本出願は、2014年9月17日出願の米国仮特許出願第62/051557号および2015年8月13日出願の米国仮特許出願第62/204710号に基づく優先権を主張する。これらの出願の各々の内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、sGC刺激剤として有用な化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。本発明の化合物を表IAまたは表IBに示す。
本発明はまた、表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物に関する。本発明はまた、医薬組成物を含む医薬製剤または剤形に関する。
本発明はまた、それを必要とする対象の疾患、健康状態または障害を治療または予防する方法であって、単独でまたは併用療法で、治療上有効量の表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与するステップを含み;疾患、健康状態または障害が、sGC刺激またはNOもしくはcGMPの濃度の増加から利益を得る末梢、肺、肝臓、腎臓、心臓もしくは脳血管/内皮障害または状態、泌尿生殖器−婦人科もしくは性障害または状態、血栓塞栓性疾患、線維障害、肺もしくは呼吸器障害、腎臓もしくは肝臓障害、眼障害、聴覚障害、CNS障害、循環障害、局所もしくは皮膚障害、代謝障害、粥状動脈硬化、創傷治癒または脂質関連障害である方法を提供する。
発明の詳細な説明
ここで、その例が付随する構造および式に例示される本発明の一定の実施形態に詳細に言及する。列挙する実施形態と合わせて本発明を説明するが、これらは本発明をこれらの実施形態に限定することを意図していないことが理解されるだろう。むしろ、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替、修正および同等物を網羅することを意図している。本発明は本明細書に記載される方法および材料に限定されるのではなく、本発明の実施に使用することができるような本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料を含む。組み込まれる参考文献、特許または同様の資料の1つまたは複数が、それだけに限らないが、定義される用語、用語使用、記載される技術などを含む本出願と異なるまたは矛盾する場合には、本出願が優先する。
定義および一般用語
本開示の目的のために、化学元素は、元素周期表、CASバージョンおよびHandbook of Chemistry and Physics,75th Ed.1994により同定される。さらに、有機化学の一般原理は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999および“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Smith,M.B.およびMarch,J.,eds.John Wiley & Sons,New York:2001に記載されている。
表IAもしくは表IBの化合物または本明細書で開示される他の化合物などの化合物は、遊離形態(例えば、非晶質形態または結晶形態または多形)で存在し得る。一定の条件下では、化合物はまた共形態(co−form)を形成し得る。本明細書で使用される場合、共形態という用語は、多成分結晶形態という用語と同義である。共形態の成分の1つが明らかにプロトンを他の成分に移した場合、得られた共形態は「塩」と呼ばれる。塩の形成は、混合物を形成するパートナー間のpKaの差がどれくらい大きいかによって決定される。本開示の目的のために、「薬学的に許容される塩」という用語を明示的に注記しない場合でさえ、化合物は薬学的に許容される塩を含む。
異性体のただ1つを具体的に描かないまたは指定しない限り、本明細書に示される構造はまた、構造の全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体およびシス−トランス異性体)形態;例えば、各不斉中心についてのRおよびS配置、各非対称軸についてのRaおよびSa配置、(Z)および(E)二重結合配置、ならびにシスおよびトランス配座異性体を含むものとされる。そのため、本化合物の単一立体化学異性体ならびにラセミ体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマーおよびシス−トランス異性体(二重結合または配座)の混合物は本開示の範囲内にある。特に明言しない限り、本開示の化合物の全ての互変異性体形態も本発明の範囲内にある。例として、以下に描かれる置換基:
(式中、Rは水素であり得る)は、以下に示される両化合物:
を含む。
本開示はまた、1個または複数の原子が天然で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を除いて、本明細書で列挙されているものと同一である同位体標識化合物も包含する。指定される任意の具体的な原子または元素の全ての同位体が本発明の化合物およびその使用の範囲内に熟慮される。本発明の化合物に組み込まれ得る代表的な同位体には、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体が含まれる。本発明の一定の同位体標識化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質の組織分布アッセイで有用である。トリチウム標識(すなわち、3H)および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、その調製の容易さおよび検出性のために有用である。さらに、重水素(すなわち、2H)などの重い同位体による置換は、大きな代謝安定性から生じる一定の治療利点(例えば、インビボ半減期増加または投与量要求の減少)をもたらすので、ある状況では好ましくなり得る。15O、13N、11Cおよび18Fなどの陽電子放射同位体は、基質受容体占有を調査するためのポジトロン放射断層撮影(PET)試験に有用である。本発明の同位体標識化合物は一般的に、非同位体標識試薬を同位体標識試薬に置換することによって、本明細書の以下のスキームおよび/または実施例で開示されるものと同様の手順にしたがって調製することができる。
本発明の化合物は、本明細書においては、その化学構造および/または化学名によって定義される。化合物が化学構造と化学名の両方で言及され、化学構造と化学名が矛盾する場合は、化学構造が化合物の同一性を決定する。
化合物
本発明の化合物は表IAまたは表IBに示されるものから選択される。
化合物を調製する方法
本発明の化合物は以下に示され、説明されるスキームおよび実施例により調製することができる。特に指定しない限り、出発材料および種々の中間体は、商業的供給源から得てもよいし、商業的に入手可能な化合物から調製してもよいし、または周知の合成方法を用いて調製してもよい。
本発明の化合物のための一般的合成手順を以下で説明する。合成スキームは例として提示されるものであり、本発明の範囲を何ら限定しない。
一般的手順A
ステップ1:
ジオンエノラート形成:−78℃に冷却したケトンAのTHF中溶液に、LiHMDS(例えば、0.9当量、トルエン中1.0M)をシリンジを介して滴加した。反応物を0℃に加温させ、次いで、シュウ酸ジエチル(1.2当量)を装入した。この時、反応物を室温に加温し、(例えば、TLCまたはLC/MS分析のいずれかを用いて)完了したと判断されるまでその温度で攪拌した。いったん反応が完了したら(反応時間は典型的には45分であった)、生成物ジオンエノラートBを、さらに精製することなく、「そのまま」ステップ2、すなわち、環化ステップに使用した。
ステップ2:
ピラゾール形成:ジオンエノラートBをエタノールで希釈し、HCl(例えば、3当量、エタノール中1.25M溶液)およびアリールヒドラジン水和物(例えば、1.15当量)を連続的に装入した。反応混合物を70℃に加熱し、環化が完了したとみなされるまで(例えば、LC/MS分析により、典型的には30分)、この温度で攪拌した。いったん完了したら、反応混合物を固体重炭酸ナトリウム(例えば、4当量)で慎重に処理し、ジクロロメタンおよび水で希釈した。層を分離し、水層を、ジクロロメタン(3×)で抽出する前に水でさらに希釈した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。次いで、得られたピラゾールCを、適当な勾配のヘキサン中EtOAcを用いてSiO2クロマトグラフィーによって精製した。
ステップ3:
アミジン形成:0℃に冷却したNH4Cl(例えば、5当量)のトルエン中懸濁液に、AlMe
3(例えば、5当量、トルエン中2.0M溶液)をシリンジを介して滴加した。反応物を室温に加温させ、これ以上泡立ちが観察されなくなるまで、この温度で攪拌した。ピラゾールCを反応混合物に一度に添加し、110℃に加熱し、(例えば、TLCまたはLC/MS分析のいずれかを用いて)完了したと判断されるまでこの温度で攪拌した。いったん完了したら、反応物を冷却し、過剰のメタノールで処理し、室温で1時間激しく攪拌した。濃いスラリーを濾過し、得られた固体ケークをメタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、得られた固体を酢酸エチル:イソプロピルアルコール=5:1溶媒混合物に再懸濁した。反応物を飽和炭酸ナトリウム溶液でさらに処理し、層を分離する前に10分間攪拌した。水層を酢酸エチル:イソプロピルアルコール=5:1溶媒混合物(3×)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄した。有機層をMgSO4上でさらに乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。生成物アミジンDを、さらに精製することなく、そのまま後のステップに使用した。
ステップ4:
ピリミドン形成:アミジンDをエタノールに懸濁し、23℃で激しく攪拌して完全な溶媒和を促進した。反応物をナトリウム3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(例えば、3当量)でさらに処理し、フラスコに還流冷却器を備え付けた。反応物を90℃に維持した予熱油浴に入れ、LC/MSで出発材料の完全な消費が観察されるまで(反応時間は典型的には1時間であった)攪拌した。内容物を23℃に冷却し、反応混合物をHCl(例えば、3当量、EtOH中1.25M溶液)で酸性化した。混合物を30分間攪拌し、溶媒の大部分を真空中で除去した。内容物をエーテルおよび水(1:1混合物)に再懸濁し、得られたスラリーを20分間攪拌した。懸濁液を真空濾過し、固体ケークを追加の水およびエーテルですすぎ、高真空で一晩乾燥させた。得られたピリミドンEを、さらに精製することなく、そのまま後のステップに使用した。
一般的手順B
LC/MSによって出発材料の完全な消費が観察されるまで、アミノ求核試薬(3当量)、トリエチルアミン(10当量)および中間体1A(1当量)の溶液を、90℃でジオキサンおよび水(2:1比)中で攪拌した。溶液を1N塩酸水溶液およびジクロロメタンで希釈した。次いで、層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。精製により、所望の生成物が得られた。
一般的手順C
中間体−2(この中間体は以前公開された特許出願国際公開第2012/3405号パンフレットに記載されていた;1当量)およびカルボン酸(1.1当量)のN,N−ジメチルホルムアミド中混合物を、トリエチルアミン(4当量)、引き続いてプロピルホスホン酸無水物(T3P、1.4当量)の酢酸エチル中50%溶液で処理した。反応物を24時間80℃に加熱し、その後、反応物を水および1N塩酸溶液で希釈した。内容物をジクロロメタン、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。精製により、所望の生成物が得られた。
本発明の薬学的に許容される塩
本明細書に記載される全ての例で、「化合物」という用語は、「薬学的に許容される塩」という句が実際に使用されていようとされていなかろうと、化合物の薬学的に許容される塩も含む。本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という句は、表IAまたは表IBの化合物の薬学的に許容される有機または無機塩を指す。表IAまたは表IBの化合物の薬学的に許容される塩が医薬品に使用される。しかしながら、薬学的に許容されない塩も、表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩の調製で有用となり得る。薬学的に許容される塩は、酢酸イオン、コハク酸イオンまたは他の対イオンなどの別の分子の包含を伴い得る。対イオンは、親化合物上の電荷を安定化する任意の有機または無機部分であり得る。さらに、薬学的に許容される塩は、その構造中に2個以上の荷電原子を有してもよい。複数の荷電原子が薬学的に許容される塩の一部となっている例は、複数の対イオンを有することができる。よって、薬学的に許容される塩は、1個もしくは複数の荷電原子および/または1個もしくは複数の対イオンを有することができる。
本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩は、化合物と無機酸、有機酸または塩基に由来するものを含む。いくつかの実施形態では、塩を化合物の最終単離および精製中にその場で調製することができる。他の実施形態では、塩を別の合成ステップで化合物の遊離形態から調製することができる。
表IAまたは表IBの化合物が酸性であるまたは十分酸性の生物学的等価体(bioisostere)を含有する場合、適当な「薬学的に許容される塩」は、無機塩基および有機塩基を含む薬学的に許容される非毒性塩基から調製される塩を指す。無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン酸塩、亜マンガン酸、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。具体的な実施形態には、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩が含まれる。薬学的に許容される有機非毒性塩基に由来する塩には、一級、二級および三級アミン、置換アミン(天然置換アミン、環状アミンを含む)、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N.sup.1−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが含まれる。
表IBAまたは表IBの化合物が塩基性であるまたは十分塩基性の生物学的等価体を含有する場合、塩は薬学的に許容される非毒性酸(無機および有機酸を含む)から調製され得る。このような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。具体的な実施形態には、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸が含まれる。他の代表的な塩には、それだけに限らないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸))塩が含まれる。
上記の薬学的に許容される塩および他の典型的な薬学的に許容される塩の調製は、全体が参照によりここに組み込まれる、Berg et al.,“Pharmaceutical Salts”、J.Pharm.Sci.,1977:66:1−19にさらに十分に記載されている。
本明細書に記載される化合物に加えて、その薬学的に許容される塩を本明細書で同定される障害を治療または予防するための組成物に使用することもできる。
本明細書に記載される全ての例で、「化合物」という用語は、「薬学的に許容される塩」という句が実際に使用されていようとされていなかろうと、化合物の薬学的に許容される塩も含む。
医薬組成物および投与方法
本明細書で開示される化合物およびその薬学的に許容される塩を医薬組成物または「製剤」として製剤化することができる。
典型的な製剤は、表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩と担体、希釈剤または賦形剤を混合することによって調製される。適当な担体、希釈剤および賦形剤は当業者に周知であり、これらには炭水化物、ワックス、水溶性および/または膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などの材料が含まれる。使用される具体的な担体、希釈剤または賦形剤は、表IAまたは表IBの化合物が製剤化されている手段および目的に依存する。溶媒は一般的に、当業者により哺乳動物に投与するために安全であると認識される(GRAS−一般に安全と認められる)溶媒に基づいて選択される。一般に、安全な溶媒は、水および水に溶解性または混和性である他の非毒性溶媒などの非毒性水性溶媒である。適当な水性溶媒には、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)等、およびこれらの混合物が含まれる。製剤はまた、1種または複数の緩衝剤、安定剤、抗接着剤(antiadherent)、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、収着剤、コーティング(例えば、腸溶性もしくは徐放性)、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤(opaquing agent)、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤および薬物(すなわち、表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される組成物)のすばらしい呈示または医薬製品(すなわち、医薬品)の製造における補助を提供する他の既知の添加剤などの他の種類の賦形剤も含んでよい。
慣用的な溶解および混合手順を用いて製剤を調製することができる。例えば、原薬(すなわち、表IAもしくは表IBの化合物、その薬学的に許容される塩、または化合物の安定化形態、例えば、シクロデキストリン誘導体もしくは他の既知の複合体形成剤との複合体)を、上記賦形剤の1種または複数の存在下で適当な溶媒に溶解する。所望の純度を有する化合物を場合により凍結乾燥製剤、粉砕粉末または水溶液の形態で、薬学的に許容される希釈剤、担体、賦形剤または安定剤と混合する。製剤化は、周囲温度、適当なpHおよび所望の純度で生理学的に許容される担体と混合することによって行うことができる。製剤のpHは、主に化合物の具体的な使用および濃度に依存するが、約3〜約8に及び得る。本明細書に記載される薬剤が溶媒プロセスによって形成された固体非晶質分散体である場合、添加剤を混合物を形成する際に噴霧乾燥溶液に直接添加してもよい、例えば、添加剤をスラリーとして溶液に溶解または懸濁させ、その後、噴霧乾燥することができる。あるいは、添加剤を噴霧乾燥工程後に添加して、最終製剤化製品の形成を助けてもよい。
表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩を、典型的には医薬剤形に製剤化して、薬物の容易に制御可能な投与を提供し、患者が処方されたレジメンを遵守することを可能にする。表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩の医薬製剤を、種々の投与経路および型のために調製することができる。異なる医学的状態が異なる投与経路を正当化し得るので、同じ化合物について種々の剤形が存在し得る。
単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせられ得る有効成分の量は、治療される対象および具体的な投与様式に応じて変化する。例えば、ヒトへの経口投与を意図した徐放製剤は、全組成物の約5〜約95%(重量:重量)で変化し得る適当なおよび好都合な量の担体材料を配合した約1〜1000mgの活性材料を含有し得る。医薬組成物を、投与のための容易に測定可能な量を提供するように調製することができる。例えば、静脈内注入を意図した水溶液は、約30mL/時間の速度の適当な体積の注入が起こり得るように溶液1mL当たり約3〜500μgの有効成分を含有し得る。一般命題として、投与される阻害剤の初期薬学的有効量は、1用量当たり約0.01〜100mg/kg、すなわち、1日当たり患者の体重1kg当たり約0.1〜20mgの範囲にあり、使用される化合物の典型的な初期範囲は0.3〜15mg/kg/日である。
本明細書で使用される「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医、医学博士または他の臨床医によって探し求められている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を誘発する活性化合物または医薬品の量を意味する。投与される化合物の治療上または薬学的有効量は、このような検討によって支配され、疾患もしくは障害またはその症状の1つもしくは複数を寛解させる、治癒するまたは治療するのに必要な最小量である。
表IAまたは表IBの化合物の医薬組成物は、良質の医療のための原則と一致する様式、すなわち、量、濃度、スケジュール、経過、ビヒクルおよび投与経路で製剤化、服用および投与される。本文脈において考慮される因子には、治療している具体的な障害、治療している具体的な哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、および医師に知られている他の因子(個々の患者の年齢、体重および反応など)が含まれる。
「予防的有効量」という用語は、疾患もしくは障害を獲得する前に疾患もしくは障害を防止するまたはこれらを獲得する機会を実質的に減らすまたは疾患もしくは障害の重症度を減少させる、または症状が発達する前にその症状の1つもしくは複数の重症度を減らすのに有効な量を指す。大雑把に言って、予防的処置は、一次予防(疾患の発達を防ぐため)と二次予防(それによって、疾患が既に発症している場合に、患者をその過程の悪化から保護する)に分けられる。
許容される希釈剤、担体、賦形剤および安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して非毒性であるものであり、これらには、緩衝剤(リン酸、クエン酸および他の有機酸など);抗酸化剤(アスコルビン酸およびメチオニンを含む);保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなど);親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジンなど);単糖、二糖および他の炭水化物(グルコース、マンノースまたはデキストリンなど);キレート剤(EDTAなど);糖(スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなど);塩形成対イオン(ナトリウムなど);金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);および/または非イオン性界面活性剤(TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)など)が含まれる。医薬品有効成分を例えば、コアセルベーション技術または界面重合によって調製したマイクロカプセル、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル;コロイド薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルジョンに封入してもよい。このような技術は、Remington’s:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,University of the Sciences in Philadelphia,Eds.,2005(以下、「Remington’s」)に開示されている。
「制御薬物送達システム」は、薬物および治療している状態に適応するよう正確に制御された様式で薬物を身体に供給する。第1の目的は、所望の持続時間の作用部位での治療薬物濃度を達成することである。「制御放出」という用語は通常、剤形からの薬物の放出を修正する種々の方法を指すために使用される。この用語は、「延長放出」、「遅延放出」、「修正放出」または「持続放出」と名前をつけられた製剤を含む。一般に、腐食性および非腐食性マトリックス、浸透圧制御装置、種々のリザーバー装置、腸溶性コーティングおよび多粒子状制御装置を含む、多種多様なポリマー担体および制御放出システムの使用を通して、本明細書に記載される薬物の制御放出を提供することができる。
「持続放出製剤」は、制御放出の最も一般的な適用である。持続放出製剤の適当な例としては、化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、該マトリックスは成形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。持続放出マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3773919号明細書)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、分解性乳酸−グリコール酸コポリマーおよびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
「即時放出製剤」を調製することもできる。これらの製剤の目的は、可能な限り速く、薬物を血流に入れ、作用部位に到達させることである。例えば、迅速な溶解のために、ほとんどの錠剤は、顆粒への迅速な崩壊およびその後の微細粒子への離解を受けるよう設計される。これにより、溶解媒体にさらされる表面積が大きくなり、より速い溶解速度が得られる。
本明細書に記載される薬剤を腐食性または非腐食性ポリマーマトリックス制御放出装置に組み込むことができる。腐食性マトリックスにより、純水に腐食性もしくは膨潤性もしくは溶解可能である、またはポリマーマトリックスを腐食もしくは溶解を引き起こすのに十分にイオン化するために酸もしくは塩基の存在を要するという意味において、水腐食性または水膨潤性または水溶性が意味される。水性使用環境と接触すると、腐食性ポリマーマトリックスが水を吸収し、本明細書に記載される薬剤を封入する水膨潤ゲルまたはマトリックスを形成する。水性膨潤マトリックスは使用環境中で徐々に腐食、膨潤、崩壊または溶解し、それによって、本明細書に記載される化合物の使用環境への放出を制御する。この水膨潤マトリックスの1成分は、オスモポリマー(osmopolymer)、ヒドロゲルまたは水膨潤性ポリマーとして一般的に記載され得る水膨潤性、腐食性または溶解性ポリマーである。このようなポリマーは直鎖であっても、分岐であっても、架橋していてもよい。ポリマーはホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。一定の実施形態では、これらはビニル、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、エステルおよびオキシドモノマーに由来する合成ポリマーであり得る。他の実施形態では、これらは天然ポリマー、例えば、多糖(例えば、キチン、キトサン、デキストランおよびプルラン;グアーガム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラギーナン、ガティガム、グアーガム、キサンタンガムおよびスクレログルカン)、デンプン(例えば、デキストリンおよびマルトデキストリン)、親水性コロイド(例えば、ペクチン)、ホスファチド(例えば、レシチン)、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、カリウムまたはカルシウム、アルギン酸ポリエチレングリコール)、ゼラチン、コラーゲンおよびセルロース誘導体の誘導体であり得る。セルロース誘導体は、糖類反復単位上の水酸基の少なくとも一部と化合物を反応させてエステル結合またはエーテル結合置換基を形成することによって修飾されたセルロースポリマーである。例えば、セルロース誘導体であるエチルセルロースは糖類反復単位に結合したエーテル結合エチル置換基を有する一方、セルロース誘導体である酢酸セルロースはエステル結合酢酸置換基を有する。一定の実施形態では、腐食性マトリックス用のセルロース誘導体が、水溶性および水腐食性セルロース誘導体を含み、これらには、例えば、エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)が含まれ得る。一定の実施形態では、セルロース誘導体が、種々の等級の低粘度(50000ダルトン以下のMW、例えば、Dow Methocel(商標)シリーズE5、E15LV、E50LVおよびK100LY)および高粘度(50000ダルトン超のMW、例えば、E4MCR、E10MCR、K4M、K15MおよびK100MおよびMethocel(商標)Kシリーズ)のHPMCを含む。他の商業的に入手可能な種類のHPMCには、Shin Etsu Metolose 90SHシリーズが含まれる。
腐食性マトリックス材料として有用な他の材料には、それだけに限らないが、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、エタクリル酸またはメタクリル酸(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America,Inc.、Piscataway、ニュージャージー)と他のアクリル酸誘導体のコポリマー、例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレートおよび(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロリドのホモポリマーおよびコポリマーが含まれる。
あるいは、本発明の薬剤を非腐食性マトリックス装置によって投与してもこれに組み込んでもよい。このような装置では、本明細書に記載される薬剤が不活性マトリックスに分配される。薬剤は不活性マトリックスを通した拡散によって放出される。不活性マトリックスに適した材料の例としては、不溶性プラスチック(例えば、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン)、親水性ポリマー(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドンとしても知られている))、および脂肪族化合物(例えば、カルナウバロウ、ミクロクリスタリンワックスおよびトリグリセリド)が挙げられる。このような装置は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition(2000)にさらに記載されている。
上記のように、本明細書に記載される薬剤を浸透圧制御装置に組み込んでもよい。このような装置は一般的に、本明細書に記載される1種または複数の薬剤を含有するコアと、コアのいくらかまたは全部から使用環境への押し出しによる薬物放出を引き起こすために水性使用環境からコアへの水の流入を制御する、コアを囲む透水性、非溶解性および非腐食性コーティングとを含む。一定の実施形態では、コーティングがポリマー性、透水性であり、少なくとも1つの吐出口を有する。浸透圧装置のコアは場合により、このような半透膜を介して周囲環境から水を吸収するよう作用する浸透圧剤を含む。この装置のコアに含有される浸透圧剤は水膨潤性親水性ポリマーであってもよいし、これがオスマジェント(osmagent)としても知られている酵素原であってもよい。(静水圧力水頭の構築を防ぎながら、溶質拡散を最小化するよう設計されたサイズの)オリフィスを介して薬剤(複数可)を装置から引き出す圧力が装置内に発生する。浸透圧制御装置の限定的でない例は、米国特許出願第09/495061号明細書に開示されている。
コア中に存在する水膨潤性親水性ポリマーの量は、約5〜約80重量%(例えば、10〜50重量%を含む)に及び得る。コア材料の限定的でない例としては、親水性ビニルおよびアクリル系ポリマー、多糖類、例えば、アルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)および架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマーおよび疎水性モノマー(メタクリル酸メチル、酢酸ビニルなど)を含むPVA/PVPコポリマー、大きなPEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガムおよびデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられる。他の材料には、その成分が親水性および疎水性モノマー(ちょうど言及したものなど)を含み得る、付加または縮合重合によって形成され得るポリマーの相互侵入網目を含むヒドロゲルが含まれる。水膨潤性親水性ポリマーには、それだけに限らないが、PEO、PEG、PVP、クロスカルメロースナトリウム、HPMC、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリアクリル酸およびこれらの架橋バージョンまたは混合物が含まれる。
コアが酵素原(またはオスマジェント)を含んでもよい。コア中に存在する酵素原の量は、約2〜約70重量%(例えば、10〜50重量%を含む)に及び得る。適当な酵素原の典型的なクラスは、水を吸収してそれによって周囲コーティングの障壁を横切る浸透圧勾配をもたらす水溶性有機酸、塩および糖 である。典型的な有用な酵素原には、それだけに限らないが、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、キシリトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ラフィノース、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、クエン酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの混合物が含まれる。一定の実施形態では、酵素原がグルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、キシリトール、塩化ナトリウム(これらの組み合わせを含む)である。
薬物送達速度は、コーティングの透過性および厚さ、薬物含有層の浸透圧、ヒドロゲル層の親水性の程度、および装置の表面積のような因子によって制御される。当業者であれば、コーティングの厚さを増加させると、放出速度が低下するが、以下のいずれかによって放出速度が増加することを認識するだろう:コーティングの透過性を増加させる;ヒドロゲル層の親水性を増加させる;薬物含有層の浸透圧を増加させる;または装置の表面積を増加させる。
一定の実施形態では、このような浸透圧装置の運転中の押出流体中への本明細書に記載される薬剤の粒子の吸い込みが望ましい。粒子が十分に吸い込まれるために、粒子が錠剤コアに沈降する機会を有する前に、薬剤形態を流体中に分散させる。これを達成する1つの手段は、圧縮コアをその粒子状成分に分解するのに役立つ崩壊剤を添加することによる。標準的な崩壊剤の限定的でない例としては、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(商標)CLV)、微結晶セルロース(例えば、Avicel(商標))、微結晶ケイ酸化セルロース(例えば、ProSolv(商標))およびクロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol(商標))ならびに当業者に既知の他の崩壊剤が挙げられる。具体的な製剤に応じて、ある崩壊剤が他のものより良く働く。いくつかの崩壊剤は、水で膨潤するにつれてゲルを形成する傾向があるので、装置からの薬物送達を妨げる。非ゲル化、非膨潤性崩壊剤が、水がコアに入るにつれて薬物粒子のコア内へのより急速な分散を提供する。一定の実施形態では、非ゲル化、非膨潤性崩壊剤が樹脂、例えば、イオン交換樹脂である。一実施形態では、樹脂がAmberlite(商標)IRP88(Rohm and Haas、フィラデルフィア、PAから入手可能)である。使用する場合、崩壊剤はコア剤の約1〜25%に及ぶ量で存在する。
浸透圧装置の別の例は浸透圧カプセルである。カプセルシェルまたはカプセルシェルの一部は半透性であり得る。カプセルは、本明細書に記載される薬剤、水を吸収して浸透ポテンシャルを提供する賦形剤、および/または水膨潤性ポリマー、または場合により可溶化賦形剤からなる粉末または液体のいずれかを充填され得る。カプセルコアを、上記二層、三層または同心円幾何学と同様の二層または多層剤を有するように作成することもできる。
本発明で有用な浸透圧装置の別のクラスは、例えば、欧州特許第378404号明細書に記載されるコーティング膨潤性錠剤を含む。コーティング膨潤性錠剤は、本明細書に記載される薬剤と、水性使用環境中で、そこを通って親水性ポリマーが薬剤を押し出し、運び出すことができる穴または孔を含有する膜でコーティングされた、膨潤性材料、好ましくは親水性ポリマーとを含む錠剤コアを含む。あるいは、膜がポリマー性または低分子量水溶性ポロシゲン(porosigen)を含有し得る。ポロシゲンは、水性使用環境で溶解し、親水性ポリマーおよび薬剤が押し出され得る孔を提供する。ポロシゲンの例は、水溶性ポリマー(HPMC、PEGなど)および低分子量化合物(グリセロール、スクロース、グルコースおよび塩化ナトリウムなど)である。さらに、レーザーまたは他の機械的手段を用いてコーティング中に孔をあけることによって、孔をコーティング中に形成することができる。浸透圧装置のこのクラスでは、錠剤コアに堆積した膜が多孔性であるまたは水溶性ポロシゲンを含有するまたは水進入および薬物放出用の巨視的穴を有する場合、膜材料が透水性または遮水性であるポリマーを含む任意の膜形成ポリマーを含み得る。持続放出装置のこのクラスの実施形態は、例えば、欧州特許第378404号明細書に記載されるように、多層状であってもよい。
本明細書に記載される薬剤が液体または油、例えば、国際公開第05/011634号パンフレットに記載される脂質ビヒクルである場合、浸透圧制御放出装置は、複合壁で形成され、液体製剤を含む軟質ゲルまたはゼラチンカプセルを含んでよく、ここでは壁がカプセルの外表面上に形成された障壁層と、障壁層上に形成された拡張可能な層と、拡張可能な層上に形成された半透性層とを含む。吐出口が液体製剤を水性使用環境と接続する。このような装置は、例えば、米国特許第6419952号明細書、米国特許第6342249号明細書、米国特許第5324280号明細書、米国特許第4672850号明細書、米国特許第4627850号明細書、米国特許第4203440号明細書および米国特許第3995631号明細書に記載されている。
さらに上記のように、本明細書に記載される薬剤を、一般的に大きさが約10μm〜約2mm(例えば、直径約100μm〜1mmを含む)に及ぶ微粒子の形態で提供することができる。このような多粒子を例えば、液体中懸濁液またはスラリーとして投与される、ゼラチンカプセルまたは水溶性ポリマー(HPMCAS、HPMCまたはデンプンなど)から形成されたカプセルなどのカプセル剤に包装してもよいし、あるいはこれらを圧縮または当技術分野で既知の他の方法によって錠剤、カプレット剤または丸剤に成形してもよい。このような多粒子は、湿式−および乾式−造粒法、押出/球形化(spheronization)、ローラー圧縮、溶融凝固などの任意の既知の方法によってまたは種コアを噴霧コーティングすることによって作成することができる。例えば、湿式−および乾式−造粒法では、本明細書に記載される薬剤および任意の賦形剤を造粒して所望のサイズの多粒子を形成することができる。
薬剤を、界面活性剤分子の界面膜によって安定化された、一般的に2つの非混和性液体(油と水など)の熱力学的に安定で、等方的に透明な分散液であるマイクロエマルジョンに組み込むことができる(Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,New York:Marcel Dekker,1992,volume 9)。マイクロエマルジョンを調製するために、界面活性剤(乳化剤)、補助界面活性剤(補助乳化剤(co−emulsifier))、油相および水相が必要である。適当な界面活性剤には、エマルジョンの調製に有用な任意の界面活性剤、例えば、クリームの調製に典型的に使用される乳化剤が含まれる。補助界面活性剤(または「補助乳化剤」)は一般的に、ポリグリセロール誘導体、グリセロール誘導体および脂肪アルコールからなる群から選択される。好ましい乳化剤/補助乳化剤の組み合わせは一般的に、必ずしもそうではないが、モノステアリン酸グリセリンとステアリン酸ポリオキシエチレン;ポリエチレングリコールとパルミトステアリン酸エチレングリコール;およびカプリル酸およびカプリン酸トリグリセリドとオレオイルマクロゴールグリセリドからなる群から選択される。水相は、水だけでなく、典型的には緩衝剤、グルコース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、好ましくは低分子量ポリエチレングリコール(例えば、PEG300およびPEG400)および/またはグリセロールなども含む一方、油相は一般的に、例えば、脂肪酸エステル、変性植物油、シリコーン油、モノ−、ジ−およびトリグリセリドの混合物、PEGのモノ−およびジ−エステル(例えば、オレオイルマクロゴールグリセリド)等を含むだろう。
本明細書に記載される化合物を、薬学的に許容されるナノ粒子、ナノスフェアおよびナノカプセル製剤に組み込むことができる(Delie and Blanco−Prieto,2005,Molecule 10:65−80)。ナノカプセルは一般的に化合物を安定かつ再現性のある方法で封入することができる。細胞内ポリマー過積載による副作用を回避するために、生体内で分解することができるポリマーを用いて超微粒子(サイズ約0.1μm)を設計することができる(例えば、生分解性ポリアルキル−シアノアクリレートナノ粒子)。このような粒子は先行技術に記載されている。
本発明の化合物でコーティングされた埋込装置が本発明の別の実施形態である。化合物を、埋込医療機器、例えば、ビーズにコーティングしてもよいし、またはポリマーもしくは他の分子と共製剤化(co−formulate)して「薬物デポー」を得て、薬物が薬物の水溶液の投与よりも長期間にわたって放出されることを可能にしてもよい。適当なコーティングおよびコーティング埋込装置の一般的な調製は、米国特許第6099562号明細書;第5886026号明細書;および第5304121号明細書に記載されている。コーティングは、典型的には生体適合性ポリマー材料、例えば、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレン酢酸ビニルおよびこれらの混合物である。コーティングを場合により、フルオロシリコーン、多糖、ポリエチレングリコール、リン脂質またはこれらの組み合わせの適当なトップコートによってさらに覆って、組成物の制御放出特性を付与してもよい。
製剤には、本明細書に詳述される投与経路に適したものが含まれる。製剤を好都合には単位剤形で提供することができ、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。技術および製剤は一般的にRemington’sに見出される。このような方法は、有効成分を、1種または複数の副成分を構成する担体と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、有効成分を液体担体もしくは微細化固体担体または両方と均一かつ緊密に会合させ、次いで、必要であれば、生成物を成形することによって調製される。
本発明の化合物、組成物または製剤に関連する「投与する」、「投与すること」または「投与」という用語は、化合物を、治療を必要とする動物の系に導入することを意味する。本発明の化合物を1種または複数の他の活性剤と組み合わせて提供する場合、「投与」およびその変形はそれぞれ、化合物と他の活性剤の同時および/または逐次導入を含むと理解される。
本明細書に記載される組成物を、治療している疾患の重症度および種類に応じて、全身的または局在的に、例えば:経口的に(例えば、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、錠剤、舌下錠などを用いて)、吸入により(例えば、エアゾール、ガス、吸入器、ネブライザーなどを用いて)、耳に(例えば、点耳剤を用いて)、局所的に(例えば、クリーム、ゲル、塗布薬、ローション、軟膏、ペースト、経皮パッチ等を用いて)、眼に(例えば、点眼剤、眼用ゲル、眼用軟膏を用いて)、直腸的に(例えば、浣腸もしくは坐剤を用いて)、経鼻的に、頬側に、経膣的に(例えば、潅注液、子宮内器具、膣坐剤、膣リングもしくは膣錠等を用いて)、埋込リザーバーなどを介して、または非経口的に投与することができる。本明細書で使用される「非経口的」という用語は、それだけに限らないが、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝内、病変内および頭蓋内注射または注入技術を含む。好ましくは、組成物を経口、腹腔内または静脈内投与する。
本明細書に記載される医薬組成物を、それだけに限らないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含む任意の経口的に許容される剤形で経口投与することができる。経口投与用の液体剤形には、それだけに限らないが、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップおよびエリキシルが含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形が、当技術分野で一般的に使用されている不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒など)、可溶化剤および乳化剤(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸など)、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などの補助剤も含むことができる。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物を、少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容される賦形剤または担体(クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなど)ならびに/あるいはa)充填剤または増量剤(デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアなど)、c)保湿剤(グリセロールなど)、d)崩壊剤(寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、一定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなど)、e)溶解遅延剤(パラフィンなど)、f)吸収促進剤(四級アンモニウム化合物など)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリンなど)、h)吸収剤(カオリンおよびベントナイト粘土など)、およびi)潤滑剤(タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、およびこれらの混合物と混合する。錠剤はコーティングしなくても、マイクロカプセル化を含む既知の技術によってコーティングして不快な味覚を隠すまたは消化管中での崩壊および吸着を遅延させて、それによって長期間にわたる持続作用を提供してもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延材料を単独でまたはワックスと一緒に使用してもよい。ヒドロキシプロピル−メチルセルロースまたはヒドロキシプロピル−セルロースなどの水溶性味覚マスキング材料を使用してもよい。
経口投与に適した表IAまたは表IBの化合物の製剤は、錠剤、丸剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁剤、分散性散剤または顆粒剤、乳剤、硬または軟カプセル剤、例えば、ゼラチンカプセル、シロップまたはエリキシルなどの個別の単位として調製することができる。経口使用を意図した化合物の製剤は、医薬組成物を製造するための当技術分野に既知の任意の方法により調製することができる。
圧縮錠は、適当な機械で散剤または顆粒剤などの自由流動形態の有効成分を、場合により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、表面活性剤または分散剤と混合して圧縮することによって調製することができる。湿製錠(molded tablet)は、適当な機械で不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状有効成分の混合物を成形することによって調製することができる。
経口使用のための製剤は、有効成分を不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合した硬ゼラチンカプセル、あるいは有効成分を水溶性担体、例えば、ポリエチレングリコールまたは油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合した軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
活性化合物はまた、上記の1種または複数の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態であってもよい。
水性懸濁剤が経口使用に要求される場合、有効成分を乳化および懸濁化剤と組み合わせる。所望であれば、一定の甘味および/または香味剤を添加してもよい。シロップおよびエリキシルは甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて製剤化することができる。このような製剤は、粘滑剤、保存剤、香味および着色剤、ならびに抗酸化剤を含有してもよい。
(例えば、非経口投与用の)本明細書に記載される組成物の無菌注射形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて当技術分野で既知の技術により製剤化することができる。無菌注射製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中溶液であり得る。使用することができる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には水、リンガー液および等張食塩水がある。さらに、無菌不揮発性油を溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用する。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油を使用することができる。脂肪酸、例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体が、特に、そのポリオキシエチル化バージョンの天然の薬学的に許容される油、例えば、オリーブ油またはヒマシ油がそうであるように、注射剤の調製に有用である。これらの油溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えば、乳剤および懸濁剤を含む薬学的に許容される剤形の製剤に一般的に使用されるカルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤を含有してもよい。他の一般的に使用される界面活性剤(Tweens、Spansなど)および薬学的に許容される固体、液体または他の剤形の製造に一般的に使用される他の乳化剤または生物学的利用能増強剤を注射用製剤の目的に使用してもよい。
油懸濁液は、表IAまたは表IBの化合物を植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または鉱物油、例えば、流動パラフィンに懸濁することによって製剤化することができる。油懸濁液は、増ちょう剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有してもよい。甘味剤(上に示されるものなど)および香味剤を添加して美味な経口製剤を得ることができる。これらの組成物を、ブチルヒドロキシアニソールまたはα−トコフェロールなどの抗酸化剤の添加によって保存することができる。
表IAまたは表IBの化合物の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混和した活性材料を含有する。このような賦形剤には、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガムおよびアカシアガム、ならびに分散剤または湿潤剤、例えば、天然ホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノ−オレエート)が含まれる。水性懸濁剤はまた、1種または複数の保存剤、例えば、エチルもしくはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1種または複数の着色剤、1種または複数の香味剤および1種または複数の甘味剤、例えば、ショ糖またはサッカリンも含有してよい。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルタを通した濾過によって、または滅菌剤を使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射媒体に溶解もしくは分散することができる無菌固体組成物の形態に組み込むことによって滅菌することができる。
本明細書に記載される化合物の効果を延ばすために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅らせることが通常望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶または非晶質材料の懸濁液の使用によって達成することができる。そして、化合物の吸収速度は、結晶サイズおよび結晶型に依存し得る溶解速度に依存する。あるいは、非経口投与化合物形態の遅延吸収は、化合物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、ポリアクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作成する。化合物とポリマーの比および使用される具体的なポリマーの性質に応じて、化合物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤は、化合物を身体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョンに封入することによっても調製される。
注射溶液またはマイクロエマルジョンを局所ボーラス注射によって患者の血流に導入してもよい。あるいは、本化合物の一定の循環濃度を維持するように、溶液またはマイクロエマルジョンを投与することが有利となり得る。このような一定濃度を維持するために、連続静脈内送達装置を利用してもよい。このような装置の例は、Deltec CADD−PLUS(商標)モデル5400静脈内ポンプである。
直腸内または膣内投与用の組成物は、好ましくは、本明細書に記載される化合物を、周囲温度で固体であるが体温で液体であるので、直腸または膣腔で融解し、活性化合物を放出する適当な非刺激性賦形剤または担体、例えば、カカオ脂、蜜蝋、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することによって調製することができる坐剤である。膣内投与に適した他の製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレーとして提供することができる。
本明細書に記載される医薬組成物は、特に、治療標的が眼、耳、皮膚または下部腸管の疾患を含む局所施用によって容易に到達可能な領域または器官を含む場合、局所的に投与することもできる。適当な局所製剤は、これらの領域または器官の各々のために容易に調製される。
本明細書に記載される化合物の局所または経皮投与用の剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、散剤、液剤、スプレー、吸入剤またはパッチが含まれる。活性成分を、無菌条件下で、必要とされるように、薬学的に許容される担体および任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と混合する。眼用製剤、点耳剤および点眼剤も本発明の範囲内にあるものと熟慮される。さらに、本発明は、化合物の体への制御送達を提供するという追加された利点を有する経皮パッチの使用を熟慮する。このような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解または分散することによって作成することができる。吸収促進剤を使用して皮膚を横切る化合物の流量を増加させることもできる。速度制御膜を用意するまたは化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散することによって、速度を制御することができる。下部腸管用の局所施用は、肛門坐剤製剤(上記参照)または適当な浣腸製剤で行うことができる。局所的経皮パッチを使用してもよい。
局所施用のために、医薬組成物を、1種または複数の担体に懸濁または溶解した活性成分を含有する適当な軟膏に製剤化することができる。本発明の化合物の局所投与用の担体には、それだけに限らないが、鉱物油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が含まれる。あるいは、医薬組成物を、1種または複数の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解した活性成分を含有する適当なローションまたはクリームに製剤化することができる。適当な担体には、それだけに限らないが、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
眼使用のために、医薬組成物を、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存在を用いてまたは用いないで、等張性、pH調整無菌食塩水中微粒子化懸濁液として、または好ましくは等張性、pH調整無菌食塩水中溶液として製剤化することができる。あるいは、眼使用のために、医薬組成物を、ワセリンなどの軟膏に製剤化することができる。眼または他の外部組織、例えば、口および皮膚を治療するために、製剤を、例えば、0.075〜20%w/wの量の有効成分(複数可)を含有する局所軟膏またはクリームとして施用することができる。軟膏に製剤化する場合、有効成分を油系、パラフィン系または水混和性軟膏基剤と共に使用してもよい。
あるいは、有効成分を水中油型クリーム基剤を用いてクリームに製剤化することができる。所望であれば、クリーム基剤の水相が多価アルコール、すなわち、2個以上の水酸基を有するアルコール、例えば、プロピレングリコール、ブタン、1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG400を含む)、ならびにこれらの混合物を含んでもよい。局所製剤は、望ましくは皮膚または他の患部を通した有効成分の吸収または浸透を増強する化合物を含んでよい。このような皮膚浸透促進剤の例としては、ジメチルスルホキシドおよび関連する類似体が挙げられる。
表IAまたは表IBの化合物を用いて調製されるエマルジョンの油相は、既知の様式で既知の成分から構成することができる。相が乳化剤(他にはエマルジェント(emulgent)として知られている)のみを含み得る場合、これが少なくとも1種の乳化剤と脂肪もしくは油、または脂肪と油の両方との混合物を含むことが望ましい。親水性乳化剤を、安定剤として使用する親油性乳化剤と一緒に含めてもよい。いくつかの実施形態では、乳化剤が油と脂肪の両方を含む。合わせて、安定剤(複数可)を含むまたは含まない乳化剤(複数可)が、いわゆる乳化ろうを構成し、ろうが油および脂肪と一緒になって、いわゆる乳化軟膏基剤を構成し、これがクリーム製剤の油性分散相を形成する。表IAまたは表IBの化合物の製剤に使用するのに適したエマルジェントおよびエマルジョン安定剤には、Tween(商標)−60、Span(商標)−80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリンおよびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。
医薬組成物を鼻エアゾールまたは吸入によって投与してもよい。このような組成物は、医薬製剤の分野で周知の技術により調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適当な保存剤、生物学的利用能を増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の慣用的な可溶化もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中溶液として調製することができる。肺内または経鼻投与に適した製剤は、肺胞嚢に到達するように鼻腔を通した迅速な吸入または口を通した吸入によって投与される、例えば、0.1〜500マイクロの粒径(ミクロン単位で0.1〜500ミクロンの間の範囲、例えば、0.5、1、30、35ミクロン等の粒子を含む)を有する。
使用するための医薬組成物(または製剤)を、薬物を投与するために使用される方法に応じて種々の方法で包装してもよい。一般的に、分配用の物品は、適当な形態の医薬製剤が中に堆積した容器を含む。適当な容器は当業者に周知であり、これには瓶(プラスチックおよびガラス)、サシェ、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダなどが含まれる。容器が、包装の内容物への無分別なアクセスを防ぐためのタンパー防止構築物を含んでもよい。さらに、容器は、容器の内容物を説明するラベルが中に堆積している。ラベルは、適当な警告を含んでいてもよい。
製剤を、単位用量または多回投与容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルに包装することができ、使用直前に、滅菌液体担体、例えば、注射用の水を添加することのみを要するフリーズドライ(凍結乾燥)条件で保存することができる。即時注射液および懸濁液は、前記の種類の滅菌散剤、粒剤および錠剤から調製される。好ましい単位投与製剤は、本明細書で上記される1日量もしくは単位1日部分用量、またはその適当な部分の有効成分を含有するものである。
別の態様では、表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩を、獣医学的担体を含む獣医学的組成物に製剤化してもよい。獣医学的担体は、組成物を投与する目的に有用な材料であり、不活性であるまたは獣医学分野で許容され、有効成分と適合性である固体、液体または気体材料であり得る。これらの獣医学的組成物は、非経口、経口または任意の他の所望の経路によって投与することができる。
治療方法
別の態様では、本発明は、単独もしくは組み合わせのsGC刺激剤またはその薬学的に許容される塩、あるいはこれらを含む医薬組成物を使用することによる、それを必要とする患者の一定の障害の治療に関する。
本開示は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の刺激剤、その医薬製剤、ならびにNO濃度の増加またはcGMP濃度の増加が望ましいかもしれない種々の疾患を治療および/または予防するための単独でのまたは1種もしくは複数の追加の薬剤と組み合わせたその使用に関する。
組織中のNO産生増加またはcGMP濃度増加は、血管拡張、血小板凝集および粘着の阻害、抗高血圧効果、抗リモデリング効果、抗線維化、抗アポトーシス効果、抗炎症効果および神経シグナル伝達効果などをもたらす。
他の実施形態では、ここで開示される化合物が、生物系(例えば、ヒトの体)の望ましくない低下したNOの生物学的利用能および/またはNOに対する感受性を特徴とする疾患および障害、例えば、酸化ストレスまたはニトロソ化ストレスの状態に関連するものの予防および/または治療に有用となり得るsGC刺激剤である。
本明細書で使用される「心血管疾患」(または「心血管障害」)という用語は、循環器官、例えば、心臓、血管(動脈、毛細血管および静脈)または両方の異常症状に基づく疾患を指す。この用語はまた、一般に、心臓病、脳の血管疾患、腎臓、肝臓および関連器官の血管疾患、ならびに末梢動脈疾患などを含む、心血管系に影響を及ぼす任意の疾患も含む。
「sGC関連心血管疾患」は、NO/sGC/cGMP系が関与していることが分かっているまたは疑われるものであり、sGC活性化/刺激、NO合成酵素の活性化、またはNOもしくはNOドナーもしくはNO前駆体(L−アルギニンもしくはL−シトルリンなど)の添加、またはcGMPの分解を担うPDE(ホスホジエステラーゼ)酵素の阻害、または上記方法のいずれかの組み合わせによって治療または予防することができる心血管疾患である。
本明細書で使用される「血管拡張」は、血管の拡幅を指す。これは、血管壁、特に大静脈、大動脈およびより小さな細動脈中の平滑筋細胞の弛緩から生じる。本質的に、この過程は、血管の狭窄である「血管収縮」の反対である。血管が拡張すると、血管抵抗の減少により血流が増加する。そのため、動脈血管(主に細動脈)の拡張は血圧を低下させる。この反応は内因性(周囲組織の局所的過程による)または外因性(ホルモンまたは神経系による)であり得る。さらに、この反応は、(過激な運動中のように特定の組織の代謝的要求に応じて)特異的な器官に局在化し得る、または全身性(全身循環全体にわたって見られる)であり得る。
本明細書で使用される「血管収縮」という用語は、筋収縮による血管の狭窄を指す。血管収縮は、体が平均動脈圧(MAP)を調節および維持する1つの機構である。全身性血管収縮は通常、全身血圧の上昇をもたらすが、これは特異的な組織でも生じることがあり、血流の局在的減少を引き起こす。
本明細書で使用される場合、「気管支収縮」という用語は、周囲平滑筋の逼迫による肺の気道の狭窄を定義するために使用される。この状態はいくつかの原因を有するが、最も一般的なものは喘息である。運動およびアレルギーも無症候性個体の症状を引き起こし得る。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの他の状態も気管支収縮をもたらし得る。
本開示の全体を通して、「高血圧」、「動脈性高血圧」または「高血圧症(HBP)」という用語は互換的に使用され、動脈の血圧(BP)が正常または望まれるよりも高い、極めて一般的な、大いに予防可能な慢性状態を指す。高血圧は、適切に管理されないと、いくつかの重度の心血管および腎臓状態の有意な危険因子となる。高血圧は「本態性高血圧」もしくは「特発性高血圧」と呼ばれる原発性疾患であり得る、または他の疾患によって引き起こされ得るもしくは他の疾患に関連する場合があり、その場合、これは「二次性高血圧」として分類される。本態性高血圧は、全症例の90〜95%を占める。
本明細書で使用される場合、「抵抗性高血圧」という用語は、異なる抗高血圧薬クラスに属する3つの抗高血圧薬の同時使用にもかかわらず、目標血圧(通常、140/90mmHg未満であるが、より低い目標値である130/80mmHgが併存症糖尿病または腎疾患の患者に推奨される)より上のままである高血圧を指す。血圧を管理するために4つ以上の薬物を要する人も抵抗性高血圧を有するとみなされる。高血圧は糖尿病における極めて一般的な併存症状態であり、肥満、民族性および年齢に依存して、糖尿病患者の約20〜60%に発症している。この種の高血圧を本明細書では「糖尿病性高血圧」と呼ぶ。2型糖尿病では、高血圧がしばしば、中心性肥満および脂質異常症も含むインスリン抵抗性のメタボリックシンドロームの一部として存在する。1型糖尿病では、高血圧が糖尿病性腎症の発症を反映し得る。
本明細書で使用される「肺高血圧(PH)」は、最終的に右心不全および死につながる右心肥大をもたらす肺血管系(肺動脈、肺静脈および肺毛細血管)の血圧の持続性の上昇を特徴とする疾患である。PHの一般的な症状には、息切れ、めまいおよび失神が含まれ、この全てが労作によって悪化する。治療しないと、診断後の中央平均余命は2.8年である。PHは、その病因により分類される多くの異なる形態で存在する。分類には、肺動脈肺高血圧(PAH)、左心疾患によるPH、肺疾患および/または 低酸素血症に関連するPH、慢性血栓性および/または塞栓性疾患によるPHならびに多岐にわたるPHが含まれる。PAHは一般集団ではまれであるが、HIV感染、強皮症および鎌状赤血球症などの一定の共通する状態に関連して有病率が増加する。PHの他の形態は一般的にPAHよりも一般的であり、例えば、PHと慢性閉鎖性肺疾患(COPD)の関連性が特に重要である。肺高血圧のための現在の治療は、疾患の段階および機構に依存する。
「冠動脈疾患」という用語は、心筋への血液供給が部分的にまたは完全に遮断された状態(心筋または心筋層の虚血)を指す。この心筋層への血液供給の減少は、いくつかの「急性心筋症候群」:胸痛(「アンギナ」、「狭心症」とも呼ばれる、安定または不安定)および異なる種類の心臓発作(「心筋梗塞」またはMI)をもたらし得る。冠動脈疾患の1つの一般的な原因は、後に動脈硬化巣の形成を通して、動脈への血流の狭窄および最終的に詰まりへと進行し得る、動脈壁の脂肪沈着物による、動脈の硬化を指す「粥状動脈硬化」である。この粥状動脈硬化の過程は、心臓の動脈だけでなく、他の動脈にも影響を及ぼし得る。通常、動脈は動脈硬化巣(アテローム)により既に部分的に遮断されており、アテロームが破裂または破れて、血餅の形成につながり得るので、血餅が動脈の詰まりの最も一般的な原因である。時折、冠動脈疾患は、自然発症的にまたは一定の薬物(例えば、コカイン、ニコチン)の使用の結果として生じ得る冠動脈の痙攣によって引き起こされる。まれに、冠動脈疾患の原因は、先天性欠損、ウイルス感染症(例えば、川崎病)、全身性エリテマトーデス(ループス)、動脈の炎症(動脈炎)、心腔から冠動脈の1つに進む血餅、または身体的損傷(例えば、傷害もしくは放射線療法から)である。
本明細書で使用される「不安定狭心症」は、長期または悪化しているアンギナを含むアンギナ症状のパターンの変化および重度の症状の新たな発症を指す。
MIは2つの種類に分類され得る:「非ST部分上昇型」MIおよび「ST部分上昇型」MI。急性冠症候群の合併症は、どれくらい多く、どれくらい長くおよびどこで冠動脈が遮断されているかに依存する。詰まりが大量の心筋に影響を及ぼしている場合、心臓が有効にポンピングしなくなる。詰まりが心臓の電気系統への血流を遮断すると、心臓リズムが影響を及ぼされ得る。心臓発作が起こると、心筋層の一部が死ぬ。死んだ組織およびこれに置き換わった瘢痕組織は収縮しない。瘢痕組織は、心臓の残りが収縮しようとすると、しばしば拡張または***さえする。結果として、血液を送る筋肉が少なくなる。十分な筋肉が死ぬと、心臓のポンピング能力が、心臓が体の酸素および血液の需要を満たすことができないほどに低下し得る。次いで、心不全、低血圧または両方が発生する。心筋層の半分超が損傷を受けるまたは死ぬと、心臓は一般的に機能することができず、重度の不能または死亡が予想される。
本明細書で使用される場合、「心不全」(HF)は、損なわれた心機能および循環充血が定義する特徴である複雑な臨床症候群になり、体組織への血液および栄養の不十分な送達をもたらす左心室(LV)心筋リモデリングの進行性障害である。この状態は、心臓が損傷を受けるまたは働きすぎて、全身循環から心臓に戻る全ての血液を汲み取ることができない場合に生じる。汲み取られる血液が少ないので、心臓に戻ってくる血液が逆流し、流体が体の他の部分に蓄積する。心不全はまた、腎臓がナトリウムおよび水を処理する能力も損ない、さらに体液貯留を悪化させる。心不全は、進行性循環不全に寄与する、自律神経機能不全、神経−ホルモン活性化およびサイトカインの過剰産生を特徴とする。心不全の症状には、共に肺水腫を暗示する運動中または静止中の呼吸困難(息切れ)および突然の息切れによる夜間の目覚め;全身疲労または衰弱;足、足首および脚の浮腫;急速な体重増加;あるいは慢性の咳(粘液または血液を産するものを含む)が含まれる。その臨床像に応じて、心不全は、新規、一過性、急性、急性期後(post−acute)または慢性に分類される。急性心不全、すなわち、緊急の治療を要する症状の急速なまたは段階的な開始は、新規でまたは慢性心不全が非代償性になった結果として発症し得る。「心不全」という用語は通常、「慢性心不全」を意味するために使用される。「うっ血性心不全(CHF)」または「うっ血性心不全(CCF)」という用語は通常、慢性心不全と互換的に使用される。心不全の一般的な原因は、以前の心筋梗塞(心臓発作)、高血圧症、心房細動、心臓弁膜症および心筋症を含む冠動脈疾患を含む。これらは、心臓の構造または機能のいずれかを変化させることによって心不全を引き起こす。
心不全の2つの主な型が存在する:「左心室収縮不全による心不全」または「収縮期心不全」としても知られている「駆出率が低下した心不全(HFREF)」および「拡張期心不全」または「駆出率が正常な心不全(HFNEF)」としても知られている「駆出率が保たれた心不全(HFPEF)」。駆出率は、1回の収縮中に心臓から汲み取られる心臓中の血液の割合である。これは、標準が50〜75%の間である百分率である。
「急性」(「急性HF」など)という用語は、急速な発症を意味するために使用され、「慢性」は長い持続時間を指す。慢性心不全は、通常は安定な治療されている総体症状を有する長期の状況である。「急性非代償性」心不全は、緊急の治療または入院の必要性をもたらす心不全の徴候および症状の変化を有すると特徴付けられ得るエピソードを指す、悪化しているまたは非代償性の心不全である。心不全はまた、心室収縮機能は正常であるが、心臓が血液量の重要な増加に対処できない、高拍出の状況でも起こり得る(その場合、これは「高拍出性心不全」と呼ばれる)。
心血管生理学では、「駆出率(EF)」という用語は、各心拍または心周期で汲み取られる左および右心室中の血液の割合として定義される。医用画像処理によって可能になる有限数字では、EFを、肺動脈弁を介して肺循環に血液を排出する右心室または大動脈弁を介して脳および全身循環に血液を排出する左心室の両方に適用する。
「駆出率が保たれた心不全(HFPEF)」という用語は、一般的に55%超の駆出率を有する心不全の徴候および症状の出現を指すと理解される。これは、左心室の圧力上昇をもたらす左室コンプライアンスの低下を特徴とする。不十分な左心室機能の結果として、左心房サイズの増加がHFPEFでしばしば見られる。うっ血性心不全、心房細動および肺高血圧のリスク増加がある。危険因子は高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙および閉塞性睡眠時無呼吸である。この種の心不全では、心筋が十分収縮するが、心室が弛緩期に十分血液で満たされない。
「駆出率が低下した心不全(HFREF)」という用語は、駆出率が40%未満である心不全を指す。
糖尿病は心不全の患者で一般的な共存症であり、よくない結果を伴う、ならびに治療の有効性を潜在的に損なっている。他の重要な共存症には、全身性高血圧、慢性気流閉塞、睡眠時無呼吸、認知機能障害、貧血、慢性腎疾患および関節炎が含まれる。慢性左心不全はしばしば肺高血圧の発達を伴う。一定の共存症の頻度は性別によって異なる:女性の中では、高血圧および甲状腺疾患がより一般的であるが、男性はより一般的には慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末梢血管疾患、冠動脈疾患および腎機能不全に罹患する。抑うつは心不全の頻繁な共存症であり、2つの状態が互いに合併し得るおよびしばしば合併する。悪液質は心不全の重度のおよび頻繁な合併症として長く認識されており、心不全患者の最大15%に罹患しており、予後不良に関連している。心臓悪液質は、6か月の期間にわたる体重の少なくとも6%の非浮腫性の非自発的な損失と定義される。
本明細書で使用される「不整脈」という用語は、心臓発作が起こった人の90%超で起こる異常な心拍リズムを指す。時々、問題は、心拍および心拍数を誘因する心臓の部分があまりに遅いことにあり、別の場合、問題は心臓をあまりに速くまたは不規則に拍動させ得る。時々、拍動する信号が心臓の一部分から他の部分に伝わらず、心拍が遅くなるまたは停止することがある。さらに、死んでいないが、血流が乏しい心筋層の領域が過敏になり得る。これは、心室頻拍または心室細動などの心リズムの問題を引き起こす。心臓が完全にポンピングを停止すると、これは心停止をもたらし得る。
「心膜」は、心臓を囲む袋または膜である。「心膜炎」すなわちこの膜の炎症は、心臓発作の結果として発症することがあり、熱、心膜液貯留、肺を覆う膜(胸膜)の炎症、胸水および関節痛をもたらし得る。心臓発作後の他の合併症には、僧帽弁の機能不全、心筋の破裂、心室壁の***(心室瘤)、血餅および低血圧が含まれ得る。
「心筋症」という用語は、心腔の筋壁の構造および機能の進行性の障害を指す。心筋症の主な種類は、拡張型、肥大型および拘束型である。心筋症はしばしば、心不全の症状を引き起こし、心筋症はまた胸痛、失神および突然死も引き起こし得る。
「僧帽弁逆流症」、「僧帽弁逆流」、「僧帽弁閉鎖不全」または「僧帽弁閉鎖不全症」という用語は、心臓の僧帽弁がしっかり閉じず、血液が心臓に逆流することを許す状況を指す。結果として、血液が心臓を通してまたは体の残りの部分に効率的に移動することができず、疲労または息切れをもたらし得る。
「睡眠時無呼吸」という用語は、睡眠呼吸障害の最も一般的なものを指す。これは、上気道の閉塞を伴っても伴わなくてもよい、気流の間欠性の、周期的減少、または完全な休止を特徴とする状態である。睡眠時無呼吸の3つの種類が存在する:閉塞性睡眠時無呼吸、最も一般的な形態、中枢性睡眠時無呼吸、および混合型睡眠時無呼吸。
「中枢性睡眠時無呼吸(CSA)」は、気道の物理的な詰まりよりもむしろ、脳の呼吸をするための正常なシグナルの機能不全によって引き起こされる。呼吸努力の欠如は、患者を目覚めさせ得る、血中の二酸化炭素の増加をもたらす。CSAは、一般的な集団ではまれであるが、収縮期心不全の患者で比較的一般的な発生である。
本明細書で使用される場合、「メタボリックシンドローム」、「インスリン抵抗性症候群」または「シンドロームX」という用語は、偶然によって単独でよりも一緒に生じ、一緒に2型糖尿病および心血管疾患の発達を促進するメタボリック状態(腹部肥満、空腹時血糖上昇、「脂質異常症」(すなわち、脂質レベル上昇)および血圧上昇(HBP))の群またはクラスタリングを指す。メタボリックシンドロームは、増加したトリグリセリド、減少した高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−コレステロール)およびいくつかの場合、中程度に上昇した低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−コレステロール)の特異的な脂質プロファイル、ならびに構成危険因子の圧力による「動脈硬化性疾患」の加速した進行を特徴とする。いくつかの種類の脂質異常症が存在する:「高コレステロール血症」はコレステロールレベルの上昇を指す。家族性高コレステロール血症は、19番染色体上の欠損(19p13.1〜13.3)による高コレステロール血症の特異的な形態である。「高グリセリド血症」は、グリセリドレベルの上昇を指す(例えば、「高トリグリセリド血症」はトリグリセリドレベルの上昇を含む)。「高リポタンパク血症」は、リポタンパク質(通常、特に指定しない限り、LDL)レベルの上昇を指す。
「脂肪症」という用語は、細胞内の脂質の異常な貯留を指す。これは通常、トリグリセリドの合成および除去の正常な過程の機能障害を反映している。過剰な脂肪は、細胞の細胞質に置換する小胞中に蓄積する。重度の場合、細胞が破裂し得る。通常、肝臓が脂肪代謝に最も関連する器官であるので、脂肪症は肝臓で観察される。脂肪症はまた、腎臓、腎臓および筋組織でも観察され得る。
本明細書で使用される場合、一般的に「末梢動脈疾患(PAD)」または「末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)」とも呼ばれる、「末梢血管疾患(PVD)」という用語は、冠動脈、大動脈弓脈管構造または脳の中ではない大きな動脈の閉塞を指す。PVDは、粥状動脈硬化、狭窄につながる炎症過程、塞栓症、血栓形成または他の種類の閉塞から生じ得る。これは、急性または慢性の「虚血(血液供給不足)」を引き起こす。しばしば、PVDは、下肢に見られる粥状硬化性の詰まりを指すために使用される用語である。PVDはまた、動脈の偶発的狭小化(例えば、レイノー現象)、またはその拡幅(先端紅痛症)、すなわち、血管攣縮から生じる微小血管疾患として分類される疾患の部分集合も含む。末梢動脈疾患は、閉塞性血栓性血管炎、末梢動脈閉塞性疾患、レイノー病およびレイノー症候群を含む。一般的な症状は、足の冷え、間欠性跛行、下肢痛および重症虚血肢(下肢潰瘍および壊死)である。末梢動脈疾患についての診断および治療ガイドラインは、Eur.J.Vasco Endovasc.Surg,2007,33(1),Slに見出すことができる。
本明細書で使用される「狭窄」という用語は、血管または他の管状器官もしくは構造の異常な狭小化を指す。これはしばしば、「狭窄症」(尿道狭窄症など)とも呼ばれる。「縮窄」という用語は同義語であり、一般的には大動脈縮窄症の文脈でのみ使用される。「再狭窄」という用語は、処置後の狭窄の再発を指す。
「血栓症」という用語は、循環系を通る血流を妨害する血管の内側の血餅(「血栓」)の形成を指す。血管が傷つくと、体は血小板およびフィブリンを使用して血餅を形成して失血を防ぐ。あるいは、血管が傷ついていない場合でさえ、適切な条件が現れると、体内に血餅が形成し得る。凝固があまりに重度で、血餅が自由に壊れると、移動する血餅はここで「塞栓」として知られる。「血栓塞栓症」という用語は、血栓症とその主な合併症である「塞栓症」の組み合わせを指す。血栓が動脈内腔の表面積の75%超を占めると、減少した酸素(低酸素)および乳酸などの代謝産物の蓄積(「痛風」)のために、組織に供給される血流が症状を引き起こすのに十分に減少する。90%超の閉塞が無酸素症、酸素の完全な欠乏、および「梗塞」、細胞死の様式をもたらし得る。
「塞栓症」(複数の塞栓)は、塞栓(その源から遠い部位で動脈性毛細管床を詰まらせることができる剥離した血管内塊)が動脈床の狭い毛細血管に突き刺さる現象であり、体の離れた部位の詰まり(血管閉塞)を引き起こす。これは、源の部位で塞ぐ血栓と混同されるべきでない。塞栓を形成する材料はいくつかの異なる起源を有し得る:材料が血液である場合、「塞栓」を「血栓」と呼び;固体材料は脂肪、最近残物、感染組織等を含み得る。
「虚血」は、(組織を生かすための)細胞代謝に必要とされる酸素およびグルコースの不足を引き起こす、組織への血液供給の制限である。虚血は一般的に、血管の問題によって引き起こされ、組織への損傷または組織の機能不全が結果として生じる。虚血はまた、しばしばうっ血(血管収縮、血栓症または塞栓症など)から生じる体の所与の部位の局所的貧血を意味する。「虚血」が心筋(または「心筋層」)で起こる場合、虚血を心筋虚血と呼ぶ。虚血の他の種類は、例えば、重症虚血肢などである。
一定期間の虚血後に血液供給が組織に戻った場合、「再灌流」が起こる。組織への循環が回復すると、炎症および酸化ストレス過程が発達し得る。この一連の現象の一例が、臓器移植に関連する虚血−再灌流である。
「再灌流障害」は、一定期間の虚血後に血液供給が組織に戻り、正常な機能の回復よりもむしろ炎症および酸化損傷が確実な場合に引き起こされる組織損傷である。虚血の再灌流の問題はしばしば、特に組織を横切る拡散および流体濾過の増加をもたらす、毛細血管および細動脈の透過性増加による、微小血管傷害を伴う。活性化内皮細胞が、再灌流後により反応性の酸素種を産生するが、より少ないNOを産生し、この不均衡が炎症反応をもたらす。新たに戻った血流によってその領域に運ばれる白血球は、組織損傷に反応して、様々な炎症因子およびフリーラジカルを放出する。回復した血流は、細胞タンパク質、DNAおよび細胞膜を損傷する酸素を伴う。この虚血−再灌流の過程も、慢性創傷(例えば、褥瘡または糖尿病性潰瘍)の形成およびその治癒の失敗を担うと考えられている。
本明細書で使用される「血管障害」という用語は、血管(動脈、静脈および毛細血管)の疾患についての総称である。最も一般的かつ最も流行性の血管障害は、「糖尿病性血管障害」、慢性糖尿病の一般的な合併症である。血管障害の別の一般的な種類は、アミロイド沈着物が中枢神経系の血管壁中に形成する、コンゴレッド親和性血管障害としても知られる、「脳アミロイド血管障害」(CAA)である。コンゴレッドと呼ばれる特別な染色剤の適用後に脳組織の顕微鏡検査によってアミロイドの異常な凝集の存在を証明することができるので、コンゴレッド親和性という用語が使用される。アミロイド物質は、脳内にのみ見られるので、この疾患は他の形態のアミロイドーシスに関連しない。
「脳卒中」または脳血管障害(CVA)は、脳への血液供給の妨害による脳機能(複数可)の急速な喪失である。これは、詰まり(血栓症、動脈塞栓症、脂肪蓄積もしくは痙攣)または出血(血液の漏出)によって引き起こされる「虚血」(結果として生じる組織への不十分な酸素およびグルコース供給を伴う血流の不足)により得る。結果として、脳の患部は機能することができず、体の片側の1本もしくは複数の四肢を動かすことができないこと、言語を理解するもしくは明確に述べることができないこと、または視野の片側を見ることができないことにつながり得る。脳卒中の危険因子には、高齢、高血圧、以前の脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)、糖尿病、高コレステロール、喫煙および心房細動が含まれる。高血圧が脳卒中の最も重要な修正可能な危険因子である。「虚血性脳卒中」はしばしば、血栓溶解(「クロットバスター」としても知られている)により病因で治療され、ある出血性脳卒中は神経外科から利益を得る。再発の予防は、抗血小板薬(アスピリンおよびジピリダモールなど)の投与、高血圧の管理および低減、ならびにスタチンの使用を伴い得る。選択された患者が頸動脈内膜剥離術および抗凝固薬から利益を得ることができる。
「血管性認知症」は、高齢者の間の認知症の二番目に最も一般的な原因である。これは男性の間でより一般的であり、通常は、70歳を過ぎてから始まる。これはしばしば、血管危険因子(例えば、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙)を有する人および数回脳卒中を経験した人に起こる。多くの人が血管性認知症とアルツハイマー病の両方を有する。血管性認知症は、典型的には複数の小さな脳梗塞(または時々、出血)が脳機能を損なうのに十分なニューロンまたは軸索喪失を引き起こすと生じる。血管性認知症には以下の種類が含まれる:多発ラクナ型梗塞(小さな血管が罹患し、梗塞が半球状の白質および灰白質内の深部で生じる);多発梗塞性認知症(中程度の大きさの血管が罹患する);戦略的単一梗塞認知症(単一梗塞が脳の重要な領域、例えば、角回または視床で起こる);ビンスワンガー型認知症または皮質下動脈硬化性脳症(小血管認知症は重度の、制御が不十分な高血圧および全身性血管疾患を伴い、これは広がった神経膠腫、梗塞による組織死亡、または脳の白質への血液供給の喪失による軸索およびミエリンの拡散した不規則な損失を引き起こす)。
「神経膠腫」という用語は、脳または脊椎で始まる種類の腫瘍を指す。これは膠細胞から生じるので神経膠腫と呼ばれる。神経膠腫の最も一般的な部位は脳である。神経膠腫は、全ての脳および中枢神経系腫瘍の約30%および全ての悪性脳腫瘍の80%を構成する。
American Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fourth Edition(DSM−IV)によると、「性機能障害」という用語は、「***および性反応サイクルに関連する精神心理学的変化の攪乱を特徴とする」一連の状態を包含する一方で、この種の問題は一般的であり、問題が患者にとって苦痛を引き起こす場合にのみ、性機能障害が存在するとみなされる。性機能障害は、起源が身体的または精神的のいずれでもあり得る。これは一般的に本質的にホルモン性の一次状態として存在し得るが、多くの場合、これは他の医学的状態または前記状態のための薬物療法に次ぐ。性機能障害の全ての種類を、一生型、後天性、状況性または一般的(またはこれらの組み合わせ)としてさらに分類することができる。
DSM−IV−TRは「女性性機能障害」の5つの主要なカテゴリーを指定している:***/関心障害;「性的興奮障害(生殖器、主観的および組み合わせ)」;オルガズム障害;***疼痛症および膣痙;ならびに持続性性喚起症候群。
「女性性的興奮障害(FSAD)」は、個人的な苦痛を引き起こす、十分なレベルの性的興奮を獲得または維持することが持続的にまたは繰り返しできないこととして定義される。FSADは、主観的興奮感覚の欠如(すなわち、主観的性的興奮障害)と体性反応(潤滑および膨張など)の欠如(すなわち、生殖器/身体的性的興奮障害)の両方を包含する。FSADは起源が厳密に心理学的なものであってもよいが、一般的には医学的または生理学的因子によって引き起こされるまたは併発される。低エストロゲン症は、FSADに関連する最も一般的な生理学的状態であり、泌尿生殖器萎縮および膣分泌液の減少をもたらす。
本明細書で使用される場合、「***不全(ED)」は、性行為中の陰茎の***を発達させるまたは維持することができないことを特徴とする男性性機能障害である。陰茎***は、陰茎内で血液が侵入し、スポンジ様ボディに保持される水力学的効果である。この過程はしばしば、シグナルが脳から陰茎中の神経に伝達されると、性的興奮の結果として開始される。***が生じるのが困難である場合に、***不全と示される。最も重要な器質性の原因は、心血管疾患および糖尿病、神経学的問題(例えば、前立腺切除手術からの外傷)、ホルモン不足(性腺機能低下症)および薬物副作用である。
そのため、一実施形態では、sGCの刺激剤である表IAまたは表IBの化合物、およびその薬学的に許容される塩が、以下の種類の循環に関連する心臓、肺、末梢、肝臓、腎臓または脳血管/内皮障害、状態および疾患の予防および/または治療に有用である:
・高血圧および冠血流量減少に関連する障害;急性および慢性冠動脈血圧上昇;動脈性高血圧;心臓および腎臓合併症から生じる血管障害;心疾患、脳卒中、脳虚血または腎不全から生じる血管障害;抵抗性高血圧;糖尿病性高血圧;本態性高血圧;二次性高血圧;妊娠高血圧;子癇前症;門脈圧亢進症;心筋梗塞;
・心不全、駆出率が維持された心不全(heart failure with preserved ejection fraction(HFpEF))、駆出率が低下した心不全(heart failure due to reduced ejection fraction(HFrEF));急性および慢性心不全(HF);急性非代償性心不全(HF)、右室不全、左室不全、全心不全(HF)、虚血性心筋症、拡張型心筋症、先天性心疾患、心臓弁奇形を伴う心不全(HF)、僧帽弁狭窄、僧帽弁閉鎖不全、大動脈弁狭窄、大動脈弁閉鎖不全、三尖弁狭窄、三尖弁閉鎖不全、肺動脈弁狭窄、肺動脈弁閉鎖不全、連合弁奇形;糖尿病性心不全;アルコール性心筋症または蓄積性心筋症;拡張期心不全(HF)、収縮期心不全(HF);既存の慢性心不全(HF)の急性期(憎悪HF);拡張または収縮不全;冠不全;不整脈;心室前負荷の減少;心肥大;心不全/心腎症候群;門脈圧亢進症;内皮機能不全または傷害;心房および心室リズムの障害ならびに伝音障害;第1〜3度房室ブロック(AVB−I〜III)、上室性頻脈性不整脈、心房細動、心房粗動、心室細動、心室粗動、心室性頻脈性不整脈、トルサード・ド・ポアンツ頻脈、心房性および心室性期外収縮、房室接合部期外収縮、洞不全症候群、失神、房室結節リエントリー性頻拍;ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群または急性冠症候群;ボクサー心筋症;心室性早期収縮;心筋症;がん誘発型心筋症;
・血栓塞栓性障害および虚血;心筋虚血;梗塞;心筋梗塞;心臓発作;心筋不全;内皮機能不全;脳卒中;一過性脳虚血発作(TIA);閉塞性血栓性血管炎;安定または不安定狭心症;冠攣縮または末梢動脈攣縮;異型狭心症;プリンツメタル型狭心症;心肥大;子癇前症;血栓形成障害;虚血−再灌流損傷;臓器移植に伴う虚血−再灌流;肺移植、心臓移植、静脈移植失敗に伴う虚血−再灌流;外傷患者における代用血液保存;
・末梢血管疾患;末梢動脈疾患;末梢閉塞性動脈疾患;筋緊張亢進;レイノー症候群または現象(一次および二次);レイノー病;重症虚血肢;末梢塞栓症;間欠性跛行;血管閉塞発症;筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー;微小循環異常;血管漏出または透過性の管理;腰部脊柱管狭窄;閉塞性血栓性血管炎;血栓性血管炎;末梢灌流障害;動脈および静脈血栓症;微量アルブミン尿;末梢および自律神経ニューロパチー;糖尿病性細小血管症;
・浮腫;心不全による腎性浮腫;
・アルツハイマー病;パーキンソン病;血管性認知症;血管性認知障害;脳血管攣縮;先天性筋無力症候群;くも膜下出血;外傷性脳損傷;認知障害(軽度認知障害、加齢性学習および記憶障害、加齢性記憶喪失、血管性認知症、頭部傷害、脳卒中脳卒中後認知症、外傷後頭部傷害、一般的な集中障害、学習および記憶の問題をかかえる小児における集中障害)後の知覚、集中力、学習または記憶特性能力の改善;レビー小体病;ピック症候群を含む前頭葉変性による認知症;進行性核性麻痺;大脳皮質基底核変性症による認知症;筋萎縮性側索硬化症(ALS);ハンチントン病;脱髄;多発性硬化症;視床変性;クロイツフェルトヤコブ認知症;HIV認知症;認知症またはコルサコフ精神病による統合失調症;多系統萎縮症および他の形態のパーキンソンプラス症候群;運動障害;神経保護;不安、緊張および抑うつまたは心的外傷後ストレス障害(PTSD);双極性障害;統合失調症;CNS関連性機能障害および睡眠障害;病理学的摂食障害ならびに嗜好品および耽溺薬の使用;脳灌流の管理;偏頭痛;脳梗塞(脳卒中)の結果の予防および管理;脳卒中、脳虚血および頭部傷害の結果の予防および管理;
・ショック;心原性ショック;敗血症;敗血症性ショック;アナフィラキシーショック;動脈瘤;白血球活性化の制御;血小板凝集の阻害または調節;多臓器機能障害症候群(MODS);多臓器不全(MOF);
・肺/呼吸器状態:肺高血圧(PH);肺動脈高血圧(PAH)および関連する肺血管リモデリング;限局性血栓症および右心肥大の形態の血管リモデリング;肺筋緊張亢進;原発性肺高血圧;二次性肺高血圧;家族性肺高血圧;散発性肺高血圧;前毛細血管性肺高血圧;突発性肺高血圧;他の形態のPH;左心室疾患、HIV、SCD、血栓塞栓症(CTEPH)、サルコイドーシス、COPD、肺線維症、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、急性肺傷害、αー1−抗トリプシン欠乏症(AATD)、肺気腫、喫煙誘発気腫および嚢胞性線維症(CF)に関連するPH;血栓性肺動脈症;多因性肺動脈症;嚢胞性線維症;気管支収縮または肺気管支収縮;急性呼吸促迫症候群;肺線維症、胚移植;喘息疾患;
・以下に関連する肺高血圧:左室機能不全、低酸素血症、WHOグループI、II、III、IVおよびV高血圧、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋症、縦隔線維症、肺線維症、肺静脈還流異常、肺静脈閉塞症、肺血管炎、膠原血管病、先天性心疾患、肺静脈高血圧、間質性肺疾患、睡眠呼吸障害、睡眠時無呼吸、肺胞低換気障害、高高度への慢性的な暴露、新生児肺疾患、肺胞−毛細血管異形成、鎌状赤血球症、他の血液凝固障害、慢性血栓塞栓症;肺塞栓症;腫瘍、寄生生物または異物による肺塞栓症;結合組織疾患、ループス、ループス腎炎、住血吸虫症、サルコイドーシス、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気腫、慢性気管支炎、慢性毛細血管血管腫症、組織球症X、リンパ管腫症、圧縮肺血管;腺腫、腫瘍または縦隔線維症による圧縮肺血管;
・動脈硬化性疾患または状態:粥状動脈硬化;内皮障害、血小板および単球の接着および凝集、平滑筋増殖または遊走に関連する粥状動脈硬化;再狭窄;血栓溶解、経皮的血管形成術(PTA)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、心臓移植、バイパス手術または炎症過程後に発達した再狭窄;
・微小および大血管性損傷(血管炎);フィブリノーゲンおよび低密度DLDレベルの増加;プラスミノーゲン活性化因子阻害因子1(PAー1)濃度の増加;
・メタボリックシンドローム;代謝疾患またはメタボリックシンドロームに関連する疾患:肥満;過剰皮下脂肪;過剰肥満症;糖尿病;高血圧;脂質関連障害、高脂血症、脂質異常症、高コレステロール血症、減少した高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−コレステロール)、中程度に上昇した低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−コレステロール)レベル、高トリグリセリド血症、高グリセリド血症、低リポタンパク血症、シトステロール血症、脂肪肝疾患、肝炎;子癇前症;多発性嚢胞腎疾患進行;脂肪肝または肝臓内への異常な脂質蓄積;心臓、腎臓または筋肉の脂肪変性;αβリポタンパク質血症;シトステロール血症;黄色腫症;タンジール病;高アンモニア血症および関連疾患;肝性脳症;他の毒性脳症;ライ症候群;
・性、婦人科および泌尿器科障害の状態:***不全;インポテンス;早漏;女性性機能障害;女性性的興奮機能障害;性的興奮機能低下障害;膣萎縮;***疼痛;萎縮性腟炎;良性前立腺過形成(BPH)、前立腺肥大症、前立腺腫大;膀胱下尿道閉塞;膀胱痛症候群(BPS);間質性膀胱炎(IC);過活動膀胱;神経因性膀胱および失禁;糖尿病性腎症;原発性および続発性月経困難症;下部尿路症状(LUTS);子宮内膜症;骨盤痛;男性および女性泌尿生殖系の器官の良性および悪性疾患;
・慢性腎疾患;急性および慢性腎機能不全;急性および慢性腎不全;ループス腎炎;基礎または関連腎疾患:低灌流、透析低血圧、閉塞性尿路疾患、糸球体症、糸球体腎炎、急性糸球体腎炎、糸球体硬化、尿細管間質疾患、腎症疾患、原発性および先天性腎疾患、腎炎;異常に減少したクレアチニンおよび水***を特徴とする疾患;尿素、窒素、カリウムおよび/またはクレアチニンの異常に増加した血中濃度を特徴とする疾患;腎臓酵素の活性変化を特徴とする疾患、グルタミルシンテターゼの活性変化を特徴とする疾患;尿浸透圧または尿量の変化を特徴とする疾患;微量アルブミン尿増加を特徴とする疾患、顕性アルブミン尿を特徴とする疾患;糸球体および細動脈の病変、尿細管拡張、高リン酸塩血症および/または透析の必要性を特徴とする疾患;腎機能不全の続発症;肺水腫に関連する腎機能不全;HFに関連する腎機能不全;***または貧血に関連する腎機能不全;電解質障害(高カリウム血症、低ナトリウム血症);骨および炭水化物代謝の障害;
・眼疾患または障害、例えば、緑内障、網膜症および糖尿病性網膜症。
「炎症」という用語は、病原体、損傷細胞または刺激物質などの有害な刺激に対する血管組織の複雑な生物学的反応を指す。急性炎症の古典的な徴候は、疼痛、熱、発赤、腫脹および機能喪失である。炎症は、有害な刺激を除去し、治癒過程を開始しようとする生物による保護的な試みである。二者はしばしば相関するが、炎症は感染と同義語ではない(前者はしばしば後者の結果である)。この種の炎症は通常は非適応性である(粥状動脈硬化など)が、感染症の非存在下でも起こり得る。各病原体に得意的な適応免疫と比べて、炎症は常同的反応であるので、先天免疫の機構と考えられる。炎症の非存在下での組織の進行性の破壊は生物の生存を損なうだろう。他方、慢性炎症は様々な疾患、例えば、花粉症、歯周炎、粥状動脈硬化、関節リウマチおよびがんさえも(胆嚢がん)もたらし得る。炎症が通常は体によって厳密に制御されているのはそのためである。炎症は急性または慢性のいずれかに分類することができる。「急性炎症」は有害刺激に対する体の初期反応であり、血液からの血漿および白血球(特に、顆粒球)の傷ついた組織への移動増加によって達成される。生化学的イベントのカスケードが伝播し、傷ついた組織内の局所血管系、免疫系および種々の細胞を伴う炎症反応を成熟させる。「慢性炎症」として知られている長期炎症は、炎症の部位に存在する細胞の種類における進行的変化をもたらし、炎症過程からの組織の同時破壊および治癒を特徴とする。
そのため、別の実施形態では、sGCの刺激剤である表IAまたは表IBの化合物、およびその薬学的に許容される塩が、炎症または炎症過程を伴い得る以下の種類の心臓、肺、末梢、肝臓、腎臓、消化または中枢神経系障害、状態および疾患の予防および/または治療に有用である:
・心筋炎症(心筋炎);慢性心筋炎;急性心筋炎;ウイルス性心筋炎;
・血管炎;膵炎;腹膜炎;リウマチ様疾患;
・腎臓の炎症性疾患;免疫学的腎疾患:腎移植拒絶、免疫複合体誘発腎疾患、毒素によって誘発される腎症、造影剤腎症;糖尿病性および非糖尿病性腎症、腎盂腎炎、腎嚢胞、腎硬化症、高血圧性腎硬化およびネフローゼ症候群;
・慢性間質性炎症、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎(UC);
・炎症性皮膚疾患;
・眼の炎症性疾患、眼瞼炎、ドライアイ症候群およびシェーグレン症候群;眼線維症。
「創傷治癒」という用語は、皮膚(または別の器官もしくは組織)が傷害後に自身を修復する複雑な過程を指す。例えば、正常な皮膚では、表皮(最外層)および真皮(内部または深部層)が定常状態平衡で存在し、外部環境からの保護障壁を形成している。いったん保護障壁が破壊されると、創傷治癒の正常な(生理的)過程が直ちに始動する。創傷治癒の古典的なモデルは、重複しているが、3つまたは4つの連続的な段階に分けられる:(1)止血(著者によっては段階とみなされない)、(2)炎症、(3)増殖および(4)リモデリング。皮膚が損傷すると、複雑な生化学的イベントのセットが密接に組織化されたカスケードで起こって損傷を修復する。傷害の最初の数分以内に、血小板が傷害の部位に付着し、活性化され、凝集(結合)し、引き続いて架橋フィブリンタンパク質の網の凝集血小板の塊を形成する凝固カスケードが活性化する。この塊が活発な出血を止める(「止血」)。炎症段階中、細菌および細胞片が貪食され、白血球によって創傷から除去される。血小板由来増殖因子(血小板のα顆粒に貯蔵されている)が創傷に放出され、これによって増殖段階中の細胞の移動および***が引き起こされる。増殖段階は、血管新生、コラーゲン沈着、肉芽組織形成、上皮化および創面収縮を特徴とする。「血管新生」では、血管内皮細胞が新たな血管を形成する。「線維増殖」および肉芽組織形成では、線維芽細胞が増殖して、コラーゲンおよびフィブロネクチンを分泌することによって新たな暫定的な細胞外基質(ECM)を形成する。同時に、上皮の「再上皮化」が起こり、上皮細胞が増殖し、創傷床の頂上に這って進み、新たな組織の覆いを提供する。創面収縮中、筋線維芽細胞が、平滑筋細胞のものに似た機構を用いて創傷端をしっかりつかみ、収縮することによって創傷の大きさを減少させる。細胞の役割が終わりに近づくと、不要な細胞はアポトーシスを受ける。化膿およびリモデリング中、コラーゲンが割線に沿ってリモデリングおよび再調整され、もはや必要とされない細胞はアポトーシスによって除去される。しかしながら、この過程は複雑なだけでなく、脆弱であり、非治癒性慢性創傷(一例としては、糖尿病性創傷または潰瘍、特に糖尿病性足部潰瘍が挙げられる)の形成につながる中断または失敗を受けやすい。非治癒性慢性創傷に寄与する因子は、糖尿病、静脈または動脈疾患、感染症、高齢の代謝欠乏である。
「骨治癒」または「骨折治癒」という用語は、体が骨折の修復を促進する増殖性の生理的過程を指す。骨折治癒の過程では、いくつかの回復段階が、骨折および脱臼を囲む領域の増殖および保護を促進する。過程の長さは傷害の程度に依存し、ほとんどの上半身骨折の修復には2〜3週間の通常限度が与えられ;下半身傷害にはどこでも4週間以上が与えられる。治癒過程は、「骨膜」(骨を覆う結合組織膜)によって主に決定される。骨膜は、骨の治癒に必須の「軟骨芽細胞」および骨芽細胞に発達する前駆細胞の1つの源である。骨髄(存在する場合)、骨内膜、小血管および線維芽細胞は、前駆細胞の他の源である。
そのため、別の実施形態では、sGCの刺激剤である表IAまたは表IBの化合物、およびその薬学的に許容される塩が、創傷または骨治癒の過程の刺激が望ましい以下の種類の疾患、障害または状態の治療に有用である:
・糖尿病における創傷または潰瘍治癒;微小血管灌流改善;傷害後のまたは周術期医療において炎症反応を弱めるための微小血管灌流改善;裂肛;糖尿病性潰瘍;糖尿病性足部潰瘍;骨治癒;破骨細胞骨吸収およびリモデリング;ならびに新たな骨形成。
「結合組織」(CT)という用語は、体の異なる種類の組織および器官を支持、結合または分離する一種の動物組織を指す。これは動物組織の4つの一般的なクラスの1つであり、他には上皮、筋肉および神経組織がある。結合組織は、中枢神経系を含む至るところに見られる。結合組織は他の組織の中間に位置する。全てのCTは3つの主成分−基底質、線維および細胞を有し−これら全ての成分が体液に浸っている。
「結合組織障害または状態」という用語は、体の1つまたは複数の部分の結合組織の異常を含む任意の状態を指す。一定の障害は、免疫系の活動過剰を特徴とし、結果としての炎症および組織への全身損傷を伴い、通常は正常組織(例えば、一定の器官の正常組織)の結合組織による置き換えを伴う。他の障害は、結合組織自体の生化学的異常または構造欠陥を伴う。これらの障害のいくつかは遺伝性であり、いくつかは原因不明である。
結合組織疾患が自己免疫起源のものである場合、これらは「リウマチ障害」、「自己免疫リウマチ障害」または「自己免疫膠原血管障害」として分類される。
「自己免疫障害」では、体によって産生される抗体または他の細胞が体自身の組織を攻撃する。多くの自己免疫障害が、種々の器官の結合組織を冒す。自己免疫障害では、炎症および免疫応答が、関節の周りおよび生命の維持に必要な器官、例えば、腎臓または消化管の器官を含む他の組織中の結合組織損傷をもたらし得る。心臓を囲む嚢(心膜)、肺を覆う膜(胸膜)、縦隔(胸郭中の構造の正確に表されない群、疎性結合組織によって囲まれており、心臓、心臓の大血管、食道、気管、横隔神経、心臓神経、胸管、胸腺および中心胸のリンパ節を含有する)および脳さえも冒され得る。
本明細書で使用される「線維症」という用語は、体の一定の器官または部分の結合組織または線維組織(瘢痕組織、コラーゲン)の蓄積を指す。線維症が単一細胞系から生じた場合、これは「線維腫」と呼ばれる。線維症は体が損傷細胞を修復し、置き換えようとする際に生じるので、反応性、良性または病理学的状態であり得る。病理学的線維症は瘢痕化の過程と類似である。病理学的状態は、当の組織が繰り返しおよび連続的に損傷を受けると発達する。単一の傷害エピソードは、たとえ重度であっても、通常は線維症を引き起こさない。傷害が繰り返されるまたは連続的である場合(例えば、慢性肝炎で起こるように)、体が損傷を修復しようとするが、その試みが代わりに瘢痕組織の過剰蓄積をもたらす。瘢痕組織が、瘢痕組織が行うことができない一定の機能を行う器官の正常な組織に置き換わり始める;これはまた、血流を妨害し、他の細胞への血液供給を限定し得る。結果として、これらの他の機能細胞が死に始め、さらなる瘢痕組織が形成される。これが肝臓で起こると、腸から肝臓に血液を運ぶ血管(門脈)中の血圧が上昇し、「門脈圧亢進」として知られている状態をもたらす。
「硬化症」という用語は、通常、正常器官特異的組織の結合組織による置き換えによる、通常は柔軟な組織または構造または器官の硬化または硬直を指す。
それだけに限らないが、肺線維症(特発性肺線維症、嚢胞性線維症)、肝臓の線維症(または「硬変」)、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症(骨髄を冒す)、後腹膜線維症、進行性塊状線維症(肺を冒す)、腎性線維症(皮膚を冒す)、クローン病、関節線維症、ペーロニー病(陰茎を冒す)、デュピュイトラン拘縮(手および指を冒す)、ある形態の癒着性関節包炎(肩を冒す)を含む多くの種類の線維症または線維性疾患が存在する。
それだけに限らないが、筋萎縮性側索硬化症(ALS);粥状動脈硬化;巣状分節性糸球体硬化症およびネフローゼ症候群;海馬硬化症(脳を冒す);硬化性苔癬(膣および陰茎の結合組織を硬化させる疾患);肝臓硬化症(硬変);多発性硬化症または巣状硬化症(共調運動を冒す疾患);骨硬化症(骨密度が有意に低下する疾患);耳硬化症(耳を冒す疾患);結節性硬化症(複数の系を冒すまれな遺伝子疾患);原発性硬化性胆管炎(胆管の硬化);原発性側索硬化症(随意筋の進行性の筋衰弱);およびケロイドを含む多くの種類の硬化症または「硬化性疾患」が存在する。
「強皮症」または「全身性硬化症」または「進行性全身性強皮症」という用語は、関節、皮膚および内部器官の瘢痕化ならびに血管異常を伴う状態を指す。全身性硬化症は時々、限られた形態で、例えば、時々、皮膚のみもしくは皮膚の主に一定の部分のみを冒して、またはCREST症候群(皮膚の末梢領域が関与する、但し、体幹は関与しない)として生じる。全身性硬化症の通常の初期症状は指の末端での皮膚の腫脹であり、次いで、肥厚および緊縮である。指が突然および一時的にとても青白くなり、疼き、無感覚、痛いまたは両方になる「レイノー現象」は一般的である。
「多発性筋炎」という用語は筋肉炎症を指す。「皮膚筋炎」という用語は、皮膚炎症を伴う筋肉炎症を指す。「多発性軟骨炎」という用語は軟骨組織炎症を指す。
「好酸球性筋膜炎」という用語は、好酸球免疫細胞が放出され、筋肉の上および間の、皮膚の下の丈夫な線維組織の層である「筋膜」の炎症および硬化をもたらすまれな障害を指す。筋膜が、腕および脚で痛みを伴う炎症を起こし、腫脹し、徐々に硬化する。腕および脚の皮膚が進行的に硬化するにつれて、これらが移動するのが困難になる。最終的に、異常な位置で動かなくなる。時々、腕が関与する場合、手根管症候群を発達する場合がある。
別の実施形態では、sGCの刺激剤である表IAまたは表IBのsGC刺激剤、およびその薬学的に許容される塩を投与することによって治療および/または予防することができる障害の具体的な疾患には、それだけに限らないが、炎症、自己免疫または線維症(すなわち、線維性疾患)を伴う以下の種類の疾患が含まれる:
・泌尿生殖系障害:糖尿病性腎症;慢性腎疾患または機能不全から生じる腎線維症および腎不全;蓄積/沈着および組織傷害による腎線維症および腎不全;腎硬化症;進行性硬化症;糸球体腎炎;巣状分節性糸球体硬化症;ネフローゼ症候群;前立腺肥大;腎線維症;間質性腎線維症;
・肺系障害:肺線維症;突発性肺線維症;嚢胞性線維症;進行性塊状線維症;肺を冒す進行性塊線維症;
・心臓を冒す障害:心内膜心筋線維症;陳旧性心筋梗塞;心房線維症;心臓間質性線維症;心臓リモデリングおよび線維症;心肥大;
・肝臓および関連器官の障害:肝臓硬化症または硬変;慢性肝疾患に関連する肝硬変;肝線維症;肝星細胞活性化;肝線維コラーゲンおよび全コラーゲン蓄積;壊死性炎症性および/または免疫学的起源の肝疾患;原発性胆汁性肝硬変;原発性硬化性胆管炎;他の胆汁うっ滞性肝疾患:肉芽腫肝疾患、肝臓悪性腫瘍、妊娠性肝内胆汁うっ滞、肝炎、敗血症、薬物または毒素、移植片対宿主病、肝移植後、総胆管結石、胆管腫瘍、膵癌、ミリッチー症候群、AIDS胆管症または寄生生物に関連するもの;住血吸虫症;
・消化器疾患または障害:クローン病;潰瘍性大腸炎;消化管の硬化症;
・皮膚または眼の疾患:腎性線維症;ケロイド;線維性の局所または皮膚の障害または状態;真皮線維症;強皮症、皮膚線維症;モルフェア;肥厚性瘢痕;母斑;増殖性硝子体網膜症;サルコイド;肉芽腫;眼線維症;
・神経系を冒す疾患:筋萎縮性側索硬化症(ALS);海馬硬化症、多発性硬化症(MS);巣状硬化症;原発性側索硬化症;
・骨の疾患;骨硬化症;
・耳硬化症;他の聴覚疾患または障害;聴覚機能障害、部分的または完全な難聴;部分的または完全な聴覚消失;耳鳴り;騒音性難聴;
・自己免疫、炎症または線維症を伴う他の疾患:強皮症;限局性強皮症または限局性強皮症;縦隔線維症;線維症縦隔炎;骨髄線維症;後腹膜線維症;関節線維症;ペーロニー病;デュピュイトラン拘縮;硬化性苔癬;ある形態の癒着性関節包炎;粥状動脈硬化;結節性硬化症;全身性硬化症;多発性筋炎;皮膚筋炎;多発性軟骨炎;好酸球性筋膜炎;全身性エリテマトーデスまたはループス;骨髄線維症、骨髄線維症または骨骨髄線維症;サルコイドーシス;子宮類線維症;子宮内膜症。
別の実施形態では、sGCの刺激剤である表IAまたは表IBのsGC刺激剤、およびその薬学的に許容される塩を投与することによって治療および/または予防することができる障害の具体的な疾患には、それだけに限らないが、以下が含まれる:一定の種類のがん;鎌状赤血球症;鎌状赤血球貧血;がん転移;骨粗鬆症;胃不全麻痺;機能性消化不良;糖尿病合併症;脱毛症または脱毛;内皮機能障害に関連する疾患;一酸化窒素産生減少に関連する神経障害;アルギニノコハク酸尿症;神経筋疾患:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、肢帯型筋ジストロフィー、遠位型ミオパチー、I型およびII型筋緊張性ジストロフィー、顔面−肩甲−腓骨型筋ジストロフィー、常染色体性およびX連鎖性エメリ−ドレフュス型筋ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症ならびに棘筋萎縮症(SMA)。
いくつかの実施形態では、本発明は、対象の疾患、健康状態または障害を治療する方法であって、治療上有効量の表IAもしくは表IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、治療を必要とする対象に投与するステップを含み、疾患、健康状態または障害が上に列挙される疾患の1つから選択される方法に関する。
別の実施形態では、本発明の化合物をステントなどの埋込型装置の形態で送達することができる。ステントは、疾患によって誘導される限局性の流れの狭窄を防止または中和するために体内の自然通路/導管に挿入されるメッシュ「チューブ」である。この用語はまた、このような自然導管を一時的に開いておいて、手術のための接近を可能とするために使用されるチューブも指し得る。
薬剤溶出性ステント(DES)は、薬物をゆっくり放出して細胞増殖、通常は平滑筋細胞増殖を阻害する、狭小な疾患末梢または冠動脈に入れられる末梢または冠動脈ステント(足場)である。これは、血餅(血栓)と一緒になってステント留置された動脈を遮断し得る線維化、再狭窄と呼ばれる過程を予防する。ステントは通常、血管形成術中に介入心臓病専門医または介入放射線医 によって末梢または冠動脈内に入れられる。細胞増殖を阻害するためにDESに一般的に使用される薬物には、パクリタキセルまたはラパマイシン類似体が含まれる。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のsGC刺激剤を、前記sGC刺激剤でコーティングされた薬剤溶出性ステントによって送達することができる。本発明のsGC刺激剤でコーティングされた薬剤溶出性ステントは、経皮的冠動脈形成術中のステント再狭窄および血栓症の予防に有用となり得る。本発明のsGC刺激剤でコーティングされた薬剤溶出性ステントは、平滑筋増殖を予防するならびにステントが挿入されている動脈の内皮組織の血管再生および再生を助けることができるだろう。
冠動脈閉塞性疾患による難治性アンギナを治療するための経皮的冠動脈形成術の代替は、冠動脈バイパス術(CABG)と呼ばれる手法である。CABGは、グラフト粥状動脈硬化の急速な発達をさらに併発する進行中の過程の緩和のみを提供する。伏在静脈グラフトがCABG手術で最も一般的に使用される導管である。静脈CABGの長期の臨床的成功は、3つの主な理由のために妨げられている:加速したグラフト粥状動脈硬化、不完全な内皮化および血栓症。
いくつかの実施形態では、本発明のsGC刺激剤を、CABG中の伏在グラフト失敗を予防するために使用することができる。本発明の化合物は、内皮化の過程を助け、血栓症の予防に役立ち得る。この適応症では、sGC刺激剤がゲルの形態で局所送達される。
「疾患」、「障害」および「状態」という用語は、ここではsGC、cGMPおよび/またはNOによって媒介される医学的または病理学的状態を指すために互換的に使用され得る。
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は互換的に使用される。「対象」および「患者」という用語は、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ラット、ネコ、イヌおよびマウス)と霊長類(例えば、サル、チンパンジーおよびヒト)を含む動物(例えば、ニワトリ、ウズラもしくはシチメンチョウ、または哺乳動物)、具体的には「哺乳動物」、より具体的にはヒトを指す。いくつかの実施形態では、対象が家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタもしくはヒツジ)またはペット(例えば、イヌ、ネコ、モルモットもしくはウサギ)などのヒト以外の動物である。いくつかの実施形態では、対象がヒトである。
本発明はまた、対象の上記疾患、状態および障害の1つを治療する方法であって、治療上有効量の表IAもしくは表IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、治療を必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する。あるいは、本発明は、治療を必要とする対象のこれらの疾患、状態および障害の1つの治療における、表IAもしくは表IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。本発明はさらに、これらの疾患、状態および障害の1つを治療するのに有用な医薬品を調製または製造する方法であって、表IAもしくは表IBの化合物、またはその薬学的に許容される塩を用いるステップを含む方法を提供する。
本明細書で使用される「生体試料」という用語は、インビトロまたは生体外試料を指し、限定されないが、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;血液、唾液、尿、糞便、***、涙、リンパ液、眼液、硝子体液もしくは他の体液またはその抽出物を含む。
疾患または障害に関する「治療する」、「治療すること」または「治療」は、障害または疾患の原因および/または効果を軽減または抑止することを指す。本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」および「治療すること」という用語は、1種または複数の療法(例えば、本発明の化合物または組成物などの1種または複数の治療剤)の投与から得られる、sGC、cGMPおよび/またはNOによって媒介される状態の進行、重症度および/または持続時間の減少または改善、あるいは前記状態の1つまたは複数の症状(好ましくは、1つまたは複数の識別可能な症状)の改善(すなわち、状態を「治癒する」ことなく「管理する」)を指す。具体的な実施形態では、「治療する」、「治療」および「治療すること」という用語が、sGC、cGMPおよび/またはNOによって媒介される状態の少なくとも1つの測定可能な物理パラメータの改善を指す。他の実施形態では、「治療する」、「治療」および「治療すること」という用語が、例えば、識別可能な症状の安定化により物理的な、または例えば、物理パラメータの安定化により生理的な、または両方の、sGC、cGMPおよび/またはNOによって媒介される状態の進行の阻害を指す。
本明細書で使用される「予防すること」という用語は、疾患または障害の1つまたは複数の症状の出現を避けるまたは未然に防ぐために前もって医薬品を投与することを指す。医学分野の当業者は、「予防する」という用語が絶対的用語でないことを認識する。医学分野では、これが、状態の可能性もしくは重症度または状態の症状を実質的に減らすための薬物の予防的投与を指すと理解され、これが本開示で意図される意味である。Physician’s Desk Reference、この分野の標準的なテキストは、「予防する」という用語を何百回と使用している。その中で使用される場合、障害または疾患に関する「予防する」、「予防すること」および「予防」という用語は、疾患または障害が完全に現れる前に疾患または障害の原因、効果、症状または進行を避けることを指す。
一実施形態では、本発明の方法が、sGC、cGMPおよび/またはNOに関する疾患、障害または症状を発達する素因(例えば、遺伝的素因)がある患者、具体的にはヒトに対する予防的または「先制の」手段である。
他の実施形態では、本発明の方法が、sGC、cGMPまたはNOに関する疾患、障害または症状を発達するリスクがあるようにする疾患、障害または状態を患っている患者、具体的にはヒトに対する予防的または「先制の」手段である。
本明細書に記載される化合物および医薬組成物を、sGC、cGMPおよび/またはNOによって媒介、調節または影響される疾患または障害を治療または予防するために、単独でまたは併用療法で使用することができる。
ここで開示される化合物および組成物は、限定されないが、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、モルモット、ウサギ、ウマ、ブタおよびウシを含む、伴侶動物、外来動物および家畜の獣医学的治療にも有用である。
他の実施形態では、本発明は、生体試料中のsGC活性を刺激する方法であって、前記生体試料を本発明の化合物または組成物と接触させるステップを含む方法を提供する。生体試料へのsGC刺激剤の使用は、当業者に既知の種々の目的に有用である。このような目的の例としては、限定されないが、生物学的アッセイおよび生体標本保存が挙げられる。
併用療法
本明細書に記載される化合物および医薬組成物を、1種または複数の追加の治療剤との併用療法で使用することができる。活性剤が別々の投与製剤中にある、2種以上の活性剤を用いる併用治療については、活性剤を別々に投与しても併せて投与してもよい。さらに、1つの要素の投与が他の薬剤の投与の前でも、他の薬剤と同時でも、他の薬剤の後でもよい。
他の薬剤と同時投与される場合、例えば、別の疼痛医薬品と同時投与される場合、第2の薬剤の「有効量」は使用される薬物の種類に依存する。適当な投与量は承認薬剤について知られており、対象の状態、治療している状態(複数可)の種類および使用している本明細書に記載される化合物の量により、当業者によって調整され得る。量が明示的に述べられていない場合、有効量を仮定すべきである。例えば、本明細書に記載される化合物は、約0.01〜約10000mg/kg体重/日、約0.01〜約5000mg/kg体重/日、約0.01〜約3000mg/kg体重/日、約0.01〜約1000mg/kg体重/日、約0.01〜約500mg/kg体重/日、約0.01〜約300mg/kg体重/日、約0.01〜約100mg/kg体重/日の間の投与量範囲で対象に投与することができる。
「併用療法」を使用する場合、第1の量の表IAもしくは表IBの化合物またはその薬学的に許容される塩と、第2の量の追加の適当な治療剤とを用いて有効量を達成することができる。
本発明の一実施形態では、表IAまたは表IBの化合物と追加の治療剤をそれぞれ、有効量(すなわち、それぞれ、単独で投与した場合に治療上有効となる量)で投与する。別の実施形態では、表IAまたは表IBの化合物と追加の治療剤をそれぞれ、単独では治療効果をもたらさない量(治療量以下用量)で投与する。さらに別の実施形態では、表IAまたは表IBの化合物を有効量で投与することができ、追加の治療剤を治療量以下用量で投与する。なお別の実施形態では、表IAまたは表IBの化合物を治療量以下用量で投与し、追加の治療剤、例えば、適当ながん治療薬を有効量で投与する。
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」または「同時投与」という用語は、2つ以上の療法(例えば、1種または複数の予防および/または治療剤)の使用を指すために互換的に使用され得る。これらの用語の使用は、療法(例えば、予防および/または治療剤)を対象に投与する順序を制限しない。
同時投与は、第1および第2の量の化合物の本質的に同時の様式、例えば、一定比の第1および第2の量を有する単一医薬組成物、例えば、カプセル剤または錠剤、あるいは複数の各々について別個のカプセル剤または錠剤での投与を包含する。さらに、このような同時投与は、各化合物のいずれかの順序での連続様式での使用も包含する。同時投与が第1の量の表IAまたは表IBの化合物と第2の量の追加の治療剤の別々の投与を伴う場合、化合物は所望の治療効果を有するよう十分に接近した時間で投与される。例えば、所望の治療効果をもたらし得る各投与間の期間は、数分〜数時間に及ぶことができ、効力、溶解度、生物学的利用能、血漿内半減期および運動プロファイルなどの各化合物の特性を考慮して決定することができる。例えば、表IAまたは表IBの化合物と第2の治療剤を、互いに約24時間以内、互いに約16時間以内、互いに約8時間以内、互いに約4時間以内、互いに約1時間以内または互いに約30分以内に任意の順序で投与することができる。
より具体的には、第1の療法(例えば、本明細書に記載される化合物などの予防または治療剤)を、第2の療法(例えば、抗がん剤などの予防または治療剤)の対象への投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間もしくは12週間前)、投与と同時、または投与の後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間もしくは12週間後)に投与することができる。
本開示の化合物と組み合わせ、別々にまたは同じ医薬組成物で投与することができる他の治療剤の例としては、それだけに限らないが、以下が挙げられる:
(1)内皮由来弛緩因子(EDRF);
(2)NOドナー、例えば、ニトロソチオール、亜硝酸塩、シドノンイミン、NONOエート、N−ニトロソアミン、N−ヒドロキシルニトロソアミン、ニトロソイミン、ニトロチロシン、ジアゼチンジオキシド、オキサトリアゾール5−イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N−ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレアまたはフロキサン。これらの種類の化合物のいくつかの例としては:三硝酸グリセリン(GTN、ニトログリセリン、ニトログリセリンおよびトリニトログリセリンとしても知られている)、グリセリンの硝酸エステル;ニトロプルシドナトリウム(一酸化窒素の分子が鉄金属に配位して四角両錐錯体を形成している);3−モルホリノシドノンイミン(SIN−1)、モルホリンとシドノンイミンの組み合わせによって形成された双性イオン化合物;S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(SNAP)、ニトロソチオール官能基を有するN−アセチル化アミノ酸誘導体;ジエチレントリアミン/NO(DETA/NO)、ジエチレントリアミンと共有結合した一酸化窒素の化合物;およびNCX4016、アセチルサリチル酸のm−ニトロキシメチルフェニルエステルが挙げられる。これらのクラスのNOドナーのいくつかのより具体的な例としては、古典的なニトロ血管拡張剤、例えば、ニトログリセリン、亜硝酸アミル、二硝酸イソソルビト、5−一硝酸イソソルビドおよびニコランジルを含む有機硝酸および亜硝酸エステル;イソソルビド(Dilatrate(登録商標)−SR、Imdur(登録商標)、Ismo(登録商標)、Isordil(登録商標)、Isordil(登録商標)、Titradose(登録商標)、Monoket(登録商標))、FK409(NOR−3);FR144420(NOR−4);3−モルホリノシドノンイミン;リンシドミンクロロハイドレート(Linsidomine chlorohydrate)(「SIN−1」);S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(「SNAP」);AZD3582(CINOD鉛化合物)、NCX4016、NCX701、NCX1022、HCT1026、NCX1015、NCX950、NCX1000、NCX1020、AZD4717、NCX1510/NCX1512、NCX2216およびNCX4040(全てNicOx S.A.から入手可能)、S−ニトロソグルタチオン(GSNO)、ニトロプルシドナトリウム、S−ニトロソグルタチオンモノエチルエステル(GSNOエステル)、6−(2−ヒドロキシ−1−メチル−ニトロソヒドラジノ)−N−メチル−1−ヘキサンアミン(NOC−9)またはジエチルアミンNONOエートが挙げられる。一酸化窒素ドナーは、米国特許第5155137号明細書、第5366997号明細書、第5405919号明細書、第5650442号明細書、第5700830号明細書、第5632981号明細書、第6290981号明細書、第5691423号明細書、第5721365号明細書、第5714511号明細書、第6511911号明細書および第5814666号明細書、Chrysselis et al.(2002)J Med Chem.45:5406−9(NOドナー14および17など)およびNitric Oxide Donors for Pharmaceutical and Biological Research,Eds:Peng George Wang,Tingwei Bill Cai,Naoyuki Taniguchi,Wiley,2005に開示されているものもある;
(3)cGMP濃度を増加させる他の物質、例えば、プロトポルフィリンIX、アラキドン酸およびフェニルヒドラジン誘導体;
(4)一酸化窒素合成酵素基質:例えば、n−ヒドロキシグアニジン系類似体、例えば、N[G]−ヒドロキシ−L−アルギニン(NOHA)、1−(3,4−ジメトキシ−2−クロロベンジリデンアミノ)−3−ヒドロキシグアニジンおよびPR5(1−(3,4−ジメトキシ−2−クロロベンジリデンアミノ)−3−ヒドロキシグアニジン);L−アルギニン誘導体(ホモ−Arg、ホモ−NOHA、N−tert−ブチルオキシ−およびN−(3−メチル−2−ブテニル)オキシ−L−アルギニン、カナバニン、εグアニジン−カプロン酸、アグマチン、ヒドロキシル−アグマチンおよびL−チロシル−L−アルギニン);N−アルキル−N’−ヒドロキシグアニジン(N−シクロプロピル−N’−ヒドロキシグアニジンおよびN−ブチル−N’−ヒドロキシグアニジンなど)、N−アリール−N’−ヒドロキシグアニジン(N−フェニル−N’−ヒドロキシグアニジンおよび−F、−Cl、−メチル、−OH置換基をそれぞれ有するそのパラ置換誘導体など);グアニジン誘導体、例えば、3−(トリフルオロメチル)プロピルグアニジン;ならびにCaliら(2005,Current Topics in Medicinal Chemistry 5:721−736)に概説されているおよびその中に引用されている参考文献に開示されているその他のもの;
(5)eNOS転写を増強する化合物:例えば、国際公開第02/064146号パンフレット、国際公開第02/064545号パンフレット、国際公開第02/064546号パンフレットおよび国際公開第02/064565号パンフレット、ならびに対応する特許文献、例えば、米国特許出願公開第2003/0008915号明細書、米国特許出願公開第2003/0022935号明細書、米国特許出願公開第2003/0022939号明細書および米国特許出願公開第2003/0055093号明細書に記載されているもの。他のeNOS転写増強剤には、米国特許出願公開第20050101599号明細書(例えば、2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸インダン−2−イルアミドおよび4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)−ベンズアミド)およびSanofi−Aventis化合物AVE3085およびAVE9488(CA登録番号916514−70−0;Schafer et al.,Journal of Thrombosis and Homeostasis 2005;Volume 3,Supplement 1:abstract number P1487)に記載されているものが含まれる;
(6)それだけに限らないが、BAY58−2667(特許公開であるドイツ特許第19943635号明細書参照)
HMR−1766(アタシグアトナトリウム、特許公開である国際公開第2000002851号パンフレット参照)
S3448(2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(特許公開であるドイツ特許第19830430号明細書および国際公開第2000002851号パンフレット参照)
HMR−1069(Sanofi−Aventis)を含むNO非依存性ヘム非依存性sGC活性剤。
(7)それだけに限らないが、以下を含むヘム依存性sGC刺激剤:
YC−1(特許公開である欧州特許第667345号明細書およびドイツ特許第19744026号明細書参照)
リオシグアト(BAY63−2521、Adempas、市販の製品、ドイツ特許第19834044号明細書に記載)
ネリシグアト(Neliciguat)(BAY60−4552、国際公開第2003095451号パンフレットに記載)
ベリシグアト(Vericiguat)(BAY1021189、リオシグアトに対する臨床的代替品)、BAY41−2272(ドイツ特許第19834047号明細書およびドイツ特許第19942809号明細書に記載)
BAY41−8543(ドイツ特許第19834044号明細書に記載)
エトリシグアト(Etriciguat)(国際公開第2003086407号パンフレットに記載)
CFM−1571(特許公開国際公開第2000027394号パンフレット参照)
A−344905、そのアクリルアミド類似体A−350619およびアミノピリミジン類似体A−778935。
A350−619;
A−344905;
A−778935;
刊行物:米国特許出願公開第20090209556号明細書、米国特許第8455638号明細書、米国特許出願公開第20110118282号明細書(国際公開第2009032249号パンフレット)、米国特許出願公開第20100292192号明細書、米国特許出願公開第20110201621号明細書、米国特許第7947664号明細書、米国特許第8053455号明細書(国際公開第2009094242号パンフレット)、米国特許出願公開第20100216764号明細書、米国特許第8507512号明細書(国際公開第2010099054号パンフレット)、米国特許出願公開第20110218202号明細書(国際公開第2010065275号パンフレット)、米国特許出願公開第20130012511号明細書(国際公開第2011119518号パンフレット)、米国特許出願公開第20130072492号明細書(国際公開第2011149921号パンフレット)、米国特許出願公開第20130210798号明細書(国際公開第2012058132号パンフレット)の1つに開示されている化合物およびTetrahedron Letters(2003),44(48):8661−8663に開示されている他の化合物。
(8)cGMPの分解を阻害する化合物、例えば:
PDE5阻害剤、例えば、シルデナフィル(Viagra(登録商標))および他の関連薬剤、例えば、アバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、シルデナフィルクエン酸塩(Revatio(登録商標))、タダラフィル(Cialis(登録商標)またはAdcirca(登録商標))、バルデナフィル(Levitra(登録商標))およびウデナフィル;アルプロスタジル;およびジピリダモール;PF−00489791
PDE9阻害剤(例えば、PF−04447943など);
(9)カルシウムチャネル遮断薬、例えば:
ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬:アムロジン(Norvasc)、アラニジピン(Sapresta)、アゼルニジピン(Calblock)、バルニジピン(HypoCa)、ベニジピン(Coniel)、シルニジピン(Atelec、Cinalong、Siscard)、クレビジピン(Cleviprex)、ジルチアゼム、エホニジピン(Landel)、フェロジピン(Plendil)、ラシジピン(Motens、Lacipil)、レルカニジピン(Zanidip)、マニジピン(Calslot、Madipine)、ニカルジピン(Cardene、Carden SR)、ニフェジピン(Procardia、Adalat)、ニルバジピン(Nivadil)、ニモジピン(Nimotop)、ニソルジピン(Baymycard、Sular、Syscor)、ニトレンジピン(Cardif、Nitrepin、Baylotensin)、プラニジピン(Acalas)、イスラジピン(Lomir);
フェニルアルキルアミンカルシウムチャネル遮断薬:ベラパミル(Calan、Isoptin)
ガロパミル(Procorum、D600);
ベンゾチアゼピン:ジチアゼム(Cardizem);
非選択的カルシウムチャネル阻害薬、例えば:ミベフラジル、ベプリジルおよびフルスピリレン、フェンジリン;
(10)エンドセリン受容体拮抗薬(ERA):例えば、二重(ET
AおよびET
B)エンドセリン受容体拮抗薬ボセンタン(Tracleer(登録商標)として市販されている);シタキセンタン、Thelin(登録商標)という名称で市販されている;アンブリセンタンは米国でLetairis(登録商標)として市販されている;2008年に臨床試験に入った二重/非選択的エンドセリン拮抗薬アクテリオン−1;
(11)プロスタサイクリン誘導体または類似体:例えば、プロスタサイクリン(プロスタグランジンI
2)、エポプロステノール(合成プロスタサイクリン、Flolan(登録商標)として市販されている);トレプロスチニル(Remodulin(登録商標))、イロプロスト(Ilomedin(登録商標))、イロプロスト(Ventavis(登録商標)として市販されている);開発中のRemodulin(登録商標)の経口および吸入形態;ベラプロスト、日本および韓国で入手可能な経口プロスタノイド;
(12)抗高脂血症薬、例えば:胆汁酸捕捉剤(例えば、コレスチラミン、コレスチポール、コレスチランおよびコレセベラム);スタチン、例えば、アトルバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンおよびプラバスタチン;コレステロール吸収阻害剤、例えば、エゼチミベ;他の脂質低下剤、例えば、イコサペントエチルエステル、ω3酸エチルエステル、レデュコール;フィブリン酸誘導体、例えば、クロフィブラート、ベザフィブラート、クリノフィブラート、ゲムフィブロジル、ロニフィブラート、ビニフィブラート、フェノフィブラート、シプロフィブラート、コリンフェノフィブラート;ニコチン酸誘導体、例えば、アシピモックスおよびナイアシン;同様にスタチン、ナイアシン、腸コレステロール吸収阻害サプリメント(エゼチミベなど)およびフィブラートの組み合わせ;抗血小板療法、例えば、クロピドグレル二硫酸塩;
(13)抗凝固薬、例えば、以下の種類:
・クマリン(ビタミンK拮抗薬):米国および英国で主に使用されているワルファリン(登録商標)(クマジン);他の国々で主に使用されているアセノクマロール(登録商標)およびフェンプロクモン(登録商標);フェニンジオン(登録商標);
・ヘパリンおよび誘導体物質、例えば:ヘパリン;低分子量ヘパリン、フォンダパリヌクスおよびイドラパリヌクス;
・直接トロンビン阻害薬、例えば:アルガトロバン、レピルジン、ビバリルジンおよびダビガトラン;米国で承認されていないキシメラガトラン(Exanta(登録商標));
・血餅を溶解し、動脈から障害物を取り除くために使用される組織プラスミノーゲン活性化因子、例えば、アルテプラーゼ;
(14)抗血小板薬:例えば、チエノピリジン(
クロピドグレルおよびチクロピジンなど);ジピリダモール;アスピリン;
(15)ACE阻害薬、例えば、以下の種類:
・スルフヒドリル含有剤、例えば、カプトプリル(商品名Capoten(登録商標))、最初のACE阻害薬およびゾフェノプリル;
・ジカルボキシレート含有剤、例えば、エナラプリル(Vasotec/Renitec(登録商標);ラミプリル(Altace/Tritace/Ramace/Ramiwin(登録商標);キナプリル(Accupril(登録商標)、ペリンドプリル(Coversyl/Aceon(登録商標));リシノプリル(Lisodur/Lopril/Novatec/Prinivil/Zestril(登録商標))およびベナゼプリル(Lotensin(登録商標));
・ホスホネート含有剤、例えば:ホシノプリル;
・天然ACE阻害薬、例えば:カゼリンの分解産物であり、牛乳製品、特に発酵乳の摂取後に自然に生じるカソキニンおよびラクトキニン;生菌のラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)によって産生されるまたはカゼインに由来するラクトトリペプチドVal−Pro−ProおよびIle−Pro−ProもACE阻害および抗高血圧機能を有する;
・他のACE阻害薬、例えば、アラセプリル、デラプリル、シラザプリル、イミダプリル、トランドラプリル、テモカプリル、モエキシプリル、スピラプリル、
(16)酸素補充療法;
(17)β遮断薬、例えば、以下の種類:
・非選択的薬剤:Alprenolol(登録商標)、Bucindolol(登録商標)、Carteolol(登録商標)、Carvedilol(登録商標)(さらなるα遮断活性を有する)、Labetalol(登録商標)(さらなるα遮断活性を有する)、Nadolol(登録商標)、Penbutolol(登録商標)(固有の交感神経刺激活性を有する)、Pindolol(登録商標)(固有の交感神経刺激活性を有する)、オクスプレノロール、アセブトロール、ソタロール、メピンドロール、セリプロロール、アロチノロール、テルタトロール、アモスラロール、ニプラジロール、Propranolol(登録商標)およびTimolol(登録商標);
・β
1選択的薬剤:Acebutolol(登録商標)(固有の交感神経刺激活性を有する)、Atenolol(登録商標)、Betaxolol(登録商標)、Bisoprolol(登録商標)、Celiprolol(登録商標)、ドブタミン塩酸塩、イルソグラジンマレイン酸塩、カルベジロール、タリノロール、Esmolol(登録商標)、Metoprolol(登録商標)およびNebivolol(登録商標);
・β
2選択的薬剤:Butaxamine(登録商標)(弱いα−アドレナリンアゴニスト活性);
(18)抗不整脈薬、例えば、以下の種類:
・I型(ナトリウムチャネル遮断薬):キニジン、リドカイン、フェニトイン、プロパフェノン
・III型(カリウムチャネル遮断薬):アミオダロン、ドフェチリド、ソタロール
・V型:アデノシン、ジゴキシン
(19)利尿薬、例えば:クロロチアジド、クロルタリドンおよびヒドロクロロチアジド、ベンドロフルメチアジド、シクロペンチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、キネタゾン、キシパミド、メトラゾン、インダパミド、シクレタニン;ループ利尿薬、例えば、フロセミドおよびトレサミド;カリウム保持性利尿薬、例えば、アミロリド、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、エプレレノンおよびトリアムテレン;これらの薬剤の組み合わせ;他の利尿薬、例えば、アセタゾラミドおよびカルペリチド
(20a)直接作用性血管拡張薬、例えば、ヒドララジン塩酸塩、ジアゾキシド、ニトロプルシドナトリウム、カドララジン;他の血管拡張薬、例えば、二硝酸イソソルビドおよび5−一硝酸イソソルビド;
(20b)外因性血管拡張薬、例えば:
・Adenocard(登録商標)、アデノシンアゴニスト、抗不整脈薬として主に使用される;
・α遮断薬(アドレナリンの血管収縮効果を遮断する):α−1−アドレナリン受容体拮抗薬、例えば、プラゾシン、インドラミン、ウラピジル、ブナゾシン、テラゾシン、ドキサゾシン
・心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP);
・エタノール;
・ヒスタミン誘発剤、その補体タンパク質C3a、C4aおよびC5aはマスト細胞および好塩基性顆粒球からヒスタミン放出を誘因することによって作用する;
・テトラヒドロカンナビノール(THC)、わずかな血管拡張効果を有するマリファナの主活性化学物質;
・パパベリン、ケシ(Papaver somniferum)中に見られるアルカロイド;
(21)気管支拡張薬:以下に例示される2つの主な種類の気管支拡張薬、β2アゴニストおよび抗コリン薬が存在する:
・β
2アゴニスト:Salbutamol(登録商標)またはアルブテロール(共通の商品名:Ventolin)およびTerbutaline(登録商標)はCOPD症状の迅速な軽減のための短時間作用型β
2アゴニストである。長時間作用型β
2アゴニスト(LABA)、例えば、Salmeterol(登録商標)およびFormoterol(登録商標);
・抗コリン薬:Ipratropium(登録商標)は最も広く処方されている短時間作用型抗コリン薬である。Tiotropium(登録商標)は、COPDで最も一般的に処方されている長時間作用型抗コリン薬である;
・Theophylline(登録商標)、気管支拡張薬およびホスホジエステラーゼ阻害剤;
(22)副腎皮質ステロイド:例えば、ベクロメタゾン、メチルプレドニソロン、ベタメタゾン、プレドニソン、
プレドニソロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルチカゾン、フルニソリドおよびヒドロコルチゾン、ならびに副腎皮質ステロイド類似帯、例えば、ブデソニド
(23)栄養補助食品、例えば:ω−3油;葉酸、ナイアシン、亜鉛、銅、高麗人参根、イチョウ、マツ樹皮、ハマビシ、アルギニン、エンバク(Avena sativa)、ホーニーゴートウィード、マカ球根、ムイラプアマ、ノコギリヤシおよびスウェーデンの花の花粉;ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK2;テストステロンサプリメント、テストステロン経皮パッチ;ゾラキセル(Zoraxel)、ナルトレキソン、ブレメラノチド(以前はPT−141)、メラノタン(Melanotan)II、hMaxi−K;プレロックス:天然成分、L−アルギニンアスパルテートとピクノジェノールの独自開発混合物/組み合わせ;
(24)それだけに限らないが、米国公開出願である米国特許出願公開第20020022218号明細書、米国特許出願公開第20010051624号明細書および米国特許出願公開第20030055077号明細書、PCT公開出願である国際公開第9700853号パンフレット、国際公開第9825919号パンフレット、国際公開第03066046号パンフレット、国際公開第03066047号パンフレット、国際公開第03101961号パンフレット、国際公開第03101981号パンフレット、国際公開第04007451号パンフレット、国際公開第0178697号パンフレット、国際公開第04032848号パンフレット、国際公開第03097042号パンフレット、国際公開第03097598号パンフレット、国際公開第03022814号パンフレット、国際公開第03022813号パンフレットおよび国際公開第04058164号パンフレット、欧州特許出願である王出特許第945450号明細書および欧州特許第944614号明細書にPGD2拮抗活性を有するものとして記載されている化合物、ならびにTorisu et al.2004 Bioorg Med Chem Lett 14:4557、Torisu et al.2004 Bioorg Med Chem
Lett 2004 14:4891およびTorisu et al.2004 Bioorg & Med Chem 2004 12:4685に列挙されているものを含むPGD2受容体拮抗薬;
(25)免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン(シクロスポリンA、Sandimmune(登録商標)、Neoral(登録商標))、タクロリムス(FK−506、Prograf(登録商標))、ラパマイシン(シロリムス、Rapamune(登録商標))および他のFK−506型免疫抑制剤、およびミコフェノール酸、例えば、ミコフェノール酸モフェチル(CellCept(登録商標));
(26)非ステロイド性抗喘息薬、例えば、β2−アゴニスト(例えば、テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、サルメテロール、ビトルテロールおよびピルブテロール)およびβ2−アゴニルト−副腎皮質ステロイド組み合わせ(例えば、サルメテロール−フルチカゾン(Advair(登録商標))、ホルモテロール−ブデソニド(Symbicort(登録商標)))、テオフィリン、クロモリン、クロモリンナトリウム、ネドクロミル、アトロピン、イプラトロピウム、イプラトロピウム臭化物、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジロートン、BAY1005);
(27)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、プロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(例えば、インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパック、オキシピナック(oxpinac)、スリンダク、チオピナック、トルメチン、ジドメタシン(zidometacin)およびゾメピラック)、フェナム酸誘導体(例えば、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(例えば、ジフルニサルおよびフルフェニサル(flufenisal))、オキシカム(例えば、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよび
テノキシカム)、サリチレート(例えば、アセチルサリチル酸およびスルファサラジン)およびピラゾロン(例えば、アパゾン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾンおよびフェニルブタゾン);
(28)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬、例えば、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、バルデコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブおよびルミラコキシブ;
(オピオイド鎮痛薬、例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフォン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィンおよびペンタゾシン;および
(29)抗糖尿病薬、例えば、インスリンおよびインスリン模倣体、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリベンクラミド、グリピジド、グリクラジド、グリキドン、グリメピリド、メグリナチド、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド)、ビグアナイド、例えば、メトホルミン(Glucophage(登録商標))、α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、エパルレスタット、ボグリボース、ミグリトール)、チアゾリジノン化合物、例えば、ロシグリタゾン(Avandia(登録商標))、トログリタゾン(Rezulin(登録商標))、シグリタゾン、ピオグリタゾン(Actos(登録商標))およびエングリタゾン;インスリン抵抗性改善薬、例えば、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾン;インスリン分泌促進物質、例えば、ラパグリニド、ナテグリニドおよびミチグリニド;インスリン模倣体、例えば、エキセナチドおよびリラグルチド;アミリン類似体、例えば、プラムリンチド;グルコース低下剤、例えば、ピコリン酸クロム(ビオチンと組み合わせられていてもよい);ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、アログリプチンおよびリナグリプチン;糖尿病の治療用に現在開発中のワクチン;AVE−0277、Alum−GAD、BHT−3021、IBC−VS01;糖尿病の治療用に開発中のサイトカイン標的化療法、例えば、アナキンラ、カナキヌマブ、ジアセレイン、ゲボキズマブ、LY−2189102、MABP−1、GIT−027;糖尿病の治療用に開発中の薬物:
(30)HDLコレステロール増加剤、例えば、アナセトラピブ、MK−524A、CER−001、DRL−17822、ダルセトラピブ、JTT−302、RVX−000222、TA−8995;
(31)抗肥満薬、例えば、メタンフェタミン塩酸塩、塩酸アンフェプラモン(Tenuate(登録商標))、フェンテルミン(Ionamin(登録商標))、ベンズフェタミン塩酸塩(Didrex(登録商標))、酒石酸フェンジメトラジン(Bontril(登録商標)、Prelu−2(登録商標)、Plegine(登録商標))、マジンドール(Sanorex(登録商標))、オルリスタット(Xenical(登録商標))、シブトラミン塩酸塩一水和物(Meridia(登録商標)、Reductil(登録商標))、リモナバン(Acomplia(登録商標))、アンフェプラモン、ピコリン酸クロム、RM−493、TZP−301;組み合わせ、例えば、フェンテルミン/トピラマート、ブプロピオン/ナルトレキソン、シブトラミン/メトホルミン、ブプロピオンSR/ゾニサミドSR、サルメテロール、キシナホエート/フルチカゾンプロピオン酸エステル;ロルカセリン塩酸塩、フェンテルミン/トピラマート、ブプロピオン/ナルトレキソン、セチリスタット、エキセナチド、KI−0803、リラグルチド、メトホルミン塩酸塩、シブトラミン/メトホルミン、876167、ALS−L−1023、ブプロピオンSR/ゾニサミドSR、CORT−108297、カナグリフロジン、ピコリン酸クロム、GSK−1521498、LY−377604、メトレレプチン、オビネピチド、P−57AS3、PSN−821、サルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステル、タングステン酸ナトリウム、ソマトロピン(組換え)、TM−30339、TTP−435、テサモレリン、テソフェンシン、ベルネペリト、ゾニサミド、BMS−830216、ALB−127158、AP−1030、ATHX−105、AZD−2820、AZD−8329、ヘミシュウ酸ベロラニブ(Beloranib hemioxalate)、CP−404、HPP−404、ISIS−FGFR4Rx、インスリノトロピン(Insulinotropin)、KD−3010PF、05212389、PP−1420、PSN−842、ペプチドYY3−36、レスベラトロール、S−234462;S−234462、ソベチロム、TM−38837、テトラヒドロカンナビバリン、ZYO−1、β−ラパコン;
(32)アンジオテンシン受容体遮断薬、例えば、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタンシレキセチル、エプロサラン(Eprosaran)、イルベサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンメドキソミル、アジルサルタンメドキソミル;
(33)レニン阻害剤、例えば、アリスキレンヘミフマル酸塩;
(34)中枢性α−2−アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、メチルドパ、クロニジン、グアンファシン;
(35)アドレナリン作動性ニューロン遮断薬、例えば、グアネチジン、グアナドレル;
(36)イミダゾリンI−1受容体アゴニスト、例えば、リメニジン二水素リン酸塩(Rimenidine dihydrogen phosphate)およびモキソニジン塩酸塩水和物;
(37)アルドステロン拮抗薬、例えば、スピロノラクトンおよびエプレレノン
(38)カリウムチャネル活性化剤、例えば、ピナシジル
(39)ドーパミンD1アゴニスト、例えば、フェノルドパムメシル酸塩;他のドーパミンアゴニスト、例えば、イボパミン、ドペキサミンおよびドカルパミン;
(40)5−HT2アンタゴニスト、例えば、ケタンセリン;
(41)動脈性高血圧の治療用に現在開発されている薬物:
(42)バソプレッシン拮抗薬、例えば、トルバプタン;
(43)カルシウムチャネル感受性増強薬、例えば、レボシメンダンまたは活性化剤、例えば、ニコランジル;
(44)PDE−3阻害薬、例えば、アムリノン、ミルリノン、エノキシモン、ベスナリノン、ピモベンダン、オルプリノン;
(45)アデニル酸シクラーゼ活性化剤、例えば、コルホルシンダロパート塩酸塩;
(46)陽性変力薬、例えば、ジゴキシンおよびメチルジゴキシン;代謝強心薬、例えば、ユビデカレノン;脳性ナトリウム利尿ペプチド、例えば、ネシリチド;
(47)心不全の治療用に現在開発中の薬物:
(48)肺高血圧の治療用に現在開発中の薬物:
(49)女性性機能障害の治療用に現在開発中の薬物
(50)***不全の治療に使用される薬物、例えば、アルプロスタジル、アビプタジル、フェントラミンメシル酸塩、Weige、アルプロスタジル;
(51)男性性機能障害の治療用に現在開発中の薬物
(51)睡眠時無呼吸の治療用に開発中の薬物
(52)メタボリックシンドロームの治療用に現在開発中の薬物:
(53)抗肥満薬:
(54)アルツハイマー病の治療に使用される薬物:例えば、軽〜中等度のアルツハイマー病に処方されるコリンエステラーゼ阻害薬(Razadyne(登録商標)(ガランタミン)、Exelon(登録商標)(リバスチグミン)およびAricept(登録商標)(ドネペジル)、Cognex(登録商標)(タクリン)を含む);中等度〜重度のアルツハイマー病を治療するために処方されるNamenda(登録商標)(メマンチン)、N−メチルD−アスパラギン酸(NMDA)拮抗薬およびAricept(登録商標);ビタミンE(抗酸化剤)。
(55)抗うつ薬:三環系抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン(Elavil(登録商標))、デシプラミン(Norpramin(登録商標))、イミプラミン(Tofranil(登録商標))、アモキサピン(Asendin(登録商標))、ノルトリプチリン ;選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、例えば、パロキセチン(Paxil(登録商標))、フルオキセチン(Prozac(登録商標))、セルトラリン(Zoloft(登録商標))および
シタロプラム(Celexa(登録商標));ならびにその他、例えば、ドキセピン(Sinequan(登録商標))およびトラゾドン(Desyrel(登録商標);SNRI(例えば、ベンラファキシンおよびレボキセチン);ドーパミン作動性抗うつ薬(例えば、ブプロピオンおよびアミネプチン)。
(56)神経保護薬:例えば、メマンチン、L−ドーパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、タリペキソール、プラミペキソール、カベルゴリン、抗アポトーシス薬(CEP1347およびCTCT346)を含む現在調査中の神経保護薬、ラザロイド、生体エネルギー療法、抗グルタミン酸薬およびドーパミン受容体。他の臨床的に評価されている神経保護薬は、例えば、モノアミンオキシダーゼB阻害薬セレギリンおよびラサギリン、ドーパミンアゴニスト、ならびに複合体Iミトコンドリア増強剤補酵素Q10。
(57)抗精神病薬:例えば、ジプラシドン(Geodon(商標))、リスペリドン(Risperdal(商標))およびオランザピン(Zyprexa(商標))。
(58)NEP阻害薬、例えば、サクビトリル、オマパトリラト。
(59)メチレンブルー(MB)。
キット
本明細書に記載される化合物および医薬製剤はキットに含有され得る。キットは、それぞれ包装されたまたは個別に製剤化された2種以上の薬剤の単一または複数回用量を含んでも、組み合わせて包装または製剤化された2種以上の薬剤の単一または複数回用量を含んでもよい。よって、1種または複数の薬剤が第1の容器中に存在することができ、キットが場合により第2の容器中の1種または複数の薬剤を含むことができる。容器(複数可)は包装内に入れられ、包装が場合により投与または投薬説明書を含むことができる。キットは、薬剤を投与するための注射器または他の手段ならびに製剤化のための希釈剤または他の手段などの追加の構成成分を含むことができる。よって、キットは、a)本明細書に記載される化合物と薬学的に許容される担体、ビヒクルまたは希釈剤とを含む医薬組成物と;b)容器または包装とを含むことができる。キットは場合により、(例えば、本明細書に記載される疾患および障害の1つまたは複数を予防または治療する)本明細書に記載される方法の1つまたは複数で医薬組成物を使用する方法を説明する説明書を含んでもよい。キットは場合により、併用療法のための本明細書に記載される1種または複数の追加の薬剤、薬学的に許容される担体、ビヒクルまたは希釈剤を含む第2の医薬組成物を含んでもよい。キットに含有される本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物と第2の医薬組成物を場合により同じ医薬組成物に合わせてもよい。
キットは、医薬組成物を含有するための容器または包装を含み、分かれた瓶または分かれたホイルパケットなどの分かれた容器を含んでもよい。容器は例えば、紙もしくはダンボール箱、ガラスもしくはプラスチックの瓶もしくはジャー、再密封可能なバッグ(例えば、異なる容器に入れるための錠剤の「リフィル」を保持するため)、または治療スケジュールによりパックから押し出すための個々の用量を含むブリスターパックであり得る。2つ以上の容器を単一包装に一緒に使用して単一剤形を販売することが実行可能である。例えば、錠剤を瓶に含有させ、今度はこれを箱に含有させてもよい。
キットの例はいわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは包装業界で周知であり、医薬単位剤形(錠剤、カプセル剤など)の包装に広く使用されている。ブリスターパックは一般的に、好ましくは透明なプラスチック材料の箔で覆われた比較的硬い材料のシートからなる。包装過程中、陥凹をプラスチック箔中に形成する。陥凹は包装される個々の錠剤またはカプセルの大きさおよび形状を有し、包装される複数の錠剤および/またはカプセルを収容するための大きさおよび形状を有してもよい。次に、錠剤またはカプセル剤をそれに合うように陥凹に入れ、比較的硬い材料のシートを、陥凹を形成した方向と反対側の箔の面でプラスチック箔に対して密封する。結果として、錠剤またはカプセル剤が、プラスチック箔とシートとの間の陥凹中に、所望のように、個別に密閉または集合的に密閉される。好ましくは、シートの長さは、陥凹に圧力を手動で印加し、それによって陥凹の場所でシート中に開口部を形成することによって、錠剤またはカプセル剤をブリスターパックから取り出すことができるようなものとする。その後、錠剤またはカプセル剤を前記開口部を介して取り出すことができる。
いつ医薬品を服用すべきかについて、医師、薬剤師または対象のための情報および/または説明書を含有する書かれた記憶補助を提供することが望ましいだろう。「1日量」は、所与の日に服用される単一錠剤もしくはカプセル剤または数個の錠剤もしくはカプセル剤であり得る。キットが別個の組成物を含有する場合、キットの1つまたは複数の組成物の1日量が1個の錠剤またはカプセル剤からなることができる一方で、キットの別のまたは複数の組成物の1日量が数個の錠剤またはカプセル剤からなることができる。キットは、その意図した使用の順序で1つずつ1日量を分配するよう設計されたディスペンサの形態をとることができる。ディスペンサは、レジメンの遵守をさらに容易にするために、記憶補助を備えることができる。このような記憶補助の例は、分配された1日量の数を示す機械式カウンターである。このような記憶補助の別の例は、例えば、最後の1日量が服用された日を読み出すおよび/または次の用量をいつ服用すべきかを思い出させる、液晶読み出しまたは可聴リマインダシグナルを伴った電池式マイクロチップメモリである。
実施例で提供される全ての参考文献は参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される場合、全ての略語、記号および規則は、現代の科学文献に使用されるものと一致する。例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Janet S.Dodd,ed.,The ACS Style Guide:A Manual for Authors and Editors,2
nd Ed.,Washington,D.C.:American Chemical Society,1997を参照されたい。
実施例1:表IAまたは表IBの化合物の合成
一般的手順A
ステップ1:
ジオンエノラート形成:−78℃に冷却したケトンAのTHF中溶液に、LiHMDS(例えば、0.9当量、トルエン中1.0M)をシリンジを介して滴加した。反応物を0℃に加温させ、次いで、シュウ酸ジエチル(1.2当量)を装入した。この時、反応物を室温に加温し、(例えば、TLCまたはLC/MS分析のいずれかを用いて)完了したと判断されるまでその温度で攪拌した。いったん反応が完了したら(反応時間は典型的には45分であった)、生成物ジオンエノラートBを、さらに精製することなく、「そのまま」ステップ2、すなわち、環化ステップに使用した。
ステップ2:
ピラゾール形成:ジオンエノラートBをエタノールで希釈し、HCl(例えば、3当量、エタノール中1.25M溶液)およびアリールヒドラジン水和物(例えば、1.15当量)を連続的に装入した。反応混合物を70℃に加熱し、環化が完了したとみなされるまで(例えば、LC/MS分析により、典型的には30分)、この温度で攪拌した。いったん完了したら、反応混合物を固体重炭酸ナトリウム(例えば、4当量)で慎重に処理し、ジクロロメタンおよび水で希釈した。層を分離し、水層を、ジクロロメタン(3×)で抽出する前に水でさらに希釈した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。次いで、得られたピラゾールCを、適当な勾配のヘキサン中EtOAcを用いてSiO2クロマトグラフィーによって精製した。
ステップ3:
アミジン形成:0℃に冷却したNH4Cl(例えば、5当量)のトルエン中懸濁液に、AlMe
3(例えば、5当量、トルエン中2.0M溶液)をシリンジを介して滴加した。反応物を室温に加温させ、これ以上泡立ちが観察されなくなるまで、この温度で攪拌した。ピラゾールCを反応混合物に一度に添加し、110℃に加熱し、(例えば、TLCまたはLC/MS分析のいずれかを用いて)完了したと判断されるまでこの温度で攪拌した。いったん完了したら、反応物を冷却し、過剰のメタノールで処理し、室温で1時間激しく攪拌した。濃いスラリーを濾過し、得られた固体ケークをメタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、得られた固体を酢酸エチル:イソプロピルアルコール=5:1溶媒混合物に再懸濁した。反応物を飽和炭酸ナトリウム溶液でさらに処理し、層を分離する前に10分間攪拌した。水層を酢酸エチル:イソプロピルアルコール=5:1溶媒混合物(3×)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄した。有機層をMgSO4上でさらに乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。生成物アミジンDを、さらに精製することなく、そのまま後のステップに使用した。
ステップ4:
ピリミドン形成:アミジンDをエタノールに懸濁し、23℃で激しく攪拌して完全な溶媒和を促進した。反応物をナトリウム3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(例えば、3当量)でさらに処理し、フラスコに還流冷却器を備え付けた。反応物を90℃に維持した予熱油浴に入れ、LC/MSで出発材料の完全な消費が観察されるまで(反応時間は典型的には1時間であった)攪拌した。内容物を23℃に冷却し、反応混合物をHCl(例えば、3当量、EtOH中1.25M溶液)で酸性化した。混合物を30分間攪拌し、溶媒の大部分を真空中で除去した。内容物をエーテルおよび水(1:1混合物)に再懸濁し、得られたスラリーを20分間攪拌した。懸濁液を真空濾過し、固体ケークを追加の水およびエーテルですすぎ、高真空で一晩乾燥させた。得られたピリミドンEを、さらに精製することなく、そのまま後のステップに使用した。
一般的手順B
LC/MSによって出発材料の完全な消費が観察されるまで、アミノ求核試薬(3当量)、トリエチルアミン(10当量)および中間体1A(この節で後に記載されるように調製、1当量)の溶液を、90℃でジオキサンおよび水(2:1比)中で攪拌した。溶液を1N塩酸水溶液およびジクロロメタンで希釈した。次いで、層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。精製により、所望の生成物が得られた。
一般的手順C
中間体2(この中間体は特許出願公開である国際公開第2012/3405号パンフレットに記載されていた;1当量)およびカルボン酸(1.1当量)のN,N−ジメチルホルムアミド中混合物を、トリエチルアミン(4当量)、引き続いてプロピルホスホン酸無水物(T3P、1.4当量)の酢酸エチル中50%溶液で処理した。反応物を24時間80℃で加熱し、その後、反応物を水および1N塩酸溶液で希釈した。内容物をジクロロメタン、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。精製により、所望の生成物が得られた。
中間体−1Aの合成
5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4−オール(中間体−5A;ステップ1で1−(イソオキサゾール−3−イル)エタノンおよびステップ2で2−フルオロベンジルヒドラジンを用いて一般的手順Aを介して生成、11.5g、32.4mmol、1当量)の三塩化ホスホリル(60.3mL、647mmol、20当量)を60℃で3時間加熱した。溶液を23℃に冷却し、攪拌しながら、15分の期間にわたって氷水(800mL)に少しずつ注ぎ入れた。添加が完了した後、内容物をさらに15分間攪拌し、ジクロロメタン(500mL)で希釈した。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると中間体−1A(12.5g、収率103%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ 9.11(d,1H),9.04(s,1H),7.71−7.68(m,1H),7.37−7.30(m,2H),7.25−7.20(m,1H),7.12(t,1H),6.92(td,1H),5.95(s,2H).
中間体−9の合成
エチル5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−カルボキシレート(4当量)をアミン反応物質とし、反応をTHF中で行ったことを除いて、中間体−1Aから一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。後処理をジクロロメタンおよび食塩水中で行った。粗物質を、0〜10%メタノール/ジクロロメタン勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体−9(42mg、収率37%)が固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.47(d,1H),8.35(d,1H),7.40(s,1H),7.21−7.16(m,1H),7.01(t,1H),6.95(t,1H),6.84(t,1H),6.65(d,1H),5.98(s,2H),5.35(s,2H),4.59(t,2H),4.48(q,2H),4.30(t,2H),1.44(t,3H).
中間体−8の合成
3−アミノ−2,2−ジフルオロプロパン酸をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン/水(10:1)中溶液として110℃で18時間加熱したことを除いて、中間体−1Aから、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応物を真空中で濃縮し、メタノールを添加し、粗物質を、逆相HPLCを介して精製すると、所望の中間体−8(20mg、収率22%)が得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.78(d,1H),8.22(d,1H),7.61(s,1H),7.25−7.31(m,1H),7.07−7.12(m,1H),7.05(t,1H),6.96(d,1H),6.89(t,1H),6.00(s,2H),4.35(t,2H).
中間体−13の合成
2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−ニトロピリミジン−4−オール(1当量)(この出発材料は以前公開された特許出願:国際公開第2012/3405号パンフレットに記載されていた)(25mg、1当量)をPOCl
3(457μl、75当量)で処理し、還流で1.5時間攪拌した。内容物を真空中で濃縮し、残渣をトルエン(×2)と共沸させた。残渣をTHF(0.7mL)に再溶解し、モルホリン(171μl、30当量)で処理した。内容物を40℃に加熱し、反応物をこの温度で1.5時間攪拌した。残渣を酢酸エチルと水の1:1混合物に移した。層を分離し、水層を酢酸エチル(×3)で抽出した。有機部分を合わせ、食塩水で洗浄した。混合物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、所望の化合物(30mg、97%)が淡黄色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.47(d,1H),8.36(d,1H),8.09−8.16(m,1H),7.69(dd,1H),7.41(d,1H),7.20(t,1H),6.66−6.70(m,1H),6.45(d,1H),6.06(s,2H),3.79−3.86(m,4H),3.74(m,4H).
中間体−3の合成
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:2−(トリフルオロメチル)オキシラン−2−カルボキサミドの合成
2−(ブロモメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミド(1当量)のアセトン中溶液に炭酸カリウム(2当量)を添加した。混合物を還流で2時間加熱した。混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、2−(トリフルオロメチル)オキシラン−2−カルボキサミド(1.44g収率76%)が黄色ゴムとして得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 3.17(dd,2H).
ステップ2:2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミドの合成
アンモニア[メタノール中7M](10当量)と2−(トリフルオロメチル)オキシラン−2−カルボキサミド(1当量)の混合物を密閉バイアル中80℃で24時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮すると、2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミド(1.3g、収率84%)が茶色ゴムとして得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ 3.01−3.11(m,1H),2.84(d,1H).
ステップ3:中間体−3の合成
2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミド(4当量)をアミン反応物質とし、4当量のトリエチルアミンを使用し、内容物をジオキサン/水(3:1)中溶液として90℃で24時間加熱したことを除いて、中間体−1Aから、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。混合物を酢酸エチルに希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、固体が得られた。固体を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜80%酢酸エチル勾配)を介して精製すると、所望の中間体−3(262mg、収率40%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.08−9.13(m,1H),8.33(d,1H),7.49−7.55(m,1H),7.28−7.37(m,1H),7.17−7.25(m,2H),7.10(t,1H),6.98(t,1H),5.86−5.92(m,2H),3.92−4.04(m,2H).
中間体−5Dの合成
標記化合物を5つのステップで合成した:
ステップ1:エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
DMF中エチル3−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートに水素化ナトリウム(鉱物油中60重量%、1.2当量)を添加した。10分後、2−フルオロベンジルブロミド(1.2当量)を添加し、反応物を20時間攪拌した。水を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(10〜40%酢酸エチル/ヘキサン勾配)を介した精製によって、エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(収率79%)およびエチル1−(2−フルオロベンジル)−3−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(収率9%)が得られた。
ステップ2:1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の合成
エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートのTHF/MeOH/水(3:1:1比)中溶液に、水酸化リチウム水和物(1.5当量)を添加した。23時間後、揮発性有機物質を真空中で除去し、1N HClで結果として生じた混合物をpH3に酸性化した。1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を真空濾過によって回収した(収率92%)。
ステップ3:1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルの合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸、2−メチルプロパン−2−アミン(3当量)およびトリエチルアミン(2当量)の酢酸エチル中懸濁液に、n−プロピルホスホン酸無水物(T3P、酢酸エチル中50重量%溶液、3当量)を添加した。結果として生じた黄色溶液を65℃で2.5時間加熱した。溶媒を真空中で除去した。三塩化ホスホリル(12当量)を添加し、得られた混合物を70℃で1時間40分間攪拌した。反応物を水と氷の混合物に慎重に注ぎ入れることによってクエンチし、飽和重炭酸ナトリウム溶液の添加によってpH7に中和し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン勾配)による精製によって、1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(収率49%)が得られた。
ステップ4:1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドの合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルのメタノール中溶液をナトリウムメトキシド(MeOH中25重量%溶液、5当量)で処理し、24時間攪拌した。塩化アンモニウム(10当量)を添加した。26時間後、反応混合物を真空中で濃縮し、半飽和重炭酸ナトリウムと酢酸エチルに分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗生成物は、不完全な反応により出発材料が混入していた。この物質を同様の条件に再度供すると、1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(収率92%)が得られた。
ステップ5:中間体−5Dの合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドの懸濁液をナトリウム(Z)−3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(一般的手順A、ステップ4も参照、3.0当量)で処理し、90℃で1時間加熱した。周囲温度に冷却した後、反応混合物をHCl(EtOH中1.25M溶液)の添加によって中和した。結果として生じた黄褐色懸濁液を真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンと水に分配し、水層をジクロロメタンで逆抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。ジクロロメタンを用いた研和によって、標記化合物(206mg、収率62%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ 12.9(br s,1H),8.07(br s,1H),7.38(app.q,1H),7.25(m,1H),7.18(app.t,1H),7.11(m,1H),6.72(s,1H),5.44(s,2H),2.30(s,3H).
中間体−12の合成
標記化合物を2つのステップで調製した:
ステップ1:ジエチル2−(ジシアノメチル)−2−メチルマロネートの合成
ジエチル2−ブロモ−2−メチルマロネート(1当量)、マロノニトリル(1当量)およびカリウムt−ブトキシド(1当量)のTHF中混合物を15時間加熱還流した。混合物を酢酸エチルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈し、相を分離した。水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると油が得られた。油をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜15%酢酸エチル勾配)によって精製すると、ジエチル2−(ジシアノメチル)−2−メチルマロネート(5.76g、収率32%)が無色油として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 4.53(s,1H),4.27−4.39(m,4H),1.81(s,3H),1.33(t,6H).
ステップ2:中間体−12の合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(ステップ1で1−(イソオキサゾール−3−イル)エタノンおよびステップ2で2−フルオロベンジルヒドラジンを用いることによって、一般的手順Aのステップ3で生成)(1当量)、ジエチル2−(ジシアノメチル)−2−メチルマロネート(1.15当量)および重炭酸カリウム(2当量)のt−BuOH中混合物を5時間加熱還流した。冷却後、反応混合物に水を添加し、30分間攪拌した。沈殿を濾過し、最小量の水およびジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で一晩乾燥させると、中間体−12(385mg、収率52%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 11.30(s,1H),9.10(d,1H),7.38(s,1H),7.29−7.36(m,1H),7.18−7.26(m,2H),7.08−7.14(m,1H),6.81−6.90(m,1H),6.65(br.s.,2H),5.88(s,2H),4.04−4.16(m,2H),1.59(s,3H),1.11(t,3H).
中間体−11の合成
アンモニア(MeOH中7.0M)(200当量)を中間体−12(1当量)に添加した。反応混合物を50℃で16時間加熱した。次いで、結果として生じた溶液を真空中で濃縮し、残渣を、逆相HPLC(1%TFAを添加した水中5〜60%アセトニトリル)を介して精製すると、所望の中間体−11(24mg、収率63%)が白色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 11.35(br.s.,1H),9.08−9.13(m,1H),7.47(s,1H),7.43(s,1H),7.28−7.38(m,1H),7.23−7.27(m,1H),7.17−7.23(m,2H),7.06−7.14(m,1H),6.77−7.00(m,3H),5.91(s,2H),1.56(s,3H).
中間体−5Bの合成
中間体−5Aおよびナトリウムメトキシドのメタノール中懸濁液(0.5M溶液、4当量)をマイクロ波容器中130℃で4時間加熱した。反応物を、1N HCl溶液でpH2にクエンチし、得られた残渣を濾過した。固体をメタノールで洗浄し、真空中で乾燥させると、所望の化合物(1.45g、68%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.04(d,1H),7.71(s,1H),7.23−7.36(m,1H),7.00−7.18(m,2H),6.90(t,1H),5.94(s,2H),2.56(s,3H)
中間体−1Bの合成
中間体−5Bに三塩化ホスホリル(60当量)を装入し、LC/MSによって反応が完了したと判断されるまで、得られた混合物を45℃で攪拌した。次いで、反応物を氷上に慎重に注ぎ入れ、4:1ジクロロメタン/イソプロパノールで抽出し、層を分離した。有機部分を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。物質をさらに精製することなく次のステップに持ち越した。
中間体−6の合成
1−((メチルアミノ)メチル)シクロプロパンカルボン酸をアミン反応物質として、中間体−1Bを中間体−1Aの代わりに使用し、内容物をジオキサン中溶液として100℃で36時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。粗物質を、逆相HPLCを介して精製すると、所望の中間体−6(50mg、収率69%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 12.53(br.s,1H),8.19(d,1H),7.65(s,1H),7.33(d,1H),7.17−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.86(t,1H),5.81(s,2H),4.00(s,2H),3.24(d,3H),2.57(s,3H),1.03(d,2H),0.74−0.91(m,2H).
中間体−4の合成
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:2−(ブロモメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン酸の合成
2−(ブロモメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンニトリル(1当量)、水(1当量)および濃硫酸(4当量)の混合物を密閉バイアル中で1時間110℃に加熱した。混合物を氷上に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、2−(ブロモメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン酸(1.3g、収率33%)が透明な油として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 3.89(d,1H),3.63−3.69(m,1H).
ステップ2:2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン酸の合成
水酸化アンモニウム[水中28%溶液](10当量)と2−(ブロモメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン酸(1当量)の混合物を23℃で24時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮した。得られた固体を最小量のエタノールで処理した。沈殿を濾過によって回収し、真空下で乾燥させると、2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン酸(412mg、収率43%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.86−3.27(m,2H).
ステップ3:中間体−4の合成
2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン酸(4当量)をアミン反応物質とし、6当量のトリエチルアミンを使用し、内容物を1,4−ジオキサン/水(4:1)中溶液として24時間85℃に加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。混合物を23℃に冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、粗固体が得られた。粗物質を、0〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体−4(50mg、ステップ3について収率7%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.28(d,1H),7.59(t,1H),7.46(s,1H),7.30−7.36(m,1H),7.16−7.24(m,2H),7.10(t,1H),6.91(t,1H),5.88(s,2H),4.24(dd,1H),3.84(dd,1H).
中間体−7の合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(一般的手順Aのステップ3で生成、1当量)、メチル4−オキソテトラヒドロチオフェン−3−カルボキシレート(3当量)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1当量)のピリジン中溶液を12時間80℃に加熱した。反応物を真空中で濃縮し、メタノールにスラリー化(slurried)し、真空中で濃縮し、メタノールに再度スラリー化した。沈殿を濾過し、乾燥させると、所望の環状スルフィド中間体(190mg、収率45%)が淡黄褐色固体として得られた。このスルフィド中間体(1当量)のジクロロメタン中溶液に、過酢酸(2.3当量)を添加した。30分後、反応物を真空中で濃縮し、水にスラリー化し、濾過すると所望の中間体−7(148.8mg、収率73%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 10.2(br.s,1H),8.56(s,1H),7.31−7.34(m,1H),7.30(s,1H),7.07−7.12(m,3H),6.64(m,1H),5.93(s,2H),4.36(s,2H),4.35(s,2H).
中間体−10の合成
標記化合物を2つのステップで合成した:
ステップ1:
一般的手順Bにしたがって、中間体−13を中間体−1Aの代わりに使用し、2−(アミノメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(1.5当量)をアミン反応物質とし、3当量のトリエチルアミンを使用し、内容物をジオキサン:水(3:1)中溶液として30℃で1時間加熱した。反応物を冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水(2×)および食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、0〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体(77mg、収率73%)が白色固体として得られた。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 9.36(s,1H),8.59(m,1H),8.55(d,1H),7.64(br s,1H),7.42(s,1H),7.28(m,1H),7.08(m,1H),7.06(m,1H),6.64(d,1H),5.98(s,2H),4.27,(d,2H).
ステップ2:中間体−10の合成
23℃のステップ1で得られた中間体(1当量)のメタノール中溶液を10%パラジウム炭素(0.2当量)で処理し、次いで、針に取り付けた水素を充填したバルーンを介して送達されるH
2雰囲気下に置いた。混合物を正のH
2圧力下で1時間攪拌し、celiteを通して濾過した。濾過ケークをメタノールですすぎ、合わせた洗液を真空中で濃縮した。得られた粗残渣を、ヘキサン中酢酸エチル勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体−10(53mg、収率66%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 9.39(s,1H),7.92(br s,1H),7.19(m,1H),7.13(m,2H),7.98(m,1H),6.92(m,2H),6.52(s,1H),5.85(s,2H),4.01,(s,2H).
中間体−5Cの合成
標記化合物を4つのステップで合成した:
ステップ1:(3,3,3−トリフルオロプロピル)ヒドラジン塩酸塩の合成
3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロプロパン(1当量)およびヒドラジン水和物(10当量)を無水エタノールに溶解し、80℃で18時間加熱した。溶液を23℃に冷却し、真空下15℃で濃縮した。濃い油を水およびジクロロメタンで希釈し、次いで、固体炭酸カリウムを添加して水層を飽和させた。相を混合し、分離し、次いで、水相をさらなるジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮すると、無色油が得られた。少量の中性ヒドラジン生成物をNMRによる特性評価用に取り出した。残りをジエチルエーテルに溶解し、塩酸(エタノール中2.5M溶液)で処理し、得られた混合物を真空中で濃縮すると、所望の中間体(3,3,3−トリフルオロプロピル)ヒドラジン塩酸塩(2.02g、収率43%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δppm3.18(br s,4H),3.02(m,2H),2.36(m,2H).
ステップ2:エチル3−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
23℃の(3,3,3−トリフルオロプロピル)ヒドラジン塩酸塩(1当量)のエタノールと水(9:1)の混合物中溶液を炭酸カリウム(0.6当量)、引き続いてエチル4−(イソオキサゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエート(2当量、ステップ1で1−(イソオキサゾール−3−イル)エタノンを用いることによって、一般的手順Aのステップ1で生成)で処理した。溶液を23℃で2日間攪拌し、次いで、6N塩酸(1.5当量)を反応物に滴加した。溶媒を真空中で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を水(5×)、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣を、ジクロロメタン中酢酸エチル勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望のピラゾールエステル、エチル3−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.34g、収率36%)が淡黄色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.55(d,1H),7.15(s,1H),6.63(d,1H),4.95(m,2H),4.46(q,2H),2.85(m,2H),1.44(t,3H).
ステップ3:5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドの合成
エチル3−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートを出発エステルとして使用し、混合物を110℃で4時間加熱したことを除いて、一般的手順Aのステップ3に記載される手順にしたがって、所望のアミジン中間体を生成した。反応混合物を氷中で冷却し、次いで、メタノール(14当量)および塩酸水溶液(17当量)を5分にわたって連続で添加した。この混合物を80℃で30分間加熱し、次いで、氷中で冷却し、濾過した。濾過ケークをトルエン(2×)で洗浄し、風乾すると、粗アミジン塩酸塩が得られた。この物質を飽和炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌し、酢酸エチル/イソプロピルアルコール(5:1混合物)で抽出した。有機相を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、所望の中性アミジン5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドが淡黄色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.45(d,1H),6.99(s,1H),6.55(d,1H),5.61(br.s.,3H),4.83−4.74(m,2H),2.81−2.65(m,2H).
ステップ4:中間体−5Cの合成
5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドを出発アミジンとし、2.5当量のナトリウム(Z)−3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラートを使用し、混合物を90℃で2時間加熱したことを除いて、一般的手順Aのステップ4にしたがって、標記生成物を調製した。反応物を23℃に冷却し、溶媒を真空中で除去した。残渣をジクロロメタンに再溶解し、塩酸(エタノール中2.5M、3当量)で処理した。得られた固体を濾過し、ジクロロメタン(2×)で洗浄し、風乾すると、所望の化合物(0.43g、収率110%)が白色固体として得られた。1H−NMR(400MHz,CD3OD)δ ppm 8.84(d,1H),8.03(d,1H),7.40(s,1H),6.95(d,1H),4.96(t,2H),2.92(m,2H).
中間体−16の合成
標記化合物を2つのステップで調製した:
ステップ1:(E)−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(フェニルジアゼニル)ピリミジン−4,6−ジアミンの合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(中間体1Aの合成に向けて、一般的手順A、ステップ3で生成)(1当量)、(E)−2−(フェニルジアゼニル)マロノニトリル(1.2当量)および重炭酸カリウム(2当量)のt−BuOH中混合物を18時間加熱還流した。冷却後、反応混合物を真空中で濃縮し、さらに精製することなく次のステップに持ち越した。
ステップ2:中間体−16の合成
(E)−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−(フェニルジアゼニル)ピリミジン−4,6−ジアミン(1当量)と20%パラジウム炭素(0.5当量)のDMF中混合物を水素雰囲気下23℃で18時間攪拌した。次いで、反応混合物をceliteを通して濾過し、残渣をDMF、引き続いて少量のメタノールで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルおよび1滴のメタノールに懸濁し、激しく攪拌した。沈殿を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥させると、所望のトリアミノピリミジン中間体、2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4,5,6−トリアミン(278mg、2つのステップにわたって収率46%)が暗黄色固体として得られた。
中間体−14の合成
ピペリジン−4−カルボン酸(3当量)、トリエチルアミン(10当量)および中間体1Aの溶液を、一般的手順Bにしたがって、LC/MSによる出発材料の完全な消費まで、100℃でテトラヒドロフランおよび水(1:1比)中で攪拌した。溶液を1N塩酸水溶液および酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルおよび5:1ジクロロメタン/イソプロピルアルコールで抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)による精製によって、中間体−14(11mg、収率44%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.79(m,1H),8.23(d,1H),7.57(m,1H),7.31−7.26(m,1H),7.12−7.03(m,2H),6.96(m,1H),6.90(t,1H),5.99(s,2H),4.70(d,2H),3.51−3.45(m,2H),2.79−2.74(m,1H),2.15−2.11(m,2H),1.90−1.80(m,2H).
化合物25
中間体−3(1当量)およびNBS(1.2当量)のDMF中混合物を23℃で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチルに希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油をカラムクロマトグラフィーによって精製すると、所望の化合物(27mg、収率4%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.24(d,1H),8.37(d,1H),7.86(br.s.,1H),7.31−7.37(m,1H),7.09−7.20(m,3H),5.68(s,2H),4.04(d,2H).
化合物52
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジドの合成
THF(3.0ml)中(ジアゾメチル)トリメチルシラン(2当量)および中間体−4(1当量)を含有する混合物を80℃で4時間加熱した。混合物を23℃に冷却し、真空中で濃縮すると、所望の中間体エステルが得られた。中間体(1当量)を水(11当量)、無水ヒドラジン(130当量)およびメタノールと合わせ、2時間50℃に加熱した。反応が完了したら、メタノールおよびベンゼンを共沸混合物として使用して、過剰なヒドラジンを除去した。得られた残渣を真空中でさらに乾燥させると、所望の中間体、3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジド(257mg、収率64%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.11(d,1H),8.33(d,1H),7.52(s,1H),7.27−7.41(m,1H),7.18−7.26(m,2H),7.11(t,1H),6.96(t,1H),5.90(s,2H),3.98(br.s.,2H).
ステップ2:N’−アセチル−3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジドの合成
THFと水の1:1混合物中炭酸カリウム(5当量)および3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジド(1当量)を含有する混合物に、塩化アセチル(1.5当量)を添加した。混合物を23℃で1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルに希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると粗固体が得られた。固体を、シリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体、N’−アセチル−3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジド(190mg、収率64%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.08−9.12(m,1H),8.06(s,1H),7.50−7.56(m,1H),7.32(d,1H),7.17−7.26(m,2H),7.10(t,1H),6.89−6.99(m,1H),5.84−5.96(m,2H),3.91−4.17(m,2H),1.85(s,3H).
ステップ3:化合物52の合成
0℃のN’−アセチル−3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジド(1当量)のピリジン中冷却溶液に無水トリフリン酸(5当量)を添加した。混合物を氷浴から取り出し、23℃で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチルに希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると粗油が得られ、これをシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製した。物質を最小量のメタノールおよびジクロロメタンでさらにすすぎ、濾過によって回収し、真空中で乾燥させると、所望の化合物(48mg、収率26%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.11(d,1H),8.26(d,1H),7.40(s,1H),7.31−7.37(m,1H),7.22(d,1H),7.19(d,1H),7.12(t,1H),6.94(t,1H),5.84−5.92(m,2H),4.29(dd,1H),4.17(dd,1H),2.25(s,3H).
化合物69
標記化合物を2つのステップで合成した:
ステップ1:N’−(3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノイル)シクロプロパンカルボヒドラジドの合成
THFと水の1:1混合物中重炭酸カリウム(5当量)および3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジド(化合物52の合成、ステップ1に記載される)(1当量)を含有する混合物に、シクロプロパンカルボン酸クロリド(5当量)を添加した。混合物を23℃で1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、所望の中間体、N’−(3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノイル)シクロプロパンカルボヒドラジド(206mg、収率51%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.10(d,1H),8.32(d,1H),7.52(s,1H),7.33(s,1H),7.16−7.26(m,2H),7.09(t,1H),6.93(s,1H),5.90(s,2H),4.07−4.14(m,2H),1.59(d,1H),0.66−0.76(m,4H).
ステップ2:2−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパン−2−オールの合成
N’−(3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノイル)シクロプロパンカルボヒドラジド(1当量)のピリジン中冷却溶液に無水トリフリン酸(4当量)を添加した。反応が完了したら、混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、所望の化合物(9mg、収率9%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.08−9.13(m,1H),8.27(d,1H),7.37(s,1H),7.28−7.36(m,1H),7.19−7.25(m,1H),7.17(d,1H),7.11(t,1H),6.93(t,1H),5.87(s,2H),4.08−4.16(m,2H),1.97−2.08(m,1H),0.93(dd,2H),0.74(dd,2H).
化合物61
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドヒドラジドの合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(ステップ1で1−(イソオキサゾール−3−イル)エタノンおよびステップ2で2−フルオロベンジルヒドラジンを用いることによって、一般的手順Aのステップ3で生成、1当量)のエタノール中懸濁液にトリエチルアミン(4当量)を添加した。この混合物にヒドラジン一水和物(1当量)を添加した。混合物を23℃で24時間攪拌し、真空中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、所望の中間体、1−(2−フルオロベンジル)−
5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドヒドラジド(461mg、収率99%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.75(d,1H),7.18−7.40(m,1H),6.97−7.15(m,3H),6.79−6.92(m,2H),5.82−5.97(m,2H).
ステップ2:エチル2−(3−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−ヒドロキシル−1,2,4−トリアジン−6−イル)−2−メチルプロパノエート(化合物110)の合成
メタノール中1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボヒドラゾンアミド(1当量)、重炭酸カリウム(1.2当量)およびジエチル2,2−ジメチル−3−オキソスクシネート(1.2当量)を含有する混合物を80℃で24時間加熱し、真空中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに希釈し、食塩水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油をカラムクロマトグラフィーによって精製すると、所望の中間体、エチル2−(3−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−ヒドロキシ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−2−メチルプロパノエート(400mg、収率34%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.80(d,1H),8.77(d,1H),7.53(s,1H),7.36(s,1H),7.26−7.33(m,3H),6.03(s,2H),4.11−4.17(m,2H),1.53(s,6H),1.22−1.27(m,3H).
ステップ3:化合物61の合成
エチル2−(3−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−ヒドロキシ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−2−メチルプロパノエート(化合物110)およびオキシ塩化リン(10当量)を含有する混合物を23℃で2時間攪拌した。混合物を真空下で濃縮した。この混合物にメタノール中7Nアンモニア溶液(4当量)およびさらなるメタノールを添加した。反応物を23℃で30分間攪拌した。形成した沈殿を濾過によって単離すると、所望の化合物(8.3mg、収率8%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.78−8.80(m,1H),7.64(s,1H),7.26−7.32(m,1H),7.08−7.14(m,1H),7.05(t,1H),6.95−6.98(m,1H),6.87(t,1H),6.00−6.05(m,2H),4.17(s,3H),4.15(q,2H),1.66(s,6H),1.15−1.21(m,3H).
化合物70
1,4−ジオキサンと水の3:1混合物中ムシモール(1.5当量)、トリメチルアミン(1.5当量)および中間体−1B(1当量)を含有する混合物を24時間70℃に加熱した。混合物を酢酸エチルに希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜100%酢酸エチル)によって精製すると、所望の化合物(13mg、収率21%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.26(d,1H),7.68(s,1H),7.29−7.36(m,1H),7.18−7.26(m,2H),7.11(t,1H),6.85(t,1H),5.82(s,2H),3.31(s,2H),2.57(d,3H).
化合物71
1,4−ジオキサンと水の3:1混合物中2−(トリフルオロメチル)ピペラジン(3当量)、トリメチルアミン(3当量)および中間体−1B(1当量)を含有する混合物を80℃で1時間加熱した。混合物を酢酸エチルに希釈した。有機層を水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜100%酢酸エチル)によって精製すると、所望の化合物(40mg、収率60%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.24(d,1H),7.66(s,1H),7.20−7.39(m,1H),7.03−7.15(m,2H),6.83(t,1H),5.84(s,2H),4.67(d,1H),4.42(d,1H),3.58(t,1H),3.37−3.48(m,2H),3.15(d,1H),2.87−3.02(m,1H),2.58(s,3H).
化合物72
1,4−ジオキサンおよび水中(S)−2−(アミノメチル)−3−メチル酪酸塩酸塩(4当量)、トリエチルアミン(2当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)を含有する混合物を24時間70℃に加熱した。混合物を酢酸エチルに希釈した。有機層を1N HClで洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させると、固体が得られた。固体をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)によって精製すると、所望の化合物(14mg、収率29%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.04(d,1H),7.63−7.69(m,1H),7.27(q,1H),7.00−7.15(m,2H),6.83(t,1H),5.86−5.95(m,2H),3.70−3.93(m,2H),2.63−2.74(m,1H),2.56(s,3H),1.93−2.07(m,1H),1.02−1.15(m,6H).
化合物73および化合物74
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:
(S)−2−(((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)−3−メチルブタン酸の合成
メタノール中ジ−tert−ブチルジカーボネート(2当量)、トリエチルアミン(1当量)および(S)−2−(アミノメチル)−3−メチルブタン酸(1当量)を含有する混合物を23℃で24時間攪拌した。混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに希釈し、1N HClで洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、所望の中間体、(S)−2−(((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)−3−メチルブタン酸(730mg、収率100%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 3.39−3.55(m,1H)3.06−3.31(m,1H)2.40−2.58(m,1H)1.86−2.10(m,1H)1.38−1.52(m,9H)0.94−1.05(m,6H).
ステップ2:
(S)−2−(((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)−3−メチルブタン酸の合成
0℃の(S)−2−(((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)−3−メチルブタン酸(1当量)のTHF中***液に、水素化ナトリウム[鉱物油中60%分散体](10当量)を添加した。混合物を0℃で15分間攪拌した。この混合物に、ヨードメタン(10当量)を添加した。混合物を氷浴から取り出し、23℃で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチルに希釈し、1N HCl溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%酢酸エチル)によって精製すると、所望の中間体、(S)−2−(((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル)−3−メチルブタン酸(186mg、収率25%)が黄色油として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 3.50−3.61(m,1H)3.29−3.41(m,1H)2.87(s,3H)2.47−2.68(m,1H)1.91(d,1H)1.46(s,9H)0.96−1.06(m,6H).
ステップ3:化合物73および化合物74の調製
HClのエタノール中1.25M溶液(10当量)および(S)−2−(((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル)−3−メチルブタン酸(1当量)を含有する混合物を23℃で24時間攪拌した。混合物を真空下で濃縮した。この混合物に、トリエチルアミン(3当量)、1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)、1,4−ジオキサンおよび水(3:1)を添加した。混合物を4時間40℃に加熱した。混合物を酢酸エチルに希釈し、1N HCl溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜100%酢酸エチル)によって精製すると、2つの生成物、白色固体として化合物73(5mg、収率4%)および淡黄色油として化合物74(44mg、収率36%)が得られた。
化合物73についての
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.12(d,1H)7.65(s,1H),7.24−7.32(m,1H),7.10(s,1H),7.04(t,1H),6.82(t,1H),5.85−5.99(m,2H),4.17(dd,1H),3.84(dd,1H),3.36(d,3H),2.66−2.74(m,1H),2.55(s,3H),1.90−1.99(m,1H),0.99−1.15(m,6H).
化合物74についての
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.12(d,1H),7.64(s,1H),7.23−7.32(m,1H),7.08−7.14(m,1H),7.04(t,1H),6.83(t,1H),5.90(s,2H),3.99−4.10(m,3H),3.91(dd,1H),3.31(d,3H),2.68−2.77(m,1H),2.56(s,3H),1.90−2.03(m,1H),1.07−1.16(m,6H),0.99(d,3H).
化合物4
中間体−2(1当量)のジクロロメタン中23℃懸濁液に、塩化オキサリル(3当量)のジクロロメタン中2M溶液、引き続いてトリエチルアミン(3当量)を添加した。10分後、反応混合物を真空中で濃縮し、テトラヒドロフラン中で再構築し、飽和水酸化アンモニウム溶液で処理した。反応混合物の色が金色になり、その後、反応物を1N塩酸溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を1N塩酸溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物、化合物4(2.3mg、収率4%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 10.19(s,1H),9.07(d,1H),8.82(d,1H),8.52(s,1H),8.17(s,1H),7.95(d,1H),7.69(s,1H),7.28−7.32(m,1H),7.24(d,1H),7.18−7.22(m,1H),7.07−7.10(m,1H),6.85−6.88(m,1H),5.91(s,2H).
化合物17
中間体−2(1当量)のジクロロメタン中室温溶液に、メチル3−クロロ−3−オキソプロパノエート(1.15当量)、引き続いてトリエチルアミン(1.5当量)を添加した。23℃で1時間攪拌した後、反応混合物を1N塩酸溶液に注ぎ入れ、ジクロロメタン、引き続いて酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると固体が得られた。粗物質を、ジクロロメタン中1〜8%メタノール勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体、メチル3−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−オキソプロパノエート(173mg、収率65%)が灰白色固体として得られた。
メチル3−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−オキソプロパノエート(1当量)のメタノール中懸濁液に、アンモニアのメタノール中7M溶液(7当量)を添加した。反応混合物を室温で12時間攪拌し、その後、反応物を水に希釈し、次いで、濾過すると、灰白色固体が得られた。得られた固体を酢酸エチルに溶解し、1N塩酸溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(4.1mg、収率2%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.78(d,1H),8.69(d,1H),8.13(d,1H),7.54(s,1H),7.26−7.31(m,1H),7.06−7.12(m,1H),7.03−7.06(m,1H),6.87−6.92(m,2H,2つの重複シフト),5.98(s,2H),3.31(s,2H,CD
3ODピークと等時性)。
化合物27
3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボン酸(1.3当量)を酸反応物質とし、2.5当量のT3Pを使用し、酢酸エチルを後処理中に抽出用に使用したことを除いて、一般的手順Cにしたがって、標記化合物を中間体−2から調製した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(5.8mg、収率5%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 11.90(br.s,1H),11.65(s,1H),9.12(d,1H),8.84(d,1H),8.09(d,1H),7.71(s,1H),7.32−7.36(m,1H),7.28(d,1H),7.22−7.26(m,1H),7.21(s,1H),7.10−7.13(m,1H),6.86−6.90(m,1H),5.94(s,2H).
化合物45
2−(3−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−4−イル)酢酸(1当量)のジクロロメタン中室温懸濁液に、無水酢酸(2当量)、引き続いてトリエチルアミン(2当量)を添加した。反応混合物を1時間攪拌し、その後、中間体−2(1当量)、さらなるトリエチルアミン(2当量)および2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(1.15当量)の酢酸エチル中50%溶液を添加した。反応物を50℃で6時間攪拌し、次いで、室温でさらに12時間攪拌し、その後、反応物を1N塩酸溶液に希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、3〜30%勾配のジクロロメタン中7:1アセトニトリル/メタノール溶液を利用し、引き続いてジクロロメタン中15%メタノール勾配に切り替える、シリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体4−(2−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−1H−ピラゾール−3−イルアセテートと近い流出不純物1−アセチル−4−(2−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−1H−ピラゾール−3−イルアセテートの混合物(32.1mg、収率33%)が灰白色固体として得られた。
テトラヒドロフランおよび水中のこのアセテートの粗混合物(1当量)に、水酸化ナトリウム(2当量)の1M水溶液を添加した。反応混合物を23℃で24時間攪拌し、その後、さらなる水酸化ナトリウム(2当量)を添加した。36時間攪拌した後、さらなる水酸化ナトリウム溶液(2当量)を添加した。40時間後、反応混合物を真空中で濃縮してテトラヒドロフランを除去し、1M塩酸溶液の添加によって酸性化すると、沈殿の形成がもたらされた。この固体を濾過し、乾燥させると、所望の化合物(12.9mg、収率44%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.78(s,1H),8.67(d,1H),8.12(d,1H),7.54(s,1H),7.45(s,1H),7.26−7.30(m,1H),7.08−7.12(m,1H),7.03−7.07(m,1H),6.86−6.90(m,2H,2つの重複シフト)、 5.97(s,2H),3.58(s,2H).
化合物48
2,2−ジメチルマロンアミド(1当量)のテトラヒドロフラン中懸濁液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1当量)のテトラヒドロフラン中1M溶液を添加した。反応物を30分間攪拌し、次いで、真空中で濃縮すると、黄褐色固体が得られた。この固体に、中間体−1Aのジメチルスルホキシド中溶液を添加し、反応物を23℃で攪拌した。10分後、反応物を3M塩酸溶液に希釈し、濾過し、乾燥させると固体が得られた。粗物質を、水中10〜95%アセトニトリル勾配を用いる逆相HPLCを介して精製すると、2つの化合物の混合物が得られた。この混合物を、ジクロロメタン中3〜8%メタノール勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介してさらに精製すると、所望の化合物(2.2mg、収率4%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 10.35(br.s,1H),8.55(d,1H),7.94(d,1H),7.30−7.34(m,1H),7.26(s,1H),7.08−7.11(m,3H),6.63(d,1H),5.91(s,2H),1.26(s,6H); 2N−Hプロトンは観察されなかった。
化合物66
3−エトキシ−2,2−ジメチル−3−オキソプロパン酸(1当量)を酸反応物質とし、1.5当量のT3Pを使用し、ジクロロメタンを後処理中に抽出用に使用したことを除いて、一般的手順Cにしたがって、標記化合物を中間体−2から調製した。粗物質を、ジクロロメタン中3〜10%メタノール勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介
して精製し、所望の化合物(54.0mg、収率42%)がゴム状固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.92(br.s,1H),8.74(d,1H),8.47(s,1H),8.13(d,1H),7.47(s,1H),7.27(s,1H),7.18−7.24(m,1H),7.02−7.06(m,1H),6.96−7.01(m,1H),6.80−6.85(m,1H),6.04(s,2H),4.26(q,2H),1.58(s,6H),1.30(t,3H).
化合物49
化合物66(1当量)のテトラヒドロフランおよび水中溶液に、水酸化ナトリウム(1.08当量)の1M水溶液を添加した。反応物を23℃で1.5時間攪拌し、その後、反応混合物を濃縮してテトラヒドロフランを除去し、次いで、1M塩酸水溶液の添加によって酸性化した。得られた沈殿を濾過し、乾燥させると、所望の化合物(36.2mg、収率75%)が淡黄褐色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 10.84(s,1H),9.11(d,1H),8.74(d,1H),8.01(d,1H),7.67(s,1H),7.31−7.36(m,1H),7.27(d,1H),7.21−7.25(m,1H),7.10−7.13(m,1H),6.83−6.86(m,1H),5.93(s,2H),1.44(s,6H);1N−Hプロトンは観察されなかった。化合物51
化合物49(1当量)のジクロロメタン中0℃溶液に、塩化オキサリル(2.5当量)のジクロロメタン中2M溶液を添加した。反応物を0℃で15分間攪拌し、次いで、23℃に加温した。1時間後、反応混合物を真空中で濃縮し、テトラヒドロフラン中で再構築し、飽和水酸化アンモニウム溶液で処理した。2時間後、反応物を水に希釈し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(9.2mg、収率29%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 9.63(br.s,1H),8.79(d,1H),8.49(s,1H),8.13(s,1H),7.49(s,1H),7.20−7.25(m,1H),7.02−7.06(m,1H),6.98−7.02(m,1H),6.88−6.93(m,1H),6.64(d,1H),6.21(br.s,1H),6.03(s,2H),5.78(br.s,1H),1.26(s,6H).
化合物35
2−メチルマロン酸(1.0当量)のジクロロメタン中0℃懸濁液に、塩化オキサリル(2.9当量)、引き続いて3滴のN,N−ジメチルホルムアミドを添加した。反応物を0℃で1時間攪拌し、その後、反応物を23℃に加温し、30分間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮すると茶色油が得られ、これをさらに精製することなくその後のステップに使用した。
中間体−2(1当量)のジクロロメタン中懸濁液に、2−メチルマロニルジクロリド(1.5当量)、引き続いてトリエチルアミン(1.1当量)を添加した。反応物を2時間攪拌させ、その後、飽和水酸化アンモニウムの添加によって反応物をクエンチした。さらに2時間攪拌した後、反応混合物を1M塩酸溶液に希釈し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中10〜90%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(3.3mg、収率3%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 9.66(br.s,1H),8.77(d,1H),8.50(d,1H),8.11(d,1H),7.48(s,1H),7.21−7.26(m,1H),7.03−7.08(m,1H),6.99−7.03(m,1H),6.90−6.93(m,1H),6.64(d,1H),6.36(br.s,1H),6.13(br.s,1H),6.02(s,2H),3.44(q,1H),1.61(d,3H).
化合物36
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:メチル3−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロパノエートの合成
中間体−2(1当量)および3−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロパン酸(1.3当量)のN,N−ジメチルホルムアミド中溶液に、トリエチルアミン(4当量)、引き続いて1−プロパンホスホン酸環状無水物(2.5当量)の酢酸エチル中50%溶液を添加した。24時間後、反応混合物を水に希釈すると、黄褐色沈殿の形成がもたらされた。固体を濾過し、乾燥させると、所望の中間体、メチル3−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロパノエート(246mg、収率93%)が黄褐色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 8.91(br.s,1H),8.75(d,1H),8.48(d,1H),8.10(d,1H),7.47(s,1H),7.19−7.23(m,1H),7.03−7.07(m,1H),6.96−7.00(m,1H),6.81−6.84(m,1H),6.62(d,1H),6.04(s,2H),3.81(s,3H),3.52(q,1H),1.56(d,3H).
ステップ2:1−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソプロパン−2−イルベンゾエートの合成
メチル3−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロパノエート(1当量)のテトラヒドロフラン中0℃溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1当量)のテトラヒドロフラン中1M溶液を添加した。0℃で20分間攪拌した後、過酸化ベンゾイル(1.05当量)のテトラヒドロフラン中溶液を添加した。反応混合物を23℃に加温させ、12時間攪拌した。次いで、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液に希釈し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の中間体、1−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソプロパン−2−イルベンゾエート(48.3mg、収率73%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 11.23(br.s,1H),10.59(s,1H),8.84(d,1H),8.51(d,1H),8.21(d,1H),8.13(d,1H),7.64−7.68(m,1H),7.50−7.54(m,3H),7.21−7.26(m,1H),7.01−7.06(m,3H),6.65(m,1H),6.00(s,2H),3.87(s,3H),2.01(s,3H).
ステップ3:化合物36の合成
1−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−メトキシ−2−メチル−1,3−ジオキソプロパン−2−イルベンゾエート(1当量)の1:1テトラヒドロフラン/飽和水酸化アンモニウム溶液中溶液を23℃で攪拌した。3時間後、反応混合物を水で希釈し、1N塩酸溶液の添加により酸性化し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(13mg、収率45%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.79(s,1H),8.74(d,1H),8.17(d,1H),7.57(s,1H),7.27−7.31(m,1H),7.09−7.12(m,1H),7.04−7.07(m,1H),6.92(s,1H),6.89−6.92(m,1H),6.00(s,2H),1.70(s,3H).
化合物38および化合物39
中間体−1A(1当量)および2−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル)酢酸(1.2当量)の1,4−ジオキサン中混合物にトリエチルアミン(4当量)を添加した。反応混合物を88時間70℃に加熱し、その後、反応混合物を水および1N塩酸溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物、化合物38(20.5mg、収率25%)および化合物39(6.1mg、収率8%)が白色固体として得られた。
化合物38についての
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 12.43(s,1H),11.24(s,1H),9.12(d,1H),8.89(d,1H),8.51(s,1H),7.74(s,1H),7.32−7.36(m,1H),7.27(d,1H),7.21−7.26(m,1H),7.10−7.14(m,1H),6.86−6.90(m,1H),5.95(s,2H),3.42(s,2H).
化合物39についての
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.74(d,1H),8.68(d,1H),7.72(s,1H),7.24−7.28(m,1H),7.21(s,1H),7.06−7.10(m,1H),7.01−7.06(m,1H),6.83−6.86(m,2H,2つの重複シフト)、 5.92(s,2H),3.44(s,2H).
化合物40
化合物39(1当量)のジクロロメタン中懸濁液に、HATU(1.2当量)、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(3当量)およびアンモニア(6当量)のジオキサン中0.5M溶液を添加した。2時間後、反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物、化合物40(0.7mg、収率8%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.74(s,1H),8.69(br.s,1H),7.72(s,1H),7.26−7.29(m,1H),7.25(s,1H),7.05−7.10(m,1H),7.01−7.05(m,1H),6.87(s,1H),6.83−6.86(m,1H),5.92(s,2H),3.34(s,2H).
化合物56および化合物57
化合物38(1当量)の1:1ジエチルエーテル/メタノール中懸濁液に、トリメチルシリルジアゾメタン(1.5当量)のジエチルエーテル中2M溶液を添加した。反応混合物を真空中で濃縮すると、エステルの混合物(19.2mg、0.038mmol)が黄色残渣として得られ、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
このエステルの粗混合物(1当量)に、アンモニア(222当量)のメタノール中7M溶液を添加した。反応混合物を室温で12時間攪拌し、その後、反応混合物を真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、2つの所望の化合物、化合物56(2.9mg、収率16%)および化合物57(0.9mg、収率5%)が白色固体として得られた。
化合物56についての
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.79(m,2H,2つのシフトが重複)、8.28(s,1H),7.53(s,1H),7.26−7.30(m,1H),7.08−7.11(m,1H),7.03−7.06(m,1H),6.96(s,1H),6.90−6.94(m,1H),5.98(s,2H),3.72(s,3H),3.34(s,2H).
化合物57についての
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 8.71(d,1H),8.56(s,1H),8.51(s,1H),7.44(s,1H),7.24−7.27(m,1H),7.05−7.08(m,1H),7.00−7.05(m,1H),6.88−6.93(m,1H),6.67(s,1H),6.04(s,2H),5.83(br.s,1H),5.43(br.s,1H),4.12(s,3H),3.47(s,2H).
化合物41
化合物38および化合物39(1当量)の1:1ジクロロメタン/アセトニトリル中混合物に、HATU(1.2当量)、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(3当量)、4−ジメチルアミノピリジン(0.1当量)およびアンモニア(6当量)のジオキサン中0.5M溶液を添加した。12時間後、反応混合物を水および1M塩酸溶液に希釈し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。メタノールをこの混合物に添加すると、灰白色沈殿が得られた。固体を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介してさらに精製すると、所望の化合物(4.1mg、収率3%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 11.28(s,1H),9.12(s,1H),8.88(d,1H),8.47(s,1H),7.73(s,1H),7.48(br.s,1H),7.30−7.37(m,1H),7.27(s,1H),7.20−7.25(m,1H),7.09−7.14(m,1H),7.02(br.s,1H),6.85−6.91(m,1H),5.95(s,2H),3.26(s,2H).
化合物59
3−メチル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸(1.05当量)を酸反応物質とし、1.5当量のT3Pを使用し、内容物を50℃で12時間、次いで、80℃で36時間攪拌し、酢酸エチルを後処理中に抽出用に使用したことを除いて、一般的手順Cにしたがって、標記化合物を中間体−2から調製した。粗物質を、水中10〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(1.6mg、収率2%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.78(d,1H),8.71(d,1H),8.12(d,1H),7.56(s,1H),7.26−7.30(m,1H),7.08−7.12(m,1H),7.03−7.07(m,1H),6.93(d,1H),6.86−6.90(m,1H),5.99(s,2H),3.36−3.46(m,2H),2.72−2.78(m,1H),2.10−2.15(m,1H),1.58(s,3H).
化合物3
中間体−7(1当量)のオキシ塩化リン(62当量)中懸濁液を90℃で2時間加熱し、その後、反応混合物を真空中で濃縮すると、所望のクロロ中間体、4−クロロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5,7−ジヒドロチエノ[3,4−d]ピリミジン6,6−ジオキシド(155mg、収率100%)が黄褐色固体として得られた。このクロロ中間体(1当量)のテトラヒドロフラン中溶液に、酢酸(2当量)および亜鉛末(2当量)を添加した。得られた懸濁液を70℃で24時間加熱し、その後、反応物をceliteを通して濾過し、飽和塩化アンモニウム溶液に希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、水中5〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物、化合物3(4.0mg、収率4%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 8.80(s,1H),8.49(d,1H),7.49(s,1H),7.20−7.25(m,1H),7.03−7.07(m,1H),6.97−7.00(m,1H),6.83−6.86(m,1H),6.61(d,1H),6.05(s,2H),4.56(s,2H),4.51(s,2H).
化合物75
2−(5−ヒドロキシイソオキサゾール−3−イル)酢酸(2.0当量)のアセトニトリル中溶液に、無水酢酸(2.0当量)、引き続いてトリエチルアミン(2.0当量)を添加した。30分後、中間体−2(1.0当量)を添加し、引き続いてさらなるトリエチルアミン(2.0当量)および1−プロパンホスホン酸環状無水物(2.0当量)の酢酸エチル中50%溶液を添加した。反応物を室温で24時間攪拌し、その後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗物質を、ジクロロメタン中3〜10%メタノール勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体、3−(2−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−オキソエチル)イソオキサゾール−5−イルアセテート(34.1mg、収率9%)がクリーム色固体として得られた。
3−(2−((2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−オキソエチル)イソオキサゾール−5−イルアセテート(1.0当量)のテトラヒドロフランおよび水中溶液に、水酸化ナトリウム(3.0当量)の1M水溶液を添加した。5分後、反応混合物を1M塩酸溶液の添加によりクエンチし、真空中で濃縮した。粗物質を、水中10〜95%アセトニトリル勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(2.1mg、収率7%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz、アセトン−d
6)δ ppm 10.29(s,1H),8.92(s,1H),8.75(d,1H),8.03(d,1H),7.55(d,1H),7.32−7.37(m,1H),7.16−7.20(m,1H),7.09−7.13(m,2H,2つの重複シフト)、 6.94−6.98(m,1H),6.01(s,2H),4.00(s,2H),3.88(s,1H),2.53(s,1H).
化合物11
5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(1当量)および中間体−1A(1当量)のDMF中攪拌溶液にCs
2CO
3(3当量)を添加し、混合物を90℃で24時間攪拌した。内容物を23℃に冷却し、酢酸エチルで希釈した。混合物を水および食塩水で洗浄し、真空中で濃縮し、逆相HPLCを介して精製すると所望の化合物、化合物11(8mg、収率13%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.15−9.17(m,1H),8.76(d,1H),7.64(s,1H),7.32−7.40(m,2H),7.30(d,1H),7.17−7.25(m,2H),7.09−7.15(m,1H),5.95(s,2H).
化合物12
中間体−1A(1当量)のDMFおよび水(2:3)中攪拌溶液にCs
2CO
3(2当量)を添加し、得られた混合物を80℃で2時間攪拌した。内容物を23℃に冷却し、固体を濾過し、高真空下で乾燥させた。次いで、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中酢酸エチル、5〜35%勾配)によって精製すると、所望の化合物(15mg、収率21%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.11−9.16(m,2H),8.29(s,2H),7.73(s,1H),7.33−7.39(m,1H),7.32(d,1H),7.22−7.28(m,1H),7.15(t,1H),7.03(t,1H),5.94(s,2H).
化合物13
5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン(2当量)のTHF中攪拌溶液にLiHMDS(2当量)を添加し、得られた混合物を0℃で10分間攪拌した。次いで、THF中の中間体−1A(1当量)をフラスコに導入し、混合物を一晩攪拌した。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(5mg、収率7%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 8.85(br.s.,1H),8.56(d,1H),8.53(d,1H),7.25−7.34(m,4H),7.03−7.13(m,3H),6.63(d,1H),5.93(s,2H).
化合物14
5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン(2当量)および中間体−1A(1当量)のDMF中攪拌溶液にCs
2CO
3(3当量)を添加した。混合物を80℃で4時間攪拌し、次いで、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣を逆相HPLCを介して精製すると所望の化合物(22mg、収率36%)が茶色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.12(d,1H),8.62(br.s.,1H),7.56(br.s.,1H),7.31−7.38(m,1H),7.19−7.27(m,2H),7.12(t,1H),6.96(t,1H),5.92(s,2H),2.48(s,3H).
化合物15
中間体−8(1当量)のジクロロメタン中攪拌溶液に、HATU(1.1当量)およびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(3当量)を添加した。混合物を0℃で15分間攪拌し、次いで、23℃に加温し、さらに1時間攪拌した。アンモニア(5当量)を反応物に添加し、混合物を23℃で4時間攪拌した。反応物を飽和NH
4Cl溶液および水で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層を食塩水(2×)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(16mg、収率30%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.80(d,1H),8.31(d,1H),7.61−7.67(m,1H),7.24−7.34(m,1H),7.02−7.14(m,2H),6.97(d,1H),6.92(t,1H),6.01(s,2H),4.42(t,2H).
化合物16
イソオキサゾリジン塩酸塩をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン/水(10:1)中溶液として110℃で24時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を中間体−1Aから調製した。反応物を23℃に冷却し、溶媒を真空中で除去し、得られた残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(38mg、収率69%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.03(d,1H),8.44(d,1H),7.54(s,1H),7.23−7.29(m,1H),7.20(d,1H),7.13−7.19(m,1H),7.04(t,1H),6.77(t,1H),5.86(s,2H),3.95(t,2H),3.83 −3.89(m,2H),2.23(q,2H).
化合物34
1,2−オキサジナン塩酸塩をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン/水(10:1)中溶液として110℃で24時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。内容物を23℃に冷却し、溶媒を真空中で除去し、得られた残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(36mg、収率63%)が白色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.03(d,1H),8.41(d,1H),7.56(s,1H),7.22−7.30(m,1H),7.20(d,1H),7.15(dd,1H),7.00−7.07(m,1H),6.77(t,1H),5.86(s,2H),4.02(br.s.,2H),3.90(br.s.,2H),1.73(br.s.,4H).
化合物42
ステップ1:メチル3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノエートの合成
中間体−4(1当量)のTHF中攪拌懸濁液に(ジアゾメチル)トリメチルシラン(2当量)を添加し、混合物を80℃で4時間攪拌した。内容物を23℃に冷却し、溶媒を真空中で除去すると、所望の中間体、メチル3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノエート(80mg、収率97%)が茶色固体として得られた。
ステップ2:3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジドの合成
メチル3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノエート(1当量)のエタノール中溶液にヒドラジン水和物(15当量)を添加し、混合物を一晩攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をヘキサンで研和し、濾過した。得られた固体を高真空下で乾燥させると、所望の中間体、3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジド(80mg、収率100%)が白色固体として得られた。
ステップ3:2−(3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノイル)ヒドラジンカルボチオアミドの合成
3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパンヒドラジド(1当量)のイソプロパノール中溶液をイソチオシアナトトリメチルシラン(2当量)で処理した。混合物を90℃で3時間加熱し、23℃に冷却し、濾過した。固体を回収し、高真空下で乾燥させると、所望の中間体、2−(3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノイル)ヒドラジンカルボチオアミド(80mg、収率90%)が白色固体として得られた。
ステップ4:化合物42の合成
2−(3,3,3−トリフルオロ−2−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシプロパノイル)ヒドラジンカルボチオアミド(1当量)のTHF中攪拌溶液に、4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.5当量)およびピリジン(2当量)を添加した。混合物を150℃のマイクロ波を介して30分間加熱した。溶媒を除去し、残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(5.5mg、収率28%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm8.71(s,1H),8.20(d,1H),7.35(s,1H),7.16−7.24(m,1H),6.93−7.05(m,2H),6.81−6.89(m,2H),5.90(s,2H),4.40(d,1H),4.21(d,1H).
化合物43
中間体−1A(1当量)および5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−オール(1当量)のDMF中攪拌溶液にCs
2CO
3(2当量)を添加し、混合物を80℃で2時間攪拌した。内容物を23℃に冷却し、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(5mg、収率7%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.95(d,1H),8.77−8.80(m,1H),7.58(s,1H),7.24−7.31(m,1H),7.07−7.13(m,1H),7.01−7.07(m,1H),6.85−6.91(m,2H),5.98(s,2H),4.48(s,2H),3.97(t,2H),3.69−3.75(m,2H).
化合物44
中間体−1A(1当量)および5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−オール(1当量)のDMF中攪拌溶液にCs
2CO
3(2当量)を添加し、混合物を80℃で2時間攪拌した。内容物を23℃に冷却し、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(6mg、収率8%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 11.64(s,1H),9.08−9.12(m,1H),8.43(d,1H),7.63(s,1H),7.30−7.36(m,1H),7.26(d,1H),7.19−7.25(m,1H),7.11(t,1H),6.84(t,1H),5.85−5.97(m,2H),4.90(s,2H),4.17(t,2H),3.68(t,2H).
化合物65
中間体−4(1当量)のジクロロメタン中攪拌溶液に、PyAOP(2当量)およびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(2当量)を添加し、混合物を30分間攪拌した。シクロプロパンアミン(1.5当量)を反応物に添加し、内容物をさらに24時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をHPLCにより精製すると、所望の化合物(5mg、収率22%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.80(d,1H),8.25(d,1H),7.54(s,1H),7.26−7.33(m,1H),7.02−7.13(m,2H),6.92−6.97(m,2H),5.99(s,2H),4.35(d,1H),4.07(d,1H),2.61(br,1H),0.51−0.72(m,2H),0.29−0.49(m,2H).
化合物76
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、2−アミノエタンスルホンアミド(1.5当量)をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で12時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(12mg、収率48%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.25(d,1H),7.99(br.s.,1H),7.73(s,1H),7.30−7.37(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),7.03(s,2H),6.84(t,1H),5.83(s,2H),3.84−3.91(m,2H),3.34(t,2H),2.56(s,3H).
化合物77
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、ピペラジン−2−オン(1.5当量)をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で12時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(13mg、収率55%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.36(d,1H),8.22(br.s.,1H),7.75(s,1H),7.33(q,1H),7.19−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.78−6.84(m,1H),5.83(s,2H),4.33(s,2H),3.98(t,2H),3.35(br.s,2H),2.58(s,3H).
化合物78
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、チオモルホリン1,1−ジオキシド(1.5当量)をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で12時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(11mg、収率43%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.42(d,1H),7.76(s,1H),7.33(q,1H),7.19−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.81(t,1H),5.83(s,2H),4.21(br.s.,4H),3.33(br.s.,4H),2.58(s,3H).
化合物79
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、3,3−ジフルオロピペリジン(1.5当量)をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で12時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(14mg、収率56%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.38(d,1H),7.75(s,1H),7.33(q,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.82(t,1H),5.83(s,2H),4.14(t,2H),3.82−3.88(m,2H),2.58(s,3H),2.10−2.21(m,2H),1.81(br.s.,2H).
化合物80
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、3−メトキシピロリジン(1.5当量)をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で12時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(12mg、収率51%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.27(d,1H),7.73(s,1H),7.30−7.37(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.09−7.14(m,1H),6.82(t,1H),5.83(s,2H),4.09(br.s.,1H),3.64−3.91(m,4H),3.28(s,3H),2.58(s,3H),1.97−2.15(m,2H).
化合物1
標記化合物を5つのステップで調製した:
ステップ1:エチル5−((ビス−(tert−ブトキシカルボニル))アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
4−ジメチルアミノピリジン(0.05当量)、エチル5−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)およびトリエチルアミン(2当量)のテトラヒドロフラン中溶液をBoc無水物(1.5当量)で処理した。96時間攪拌した後、溶液を酢酸エチルおよび水に注ぎ入れた。層を分離し、有機層を5%硫酸水素カリウム溶液(3×)、飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を前の反応からの粗生成物と合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50%酢酸エチル)によって精製すると、所望の中間体、エチル5−((ビス−(tert−ブトキシカルボニル))アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(236mg、合わせた収率63%)が油として得られた。
ステップ2:エチル5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
炭酸カリウム(3当量)およびエチル5−((ビス−(tert−ブトキシカルボニル))アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)の懸濁液をエタノール中60℃で3時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、残渣をジクロロメタンと飽和塩化アンモニウム水溶液(1:1)に分配した。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜35%酢酸エチル)を介した精製によって、所望の中間体、エチル5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(137mg、収率79%)が透明な油として得られた。
ステップ3:エチル5−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
0℃のエチル5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)のN,N−ジメチルホルムアミド中溶液に、水素化ナトリウム(1.5当量)を鉱物油中60%分散体として添加した。0℃で15分間攪拌した後、ヨードメタン(2.5当量)を一度に添加した。溶液を直ちに23℃に加温した。30分後、溶液を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加した。次いで、溶液を23℃に加温し、酢酸エチルおよび水(1:1)で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を水(3×)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗生成物を前の反応からの粗生成物と合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中酢酸エチル)によって精製すると、所望の中間体、エチル5−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(105mg、合わせた収率76%)が透明な油として得られた。
ステップ4:
1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドの合成
塩化アンモニウム(5.5当量)のトルエン中懸濁液に、トリメチルアルミニウム(5当量)をヘプタン中2M溶液として5分間にわたって滴加した。30分間攪拌した後、起泡が減少し、アルミニウム試薬をトルエン中エチル5−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)に添加した。溶液を90℃に加熱し、その温度で20時間維持した。次いで、溶液を0℃に冷却し、メタノール(10当量)を添加した。溶液を直ちに氷浴から取り出し、23℃に加温した。30分間攪拌した後、懸濁液をceliteを通して濾過し、メタノールで洗浄すると、所望の中間体、1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(43mg、収率55%)が白色固体として得られた。
ステップ5:化合物1の合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(1当量)のエタノール中懸濁液にナトリウム3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(3当量)を添加した。溶液を密閉バイアル中90℃で16時間攪拌した。次いで、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(200μL)を添加し、得られた溶液を90℃で17時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)によって精製すると、所望の化合物、化合物1(1.2mg、収率2%)が黄色膜として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δppm7.99(br s,1H),7.35−7.31(m,1H),7.16−7.11(m,2H),6.94−6.91(m,1H),6.10(s,1H),5.35(s,2H),2.84(s,3H).
化合物81
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:エチル5−(ジメチルアミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
エチル5−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)のN,N−ジメチルホルムアミド中0℃溶液に、水素化ナトリウム(2.5当量)を鉱物油中60%分散体として添加した。得られた懸濁液を0℃で20分間攪拌し、次いで、ヨードメタン(3当量)を添加し、溶液を直ちに23℃に加温した。1.25時間攪拌した後、溶液を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液を添加した。23℃に加温した後、懸濁液を酢酸エチルおよび水(1:1)で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(3×)および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20%酢酸エチル)を介して精製すると、所望の中間体、エチル5−(ジメチルアミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(69mg、収率62%)が透明な油として得られた。
ステップ2:5−(ジメチルアミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドの合成
塩化アンモニウム(5.5当量)のトルエン中懸濁液を、ヘプタン中2M溶液としてのトリメチルアルミニウム(5当量)で2分間にわたって処理した。30分間攪拌した後、トルエン中エチル5−(ジメチルアミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)を添加した。得られた溶液を80℃で15時間加熱し、次いで、0℃に冷却した。メタノール(10当量)を添加し、反応混合物を室温に加温し、30分間攪拌した。さらなるメタノールを添加し、懸濁液をceliteを通して濾過した。溶媒を真空中で除去すると、所望の中間体、5−(ジメチルアミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(51mg、収率82%)が黄色固体として得られた。
ステップ3:化合物81の合成
ナトリウム3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(3当量)、5−(ジメチルアミノ)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(1当量)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1当量)のエタノール中懸濁液を90℃で2.5時間加熱した。次いで、溶媒を真空中で除去し、得られた残渣をジクロロメタンに入れ、濾過した。得られた固体をジクロロメタンに懸濁し、再濾過した。両濾過からの溶質を合わせ、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中メタノール)を介して精製すると、所望の化合物(25mg、収率39%)が黄色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δppm8.00(d,1H),7.36−7.32(m,1H),7.16−7.09(m,3H),6.62(s,1H),5.45(s,2H),2.70(s,6H).
化合物50
1−(メチルスルホニル)シクロプロパンカルボン酸(2当量)を酸反応物質とし、6当量のトリエチルアミンおよび4当量のプロピルホスホン酸無水物(T3P)を使用し、溶液を2時間65℃に加熱したことを除いて、一般的手順Cにしたがって、標記化合物を中間体−2から調製した。溶液を1N塩酸水溶液およびジクロロメタン(1:1)に注ぎ入れた。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜100%酢酸エチル)を介した精製によって、所望の化合物(30mg、収率28%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δppm8.81(d,1H),8.50(d,1H),8.05(d,1H),7.54(s,1H),7.25−7.21(m,1H),7.07−7.04(m,1H),7.01−6.98(s,1H),6.90−6.87(m,1H),6.66(d,1H),6.05(s,2H),3.17(s,3H),1.89−1.83(m,4H).
化合物54
中間体−9(1当量)のメタノール中溶液を、メタノール中7N溶液としてのアンモニア(100当量)で処理し、50℃で1.5時間加熱した。0℃で一晩保管した後、さらなる7Nメタノール性アンモニア(150当量)を添加し、溶液を1時間50℃に加熱した。さらなる125当量のメタノール性アンモニアを添加し、得られた溶液を50℃で2時間加熱した。冷凍庫で二晩保管した後、懸濁液を濾過し、ジクロロメタンで洗浄すると所望の化合物(8mg、収率47%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.11(s,1H),8.44(d,1H),8.26(s,1H),7.82(s,1H),7.66(s,1H),7.35−7.31(m,1H),7.28(m,1H),7.24−7.21(m,1H),7.11(t,1H),6.85(t,1H),5.92(s,2H),5.23(s,2H),4.48−4.46(m,2H),4.23−4.21(m,2H).
化合物19
中間体−16(1当量)および3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルクロリド(1.1当量)のピリジンおよびジクロロメタン(1:2)中混合物を23℃で5時間攪拌した。次いで、反応混合物に1N NaOHを添加し、さらに1.5時間攪拌し続け、その後、これをジクロロメタンおよび水で希釈し、次いで、1N HCl溶液でpH3に酸性化した。相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を、逆相HPLC(C18カラム、20分間にわたって0.1%TFAを含む水中30〜60%アセトニトリル)を介して精製すると、所望の化合物(11mg、収率24%)が黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.13(d,1H),8.83−8.93(m,1H),7.47(s,1H),7.32−7.38(m,1H),7.21−7.27(m,2H),7.11(t,1H),6.84(t,1H),5.94(s,2H),3.52−3.56(m,2H),2.71−2.79(m,2H).
化合物29
0℃の中間体−11(1当量)のピリジン中溶液に、シリンジを介して三塩化ホスホリル(8当量)を滴加した。反応混合物を2時間にわたって連続的に攪拌しながら23℃にゆっくり加温した。揮発性物質を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。次いで、粗固体を、逆相HPLC(C18カラム、20分間にわたって0.1%TFAを含む水中20〜60%アセトニトリル)によって精製すると、所望の化合物(10mg、収率9%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 11.78(s,1H)9.10(d,1H)7.40(s,1H)7.30−7.37(m,1H)7.25−7.30(m,2H)7.23(d,2H)7.08−7.13(m,1H)6.84−6.89(m,1H)5.89(s,2H)1.80(s,3H).
化合物64
2−(3−アンモニオ−1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−メチル−1H−イミダゾール−1−イウムクロリド(1.5当量)をアミン反応物質とし、5当量のトリエチルアミンを使用し、内容物をジオキサン/水(3:1)中溶液として15時間90℃に加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を中間体−1Aから調製した。内容物を23℃に冷却し、揮発性物質を窒素流下で除去した。得られた粗残渣を、逆相HPLC(C18カラム、20分間にわたって0.1%TFAを含む水中5〜95%アセトニトリル)を介して精製すると、所望の化合物(32mg、収率83%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.11(s,1H),8.31(d,1H),7.95(br.s.,1H),7.52(s,1H),7.29−7.38(m,2H),7.19−7.26(m,2H),7.11(t,2H),6.94(t,1H),5.92(s,2H),4.25−4.40(m,2H),3.88(s,3H),2.54(s,1H).
化合物32
0℃の中間体−2(1当量)およびトリエチルアミン(5当量)のジクロロメタン中溶液をクロロアセチルクロリド(3当量)で処理し、次いで、20分間にわたって23℃に加温させた。反応物を飽和NaHCO
3および1:1酢酸エチル/THFの添加によりクエンチした。内容物を濾過すると、所望の化合物(28mg、89%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 11.21−11.36(m,1H),9.11(d,1H),8.74(d,1H),8.56(t,1H),7.97(d,1H),7.66(s,1H),7.30−7.38(m,1H),7.27(d,1H),7.19−7.25(m,1H),7.12(t,1H),6.89(t,1H),5.93(s,2H),4.18(s,2H),4.01−4.10(m,2H).
中間体−15
標記化合物を3つのステップで合成した:
ステップ1:(3−(トリフルオロメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−イル)メタノールの合成
トリフルオロ酢酸無水物(10当量)を、0℃で(5−ヒドラジニルピラジン−2−イル)メタノール(1当量)に添加した。添加が完了した後、反応物を23℃に加温し、20分間攪拌し、溶媒を真空中で除去した。次いで、ポリリン酸(過剰)を反応物に添加し、内容物を100℃で2時間加熱した。熱懸濁液を氷上に注ぎ入れ、pH11まで水酸化アンモニウムで塩基性化した。混合物を酢酸エチルで抽出し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体、(3−(トリフルオロメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−イル)メタノール(2.035g、43%)が黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 9.53−9.73(m,1H),8.32(d,1H),5.82(t,1H),4.70(dd,2H).
ステップ2:6−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンの合成
t−ブチルジフェニルシリルクロリド(2当量)を、(3−(トリフルオロメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−イル)メタノール(1当量)およびイミダゾール(3当量)のジクロロメタン中溶液に添加した。反応物を23℃で20分間攪拌し、水の添加によりクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体、6−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(0.414g、94%)が黄色油として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 9.58−9.71(m,1H),8.44(s,1H),7.61−7.76(m,4H),7.34−7.53(m,6H),4.93(d,2H),1.00−1.12(m,9H).
ステップ3:6−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンの合成
6−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(1当量)を、10%Pd/C(0.05当量)と一緒にエタノールに入れ、バルーン圧力下23℃で40時間水素化した。反応混合物を濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体、6−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(0.16g、38%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 7.63(ddd,4H),7.39−7.52(m,6H),4.18−4.28(m,2H),3.95−4.02(m,1H),3.84−3.91(m,1H),3.71−3.83(m,2H),3.23−3.32(m,1H),2.79(td,1H),1.00(s,9H).
ステップ4:中間体−15の合成
テトラブチルアンモニウムフルオリド(2当量)を、中間体−1A(1当量)、6−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(2当量)およびトリエチルアミン(2当量)のジオキサン/水(10:1)中懸濁液に添加し、反応物を100℃で48時間加熱した。次いで、反応混合物を23℃に冷却し、真空中で濃縮し、逆相HPLCを介して精製すると所望の化合物、化合物−15(6mg、36%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 9.11(d,1H),8.46(d,1H),7.67(s,1H),7.30−7.38(m,1H),7.28(d,1H),7.19−7.25(m,1H),7.11(t,1H),6.85(t,1H),5.88−5.98(m,2H),5.61(d,1H),5.20(t,1H),5.13(br.s.,1H),4.82(d,1H),4.38−4.51(m,2H),3.64(dt,1H),3.50−3.59(m,1H).
化合物62
過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(0.1当量)を、23℃で中間体−15(1当量)およびNMO(10当量)のアセトニトリルおよび水(10当量)中懸濁液に添加した。反応物をLCMSによって完了について監視し、濾過し、逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(9mg、12%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.72−8.85(m,1H),8.50(d,1H),7.54−7.70(m,1H),7.20−7.36(m,1H),7.07−7.15(m,1H),7.04(t,1H),6.94(d,1H),6.86(t,1H),6.28(br.s.,1H),6.00(s,2H),5.70(d,1H),5.08−5.21(m,1H),5.01(d,1H),4.60(dd,1H).COOHプロトンが交換された。
化合物83
2−(1−(2,3−ジフルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フルオロピリミジン−4−オール(以前の特許:国際公開第2013/101830号パンフレットに記載)(1当量)およびメタノール中ナトリウムメトキシド(2.2当量)の ジグリム中懸濁液を圧力管中150℃で1時間加熱した。反応物を濾過し、残渣をメタノールで洗浄し、濾液をシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(355mg、75%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.04(d,1H),7.67−7.79(m,1H),7.14−7.25(m,1H),7.01−7.11(m,1H),6.66−6.77(m,1H),5.96(s,2H),2.56(s,3H).OHプロトンが交換された。
化合物84
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、水酸化アンモニウムをアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で65時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(4.2mg、13.5%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.12(d,1H),7.65(s,1H),7.23−7.32(m,1H),7.02−7.14(m,2H),6.77−6.86(m,1H),5.90(s,2H),2.55(s,3H).NH
2プロトンが交換された。
化合物85
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミドをアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で65時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(3.5mg、7.6%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.12(d,1H),7.68(s,1H),7.23−7.35(m,1H),7.02−7.15(m,2H),6.93(t,1H),5.91(s,2H),4.16−4.26(m,1H),4.04−4.12(m,1H),2.58(s,3H).NH、OHおよびNH
2プロトンが交換された。
化合物86
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、グリシンをアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で65時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(1mg、2.7%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.27(d,1H),7.74(s,1H),7.23−7.35(m,1H),7.01−7.17(m,2H),6.88(t,1H),5.94(s,2H),4.43(s,2H),2.58(s,3H).NHおよびCOOHプロトンが交換された。
化合物87
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、5−アミノペンタン酸をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で65時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(43mg、10.6%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.25(d,1H),7.90(s,1H),7.27−7.36(m,1H),7.04−7.16(m,2H),6.96(t,1H),5.97(s,2H),3.80(t,2H),2.62(s,3H),2.43(t,2H),1.68−1.87(m,4H).NHおよびCOOHプロトンが交換された。
化合物88
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、ピペリジン−4−スルホンアミドをアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で65時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(19mg、42%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.32(d,1H),7.87(s,1H),7.31(q,1H),7.02−7.16(m,2H),6.92(t,1H),5.96(s,2H),5.02(d,2H),3.36−3.45(m,3H),2.61(s,3H),2.37(d,2H),1.88−2.02(m,2H).NH
2プロトンが交換された。
化合物89
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、4−メチルピロリジン−3−カルボン酸をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で65時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(10mg、24%)が黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.32(d,1H),7.88(s,1H),7.27−7.40(m,1H),7.05−7.20(m,2H),6.90−7.03(m,1H),5.99(s,2H),4.32−4.48(m,2H),4.07−4.30(m,1H),3.53−3.74(m,1H),2.83−3.08(m,1H),2.67−2.79(m,1H),2.63(s,3H),1.23−1.40(m,3H).COOHプロトンが交換された。
化合物90
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、1−((メチルアミノ)メチル)シクロペンタンカルボン酸(HBr塩として)をアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として90℃で65時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。得られた粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物が黄褐色固体(9.5mg、21%)として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.31(d,1H),7.80(s,1H),7.27−7.36(m,1H),7.02−7.16(m,2H),6.90−7.00(m,1H),5.96(s,2H),4.30(s,2H),3.53(d,3H),2.60(s,3H),2.18−2.35(m,2H),1.74−1.86(m,2H),1.64−1.74(m,4H).COOHプロトンが交換された。
化合物91
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、ジメチルアミン(60当量)をアミン反応物質とし、トリエチルアミンを使用せず、内容物をジオキサン中溶液として90℃で2時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、1N HCl溶液、水および食塩水で連続的に洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、所望の化合物(13mg、80%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 8.22(d,1H),7.69(s,1H),7.28−7.38(m,1H),7.18−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.81(t,1H),5.81(s,2H),3.24(d,6H),2.57(s,3H).
化合物92
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、ピロリジン(60当量)をアミン反応物質とし、トリエチルアミンを使用せず、内容物をジオキサン中溶液として2時間90℃に加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、1N HCl溶液、水および食塩水で連続的に洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(9mg、49%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.25(d,1H),7.83(s,1H),7.25−7.41(m,1H),7.02−7.18(m,2H),6.90−7.00(m,1H),4.02(d,4H),5.97(s,2H),2.61(s,3H),1.99−2.24(m,4H).
化合物93
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、ピペリジン(60当量)をアミン反応物質とし、トリエチルアミンを使用せず、内容物をジオキサン中溶液として90℃で2時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、1N HCl溶液、水および食塩水で連続的に洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、所望の化合物(0.012g、63%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 8.26(d,1H),7.69(s,1H),7.33(q,1H),7.19−7.27(m,1H),7.11(t,1H),6.80(t,1H),5.82(s,2H),3.72−3.83(m,4H),2.92−3.06(m,2H),2.57(s,3H),1.65−1.70(m,2H),1.52−1.57(m,1H),1.42−1.50(m,1H).
化合物94
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、ピペラジン(60当量)をアミン反応物質とし、トリエチルアミンを使用せず、内容物をジオキサン中溶液として90℃で2時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、1N HCl溶液、水および食塩水で連続的に洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、所望の化合物(10mg、55%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 8.27(d,1H),7.70(s,1H),7.33(q,1H),7.16−7.26(m,1H),7.10(t,1H),6.79(t,1H),5.82(s,2H),3.67−3.76(m,4H),2.75−2.86(m,4H),2.57(s,3H).NHプロトンが交換された。
化合物95
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、モルホリン(60当量)をアミン反応物質とし、トリエチルアミンを使用せず、内容物をジオキサン中溶液として90℃で2時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、1N HCl溶液、水および食塩水で連続的に洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、所望の化合物(13mg、72%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 8.33(d,1H),7.73(s,1H),7.33(q,1H),7.16−7.27(m,1H),7.10(t,1H),6.79(t,1H),5.82(s,2H),3.77−3.85(m,4H),3.69−3.75(m,4H),2.57(s,3H).
化合物96
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホンアミド(4当量)をアミン反応物質とし、炭酸カリウム(4当量)をトリエチルアミンの代わりに使用し、内容物をDMSO中溶液としてマイクロ波を介して15分間150℃に加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、濾過し、逆相HPLCによって精製すると、所望の化合物(0.004g、9.7%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.40−8.47(m,1H),7.70(s,1H),7.25−7.34(m,1H),7.03−7.15(m,2H),6.89(t,1H),5.91(s,2H),3.93−4.02(m,2H),2.79−2.92(m,2H),2.57(s,3H).NHプロトンが交換された。
化合物97
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、プロパン−1−スルホンアミド(4当量)をアミン反応物質とし、炭酸カリウム(4当量)をトリエチルアミンの代わりに使用し、内容物をDMSO中溶液としてマイクロ波を介して15分間150℃に加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、濾過し、逆相HPLCによって精製すると、所望の化合物(5mg、13.7%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.44−8.54(m,1H),7.63−7.73(m,1H),7.26−7.35(m,1H),7.04−7.14(m,2H),6.91(t,1H),5.92(s,2H),3.69−3.78(m,2H),2.58(s,3H),1.85−1.96(m,2H),1.08(t,3H).NHプロトンが交換された。
化合物98
中間体−1B(1当量)を中間体−1Aの代わりに使用し、ベンゼンスルホンアミド(4当量)をアミン反応物質とし、炭酸カリウム(4当量)をトリエチルアミンの代わりに使用し、内容物をDMSO中溶液としてマイクロ波を介して150℃で15分間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。反応混合物を23℃に冷却し、濾過し、逆相HPLCによって精製すると、所望の化合物(4mg、9.6%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δppm 8.36−8.46(m,1H),8.27(d,2H),7.58−7.63(m,1H),7.45−7.53(m,3H),7.29−7.36(m,1H),7.06−7.18(m,2H),6.90(t,1H),5.92−5.99(m,2H),2.59−2.65(m,3H).NHプロトンが交換された。
化合物99
0℃の中間体−6(1当量)のジクロロメタン中溶液をDAST(2.2当量)で処理し、2時間にわたって23℃に加温させた。次いで、反応物をメタノール中7M NH
3で希釈し、30分間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をメタノールで希釈し、濾過すると、所望の化合物(11mg、47%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 8.24(d,1H),7.69(s,1H),7.27−7.41(m,1H),7.15−7.27(m,2H),7.11(t,1H),6.80−6.96(m,2H),5.81(s,2H),4.00(s,2H),3.24(d,3H),2.57(s,3H),1.01−1.06(m,2H),0.83−0.89(m,2H).
化合物28
5−(アミノメチル)イソオキサゾール−3−オールをアミン反応物質とし、内容物を100℃で16時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。内容物を周囲温度に冷却し、水で希釈し、1N HCl溶液でpH3に酸性化した。得られた沈殿を濾過し、真空中で乾燥させると、所望の化合物(68mg、収率94%、ジオキサンとの1:1溶媒和物)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 11.2(s,1H),9.10(d,1H),8.34(br.t,1H),8.27(d,1H),7.51(s,1H),7.33(m,1H),7.24−7.18(m,2H),7.10(app.t,1H),6.87(app.t,1H),6.00(s,1H),5.89(s,2H),4.68(d,2H),3.57(s,8H,ジオキサン)。
化合物26
中間体−1E(特許出願公開である国際公開第2014/047325号パンフレットに記載)を中間体−1Aの代わりに使用し、2−(アミノメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールをアミン反応物質とし、内容物を15時間100℃に加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、1N HCl溶液でpH4に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、15〜30%酢酸エチル/ヘキサン勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(45mg、収率66%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.07(s,1H),8.97(d,1H),8.34(d,1H),8.29(br.t,1H),8.22(s,1H),7.27−7.21(m,2H),7.14(m,1H),7.06(m,1H),7.04(d,1H),4.32(s,2H),4.13(d,2H).
化合物30
中間体−1Eを中間体−1Aの代わりに使用し、2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミドをアミン反応物質とし、内容物を100℃で16時間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、1N HCl溶液でpH4に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、ジクロロメタン中5〜15%アセトニトリル−メタノール(7:1)勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(47mg、収率67%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 9.14(s,1H),8.96(d,1H),8.28(d,1H),8.01(br.t,1H),7.76(br.s,1H),7.61(br.s,1H),7.25(s,1H),7.27−7.19(m,2H),7.15(m,1H),7.06(app.t,1H),7.03(d,1H),4.34(s,2H),4.11(dd,1H),3.89(dd,1H).
化合物102
標記化合物を2つのステップで合成した:
ステップ1:中間体−1Fの合成
5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(オキサゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4−オール(中間体−5F、特許出願公開である国際公開第2012/3405号パンフレットに記載)の溶媒としての三塩化ホスホリル(67当量)中懸濁液を65℃で2時間加熱した。反応混合物を23℃に冷却し、窒素流下で乾燥させ、次いで、トルエンから2回濃縮した。結果として生じた淡黄色固体を真空中で乾燥させ、さらに精製することなく次のステップに使用した。
ステップ2:化合物102の合成
中間体−1Fを中間体−1Aの代わりに使用し、2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミドをアミン反応物質とし、内容物を100℃で2日間加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、次いで、1N HCl溶液でpH6に酸性化した。得られた沈殿を濾過し、真空中で乾燥させると、所望の化合物(59mg、収率91%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm8.32(m,2H),7.84(br.t,1H),7.75(br.s,1H),7.72(s,1H),7.62(br.s,1H),7.49(s,1H),7.42(s,1H),7.34(m,1H),7.21(m,1H),7.11(app.t,1H),7.02(app.t,1H),6.04(s,2H),4.01(m,2H).
化合物103
中間体−1Fを中間体−1Aの代わりに使用し、2−(アミノメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールをアミン反応物質とし、内容物を5日間90〜100℃に加熱したことを除いて、一般的手順Bにしたがって標記化合物を調製した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、1N HCl溶液でpH4に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、15〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(38mg、収率55%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δppm 8.27(m,2H),7.73(s,1H),7.45(s,1H),7.23(m,1H),7.14(app.t,1H),7.05−7.00(m,2H),6.10(s,2H),5.72(br.s,1H),4.15(d,2H).交換可能なOHプロトンは観察されなかった。
化合物109
酢酸(5.5当量)を、中間体−1A(1当量)および亜鉛末(3.4当量)のTHF中懸濁液に添加し、内容物を75℃で72時間加熱した。反応が完了した後、反応物を1N HCl溶液の添加によりクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮すると、所望の化合物(47mg、収率82%)が茶色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.05−9.18(m,1H),8.96(s,2H),7.60−7.71(m,1H),7.31−7.38(m,1H),7.28(d,1H),7.19−7.26(m,1H),7.12(t,1H),6.91−6.99(m,1H),5.93(s,2H).
化合物37
化合物109(1.0当量)、モルホリン(7.0当量)の無水DMSO中溶液を18時間120℃に加熱した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、ジクロロメタン中30〜50%アセトニトリル−メタノール(7:1)勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(34mg、収率57%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 9.09(d,1H),8.54(s,2H),7.55(s,1H),7.34(m,1H),7.27(d,1H),7.22(m,1H),7.11(app.t,1H),6.90(app.t,1H),5.89(s,2H),3.77(m,4H),3.29(m,4H).
化合物8
化合物109(1.0当量)、2−アミノエタノール(7.0当量)の無水DMSO中溶液を22時間120℃に加熱した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、ジクロロメタン中25〜50%アセトニトリル−メタノール(7:1)勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(36mg、収率65%)が淡黄色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.08(d,1H),8.21(s,2H),7.46(s,1H),7.33(m,1H),7.25(d,1H),7.22(m,1H),7.11(app.t,1H),6.88(app.t,1H),6.27(t,1H),5.87(s,2H),4.80(t,1H),3.59(dt,2H),3.21(dt,2H).
化合物9
化合物109(1.0当量)、エタン−1,2−ジアミン(7.0当量)の無水DMSO中溶液を8時間120℃に加熱した。内容物を23℃に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、30〜80%アセトニトリル/水勾配(0.1%TFAを含む)を利用する分取HPLCを介して精製すると、所望の化合物(33mg、収率51%、TFA塩)が淡黄色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 9.10(d,1H),8.24(s,2H),7.79(br.s,2H),7.47(s,1H),7.34(m,1H),7.25(d,1H),7.22(m,1H),7.11(app.t,1H),6.90(app.t,1H),6.37(br.s,1H),5.88(s,2H),3.40(m,2H),3.01(m,2H).
化合物6
化合物109(1.0当量)、グリシンアミド塩酸塩(7.0当量)および重炭酸ナトリウム(7.0当量)の無水DMSO中懸濁液を120〜130℃で2日間加熱した。さらなる量のグリシンアミド塩酸塩(7.0当量)および重炭酸ナトリウム(7.0当量)を添加し、反応物を130℃でさらに2日間加熱した。内容物を23℃に冷却し、半飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、ジクロロメタン中20〜60%アセトニトリル−メタノール(7:1)勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィー、引き続いて30〜80%アセトニトリル/水勾配(0.1%TFAを含む)を利用する逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(2.0mg、収率3.4%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δppm8.77(d,1H),8.26(s,2H),7.41(s,1H),7.27(m,1H),7.09(m,1H),7.03(app.t,1H),6.89(d,1H),6.87(app.t,1H),5.96(s,2H),3.94(s,2H).
化合物21
化合物109(1.0当量)、3−アミノプロパン−1,2−ジオール(7.0当量)の無水DMSO中溶液を18時間120℃に加熱した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、ジクロロメタン中30〜50%アセトニトリル−メタノール(7:1)勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(34mg、収率57%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.08(d,1H),8.22(s,2H),7.46(s,1H),7.33(m,1H),7.24(d,1H),7.22(m,1H),7.11(app.t,1H),6.88(app.t,1H),6.22(t,1H),5.87(s,2H),4.91(d,1H),4.68(t,1H),3.65(m,1H),3.39(m,2H),3.27(m,1H),3.03(m,1H).
化合物22
化合物109(1.0当量)、2−(メチルスルホニル)エタンアミン塩酸塩(7.0当量)およびトリエチルアミン(7.0当量)の無水DMSO中溶液を120℃で4日間加熱した。さらなる量の2−(メチルスルホニル)エタンアミン塩酸塩(7.0当量)およびトリエチルアミン(7.0当量)を添加し、反応物を120〜130℃でさらに7日間加熱した。内容物を23℃に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、70〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(23mg、収率33%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.08(d,1H),8.24(s,2H),7.49(s,1H),7.34(m,1H),7.25(d,1H),7.22(m,1H),7.11(app.t,1H),6.88(app.t,1H),6.47(t,1H),5.88(s,2H),3.61(dt,2H),3.41(t,2H),3.05(s,3H).
化合物24
0℃の化合物9(1.0当量、TFA塩として)のジクロロメタン中溶液をトリエチルアミン(5.0当量)、引き続いてメタンスルホニルクロリド(1.1当量)で処理した。反応混合物を23℃に加温し、この温度で3時間攪拌した。内容物を半飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ入れ、ジクロロメタンおよび酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、ジクロロメタン中25%アセトニトリル−メタノール(7:1)を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(9.5mg、収率75%)が淡黄色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δppm 8.45(d,1H),8.14(s,2H),7.30(s,1H),7.18(m,1H),7.01(m,1H),6.95(app.t,1H),6.84(app.t,1H),6.60(d,1H),5.97(s,2H),5.53(br.s,1H),3.43−3.35(m,4H),2.98(s,3H).交換可能なスルホンアミドNHプロトンは観察されなかった。
化合物7
中間体−13(1.0当量)の無水ジオキサン中溶液に2−アミノエタノール(4.0当量)を添加した。反応混合物がオレンジ色懸濁液になった。20時間後、水を添加し、固体を濾過し、真空中で乾燥させると、所望の化合物(160mg、収率89%)が黄色がかった黄褐色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm9.19(s,1H),9.12(d,1H),8.83(t,1H),7.73(s,1H),7.34(m,1H),7.28(d,1H),7.23(m,1H),7.11(app.t,1H),6.87(app.t,1H),5.95(s,2H),4.96(t,1H),3.80(dt,2H),3.67(dt,2H).
化合物82
窒素雰囲気下、化合物7のMeOH/酢酸エチル(1:1)中懸濁液を10%パラジウム炭素(0.2当量)で処理した。水素を(バルーンを用いて)導入し、結果として生じた混合物を1時間40分間攪拌した。次いで、反応容器に窒素を流し、内容物をCeliteを通して濾過した。溶媒を真空中で除去すると、所望の中間体、2−((5−アミノ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)エタノール(化合物82)が得られ、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物10
2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4,5−ジアミン(前の特許:国際公開第2012/3405号パンフレット、国際公開第2013/101830号パンフレットに記載)(1.0当量)の無水THF中懸濁液をトリエチルアミン(2.0当量)、引き続いて1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(1.2当量)で処理した。18時間後、さらなる量の1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(0.30当量)を添加し、内容物を5時間攪拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、6N HCl水溶液/THF(3:1v/v)に再懸濁し、60℃で18時間加熱した。23℃に冷却した後、内容物を半飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ入れ、ジクロロメタン/iPrOH(4:1)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、ジクロロメタン中70〜100%アセトニトリル−メタノール(7:1)を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(31mg、収率62%)がベージュ色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 9.19(d,1H),8.83(br.s,1H),8.10(br.s,1H),7.58(s,1H),7.46(s,1H),7.39(m,1H),7.26(d,1H),7.24(m,1H),7.19−7.10(m,2H),5.99(s,1H),5.89(s,2H),5.07(t,1H),4.50(m,2H),3.62(m,2H).
化合物60
0℃の中間体−14(1.0当量)のジクロロメタン中懸濁液にDAST(2.2当量)を一度に添加した。混合物を23℃に加温し、24時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を水酸化アンモニウム(濃)に溶解し、24時間100℃に加熱し、溶媒を窒素流下で除去した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(1.6mg、収率3%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.83(m,1H),8.32(m,1H),7.67(m,1H),7.32(m,1H),7.11(m,2H),6.98(m,2H),6.04(m,2H),4.96(m,2H),3.47(m,2H),2.75(m,1H),2.09(m,2H),1.91(m,2H).
化合物105
この化合物を5つのステップで調製した:
ステップ1:3−(エトキシカルボニル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
出発材料の全てが完全に溶液に入ったわけではなかったので、ジエチル1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボキシレート(文献に以前記載されている)(1当量)のエタノール中懸濁液に、水酸化カリウムを1.5時間の期間にわたってゆっくり添加した。23℃で15時間攪拌した後、LCMSは出発材料がまだ存在することを示した。さらなる20mol%の水酸化カリウムを添加し、23℃で1.5時間攪拌し続け、次いで、さらなる30mol%を添加し、さらに2時間攪拌した。溶液を飽和NH
4Cl溶液に注ぎ入れ、ジクロロメタン(6×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、所望の中間体3−(エトキシカルボニル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(2.98g、収率108%)が白色固体として得られた。粗物質をさらに精製することなく次のステップに持ち越した。
ステップ2:1−(2−フルオロベンジル)−5−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の合成
0℃の3−(エトキシカルボニル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(1当量)のTHF中溶液に10Mボラン−硫化メチル錯体(3当量)を添加した。ガス発生が止んだ(15分)後、溶液を23℃にゆっくり加温し、次いで、65℃で4時間攪拌した。反応物を23℃に冷却し、1N HCl(水溶液)でクエンチし、1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、所望の中間体1−(2−フルオロベンジル)−5−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(0.59g、収率74%)が無色油として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 12.67(m,1H),7.37(m,1H),7.24(m,1H),7.16(m,1H),7.03(m,1H),6.65(m,1H),5.46(s,2H),4.52(m,2H).
ステップ3:メチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1当量)のDMF中溶液に、0℃で水素化ナトリウム(2.1当量)を添加した。溶液を0℃で30分間および23℃で30分間攪拌した。溶液にヨウ化メチル(4.2当量)を添加し、18時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると粗油が得られ、これをシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の中間体メチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(260mg、収率42%)が透明な無色油として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 7.34(m,1H),7.22(m,1H),7.13(m,1H),6.90(m,2H),5.76(m,2H),4.37(s,2H),3.81(m,3H),3.25(s,3H).
ステップ4:1−(2−フルオロベンジル)−5−(メトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(中間体−19)の合成
0℃のアンモニア塩酸塩(5.3当量)のトルエン中懸濁液に、トリメチルアルミニウムのトルエン中2M溶液(5.3当量)を添加した。混合物を氷浴から取り出し、起泡が止むまで23℃で攪拌した。この混合物に、メチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)のトルエン中溶液を添加し、80℃で24時間攪拌した。混合物を氷浴で冷却し、メタノールでゆっくりクエンチし、得られた白色沈殿をceliteパッド上での濾過によって除去した。濾液を濃縮し、真空下で乾燥させると、所望の中間体1−(2−フルオロベンジル)−5−(メトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(258mg、収率100%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 7.29(m,6H),6.85(m,1H),5.55(s,2H),4.36(s,2H),3.34(s,1H),3.26(s,3H).
ステップ5:化合物105の合成
エタノール中1−(2−フルオロベンジル)−5−(メトキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(中間体−19、4当量)を含有する混合物を100℃で1時間攪拌した。混合物を冷却し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を逆相クロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(11mg、収率20%)が灰白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm8.18(m,1H),7.31(d,1H),7.18(t,1H),7.10(m,2H),6.93(t,1H),5.87(s,2H),4.37(s,2H),3.27(s,3H).
化合物20
化合物105(1当量)の三塩化ホスホリル(過剰)中溶液を65℃で2時間加熱した。溶液を冷却し、溶媒を窒素流下で除去した。得られた残渣をジオキサンおよび水(3:1)に溶解し、2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミド(10当量)およびトリエチルアミン(20当量)を添加した。溶液を100℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、粗物質を逆相クロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(6.7mg、収率47%)が得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 8.16(m,1H),7.22(m,1H),7.13(m,1H),7.05(s,3H),6.80(m,1H),6.29(m,1H),6.08(d,2H),4.58(s,2H),4.19(m,2H),3.47(m,3H).
化合物5
標記化合物を2つのステップで合成した:
ステップ1:2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−メチルプロパン酸の合成
水および1,4−ジオキサン(2:1)中炭酸ナトリウム(3当量)、2−アミノ−2−メチルプロパン酸(1.0当量)およびクロロギ酸ベンジル(1.1当量)を含有する混合物を23℃で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチルに希釈し、1N HCl溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、所望の中間体2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−メチルプロパン酸(825mg、収率72%)が透明な油として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 7.32−7.38(m,5H),5.03−5.09(m,2H),1.43−1.50(m,6H).
ステップ2:化合物5の合成
2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−メチルプロパン酸(1当量)を酸反応物質とし、2.5当量のT3Pを使用し、内容物を70℃で24時間加熱し、酢酸エチルを後処理中に抽出用に使用したことを除いて、一般的手順Cにしたがって、標記化合物を調製した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製すると、所望の化合物(87mg、収率7%)が茶色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.79(s,1H),8.68(d,1H),8.09−8.20(m,1H),7.98(s,1H),7.52(s,1H),7.21−7.39(m,4H),7.17(br.s.,1H),7.02−7.15(m,2H),6.85−6.92(m,2H),5.99(s,2H),5.06(s,2H),1.48−1.51(m,6H).
化合物33
周囲温度のエタノール中パラジウム炭素(0.1当量)および化合物5(1当量)を含有する混合物を水素バルーン上で24時間水素化した。混合物をacro diskを通して濾過し、濾液を真空下で濃縮すると、所望の化合物(66mg、収率99%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 8.68−8.74(m,1H),8.46(s,1H),8.14−8.18(m,1H),7.44−7.48(m,1H),7.19(q,1H),7.00−7.09(m,1H),6.96(t,1H),6.81(t,1H),6.58−6.63(m,1H),6.02(s,2H),1.44−1.48(m,6H).
化合物46
標記化合物を2つのステップで合成した:
ステップ1:2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−メチルブタン酸の合成
1,4−ジオキサンおよび水(2:1)中2−アミノ−2−メチル酪酸塩酸塩(1当量)、炭酸ナトリウム(3当量)およびクロロギ酸ベンジル(1.1当量)を含有する混合物を23℃で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチルに希釈し、1N HCl溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、所望の中間体2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−メチルブタン酸(499mg、収率99%)が透明な油として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 7.30−7.38(m,5H),5.01−5.09(m,2H),1.85−1.95(m,2H),1.43−1.50(m,3H),0.86(t,3H).
ステップ2:化合物46の合成
2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−メチルブタン酸(1当量)を酸反応物質とし、2.5当量のT3Pを使用し、内容物を70℃で3日間加熱し、酢酸エチルを後処理中に抽出用に使用したことを除いて、一般的手順Cにしたがって、標記化合物を調製した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜100%酢酸エチル)を介して精製すると、所望の化合物(40mg、収率5%)が得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.78(s,1H),8.67(d,1H),8.12(br.s.,1H),7.51(s,1H),7.22−7.36(m,4H),7.17(d,1H),7.06−7.13(m,1H),7.04(t,1H),6.82−6.96(m,3H),5.98(s,2H),5.05(br.s.,2H),1.84−2.04(m,2H),1.46−1.51(m,3H),0.85−0.94(m,3H).
化合物47
23℃のエタノール中パラジウム炭素(0.1当量)および化合物46(1当量)を含有する混合物を水素雰囲気下に24時間おいた。混合物をacro diskを通して濾過し、濾液を真空下で濃縮すると、所望の化合物(25mg、収率100%)が透明な油として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 8.71(d,1H),8.46(s,1H),8.18(d,1H),7.47(s,1H),7.17−7.24(m,1H),7.04(d,1H),6.97(t,1H),6.82(t,1H),6.61(s,1H),6.03(s,2H),1.91−2.02(m,2H),1.44(s,3H),0.92−0.97(m,3H).
化合物55
2−メチルブタン−1,2−ジアミン(1.1当量)をアミン反応物質とし、1当量のトリエチルアミンを使用し、LC/MSによる出発材料の完全な消費まで、内容物を23℃でDMF中溶液として攪拌したことを除いて、一般的手順Bにしたがって、標記化合物を調製した。反応物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)を介して精製すると、所望の化合物(67mg、収率15%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.67−8.74(m,1H),8.02(d,1H),7.38(s,1H),7.21(q,1H),7.01−7.08(m,1H),6.97(t,1H),6.84(s,1H),6.77(t,1H),5.87−5.94(m,2H),3.25−3.29(m,2H),1.45−1.55(m,2H),1.07−1.12(m,3H),0.90−0.97(m,3H).
化合物67
2−シクロプロピルプロパン−1,2−ジアミン二塩酸塩(2当量)をアミン反応物質とし、4当量のトリエチルアミンを使用し、LC/MSによる出発材料の完全な消費まで、内容物を23℃でDMF中溶液として攪拌したことを除いて、一般的手順Bにしたがって、標記化合物を調製した。反応物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)を介して精製すると、所望の化合物(81mg、収率67%)が透明な油として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.75(s,1H),8.08(d,1H),7.44(s,1H),7.21−7.30(m,1H),7.08(t,1H),7.01(t,1H),6.89(s,1H),6.79(t,1H),5.95(s,2H),3.35(s,2H),1.03−1.09(m,1H),1.02(s,3H),0.37−0.51(m,4H).
化合物68
1−(アミノメチル)シクロプロパンアミン(2HCl塩として、2当量)をアミン反応物質とし、8当量のトリエチルアミンを使用し、LC/MSによる出発材料の完全な消費まで、内容物を23℃でDMF中溶液として攪拌したことを除いて、一般的手順Bにしたがって、標記化合物を調製した。反応物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)を介して精製すると、所望の化合物(54mg、収率40%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.75(s,1H),8.05(d,1H),7.42(s,1H),7.17−7.33(m,1H),7.05−7.15(m,1H),7.02(t,1H),6.89(s,1H),6.81(t,1H),5.95(s,2H),3.69(s,2H),0.59−0.77(m,4H).
化合物106
(R)−3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロパン−1,2−ジアミン二塩酸塩をアミン反応物質とし、6当量のトリエチルアミンを使用し、LC/MSにより出発材料の完全な消費が観察されるまで、内容物を23℃でDMF中溶液として攪拌したことを除いて、一般的手順Bにしたがって、標記化合物を調製した。溶液を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)を介した残渣の精製によって、所望の化合物(108mg、収率84%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.76(d,1H),8.11(d,1H),7.41(s,1H),7.19−7.36(m,1H),7.06−7.13(m,1H),7.03(t,1H),6.89(d,1H),6.85(t,1H),5.95(s,2H),3.80−3.98(m,2H),1.32(s,3H).
化合物107
(R)−2−(((S)−3−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)アミノ)−2−フェニルエタノールをアミン反応物質とし、6当量のトリエチルアミンを使用し、LC/MSにより出発材料の完全な消費が観察されるまで、内容物を23℃でDMF中溶液として攪拌したことを除いて、一般的手順Bにしたがって、標記化合物を調製した。溶液を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)を介した残渣の精製によって、所望の化合物(72mg、収率70%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.67−8.78(m,1H),8.12(d,1H),7.40(s,1H),7.09−7.33(m,6H),7.01−7.07(m,1H),6.97(t,1H),6.87(d,1H),6.82(t,1H),5.92(s,2H),4.12(dd,1H),3.80−3.99(m,2H),3.48(dd,1H),3.31(d,1H),1.10(s,3H).
化合物108
(S)−3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロパン−1,2−ジアミン二塩酸塩をアミン反応物質とし、6当量のトリエチルアミンを使用し、LC/MSにより出発材料の完全な消費が観察されるまで、内容物を23℃でDMF中溶液として攪拌したことを除いて、一般的手順Bにしたがって、標記化合物を調製した。溶液を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)を介した残渣の精製によって、所望の化合物(58mg、収率46%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ ppm 8.75(s,1H),8.10(d,1H),7.40(s,1H),7.26(q,1H),7.08(s,1H),7.02(s,1H),6.87(d,1H),6.84(t,1H),5.94(s,2H),3.88−3.99(m,1H),3.80−3.88(m,1H),1.31(s,3H).
化合物111
標記化合物を5つのステップにわたって調製した:
ステップ1:N−メトキシ−N−メチルイソチアゾール−3−カルボキサミドの合成
0℃のイソチアゾール−3−カルボン酸(2g、15.49mmol)のDCM中懸濁液に、二塩化オキサリル(1.3当量)、引き続いて3滴のDMFを添加した。起泡が始まり、10分後に反応物を23℃に加温した。混合物を3時間攪拌し、次いで、0℃に冷却した。N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(1.3当量)を反応物に添加し、引き続いてトリエチルアミン(3.5当量)を、10分間にわたってシリンジを介して滴加した。反応物を一晩23℃にゆっくり加温し、合計15時間攪拌した。反応混合物を1N HCl溶液およびジクロロメタン(1:1比)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(2×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル混合物を利用する)を介して精製すると、所望の中間体、N−メトキシ−N−メチルイソチアゾール−3−カルボキサミド(1g、収率38%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.67(d,1H),7.69(br s,1H),3.80(s,3H),3.46(br s,3H).
ステップ2:(E)−エチル4−(イソチアゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエートの合成
THF中−55℃(2:1エタノール/水w/ドライアイス)のN−メトキシ−N−メチルイソチアゾール−3−カルボキサミド(200mg、1.161mmol)およびプロピオル酸エチル(1.5当量)の溶液に、5分の期間にわたってナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.4当量、THF中1N溶液)を添加した。反応物を15分間にわたって−45℃、次いで、15分間にわたって30℃に加温し、次いで、さらに15分間攪拌した。反応物を1N HCl水溶液で処理し、−30
℃で3分間攪拌し、次いで、10%クエン酸水溶液で処理してpH2に酸性化した。混合物を23℃に加温し、次いで、ジクロロメタンと水に分配した。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)および酢酸エチル(1×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル混合物を利用する)を介して精製すると、所望の中間体、(E)−エチル4−(イソチアゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエート(234mg、収率75%)が油として得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.58(d,1H),7.78(d,1H),6.43(s,1H),4.42(q,2H),3.70(s,3H),3.16(s,3H),1.35(t,3H).
ステップ3:エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソチアゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
(2−フルオロベンジル)ヒドラジン塩酸塩(1.1当量)のエタノールおよび水(10:1比)中溶液に、炭酸カリウム(0.55当量)を水溶液として、引き続いて直ちに(E)−エチル4−(イソチアゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエート(1当量)をエタノール中溶液として添加した。反応物を23℃で3時間攪拌し、次いで、ジクロロメタンおよび1N HCl水溶液(3:1比)で希釈した。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル混合物を利用する)を介して精製すると、所望の中間体、エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソチアゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(166mg、収率57.9%)が白色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.66(d,1H),7.44(d,1H),7.18(s,1H),7.11−7.17(m,1H),6.90−7.02(m,2H),6.76(td,1H),6.10(s,2H),4.41(q,2H),1.39(t,3H).
ステップ4:1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソチアゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドの合成
アンモニア塩酸塩(5.5当量)のトルエン中懸濁液に、5分の期間にわたって、トリメチルアルミニウム(5当量)をトルエン中2M溶液として添加した。起泡が止んだ後、溶液をエチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソチアゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)に直接添加した。反応混合物を3時間閉じたバイアル(温度が上昇するので、圧力を定期的に解放する)中で100℃に加熱した。反応物を0℃に冷却し、次いで、メタノール(10当量)で処理した。23℃に加温し、15分間攪拌した後、内容物をトルエンで希釈し、celiteを通して濾過した。固体をメタノール5mLで洗浄し、次いで、濾液を真空中で濃縮すると、所望の中間体、1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソチアゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(130mg、収率86%)が黄色固体として得られた。内容物をさらに精製することなく持ち越した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.27(d,1H),7.85(s,1H),7.74(d,1H),7.30−7.37(m,1H),7.19−7.24(m,1H),7.11(td,1H),6.91(td,1H),6.09(s,2H).
ステップ5:化合物111の合成
ナトリウム3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(3当量)および1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソチアゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(1当量)のエタノール中懸濁液を90℃で1時間30分間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、暗色固体をジクロロメタンに懸濁した。固体を濾過し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル混合物を利用する)を介して精製すると、所望の化合物(53mg、収率33.1%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ ppm 9.00(d,1H),8.04(d,1H),7.74(d,1H),7.45(s,1H),7.22−7.30(m,1H),6.99−7.12(m,2H),6.89(br t,1H),6.17(s,2H).
化合物112
8−オキサ−2−アザスピロ[4.5]デカン(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のジオキサン中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(15mg、収率54.8%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.28(d,1H),7.74(s,1H),7.34(q,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.82(t,1H),5.83(s,2H),3.83(br.s.,2H),3.58−3.66(m,6H),2.58(s,3H),1.91(br.s.,2H),1.57−1.64(m,2H),1.50−1.57(m,2H).
化合物113
2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のジオキサン中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(17mg、収率64.1%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 8.28−8.33(m,1H),7.71−7.75(m,1H),7.30−7.37(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.81(t,1H),5.82(s,2H),4.37(s,4H),3.70−3.76(m,4H),2.58(s,3H),1.88−1.93(m,4H).
化合物114
3,3−ジフルオロアゼチジン(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(11mg、収率45.0%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.41(d,1H),7.72(s,1H),7.30−7.36(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.79(t,1H),5.83(s,2H),4.72(t,4H),2.57(s,3H).
化合物115
2,2−ジメチルチオモルホリン1,1−ジオキシド(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(9mg、収率31.4%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.42(d,1H),7.76(s,1H),7.31−7.37(m,1H),7.19−7.25(m,1H),7.12(t,1H),6.86(t,1H),5.82(s,2H),4.25(br.s.,2H),4.00(br.s.,2H),3.43(t,2H),2.59(s,3H),1.30(s,6H).
化合物116
(3R,4S)−ピペリジン−3,4−ジオール(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(14mg、収率54.0%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.29(dd,1H),7.73(d,1H),7.30−7.37(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.81(t,1H),5.83(s,2H),4.06(br.s.,1H),3.86−3.95(m,1H),3.71−3.71(m,1H),3.64−3.80(m,2H),3.51−3.59(m,1H),2.58(s,3H),1.75−1.85(m,1H),1.66(d,1H).
化合物117
4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−オール(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(16mg、収率59.8%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.30(t,1H),7.74−7.78(m,1H),7.30−7.36(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.81(t,1H),5.83(s,2H),4.38(br.s.,2H),3.41(t,2H),3.22(s,2H),2.58(s,3H),1.68(t,2H),1.49(d,2H).
化合物118
2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(8mg、収率32.2%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.27(d,1H),7.67(s,1H),7.33(q,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.79(t,1H),5.83(s,2H),4.73(s,4H),4.47(br.s.,4H),2.57(s,3H).
化合物119
イソチアゾリジン1,1−ジオキシド(1.2当量)、炭酸セシウム(1.5当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で2時間攪拌した。溶液を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(11mg、収率42.0%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.80(d,1H),7.78(s,1H),7.31−7.37(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.84(t,1H),5.85(s,2H),4.15(t,2H),3.64(t,2H),2.59(s,3H),2.50(t,2H).
化合物120
1−(メチルスルホニル)−ピペラジン(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で3時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(14mg、収率48.7%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.38(d,1H),7.76(s,1H),7.30−7.37(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.80(t,1H),5.83(s,2H),3.93(br.s.,4H),3.28(d,4H),2.91(s,3H),2.58(s,3H).
化合物121
tert−ブチルアゼチジン−3−イルカルバメート(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で1時間攪拌した。溶液を酢酸エチルで希釈し、1N HCl水溶液、水および食塩水で洗浄した。溶液を真空中で濃縮し、DCMに再溶解し、トリフルオロ酢酸無水物(1当量)で処理し、23℃で2時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(12mg、収率27.6%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 10.11(d,1H)8.31(d,1H)7.69(s,1H)7.30−7.36(m,1H)7.20−7.26(m,1H)7.11(t,1H)6.80(t,1H)5.83(s,2H) 4.77(dq,1H)4.59(br.S,2H)4.30(d,2H)2.57(s,3H).
化合物122
N−(アゼチジン−3−イル)−1−ヒドロキシシクロプロパンカルボキサミド(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で2時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(11mg、収率39%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.75(d,1H),8.28(d,1H),7.69(s,1H),7.30−7.37(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.80(t,1H),5.83(s,2H),4.73−4.81(m,1H),4.51(br.s.,2H),4.29(br.s.,2H),2.57(s,3H),1.00−1.05(m,2H),0.82−0.88(m,2H).
化合物123
2−アミノシクロヘキサンカルボン酸(1.2当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を110℃で1時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(3.4mg、収率12%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.22(d,1H),7.65(s,1H),7.30−7.37(m,1H),7.18−7.29(m,2H),7.11(t,1H),6.84(t,1H),5.82(s,2H),4.57(br.s.,1H),2.90(d,1H),2.58(s,3H),2.04(d,1H),1.81−1.92(m,1H),1.61−1.74(m,2H),1.36−1.55(m,4H).
化合物124
標記化合物を2つのステップで調製した:
ステップ1:1−(3−(4−(3−アミノアゼチジン−1−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノンの合成
tert−ブチルアゼチジン−3−イルカルバメート(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)のDMF中溶液を130℃で1時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の中間体、1−(3−(4−(3−アミノアゼチジン−1−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(33mg、収率99%)が固体として得られた。化合物をさらに精製することなく次のステップにもっていった。
ステップ2:化合物124の合成
イソシアナトエタン(1.5当量)のトルエン中攪拌溶液に、トリエチルアミン(1当量)および1−(3−(4−(3−アミノアゼチジン−1−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノンを添加した。混合物を90℃で48時間攪拌および加熱し、次いで、真空中で濃縮した。得られた粗残渣を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(6.0mg、収率15%)が白色固体として得られた。1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 7.91(br s,1H),7.30(br s,1H),7.10(br t,1H),6.91−7.04(m,3H),5.83(br d,2H),4.81(br s,1H),4.42−4.58(m,1H),4.32(br s,2H),3.14−3.22(m,2H),2.45−2.50(m,2H),2.45(s,3H),1.12−1.19(m,1H),1.08(br t,3H).
化合物125
2−アミノエタノール(10当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)の1,4−ジオキサン中溶液を90℃で5時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(19.5mg、収率91%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.23(d,1H),7.97(br.s.,1H),7.71(s,1H),7.30−7.36(m,1H),7.20−7.26(m,1H),7.11(t,1H),6.82(t,1H),5.83(s,2H),3.57−3.63(m,4H),2.58(s,3H).
化合物126
5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)の1,4−ジオキサン中溶液を90℃で5時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(10.4mg、収率38%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.76(br.s.,1H),7.80(s,1H),7.31−7.40(m,2H),7.16−7.23(m,2H),7.10−7.15(m,1H),5.89(s,2H),2.63(s,3H).
化合物193
3−アミノ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(1.5当量)、トリエチルアミン(10当量)および1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)の1,4−ジオキサン中溶液を90℃で5時間攪拌した。粗物質を逆相HPLCを介して精製すると、所望の化合物(19mg、収率77%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.24(d,1H),7.69(s,1H),7.38(br.s.,1H),7.30−7.35(m,2H),7.19−7.26(m,2H),7.11(t,1H),6.84(t,1H),5.83(s,2H),3.76(dd,1H),3.59(dd,1H),2.57(s,3H),1.29(s,3H).
化合物128
標記化合物を5つのステップで合成した:
ステップ1:N−メトキシ−N−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
0℃のイソオキサゾール−3−カルボン酸(2.0g、1.0当量)のジクロロメタン(80ml)中***液に、塩化オキサリル(2.0ml、1.3当量)、引き続いて2滴下のDMFを添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。この混合物に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.2g、1.3当量)、次いで、トリエチルアミン(8.6ml、3.5当量)を添加した。混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を1N HCl(50mL)でクエンチし、DCM(50ml)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(2×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過した。溶媒を真空中で除去すると、粗生成物が得られた。EtOAc/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって、N−メトキシ−N−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド(3.21g、収率93%)が黄色油として得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.46−8.51(m,1H),6.67−6.76(m,1H),3.80(br.s.,3H),3.39(br.s.,3H).
ステップ2:エチル4−(イソオキサゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエートの合成
−55℃のN−メトキシ−N−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド(0.31g、1.0当量)およびエチルプロピオネート(0.39g、2.0当量)の無水THF(10mL)中***液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドをTHF中1M溶液(3.8mL、1.9当量)として添加した。混合物を−40℃で20分間にわたって攪拌した。暗色溶液が得られた。混合物を1N HCl(4mL)でクエンチし、室温に加温した。混合物をEtOAc(10mL)とH
2O(6mL)に分配した。有機層を15%NaClで洗浄し、真空中で濃縮すると油が得られた。0〜100%EtOAc/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによる精製によって、エチル4−(イソオキサゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエート(769mg、収率43%)が得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 8.42(d,1H),6.77(d,1H),6.19(s,1H),4.47(q,2H),3.76(s,3H),3.22(s,3H),1.41(t,3H).
ステップ3:エチル5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
エタノール(1.3ml)中エチル4−(イソオキサゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエート(67mg、1.0当量)および(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)ヒドラジン、塩酸塩(56mg、1.0当量)を含有する混合物を65℃で1時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮した。残留油を、0〜10%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製すると、エチル5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(49mg、収率53%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 8.54(d,1H),7.27(s,1H),6.62(d,1H),4.96−5.01(m,2H),4.42−4.48(m,2H),2.73−2.86(m,2H),1.41−1.45(m,3H).
ステップ4:5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミドの合成
40mlバイアル中およびアルゴン流下で、塩化アンモニウム(218mg、6.5当量)のトルエン(2.1ml)中懸濁液を30分間0℃に冷却した。この混合物に、トリメチルアルミニウムをトルエン中2.0M溶液(2.0ml、6.5当量)として添加した。混合物を氷浴から取り出し、起泡が止むまで室温で攪拌した。混合物が透明になった。この混合物に、エチル5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(223mg、1.0当量)のトルエン(2.0ml)中溶液を添加した。混合物を24時間110℃に加熱した。反応中に生成したガスを放出した。混合物を0℃に冷却し、トルエンで希釈し、メタノールでクエンチした。混合物を激しく攪拌し、ブフナー漏斗を用いて形成した沈殿を除去した。濾液を丸底フラスコに移し、真空中で濃縮すると固体が得られた。次いで、固体を5:1EtOAc:IPA混合物(60ml)および重炭酸ナトリウムの飽和溶液(40ml)で処理した。水層を5:1EtOAc:IPA混合物(50ml)で逆抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。固体を乾燥させると、5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(230mg、定量的収率)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 9.18(d,1H)7.54(s,1H)7.08(d,1H)4.88(t,2H)2.76−3.04(m,2H).
ステップ5:化合物128の合成
5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(106mg、1.0当量)、DBU(87μl、1.8当量)およびエチル3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロアクリレート(133mg、2.5当量)のEtOH(1.6mL)中混合物を24時間70℃に加熱した。混合物を真空中で濃縮すると粗油が得られた。0〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによる粗油の精製によって、5−フルオロ−2−(5−(イソオキサゾール−3−イル)−1−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4(3H)−オン(4.5mg、収率4%)が白色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.86(d,1H),8.05(d,1H),7.43(s,1H),6.98(d,1H),5.00−5.09(m,2H),2.83−3.01(m,2H).
化合物129
NMP(0.5ml)中トリエチルアミン(3.0当量)、1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、32mg、1.0当量)および2−メチルブタン−1,2−ジアミン(3.0当量)を含有する混合物を室温で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(50ml)に希釈し、水(50ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油を、0〜10%MeOH/DCM勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製すると、1−(3−(4−((2−アミノ−2−メチルブチル)アミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(12mg、収率32%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d
4)δ ppm 8.24(d,1H)7.77(s,1H)7.28−7.36(m,1H)7.25(d,1H)7.13−7.19(m,1H)7.08(t,1H)5.94(s,2H)3.72(s,2H)2.56−2.61(m,3H)1.72−1.83(m,2H)1.37(s,3H)1.08(t,3H).
化合物130
DMF(1.3ml)中3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−1A、100mg、1.0当量)、トリエチルアミン(8.0当量)および2−(((S)−3−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)アミノ)−2−フェニルエタノール塩酸塩(3.0当量)を含有する混合物を室温で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(50ml)に希釈し、水(50ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油を、0〜100%EtOAc/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製すると、2−フェニル−2−(((S)−1,1,1−トリフルオロ−3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−メチルプロパン−2−イル)アミノ)エタノール(132mg、収率82%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 8.25(d,1H)7.76(br.s.,1H)7.45(s,1H)7.32(d,3H)7.17−7.24(m,4H)7.11−7.16(m,1H)7.09(t,1H)6.88(t,1H)5.88(s,2H)5.24(t,1H)3.85(dd,1H)3.70(dd,1H)3.21(td,1H)2.91(d,1H)1.04(s,3H).
化合物131
DMF(5.6ml)中3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−1A、420mg、1.0当量)、トリエチルアミン(6.0当量)および2−(((R)−3−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン−2−イル)アミノ)−2−フェニルエタノール塩酸塩(3.0当量)を含有する混合物を室温で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(50ml)に希釈し、水(50ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗油が得られた。油を、0〜100%EtOAc/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製すると、2−フェニル−2−(((R)−1,1,1−トリフルオロ−3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−2−メチルプロパン−2−イル)アミノ)エタノール(348mg、収率52%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d
4)δ ppm 8.76(s,1H)8.08(d,1H)7.32−7.46(m,3H)7.24(t,3H)7.18(d,2H)7.06−7.12(m,1H)7.02(s,1H)6.88(s,1H)5.96(s,2H)4.17(dd,1H)3.82−4.09(m,2H)3.48−3.56(m,1H)3.36(d,1H)1.08−1.18(m,3H).
化合物132
1,4−ジオキサン(3.7ml)および水(1.3ml)中3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−1A、364mg、1.0当量)、(4R,6R)−tert−ブチル−6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテート(3.0当量)およびトリエチルアミン(3.0当量)を含有する混合物を2時間60℃に加熱した。混合物を酢酸エチル(50ml)に希釈し、水(50ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させると、粗油が得られた。油を、0〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製すると、所望の化合物が白色固体(536mg、収率90%)として得られた。
1H NMR(500MHz,CHLOROFORM−d)δ ppm 8.34(s,1H)7.97(s,1H)7.23(s,1H)7.01−7.08(m,1H)6.86−6.91(m,1H)6.83(t,1H)6.72(t,1H)6.46(s,1H)5.87(s,2H)4.00(qd,2H)3.73−3.82(m,1H)3.46−3.54(m,1H)2.29−2.36(m,1H)2.18−2.25(m,1H)1.64−1.81(m,2H)1.43−1.52(m,2H)1.30−1.37(m,15H).
化合物133
化合物132(0.575g、1.0当量)のDCM(100mL)中溶液に、TFA(14mL、200当量)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(50ml)と1N重炭酸ナトリウム(50ml)に分配した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、油が得られた。油を、0〜100%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製すると、(4R,6R)−6−(2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)エチル)−4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(365mg、収率78%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CHLOROFORM−d)δ ppm 8.45−8.48(m,1H)8.10(d,1H)7.36(s,1H)7.17−7.24(m,1H)7.01−7.07(m,1H)6.98(td,1H)6.88(td,1H)6.71(d,1H)5.92−6.03(m,2H)5.59(br.s.,1H)4.86−4.93(m,1H)3.68−3.97(m,2H)2.53−2.73(m,2H)2.32(dt,1H)2.06−2.11(m,1H)1.97−2.04(m,1H)1.72(ddd,1H).
化合物134
THF(0.9ml)およびMeOH(0.9ml)中化合物133(173mg、1.0当量)および水酸化ナトリウム(1.0当量)を含有する混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮すると、(3R,5R)−7−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸(187mg、収率100%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,MeOD)δ 8.72(d,1H),7.98(d,1H),7.40(s,1H),7.18−7.27(m,1H),7.01−7.08(m,1H),6.98(t,1H),6.88(d,1H),6.74(t,1H),5.91(s,2H),4.08−4.15(m,1H),3.93(dt,1H),3.64−3.86(m,2H),2.25−2.40(m,2H),1.82−1.97(m,2H),1.62−1.80(m,2H).
化合物135
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)、4−アミノブタン酸(2当量)およびトリエチルアミン(10当量)の無水ジオキサン中溶液を90℃で1日加熱した。結果として生じた混合物を濃縮し、粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブタン酸(2.2mg、収率9%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.27(d,1H),7.96(s,1H),7.32(m,1H),7.10(s,2H),6.97(s,1H),5.99(s,2H),3.85(t,2H),2.65(m,3H),2.49(s,2H),2.07(m,2H).
化合物136
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−
−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、1当量)、4,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸(2当量)およびトリエチルアミン(10当量)の無水ジオキサン中溶液を90℃で1日加熱した。結果として生じた混合物を濃縮し、粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、1−(2−(5−アセチル−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)−4,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸(2.7mg、収率10%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.20(m,1H),7.77(s,1H),7.31(m,1H),7.10(m,2H),6.88(m,1H),5.95(s,2H),4.22(m,2H),3.94(m,1H),3.72(m,1H),3.03(m,1H),2.61(s,3H),1.38(s,3H),1.17(s,3H).
化合物137
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(1当量)、(1R,2R)−2−アミノシクロヘキサンカルボン酸(2当量)およびトリエチルアミン(10当量)の無水ジオキサン中溶液を90℃で1日加熱した。結果として生じた混合物を濃縮し、粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、(1R,2R)−2−((2−(5−アセチル−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(2.8mg、収率10%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.00(m,1H),7.74(m,1H),7.29(m,1H),7.08(m,2H),6.80(m,1H),5.92(s,2H),4.54(m,1H),2.60(s,3H),2.49(m,1H),2.10(m,2H),1.84(m,2H),1.69(m,1H),1.56(m,1H),1.37(m,2H).
化合物138
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(1当量)、(S)−3−アミノ−4−メチルペンタン酸(2当量)およびトリエチルアミン(10当量)の無水ジオキサン中溶液を90℃で1日加熱した。結果として生じた混合物を濃縮し、粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、(S)−3−((2−(5−アセチル−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−4−メチルペンタン酸(5.4mg、収率20%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.00(m,1H),7.72(m,1H),7.28(m,1H),7.09(m,2H),6.81(m,1H),5.92(s,2H),4.73(m,1H),2.59(s,5H),2.07(m,1H),1.04(t,6H).
化合物139
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(1当量)、4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸(3当量)およびトリエチルアミン(10当量)の無水ジオキサン中溶液を90℃で1日加熱した。結果として生じた混合物を濃縮し、粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、1−(2−(5−アセチル−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸(7.9mg、収率27%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.31(m,1H),7.92(m,1H),7.51(m,2H),7.39(m,2H),7.32(m,2H),7.11(m,2H),6.95(m,1H),5.98(m,2H),4.83(m,2H),3.70(m,2H),2.81(m,2H),2.64(s,3H),2.16(m,2H).
化合物185
この化合物を5つのステップで調製した:
ステップ1:シアノピリミジン
シアン化亜鉛(II)(10.8g、92mmol)および2−クロロ−5−フルオロ−4−メトキシピリミジン(15.0g、92mmol)のジメチルホルムアミド(200mL)中混合物を、10分間窒素を溶液に通して泡立たせることによって室温で脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10.0g、8.65mmol)を添加し、脱気をさらに10分間続け、反応物を90℃で2日間加熱した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(150mL)、食塩水(50mL)および濃水酸化アンモニウム水溶液(10mL)で希釈した。混合した後、層を分離し、水相を別の分の酢酸エチル(150mL)で抽出した。合わせた有機相を2×20mL食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、60℃で回転蒸発によって濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてSiO2上で精製すると、回復したクロロピリミジン出発材料および無色油としての所望のシアノピリミジン5.5gが得られた。回復した出発材料を上記のように再処理すると、さらに3.0gの示される中間体(合計終了8.5g、収率60%)が得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.41(s,1H),4.17(s,3H)ppm.
ステップ2:ピリミジンエステル
1N水酸化ナトリウム(水溶液)(63.5mL、63.5mmol)を5分間にわたって添加しながら、ステップ1で得られたシアノピリミジン(8.1g、52.9mmol)を氷中で冷却した。混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、3N塩酸(水溶液)を添加してpH3にしながら、氷中で再冷却した。混合物を、最初に回転蒸発、次いで、高真空によって濃縮乾固すると、粗カルボン酸12.8gが白色固体として残り、これをエステル化に直接持ち越した。粗固体を無水メタノール(150mL)中室温で攪拌し、濃硫酸(1.5mL、29.1mmol)を添加した。混合物を一晩攪拌し、次いで、氷中で冷却し、10%NaHCO3(100mL)水溶液を添加し、引き続いて室温でさらに1時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を水(100mL)と酢酸エチル(300mL)に分配した。有機相を3×20mL H2Oで洗浄し、次いで、合わせた水相を酢酸エチル200mLで逆抽出した。合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発によって濃縮した。溶離液として勾配ヘキサン/酢酸エチルを用いてSiO2上で精製すると、エステルピリミジン中間体の白色固体(4.5g、シアノピリミジンからの収率46%)が得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 8.45(s,1H),4.20(s,3H),4.03(s,3H)ppm.
ステップ3およびステップ4:中間体−17
ステップ3:1−(イソオキサゾール−3−イル)エタノン(4.0g、36.3mmol)のTHF(200mL)中溶液をドライアイス/アセトン中で冷却した。リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中1M、33.8mL、33.8mmol)を10分間にわたって添加し、引き続いて−65℃〜−70℃で30分間攪拌した。THF(20mL)中の上で得られたエステルピリミジン(4.5g、24.2mmol)をエノエート溶液に5分間にわたって滴下し、攪拌を室温で一晩続けた。溶媒を真空中で除去し、次いで、残渣をエーテル(100mL)下で粉砕し、濾過した。濾過ケークをエーテル(20mL)で洗浄し、風乾すると、粗ジケトイソオキサゾール8.2gが残り、これをさらに精製することなく次の反応に直接持ち越した。LCMS(m/e)266(M+H)。
ステップ4:粗ジケトイソオキサゾール(理論値6.4g、24.2mmol)をメタノール(100mL)に溶解し、次いで、氷酢酸(11.4mL、199mmol)およびヒドラジン水和物(4.0mL、83mmol)を添加し、溶液を60℃で30分間加熱した。溶媒を真空下で除去し、次いで、残渣に酢酸エチル(50mL)および10%NaHCO3(200mL)をかぶせ、ガス発生が観察されなくなるまで、室温で攪拌した。ヘキサン(80mL)を添加し、二相性混合物を30分間攪拌し、濾過した。濾過ケークを2×50mL H2O、1:1ヘキサン/酢酸エチル(50mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、中間体−17 2.69gが淡黄褐色固体として残った。有機濾液はさらなる不純生成物を含有することが分かった。ジクロロメタン/酢酸エチルの勾配溶出を用いるSiO2上でのこの混合物のクロマトグラフィーによって、中間体−17さらに0.39g(合計収量:3.1g、エステルピリミジンから71%)が得られた。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ 8.76(s,1H),8.49(s,1H),7.40(s,1H),6.94(s,1H),4.23(s,3H)ppm.LCMS(m/e)262(M+H).
ステップ5:化合物185
tert−ブチル3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−17、1当量)およびリチウムtert−ブトキシド(2当量)のジメトキシエタン(2ml)中溶液を60℃で5分間攪拌した。これに1−(ブロモメチル)−4−メチルベンゼン(1.1当量)を添加し、反応物を60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を窒素流下で除去した。結果として生じた固体をメタノール(0.5ml)および濃HCl水溶液(140μl)に溶解し、60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、化合物185(1.5mg、収率5%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.75(m,1H),7.95(m,1H),7.35(s,1H),7.11(m,4H),6.85(m,1H),5.84(s,2H),2.28(s,3H)
化合物187
tert−ブチル3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−17、1当量)およびリチウムtert−ブトキシド(3当量)のジメトキシエタン(2ml)中溶液を60℃で5分間攪拌した。これに2−(ブロモメチル)ピリジン、HBr(1.1当量)を添加し、反応物を60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を窒素流下で除去した。結果として生じた固体をメタノール(0.5ml)および濃HCl水溶液(140μl)に溶解し、60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、化合物187(1.5mg、収率5%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.78(s,1H),8.70(d,1H),8.19(t,1H),8.07(d,1H),7.69(t,1H),7.56(s,1H),7.52(d,1H),6.92(s,1H),6.20(s,2H).
化合物189
tert−ブチル3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−17、1当量)およびリチウムtert−ブトキシド(3当量)のジメトキシエタン(2ml)中溶液を60℃で5分間攪拌した。これに3−(ブロモメチル)ピリジン、HBr(1.1当量)を添加し、反応物を60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を窒素流下で除去した。結果として生じた固体をメタノール(0.5ml)および濃HCl水溶液(140μl)に溶解し、60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、化合物189(12.9mg、収率40%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.90(s,1H),8.86(d,1H),8.77(d,1H),8.50(d,1H),8.08(d,1H),7.96(br.s.,1H),7.52(s,1H),7.00(d,1H),6.14(s,2H)
化合物190
tert−ブチル3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−17、1当量)およびリチウムtert−ブトキシド(2当量)のジメトキシエタン(2ml)中溶液を60℃で5分間攪拌した。これに5−(ブロモメチル)−3−メチルイソオキサゾール(1.1当量)を添加し、反応物を60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を窒素流下で除去した。結果として生じた固体をメタノール(0.5ml)および濃HCl水溶液(140μl)に溶解し、60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、化合物190(13.2mg、収率42%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.84(d,1H),8.04(m,1H),7.47(s,1H),6.97(d,1H),6.15(m,1H),6.06(s,2H),2.22(m,3H).
化合物141および化合物140の合成
2−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)オキサゾール、2−(アミノメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(中間体−1F、3.0当量)およびトリエチルアミン(10当量)のジオキサン−水(2:1)中溶液を5日間90〜100℃に加熱した。反応混合物を水で希釈し、1N HCl溶液でpH4に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜25%酢酸エチル勾配)による精製によって、白色固体として化合物141(38mg、2つのステップにわたって収率55%)および白色固体として化合物140(11mg、2つのステップにわたって21%)が得られた。
化合物141:
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δppm 8.27(m,2H),7.73(s,1H),7.45(s,1H),7.23(m,1H),7.14(app.t,1H),7.05−7.00(m,2H),6.10(s,2H),5.72(br s,1H),4.15(d,2H).交換可能なOHプロトンは観察されなかった。
化合物140:
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δppm 8.13(d,1H),7.68(s,1H),7.48(s,1H),7.21(s,1H),7.18(m,1H),7.01(app.t,1H),6.95(app.t,1H),6.87(app.t,1H),6.09(s,2H),3.68(q,4H),1.29(t,6H).
化合物142の合成
3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2,3−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−1G、この化合物は、中間体1Fの調製と同様に、但し、特許出願公開である国際公開第2013/101830号パンフレットに以前記載された対応する2−(1−(2,3−ジフルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フルオロピリミジン−4−オールから始めて調製した)および亜鉛末(2.5当量)のTHF中灰色がかった黄色懸濁液を酢酸(2.8当量)で処理し、75℃で2日間加熱した。周囲温度に冷却した後、反応混合物を1N NaOH溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(10〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配)を介して精製すると、化合物142(39mg、74%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 9.12(s,1H),8.97(s,2H),7.69(s,1H),7.38(m,1H),7.30(s,1H),7.14(m,1H),6.78(app.t,1H),5.97(s,2H).
化合物143
標記化合物を5つのステップで合成した:
ステップ1:エチル1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートおよびエチル1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−3−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
3−フルオロ−2−(ヒドラジニルメチル)ピリジン塩酸塩(1.0当量)および炭酸カリウム(0.5当量)のエタノール/水(10:1)中懸濁液をエチル4−(イソオキサゾール−3−イル)−2−(メトキシ(メチル)アミノ)−4−オキソブタ−2−エノエート(1当量)で処理した。結果として生じたオレンジ色懸濁液を60℃で24時間加熱した。粗混合物を真空中で濃縮した。水を添加し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜25%酢酸エチル勾配)による精製によって、エチル1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(47%)およびエチル1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−3−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(9.7%)が得られた。
ステップ2:1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の合成
エチル1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートのTHF/水(3:1比)中溶液に水酸化リチウム(2.0当量)を添加した。5時間後、反応混合物を真空中で濃縮してTHFのほとんどを除去した。結果として生じた混合物を水で希釈し、1N HCl溶液の添加により、pH4〜5に酸性化した。生成物、1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を真空濾過によって回収した。濾液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、さらなる生成物(96%)が得られた。
ステップ3:1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルの合成
1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸、2−メチルプロパン−2−アミン(3.0当量)およびトリエチルアミン(2.0当量)の酢酸エチル中懸濁液に、n−プロピルホスホン酸無水物(T3P、酢酸エチル中50重量%溶液、3.0当量)を添加した。結果として生じた黄色溶液を65℃で3時間加熱した。溶媒を真空中で除去した。三塩化ホスホリル(20当量)を添加し、得られた混合物を70℃で2時間攪拌した。反応物を、水と氷の混合物に慎重に注ぎ入れることによってクエンチし、飽和重炭酸ナトリウム溶液/固体重炭酸ナトリウムの添加により、pH7に中和し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(>99%)が得られた。
ステップ4:1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(中間体18)の合成
1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルのメタノール中溶液をナトリウムメトキシド(MeOH中0.5N溶液、4.0当量)で処理し、4時間攪拌した。塩化アンモニウム(10当量)を添加した。反応混合物を周囲温度で36時間および50℃で6.5時間攪拌した。粗混合物を真空中で濃縮し、半飽和重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルに分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(98%)が得られ、これをさらに操作することなく使用した。
ステップ5:化合物143の合成
1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(中間体18)のエタノール中懸濁液をナトリウム(Z)−3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(4.0当量)で処理し、90℃で2時間加熱した。周囲温度に冷却した後、反応混合物をHCl(EtOH中1.25M溶液)の添加によって中和した。結果として生じた懸濁液を真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン/イソプロパノール(7:1)と水に分配し、1N NaOH溶液の添加によりpHを6に調整した。水層をジクロロメタン/イソプロパノール(7:1)で逆抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中5〜20%アセトニトリル/メタノール(7:1)勾配)による精製によって、化合物143(220mg、60%)が淡黄褐色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 13.2(br s,1H),9.07(s,1H),8.23(d,1H),8.12(br s,1H),7.76(app.t,1H),7.63(s,1H),7.40(m,1H),7.23(s,1H),6.05(s,2H).
化合物144
標記化合物を2つのステップで合成した:
ステップ1:3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾールの合成
5−フルオロ−2−(1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの溶媒としての三塩化ホスホリル(85当量)中溶液を65℃で2時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、窒素流下で送風乾燥させ、次いで、トルエンから2回濃縮した。結果として生じた黄色がかった茶色固体、3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾールを真空中で乾燥させ、さらに操作することなく次のステップに使用した。
ステップ2:化合物144の合成
3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾールおよび亜鉛末(1.7当量)のTHF中灰色がかった黄色懸濁液を酢酸(2.8当量)で処理し、75℃で3時間加熱した。さらなる量の亜鉛末(2.8当量)および酢酸(2.8当量)を添加し、反応物を75℃で20時間加熱した。周囲温度に冷却した後、反応混合物を濾過し、濾液を半飽和重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルに分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(30〜60%酢酸エチル/ヘキサン勾配)を介して精製すると、化合物144(30mg、2つのステップにわたって35%)が淡黄色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 9.06(s,1H),8.95(s,2H),8.25(d,1H),7.76(app.t,1H),7.64(s,1H),7.40(m,1H),7.28(s,1H),6.06(s,2H).
化合物145
1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(中間体−18)のピリジン中溶液を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、4.0当量)および3−エトキシアクリロニトリル(2.5当量)で処理し、110℃で46時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、真空中で濃縮し、半飽和重炭酸ナトリウム溶液とジクロロメタンに分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10〜25%アセトニトリル/メタノール(7:1)勾配)、引き続いて分取HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を含む5〜75%アセトニトリル/水勾配)を介して精製すると、化合物I−145(17mg、21%、TFA塩)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 14.1(br s,1H,TFA),9.11(s,1H),8.78(br s,2H),8.24(d,1H),8.10(d,1H),7.78(app.t,1H),7.61(s,1H),7.42(m,1H),7.28(s,1H),6.63(d,1H),6.11(s,2H).
化合物146
標記化合物を2つのステップで合成した:
ステップ1:3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾールの合成
5−フルオロ−2−(1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4(3H)−オンの溶媒としての三塩化ホスホリル(100当量)中溶液を65℃で3時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、窒素流下で送風乾燥させ、次いで、トルエンから2回濃縮した。結果として生じた黄色がかった茶色固体、3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾールを真空中で乾燥させ、さらに操作することなく次のステップに使用した。
ステップ2:化合物146の合成
3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−((3−フルオロピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾールおよび水酸化アンモニウム(35当量、水中29%溶液)のジオキサン中黄色溶液を22時間60℃に加熱した。結果として生じた黄色懸濁液を水で希釈した。生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、真空中で乾燥させると、化合物146(37mg、2つのステップにわたって収率98%)が淡黄褐色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δppm 9.04(s,1H),8.25(d,1H),8.21(d,1H),7.75(app.t,1H),7.44(s,1H),7.42−7.34(m,3H),7.22(s,1H),6.00(s,2H).
化合物147
中間体−1A(50.0mg、0.134mmol)、4−メトキシ−1H−ピロール−2(5H)−オン(18.2mg、0.161mmol)および炭酸セシウム(65.4mg、0.201mmol)のジオキサン(2mL)中懸濁液を2時間95℃に加熱し、次いで、70℃で12時間加熱した。次いで、反応混合物を水に希釈し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると残渣が得られた。精製を、25分間にわたり(0.1%トリフルオロ酢酸を添加した)水中5〜95%アセトニトリルの勾配を利用する逆相HPLCによって達成すると、1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)−4−メトキシ−1H−ピロール−2(5H)−オン、化合物147(2.0mg、収率3%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.64(d,1H),8.49(d,1H),7.36(s,1H),7.20−7.23(m,1H),7.02−7.07(m,1H),6.98−7.01(m,1H),6.87−6.90(m,1H),6.61(d,1H),5.99(s,2H),5.26(s,1H),4.70(s,2H),3.94(s,3H).
化合物148
中間体−1A(70.0mg、0.187mmol)、(R)−2−アミノ−3−メチルブタン−1−オール(0.0250mL、0.225mmol)およびトリエチルアミン(0.104ml、0.749mmol)の懸濁液を85℃で16時間、ジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中で加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、乾燥させた。粗生成物をジクロロメタン中で再構成し、水(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、(R)−2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−3−メチルブタン−1−オール、化合物148(69.4mg、収率95%)が白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm):8.75(s,1H),8.05(d,1H),7.40(s,1H),7.24−7.29(m,1H),7.07−7.11(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.90(s,1H),6.79−6.82(m,1H),5.96(s,2H),4.34−4.37(m,1H),3.80(dd,1H),3.72(dd,1H),2.03−2.09(m,1H),1.05(d,3H),1.00(d,3H).
化合物149
中間体−1A(70.0mg、0.187mmol)、(R)−2−アミノ−4−メチルペンタン−1−オール(0.0290mL、0.225mmol)およびトリメチルアミン(0.104mL、0.749mmol)の懸濁液を85℃で16時間、ジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中で加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、乾燥させた。粗生成物をジクロロメタン中で再構成し、水(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、(R)−2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−4−メチルペンタン−1−オール、化合物149(67.3mg、収率79%)が白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.09(s,1H),8.14(d,1H),7.43(s,1H),7.28−7.34(m,2H),7.19−7.23(m,2H,2 overlapping shifts),7.08−7.11(m,1H),6.86−6.89(m,1H),5.91(d,1H),5.84(d,1H),4.74(m,1H),4.44(br.s,1H),3.46−3.50(m,1H),3.40−3.45(m,1H),1.56−1.62(m,1H),1.45−1.51(m,1H),1.36−1.41(m,1H),0.90(d,3H),0.88(d,3H).
化合物150
中間体−1A(70.0mg、0.187mmol)、(R)−(+)−メチオナノール(Methionanol)(30.4mg、0.225mmol)およびトリエチルアミン(0.104mL、0.749mmol)の懸濁液を85℃で16時間、ジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中で加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、黄色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、乾燥させた。粗生成物をジクロロメタン中で再構成し、水(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、(R)−2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタン−1−オール、化合物150(47.5mg、収率54%)が淡黄色蝋様固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.09(d,1H),8.17(d,1H),7.49(s,1H),7.39(d,1H),7.31−7.34(m,1H),7.23(s,1H),7.19−7.23(m,1H),7.08−7.11(m,1H),6.81−6.84(m,1H),5.90(d,1H),5.87(d,1H),4.80−4.82(m,1H),4.35−4.42(m,1H),3.51−3.55(m,1H),3.45−3.50(m,1H),2.50−2.54(m,2H),2.02(s,3H),1.90−1.95(m,1H),1.80−1.85(m,1H).
化合物151
中間体−1A(75.0mg、0.201mmol)、(R)−2−アミノヘキサン−1−オール(28.2mg、0.241mmol)およびトリエチルアミン(0.104mL、0.749mmol)の懸濁液を85℃で16時間、ジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中で加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、乾燥させた。粗生成物をジクロロメタン中で再構成し、水(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、(R)−2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ヘキサン−1−オール、化合物151(83.2mg、収率91%)が灰白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.09(d,1H),8.15(d,1H),7.46(s,1H),7.29−7.34(m,2H),7.20−7.23(m,2H,2つの重複シフト)、7.08−7.11(m,1H),6.81−6.85(m,1H),5.91(d,1H),5.87(d,1H),4.71−4.74(m,1H),4.29−4.34(m,1H),3.48−3.52(m,1H),3.42−3.48(m,1H),1.61−1.68(m,1H),1.46−1.53(m,1H),1.19−1.36(m,4H),0.81(t,3H).
化合物152
中間体−1A(75.0mg、0.201mmol)、(R)−2−アミノペンタン−1−オール(24.8mg、0.241mmol)およびトリエチルアミン(0.104mL、0.749mmol)の懸濁液を85℃で16時間、ジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中で加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、乾燥させた。粗生成物をジクロロメタン中で再構成し、水(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、(R)−2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ペンタン−1−オール、化合物152(47.1mg、収率53%)が灰白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.09(s,1H),8.15(d,1H),7.46(s,1H),7.29−7.35(m,2H),7.20−7.23(m,2H,2 overlapping shifts),7.08−7.11(m,1H),6.83−6.86(m,1H),5.91(d,1H),5.87(d,1H),4.73(m,1H),4.32−4.38(m,1H),3.48−3.52(m,1H),3.43−3.47(m,1H),1.58−1.65(m,1H),1.46−1.53(m,1H),1.26−1.40(m,2H),0.88(t,3H).
化合物127
中間体−1A(82.0mg、0.219mmol)、2−アミノ−6,6,6−トリフルオロヘキサン−1−オール(45.0mg、0.263mmol)およびトリエチルアミン(0.122mL、0.876mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中懸濁液を85℃で72時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、乾燥させた。粗生成物をジクロロメタン中で再構成し、水(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、6,6,6−トリフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ヘキサン−1−オール、化合物127(80.1mg、収率72%)が白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.08(s,1H),8.18(d,1H),7.49(s,1H),7.38(d,1H),7.30−7.34(m,1H),7.20−7.24(m,2H,2つの重複シフト),7.07−7.10(m,1H),6.78−6.81(m,1H),5.88(s,2H),4.80(m,1H),4.33−4.38(m,1H),3.50−3.55(m,1H),3.45−3.49(m,1H),2.40−2.48(m,1H),2.20−2.29(m,1H),1.70−1.76(m,1H),1.54−1.63(m,2H),1.46−1.52(m,1H).
化合物153
中間体−1A(74.5mg、0.199mmol)、2−エチルブタン−1,2−ジアミン(27.8mg、0.239mmol)およびトリエチルアミン(0.111mL、0.797mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中溶液を85℃で16時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、真空中で乾燥させると、2−エチル−N1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ブタン−1,2−ジアミン、化合物153(76.8mg、収率85%)が灰白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm):8.77(s,1H),8.15−8.19(m,1H),7.46−7.49(m,1H),7.26−7.30(m,1H),7.10−7.13(m,1H),7.02−7.06(m,1H),6.90(s,1H),6.76−6.80(m,1H),5.98(s,2H),3.66(s,2H),1.59−1.72(m,4H),0.96−1.03(m,6H).
化合物154
中間体−1A(70.0mg、0.187mmol)、2,3−ジメチルブタン−1,2−ジアミン(26.1mg、0.225mmol)およびトリエチルアミン(0.104mL、0.749mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中溶液を85℃で16時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、真空中で乾燥させると、N1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)−2,3−ジメチルブタン−1,2−ジアミン、化合物154(70.7mg、収率83%)が灰白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.09(m,1H),8.18(d,1H),7.45(s,1H),7.31−7.35(m,1H),7.25−7.29(m,1H),7.19−7.23(m,2H),7.09−7.12(m,1H),6.88−6.91(m,1H),5.87(s,2H),3.41−3.49(m,2H),1.57−1.63(m,1H),0.91(d,3H),0.90(s,3H),0.88(s,3H),[2N−Hプロトンは観察されなかった]。
化合物155
中間体−1A(113mg、0.303mmol)、2−メチルペンタン−1,2−ジアミン(42.3mg、0.364mmol)およびトリエチルアミン(0.169mL、1.21mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中溶液を85℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、粘性油に濃縮し、これを静置すると凝固して、N1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)−2−メチルペンタン−1,2−ジアミン(117mg、収率85%)が白色泡沫状固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm):8.76(s,1H),8.07(d,1H),7.43(s,1H),7.24−7.29(m,1H),7.07−7.11(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.90(s,1H),6.80−6.83(m,1H),5.96(s,2H),3.67(d,1H),3.60(d,1H),1.42−1.50(m,4H),1.15(s,3H).
化合物156
中間体−1A(101mg、0.271mmol)、2,4−ジメチルペンタン−1,2−ジアミン(42.4mg、0.326mmol)およびトリエチルアミン(0.151mL、1.21mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中溶液を85℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、水に希釈し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、真空中で濃縮すると、N1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)−2,4−ジメチルペンタン−1,2−ジアミン、化合物156(109.7mg、収率86%)が灰白色粘着性ゴムとして得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.09(s,1H),8.18(d,1H),7.47(s,1H),7.31−7.34(m,1H),7.19−7.23(m,2H,2つの重複シフト),7.08−7.11(m,1H),6.85−6.88(m,1H),5.88(s,2H),3.36−3.44(m,2H),1.78−1.85(m,1H),1.58(br.s,2H),1.23−1.31(m,2H),1.01(s,3H),0.92(d,3H),0.88(d,3H),[2N−Hプロトンは観察されなかった]。
化合物157
(2R,3S)−1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−2−カルボン酸(この化合物は以前、特許出願公開である国際公開第2014144100号パンフレットに記載された、25.0mg、0.0520mmol)のジオキサン(1mL)中懸濁液に、4−(2−ブロモエチル)モルホリン臭化水素酸塩(15.7mg、0.0570mmol)、引き続いて炭酸セシウム(25.4mg、0.0780mmol)を添加した。反応混合物を90℃で2時間加熱し、その後、反応混合物をDMSO(1mL)および水(0.5mL)に希釈し、25分間にわたり(0.1%トリフルオロ酢酸を添加した)水中5〜95%アセトニトリルの勾配を利用する逆相HPLCによって直接精製すると、(2R,3S)−2−モルホリノエチル1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−2−カルボキシレート、化合物157(16.7mg、収率54%)が白色泡沫状固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3CN)δ(ppm):8.69(s,1H),8.24(d,1H),7.47(s,1H),7.30−7.34(m,1H),7.11−7.15(m,1H),7.08−7.11(m,1H),6.96−6.99(m,1H),6.90(s,1H),5.88(s,2H),5.32(d,1H),4.39−4.47(m,3H,2つの重複シフト)、3.62−3.79(m,4H),3.50−3.55(m,2H),3.28−3.34(m,4H),2.84−2.93(m,2H),1.85−1.88(m,1H),1.68−1.75(m,2H),1.50−1.56(m,1H),1.16(d,3H).
化合物158
2−モルホリノエチルカルバメート(134mg、0.769mmol)のメタノール(4mL)中溶液にカリウムtert−ブトキシド(86.0mg、0.769mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、その後、これを濃縮すると白色固体が得られた。得られた固体をDMSO(4mL)中で再構成し、その後、中間体−1A(287mg、0.769mmol)を添加した。反応混合物を室温で72時間攪拌し、その後、ジオキサンを真空中で除去した。粗生成物混合物を、25分間にわたり(0.1%トリフルオロ酢酸を添加した)水中5〜95%アセトニトリルの勾配を利用する逆相HPLCによって精製すると、2つの化合物の混合物が得られた。50分間にわたりジクロロメタン中3〜15%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによるさらなる精製によって、2−モルホリノエチル(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)カルバメート、化合物158(28.7mg、収率7%)が白色結晶固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm):8.78(s,1H),8.64(d,1H),7.53(s,1H),7.26−7.30(m,1H),7.08−7.12(m,1H),7.02−7.06(m,1H),6.89(s,1H),6.85−6.89(m,1H),5.97(s,2H),4.51−4.56(m,2H),3.78−3.86(m,4H),3.33−3.37(m,2H),[4Hは観察されなかった、CD
3ODと等時性]。
化合物159
中間体−1A(281mg、0.751mmol)、2−アミノ−5−(アミノメチル)フェノール二塩酸塩(182mg、0.864mmol)およびトリエチルアミン(0.524mL、3.76mmol)のジオキサン(3mL)と水(1.5mL)の混合物中懸濁液を90℃で16時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、1N塩酸水溶液および水に希釈し、濾過し、真空中で乾燥させると粗固体が得られた。精製を、60分間にわたりジクロロメタン中3〜10%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーを用いて達成すると、生成物の混合物が得られた。45分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによるさらなる精製によって、2−アミノ−5−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)フェノール、化合物159(135mg、収率38%)がオレンジ色−黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm):9.09(s,1H),8.93(br.s,1H),8.17(d,1H),8.11(m,1H),7.49(s,1H),7.31−7.35(m,1H),7.24(s,1H),7.20−7.24(m,1H),7.10−7.13(m,1H),6.85−6.88(m,1H),6.67(s,1H),6.62(d,1H),6.50(d,1H),5.90(s,2H),4.51(d,2H),4.42(br.s,2H).
化合物160
化合物159(49.5mg、0.104mmol)のピリジン(1mL)中溶液に、シクロプロパンスルホニルクロリド(0.0120mL、0.115mmol)を添加した。16時間後、反応混合物を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて直接精製すると、N−(4−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシフェニル)シクロプロパンスルホンアミド、化合物160(41.9mg、収率69%)がオレンジ色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3CN)δ(ppm):8.65(s,1H),8.10(d,1H),7.49(br.s,1H),7.36(s,1H),7.27−7.30(m,1H),7.27(d,1H),7.10−7.13(m,1H),7.05−7.09(m,1H),7.02(m,2H),6.91−6.94(m,2H),6.84(s,1H),6.60−6.62(m,1H),5.86(s,2H),4.70(d,2H),2.43−2.48(m,1H),0.89−0.94(m,2H),0.85−0.89(m,2H).
化合物161
化合物159(40.8mg、0.086mmol)のピリジン(1mL)中溶液に、メタンスルホニルクロリド(7.36μL、0.0940mmol)を添加した。16時間後、反応混合物をその体積の約10%に濃縮し、25分間にわたり(0.1%トリフルオロ酢酸を添加した)水中5〜95%アセトニトリルの勾配を利用する逆相HPLCによって精製すると、N−(4−(((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)メチル)−2−ヒドロキシフェニル)メタンスルホンアミド、化合物161(5.8mg、収率12%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3CN)δ(ppm): 8.69(s,1H),8.10(d,1H),7.61(m,1H),7.49(s,1H),7.26−7.30(m,1H),7.26(d,1H),7.16(br.s,1H),7.03−7.11(m,3H,3つのシフトが重複)、6.94−6.97(m,2H),6.88(s,1H),5.86(s,2H),4.77(d,2H),2.89(s,3H),[1N−Hプロトンは観察されなかった]。
化合物162
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパン酸(中間体−22、50.0mg、0.117mmol、この中間体は特許出願公開である国際公開第2014144100号パンフレットに記載された)、4−(2−ブロモエチル)モルホリン臭化水素酸塩(35.5mg、0.129mmol)および炭酸セシウム(57.3mg、0.176mmol)のジオキサン(1mL)中懸濁液を90℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却させ、次いで、45分間にわたりジクロロメタン中3〜7%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、2−モルホリノエチル3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノエート、化合物162(34.8mg、収率55%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm): 8.76(s,1H),8.07(d,1H),7.44(s,1H),7.25−7.29(m,1H),7.07−7.11(m,1H),7.02−7.05(m,1H),6.91(s,1H),6.81−6.84(m,1H),5.96(s,2H),4.22(t,2H),3.91(t,2H),3.63(t,4H),2.76(t,2H),2.59(t,2H),2.45−2.50(m,4H).
化合物163
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパン酸(中間体−22、52.1mg、0.122mmol)のジエチルエーテル(4mL)とメタノール(1mL)の混合物中懸濁液に、トリメチルシリルジアゾメタン(183μL、0.367mmol)のジエチルエーテル中2M溶液を添加した。次いで、30分後、反応混合物を濃縮し、45分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、メチル3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノエート、化合物163(27.1mg、収率50%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm): 8.76(s,1H),8.06(d,1H),7.43(s,1H),7.25−7.29(m,1H),7.07−7.11(m,1H),7.02−7.05(m,1H),6.90(s,1H),6.80−6.83(m,1H),5.96(s,2H),3.89(t,2H),3.66(s,3H),2.74(t,2H).
化合物164
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパン酸(中間体−22、68.6mg、0.161mmol)のジクロロメタン(4mL)とアセトニトリル(2mL)の混合物中0℃懸濁液に、塩化オキサリル(0.201mL、0.402mmol)のジクロロメタン中2M溶液を添加した。3滴のN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、得られた反応混合物を0℃で10分間攪拌し、次いで、室温まで加温した。30分後、さらなる塩化オキサリル溶液(0.8mL)を添加し、その後、反応混合物を15分間攪拌し、次いで、濃縮乾固すると、3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノイルクロリド(72mg、0.162mmol、収率101%)が蝋様灰白色固体として得られた。
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノイルクロリド(36mg、0.081mmol)のジクロロメタン(7.5mL)中溶液にプロパン−2−オール(0.616ml、8.09mmol)を添加した。反応混合物を15分間攪拌し、その後、溶媒を真空中で除去すると粗生成物が得られた。精製を、45分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって達成すると、イソプロピル3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノエート、化合物164(11mg、収率29%)が灰白色蝋様固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm): 8.46(s,1H),8.15(s,1H),7.35(s,1H),7.18−7.22(m,1H),7.01−7.05(m,1H),6.96−6.99(m,1H),6.83−6.86(m,1H),6.60(s,1H),5.98(s,2H),5.74(br.s,1H),5.08(m,1H),3.93−3.96(m,2H),2.70(t,2H),1.27(d,6H).
化合物165
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパン酸(中間体−22、68.6mg、0.161mmol)のジクロロメタン(4mL)とアセトニトリル(2mL)の混合物中0℃懸濁液に、塩化オキサリル(0.201mL、0.402mmol)のジクロロメタン中2M溶液を添加した。3滴のN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、得られた反応混合物を0℃で10分間攪拌し、次いで、室温まで加温した。30分後、さらなる塩化オキサリル溶液(0.8mL)を添加し、その後、反応混合物を15分間攪拌し、次いで、濃縮乾固すると、3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノイルクロリド(72mg、0.162mmol、収率101%)が蝋様灰白色固体として得られた。
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノイルクロリド(36mg、0.081mmol)のジクロロメタン(7.5mL)中溶液に無水エタノール(0.473mL、8.09mmol)を添加した。反応混合物を15分間攪拌し、その後、溶媒を真空中で除去すると粗生成物が得られた。精製を、45分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって達成すると、エチル3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパノエート、化合物165(8.0mg、収率22%)が灰白色蝋様固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm): 8.46(s,1H),8.16(s,1H),7.39(br.s,1H),7.18−7.22(m,1H),7.01−7.05(m,1H),6.96−6.99(m,1H),6.84−6.87(m,1H),6.61(s,1H),5.98(s,2H),4.20(q,2H),3.95−3.98(m,2H),2.74(t,2H),1.29(t,3H),[1NHプロトンは観察されなかった]。
化合物166
中間体−1A(294mg、0.787mmol)、N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(0.187mL、1.98mmol)のジオキサン(2mL)と水(1mL)の混合物中懸濁液を90℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却させ、次いで、1N塩酸溶液および水に希釈すると、沈殿の形成がもたらされた。この固体を濾過し、真空中で乾燥させると、N−アリル−5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−N−メチルピリミジン−4−アミン、化合物166(288mg、収率90%)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm): 8.45(d,1H),8.16(d,1H),7.29(s,1H),7.17−7.21(m,1H),7.00−7.05(m,1H),6.95−6.98(m,1H),6.83−6.87(m,1H),6.59(d,1H),5.97(s,2H),5.87−5.96(m,1H),5.25−5.28(m,1H),5.23(s,1H),4.23(d,2H),3.28(d,3H).
化合物167
3−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)
イソオキサゾール(中間体1A、195mg、0.521mmol)およびトランス−ピロリジン−3,4−ジオール(113mg、1.10mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中懸濁液を90℃で2時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、1N塩酸および水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、乾燥させた。粗生成物をジクロロメタン/イソプロパノール(5:1)中で再構成し、水(2×30mL)、飽和塩化ナトリウム溶液(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、トランス−1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ピロリジン−3,4−ジオール、化合物167(226mg、収率98%)が灰白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm): 9.08(d,1H),8.22(d,1H),7.52(s,1H),7.31−7.35(m,1H),7.24(d,1H),7.20−7.23(m,1H),7.09−7.12(m,1H),6.83−6.86(m,1H),5.90(s,2H),5.21(d,2H),4.05(br.s,2H),3.79−3.83(br.m,2H),3.68(d,2H).
化合物168
中間体−1A(122mg、0.326mmol)、4−(1−ヒドロキシ−2−メチルアミノ−エチル)−ベンゼン−1,2−ジオール(62.1mg、0.339mmol)およびトリエチルアミン(0.182mL、1.31mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中懸濁液を90℃で2時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却させ、1N塩酸水溶液および水に希釈し、濾過し、乾燥させると粗生成物が黄褐色固体として得られた。この物質の精製を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって達成すると、4−(2−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)(メチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)ベンゼン−1,2−ジオール、化合物168(24.4mg、収率14%)が黄褐色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm): 8.75(d,1H),8.07(d,1H),7.38(s,1H),7.24−7.28(m,1H),7.06−7.10(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.90(d,1H),6.87−6.89(m,1H),6.84−6.86(m,1H),6.73−6.75(m,1H),6.72(d,1H),5.96(s,2H),4.89−4.93(m,1H),3.82−3.93(m,2H),3.30(d,3H).
化合物169
中間体−1A(115mg、0.308mmol)、シス−ピロリジン−3,4−ジオール(41.2mg、0.400mmol)およびトリエチルアミン(0.214mL、1.538mmol)のジオキサン(1mL)と水(0.5mL)の混合物中懸濁液を90℃で2時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却させ、1N塩酸水溶液および水に希釈し、濾過し、真空中で乾燥させると、粗生成物シス−1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ピロリジン−3,4−ジオール、化合物169(104.6mg、0.219mmol、収率71.0%)が灰白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ(ppm): 9.08(d,1H),8.21(d,1H),7.51(s,1H),7.30−7.35(m,1H),7.24(d,1H),7.20−7.23(m,1H),7.09−7.12(m,1H),6.82−6.86(m,1H),5.90(s,2H),5.01(d,2H),4.12−4.15(m,2H),3.80−3.84(m,2H),3.55−3.59(m,2H).
化合物170
中間体−1A(65.5mg、0.175mmol)および2−(ピペラジン−1−イル)エタノール(0.0860mL、0.701mmol)のジオキサン(2mL)と水(1mL)の混合物中懸濁液を12時間85℃に加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、1N塩酸水溶液および水に希釈し、濾過し、真空中で乾燥させると、2−(4−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノール、化合物170(40.8mg、収率50%)が白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm): 8.74(d,1H),8.15(d,1H),7.42(s,1H),7.24−7.28(m,1H),7.06−7.10(m,1H),7.00−7.03(m,1H),6.89(d,1H),6.79−6.82(m,1H),5.94(s,2H),3.96(t,4H),3.72(t,2H),2.67(t,4H),2.59(t,2H).
化合物171
中間体−1A(70.0mg、0.187mmol)およびメチル4−ピペリジンカルボキシレート(0.0760mL、0.562mmol)のジオキサン(2mL)と水(1mL)の混合物中懸濁液を90℃で12時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却させ、水で希釈し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると粗生成物が得られた。精製を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって達成すると、メチル1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート、化合物171(73.8mg、収率82%)が透明な粘性油として得られ、これは静置すると白色ゴムに凝固した。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm): 8.75(d,1H),8.14(d,1H),7.42(s,1H),7.24−7.29(m,1H),7.08−7.10(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.90(d,1H),6.80−6.83(m,1H),5.95(s,2H),4.58−4.61(m,2H),3.70(s,3H),3.27−3.31(m,2H),2.72−2.78(m,1H),2.03−2.06(m,2H)1.74−1.82(m,2H).
化合物172
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)(メチル)アミノ)プロパン酸(中間体−23、25.6mg、0.0580mmol、この中間体は、特許出願公開である国際公開第2014144100号パンフレットに記載された)のジエチルエーテル(0.75mL)とメタノール(0.25mL)の溶液中懸濁液に、トリメチルシリルジアゾメタン(0.035mL、0.070mmol)のジエチルエーテル中2M溶液を添加した。1時間後、反応物を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、メチル3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)(メチル)アミノ)プロパノエート、化合物172(7.2mg、収率27%)が透明な油として得られ、これは静置すると白色蝋様固体に凝固した。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm): 8.45(d,1H),8.18(d,1H),7.30(s,1H),7.18−7.21(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.95−6.99(m,1H),6.85−6.89(m,1H),6.59(d,1H),5.96(s,2H),4.00(t,2H),3.69(s,3H),3.35(d,3H),2.76(t,2H).
化合物173
1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−オール(中間体−24、15mg、0.034mmol、この中間体は、特許出願公開である国際公開第2014144100号パンフレットに記載された)のジクロロメタン(1mL)中溶液に、N−α−t−Boc−グリシン(7.8mg、0.044mmol)、引き続いてN,N−ジメチルアミノピリジン(2.1mg、0.017mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(8.5mg、0.044mmol)を添加した。反応混合物を室温で72時間攪拌させ、その後、反応混合物を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセテート(21.0mg、収率103%)が白色固体として得られた。
1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセテート(21.0mg、0.035mmol)のジクロロメタン(4mL)中溶液にトリフルオロ酢酸(0.30mL、3.9mmol)を添加した。反応混合物を60℃で1時間加熱し、その後、反応混合物を室温に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液の添加によって中和し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、1−(5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル2−アミノアセテート、化合物173(12.7mg、収率73%)がクリーム色固体として得られた。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm): 8.75(d,1H),8.16(d,1H),7.42(s,1H),7.25−7.29(m,1H),7.07−7.11(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.90(d,1H),6.80−6.83(m,1H),5.95(s,2H),5.12−5.16(m,1H),4.18−4.24(m,2H),3.76−3.82(m,2H),3.43(s,2H),2.05−2.10(m,2H)1.77−1.84(m,2H).
化合物174
4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブタン酸(中間体−24、8.6mg、0.020mmol、この中間体は、特許出願公開である国際公開第2014144100号パンフレットに記載された)のジエチルエーテル(0.50mL)とメタノール(0.167mL)の混合物中懸濁液に、トリメチルシリルジアゾメタン(9.8μL、0.020mmol)のジエチルエーテル中2M溶液を添加した。1時間後、反応物を濃縮し、次いで、25分間にわたり(0.1%トリフルオロ酢酸を添加した)水中5〜95%アセトニトリルの勾配を用いる逆相HPLCによって精製すると、メチル4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブタノエート、化合物174(2.8mg、収率32%)が透明な無色油として得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm): 8.52(d,1H),8.38(d,1H),7.48(s,1H),7.23−7.27(m,1H),7.14−7.18(m,1H),7.04−7.07(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.66(d,1H),5.93(s,2H),3.81(m,2H),3.72(s,3H),2.54(t,2H),2.07−2.12(m,2H),[1N−Hは観察されなかった]。
化合物175
5−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ペンタン酸(37.2mg、0.0820mmol、この中間体は以前、特許出願公開である国際公開第2014144100号パンフレットに記載された)のジエチルエーテル(0.75mL)とメタノール(0.250mL)の混合物中懸濁液に、トリメチルシリルジアゾメタン(0.045mL、0.090mmol)のジエチルエーテル中2M溶液を添加した。1時間後、反応物を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって直接精製すると、メチル5−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ペンタノエート、化合物175(12.8mg、収率33%)が透明な無色の蝋様ゴムとして得られた。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ(ppm): 8.45(d,1H),8.14(d,1H),7.34(s,1H),7.17−7.22(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.95−6.98(m,1H),6.84−6.87(m,1H),6.65(d,1H),5.98(s,2H),5.17(m,1H),3.68(s,3H),3.62−3.67(m,2H),2.43(t,2H),1.74−1.81(m,4H).
化合物176
中間体−1A(124mg、0.332mmol)および4−アミノブタン−1−オール(0.122mL、1.33mmol)のジオキサン(2mL)と水(1mL)の混合物中懸濁液を70℃で2時間加熱した。反応混合物を水に希釈すると、白色沈殿の形成がもたらされた。この生成物を濾過し、真空中で乾燥させると、4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブタン−1−オール、化合物176(98.8mg、収率70%)が白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,CD
3OD)δ(ppm): 8.74(s,1H),8.01(d,1H),7.40(s,1H),7.24−7.28(m,1H),7.06−7.10(m,1H),7.01−7.04(m,1H),6.89(m,1H),6.81−6.84(m,1H),5.95(s,2H),3.61−3.66(m,4H),1.74−1.80(m,2H)1.62−1.68(m,2H).
化合物177
3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4−イル)アミノ)プロパン−1−オール(中間体−27、98.5mg、0.239mmol、この中間体は、特許出願公開である国際公開第2014144100号パンフレットに記載された)、N−α−t−Boc−グリシン(50.2mg、0.287mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(8.8mg、0.072mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(54.9mg、0.287mmol)を添加した。反応物を室温で16時間攪拌し、その後、反応混合物を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって直接精製すると、4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセテート中間体(98.8mg)が得られた。
4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4−イル)アミノ)ブチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセテートのジクロロメタン(2mL)中溶液にトリフルオロ酢酸(0.50mL、6.5mmol)を添加した。反応混合物を60℃で30分間加熱し、その後、脱保護が完了した。次いで、反応混合物を、飽和炭酸ナトリウム溶液の添加によって中和し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、真空中で濃縮すると、3−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)プロピル2−アミノアセテート、化合物177(68.6mg、収率61%)が蝋様白色固体として得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ(ppm) 8.75(s,1H),8.04(d,1H),7.41(s,1H),7.24−7.29(m,1H),7.07−7.11(m,1H),7.02−7.05(m,1H),6.90(m,1H),6.82−6.85(m,1H),5.95(s,2H),4.28(t,2H),3.72(t,2H),3.36(s,2H),2.02−2.09(m,2H).
化合物178
4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブタン−1−オール(化合物176、69.1mg、0.162mmol)、N−α−t−Boc−グリシン(34.1mg、0.194mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(5.9mg、0.049mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(37.3mg、0.194mmol)を添加した。反応物を室温で16時間攪拌し、その後、反応混合物を、60分間にわたりジクロロメタン中1〜8%メタノールの勾配を利用するシリカゲルクロマトグラフィーによって直接精製すると、4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセテート(64.9mg)が得られた。
4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン−4−イル)アミノ)ブチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセテート(64.9mg)のジクロロメタン(2mL)中溶液にトリフルオロ酢酸(0.50mL、6.5mmol)を添加した。反応混合物を30分間60℃に加熱し、その後、脱保護が完了した。反応混合物を室温に冷却させ、飽和炭酸ナトリウム溶液の添加によって中和し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、4−((5−フルオロ−2−(1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ブチル2−アミノアセテート、化合物178(35.4mg、収率45%)が透明なゴムとして得られた。精製は必要なかった。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ(ppm) 8.75(s,1H),8.03(d,1H),7.41(s,1H),7.24−7.28(m,1H),7.07−7.10(m,1H),7.02−7.05(m,1H),6.92(m,1H),6.82−6.85(m,1H),5.95(s,2H),4.22−4.25(m,2H),3.65−3.68(m,2H),3.34(s,2H),1.74−1.81(m,4H).
化合物179
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、0.02、0.057mmol)を、ジオキサン(0.5mL)中塩基としてトリエチルアミン(10当量)を用いて、4−イソプロピルピペリジン−4−カルボン酸(0.054g、0.315mmol)と反応させることによって、化合物179を得た。100℃で加熱した後、反応は15時間で完了した。水性後処理後、RP−HPLCを用いて生成物を精製すると、生成物が黄褐色固体(0.012g、39%)として得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 12.62(br.s.,1H),8.29(d,1H),7.33(q,1H)7.75(s,1H),7.18−7.27(m,1H),7.11(t,1H),6.81(t,1H),5.82(s,2H),4.53(d,2H),3.02(t,2H),2.58(s,3H),2.12(d,2H),1.72(dt,1H),1.41−1.55(m,2H),0.87(d,6H).
化合物180
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)エタノン(中間体−1B、0.02、0.057mmol)を、ジオキサン(0.5mL)中塩基としてトリエチルアミン(10当量)を用いて、3−アミノプロパン−1,2−ジオール(0.052g、0.57mmol)と反応させることによって、標記化合物を得た。100℃で加熱した後、反応は15時間で完了した。水性後処理後、RP−HPLC、次いで、DCM中0〜30%7:1ACN:MeOHで溶出するフラッシュクロマトグラフィーを用いて生成物を精製すると、生成物が白色固体(0.014g、54%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.08(d,1H),7.27(q,1H)7.68(s,1H),7.07−7.14(m,1H),7.04(t,1H),6.79(t,1H),5.90(s,2H),2.56(s,3H)3.87(quintet,1H),3.75−3.81(m,1H),3.61−3.68(m,1H),3.58(d,2H),−NHおよび−OHプロトンが溶媒で交換された。
化合物181
1−(3−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−5−イル)
エタノン(中間体−1B、0.02、0.057mmol)を、ジオキサン(0.5mL)中塩基としてトリエチルアミン(10当量)を用いて、4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(0.045g、0.315mmol)と反応させることによって、標記化合物を得た。100℃で加熱した後、反応は15時間で完了した。水性後処理後、RP−HPLCを用いて生成物を精製すると、生成物が黄褐色固体(0.025g、86%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm;
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 12.34−12.73(br.s,1H),8.30(d,1H),7.74(s,1H),7.28−7.39(m,1H),7.17−7.27(m,1H),7.06−7.15(m,1H),6.81(t,1H),5.82(s,2H),4.20(d,2H),3.36(t,2H),2.58(s,3H),2.07(d,2H),1.50(t,2H),1.19(s,3H).
中間体−30
この中間体を2つのステップで調製した:
ステップ1:所業的に入手可能な3−フルオロ−2−メチルフェノール(2.0g、15.9mmol)およびtert−ブチルクロロジメチルシラン(3.6g、23.8mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液を室温で調製した。トリエチルアミン(5.5mL、39.6mmol)および4−ジメチルアミノメチルピリジン(0.1g、0.8mmol)を添加し、攪拌を室温で一晩続けた。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(3×30mL)、食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発によって濃縮すると、生成物中間体−29が無色油(3.85g、収率101%)として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 6.77(q,1H),6.43(t,1H),6.36(d,1H),1.90(d,3H),0.80(s,9H),0.00(s,6H) ppm.
ステップ2:中間体−29(3.6g、15.0mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(2.8g、15.7mmol)を、室温で四塩化炭素(20mL)中で混合した。AIBN(0.2g、1.5mmol)を添加し、溶液を80℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾過ケークをCCl
4で洗浄し、合わせた濾液を回転蒸発によって濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いるSiO
2上でのクロマトグラフィーによって精製すると、中間体−30(4.9g、収率102%)が無色油として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 6.96(q,1H),6.50(t,1H),6.46(d,1H),4.38(s,2H),0.88(s,9H),0.12(s,6H)ppm.
中間体−31および中間体−32
これらを共通の中間体−17から調製した。
3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(中間体−17、50mg、0.19mmol)を室温でジメトキシエタン(3mL)に溶解した。カリウムtert−ブチラートのtert−ブタノール中溶液(1.0M、0.38mL、0.38mmol)および中間体−30(92mg、0.29mmol)を連続で添加し、混合物を60℃で1時間加熱した。冷却溶液を酢酸エチル(80mL)で希釈し、水(2×10mL)、食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発によって濃縮した。ヘキサン/酢酸エチルを用いるSiO2上でのクロマトグラフィーによって、2つの生成物が濃いシロップとして得られた。中間体−31(21mg、収率22%)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 8.38(d,1H),8.35(d,1H),7.53(s,1H),7.14(q,1H),6.6−6.7(m,3H),6.09(s,2H),4.13(s,3H),0.93(s,9H),0.23(s,6H)ppm.中間体−32(24mg、収率25%)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 8.47(d,1H),8.35(d,1H),7.28(s,1H),7.10(q,1H),6.55−6.65(m,3H),5.91(s,2H),4.14(s,3H),0.95(s,9H),0.26(s,6H)ppm.
化合物182
濃塩酸水溶液(0.3mL、3.0mmol)をメタノール(1mL)中の中間体−32(21mg、0.04mmol)に添加し、混合物を密閉バイアル中60℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、溶媒を真空下で除去すると、生成物が白色固体(15mg、収率96%)として得られた。LCMS(m/e)372(M+H)。
化合物183
この化合物を2つのステップで調製した:
ステップ1:オキシ塩化リン(0.50mL、5.4mmol)中化合物182(15mg、0.04mmol)を60℃で2時間加熱し、次いで、溶媒を真空下で除去した。溶離液としてヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いるSiO
2上でのクロマトグラフィーによって、純粋な中間体−33が白色固体として得られた(2mg、収率16%)。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 10.31(br s,1H),8.66(s,1H),8.60(d,1H),7.32(s,1H),7.19(q,1H),6.85(d,1H),6.70(d,1H),6.62(t,1H),5.97(s,2H)ppm.
ステップ2:中間体−33(2mg、0.005mmol)および2−(アミノメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(10mg、0.05mmol)を密閉バイアル中でジメチルスルホキシド(1mL)に溶解し、溶液を125℃で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(3×5mL)、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過および回転蒸発によって残渣が得られ、これを溶離液としてヘキサン/酢酸エチルを用いるSiO2上でのクロマトグラフィー精製に供した。化合物183が白色固体(2mg、収率64%)として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 9.59(br s,1H),8.27(s,1H),8.24(br s,1H),7.18(s,1H),7.17(q,1H),6.83(s,1H),6.81(s,1H),6.68(s,1H),6.61(t,1H),5.93(s,2H),5.58(br t,1H),4.18(d,2H)ppm.
中間体−34
中間体−30の合成について記載されるのと同じ条件を使用して、市販の3−フルオロ−4−メチルフェノールから中間体−34、無色油を全体収率44%で調製した。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.25(t,1H),6.63(dd,1H),6.58(dd,1H),4.53(s,2H),1.00(s,9H),0.24(s,6H)ppm.
中間体−36
この中間体を中間体−17から2つのステップで調製した。
ステップ1:3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(90mg、0.34mmol)を室温でジメトキシエタン(3mL)に溶解した。カリウムtert−ブチラートのtert−ブタノール中溶液(1.0M、0.69mL、0.69mmol)および中間体−35(165mg、0.52mmol)を連続で添加し、混合物を60℃で1時間加熱した。冷却溶液を酢酸エチル(80mL)で希釈し、水(2×10mL)、食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発によって濃縮した。溶離液としてヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いるSiO2上でのクロマトグラフィーによって、生成物(38mg、収率22%)が無色ガラスとして得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ 8.47(s,1H),8.40(d,1H),7.33(s,1H),6.80(t,1H),6.52(dd,1H),6.46(dd,1H),5.88(s,2H),4.18(s,3H),0.94(s,9H),0.15(s,6H)ppm.
ステップ2:濃塩酸水溶液(0.3mL、3.0mmol)をメタノール(1mL)中の中間体−35(60mg、0.12mmol)に添加し、混合物を密閉バイアル中60℃で一晩加熱した。溶媒を真空下で除去し、脱メチル化残渣(44mg、収率99%)を次の反応に直接持ち越した。LCMS(m/e)370(M−H)。オキシ塩化リン(1.0mL、10.7mmol)中残渣(44mg、0.12mmol)を50℃で5時間加熱し、次いで、溶媒を真空下で除去した。残渣をエーテル/ヘキサンで擦り、再乾燥させると、粗中間体−36が白色固体(14mg、収率20%)として残った。これを特性評価することなく次の反応に持ち越した。
化合物184
中間体−36(14mg、0.036mmol)および2−(アミノメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(28mg、0.14mmol)を密閉バイアル中でジメチルスルホキシド(1mL)に溶解し、溶液を125℃で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(3×5mL)、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過および回転蒸発によって残渣が得られ、これを、溶離液として水/アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)の勾配を用いる分取逆相HPLCによって精製した。生成物が白色固体(2mg、収率8%)として得られた。
1H−NMR(500MHz,d6−acetone)δ 9.00(br s,1H),8.93(s,1H),8.33(d,1H),7.80(br t,1H),7.40(s,1H),7.21(t,1H),7.05(s,1H),6.59(dd,1H),6.55(dd,1H),5.83(s,2H),4.18(d,2H)ppm.
化合物207
標記化合物を2つのステップにわたって調製した:
ステップ1:N’−(シアノメチル)−1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボヒドラゾンアミド(中間体−28)の合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(1当量、この中間体は以前の特許出願公開である国際公開第2013/101830号パンフレットに記載された)のDMF中懸濁液に、ヒドラジン水和物(1.5当量)を添加し、内容物を23℃で1時間攪拌した。その後、2−ブロモアセトニトリル(4当量)およびトリエチルアミン(5当量)を添加し、反応物を23℃で2時間攪拌した。溶液を酢酸エチルと水の1:1混合物で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせ、水(3×)および食塩水で洗浄した。内容物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中メタノール勾配を利用する)を介した、得られた残渣の精製によって、所望の中間体、N’−(シアノメチル)−1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボヒドラゾンアミド(397mg、収率75%)が黄色泡として得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.41−8.47(m,1H),7.17−7.28(m,1H),6.92−7.11(m,3H),6.75−6.87(m,1H),6.50−6.63(m,1H),5.86(s,2H),5.02(s,2H),3.90−4.06(m,3H).
ステップ2:化合物207の合成
N’−(シアノメチル)−1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボヒドラゾンアミド(1当量、中間体−28)のエタノール中溶液を40分間70℃に加熱した。反応混合物を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウムの1:1混合物に注ぎ入れた。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。得られた残渣の逆相HPLCを介した精製によって、所望の化合物(9mg、収率7%)が白色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ ppm 8.82(d,1H),8.31(s,1H),7.62(s,1H),7.23−7.35(m,1H),6.88−7.16(m,4H),5.96−6.08(m,2H).
化合物198
ナトリウムエトキシド(7.8当量)および化合物207(1当量)のメタノール中懸濁液を150℃で30分間電子レンジにかけた。溶媒を真空中で除去し、粗残渣を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液に分配した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。逆相HPLC(水w/0.1%トリフルオロ酢酸中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)を介した精製によって、所望の化合物、化合物198(6mg、収率23%)が黄褐色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,MeOD)δppm 8.36(s,1H),7.89(s,1H),7.36−7.32(m,1H),7.16−7.09(m,2H),7.00−6.97(s,1H),6.01(s,2H),2.61(s,3H).
化合物199
0℃の中間体−20(1当量、この化合物の合成は特許出願公開である国際公開第2014/144100号パンフレットに記載された)、4−ジメチルアミノピリジン(0.1当量)および2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(1.5当量)のジクロロメタン中懸濁液を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.9当量)で処理した。10分後、溶液を23℃に加温し、次いで、15時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンに希釈し、1N塩酸水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンに入れ、0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸を添加し、得られた溶液を2時間の期間にわたって23℃に加温した。次いで、溶媒を真空中で除去し、逆相HPLC(水w/0.1%トリフルオロ酢酸中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)を介した精製によって、所望の化合物、化合物199(43mg、収率54%)が白色固体(TFA塩の形態)として得られた。
1H−NMR(500MHz,MeOD)δppm 8.84(s,1H),8.31(d,1H),7.66(s,1H),7.34−7.30(m,1H),7.14−7.06(m,2H),6.98−6.95(m,2H),6.03(s,2H),4.58(t,2H),4.08(t,2H),3.90(s,2H).
化合物I−200
0℃の中間体−20(1当量、この化合物は以前の特許出願公開である国際公開第2014/144100号パンフレットに記載された)、2−(ピペリジン−1−イル)酢酸(1.5当量)および4−ジメチルアミノピリジン(0.1当量)のジクロロメタン(13mL)中溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.3当量)を一度に添加した。溶液を直ちに23℃に加温し、15時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、逆相HPLC(水w/0.1%トリフルオロ酢酸中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)を介した精製によって、所望の化合物、化合物I−200(55mg、収率69%)が白色固体(TFA塩の形態で得られた)として得られた。
1H−NMR(500MHz,MeOD)δppm 8.85(s,1H),8.30(d,1H),7.64(s,1H),7.35−7.31(m,1H),7.15−7.07(m,2H),7.00−6.98(m,2H),6.03(s,2H),4.59(t,2H),4.14(s,2H),4.09(t,2H),4.58(br s,2H),3.02(br s,2H),1.95−1.78(m,5H),1.52(br s,1H).
化合物I−201
中間体−37(1当量、この中間体は以前、特許出願公開である国際公開第2014/144100号パンフレットに記載された)およびナトリウムエトキシド(5当量)の1滴の水を含むメタノール中懸濁液を150℃で30分間電子レンジにかけた。溶媒を真空中で除去し、粗残渣を飽和塩化アンモニウム水溶液および酢酸エチル(1:1比)に入れた。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。逆相HPLC(水w/0.1%トリフルオロ酢酸中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)を介した精製によって、所望の化合物、化合物201(15mg、収率20%)が黄色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,MeOD)δppm7.84(s,1H),7.83(s,1H),7.35−7.31(m,1H),7.15−7.08(m,1H),6.95−6.92(m,1H),5.98(s,2H),2.60(s,3H).
化合物202
中間体−20(1当量、特許出願である国際公開第2014/144100号パンフレットに記載された)、4−ジメチルアミノピリジン(0.1当量)および1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−2−カルボン酸(1.5当量)のジクロロメタン中0℃懸濁液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.8当量)を添加した。溶液を直ちに23℃に加温し、さらに24時間攪拌した。溶液をジクロロメタンおよび1N塩酸水溶液(2:1比)に注ぎ入れた。層を分離し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣をジクロロメタンに入れ、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(DCMの1/3体積)で処理した。溶液を0℃で1時間攪拌し、その時点で、溶媒を真空中で除去し、逆相HPLC(水w/0.1%トリフルオロ酢酸中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)を介した精製によって、所望の化合物、化合物202(76mg、収率97%)が白色固体(TFA塩の形態)として得られた。
1H−NMR(500MHz,MeOD)δppm 8.86(s,1H),8.35(d,1H),7.68(s,1H),7.35−7.31(m,1H),7.15−7.07(m,2H),7.02−6.99(m,2H),6.04(s,2H),4.65−4.60(m,1H),4.58−4.53(m,1H),4.16−4.03(m,3H),3.43−2.99(m,1H),3.04−2.99(m,1H),2.29−2.26(m,1H),1.87−1.81(m,2H),1.76−1.57(m,3H).
化合物204
ナトリウムエトキシド(5.2当量)および中間体−38(1当量、以前の特許出願公開である国際公開第2014/144100号パンフレットに記載された)の1滴の水を含むメタノール中懸濁液を150℃で40分間電子レンジにかけた。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣をジクロロメタンおよび水(1:1比)に入れた。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。逆相HPLC(水w/0.1%トリフルオロ酢酸中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)を介した精製によって、所望の化合物、化合物204(6mg、収率7%)が白色膜として得られた。
1H−NMR(500MHz,MeOD)δppm 8.28(d,1H),7.78(s,1H),7.32−7.28(m,1H),7.14−7.10(m,1H),7.08−7.05(t,1H),6.86−6.83(t,1H),5.94(s,2H),4.48(q,2H),2.60(s,3H).
化合物205
N−(3−(ジメチルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)アリリデン)−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(2.4当量)、1−(2−フルオロベンジル)−5−(イソオキサゾール−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(1当量、この中間体は以前の特許出願公開である国際公開第2013/101830号パンフレットおよび国際公開第2014/144100号パンフレットに記載された)およびトリエチルアミン(2.4当量)のアセトニトリル中懸濁液を23℃で3時間攪拌した。反応混合物を水およびジクロロメタン(1:1比)に注ぎ入れた。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50%酢酸エチル)を介した精製によって、所望の化合物、化合物205(55mg、収率91%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δppm 9.08(s,2H),8.51(s,1H),7.55(s,1H),7.25−7.21(m,1H),7.08−7.04(m,1H),7.00(t,1H),6.91−6.88(m,1H),6.64(s,1H),6.06(s,2H).
化合物206
ピコリン酸(1.46当量)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.3当量)、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.1当量)および中間体−20(1当量、以前の特許出願公開である国際公開第2014/144100号パンフレットに記載された)のジクロロメタン中溶液を室温で20時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール)を介して精製すると、所望の化合物、化合物206(59mg、収率93%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δppm 9.29(br s,1H),8.78(br s,1H),8.50(s,1H),8.37(br s,1H),8.24(br s,1H),7.49(br s,1H),7.43(br s,1H),7.24−7.21(m,1H),7.07−6.99(m,2H),6.91(br s,1H),6.66(s,1H),5.99(s,2H),4.71(br s,2H),4.16(br s,2H).
化合物217
この化合物を以下で作成した
ステップ1:2−(2−フルオロフェニル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミドの合成
ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.2当量)および2−(2−フルオロフェニル)アセトニトリル(1当量)のメタノールおよび水(5:1比)中溶液に重炭酸ナトリウム(2.4当量)を添加した。70℃で20時間攪拌した後、メタノールを真空中で除去し、得られた溶液を水およびジクロロメタン(1:2比)で希釈した。層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、所望の中間体、2−(2−フルオロフェニル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド(1.13g、収率90%)が白色固体として得られた。
ステップ2:エチル2−(2−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレートの合成
プロピオル酸エチル(1.08当量)および2−(2−フルオロフェニル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド(1当量)のエタノール中溶液を5時間80℃に加熱し、この時点で、溶媒を真空中で除去した。得られた残渣をジフェニルエーテルに入れ、14時間170℃に加熱した。黒色反応混合物をヘキサン(ジフェニルエーテルの4倍体積)に注ぎ入れ、24時間攪拌した。次いで、ヘキサンをデカントして粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜5%メタノール)を介した精製によって、所望の中間体、エチル2−(2−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート(1.8g、収率27%)が黒色固体として得られた。
ステップ3:エチル2−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボキシレートの合成
エチル2−(2−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート(1当量)および炭酸セシウム(1.2当量)のアセトニトリル中懸濁液をヨードメタン(1当量)で処理した。室温で2時間攪拌した後、溶媒を真空中で除去し、黒色残渣をジクロロメタンおよび水(4:3比)で希釈した。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜80%酢酸エチル)を介した精製によって、所望の中間体、エチル2−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボキシレート(375mg、収率36%)が暗色油として得られた。
ステップ4:2−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボキシイミドアミド塩酸塩(中間体−21)の合成
塩化アンモニウム(5.5当量)のトルエン中懸濁液を、10分間の期間にわたって、トリメチルアルミニウム(5当量、トルエン中2N溶液)で処理した。40分間攪拌した後、溶液をエチル2−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボキシレート(1当量)に添加し、得られた懸濁液を6時間80℃に加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、メタノールを滴加した。反応混合物を23℃に加温し、さらに1時間攪拌した。得られたスラリーを、celiteを通して濾過し、次いで、4:1ジエチルエーテル/メタノール、引き続いて1:1ジクロロメタン/メタノールで洗浄すると、所望の中間体、2−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボキシイミドアミド塩酸塩(240mg、73%)が固体として得られた。
ステップ5:化合物217の合成
1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(1当量)、ナトリウム3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(3.06当量)および2−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボキシイミドアミド塩酸塩(1当量)のエタノール中懸濁液を密閉バイアル中で15時間80℃に加熱した。溶媒を真空中で除去し、粗残渣をメタノールに懸濁し、固体を濾別し、濾液の逆相HPLC(水w/0.1%トリフルオロ酢酸中5〜75%アセトニトリル、20分勾配)を介した精製によって、所望の化合物(29mg、収率63%)が黄褐色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δppm 8.17(d,1H),8.00(s,1H),7.42−7.37(m,1H),7.34−7.30(m,1H),7.24−7.16(m,2H),4.42(s,2H),3.79(s,3H).
化合物196
この化合物を5つのステップで調製した:
ステップ1:エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−メルカプト−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1.8当量)およびローソン試薬(1当量)のトルエン(10mL)中懸濁液を2時間120℃に加熱した。溶媒を真空中で除去し、粗残渣をジクロロメタンに入れた。得られた固体を濾別し、濾液をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50%酢酸エチル)を介して精製すると、所望の中間体、エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−メルカプト−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(305mg、収率55%)が油として得られた。
ステップ2:エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
炭酸カリウム(2当量)およびエチル1−(2−フルオロベンジル)−5−メルカプト−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)のテトラヒドロフラン中懸濁液をヨードメタン(1当量)で処理した。1.5時間後、溶液を酢酸エチルおよび水(1.5:1比)で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜40%酢酸エチル)を介した精製によって、所望の中間体、エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(32mg、収率61%)が油として得られた。
ステップ3:エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)のジクロロメタン中0℃溶液を70%3−クロロベンゾペルオキソ酸(3−chlorobenzoperoxoic acid)(3当量)で処理した。溶液を直ちに23℃に加温した。3.5時間後、反応混合物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ入れた。層を分離し、有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜40%酢酸エチル)を介した精製によって、所望の中間体、エチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(180mg、収率89%)が透明な油として得られ、これは静置すると凝固した。
ステップ4:1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩
塩化アンモニウム(5.5当量)のトルエン中懸濁液に、トリメチルアルミニウム(5.1当量)をトルエン中2M溶液として添加した。30分間攪拌した後、起泡が収まり、溶液をエチル1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1当量)に添加した。得られた溶液を90℃で14時間攪拌した。溶液を0℃に冷却し、メタノール(5.5当量)を3分間の期間にわたって滴加した。次いで、懸濁液を直ちに23℃に加温し、1時間攪拌した。celiteを通して懸濁液を濾過した後、濾過ケークを50:50メタノール/ジクロロメタン5mLで洗浄すると、所望の中間体、1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド(52mg、収率28%、HCl塩)が白色固体として得られた。
ステップ5:化合物196の合成
1−(2−フルオロベンジル)−5−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(1当量)、ナトリウム3−エトキシ−2−フルオロ−3−オキソプロパ−1−エン−1−オラート(3.1当量)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1当量)のエタノール中懸濁液を4時間90℃に加熱した。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣をジクロロメタンに入れ、固体を濾別した。シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜5%メタノール)を介した濾液の精製によって、所望の化合物、化合物196(27mg、収率47%)が白色固体として得られた。
1H−NMR(500MHz,DMSO)δppm 13.42(br s,1H),8.15(br s,1H),7.60(s,1H),7.43−7.39(m,1H),7.29−7.25(m,1H),7.21−7.18(m,1H),7.14−7.12(m,1H),5.80(s,2H),3.41(s,3H).
化合物I−188
tert−ブチル3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(1当量)およびリチウムtert−ブトキシド(2当量)のジメトキシエタン(2ml)中溶液を60℃で5分間攪拌した。これに4−(ブロモメチル)−2−フルオロ−1−メチルベンゼン(1.1当量)を添加し、反応物を60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を窒素流下で除去した。結果として生じた固体をメタノール(0.5ml)および濃HCl水溶液(140μl)に溶解し、60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、化合物I−188(2.2mg、収率6%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.81(m,1H),8.06(m,1H),7.45(m,1H),7.17(m,1H),6.97(m,2H),6.91(m,1H),5.89(s,2H),2.22(m,3H).
化合物I−208
1−(ブロモメチル)−2−フルオロ−4−メチルベンゼンをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−188と同じ手順を用いてこの化合物を合成して、生成物(7.2mg、収率30%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.79(s,1H),8.04(m,1H),7.43(s,1H),6.90(d,4H),5.93(s,2H),2.30(s,3H).
化合物I−197
1−(ブロモメチル)−3−フルオロベンゼンをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−188と同じ手順を用いてこの化合物を合成して、所望の生成物(3.5mg、収率15%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.81(d,1H),8.04(d,1H),7.46(s,1H),7.32(d,1H),7.09(d,1H),7.02(m,2H),6.92(d,1H),5.94(s,2H)
化合物I−213
1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−188と同じ手順を用いてこれを合成して、生成物(2mg、収率8%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.81(d,1H),8.03(d,1H),7.42(s,1H),7.34(m,2H),7.03(s,2H),6.90(m,1H),5.90(s,2H).
化合物I−186
4−(ブロモメチル)−1−メチル−1H−ピラゾールをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−188と同じ手順を用いてこれを合成して、生成物(6.5mg、収率20%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 13.12(m,1H),9.15(d,1H),8.12(br.s.,1H),7.70(s,1H),7.52(s,1H),7.45(s,1H),7.22(d,1H),5.65(s,2H),3.75(s,3H).
化合物I−212
5−(ブロモメチル)−1−メチル−1H−ピラゾールをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−188と同じ手順を用いてこれを合成して、生成物(1.8mg、収率6%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 13.18(m,1H),9.15(d,1H),8.10(m,1H),7.58(s,1H),7.26(dd,2H),6.05(s,1H),5.90(s,2H),3.96(s,3H).
化合物I−211
5−(ブロモメチル)イソオキサゾールをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−188と同じ手順を用いてこれを合成して、生成物(5.1mg、収率16%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 13.16(m,1H),9.15(d,1H),8.53(d,1H),8.06(m,1H),7.61(s,1H),7.27(d,1H),6.41(s,1H),6.04(s,2H).
化合物I−214
2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネートをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−188と同じ手順を用いてこれを合成して、生成物(8.5mg、収率27%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 8.88(d,1H),8.07(d,1H),7.52(s,1H),7.02(d,1H),5.60(d,2H).
化合物I−216
tert−ブチル3−(3−(5−フルオロ−4−メトキシピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)イソオキサゾール(1当量)、トリフェニルホスフィン(1.5当量)およびピリミジン−5−イルメタノール(1.5当量)のジクロロメタン/THF1:1(2ml)中溶液を0℃に冷却した。これに、ジエチルアゾジカルボキシレート(1.5当量)を添加し、反応物を一晩室温に加温した。反応物を窒素流下で濃縮し、メトキシ中間体を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製した。所望の分画を濃縮乾固し、得られた固体をメタノール(0.5ml)および濃HCl水溶液(140μl)に溶解し、60℃で一晩攪拌した。周囲温度に冷却した後、溶媒を真空中で除去した。粗物質を、30〜80%アセトニトリル水0.1%ギ酸勾配を利用する逆相HPLCを介して精製すると、生成物(1.9mg、収率10%)が白色固体として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 9.07(s,1H),8.83(m,3H),8.02(d,1H),7.46(s,1H),6.96(d,1H),5.98(s,2H).
化合物I−215
ピリミジン−2−イルメタノールをアルキル化剤として使用したことを除いて、化合物I−216と同じ手順を用いてこれを合成して、生成物(1.4mg、収率4.3%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 13.13(m,1H),9.04(d,1H),8.73(d,2H),8.07(m,1H),7.65(s,1H),7.41(t,1H),7.23(s,1H),6.07(s,2H).
化合物191および192
中間体−39(2.0g、6.7mmol、ヒドラジンの添加後、中間体−28の合成中に得られた)、ジエチル2,2−ジメチル−3−オキソスクシネート(4.3g、20.0mmol)およびNaHCO
3(1.7g、20.0mmol)のトルエン(50mL)中混合物を100℃で一晩加熱し、次いで、室温に冷却し、Celiteを通して濾過した。濾過ケークを酢酸エチルですすぎ、溶媒を回転蒸発によって除去した。ヘキサン/酢酸エチルの勾配溶出を用いるSiO
2上での精製によって、2つの位置異性体生成物が固体として得られた。化合物191(0.82g、収率27%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.95(br s,1H),8.56(d,1H),7.48(s,1H),7.3−7.4(m,1H),7.0−7.1(m,3H),6.65(d,1H),5.97(s,2H),4.18(q,2H),1.57(s,6H),1.22(t,3H)ppm.化合物192(0.27g、収率9%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ 11.05(br s,1H),8.52(d,1H),7.28(s,1H),7.2−7.3(m,1H),7.0−7.1(m,2H),6.94(t,1H),6.63(d,1H),6.00(s,2H),4.21(q,2H),1.66(s,6H),1.22(t,3H)ppm.
化合物209
ステップ1:化合物191(0.13g、0.28mmol)をオキシ塩化リン(2.0mL、21.5mmol)に溶解し、溶液を105℃で1時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、3×5mL水、食塩水で洗浄し、次いで、Na
2SO
4上で乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチルの勾配溶出を用いるSiO
2上で精製すると、塩素化中間体が白色固体(100mg、収率77%)として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.52(d,1H),7.62(s,1H),7.2−7.3(m,2H),7.07(t,1H),6.64(d,1H),6.07(s,2H),4.22(q,2H),1.82(s,6H),1.23(t,3H)ppm.
ステップ2:ステップ1で調製した塩素化中間体(100mg、0.22mmol)を、アンモニア/ジオキサン(0.5M、10mL、10mmol)を含む密閉バイアル中105℃で2.5日間加熱した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、次いで、水(3×5mL)、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させた。乾燥剤を濾別し、溶液を真空下で濃縮し、残渣を、溶離液としてジクロロメタン/酢酸エチルの勾配を用いてSiO
2上で精製した。生成物が白色固体(19mg、収率20%)として得られた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.47(s,1H),7.68(br s,1H),7.20(q,1H),7.04(t,1H),6.96(t,1H),6.76(t,1H),6.62( br s,1H),6.07(s,2H),6.02(br s,2H),4.17(q,2H),1.72(s,6H),1.20(t,3H)ppm.
化合物195
中間体−36(35mg、0.09mmol)、(R)−2−(アミノメチル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパンアミド(60mg、0.35mmol)およびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.10mL、0.56mmol)をジメチルスルホキシド(1.5mL)中で混合し、95℃で8時間加熱した。溶液を室温に冷却し、水(2mL)で希釈し、1N HCl水溶液でpHを2〜3にした。溶液を酢酸エチル(50mL)と混合し、有機相を水(2×5mL)、食塩水で洗浄し、次いで、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発によって濃縮した。残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)の勾配を用いる分取分取逆相HPLCに供すると、生成物が白色固体(11mg、収率23%)として得られた。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.83(br s,1H),8.27(br s,1H),7.49(br s,1H),6.9−7.0(m,2H),6.5−6.6(m,2H),5.86(s,2H),4.35(d,1H),4.16(d,1H)ppm.注:全ての交換可能なプロトンが4.91ppmの残留HODピークの下に現れた。
化合物194
中間体1Bから、一般的手順Bにしたがって、および(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシプロパンアミドをアミン反応物質とし、内容物をジオキサン中溶液として5時間90℃に加熱して標記化合物を調製した。粗物質を逆相HPLCによって精製すると、所望の化合物(S)−2−((2−(5−アセチル−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパンアミド(8mg、0.019mmol、収率34%)が得られた。1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δppm 8.29(d,1H)7.71(s,1H)7.62(s,1H)7.30−7.36(m,1H)7.19−7.25(m,2H)7.11(t,1H)6.81(t,1H)5.83(s,2H)4.72(d,1H)3.77−3.86(m,2H),2.57(s,3H).
実施例2A:LC/MS検出を用いた、sGC−HEK−cGMPアッセイによる生物学的活性測定
可溶性グアニル酸シクラーゼを内因的に発現しているヒト胎児由来腎臓細胞(HEK293)を使用して試験化合物の活性を評価した。sGC酵素を刺激する化合物は、cGMPの細胞内濃度の上昇を引き起こすはずである。HEK293細胞を、50μL体積のウシ胎児血清(最終10%)およびペニシリン(100U/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)を補足したダルベッコ改変イーグル培地に、ポリ−リジンコーティングした384ウェル平底プレート中1.5×10
4個細胞/ウェルの密度で播種した。細胞を5%CO
2の加湿チャンバー中37℃で一晩インキュベートした。培地を吸引し、細胞を1×ハンクス緩衝生理食塩溶液(50μL)で洗浄した。次いで、細胞を、0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)溶液50μLと共に37℃で15分間インキュベートした。次いで、試験物質およびジエチレントリアミンNONOエート(DETA−NONOエート)溶液(試験物質溶液についてxμM濃度およびDETA−NONOエート溶液について10μM濃度;xは以下の濃度の1つである)
をアッセイ混合物に添加し、得られた混合物を37℃で20分間インキュベートした。20分のインキュベーション後、アッセイ混合物を吸引し、150ng/mL+3−cGMPを含有する10%酢酸(LCMSについての内部標準)(50μL)を細胞に添加した。プレートを酢酸溶液中4℃で30分間インキュベートして反応を停止し、細胞を溶解した。次いで、プレートを4℃で3分間、1000gで遠心分離し、上清をLCMS分析のために透明な反応プレートに移した。
cGMP濃度を、以下のLCMS条件(表2)および計算した標準曲線を用いて各試料から決定した。標準曲線を、cGMPの以下の最終濃度(ng/mL):1、5、10、50、100、250、500、1000、2000を用いて、150ng/mL+3cGMP(野生型より3ユニット高い重量の同位体標識cGMP)を含む10%酢酸で調製した。
以下の式を用いてデータを高対照に正規化した:100*(試料−低対照)/(高対照−低対照)(低対照は1%DMSOで処理した16個の試料の平均であり、高対照は30μMの以下に示される化合物Yで処理した16個の試料の平均である)。全ての化合物について、GraphPad Prism Software v.5.n=2を用いて、4パラメータ当てはめ(log(アゴニスト)対反応−可変傾斜)を用いてデータを当てはめた。絶対EC
50を曲線当てはめから内挿し、所与の化合物が高対照反応の50%を誘発する濃度として定義する。50%の最小反応を誘発することができない化合物を>30μMとして報告する。2連または2より多いn連で実施した化合物については、本明細書に示される結果が、得られたいくつかの結果の幾何平均となる。表3は、本アッセイにおける本発明の選択された化合物について得られた結果を要約している。
実施例2B:cGMP GloSensor細胞ベースアッセイ、384ウェルフォーマットによる生物学的活性測定
GloSensor(商標)40F cGMP(製品番号:CS182801、Promega)を発現しているヒト胎児由来腎臓細胞(HEK293)を使用して試験化合物の活性を評価した。これらの細胞に組み込んだ発光バイオセンサー(改変ルシフェラーゼ)が、sGC酵素を刺激する化合物によって形成されたcGMPを検出し、発光する。
cGMP GloSensor細胞を、ウシ胎児血清(FBS)(最終10%)およびハイグロマイシン(200ug/ml)を補足したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で維持した。アッセイ前日に、細胞を、ポリ−Dーリジンコーティングした384ウェル平白底プレート(Corningカタログ番号35661)中1.5×10
4個細胞/ウェルの密度で、50μL体積の10%FBSを含むDMEMに蒔いた。細胞を5%CO
2の加湿チャンバー中37℃で一晩インキュベートした。翌日、培地を取り出し、細胞を40ul/ウェルのGloSensor(商標)、2mM(Promegaカタログ番号E1291)と交換した。細胞を25℃で90分間処理して、基質を細胞と平衡化させた。試験化合物およびジエチレントリアミンNONOエート(DETA−NONOエート)を無血清CO
2非依存性培地中3mM(20×)に希釈し、4倍希釈で連続希釈して5倍用量曲線を作成し、そこから10ulをウェルに添加した(試験化合物要的についてはxμM濃度およびDETA−NONOエート溶液については10μM濃度;xは以下の最終濃度の1つである)。
動態研究のために、Envision(Perkin Elmerモデル番号)を用いて1ウェル当たり0.2秒間すぐに発光を測定した。エンドポイントSARスクリーニングのために、室温で55分のインキュベーション後にデータを収集した。
実施例2Aで上に示されるようにデータ分析を行った。
実施例3A:胸大動脈リングアッセイによる生物学的活性測定
胸大動脈リングを、体重275〜299gの麻酔した(イソフルラン)雄のスプラーグドーリーラットから切開する。組織を直ちに、95%O2および5%CO2で30分間通気した氷冷クレブス−ヘンゼライト液に移した。結合組織を除去した後、大動脈切片を4つのリング(それぞれ約2mm)に切断し、2つのL字型フックにかけ、一方のフックを組織浴(Schuler臓器浴、Harvard Apparatus)の底に固定し、他方を力変換器(F30 Force Transducer、Harvard Apparatus)に接続する。クレブス−ヘンゼライト液(10mL)を含有する浴を37℃に加熱し、95%O2および5%CO2で通気する。リングを0.3〜0.5gの初張力にし、60分間にわたって1.0gの静止張力に徐々に上げる。安定なベースラインが得られるまで、15分間間隔で、リングをクレブス−ヘンゼライト液(37℃に加熱し、95%O2および5%CO2で通気)ですすぐ。調節する必要なく1.0gの静止張力が維持された(約10分間)維持された後、リングを安定であるとみなす。次いで、10μg/mLのフェニレフリンストック溶液100uLを添加することによって、リングを100ng/mLフェニレフリンで収縮させる。次いで、安定な収縮を達成した組織を累積的、用量依存的様式で、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で調製した試験化合物で処理する。いくつかの場合、組織を5分間の器官にわたって3回クレブス−ヘンゼライト液(37℃に加熱し、95%O2および5%CO2で通気)ですすぎ、ベースラインで安定させ、次いで、他の試験物品またはDMSOの効果の特性評価に使用する。Harvard Apparatusによって提供されるHSE−ACADソフトウェアを用いて全てのデータを収集する。0%阻害として100ng/mLフェニレフリン処理の記録張力値および100%阻害として100μM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン処理の記録張力値を用いて、弛緩効果%をMicrosoft Excelで計算する。EC50値を、GraphPad Prism Softwareで作成した濃度−反応曲線から計算する。
実施例3B:胸大動脈リングアッセイ、代替法による生物学的活性測定
代替胸大動脈リングアッセイとして、0%阻害として100ng/mLフェニレフリン処理の記録張力値を使用して弛緩効果%を計算し、組織を緩衝液で洗浄後、組織の元の静止張力を100%阻害として使用することを除いて、実施例3の手順を使用する。
実施例4:スプラーグドーリーラットの血圧変化
雄ラット(体重250〜350g、Harlan Laboratoriesによって供給)を、ケタミン/キシラジンで麻酔し、ヘパリン添加生理食塩水液体充填カテーテルを右大腿動脈に埋め込んだ。カテーテルを肩甲骨間で露出させ、キャップし、動物を化合物試験前、手術後少なくとも7日間回復させた。試験前に動物を正常な食餌で維持し、12時間明暗周期下、飲料水を自由に入手できるようにした。
実験日に、吸入イソフルラン麻酔下で、カテーテルのキャップを外し、テザー(Instech Labs)および圧力変換器(Harvard Apparatus)と接続した。をその後、血圧および心拍数を捕捉し、専用データ補足システム(PowerLab、ADInstruments)で分析した。データサンプリング速度を1秒当たり1サイクルに設定した。いったん接続したら、各ラットを麻酔から回復させ、ベースライン血圧および心拍数レベルをこれらの意識のある自由に動く動物で確立した。いったんベースラインを確立したら、ビヒクル(0.5%メチルセルロースもしくは100%PEG400)または試験物品を経口投与し(PO、10mg/kg)、血圧および心拍数に対する効果を最大24時間監視した。
データを1時間平均として報告し、血圧の変化を1時間単位で個々のベースラインを減じることによって計算する(表4)。
実施例5:ジエチレントリアミンNONOエート(DETA−NONOエート)、一酸化窒素ドナーの存在下で行った精製ヒト組換えsGC α1β1酵素アッセイ。
Enzo Life Scienceから得られた精製ヒト組換え可溶性グアニル酸シクラーゼ酵素α1β1(hsGC)(P/N:ALX−201−177)を使用して試験化合物の活性を評価した。アッセイ反応物は、0.1M Tris(pH8.0)、0.5mg/mL BSA、2mM DTT、4mM MgCl2、30uM DETA NONOエート(Enzo Life ScienceP/N:ALX−430−014)および12.5ng/mlヒト可溶性グアニル酸シクラーゼ酵素を含有していた。次いで、DMSO中試験化合物を添加した(30uM最終濃度で始める10点曲線にわたる化合物の3倍滴定、全ての試料は3%DMSO最終濃度を有していた)。グアノシン5’−三リン酸(Sigma−Aldrich P/N:G8877)を300μMの最終濃度まで添加し、酵素反応物を37℃で20分間インキュベートした(100μL、384ウェルプレートフォーマット)。対照は3%DMSO(低対照)または30uMの化合物Y(高対照)を含有していた。20分のインキュベーション後、氷冷20%酢酸100μLを添加して反応を停止した。
製造業者の指示により、cGMP HTRF(Cisbio P/N:62GM2PEC)アッセイを用いて、全ての試料のcGMP濃度を測定した。GraphPad Prism Software v.6を用いて、4パラメータ当てはめ(log(阻害剤)対反応−可変傾斜)を用いてcGMP標準曲線を当てはめた。試料を適当に希釈して、確実に値が標準曲線の線形範囲に入るようにした。
GraphPad Prism Software v.6を用いて、4パラメータ当てはめ(log(アゴニスト)対反応−可変傾斜)を用いてデータを当てはめた。EC
50を曲線当てはめから内挿し、化合物が化合物Y、高対照化合物の30uMの最大反応の50%を誘発する濃度として定義する。
実施例6:動物モデル説明:
吸入sGC刺激剤を用いた血行動態の子ヒツジモデル
(“Inhaled Agonists of Soluble Guanylate Cyclase Induce Selective Pulmonary Vasodilation”,Oleg V.et al,American J of Resp and Critical Care Medicine,Vol 176,2007,p1138)
sGC刺激剤を含有する新規な乾燥粉末微粒子製剤の吸入が、公開された手順にしたがって、急性肺高血圧の子ヒツジにおいて選択的肺血管拡張をもたらすかどうかを試験することが可能である。この系でsGC刺激剤の微粒子と吸入一酸化窒素(iNO)の組み合わせ投与を評価することも可能である。最後に、iNO(誘導型一酸化窒素合成酵素)に対する反応が損なわれた場合に、sGC刺激剤の微粒子を吸入することによって、肺血管拡張がもたらされるかどうかを調べることが可能である。
プロトコル:血管カテーテルおよび気管切開チューブを装着された覚醒している自発呼吸子ヒツジに、U−46619を静脈内注入して平均肺動脈血圧を35mmHgに上昇させる。BAY41−2272、BAY41−8543またはBAY58−2667と賦形剤(ジパルミトイルホスファチジルコリン、アルブミン、ラクトース)とで構成された微粒子の吸入によって、平均動脈血圧に対する有意な効果はなく、用量依存性肺血管拡張および肺内外cGMP放出の増加がもたらされた。BAY41−8543またはBAY58−2667を含有する微粒子の吸入は、全身動脈酸素付加を増加させた。iNOによって誘導された肺血管拡張の大きさおよび持続時間は、BAY41−8543微粒子吸入後に増加した。sGCの補綴ヘム基を酸化する1H−[1,2,4]オキサジアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン(ODQ)の静脈内投与によって、iNOの肺血管拡張効果が著しく減少した。対照的に、BAY58−2667微粒子吸入によって誘導された肺血管拡張および肺内外cGMP放出は、ODQによる処理後に大いに増大した。よって、sGCのアゴニストを含有する微粒子の吸入は、特に、iNOに対する反応性がsGCの酸化によって損なわれている場合に、肺高血圧の患者にとって有効な新規な治療を提供し得る。注:BAY41−2272、BAY41−8543はsGC刺激剤であり、BAY58−2667はsGC活性化剤である。
気管支拡張を評価するための、電気フィールド刺激モルモット気管平滑筋インビトロ(生体外)モデル
下記のシステムを用いることによって、sGC刺激剤の気管支拡張効果を評価することが可能である。このシステムは、いくつかのsGC刺激剤の作用の効力、有効性および持続時間を決定すること、ならびに血圧または心拍数変化などの潜在的な副作用を評価することを可能にする。
動物:モルモット、Dunkin Hartley、雄、完全障壁飼育で、実験日に525〜609gで受領時に特定の微生物を有さないことが保証されている、Harlan UK Ltd.モルモットを管理環境(気流、温度および湿度)中Gold Flake床敷を備えた固体床ケージに4匹の群で収容する。食餌(FD1、Special Diet Services)および水を自由に与える。
EFSに反応したモルモット気管平滑筋収縮化合物効力および有効性の評価:
各実験日に、上昇する濃度のCO2に暴露することによってモルモットを屠殺し、気管を取り出す。器官から付着した組織を除去し、筋肉の反対側の線で長軸方向に切開し、広げ、2〜3個の軟骨リング幅の条片に切り分ける。綿ループを各気管条片の一端に取り付け、一定の長さの綿を他端に取り付ける。次いで、気管条片を、Myobathシステム(World Precision Instruments Stevenage、英国)で、組織保持体を用いて、2本の白金電極間にかける。ループを組織保持体の底のフック上に取り付け、他端をFORT10力変換器(World Precision Instruments Stevenage、英国)のアームに取り付けて、確実に組織が2本の白金電極の間に位置するようにする。次いで、アセンブリ全体を、カルボゲンを通気させた、37℃の修正クレブス−ヘンゼライト緩衝液を含有する10ml組織浴に下げる。1g張力を組織の各片に印加し、組織を洗浄し、引き続いて1時間の安定化期間とする。いったん組織を安定化させたら、電気フィールド刺激用の装置を設定して、DS8000 8チャネルデジタル刺激装置(World Precision Instruments Stevenage、英国)を用いて、2分毎に、ゲート化単極性パルスにより周波数80Hzパルス幅0.1msの刺激を送る。電圧応答曲線を2、4、6、7、8、10、12Vおよび次いで、実験の残り中に各組織に印加するよう選択された最大下電圧で各気管条片に行う。最大下電気フィールド刺激(EFS)を用いて、モルモット気管平滑筋(GPTSM)収縮を誘発する(Coleman et al.*に記載されているようにメタコリンまたはヒスタミンなどの収縮因子物質を用いることによって収縮を誘発することも可能である)。化合物を3×10−2Mで100%DMSOに溶解し、分割量を−200℃で保管する。別の分割量を各実験に使用する。組織をクレブス緩衝液で洗浄し、前に決定した最大下電圧を用いて1時間刺激して、化合物活性を評価する前に安定なベースライン収縮を確立する。
次いで、各試験物質に対する累積的用量反応曲線(DRC)を行い、平滑筋収縮の変化を測定する。各実験での各試験物質の効果を、適切なビヒクル対照に正規化したベースライン濃度の阻害百分率として表す。3匹の異なる動物の組織を用いて、実験を3回行う。全3つの実験からのデータをプールし、DRCプロットし、試験物質効力および有効性を決定する。イプラトロピウム臭化物の効力を試験化合物と一緒に評価し、IC50が0.86nM(95%Cl、0.78〜0.94)と決定され、以前システムでもたらされたデータと一致している。
Novel and Versatile Superfusion System.Its use in the Evaluation of Some Spasmogenic and Spasmolytic Agents Using Guinea pig isolated Tracheal Smooth Muscle.”,R.A.Coleman et al.,J.Pharmacol.Methods,21,71−86,1989.
CFTR機能の変化が必然的に関与している疾患についてのマウスモデル
これらの疾患は、嚢胞性繊維症、膵臓障害、消化管障害、肝障害、嚢胞性線維症関連糖尿病(CFRO)、ドライアイ、ドライマウスおよびシェーグレン症候群を含む。
δF508CFTRチャネルを発現しているまたは発現していないトランスジェニックマウスを使用することによって、下記の文献プロトコル(国際公開第2011095534号パンフレット参照)を用いて、試験sGC刺激剤の存在下で鼻の電位差および唾液分泌に対する差を測定することが可能である。
δ(.6.)50S−CFTRマウスにおける唾液分泌アッセイ
15匹の雄および雌のホモ接合型、ヘテロ接合型.6.50S−CFTR(12世代超にわたってFVB遺伝的背景で戻し交配した、元々、Erasmus University、Rotterdamから得た;両性別とも10〜14週齢および体重1S−36g)をこのアッセイに使用した。0.07、0.14および0.42mg/kg BWの濃度のバルデナフィル溶液を無菌生理食塩水に20調製した一方で、sGC刺激剤BAY41−2272を、50%ddH20、40%PEG400(ポリエチレングリコール400)および10%エタノールを含有する溶液に0.01、0.03、0.1および0.3mg/kg BWで溶解した。物質または適当なビヒクルを、唾液分泌アッセイの60分前に腹腔内注射(5ml/kg BW)を介してマウスに投与した。60分後、マウスに25ケタミンとジアゼパムの組み合わせで麻酔した。溶液を、8ml中無菌生理食塩水中5mg/mlジアゼパム1mlおよび100mg/mlケタミン1mlを含有するように調製した。溶液(10ml/kg BW)の腹腔内注射によって麻酔を誘導した。麻酔後、コリン受容体の交差刺激を回避するために、1mMアトロピン(50 1−11)を左頬に皮下注射して、マウスを前処理した。Whatmanフィルタ5紙の小片を前に注射した頬の内側に4分間入れて、アトロピンの注射後に分泌された唾液を吸収した。濾紙のこの最初の小片を取り出し、第2の予め秤量した濾紙と交換した。その後、100I−IMイソプレナリンおよび1mMアトロピンを含有する溶液50 1−11を左頬の同じ部位に注射して、アドレナリン作動性機構による唾液分泌を誘導した。10イソプレナリン注射の時間を時間0とみなし、濾紙小片を30分の総回収期間中10分毎に交換した。濾紙の各小片を直ちに予め秤量したバイアルに入れ、密閉した。全ての試料を回収した後、各バイアルを再測定し、全試料の重量を記録した。唾液15を回収する前および回収した後に測定したバイアル+紙の総重量の差を、回収期間中に分泌された唾液の正味重量とみなした。唾液分泌の総量を、唾液の重量÷各回収に要した分の数として計算し、次いで、マウスの質量(g)に正規化した。結果を、プラセボ処理と比べてnマウスの平均増加割合として表す。一元ANOVA検定20、引き続いて、ポストホックボンフェローニ分析によって統計を分析した;*/**/***はp値<0.05/<0.01/0.001で統計学的に有意であることを意味し、n.s.は有意でないことを意味する。
これらの動物試験を、いくつかのsGC刺激剤、sGC活性化剤およびPDE5阻害剤を用いて行った。結果は、本発明の化合物が嚢胞性繊維症、膵臓障害、消化管障害、肝障害、嚢胞性線維症関連糖尿病(CFRO)、ドライアイ、ドライマウスおよびシェーグレン症候群の治療に有用であることを示唆している。
神経筋障害
筋線維膜から筋形質への神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の誤った局在化が、損なわれた運動性状態および異化ストレスに関連する広範囲の非ジストロフィー性神経筋状態で観察されることが以前示された。種々の遺伝性および後天性の形態の神経筋障害を有する患者の筋生検を評価するための1つのツールは、nNOSの筋細胞膜局在化の評価である。筋細胞膜のnNOSのレベルが可動性および機能的状態と相関することが分かった。
類似の評価を使用して、下記の文献プロトコルにしたがって、非ジストロフィー性ミオパシーの動物モデルでnNOS局在化を決定することができる(“Loss of sarcolemmal nNOS is common in acquired and inherited neuromuscular disorders”;E.L.Finanger Hedderick et al.,Neurology,2011,76(11),960−967)。
後天性筋萎縮のマウスモデルにおけるnNOSの誤った局在化
可動性が損なわれていない筋萎縮を証明する2つのマウスモデルが記載されている:高用量副腎皮質ステロイド療法および短期飢餓。ステロイドで処理したまたは48時間飢餓させたマウスは、全体的体質量および正規化した骨格筋量の有意な減少を示した。両モデルの骨格筋標本の形態計測的分析は、同齢対照と比べて、平均最小Feret線維直径の有意な減少によって定義される筋萎縮を証明した(各群についてn=5)。ジストロフィン、α−サルコグリカンおよびα−1−シントロフィンについての蛍光免疫染色は、完全なDGC複合体を示唆する正常なジストロフィン局在化を示した。しかしながら、ステロイド処理マウスと飢餓マウスの両者は筋細胞膜nNOS染色の非存在または重度の減少を示した。NOSファミリータンパク質(nNOS、eNOS、iNOS)についてのリアルタイムPCRは、ステロイド処理マウスにおける3つの転写産物のいずれの発現レベルの有意な差もないことを明らかにした(各群についてn=8)。さらに、nNOS、iNOSおよびeNOSについてのウエスタンブロット解析は、タンパク質レベルの差がないことを示した。
これらのマウス動物モデルを使用して、筋萎縮および関連する疾患状態の症状におけるsGC刺激剤(例えば、本発明のsGC刺激剤)の効果を評価することができるだろう。
飢餓マウスは、野生型マウスと比べて、nNOSおよびiNOS転写産物発現の1倍減少を示した(対照についてn=9、飢餓についてn=7)。しかしながら、nNOS、iNOSおよびeNOSのタンパク質レベルは、対照マウスと飢餓マウスとの間に差がないことを明らかにした(各群についてn=4)。これらのデータは、全体的な可動性が保存されている場合でさえ、重度の筋萎縮を有するマウスでnNOSの異常な局在化が起こることを証明しており、損なわれた可動性に加えて、異化ストレスなどの他の引き金が筋細胞膜nNOS損失に関連し得るという考えを支持している。
骨格筋nNOS局在化は冬眠中維持される(リスを用いた試験)
冬眠中のジュウサンセンジリスの骨格筋標本を使用して、維持された筋肉ホメオスタシスおよび完全性におけるnNOS局在化に対する不動および異化ストレスの影響を評価した。これらの動物は、冬眠中の骨格筋萎縮から保護された絶対冬眠哺乳動物である。ほぼ完全に不動およびカロリー摂取のない5か月間の冬眠にもかかわらず、筋細胞膜nNOS発現が保存される。これらのデータは、患者およびマウスのデータと合わせて、nNOS局在化の生化学的制御が複雑であり、重要なことに、保存された筋細胞膜nNOSが筋肉ホメオスタシスを維持するのに重要となり得ることを示している。
これらの結果はまた、(例えば、ここで記載されたものなどのsGC刺激剤により)異常なNOシグナル伝達を標的化することが、神経筋障害を有する広範な患者群に有益であることが分かることを示唆している。
筋ジストロフィー(BMDおよびDMD)のマウスモデル
進行性の骨格筋消耗を特徴とするベッカー型筋ジストロフィー(BMD)は、筋肉タンパク質ジストロフィンの突然変異によって引き起こされる。ヒト研究で、Martinら(“Tadalafil Alleviates Muscle Ischemia in Patients with Becker Muscular Dystrophy”;Elizabeth A.Martin et al.,Sci.Transl.Med.4,162ra155(2012);“Vascular−targetted therapies for Duchenne muscular dystrophy”;Ennen et al.,Skeletal Muscle,2013,3:9参照)は、BMDおよび7−年齢が一致した健康な男性対照と共に10人の患者の筋肉における反射***感神経性血管収縮の運動によって誘発される減弱を評価した。これは、運動の代謝要求を満たすために骨格筋の灌流を最適化する保護的機構である。反射性血管収縮を、模擬的起立性ストレスによって誘発し、前腕筋肉を静止し、律動的な握りの形態で軽く運動させながら、測定した。最初に、調査者は、反射性血管収縮の運動誘発性減弱が、共通のジストロフィン突然変異が神経型NO合成酵素(nNOS)の筋肉の筋細胞膜への標的化を妨害するBMDの患者10人のうちの9人で欠損していることを示した。次いで、二重盲検ランダム化プラセボ対照交差試験で、著者らは、タダラフィル、特異的PDE5阻害剤20mgの単一経口用量によって患者9人のうちの8人で正常な血流量調節が回復することを示した。
関連疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)のジストロフィン欠損mdxマウスモデルを用いることによって、NO経路に作用する薬物の効果を評価することが可能である。このモデルはまた、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)の阻害剤が、筋損傷および疲労をもたらし得る骨格筋微小血管の血管攣縮を含むジストロフィー表現型のいくつかの特徴を改善することを示した。
健康な骨格筋の運動では、筋細胞膜nNOS由来NOが局所的α−アドレナリン作動血管収縮を減弱し、それによって活発な筋肉の代謝要求を満たすように灌流を最適化する。この保護機構(機能的交感神経遮断(functional sympatholysis)と呼ばれる)が、mdxマウス(BMDおよびDMDのモデル)、nNOSヌルマウス、および機能的筋虚血を引き起こすDMDの男児では喪失している。機能的虚血の度重なる発作は、ジストロフィン欠損によって既に弱った筋線維の使用依存性傷害を加速し得るだろう。
mdxマウスでは、nNOSのトランスジェニック発現、筋細胞膜nNOSを回復する(およびそれによって、機能的交感神経遮断を回復する)ジストロフィンミニ遺伝子のトランスジェニック発現、NOS基質L−アルギニン(24、25)の投与、NO供与薬物による治療、および薬物タダラフィルまたはシルデナフィルによるホスホジエステラーゼ5A(PDE5A)阻害を含む、NOシグナル伝達を高める複数の戦略によって、ジストロフィー表現型の多くの特徴を改善することができる。血管平滑筋中でのグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)−NOの下流標的の半減期を延ばすこれらのPDE5A阻害剤が、mdxマウスにおいて、短期間の運動後の筋虚血、ならびに傷害および疲労を改善することが示された。また、これらの薬物が、mdxマウスにおいて、心力学を改善し、ジストロフィー骨格筋を助け、ジストロフィン欠損ゼブラフィッシュの生存を延ばすことが示された。
これらの知見は、ヒト骨格筋の運動で交感神経性血管収縮を調節することにおける筋細胞膜nNOSの必須の役割を支持し、(例えば、本発明のsGC刺激剤を用いることによる)異常NO経路の標的化が、ヒトのBMDおよびDMDを治療するための有用な治療的アプローチになり得ることを示唆している。
鎌状赤血球症
鎌状赤血球症(SCD)または鎌状赤血球貧血(SCA)または鎌状血球症は、異常な、硬い、鎌形状を呈する赤血球を特徴とする、遺伝性血液障害である。鎌状赤血球化は、細胞の可撓性を低下させ、種々の合併症のリスクをもたらす。鎌状赤血球化は、ヘモグロビン遺伝子の突然変異により起こる。消滅遺伝子の1つのコピーを有する個体は、正常なヘモグロビンと異常なヘモグロビンの両方を示す。これは共優性の例である。1994年、米国では、この状態の人の平均余命は男性で42年および女性で48年と推定されたが、今日では、疾患の優れた管理のおかげで、患者は70代以上まで生きることができる。
鎌状赤血球貧血は、HbSを引き起こす突然変異についてホモ接合性が存在する鎌状赤血球症の形態である。鎌状赤血球貧血は、「HbSS」、「SS疾患」、「ヘモグロビンS」またはこれらの名称の順列とも呼ばれる。ヘテロ接合性の人、すなわち、ただ1つの鎌状赤血球遺伝子と1つの正常な成人ヘモグロビン遺伝子を有する人では、この状態が「HbAS」または「鎌状赤血球形質」と呼ばれる。鎌状赤血球症の他のまれな形態は、人がHbSを引き起こす突然変異のただ1つのコピーと別の異常なヘモグロビン対立遺伝子の1つのコピーを有する複合ヘテロ接合性状態である。これらには、鎌状赤血球ヘモグロビンC症(HbSC)、鎌状ヘモグロビンβ−プラス−サラセミアサラセミア(HbS/β+)および鎌状ヘモグロビンβ−ゼロ−サラセミア(HbS/β0)が含まれる。
赤血球(RBC)鎌状化およびレオロジー異常が鎌状赤血球症の病態生理学にとって中心的であるが、鎌状赤血球(sRBC)、内皮細胞、血小板および白血球の間の複雑な相互作用から生じる血管機能障害が等しく重要な役割を果たす。鎌状赤血球症では、内皮活性化が、鎌状赤血球細胞によって媒介される低酸素−再灌流イベントに関連する(例えば、“Advances in understanding of the pathogenesis of cerebrovascular vasculopathy in sicke cell anemia”,P.Connes et al.,Br.J.Haematol.2013,161,484−98参照)。赤血球鎌状化および内皮への接着が、血流を損なうことによって血管閉塞を開始する。その後の炎症媒介因子および内皮活性化の波が、血管損傷をもたらすイベントのカスケードを誘因する。これらの血管閉塞イベントからの間欠性の低酸素−再灌流に対する病態生理学的反応は、細胞保護的媒介因子の同時阻害と共にサイトカイン産生増加、白血球上方制御ならびに凝血原および接着分子の活性化によって証明される。
白血球増多症は、ほぼ全ての鎌状赤血球症の徴候と相関し、鎌状血管障害の病態生理学における炎症の影響力のある役割を強調している。ベースラインでさえ、鎌状赤血球症患者は、C反応性タンパク質(CRP)、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン−1(IL−1)およびインターロイキン−8(IL−8)を含む炎症性サイトカインの上昇を示す。インビトロ試験は、sRBCがTNF−αおよびIL−1−β(8〜10)の内皮上方制御を促進することを示した。活性化単球のマイクロアレイ試験は、炎症、ヘム代謝、細胞周期制御、抗酸化反応および血管新生に関与する遺伝子の差次的発現を示した。より最近では、活性化B細胞の核因子κ−軽鎖増強因子(NFκB/p65)、クルッペル様因子2(KLF2)および他の転写因子が、脳卒中のリスクが増加した鎌状赤血球症小児で炎症経路を調節することが示された。
トランスジェニックマウスモデル(“Novel Therapies Targetting the Endothelium in sickle cell disease”,C.C Hoppe,Hemoglobin,35(5−6):530−546(2011)およびその中に引用されている参考文献参照)では、鎌状赤血球化誘導酸化ストレスが微小血管調節機構に影響を及ぼし、内皮活性化ならびに誇張された炎症および接着促進反応をもたらすことが示されている。活性酸素種(ROS)の形成を通して酸化ストレスが生じる。NOの枯渇が、ヘモグロビン(Hb)によって媒介される捕捉、ROSによる消費およびアルギナーゼによって媒介される基質枯渇を通して起こる。鎌状赤血球症では、通常循環する遊離Hbを除去する捕捉剤システムが飽和している。遊離HbはNOを枯渇させ、内皮機能障害をもたらす。結果として、血管収縮と血管拡張の正常なバランスが、血管収縮、内皮活性化、酸化ストレスおよび増殖性血管障害に向かって歪められる。
NOホメオスタシスを回復することに向けられた療法は、鎌状赤血球症の患者における予備研究で見込みを示した。以前のインビトロ研究および他の患者集団での研究は、内皮接着分子発現のNOによって媒介される下方制御を示した。これらの所見にしたがって、VOEを呈する鎌状赤血球症の小児で吸入NOの使用を試験したところ、低い疼痛スコア、減少した鎮痛要求および短い入院に向かう関連した傾向が見出された。
これらの知見が、鎌状赤血球症の成人患者の急性VOEを治療するための吸入NOを評価する近年のランダム化プラセボ対照試験で再現され、吸入NOが疼痛スコアを有意に低下させ、プラセボと比べた非経口モルヒネの使用減少への傾向と関連することを示した。急性VOEのために吸入NOで治療した成人鎌状赤血球症患者の完了した第II相臨床試験からの結果はまだ入手可能になっていない(clinicaltrials.gov NCT00023296)。鎌状赤血球症の小児でのVOE治療のための吸入NOの別の第II相臨床試験は完了すると予想される(clinicaltrials.gov NCT00094887)。鎌状赤血球症におけるACSのための吸入NOの可能な治療的役割は、現在、ACSの小児で吸入NOとプラセボまたは標準ケアの使用を比較する2つの別個のフランス第II相/第III相臨床試験において小児と成人の両方で評価されている(clinicaltrials.gov NCT01089439およびNCT00748423)。
NO合成酵素基質、L−アルギニンの栄養補充が、NO生物学的利用能増加の手段として鎌状赤血球症で大規模に研究されてきた。鎌状赤血球マウスでは、高用量の経口L−アルギニンが、Gardosチャネル活性、密集した細胞形成および溶血、ならびに血管反応性の機能的改善を低下させることが示された。
シルデナフィル、PDE5、NOの下流媒介因子を阻害することによって内因性NOの効果を増幅することを目指した薬剤は、原発性PHTを治療するために一般集団で広く使用されている。重度のPHTの鎌状赤血球症患者での予備研究は、シルデナフィルによる治療後のPAPおよび運動能力の改善を報告している。ドップラー法で定義されるPHTの鎌状赤血球症患者でシルデナフィルの安全性および有効性を試験する多施設治験(Treatment of Pulmonary Hypertension and Sickle Cell Disease with Sildenafil Therapy,Walk−PHaSST)は、高頻度の治療群のVOE、頭痛および視覚障害の増加率を含む重度の副作用のために早まって中止された。
亜硝酸塩およびナイアシンも直接NOドナー特性について調査されてきた。パイロット第I相/第II相臨床試験では、成人鎌状赤血球症患者における亜硝酸ナトリウム注入が、NOドナー作用機構と一致して前腕血流量を増加させた。より大きな第I相/第II相臨床試験が、現在、急性VOE中に補助的療法として投与される亜硝酸塩注入が微小血管血流量および組織酸素付加を改善するかどうかを調査している(clinicaltrials.gov NCT01033227)。内皮依存性血管拡張の改善に対するナイアシンの効果も、第II相ランダム化対照試験で評価されている(clinicaltrials.gov NCT00508989)。
上記の結果は、(例えば、本発明のsGC刺激剤を用いることによって)鎌状赤血球症の異常なNO経路を標的化することが、疾患を治療するための有用な療法となり得ることを示唆している。この疾患状態においてsGC刺激剤(例えば、本発明のsGC刺激剤)の効果を評価するために使用することができた鎌状赤血球貧血のマウスモデルは、Blood,2001,98(5),1577−84;J.Clin.Invest.2004,114(8),1136−45;およびBr.J.Haematol.,2004,124(3),391−402に記載されている。
膀胱機能障害
sGC活性化剤BAY60−2770が肥満マウスで過活動膀胱を改善することが示されている(“The Soluble Guanylyl Cyclase Activator BAY60−2770 ameliorates overactive bladder in obese mice”,Luiz O Leiria et al.,The Journal of Urology,2013,doi:10.1016/j.juro.2013.09.020.参照)。この刊行物に記載されている動物モデルを同様に使用してsGC刺激剤(例えば、本発明のsGC刺激剤)の過活動膀胱に対する効果を評価することができる。
同じ研究者グループが、膀胱機能障害のラットモデルも記載しており(NO欠損ラット、F Z Monica et al.,Neurology and Urodynamics,30,456−60,2011)、このモデルにおけるBAY−2272(sGC活性化剤)の保護効果を示している。この刊行物に記載されている動物モデルを同様に使用してsGC刺激剤(例えば、本発明のsGC刺激剤)の排尿平滑筋過活動に関連する膀胱機能障害に対する効果を評価することができる。
いくつかの実施形態を説明してきた。それにもかかわらず、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の修正を行うことができることが理解される。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上別段の意味を有することが明らかな場合を除き、複数形も同様に含む。「含む(comprise)」(ならびに「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」などの含む(comprise)の任意の形態)、「有する(have)」(ならびに「有する(has)」および「有している(having)」などの有する(have)の任意の形態)、「含む(include)」(ならびに「含む(includes)」および「含んでいる(including)」などの含む(include)の任意の形態)、「含有する(contain)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有している(containing)」などの含有する(contain)の任意の形態)という用語、およびその他の文法的変形はオープンエンドな連結動詞である。結果として、1つまたは複数のステップまたは要素を「含む(comprises)」、「有する」、「含む(includes)」または「含有する」方法または装置は、これらの1つまたは複数のステップまたは要素を有するが、これらの1つまたは複数のステップまたは要素のみを有することに限定されない。同様に、1つまたは複数の特徴を「含む(comprises)」、「有する」、「含む(includes)」または「含有する」方法のステップまたは装置の要素は、これらの1つまたは複数の特徴を有するが、これらの1つまたは複数の特徴のみを有することに限定されない。さらに、一定の方法で構成される装置または構造は、少なくともその方法で構成されるが、列挙されていない方法で構成されてもよい。
本明細書で使用される場合、「含んでいる(comprising)」、「有する」、「含んでいる(including)」、「含有している」という用語およびその他の文法的変形は、「からなる」および「から本質的になる」という用語を包含する。
「から本質的になる」という句またはその文法的変形は、本明細書で使用される場合、明言される特徴、整数、ステップまたは構成成分を指定するものとみなされるべきであるが、1つまたは複数の追加の特徴、整数、ステップ、構成成分またはその群の付加を排除せず、但し、追加の特徴、整数、ステップ、構成成分またはその群は主張される組成物、装置または方法の基本的および新規な特徴を実質的には変化させないものとする。
本明細書で引用される全ての刊行物は、あたかも個々の刊行物が完全に示されているように参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別的に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
参照により組み込まれる主題は、特に明示的に指示しない限り、いかなる請求項の限定の代替としても解釈されるべきでない。
1つまたは複数の範囲が本明細書の全体にわたって言及されている場合、各範囲は提示情報についての速記フォーマットであることを意図しており、この範囲はあたかも同じことが本明細書に完全に示されているように範囲内の各離散的点を方眼するものと理解される。
本発明のいくつかの態様および実施形態を本明細書において記載し、示してきたが、同じ目的を達成するために当業者が代わりの態様および実施形態を行うこともできる。したがって、本開示および添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲に入る全てのこのようなさらなるおよび代わりの態様および実施形態を網羅することを意図している。