JP6638506B2 - 造形孔型及びh形鋼の製造方法 - Google Patents

造形孔型及びh形鋼の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材として大型H形鋼を製造するための造形孔型及びH形鋼の製造方法に関する。
H形鋼を製造する場合には、加熱炉から抽出された矩形断面のスラブやブルーム等の素材をサイジングミルや粗圧延機によって、最初にエッジング孔型を用いて前記素材を幅方向に圧下して所謂ドッグボーン材を造形し、続いて、該ドッグボーン材を造形孔型で圧下してH形粗形材に造形し、中間ユニバーサル圧延機によって上記H形粗形材のウェブやフランジの厚さを圧下し、併せて前記中間ユニバーサル圧延機に近接したエッジャー圧延機によって被圧延材のフランジに対し幅圧下や端面の鍛錬と整形が施される。そして、仕上ユニバーサル圧延機によってH形鋼製品が造形される。
このようなH形鋼の製造方法において、矩形断面のスラブやブルーム等の素材からH形粗形材を造形する際には、サイジングミル及び粗圧延機に刻設された種々の孔型を用いて様々な断面形状のH形粗形材が造形される。近年、構造物等の大型化に伴い大型のH形鋼製品の製造が望まれており、このような場合に関し、必要な大型サイズのH形粗形材を製造する様々な技術が創案されている。
例えば特許文献1には、素材としてウェブ形状を山形・波状などに変形させたビームブランクを用いて大型H形鋼を製造する技術が開示されており、ウェブ形状を変形させる際にBDミル(ブレークダウンミル)による孔型圧延を用いる旨が記載されている。
また、例えば特許文献2、3には、H形粗形材を拡幅圧延して大型のH形粗形材を得る技術が開示され、その際の拡幅圧延を効率的・安定的に行うための種々の技術が記載されている。
特開2002−45902号公報 特許第3769245号 特許第4167572号
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ウェブ部を山形に変形させる旨、ウェブ中央部の厚さを大きく変形(増肉)させる旨、あるいは波状に変形させる旨が開示されているが、ウェブ部全体にわたって変形させる旨の記載は無く、変形の詳細な態様については言及されていない。
また、上記特許文献2、3に記載の技術では、ウェブ内法拡幅の際にロールからフランジ部内側に大きな力が加わり、表面疵が発生しやすいといった問題がある。
また、上記特許文献1〜3に記載のいずれの技術においても、H形粗形材を造形する段階においてフランジ部に対する板厚圧下が行われず、ウェブ部に対する板厚圧下のみが行われる構成となっている。そのため、被圧延材の長手方向端部(先後端部)にタング(ウェブタング)が発生し、切り捨て量(クロップ量)が増大し、歩留まりが低下すると共に、ウェブの伸びに引きずられる形でフランジ部にも伸びが発生し、フランジ断面積が減少し、寸法精度の低下が懸念される。このような問題により、従来は大型のH形鋼製品を安定的且つ効率的に製造することが困難であった。
このような事情に鑑み、本発明の目的は、粗圧延工程においてウェブ内法拡幅を伴う圧延によってH形粗形材の造形を行う場合に、被圧延材の長手方向端部(先後端部)にウェブタングをほとんど発生させることなくH形粗形材を造形し、高い生産性と寸法精度でもって大型のH形鋼製品を製造することが可能なH形鋼の製造技術を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、ウェブが平坦な圧延H形鋼についての矩形断面の素材に対し粗圧延工程を行う圧延機の圧延ロールに刻設される造形孔型であって、一対の水平ロールである上孔型ロール及び下孔型ロールから構成され、前記素材に対して幅方向の圧下が行われて造形されたドッグボーン材に対し、当該ドッグボーン材のウェブ相当部の全幅にわたって波形状を付与するように、前記上孔型ロール及び下孔型ロールにおける前記ウェブ相当部に対向する孔型部位を波形状としたことを特徴とする、造形孔型が提供される。
前記孔型部位の波形状は、孔型断面において、ウェブ幅方向に沿って単位構成が周期的に繰り返され、かつ、ウェブ幅方向中心位置に関して左右対称な形状であり、前記波形状のウェブ幅方向の長さは、前記単位構成のウェブ幅方向の長さである前記波形状の波長の整数倍に当該波長の半波長を加えた長さであっても良い。
前記孔型部位の波形状のロール軸に対する傾斜角度θは、以下の式(19)に示す角度でも良い。
θ=cos−1(B4/B3) ・・・(19)
但し、B3:前記造形孔型での圧下前のウェブ相当部の厚み、B4:前記造形孔型で圧下後に所望されるウェブ相当部の厚み、である。
また、別の観点からの本発明によれば、矩形断面の素材に対し粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を行うウェブが平坦な圧延H形鋼の製造方法であって、前記粗圧延工程を行う圧延機の孔型ロールには、前記素材に対して幅方向の圧下を行う1又は複数のエッジング孔型と、幅方向の圧下が行われた後のドッグボーン材に対し、当該ドッグボーン材のウェブ相当部の全幅にわたって波形状を付与する造形孔型と、当該造形孔型での造形後の被圧延材について、当該被圧延材のウェブ相当部の拡幅圧延を行う拡幅孔型と、が刻設され、前記造形孔型は、一対の水平ロールである上孔型ロール及び下孔型ロールから構成されていることを特徴とする、H形鋼の製造方法が提供される。
上記H形鋼の製造方法においては、前記造形孔型は、被圧延材のウェブ相当部に対向する波形状の孔型部位を有し、当該孔型部位の波形状は、孔型断面において、ウェブ幅方向に沿って単位構成が周期的に繰り返され、かつ、ウェブ幅方向中心位置に関して左右対称な形状であり、前記波形状のウェブ幅方向の長さは、前記単位構成のウェブ幅方向の長さである前記波形状の波長の整数倍に当該波長の半波長を加えた長さであっても良い。

上記H形鋼の製造方法においては、前記孔型部位の波形状のロール軸に対する傾斜角度θは、以下の式(19)に示す角度でも良い。
θ=cos−1(B4/B3) ・・・(19)
但し、B3:前記造形孔型での圧下前のウェブ相当部の厚み、B4:前記造形孔型で圧下後に所望されるウェブ相当部の厚み、である。
本発明によれば、粗圧延工程においてウェブ内法拡幅を伴う圧延によってH形粗形材の造形を行う場合に、被圧延材の長手方向端部(先後端部)にウェブタングをほとんど発生させることなくH形粗形材を造形し、高い生産性と寸法精度でもって大型のH形鋼製品を製造することが可能となる。
H形鋼の製造ラインについての概略説明図である。 第1孔型の概略説明図である。 第2孔型の概略説明図である。 第3孔型の概略説明図である。 第4孔型の概略説明図である。 第5孔型の概略説明図である。 第6孔型の概略説明図である。 第7孔型の概略説明図である。 本実施の形態に係る第4孔型における被圧延材Aの造形を段階的に示した概略説明図である。 第4孔型の他の構成を示す概略説明図である。 本実施の形態に係る第4孔型における圧延の初期において、第4孔型から被圧延材Aのウェブ相当部に対して作用する力とこれによりウェブ相当部に発生するせん断力と曲げモーメントを示した概略説明図である。 本実施の形態に係る第4孔型における被圧延材Aの造形において、ウェブ相当部の曲げ変形が優勢になる場合の変形状態を示した概略説明図である。 従来の一般的に知られる平造形孔型における被圧延材Aの造形を段階的に示した概略説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含むH形鋼の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、サイジングミル3、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。また、中間ユニバーサル圧延機5に近接してエッジャー圧延機9が設けられている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。
図1に示すように、製造ラインTでは、加熱炉2から抽出された例えばスラブ11である矩形断面素材(後の被圧延材A)がサイジングミル3、粗圧延機4の順に粗圧延される。次いで、中間ユニバーサル圧延機5において中間圧延される。この中間圧延時には、必要に応じてエッジャー圧延機9によって被圧延材のフランジ先端部(フランジ対応部12)に対して圧下が施される。サイジングミル3及び粗圧延機4のロールには、エッジング孔型、及び、ウェブ部分を減厚する造形孔型や、ウェブ内法寸法を拡幅するいわゆるウェブ拡幅孔型が刻設されており、これらを経由して複数パスのリバース圧延でH形粗形材13が造形され、該H形粗形材13を前記中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスの圧下が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される。
次に、以下では図1に示したサイジングミル3及び粗圧延機4に刻設される孔型構成や孔型形状について図面を参照して説明する。図2〜図8は粗圧延工程を行うサイジングミル3及び粗圧延機4に刻設される孔型についての概略説明図である。ここで、説明する第1孔型〜第7孔型は、1基の粗圧延機4に全て刻設されても良い。また、例えばサイジングミル3及び粗圧延機4に第1孔型〜第7孔型の7つの孔型が分けて刻設されても良い。通常のH形鋼の製造における粗圧延工程では、これら各孔型において1又は複数パスでの造形が行われる。
また、粗圧延を行う孔型はここで説明する構成に限定されるものではなく、その数や形状は必要に応じて任意に変更可能である。即ち、本実施の形態では刻設される孔型が7つの場合を例示して説明するが、その孔型数については、必ずしも7孔型である必要はなく、必要に応じて任意の複数の孔型であれば良い。即ち、H形粗形材13を造形するために好適な孔型構成であれば良い。なお、図2〜図8では、各孔型による造形の最終パスにおける被圧延材Aの概略形状を破線にて図示している。
図2は、第1孔型K1の概略説明図である。第1孔型K1は、一対の水平ロールである上孔型ロール20と下孔型ロール21に刻設され、これら上孔型ロール20と下孔型ロール21のロール隙において被圧延材Aが圧下・造形される。また、上孔型ロール20の周面(即ち、第1孔型K1の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部25が形成されている。更に、下孔型ロール21の周面(即ち、第1孔型K1の底面)にも、孔型内部に向かって突出する突起部26が形成されている。これら突起部25、26の形状やその突出長さは突起部25と突起部26でそれぞれ等しく構成されている。
また、図3は、第2孔型K2の概略説明図である。第2孔型K2は、一対の水平ロールである上孔型ロール30と下孔型ロール31に刻設される。上孔型ロール30の周面(即ち、第2孔型K2の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部35が形成されている。更に、下孔型ロール31の周面(即ち、第2孔型K2の底面)にも、孔型内部に向かって突出する突起部36が形成されている。これら突起部35、36の形状やその突出長さは突起部35と突起部36でそれぞれ等しく構成されている。
また、図4は、第3孔型K3の概略説明図である。第3孔型K3は、一対の水平ロールである上孔型ロール40と下孔型ロール41に刻設される。上孔型ロール40の周面(即ち、第3孔型K3の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部45が形成されている。更に、下孔型ロール41の周面(即ち、第3孔型K3の底面)にも、孔型内部に向かって突出する突起部46が形成されている。これら突起部45、46の形状やその突出長さは突起部45と突起部46でそれぞれ等しく構成されている。
図2〜図4に示す第1孔型K1〜第3孔型K3はいわゆるエッジング孔型であり、これら第1孔型K1〜第3孔型K3では、スラブ11(被圧延材A)に対してその幅方向に圧下を行うことでフランジ相当部を生成し、ドッグボーン材とする。具体的には、第1孔型K1における被圧延材Aの幅長さをA1とすると、第2孔型K2での幅長さはA2(<A1)となるように圧下され、第3孔型K3での幅長さはA3(<A2)となるように圧下される。この圧下と共に、被圧延材Aの幅方向端部(上下端部)には、後のH形鋼製品のフランジに相当するフランジ相当部80が造形される。
また、図5は、第4孔型K4の概略説明図である。第4孔型K4は、一対の水平ロールである上孔型ロール85と下孔型ロール86から構成される。図5に示すように、第4孔型K4では、第3孔型K3までに造形された被圧延材Aが90°あるいは270°回転させられ、第3孔型K3までは被圧延材Aの上下端に位置していたフランジ部80が、圧延ピッチライン上に来るような配置となる。そして、第4孔型K4では、2か所のフランジ相当部80を繋ぐ接続部であるウェブ相当部82の板厚圧下及びフランジ相当部80のフランジ先端部を圧下することでフランジ幅の寸法調整が行われる。
ここで、図5に示すように、第4孔型K4は一般的に知られる平造形孔型とは異なり、孔型形状(孔型断面形状)がウェブ相当部82に対向する位置において波形状の孔型部位88(以降、単に孔型部位88とも呼称)を有するように構成されている。孔型部位88については、第4孔型K4における左右のフランジ相当部80に対向する部位とウェブ相当部82に対向する部位との接続箇所(交点)の間の全ての区間が波形状を有している必要がある。なお、この波形状を有する孔型部位88における詳細な圧延造形については、図9を参照して後述する。
孔型部位88の波形状としては、屈曲箇所数は単数、複数のいずれでも良く、加えて、断面全体が波長の整数倍+半波長を有するような波形状とすることが好ましい。即ち、被圧延材Aの通材安定性や造形安定性等に鑑み、断面形状を左右対称形状とすることが望ましい。また、図9を参照して後述するせん断変形を促進させるためには、屈曲箇所数を多くし、波の高さ(振幅)を小さく抑え、波長を短くすることが好ましい。
なお、図5に示す例では、波形状が1波長+半波長であり、屈曲箇所数がB点、C点、D点の3箇所である場合を図示している。
このように構成される第4孔型K4では、第1孔型K1〜第3孔型K3までの孔型で造形されたドッグボーン材において、フランジ相当部80の先端部圧下と共に、ウェブ相当部82の断面全体が波形状に造形される。
次に、図6は、第5孔型K5の概略説明図であり、(a)は被圧延材A圧下前、(b)は被圧延材A圧下後を示している。第5孔型K5は、一対の水平ロールである上孔型ロール95と下孔型ロール96から構成される。図6に示すように、第5孔型K5は、H形鋼の製造技術において一般的に知られている平造形孔型であり、ウェブ相当部82の内法(即ち、ウェブ内法)を拡幅させるものである。即ち、図6(a)に示すように、第5孔型K5の内法長さh1は、圧下前の被圧延材Aのウェブ内法h0よりも大きく構成されている(h1>h0)。
この第5孔型K5により、フランジ相当部80の先端部圧下と共に、上述したようにウェブ相当部82が波形状に造形された被圧延材Aのウェブ拡幅圧延が行われ、図6(b)に示すように、造形後にはウェブ相当部82の長さ(ウェブ内法)はh1となる。また、第4孔型K4において波形状に造形されたウェブ相当部82は、この第5孔型K5でのウェブ圧下により通常のウェブ形状(即ち、断面が直線形状)へと造形される。
また、図7は、第6孔型K6の概略説明図であり、(a)は被圧延材A圧下前、(b)は被圧延材A圧下後を示している。第6孔型K6は、一対の水平ロールである上孔型ロール105と下孔型ロール106から構成される。図7に示すように、第6孔型K6は、H形鋼の製造技術において一般的に知られている平造形孔型であり、ウェブ相当部82の内法(即ち、ウェブ内法)を拡幅させるものである。即ち、図7(a)に示すように、第6孔型K6の内法長さh2は、圧下前の被圧延材Aのウェブ内法h1よりも大きく構成されている(h2>h1)。
この第6孔型K6により、フランジ相当部80の先端部圧下と共に、ウェブ相当部82の拡幅圧延が行われ、図7(b)に示すように、造形後にはウェブ相当部の長さ(ウェブ内法)はh2となる。
また、図8は、第7孔型K7の概略説明図であり、(a)は被圧延材A圧下前、(b)は被圧延材A圧下後を示している。第7孔型K7は、一対の水平ロールである上孔型ロール115と下孔型ロール116から構成される。図8に示すように、第7孔型K7は、H形鋼の製造技術において一般的に知られている平造形孔型であり、ウェブ相当部82の内法(即ち、ウェブ内法)を拡幅させるものである。即ち、図8(a)に示すように、第7孔型K7の内法長さh3は、圧下前の被圧延材Aのウェブ内法h2よりも大きく構成されている(h3>h2)。
この第7孔型K7により、フランジ相当部80の先端部圧下と共に、ウェブ相当部82の拡幅圧延が行われ、図8(b)に示すように、造形後にはウェブ相当部の長さ(ウェブ内法)はh3となる。このようにしてH形粗形材(図1に示すH形粗形材13)が造形される。
上記第5孔型K5〜第7孔型K7は、ウェブ相当部82の長さ(ウェブ内法)を拡幅する孔型であることから、いわゆる拡幅孔型とも呼称される。但し、上記第6孔型K6と上記第7孔型K7については、必ずしもこれらを必要としない場合がある。即ち、例えばH形粗形材13のウェブ内法を上記第5孔型K5によるウェブ拡幅圧延だけで造形できる場合には、上記第6孔型K6及び上記第7孔型K7は不要であり、また、H形粗形材13のウェブ内法を上記第5孔型K5及び上記第6孔型K6による2段階のウェブ拡幅圧延だけで造形できる場合には、上記第7孔型K7は不要である。
以上のように造形されたH形粗形材13に対し、既知の圧延機である中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスのリバース圧延が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される(図1参照)。
以上説明した第1孔型K1〜第7孔型K7を用いた粗圧延工程によれば、特に第4孔型K4におけるウェブ相当部82の圧下において、造形孔型(ここでは第4孔型K4)によるウェブ相当部の長手方向の伸びを低減させることが可能となる。特に、被圧延材Aを90°あるいは270°回転させてウェブ相当部82の圧下を行う第4孔型K4では、ウェブ相当部82の圧下が、厚みの大きい略スラブ厚の状態から厚みの小さい状態まで大きな圧下量を伴って実施されるため、この第4孔型K4におけるウェブ相当部82の長手方向の伸びを低減させることは非常に重要である。ウェブ相当部82の長手方向への伸びを低減させることで、被圧延材Aの長手方向の先後端部に顕現するいわゆるウェブタングと呼ばれる形状不良部を抑制させることができ、高い生産性と寸法精度を実現させることができる。
本発明者らは、本実施の形態に係る第4孔型K4での被圧延材Aの造形において、ウェブ相当部の長手方向の伸びが低減される原理や、好適に伸びを低減させるための条件について更に検討を行った。以下では本検討について説明する。
図9は、本実施の形態に係る第4孔型K4における被圧延材Aの造形を段階的に示した概略説明図であり、(a)〜(d)の順で圧下が行われている場合を図示したものである。図9では、圧下前のウェブ相当部82の厚みをB3とし、圧下に伴いその厚みがB3’、B3’’、B4と減厚していくものとし、B4は第4孔型K4における所望のウェブ相当部厚みであるとする。また、この第4孔型K4の波形状の孔型部位88は、ロール軸に対して所定の角度θだけ傾斜して構成されるものとし、B3’=B3・cosθである。
なお、圧下前のウェブ相当部82の厚みをB3は、実操業上は、素材であるスラブ11の厚みとほぼ同じ厚みである。
図9に示すように、第4孔型K4におけるウェブ相当部82を波形状の孔型部位88によって圧下する場合、当該孔型部位88でのウェブ相当部82の波形状への変形は、曲げ変形よりもせん断変形が優勢となる条件にする必要がある。
以下、せん断変形が優勢となる条件について詳しく説明する。
図9のように、第3孔型K3で形成された被圧延材Aのウェブ相当部82に対して、その板厚方向に第4孔型K4の波形状の孔型部位88で圧下を加えるときを考える。ここでは、説明の便宜上、波形状は当該波形状の波長λに当該波長の半波長λ/2を加えた形状の場合について説明するが、当該波形状の波長λの整数倍に当該波長の半波長λ/2を加えた形状の場合についても同様である。すなわち、図9は整数倍の「整数」が1の場合である。
被圧延材Aはウェブ相当部82の下面で下ロールの点B及び点Cで支持され、ウェブ相当部82の上面が点Dで下方に押圧される。点Dの押圧力をWとすると、上下方向の力のバランスと左右対称性から点B及び点Cにおける支持力はいずれもW/2である。これらの力によって、ウェブ相当部82には、図11のようなせん断力と曲げモーメントが生じる。即ち、点Bを原点に右方向にx座標を定義すると、x=xにおけるせん断力Fと曲げモーメントMは、以下の式(1)〜(4)で与えられる。
せん断力Fは、
Figure 0006638506
Figure 0006638506
曲げモーメントMは、
Figure 0006638506
Figure 0006638506
せん断力Fの最大値Fmax=W/2であり、BD間では正値、DC間では負値をとる。曲げモーメントはx=λ/2で最大となり、その最大値Mmax=λW/4である。
ウェブ相当部82の断面には、せん断力Fによりx軸に直角方向のせん断応力τが、また曲げモーメントMによりx方向の垂直応力σが生じる。図9において、前記せん断力Fと曲げモーメントMが生じる被圧延材Aの長手方向の領域長さをbとすると、せん断応力τの最大値τmaxは、以下の式(5)で示される。
Figure 0006638506
一方、垂直応力σの最大値σmaxは、曲げモーメントMが最大となるx=λ/2において、ウェブ相当部82の上下表面上で最大値をとり、以下の式(6)で示される。ここでZはウェブ相当部82の断面係数である。
Figure 0006638506
τmaxが降伏せん断応力kに達するとウェブ相当部82は図9のようにせん断変形し、σmaxが降伏応力Yに達すると、ウェブ相当部82は図12のように曲げ変形が始まる。被圧延材Aの降伏応力をYとすると、降伏条件のトレスカの説に基づくと降伏せん断応力kはk=Y/2で与えられる。
そこで、τmax=k=Y/2を上記式(5)に代入して式を整理すると、以下の式(7)が得られる。
W=b・B3・Y ・・・(7)
また、σmax=Yを上記式(6)に代入して式を整理すると、以下の式(8)が得られる。
Figure 0006638506
上記式(7)のWをW1、上記式(8)のWをW2とおくと、ウェブ相当部82の変形は、W1<W2のときは図9のようなせん断変形が優勢になり、逆にW1>W2のときは図12のような曲げ変形が優勢となる。
せん断変形が優勢となる条件は、以下の式(9)である。
W1<W2よりλ<(2/3)・B3 ・・・(9)
曲げ変形が優勢となる条件は、以下の式(10)である。
W1>W2よりλ>(2/3)・B3 ・・・(10)
上記においてはウェブ相当部82の変形を単純にせん断変形と曲げ変形の2つに分けて考察したが、実際には曲げ変形とせん断変形が複合して生じている。また、上記式(9)及び式(10)で与えられる曲げ変形/せん断変形のいずれが起こるかの判定条件は、被圧延材Aに対する拘束条件、例えば被圧延材Aを第4孔型K4に誘導するガイドの設定条件によっても変わり、また被圧延材Aの長手方向の先後端部と中央部では式(9)及び式(10)の右辺は変わる。
しかしながら、波形状の波長λがウェブ相当部82の板厚B3に比べて小さい場合にはせん断変形が優勢であり、反対に大きい場合には曲げ変形が優勢となることには変わりない。
曲げ変形が優勢になると図12(b)のように、フランジ相当部80が傾くため孔型からはみ出てそれ以降の圧下を継続することができなくなる。また図12に示すように、ウェブ相当部82のもとの垂直方向の断面が垂直を保てなくなって傾斜し、図中に破線で囲んだ部位が孔型部位88によって板厚方向に圧下され、ウェブ相当部82が被圧延材Aの長手方向に伸びウェブタングが生じる。
一方、せん断変形が優勢であると、図9(b)のようにウェブ相当部82のもとの垂直方向の断面はほぼ垂直のままであり、ウェブ相当部82が被圧延材Aの長手方向に伸びないので図9(b)の時点でウェブ相当部82の板厚はB3からB3’に減少しているがウェブタングが生じない。しかし、その後は図9(c)〜(d)のようにウェブ相当部82の板厚が直接圧下されて板厚はB3’からB3’’を経てB4まで減少し、ウェブタングが成長していく。
これを従来の一般的に知られる平造形孔型における被圧延材Aの造形状態と比較して説明する。図9の本願発明技術においては、(a)〜(d)に至るウェブ相当部82の延伸は、B3/(B4/cosθ)である。これに対して、図13の従来法では(a)〜(d)に至るウェブ相当部82の延伸はB3/B4である。cosθ≦1であるから、B3/(B4/cosθ)≦B3/B4であり、本願発明技術によりウェブ相当部82の延伸を低減でき、これによってウェブタングの成長を抑制できる。即ち、図9(a)〜(b)の過程でウェブ相当部82に板厚方向のせん断変形を生じさせることにより、この間のウェブ相当部82の伸びを生じさせないで、波形状に変形したウェブ相当部82の法線方向の板厚をB3’まで減少させることができる。またこの時、ウェブ相当部82の線長Lが、(a)に示す圧下前のL0に比べ、(d)に示す圧下後のL1の方が長くなっている。
なお、孔型部位88の傾斜角度θに関しては、図9(d)に示すように、孔型形状をロール軸に対してθ=cos−1(B4/B3)だけ傾斜した形状とし、この傾斜角度θ=cos−1(B4/B3)だけ傾斜するようにウェブ相当部82を造形した場合には、B3’=B4となり(d)の段階でもウェブタングは生じない。
傾斜角度θの具体的な数値は、当該孔型(本実施の形態に係る第4孔型K4)における圧下前のウェブ相当部の板厚B3と、圧下後の所望板厚であるB4に応じて適宜定めれば良いが、θ=cos−1(B4/B3)が理想である。
しかし、実際にはこのような条件でできるとは限らない。以下この点について説明するとともに、第4孔型K4において波形状に造形されたウェブ相当部82について、該波形状の傾斜角度θと振幅a、該波形状の波長の整数倍(=n倍とおき、以下ではこれを屈曲数と呼称する)に当該波長の半波長を加えた形状の適正範囲について述べる。
まず、振幅a、波長λと傾斜角度θには以下の式(11)で与えられる関係がある。
a=(λ/4)tanθ ・・・(11)
また、既に述べたように以下の式(12)で示す関係がある。
B3’=B3・cosθ ・・・(12)
そして、上記式(11)、(12)を連立させてθを消去して整理すると、以下の式(13)が得られる。
Figure 0006638506
一方、図9(d)のようにウェブ相当部82が波形状である被圧延材Aは、次工程の第5孔型K5により、図6(a)、(b)のようにウェブ相当部82に対して曲げ変形を生じさせて前記波形状を消去する必要があり、せん断変形を起こすことを避けなければならない。図9(d)の波形状の波長はλであり、ウェブ相当部82の板厚はB4であるから、式(10)を導いたのと同様の議論により、以下の式(14)を満たさなくてはならない。
λ>(2/3)・B4 ・・・(14)
ただし、上記式(14)の右辺の係数2/3は、第5孔型K5における圧延の際の被圧延材Aに対する拘束条件によって多少変わる。
ところで上に述べたように、B4=B3’であれば理想であるが、このとき式(13)において、B3’=B4とおいて、式(14)と連立させてB4を消去すると、以下の式(15)が得られる。
Figure 0006638506
即ち、波形状の波長λが大きいほど振幅aの範囲は広くなる。
しかし、一方で波長λには制約がある。ウェブ相当部82の線長が図9(a)に示す第4孔型K4の圧下前のL0に対して、以下の式(16)を満足する必要がある。
Figure 0006638506
式(16)を式(15)に代入して整理すると以下の式(17)が得られる。
Figure 0006638506
ここで、B3はもとのスラブやブルームの素材の板厚に等しい。
上記式(15)を満足する振幅aと波長λの範囲、または、上記式(17)を満足する振幅aと屈曲数nの範囲であればよい。実際の操業においては、第4孔型K4での圧延が安定し、ロールコストも低く抑えられるので、振幅aは小さい方がよい。
上記のようにして決めた振幅aの値が設備条件を考慮して大きすぎて不都合であれば、設備制約の範囲内でaを最小値に設定する。このとき、傾斜角度θを小さくすることになる。この場合には、B3’>B4となり、図9(b)、(c)、(d)のようにウェブ相当部82の板厚をB3’、B3’’、B4と減厚していく過程でウェブタングが成長する。しかし、図13の従来の一般的な平造形孔型を用いた造形法に比べれば最終的なウェブタングの長さは短くてすむ。
さらに、ウェブ相当部82の板厚がB4まで縮小された時点で、ウェブ相当部82の線長LがもとのL0からL1まで拡大しており、L1は以下の式(18)で与えられる。
L1=h0/cosθ≒L0/cosθ ・・・(18)
このため、図6に示す後続の第5孔型K5によるH形粗形材の拡幅圧延が容易になり、第5孔型K5により従来はh0(≒L0)からh1へのh1−h0の拡幅量が必要であったが、本願発明技術を適用することにより、実質拡幅量はh1−L1=h1−h0/cosθ(<h1−h0)で済む。このため、拡幅するために必要な上孔型ロール95及び下孔型ロール96の胴部から被圧延材Aのフランジ部内側に作用する拡幅力が小さくて済み、フランジ内側の表面疵の低減や解消にもつながる。
ところで、傾斜角度θが所定の値に定まった場合であっても、第4孔型K4の孔型形状を、ウェブ相当部82に対して余肉を付与したり、逆に減肉するような構成とすることもできる。例えば、図9(a)のB、C、Dのようなコーナー部のアール値を増減させるような孔型形状は当然可能であり、本願発明技術の範疇に入る。
また、図9の例では、波形状は三角形の形状であるが、これを正弦曲線(サインカーブ)その他の周期関数の形にしても効果があり、これも本願発明技術の範疇に属する。
圧下前のウェブ相当部82の厚みがB3であり、当該厚みB3を所定の厚みB4(<B3)まで圧下する場合において、本実施の形態に係る第4孔型K4を用いて圧下を行った場合には厚みB4/cosθまで圧下すれば良いのに対し、波形状を有さない従来の平造形孔型で圧下を行った場合にはB4まで圧下を行わなくてはならない。即ち、本実施の形態に係る技術によれば、従来の平造形孔型に比べウェブ相当部82の圧下量を小さくすることができるため、ウェブ相当部82の長手方向の伸びを低減させることが可能となる。
また、上述したように、本実施の形態に係る技術によれば、ウェブ相当部82の線長Lが、図9(a)に示す圧下前に比べ、図9(d)に示す圧下後の方が長くなるような変形が行われる。そのため、以降の孔型において拡幅圧延を行う場合に、フランジ相当部80の内側に大きな力が加わることなく当該拡幅圧延を実施することができる。即ち、拡幅圧延時に、被圧延材Aの特にフランジ内壁等に引掻傷や折込疵等の表面疵が発生するのを抑制することができる。
以上、図9を参照して説明した本実施の形態に係る第4孔型K4を含む第1孔型K1〜第7孔型K7によって実施される粗圧延工程によれば、ウェブ内法拡幅を伴う圧延によって造形を行う場合に、被圧延材の長手方向端部(先後端部)にウェブタングが発生するのを抑制することができる。これにより、切り捨て量(クロップ量)が増大し、歩留まりが低下するといった問題が解消され、生産性の向上が図られる。
また、ウェブタングが大きく発生した場合には、ウェブの伸びに引きずられる形でフランジ部にも伸びが発生し、フランジ断面積が減少し、寸法精度の低下が懸念されることから、ウェブタングの発生を抑制することで寸法精度の向上も図ることができる。
特に大型のH形鋼製品を製造する場合には、上記歩留まりの低下や寸法精度の低下といった問題が顕著に現れるため、本実施の形態で説明した製造技術は特に大型H形鋼製品の製造において有用である。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態では、第4孔型K4の孔型断面形状の一例として、図5に示すような、波形状が1波長+半波長であり、屈曲箇所数が3箇所である孔型形状を図示し、説明したが、このような形状に限られるものではない。例えば、図10に示すように、波形状が2波長+半波長であり、屈曲箇所数が5箇所であるような孔型形状でも良い。
また、上記実施の形態では、第1孔型K1〜第3孔型K3の3つの孔型を用いて被圧延材Aに対しエッジング圧延を行い、その後、第4孔型K4〜第7孔型K7の4つの孔型を用いて拡幅圧延を行う技術を説明したが、粗圧延工程を実施する孔型数はこれに限られるものではない。例えばエッジング圧延を行う孔型の数は4つ以上でも良く、拡幅圧延を行う孔型の数は2以上の任意の数でも良い。但し、上記実施の形態で説明したように、本発明技術においては拡幅圧延の最初の孔型においてウェブ相当部82を波形状に造形することとしており、波形状に造形したウェブ相当部82の拡幅を行う必要もあることから、少なくとも2つの拡幅圧延用の孔型が必要となる。
また、H形鋼を製造する際の素材としてはスラブを例示して説明したが、類似形状のその他素材についても本発明は当然適用可能である。即ち、例えばブルーム等を造形してH形鋼を製造する場合にも適用できる。
本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材として大型H形鋼を製造するための造形孔型及びH形鋼の製造方法に適用できる。
1…圧延設備
2…加熱炉
3…サイジングミル
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…上孔型ロール(第1孔型)
21…下孔型ロール(第1孔型)
25、26…突起部(第1孔型)
30…上孔型ロール(第2孔型)
31…下孔型ロール(第2孔型)
35、36…突起部(第2孔型)
40…上孔型ロール(第3孔型)
41…下孔型ロール(第3孔型)
45、46…突起部(第3孔型)
80…フランジ相当部
82…ウェブ相当部
85…上孔型ロール(第4孔型)
86…下孔型ロール(第4孔型)
88…(波形状の)孔型部位
95…上孔型ロール(第5孔型)
96…下孔型ロール(第5孔型)
105…上孔型ロール(第6孔型)
106…下孔型ロール(第6孔型)
115…上孔型ロール(第7孔型)
116…下孔型ロール(第7孔型)
K1…第1孔型
K2…第2孔型
K3…第3孔型
K4…第4孔型
K5…第5孔型
K6…第6孔型
K7…第7孔型
T…製造ライン
A…被圧延材

Claims (6)

  1. ウェブが平坦な圧延H形鋼についての矩形断面の素材に対し粗圧延工程を行う圧延機の圧延ロールに刻設される造形孔型であって、
    一対の水平ロールである上孔型ロール及び下孔型ロールから構成され、
    前記素材に対して幅方向の圧下が行われて造形されたドッグボーン材に対し、当該ドッグボーン材のウェブ相当部の全幅にわたって波形状を付与するように、前記上孔型ロール及び下孔型ロールにおける前記ウェブ相当部に対向する孔型部位を波形状としたことを特徴とする、造形孔型。
  2. 前記孔型部位の波形状は、
    孔型断面において、ウェブ幅方向に沿って単位構成が周期的に繰り返され、かつ、ウェブ幅方向中心位置に関して左右対称な形状であり、
    前記波形状のウェブ幅方向の長さは、前記単位構成のウェブ幅方向の長さである前記波形状の波長の整数倍に当該波長の半波長を加えた長さであることを特徴とする、請求項1に記載の造形孔型。
  3. 前記孔型部位の波形状のロール軸に対する傾斜角度θは、以下の式(19)に示す角度であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の造形孔型。
    θ=cos−1(B4/B3) ・・・(19)
    但し、B3:前記造形孔型での圧下前のウェブ相当部の厚み、B4:前記造形孔型で圧下後に所望されるウェブ相当部の厚み、である。
  4. 矩形断面の素材に対し粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を行うウェブが平坦な圧延H形鋼の製造方法であって、
    前記粗圧延工程を行う圧延機の孔型ロールには、
    前記素材に対して幅方向の圧下を行う1又は複数のエッジング孔型と、
    幅方向の圧下が行われた後のドッグボーン材に対し、当該ドッグボーン材のウェブ相当部の全幅にわたって波形状を付与する造形孔型と、
    当該造形孔型での造形後の被圧延材について、当該被圧延材のウェブ相当部の拡幅圧延を行う拡幅孔型と、が刻設され
    前記造形孔型は、一対の水平ロールである上孔型ロール及び下孔型ロールから構成されていることを特徴とする、H形鋼の製造方法。
  5. 前記造形孔型は、被圧延材のウェブ相当部に対向する波形状の孔型部位を有し、当該孔型部位の波形状は、
    孔型断面において、ウェブ幅方向に沿って単位構成が周期的に繰り返され、かつ、ウェブ幅方向中心位置に関して左右対称な形状であり、
    前記波形状のウェブ幅方向の長さは、前記単位構成のウェブ幅方向の長さである前記波形状の波長の整数倍に当該波長の半波長を加えた長さであることを特徴とする、請求項4に記載のH形鋼の製造方法。
  6. 前記孔型部位の波形状のロール軸に対する傾斜角度θは、以下の式(19)に示す角度であることを特徴とする、請求項5に記載のH形鋼の製造方法。
    θ=cos−1(B4/B3) ・・・(19)
    但し、B3:前記造形孔型での圧下前のウェブ相当部の厚み、B4:前記造形孔型で圧下後に所望されるウェブ相当部の厚み、である。
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