JP6631990B2 - 流動状油脂組成物 - Google Patents

流動状油脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6631990B2
JP6631990B2 JP2013230145A JP2013230145A JP6631990B2 JP 6631990 B2 JP6631990 B2 JP 6631990B2 JP 2013230145 A JP2013230145 A JP 2013230145A JP 2013230145 A JP2013230145 A JP 2013230145A JP 6631990 B2 JP6631990 B2 JP 6631990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fat
mass
fluid
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013230145A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015089350A (ja
Inventor
村田 浩彦
浩彦 村田
祐介 滝波
祐介 滝波
隆太 小中
隆太 小中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2013230145A priority Critical patent/JP6631990B2/ja
Publication of JP2015089350A publication Critical patent/JP2015089350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6631990B2 publication Critical patent/JP6631990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Grain Derivatives (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

本発明は、低温域〜高温域での広い温度範囲で、安定した流動性と固液分離耐性を有する流動状油脂組成物に関する。
バタースポンジケーキ等に用いられるケーキ練込用油脂や、大量生産のために機械化されたラインでパンを製造する際に用いられる製パン練込用油脂には、古くから、常温で固形を呈する可塑性油脂組成物ではなく、また液状油でもなく、一定の量の固形脂や乳化剤を液状油や微水添油に分散させた、常温で流動性を呈する流動状油脂組成物(例えば特許文献1、非特許文献1参照)が使用されている。
また、この流動状油脂組成物は、上記用途以外に、ソフトな食感を有するディップクリーム、シュガークリーム、バタークリーム、焼き残りクリーム等のクリーム状食品練込用油脂としても、広く使用されるようになってきている。
さらに、流動状油脂組成物のその他の用途として、脂肪分の少ない魚肉の赤身部分と混合したり、ピックルするなどの方法で、脂肪分の多いトロ様の魚肉加工食品を製造することも行われている。
しかし、この流動状油脂組成物は、普通に固形脂や乳化剤を液状油や微水添油に分散させただけでは、保存条件によっては、経日的に固形脂の油脂結晶が粗大化して、固形脂が沈殿したり、液状油が表面に分離する等して、固液分離を起こし流動状油脂組成物としての機能を失ってしまう。
さらに、このような固液分離しやすい流動状油脂組成物を用いると、バターケーキ等では、生地製造時の起泡性が悪化することに加え、ケーキ表面に粒状の模様が発生してしまう等の問題を生じ、また、パンでは、練り込まれにくくなることに加え、パンの体積減少、パンが老化しやすい等の問題を生じ、また、特にクリーム状食品では、固液分離に加え、耐熱性の低下、さらには、白色化、食感のざらつきを生じる等の問題があり、魚肉加工食品では魚肉とのなじみが悪く、油脂の染み出しやドリップが発生しやすい等の問題があった。
このため、固液分離し難い流動状油脂組成物を得るために、様々な改良が行なわれてきた。例えば、異性化水添した油脂と極度硬化油脂とをエステル交換した機能性油脂を配合した油脂組成物(例えば特許文献2参照)、ナタネ微水添油、パーム中融点部及び極度硬化油脂からなる油脂組成物(例えば特許文献3参照)等のトランス脂肪酸の機能を利用した改良が行われてきた。
しかし、特許文献2及び3それぞれに記載の油脂組成物は、固液分離耐性に乏しいことに加え、特許文献2に記載の油脂組成物は、異性化水添とエステル交換とを組み合わせて製造するため、製造方法が煩雑であるという問題があった。また、特許文献3に記載の流動状油脂組成物は、広い温度域では物性の変化がやや大きく、特に低温域(10℃以下)では使用し難いという問題があった。
また、特許文献2及び3それぞれに記載の油脂組成物は、いずれも1〜12%のトランス脂肪酸を含むものであるが、近年では、実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有する流動状油脂組成物が望まれている。
そのため、パーム軟部油をエステル交換して得られた油脂を主体とした流動状油脂組成物(例えば特許文献4参照)が提案された。
しかし、特許文献4に記載の油脂組成物は、飽和酸の含量がやや高いため、低温域での十分な流動性を確保するためには該エステル交換油に加えて液状油を多く添加することが必要となり、その場合高温域での保管や使用時に固液分離が発生しやすいという問題があった。
そのため、低温域〜高温域での広い温度範囲で、安定した流動性と固液分離耐性を有する流動状油脂組成物が求められていた。
特開昭59−17937号公報 特開平07−203847号公報 特開昭56−110798号公報 特開2006−115724号公報
「食用固形油脂」柳原昌一、昭和50年12月15日刊、P262〜272
よって、本発明の目的は、低温域〜高温域での広い温度範囲で安定した流動性と固液分離耐性を有する流動状油脂組成物を提供することにある。
また、本発明のさらなる目的は、ソフトで、口溶けが良好でありながら、耐熱性も良好なクリーム状食品、さらには魚肉に混合またはピックルする際に、魚肉とのなじみがよく、液状油の染み出しやドリップの発生が抑制され、風味が良好な魚肉加工食品を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、特定のエステル交換油脂を使用することにより、上記目的を解決し得ることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の(1)〜(3)の全てを満たすエステル交換油脂を油相中に、該油相中の全油脂量基準で50〜100質量%含有し、且つ、該油相のSFCが、10℃で5〜20%であり、20℃で1〜10%であって、該油相を80〜100質量%(組成物基準)含有することを特徴とする流動状油脂組成物、さらには、該流動状油脂組成物を含有することを特徴とするクリーム状食品及び魚肉加工食品を提供するものである。
(1)液状油と極度硬化油をエステル交換したエステル交換油脂である。
(2)SFC(固体脂含量)が、0℃で5〜25%、20℃で1〜5%、40℃で0〜2%である。
(3)30℃において流動状である。
本発明によれば、特に液状油を多く配合することなく、またトランス脂肪酸を含有せずとも、高温域で保管時や使用時に経日的に、固形脂が沈殿したり、液状油が表面に分離する等の固液分離を起こすことがなく、低温域〜高温までの広い温度域で安定した流動性を有する流動状油脂組成物を提供することができる。また、該流動状油脂組成物を使用したディップクリーム、シュガークリーム、バタークリーム、焼き残りクリーム等のクリーム状食品は、口溶けが良好でありながら、耐熱性も良好である。さらに、該流動状油脂組成物を使用した魚肉加工食品は、脂肪分の少ないたん白な風味の魚肉を使用していながら風味と食感が改善され、油脂の染み出しやドリップの発生が抑制され、品質価値が向上している。
以下、本発明の流動状油脂組成物について、その好ましい実施形態に基づいて詳述する。
先ず、本発明で使用されるエステル交換油脂について述べる。
本発明の流動状油脂組成物に用いられるエステル交換油脂は、上記(1)〜(3)の通り、液状油と極度硬化油をエステル交換し、SFC(固体脂含量)を特定の値とし、30℃における物性を特定の性状としたエステル交換油脂である。
上記液状油としては、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油等の常温(25℃)で液状の油脂が挙げられるが、その他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の常温で固体の油脂を分別することで得られた軟部油であって、常温で液状である油脂も使用することもできる。また、これらの油脂に対し、水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂についても、得られる加工油脂が常温で液状である範囲内において使用することもできる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、30℃における流動性の高いエステル交換油脂を得ることが容易であり、得られる油脂組成物の口溶けを良好なものとすることが可能な点から、上記液状油として、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油等の常温で液状の油脂のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
上記極度硬化油としては、食用油脂に対し、ヨウ素価が好ましくは5以下、更に好ましくは2以下、最も好ましくは1以下となるまで水素添加することによって得られる水素添加油脂を挙げることができる。水素添加に用いる食用油脂としては、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、ハイエルシン菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、ひまわり油、からし油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の食用油脂、また、これらの油脂に対し水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することができる。本発明においては、上記水素添加に用いる油脂として、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を混合した混合油を用いることもできる。
また、上記極度硬化油として、上記のようにして得られた極度硬化油を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明では上記極度硬化油として、脂肪酸組成において、炭素数16の飽和脂肪酸含量が好ましくは10〜35質量%、より好ましくは15〜25質量%であり、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が好ましくは15〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%である極度硬化油を使用することが、クリーミング性と口溶けと耐熱保形性を併せ持つバタークリームや可塑性油脂が得られる点で好ましい。
上記特定の脂肪酸比を有する極度硬化油を得る方法としては、炭素数16の脂肪酸を多く含有する油脂の極度硬化油と、炭素数20以上の脂肪酸を多く含有する油脂の極度硬化油とを混合する方法や、炭素数16の脂肪酸を多く含有する油脂と炭素数20以上の脂肪酸を多く含有する油脂との混合油脂を水素添加により極度硬化油とする方法、更には、炭素数16の脂肪酸を多く含有する油脂と炭素数20以上の脂肪酸を多く含有する油脂とのエステル交換油脂を水素添加により極度硬化油とする方法が挙げられる。
上記炭素数16の脂肪酸を多く含有する油脂としては、パーム油、或いはパーム油に対し水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を挙げることができ、好ましくはパーム油及び/又はパーム分別硬部油を使用する。また、上記炭素数20以上の脂肪酸を多く含有する油脂としては、ハイエルシン菜種油、からし油、及びこれらの油脂に対し水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を挙げることができ、好ましくはハイエルシン菜種油を使用する。
本発明の油脂を連続相とする油脂組成物においては、上記(1)の通り、上記液状油と上記極度硬化油をエステル交換したエステル交換油脂を使用するが、ここで、エステル交換前の液状油及び極度硬化油の配合割合は、良好な本発明の効果を得るためには、極度硬化油の配合割合が5〜35質量%であることが好ましく、より好ましくは12〜25質量%、更に好ましくは12〜20質量%である。ここで極度硬化油の配合割合が5質量%未満であると、得られるエステル交換油脂の融点が低すぎ本発明の効果が得られないおそれがあり、一方、35質量%を超えると、得られるエステル交換油脂の融点が高くなり、低融点油脂としての使用に適さなくなってしまうおそれがある。
上記エステル交換の反応は、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよく、また、ランダムエステル反応であっても、位置選択性のエステル交換反応であってもよいが、化学的触媒又は位置選択性のない酵素を用いた、ランダムエステル反応であることが好ましい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。尚、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
上記エステル交換油脂は、上記(2)の通り、SFC(固体脂含量)が0℃で5〜25%、好ましくは5〜15%、より好ましくは10〜15%であり、20℃で1〜5%、好ましくは、1〜4%、より好ましくは1〜3%であり、40℃で0〜2%、好ましくは0〜1%、より好ましくは0%である。
SFCが0℃で5%未満又は20℃で1%未満であると、本発明の流動状油脂組成物に耐熱保形性を付与することができなくなる。一方、SFCが0℃で25%を超える、及び/又は20℃で5%を超えると、油性感が強くなり、更に、SFCが40℃で2%を超えると、口溶けが大幅に悪化してしまう。
また、上記エステル交換油脂は、上記(3)の通り、30℃において流動状であることが必要である。
30℃において流動状でない場合、流動状油脂組成物への使用に適さなくなってしまうことに加え、更には、口溶けも悪くなるおそれがある。
本発明の流動状油脂組成物は、上記の(1)〜(3)の全てを満たすエステル交換油脂を油相中に、該油相中の全油脂量基準で50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%含有する。
また、本発明の流動状油脂組成物は、油相中に、極度硬化油脂を油相基準で1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%含有することにより、保管温度又は使用温度が高温域、たとえば25℃を超える場合における耐熱保形性を向上させることができる。
上記極度硬化油脂は、原料油脂に対し、ヨウ素価が好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下、最も好ましくは1未満となるまで水素添加し、実質的に構成成分である不飽和脂肪酸をほぼ完全に飽和することによって得られる油脂であって、その融点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上である。
また、上記極度硬化油脂は、上記極度硬化油脂を更に分別した硬部油、あるいは1種又は2種以上の極度硬化油脂をエステル交換したものであってもよく、また、極度硬化油脂と、飽和脂肪酸や、飽和脂肪酸を主体とする部分グリセリド等とをエステル交換したものであってもよい。本発明では、これら全てを極度硬化油脂として扱う。
本発明の流動状油脂組成物においては、上記極度硬化油脂の中でも、微細結晶が得られ、固液分離耐性が特に優れている点において、以下の(1)〜(5)のいずれかの極度硬化油脂を使用することが好ましい。
(1)「牛脂、豚脂、乳脂等の奇数酸を多く含む動物油脂や、ハイエルシン菜種油、魚油等の長鎖脂肪酸を多く含有する油脂」を原料油脂とした極度硬化油脂。
(2)「構成脂肪酸の平均鎖長が異なる2種又は3種以上の油脂からなる油脂配合物を、化学的あるいは酵素的にエステル交換して、構成脂肪酸の鎖長をばらつかせた油脂配合物」を原料油脂とした極度硬化油脂。
(3)「1種又は2種以上の油脂に、該油脂と構成脂肪酸の平均鎖長が異なる飽和脂肪酸又は該飽和脂肪酸を主体とする部分グリセリドを添加してなる油脂配合物を、化学的あるいは酵素的にエステル交換して、構成脂肪酸の鎖長をばらつかせた油脂」を原料油脂とした極度硬化油脂。
(4)構成脂肪酸の平均鎖長が異なる2種以上の極度硬化油脂をエステル交換した油脂。
(5)「1種又は2種以上の極度硬化油脂に、該極度硬化油脂と構成脂肪酸の平均鎖長が異なる飽和脂肪酸又は該飽和脂肪酸を主体とする部分グリセリドを添加してなる油脂配合物」を、化学的あるいは酵素的にエステル交換して、構成脂肪酸の鎖長をばらつかせた油脂。
本発明では、これらの中でも、ハイエルシン菜種油の極度硬化油脂、魚油の極度硬化油脂等、長鎖脂肪酸を多く含む油脂を原料油脂とした極度硬化油脂が、高温域での固液分離が特に少ない流動状油脂組成物を得られる点で好ましく使用される。
本発明の流動状油脂組成物は、油相のSFCが、10℃で5〜20%であり、20℃で1〜10%となる範囲において、その他の油脂を使用することができる。
上記その他の油脂としては、食用に適する油脂であればよく、その代表例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の常温で固体の油脂も用いることができ、更に、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することもできる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ただし、本発明の流動状油脂組成物では、上記その他の油脂として、上記の常温で液体である油脂を使用すると、特に20℃を超える環境において固液分離しやすくなるため、これについては使用しないことが好ましい。
また、本発明の流動状油脂組成物は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「トランス脂肪酸を実質的に含有しない」とは、油脂組成物の使用油脂の全構成脂肪酸中、トランス脂肪酸含量が好ましくは10質量%未満、更に好ましくは5質量%以下、最も好ましくは2質量%未満であることをいう。
水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、部分水素添加油脂は、通常構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、上述のように、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。
本発明の流動状油脂組成物に用いられる上記エステル交換油脂、及び、上記極度硬化油脂は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないため、その他の油脂に部分水素添加油脂を使用しないことにより、トランス脂肪酸を含まずとも適切なコンステンシーを有する、バタークリームや可塑性油脂組成物とすることができる。
本発明の流動状油脂組成物における上記の他の油脂の配合量は、油相中に、油相基準で好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
本発明の流動状油脂組成物においては、油相のSFCが、10℃で5〜20%であり、20℃で1〜10%である。
ここで、油相のSFCが、10℃で5%未満及び/又は20℃で1%未満であると、流動性が高すぎて、飲食品に練り込まれにくい流動状油脂組成物となってしまい、特にクリーム状食品に使用した場合には、耐熱性に乏しいものとなってしまう。また、経時的あるいは温度変動等によって液状成分が分離しやすく、その場合には流動状油脂組成物としての機能を失してしまう。
また、油相のSFCが、10℃で20%超及び/又は20℃で10%超であると、経時的にあるいは温度変動等によって固化しやすく、その場合には流動状を呈さなくなってしまう。
尚、上記SFCは、次のようにして測定する。即ち、先ず、油相を60℃に30分保持して完全に融解した後、0℃に30分保持して固化させる。次いで、25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
本発明の流動状油脂組成物における油相含量は、80〜100質量%、好ましくは90〜100質量%、より好ましくは99質量%〜100質量%である。
また、本発明の流動状油脂組成物における水相含量は、20質量%未満、好ましくは10質量%未満、より好ましくは1質量%未満である。
油相含量が80質量%未満、すなわち水相成分が20質量%以上であると、温度変動等によって固化してしまい、その場合には流動状を呈さなくなってしまう。
本発明の流動状油脂組成物は、10〜30℃の全ての温度において、粘度が、20,000mPa・s以上、特に40,000mPa・s以上であることが好ましく、200,000mPa・s以下、特に150,000mPa・s以下であることが好ましい。
10〜30℃のいずれかの温度において粘度が20,000mPa・s未満であると、経日的に固液分離を起こしやすい。また、そのような油脂組成物を使用して得られたクリーム状食品も固液分離を起こしやすく、さらに耐熱性に乏しいものとなってしまうおそれがある。
一方、10〜30℃のいずれかの温度において粘度が200,000mPa・sを超えると、流動性に乏しくなる。また、そのような油脂組成物を使用して得られたクリーム状食品は、ソフト性に乏しいものとなってしまう。
また、本発明の流動状油脂組成物には、その他の成分を含有させることができる。その他の成分としては、例えば、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、クエン酸、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、牛乳・練乳・脱脂粉乳・カゼイン・ホエーパウダー・バター・クリーム・ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・発酵乳等の乳や乳製品、蔗糖・液糖・はちみつ・ブドウ糖・麦芽糖・オリゴ糖・水飴・ソルビトール・還元水飴・モラセス等の糖類や糖アルコール類、デキストリン類、ステビア・アスパルテーム等の甘味料、β―カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチン、サポニン類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の流動状油脂組成物中、好ましくは0〜3質量%、更に好ましくは0〜1.5質量%である。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の流動状油脂組成物中、好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜5質量%である。
本発明の流動状油脂組成物中において、上記その他の成分の使用量は、それらの成分の使用目的等に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではないが、好ましくは全油脂分100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
次に、本発明の流動状油脂組成物の好ましい製造方法について説明する。本発明の流動状油脂組成物は、下記の(1)〜(3)の全てを満たすエステル交換油脂を、該油相中の全油脂量基準で50〜100質量%含有し、且つ、SFCが、10℃で5〜20%であり、20℃で1〜10%とした油相を溶解した後、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。
(1)液状油と極度硬化油をエステル交換したエステル交換油脂である。
(2)SFC(固体脂含量)が、0℃で5〜25%、20℃で1〜5%、40℃で0〜2%である。
(3)30℃において流動状である。
具体的には、先ず、上記油相に、必要により水相を混合乳化する。そして次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、上記油相を冷却し、結晶化させる。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンピネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせが挙げられる。
尚、上記その他の成分を使用する場合は基本的には油溶性成分は油相に、水溶性成分は水相に添加して製造することができるが、だまになることを避ける等の目的で、水溶性成分を油相に分散させて製造することもでき、油溶性成分を水相に分散して製造することもできる。
また、本発明の流動状油脂組成物を製造する際のいずれかの工程で、窒素、空気等を含気させてもよいが、本発明の流動状油脂組成物は、気相を含有することにより粘度が高くなり、特に低温度域での流動性が失われるおそれがあることから、気相は含有させないことが好ましい。
次に、本発明の流動状油脂組成物の用途について説明する。
本発明の流動状油脂組成物は、固液分離を起こすことがなく、広い温度域で良好な流動性を有するものであり、スプレッド用をはじめ、ソフトな食感を有するバタースポンジケーキ等に用いる練込用や、あるいは大量生産のために機械化されたラインでパンを製造する際に用いる製パン練込用、あるいは、ディップクリーム、シュガークリーム、バタークリーム、焼き残りクリーム等のクリーム状食品練込用等に、さらには脂肪分の少ない食肉や魚肉の赤身部分との混合あるいはピックル用等に、特に好適に使用することができる。
本発明のクリーム状食品について以下に述べる。
本発明のクリーム状食品は、本発明の流動状油脂組成物を含有してなるものであり、ソフトで、口溶けがよく、適度のチキソトロピー性を有しながら、耐熱性も良好であるという特徴を有する。
本発明のクリーム状食品における本発明の流動状油脂組成物の使用量は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
本発明のクリーム状食品は、従来のクリーム状食品を製造する際に使用する油脂組成物の一部又は全部を、本発明の流動状油脂組成物に置換して製造すればよい。
つまり、本発明の流動状油脂組成物を使用し、各種糖類、脱脂粉乳や全粉乳等の乳製品、食塩等の塩味剤、β−カロチン等の着色料、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、調味料、乾燥果実、粉末果汁、粉末コーヒー、ナッツペースト、香辛料、ココアマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類等の食品素材や食品添加物を加え、常法に従って加工することにより、本発明のクリーム状食品を得ることができる。
本発明のクリーム状食品は、サンドクリーム、フィリングクリーム、トッピングクリーム、ディップクリームとして、ベーカリー食品、惣菜食品、畜肉食品等の各種食品に用いることができる。また、本発明のクリーム状食品を各種のベーカリー生地、惣菜生地、畜肉生地等に、サンド、フィリング、トッピング、包餡成形等した後に焼成してもよい。
次に、本発明の魚肉加工食品について述べる。
本発明の魚肉加工食品は、本発明の流動状油脂組成物を含有してなるものであり、脂肪分の少ないたん白な風味の魚肉を使用していながら風味と食感が改善され、油脂の染み出しやドリップの発生が抑制され、品質価値が向上しているものである。
本発明の魚肉加工食品における本発明の流動状油脂組成物の使用量は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。
なお、本発明の魚肉加工食品用油脂組成物は、魚肉以外にも、牛、豚、鶏、馬、羊、鹿、猪等の畜肉に対して同様に使用することももちろん可能である。
以下に、実施例と比較例とを共に挙げて更に本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
尚、下記実施例等において、脂肪酸含量は、特に断りのない限り、構成脂肪酸組成における脂肪酸含量を示す。
<エステル交換油脂の製造>
〔製造例1〕エステル交換油脂Aの製造
菜種油(キャノーラ油)80質量部に、極度硬化油として、パーム油の極度硬化油と、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油とを50:50の質量比で混合した混合油脂(炭素数16の飽和脂肪酸含量が24質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が30質量%)20質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で15%、20℃で3%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Aを得た。
〔製造例2〕エステル交換油脂Bの製造
菜種油(キャノーラ油)80質量部に、パーム油の極度硬化油(炭素数16の飽和脂肪酸含量が44質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が0質量%)20質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で13%、20℃で2%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Bを得た。
〔製造例3〕エステル交換油脂Cの製造
菜種油(キャノーラ油)80質量部に、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油(炭素数16の飽和脂肪酸含量が3質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が59質量%)20質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で17%、20℃で4%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Cを得た
〔製造例4〕エステル交換油脂Dの製造
菜種油(キャノーラ油)88質量部に、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油とを50:50の質量比で混合した混合油脂(炭素数16の飽和脂肪酸含量が24質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が30質量%)12質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で7%、20℃で2%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Dを得た
〔比較製造例1〕エステル交換油脂Eの製造
ヨウ素価65のパーム分別軟部油にナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で32%、20℃で16%、40℃で2%であり30℃において固体であり流動状を示さず融点が33℃であるエステル交換油脂Eを得た。
〔比較製造例2〕エステル交換油脂Fの製造
菜種油(キャノーラ油)70質量部に、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油(炭素数16の飽和脂肪酸含量が3質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が59質量%)30質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で34%、20℃で12%、40℃で2%であり30℃において固体であり流動状を示さず融点が39℃であるエステル交換油脂Fを得た。
〔比較製造例3〕エステル交換油脂Gの製造
菜種油(キャノーラ油)96質量部に、極度硬化油として、パーム油の極度硬化油と、ハイエルシンナタネ油の極度硬化油とを50:50の質量比で混合した混合油脂(炭素数16の飽和脂肪酸含量が24質量%、且つ炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が30質量%)4質量部を添加し、溶解した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、SFC(固体脂含量)が0℃で3%、20℃で0%、40℃で0%であり30℃において流動状であるエステル交換油脂Gを得た。
<流動状油脂組成物の製造>
〔実施例1〕
エステル交換油A97質量部及びハイエルシンナタネ油の極度硬化油3質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの流動状油脂組成物Aを作成した。得られた流動状油脂組成物Aの油相のSFCは10℃で8%、20℃で6%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Aは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Aを直径90mmのシャーレに50g投入し、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしは全く見られず、またザラの発生も見られなかった。
[実施例2]
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Bに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Bを得た。得られた流動状油脂組成物Bの油相のSFCは10℃で7、20℃で4であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Bは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Bを直径90mmのシャーレに50g投入し、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしは全く見られず、またザラの発生も見られなかった。
[実施例3]
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Cに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Cを得た。得られた流動状油脂組成物Cの油相のSFCは10℃で9%、20℃で4%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Cは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Cを直径90mmのシャーレに50g投入し、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしは全く見られず、またザラの発生も見られなかった。
[実施例4]
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Dに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Dを得た。得られた流動状油脂組成物Dの油相のSFCは10℃で5%、20℃で5%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Dは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Dを直径90mmのシャーレに50g投入し、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしは全く見られず、またザラの発生も見られなかった。
〔実施例5〕
エステル交換油A97質量部を100質量部に変更し、更に極度硬化油を無添加とした以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Eを得た。得られた流動状油脂組成物Eの油相のSFCは10℃で5%、20℃で3%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Eは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Eを直径90mmのシャーレに50g投入し、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしは全く見られず、またザラの発生も見られなかった。
〔実施例6〕
エステル交換油A97質量部を94質量部に変更し、更に極度硬化油を3質量部から6質量部に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Fを得た。得られた流動状油脂組成物Fの油相のSFCは10℃で11%、20℃で9%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Fは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃においてやや硬いものの、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Fを直径90mmのシャーレに50g投入し、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしは全く見られず、またザラの発生も見られなかった。
〔実施例7〕
エステル交換油A97質量部を、72質量部に変更し、更にナタネ液状油を25質量部添加した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Gを得た。得られた流動状油脂組成物Gの油相のSFCは10℃で7%、20℃で5%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Gは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Gを直径90mmのシャーレに50g投入し、20℃に12時間と40℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしはほとんど見られず、またザラの発生も見られなかった。
[比較例1]
エステル交換油脂A97質量部を、エステル交換油脂E50質量部及びナタネ液状油47質量部に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Hを得た。得られた流動状油脂組成物Hの油相のSFCは10℃で14%、20℃で11%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Hは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Hを直径90mmのシャーレに50g投入し、15℃に12時間と35℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしが見られた。
[比較例2]
エステル交換油脂A97質量部を、エステル交換油脂F50質量部及びナタネ液状油47質量部に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Iを得た。得られた流動状油脂組成物Iの油相のSFCは10℃で13%、20℃で9%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Iは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、粘度は10℃において400,000mPa・s、30℃において200,000mPa・sであり、10℃における流動性が極めて悪かった。
また、得られた流動状油脂組成物Iを直径90mmのシャーレに50g投入し、15℃に12時間と35℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしが見られた。
[比較例3]
エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Gに変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Jを得た。得られた流動状油脂組成物Jの油相のSFCは10℃で4%、20℃で3%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Jは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。しかし、該流動状油脂組成物Jを、35℃に調温後、50mlビーカーに30g投入し、これを30℃の恒温槽に保管し、1週間後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしが極めて多く見られた。
また、得られた流動状油脂組成物Jを直径90mmのシャーレに50g投入し、15℃に12時間と35℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしが極めて多く見られた。
[比較例4]
エステル交換油脂Aをナタネ液状油に変更した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、流動状油脂組成物Kを得た。得られた流動状油脂組成物Kの油相のSFCは10℃で3%、20℃で3%であり、トランス脂肪酸含量は2質量%未満であり、実質的にトランス脂肪酸を含有していなかった。
得られた流動状油脂組成物Kは、ビスコメーター(TOKIMEC社製、6号ローター使用)で粘度を測定したところ、10℃から30℃の全ての温度において、粘度が20,000mPa・s〜200,000mPa・sであり、良好な流動性を呈していた。
また、得られた流動状油脂組成物Iを直径90mmのシャーレに50g投入し、15℃に12時間と35℃に12時間との温度サイクルで放置テストを行った。1週間放置後に固液分離の状況を観察したところ、液状成分の染みだしが極めて多く見られた。
<クリーム状食品の製造>
得られた流動状油脂組成物A〜Kを使用して、下記の配合・製法に従い実施例8〜14及び比較例5〜8のシュガークリームを製造し、下記の評価基準に従って評価を行った。その結果を表1に記載した。
〔シュガークリームの配合・製法〕
流動状油脂組成物45質量部に、チーズパウダー20質量部、脱脂粉乳15質量部、コーンスターチ10質量部及び砂糖10質量部を混合して、シュガークリームを製造した。
〔シュガークリームの評価〕
実施例8〜14及び比較例5〜8で得られたシュガークリームについて、口溶け、固液分離性及び耐熱保型性に関する評価を実施した。
口溶けは、25℃の品温に1晩調温したサンプルを用い、下記評価基準に従って4段階で評価した。
固液分離性は、35℃に調温したサンプルを50mlビーカーに30g投入し、これを30℃の恒温槽に保管し、1週間後に固液分離の状況を観察し、下記評価基準に従って4段階で評価した。
耐熱保型性は、サンプルを一旦25℃に調温し、これを絞り袋に入れ、菊型口金でシャーレに花型に絞り、蓋をし、これを5℃で60分調温後、20℃、25℃、30℃及び35℃の各恒温槽に一晩おき、ダレの状況を観察し、下記評価基準に従って4段階で評価した。
これらの結果を表1に示す。
(口溶け評価基準)
◎ 大変良好
○ 良好
△ やや劣る
× 不良
(固液分離性評価基準)
◎ 液状成分の染みだしは全く見られなかった。
○ 若干の液状成分の染みだしが見られた。
△ かなりの液状成分の染みだしが見られ、またザラの発生も若干見られた。
× 液状成分の染みだし及びザラの発生がかなり見られた。
(耐熱保型性評価)
◎ ダレもなく、保型性は全く問題なし。
○ ややダレが見られるものの、形状は保っていた。
△ かなりのダレが見られ、保型性もやや悪い。
× ダレが激しく、保型性も悪い。
Figure 0006631990
<魚肉加工食品の製造>
得られた流動状油脂組成物A〜Kを使用して、下記の配合・製法に従い実施例15〜21及び比較例9〜12のネギトロ様食品を製造し、下記の評価基準に従って評価を行った。その結果を表2に記載した。
〔ネギトロ様食品の配合・製法〕
流動状油脂組成物15質量部に、ミンチ状の鮪赤身85質量部を混合し、ネギトロ様食品を製造した。
〔ネギトロ様食品の評価〕
実施例15〜21及び比較例9〜12で得られたネギトロ様食品について、下記の評価基準により、食感評価、風味評価及び物性評価を行い、結果を表2に記載した。
(食感の評価基準)
◎: 魚肉と油脂のなじみが大変良好で極めて良好な食感である。
○ :魚肉と油脂のなじみがよく、良好な食感である。
△:油脂がやや硬く若干の違和感のある食感である。
× :油脂が硬すぎ、違和感が強く不良な食感である。
×× :油脂が軟らかく、違和感が強く不良な食感である。
(風味の評価基準)
◎ 大変良好
○ 良好
△ やや劣る
× 不良
(物性の評価基準1)
◎ 液状油の染みだしは全く見られなかった。
○ 液状油の染みだしがわずかに見られた。
△ 若干の液状油の染みだしが見られた。
× かなりの液状油の染みだしが見られた。
(物性の評価基準2)
◎ ドリップの発生は全く見られなかった。
○ 若干のドリップが見られた。
△ ドリップがやや多く見られた。
× ドリップが多量に見られた。
Figure 0006631990

Claims (5)

  1. 下記の(1)〜(3)の全てを満たすエステル交換油脂を油相中に、該油相中の全油脂量基準で50〜99質量%及び極度硬化油脂を油相基準で1〜5質量%含有し、且つ、該油相のSFCが、10℃で5〜20%であり、20℃で1〜10%であって、該油相を80〜100質量%(組成物基準)含有することを特徴とする、流動状油脂組成物。
    (1)液状油と極度硬化油を、該液状油と該極度硬化油との合計量中の該極度硬化油の割合が12〜20質量%となるように配合してエステル交換したエステル交換油脂であって、該液状油が大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油及びハイオレイックひまわり油からなる群から選択される1種又は2種以上であり、該極度硬化油がパーム油の極度硬化油及び/又はハイエルシンナタネ油の極度硬化油である。
    (2)SFC(固体脂含量)が、0℃で5〜25%、20℃で1〜5%、40℃で0〜2%である。
    (3)30℃において流動状である。
  2. 10〜30℃の全ての温度において、粘度が20,000〜200,000mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載の流動状油脂組成物。
  3. トランス脂肪酸が、油脂組成物の使用油脂の全構成脂肪酸中10質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の流動状油脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の流動状油脂組成物を含有することを特徴とするクリーム状食品。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の流動状油脂組成物を含有することを特徴とする魚肉加工食品。
JP2013230145A 2013-11-06 2013-11-06 流動状油脂組成物 Active JP6631990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013230145A JP6631990B2 (ja) 2013-11-06 2013-11-06 流動状油脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013230145A JP6631990B2 (ja) 2013-11-06 2013-11-06 流動状油脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015089350A JP2015089350A (ja) 2015-05-11
JP6631990B2 true JP6631990B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=53193175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013230145A Active JP6631990B2 (ja) 2013-11-06 2013-11-06 流動状油脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6631990B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6630093B2 (ja) * 2015-09-11 2020-01-15 株式会社Adeka 畜肉加工品用固形状水中油型乳化脂
JP7041490B2 (ja) * 2016-10-31 2022-03-24 太陽油脂株式会社 ペースト状チーズ様食品用油脂組成物
JP7063633B2 (ja) * 2018-01-19 2022-05-09 株式会社Adeka 冷やして食べる焼菓子用油脂組成物
WO2022264977A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 不二製油グループ本社株式会社 エステル交換油脂

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5832781B2 (ja) * 2011-05-26 2015-12-16 株式会社Adeka アイスコーティング用油脂組成物及びアイスコーティング用チョコレート
JP2013215171A (ja) * 2012-04-12 2013-10-24 Adeka Corp 魚肉加工食品用油脂組成物及び魚肉加工食品
JP5917262B2 (ja) * 2012-04-23 2016-05-11 株式会社Adeka 油脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015089350A (ja) 2015-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4562571B2 (ja) 乳化油脂組成物の製造方法
JP2005350660A (ja) 可塑性油脂組成物
JP2008148670A (ja) 複合菓子用油脂組成物
JP2007143433A (ja) 油脂性素材配合焼菓子練り込み用油脂組成物
JP2008131922A (ja) 固形ルウ用油脂組成物
JP4601541B2 (ja) 可塑性油脂組成物
JP6631990B2 (ja) 流動状油脂組成物
JP2016189773A (ja) フィリング及び/又はトッピング用油脂組成物、フィリング及び/又はトッピング用油中水型乳化油脂組成物、及び該油中水型乳化油脂組成物を含む食品
JP2015202099A (ja) 複合菓子用油脂組成物
JP5917262B2 (ja) 油脂組成物
JP2015065948A (ja) 成形チーズ様食品
JP4390678B2 (ja) 流動状油脂組成物
JP5107094B2 (ja) 固形ルウ用油脂組成物
JP6204074B2 (ja) アイシング用油脂組成物
JP2013215171A (ja) 魚肉加工食品用油脂組成物及び魚肉加工食品
JP6767160B2 (ja) 複合菓子用油脂組成物
JP7226925B2 (ja) 油脂を連続相とする油脂組成物
JP7063633B2 (ja) 冷やして食べる焼菓子用油脂組成物
JP6189016B2 (ja) クリーミング性改良油脂を含有する可塑性油脂組成物
JP2017209038A (ja) ベーカリー用可塑性油中水型乳化油脂組成物
JP2005060614A (ja) クリーミング性改良油脂
JP6947516B2 (ja) 製菓用油脂組成物
JP4930244B2 (ja) ビンガム流動組成物
JP6679207B2 (ja) 可塑性油脂組成物
JP2013085483A (ja) パン生地

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170901

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190516

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190716

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190918

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6631990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150