよい。これにより、アクセル開度が大きいほど、係合制御の開始からクラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めるまでのタイムラグを短縮することができるので、アクセルペダルを操作した運転者の意図に応じた車両1の発進フィーリングを実現することができる。
第2初期圧は、たとえば、アクセル開度に応じて可変に設定されてもよい。具体的には、アクセル開度が大きいほど、第2初期圧が段階的または連続的に大きな値に設定されてもよい。これにより、アクセル開度が大きいほど、クラッチC2がトルク伝達容量を持ち始めてからタービン回転数の同期までのタイムラグを短縮することができるので、アクセルペダルを操作した運転者の意図に応じた車両1の発進フィーリングを実現することができる。また、第2初期圧は、一定値であるとしたが、時間経過に伴って漸増(スイープ)されてもよい。
前述の各制御は、アイドリングストップからの復帰時(アイドリングストップ制御によるエンジン2の再始動時)に限らず、エンジン2の始動直後にシフトレバーがPポジションまたはNポジションからDポジションにシフト操作された場合に実行されてもよい。
前述の各センサは、本発明に関連するセンサを例示したものに過ぎず、エンジンECU11、ATECU12、ブレーキECU13およびIDSECU14には、その他のセンサが接続されていてもよい。
また、エンジンECU11、ATECU12、ブレーキECU13およびIDSECU14の機能の一部または全部が1つのECUに集約されていてもよい。
また、車両1が有段式の自動変速機4を搭載している構成を取り上げたが、本発明は、車両の発進時に係合されるクラッチを備える無段変速機または動力分割式無段変速機を搭載した車両に適用することもできる。動力分割式無段変速機は、変速比の変更により動力を無段階に変速するベルト式の無段変速機構と、動力を一定の変速比で変速する一定変速機構とを備え、駆動源の動力を2系統に分割して伝達可能な変速機である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 エンジン
3 トルクコンバータ
4 自動変速機
12 ATECU(制御装置)
74 油圧回路
C2 クラッチ(係合要素)

Claims (1)

  1. 油圧回路および前記油圧回路から供給される油圧により係合する係合要素を備え、エンジンからの動力がトルクコンバータを介して入力される自動変速機の制御装置であって、
    前記エンジンの始動の際に、前記自動変速機の前記油圧回路を制御して、前記自動変速機の前記係合要素を係合させる係合制御を実行し、
    当該係合制御において、
    前記係合要素に供給される油圧の目標値である指示油圧を充填圧に上昇させて、前記指示油圧を前記充填圧に保持し、
    前記指示油圧が前記充填圧に保持されている間に、前記エンジンの回転数が所定のエンジン判定値に上昇したこと、または、前記トルクコンバータのタービン回転数が所定のタービン判定値に上昇したことに応答して、前記指示油圧を前記充填圧よりも低い初期圧に低下させ
    その際、前記タービン回転数が前記タービン判定値に上昇するよりも前に、前記エンジンの回転数が前記エンジン判定値に上昇すると、前記指示油圧を前記充填圧から前記初期圧に低下させ、また、前記エンジンの回転数が前記エンジン判定値に上昇するよりも前に、前記タービン回転数が前記タービン判定値に上昇すると、前記指示油圧を前記充填圧から前記初期圧に低下させる、制御装置。
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