JP6634520B2 - テトラヒドロピラニルアミノ−ピロロピリミジノンおよびその使用の方法 - Google Patents

テトラヒドロピラニルアミノ−ピロロピリミジノンおよびその使用の方法 Download PDF

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Description

出願の分野
本出願は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害、および神経障害を含む、BTKキナーゼに関連する疾患または障害の処置において有用な、変異BTKを含む、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤に関する。具体的には、本出願は、BTKを阻害する化合物およびその組成物、BTKに関連する疾患または障害を処置する方法ならびにこれらの化合物の合成の方法に関する。
背景
BTKは、チロシンキナーゼのTecファミリーの一員であり、早期B細胞発生ならびに成熟B細胞活性化および生存の調節において重要な役割を果たす。(Hunter, Cell, 1987 50, 823-829(非特許文献1))。BTKは、成長因子、B細胞抗原、ケモカイン、および先天性免疫受容体のような、複数の受容体の下流で機能し、細胞増殖、生存、分化、運動性、血管新生、サイトカイン産生、および抗原提示を含むいくつかの細胞プロセスを開始する。
BTK欠損マウスモデルにより、BTKがアレルギー障害ならびに/または自己免疫性および/もしくは炎症性疾患において果たす役割が示されている。例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)の標準的なマウス前臨床モデルにおけるBTKの欠損は、疾患の進行の顕著な改善をもたらすことが示されている。さらに、BTK欠損マウスは、コラーゲン誘導関節炎の発症に耐性であり得、ブドウ球菌(Staphylococcus)誘導関節炎に罹りにくい。B細胞活性化におけるBTKの役割のため、BTK阻害剤は、B細胞介在性病原活性(自己抗体産生のような)の阻害剤としても有用でありうる。破骨細胞、肥満細胞および単球におけるBTKの発現は、これらの細胞の機能にとって重要であることが示されている。例えば、IgE介在性肥満細胞活性化の障害および活性化された単球によるTNF-α産生の低減は、マウスおよびヒトにおけるBTK欠損と関連付けられている。したがって、BTK阻害は、SLE、関節リウマチ、多発性嚢炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アレルギー性鼻炎、および喘息のようなアレルギー障害ならびに/または自己免疫性および/もしくは炎症性疾患の処置に有用でありうる(DiPaolo et. al., Nature Chem. Biol. 2011, 7(1):41-50(非特許文献2); Liu et. al., Jour. Pharmacol. and Exp. Ther. 2011, 338(1):154-163(非特許文献3))。
さらに、アポトーシスにおけるBTKの役割は、がん、B細胞リンパ腫、白血病、および他の血液悪性腫瘍の処置のためのBTK活性の阻害の有用性を実証している。さらに、破骨細胞機能におけるBTKの役割を考慮すると、BTK活性の阻害は、骨粗鬆症のような骨障害の処置に有用でありうる。
それゆえ、小分子阻害剤によるBTKの阻害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害、および神経障害の処置となる可能性を有する。したがって、BTKの強力な小分子阻害剤がかなり必要とされている。
Hunter, Cell, 1987 50, 823-829 DiPaolo et. al., Nature Chem. Biol. 2011, 7(1):41-50 Liu et. al., Jour. Pharmacol. and Exp. Ther. 2011, 338(1):154-163
概要
本出願の第1の局面は、式(I)の化合物:
Figure 0006634520
または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体に関する。本明細書において用いられる場合、「式(I)の化合物」および「化合物(I)」という表現は、同じ化合物を指し、互換的に用いることができる。
本出願の別の局面は、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物に関する。
本出願の別の局面は、BTK介在性障害を処置する方法に関する。本方法は、BTKキナーゼの調節に関連する疾患または障害の処置を必要とする患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、BTK介在性障害を処置する方法に関する。本方法は、BTKキナーゼの調節に関連する疾患または障害の処置を必要とする患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、細胞増殖性障害を処置する方法に関する。本方法は、その必要がある患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、細胞増殖性障害を処置する方法に関する。本方法は、その必要がある患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、がんを処置する方法に関する。本方法は、その必要がある患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、がんを処置する方法に関する。本方法は、その必要がある患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、BTKを調節する(例えば、阻害する)方法に関する。本方法は、その必要がある患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、BTKを調節する(例えば、阻害する)方法に関する。本方法は、その必要がある患者に、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物の治療的有効量を投与する段階を含む。
本出願の別の局面は、BTK介在性障害、細胞増殖性障害、もしくはがんを処置する方法またはBTKを調節する(例えば、阻害する)方法に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体に関する。式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は、その必要がある患者に治療的有効量で投与される。
本出願の別の局面は、BTK介在性障害、細胞増殖性障害、もしくはがんを処置する方法またはBTKを調節する(例えば、阻害する)方法に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物に関する。組成物は、その必要がある患者に治療的有効量で投与される。
本出願の別の局面は、BTK介在性障害、細胞増殖性障害、もしくはがんを処置するためまたはBTKを調節する(例えば、阻害する)ための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の使用に関する。式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は、その必要がある患者に治療的有効量で投与される。
本出願の別の局面は、BTK介在性障害、細胞増殖性障害、もしくはがんを処置するためまたはBTKを調節する(例えば、阻害する)ための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物の使用に関する。組成物は、その必要がある患者に治療的有効量で投与される。
本出願は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害、および神経障害を含むがこれらに限定されない、BTKキナーゼの調節に関連する疾患または障害を処置する方法であって、該疾患または障害の少なくとも1つに罹患している患者に式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体を投与する段階を含む該方法をさらに提供する。
本出願は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害、神経障害およびBTKキナーゼの調節に関連する他の疾患のような疾患の処置における治療剤であるBTKの阻害剤を提供する。
本出願は、既知のBTK阻害剤と比べて改善された有効性および安全性プロファイルを有する化合物および組成物をさらに提供する。本出願はまた、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害、および神経障害を含むさまざまなタイプの疾患の処置でのBTKキナーゼに対する新規の作用機序を有する剤を提供する。最終的に、本出願は、BTKキナーゼに関連する疾患および障害の処置のための新規な薬理学的戦略を医学界に提供する。
[本発明1001]
式(I)の化合物:
Figure 0006634520
または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体。
[本発明1002]
本発明1001の化合物または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物。
[本発明1003]
その必要がある患者に、治療的有効量の本発明1001の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは本発明1002の薬学的組成物を投与する段階を含む、BTK介在性障害を処置する方法。
[本発明1004]
BTK介在性障害が免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される、本発明1003の方法。
[本発明1005]
がんが、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、尿生殖器がん、食道がん、喉頭がん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃がん、皮膚がん、角化棘細胞腫、肺がん、類表皮がん、大細胞がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞がん、肺腺がん、骨がん、結腸がん、腺腫、膵臓がん、腺がん、甲状腺がん、濾胞がん、未分化がん、乳頭がん、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱がん、肝がんおよび胆道がん、腎臓がん、膵臓がん、骨髄障害、リンパ腫、毛様細胞、口腔がん、上咽頭がん、咽頭がん、***がん、舌がん、口のがん、小腸がん、結腸直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳および中枢神経系のがん、ホジキン白血病、気管支がん、甲状腺がん、肝臓および肝内胆管のがん、肝細胞がん、胃がん、神経膠腫/神経膠芽腫、子宮内膜がん、黒色腫、腎臓および腎盂のがん、膀胱がん、子宮体がん、子宮頸がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、骨髄性白血病、口腔および咽頭のがん、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、ならびに結腸絨毛腺腫から選択される、本発明1004の方法。
[本発明1006]
障害が、関節リウマチ、全身および局所炎症、関節炎、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または乾癬である、本発明1004の方法。
[本発明1007]
その必要がある患者に、有効量の本発明1001の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは本発明1002の薬学的組成物を投与する段階を含む、BTKを調節する方法。
[本発明1008]
BTK介在性障害を処置する方法またはBTKを調節する方法に使用するための、本発明1001の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは本発明1002の薬学的組成物。
[本発明1009]
BTK介在性障害が、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される、本発明1008の化合物または組成物。
[本発明1010]
がんが、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、尿生殖器がん、食道がん、喉頭がん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃がん、皮膚がん、角化棘細胞腫、肺がん、類表皮がん、大細胞がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞がん、肺腺がん、骨がん、結腸がん、腺腫、膵臓がん、腺がん、甲状腺がん、濾胞がん、未分化がん、乳頭がん、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱がん、肝がんおよび胆道がん、腎臓がん、膵臓がん、骨髄障害、リンパ腫、毛様細胞、口腔がん、上咽頭がん、咽頭がん、***がん、舌がん、口のがん、小腸がん、結腸直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳および中枢神経系のがん、ホジキン白血病、気管支がん、甲状腺がん、肝臓および肝内胆管のがん、肝細胞がん、胃がん、神経膠腫/神経膠芽腫、子宮内膜がん、黒色腫、腎臓および腎盂のがん、膀胱がん、子宮体がん、子宮頸がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、骨髄性白血病、口腔および咽頭のがん、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、ならびに結腸絨毛腺腫から選択される、本発明1009の化合物または組成物。
[本発明1011]
障害が、関節リウマチ、全身および局所炎症、関節炎、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または乾癬である、本発明1009の化合物または組成物。
[本発明1012]
BTK介在性障害を処置するためまたはBTKを調節するための薬物の製造における、本発明1001の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは本発明1002の薬学的組成物の使用。
[本発明1013]
BTK介在性疾患または障害が、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される、本発明1012の使用。
[本発明1014]
がんが、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、尿生殖器がん、食道がん、喉頭がん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃がん、皮膚がん、角化棘細胞腫、肺がん、類表皮がん、大細胞がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞がん、肺腺がん、骨がん、結腸がん、腺腫、膵臓がん、腺がん、甲状腺がん、濾胞がん、未分化がん、乳頭がん、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱がん、肝がんおよび胆道がん、腎臓がん、膵臓がん、骨髄障害、リンパ腫、毛様細胞、口腔がん、上咽頭がん、咽頭がん、***がん、舌がん、口のがん、小腸がん、結腸直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳および中枢神経系のがん、ホジキン白血病、気管支がん、甲状腺がん、肝臓および肝内胆管のがん、肝細胞がん、胃がん、神経膠腫/神経膠芽腫、子宮内膜がん、黒色腫、腎臓および腎盂のがん、膀胱がん、子宮体がん、子宮頸がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、骨髄性白血病、口腔および咽頭のがん、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、ならびに結腸絨毛腺腫から選択される、本発明1013の使用。
[本発明1015]
障害が、関節リウマチ、全身および局所炎症、関節炎、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または乾癬である、本発明1013の使用。
詳細な説明
本出願は、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)活性を調節することができる化合物および組成物に関する。本出願は、その必要がある患者に式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の治療的有効量を投与する段階によりBTKが関与する疾患または障害を処置、予防または改善する方法を特徴とする。本出願の方法は、BTKキナーゼの活性を阻害する段階により種々のBTK介在性疾患および障害の処置において用いることができる。BTKの阻害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害、および神経障害を含むがこれらに限定されない、疾患の処置、予防または改善を提供する。
本出願の第1の局面において、式(I)の化合物が記述される:
Figure 0006634520
および薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体または誘導体。
1つの態様において、式(I)の化合物は薬学的に許容される塩である。別の態様において、式(I)の化合物は水和物である。さらに別の態様において、式(I)の化合物は溶媒和物である。
本出願の詳細は、以下の添付の説明に記載されている。本明細書において記述されたものと類似または等価な方法および材料を本出願の実践または試験において用いることができるが、例示的な方法および材料をこれから記述する。本出願の他の特徴、目的、および利点は、記述からおよび特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形はまた、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形も含む。他に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本出願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において引用された全ての特許および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
定義
「1つの(a)」および「1つの(an)」という冠詞は、物品の文法的対象の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すように本出願において用いられる。例として、「1つの要素(an element)」は、1つの要素(one element)または2つ以上の要素(more than one element)を意味する。
「および/または」という用語は、別段の指示がない限り、「および」または「または」を意味するように本出願において用いられる。
本出願はまた、有効量の式(I)の化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を含む。
本出願において用いられる「担体」という用語は、担体、賦形剤、および希釈剤を包含し、ある臓器または身体の部分から別の臓器または対象の身体の部分に薬剤を運搬または輸送することに関与する、材料、組成物または媒体、例えば液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料を意味する。
式(I)の化合物は塩を形成することができ、これも本出願の範囲内にある。本明細書の式の化合物への言及は、別段の指示がない限り、その塩への言及を含むと理解される。
代表的な「薬学的に許容される塩」には、例えば、水溶性および不水溶性塩、例えば、酢酸塩、アムソン酸塩(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-ジスルホン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩(benzonate)、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物塩、酪酸塩、カルシウム塩、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物塩、クエン酸塩、クラブラン酸塩(clavulariate)、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストール酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩(fumerate)、フィウナレート(fiunarate)、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マグネシウム塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル塩、硝酸メチル塩、硫酸メチル塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩、エンボン酸塩(einbonate))、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド塩および吉草酸塩が含まれる。
例えば、化合物の薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグおよび多形体を含む、本出願の化合物は、他の溶媒分子との溶媒和形態でまたは非溶媒和形態で存在することができる。
「溶媒和物」とは、化学量論量または非化学量論量のいずれかの溶媒を含む、溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物または塩は、一定モル比の溶媒分子を結晶性固相に捕捉し、これによって溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり; 溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコール和物である。水和物は1分子またはそれ以上の分子の水と、1分子の物質との組み合わせにより形成され、ここでこの水はそのH2Oとしての分子状態を保持する。
本化合物の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など) (本化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグならびに該プロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルのものを含む)、例えば鏡像異性体型(不斉炭素がない場合でも存在することがある)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー型を含む、さまざまな置換基上の不斉炭素に起因して存在することがあるものは、位置異性体(例えば、4-ピリジルおよび3-ピリジルのような)と同様に、本出願の範囲内であることが企図される。例えば、式(I)の化合物が二重結合または縮合環を組み入れる場合、シス型とトランス型の両方、および混合物が本出願の範囲内に包含される。本出願の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まないことがあり、あるいは例えばラセミ体として、または全ての他のもしくは他の選択された立体異性体と、混合されていることがある。本出願のキラル中心は、IUPAC 1974勧告によって定義されたSまたはR立体配置を有することができる。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに等しく適用されることが意図される。
「異性体」という用語は、同じ組成および分子量を有するが、しかし物理的および/または化学的特性が異なる化合物を指す。構造上の相違は、構成(幾何異性体)または偏光面を回転させる能力(立体異性体)にありうる。立体異性体に関して、式(I)の化合物は、1つもしくは複数の不斉炭素原子を有し、ラセミ体、ラセミ混合物として、または個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーとして存在しうる。
本明細書において、化合物の構造式は、いくつかの場合における便宜のために、特定の異性体を表しているが、本出願は、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体などのような、全ての異性体を含む。
「異性」とは、同一の分子式を有するが、しかしその原子の結合の順序が異なり、または空間内でのその原子の配置が異なる、化合物を意味する。空間内でのその原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。互いに鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と称され、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「鏡像異性体」または時に光学異性体と称される。逆対掌性の個々の鏡像異性形態の等量を含んだ混合物は、「ラセミ混合物」と称される。
本出願の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含有し、それゆえ、異なる立体異性体で存在しうる。本出願の化合物の全ての立体異性体およびラセミ混合物を含むそれらの混合物は、本出願の一部を形成することが意図される。さらに、本出願は、全ての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、本出願の化合物が二重結合または縮合環を組み入れる場合、シス型とトランス型の両方、および混合物が本出願の範囲内に包含される。本明細書において開示される各化合物は、化合物の一般構造に一致する全ての鏡像異性体を含む。化合物は、ラセミ体もしくは鏡像異性的に純粋な形態、または立体化学に関して任意の他の形態でありうる。アッセイ結果は、ラセミ体、鏡像異性的に純粋な形態、または立体化学に関して任意の他の形態について収集されたデータを反映しうる。
4つの同一でない置換基に結合した炭素原子は、「キラル中心」と称される。
「キラル異性体」とは、少なくとも1個のキラル中心を有する化合物を意味する。2個以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、または「ジアステレオマー混合物」と称されるジアステレオマーの混合物として存在しうる。1個のキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(RまたはS)により特徴付けられうる。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間における配置を指す。対象としているキラル中心に結合した置換基は、Cahn、IngoldおよびPrelogの順序付け規則(Cahn et al., Angew. Chem. Inter. Edit. 1966, 5, 385; errata 511; Cahn et al., Angew. Chem. 1966, 78, 413; Cahn and Ingold, J. Chem. Soc. 1951 (London), 612; Cahn et al., Experientia 1956, 12, 81; Cahn, J. Chem. Educ. 1964, 41, 116)にしたがって順位付けされる。
「幾何異性体」とは、その存在が二重結合周囲での回転の妨害に起因するジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、Cahn-Ingold-Prelog則にしたがって、その基が分子内の二重結合の同じ側または反対側にあることを示す接頭語シスおよびトランス、またはZおよびEによりその名称が区別される。
本出願の別の態様において、式(I)の化合物は鏡像異性体である。いくつかの態様おいて、化合物は(S)-鏡像異性体である。他の態様において、化合物は(R)-鏡像異性体である。さらに他の態様において、式(I)の化合物は(+)または(-)鏡像異性体でありうる。化合物は、2つ以上の立体中心を含みうる。
本出願の別の態様において、式(I)の化合物はジアステレオマーである。いくつかの態様において、化合物はsynジアステレオマーである。他の態様において、化合物はantiジアステレオマーである。
ジアステレオマー混合物は、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によるような、当業者に周知の方法によるその物理化学的差異に基づいて、その個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはMosher's酸塩化物のようなキラル補助基)との反応によって鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、かつ個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換する(例えば、加水分解する)ことによって分離することができる。鏡像異性体はまた、キラルHPLCカラムの使用によって分離することができる。
本出願の化合物は異なる互変異性体形態で存在しうることも可能であり、そのような形態は全て本出願の範囲内に包含される。また、例えば、化合物の全てのケト-エノール型およびイミン-エナミン型が本出願に含まれる。
「互変異性体」は、平衡状態で存在する2個またはそれ以上の構造異性体のうちの1つであり、1つの異性形態から別の異性形態へ容易に転換される。この転換は、隣接する共役二重結合の切り替えを伴う水素原子の形式的な移動をもたらす。互変異性体は、溶液中で互変異性セットの混合物として存在する。固体形態では、通常、一方の互変異性体が優勢である。互変異性が可能である溶液中では、互変異性体の化学平衡に達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒およびpHを含む、いくつかの要因に依存する。互変異性化によって相互転換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。
可能なさまざまなタイプの互変異性のうち、2つが一般的に観察される。ケト-エノール互変異性では、電子と水素原子の同時シフトが起こる。環と鎖との互変異性は、糖鎖分子中のアルデヒド基(-CHO)が同じ分子中のヒドロキシ基(-OH)のうちの1つと反応して、グルコースにより示されるような環状(環形状)の形を与える結果として、生じる。
一般的な互変異性の対は、ケトン-エノール、アミド-ニトリル、ラクタム-ラクチム、複素環式環におけるアミド-イミド酸互変異性(例えば、グアニン、チミンおよびシトシンのような核酸塩基における)、アミン-エナミンならびにエナミン-イミンである。(ピロロピリミジニル)メタノン-(ピロロピリミジニル)メタノール互変異性の対は本出願に含まれている。
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本出願は、BTKキナーゼの調節に関連する疾患および障害の処置に有用な、BTKを阻害することができる、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体に関する。本出願は、BTKを阻害するのに有用な、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体にさらに関する。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTKである。
本出願の別の局面は、薬物耐性変異(例えば、C481S変異)を持つ薬物耐性変異体BTKのような、変異体BTKのキナーゼ活性を阻害する、式(I)の化合物に関する。いくつかの態様において、患者または対象は、標的阻害を妨げるBTKキナーゼの変異(例えば、C481S変異)に起因して、BTK阻害剤に応答しないか、またはBTK阻害剤処置の後に再発する。1つの態様において、BTK変異はC481S変異である。
いくつかの態様において、本出願は、BTKの活性の阻害で、イブルチニブ、GDC-0834、RN486、CGI-560、CGI-1746、HM-71224、CC-292、ONO-4059、CNX-774、およびLFM-A13を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の公知のBTK阻害剤よりも強力である、式(I)の化合物を提供する。例えば、化合物はBTKの活性の阻害で、イブルチニブ、GDC-0834、RN486、CGI-560、CGI-1746、HM-71224、CC-292、ONO-4059、CNX-774、および/またはLFM-A13よりも少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍または約100倍強力(例えば、IC 50によって測定された場合)であることができる。
いくつかの態様において、本出願は、本明細書において記述される1つまたは複数の変異、例えば、C481Sを含むBTKの活性の阻害で、イブルチニブ、GDC-0834、RN486、CGI-560、CGI-1746、HM-71224、CC-292、ONO-4059、CNX-774、およびLFM-A13を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の公知のBTK阻害剤よりも強力である、式(I)の化合物を提供する。例えば、化合物は、本明細書において記述される1つまたは複数の変異を含むBTKの活性の阻害で、イブルチニブ、GDC-0834、RN486、CGI-560、CGI-1746、HM-71224、CC-292、ONO-4059、CNX-774、および/またはLFM-A13よりも少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍または約100倍強力(例えば、IC 50によって測定された場合)であることができる。薬物耐性BTK変異体は、C481S変異を含む薬物耐性変異を非限定的に有することができる。
阻害剤の効力は、IC50値によって決定することができる。実質的に同様の条件の下で測定された場合に、より低いIC50値を有する化合物は、より高いIC50値を有する化合物と比べてより強力な阻害剤である。
本出願の化合物は、酸化剤(例えば、3-クロロペルオキシ安息香酸(m-CPBA)および/または過酸化水素)で処理して、本出願の他の化合物を得ることによりN-オキシドに転換することができる。したがって、示され、主張される全ての窒素含有化合物は、原子価および構造によって許容される場合、示される通りの化合物と、そのN-オキシド誘導体(これはN→OまたはN+-O-と表すことができる)との両方を含むものとみなされる。さらに、他の例において、本出願の化合物中の窒素は、N-ヒドロキシ化合物またはN-アルコキシ化合物に転換することができる。例えば、N-ヒドロキシ化合物は、m-CPBAのような酸化剤による親アミドの酸化によって調製することができる。示され、主張される全ての窒素含有化合物はまた、原子価および構造によって許容される場合、示される通りの化合物と、そのN-ヒドロキシ誘導体(すなわち、N-OH)およびN-アルコキシ誘導体(すなわち、N-OR、式中でRは置換または非置換C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、3員〜14員炭素環または3員〜14員複素環)との両方を網羅するものとみなされる。
本出願において用いられる「プロドラッグ」という用語は、開示される化合物に代謝手段によって(例えば、加水分解によって)インビボで変換可能な化合物を意味する。
プロドラッグは医薬の数多くの望ましい性質(例えば、溶解度、生物学的利用能、製造など)を増強することが知られているので、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体はプロドラッグ形態で送達することができる。したがって、本出願は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体のプロドラッグ、それらを送達する方法およびそれらを含有する組成物を網羅することが意図される。「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与される場合に本出願の活性親薬物をインビボで放出する共有結合された任意の担体を含むことが意図される。プロドラッグは、通常の操作またはインビボのいずれかで、修飾が親化合物に切断されるように化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグには、本出願のプロドラッグが哺乳動物対象に投与された場合に、切断されて遊離ヒドロキシル基または遊離アミノ基をそれぞれ形成する、任意の基にヒドロキシル基またはアミノ基が結合した本出願の化合物が含まれる。プロドラッグの例としては、本明細書において記述される式の各々の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体におけるアルコールおよびアミン官能基の酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩誘導体が挙げられるが、これらに限定されることはない。
「結晶多形体」、「多形体」または「結晶形態」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶充填配置で結晶化でき、これらの全てが同じ元素組成を有する、結晶構造を意味する。異なる結晶形態は通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度硬度、結晶の形状、光学的および電気的特性、安定性ならびに溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化の速度、保存温度および他の要因が、1つの結晶形態を優勢にしうる。化合物の結晶多形体は、異なる条件下での結晶化により調製することができる。
本明細書において用いられる場合、「類似体」という用語は、別の化合物と構造的に類似しているが、しかし組成が(1つの原子の異なる元素の原子による置き換えでもしくは特定の官能基の存在で、または1つの官能基の別の官能基による置き換えなどで)わずかに異なる化合物を指す。したがって、類似体は、参照化合物と、機能および外観が類似または同等であるが、しかし構造または起源が類似または同等でない、化合物である。
本出願は同位体標識された化合物も包含するが、これらは、1つまたは複数の原子が、天然において最も一般的に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されるという事実を別にすれば、本明細書において記述される各式に列挙されたものと同一である。本出願の化合物に組み入れることができる同位体の例としては、3H、11C、14C、2Hおよび18Fのような、水素、炭素、窒素、フッ素の同位体が挙げられる。
前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は、本出願の範囲内である。本出願の同位体標識された化合物、例えば3H、14Cのような放射性同位体が組み入れられたものは、薬物および/または基質組織分布アッセイ法において有用である。トリチウム化、すなわち3Hおよび炭素-14、すなわち14C同位体は、調製および検出性の容易さのために有用である。11Cおよび18F同位体は、PET (陽電子放出断層撮影法)において有用である。PETは脳画像化において有用である。さらに、重水素、すなわち2Hのような、より重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の増加または投与量要件の低減から生じるある種の治療上の利点をもたらすことができ、ゆえに、状況次第では好ましいこともあり、同位体標識された式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は一般に、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることによって、本明細書に記述のスキームにおいておよび/または実施例において開示される手順を実行することにより調製することができる。1つの態様において、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は、同位体標識されていない。
本出願は、BTKの調節因子である化合物に関する。1つの態様において、本出願の化合物は、BTKの阻害剤である。
本出願において用いられる「投与する」、「投与すること」または「投与」という用語は、開示された化合物もしくは開示された化合物の薬学的に許容される塩または組成物を対象に直接投与することか、化合物のプロドラッグ、誘導体もしくは類似体または化合物の薬学的に許容される塩あるいは組成物を対象に投与することのいずれかを指し、これによって対象の体内で等量の活性化合物を形成することができる。
「患者」または「対象」は哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、または非ヒト霊長類、例えばサル、チンパンジー、ヒヒもしくはアカゲザルなどである。
化合物または薬学的組成物との関連で用いられる場合の「有効量」または「治療的有効量」は、本明細書において記述される対象における疾患の処置または予防に有効な量である。
対象に関して「処置する」という用語は、対象の障害の少なくとも1つの症状を改善することを指す。処置することには、障害を治癒すること、改善すること、または少なくとも部分的に改善することが含まれる。
本出願の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体はまた、疾患、状態または障害を予防するために用いることができる。本明細書において用いられる場合、「予防すること」または「予防する」とは、疾患、状態または障害の症状または合併症の発症を低減することまたは排除することを記述する。
「障害」という用語は、本出願において、別段の指示がない限り、疾患、状態、または病気という用語を意味するように用いられ、それらと互換的に用いられる。
本明細書において用いられる場合、用語「BTK介在性」疾患または障害は、BTKまたはその変異体が役割を果たすことが知られている任意の疾患または他の有害な状態を意味する。したがって、本出願の別の態様は、BTKまたはその変異体が役割を果たすことが知られている1つまたは複数の疾患の重篤度を処置することまたは軽減することに関する。具体的には、本出願は、その必要がある患者に式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは本出願による組成物を投与する段階を含む、増殖性障害または自己免疫障害から選択される疾患または状態の重篤度を処置または軽減する方法に関する。
本明細書において用いられる場合、「細胞増殖性障害」という用語は、細胞の未調節もしくは異常な増殖、またはこの両方が、がん性であってもがん性でなくてもよい望ましくない状態または疾患をもたらしうる状態を指す。本出願の例示的な細胞増殖性障害は、細胞***が調節されない種々の状態を包含する。例示的な細胞増殖性障害としては、新生物、良性腫瘍、悪性腫瘍、前がん状態、インサイチュ腫瘍、被包性腫瘍、転移性腫瘍、液体腫瘍、固形腫瘍、免疫学的腫瘍、血液学的腫瘍、がん、がん腫、白血病、リンパ腫、肉腫、および急速に***する細胞が挙げられるが、これらに限定されることはない。「急速に***する細胞」という用語は、本明細書において用いられる場合、同じ組織内の隣接または近接する細胞の間で予測または観察されるものを超える速度、またはより大きい速度で***する、任意の細胞と定義される。細胞増殖性障害は、前がんまたは前がん状態を含む。細胞増殖性障害は、がんを含む。好ましくは、本明細書において提供される方法は、がんの症状を処置または軽減するために用いられる。「がん」という用語は、固形腫瘍、ならびに血液学的腫瘍および/または悪性疾患を含む。「前がん細胞(precancer cell)」または「前がん細胞(precancerous cell)」とは、前がんまたは前がん状態である細胞増殖性障害を示す細胞である。「がん細胞(cancer cell)」または「がん細胞(cancerous cell)」とは、がんである細胞増殖性障害を示す細胞である。再現性のある任意の測定手段を用いて、がん細胞または前がん細胞を同定しうる。がん細胞または前がん細胞は、組織サンプル(例えば、生検サンプル)の組織学的分類または悪性度分類によって同定することができる。がん細胞または前がん細胞は、適切な分子マーカーの使用によって同定することができる。
例示的な非がん性状態または障害としては、慢性関節リウマチ; 炎症; 自己免疫疾患; リンパ増殖状態; 先端巨大症; リウマチ様脊椎炎; 変形性関節症; 痛風、他の関節炎状態; 敗血症; 敗血症性ショック; 内毒素ショック; グラム陰性敗血症; トキシックショック症候群; 喘息; 成人呼吸促進症候群; 慢性閉塞性肺疾患; 慢性肺炎症; 炎症性腸疾患; クローン病;乾癬; 湿疹;潰瘍性大腸炎; 膵臓線維症; 肝臓線維症; 急性および慢性の直腸疾患; 過敏性腸症候群; ピレシス(pyresis); 再狭窄; 大脳マラリア; 脳卒中および虚血性損傷; 神経性外傷; アルツハイマー病; ハンティングトン病; パーキンソン病; 急性および慢性の疼痛; アレルギー性鼻炎; アレルギー性結膜炎; 慢性心不全; 急性冠状脈症候群; 悪質液; マラリア; らい病; リーシュマニア病; ライム病; ライター症候群; 急性滑膜炎; 筋肉の退化、滑液包炎; 腱炎; 腱滑膜炎; ヘルニア様、破裂、もしくは脱出した椎間円板症候群; 大理石骨病; 血栓症; 再狭窄; 珪肺症; 肺筋肉異常増殖; 骨吸収疾患、例えば骨粗鬆症; 対宿主性移植片反応;多発性硬化症; 狼瘡; 線維筋痛症; AIDSおよび他のウイルス性疾患、例えば帯状疱疹、単純疱疹IもしくはII、インフルエンザウイルスおよびサイトメガロウイルス; ならびに真性糖尿病が挙げられるが、これらに限定されることはない。
例示的ながんとしては、副腎皮質がん腫、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、肛門直腸がん、肛門管のがん、虫垂がん、小児期の小脳星状細胞腫、小児期の大脳星状細胞腫、基底細胞がん、皮膚がん(非黒色腫)、胆管がん、肝臓外総胆管がん、肝臓内総胆管がん、膀胱がん(bladder cancer)、膀胱がん(urinary bladder cancer)、骨および関節のがん、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳がん、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫/悪性星状細胞腫、脳室上衣細胞腫、髄芽細胞腫、テント上方未分化神経外胚葉性腫瘍、視路および視床下部性神経膠腫、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、類がん腫、胃腸、神経系がん、神経系リンパ腫、中枢神経系がん、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、小児期のがん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ様新生物、菌状息肉腫、セザリー(Seziary)症候群、子宮内膜がん、食道がん、頭蓋外生殖細胞腫瘍、肝臓外生殖細胞腫瘍、肝臓外総胆管がん、眼のがん、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢がん、胃(gastric(stomach))がん、胃腸類がん腫、胃腸間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍、卵巣生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍神経膠腫、頭頚部がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、眼のがん、ランゲルハンス島細胞腫瘍(内分泌膵臓)、カポージ肉腫、腎臓がん、直腸がん、腎臓がん、咽頭がん、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリーセル白血病、唇および口腔のがん、肝臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中枢神経系原発性リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、髄芽細胞腫、黒色腫、眼内(眼)黒色腫、メルケル細胞がん腫、悪性中皮腫、中皮腫、転移性扁平(squamous)頚部がん、口腔がん、舌のがん、多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、上咽頭がん、神経芽細胞腫、口のがん、口腔がん、口腔咽頭がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、境界悪性卵巣腫瘍、膵臓がん、島細胞膵臓がん、副鼻腔および鼻腔のがん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体芽細胞腫およびテント上方未分化神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽細胞腫、前立腺がん、直腸がん、腎盤および尿管、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横文筋肉腫、唾液腺がん、ユーイングファミリーの肉腫腫瘍、カポージ肉腫、軟組織肉腫、子宮がん、子宮肉腫、皮膚がん(非黒色腫)、皮膚がん(黒色腫)、メルケル細胞皮膚がん腫、小腸がん、軟組織肉腫、扁平上皮がん、胃がん、テント上方未分化神経外胚葉性腫瘍、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫、胸腺腫および胸腺がん腫、甲状腺がん、腎盤および尿管ならびに他の泌尿器の移行細胞がん、妊娠性絨毛腫瘍、尿道がん、子宮内膜子宮がん、子宮肉腫、子宮体がん、膣がん、外陰部がん、ならびにウィルムス腫瘍が挙げられるが、これらに限定されることはない。
化合物を調製するための方法
本出願の化合物は、標準化学を含む、種々の方法によって作出されうる。適当な合成経路を以下に示すスキームに描く。
式(I)の化合物は、部分的に以下の合成スキームにより示される有機合成の技術分野において知られている方法により調製されうる。下記スキームにおいて、感受性基または反応性基の保護基は、一般的な原理または化学にしたがい必要に応じて利用されることが十分に理解される。保護基は、有機合成の標準的な方法にしたがって操作される(T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, Third edition, Wiley, New York 1999)。これらの基は、当業者には容易に明らかな方法を用いて、化合物合成の簡便な段階で除去される。選択プロセス、ならびに反応条件およびそれらの実行順序は、本出願の化合物の調製と一致しなければならない。
当業者は、立体中心が式(I)の化合物に存在するかどうかを認識するであろう。したがって、本出願は、可能な立体異性体の両方を含み(合成において特定されない限り)、ラセミ化合物だけでなく個々の鏡像異性体および/またはジアステレオマーも含む。化合物が単一の鏡像異性体またはジアステレオマーとして所望される場合、立体特異的合成によって、または最終生成物もしくは任意の好都合な中間体の分割によって得られうる。最終生成物、中間体、または出発材料の分割は、当技術分野において公知の任意の適当な方法によって影響されうる。例えば、E. L. Eliel, S. H. WilenおよびL. N. Mander (Wiley-lnterscience, 1994)による「Stereochemistry of Organic Compounds」を参照されたい。
本明細書において記述される化合物は、市販の出発材料から作出されても、または公知の有機、無機および/もしくは酵素プロセスを用いて合成されてもよい。
本出願の化合物は、有機合成分野の当業者に周知のいくつかの方法で調製することができる。例として、本出願の化合物は、合成有機化学の分野において知られている合成方法、または当業者によって理解されるようなそれらの変法とともに、下記の方法を用いて合成することができる。好ましい方法には、以下に記述されるものが含まれるが、それらに限定されることはない。本出願の化合物(すなわち、式(I)の化合物)は、中間体2-a〜2-hを組み立てる順序を含む一般的スキーム1に概説された段階にしたがうことにより合成することができる。出発材料は市販されているか、または報告された文献におけるもしくは図示されたような既知の手順によって作出される。
一般的スキーム1
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中間体2-a、2-b、2-c、2-d、2-e、2-f、2-gおよび2-hを用いることにより式(I)の化合物を調製する一般的な方法が一般的スキーム1に概説されている。溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中で強塩基、例えば水素化ナトリウム(NaH)を用いて2-クロロ-4-フルオロベンゾニトリル2-aにフェノール2-bを求核付加して、2-cを得る。高温で溶媒、例えばエタノール中、塩基、例えば水酸化カリウム(KOH)を用いて2-cを加水分解して、カルボン酸2-dを得る。溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中、塩基、例えば炭酸カリウム(K2CO3)または炭酸セシウム(Cs2CO3)を用いヨウ化メチルで2-dをエステル化して2-eを得る。溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)中、強塩基、例えばn-ブチルリチウム(n-BuLi)を用い2-eで中間体2-fをアシル化して2-gを得る。塩基、例えばN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用いて、および任意で溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中でアミン2-hを塩化アリール2-gに求核付加して、式(I)の化合物を得る。
上記のプロセスから得られる鏡像異性体、ジアステレオマー、シス/トランス異性体の混合物は、分離の性質に応じて、キラル塩技法、順相、逆相またはキラルカラムを用いたクロマトグラフィーによりそれらの単一成分に分離することができる。
生物学的アッセイ法
BTKキナーゼ活性アッセイ法
試験阻害剤および対照を溶媒(すなわち、DMSO)中で調製し、反応プレートの各ウェルに添加する。全長活性BTKをアッセイ緩衝液中で希釈し、各ウェルに添加する。プレインキュベーション後、ビオチン化PLCγ2ペプチドおよびATPを含有するアッセイ緩衝液中で希釈された活性化混合物の添加によってキナーゼ反応を開始する。プレートをインキュベートし、アッセイ緩衝液中で調製された停止/検出混合物の添加により、反応を暗所中で停止させる。アッセイプレートを暗所中でインキュベートし、プレートをプレートリーダーで読み取る。
BTK C481Sキナーゼ活性アッセイ法
試験阻害剤および対照を所望の終濃度にて溶媒(すなわち、DMSO)中で調製し、反応プレートの各ウェルに添加する。全長BTKC481Sをアッセイ緩衝液中で希釈し、ある容量で各ウェルに添加する。プレインキュベーション後、ビオチン化PLCγ2ペプチドおよびATPを含有するアッセイ緩衝液中で希釈された活性化混合物の添加によってキナーゼ反応を開始する。プレートをインキュベートし、アッセイ緩衝液中で調製された停止/検出混合物の添加により、反応を暗所中で停止させる。アッセイプレートを暗所中でインキュベートし、プレートをプレートリーダーで読み取る。
抗増殖アッセイ法
細胞生存は、MTSアッセイ法によって決定する。簡潔には、細胞(すなわち、TMD-8細胞またはRec-1細胞)を96ウェルプレート中にプレーティングし、完全増殖培地中で培養し、次いでさまざまな薬物および薬物の組み合わせで処理する。MTS/PMSを添加し、インキュベートした後に、マイクロプレートリーダーを用いて細胞生存性の評価を行う。データを未処理対照に対して規準化し、Microsoft Excelで分析する。
化合物を使用する方法
本出願の別の局面は、BTKの調節(例えば、BTKの阻害)に関連する疾患または障害を処置、予防、阻害または排除する方法に関する。本方法は、BTKの調節に関連する疾患または障害の処置を必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは式(I)の化合物の薬学的組成物を投与する段階を含む。1つの態様において、BTK介在性障害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される。いくつかの態様において、本方法は、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤から選択されるさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
本出願の別の局面は、その必要がある患者に治療的有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは式(I)の化合物の薬学的組成物を投与する段階を含む、細胞増殖性障害を処置、予防、阻害または排除する方法に関する。1つの態様において、細胞増殖性障害はがんである。いくつかの態様において、本方法は、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤から選択されるさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む。
本出願の別の局面は、その必要がある患者に治療的有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体、あるいは式(I)の化合物の薬学的組成物を投与する段階を含む、BTKを調節する方法に関する。1つの態様において、BTKを調節することはBTKを阻害することである。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
本出願の別の局面は、BTK介在性障害を処置する方法に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体に関する。1つの態様において、疾患または障害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される。いくつかの態様において、本方法は、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤から選択されるさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
別の局面において、本出願は、BTK介在性障害を処置する方法に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の薬学的組成物に関する。1つの態様において、疾患または障害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される。いくつかの態様において、本方法は、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤から選択されるさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
本出願の別の局面は、細胞増殖性障害を処置、予防、阻害または排除する方法に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体に関する。1つの態様において、細胞増殖性障害はがんである。
別の局面において、本出願は、細胞増殖性障害を処置、予防、阻害または排除する方法に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の薬学的組成物に関する。1つの態様において、細胞増殖性障害はがんである。
本出願の別の局面は、BTKの調節に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体に関する。1つの態様において、BTKを調節することはBTKを阻害することである。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
別の局面において、本出願は、BTKの調節に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の薬学的組成物に関する。1つの態様において、BTKを調節することはBTKを阻害することである。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
本出願の別の局面は、BTK介在性疾患または障害を処置するための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の使用に関する。1つの態様において、疾患または障害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される。いくつかの態様において、処置は、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤から選択されるさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
別の局面において、本出願は、BTK介在性疾患または障害を処置するための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の薬学的組成物の使用に関する。1つの態様において、疾患または障害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される。いくつかの態様において、処置は、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤から選択されるさらなる治療剤を投与する段階をさらに含む。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
本出願の別の局面は、細胞増殖性障害を処置、予防、阻害または排除するための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の使用に関する。1つの態様において、細胞増殖性障害はがんである。
別の局面において、本出願は、細胞増殖性障害を処置、予防、阻害または排除するための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の薬学的組成物の使用に関する。1つの態様において、細胞増殖性障害はがんである。
本出願の別の局面は、BTKを調節するための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の使用に関する。1つの態様において、BTKを調節することはBTKを阻害することである。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
別の局面において、本出願は、BTKを調節するための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の薬学的組成物の使用に関する。1つの態様において、BTKを調節することはBTKを阻害することである。いくつかの態様において、BTKは野生型BTKである。他の態様において、BTKは変異体BTK (例えば、BTK C481S変異体)である。
本明細書において記述される方法および使用のいくつかの態様において、がんは、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、尿生殖器がん、食道がん、喉頭がん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃がん、皮膚がん、角化棘細胞腫、肺がん、類表皮がん、大細胞がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞がん、肺腺がん、骨がん、結腸がん、腺腫、膵臓がん、腺がん、甲状腺がん、濾胞がん、未分化がん、乳頭がん、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱がん、肝がんおよび胆道がん、腎臓がん、膵臓がん、骨髄障害、リンパ腫、毛様細胞、口腔がん、上咽頭がん、咽頭がん、***がん、舌がん、口のがん、小腸がん、結腸直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳および中枢神経系のがん、ホジキン白血病、気管支がん、甲状腺がん、肝臓および肝内胆管のがん、肝細胞がん、胃がん、神経膠腫/神経膠芽腫、子宮内膜がん、黒色腫、腎臓および腎盂のがん、膀胱がん、子宮体がん、子宮頸がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、骨髄性白血病、口腔および咽頭のがん、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、ならびに結腸絨毛腺腫から選択される。
本出願の態様のいずれかにおいて、がんは任意の臓器における任意のがんであることができ、例えば、がんは、神経膠腫、甲状腺がん、乳がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、胃がん、結腸がん、消化管間質がん、膵臓がん、胆管がん、CNSがん、卵巣がん、子宮内膜がん、前立腺がん、腎臓がん、未分化大細胞リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、中皮腫および黒色腫、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。
本明細書において記述される方法および使用のいくつかの態様において、疾患または障害は免疫障害である。1つの態様において、免疫障害は関節リウマチである。
本明細書において記述される方法および使用のいくつかの態様において、疾患または障害は全身および局所炎症、関節炎、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬である。
1つの態様において、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害を含む、BTKの調節に関連する疾患または障害を処置する方法は、該疾患または障害の少なくとも1つに罹患している患者に式(I)の化合物を投与する段階を含む。
開示される本出願の化合物は、障害を処置もしくは予防するのに、および/または対象におけるその発生を予防するのに有効な量で投与することができる。
本出願の化合物は、1つもしくは複数の治療剤(医薬の組み合わせ)またはモダリティ、例えば非薬物療法との併用療法において治療的有効量で投与することができる。例えば、相乗効果は、他の抗増殖性、抗がん性、免疫調節性または抗炎症性物質で起こりうる。いくつかの態様において、式(I)の化合物は、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤から選択されるさらなる治療剤と組み合わせて投与される。本出願の化合物が他の治療と併せて投与される場合、共投与される化合物の投与量は、もちろん、利用される共薬物の種類に応じて、利用される特定の薬物に応じて、処置される状態に応じてなど変化するであろう。
併用療法には、他の生物学的に活性な成分(限定されることはないが、抗炎症剤、免疫調節剤、化学療法剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための剤、肝臓疾患を処置するための剤、抗ウイルス剤、血液障害を処置するための剤、糖尿病を処置するための剤、および免疫不全障害を処置するための剤のような)および非薬物療法(限定されることはないが、手術または放射線処置のような)とさらに組み合わせた本化合物の投与が含まれる。例えば、本出願の化合物は、他の薬学的に活性な化合物、好ましくは本出願の化合物の効果を増強することができる化合物と組み合わせて用いることができる。本出願の化合物は、(単一の調製物もしくは別個の調製物として)同時にまたは他の薬物療法もしくは処置モダリティに連続して投与することができる。一般に、併用療法は、単一サイクルまたは治療過程の間に2種またはそれ以上の薬物の投与を想定している。
薬学的組成物
本出願はまた、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体と組み合わせて、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体を含む、薬学的組成物を提供する。
「薬学的組成物」とは、本出願の化合物を含有する、対象への投与に適した形態の処方物である。1つの態様において、薬学的組成物は、バルク形態または単位投与量形態である。単位投与量形態は、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器またはバイアルの単一ポンプを含む、種々の形態のいずれかである。単位用量の組成物中の活性成分(例えば、本開示の化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体の製剤)の量は、有効量であり、関与する特定の処置によって変化する。当業者は、患者の年齢および状態に依って、投与量に対する慣用的な変更を行うことが時に必要であることを理解するであろう。投与量はまた、投与経路に依るであろう。経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、頬、舌下、胸膜腔内、鞘内、鼻腔内などを含めて、種々の経路が企図される。本出願の化合物の局所投与または経皮投与のための剤形は、粉末、スプレイ、軟膏剤、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤を含む。1つの態様において、活性成分は、滅菌条件下で薬学的に許容される担体と混合され、必要とされる任意の防腐剤、緩衝液または噴射剤と混合される。
本明細書において用いられる場合、「薬学的に許容される」という語句は、合理的な医療判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、合理的な利益/危険比に合う、ヒトおよび動物の組織と接触させて用いるのに適した、化合物、材料、組成物、担体、および/または剤形を指す。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、一般的に安全であり、非毒性であり、生物学的にも他の点でも望ましくないことがない、薬学的組成物を調製する際に有用な賦形剤を意味し、獣医学用途およびヒト医薬用途のために許容される賦形剤を含む。「薬学的に許容される賦形剤」とは、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる場合、1つのこのような賦形剤と、2つ以上のこのような賦形剤との両方を含む。
本出願の薬学的組成物は、その意図した投与経路に合うように処方される。投与経路の例としては非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)および経粘膜の投与が挙げられる。非経口、皮内または皮下の用途に用いられる溶液または懸濁物は、以下の成分を含有することができる: 注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような滅菌希釈剤; ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤; アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような酸化防止剤; エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤; 酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のような緩衝液、および塩化ナトリウムまたはデキストロースのような、張度の調整用の薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのような、酸または塩基を用いて調整することができる。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチックから作製された、アンプル、使い捨て注射器または多用量バイアルに収容することができる。
本出願の化合物または薬学的組成物は、化学療法処置のために現在用いられている周知の方法の多くで、対象に投与することができる。例えば、がんの処置の場合、本出願の化合物は、腫瘍に直接注入され、血流もしくは体腔に注射され、または経口摂取され、またはパッチを用い皮膚を通して貼付されうる。選択される用量は、有効な処置を構築するために十分であるべきだが、しかし許容されない副作用を引き起こすほど高くすべきではない。疾患状態(例えば、がん、前がんなど)の状態および患者の健康状態は、好ましくは、処置後の合理的な期間中およびその期間にわたって、綿密に監視されるべきである。
「治療有効量」という用語は、本明細書において用いられる場合、同定された疾患もしくは状態を処置、軽減もしくは予防するための、または検出可能な治療効果もしくは阻害効果を示すための薬剤の量を指す。効果は、当技術分野において公知の任意のアッセイ法により検出することができる。対象に的確な有効量は、対象の体重、サイズおよび健康状態; 状態の性質および程度; ならびに投与のために選択された治療用物質または治療用物質の組み合わせに依るであろう。所与の状況に対する治療有効量は、臨床医の技能および判断の範囲内である日常の実験によって判定することができる。1つの態様において、疾患または障害は、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害、および神経障害より選択される。別の態様において、処置される疾患または状態は、がんである。別の態様において、処置される疾患または状態は、細胞増殖性障害である。
任意の化合物について、治療有効量は、最初に例えば新生物細胞の、細胞培養アッセイ法または動物モデル、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌもしくはブタのいずれかにおいて推定することができる。動物モデルはまた、適切な濃度範囲および投与経路を判定するために用いられうる。次いで、そのような情報を用いて、ヒトでの投与に有用な用量および経路を判定することができる。治療/予防の効力および毒性は、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順、例えば、ED50 (集団の50%において治療的に有効な用量)およびLD50 (集団の50%に対して致命的な用量)によって判定されうる。毒性と治療効果との用量比が治療指数であり、これは比LD50/ED50として表すことができる。大きな治療指数を示す薬学的組成物が好ましい。投与量はこの範囲内で、利用される剤形、患者の感受性、および投与経路に依って変化しうる。
投与量および投与は、十分なレベルの活性作用物質を提供するように、または所望の効果を維持するように調節される。考慮されうる要因には、疾患状態の重症度、対象の一般的健康状態、対象の年齢、体重および性別、食事、投与の回数および頻度、薬物の組み合わせ、反応感受性、ならびに治療に対する寛容/応答が含まれる。長時間作用性の薬学的組成物は、特定の処方物の半減期およびクリアランス速度に依って、3〜4日ごとに、毎週、または2週間ごとに1回投与されうる。
本出願の活性化合物(すなわち式(I)の化合物)を含有する薬学的組成物は、一般的に公知である様式で、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖剤作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、捕捉、または凍結乾燥のプロセスによって製造されうる。薬学的組成物は、薬学的に使用できる調製物への活性化合物の加工処理を容易にする賦形剤および/または補助成分を含む1つまたは複数の薬学的に許容される担体を用い従来の様式で処方されうる。もちろん、適切な処方物は、選択される投与経路に依存する。
注射可能な用途に適した薬学的組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)または滅菌分散液および注射可能な滅菌溶液または滅菌分散液の即時調製用の滅菌粉末を含む。静脈内投与の場合、適当な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL (商標) (BASF, Parsippany, N.J.)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。いかなる場合でも、この組成物は無菌でなければならず、容易に注射できる程度に流動性とするべきである。これは製造および保存の条件下で安定でなければならず、これは細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。この担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびその適当な混合物を含む溶媒または分散媒とすることができる。その適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には必要とされる粒径の維持によりおよび界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用からの保護はさまざまな抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖類、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、塩化ナトリウムを組成物の中に含めることが好ましいであろう。注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物の中に含めることにより実現することができる。
注射可能な滅菌溶液は、必要とされる量の活性化合物を適切な溶媒中に、必要に応じて、上記に列挙した成分の一つまたは組み合わせとともに組み入れ、続けてろ過滅菌を行うことによって調製することができる。一般に、分散液は活性化合物を、基本的な分散媒および上記に列挙したものから必要とされるその他の成分を含む滅菌媒体の中に組み入れることによって調製される。注射可能な滅菌溶液の調製用の滅菌粉末の場合、調製の方法は、活性成分に加えて所望とされる付加的な任意の成分の粉末を予め滅菌ろ過したその溶液からもたらす真空乾燥法および凍結乾燥法である。
経口用組成物は一般に、不活性希釈剤または食用の薬学的に許容される担体を含む。それらはゼラチンカプセルの中に封入され、または錠剤に圧縮されることができる。治療的な経口投与を目的に、活性化合物を賦形剤とともに組み入れて、錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用することができる。経口用組成物はうがい薬として用いるために液体担体を使用して調製することもでき、この場合、液体担体中の化合物は経口的に適用され、かつうがいされ(swished)、かつ喀出されまたは嚥下される。薬学的に適合する結合剤および/または補助物質を、組成物の一部として含めることができる。この錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分のいずれかまたは似通った性質の化合物を含むことができる: 微結晶性セルロース、トラガカントゴムもしくはゼラチンのような結合剤; でんぷんもしくはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、Primogel、もしくはとうもろこしでんぷんのような崩壊剤; ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotesのような滑沢剤; コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤; スクロースもしくはサッカリンのような甘味剤; またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ風味のような香料添加剤。
吸入による投与の場合、化合物は、適した噴射剤、例えば、二酸化炭素のようなガスを含有する加圧容器もしくは分注機、または噴霧器からエアロゾルスプレイの形態で送達される。
全身投与を経粘膜的なまたは経皮的な手段によるものとすることもできる。経粘膜投与または経皮投与の場合、浸透される障壁に適した浸透剤が処方物の中に用いられる。そのような浸透剤は一般に当技術分野において公知であり、例えば、経粘膜投与の場合、界面活性剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は鼻腔用スプレイまたは坐剤の使用により達成することができる。経皮投与の場合、活性化合物は当技術分野において一般に公知であるように軟膏剤、膏薬、ゲル、またはクリームの中に処方される。
活性化合物はインプラントおよびマイクロカプセル化した送達系を含めて、制御放出処方物のような、体内からの迅速除去から化合物を防御できる薬学的に許容される担体とともに調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような、生体分解・生体適合性高分子を用いることができる。そのような処方物の調製方法は当業者には明らかであろう。その材料はAlza社およびNova Pharmaceuticals社から商業的に入手することもできる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体によって感染細胞を標的とするリポソームを含めて)を薬学的に許容される担体として用いることもできる。これらは当業者に公知の方法により、例えば、米国特許第4,522,811号に記述されているように、調製することができる。
投与の容易さおよび投与量の均一性のために、経口用組成物または非経口用組成物を投与量単位形態で処方することが特に有利である。投与量単位形態とは、本明細書において用いられる場合、処置される対象のために単一投与量として適した、物理的に不連続な単位を指し、各単位は、所望の治療効果を生じると計算された所定量の活性化合物を、必要とされる薬学的担体に関連して含有する。本出願の投与量単位形態の仕様は、活性化合物の独特の特徴および達成されたい特定の治療効果により決定され、それらに直接依存する。
治療用途において、本出願により用いられる薬学的組成物の投与量は、選択された投与量に影響を与える他の要因のなかでも特に、作用物質、レシピエント患者の年齢、体重、および臨床状態、ならびにその治療を施す医師または開業医の経験および判断に依って変化する。一般に、用量は、腫瘍の増殖の緩徐化、および好ましくは退縮をもたらすのに、また好ましくは、がんの完全な退縮を引き起こすのに十分とすべきである。投与量は約0.01 mg/kg/日〜約5000 mg/kg/日に及ぶことができる。薬剤の有効量は、医師または他の権限のある観察者が気付くような、客観的に同定可能な改善をもたらす量である。例えば、患者における腫瘍の退縮は、腫瘍の直径に関連して測定されうる。腫瘍の直径の減少は退縮を示す。退縮は、処置を止めた後に腫瘍が再発しないことでも示される。本明細書において用いられる場合、「投与量有効様式」という用語は、対象または細胞において所望の生物学的効果を生じるための活性化合物の量を指す。
薬学的組成物は、投与のための使用説明書とともに容器、パックまたは分注機に含めることができる。
本明細書において用いられる場合、「薬学的に許容される塩」とは、親化合物がその酸性塩または塩基性塩を作出することにより修飾されている、本出願の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミン、アルカリのような塩基性残基の鉱酸塩もしくは有機酸塩、またはカルボン酸のような酸性残基の有機塩などが挙げられるが、これらに限定されることはない。薬学的に許容される塩は、例えば非毒性の無機酸または有機酸から形成された、親化合物の従来の非毒性の塩または第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そのような従来の非毒性塩は、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリアルサニリン(glycollyarsanilic)酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン(hydrabamic)酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル(napsylic)酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン(subacetic)酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および一般に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される無機酸および有機酸から導出される塩を含むが、これらに限定されることはない。
薬学的に許容される塩の他の例としては、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ムコン酸などが挙げられる。本出願はまた、親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられる場合; またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどのような有機塩基と配位する場合のいずれかに形成される塩を包含する。
薬学的に許容される塩に対する全ての言及は、同じ塩の、本明細書において定義される溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形体)を含むことが理解されるべきである。
本出願の化合物はまた、エステル、例えば、薬学的に許容されるエステルとして調製することができる。例えば、化合物中のカルボン酸官能基は、その対応するエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステルまたは他のエステルに転換することができる。また、化合物中のアルコール基は、その対応するエステル、例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステルまたは他のエステルに転換することができる。
本出願の化合物はまた、プロドラッグ、例えば、薬学的に許容されるプロドラッグとして調製することができる。「プロ-ドラッグ」および「プロドラッグ」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、インビボで活性な親薬物を放出する任意の化合物を指す。プロドラッグは、医薬の多数の所望の性質(例えば、溶解性、生物学的利用能、製造など)を増強することが公知であるので、本出願の化合物は、プロドラッグの形態で送達することができる。したがって、本出願は、本願主張の化合物のプロドラッグ、それらを送達する方法、およびそれらを含有する組成物を網羅することが意図される。「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが対象に投与される場合に、本出願の活性親薬物をインビボで放出する、任意の共有結合された担体を含むことが意図される。本出願におけるプロドラッグは、その化合物に存在する官能基を、慣用的な操作でまたはインビボでのいずれかで、修飾が切断されて親化合物になるような様式で修飾することによって調製される。プロドラッグは、ヒドロキシ基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基またはカルボニル基がインビボで切断されて、それぞれ、遊離ヒドロキシル基、遊離アミノ基、遊離スルフヒドリル基、遊離カルボキシ基または遊離カルボニル基を形成しうる任意の基に結合された、本出願の化合物を含む。
プロドラッグの例としては、本出願の化合物の、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ジアルキルアミノアセテート、ホルメート、ホスフェート、スルフェートおよび安息香酸誘導体)ならびにカルバメート(例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニル)、カルボキシル官能基のエステル(例えば、エチルエステル、モルホリノエタノールエステル)、アミノ官能基のN-アシル誘導体(例えば、N-アセチル) N-マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、ケトン官能基およびアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステルなどが挙げられるが、これらに限定されることはなく、Bundegaard, H., Design of Prodrugs, p1-92, Elsevier, New York-Oxford (1985)を参照されたい。
化合物、または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体、もしくは誘導体は、経口、経鼻、経皮、肺、吸入、頬、舌下、腹腔内、皮下、筋肉内、静脈内、直腸、胸膜腔内、鞘内および非経口で投与される。1つの態様において、この化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は、経口投与される。当業者は、特定の投与経路の利点を認識するであろう。
化合物を利用する投薬計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態; 処置される状態の重症度; 投与経路; 患者の腎機能および肝機能; ならびに採用される特定の化合物または薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体を含む種々の要因によって選択される。通常の技能を有する医師または獣医師は、状態を予防するか、状態に対抗するか、または状態の進行を食い止めるために必要とされる、薬物の有効量を容易に判定および処方することができる。
本出願の開示される化合物の処方および投与のための技法は、Remington: the Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, Mack Publishing Co., Easton, PA (1995)において見出すことができる。1つの態様において、本明細書において記述される化合物、および薬学的に許容されるその塩、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は、薬学的調製物中で、薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせて用いられる。適当な薬学的に許容される担体は、不活性な固体の増量剤または希釈剤、および滅菌水溶液または有機溶液を含む。本化合物または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物、代謝産物、多形体、類似体もしくは誘導体は、そのような薬学的組成物中に、本明細書において記述される範囲の所望の投与量を提供するために十分な量で存在するであろう。
本明細書において用いられる全ての百分率および比率は、他に示されない限り、重量による。本出願の他の特徴および利点は、さまざまな実施例から明らかである。提供される実施例は、本出願を実践する際に有用な、さまざまな成分および方法論を説明する。実施例は、主張する本出願を限定しない。本出願に基づいて、当業者は、本出願を実践するのに有用な他の成分および方法論を同定および採用することができる。
本出願を以下の実施例および合成スキームによってさらに説明するが、これらは、本明細書において記述される特定の手順に本出願の範囲または趣旨を限定するものと解釈されるべきではない。これらの実施例は、ある種の態様を説明するために提供されるものと、およびそれによって本出願の範囲を限定することを意図するものではないと理解されるべきである。本出願のおよび/または添付の特許請求の範囲の趣旨から逸脱することなく、当業者には示唆されうるさまざまな他の態様、変更、および等価物が用いられうるものとさらに理解されるべきである。
分析方法、材料、および計測手段
特に断りのない限り、試薬および溶媒は、商業的供給業者から受け取ったまま用いられた。プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、BrukerまたはVarian分光計のいずれかにて400 MHzで得られた。スペクトルはppm (δ)で示され、結合定数Jはヘルツで報告される。テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として用いた。質量スペクトルは、Waters ZQ Single Quad質量分析計(イオントラップESI)を用いて収集された。純度および低分解能質量スペクトルデータは、Acquity Photo Diode Array Detector、Acquity Evaporative Light Scattering Detector (ELSD)およびWaters ZQ Mass Spectrometerを備えたWaters Acquity i-class超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC)システムを用いて測定された。Waters MassLynx 4.1ソフトウェアを用いてデータを取得し、UV波長220 nm、ELSDおよびESIによって純度を特徴付けた。カラム: Acquity UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×50 mm; 流速0.6 mL/分; 溶媒A (95/5/0.1 10 mMギ酸アンモニウム/アセトニトリル/ギ酸)、溶媒B (95/5/0.09アセトニトリル/水/ギ酸); 勾配: 0から2分まで5〜100% B、2.2分まで100% B、その後2.21分で5% Bを保持する。
以下の実施例および本明細書の他の箇所で用いられる略語は、以下である:
DCM ジクロロメタン
DIEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DTT ジチオスレイトール
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EGTA エチレングリコール四酢酸
Et2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
LCMS 液体クロマトグラフィー - 質量分析
MeOH メタノール
MS 質量分析
NMR 核磁気共鳴
ppm 百万分率
実施例1: 2-クロロ-4-フェノキシベンゾエート(中間体2-D)
Figure 0006634520
段階1: 2-クロロ-4-フェノキシベンゾニトリル(中間体2-B)
DMF (30 mL)に溶解したフェノール(3.66 g, 39 mmol)を、ガス発生が止むまで少量ずつ、油中に分散したNaH 60% (1.56 g, 39 mmol)で処理した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで2-クロロ-4-フルオロベンゾニトリル(2-A, 5.0 g, 32.5 mmol)を添加した。混合物を、完了まで(LCMS)室温で3時間撹拌した。揮発性物質を真空除去し、粗生成物をDCM/水に分配した。有機相を分離し、飽和塩水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。濃縮して灰白色固体7.5 gを得た。
Figure 0006634520
段階2: 2-クロロ-4-フェノキシ安息香酸(中間体2-C)
2-クロロ-4-フェノキシベンゾニトリル(2-B, 7.0 g, 30.6 mmol)、水酸化カリウム5M (100 mL)およびEtOH (20 mL)を還流下で6時間(出発材料が消費されるまで)撹拌した。混合物を室温まで冷却させ、混合物を濃HClでゆっくりと酸性化した。沈殿物をろ去し、乾燥して、ベージュ色の固体(2-C, 7.15 g, 94%)を得た。
Figure 0006634520
段階3: 2-クロロ-4-フェノキシ安息香酸メチル(中間体2-D)
2-クロロ-4-フェノキシ安息香酸(2-C, 5.0g, 20.2 mmol)をDMF (50 mL)に溶解し、固体K2CO3 (4.15 g, 30.1 mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、ヨウ化メチル(1.4 mL, 22.2 mmol)を滴加した。混合物を1時間かけて室温まで加温させた。出発材料は全てその期間内に消費された。混合物を水で希釈し、Et2Oで抽出した。真空で乾燥および濃縮して、黄色の油状物(2-D, 4.15 g, 79%)を得、これをさらに精製することなく用いた。
Figure 0006634520
実施例2: (2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)メタノン(化合物(I))
Figure 0006634520
段階1: 5-ブロモ-4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(中間体2-F)
温度を25〜30℃前後に維持しながら、DCM (800 mL)に溶解した4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2-E, 20.0 g, 130.7 mmol)をN-ブロモスクシンイミド(26.7 g, 149.8 mmol)で少しずつ処理した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。水を添加し(500 mL)、相を分離した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空で濃縮した。粗生成物をEt2O中で粉砕して、ろ過後に5-ブロモ-4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンを白色固体(2-F, 22.43 g, 74%)として得た。融点: 242〜244℃;
Figure 0006634520
段階2: (2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)メタノン(中間体2-G)
5-ブロモ-4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2-F, 6.90 g, 29.7 mmol)のTHF (200 mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下-78℃でn-BuLi (ヘキサン中2.69 M, 23.2 mL, 62.3 mmol)を滴加した。反応混合物を-78℃で1時間保持し、次いで2-クロロ-4-フェノキシ安息香酸メチル(2-D, 8.19 g, 31.2 mmol)のTHF (80 mL)予冷却(-78℃まで)溶液を添加した。反応混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いでHCl 1N (65 mL)の添加により反応を停止させた。混合物を室温まで加温させ、次いでEtOAc (3×100 mL)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン/EtOAc)によって精製し、(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)メタノンを 白色固体(2-G, 4.73 g, 41%)として得た。
Figure 0006634520
段階3: (2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)メタノン(I)
(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)メタノン(2-G, 200 mg, 0.52 mmol)、((2S,5R)-5-アミノテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メタノール(72 mg, 0.54 mmol)およびDIPEA (272μL, 1.56 mmol)の混合物を160℃で1時間、マイクロ波照射下で撹拌した。揮発性物質を真空で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(NH2-SiO2, DCM/MeOH)によって精製し、(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)メタノンを灰白色固体((I), 175 mg, 70%)として得た。
Figure 0006634520
実施例3: BTKキナーゼ活性アッセイ法
所望の終濃度の10倍にて10% DMSO中で試験阻害剤および対照(CGI-1746、GDC-0834、PCI-32765、ダサチニブ、およびR-406)を調製し、反応プレート(Corning 96-ウェル半領域固体無色の非結合表面プレート)の各ウェルに2.5μlの容量で添加した。全長活性BTKをアッセイ緩衝液(50 mM Tris, pH 8.0、0.02 mg/ml BSA、10 mM MgCl2、1 mM EGTA、10%グリセロール、0.2 mM Na3VO4、1 mM DTT、0.1 mM β-グリセロリン酸、および0.2 mM NaF)中で希釈し、0.08 nMの反応液25μlにおける終濃度に向けて17.5μlの容量で各ウェルに添加した。室温で30分のプレインキュベーション後、150 nMビオチン化PLCγ2および180μM ATPの終濃度に向けてビオチン化PLCγ2ペプチドおよびATPを含有するアッセイ緩衝液中で希釈した活性化混合物5μlの添加によってキナーゼ反応を開始した。プレートを室温で60分間インキュベートした。EDTAならびにAlphaScreen(商標)ストレプトアビジンドナーおよび抗pTYR100アクセプタービーズを含有するアッセイ緩衝液中で調製した停止/検出混合物10μlの添加により暗所中で反応を停止させた。終濃度は、10 mM EDTAならびに500 ng/ウェルのAlphaScreen(商標)ドナーおよびアクセプタービーズの両方であった。アッセイプレートを室温にて暗所中で60分間インキュベートし、プレートをPerkin Elmer Envision Multilabelプレートリーダー(励起波長: 640 nm、発光波長: 570 nm)にて読み取った。結果を表1に示す。
実施例4: BTK C481Sキナーゼ活性アッセイ法
所望の終濃度の10倍にて10% DMSO中で試験阻害剤および対照(スタウロスポリン)を調製し、反応プレート(Corning 96-ウェル半領域固体無色の非結合表面プレート)の各ウェルに2.5μlの容量で添加した。全長BTKC481Sをアッセイ緩衝液(50 mM Tris, pH 8.0、0.02 mg/ml BSA、10 mM MgCl2、1 mM EGTA、10%グリセロール、1 mM DTT、1 mM β-グリセロリン酸、および1 mM NaF)中で希釈し、10 nMの反応液25μlにおける終濃度に向けて17.5μlの容量で各ウェルに添加した。室温で30分のプレインキュベーション後、125 nMビオチン化PLCγ2および60μM ATPの終濃度に向けてビオチン化PLCγ2ペプチドおよびATPを含有するアッセイ緩衝液中で希釈した活性化混合物5μlの添加によってキナーゼ反応を開始した。プレートを室温で60分間インキュベートした。EDTA、スタウロスポリンならびにAlphaScreen(商標)ストレプトアビジンドナーおよび抗pTYR100アクセプタービーズを含有するアッセイ緩衝液中で調製した停止/検出混合物10μlの添加により暗所中で反応を停止させた。終濃度は、15 mM EDTA、1μMスタウロスポリンならびに500 ng/ウェルのAlphaScreen(商標) (Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay)技術ドナーおよびアクセプタービーズの両方であった。アッセイプレートを室温にて暗所中で60分間インキュベートし、プレートをPerkin Elmer Envision Multilabelプレートリーダー(励起波長: 640 nm、発光波長: 570 nm)にて読み取った。結果を表1に示す。
実施例5: 抗増殖アッセイ法
細胞生存は、MTSアッセイ法によって決定された。簡潔には、細胞(すなわち、TMD-8細胞またはRec-1細胞)を96ウェルプレート中に1ウェルあたり細胞2,000〜10,000個でプレーティングし、完全増殖培地中で24時間培養し、次いでさまざまな薬物および薬物の組み合わせで72時間処理した。MTS/PMSを添加し、4時間インキュベートした後に、マイクロプレートリーダー(490 nmでの吸光度)を用いて細胞生存性の評価を行った。データを未処理対照に対して規準化し、Microsoft Excelで分析した。結果を表1に示す。
(表1)化合物(I)の生物学的活性
Figure 0006634520
等価物
当業者は、日常的な実験だけを用いて、本明細書において具体的に記述された特定の態様に対する多数の等価物を認識し、または確定することができるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (44)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 0006634520
    またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物
  2. 式(I)の化合物:
    Figure 0006634520
    またはその薬学的に許容される
  3. 式(I)の化合物:
    Figure 0006634520
  4. 請求項1載の化合物またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物、または、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、または、請求項3に記載の化合物、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む薬学的組成物。
  5. 治療的有効量の請求項1載の化合物またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物、または、治療的有効量の請求項2記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、または、治療的有効量の請求項3記載の化合物を含む、患者におけるBTK介在性障害を処置するためまたは患者におけるBTKを調節するための薬学的組成物。
  6. BTK介在性障害が免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される、請求項5記載の薬学的組成物。
  7. がんが、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん食道がん、喉頭がん、胃がん、皮膚がん、肺がん、骨がん、膵臓がん、結腸がん、甲状腺がん、胆道がん、毛様細胞、口腔がん、上咽頭がん、***がん、舌がん、口のがん、大腸がん、小腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、脳および中枢神経系のがん、気管支がん、肝臓がん、肝内胆管のがん、膀胱がん、子宮体がん、腎臓がん、腎盂のがん、口腔のがん、咽頭のがん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、角化棘細胞腫、類表皮がん、大細胞がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞がん、肺腺がん、腺腫、腺がん、濾胞がん、未分化がん、乳頭がん、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱がん、肝がん、腎臓がん、骨髄障害、リンパ腫、ホジキン白血病、肝細胞がん神経膠腫子宮内膜がん多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫ならびに結腸絨毛腺腫から選択される、請求項6記載の薬学的組成物。
  8. 前記がんが、慢性リンパ性白血病である、請求項6記載の薬学的組成物。
  9. 前記がんが、リンパ腫である、請求項6記載の薬学的組成物。
  10. 前記リンパ腫が、非ホジキンリンパ腫である、請求項9記載の薬学的組成物。
  11. 前記リンパ腫が、B細胞リンパ腫である、請求項9記載の薬学的組成物。
  12. 前記B細胞リンパ腫が、B細胞非ホジキンリンパ腫である、請求項11記載の薬学的組成物。
  13. 前記リンパ腫が、未分化大細胞リンパ腫である、請求項9記載の薬学的組成物。
  14. 前記リンパ腫が、中枢神経系(CNS)リンパ腫である、請求項9記載の薬学的組成物。
  15. 前記中枢神経系(CNS)リンパ腫が、中枢神経系原発性リンパ腫である、請求項14記載の薬学的組成物。
  16. 前記リンパ腫が、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症である、請求項9記載の薬学的組成物。
  17. 前記がんが、骨髄障害である、請求項6記載の薬学的組成物。
  18. 前記がんが、骨髄性白血病である、請求項6記載の薬学的組成物。
  19. 前記がんが、急性骨髄性白血病である、請求項6記載の薬学的組成物。
  20. 前記がんが、多発性骨髄腫である、請求項6記載の薬学的組成物。
  21. 前記がんが、リンパ性白血病である、請求項6記載の薬学的組成物。
  22. 前記がんが、肉腫である、請求項6記載の薬学的組成物。
  23. 前記がんが、脳腫瘍である、請求項6記載の薬学的組成物。
  24. BTK介在性障害が、関節リウマチ、全身および局所炎症、関節炎、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または乾癬である、請求項5記載の薬学的組成物。
  25. BTK介在性障害を処置するためまたはBTKを調節するための薬物の製造における、請求項1載の化合物またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは溶媒和物、または、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、または請求項3に記載の化合物、あるいは請求項4記載の薬学的組成物の使用。
  26. BTK介在性障害が、免疫障害、がん、心血管疾患、ウイルス感染、炎症、代謝/内分泌機能障害および神経障害から選択される、請求項25記載の使用。
  27. がんが、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん食道がん、喉頭がん、胃がん、皮膚がん、肺がん、骨がん、膵臓がん、結腸がん、甲状腺がん、胆道がん、毛様細胞、口腔がん、上咽頭がん、***がん、舌がん、口のがん、大腸がん、小腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、脳および中枢神経系のがん、気管支がん、肝臓がん、肝内胆管のがん、膀胱がん、子宮体がん、腎臓がん、腎盂のがん、口腔がん、咽頭のがん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、角化棘細胞腫、類表皮がん、大細胞がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞がん、肺腺がん、腺腫、腺がん、濾胞がん、未分化がん、乳頭がん、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱がん、肝がん、腎臓がん、骨髄障害、リンパ腫、ホジキン白血病、肝細胞がん神経膠腫子宮内膜がん多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫ならびに結腸絨毛腺腫から選択される、請求項26記載の使用。
  28. 前記がんが、慢性リンパ性白血病である、請求項26記載の使用。
  29. 前記がんが、リンパ腫である、請求項26記載の使用。
  30. 前記リンパ腫が、非ホジキンリンパ腫である、請求項29記載の使用。
  31. 前記リンパ腫が、B細胞リンパ腫である、請求項29記載の使用。
  32. 前記B細胞リンパ腫が、B細胞非ホジキンリンパ腫である、請求項31記載の使用。
  33. 前記リンパ腫が、未分化大細胞リンパ腫である、請求項29記載の使用。
  34. 前記リンパ腫が、中枢神経系(CNS)リンパ腫である、請求項29記載の使用。
  35. 前記中枢神経系(CNS)リンパ腫が、中枢神経系原発性リンパ腫である、請求項34記載の使用。
  36. 前記リンパ腫が、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症である、請求項29記載の使用。
  37. 前記がんが、骨髄障害である、請求項26記載の使用。
  38. 前記がんが、骨髄性白血病である、請求項26記載の使用。
  39. 前記がんが、急性骨髄性白血病である、請求項26記載の使用。
  40. 前記がんが、多発性骨髄腫である、請求項26記載の使用。
  41. 前記がんが、リンパ性白血病である、請求項26記載の使用。
  42. 前記がんが、肉腫である、請求項26記載の使用。
  43. 前記がんが、脳腫瘍である、請求項26記載の使用。
  44. BTK介在性障害が、関節リウマチ、全身および局所炎症、関節炎、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植拒絶反応、アレルギー、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症/全身性硬化症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または乾癬である、請求項25記載の使用。
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